JP4158661B2 - 半導電性ベルト、中間転写体、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
<1> 電子写真用画像形成装置に用いられる半導電性ベルトであって、
樹脂成分として全芳香族骨格を有するテトラカルボン酸二無水物と、4,4’−ジアミノフェニルエーテルを主成分として用いてなるジアミン成分とを、イミド結合してなる重合体であるポリイミド樹脂を含み、電子伝導により導電性を発現する表面層で被覆されたる薄片状複合粒子粉末を含有してなることを特徴とする半導電性ベルトである。
<6> 前記薄片状複合粒子粉末の含有量が、前記樹脂成分100質量部あたり、30〜34質量部の範囲であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに記載の半導電性ベルトである。
前記トナーが、下記式(1)で規定される形状係数(ML2/A)が100〜140の範囲である球状トナーであることを特徴とする<9>〜<11>のいずれかに記載の画像形成装置である。
(ML2/A)=(トナー粒子の絶対最大長)2/(トナー粒子の投影面積)×(π/4)×100 ・・・ (1)
<半導電性ベルト、中間転写体>
本発明に係る半導電性ベルト(以下、単に「ベルト」という場合ある)は、電子写真用画像形成装置に用いられ、樹脂成分としてポリイミド系樹脂組成物を含み、電子伝導により導電性を発現する表面層で被覆された薄片状(板状)複合粒子粉末を均一に分散させたことを特徴とする。これにより、環境変化による電気抵抗の変化の少ない所望の抵抗値を、安定して得ることができ、また、転写電圧によるベルト抵抗低下がなく、電気抵抗の均一性を改善させることができる。さらに、薄片状複合粒子粉末を添加することにより、樹脂組成物の剛性(ヤング率)を大きくし、熱膨張係数を小さくする効果があり、ベルトの経時での周長の変化量を少なくすることができる。加えて、前記ホローキャラクタなどの発生のない高画質画像を安定して提供することができる。
このため、ベルト使用時の変形量は少なくすることができると共に、例えば転写部において記録紙が中間転写ベルトである半導電性ベルトに押圧されても、トナーの凝集を抑制することができホロキャラクターの発生を低減できる。
本発明における薄片状複合粒子粉末とは、母粒子とは異なる成分により表面が被覆された板状の粒子をいう。
上記薄片状複合粒子粉末においては、導電性を有する表面層用の材料として、発現する導電性が環境による変動が少ないが望まれることから、電子伝導性の導電剤が用いられる。
なお、上記酸性カーボンブラックのpH値の下限値は、2程度である。
前記アスペクト比が2未満では、薄片状複合粒子粉末を樹脂組成物に添加した場合でのクリープ特性などの機械特性への補強効果が少なく、添加量を増やす必要になるので、ベルト表面の外観が悪くなるなどの問題が生じる場合がある。アスプクト比が500を超えると、例えば含水ケイ酸アルミニウムカリウム粒子粉末の粒子表面への、アルコキシシランまたはポリシロキサンによる均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理が困難となる場合がある。
なお、上記平均径とは、板状の無機酸化物粒子の扁平面の最大長の平均をいい、例えば該扁平面が楕円、長方形などの形状の場合には、長軸の長さの平均をいう。また、この平均径は、画像解析装置により測定することができる。
したがって、本発明における無機酸化物粒子の扁平面の長軸と短軸とのアスペクト比(長軸/短軸)は、20/1〜1/1の範囲であることが好ましく、5/1〜1/1の範囲であることがより好ましい。
本発明における樹脂組成物(樹脂成分と薄片状複合粒子粉末等を混合したベルト構成材料)は、後述するポリアミド樹脂である樹脂成分に、電子伝導により導電性を発現する表面層を被覆してなる薄片状複合粒子粉末をあらかじめよく混合し、次に混練機もしくは分散機を用いて強いせん断作用を加えて、微細なカーボンブラックを含む表面層を被覆してなる微細な粒子粉末の凝集体を破壊し、樹脂組成物中に微細なカーボンブラックを含む表面層を被覆してなる微細な粒子粉末を均一に分散させた後、目的に応じた形状に成形加工して使用される。
本発明における樹脂成分としては、機械強度に優れ、経時での形状の安定性に優れるポリイミド樹脂材料が用いられる。また、該ポリイミド樹脂としては、テトラカルボン酸残基である全芳香族骨格を有するテトラカルボン酸二無水物と、ジアミン残基であるジフェニルエーテル骨格を有するジアミン成分とをイミド結合してなる重合体、つまりジアミン残基にエーテル骨格を有するポリイミド樹脂を主成分とする。前記ジアミン残基にエーテル骨格を有するポリイミド系樹脂を主成分とすることで、後述するポリイミド系樹脂表面を、表面微小硬度が30度以下の可とう性を有するものとすることができる。
薄片状複合粒子粉末を添加することでの樹脂材料の熱膨張係数は、薄片状複合粒子粉末の複合則で規定される。薄片状複合粒子粉末を添加した樹脂材料(複合材料)の熱膨張係数は、次の式(2)で表わされる。
αc=αm(1−vf)+αfVf ・・・ (2)
本発明者らは、半導電性ベルトの表面微小硬度と、ホロキャラクターの発生レベルには極めて正確な相関があることを発見した。即ち、本発明の半導電性ベルトは、表面微小硬度が25以下、より好ましくは15以下、更に好ましくは、15以下の場合には、後述する画像形成装置に中間転写ベルトや用紙搬送ベルトとして用いた場合、バイアスローラの押圧力によってベルトの転写面の変形が起こり、これにより半導電性ベルト表面のトナーに集中していた押圧力は分散される。このためトナーは凝集せず、ライン画像が中抜けするホロキャラクター等の画質欠陥が発生しない。
図1は、表面層の表面微小硬度の測定原理を示す模式断面図であり、図1中、60はベルト表面を、61は針状圧子を表し、矢印は、針状圧子61に加わる荷重を意味する。
DH=αP/D2 ・・・ (3)
ここで、αは圧子形状による定数で、α=3.8584(使用圧子:三角錐圧子の場合)である。
測定環境:23℃、55%RH
使用圧子:三角錐圧子
試験モード:3(軟質材料試験)
試験荷重:0.70gf
負荷速度:0.0145gf/sec
保持時間:5sec
Δl=P・l・α/(t・w・E) ・・・ (4)
Δl:ベルトの変位量(μm)
P:負荷 (N)
l:2本のテンションロール間のベルトの長さ(mm)
α:係数
t:ベルト厚み(mm)
w:ベルト幅(mm)
E:ベルト材料のヤング率(N/mm2)
本発明の半導電性ベルトを中間転写ベルト(中間転写体)として用いた場合、半導電性ベルトの表面抵抗率が1×1010〜1×1014Ω/□の範囲であることが好ましく、1×1011〜1×1013Ω/□の範囲であることがより好ましい。この表面抵抗率が1×1014Ω/□より高い場合には、一次転写部の潜像担持体と中間転写体とが剥離するポストニップ部で剥離放電が発生し易くなり、放電が発性した部分は、白抜けする画質欠陥が発生することがある。一方、該表面抵抗率が1×1010Ω/□未満の場合には、プレニップ部での電界強度が強くなり、プレニップ部でのギャップ放電が発生し易くなるために画質の粒状性が悪化することがある。従って、前記表面抵抗率を、上記範囲とすることで、表面抵抗率が高い場合に発生する放電による白抜け、表面抵抗率が低い場合に発生する画質の悪化を防止することができる。
ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I) ・・・ (5)
本発明の半導電性ベルトを中間転写体(中間転写体)として用いた場合、半導電性ベルトの体積抵抗率は1×108〜1×1013Ωcmの範囲であることが好ましく、1×109〜1×1012Ωcmの範囲であることがより好ましい。この体積抵抗率が1×108Ωcm未満である場合には、潜潜像担持体から中間転写体に転写された未定着トナー画像の電荷を保持する静電的な力が働きにくくなるため、トナー同士の静電的反発力や画像エッジ付近のフリンジ電界の力によって、画像の周囲にトナーが飛散してしまい(ブラー)、ノイズの大きい画像が形成されることがある。一方、前記体積抵抗率が1×1013Ωcmより高い場合には、電荷の保持力が大きいために、1次転写での転写電界で中間転写体表面が帯電するために除電機構が必要となることがある。従って、前記体積抵抗率を、上記範囲とすることで、トナーが飛散したり、除電機構を必要とする問題を解消することができる。
ρv=19.6×(V/I)×t ・・・ (6)
本発明の画像形成装置は、中間転写体方式の画像形成装置およぶ用紙搬送ベルト方式の画像形成装置であれば、特に限定されるものではない。例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラー画像形成装置や、感光体ドラム等の潜潜像担持体上に担持されたトナー画像を中間転写体に順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現像器を備えた複数の潜潜像担持体を中間転写体上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等に適用される。
以下、同様にして第2色のトナー画像、第3色のトナー画像、第4色のトナー画像が順次形成され、転写ベルト2の表面において重ね合わされ、多重トナー画像が形成される。
なお、多重トナー画像の記録紙41への転写の終了した中間転写ベルト2は、二次転写部の下流に設けたベルトクリーナ9で残留トナーの除去が行われて次の転写に備える。また、バイアスロール3には、ポリウレタン等からなるクリーニングブレード31が常時当接してとりつけられており、転写時に付着したトナー粒子や紙紛等の異物が除去される。
上記二次転写部では、バイアスロール3と転写ベルト2とを介して、対向配置したバックアップロール22に圧接した電極ロール26に、トナー画像の極性と同極性の出圧(転写電圧)を印加することで、当該トナー画像を記録紙41に静電反発で転写する。
以上のようにして、画像を形成することができる。
図5に示す画像形成装置は、画像形成ユニット100Y、100M、100C、100Bkと、用紙搬送ベルト106と、転写ロール107Y、107M、107C、107Bkと、用紙搬送ロール108と、定着器109とを有している。用紙搬送ベルト106としては、前記本発明の半導電性ベルトを備える。
続いて該静電潜像は、ブラック現像器104Bkによって現像され、感光体ドラム101Bkの表面にトナー画像が形成される。
この後、感光体ドラム101Bk表面に残存するトナーは、感光体クリーナ105Bkによって清掃・除去される。そして、感光体ドラム101Bkは、次の帯電・現像・転写サイクルに供される。
上記のサイクルは、画像形成ユニット100C、100M、100Yでも同様に行われる。一方、記録紙Pは、次の画像形成ユニットでの転写位置に搬送される。
以上により、記録紙Pの表面に所望の画像が形成される。
(ML2/A)=(トナー粒子の絶対最大長)2/(トナー粒子の投影面積)×(π/4)×100 ・・・ (1)
なお、上記トナー粒子の絶対最大長、および、トナー粒子の投影面積の測定は、ルーゼックス画像解析装置(株式会社ニレコ製、LUZEXIII)を用いてスライドガラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、画像処理することにより実施した。
また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性をあげる効果が大きくなるため有効である。
(薄片状複合粒子粉末(A)の製造)
含水ケイ酸アルミニウムカリウム粒子粉末(マスコバイト、KAl2AlSi3O10(OH)2、平均径:1mm、アスペクト比(直径/厚み):100、アスペクト比(長軸/短軸):3)1.1kgを、エッジランナー「MPUV−2型」(製品名、株式会社松本鋳造鉄工所製)に投入し、メチルトリエトキシシラン(商品名:TSL8123、東芝シリコーン株式会社製)22gを20mlのエタノールで混合希釈して得られるメチルトリエトキシシラン溶液を、エッジランナーを稼動させながら上記含水ケイ酸アルミニウムカリウム粒子粉末に添加し、392N/cm(40kg/cm)の線荷重で20分間混合攪拌を行った。なお、このときの撹拌速度は22rpmであった。
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とからなるポリアミド酸のN−メチル−2ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスA、固形分:18質量%)に、上記カーボンブラック表面層で被覆した薄片状複合粒子粉末(A)を、ポリイミド樹脂固形分100質量部に対して、34質量部になるよう添加して、衝突型分散機(シーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで、最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して、薄片状複合粒子粉末が混合されたポリアミド酸溶液(A)を得た。
前記ポリアミド酸溶液(A)を、内径170mm、長さ550mmの円筒状金型内面に、ディスペンサーを介して0.5mmに塗布し、1500rpmで15分間回転させて均一な厚みを有する展開層とした後、250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱し、次いで常温に冷却した。次に、この状態で得られた薄片状複合粒子粉末を分散させたポリイミド前駆体を、外径168mm、長さ500mmの金属芯体に被覆して、360℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、更に360℃で30分加熱し、溶媒の除去、脱水閉環水の除去、及びイミド転化反応の完結を行った。その後室温に戻し、金属芯体から剥離し、目的とする半導電性ベルトを得た。
この半導電性ベルトの総厚みは0.08mm、幅は350mm、外径は168mmであった。
(ポリアミド酸溶液(B)の調製)
テトラカルボン酸二無水物として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と、ピロメリット酸2無水物(PMDA)とを2:1のモル比率で組み合わせ、ジアミン成分として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とからなるポリアミド酸のN−メチル−2ピロリドン(NMP)溶液(固形分20質量%)に、実施例1で作製した薄片状複合粒子粉末をポリイミド樹脂固形分100質量部に対して、32質量部になるよう添加して、衝突型分散機(シーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで、最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して、薄片状複合粒子粉末が分散されたポリアミド酸溶液(B)を得た。
実施例 1と同様の方法にて、目的とする半導電性ベルトを得た。この半導電性ベルトの総厚みは0.08mm、幅は350mm、外径は168mmであった。
(薄片状複合粒子粉末(B)の製造)
実施例1の薄片状複合粒子粉末(A)の作製において、カーボンブラックとして、SPECIAL BLACK4の代わりに、pH4.5の酸化処理カーボンブラック(Printex140V、Degussa社製、pH:4.5、揮発分:5質量%)を用いた以外は、実施例1と同じ方法にて、薄片状複合粒子粉末(B)を製造した。
テトラカルボン酸二無水物として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と、ピロメリット酸2無水物(PMDA)とを2:1のモル比率で組み合わせ、ジアミン成分として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とからなるポリアミド酸のN−メチル−2ピロリドン(NMP)溶液(固形分20質量%)に、上記薄片状複合粒子粉末(B)を、ポリイミド系樹脂固形分100質量部に対して、30質量部になるよう添加して、衝突型分散機(シーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで、最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して、薄片状複合粒子粉末が分散されたポリアミド酸溶液(C)を得た。
実施例 1と同様の方法にて、目的とする半導電性ベルトを得た。この半導電性ベルトの総厚みは0.08mm、幅は350mm、外径は168mmであった。
(ポリアミド酸溶液(D)の調製)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)とからなるポリアミド酸のN−メチル−2ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスS、固形分:18質量%)に、乾燥したカーボンブラックとして、ライオンアグソ社製ケッチエンブラックEC(pH:9.0、揮発分:1.5質量%)を、ポリイミド樹脂固形分100質量部に対して、11質量部になるよう添加して、衝突型分散機(シーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで、最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して、カーボンブラックを分散させたポリアミド酸溶液(D)を得た。
上記ポリアミド酸溶液(D)を、内径170mm、長さ550mmの円筒状金型内面に、ディスペンサーを介して0.5mmに塗布し、1500rpmで15分間回転させて均一な厚みを有する展開層とした後、250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱し、次いで常温に冷却した。次に、この状態で得られたカーボンブラック入り分散ポリイミド前駆体を、外径168mm、長さ500mmの金属芯体に被覆して、400℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、更に400℃で30分加熱し、溶媒の除去、脱水閉環水の除去、及びイミド転化反応の完結を行った。その後室温に戻し、金属芯体から剥離し、目的とする半導電性ベルトを得た。
この半導電性ベルトの総厚みは0.08mm、幅は350mm、外径は168mmであった。
(ポリアミド酸溶液(E)の調製)
テトラカルボン酸二無水物として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と、ピロメリット酸2無水物(PMDA)とを1:1のモル比率で組み合わせ、ジアミン成分として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とからなるポリアミド酸のN−メチル−2ピロリドン(NMP)溶液(固形分20質量%)に、乾燥したカーボンブラック(アセチレンブラック、電気化学工業社製、pH:5.7、揮発分:0.89質量%)をポリイミド系樹脂固形分100質量部に対して、15質量部になるよう添加して、衝突型分散機(シーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで、最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して、酸性カーボンブラック入りポリアミド酸溶液(E)を得た。
実施例 1と同様方法にて、目的とする半導電性ベルトを得た。この半導電性ベルトの総厚みは0.08mm、幅は350mm、外径は168mmであった。
樹脂成分として、イーストマンケミカル(株)製の結晶性ポリエステルPCTG5445を用い、樹脂100質量部に、実施例1で作製した薄片状複合粒子粉末(A)を26質量部分散してなる樹脂組成物を得た。更に、この樹脂組成物のペレットを1軸押出機を用いて、220℃の加熱温度にて、チューブ形状に押出成形して、厚み0.13mmで、幅350mm、外径168mmの無端ベルトを得た。
上記実施例1〜3、比較例1、2及び参考例で得られた半導電性ベルトについて、表面抵抗率、体積抵抗率、表面抵抗率の面内バラツキ(表面抵抗率の常用対数値の最大値と最小値との差)、表面抵抗率の28℃、85%RHの高温高湿環境(H/H環境)と10℃、15%RHの低温低湿環境(L/L環境)での常用対数値の差、表面微小硬度、熱膨張係数、ヤング率、転写画質の評価、葉書を3000枚連続コピー後の表面抵抗率の変化量(常用対数値の差)、及び葉書を3000枚連続コピー後、マゼンタ30%のハーフトーンをコピーした時の白抜け発生状況を評価した。これらの結果を表1に示す。
(表面抵抗率)
表面抵抗率の計測は、上述したように、図2に示す円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプローブ)を用い、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧100(V)を印可し、10秒後の電流値より求めた。
体積抵抗率の計測は、上述したように、図3示す円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプローブ)を用い、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’と第二電圧印加電極B’との間に電圧100(V)を印可し、30秒後の電流値より求めた。
表面抵抗率の面内バラツキ(最大値と最小値との差)は、作製した外径168mm、幅350mmの中間転写ベルトを長さ方向に8分割、幅方向に3分割し、ベルト面内24点について表面抵抗率を計測し、表面抵抗率の対数をとり、最大値と最小値との差をばらつき(ΔR)とした。
表面抵抗率の環境変動幅は、30℃、85%RHにおける表面抵抗率ρs3(Ω/□)の常用対数値と、10℃、15%RHにおける表面抵抗率ρs4(Ω/□)の常用対数値との差|logρs3−logρs4|として算出した。
得られた半導電性ベルトについて、図1に示す装置(超微小硬度計DUH−201S(株式会社島津製作所製))を用い、下記の条件で測定した。
測定環境:23℃、55%RH
使用圧子:三角錐圧子
試験モード:3(軟質材料試験)
試験荷重:0.70gf
負荷速度:0.0145gf/sec
保持時間:5sec
熱膨張係数は、島津製作所(株)製熱分析装置TMA−50を用い、試料長さ10mmを基準長さとして、10℃/minで昇温しながら、20℃〜80℃までの基準長の変化量より求め、以下の基準により評価した。
○:40ppm未満
×:40ppm以上
JISK6251に準じて、半導電性ベルトをJIS3号形状に打ち抜き、引張試験に供した。得られた応力・歪曲線の初期ひずみ領域の曲線に接線を引き、その傾きによりヤング率を求めた。
得られた半導電性ベルトを、図4に示すような構成からなる富士ゼロックス(株)Docu Color1255CPに中間転写ベルトとして装着し、トナーとして形状係数ML2/Aが115のものを用いて転写画質を評価した。
ホロキャラクタの発生状況について、以下の基準により評価した。
○:ホロキャラクタの発生なし
△:ホロキャラクタの発生は、わずかであり、画質上での問題なし
×:ホロキャラクタの発生があり、画質上での問題あり
画像をコピーしたときの色ずれの発生状況について、以下の基準により評価した。
○:色ずれの発生なし
△:色ずれの発生は、わずかであり、画質上での問題なし
×:色ずれの発生があり、画質上での問題あり
葉書を3000枚連続コピー後、マゼンタ30%のハーフトーンをコピーした時の白抜け発生状況について、以下の基準により評価した。
○:白抜けの発生なし
×:白抜けの発生があり、画質上での問題あり
2 中間転写ベルト(中間転写体)
3 バイアスローラ(第二転写手段)
4 用紙トレー
5 ブラック現像器
6 イエロー現像器
7 マゼンタ現像器
8 シアン現像器
9 中間転写体クリーナ
10 転写ローラ
13 剥離爪
14 搬送ベルト
16 感光体クリーナ
21 ベルトローラ
22 バックアップローラ
23 ベルトローラ
24 ベルトローラ
25 導電性ローラ(第一転写手段)
26 電極ローラ
30 中間転写ドラム
31 クリーニングブレード
41 記録紙
42 ピックアップローラ
43 フィードローラ
60 ベルト表面
61 針状圧子
Claims (11)
- 電子写真用画像形成装置に用いられる半導電性ベルトであって、
樹脂成分として全芳香族骨格を有するテトラカルボン酸二無水物と、4,4’−ジアミノフェニルエーテルを主成分として用いてなるジアミン成分とを、イミド結合してなる重合体であるポリイミド樹脂を含み、電子伝導により導電性を発現する表面層で被覆されたる薄片状複合粒子粉末を含有してなることを特徴とする半導電性ベルト。 - 前記薄片状複合粒子粉末が、無機酸化物粒子粉末の表面にカーボンブラックを含む表面層を被覆してなることを特徴とする請求項1に記載の半導電性ベルト。
- 前記薄片状複合粒子粉末が、アスペクト比(直径/厚み)が2〜500の範囲である含水ケイ酸アルミニウムカリウム粒子粉末表面に、カーボンブラックを含む表面層を被覆してなることを特徴とする請求項1または2に記載の半導電性ベルト。
- 前記薄片状複合粒子粉末が、含水ケイ酸アルミニウムカリウム粒子粉末表面に、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物またはポリシロキサンを含む表面層を被覆してなると共に、該表面層にカーボンブラックが付着しており、かつ、平均径が0.001mm以上5mm未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導電性ベルト。
- 前記薄片状複合粒子粉末の含有量が、前記樹脂成分100質量部あたり、5〜50質量部の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導電性ベルト。
- 前記薄片状複合粒子粉末の含有量が、前記樹脂成分100質量部あたり、30〜34質量部の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導電性ベルト。
- 前記カーボンブラックが、pH5以下の酸性カーボンブラックであることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の半導電性ベルト。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の半導電性ベルトからなることを特徴とする中間転写体。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の半導電性ベルトを、中間転写ベルトとして用いたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の半導電性ベルトを、用紙搬送ベルトとして用いたことを特徴とする画像形成装置。
- 少なくとも潜像担持体と、中間転写ベルト及び/または用紙搬送ベルトを備えた画像形成装置であって、前記潜像担持体が複数であることを特徴とする請求項9または10に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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