JP2004271836A - 導電性ロールおよびこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

導電性ロールおよびこれを用いた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】環境変動による抵抗値のバラツキ、および、導電性ロール表面の抵抗バラツキが抑制できる導電性ロールを提供すること。
【解決手段】導電性支持体の外周面上に、少なくとも、1層以上の導電性弾性層を含む下地弾性層と、該下地弾性層の外周面に設けられた導電性表面層と、をこの順に設けた導電性ロールにおいて、前記下地弾性層の体積抵抗値(Rv1)の30℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差が、1.5以下であり、前記導電性ロールの体積抵抗値(Rv3)の30℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差が、1.0以下であることを特徴とする導電性ロール。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザープリンター、ファクシミリ、これらの複合OA機器等の電子写真方式を用いた画像形成装置に用いられる導電性ロールおよびこれを用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を利用した画像形成は、像担持体(感光体)上に一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザー等により静電潜像を形成した後、帯電したトナーで前記静電潜像を現像してトナー像を形成する。次に、前記トナー像を、中間転写体を介して、或いは、直接記録材媒体に静電的に転写することにより、所望の転写画像を形成することにより行われる。
【0003】
上述のように、電子写真方式を利用した画像形成装置では、像担持体上に一様な電荷を形成する帯電処理が行われる。このような帯電処理を行う方法の一つとして、接触式帯電方式がある。接触帯電方式に用いられる帯電部材としては帯電ロールが一般的に用いられる。上記した帯電ロールによる、感光体ドラム表面への帯電メカニズムは、帯電ロールと感光体ドラムとの微小空間におけるパッシェンの法則に従った放電によることが知られている。接触型の帯電ロールは金属基体からなる感光体ドラムに所定の押圧力で当接され、感光体ドラムの回転に伴い接触回転するため、帯電ロールが充分な柔軟性を持っておらず、表面にわずかなくぼみがある場合、感光体ドラムとの間に浮きが発生し、帯電ロールと感光体ドラムとの間の微小な間隔がばらつくことから、帯電不良を生じることになる。
【0004】
従って、感光体ドラムに対する浮きを防ぐため、帯電ロールは、導電性支持体の外周面上に導電性弾性層を設けた構成を有している。この導電性弾性層には、エチレンプロピレン−ジエンゴム(EPDM)やウレタンゴム、シリコンゴム、エピクロルヒドリンゴム等の加硫ゴム材料が一般的に用いられる。
【0005】
また、電子写真方式を利用した画像形成装置には、上記の帯電ロール以外に、現像ロール,転写ロール,クリーニングロール等多数の導電性ロールが用いられている。これらの導電性ロールは、円柱状軸体の外周面に、導電性の弾性体層が形成され、この弾性体層の外周面に保護層が形成されたものがある。
【0006】
上記導電性ロールは、半導電性領域(10〜1011Ωcm程度の範囲内)に抵抗値を制御して用いられる。また、導電性ロール内の抵抗のバラツキが小さく、高温高湿環境(30℃85%RH)と低温低湿環境(10℃15%RH)とにおける抵抗値の変動が少ないことが、高品質の転写画質を得るために必要である。しかし、半導電性領域で弾性材料の抵抗値を制御することは非常に難しく、通常の弾性材料に通常の導電性カーボンブラックを添加して所望の抵抗値を安定して得ることはほとんどできない。従って、通常の弾性材料に通常の導電性カーボンブラックを添加して導電性ロールを作製する場合、導電性ロール全数の抵抗値を計測して、選別する必要があるために、コストが高くなる。
【0007】
このような問題は、カーボンブッラクを弾性材料中に均一に分散させることが難しく、分散不良が生じることにより引き起こされるためである。これは、樹脂材料などの高分子の中にカーボンブラックを添加していくと、カーボンブラックの添加が少量である場合は導電率が小さく、特定のしきい値からカーボンブラックが導体回路を形成し、導電性が急激に向上するために中抵抗値を得ることができないからである(例えば、非特許文献1参照)
【0008】
上記半導電性領域での抵抗値を制御する方法として、導電剤として、抵抗値のバラツキの少ないイオン導電剤(第四級アンモニウム塩等)を用いる方法がある。例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)にイオン導電剤を配合する方法が挙げられる。この場合、イオン導電剤によるイオン伝導により導電性ロールの抵抗値を所定の抵抗領域(約10Ω・cm)に制御できる。しかしながら、導電剤としてイオン導電剤のみを用いた場合には、温度や湿度の変化によって電気抵抗が変動しやすいといった問題がある。
また、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)自体は、電気抵抗が高いため、イオン導電剤のみに依存して抵抗値を調整する場合、イオン導電剤の添加量が過大となり、ブルーミング(滲出)等の問題が生じる。
【0009】
また、他の方法としては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)よりもイオン導電性の高エチレンオキサイド基を有するエピクロルヒドリンゴムを2層構成からなる導電性ロールの抵抗調整層として用いることが挙げられる。このようなエピクロルヒドリンゴムを用いた導電性ロールは、上記したアクリロニトリル−ブタジエンゴムを用いた導電性ロールよりも温湿度の変化に対する電気抵抗の変化は抑制できるものの、満足できるレベルではなかった。
【0010】
あるいは、エピクロルヒドリンゴムにイオン導電剤(第四級アンモニウム塩等)を配合させた方法も挙げられる。この場合、イオン導電性が高いエピクロルヒドリンゴムの性質に加え、イオン導電剤の効果により、抵抗値を所定の抵抗領域(10〜1011Ωcm程度)に制御することができる。エピクロルヒドリンゴムにイオン導電剤を配合させた導電性ロールは、エピクロルヒドリンゴム自体のイオン導電性が高いため、個々の導電性ロール間での電気抵抗のばらつきや電圧依存性といった問題はおこらない。しかしながら、このような構成からなる導電性ロールにおいても、温度や湿度の変化によって電気抵抗が変動しやすいといった問題がある。
【0011】
また、エピクロルヒドリンゴムとNBRにイオン導電剤(第四級アンモニウム塩等)とカーボンブラックを配合させた導電性ロールが提案されている(特許文献1参照)。この技術では、イオン導電性が高いエピクロルヒドリンゴムおよびイオン導電性が低いNBRからなる弾性材料にイオン導電剤およびカーボンブラックを組み合わせて添加することで、所望の電気抵抗値に調整することが提案されている。
【0012】
しかし、カーボンブッラクにより発現する導電性は、前記したようなカーボンブッラクの分散不良の問題があり、抵抗値のバラツキを低減することはできない。また、このイオン導電剤は、分子量が小さい為、添加量が微量であっても、感光体ドラムへの押圧、長期の放置により帯電ロールの表面上へイオン導電剤がブリードするなどの問題が発生する場合がある。このブリードは感光体ドラムを汚染し、感光体ドラムの変質、画像不良を引き起こす。また、帯電ロールの表面にもトナーが付着してしまうので、そのトナーの堆積による帯電不良も引き起こすなども問題が生じる場合がある。
【0013】
また、ロールの端部を抵抗値が1013Ωcm以上の環状シール材で被覆して、イオン導電剤を含む発泡層(1)とその外周に電子導電剤を含む発泡層(2)を設け、更に、トナー汚染防止層(3)を設け、各層の抵抗が、R1>R2>R3(但し、R1、R2、R3は、ぞれぞれ発泡層(1)、発泡層(2)、トナー汚染防止層(3)の抵抗値を表す)となるように調整された3層構成からなる導電性ロールが提案されている(特許文献2参照)。しかし、この導電性ロールは、トナー汚染防止層(3)の表面抵抗が低くなるため、この導電性ロールを転写ロールとして用い、幅の狭い用紙(葉書など)にトナー像を転写させると、必要な転写電流を用紙部に印加できないために転写不良が発生する場合がある。また、イオン導電剤を含む発泡層(1)の導電性は、温度により移動速度が支配されるイオン導電剤により決定されるものであるため、その外周に電子導電剤を含む発泡層(2)を設けても、抵抗値の環境変動を低減する効果が少ない。また、このような導電性ロールは、3層構成である上に、製造に際してはロール端部をシール材で被覆するなど工程が複雑であり高コストになるという問題がある。
【0014】
また、導電性ロールを転写ロールとして用いる場合には、用紙が導電性ロールを通過してから次の用紙が導電性ロールに搬送される間に、中間転写体に残留したトナーが導電性ロールに転移して、導電性ロールを汚し、さらに、次の用紙の裏面に転移して、用紙の裏面を汚すなどの問題がある。
【0015】
この問題を解消するために、例えば、a)非転写時に、トナーが像坦持体に転移する方向の電界を導電性ロールと像坦持体との間に形成する方法、b)クリーニングブレード等により導電性ロールをクリーニングする方法、などが提案されている。
【0016】
しかし、上記a)の方法は、導電性ロール表面にトナー凝集塊が存在している場合には、充分なクリーニング効果を発揮することができない。また、導電性ロール表面にトナー凝集塊が存在していない場合でも、充分にクリーニングするには導電性ロールに高い電界を印加することが必要となるので好ましくない。
【0017】
一方、上記b)の方法は、導電性ロールがEPDMやウレタンゴム等の摩擦係数の大きいゴム材料で構成される場合(例えば、特許文献3参照)には、ブレードの摺擦によって、導電性ロールを損傷させたり、回転トルクが増大する等などの理由により実用的ではない。
【0018】
用紙の裏面汚れの防止対策として、EPDMや、ウレタンゴム等の弾性体にフッ素系樹脂をコーテイングする方法がある。このような例としては、シリコンゴムやウレタンゴムなどの発泡弾性体表面がフッ素樹脂またはシリコン樹脂により、微細な斑状に部分的なコーテイングされた導電性ロールが挙げられる(特許文献4参照)。
【0019】
しかしながら、上記発泡弾性体は、いずれも表面に発泡セルの凹凸が残存しているために、表面層の表面エネルギーが低くなり、トナー付着が少ない、フッ素系の樹脂をコーテイングしてもクリーニングブレードによるスクレーブ作用を充分に発揮することができないといった問題があった。
【0020】
上記対策として、導電性発泡層の外周側に弾性体層を設け、更に表面層に、フッ素系の樹脂またはフッ素樹脂粒子を分散してなる樹脂組成物をコーテイングしてなる導電性ロールを提案されている。しかし、上記導電性ロールは、3層構成となるために工数がかかり高価になる。安価に作製するために、導電性発泡層と弾性層とを同時押出成型法で加工する方法を利用することもできるが、この方法を用いて導電性ロールを作製する場合には、加工を容易とするために、弾性体層の厚みを0.1mm以上とする必要がある。この場合、弾性層の厚みが厚くなるために、均一なニップ幅を得るために圧接力を強くすると、感光ドラムと転写ロールとの間の機械的な相互作用が無視できなくなり、摩耗や同期ずれ並びに感光ドラム上の傷等の問題が生じてしまうなどの問題がある。更に、弾性層の厚みを研磨するなどによって、薄くした場合には、弾性層の強度不足により、ブレードめくれなどの問題が発生する場合がある。
【0021】
また、導電性ロールのクリーニング方式として、クリーニングブレード方式によるクリーニング方法が提案されている(特許文献5参照)。
しかし、いわゆる球形の重合トナーを使用した場合には、当該方法に使用されるウレタンブレードでは、クリーニング性能を確保することが困難であり、さらに、濃度制御用のパッチを導電性ロール上に形成して、濃度検出可能としたシステムに対しては、充分対応できないなどの問題が発生する場合がある。
【0022】
これに対して、硬質で平滑な転写ロール表面のクリーニング方法として、金属ブレードを用いることが提案されている(特許文献6参照)。しかしながら、このようなクリーニング方法に好適な転写ロールに関しては具体的に検討されていない。
【0023】
また、従来の転写ロールとしては、例えば、弾性体からなる第一の層と、この層より高抵抗の樹脂からなる第二層と、を形成した構成のものが知られている(例えば、特許文献7参照)。このような転写ロールの表面層の材料としては、ポリカーボネイト、ポリエステル、ナイロン樹脂をベースにしているが、このような樹脂材料に対して、特許文献7等に記載の金属ブレードを適用すると、非常に短期間で表面層に傷が発生し、クリーニング不良や濃度制御用パッチの検出不良に至る問題がある。
【0024】
上記したように、従来の導電性ロールにおいては、抵抗値の環境変動が少なく、導電性ロール内の抵抗バラツキが少なく、球形の重合トナーを使用した場合でもクリーニング性能を確保することができ、また、経時での良質な画質を安定して得ることができなかった。
【0025】
【特許文献1】
特開2001−214925号公報
【特許文献2】
特開2000−176539号公報
【特許文献3】
特開平6−124049号公報
【特許文献4】
特開平6−149097号公報
【特許文献5】
特開平10−111628号公報
【特許文献6】
特開平6−324583号公報
【特許文献7】
特開平3−202885号公報
【非特許文献1】
高分子加工、43巻、4号、1977、住田等
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記したような従来における諸問題を解決することを課題とする。即ち、本発明は環境変動による抵抗値のバラツキ、および、導電性ロール表面の抵抗バラツキが抑制できる導電性ロールおよびこれを用いた画像形成装置を提供することを課題とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、本発明は、
<1> 導電性支持体の外周面上に、少なくとも、1層以上の導電性弾性層を含む下地弾性層と、該下地弾性層の外周面に設けられた導電性表面層と、をこの順に設けた導電性ロールにおいて、
前記下地弾性層の体積抵抗値(Rv1)の30℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差が、1.5以下であり、前記導電性ロールの体積抵抗値(Rv3)の30℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差が、1.0以下であることを特徴とする導電性ロールである。
【0028】
<2> 前記体積抵抗値(Rv1)の30℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差が、1.0以下であり、前記体積抵抗値(Rv3)の30℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差が、0.5以下であることを特徴とする<1>に記載の導電性ロールである。
【0029】
<3> 前記体積抵抗値(Rv1)と、前記導電性表面層の体積抵抗値(Rv2)と、が下式(1)を満たすことを特徴とする<1>または<2>に記載の導電性ロールである。
・式(1) Rv1≧Rv2
【0030】
<4> 前記導電性弾性層の少なくとも1層が、エピクロルヒドリンゴムを含む発泡体に、少なくとも1種以上の電子導電剤を添加した導電性発泡層であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1つに記載の導電性ロールである。
【0031】
<5> 前記導電性支持体の外周面上に、前記導電性発泡層と、エピクロルヒドリンゴムを含む導電性非発泡層と、前記導電性表面層と、をこの順に設けたことを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1つに記載の導電性ロール
【0032】
<6> 前記導電性表面層が、導電性樹脂チューブからなることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1つに記載の導電性ロールである。
【0033】
<7> 前記導電性表面層の表面抵抗率(ρs2)が、1×10Ω/□〜1×1013Ω/□の範囲内であることを特徴とする<1>〜<6>のいずれか1つに記載の導電性ロールである。
【0034】
<8> 前記導電性表面層の厚みが、0.02〜0.08mmの範囲内であることを特徴とする<1>〜<7>のいずれか1つに記載の導電性ロールである。
【0035】
<9> 前記導電性表面層が、ポリイミド樹脂を主成分とすることを特徴とする<1>〜<8>のいずれか1つに記載の導電性ロールである。
【0036】
<10> 前記電子導電剤が、酸化処理カーボンブラックであることを特徴とする<1>〜<9>のいずれか1つに記載の導電性ロールである。
【0037】
<11> 前記導電性弾性層が、エピクロルヒドリンゴムおよびアクリロニトリル−ブタジエンゴムを主成分として含み、エピクロルヒドリンゴムとアクリロニトリル−ブタジエンゴムとの配合比が、重量比で2:8〜8:2の範囲内であることを特徴とする<1>〜<10>のいずれか1つに記載の導電性ロールである。
【0038】
<12> 前記導電性ロールの体積抵抗値(Rv3)が、10〜1010Ωの範囲内であることを特徴とする<1>〜<11>のいずれか1つに記載の導電性ロールである。
【0039】
<13> 少なくとも1つ以上の導電性ロールを備え、トナーを用いて画像を形成する画像形成装置において、
前記導電性ロールが<1>〜<12>のいずれか1つに記載の導電性ロールであることを特徴とする画像形成装置である。
【0040】
<14>
前記トナーが球形トナーであることを特徴とする<13>に記載の画像形成装置である。
【0041】
<15> 前記画像形成装置が少なくとも転写ロールを備え、前記転写ロールが<1>〜<12>のいずれか1つに記載の導電性ロールであることを特徴とする<13>または<14>に記載の画像形成装置である。
【0042】
<16> 前記画像形成装置が少なくとも帯電ロールを備え、前記帯電ロールが<1>〜<12>のいずれか1つに記載の導電性ロールであることを特徴とする<13>〜<15>のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
【0043】
【発明の実施の形態】
<<導電性ロール>>
本発明の導電性ロールは、導電性支持体の外周面上に、少なくとも、1層以上の導電性弾性層を含む下地弾性層と、該下地弾性層の外周面に設けられた導電性表面層と、をこの順に設けた導電性ロールにおいて、前記下地弾性層の体積抵抗値(Rv1)の30℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差が、1.5以下であり、前記導電性ロールの体積抵抗値(Rv3)の30℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差が、1.0以下であることを特徴とする。
なお、本発明において、2つの値の常用対数値を取り、これら2つの値の差として求めた値は、絶対値を意味する。
【0044】
従って、本発明によれば環境変動による抵抗値のバラツキ、および、導電性ロール表面の抵抗バラツキを抑制できる。導電性ロールを提供することができる。
【0045】
下地弾性層の体積抵抗値(Rv1)の30℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差が、1.5を超える場合、および/または、体積抵抗値(Rv3)の30℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差が、1.0を超える場合には、環境変動による抵抗値のバラツキ、および/または、導電性ロール表面の抵抗バラツキを抑制できなくなる。
【0046】
なお、下地弾性層の体積抵抗値(Rv1)の30℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差は、1.0以下が好ましく、0.8以下がより好ましい。また、体積抵抗値(Rv3)の30℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差は、0.5以下が好ましく、0.4以下がより好ましい。
【0047】
一方、従来から、主に使用されている導電性ロールは、導電性支持体上に発泡弾性層(本発明の下地弾性層に相当する層)のみを設けた構成(以下、「単層型導電性ロール」と略す場合がある)である。このようなロールの体積抵抗値の30℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差は、2前後程度であり、環境変動に対する抵抗値のバラツキが大きかった。従って、このような導電性ロールは、環境変動に対する抵抗値の変化幅が大きいため、これに対応した容量の大きい電源が必要であった。このため、導電性ロールへの電圧印加に用いる電源の小型化、低コスト化が困難であることに加え、幅広い範囲で抵抗を制御する必要があるために抵抗値を制御するための制御機構の簡素化も困難であった。
【0048】
しかしながら、本発明の導電性ロールは、環境変動による抵抗値のバラツキが、導電性ロール全体として見た場合、従来と比べて約1/10以下であるため従来よりも電源が小型化・低コスト化でき、抵抗値を制御するための制御機構を簡素化することも容易となる。
【0049】
また、従来のような単層型導電性ロールにおいても、使用する材料を選択することにより導電性ロール全体としての環境変動に対するバラツキを、本発明の導電性ロールと同程度まで抑えることも可能である。
しかし、単層型導電性ロールは、本発明の導電性ロールのように、下地弾性層の外周面に導電性表面層を設けた構成ではないために、単層型導電性ロールの表面(すなわち下地弾性層の表面)の抵抗の面内バラツキが十分に抑制できない場合があり、特に低温低湿環境下ではこのような傾向が顕著であった。
【0050】
一方、本発明の導電性ロールは、下地弾性層の表面に導電性表面層を設けた構成とし、さらに、下地弾性層の体積抵抗値(Rv1)の30℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差が、導電性ロールの体積抵抗値(Rv3)の30℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差よりも大きくなるように設定することによって、導電性ロール表面における面内の抵抗バラツキを抑制することができる。
【0051】
なお、以下の説明において、下地弾性層の体積抵抗値(Rv1)、導電性ロールの体積抵抗値(Rv3)、また、後述する導電性表面層の体積抵抗値(Rv2)に関する説明において、これらの値が測定された温湿度について言及しない場合には、常温常湿環境(22℃、55%RH)において測定された値を意味するものとする。
【0052】
また、本発明の導電性ロールは、下地弾性層の体積抵抗値(Rv1)と、導電性表面層の体積抵抗値(Rv2)と、の関係が下式(1)の関係を満たすことが好ましい。
・式(1) Rv1≧Rv2
【0053】
下地弾性層よりも導電性表面層の体積抵抗値を同等あるいはそれ以下とすることにより、導電性ロール表面でのリークを防止することができる。一方、式(1)の関係を満たすことができない場合(すなわちRv1<Rv2)には、導電性ロール表面においてリークが発生する場合がある。
【0054】
また、式(1)を満たすことにより、特に低温低湿環境下においては、導電性ロール表面での電流流路をより多く確保でき、単層型導電性ロールよりもより低抵抗にできる。
つまり、本発明の導電性ロールの体積抵抗値(Rv3)の30℃85%RHと10℃15%RHにおける環境における変動幅は、従来の単層型導電性ロールの体積抵抗値の30℃85%RHと10℃15%RHにおける環境における変動幅よりも、より小さく抑えることができる。
なお、このような効果は、導電性表面層の導電性が、電子伝導により支配されるような場合や、体積抵抗値(Rv1)と体積抵抗値(Rv2)との関係が式(1)を満たした上で、更に両者の常用対数値の差が、0.5以上、より好ましくは1以上の場合において顕著に発揮される。
【0055】
(導電性ロールの層構成)
本発明の導電性ロールの層構成は、導電性支持体の外周面上に、少なくとも、1層以上の導電性弾性層を含む下地弾性層と、該下地弾性層の外周面に設けられた導電性表面層と、をこの順に設けたものであれば特に限定されない。
具体例を挙げれば、例えば、図1や図2に示すような層構成が挙げられる。図1は、本発明の導電性ロールの一例を示す模式断面図であり、図2は、本発明の導電性ロールの他の例を示す模式断面図である。
【0056】
図1は下地弾性層が1層の導電性弾性層からなる場合の導電性ロールの層構成について示したもので、図1に示す導電性ロールは、導電性支持体201の外周面上に順次、導電性発泡層202、導電性表面層203が積層されたものである。この場合、図1において、下地弾性層は、導電性発泡層202から構成されているが、導電性非発泡層から構成されていてもよく、また、弾性材料としてエピクロルヒドロンゴムを含むことが好ましい。
なお、本発明において、導電性発泡層とは、層の形成に際し、発泡剤等を用いることにより、空隙を多く含むように形成した導電性を有する層を意味する。一方、導電性非発泡層とは、これとは逆に、空隙を実質的に殆ど含まないように形成した導電性を有する層を意味する。
【0057】
図1に示す導電性ロールの作製方法は特に限定されるものではなく、公知の方法により作製することができるが、導電性表面層203が、導電性樹脂チューブからなり、この導電性樹脂チューブを導電性発泡層202の外周面に被覆・固定して導電性ロールを作製することが好ましい。
【0058】
また、図2は下地弾性層が2層の導電性弾性層からなる場合の導電性ロールの層構成について示したもので、図2に示す導電性ロールは、導電性支持体201の外周面上に順次、導電性発泡層202a、導電性非発泡層202b、導電性表面層203が積層されたものである。なお、図2に示す導電性ロールにおいて、下地弾性層は、導電性非発泡層202aおよび導電性発泡層202bから構成される。なお、符号202aおよび202bの2層として示される下地弾性層は、上記の構成と逆であってもよく、2層の導電性発泡層から構成されてもよく、あるいは、2層の導電性非発泡層から構成されてもよい。また、弾性材料としてエピクロルヒドロンゴムを含むことが好ましい。
【0059】
図2に示す導電性ロールの作製方法は特に限定されるものではなく、公知の方法により作製することができるが、導電性表面層203が、導電性樹脂チューブからなり、この導電性樹脂チューブを導電性発泡層202bの外周面に被覆・固定して導電性ロールを作製することが好ましい。
【0060】
なお、下地弾性層の体積抵抗値(Rv1)の30℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差をより小さくするという点からは、下地弾性層は、図1に示すような導電性発泡層からなる単層構成よりも、図2に示す導電性非弾性層と導電性発泡層とからなるような複数層構成とすることが好ましい。
また、図1およびCに示す層構成以外にも、下地弾性層は、2層以上の層から構成されていてもよく、各層は導電性発泡層のみから構成されてもよいし、導電性非発泡層のみから構成されてもよいし、あるいは、両者を1層以上含む構成であってもよい。
なお、導電性樹脂チューブを下地弾性層の外周面に被覆・固定して導電性ロールを作製する方法や、各層を構成する材料の詳細については後述する。
【0061】
(導電性表面層の表面抵抗)
導電性表面層の表面抵抗率(ρs2)は、10Ω/□から1013Ω/□の範囲内であることが好ましく、10Ω/□から1012Ω/□の範囲であることがより好ましい。
表面抵抗率が、10Ω/□より低い場合には、10℃15%RHの低温低湿環境において、葉書きなどのロール幅より幅の狭い用紙を転写する場合に、用紙の抵抗が高くなり、用紙端部で用紙外部に電流が流れ易いために、用紙端部で必要な転写電流が得られず、用紙端部が白く抜ける画質欠陥(用紙部端部不良)が発生する場合がある。
【0062】
また、表面抵抗率が、1013Ω/□を超える場合には、導電性表面層に電荷が溜まり易く、チャージアップするために導電性ロール表面にロール周方向で電位差が生じ、ロール径ピッチでの帯状に濃度が濃くなる画質欠陥が発生する場合がある。
【0063】
なお、本発明において、表面抵抗率とは、印加電圧100Vで測定した値であり、具体的には、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPの「HRプローブ」)を用い、JIS K6991に基いて行った。この表面抵抗率の測定方法を図3を用いて具体的に以下に説明する。
図3は、導電性ロールの導電性表面層の表面抵抗率の計測方法を示す概略模式図であり、(a)は円形電極の一例を示す概略平面図であり、(b)は(a)に示す円形電極の概略断面図である。図3に示す円形電極は、第一電圧印加電極Aと板状絶縁体Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cと、円柱状電極部Cの外径よりも大きい内径を有し、且つ、円柱状電極部Cを一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部Dと、を備える。
【0064】
表面抵抗率の測定は、第一電圧印加電極Aの円柱状電極部C及びリング状電極部Dと、板状絶縁体Bと、の間にシート状に切り出した導電性表面層Tを挟持した状態で、第一電圧印加電極Aの円柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧V(V)を印可したときに流れる電流I(A)を測定することにより行う。
なお、導電性表面層Tの表面抵抗率を測定する場合には、その外周面が円柱状電極部C及びリング状電極部Dに接するように導電性表面層Tを配置する。
この際、導電性表面層Tの外周面の表面抵抗率ρs(Ω/□)は、下記式(2)により算出することができる。ここで、下記式(2)中、d(mm)は円柱状電極部Cの外径を示し、D(mm)はリング状電極部Dの内径を示す。
・式(2) ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
【0065】
(導電性表面層の厚み)
導電性表面層の厚みは、特に限定されるものではないが、下地弾性層の変形に低い圧力で追随するために、0.02〜0.08mmの範囲内であることが好ましく、0.03〜0.06mmの範囲内であることがより好ましい。
厚みが0.02未満の場合には、厚みが薄過ぎるために導電性表面層の強度が不足し、導電性ロール表面にブレードを当接させて用いた場合にはブレードめくれなどの問題が発生する場合がある。また、0.08mmを超える場合には、下地弾性層の変形に追随させるために必要な圧力が大きくなるなどの問題が生じる場合がある。
なお、導電性表面層の膜厚の測定は、渦電流式の膜厚計(フィッシヤー社製MP30)を用いて行った。
【0066】
(導電性表面層のヤング率)
また、導電性表面層のヤング率は、200kg/cm以上が好ましく、300kg/cm以上であることがより好ましい。
導電性表面層のヤング率が200kg/cm未満の場合には、導電性ロール表面にブレードを当接させて用いた場合には、厚みが0.02mm以上であったとしてもブレードとの圧接により、導電性表面層の強度不足により、導電性表面層が変形して、しわなどが発生して、ブレードめくれなどの問題が発生する場合がある。
【0067】
(導電性表面層の構成材料)
導電性表面層を構成する材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、などの樹脂材料を用いることができる。これらの中でも、強度、耐熱性、寸法安定性の観点からポリイミドが特に好ましい。
より具体的なポリイミド樹脂材料としては、例えば、ポリピロメリット酸イミド系のポリイミド樹脂材料、ポリビフェニルテトラカルボン酸イミド系樹脂材料などの熱硬化性樹脂。ポリベンゾフェノンテトラカルボン酸イミド酸系樹脂材料、ポリエーテルイミド樹脂などの熱可塑性ポリイミド樹脂をあげることができる。
【0068】
また、例えば、上記ヤング率を満足させるために、無機系の充填材を添加してなる樹脂組成物を用いることができる。より具体的には、耐摩耗性に向上効果のある無機系の充填材として、層状構造をもつ二硫化モリブデン、マイカ。板状形態をもつグラファイト、窒化ホウ素、チタン酸カリウム繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭化けい素繊維などの繊維形状の充填材料、などをあげることができる。
上記、無機系の充填材を添加する樹脂材料としては、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂。ポリエチレンテレフタレート、ポチブチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、ABS樹脂、ポリステレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂をあげることができる。
【0069】
(導電剤)
本発明の導電性ロールには、所望の導電性を得るために導電剤を添加することができる。導電剤としては、公知の材料を用いることができるが、環境変動に対する抵抗バラツキを効果的に抑制できる点で電子導電性の導電剤を用いることが好ましい。
このような電子伝導性の導電剤としてはカーボンブラック、グラファイト、アルミニュウム、ニッケル、銅合金などの金属または合金、酸化錫、酸化亜鉛、チタン酸カリム、酸化錫−酸化インジウムまたは酸化錫−酸化アンチモン複合酸化物などの金属酸化物など、公知のものを利用できる。
【0070】
これらの電子導電性導電剤の中でも、酸化処理したカーボンブッラク(以下、「酸性カーボンブラック」と略す)を用いることが好ましい。酸性カーボンブラックは、表面にカルボキシル基などの官能基があり、ゴム成分との相溶性があることで、均一に分散することができる。このため、既述したような抵抗値のバラツキを低減することができる。なお、酸性カーボンブラックのpHは5以下である。酸性カーボンブラックのpHを5以下とすることにより、導電性ロールに対して繰り返し電圧印加した際に、一部に過剰な電流が流れることにより、酸性カーボンブラックの表面が更に表面酸化されることによって、酸性カーボンブラック特性が大きく変り、導電性ロールの抵抗が変化するという問題の発生を防ぐことができる。
【0071】
電子導電性系導電剤として、pH5以下の酸性カーボンブラックを用いることで、一部に過剰な電流が流れたり、繰り返しの電圧印加による酸化の影響を受けにくくなる。さらに、酸性カーボンブラックの表面に付着する酸素含有官能基の効果によって、基材への分散性が高く、抵抗バラツキを小さくすることができるとともに、電界依存性も小さくなり、通電による電界集中がおきなくなる。その結果、通電による抵抗変化を防止し、電気抵抗の均一性を改善し、電界依存性が少なく、さらに環境による抵抗の変化が少なく、より優れた均一帯電性や転写性を得ることが可能である。
【0072】
このため、従来のようなカーボンブラックの大きな凝集体の発生に起因する電場集中、絶縁破壊によって発生すると考えられるピンホールリーク等のリーク放電を防止することができ、トナーの固着をも防止しすることができる。さらに抵抗変化や抵抗のバラツキによる帯電ムラやリーク放電に起因する画質欠陥、環境変動による画像濃度の変動が少なくなり、長期に渡り高画質画像を得ることができる。また、酸性カーボンブラックは、分散性を向上させるためのカップリング処理や、絶縁粒子や金属酸化物等の添加等を行う必要性がなく、製造工程が簡易となる。
【0073】
酸性カーボンブラックのpHは上記したように5以下であれば特に限定されないが、好ましくはpH4.5以下であり、より好ましくはpH4.0以下である。なお、酸性カーボンブラックのpHは以下のように定義される(詳しくはJIS K6221−1982に準ずる)。酸性カーボンブラックの「pH」とは、カーボンブラックを水で煮沸し、冷却後上澄みを除去して得た泥状物に対して測定したpH(水素イオン濃度の対数値)をいう。カーボンブラック表面の酸素含有官能基(カルボン酸、水酸、ラクトン、キノイドなどの各官能基)の量と関連があり、pHが低いほど酸性表面官能基が多いと考えられている(カーボンブラック協会編集・発行「カーボンブラック便覧」、1995年、参照)。なお、カーボンブラック表面の酸素含有官能基の量を表す物性値として揮発分もある。この揮発分とは、カーボンブラックを950±25℃の雰囲気に7分間保持したときの減量割合をパーセントとして表したものである。
【0074】
酸性カーボンブラックは、コンタクト法により製造することができる。このコンタクト法としては、チャネル法、ガスブラック法等が挙げられる。また、酸性カーボンブラックは、ガスまたはオイルを原料とするファーネスブラック法により製造することもできる。必要に応じて、これらの処理を施した後、硝酸などで液相酸化処理を行ってもよい。ファーネス法では通常高pH・低揮発分のカーボンブラックしか製造されないが、これに上述の液相酸処理を施してpHを調整することができる。このためファーネス法製造により得られるカーボンブラックで、後工程処理によりpHが5以下となるように調節されたカーボンブラックも、本発明においては好適に用いることができる。
【0075】
酸性カーボンブラックの具体例としては、デグサジャパン社製の「カラーブラックFW200」(pH2.5、揮発分20%)、同「FW2」(pH2.5、揮発分16.5%)、同「FW2V」(pH2.5、揮発分16.5%)、「スペシャルブラック6」(pH2.5、揮発分18%)、同「5」(pH3、揮発分15%)、同「4」(pH3、揮発分14%)、同「4A」(pH3、揮発分14%))、「プリンテックス150T」(pH4、揮発分10%)、「プリンテックス140U」(pH4.5、揮発分5%)、キャボット社の「REGAL400R」(pH4.0、揮発分3.5%)、同「MONARCH 1000」(pH2.5、揮発分9.5%)、同「MONARCH 1300」(pH2.5、揮発分9.5%);等が挙げられる。
【0076】
酸性カーボンブラックは、単独で下地弾性層や導電性表面層を構成する樹脂組成物中に配合してもかまわないが、酸性カーボンブラックの中から任意の2種以上を配合して、力学強度や硬度、弾性率など、システム全体からの要求に合致するように配合することもできる。樹脂組成物ヘの配合量は、通常の導電性カーボンブラックよりは高濃度にしなければ、好適な抵抗領域に入らないが、おおむね5〜40重量部(樹脂組成物100重量部に対する重量部数)が好ましい。この配合量が、5重量部未満では抵抗が高すぎて、所望の抵抗が得られない。一方40重量部を超えると抵抗が低すぎて、白抜けなどの画質欠陥が発生することがある。
【0077】
(下地弾性層の構成材料)
下地弾性層は、弾性材料に、必要に応じて導電剤等の添加剤等を加えて構成される。下地弾性層に用いられる弾性材料としては、公知の弾性材料であれば特に限定されないが、例えば、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、塩素化ポリイソプレン、イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム、水素添加ポリブタジエン、ブチルゴムなどのゴム材料を1種類、又は、2種類以上をブレンドしたゴム材料を用いることができる。
【0078】
また、導電剤としては、前記した電子導電性の導電剤や、スルホン酸塩やアンモニア塩など、また、カチオン系、アニオン系、ノニオン系などの各種の界面活性剤などをイオン導電性の導電剤として添加でき、これら導電剤を1種類、または、2種類を組み合わせて用いることができる。
【0079】
これらの材料の中でも、環境変動に対する抵抗のバラツキ抑制の点で、下地弾性層は、イオン導電性の弾性材料、あるいは、電子伝導性の導電剤を添加したイオン導電性の弾性材料を含むことが好ましい。
【0080】
(弾性材料)
下地弾性層を構成する弾性材料としては、上記に列挙したようなゴム材料を用いることができるが、環境変動に対する抵抗のバラツキ抑制の点で、少なくともゴム分子に含まれるエチレンオキサイド基により、イオン導電性を発現するエピクロルヒドリンゴム(ECO)を主成分とする弾性材料を用いることが好ましい。
【0081】
また、下地弾性層を構成する弾性材料は、イオン導電性の高いゴム材料と、イオン導電性の低いゴム材料とを組み合わせて用いることが好ましい。
なお、イオン導電性の高いゴム材料(以下、「A成分」と略す場合がある)の体積抵抗値としては、10〜1011Ωの範囲内であることが好ましく、イオン導電性の低いゴム材料(以下、「B成分」と略す場合がある)の体積抵抗値としては、10〜10Ωの範囲内であることが好ましい。
尚、ゴム材料の体積抵抗値は、このゴム材料を170℃、15分間の加硫プレスを行うことにより得られた厚さ2mm、縦横100×100mmのゴムシートに500Vの電圧を印加した状態で、SRIS 2304に規定された方法により準拠して計測した値である。
【0082】
また、この場合において、A成分とB成分との体積抵抗値の比(A成分の体積抵抗値/B成分の体積抵抗値)の常用対数値は、0.5〜4の範囲内であることが好ましく、1〜3の範囲内であることがより好ましい。A成分とB成分との配合比は特に限定されるものではないが、重量比でA成分/B成分=20/80〜80/20の範囲内とすることが好ましい。なお、A成分、B成分共に、2種類以上を用いてもよい。
【0083】
このような組合せからなる弾性材料としては、例えば、A成分としてエピクロルヒドリンゴム、B成分としてアクリロニトリル−ブタジエンゴムが挙げられ、これにカーボンブラックを添加することができる。
【0084】
イオン導電性が高いA成分と、イオン導電性の低いB成分と組み合わせて用いたゴム組成物で形成することにより、導電性ロールの導電性は、イオン伝導に支配されており、電気抵抗の電圧依存性が低くなる。さらに、このようなゴム組成物に、カーボンブラックのような電子伝導性の導電剤を所定量配合することにより、低温低湿下における電気抵抗が低くなって高温高湿下における電気抵抗に近くなる。その結果、高温高湿下でも低温低湿下でも電気抵抗値が大きく変動しないようになり、温度等の影響(環境依存性)を受けにくくなる。
【0085】
なお、上記導電性発泡層を形成するゴム組成物として、A成分としてエピクロルヒドリンゴムと、B成分としてNBRとを併用すると、NBRのほうが、低粘度でポリマー化できるため、押出成形等において、押出圧力低減、押出肌の改良効果が得られるようになる。
【0086】
上記エピクロルヒドリンゴム(A成分)とNBR(B成分)の配合比は、重量比で、A成分/B成分=80/20〜20/80の範囲に設定することが好ましい。より好ましくは、A成分/B成分=70/30〜50/50の範囲である。
すなわち、上記配合割合において、上記エピクロルヒドリンゴム(A成分)が20未満〔NBR(B成分)が80を超える〕の場合では、得られた導電性ロールの初期の電気抵抗が高くなる場合がある。
また上記エピクロルヒドリンゴム(A成分)が80を超える〔NBR(B成分)が20未満の〕場合では、得られた導電性ロールに直流電圧を印加した後の電気抵抗の上昇度合いが大きくなる傾向がみられる場合がある。
【0087】
(導電性発泡層および発泡剤)
下地弾性層を構成する導電性弾性層は、既述したように空隙を多く含む導電性発泡層としてもよい。この場合、導電性発泡層の形成に際し、この層を構成する材料に発泡剤を混ぜて形成することができる。
このような発泡剤としては、公知の発泡剤を用いることができ、例えば、無機系発泡剤、有機系発泡剤のいずれを用いてもよく、単独で用いてもよいし、二種以上併用してもよい。
【0088】
導電性発泡層の形成材料としては、既述したような弾性材料に、必要に応じて導電剤等の添加剤を添加したものであれば特に限定されない。しかしながら、導電性発泡層は、弾性材料としてエピクロルヒドリンゴムおよびNBRを含み、これに導電剤としてカーボンブラックを含むものであることが特に好ましい。
この場合の各成分の組成比は特に限定されるものではないが、ゴム成分であるエピクロルヒドリンゴムとNBRとの合計量100重量部(以下「部」と略す)に対して、カーボンブラックが5〜40部の範囲内とすることが好ましく、10〜35部の範囲内がより好ましく、15〜30部の範囲内が更に好ましい。これら3つの成分を上記範囲内とすることにより、作製された導電性ロールの、環境変化および電圧の変化等に起因する電気抵抗の変動幅を効果的に小さくすることができる。
【0089】
なお、ゴム材に対するカーボンブラックの配合量が5部未満では、より効果的に電気抵抗の変動幅を小さく抑えることができない場合がある。また、40部を超えると、導電性ロールの硬度が硬くなり、導電性ロールと接触する部材との間で形成されるニップ部でのニップ圧が大きくなる等の問題が生じる場合がある。
【0090】
導電性発泡層の形成に際しては、この層を構成する各成分や発泡剤の混合方法、混合の順序は特に限定されることはない。一般的な方法としては、全成分をあらかじめタンブラー、Vブレンダー等で混合し、押出機によって均一に溶融混合する方法であるが、成分の形状に応じてこれらの成分中の2種以上の溶融混合物に残りの成分を溶融混合する方法を用いることもできる。
【0091】
また導電性発泡層には、上記したようなゴム材および導電剤以外に、架橋剤,充填剤等が適宜に配合される。上記架橋剤としては、特に限定するものではなく、従来公知のもの、例えばチオウレア,トリアジン,イオウ等があげられる。また、上記充填剤としては、シリカ,タルク,クレー,酸化チタン等の絶縁性の充填剤があげられ、単独でもしくは併せて用いられる。
【0092】
このような組成物から構成された導電性発泡層は、例えば、その体積抵抗値は10〜1011Ωの範囲に設定されることが好ましい。また、その厚みは、およそ2〜12mmの範囲内に設定されることが好ましく、3〜5mmの範囲内に設定されることがより好ましい。
【0093】
(導電性非発泡層)
導電性非発泡層を構成する材料としては、作製に際し、発泡剤を用いないこと以外は、上記したような導電性発泡層と同様の材料を用いて構成することができる。
【0094】
(下地弾性層の厚み)
下地弾性層の厚みは、特に限定されないが1〜20mmが好ましく、3〜10mmがより好ましい。
厚みが1mm未満であるとニップ部でのニップ圧での変形が少ないために、ニップの安定した形成ができないなどの問題が発生することがある。また、厚みが20mmを超える場合には、導電性支持体の直径が10mmを超えるような場合には導電性ロールの外径が40mmより大きくなるために、M/Cサイズがおおきくなり、コストアップになるなどの問題が生じる場合がある。
【0095】
(下地弾性層の外周面に導電性樹脂チューブを被覆・固定する方法)
本発明の導電性ロールは、既述したように、下地弾性層の外周面に、表面性導電層として導電性の樹脂チューブを被覆・固定することにより作製されることが好ましい。以下に下地弾性層の外周面に導電性樹脂チューブを被覆・固定する方法について詳細に説明する。
【0096】
下地弾性層の外周面に導電性樹脂チューブを被覆・固定する方法としては、特に限定されないが、導電性樹脂チューブの内周面に空気などの流体を圧入して含まらせ、この状態で導電性樹脂チューブ内周側に下地弾性層が導電性支持体上に形成されたロール(以下、「下地ロール」と略す場合がある)を挿入し、その後、前記流体の圧入を停止させて導電性樹脂チューブを収縮させることで、挿入・固定する方法が挙げられる。
また、他の方法としては、下地層を冷却することにより下地ロールの直径を、導電性樹脂チューブ内径よりも一時的に小さくした状態とした状態とし、この状態で下地ロールを導電性樹脂チューブの内周面に圧入する方法を適用することができる。
【0097】
(導電性ロールの体積抵抗値(Rv3))
導電性ロールの体積抵抗値(Rv3)は、特に限定されるものではないが、10〜1010Ωの範囲内であることが好ましい。なお帯電部材として用いる場合には、10〜10Ωの範囲内とすることがより好ましく、転写部材として用いる場合には、10〜1010Ωの範囲内とすることがより好ましい。
【0098】
尚、導電性ロールの体積抵抗値(Rv3)は、図4に示す測定方法により測定した。
図4は、導電性ロールの体積抵抗値(Rv3)の測定方法について示す説明図であり、図4中、300は導電性ロール、301は金属板を表す。体積抵抗値(Rv3)の測定に際しては、金属板301の表面上に導電性ロール300を設置して、両者の間を電流計および電源を介して接続する。この状態で導電性ロール300の両端(図4中の矢印Aおよび矢印A’)に各々500gの荷重をかけ、導電性ロール300に1.0KV(V)の電圧を印加して、10秒後の電流値I(A)を読み取り、下式(3)により体積抵抗値(Rv3)を求めた。
・式(3) Rv3=V/I
但し、式(3)において、Rv3は体積抵抗値、Vは電圧、Iは電流を表す。
【0099】
<<画像形成装置>>
次に、本発明の画像形成装置について説明する。本発明の画像形成装置は、本発明の導電性ロールを用いたものであれば特に限定されない。また、本発明の導電性ロールの用途は特に限定されるものではないが、画像形成装置内において転写ロールや帯電ロールとして用いられることが好ましい。
【0100】
このような場合、画像形成装置は、少なくとも本発明の導電性ロールと、該導電性ロール表面に当接する金属ブレードを有するクリーニング装置と、を備えていることがより好ましい。
特に、金属ブレードを用いたクリーニングに対しても十分な耐磨耗性を確保するためには、前記導電性ロールの外周面がポリイミド樹脂等の表面微小硬度が18以上の材料から構成されることが好ましい。
また、クリーニング装置として、金属ブレードを適用することにより、トナーとして球形トナーを用いた場合においても、導電性ロール表面に付着した球形トナーを効果的にクリーニングすることができる。
【0101】
ただし、当該球形トナーとは、その形状係数(ML2/A)が、100〜140の範囲内であることを意味し、ここで、前記形状係数(ML2/A)は、下式(4)で規定される係数である。
・式(4) (ML2/A)=(トナー粒子の絶対最大長)/(トナー粒子の投影面積)×(π/4)×100
なお、トナー粒子の絶対最大長、および、トナー粒子の投影面積の測定は、ルーゼックス画像解析装置(株式会社ニレコ製、FT)を用いてスライドガラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、画像処理することにより実施した。
【0102】
上記したような本発明の画像形成装置のその他の部分は、その他公知の装置を任意に組み合わせて構成することができるが、少なくとも、像坦持体表面を均一に帯電する帯電装置と、その表面が均一に帯電された像坦持対上に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、前記像坦持対に形成された静電潜像をトナーによりトナー像として可視化する現像装置と、前記像坦体上に形成されたトナー像を一旦中間転写体に転写し、さらに前記中間転写対上のトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、を含んだ構成であることが好ましい
この場合、前記転写装置に用いられる転写ロールや、前記像坦持体に当接する帯電ロールとして、本発明の導電性ロールを用いることができ、この導電性ロール表面に当接するように金属ブレードを配置してもよい。
【0103】
以下、本発明の画像形成装置について、本発明の導電性ロールを転写ロールとして用いた場合について説明する。但し、本発明の画像形成装置は、以下に説明する構成のみに限定されるものではない。以下に、本発明の画像形成装置について、図面を参照して説明する。
図5は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図であり、1は感光体ドラム(像担持体)、2は中間転写ベルト(中間転写体)、3はバイアスローラ(第一転写手段)、4は用紙トレー、5はブラック現像器、6はイエロー現像器、7はマゼンタ現像器、8はシアン現像器、9は中間転写体クリーナ、13は剥離爪、21はベルトローラ、22はバックアップローラ、23はベルトローラ、24はベルトローラ、25は導電性ローラ(第二転写手段)、26は電極ローラ、31はクリーニングブレード、41は用紙、42はピックアップローラ、43はフィードローラを表す。
【0104】
次に、図5に示す画像形成装置の構成について説明する。感光体ドラム1の周囲には、これに近接し矢印A方向に沿って、ブラック現像器5、イエロー現像器6、マゼンタ現像器7、シアン現像器8が順次配置されている。また、感光体ドラム1に対して、これら4色の現像器が配置された側と反対側に、中間転写ベルト2を挟んで導電性ローラ25(本発明の導電性ローラー)が、感光体ドラム1と圧接するように配置されている。
【0105】
中間転写ベルト2は、その内周面に接して矢印B方向に順次配置された導電性ロール25、ベルトローラ21、ベルトローラ23、バックアップローラ22、ベルトローラ24により張架されており、中間転写ベルト2を挟んで、ベルトローラ24の反対側には中間転写体クリーナ9が配置されている。また、中間転写ベルト2の、バックアップローラ22とベルトローラ24とにより張架された部分の外周面に接触するように剥離爪13が配置されている。
【0106】
バックアップローラ22は、中間転写ベルト2を介して、バイアスローラー3と圧接しており、用紙41が、バックアップローラ22(に押圧された中間転写ベルト2)とバイアスローラー3との間を挿通可能である。バイアスローラー3の周囲には、この表面に接触するようにクリーニングブレード31が設けられている。また、バックアップローラ22のバイアスローラー3が配置された側のほぼ反対側に、バックアップローラ22と接して電極ローラ26が配置されている。
【0107】
バックアップローラ22とバイアスローラー3との間を用紙41が通過する方向には、一対のお互いに接触したフィードローラ43が配置され、2つのフィードローラ43の間を用紙41が挿通可能である。また、一対のフィードローラ43の、バックアップローラ22およびバイアスローラー3が設けられた側の反対側には、用紙41をストックした用紙トレイ4と、用紙トレイ4から用紙41を一対のフィードローラ43の接触部に供給するピックアップローラーが配置されている。
【0108】
次に、図5に示す画像形成装置を用いた画像形成について説明する。まず、感光体ドラム1が矢印A方向に回転し、図示しない帯電装置でその表面が一様に帯電される。帯電された感光体ドラム1にレーザー書込み装置等の画像書き込み手段(不図示)により第一色(例えば、Bk)の静電潜像が形成される。
この静電潜像はブラック現像器5によってトナー現像されて可視化されたトナー像Tが形成される。トナー像Tは、感光体ドラム1の回転で導電性ロール25(第一転写手段)が配置された一次転写部に到り、導電性ロール25からトナー像Tに逆極性の電界を作用させることにより、上記トナー像Tは、静電的に中間転写ベルト2外周面に吸着されつつ中間転写ベルト2の矢印B方向の回転で一次転写される。
【0109】
以下、同様にして第2色のトナー像、第3色のトナー像、第4色のトナー像が順次形成され、各色のトナー像が、中間転写ベルト2外周面において画像情報と対応するように重ね合わされ、多重トナー像が形成される。中間転写ベルト2に転写された多重トナー像は、中間転写ベルト2の回転でバイアスロール3(第二転写手段)が設置された二次転写部に到る。
二次転写部は、中間転写ベルト2のトナー像を担持する外周面側に接して配置されたバイアスロール3と、中間転写ベルト2の内周面側からバイアスロール3に対向するように配置されたバックアップロール22と、このバックアップロール22に圧接して回転する電極ロール26と、から構成される。
【0110】
記録紙41は、用紙トレー4に収容された記録紙束からピックアップロール42で一枚ずつ取り出され、フィードロール43を経て二次転写部の中間転写ベルト2とバイアスロール3との圧接部に所定のタイミングで給送される。
給送された記録紙41は、バイアスロール3及びバックアップロール22による圧接搬送と中間転写ベルト2の回転により、中間転写ベルト2外周面に担持された多重トナー像が転写される。
【0111】
多重トナー像が転写された記録紙41は、最終トナー像の二次転写終了まで退避位置にある剥離爪13を作動せることにより中間転写ベルト2から剥離され、図示しない定着装置に搬送される。次に、記録紙41が定着装置により加圧/加熱処理されることにより、その表面に多重トナー像が定着されることによって画像が形成される。尚、多重トナー像の記録紙41への転写の終了した中間転写ベルト2は、二次転写部の下流に設けた中間転写体クリーナ9で残留トナーの除去が行われて次の転写に備える。また、転写ロール3は、金属からなるクリーニングブレード31が常時当接するように取り付けられており、転写で付着したトナー粒子や紙紛等の異物が除去される。
【0112】
単色画像の転写の場合、一次転写されたトナー像Tを直ちに二次転写して定着装置に搬送するが、複数色の重ね合わせによる多色画像の転写の場合、各色のトナー像が一次転写部で正確に一致するように中間転写ベルト2と感光体ドラム1との回転を同期させて各色のトナー像がずれないようにする。
上記二次転写部では、転写ロール3と中間転写ベルト2を介して対向配置したバックアップロール22に圧接した電極ロール26に、トナー像の極性と同極性の出圧(転写電圧)を印加することで、該トナー像を記録紙41に静電反発で転写する。
【0113】
以上の画像形成において、導電性ロール25として本発明の導電性ロールを用いているため、得られた画像は、転写性に優れ、また、画像の濃度ムラも小さくすることができる。
【0114】
【実施例】
本発明を以下の実施例により具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0115】
<実施例1>
(下地弾性層の形成)
まず、導電性支持体としてステンレススチール製の芯軸(φ10mm)を用い、この外周を予め中空状に成形された1層の下地弾性層(導電性発泡層)で被覆した(以下、下地弾性層と導電性支持体とからなるロールを「下地ロール」と略す)。
この導電性発泡層は、エピクロルヒドリンゴム(Gechron3103:日本ゼオン社製)60重量部とNBR(ニポールDN−219:日本ゼオン社製)40重量部とを混合した後、カーボンブラックとして、粒状アセチレンブラック(電気化学(株)製:吸油量288ml/100g)10重量部、アサヒサーマルFT(吸油量28ml/100g)30重量部を加え、さらに、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製 200メッシュ)1重量部、加硫促進剤(大内新興化学工業社製 ノクセラ−M)1.5重量部、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6重量部を加えてオープンロールで混練りした混合物をφ10mmの芯金に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の成型物を用いた。この成形物の体積抵抗値(Ω)は常用対数値で7.9、ロール硬度は、アスカC硬度で、35度であった。
【0116】
(導電性表面層の形成)
次に、導電性表面層として、導電性樹脂チューブを以下のようにして準備した。この導電性樹脂チューブは、宇部興産(株)製の耐熱皮膜用ポリイミドUワニスAに酸性カーボンブラック(デグサジャパン(株)製/Special Black 4;pH3.5)を体積抵抗値(Ω)が、常用対数値で6.5になるように分散させて濃度調整をした塗液を、なお、円筒形金型の外側に塗布してチューブ状て作製したものである。得られた導電性樹脂チューブの膜厚は40μmであり、表面抵抗率は、1×1012Ω/□であった。
【0117】
(導電性ロールの作製)
次に、導電性樹脂チューブの内周側に、下地ロールを挿入・固定することにより実施例1の導電性ロールを得た。
なお、挿入方法としては、予め所定の形状に加工した導電性樹脂チューブの内部に空気等の流体を注入した状態とし、導電性樹脂チューブ内部に、下地ロールの芯金先端を挿入する事で、下地ロールを流体と共に導電性樹脂チューブに挿入し、図1に示す構成と同じ実施例1の導電性ロールを得た。この導電性ロールの体積抵抗値(Ω)は常用対数値で8.0であった。
【0118】
(評価)
得られた導電性ロ−ルについて、(1)下地弾性層のみの体積抵抗値(Rv1)、(2)下地弾性層のみの体積抵抗の環境変動幅(低温低湿環境(10℃15RH%)と高温高湿環境(30℃85RH%)での抵抗値の常用対数値の差)、(3)導電性樹脂チューブの体積抵抗値(Rv2)、(4)導電性樹脂チューブの表面抵抗率(ρs2)、(5)導電性ロールの体積抵抗値(Rv3)、(6)導電性ロール体積抵抗の環境変動幅(低温低湿環境(10℃15RH%)と高温高湿環境(30℃85RH%)での抵抗値の常用対数値の差)、(7)ロール硬度(アスカC)、(8)導電性ロール表面の面内抵抗バラツキ(最大値と最小値の常用対数値の差)、(9)連続通電試験、(10)初期のクリーニング性、(11)30KPV相当ランニング後のクリーニング性、(12)転写性(転写ラチュチュード)、(13)転写画質を評価した。結果を表1に示す。
なお、上記したそれぞれの評価方法を、既述したものを除き、以下に詳細に説明する。
【0119】
―導電性ロール表面の面内抵抗バラツキ―
導電性ロール表面の面内抵抗バラツキは、図6に示す抵抗計測装置を用いた。なお、図6は、導電性ロール表面の面内抵抗バラツキを測定するための抵抗計測装置の概略斜視図である。図6において、シャフト401を中心軸に持つ導電性ロール401の外周面は、リング状の電極402と圧接しており、導電性ロール401の回転に伴い、電極402が従動回転可能である。また、電極402と、シャフト401との間は、電流計および電圧計が直列に接続されている。
測定は、導電性ロール400の外周面にリング状の電極402を圧接させた状態で、導電性ロール400を回転させることにより円周方向のロール抵抗を測定し、電極402を導電性ロール400の軸方向に移動させることにより軸方向のロール抵抗を行うことができる。
【0120】
実際の測定に際しては、導電性ロールと、電極(幅3.5mm、外径10mm)との間に荷重を50gかけて圧接させた状態で、導電性ロールを30rpmで回転させながら、導電性ロールのシャフトと電極との間に電圧500V(V)を印加しながら、電流値(I)を読み取り、導電性ロール表面の各点における抵抗値(R)を、R=V/Iの関係より求めた。
なお、測定に際しては、導電性ロールを周方向に60分割、軸方向に10分割することにより、導電性ロール表面の計600ポイントの抵抗値を求め、これら600ポイントの最大値と最小値との常用対数値の差を導電性ロール表面の面内抵抗バラツキとした。
【0121】
―連続通電試験―
導電性ロールの連続通電試験は、図7に示す計測装置を用いておこなった。図7は導電性ロールに連続通電した際の電圧変化を測定する方法について示した模式断面図である。図7において、500は導電性ロール、502は金属ロールを表し、導電性ロール500は、金属ロール502が回転した際に従動回転可能なように、金属ロール502と圧接している。また、導電性ロール500と、金属ロール502との間には電圧計が接続されている。測定に際しては、これら2つのロールを回転させながら測定を行った。
実際の測定は、導電性ロールの両端に500gの荷重を加えながら、金属ロール(外径30mm)に圧接させた状態で、金属ロールを30rpmで回転させながら、導電性ロールと金属ロールとの間で、1KVの電圧を印加して行った。判定は、100時間を連続印加した後の導電性ロール抵抗の変化量より以下の基準に基き行った。
○:抵抗の変化量が、常用対数値で1以内である。
×:抵抗の変化量が、常用対数値で1よりも大きい。
【0122】
−クリーニング性評価判定−
クリーニング性の評価は、導電性ロール表面に金属ブレード(SUS304、厚み:0.1mm)を角度25°、食込み量0.6mmで当て付けたユニットを使用しておこなった。このユニットを形状係数(ML2/A)が130以下の球形トナーを用いた画像形成装置に取り付け、30K枚の画像サンプルを出力し、クリーニング性の評価を行った。評価指標は以下の通りである。
○:クリーニング問題無
×:クリーニング問題有
【0123】
―転写性―
転写性は、図5に示す画像形成装置を使用し、画像形成を行って評価した。なお、得られた導電性ロールは、図5に示す画像形成装置の導電性ローラ25として使用した。また、転写性の評価は、高温高湿環境(30℃85RH%)および低温低湿環境(10℃15RH%)の両方で実施した。
転写性の評価はPK色(プロセスブラック)の転写性が得られる転写電流(下限の電流値)と、K色(ブラック)のリトランスファーに問題がない転写電流(上限の電流値)と、の範囲が2μA以上である場合を転写性ありと判定した。評価指標は以下の通りである。
○:高温高湿環境および低温低湿環境において、転写電流の範囲が2μA以上
×:高温高湿環境および/または低温低湿環境において、転写電流の範囲が2μA未満
【0124】
−転写画質−
転写画質は、図5に示す画像形成装置を使用し、画像形成を行って評価した。なお、得られた導電性ロールは、図5に示す画像形成装置の導電性ローラ25として使用した。また、転写画質の評価は、高温高湿環境(30℃85RH%)および低温低湿環境(10℃15RH%)の両方で実施した。
転写画質の評価は、PK色の濃度30%の画質の濃度むらによって判定した。評価指標は以下の通りである。
○:高温高湿環境および低温低湿環境において、画質のむら無し
×:高温高湿環境および/または低温低湿環境において、画質のむら有り
【0125】
<実施例2>
実施例1と同様に、図1に示す構成の導電性ロールを作製した。
なお、導電性表面層は、宇部興産(株)製の耐熱皮膜用ポリイミドUワニスAに酸性カーボンブラック(デグサジャパン(株)製/プリンテックス140U:pH4.5)を用いて、体積抵抗値(Ω)を常用対数値で6.0となるように調整した以外は実施例1と同様の導電性樹脂チューブを用いた。
また、導電性発泡層は、エピクロルヒドリンゴム(Gechron3103:日本ゼオン社製)70重量部とNBR(ニポールDN−219:日本ゼオン社製)30重量部とを混合した後、カーボンブラックとして、粒状アセチレンブラック(電気化学(株)製:吸油量288ml/100g)12重量部、アサヒサーマルFT(吸油量28ml/100g)20重量部、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製 200メッシュ)1重量部、加硫促進剤(大内新興化学工業社製 ノクセラ−M)1.5重量部、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6重量部を加えてオープンロールで混練りした混合物をφ8mmの芯金に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の成型物を用いた。この成形物の体積抵抗値(Ω)は、常用対数値で7.8であった。
【0126】
<実施例3>
実施例1と同様に、図1に示す構成の導電性ロールを作製した。
なお、導電性表面層は、体積抵抗値(Ω)を常用対数値で6.5となるように調整した以外は実施例1と同様の導電性樹脂チューブを用いた。
また、導電性発泡層は、エピクロルヒドリンゴム(Gechron3103:日本ゼオン社製)70重量部とNBR(ニポールDN−219:日本ゼオン社製)30重量部とを混合した後、カーボンブラックとして、粒状アセチレンブラック(電気化学(株)製:吸油量288ml/100g)10重量部、アサヒサーマルFT(吸油量28ml/100g)20重量部、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製 200メッシュ)1重量部、加硫促進剤(大内新興化学工業社製 ノクセラ−M)1.5重量部、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6重量部を加えてオープンロールで混練りした混合物をφ8mmの芯金に巻き付け、160℃で20分間プレス加硫発泡させ、5mm厚の成型物を用いた。この成形物の体積抵抗値(Ω)は、常用対数値で7.6であった。
【0127】
<実施例4>
実施例4の導電性ロールとして、図2に示す構成の導電性ロールを作製した。なお、導電性表面層は、体積抵抗値(Ω)を常用対数値で6.5となるように調整した以外は実施例1と同じ導電性樹脂チューブを用いた。
導電性発泡層および導電性非発泡層は、それぞれの厚みを1mmおよび3mmとした。導電性発泡層は、エピクロルヒドリンゴム(Gechron3103:日本ゼオン社製)70重量部とNBR(ニポールDN−219:日本ゼオン社製)30重量部とを混合し、発泡加硫剤として、硫黄(鶴見化学工業社製 200メッシュ)1重量部、加硫促進剤(大内新興化学工業社製 ノクセラ−M)1.5重量部、発泡剤として、ベンゼンスルホニルヒドラジド6重量部を加えてオープンロールで混練りした混合物を用いた。
また、導電性非発泡層はエピクロルヒドリンゴム(Gechron3103:日本ゼオン社製)70重量部とNBR(ニポールDN−219:日本ゼオン社製)30重量部とをオープンロールで混練りした混合物を用いた。
導電性発泡層および導電性非発泡層からなる下地弾性層の体積抵抗値(Ω)は常用対数値で7.6であった。
【0128】
<比較例1>
導電性表面層として、実施例1と同じ導電性樹脂チューブを用い、下地弾性層としてイオン伝導剤(過塩素酸塩)を添加したウレタンゴムスポンジロールを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の導電性ロールを作製した。
なお、下地弾性層の体積抵抗値は、常用対数値で8.1であり、下地弾性層のみの体積抵抗値の環境変動幅(低温低湿環境と高温高湿環境での抵抗値の常用対数値の差)は、1.8であった。
【0129】
<比較例2>
導電性表面層を構成する導電性樹脂チューブを除いては、比較例1と同様にして比較例2の導電性ロールを作製した。
なお、用いた導電性樹脂チューブは、カーボンブラックとして粒状アセチレンブラック(電気化学(株)製:吸油量288ml/100g)を用い、体積抵抗値(Ω)を常用対数値で6.5に調整し、膜厚が100μm、表面抵抗率が、3×10Ω/□である導電性ナイロンチューブを用いた。
【0130】
<比較例3>
比較例3の導電性ロールを、導電性表面層および下地弾性層を構成する材料を変えた以外は、実施例1と同様にして作製した。
なお、導電性表面層を構成する導電性樹脂チューブは、カーボンブラックとして、粒状アセチレンブラック(電気化学(株)製:吸油量288ml/100g)を用いた、導電性オレフィン系チューブを用いた。この導電性オレフィン系チューブの体積抵抗値(Ω)を常用対数値で10となるように調整したものであり、膜厚は100μm、表面抵抗率は、3×1010Ω/□である。
【0131】
また、下地弾性層としては、NBRポリマー(日本合成ゴム(株)製 N230SV)100重量部にpH7.5カーボンブラック(旭カーボン社製 アサヒサーマルFT)28重量部、硫黄(鶴見化学工業社製 200メッシュ)1重量部、加硫促進剤(大内新興化学工業社製 ノクセラーCZ)1重量部をオープンロールで混練りした混合物をφ10mmの芯金に巻き付け、170℃で15分間プレス加硫し、5mm厚の成型物を用いた。なお、この体積抵抗値(Ω)は、常用対数値で8.0であった。
【0132】
<比較例4>
導電性表面層を構成する導電性樹脂チューブを除いては、比較例1と同様にして比較例3の導電性ロールを作製した。
なお、導電性樹脂チューブとしては、PVDF樹脂100重量部にイオン導電性ポリマーとして、ポリエーテルを主セグメントとするブロック型ポリマーである三洋化成工業(株)製のペレスタット6321(商品名)を用い、体積抵抗値(Ω)を常用対数値で8に調整し、厚みが0.15mm、表面抵抗率が1×10Ω/□のものを用いた。
【0133】
実施例2〜4および比較例1〜4で得られた導電性ロールについても、実施例1と同様に、(1)下地弾性層のみの体積抵抗値(Rv1)、(2)下地弾性層のみの体積抵抗の環境変動幅(低温低湿環境(10℃15RH%)と高温高湿環境(30℃85RH%)での抵抗値の常用対数値の差)、(3)導電性樹脂チューブの体積抵抗値(Rv2)、(4)導電性樹脂チューブの表面抵抗率(ρs2)、(5)導電性ロールの体積抵抗値(Rv3)、(6)導電性ロール体積抵抗の環境変動幅(低温低湿環境(10℃15RH%)と高温高湿環境(30℃85RH%)での抵抗値の常用対数値の差)、(7)ロール硬度(アスカC)、(8)導電性ロール表面の面内抵抗バラツキ(最大値と最小値の常用対数値の差)、(9)連続通電試験、(10)初期のクリーニング性、(11)30KPV相当ランニング後のクリーニング性、(12)転写性(転写ラチュチュード)、(13)転写画質、を評価した。結果を表1に示す
【0134】
【表1】
Figure 2004271836
【0135】
表1からわかるように実施例1〜4は、高温高湿環境および低温低湿環境のいずれにおいても転写性および転写画質に優れており、また面内の抵抗バラツキも0.6以下と良好であり、環境変動による抵抗値のバラツキが小さく、また、導電性ロール表面の抵抗バラツキが抑制されていることがわかる。
また、連続通電試験、初期および30kpv相当ランニング後のクリーニング性も良好であった。
【0136】
これに対して、比較例1〜3においては、高温高湿環境および/または低温低湿環境における転写性および転写画質に劣っており、比較例4では、高温高湿環境および/または低温低湿環境における転写性に劣っていた。すなわち、比較例1〜4の導電性ロールは、環境変動による抵抗値のバラツキが大きいことがわかる。
また、比較例2および3は、面内の抵抗バラツキが1.2と大きく導電性ロール表面の抵抗バラツキが抑制されていないことがわかる。
【0137】
また、比較例2および比較例3は、初期及び30kpv相当ランニング後のクリーニング性に劣り、また、通電による抵抗変化も大きかった。
比較例4においても、初期及び30kpv相当ランニング後のクリーニング性に劣っていた。
【0138】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、環境変動による抵抗値のバラツキ、および、導電性ロール表面の抵抗バラツキが抑制できる導電性ロールおよびこれを用いた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性ロールの一例を示す模式断面図である。
【図2】本発明の導電性ロールの他の例を示す模式断面図である。
【図3】導電性ロールの導電性表面層の表面抵抗率の計測方法を示す概略模式図である。
【図4】導電性ロールの体積抵抗値の計測方法を示す説明図である。
【図5】本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。
【図6】導電性ロール表面の面内抵抗バラツキを測定するための抵抗計測装置の概略斜視図である。
【図7】導電性ロールに連続通電した際の電圧変化を測定する方法について示した模式断面図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(像担持体)
2 中間転写ベルト(中間転写体)
3 バイアスローラ(第一転写手段)
4 用紙トレー
5 ブラック現像器
6 イエロー現像器
7 マゼンタ現像器
8 シアン現像器
9 中間転写体クリーナ
13 剥離爪
21 ベルトローラ
22 バックアップローラ
23 ベルトローラ
24 ベルトローラ
25 導電性ローラ(第二転写手段)
26 電極ローラ
31 クリーニングブレード
41 用紙
42 ピックアップローラ
43 フィードローラ
201 導電性支持体
202、202a 導電性発泡層
202b 導電性非発泡層
203 導電性表面層
300 導電性ロール
301 金属板
400 導電性ロール
401 シャフト
402 電極
500 導電性ロール
502 金属ロール

Claims (16)

  1. 導電性支持体の外周面上に、少なくとも、1層以上の導電性弾性層を含む下地弾性層と、該下地弾性層の外周面に設けられた導電性表面層と、をこの順に設けた導電性ロールにおいて、
    前記下地弾性層の体積抵抗値(Rv1)の30℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差が、1.5以下であり、前記導電性ロールの体積抵抗値(Rv3)の30℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差が、1.0以下であることを特徴とする導電性ロール。
  2. 前記体積抵抗値(Rv1)の30℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差が、1.0以下であり、前記体積抵抗値(Rv3)の30℃85%RHと10℃15%RHとにおける常用対数値の差が、0.5以下であることを特徴とする請求項1に記載の導電性ロール。
  3. 前記体積抵抗値(Rv1)と、前記導電性表面層の体積抵抗値(Rv2)と、が下式(1)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の導電性ロール。
    ・式(1) Rv1≧Rv2
  4. 前記導電性弾性層の少なくとも1層が、エピクロルヒドリンゴムを含む発泡体に、少なくとも1種以上の電子導電剤を添加した導電性発泡層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の導電性ロール。
  5. 前記導電性支持体の外周面上に、前記導電性発泡層と、エピクロルヒドリンゴムを含む導電性非発泡層と、前記導電性表面層と、をこの順に設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の導電性ロール
  6. 前記導電性表面層が、導電性樹脂チューブからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の導電性ロール。
  7. 前記導電性表面層の表面抵抗率(ρs2)が、1×10Ω/□〜1×1013Ω/□の範囲内であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の導電性ロール。
  8. 前記導電性表面層の厚みが、0.02〜0.08mmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の導電性ロール。
  9. 前記導電性表面層が、ポリイミド樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の導電性ロール。
  10. 前記電子導電剤が、酸化処理カーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の導電性ロール。
  11. 前記導電性弾性層が、エピクロルヒドリンゴムおよびアクリロニトリル−ブタジエンゴムを主成分として含み、エピクロルヒドリンゴムとアクリロニトリル−ブタジエンゴムとの配合比が、重量比で2:8〜8:2の範囲内であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の導電性ロール。
  12. 前記導電性ロールの体積抵抗値(Rv3)が、10〜1010Ωの範囲内であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の導電性ロール。
  13. 少なくとも1つ以上の導電性ロールを備え、トナーを用いて画像を形成する画像形成装置において、
    前記導電性ロールが請求項1〜12のいずれか1つに記載の導電性ロールであることを特徴とする画像形成装置。
  14. 前記トナーが球形トナーであることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 前記画像形成装置が少なくとも転写ロールを備え、前記転写ロールが請求項1〜12のいずれか1つに記載の導電性ロールであることを特徴とする請求項13または14に記載の画像形成装置。
  16. 前記画像形成装置が少なくとも帯電ロールを備え、前記帯電ロールが請求項1〜12のいずれか1つに記載の導電性ロールであることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1つに記載の画像形成装置。
JP2003061703A 2003-03-07 2003-03-07 導電性ロールおよびこれを用いた画像形成装置 Pending JP2004271836A (ja)

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