JP2006091539A - 転写部材及び該転写部材を用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 像担持体上の画像を記録媒体に転写する画像形成装置に用いられる転写部材であって、表面をテトラヘデラルアモルファスカーボンでコーティングした転写部材、及び該転写部材を、記録媒体搬送部材又は中間転写部材として用いる画像形成装置。
【選択図】なし
Description
また、この汚染トナー等を除去するためスクレーパを適用すると、スクレーパ自身との摩擦により非常に短期間で表面層に傷や摩耗が発生し、クリーニング不良、転写不良、しいては画質の悪化に至る懸念がある。
即ち、本発明は、低トルク、低磨耗で、傷の発生がなく長寿命な転写部材、及び該転写部材を記録媒体搬送部材、或いは中間転写部材として用いることにより高画質画像を得ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
即ち、本発明の転写部材は、
<1> 像担持体上の画像を記録媒体に転写する画像形成装置に用いられる転写部材であって、表面をテトラヘデラルアモルファスカーボンでコーティングしたことを特徴とする転写部材である。
<2> 像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記像担持体表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記像担持体表面に形成された前記静電潜像をトナーにより現像して画像を得る現像手段と、前記像担持体表面に形成された前記画像を記録媒体表面に転写する転写手段と、前記記録媒体表面に転写された前記画像を定着する定着手段と、を少なくとも含む画像形成装置であって、
前記転写手段において、前記記録媒体が前記像担持体にニップ搬送せしめられるように配置された記録媒体搬送部材を有し、該記録媒体搬送部材として前記<1>に記載の転写部材を用いることを特徴とする画像形成装置である。
前記中間転写部材として前記<1>に記載の転写部材を用いることを特徴とする画像形成装置である。
本発明の転写部材は、表面をテトラヘデラルアモルファスカーボン(以下において、「ta−C」と略すことがある。)でコーティングしたことを特徴とし、像担持体上の画像を記録媒体に転写する画像形成装置において、記録媒体搬送部材或いは中間転写部材として用いられる転写部材である。
表面をta−Cでコーティングすることにより極めて高い耐磨耗性を得ることができ、汚染トナーや、スクレーパとの摩擦によって発生する傷や摩耗を効果的に防止することができる。また、ta−C層は非常に薄い層として形成することができるため、基材(導電層、弾性層などを含む、ta−C層の内側を構成する全ての層)の転写性能を阻害することがない。
尚、該ta−C層の膜厚としては、基材の転写性能を阻害せず、高い耐磨耗性を得るという観点から、2μm以下であることが好ましく、1.5μm以下であることがより好ましく、1μm以下であることが特に好ましい。一方、高い耐磨耗性を維持し、基材の性質に適応させるという観点から、下限は0.2μm以上であることが好ましい。
尚、特に限定されるわけではないが、ta−C層が薄膜に形成できるという観点から、コーティングされる基材の表面は平滑性を有していることが好ましく、具体的には、JIS−B0601(2001)に定義される表面粗さRzが5μm以下であることが好ましい。
以下、無端ベルト及び導電性ロールを具体例として、ta−Cがコーティングされる基材について説明する。
無端ベルトに用いられる構成樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、塩化ビニル系樹脂、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。これらは単独で若しくは2種以上併せて用いられる。これらの中でも、強度と屈曲疲労性の両面に優れている点で、ポリイミド樹脂が好適に用いられる。
以下、ポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法を工程毎に分けて詳細に説明する。
無端ベルトとして形成されるポリイミド樹脂は、ポリイミド前駆体を加熱しイミド化反応させることによって得られる。ポリイミド前駆体は、例えば、芳香族テトラカルボン酸成分と、芳香族ジアミン成分とを有機極性溶媒中で反応させて得られるものが挙げられる。
上記より得たポリイミド前駆体溶液を、円筒成形管の外周面又は内周面に塗布することにより、ポリイミド前駆体塗膜を形成する。該塗布の方法としては、例えば、ポリイミド前駆体溶液を円筒成形管の内周面に塗布する方式や、更に遠心成型をおこなう方式、或いは、外周面に浸漬する方式などの適宜な方式で行うことができる(特開昭61−95361号公報、特開昭64−22514号公報、特開平3−180309号公報等参照)。
また同様に、円筒成形管の外周面に塗布を行う場合であれば、該円筒成形管の外周面は平滑性を有していることが好ましく、具体的にはの表面粗さRzが、5μm以下であることが好ましい。
ポリイミド皮膜の形成は、ポリイミド樹脂の種類によって詳細は異なるものの、イミド化反応開始温度まで加熱してイミド化反応を終了させた後、冷却して行う。
具体的には、前記ポリイミド前駆体溶液を円筒成形管に塗布した後、周方向の膜厚ムラ(液ダレ)を防ぐために1分間に数回転の低速で回転を続けながら、段階的にイミド化反応開始温度まで加熱をおこなう。イミド化を適度に進行させ、塗膜強度を高めた後、イミド化反応完了温度まで段階的に加熱を続け、イミド化を完了させ、その後速やかに室温まで冷却をおこなう。
このようにして得られたポリイミド皮膜を、必要な幅にカットして、ポリイミド樹脂無端ベルトを得ることができる。
本発明においては、上記の方法により得られた無端ベルト上に、前述のテトラヘデラルアモルファスカーボン(ta−C)層を形成する。
次いで、本発明に用いられる基材の例として、導電性ロールについて述べる。
導電性ロールの層構成としては、導電性支持体上に、樹脂溶液の塗布により形成した表面層や弾性層等を設けることができ、この場合、弾性層が複数の層で構成されていたり、導電性支持体と導電性弾性層を接着させるために、プライマー層を導電性支持体と導電性弾性層の間に設けてもかまわない。
本発明においては、上記の方法により得られた導電性ロール上に、前述のテトラヘデラルアモルファスカーボン(ta−C)層を形成する。
次いで、上述した本発明の転写部材を、記録媒体搬送部材、又は中間転写部材として用いた、本発明の画像形成装置について説明する。尚、本発明の画像形成装置においては、記録媒体搬送部材、中間転写部材の何れにおいても、ベルト状、ロール状等いかなる形態の転写部材をも用いることができ、以下に、(1)及び(2)の具体的態様を挙げて画像形成装置の主要部について説明する。
ロール状の本発明の転写部材を記録媒体搬送部材として用いた画像形成装置の主要部の一例を、図1に示す。該画像形成装置は、像担持体1a、これに対向する記録媒体搬送ロール2a及び記録媒体搬送ロール2aの表面に清掃用のスクレーパ4aを有し、記録媒体搬送ロール2a上に記録媒体3aを保持した後、像担持体1a上のトナー像を記録媒体3aに転写する。
ベルト状の本発明の転写部材を中間転写部材として用いた画像形成装置の主要部の一例を、図2に示す。該画像形成装置は、像担持体1b、これに対向する中間転写ベルト2b及び中間転写ベルト2bの表面に清掃用のスクレーパ4bを有し、像担持体1b上のトナー像を一次転写装置5bにて中間転写ベルト2bに一次転写した後、中間転写ベルト2b上のトナー像を二次転写装置6bにて記録媒体3bに二次転写する。尚、中間転写ベルト2bは、複数の張架ロール7bに張架されており、像担持体1bの形状に沿って接触配置されている態様が好ましい。
図3に示される画像形成装置は、前記図2に示すような、ベルト状転写部材を中間転写部材として用いた画像形成装置である。具体的には、感光体ドラム(像担持体)10と、この感光体ドラム10からトナー像を転写させるために前記感光体ドラム10に一定領域にて感光体ドラム10形状に沿うように接触する中間転写ベルト20とを有する。
該感光体ドラム10は光の照射によって抵抗値が低下する感光層を備えたものであり、この感光体ドラム10の周囲には、感光体ドラム10を帯電する帯電装置11と、帯電された感光体ドラム10上に各色成分(本例ではイエロ、マゼンタ、シアン、ブラック)の静電潜像を書込む露光装置12と、感光体ドラム10上に形成された各色成分潜像を各色成分トナーにて可視像化するロータリ型現像装置13と、前記中間転写ベルト20と、感光体ドラム10上の残留トナーを清掃するクリーニング装置17とが配設されている。
更に、ロータリ型現像装置13は各色成分トナーが収容された現像器13a〜13dを回転可能に搭載したものであり、例えば感光体ドラム10上で露光によって電位が低下した部分に各色成分トナーを付着させるものであれば適宜選定して差し支えなく、使用するトナーも形状、粒径など特に制限はなく、感光体ドラム10上の静電潜像上に正確に載るものであればよい。
また、クリーニング装置17については、感光体ドラム10上の残留トナーを清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式を採用したもの等適宜選定して差し支えない。但し、転写率の高いトナーを使用する場合にはクリーニング装置17を使用しない態様もあり得る。
ここで、この中間転写ベルト20と感光体ドラム10とはそれぞれ別駆動系で駆動されていてもよいが、本形態では、中間転写ベルト20が後述するように弾性ベルトであり、しかも、感光体ドラム10の周面に沿って接触配置されていることから、中間転写ベルト20は、例えば感光体ドラム10を駆動源として、従動回転するようになっていてもよい。
更に、中間転写ベルト20の張架ロール22に対向した部位には、二次転写装置としての二次転写ロール30が張架ロール22をバックアップロールとして対向配置されており、例えば二次転写ロール30に所定の二次転写バイアスが印加され、バックアップロールを兼用する張架ロール22が接地されている。
更にまた、中間転写ベルト20の張架ロール23に対向した部位には、ベルトクリーニング装置としてのスクレーパ26が配設されている(スクレーパについては、後に詳述する)。
図3において、画像形成装置が作像動作を開始すると、感光体ドラム10上の各色成分トナー像が順次形成され、一次転写ロール25の転写電界により中間転写ベルト20上に順次一次転写される。
しかる後、この中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像は二次転写ロール30の転写電界により記録媒体40に二次転写され、定着工程へと運ばれる。
ここで、上記清掃用のスクレーパについて説明する。
硬質で平滑な転写部材の表面のクリーニング方法としてはスクレーパが有効であり、特に金属製のスクレーパが好適に用いられる。材質としては、SUS、りん青銅など適宜選定して差し支えない。この態様によれば、金属製スクレーパは転写部材の表面に線接触することになるが、本発明の転写部材はテトラヘデラルアモルファスカーボン(ta−C)層を最表面に有するため、摩擦抵抗は極めて小さく抑えられることになり、低トルクで転写部材表面のクリーニングを実現することが可能である。
本発明の画像形成装置においては、トナーとして球形トナーを用いることが好ましい。トナーとして球形トナーを用いることにより、高品質の転写画質を得ることができる。
ここで、前記形状係数SFは、下記の式で規定される係数である。
SF=(トナー粒子の最大長)2/(トナー粒子の投影面積)×(π/4)×100
なお、トナー粒子の最大長、及び、トナー粒子の投影面積の測定は、ルーゼックス画像解析装置(株式会社ニレコ製、FT)を用いてスライドガラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、画像処理することにより実施した。
また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性をあげる効果が大きくなるため有効である。
(導電性弾性層の形成)
導電性弾性層の形成は以下の方法により行った。
エチレンオキサイド基を含有することで、イオン伝導性が高いエピクロルヒドリンゴム(ECO:エピクロマーCG−102:ダイソ−社製)70部とアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR:ニポールDN−219:日本ゼオン社製)30部とを混合し、これに発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製 200メッシュ)1部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製 ノクセラ−M)1.5部と、発泡剤としてベンゼンスルホニルヒドラジド6部とを添加してオープンロールで混練りした混合物をφ10mmのSUS製のロール軸に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させることにより5mm厚の導電性弾性層を形成した。成形物の体積抵抗値は、7.9logΩ、ロール硬度は、アスカC硬度で、35°であった。ロール外径は、20.45mmであった。
導電性チューブは、宇部興産(株)製の耐熱皮膜用ポリイミドUワニスAに酸性カーボンブラック(デグサジャパン(株)製/Special Black 4:pH3.5)を分散させて体積抵抗値が106〜107Ωになるように濃度調整をした塗液を円筒形金型の外周に塗布し、乾燥、硬化して作製した樹脂チューブである。導電性チューブの膜厚は40μm、内径は20.25mmであった。導電性チューブの表面微小硬度は19であった。
予め加工した導電性チューブの内部に空気等の流体を注入した状態とし、導電性チューブ内部に前記成形物の先端を挿入することで、ロール軸の表面に形成された導電性弾性層を流体と共に導電性チューブ内に挿入することによりバイアスロールを作製した。このバイアスロールの体積抵抗値は、8.0logΩ、ロール硬度は、アスカC硬度で52°、ロール外径は、20.33mmであった。
フィルター カソード バキューム アーク(FCVA)装置(島津製作所)を用いてta−C層を導電性ロール上に形成した。条件は、成膜温度40℃、成膜速度1.5nm/sとした。均一な層を形成させるために、ロールを30rpmで回転させながら形成した。このようにして膜厚が約0.6μmのta−C層を形成した実施例1の記録媒体搬送ロールを得た。
実施例1において、ta−C層の形成を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法にて、比較例1の記録媒体搬送ロールを得た。
実施例1及び比較例1の記録媒体搬送ロールを、カラープリンターDocuPrintC1616(富士ゼロックス社製)に装着し、りん青銅製のスクレーパを記録媒体搬送ロール表面に配置し、A4用紙50,000枚印字テスト(10℃、15%RH環境下で25,000枚印刷後、28℃、85%RH環境下で25,000枚印字)を行った。なお、途中で大きな問題が発生した場合には、その時点で印字を中止した。
印字後の転写画質、及びロール表面について、以下の基準により評価を行った。
○:ハーフトーン画像中での色点、白点、濃度ムラの発生等はなかった。
×:ハーフトーン画像中で、色点、白点、濃度ムラ等の画質劣化が発生した。
≪ロール表面≫
○:表面に傷等の発生はなかった。
×:表面にスクレーパ−による傷が発生した。
(基材用材料)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とからなるポリアミド酸のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスA;固形分20%)に、乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4、Degussa社製、pH3.0、揮発分:14.0%)をポリイミド系樹脂固形分100部に対して、26部になるよう添加して、衝突型分散機(ジーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで、最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して、基材用のカーボンブラック入りポリアミド酸溶液(A)を得た。
カーボンブラック入りポリアミド酸溶液(A)を円筒状金型内面に、ディスペンサーを介して0.4mmに塗布し、1500rpmで15分間回転させて均一な厚みを有する展開層とした後、250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱し、室温に戻して、金型からはがして、金属芯体に被覆して、360℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、更に400℃で30分加熱し、溶媒の除去、脱水閉環水の除去、及びイミド転化反応の完結を行った。その後室温に戻し、金型から剥離し、目的とするポリイミドフィルムを得た。フィルムの厚みは、0.08mmであった。この樹脂ベルトのヤング率は3800MPaであり、印加電圧100Vでの体積抵抗率は5×1010Ωcmであった。
円筒形状の金型に上記ポリイミドフィルムを被覆して、フィルター カソード バキューム アーク(FCVA)装置(島津製作所)を用いてta−C層をポリイミドフィルム上に形成した。条件は、成膜温度40℃、成膜速度1.5nm/sとした。均一な層を形成させるために、円筒形状の金型を30rpmで回転させながら形成した。このようにして膜厚が約0.6μmのta−C層を形成した実施例2のベルトを得た。
(基材用材料)
テトラカルボン酸二無水物として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と、ピロメリット酸二無水物(PMDA)とを2:1の比率で組み合わせ、ジアミン成分として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とからなるポリアミド酸のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液(固形分20%)に、乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4、Degussa社製、pH3.0、揮発分:14.0%)をポリイミド系樹脂固形分100部に対して24部になるよう添加して、衝突型分散機(ジーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで、最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合し、基材用のカーボンブラック入りポリアミド酸溶液(B)を得た。
中間層の材料として、イソシアネートとして、コロネート4028(日本ポリウレタン工業(株)製)100部とポリオールとして、ニッポラン4599(日本ポリウレタン工業(株)製)93部とを用い、導電剤として、カーボンブラック(商品名:プリンテックス140U(pH4.5%):デグサ・ジャパン社製)18部を用いて中間層用材料(C)を調製した。
ポリアミド酸溶液(B)を円筒状金型の内面に、ディスペンサーを介して0.4mmに塗布し、1500rpmで15分間回転させて均一な厚みを有する展開層とした後、250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱し、室温に戻して、金型から剥離し、その後金属芯体に被覆して、360℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、更に360℃で30分加熱し、溶媒の除去、脱水閉環水の除去及びイミド転化反応の完結を行った。その後室温に戻し、金型から剥離し、目的とするポリイミドフィルムを得た。フィルムの厚みは0.08mmであった。このフィルムのヤング率は2500MPaであり、印加電圧100Vでの体積抵抗率は5×1010Ωcmであった。
円筒形状の金型に上記中間層を設けたベルトを被覆して、フィルター カソード バキューム アーク(FCVA)装置(島津製作所)を用いてta−C層をベルト上に形成した。条件は、成膜温度40℃、成膜速度1.5nm/sとした。均一な層を形成させるために、円筒形状の金型を30rpmで回転させながら形成した。このようにして膜厚が約0.6μmのta−C層を形成した実施例3のベルトを得た。
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とからなるポリアミド酸のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスA;固形分20%)に、乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4、Degussa社製、pH3.0、揮発分:14.0%)をポリイミド系樹脂固形分100部に対して、26部になるよう添加して、衝突型分散機(ジーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで、最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して、基材用のカーボンブラック入りポリアミド酸溶液(A)を得た。
実施例2、3及び比較例2のベルトを中間転写ベルトとして、カラー複写機Docu Color1225CP(富士ゼロックス社製)に装着し、SUS製のスクレーパを中間転写ベルト表面に配置し、A4用紙50,000枚印字テスト(10℃、15%RH環境下で25,000枚印刷後、28℃、85%RH環境下で25,000枚印字)を行った。なお、途中で大きな問題が発生した場合には、その時点で印字を中止した。
印字後の転写画質、ホロキャラクターの発生及びベルト表面について、以下の基準により評価を行った。
○:ハーフトーン画像中での色点、白点、濃度ムラの発生等はなかった。
×:ハーフトーン画像中で、色点、白点、濃度ムラ等の画質劣化が発生した。
≪ホロキャラクター≫
◎:ホロキャラクターの発生は、全く無かった。
○:ホロキャラクターが若干発生したが、製品上問題無いレベルであった。
×:ホロキャラクターが著しく発生した。
≪ロール表面≫
○:表面に傷等の発生はなかった。
×:表面にスクレーパ−による傷が発生した。
1b 像担持体
2a 記録媒体搬送ロール
2b 中間転写ベルト
3a 記録媒体
3b 記録媒体
4a スクレーパ
4b スクレーパ
5a 一次転写装置
6a 二次転写装置
7b 張架ロール
10 感光体ドラム(像担持体)
11 帯電装置
12 露光装置
13 ロータリ型現像装置
13a〜13d 現像器
17 クリーニング装置
20 中間転写ベルト
21〜24 張架ロール
25 一次転写ロール
26 スクレーパ
30 二次転写ロール
40 記録媒体
41 供給トレイ
42 ピックアップロール
43 レジストロール
44 搬送ベルト
45 定着装置
46 搬送ロール
47 排出ロール
48 排出トレイ
Claims (4)
- 像担持体上の画像を記録媒体に転写する画像形成装置に用いられる転写部材であって、表面をテトラヘデラルアモルファスカーボンでコーティングしたことを特徴とする転写部材。
- 像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記像担持体表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記像担持体表面に形成された前記静電潜像をトナーにより現像して画像を得る現像手段と、前記像担持体表面に形成された前記画像を記録媒体表面に転写する転写手段と、前記記録媒体表面に転写された前記画像を定着する定着手段と、を少なくとも含む画像形成装置であって、
前記転写手段において、前記記録媒体が前記像担持体にニップ搬送せしめられるように配置された記録媒体搬送部材を有し、該記録媒体搬送部材として請求項1に記載の転写部材を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記像担持体表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記像担持体表面に形成された前記静電潜像をトナーにより現像して画像を得る現像手段と、前記像担持体表面に形成された前記画像を中間転写部材表面に転写する1次転写手段と、前記中間転写部材表面に形成された前記画像を記録媒体表面に転写する2次転写手段と、前記記録媒体表面に転写された前記画像を定着する定着手段と、を少なくとも含む画像形成装置において、
前記中間転写部材として請求項1に記載の転写部材を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 前記記録媒体搬送部材若しくは前記中間転写部材に、清掃用のスクレーパを接触配置することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
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