JP4206721B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンタ等の電子写真方式を用いた画像形成装置及びそれに用いられる中間転写体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を用いた画像形成装置は、無機または有機材料からなる光導電性感光体からなる像担持体上に一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザー光等で静電濳像を形成した後、帯電したトナーで前記静電濳像を現像して可視化したトナー像とする。そして、上記トナー像を中間転写体を介して、あるいは直接記録紙等の転写材に静電的に転写することにより所要の再生画像を得る。特に、上記像担持体に形成したトナー像を中間転写体に一次転写し、さらに中間転写体上のトナー像を記録紙に二次転写する方式を採用した画像形成装置として、特開昭62−206567号公報等に開示されたものが知られている。
【0003】
前記、中間転写体方式を採用した画像形成装置に用いられる材料としては、ポリカーボネート樹脂(特開平06−095521号公報)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)(特開平5−200904号公報、特開平6−228335号公報)、ポリアルキレンフタレート(特開平6−149081号公報)、PC(ポリカーボネート)/PAT(ポリアルキレンテレフタレート)のブレンド材料(特開平6−149083号公報)、ETFE(エチレンテトラフロロエチレン共重合体)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料(特開平6−149079号公報)などの熱可塑性樹脂にカーボンブラックを添加した半導電性の無端ベルトを用いる提案がなされている。
【0004】
しかし、半導電性領域で樹脂材料の抵抗値を制御することは非常に難しく、通常の樹脂材料に通常の導電性カーボンブラックを添加して所望の抵抗値を安定して得ることはほとんどできない。このため、半導電性の無端ベルト全数の抵抗値を計測して、選別する必要があるために、コスト高となっている。
【0005】
高分子加工、43巻、4号、1977、住田等に記載されるように、樹脂材料などの高分子の中にカーボンブラックを添加していくと、カーボンブラックの添加が少量であるうちは導電率が小さく、あるしきい値からカーボンブラックが導体回路を形成し、導電性が急激に向上してしまい中抵抗値を得ることができないからである。
【0006】
前記したカーボンブラック分散のポリカーボネート、カーボンブラック分散のエチレンテトラフロロエチレン共重合体の場合には、葉書などの中間転写体の幅より短い用紙を連続して、3000枚以上転写した後で、ハーフートーン(マゼンタ30%)の画像を転写すると用紙走行部がしろ抜けする問題が発生した。この白抜けする画質欠陥は、10℃、15%RHの低温低湿環境下において特に顕著であった。用紙走行部がしろ抜けするのは、二次転写部での用紙剥離時に中間体と用紙間での剥離放電によって、中間転写体の用紙走行部の表面抵抗率が、周辺部位より低下して、転写効率が、周辺部位より低下することが原因である。
【0007】
前記した、カーボンブラック分散のポリカーボネイト、カーボンブラック分散のエチレンテトラフロロエチレン共重合体の表面抵抗率の電界依存性は、0.8〜1.5(logΩ/□)のレベルであり、転写電圧による電界集中がおきることで、導電性の大きい部位の周辺の樹脂成分を劣化させ、表面抵抗率が低下したと考えられる。
【0008】
表面抵抗率の電界依存性が大きいのは、前記した、中間転写体を構成する樹脂成分中にカーボンブラックを均一に分散させることが難しいために、カーボンブラックが不均一に樹脂中に分散しており、そのため局部的には、導電性の大きい部位があり、そこに電界が集中することが原因と考えられる。
【0009】
中間転写体を構成する材料に導電性を付与するには、組成材料中にカーボンブラックなどの電子伝導性を付与する導電剤付与する方法とイオン伝導性を付与する導電剤とそれぞれ付与する方法がある。しかし、イオン伝導性を付与する導電剤を付与した場合には、中間転写体面内の電気抵抗値の変化が極めて小さく0.5(logΩ/□)以下と望ましく、前記した、局部的には、導電性の大きい部位があり、そこに電界が集中することによる表面抵抗が低下する問題が少ない。反面、温度や湿度の環境変化に対する電気抵抗値の変動が大きく、例えば、30℃、85%RHの高温高湿環境(H/H環境)と10℃、15%RHの低温低湿環境(L/L環境)との電気抵抗値の差が、1.5〜4(logΩ/□)あるという問題を有している。
【0010】
更に、一般に、イオン導電性タイプの導電剤は、低温低湿度での電気抵抗値が、所定の抵抗値を得るためにイオン導電性タイプの導電剤の量を多くする必要があり、量を多くするとイオン導電剤が、中間転写体の表面から滲み出て、像担持体の表面に移行(ブリードアウト)して、画像劣化、汚染や感材侵食などを起こしやすいという問題点が新たに生じる。
【0011】
上記対策として、特開平8−110711号公報において、イオン導電性タイプの導電剤を分散してなる材料と電子伝導タイプの導電剤を分散してなる材料を積層して用いる提案がなされている。しかし、両者で、より高抵抗の層が、ベルトの抵抗を支配するため、2層以上の構成とした場合には、高抵抗層の材料の挙動を発現することになる。例えば、電子伝導タイプの導電剤を分散してなる材料の層が、イオン伝電性タイプの導電剤を分散してなる材料の層より高抵抗である場合には、抵抗のバラツキが大きい、電界依存性が大きいなどの問題がある。
【0012】
上記、中間転写体の電気抵抗値は、高品質の転写画質を得るために、所定の範囲に制御され、かつ中間転写体の面内バラツキ(抵抗値の最大値と最小値の値)がすくないこと、かつ、使用環境条件が変化しても電気抵抗値が、大きく変化せずに、安定して高品質を得られることが求められる。
【0013】
例えば、実用的には、中間転写体の電気抵抗値の面内ばらつきは、1(logΩ/□)以内であり、10℃、15%RHの低温低湿環境(L/L環境)と30℃85%RHの高温高湿環境(H/H環境)での電気抵抗値の変化が1.5以内であることなどが要求されている。
【0014】
【特許文献1】
特開昭62−206567号公報
【特許文献2】
特開平06−095521号公報
【特許文献3】
特開平5−200904号公報
【特許文献4】
特開平6−228335号公報)
【特許文献5】
特開平6−149081号公報
【特許文献6】
特開平6−149079号公報
【特許文献7】
特開平8−110711号公報
【非特許文献8】
高分子加工、43巻、4号、1977、住田
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、転写電圧による抵抗の低下がなく、かつ、環境による電気抵抗の変化の少ない中間転写体を提供して、前記中間転写体を備える、高品質の転写画質を安定して得ることができる画像形成装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 本発明の画像形成装置は、画情報に応じた静電潜像を形成する潜像担持体と、前記潜像担持体に形成された静電潜像をトナー像として可視化するための現像装置と、前記潜像担持体に担持された末定着のトナー像を中間転写体に一次転写する一次転写装置と、前記中間転写体に一次転写されたトナー像を記録媒体に二次転写する二次転写装置と、を備え、前記中間転写体が、無機酸化物微粒子粉末の粒子表面がアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はポリシロキサンによって被覆されていると共に該被覆にカーボンブラックが付着しているカーボンブラック複合無機酸化物微粒子粉末を含有してなることを特徴とする。
<2><1>に記載の画像形成装置において、無機酸化物粒子粉末が、酸化ケイ素粒子粉末または、酸化鉄粒子粉末から選ばれることを特徴とする。
3><1>又は<2>のいずれかに記載の画像形成装置において、中間転写体の表面抵抗率が、1×1010〜1×1014Ω/□であることを特徴とする。
<4><1>〜<3>のいずれかに記載の画像形成装置において、中間転写体の体積抵抗率が、1×108〜1×1013Ωcmであることを特徴とする。
5><1>〜<4>のいずれかに記載の画像形成装置において、中間転写体がポリイミド樹脂材料を用いることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
<中間転写体>
本発明に係る中間転写体は、微細な複合粒子粉末として、無機酸化物微粒子粉末の粒子表面がアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はポリシロキサンによって被覆されていると共に該被覆にカーボンブラックが付着しているカーボンブラック複合無機酸化物微粒子粉末を均一に分散させることにより、転写電圧による抵抗の低下がなく、かつ、環境による電気抵抗の変化の少ない、所望の抵抗値を、安定して得ることができる。
【0018】
カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラックが挙げられる。より具体的には、電気化学(株)製粒状アセチレンブラック、旭カーボン(株)製HS−500、アサヒサーマルFT、アサヒサーマルMT、ライオンアグゾ(株)製ケッチェンブラック、キャボット(株)製バルカンXC−72、キャボット社の「REGAL 400R」、「MONARCH 1300」、Degussa社の「Color Black FW200」、「SPECIAL BLACK 4」、「PRINTEX150T」、「PRINTEX140T」、「PRINTEX U」等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0019】
また、芯粒子粉末である無機酸化物微粒子粉末としては、一次粒径0.005μm以上で0.1μm未満の酸化ケイ素微粒子粉末または酸化鉄微粒子粉末が挙げられる。
【0022】
本発明に用いる酸化ケイ素微粒子粉末としては、日本アエロジル(株)製の300CF、(一次粒径の平均径:0.007μm、BET比表面積300m3/g)、90G(一次粒径の平均径:0.02μm、BET比表面積:90m3/g)、200V(一次粒径の平均径:0.012μm、BET比表面積:200m3/g)、R974(一次粒径の平均径:0.012μm、BET比表面積:170m3/g)、R972(一次粒径の平均径:0.016μm、BET比表面積:110m3/g)、R202((一次粒径の平均径:0.014μm、BET比表面積:100m3/g)、R812(一次粒径の平均径:0.007μm、BET比表面積:260m3/g)、OX50(一次粒径の平均径:0.04μm、BET比表面積:50m3/g)などをあげることができる。
【0023】
本発明に用いる酸化鉄微粒子粉末の粒子の形状は、針状又は直方体状であるのが好ましい。ここで「針状」とは、文字通りの針状はもちろん、紡錘状及び米粒状を含む意味である。
【0024】
本発明に用いる酸化鉄微粒子粉末は、含水酸化鉄を含むもので、ゲータイト(α−FeOOH)粒子粉末及びレピドクロサイト(γ−FeOOH)粒子粉末が好ましく用いられる。
【0025】
得られるカーボンブラック被覆無機酸化物微粒子粉末の耐熱性を考慮すると、無機酸化物微粒子に耐熱処理を施した無機酸化物微粒子粉末が好ましく、具体的には、無機酸化物微粒子表面にアルミニウム化合物を処理した無機酸化物微粒子粉末、無機酸化物微粒子内部にアルミニウムを含有している無機酸化物微粒子粉末、無機酸化物微粒子表面にアルミニウムと鉄からなる複合含水酸化物層を有する無機酸化物微粒子粉末及びこれらの耐熱処理を複合化した無機酸化物微粒子粉末が好ましい。
【0026】
無機酸化物微粒子表面にアルミニウム化合物を処理した無機酸化物微粒子粉末のアルミニウム含有量は、該無機酸化物微粒子粉末に対してAl換算で0.1〜20.0質量%であり、無機酸化物微粒子内部にアルミニウムを含有している無機酸化物微粒子粉末のアルミニウム含有量は、該無機酸化物微粒子粉末に対してAl換算で0.05〜50質量%である。また、無機酸化物微粒子表面にアルミニウムと鉄からなる複合含水酸化物層を有する無機酸化物微粒子粉末の粒子表面に被着されている複合含水酸化物層中のアルミニウム含有量は、無機酸化物微粒子粉末に対してAl換算で0.1〜10質量%であり、鉄含有量は、無機酸化物微粒子粉末に対してFe換算で0.1〜30質量%である。
【0027】
本発明における無機酸化物微粒子粉末の平均長軸径は、0.005μm以上で0.1μm未満である。平均長軸径が0.005μm未満の場合には、粒子の微細化により凝集を起こしやすいため、例えば、無機酸化物微粒子粉末の粒子表面へのアルコキシシラン又はポリシロキサンによる均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理が困難となる。平均長軸径が0.1μm以上の場合には、得られる微細なカ−ボンブラック粒子が粗大となって、好ましくない。
【0028】
本発明における無機酸化物微粒子粉末の粒子表面へのアルコキシシラン又はポリシロキサンによる均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理並びに得られる微細なカーボンブラック被覆粒子の均一な分散を考慮すると、平均長軸径は0.008〜0.096μmが好ましく、より好ましくは0.01〜0.092μmである。
【0029】
本発明における無機酸化物微粒子粉末は、平均短軸径が0.0025μm以上で0.05μm未満が好ましく、より好ましくは0.004〜0.048μmであって、更に好ましくは0.005〜0.046μmである。また、軸比(平均長軸径と平均短軸径の比)(以下、「軸比」という。)は20以下が好ましく、より好ましくは15以下、更に好ましくは10以下であり、下限値は2である。また、BET比表面積値は50〜300m2/gが好ましく、より好ましくは70〜280m2/g、更に好ましくは、80〜250m2/gである。また、長軸径の幾何標準偏差値は1.8以下が好ましく、より好ましくは1.7以下であり、下限値は1.01である。
【0030】
平均短軸径が0.0025μm未満の場合には、粒子の微細化により凝集を起こしやすいため、無機酸化物微粒子粉末の粒子表面へのアルコキシシラン又はポリシロキサンによる均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理が困難となる。平均短軸径が0.05μm以上のものは、工業的に得ることが困難である。
【0031】
BET比表面積値が50m2/g未満の場合には、無機酸化物粒子粉末が粗大であり、得られる微細なカーボンブラック被覆してなる粒子もまた粗大粒子となるため、好ましくない。BET比表面積値が300m2/gを超える場合には、粒子の微細化により凝集を起こしやすいため、例えば、無機酸化物微粒子粉末の粒子表面へのアルコキシシラン又はポリシロキサンによる均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理が困難となる。
【0032】
長軸径の幾何標準偏差値が1.80を超える場合には、存在する粗大粒子によって均一な分散が阻害されるため、例えば、無機酸化物微粒子粉末の粒子表面へのアルコキシシラン又はポリシロキサンによる均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理が困難となる。幾何標準偏差値の下限値は1.01であり、1.01未満のものは工業的に得られ難い。
【0033】
なお、軸比が20を超える場合には、粒子相互間の絡み合いが多くなり、例えば、無機酸化物微粒子粉末の粒子表面へのアルコキシシラン又はポリシロキサンによる均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理が困難となる場合がある。
【0034】
本発明におけるアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物(以下、「オルガノシラン化合物」という。)は、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物であることがよい。
【0035】
アルコキシシランとしては、具体的には、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0036】
カーボンブラックの付着効果及び脱離率を考慮すると、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン化合物が好ましく、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン及びフェニルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン化合物がより好ましい。
【0037】
本発明におけるポリシロキサンは、ポリシロキサン、変性ポリシロキサン、末端変性ポリシロキサン又はこれらの混合物を用いることができる。
【0038】
オルガノシラン化合物又はポリシロキサンの被覆量は、オルガノシラン化合物被覆無機酸化物微粒子粉末、又は、ポリシロキサン被覆無機酸化物微粒子粉末に対して、Si換算で0.02〜5.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.03〜4.0質量%であり、更により好ましくは0.05〜3.0質量%である。
【0039】
ここで、上記被覆量が、0.02質量%未満の場合には、無機酸化物微粒子粉末100質量部に対して5質量部以上のカーボンブラックを付着させることが困難である場合がある。
【0040】
また、上記被覆量が5.0質量%を超える場合には、無機酸化物微粒子粉末100質量部に対してカーボンブラックを5〜30質量部付着させることができるため、必要以上に被覆する意味がない場合が多い。
【0041】
無機酸化物微粒子粉末とアルコキシシラン又はポリシロキサンとの混合攪拌や前記カーボンブラックと粒子表面にアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はポリシロキサンが被覆されている無機酸化物微粒子粉末との混合攪拌をするための機器としては、粉体層にせん断力を加えることのできる装置が好ましく、殊に、せん断、へらなで及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホイール形混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機を用いることができる。本発明の実施にあたっては、ホイール型混練機がより効果的に使用できる。
【0042】
上記ホイール型混練機としては、具体的に、エッジランナー(「ミックスマラー」、「シンプソンミル」、「サンドミル」と同義語である)、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リングマラー等があり、好ましくはエッジランナー、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、リングマラーであり、より好ましくはエッジランナーである。上記ボール型混練機としては、具体的に、振動ミル等がある。上記ブレード型混練機としては、具体的に、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサー、ナウタミキサー等がある。上記ロール型混練機としては、具体的に、エクストルーダー等がある。
【0043】
混合撹拌時における条件は、無機酸化物微粒子粉末の粒子表面にアルコキシシラン又はポリシロキサンができるだけ均一に被覆されるように、線荷重は19.6〜1960N/cm(2〜200kg/cm)、好ましくは98〜1470N/cm(10〜150kg/cm)、より好ましくは147〜980N/cm(15〜100kg/cm)、処理時間は5〜120分、好ましくは10〜90分の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。なお、撹拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1000rpm、より好ましくは10〜800rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよい。
【0044】
アルコキシシラン又はポリシロキサンの添加量は、無機酸化物微粒子粉末100質量部に対して0.15〜45質量部が好ましい。0.15質量部未満の場合には、目的とするカーボンブラックを付着させることが困難である。0.15〜45質量部の添加量により、無機酸化物微粒子粉末100質量部に対してカ−ボンブラックを5〜30質量部付着させることができる。
【0045】
次いで、アルコキシシラン又はポリシロキサンを被覆した無機酸化物微粒子粉末にカーボンブラックを添加し、混合攪拌して、アルコキシシラン被覆又はポリシロキサン被覆にカーボンブラックを付着させる。必要により更に、乾燥乃至加熱処理を行ってもよい。
【0046】
本発明に係る微細な複合粒子粉末の添加剤の量は、樹脂組成物100質量部に対して、微細な複合粒子粉末は、10〜100質量部の範囲で添加される。10質量部未満の場合には、所望の電気抵抗がえられない、100質量部を超える場合には、成形性が低下するなどの問題が発生する場合がある。
【0047】
−中間転写体の樹脂材料−
本発明の中間転写体は、ベルト形状のものでも、ドラム形状のものでもよいが、ベルト形状のものがより好ましい。ベルト形状の中間転写体とする場合、用いられる基材としては、ヤング率が100MPa(100kg/mm2)以上の材料からなることが好ましく、200MPa(200kg/mm2)以上の材料からなることがより好ましい。ヤング率が100MPa未満の材料からなる場合には、クリーニングブレードがあたる等の駆動時の外乱によってベルトが変形し、転写部に悪い影響を与える等の問題が発生することがある。
【0048】
このような材料としては、例えば、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフロロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)等の樹脂材料及びこれらを主原料としてなる樹脂材料が挙げられる。更に、前記樹脂材料と弾性材料とをブレンドして用いることができる。前記弾性材料としては、例えば、ポリウレタン、塩素化ポリイソプレン、NBR、クロロピレンゴム、EPDM、水素添加ポリブタジエン、ブチルゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0049】
本発明の中間転写体の樹脂材料としては、前記したクリーニングブレードがあたる等の駆動時の外乱によってベルトが変形し、転写部に悪い影響を与える等の問題が発生することがないことより、ポリイミド樹脂材料が好ましくは用いられる。該ポリイミド樹脂は、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸を加熱することによって形成することができる。該ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体とジアミンとのほぼ等モル混合物を有機極性溶媒に溶解させ、溶液状態で反応させることによって得ることができる。このポリアミック酸の調液において、芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸、2,3,5,6−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−アゾベンゼンテトラカルボン酸、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、β,β−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、β,β−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
【0050】
また、前記芳香族ジアミン成分としては、m−フェニルジアミン、p−フェニルジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,4’−ジアミノナフタレビフェニル、ベンジジン、3,3−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、3,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(オキシ−p,p’−ジアニリン;ODA)、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノフェニルスルホン、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、β,β−ビス(4−アミンフェニル)プロパン等が挙げられる。
【0051】
また、前記有機極性溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド等が挙げられる。これらの有機極性溶媒には、必要に応じて、クレゾ−ル、フェノ−ル、キシレノール等のフェノール類、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類を混合することができる、これらの用材も、1種単独で、又は2種類以上の混合物として用いることができる。
【0052】
本発明においては、このようなポリアミック酸として、特に、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの反応によって得られるポリアミック酸が好ましく用いられる。より具体的には、ポリイミド樹脂材料としては、DuPont(株)のカプトンHA等のポリピロメリット酸イミド系のイミド樹脂材料、宇部興産(株)のユーピレックスS等のポリビフェニルテトラカルボン酸イミド系樹脂材料、宇部興産(株)のユーピレックスR、三井東圧化学工業(株)のLARC−TPI(熱可塑性ポリイミド樹脂)等のポリベンゾフェノンテトラカルボン酸イミド酸系樹脂材料等が挙げられ、いずれも、ヤング率が200MPa(200kg/mm2)以上であり、厚み70〜150μmで、ベルト基材としての機械特性を満足させることができる。
【0053】
また、本発明の中間転写体の基材としては、例えば、宇部興産(株)のユーピレックスS等のポリビフェニルテトラカルボン酸イミド系樹脂材料にカーボンブラックを分散した材料を用いると、該材料のヤング率は、200MPa(200kg/mm2)以上であり、ベルトの厚み70〜100μmで、ベルト基材としての機械特性を満足させることができる。
【0054】
本発明の中間転写体が、ドラム形状である場合には、前記基材としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)、銅等で形成された円筒状基材を用いることが好ましい。この円筒状基材上に、必要に応じて弾性層を被覆し、該弾性層上に前記表面層を形成することができる。
【0055】
−表面抵抗率−
本発明の中間転写体は、転写面の表面抵抗率が1×1010〜1×1014Ω/□であることが好ましく、1×1011〜1×1013Ω/□であることがより好ましい。この表面抵抗率が1×1014Ω/□より高い場合には、一次転写部の像担持体と中間転写体とが剥離するポストニップ部で剥離放電が発生し易くなり、放電が発性した部分は、白抜けする画質欠陥が発生することがある。一方、該表面抵抗率が1×1010Ω/□未満の場合には、プレニップ部での電界強度が強くなり、プレニップ部でのギャップ放電が発生し易くなるために画質の粒状性が悪化することがある。従って、前記表面抵抗率を、上記範囲とすることで、表面抵抗率が高い場合に発生する放電による白抜け、表面抵抗率が低い場合に発生する画質の悪化を防止することができる。
【0056】
本発明の中間転写体において、転写面の表面抵抗率は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPの「HRプローブ」)を用い、JIS K6991に従って測定することができる。前記表面抵抗率の測定方法を図1を用いて説明する。図1は、円形電極の一例を示す概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。図1に示す円形電極は、第一電圧印加電極Aと板状絶縁体Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cと、該円柱状電極部Cの外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部Cを一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部Dとを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと板状絶縁体Bとの間に中間転写体Tを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧V(V)を印可したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(1)により、中間転写体Tの転写面の表面抵抗率ρs(Ω/□)を算出することができる。ここで、下記式(1)中、d(mm)は円柱状電極部Cの外径を示し、D(mm)はリング状電極部Dの内径を示す。
式(1) ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
【0057】
−体積抵抗率−
本発明の中間転写体は、体積抵抗率が1×108〜1×1013Ωcmであることが好ましく、1×109〜1×1012Ωcmであることがより好ましい。この体積抵抗率が1×108ΩCm未満である場合には、像担持体から中間転写体に転写された未定着トナー像の電荷を保持する静電的な力が働きにくくなるため、トナー同士の静電的反発力や画像エッジ付近のフリンジ電界の力によって、画像の周囲にトナーが飛散してしまい(ブラー)、ノイズの大きい画像が形成されることがある。一方、前記体積抵抗率が1×1013Ωcmより高い場合には、電荷の保持力が大きいために、1次転写での転写電界で中間転写体表面が帯電するために除電機構が必要となることがある。従って、前記体積抵抗率を、上記範囲とすることで、トナーが飛散したり、除電機構を必要とする問題を解消することができる。
【0058】
本発明の中間転写体において、体積抵抗率は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプローブ)を用い、JIS K6991に従って測定することができる。前記体積抵抗率の測定方法を図を用いて説明する。図2は、円形電極の一例を示す概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。図2に示す円形電極は、第一電圧印加電極A’と第二電圧印加電極B’とを備える。第一電圧印加電極A’は、円柱状電極部C’と、該円柱状電極部C’の外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部C’を一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部D’とを備える。第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’及びリング状電極部D’と第二電圧印加電極B’との間に中間転写体T’を挟持し、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’と第二電圧印加電極B’との間に電圧V(V)を印可したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(2)により、中間転写体T’の体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出することができる。ここで、下記式(2)中、tは中間転写体Tの厚さを示す。
式(2) ρv=19.6×(V/I)×t
【0059】
上記構成の本発明の中間転写体は、転写電圧による抵抗の低下がなく、経時による形状の変形等の問題がなく、かつ、電界依存性がなく、環境による電気抵抗の変化が少ないという優れた性質を有する。上記本発明の中間転写体は、電子写真複写機やレーザープリンタ等の画像形成装置に用いることができる。
【0060】
[画像形成装置]
本発明の画像形成装置は、画像情報に応じた静電潜像を形成する像担持体と、前記像担持体に形成された静電潜像をトナーによりトナー像として可視化する現像装置(装置)と、前記像担持体に担持されたトナー像を中間転写体上に転写する一次転写装置(手段)と、該中間転写体上のトナー像を記録媒体に転写する二次転写装置(手段)とを有する画像形成装置であって、前記中間転写体が、上記中間転写体であることを特徴とする。本発明の画像形成装置は、上記中間転写体を備えているため、高品質の転写画質を安定して得ることができる。
【0061】
本発明は、中間転写体方式の画像形成装置であれば、特に限定されるものではない。例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラー画像形成装置や、感光体ドラム等の像担持体上に担持されたトナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現像器を備えた複数の像担持体を中間転写体上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等のいずれでもよい。
【0062】
ベルト状中間転写体を用いたカラー画像形成装置の概略構成図を図3に示す。図3の画像形成装置は、像担持体としての感光体ドラム1、中間転写体としての転写ベルト2、転写電極であるバイアスロール3、記録媒体である記録紙を供給するトレー4、Bk(ブラック)トナーによる現像器5、Y(イエロー)トナーによる現像器6、M(マゼンタ)トナーによる現像器7、C(シアン)トナーによる現像器8、ベルトクリーナー9、剥離爪13、ベルトロール21、23及び24、バックアップロール22、導電性ロール25、電極ロール26、クリーニングブレード31、ピックアップロール42、フィードロール43を有してなる。転写ベルト2としては、前記上述したベルト状の中間転写体を備える。
【0063】
図1において、感光体ドラム1は矢印A方向に回転し、図示しない帯電装置でその表面が一様に帯電される。帯電された感光体ドラム1にレーザー書き込み装置などの画像書き込み手段により、第一色(例えば、Bk)の静電潜像が形成される。この静電潜像は現像器5によって現像されて可視化されたトナー画像Tが形成される。トナー画像Tは、感光体ドラム1の回転で導電性ロール25が配置された一次転写部に到り、導電性ロール25からトナー画像Tに逆極性の電界を作用させることにより、上記トナー画像Tを静電的に転写ベルト2に吸着されつつ転写ベルト2の矢印B方向の回転で一次転写される。
以下、同様にして第2色のトナー画像、第3色のトナー画像、第4色のトナー画像が順次形成され、転写ベルト2の表面において重ね合わされ、多重トナー画像が形成される。
【0064】
転写ベルト2に転写された多重トナー画像は、転写ベルト2の回転でバイアスロール3が設置された二次転写部に到る。二次転写部は、転写ベルト2のトナー画像が担持された表面側に設置されたバイアスロール3と、当該転写ベルト2の裏側からバイアスロール3に対向して配置されたバックアップロール22、及びこのバックアップロール22に圧接して回転する電極ロール26から構成される。
【0065】
記録紙41(記録媒体)は、記録紙トレー4に収容された記録紙束からピックアップロール42で一枚ずつ取り出され、フィードロール43で二次転写部の転写ベルト2とバイアスロール3との間に所定のタイミングで給送される。給送された記録紙41は、バイアスロール3とバックアップロール22とによる圧接搬送と、転写ベルト2の回転とで、当該転写ベルト2表面に担持されたトナー画像が転写される。
【0066】
トナー画像が転写された記録紙41は、最終トナー画像の一次転写終了まで退避位置にある剥離爪13を作動せることにより、転写ベルト2から剥離され、図示しない定着装置に搬送され、加圧・加熱処理でトナー画像を記録紙41に固定して永久画像とされる。
なお、多重トナー画像の記録紙41への転写の終了した転写ベルト2は、二次転写部の下流に設けたベルトクリーナ9で残留トナーの除去が行われて次の転写に備える。また、バイアスロール3には、ポリウレタン等からなるクリーニングブレード31が常時当接してとりつけられており、転写時に付着したトナー粒子や紙紛等の異物が除去される。
【0067】
単色画像の転写の場合は、一次転写されたトナー画像Tを直ちに二次転写して定着装置に搬送するが、複数色の重ね合わせによる多色画像の転写の場合は、各色のトナー画像が一次転写部で正確に一致するように、転写ベルト2と感光体ドラム1との回転を同期させて各色のトナー画像がずれないようにされる。
上記二次転写部では、バイアスロール3と転写ベルト2とを介して、対向配置したバックアップロール22に圧接した電極ロール26に、トナー画像の極性と同極性の出圧(転写電圧)を印加することで、当該トナー画像を記録紙41に静電反発で転写する。
以上のようにして、画像を形成することができる。
【0068】
尚、上述のように、本発明は、中間転写体がドラム形状の場合であっても、該ドラム状中間転写体を中間転写ドラム方式の画像形成装置に転用することができる。中間転写ドラム方式の一例を図4に示す。図4は、中間転写ドラムを備えたカラー画像形成装置の概要構成図である。中間転写ドラム30が前記中間転写ベルト2に対応する。また、ベルトローラ21、23及び24は当然不要となり、バックアップローラ22に対応する電極部材は必ずしも必要ではない。かかる構成からなるカラー画像形成装置は、図3に示す画像形成装置とほぼ同様に動作するので、その作用の説明を省略する。
【0069】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。尚、以下の説明において、「部」は総て「質量部」を意味する。
【0070】
(実施例1)
<微細なカーボンブラック被覆粒子の製造>
ゲータイト微粒子粉末(粒子形状:針状、平均長軸径0.0710μm、平均短軸径0.0081μm、軸比8.8、幾何標準偏差値1.38、BET比表面積値159.8m2/g、アルミニウムの含有量0.83質量%、L*値51.6、a*値31.4、b*値61.7、h値63.0°、隠蔽力152cm2/g、耐熱性245℃)11.0kgをエッジランナー「MPUV−2型」(製品名、株式会社松本鋳造鉄工所製)に投入し、メチルトリエトキシシラン(商品名:TSL8123:東芝シリコーン株式会社製)220gを200mlのエタノールで混合希釈して得られるメチルトリエトキシシラン溶液を、エッジランナーを稼動させながら上記ゲータイト微粒子粉末に添加し、392N/cm(40Kg/cm)の線荷重で20分間混合攪拌を行った。なお、このときの撹拌速度は22rpmで行った。
【0071】
次に、カーボンブラックとして、Degussa社のPRINTEX150T」、1100gを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、更に392N/cm(40Kg/cm)の線荷重で20分間、混合攪拌を行い、メチルトリエトキシシラン被覆の上にカーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用いて105℃で60分間加熱処理を行い、カーボンブラック複合含水酸化鉄微粒子粉末を得た。なお、このときの撹拌速度は22rpmで行った。
【0072】
得られた微細なカーボンブラック被覆粒子は、平均長軸径が0.0722μm、平均短軸径が0.0082μm、軸比が8.8の針状粒子粉末であった。メチルトリエトキシシランから生成したオルガノシラン化合物の被覆量はSi換算で0.30質量%であった。
【0073】
<中間転写体の作製>
宇部興産(株)製耐熱皮膜用ポリイミドUワニスAに樹脂成分100部に対して、上記カーボンブラック被覆微細粒子30部をミキサーにより混合した。得られた基材形成溶液を円筒金型に注入して、100℃から200℃に段階的に昇温して加熱しつつ、500〜2000rpmの回転数で円筒金型を回転させ、遠心成形法によりフィルム状に成膜した。次いで、得られた半硬化した状態のフィルムを350℃の高温でポリイミド化反応(ポリアミド酸の閉環反応)を進行させて本硬化を行い、表面抵抗率が1×1011.8Ω/□、体積抵抗率が1×1010.4Ωcmであり、厚さ90μm、幅350mm、外径168mmの基材であるポリイミド無端ベルトを作製した。
【0074】
(実施例2)
実施例1において、宇部興産(株)製耐熱皮膜用ポリイミドUワニスAに樹脂成分100部に対して、上記カーボンブラック被覆微細粒子35部をミキサーにより混合して、中間転写ベルト(中間転写体)を作製した。表面抵抗率が1×1011.4Ω/□、体積抵抗率が1×109.6Ωcmであった。
【0075】
(比較例1)
宇部興産(株)製耐熱皮膜用ポリイミドUワニスAに樹脂成分100部に対して、カーボンブラック(VolcanXC−72、キャボット社製)15部をミキサーにより混合した。得られた基材形成溶液を円筒金型に注入して、100℃から200℃に段階的に昇温して加熱しつつ、500〜2000rpmの回転数で円筒金型を回転させ、遠心成形法によりフィルム状に成膜した。次いで、得られた半硬化した状態のフィルムを350℃の高温でポリイミド化反応(ポリアミド酸の閉環反応)を進行させて本硬化を行い、表面抵抗率が1×1011.9Ω/□、体積抵抗率が1×109.8Ωcmであり、厚さ90μm、幅350mm、外径168mmの基材であるポリイミド無端ベルトを作製した。
【0076】
(比較例2)
2軸押出機を用いて、ポリカーボネート樹脂100部に、カーボンブラックとして、電気化学(株)製粒状アセチレンブラックを12部を混練して、ポリカーボネート樹脂ペレットを得た。次に、この樹脂ペレットを1軸押出機を用いて、チューブ形状に押出成形して、厚み150μm、幅350mm、外径168mmの無端ベルト(基材)を作製し、これを中間転写ベルト(中間転写体)とした。得られた中間転写ベルトの転写面の表面抵抗率は1×1011.8Ω/□、体積抵抗率は1×1010.4Ωcmであった。
【0077】
(比較例3)
イオン導電性ポリマーとして、ポリエーテルを主セグメントとするブロック型ポリマーである三洋化成工業(株)製のペレスタット6321(商品名)20部を、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂100部に2軸押出機を用いて混練してペレットを得た。次に、このペレットを用いて220℃の加熱温度で、1軸押出機にて、チューブ形状に成型し、厚み150μm、幅350mm、外径168mmの無端ベルト(基材)を作製し、これを中間転写ベルト(中間転写体)とした。得られた中間転写ベルトの転写面の表面抵抗率は1×1012.3Ω/□、体積抵抗率は1×1012.5Ωcmであった。
【0078】
(比較例4)
2軸押出機を用いて、ETFE樹脂100部にカーボンブラックとして、電気化学(株)製粒状アセチレンブラックを14部を混練して、ETFE樹脂ペレットを得た。次に、この樹脂ペレットを1軸押出機を用いて、チューブ形状に押出成形して、厚み150μm、幅350mm、外径168mmの無端ベルト(基材)を作製し、これを中間転写ベルト(中間転写体)とした。得られた中間転写ベルトの転写面の表面抵抗率は1×1011.5Ω/□、体積抵抗率は1×109.3Ωcmであった。
【0079】
(評価)
上記実施例1〜2及び比較例1〜4で得られた中間転写体について、表面抵抗率、体積抵抗率、表面抵抗率の面内バラツキ(表面抵抗率の常用対数値の最大値と最小値との差)、表面抵抗率の28℃85%RHの高温高湿環境(H/H環境)と10℃15%RHの低温低湿環境(L/L環境)での常用対数値の差、、葉書を3000枚連続コピー後の表面抵抗率の変化量(常用対数値の差)、及び葉書を3000枚連続コピー後、マゼンタ30%のハーフトーンをコピーした時の白抜け発生状況を評価した。これらの結果を表1に示す。
【0080】
−表面抵抗率−
表面抵抗率の計測は、上述したように、図1に示す円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプローブ)を用い、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧100(V)を印可し、10秒後の電流値より求めた。
【0081】
−体積抵抗率−
体積抵抗率の計測は、上述したように、図2に示す円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプローブ)を用い、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’と第二電圧印加電極B’との間に電圧100(V)を印可し、30秒後の電流値より求めた。
【0082】
−表面抵抗率の面内バラツキ−
表面抵抗率の面内バラツキ(最大値と最小値との差)は、作製した外径168mm、幅350mmの中間転写ベルトを長さ方向に8分割、幅方向に3分割し、ベルト面内24点について表面抵抗率を計測し、表面抵抗率の対数をとり、最大値と最小値との差をばらつき(ΔR)とした。
【0083】
−表面抵抗率の環境変動幅−
表面抵抗率の環境変動幅は、30℃、85%RHにおける表面抵抗率ρs3(Ω/□)の常用対数値と、10℃、15%RHにおける表面抵抗率ρs4(Ω/□)の常用対数値との差|logρs3−logρs4|として算出した。
【0084】
−表面抵抗率の低下量−
各樹脂ベルトを中間転写体として図3に示す画像形成装置に装着し、葉書を3000枚連続通紙後の表面抵抗率の低下量を、通紙前(初期)における表面抵抗率の常用対数値と、葉書を3000枚連続通紙した後における葉書走行部の表面抵抗率の常用対数値と、の差として算出し、0.5logΩ/□未満のものは○として評価した。
【0085】
ここで、図5に示すように、表面抵抗率の低下は、例えば、二次転写直後において、中間転写ベルト2表面はプラス側に帯電し、記録紙41のベルト側が、マイナス側に帯電しているため、中間転写ベルト2と記録紙41との間で剥離放電が発生し、中間転写ベルト2表面を劣化させるため、生じると考えられる。
【0086】
−白抜けの評価−
葉書を3000枚連続コピー後、A4サイズの用紙(記録紙)を用いてマゼンタ30%のハーフトーンをコピーした時の白抜け発生状況について、以下の基準により評価した。
○:白抜けの発生なし
×:白抜けの発生があり、画質上での問題あり
【0087】
ここで、図6に示すように、10℃15%RHの低温低湿環境下において、用紙(葉書)を連続走行して3000枚連続コピー後、中間転写体200における用紙走行部201には、抵抗低下が起る(図6中(a))。用紙走行部201が周囲の表面抵抗率より、例えば1.1(logΩ/□)以上低くなった状態で、マゼンタ30%のハーフトーンをコピーすると、非用紙走行部202よりも抵抗が低い用紙走行部201には印画されにくくなる(図6中(b))。この結果、白抜けの発生が生じることとなる。
【0088】
【表1】
Figure 0004206721
【0089】
表1の結果から、本発明の実施例1〜2の中間転写ベルトは、表面抵抗率のばらつきがなく、高温高湿(H/H)環境と低温低湿(L/L)環境での表面抵抗率の環境変動が少なく、優れた画質を長期にわたり安定して得ることができた。一方、比較例1は、カーボンブラックを分散しているため、ベルト面内の表面抵抗率のばらつき(ΔR)が1.2(logΩ/□)と大きく、3000枚連続コピーで画質欠陥(白抜けが)発生する問題が生じた。比較例3のイオン導電性ポリマー分散の中間転写ベルトは、ベルト面内の表面抵抗率のばらつき(ΔR)が0.2(logΩ/□)と小さいが、高音高湿(H/H)環境と低温低湿(L/L)環境での表面抵抗率の常用対数の差が1.8(logΩ/□)と大きい問題がある。また、比較例2のカーボンブラック分散のポリカーボネートおよび比較例4のカーボンブラック分散のETFE樹脂からなる中間転写ベルトは、葉書を3000枚連続コピー後、マゼンタ30%のハーフトーンをコピーした時の用紙走行部に白抜けが発生した。
【0090】
【発明の効果】
本発明によれば、転写電圧による抵抗の低下がなく、環境による電気抵抗の変化の少ない中間転写体を用い、高品質の転写画質を安定して得ることができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 表面抵抗率を測定する円形電極の一例を示す概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。
【図2】 体積抵抗率を測定する円形電極の一例を示す概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。
【図3】 本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図4】 本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
【図5】 中間転写体の二次転写部の表面抵抗率の低下を説明するための説明図である。
【図6】 葉書を3000枚連続コピー後、マゼンタ30%のハーフトーンをコピーした時の白抜け発生状況を示す説明図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(像担持体)
2 中間転写ベルト(中間転写体)
3 バイアスローラ(第二転写手段)
4 用紙トレー
5 ブラック現像器
6 イエロー現像器
7 マゼンタ現像器
8 シアン現像器
9 中間転写体クリーナ
10 転写ローラ
13 剥離爪
14 搬送ベルト
16 感光体クリーナ
21 ベルトローラ
22 バックアップローラ
23 ベルトローラ
24 ベルトローラ
25 導電性ローラ(第一転写手段)
26 電極ローラ
30 中間転写ドラム
31 クリーニングブレード
41 記録紙
42 ピックアップローラ
43 フィードローラ

Claims (2)

  1. 画情報に応じた静電潜像を形成する潜像担持体と、前記潜像担持体に形成された静電潜像をトナー像として可視化するための現像装置と、前記潜像担持体に担持された末定着のトナー像を中間転写体に一次転写する一次転写装置と、前記中間転写体に一次転写されたトナー像を記録媒体に二次転写する二次転写装置と、を備え画像形成装置において、
    前記中間転写体が、無機酸化物微粒子粉末の粒子表面がアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はポリシロキサンによって被覆されていると共に該被覆にカーボンブラックが付着しているカーボンブラック複合無機酸化物微粒子粉末を含有してなることを特徴とする画像形成装置。
  2. 無機酸化物粒子粉末が、酸化ケイ素粒子粉末または、酸化鉄粒子粉末から選ばれることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
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