JP2008139456A - 帯電装置、並びにこれを用いた画像形成装置、及び画像形成ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】被帯電体を長期間に亘って帯電することができる帯電装置、並びにこれを用いた画像形成装置、及び画像形成ユニットを提供する。
【解決手段】被帯電体に接触し、所定の電圧が印加されて前記被帯電体を帯電させる帯電部材を有し、前記帯電部材の表面層には、導電剤が樹脂固形分に対して10wt%以上配合されていることを特徴とする帯電装置。
【選択図】図3
【解決手段】被帯電体に接触し、所定の電圧が印加されて前記被帯電体を帯電させる帯電部材を有し、前記帯電部材の表面層には、導電剤が樹脂固形分に対して10wt%以上配合されていることを特徴とする帯電装置。
【選択図】図3
Description
本発明は、帯電装置、並びにこれを用いた画像形成装置、及び画像形成ユニットに関する。
従来、帯電部材を被帯電体に当接もしくは近接させ、該帯電部材に電圧を印加して被帯電体を帯電処理する帯電装置の帯電部材であり、該帯電部材は少なくとも導電剤と絶縁性添加物および結着樹脂からなる表面層を有し、該表面層を構成する導電剤、絶縁性添加物および結着樹脂の体積固有抵抗率の関係が、導電剤<結着樹脂<絶縁性添加物であることを特徴とする帯電部材が知られている(特許文献1参照)。
また、被帯電体に接触し、直流電圧の印加により前記被帯電体を帯電する帯電部材において、導電性の支持体上に、イオン伝導機構を有する中抵抗な弾性材料を主体に構成された導電性の弾性層と、前記被帯電体に接触し前記弾性層上に表面処理した導電剤を含有した被覆層とが少なくとも積層されており、前記弾性層と前記被覆層との間の抵抗値について規定した、ことを特徴とする帯電部材が知られている(特許文献2参照)。
本発明の目的とするところは、被帯電体を長期間に亘って帯電することができる帯電装置、並びにこれを用いた画像形成装置、及び画像形成ユニットを提供することにある。
即ち、請求項1に記載された発明は、被帯電体に接触し、所定の電圧が印加されて前記被帯電体を帯電させる帯電部材を有し、前記帯電部材の表面層には、導電剤が樹脂固形分に対して10wt%以上配合されていることを特徴とする帯電装置である。
また、請求項2に記載された発明は、前記導電剤が樹脂固形分に対して10wt%以上50wt%以下配合されていることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置である。
また、請求項3に記載された発明は、前記導電剤は、水素指数が5以下のカーボンブラックであることを特徴とする請求項1又は2に記載の帯電装置である。
また、請求項4に記載された発明は、前記導電剤は、平均粒子径が5nm〜50nmであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに1項に記載の帯電装置である。
また、請求項5に記載された発明は、前記導電剤は、揮発分が16.5wt%以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の帯電装置である。
また、請求項6に記載された発明は、前記導電剤は、吸油量が140ml/100g以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の帯電装置である。
また、請求項7に記載された発明は、前記表面層に接触し、該表面を清掃する清掃部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の帯電装置である。
また、請求項8に記載された発明は、前記被帯電体が画像を保持する像保持体である請求項1〜7の何れか1項に記載の帯電装置を備える画像形成装置である。
また、請求項9に記載された発明は、前記像保持体の感光層は、架橋構造を有するフェノール樹脂からなる保護層を有していることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置である。
また、請求項10に記載された発明は、前記被帯電体である像保持体と請求項1〜7の何れか1項に記載の帯電装置とを備える画像形成ユニットである。
請求項1に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して被帯電体を長期間に亘って帯電することができる。
また、請求項2に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して被帯電体を長期間に亘って帯電することができる。
また、請求項3に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して上記効果に加え、リークを抑制することができる。
また、請求項4に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して上記効果に加え、帯電均一性を良好にすることができる。
また、請求項5に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して上記効果に加え、導電剤における樹脂との相溶性を良好にすることができる。
また、請求項6に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して上記効果に加え、更にリークを抑制することができる。
また、請求項7に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して上記効果に加え、トナーや外添剤が付着することによる汚染を抑制することができる。
また、請求項8に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して像保持体帯電体を長期間に亘って帯電することができる。
また、請求項9に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して上記効果に加え、帯電不良による画像欠陥を抑制することができる。
また、請求項10に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して上記効果に加え、容易に交換することができる。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1〜図4は、本発明に係る画像形成装置の帯電装置における第1実施形態を示す図である。
図1〜図4は、本発明に係る画像形成装置の帯電装置における第1実施形態を示す図である。
図1は、本実施形態における帯電装置が適用される画像形成装置の一例を示す概略図である。画像形成装置1は、図1に示すように、装置本体(不図示)の内部に、画像情報に基づくトナー像を形成すると共にそのトナー像を最終的に用紙9に転写する作像装置10、そのトナー像が転写された用紙9を通過させてトナー像の定着を行う定着装置30、及び作像装置10に用紙9を供給する給紙装置35が主に装備されている。図中の符合4は画像形成装置1の各構成部品の動作等について総括的に制御する制御装置であり、矢付き一点鎖線は用紙9の主な搬送経路を示す。
作像装置10は、例えば公知の電子写真方式を利用してトナー像を形成して転写することができるものである。具体的には、矢印A方向に回転駆動する円筒状の感光体ドラム12(像保持体(被帯電体))を備えており、この感光体ドラム12の周囲に、感光体ドラム12の表面(像保持面)を一様に帯電させる帯電ロール等を備えた帯電装置13、帯電後の感光体ドラム12の表面に画像情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある潜像を形成するLEDアレイ、レーザ走査装置等からなる露光装置14、その潜像にトナーを転移付着させてトナー像を形成する現像装置15、そのトナー像を給紙装置35から供給される用紙9に転写する転写ロール等を備えた転写装置16、及び転写後の感光体ドラム12の表面に残留するトナー等を除去して清掃するブレード方式のクリーニング装置17が主に配置されている。
このうち、感光体ドラム12は、ドラム状の基材(導電性支持体)に有機感光材料からなる光導電性層(感光層)を形成したものである。尚、感光体ドラム12の詳細については後述する。帯電装置13は、導電性のロール基材(導電性支持体)に半導電性の弾性層等を形成してなる帯電ロールを感光体ドラム12の表面に接触させて従動回転するように設置しており、また、その帯電ロールに電源装置(不図示)から所定の帯電用電圧が印加されるようになっている。尚、帯電装置13の詳細については後述する。露光装置14は、画像形成装置1に接続又は装備される原稿読取装置、コンピュータ等の外部機器から入力される画像情報を画像形成時に画像処理装置(不図示)で所要の処理をして得られる画像信号が入力されるようになっている。
また、現像装置15は、その収容しているトナーを感光体ドラム12と対向する現像位置に搬送供給するための現像ロールを装備しており、また、その現像ロールに電源装置(不図示)から所定の現像用電圧が印加されるようになっている。転写装置16は、導電性のロール基材に半導電性の弾性層を形成してなる転写ロールを感光体ドラム12の表面に接触させて従動回転するように設置しており、また、その転写ロールに電源装置(不図示)から所定の転写用電圧が印加されるようになっている。クリーニング装置17は、転写後の感光体ドラム12の表面に所定の圧力で先端部が当接するクリーニングブレード等を装備している。
定着装置30は、本体31の内部に、所定の温度に加熱されると共に矢印方向に回転駆動する加熱ロール32、及びこの加熱ロール32の軸線方向にほぼ沿うように圧接されて従動回転する加圧ロール等の加圧部材33を備えたものである。そして、定着は、その加熱ロール32と加圧部材33の間の圧接部にトナー像が転写された用紙9を導入して通過させることによりトナー像等を加熱加圧することで行われる。
給紙装置35は、作像装置10に供給すべき複数枚の用紙9が積載されて収容される給紙カセット36、及びこの給紙カセット36に収容される用紙9を1枚ずつ送り出す送出機構37を主に備えたものである。給紙カセット36は、必要により複数装備される。また、給紙装置35は、用紙9を給紙カセット36から作像装置10の転写部(感光体ドラム12と転写装置16の間)まで搬送するための用紙搬送ロール対38a,38b,38c,…やガイド部材等で構成される用紙搬送路を装備している。用紙搬送路は、作像装置10と定着装置30の間や、定着装置30と排紙部(トレイなど)39の間にも設置されている。例えば定着装置30の用紙排出側には、定着後の用紙9を排紙部39に排出搬送するための排出ロール対38dが設置されている。
図中符号11は、画像形成装置1に対して着脱自在のプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)である。本実施形態におけるプロセスカートリッジ11は、感光体ドラム12、帯電装置13、現像装置15、及びクリーニング装置17のプロセス機器を有している。
図2は、本実施形態における帯電装置が適用される画像形成装置の感光体ドラムの一例を示す模式断面図である。感光体ドラム12は、導電性支持体12A上に下引層12a、電荷発生層12b、電荷発生層12c、及び保護層12dがこの順序で積層された構造を有している。尚、下引層12a、電荷発生層12b、電荷発生層12c、及び保護層12dが感光層12Bである。
保護層12dは、アルコールに可溶な硬化性樹脂及びアルコールに可溶なポリエーテルを含有する硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。尚、硬化性樹脂は、例えば架橋構造を有するフェノール樹脂である。
図3は、本実施形態における帯電装置を示す概略図である。帯電装置13は、帯電ロール13A(帯電部材)、及びクリーニングロール13B(清掃部材)を有している。帯電ロール13Aは、導電性支持体13a、その外周に一体に形成されている弾性層13b、及び弾性層13bの周面に形成されている被覆層である表面層13cから構成されている。クリーニングロール13Bは、帯電ロール13Aの表面に接触して従動回転するように設置されている。尚、クリーニングロール13Bは、例えばスポンジ状の部材から形成される。
帯電ロール13Aの導電性支持体13aは、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、及びニッケル等の金属材料の丸棒を用いることができる。更に、これらの金属表面に防錆や耐傷性付与を目的としてメッキ処理を施しても構わないが、導電性を損なわないことが必要である。
帯電ロール13Aの弾性層13bは、被帯電体としての感光体ドラム12に対する給電、及び帯電ローラ13Aの感光ドラム12に対する良好な均一密着性を確保するために適当な導電性、及び弾性を持たせてある。また、帯電ローラ13Aと感光体ドラム12の均一密着性を確保するために、弾性層13bを研磨によって中央部を一番太く、両端部に行くほど細くなる形状、所謂クラウン形状に形成することもできる。
弾性層13bの導電性は、ゴム等の弾性材料中にカーボンブラック(CB)等の導電物質を添加することにより調整される。
弾性層13bの弾性は、プロセス油、可塑剤等の添加により調整される。
弾性層13bの具体的弾性材料としては、例えば天然ゴムやシリコーンゴム、ウレタンゴム等の合成ゴム、更にはポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂も挙げられる。
尚、帯電ロール13Aの抵抗を制御するために弾性層13bと表面層13cとの間に抵抗制御層を設けることができる。抵抗制御層の具体的材料としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂、更にはエピクロルヒドリン、ウレタンゴム、クロロプレン、アクリロニトリル系ゴム等が挙げられる。また、抵抗制御層にもカーボンブラックや酸化スズ、酸化チタン等の導電物質を分散させることができる。
帯電ロール13Aの表面層13cには、導電剤が樹脂固形分に対して10wt%以上配合されている(CB添加量が10%以上)。
表面層13cの導電剤としては、例えばケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック(CB);熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの微粉末を挙げることができる。
表面層13cの樹脂としては、例えば高分子材料であるポリアミド、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン共重合体、ポリエステル、ポリイミド、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、メラミン樹脂、フッ素ゴム、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。上記高分子材料は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
具体例として本実施形態で表面層13cは下記のように作成される。
樹脂としてはポリアミド樹脂である東レ製アミランナイロン樹脂CM8000(以下、単にCM8000)を使用し、導電剤としてはカーボンブラックであるMONARCH1000(キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製)(以下、単にM1000)、又はColorBlackFW200(デグサ・ヒュルス社製)(以下、単にFW200)、又はM1000とFW200の比が3:7の割合になるように混合したものを、導電剤が樹脂固形分100に対して10wt%以上配合されるようにエタノールの溶媒にて分散溶解して表面層用塗工液を作成する。
上記表面層用塗工液を弾性層13b上にディッピング法にて塗布して厚さ約5μmの表面層13cを形成する。
図4は、本実施形態における帯電装置の帯電ロールにおける表面層のCB添加量に対する帯電装置のライフ(寿命)とリーク性の推移を示す図である。尚、本実験結果は、導電剤がM1000、樹脂がCM8000である場合である。
ライフグレードは、ライフが改善されたか否かの水準を示す数値である。ライフグレードの具体的な測定方法を以下に記載する。
低温低湿下において、感光体ドラム12に帯電ロール13Aを接触させた状態で1mAの直流電流が流れるように定電流電源につなぎ、周速度200mm/secで感光体ドラム12を駆動する。1,000,000回転相当後の帯電ロール13Aの抵抗値を測定し、抵抗値の平均値変化とσ(抵抗ばらつき)から、平均値の変化量が初期に対して1桁以内かつσが0.2桁以内(変化量ではなく絶対値として)をライフグレード3としている。尚、ライフグレード4は抵抗値が1桁以上1.5桁以下(1桁は入らない)もしくはσが0.2以上0.4桁以下で、ライフグレード5はそれ以上である。ライフグレード2は抵抗値0.6桁以上1桁以下、σ0.1以上0.2桁以下、ライフグレード1は抵抗値0.3桁以上0.6桁以下、σ0.1桁以下である。抵抗値とσが異なるライフグレードに分布する場合は、基本的に悪い方のライフグレードとしている。
リークグレードは、リーク性の良否の水準を示す数値である。リークグレードの測定方法を以下に示す。
まず、感光体ドラム12の表面に、基材に到達するまでの貫通孔を開ける。感光体ドラム12に空ける穴の大きさは0.1mmである。穴を空けた感光体ドラム12で実際にハーフトーンと白紙をプリントし、プリントサンプル上の穴の大きさを実測してグレード付けをする。この際、帯電ロールに印加する電圧は、800Vから1200Vに及ぶ。また、各リークグレードの指標は、リークグレード1が小径のピンホール状の画質抜け(0.1mm程度)、リークグレード2はやや拡大し、0.5mmまで、リークグレード3は0.5mm以上の抜けであり、リークグレード4はリークが感光体の軸方向に及び筋状の濃度むらを生じた場合、リークグレード5は更に強い濃度むらを生じた場合で分類する。肉眼での検出を加味しリークグレードが3以下であれば、耐リーク性が確保されている。
図4に示すように、CB量(CB添加量)が5%である場合は、ライフグレードが5、リークグレードが2である。CB量が10%である場合は、ライフグレードが3、リークグレードが3である。CB量が30%である場合は、ライフグレードが3、リークグレードが3である。CB量が50%である場合は、ライフグレードが2、リークグレードが3である。CB量が70%である場合は、ライフグレードが2、リークグレードが4である。
本実験結果では、CB量が増加するとライフグレードは上昇する一方、リークグレードは低下する。本実験結果からは、帯電ロール13Aの表面層13cには、導電剤であるM1000が樹脂であるCM8000固形分に対して10wt%〜50wt%配合されているのが好ましい。しかし、感光体ドラム12側に耐リーク対策を施すことでリークグレードの低下が防止されCB量の上限値は上昇する。
尚、導電剤が樹脂固形分に対して80wt%以上配合される場合は、表面層用塗工液の粘度が上昇するため表面層に厚さの不均一につながり、濃度むらなどの画質欠陥を生じることがある。
尚、図4に示す実験結果は、導電剤がM1000、樹脂がCM8000である場合であるが、導電剤がFW200、樹脂がCM8000である場合、及び導電剤がM1000とFW200の比が3:7の割合になるように混合したもの、樹脂がCM8000である場合においてもライフグレードに関しては同じ結果である。
[第2実施形態]
次に、本発明に係る画像形成装置の帯電装置における第2実施形態について説明する。
次に、本発明に係る画像形成装置の帯電装置における第2実施形態について説明する。
本実施形態の帯電装置13は、第1実施形態の帯電装置13の帯電ロール13Aにおける表面層13cに配合する導電剤を水素指数(pH値)が5以下のカーボンブラック(CB)としたものである。
図5は、本実施形態における帯電装置の帯電ロールにおける表面層に添加するCBのpH値に対する帯電装置のリーク性を示す図である。尚、本実験結果は、帯電ロール13Aの表面層13cには、CBが樹脂固形分に対して10wt%配合されている場合の結果である。リークグレードは、リーク性の良否の水準を示す数値である。リークグレードが3以下であれば、耐リーク性が確保されている。
図5に示すように、CBのpH値が2.5である場合は、リークグレードが2である。CBのpH値が4である場合は、リークグレードが2である。CBのpH値が5である場合は、リークグレードが3である。CBのpH値が7.5である場合は、リークグレードが4である。
本実験結果は、帯電ロール13Aにおける表面層13cに添加するCBのpH値が5以下であれば、帯電ロール13Aにおける表面層13cの樹脂との抵抗差を小さくすることが可能であり異常放電が発生し難くなることを示している。従って、帯電ロール13Aにおける表面層13cに添加するCB量に対する抵抗の感度がpH値5以下では鈍くなり、帯電ロール13Aにおける表面層13cに添加するCB量を多くした場合でも変極点が発生し難い。
尚、CBのpH値の測定は、DIN ISO 787/9による。具体的にCBのpH値の測定は、CBの水性懸濁液を作ってガラス電極で測定する。
[第3実施形態]
次に、本発明に係る画像形成装置の帯電装置における第3実施形態について説明する。
次に、本発明に係る画像形成装置の帯電装置における第3実施形態について説明する。
本実施形態の帯電装置13は、第1実施形態の帯電装置13の帯電ロール13Aにおける表面層13cに配合する導電剤の平均粒子径が5nm〜50nmのものである。
図6は、本実施形態における帯電装置の帯電ロールにおける表面層に添加する導電剤の体積平均粒子径に対する帯電装置の必要電圧グレードを示す図である。尚、本実験結果は、帯電ロール13Aの表面層13cに添加する導電剤がカーボンブラック(CB)である場合の結果である。必要電圧グレードは、帯電ロール13Aに印加する帯電用電圧の高低の水準を示す数値である。
以下、必要電圧グレードについて、説明する。第1に、Vpp-Vhの関係を把握するため、印加電圧Vppを変化させた場合の感光体電位を評価する。帯電ロールに印加する電圧を増大させたときに生じる変曲点のVpp(th)よりも大きいVppを印加していき、帯電不良による白点・黒点などの画質欠陥が消失するVpp(op)を抽出する。この2つのVpp(変曲点の値と画質欠陥が消失する値)の比をマージンと定義し、このマージンが10%以下:必要電圧グレード1、15%以下:必要電圧グレード2、20%以下:必要電圧グレード3、25%以下:必要電圧グレード4、それ以上:必要電圧グレード5としている(10℃、15%RHの低温低湿環境にて)。評価の際の、感光体の周速度は165mm/sec、印加電圧の周波数は1306Hz、感光体膜厚は24μmである。この必要電圧グレードが3以下であれば、帯電用電圧が低く抑えられている。
図6に示すように、CBの平均粒子径が2.5nmである場合は、必要電圧グレードが3.5である。CBの平均粒子径が5nmである場合は、必要電圧グレードが2である。CBの平均粒子径が16nmである場合は、必要電圧グレードが2である。CBの平均粒子径が25nmである場合は、必要電圧グレードが2である。CBの平均粒子径が31nmである場合は、必要電圧グレードが3である。CBの平均粒子径が56nmである場合は、必要電圧グレードが3.5である。CBの平均粒子径が95nmである場合は、必要電圧グレードが5である。
本実験結果は、平均粒子径が5nm〜50nmの範囲でCB同士の距離が近接するためホッピング導電が安定的に起こり、低い帯電用電圧でも帯電装置の帯電均一性が確保できることを示している。
以下に、本実施形態で使用するCBの平均粒子径測定の具体例を示す。
十分に洗浄及び乾燥したCB粒子2mg〜20mgを、SEM試料台に貼ったカーボン粘着テープ上に乗せ、白金蒸着した後、走査型電子顕微鏡(FE−SEM S−800 日立製作所製)を用いて、5000倍の倍率において写真を撮り、その写真をもとに、0.005μm以上の粒子について、最長軸の長さ(L1)と該軸と直角方向の軸の長さ(L2)の平均値をその粒子の粒子径として、累積500個になるように測定し、その平均をもって平均粒子径とする。
[第4実施形態]
次に、本発明に係る画像形成装置の帯電装置における第4実施形態について説明する。
次に、本発明に係る画像形成装置の帯電装置における第4実施形態について説明する。
本実施形態の帯電装置13は、第1実施形態の帯電装置13の帯電ロール13Aにおける表面層13cに配合する導電剤の揮発分が16.5wt%以下のものである。
図7は、本実施形態における帯電装置の帯電ロールにおける表面層に添加する導電剤の揮発分に対する表面層における導電剤の分散性を示す図である。尚、本実験結果は、帯電ロール13Aの表面層13cに添加する導電剤がカーボンブラック(CB)である場合の結果である。分散性のグレードは、帯電ロール13Aの表面層13cにおけるCBの分散性の良否の水準を示す数値である。
以下、分散性グレードについて説明する。分散性グレードは、実際には表層塗料をガラス板上に塗布し、顕微鏡観察したときのCB二次凝集塊の分布状態を意味する。表層塗料をガラス板上に塗布して顕微鏡で覗いた際、100μm2内に存在するCB二次凝集塊の平均粒径が表層膜厚と同程度〜80%であれば分散性グレード5(例えば表層膜厚が4μmの場合は3.6μm以上)、50〜80%は分散性グレード4、30〜50%は分散性グレード3、15〜30%は分散性グレード2、15%以下は分散性グレード1として分類した。尚、上記平均粒径は、顕微鏡法の投影面積円相当径(粒子の投影面積と同じ面積を持つ円の直径であり、Heywood径とも呼ぶ)による。この分散性のグレードが3以下であれば、分散性が改善されている。
図7に示すように、CBの揮発分が0.7wt%である場合は、分散性のグレードが1である。CBの揮発分が4wt%である場合は、分散性のグレードが1である。CBの揮発分が9.5wt%である場合は、分散性のグレードが1である。CBの揮発分が15wt%である場合は、分散性のグレードが2である。CBの揮発分が16.5wt%である場合は、分散性のグレードが3である。CBの揮発分が20wt%である場合は、分散性のグレードが4である。
本実験結果は、CBの揮発分が低い程樹脂との相溶性が高まることを示している。
尚、CBの揮発分の測定は、DIN 53552による。尚、CBの揮発分の測定にあたっては、CBを950℃で7分間加熱して測定する。
[第4実施形態]
次に、本発明に係る画像形成装置の帯電装置における第4実施形態について説明する。
次に、本発明に係る画像形成装置の帯電装置における第4実施形態について説明する。
本実施形態の帯電装置13は、第1実施形態の帯電装置13の帯電ロール13Aにおける表面層13cに配合する導電剤の吸油量が140ml/100g以下のものである。
図8は、本実施形態における帯電装置の帯電ロールにおける表面層に添加する導電剤の吸油量に対する帯電装置のリーク性を示す図である。尚、本実験結果は、帯電ロール13Aの表面層13cに添加する導電剤がカーボンブラック(CB)である場合の結果である。リーク性のグレードは、リーク性の良否の水準を示す数値である。リーク性のグレードが3以下であれば、耐リーク性が確保されている。
図8に示すように、CBの吸油量が105ml/100gである場合は、リーク性のグレードが1.5である。CBの吸油量が118ml/100gである場合は、リーク性のグレードが2である。CBの吸油量が130ml/100gである場合は、リーク性のグレードが2.5である。CBの吸油量が141ml/100gである場合は、リーク性のグレードが3である。CBの吸油量が150ml/100gである場合は、リーク性のグレードが5である。
本実験結果は、導電剤として吸油量が140ml/100g以下のCBを採用することにより、CBのストラクチャ構造の発達が起き難くなるため、表面層13cにCBが多量に分散するようにしても導電路が形成され難く耐リーク性が向上することを示している。
尚、CBの吸油量の測定は、DIN ISO 787/5による。具体的にCBの吸油量の測定は、CBと亜麻仁油を混ぜて、そのペーストに流動性が出始めた時のCBに対する亜麻仁油の比率を測定する。
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。
尚、本発明に係る帯電装置13を使用することにより、低温低湿から高温高湿に亘るすべての環境において使用印加電圧を低減することが可能となるため、放電生成物の発生量を最小に抑えることができる。
以下に本実施形態における構成と効果について列挙する。
本実施形態では、CBの配合量が多いことにより、表面の粗さが通常の配合量に比べて粗くなる。導電剤が樹脂固形分100に対して10wt%未満の配合量ではRzが1〜2μmに対して、2〜4μm程度、大きい場合には7μmくらいになる場合がある。表面粗さRzが1〜2μm程度の粗さの場合、接触するクリーニングロール13Bとの組み合わせによって、トナーに含まれる外添剤のフィルミング(層状の固着)を生じ、画質欠陥としてプリントされてしまうが、Rzを2μm以上にするとクリーニングロール13Bとの組み合わせにおいても、フィルミングを生じにくい(凹凸ができるので、外添剤が線状につながり難くなる)。
また、本実施形態では、架橋構造を有するフェノール樹脂を感光体ドラム12の保護層12dとして使用する態様があげられる。このような感光体ドラム12は保護層としての機能を有し、感光体ドラム12の寿命延長に寄与する反面、帯電ロール13Aの放電による感光体ドラム12への放電アタック(スパッタリング)や、放電生成物の感光体ドラム12への付着を生じやすい。これらは帯電ロール13Aに印加する電圧のVppが高いほど、悪化するため、本実施形態のように、必要電圧グレードが3以下であり、帯電用電圧を低く設定することで、架橋構造を有するフェノール樹脂の特性を補うことが可能となる。
1:画像形成装置、11:プロセスカートリッジ(画像形成ユニット)、12:感光体ドラム(像保持体(被帯電体))、12B:感光層、12d:保護層、13:帯電装置、13A:帯電ロール(帯電部材)、13B:クリーニングロール(清掃部材)、13c:表面層
Claims (10)
- 被帯電体に接触し、所定の電圧が印加されて前記被帯電体を帯電させる帯電部材を有し、前記帯電部材の表面層には、導電剤が樹脂固形分に対して10wt%以上配合されていることを特徴とする帯電装置。
- 前記導電剤が樹脂固形分に対して10wt%以上50wt%以下配合されていることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
- 前記導電剤は、水素指数が5以下のカーボンブラックであることを特徴とする請求項1又は2に記載の帯電装置。
- 前記導電剤は、平均粒子径が5nm〜50nmであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の帯電装置。
- 前記導電剤は、揮発分が16.5wt%以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の帯電装置。
- 前記導電剤は、吸油量が140ml/100g以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の帯電装置。
- 前記表面層に接触し、該表面を清掃する清掃部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の帯電装置。
- 前記被帯電体が画像を保持する像保持体である請求項1〜7の何れか1項に記載の帯電装置を備える画像形成装置。
- 前記像保持体の感光層は、架橋構造を有するフェノール樹脂からなる保護層を有していることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記被帯電体である像保持体と請求項1〜7の何れか1項に記載の帯電装置とを備える画像形成ユニット。
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