JP4779703B2 - クリーニングブレード、並びに、これを用いたクリーニング装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
クリーニングブレード、並びに、これを用いたクリーニング装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDFInfo
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Description
また、低中速機では、像担持体の帯電部材として帯電ロールのような接触型の帯電装置が汎用されている。接触型の帯電装置が汎用される理由は、いわゆるコロトロン帯電を利用したような非接触型の帯電装置と比較して、オゾンの発生量がきわめて少ないために環境にやさしく、またオゾンフィルターやエアーブローも不要であるために小型・低コストであるためである。
一方、現像剤の製造工程や現像装置内で発生した微粉キャリア(破砕されたキャリア)は、略球形状の正常なキャリアとは異なり、鋭利な破片形状の場合が多い。従って、BCOが発生するとトナー像を被転写材に転写する際に、転写電界や、像担持体と被転写材との間の転写圧力を受けることにより、微分キャリアが像担持体表面に埋没し易くなると共に、像担持体表面に付着するとそのまま固着してしまう。
<1>
被クリーニング部材表面に当接し、前記被クリーニング部材表面をクリーニングするクリーニングブレードにおいて、
少なくとも前記被クリーニング部材表面と当接する部分の材料が、下式(1)〜(3)を満たし、
前記材料が、ハードセグメントおよびソフトセグメントを含むエラストマー材料であり、
前記ハードセグメントを構成する材料および前記ソフトセグメントを構成する材料の総量に対して、前記ハードセグメントを構成する材料の重量比が46〜98重量%の範囲内であり、
前記ハードセグメントを構成する材料がポリウレタン樹脂であり、前記ソフトセグメントを構成する材料が2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂又は2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であることを特徴とするクリーニングブレードである。
・式(1) 7.4≦M≦17
・式(2) 0.039<α≦0.105
・式(3) 535≧S≧380
〔但し、式(1)〜(3)中、Mは100%モジュラス(MPa)を表し、αは、応力−歪曲線において、歪量が100%〜200%の間における歪量変化(Δ歪量)に対する応力変化(Δ応力)の割合{Δ応力/Δ歪量=(歪量200%における応力−歪量100%における応力)/(200−100)}(MPa/%)を表し、Sは、JIS K6251(ダンベル状3号形試験片使用)に基づいて測定された破断伸び(%)を表す。〕
前記破断伸びSが500以下であることを特徴とする<1>に記載のクリーニングブレードである。
前記被クリーニング部材表面と当接する部分の材料のガラス転移温度が10℃以下であることを特徴とする<1>または<2>に記載のクリーニングブレードである。
温度10℃以上の環境下において、前記被クリーニング部材表面と当接する部分の材料のJIS K6255に基づき測定された反発弾性が10%以上であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1つに記載のクリーニングブレードである。
前記ハードセグメントを構成する材料および前記ソフトセグメントを構成する材料の総量に対して、前記ハードセグメントを構成する材料の重量比が80〜90重量%の範囲内であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1つに記載のクリーニングブレードである。
前記被クリーニング部材表面に当接する層を含む2以上の層から構成される<1>に記載のクリーニングブレードであって、
前記被クリーニング部材表面に当接する層が、前記式(1)〜前記式(3)を満たす材料からなることを特徴とするクリーニングブレードである。
被クリーニング部材表面に当接し、前記被クリーニング部材表面をクリーニングするクリーニングブレードを備えたクリーニング装置において、
前記クリーニングブレードの少なくとも前記被クリーニング部材表面と当接する部分の材料が、下式(4)〜(6)を満たし、
前記材料が、ハードセグメントおよびソフトセグメントを含むエラストマー材料であり、
前記ハードセグメントを構成する材料および前記ソフトセグメントを構成する材料の総量に対して、前記ハードセグメントを構成する材料の重量比が46〜98重量%の範囲内であり、
前記ハードセグメントを構成する材料がポリウレタン樹脂であり、前記ソフトセグメントを構成する材料が2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂又は2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であることを特徴とするクリーニング装置である。
・式(4) 7.4≦M≦17
・式(5) 0.039<α≦0.105
・式(6) 535≧S≧380
〔但し、式(4)〜(6)中、Mは100%モジュラス(MPa)を表し、αは、応力−歪曲線において、歪量が100%〜200%の間における歪量変化(Δ歪量)に対する応力変化(Δ応力)の割合{Δ応力/Δ歪量=(歪量200%における応力−歪量100%における応力)/(200−100)}(MPa/%)を表し、Sは、JIS K6251(ダンベル状3号形試験片使用)に基づいて測定された破断伸び(%)を表す。〕
前記破断伸びSが500以下であることを特徴とする<7>に記載のクリーニング装置である。
前記被クリーニング部材表面と当接する部分の材料のガラス転移温度が10℃以下であることを特徴とする<7>または<8>に記載のクリーニング装置である。
温度10℃以上の環境下において、前記被クリーニング部材表面と当接する部分の材料のJIS K6255に基づき測定された反発弾性が10%以上であることを特徴とする<7>〜<9>のいずれか1つに記載のクリーニング装置である。
<11>
前記ハードセグメントを構成する材料および前記ソフトセグメントを構成する材料の総量に対して、前記ハードセグメントを構成する材料の重量比が80〜90重量%の範囲内であることを特徴とする<7>〜<10>のいずれか1つに記載のクリーニング装置である。
像担持体と、前記像担持体表面に当接し、前記像担持体表面をクリーニングするクリーニングブレードを備えたクリーニング装置とを含み、画像形成装置に対して脱着可能なプロセスカートリッジにおいて、
前記クリーニングブレードの少なくとも前記像担持体表面と当接する部分の材料が、下式(7)〜(9)を満たし、
前記材料が、ハードセグメントおよびソフトセグメントを含むエラストマー材料であり、
前記ハードセグメントを構成する材料および前記ソフトセグメントを構成する材料の総量に対して、前記ハードセグメントを構成する材料の重量比が46〜98重量%の範囲内であり、
前記ハードセグメントを構成する材料がポリウレタン樹脂であり、前記ソフトセグメントを構成する材料が2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂又は2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
・式(7) 7.4≦M≦17
・式(8) 0.039<α≦0.105
・式(9) 535≧S≧380
〔但し、式(7)〜(9)中、Mは100%モジュラス(MPa)を表し、αは、応力−歪曲線において、歪量が100%〜200%の間における歪量変化(Δ歪量)に対する応力変化(Δ応力)の割合{Δ応力/Δ歪量=(歪量200%における応力−歪量100%における応力)/(200−100)}(MPa/%)を表し、Sは、JIS K6251(ダンベル状3号形試験片使用)に基づいて測定された破断伸び(%)を表す。〕
前記破断伸びSが500以下であることを特徴とする<12>に記載のプロセスカートリッジである。
前記被クリーニング部材表面と当接する部分の材料のガラス転移温度が10℃以下であることを特徴とする<12>または<13>に記載のプロセスカートリッジである。
温度10℃以上の環境下において、前記被クリーニング部材表面と当接する部分の材料のJIS K6255に基づき測定された反発弾性が10%以上であることを特徴とする<12>〜<14>のいずれか1つに記載のプロセスカートリッジである。
前記像担持体の表面が、フッ素系樹脂を含む層からなることを特徴とする<12>〜<15>のいずれか1つに記載のプロセスカートリッジである。
前記像担持体の表面が、電荷輸送能を有する構造単位、および、架橋構造を有する樹脂を含む層からなることを特徴とする<12>〜<15>のいずれか1つに記載のプロセスカートリッジである。
<18>
前記ハードセグメントを構成する材料および前記ソフトセグメントを構成する材料の総量に対して、前記ハードセグメントを構成する材料の重量比が80〜90重量%の範囲内であることを特徴とする<12>〜<17>のいずれか1つに記載のプロセスカートリッジ。
被クリーニング部材と、該被クリーニング部材表面に当接し、前記被クリーニング部材表面をクリーニングするクリーニングブレードを備えたクリーニング装置とを、各々1つ以上含む画像形成装置において、
前記1つ以上のクリーニング装置の少なくともいずれか1つが、前記1つ以上の被クリーニング部材のいずれか1つの被クリーニング部材表面と当接する部分の材料が下式(10)〜(12)を満たし、
前記材料が、ハードセグメントおよびソフトセグメントを含むエラストマー材料であり、
前記ハードセグメントを構成する材料および前記ソフトセグメントを構成する材料の総量に対して、前記ハードセグメントを構成する材料の重量比が46〜98重量%の範囲内であり、
前記ハードセグメントを構成する材料がポリウレタン樹脂であり、前記ソフトセグメントを構成する材料が2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂又は2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であるクリーニングブレードを具備したクリーニング装置であることを特徴とする画像形成装置である。
・式(10) 7.4≦M≦17
・式(11) 0.039<α≦0.105
・式(12) 535≧S≧380
〔但し、式(10)〜(12)中、Mは100%モジュラス(MPa)を表し、αは、応力−歪曲線において、歪量が100%〜200%の間における歪量変化(Δ歪量)に対する応力変化(Δ応力)の割合{Δ応力/Δ歪量=(歪量200%における応力−歪量100%における応力)/(200−100)}(MPa/%)を表し、Sは、JIS K6251(ダンベル状3号形試験片使用)に基づいて測定された破断伸び(%)を表す。〕
前記破断伸びSが500以下であることを特徴とする<19>に記載の画像形成装置である。
前記被クリーニング部材表面と当接する部分の材料のガラス転移温度が10℃以下であることを特徴とする<19>または<20>に記載の画像形成装置である。
温度10℃以上の環境下において、前記被クリーニング部材表面と当接する部分の材料のJIS K6255に基づき測定された反発弾性が10%以上であることを特徴とする<19>〜<21>のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
<23>
前記ハードセグメントを構成する材料および前記ソフトセグメントを構成する材料の総量に対して、前記ハードセグメントを構成する材料の重量比が80〜90重量%の範囲内であることを特徴とする<19>〜<22>のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
本発明のクリーニングブレードは、被クリーニング部材表面に当接し、前記被クリーニング部材表面をクリーニングするクリーニングブレードにおいて、少なくとも前記被クリーニング部材表面と当接する部分の材料が、下式(1)〜(3)を満たすことを特徴とする。
・式(1) 3.92≦M≦29.42
・式(2) 0<α≦0.294
・式(3) S≧250
但し、式(1)〜(3)中、Mは100%モジュラス(MPa)を表し、αは、応力−歪曲線において、歪量が100%〜200%の間における歪量変化(Δ歪量)に対する応力変化(Δ応力)の割合{Δ応力/Δ歪量=(歪量200%における応力−歪量100%における応力)/(200−100)}(MPa/%)を表し、Sは、JIS K6251(ダンベル状3号形試験片使用)に基づいて測定された破断伸び(%)を表す。
100%モジュラスMが、3.92MPa(40kgf/cm2)未満の場合には、耐磨耗性が不充分となり、長期に渡り良好なクリーニング性を維持することができない。また、29.42MPa(300kgf/cm2)を超える場合には、エッジ部材料が硬過ぎるため、被クリーニング部材に対する追従性が悪化し、良好なクリーニング性を発揮できない。加えて、被クリーニング部材表面を傷つけやすくなる場合がある。
なお、100%モジュラスMは、5〜20MPaの範囲内であることが好ましく、6.5〜15MPaの範囲内であることがより好ましい。
式(2)に示されるαが0.294を超える場合、エッジ部材料の柔軟性に欠ける。それゆえ、BCOの発生に伴い、像担持体表面に埋没・固着した異物等のように、被クリーニング部材表面に存在する異物、特に表面に埋没・固着した異物が、被クリーニング部材とクリーニングブレードとの当接部を繰り返し通過することにより、クリーニングブレードのエッジ先端に大きな応力が繰り返し加わった際に、この応力を効率的に分散できるように変形できないため、比較的短期間の内にエッジ欠けが発生してしまう。従って、早期に欠けが発生するため、長期に渡って良好なクリーニング性を維持することができない。
なお、αは0.2以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましく、物性上の限界下限値である0に近ければ近いほどよい。
なお、破断伸びSは300%以上であることが好ましく、350%以上であることがよ
り好ましく、エッジ欠けに対しては大きい程好ましい反面、破断伸びSが500%より大きい場合は被クリーニング部材に対する追従性(密着性)が増し、被クリーニング部材との摩擦力が増大し、結果としてエッジ磨耗が増大し易くなる場合がある。それゆえ、エッジ磨耗の観点から破断伸びSは500%以下であることが好ましく、450%以下であることがより好ましく、400%以下であることが更に好ましい。
スティック&スリップ挙動により当接姿勢が解放されない場合には、エッジ先端の姿勢が保たれたまま摺擦が起こるため、局所的な塑性変形が発生しやすくなる。このような局所的な塑性変形が発生すると、エッジ先端と被クリーニング部材との密着性が低下し、クリーニング不良が発生し易くなる場合がある。このような局所的な塑性変形を抑制する為にはエッジ先端は常にスティック&スリップ挙動が行われている事が好ましく、そのためには、使用環境温度の実質的な下限値である温度10℃以上の環境下において、反発弾性Rは、10%以上であることが好ましく、15%以上がより好ましく、20%以上が更に好ましい。
また、式(2)に示すαは、応力−歪曲線から求められるものであるが、ここで、応力および歪量は以下に説明する手順・方法により求めたものである。すなわち、JISK6251に準拠して、ダンベル状3号形試験片を用い、引張速度500mm/minで計測し、100%歪み時の応力と200%歪み時の応力より求めた。尚、測定装置は、東洋精機(株)製、ストログラフAEエラストマを用いた。
線形弾性体に、正弦波の歪みを定常振動的に与えたとき、応力は式(4)で表される。
|E*|は複素弾性率と呼ばれる。また、レオロジー学の理論より、弾性体成分は式(5)、及び粘性体成分は式(6)で表される。ここで、E’は貯蔵弾性率、E’’は損失弾性率と呼ばれる。δは応力と歪みとの位相差角を表し、”力学的損失角”と呼ばれるものである。
tanδ値は、式(7)の様にE”/E’で表され、”損失正弦”と呼ばれるものであり、その値が大きい程、その線形弾性体は、ゴム弾性を有するものとなる。
・式(4) σ=|E*|γcos(ωt)
・式(5) E’=|E*|cosδ
・式(6) E”=|E*|sinδ
・式(7) tanδ=E”/E’
tanδ値は、レオペクトラ−DVE−V4(レオロジ−(株)製)によって静止歪み5%、10Hz 正弦波引張加振を温度範囲−60〜100℃で測定した。
このため、BCOの発生に伴い、像担持体表面に埋没・固着した異物等のように、被クリーニング部材表面に存在する異物、特に表面に埋没・固着した異物に対応するために、従来のように画像形成装置内に別途耐磨耗性や耐欠け性を向上させるための装置を新たに設ける必要が無いため、装置の大型化・高コスト化を防止できる。
また、式(1)〜(3)を満たす材料は、エラストマー材料であれば特に限定されないが、ハードセグメントおよびソフトセグメントを含むエラストマー材料であることが特に好ましい。エラストマー材料が、ハードセグメントおよびソフトセグメントの双方を含むことにより、式(1)〜(3)に示す物性を満たすことが容易となり、耐磨耗性および耐欠け性の双方を、より高いレベルで両立させることができるためである。
なお、「ハードセグメント」および「ソフトセグメント」とは、エラストマー材料中で、前者を構成する材料の方が、後者を構成する材料よりも相対的に硬い材料からなり、後者を構成する材料の方が前者を構成する材料よりも相対的に柔らかい材料からなるセグメントを意味する。
従って、上述したガラス転移温度を実現するためには、エラストマー材料のハードセグメントを構成する材料(以下、「ハードセグメント材料」と称す場合がある)のガラス転移温度は、30〜100℃の範囲内であることが好ましく、35〜60℃の範囲内であることがより好ましく、ソフトセグメントを構成する材料(以下、「ソフトセグメント材料」と称す場合がある)のガラス転移温度は、−100〜−50℃の範囲内であることが好ましく、−90〜−60℃の範囲内であることがより好ましい。
ハードセグメント材料比が、46重量%未満の場合には、エッジ先端の耐磨耗性が不充分となり、早期に磨耗が起こることにより、長期に渡って良好なクリーニング性が維持できなくなる場合がある。また、ハードセグメント材料比が96重量%を超える場合には、エッジ先端が硬くなり過ぎて、柔軟性や伸張性が不充分となり、早期に欠けが発生することにより、長期に渡って良好なクリーニング性が維持できなくなる場合がある。
すなわち、ハードセグメント材料としては、ポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。この場合のポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、1000〜4000の範囲内であることが好ましく、1500〜3500の範囲内であることがより好ましい。
重量平均分子量が1000未満の場合は、クリーニングブレードが低温環境下で使用される場合にハードセグメントを構成するポリウレタン樹脂の弾性が失われるために、クリーニング不良が生じやすくなる場合がある。また、重量平均分子量が4000を超える場合は、ハードセグメントを構成するポリウレタン樹脂の永久歪みが大きくなり、エッジ先端が、被クリーニング部材に対して当接力を保持することができなくなり、クリーニング不良が生じる場合がある。
なお、上述したようなハードセグメント材料として用いられるポリウレタン樹脂としては、例えば、ダイセル化学社製、プラクセル205やプラクセル240などが挙げられる。
なお、物性は、より好ましくは、ガラス転移温度が−10℃以下、25℃における粘度が1000〜3000mPa・s範囲内、重量平均分子量が900〜2800の範囲内である。また、クリーニングブレードを遠心成型を利用して作製する場合、25℃における粘度が600〜3500mPa・s範囲内であることが好ましい。
2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂としては、例えば、総研化学社製のアクトフロー(グレード:UMB−2005B、UMB−2005P、UMB−2005、UME−2005等)を挙げることができ、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂としては、例えば、出光興産社製、R−45HT等を挙げることができる。
このようなエポキシ樹脂としては、例えば、分子構造の面では、その主鎖構造中に、主鎖の可動性を高くできるような構造(柔軟性骨格)を有するものが好適であり、柔軟性骨格としては、アルキレン骨格や、シクロアルカン骨格、ポリオキシアルキレン骨格等を挙げることができるが、特にポリオキシアルキレン骨格が好適である。
また、物性面では、従来のエポキシ樹脂と比べて、分子量に比して粘度が低いエポキシ樹脂が好適である。具体的には、重量平均分子量が900±100の範囲内程度であり、25℃における粘度が15000±5000mPa・sの範囲内であることが好ましく、15000±3000mPa・sの範囲内であることがより好ましい。このような特性を有するエポキシ樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業製、EPLICON EXA−4850−150等を挙げることができる。
なお、本発明のクリーニングブレードを利用して被クリーニング部材をクリーニングする場合、クリーニングの対象となる被クリーニング部材としては、画像形成装置内において、表面のクリーニングが要求される部材であれば特に限定されず、例えば、中間転写体や、帯電ロール、転写ロール、被転写材搬送ベルト、用紙搬送ロール、像担持体からトナーを除去するクリーニングブラシからさらにトナーを除去するデトーニングロール等も挙げられるが、本発明においては、像担持体であることが特に好ましい。
次に、本発明のクリーニングブレードを用いたクリーニング装置、プロセスカートリッジ、および、画像形成装置について説明する。
本発明のクリーニング装置は、被クリーニング部材表面に当接し、被クリーニング部材表面をクリーニングするクリーニングブレードとして、本発明のクリーニングブレードを備えたものであれば特に限定されない。例えば、クリーニング装置の構成例としては、被クリーニング部材側に開口部を有するクリーニングケース内に、エッジ先端が開口部側となるようにクリーニングブレードを固定すると共に、クリーニングブレードにより被クリーニング部材表面から回収された廃トナー等の異物を異物回収容器に導く搬送オーガを備えた構成などが挙げられる。また、本発明のクリーニング装置には、本発明のクリーニングブレードが2つ以上用いられていてもよい。
それゆえ、密着部に保持される研磨剤の量が増加すると、その結果として像ながれの原因である放電生成物のかきとり性を向上させることができ、また、密着部に保持される潤滑剤の量が増加すると、その結果として放電生成物かきとり性を向上させるだけでなく、ブレード先端部と感光体の磨耗を低減することも可能である。
なお、研磨剤や潤滑剤の供給源としては、トナーに外添した研磨剤や潤滑剤や、像担持体に当接するブラシなどの媒体に接触する固形研磨剤などが利用できる。
この場合、トナー保持部材と、このトナー保持部材に付着したトナーが像担持体表面の放電生成物を除去するために、放電生成物に起因する像ながれを著しく低減できる。また、クリーニングブレードと像担持体との摩擦を小さくするため、長期的にブレード磨耗を低減することができる。
さらに、像担持体の回転方向に対して、像担持体表面のトナー保持部材が設けられた側よりも回転方向下流側で、且つ、クリーニングブレードが設けられた回転方向上流側の領域にトナー溜まりを形成することも好適である。これによりトナー溜り中のトナーが放電生成物を吸着するため、像ながれをより一層抑制することができる。
トナー保持部材を振動させる動力としては、モーターなどの外部動力源を用いてもよいし、あるいは像担持体やその他画像形成装置の駆動力をギアなどを介してトナー保持部材に伝達してもよい。なお、振動の周期は、トナーがトナー保持部材から離れないように、0.1秒から5秒が好ましい。
これにより、クリーニングブレードで除去されたトナーは上記テープで仕切られた領域に溜り、一定量以上のトナーが、この仕切られた領域に溜ると像担持体に接触する。
なお、上記テープの材料、長さ、あるいは厚さを変えることでトナー溜りのトナー保持量を調整することができ、また、テープにトナーが抜ける穴を設けることによりトナー溜りのトナーを循環させて、随時新しく突入してきたトナーによりトナー溜りを形成することで放電生成物のかきとり性を向上させることもできる。また、トナー溜りによる放電生成物に対するかきとり性を積極的に利用する場合には、トナー保持部材の像担持体への押付け力を小さくして、トナー保持部材とトナー溜りとで放電生成物を所定量だけ除去してもよい。
像担持体の膜厚については、一般的に小さいほどある特定の帯電電位を得るための放電量は小さくなるため、膜厚に応じて放電量を調整することで放電生成物の発生量を必要最低限に抑えることが可能である。また、温度が高い、湿度が高いほどある特定のある特定の帯電電位を得るための放電量は小さくなるため、温度あるいは湿度に応じて放電量を調整することで放電生成物の発生量を必要最低限に抑えることが可能である。放電量を規定するのは、帯電手段として用いられるスコロトロンや帯電ロールの交流電流Iacである。
したがって、像担持体の膜厚や温湿度を何らかの手段で検知して、その結果を元に必要最低限の放電量を規定することで像流れの発生の原因となる放電生成物の発生量を抑制することも有効である。これにより、像流れが発生しても比較的程度が軽くなる上に、このような状況で本発明のクリーニングブレードを利用すれば、像流れを顕著に抑制することも容易である。
プロセスカートリッジや画像形成装置に用いられる像担持体としては、有機感光体や、アモルファスシリコン感光体やセレン系感光体などの無機系の感光体など公知の感光体を用いる事ができるが、コスト、製造性および廃棄性等の点で優れた利点を有する有機感光体が好適に用いられる。
有機感光体としては、導電性基体上に少なくとも感光層が設けられた構成を有するものであれば特に限定されないが、本発明においては、導電性基体上に、電荷発生層と電荷輸送層とこの順に積層した機能分離型の感光層を有する有機感光体であることがクリーニング性の効果の発現に好適である。また、感光層の表面には必要に応じて表面保護層を設けたり、感光層と導電性基体や、感光層と表面保護層との間に必要に応じて中間層を設けることもできる。
特に、感光層との密着性向上や成膜性向上の点では、例えば、アルミニウム基体の表面に陽極酸化処理を施したものを導電性基体として用いることが好ましい。
また、これらの有機顔料は一般に数種の結晶型を有しており、特にフタロシアニン化合物ではα型、β型などをはじめとしてさまざまな結晶型が知られているが、目的にあった感度その他の特性が得られる顔料であるならば、これらのいずれの結晶型でも用いることが可能である。
電荷発生層を形成する為の塗布液の溶媒として公知の有機溶剤、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n―ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物があげられる。
これらの電荷輸送材料は単独または2種以上混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの電荷輸送材料は単独あるいは2種以上混合して用いることができるが、モビリティーの観点から、例えば、以下の構造式(1)〜(3)に示す材料を利用することが好ましい。
素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、を表わす。R16、R16'、R17
、R17'は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル
基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換又は未置換のアリール基、あるいは、−C(R18)=C(R19)(R20)、―CH=CH―CH=C(Ar)2を表わす。
なお、構造式(1)および構造式(2)の置換基において、R18、R19、R20は水素原子、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアリール基を表す。mおよびnは0〜2の整数である。
R22、R23は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換又は未置換のアリール基を表す。
なお、構造式(1)〜構造式(3)の置換基において、Arは、置換又は未置換のアリール基を表す。
像担持体の感光層が、導電性基体上に、電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層した機能分離型の感光層である場合、電荷輸送層中にフッ素系樹脂粒子が含まれていてもよく、また、電荷輸送層上に設けた表面保護層に架橋構造を有する樹脂が含まれていてもよい。
フッ素系樹脂粒子が電荷輸送層中に添加される場合の含有量は、電荷輸送層を構成する材料全量に対し、0.1〜40重量%が好ましく、1〜30重量%がより好ましく、特には3〜10重量%が好ましい。含有量が0.1重量%未満ではフッ素系樹脂粒子の分散による摩擦低減効果が、像担持体の帯電器が接触型帯電器である場合には不充分となる場合がある。一方、40重量%を越えると電荷輸送層の光透過性及び電荷輸送性が顕著に低下し、かつ、繰返し使用による残留電位の上昇が生じる場合がある。
また、フッ素系樹脂粒子の一次平均粒径は0.05〜1μmが好ましく、0.1〜0.5μmがより好ましい。一次平均粒径が0.05μmを下回ると分散時の凝集が進みやすくなる場合があり、1μmを上回ると画質欠陥が発生しやすくなる場合がある。
架橋構造を有する樹脂としては種々の材料を用いることが出来るが、特性上フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シロキサン樹脂などが好ましく、特にシロキサン系樹脂からなるものが好ましい。このうち特に、一般式 (I)や(II)で示される化合物から誘導される構造を有するものが強度、安定性に優れ特に好ましい。
一般式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、Dは可とう性サブユニット、R2は水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数を表わす。
なお、一般式(I)中のDで示される可とう性サブユニットとしては、−(CH2)n−基を必ず含み、これに−COO−、−O−、−CH=CH−、−CH=N−基を組み合わせた2価の直鎖基であってもよい。なお、−(CH2)n−基のnは1〜5の整数を表す。また、Qで表される加水分解性基としては、−OR基(但し、Rはアルキル基を表す)を表す。
一般式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、R1はアルキレン基、Zは、−O−、−S−、−NH−、又は、−COO−、mは1〜4の整数を示す。Xは、−O−、又は、−S−を表し、nは0または1を示す。
一般式(I)、(II)で示される化合物のさらに好ましいものとして、有機基Fが特に下記一般式(III)で示されるものを用いたものを挙げることができる。
R7〜R13は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、または未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基、ハロゲンから選択される。
mおよびsは0または1を表わし、qおよびrは1から10の整数、tは1から3の整数を示す。ここで、Xは一般式(I)中に示した−D−Si(R2)(3-a)Qaで表わされる基を示す。
また構造群3中に示されるWは下記構造群4で示されるものが好ましい。なお、構造群4中、s’は0〜3の整数を示す。
また、表1〜7中の「Ar1」〜「Ar5」の欄に示される構造式中、ベンゼン環に結合する”−S”基は、表1〜7中の「S」の欄に示される一価の基(一般式(I)中の−D−Si(R2)(3-a)Qaで表される構造に相当する基)を意味する。
Si (R2)(4-c) Qc (IV)
一般式(IV)中、R2は水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、cは1〜4の整数を表わす。
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の四官能性アルコキシシラン(c=4);メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パ−フルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パ−フルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パ−フルオロオクチルトリエトシキシラン等の三官能性アルコキシシラン(c=3);ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン等の二官能性アルコキシシラン(c=2);トリメチルメトキシシラン等の1官能アルコキシシラン(c=1)等をあげることができる。膜の強度を向上させるためには3および4官能のアルコキシシランが好ましく、可とう性、製膜性を向上させるためには2および1官能のアルコキシシランが好ましい。
B−(Si(R2)(3-a) Qa) 2 (V)
一般式(V)中、Bは2価の有機基、R2は水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数を表わす。
具体的には、以下の表8に示す材料を好ましいものとしてあげることができるが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
アルコール系溶剤に可溶な樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマ−ルやアセトアセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルアセタ−ル樹脂などのポリビニルアセタール樹脂(たとえば積水化学社製エスレックB、Kなど)、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂などがあげられる。特に、電気特性上ポリビニルアセタ−ル樹脂が好ましい。
一般式(VI)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物として、市販の環状シロキサンをあげることができる。具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素含有シクロシロキサン類、メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサンなどのヒドロシリル基含有シクロシロキサン類、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサンなどのビニル基含有シクロシロキサン類等の環状のシロキサン等をあげることができる。これらの環状シロキサン化合物は単独で用いても良いが、それらを混合して用いても良い。
また、同様な目的でシリコーンオイル等のオイルを添加することもできる。シリコーンオイルとしては、たとえば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコーンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノ−ル変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンオイル等をあげることができる。
例えば、アンバーライト15、アンバーライト200C、アンバ−リスト15E(以上、ロ−ム・アンド・ハース社製);ダウエックスMWC−1−H、ダウエックス88、ダウエックスHCR−W2(以上、ダウ・ケミカル社製);レバチットSPC−108、レバチットSPC−118(以上、バイエル社製);ダイヤイオンRCP−150H(三菱化成社製);スミカイオンKC−470、デュオライトC26−C、デュオライトC−433、デュオライト−464(以上、住友化学工業社製);ナフィオン−H(デュポン社製)などの陽イオン交換樹脂;アンバーライトIRA−400、アンバーライトIRA−45(以上、ロ−ム・アンド・ハ−ス社製)などの陰イオン交換樹脂;Zr(O3PCH2CH2 SO3H)2 ,Th(O3PCH2CH2COOH)2などのプロトン酸基を含有する基が表面に結合されている無機固体;スルホン酸基を有するポリオルガノシロキサンなどのプロトン酸基を含有するポリオルガノシロキサン;コバルトタングステン酸、リンモリブデン酸などのヘテロポリ酸;ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン酸などのイソポリ酸;シリカゲル、アルミナ、クロミア、ジルコニア、CaO、MgOなどの単元系金属酸化物;シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト類など複合系金属酸化物;酸性白土、活性白土、モンモリロナイト、カオリナイトなどの粘土鉱物;LiSO4 ,MgSO4などの金属硫酸塩;リン酸ジルコニア、リン酸ランタンなどの金属リン酸塩;LiNO3 ,Mn(NO3)2などの金属硝酸塩;シリカゲル上にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させて得られた固体などのアミノ基を含有する基が表面に結合されている無機固体;アミノ変性シリコーン樹脂などのアミノ基を含有するポリオルガノシロキサンなどが挙げられる。
多座配位子の配合量は、任意に設定することができるが、用いる有機金属化合物の1モルに対し、0.01モル以上、好ましくは0.1モル以上、より好ましくは1モル以上とするのが好ましい。
コーティング液の製造は、無溶媒下で行うこともできるが、必要に応じてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;等の他、種々の溶媒が使用できる。このような溶媒としては、沸点が100℃以下のものが好ましく、任意に混合して使用することができる。溶媒量は任意に設定できるが、少なすぎると有機ケイ素化合物が析出しやすくなるため、有機ケイ素化合物1重量部に対し0.5〜30重量部、好ましくは、1〜20重量部とするのが好ましい。
本発明のプロセスカートリッジ及びクリーニング装置を配置した画像形成装置や、本発明の画像形成装置に用いられるトナーとしては、公知のトナーであれば特に限定されないが、トナーの形状係数SFが、140未満であることが好ましい。この形状係数SFが140以上になると、良好な転写性等が得られにくくなり、得られる画像の高画質化が困難となる場合がある。
なお、形状係数SFとは下式(9)で定義される値である。
・式(9) SF=ML2/(4A/π)
ここで、MLはトナーの最大長(μm)、Aはトナーの投影面積(μm2)を表す。
まず、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナーについて最大長(ML)と投影面積(A)を測定する。次に、個々のトナーについて、最大長の2乗/(4×投影面積/π)、すなわち、ML2/(4A/π)を算出し、これを平均した値を形状係数SFとして求めた。
本発明に用いられるトナーは、必須成分として結着樹脂及び着色剤を含有し、必要に応じて離型剤やその他の添加剤を含有したものである。その結着樹脂は、従来よりトナーに用いられている結着樹脂を用いることができ、特に制限されない。
さらには、これら単独重合体、共重合体又は混合物に、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、又は、それらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等を挙げることができる。
また、本発明に用いられるトナーには、平均粒径10〜300nm程度のシリカおよびチタニア等の無機微粒子、0.2〜3μm程度の研磨剤、3〜15μm程度の潤滑剤を適宜量外添することができる。このようにして得られたトナーは、例えば、平均粒径35μmのフェライトビーズ等からなるキャリアと混合し二成分現像剤を得ることができる。
次に、本発明のクリーニングブレード、並びに、これを用いた画像形成装置及びクリーニング装置の具体例について、図面を用いてより詳細に説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略模式図であり、いわゆるタンデム型の画像形成装置について示したものである。
図1中、21は本体ハウジング、22、22a〜22dは作像エンジン、23はベルトモジュール、24は記録材供給カセット、25は記録材搬送路、30は各感光体ユニット、31は感光体ドラム、33は各現像ユニット、34はクリーニング装置、35、35a〜35dは、トナーカートリッジ、40は露光ユニット、41はユニットケース、42はポリゴンミラー、51は一次転写装置、52は二次転写装置、53はベルトクリーニング装置、61はフィードロール、62はテイクアウェイロール、63はレジストロール、66は定着装置、67は排出ロール、68は排出トレイ、71は手差し供給装置、72はフィードロール、73は両面記録用ユニット、74は案内ロール、76は搬送路、77は搬送ロール、230は中間転写ベルト、231、232は張架ロール、521は二次転写ロール、531はクリーニングブレードを表す。
ここで、感光体ユニット30は、例えば感光体ドラム31と、この感光体ドラム31を予め帯電する帯電装置(図1中、不図示。後述する図2に示す帯電ロール32)と、感光体ドラム31上の残留トナーを除去するクリーニング装置34とを一体的にサブカートリッジ化したものである。
尚、感光体ユニット30を現像ユニット33から切り離して単独のCRUとしてもよいことは勿論である。また、図1中、符号35(35a〜35d)は各現像ユニット33に各色成分トナーを補給するためのトナーカートリッジである(トナー補給経路は図示せず)。
更にまた、中間転写ベルト230の最上流作像エンジン22aの上流側にはベルトクリーニング装置53が配設されており、中間転写ベルト230上の残留トナーを除去するようになっている。
更にまた、本体ハウジング21には両面記録用ユニット73が付設されており、この両面記録用ユニット73は、記録材の両面に画像記録を行う両面モード選択時に、片面記録済みの記録材を排出ロール67を逆転させ、かつ、入口手前の案内ロール74にて内部に取り込み、適宜数の搬送ロール77にて内部の記録材戻し搬送路76に沿って記録材を搬送し、再度レジストロール63側へと供給するものである。
図2は、本発明のクリーニング装置の一例を示す模式断面図であり、図1中に示すクリーニング装置34と共にサブカートリッジ化された感光体ドラム31、帯電ロール32や、現像ユニット33も同時に示した図である。
図2中、32は帯電ロール(帯電装置)、331はユニットケース、332は現像ロール、333は搬送オーガー、334は搬送パドル、335はトリミング部材、341はクリーニングケース、342はクリーニングブレード、344はフィルムシール、345は搬送オーガを表す。
図3は、本発明のクリーニングブレードの一例を示す模式断面図であり、図2中に示すクリーニングブレード342を、これに当接する感光体ドラム31と共に示した図である。ここで、図3中、342aはクリーニングエッジ側の層、342bは背面側の層を表す。
図3に示すクリーニングブレード342は、感光体ドラム31と当接するクリーニングエッジ側の層342aと、クリーニングエッジ側の層342aの感光体ドラム31が設けられた面と反対側の面に設けられた背面側の層342bとの二層からなり、ポリウレタンゴムからなる弾性材料で形成されたものである。
背面側の層342bを構成するポリウレタン材料としては、エステル系ポリウレタン、エーテル系ポリウレタンを挙げることができるが、エステル系ポリウレタンが好ましい。
ここで、ポリイソシアネートとしては、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート(TODI)などを挙げることができる。特に、性能及びコスト面で好適なものはMDIである。
また、上述したポリエステルポリオールを用いてウレタンゴムを製造するには、ポリエステルポリオール及び鎖延長剤としての短鎖ポリオールに、ポリイソシアネートを配合し、反応させる。反応はプレポリマー法やワンショット法など、ポリウレタンの一般的な製造方法を用いることができる。
ここで、クリーニングエッジ側の層342aは厚みが0.5mm、背面側の層342bは厚みが1.5mmに調整されている。なお、クリーニングブレード342は、例えば、予めシート状に作製したクリーニングエッジ側の層342aおよび背面側の層342bを、接着剤、両面テープ等を用いて各層の材料を貼り合わせて作製することができる。また、遠心成形を利用して作製する場合には、各層の原料を成形機に注入する際に、時間差を設けて順次注入することにより作製することもできる。
尚、本実施の形態では、各作像エンジン22(22a〜22d)の全てのクリーニング装置34において、クリーニングブレード342として本発明のクリーニングブレードが用いられているほか、ベルトクリーニング装置53で用いられるクリーニングブレード531も本発明のクリーニングブレードが用いられてもよい。
現像に際しては、現像ロール332に現像剤を供給した後、例えばトリミング部材335にて現像剤を層厚規制した状態で、感光体ドラム31に対向する現像領域に搬送される。
なお、二成分現像剤を使用した場合、BCOの発生に伴い、キャリア片が、像担持体30表面に埋没・固着してしまうような場合がある。しかし、この場合においても、クリーニング装置34は本発明のクリーニングブレードを具備したものであるため、長期に渡って欠けの発生を抑制しつつ、良好なクリーニング性能を維持し続けることができる。
また、本実施の形態で使用されるトナーは、上述したようなトナーを用いることができるが、転写性や画質の点からは、形状係数SFが140未満であることが好ましい。
一方、各作像エンジン22(22a〜22d)において、感光体ドラム31上の残留トナーはクリーニング装置34にて清掃され、また、中間転写ベルト230上の残留トナーはベルトクリーニング装置53にて清掃される。
このような作像過程において、夫々の残留トナーはクリーニング装置34(又はベルトクリーニング装置53)によって清掃される。
図4は、本発明のクリーニングブレードの固定方法の一例を示す概略模式図であり、図中、342がクリーニングブレード、342cがバネ材、342dがホルダーを意味する。図5に示されるようにクリーニングブレード342は、その片面(感光体と当接しない側の面)が、板状のバネ材342cに接合固定されており、このバネ材342cのクリーニングブレードが固定された側と反対側の部分はホルダー342dに取り付けられている。バネ材342cとしては、塑性変形が起こりにくく、ヤング率の温度依存性の低いSUS等の金属部材が利用できる。
図4に示したようにバネ材やホルダを介してクリーニング装置のフレーム部材にクリーニングブレードを固定した場合には、クリーニングブレードの加圧に関してはバネ材が担うため、クリーニング装置のフレーム部材に対してクリーニングブレードを固定した場合と比べると、クリーニングブレードのへたりを抑制すると共に当接圧の環境依存性も小さくできる。それゆえ、長期に渡って感光体に対するクリーニングブレードの当接圧が安定し、優れたクリーニング性能が維持できる。
<クリーニングブレードA1>
まず、ポリオール成分として、ポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学社製、プラクセル205、平均分子量529、水酸基価212KOHmg/g)及びポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学社製、プラクセル240、平均分子量4155、水酸基価27KOHmg/g)とからなるハードセグメント材料と、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂(綜研化学社製、アクトフローUMB−2005B)からなるソフトセグメント材料とを、8:2(質量比)の割合で混合した。
なお、この反応で使用したイソシアネート化合物量は、反応系に含まれる水酸基に対するイソシアネート基の比(イソシアネート基/水酸基)が0.5となるように選択したものである。
続いて、上記イソシアネート化合物を更に34.3質量部加え、窒素雰囲気下で70℃で3時間反応させて、プレポリマーを得た。
なお、プレポリマーの使用に際して利用したイソシアネート化合物の全量は40.56質量部である。
ハードセグメント材料としてはクリーニングブレードA1の作製に用いたのと同様のハードセグメント材料を用い、ソフトセグメント材料としては2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂(出光興産社製、R−45HT)を用い、ハードセグメント材料とソフトセグメント材料と8:2の割合で混合した。
この混合物を用いた以外は実施例1と同様にしてクリーニングブレードを作製し、クリーニングブレードA2を得た。
ハードセグメント材料としてはクリーニングブレードA1の作製に用いたのと同様のハードセグメント材料を用い、ソフトセグメント材料としては2つ以上のエポキシ基を含むエポキシ樹脂(大日本インキ化学工業製、EPICLON EXA−4850−150)を用い、ハードセグメント材料とソフトセグメント材料と8:2の割合で混合した。
この混合物を用いた以外は実施例1と同様にしてクリーニングブレードを作製し、クリーニングブレードA3を得た。
クリーニングブレードA1の作製において、ハードセグメント材料とソフトセグメント材料との混合比率を9:1に変更した以外は、クリーニングブレードA1と同様に作製し、クリーニングブレードA4を得た。
クリーニングブレードA1の作製において、ハードセグメント材料とソフトセグメント材料との混合比率を96:4に変更した以外は、クリーニングブレードA1と同様に作製し、クリーニングブレードA5を得た。
クリーニングブレードA1の作製において、ハードセグメント材料とソフトセグメント材料との混合比率を98:2に変更した以外は、クリーニングブレードA1と同様に作製し、クリーニングブレードA6を得た。
ハードセグメント材料とソフトセグメント材料との混合物の代わりに、ポリオール成分のみを用い、このポリオール成分として用いたコロネート4086(日本ポリウレタン工業(株)製)100質量部に対して、イソシアネート化合物としてニッポラン4038(日本ポリウレタン工業(株)製)6.8質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、クリーニングブレードを作製し、クリーニングブレードB1を得た。
ハードセグメント材料とソフトセグメント材料との混合物の代わりに、ポリオール成分のみを用い、このポリオール成分として用いたコロネート4370(日本ポリウレタン工業(株)製)100質量部に対して、イソシアネート化合物としてニッポラン4379(日本ポリウレタン工業(株)製)75質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、クリーニングブレードを作製し、クリーニングブレードB2を得た。
ハードセグメント材料とソフトセグメント材料との混合物の代わりに、ポリオール成分のみを用い、このポリオール成分として用いたコロネート4370(日本ポリウレタン工業(株)製)100質量部に対して、イソシアネート化合物としてニッポラン4379(日本ポリウレタン工業(株)製)85質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、クリーニングブレードを作製し、クリーニングブレードB3を得た。
<感光体A>
4質量部のポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水化学社製)を溶解したn−ブチルアルコール170質量部に、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセトンジルコニウムブチレート)30質量部および有機シラン化合物(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)3質量部を添加、混合撹拌して下引層形成用の塗布液を得た。
この塗布液を、ホーニング処理により粗面化された外径40mmのアルミニウム支持体の上に浸漬塗布し、室温で5分間風乾を行った後、支持体を10分間で50℃に昇温し、50℃、85%RH(露点47℃)の恒温恒湿槽中に入れて、20分間加湿硬化促進処理を行った。その後、熱風乾燥機に入れて170℃で10分間乾燥を行い下引層を形成した。
次に、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン40質量部とビスフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量40,000)60質量部とを、テトロヒドロフラン235質量部及びモノクロロベンゼン100質量部に十分に溶解混合して得られた塗布液を、電荷発生層まで形成したアルミニウム支持体上に浸漬塗布し、120℃で40分乾燥することにより、膜厚24μmの電荷輸送層を形成し、感光体Aを得た。
N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン40質量部とビスフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量40,000)60質量部とを、テトロヒドロフラン280質量部及びトルエン120質量部に十分に溶解混合した後、4フッ化エチレン樹脂粒子10質量部を加え、さらに混合した。
このとき、室温を25℃に設定し、混合時における液温度を25℃に保った。その後、ガラスビーズを用いたサンドグラインダーにて分散し、4フッ化エチレン樹脂粒子分散液を作製した。このとき、サンドクラインダーのベッセルに24℃の水を流し、分散液の温度を50℃に保持した。
このようにして得られた塗布液を、感光体Aを作製する場合と同様にして電荷発生層まで作製された円筒状基体表面に浸漬塗布し、120℃で40分乾燥することにより、膜厚25μmの電荷輸送層を形成し、感光体Bを得た。
下記に示す化合物1を2質量部と、レジトップPL4852(群栄化学製)を2質量部とをイソプロピルアルコール10質量部に溶解させ、保護層形成用塗布液を得た。この保護層形成用塗布液を、電荷輸送層の膜厚を22μmとする以外は感光体Aと同じ条件で作製した感光体の電荷輸送層上に浸漬塗布し、室温で30分風乾した後、140℃で60分乾燥させ、膜厚4μmの保護層を形成し、感光体Cを得た。
また、実施例1〜3および比較例1〜3に用いたクリーニングブレードの歪量と応力の関係を示すグラフを図5に示す。
−エッジ磨耗−
エッジ磨耗の評価に際しては、高温高湿環境(28℃、85RH%)下にて、感光体の積算回転数が100KサイクルになるまでA4用紙(210×297mm、富士ゼロックス社製、P紙)を用いて画像形成させた後のクリーニングブレードのエッジ先端の磨耗と、クリーニング不良とを併せて評価して判断した。
なお、テストに際しては、感光体とクリーニングブレードとの当接部における潤滑効果を小さくした過酷な条件で評価するために、形成する画像の像密度を1%とした。
また、クリーニング不良の評価は、上記のテスト終了後に、未転写ベタ画像(ベタ画像サイズ:400mm×290mm)が形成されたA3用紙を、感光体とクリーニングブレードとの間に、通常のプロセススピードで給紙して、未定着画像の搬送方向最後端部分が感光体とクリーニングブレードとの当接部を通過し終えた直後に実機を停止し、トナーの擦り抜け有無を目視で確認し、顕著な擦り抜けが認められる場合をクリーニング不良とした。
なお、エッジ先端の磨耗や欠けにより、トナーを塞き止める部位が欠落している場合はエッジ磨耗深さや欠け深さが大きい程、上述したテストでクリーニング不良が発生し易くなるため、上記テストはエッジ先端の磨耗や欠けの定性的評価に有用である。
エッジ磨耗の評価基準を以下の表10に示す。なお、許容範囲はG0〜G2である。
エッジ欠けは、感光体表面に付着した異物が、感光体とクリーニングブレードとの当接部を何度も通過する事により発生する。それゆえ、クリーニングブレードの弾性が低下して、クリーニングブレードが異物と衝突した際のストレスが大きくなりやすい条件である低温低湿(10℃、15%RH)環境下において、5Kサイクル毎に5mm幅のトナーバンドを作製しつつ感光体ドラムを100Kサイクル走行させた後のエッジ欠けの深さ及び個数を測定した。
エッジ欠け深さは、クリーニングブレードの断面側をキーエンス社製、レーザー顕微鏡VK−8510により観察した際に、感光体表面側のエッジ欠落部深さを計測した。この際、幅が5μm以上の欠けの個数を評価した。エッジ欠けの評価基準を以下の表11に示す。なお、許容範囲はG0〜G2である。
感光体傷は、10万サイクル走行させた後にハーフトーン画像をプリントし、プリント上に感光体傷による白筋有無を評価した。感光体傷の評価基準を以下に示す。なお、許容範囲は○である。
○:プリント上白筋未発生
×:プリント上白筋発生
感光体磨耗レートは、試験前と試験後の感光体の膜厚を渦電流式の膜厚計で計測しその差分にて算出し、感光体1000cycle当りの感光体磨耗レートとして算出した。
なお、上述した評価に加えて、クリーニングブレードA1、A4、A5、A6については、エッジの局所変形についても評価した。
評価は、クリーニングブレードA1、A4、A5、A6と感光体Aとを、以下の表12に示すような組み合わせとなるように画像形成装置(富士ゼロックス社製、DocuCenter Color 400CP)に取りつけて評価した。評価結果を、テストに用いたクリーニングブレードの組成・物性と共に以下の表12に示す。
−エッジ局所変形の評価方法−
エッジの局所変形は、ゴム弾性が低下しスティック&スリップ挙動が鈍くなる低温低湿環境(10℃、15RH%)下にて、感光体の積算回転数が100KサイクルになるまでA4用紙(210×297mm、富士ゼロックス社製、P紙)を用いて画像形成させた後のクリーニングブレードのエッジ先端の変形と、クリーニング不良とを併せて評価して判断した。
なお、テストに際しては、感光体とクリーニングブレードとの当接部における潤滑効果を小さくした過酷な条件で評価するために、形成する画像の像密度を1%とした。
また、クリーニング不良の評価は、上記のテスト終了後に、未転写ベタ画像(ベタ画像サイズ:400mm×290mm)が形成されたA3用紙を、感光体とクリーニングブレードとの間に、通常のプロセススピードで給紙して、未定着画像の搬送方向最後端部分が感光体とクリーニングブレードとの当接部を通過し終えた直後に実機を停止し、トナーの擦り抜け有無を目視で確認し、局所変形が起っている部分に対応するように顕著な擦り抜けが認められる場合をクリーニング不良とした。
○:エッジの局所変形は全く観察されず、これに起因するクリーニング不良も発生しなかった。
△:エッジの局所変形が観察されたが、これに起因するクリーニング不良は発生しなかった。
×:エッジの局所変形が観察され、且つ、これに起因するクリーニング不良が発生した。
22、22a〜22d 作像エンジン
23 ベルトモジュール
24 記録材供給カセット
25 記録材搬送路
30 感光体ユニット
31 感光体ドラム
32 帯電ロール
33 各現像ユニット
34 クリーニング装置
35、35a〜35d トナーカートリッジ
40 露光ユニット
41 ユニットケース
42 ポリゴンミラー
51 一次転写装置
52 二次転写装置
53 ベルトクリーニング装置
61 フィードロール
62 テイクアウェイロール
63 レジストロール
66 定着装置
67 排出ロール
68 排出トレイ
71 手差し供給装置
72 フィードロール
73 両面記録用ユニット
74 案内ロール
76 搬送路
77 搬送ロール
230 中間転写ベルト
231、232 張架ロール
331 ユニットケース
332 現像ロール
333 搬送オーガー
334 搬送パドル
335 トリミング部材
341 クリーニングケース
342 クリーニングブレード
342a クリーニングエッジ側の層
342b 背面側の層
342c バネ材
342d ホルダー
344 フィルムシール
345 搬送オーガ
521 二次転写ロール
531 クリーニングブレード
Claims (20)
- 被クリーニング部材表面に当接し、前記被クリーニング部材表面をクリーニングするクリーニングブレードにおいて、
少なくとも前記被クリーニング部材表面と当接する部分の材料が、下式(1)〜(3)を満たし、
前記材料が、ハードセグメントおよびソフトセグメントを含むエラストマー材料であり、
前記ハードセグメントを構成する材料および前記ソフトセグメントを構成する材料の総量に対して、前記ハードセグメントを構成する材料の重量比が46〜98重量%の範囲内であり、
前記ハードセグメントを構成する材料がポリウレタン樹脂であり、前記ソフトセグメントを構成する材料が2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂又は2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であることを特徴とするクリーニングブレード。
・式(1) 7.4≦M≦17
・式(2) 0.039<α≦0.105
・式(3) 535≧S≧380
〔但し、式(1)〜(3)中、Mは100%モジュラス(MPa)を表し、αは、応力−歪曲線において、歪量が100%〜200%の間における歪量変化(Δ歪量)に対する応力変化(Δ応力)の割合{Δ応力/Δ歪量=(歪量200%における応力−歪量100%における応力)/(200−100)}(MPa/%)を表し、Sは、JIS K6251(ダンベル状3号形試験片使用)に基づいて測定された破断伸び(%)を表す。〕 - 前記破断伸びSが500以下であることを特徴とする請求項1に記載のクリーニングブレード。
- 前記被クリーニング部材表面と当接する部分の材料のガラス転移温度が10℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のクリーニングブレード。
- 温度10℃以上の環境下において、前記被クリーニング部材表面と当接する部分の材料のJIS K6255に基づき測定された反発弾性が10%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のクリーニングブレード。
- 前記ハードセグメントを構成する材料および前記ソフトセグメントを構成する材料の総量に対して、前記ハードセグメントを構成する材料の重量比が80〜90重量%の範囲内であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のクリーニングブレード。
- 被クリーニング部材表面に当接し、前記被クリーニング部材表面をクリーニングするクリーニングブレードを備えたクリーニング装置において、
前記クリーニングブレードの少なくとも前記被クリーニング部材表面と当接する部分の材料が、下式(4)〜(6)を満たし、
前記材料が、ハードセグメントおよびソフトセグメントを含むエラストマー材料であり、
前記ハードセグメントを構成する材料および前記ソフトセグメントを構成する材料の総量に対して、前記ハードセグメントを構成する材料の重量比が46〜98重量%の範囲内であり、
前記ハードセグメントを構成する材料がポリウレタン樹脂であり、前記ソフトセグメントを構成する材料が2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂又は2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であることを特徴とするクリーニング装置。
・式(4) 7.4≦M≦17
・式(5) 0.039<α≦0.105
・式(6) 535≧S≧380
〔但し、式(4)〜(6)中、Mは100%モジュラス(MPa)を表し、αは、応力−歪曲線において、歪量が100%〜200%の間における歪量変化(Δ歪量)に対する応力変化(Δ応力)の割合{Δ応力/Δ歪量=(歪量200%における応力−歪量100%における応力)/(200−100)}(MPa/%)を表し、Sは、JIS K6251(ダンベル状3号形試験片使用)に基づいて測定された破断伸び(%)を表す。〕 - 前記破断伸びSが500以下であることを特徴とする請求項6に記載のクリーニング装置。
- 前記被クリーニング部材表面と当接する部分の材料のガラス転移温度が10℃以下であることを特徴とする請求項6または7に記載のクリーニング装置。
- 温度10℃以上の環境下において、前記被クリーニング部材表面と当接する部分の材料のJIS K6255に基づき測定された反発弾性が10%以上であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載のクリーニング装置。
- 前記ハードセグメントを構成する材料および前記ソフトセグメントを構成する材料の総量に対して、前記ハードセグメントを構成する材料の重量比が80〜90重量%の範囲内であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1つに記載のクリーニング装置。
- 像担持体と、前記像担持体表面に当接し、前記像担持体表面をクリーニングするクリーニングブレードを備えたクリーニング装置とを含み、画像形成装置に対して脱着可能なプロセスカートリッジにおいて、
前記クリーニングブレードの少なくとも前記像担持体表面と当接する部分の材料が、下式(7)〜(9)を満たし、
前記材料が、ハードセグメントおよびソフトセグメントを含むエラストマー材料であり、
前記ハードセグメントを構成する材料および前記ソフトセグメントを構成する材料の総量に対して、前記ハードセグメントを構成する材料の重量比が46〜98重量%の範囲内であり、
前記ハードセグメントを構成する材料がポリウレタン樹脂であり、前記ソフトセグメントを構成する材料が2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂又は2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
・式(7) 7.4≦M≦17
・式(8) 0.039<α≦0.105
・式(9) 535≧S≧380
〔但し、式(7)〜(9)中、Mは100%モジュラス(MPa)を表し、αは、応力−歪曲線において、歪量が100%〜200%の間における歪量変化(Δ歪量)に対する応力変化(Δ応力)の割合{Δ応力/Δ歪量=(歪量200%における応力−歪量100%における応力)/(200−100)}(MPa/%)を表し、Sは、JIS K6251(ダンベル状3号形試験片使用)に基づいて測定された破断伸び(%)を表す。〕 - 前記破断伸びSが500以下であることを特徴とする請求項11に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記被クリーニング部材表面と当接する部分の材料のガラス転移温度が10℃以下であることを特徴とする請求項11または12に記載のプロセスカートリッジ。
- 温度10℃以上の環境下において、前記被クリーニング部材表面と当接する部分の材料のJIS K6255に基づき測定された反発弾性が10%以上であることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1つに記載のプロセスカートリッジ。
- 前記ハードセグメントを構成する材料および前記ソフトセグメントを構成する材料の総量に対して、前記ハードセグメントを構成する材料の重量比が80〜90重量%の範囲内であることを特徴とする請求項11〜14のいずれか1つに記載のプロセスカートリッジ。
- 被クリーニング部材と、該被クリーニング部材表面に当接し、前記被クリーニング部材表面をクリーニングするクリーニングブレードを備えたクリーニング装置とを、各々1つ以上含む画像形成装置において、
前記1つ以上のクリーニング装置の少なくともいずれか1つが、前記1つ以上の被クリーニング部材のいずれか1つの被クリーニング部材表面と当接する部分の材料が下式(10)〜(12)を満たし、
前記材料が、ハードセグメントおよびソフトセグメントを含むエラストマー材料であり、
前記ハードセグメントを構成する材料および前記ソフトセグメントを構成する材料の総量に対して、前記ハードセグメントを構成する材料の重量比が46〜98重量%の範囲内であり、
前記ハードセグメントを構成する材料がポリウレタン樹脂であり、前記ソフトセグメントを構成する材料が2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂又は2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であるクリーニングブレードを具備したクリーニング装置であることを特徴とする画像形成装置。
・式(10) 7.4≦M≦17
・式(11) 0.039<α≦0.105
・式(12) 535≧S≧380
〔但し、式(10)〜(12)中、Mは100%モジュラス(MPa)を表し、αは、応力−歪曲線において、歪量が100%〜200%の間における歪量変化(Δ歪量)に対する応力変化(Δ応力)の割合{Δ応力/Δ歪量=(歪量200%における応力−歪量100%における応力)/(200−100)}(MPa/%)を表し、Sは、JIS K6251(ダンベル状3号形試験片使用)に基づいて測定された破断伸び(%)を表す。〕 - 前記破断伸びSが500以下であることを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
- 前記被クリーニング部材表面と当接する部分の材料のガラス転移温度が10℃以下であることを特徴とする請求項16または17に記載の画像形成装置。
- 温度10℃以上の環境下において、前記被クリーニング部材表面と当接する部分の材料のJIS K6255に基づき測定された反発弾性が10%以上であることを特徴とする請求項16〜18のいずれか1つに記載の画像形成装置。
- 前記ハードセグメントを構成する材料および前記ソフトセグメントを構成する材料の総量に対して、前記ハードセグメントを構成する材料の重量比が80〜90重量%の範囲内であることを特徴とする請求項16〜19のいずれか1つに記載の画像形成装置。
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