JP2005284262A - 画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

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浩江 奥山
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Abstract

【課題】長期に渡って安定して画像形成可能な画像形成方法を提供する。
【解決手段】 潜像担持体表面を帯電させ露光して潜像を形成させる帯電及び潜像形成工程、トナーを含む現像剤により前記潜像を現像しトナー像を形成する現像工程、前記トナー像を被転写体に転写する転写工程、前記トナー像を転写した後に残留し逆極性に帯電した残留トナーを磁気ブラシにより一時的に回収しクリーニングするクリーニング工程と、前記磁気ブラシにより回収された前記残留トナーを前記潜像担持体表面に排出し現像手段により回収するトナー回収工程とを少なくとも含み、前記磁気ブラシにより回収された前記残留トナーを、前記磁気ブラシによりその極性を反転させた後に前記潜像担持体表面に排出する画像形成方法であって、前記潜像担持体表面が架橋構造を有する樹脂を含み、且つ、前記現像剤が研磨剤を含むことを特徴とする画像形成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法を利用した画像形成方法および画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真法による画像の形成は、像担持体の表面を帯電、露光して作製した静電潜像を着色トナーにより現像してトナー像を作製し、トナー像を転写紙等に転写し、これを熱ロール等で定着して画像を形成することにより行われている。転写工程を終えた後の像担持体(以下、「感光体」と称す場合がある)表面には未転写のトナーや、帯電プロセスによって生成した放電生成物などが残留する。このため、これらの残留物を次の画像形成プロセスに先立って除去するクリーニングプロセスが必要になる。
このようなクリーニングプロセスとしては、ゴムブレードを感光体に当接させる方式が簡便であるがゆえに最も広く用いられている。しかし、ゴムブレードは長期走行すると、感光体との摺擦によりブレードエッジが摩耗あるいは損傷したり、ブレードエッジ部にトナー成分が固着し感光体との密着性が低下し、クリーニング不良が発生するため、クリーニング能力の維持性が問題となる。特に近年の高画質化の要求に応えるべく小粒径で球形度の高い重合トナーを用いる場合、時間と共にクリーニング能力が極端に悪化する。また、感光体とクリーニングブレードとの摺擦によって感光体摩耗や傷が悪化するといった問題もある。
さらに近年環境保護の目的で、廃トナーレス化の試みが検討されている。しかしクリーニングブレード方式を用いてトナーの再利用を行おうとすると、回収機構、トナー搬送機構がさらに必要となり、マシンの大型化が避けられない。
一方、ブレード方式のクリーニング方法の他に、従来から導電性ファーブラシや磁気ブラシを使って電気的にトナーをクリーニングする方法も知られている。
ファーブラシ方式は、ブラシ繊維の先端部が感光体表面の同一箇所を局所的に摩耗するため、従来の有機感光体を用いた場合、感光体表面に筋状に深い傷が発生するため、長期に渡って性能を維持することが難しい。
この問題を解決するために、表面が高強度の感光体を用いた場合には、長期間画像の形成を行うと、ファーブラシの変形等により研磨能力が低下してしまう。この場合、ファーブラシによる感光体表面の放電生成物等の除去が十分に行われず、高温高湿度下において白抜け現象が発生するため、長期に渡って性能を維持することができない。ブレード方式においても高強度の感光体を用いた場合、長期間画像の形成を行うと、ブレードの損傷によってクリーニング性が充分でなくなり、長期に渡って性能を維持することができない。
これに対して、磁気ブラシ方式はクリーニング部材の欠損等の劣化がなく、長期に渡って均一に感光体表面をクリーニングする方法として優れている。しかしながら有機感光体と組み合わせて磁気ブラシクリーニング方法を用いても感光体の摩耗の進行は避けられない。従って、従来よりもより長期に渡って、感光体の劣化無く性能を維持し続ける(ロングライフ化)ためには未だ不充分である。
また、磨耗を抑制するために表面が高硬度の感光体を用いた場合、磁気ブラシにより均一に感光体表面をクリーニングすることはできるものの研磨力が不足するため、高温高湿度下で長期放置後に白抜け現象が発生してしまう。
一方、架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する感光体と磁気ブラシを用いた帯電器とを組み合わせて用いた高耐久のプロセスカートリッジが提案されている(特許文献1参照)。この方法はクリーナーの下流側に磁気ブラシ帯電方式を用いることで帯電器の放電現象によって生じる放電生成物を低減し、高硬度の感光体でも高温高湿度下で白抜け現象の発生を防止する技術である。この方法では確かに耐久性が高く優れた方法である。しかし、磁気ブラシを帯電器として利用している上に、放電を利用して帯電を行っているものの、放電開始電圧付近で帯電を行うと低温低湿下における帯電の安定性の確保が難しく、安定な帯電を確保するために交流電界Vp−pを上げていくとキャリアの感光体への飛翔などの問題が発生すると考えられる。
特開2001−92169号公報
また、電子写真方式の画像形成装置は、定期的なメンテナンスが必要であるが、メンテナンスコストをより一層削減するために、より長期に渡って安定した性能が維持でき且つメンテナンスレスなシステムが求められている。しかしながら上述したようにクリーニング手段として磁気ブラシを用いて、このようなシステムを実現することは困難である。
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、より長期に渡って安定して画像を形成することができる画像形成方法および画像形成装置を提供することを課題とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、本発明は、
<1>
潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された前記潜像担持体表面に光を照射して潜像を形成させる潜像形成工程と、現像手段から供給されるトナーを含む現像剤により前記潜像を現像しトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を被転写体に転写する転写工程と、前記トナー像を転写した後の潜像担持体表面に残留し、前記現像手段から供給されるトナーの極性と逆極性に帯電した残留トナーを磁気ブラシにより一時的に回収しクリーニングするクリーニング工程と、前記磁気ブラシにより回収された前記残留トナーを前記潜像担持体表面に排出し現像手段により回収するトナー回収工程とを少なくとも含み、
前記磁気ブラシにより回収された前記残留トナーを、前記磁気ブラシによりその極性を反転させた後に前記潜像担持体表面に排出する画像形成方法であって、
前記潜像担持体表面が架橋構造を有する樹脂を含み、且つ、前記現像剤が研磨剤を含むことを特徴とする画像形成方法である。
<2>
前記潜像担持体表面が、電荷輸送能を有する化合物を含むことを特徴とする<1>に記載の画像形成方法である。
<3>
前記架橋構造を有する樹脂が、架橋構造を有するシロキサン系樹脂であることを特徴とする<1>または<2>に記載の画像形成方法である。
<4>
前記架橋構造を有する樹脂が、架橋構造を有するフェノール系樹脂であることを特徴とする<1>または<2>に記載の画像形成方法である。
<5>
<3>に記載の前記架橋構造を有するシロキサン系樹脂、または、<4>に記載の前記架橋構造を有するフェノール系樹脂が、電荷輸送能を有する構造単位を含むことを特徴とする画像形成方法である。
<6>
前記電荷輸送能を有する化合物または前記電荷輸送能を有する構造単位が、下記一般式(I)で示される化合物の誘導体であることを特徴とする<2>または<5>に記載の画像形成方法
・一般式(I) F−[D−Si(R2(3-a)ab
〔一般式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、Dは可とう性サブユニット、R2は水素、アルキル基、または、置換若しくは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数を表わす。〕
<7>
前記電荷輸送能を有する化合物または前記電荷輸送能を有する構造単位が、下記一般式(II)から誘導されることを特徴とする<2>または<5>に記載の画像形成方法である。
・一般式(II) F’−(R1−ZH)m
〔一般式(II)中、F’は正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、R1はアルキレン基、Zは酸素原子、硫黄原子またはNH、mは1〜4の整数を示す。〕
<8>
前記一般式(I)で示される化合物の有機基Fが、下記一般式(III)で表される化合物から誘導される有機基であることを特徴とする<6>に記載の画像形成方法である。
Figure 2005284262
・一般式(III)
〔一般式(III)中、Ar1〜Ar4はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を表し、Ar5は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を表し、kは0または1である。
但し、kが1の場合は、Ar1〜Ar5のうち1〜4個は、前記一般式(I)中の−D−Si(R2(3-a)aで表される結合基と結合可能な結合手を有し、kが0の場合は、Ar1、Ar2、Ar5のうち1〜2個は、前記一般式(I)中の−D−Si(R2(3-a)aで表される結合基と結合可能な結合手を有する。〕
<9>
前記架橋構造を有する樹脂および前記架橋構造を有するシロキサン系樹脂から選択されるいずれか1種の樹脂、又は、その前駆体が、
下記一般式(IV)で示される有機ケイ素化合物、その加水分解物、又は、前記有機ケイ素化合物の加水分解縮合物を少なくとも1種以上含むことを特徴とする<1>または<3>のいずれか1つに記載の画像形成方法である。
・一般式(IV) B―(Si(R2(3-a)a2
〔一般式(IV)中、Bは2価の有機基、R2は水素、アルキル基、置換若しくは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数を表わす。〕
<10>
下式(1)で規定される前記トナーの形状係数SFが100〜140の範囲内であることを特徴とする<1>〜<9>のいずれか1つに記載の画像形成方法である。
・式(1) SF=100×π×ML2/4A
〔但し、式(1)中、SFは前記トナーの形状係数、MLは前記トナー粒子の絶対最大長、Aは前記トナー粒子の投影面積を表す〕
<11>
前記トナーに、平均粒径が50nm〜200nmの無機微粉あるいは有機微粉が添加されていることを特徴とする<1>〜<10>のいずれか1つに記載の画像形成方法である。
<12>
表面に架橋構造を有する樹脂を含む潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体表面に光を照射して潜像を形成させる潜像形成手段と、トナーと研磨剤とを含む現像剤により前記潜像を現像しトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記トナー像を転写した後の前記潜像担持体表面に残留し、前記現像手段から供給されるトナーの極性と逆極性に帯電した逆極化トナーを回収しクリーニングする機能を少なくとも有する磁気ブラシと、を少なくとも備え、<1>〜<11>のいずれか1つに記載の画像形成方法を利用して画像を形成する画像形成装置である。
以上に説明したように本発明によれば、より長期に渡って安定して画像を形成することができる画像形成方法および画像形成装置を提供することができる。
−画像形成方法−
本発明の画像形成方法は、潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された前記潜像担持体表面に光を照射して潜像を形成させる潜像形成工程と、現像手段から供給されるトナーを含む現像剤により前記潜像を現像しトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を被転写体に転写する転写工程と、前記トナー像を転写した後の潜像担持体表面に残留し、前記現像手段から供給されるトナーの極性と逆極性に帯電した残留トナーを磁気ブラシにより回収しクリーニングするクリーニング工程と、前記磁気ブラシにより回収された前記残留トナーを前記潜像担持体表面に排出し現像手段により回収するトナー回収工程とを少なくとも含み、前記磁気ブラシにより回収された前記残留トナーを、前記磁気ブラシによりその極性を反転させた後に前記潜像担持体表面に排出する画像形成方法であって、前記潜像担持体表面が架橋構造を有する樹脂を含み、且つ、前記現像剤が研磨剤を含むことを特徴とする。
従って、本発明の画像形成方法は、潜像担持体表面が架橋構造を有する樹脂を含むために、潜像担持体表面の硬度が増し耐磨耗性が向上するので、潜像担持体の劣化が抑制でき、長期に渡って安定した性能を維持することができる。加えて、現像剤に研磨剤が添加されているので、表面が高硬度である潜像担持体を用いた場合の磁気ブラシのみによる研磨力の不足を補うことができ、白抜け現象の発生を抑制できる。
なお、研磨剤は、従来の潜像担持体であれば、その表面に傷を発生させたり磨耗促進の原因となるものである。しかし、本発明に用いられる潜像担持体はその表面に架橋構造を有する樹脂を含み高強度であるため、研磨剤に対する耐久性が極めて高く、傷の発生や磨耗の進行を抑制することができる。その一方で、潜像担持体表面に付着する種々の付着物は、研磨剤と比べると相対的に強度が小さいので磨耗・除去され易いため、磁気ブラシのみによる潜像担持体表面の研磨力不足を十二分に補うことができる。このため、本発明の画像形成方法では、潜像担持体表面の耐久性とクリーニング性とを長期に渡って高いレベルで両立させることができる。
さらに、本発明の画像形成方法により画像形成を行う場合には、磁気ブラシにより回収された逆極性に帯電した残留トナー(逆極化トナー)が、磁気ブラシにより再び元の極性に反転させられるために、極性が再び反転した逆極化トナーは磁気ブラシに蓄積されることなく潜像担持体表面に排出され、そのまま現像手段(現像器)により回収される。
このため、磁気ブラシのクリーニングを長期に渡って行うことなく連続して現像を行うことができると共に、残留トナーを潜像担持体表面から効率的に除去でき、高いクリーニング性を維持することができる。また、クリーニング効果が高いため、残留トナーのクリーニング不良による帯電器汚染等の2次的問題も抑制することができる。
また、本発明の画像形成方法では、クリーニング工程でクリーニング手段として磁気ブラシを用いるため、クリーニング手段として放電を利用して残留トナーを除去するファーブラシを用いたときのように、放電生成物が発生せず、放電生成物に起因する画像ボケを引き起こすことがない。
さらに、クリーニング手段としてクリーニングブレードを用いた場合に、潜像担持体表面が高硬度であると、長期の使用によりクリーニングブレードがダメージを受けクリーニング性が劣化してしまう。一方、潜像担持体表面の硬度が高くない場合には、長期の使用により潜像担持体表面に傷が発生してしまう。しかし、本発明では、磁気ブラシをクリーニング手段として用いるため潜像担持体表面が高硬度であっても、磁気ブラシがダメージを受けてクリーニング性が劣化することはない。
以上に説明したように、本発明の画像形成方法は、クリーニング不良によるFilmingやトナーの固着が抑制され、また、放電生成物の蓄積がなく、さらに、感光体表面の状態が長期に渡り変化せず、高耐久でいかなる環境にも安定であるため、長期に渡って良好なプリントサンプルを得ることができる。
なお、本発明においては、磁気ブラシにより回収された逆極化トナーの極性を、磁気ブラシによって極性反転させるため、磁気ブラシには逆極化トナーの極性と反対の極性のバイアスが印加される。この際、磁気ブラシに印加されるバイアスの絶対値が不充分な場合には、上述したような効果が十分に発揮できない場合がある。
このような観点からは、磁気ブラシに印加されるバイアスが直流電圧の場合には、絶対値で50V以上であることが好ましく、100V以上であることがより好ましく、200V以上であることが更に好ましい。
なお、逆極化トナーの極性反転の点では、直流電圧の絶対値は大きければ大きいほど好ましいが大きすぎる場合には、磁気ブラシのキャリアが潜像担持体に移行していまう場合があるため、実用上は最大でも500V以下であることが好ましい。
また、トナーの再帯電性を改善するために磁気ブラシに直流電圧と交流電圧とを重畳印加する場合には、極性反転の観点からは交流電圧のピーク電圧値は0.5kV以上であることが好ましく、0.8kV以上であることがより好ましく、1.0kV以上であることが更に好ましい。
但し、交流電圧のピーク電圧値が大きすぎる場合にはリークが発生してしまう恐れがあるため、実用上は最大でも1.5kV以下とすることが好ましい。
なお、本発明の画像形成方法に用いられるトナーの正規の極性(現像時に現像器から潜像担持体に供給される際の極性)は、正極性あるいは負極性のいずれであってもよいが、現在主流である負極性であることが好ましい。
また、トナーの形状係数SFは100〜140の範囲内であることが好ましい(なお、形状係数SFが100の場合は真球である)。形状係数SFが140を超える場合には転写効率が低下する場合がある。なお、形状係数SFとは下式(1)で示される値を意味する。
・式(1) SF=100×π×ML2/4A
但し、式(1)中、SFはトナーの形状係数、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aは前記トナー粒子の投影面積を表す。
また、トナーには有機系あるいは無機系の微粉状の材料からなる外添剤を添加することができ、その平均粒径は50nm〜150nmの範囲内であることが好ましい。
磁気ブラシは、トナーの回収性および放電生成物やトナー成分の掻き取り性を向上させるために、潜像担持体に面するブラシ密度が常に一定になるように層規制部材により層規制され、磁気ブラシ密度を適正な範囲に調整することが好ましい。
このような観点からは、ブラシ密度ρ、および、磁気ブラシ担持体と潜像担持体との距離dが、下式(2)に示される関係を満たすことが特に好ましい。
・式(2) 0.75≦ρ/d≦1.5
但し、式(2)中、ρはブラシ密度(g/m2)、dは磁気ブラシ担持体と潜像担持体との距離d(μm)を表す。
ρ/dが0.75より小さいと掻き取り性が不足する場合があり、ρ/dが1.5より大きいと、特に磁気ブラシの回転方向が潜像担持体と逆の場合、トナー詰まりが発生してキャリアが下方に落下するといった不具合が生じる場合がある。
磁気ブラシの回転方向は潜像担持体の回転方向に対して同方向でも逆方向でも良いが、掻き取り性能をより向上できる点で、磁気ブラシの回転速度と潜像担持体の回転速度との相対速度差が100mm/sec以上であることが好ましい。
さらに、潜像担持体表面に沿って配置された磁気ブラシと帯電工程で利用される帯電器との間に、残留トナーの帯電調整を完璧にするために、導電性ファーブラシ等で構成されたの帯電補助部材を取り付けてもよい。ファーブラシには正規のトナーの極性と同極性のバイアスが印加され、正規のトナー極性が負極性である場合にはバイアスは−600V〜−1200Vの範囲であることが望ましい。帯電補助部材は、回転体でも固定されたものでも良い。
ファーブラシの繊維の材質としては、ナイロン、アクリル又はポリプロピレンが好ましく、この中でも特にナイロンが長期安定性に優れるため好ましい。ブラシ繊維に導電性を持たせるため、カーボンブラックを練り込んだものが良い。導電性ファーブラシの電気抵抗値は102〜105Ωcmが好ましい。
帯電補助部材として回転ブラシを用いることもできる。この場合、回転ブラシの回転方向は潜像担持体の回転方向と同方向でも逆方向でも良い。回転ブラシ表面の繊維密度は、15×103〜120×103本/inch2(23.4〜186本/mm2)が好ましい。回転ブラシの繊維太さは2〜10デニールが好ましい。回転ブラシ表面の繊維長さ(但し、起毛の接着層厚は含まない)は2.5mm〜7mmが好ましく、さらに好ましくは3mm〜6.5mmである。
回転ブラシの潜像担持体への進入量は0.3mmから1.5mmが好ましい。回転ブラシの条件を上記範囲にすることにより、潜像担持体表面へのダメージがを抑えることができ、接触帯電器に突入する前のトナーの帯電の調整が良好となる。また固定化したファーブラシを用いる場合も回転ブラシと同様の素材のものを用いることができる。
磁気ブラシによって捕獲・回収された逆極化トナーは徐々に磁気ブラシのキャリアによって正規の極性に反転(帯電状態が調整)される。さらに、極性が再び反転した逆極化トナー(正規の極性を持つトナー)は、潜像担持体と磁気ブラシと間の電位差によって、磁気ブラシから少しずつ潜像担持体表面に排出され、現像器に回収される。潜像担持体は転写後、潜像形成工程で利用されるLED等で露光され電位がゼロ近傍に調整されると、トナーの回収効率が良くなる。
また磁気ブラシ中に回収・蓄積されたトナーの濃度が高まると、トナーの回収性と帯電調整機能が低下してくるため、非画像形成時に磁気ブラシ中の過剰なトナーを清掃するサイクルを設けても良い。例えば、転写工程が、被転写体として中間転写体と、この中間転写体を内周面から押圧する転写ロール等を利用した中間転写プロセスを含む場合には、以下のようなプロセスにより磁気ブラシ中の過剰なトナーを清掃することができる。
まず、非画像形成時に磁気ブラシ、帯電器および転写ロールに印加するバイアスを画像形成時と逆極性にする。これにより、磁気ブラシから排出されたトナーを潜像担持体を介して中間転写体に排出され、磁気ブラシ中に過剰となったトナーを清掃することができる。なお、この中間転写体上に排出されたトナーは、中間転写体の外周面上に設けられたブレードあるいはファーブラシクリーナによって回収する。
−画像形成装置−
次に、本発明の画像形成方法を利用した画像形成装置の構成について説明する。本発明の画像形成装置は、本発明の画像形成方法を利用した公知の電子写真方式の画像形成装置であれば特に限定されないが、具体的には、以下のような構成を有することが好ましい。
すなわち、本発明の画像形成装置は、潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体表面に光を照射して潜像を形成させる潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により前記潜像を現像しトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記トナー像を転写した後の前記潜像担持体表面に残留し、前記現像手段から供給されるトナーの極性と逆極性に帯電した逆極化トナーを回収しクリーニングする機能を少なくとも有する磁気ブラシと、を少なくとも備えた構成を有することが好ましい。但し、画像形成装置に用いられる潜像担持体表面には少なくとも架橋構造を有する樹脂が含まれ、現像剤には研磨剤が含まれる。
なお、本発明の画像形成装置は、上述した以外の公知の部材を備えていてもよい。また、カラー画像を形成する場合には、本発明の画像形成装置は、1つの潜像担持体の周囲に各色に対応した複数の現像器を配置したシングル方式、1対の潜像担持体と現像器とを含むユニットを、各色に対応した数だけ備えたタンデム方式いずれであってもよい。
次に、本発明の画像形成装置の具体例を図面を用いて説明する。図1は本発明の画像形成装置の構成例を示す模式断面図であり、図1中、100は画像形成装置、110は潜像担持体(感光体)、111が帯電ロール、112が露光装置、113が現像器、114が転写ローラ、115が除電器、116が磁気ブラシ、117が層規制部材を表す。
画像形成装置100は、図中の矢印A方向に回転可能な潜像担持体110の周囲に沿って時計周り方向に、帯電ロール111、露光装置112、現像器113、転写ローラ114、除電器115、磁気ブラシ116が配置されている。また、潜像担持体110と転写ローラ114とは中間転写ベルト120を挟んで互いに押圧しながら当接し1次転写部を形成しており、磁気ブラシ116の周囲には磁気ブラシ密度を所望の範囲内となるように調整する層規制部材117が設けられている。
次に、この画像形成装置100による画像形成プロセスについて説明する。まず、矢印A方向に回転する潜像担持体110の表面が帯電ローラ111により帯電される。続いて、この帯電された潜像担持体110表面には、露光装置112から照射される画像情報に対応した光により露光されることにより潜像が形成される。次に、この潜像を現像器113から供給される現像剤により現像しトナー像を形成する。なお、この現像時のトナーの極性(正規の極性)としては、例えば負極性となるように選択できる(以下、正規の極性が負極性であることを前提として説明する)。
潜像担持体110表面に形成されたトナー像は、1次転写部において中間転写ベルト120に転写され、2次転写部(不図示)にて用紙等の記録媒体上に転写後、不図示の定着手段により記録媒体上に定着される。なお、転写時に中間転写ベルト120へと転写されずに潜像担持体110表面に残留するトナー(残留トナー)中には、転写ロールに印加されたバイアスによって、正規の極性と逆の極性(正極)に帯電した逆極化トナーが発生する。
トナー像の転写を終えた後の潜像担持体110表面は除電器115により除電され、さらに磁気ブラシ116により潜像担持体110表面に存在する逆極化トナーが捕獲・回収され、次の画像形成に備える。
なお、磁気ブラシ116には、逆極化トナーの極性と反対の直流電圧(負電圧)が少なくとも印加されており、これに交流電圧が重畳印加されていてもよいが、逆極化トナーを逆の極性に再帯電させるだけの十分な電圧が印加されていることが必要である。これにより、磁気ブラシ116により捕獲・回収された逆極化トナーは、磁気ブラシ116によって、その極性が反転させられて正規の極性に再帯電することができる。その後、正規の極性に再帯電した逆極化トナーは再び潜像担持体110表面に排出され、逆極化しなかった残留トナーと共に、潜像担持体110表面と現像器113の現像ロールとの電位差を利用して、現像器113に回収される。
このように、画像形成装置100においては、画像を形成しながら、磁気ブラシ116により捕獲・回収された残留トナー(逆極化トナー)が、逆の極性に再帯電して潜像担持体110表面に排出されるため、磁気ブラシ116にトナーが蓄積しにくい。このため、長期に渡って、画像形成(現像プロセス)の中断を伴う磁気ブラシ116そのもののクリーニングを実行する必要がない。また、転写後に発生した逆極化トナーは、磁気ブラシにより回収され、逆の極性に再帯電した後に潜像担持体110表面に排出されるため、帯電ロール111の汚染を引き起こす等の逆極化トナーに起因する問題を抑制することができる。
次に、図1に示した構成とは異なる画像形成装置の具体例を図面を用いて説明する。図2は本発明の画像形成装置の他の構成例を示す模式断面図であり、図2中、図1と同様の機能・構成を有する部材には同じ番号の符号が付してあり、101は画像形成装置、118は帯電補助回転ブラシを意味する。
本発明の画像形成装置は、図2に示す画像形成装置101のように、図1に示す画像形成装置100の構成に対して潜像担持体110の周囲に配置された帯電ロール111と磁気ブラシ116との間に、残留トナーの帯電調整をより完全なものとするために帯電補助回転ブラシ118を設けた構成としてもよい。
以下に本発明の画像形成装置を構成する各部についてより詳細に説明する。
−帯電手段−
本発明の画像形成装置に用いられる帯電手段としては公知の帯電方式を利用した帯電器が適応可能である。例えばコロトロン帯電方式や接触帯電方式などを利用した帯電器が挙げられる。また接触帯電方式ではローラー状の帯電部材、ブレード状の帯電部材、ベルト状の帯電部材、ブラシ状の帯電部材、磁気ブラシ状の帯電部材などが適応可能である。特にローラー状の帯電部材、ブレード状の帯電部材については潜像担持体に対し、接触状態またはある程度の空隙(100μm以下)を有した非接触状態として配置しても構わない。
ローラー状の帯電部材、ブレード状の帯電部材、ベルト状の帯電部材は帯電部材として有効な電気抵抗(103Ω〜108Ω)に調整された材料から構成される物であり、単層又は複数の層から構成されていても構わない。
帯電部材を構成する材質としてはウレタンゴム、シリコンゴム、フッソゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)、エピクロルヒドリンゴム等の合成ゴムやポリオレフィン、ポリスチレン、塩化ビニル等からなるエラストマーを主材料とし、導電性カーボン、金属酸化物、イオン導電剤等の任意の導電性付与剤を適量配合したものを用いることができる。これらの材料は、帯電部材として有効な電気抵抗を発現させることが容易である。
さらにナイロン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタン、シリコーン等の樹脂を塗料化し、そこに導電性カーボン、金属酸化物、イオン導電剤等の任意の導電性付与剤を適量配合し、得られた塗料をデイッピング、スプレー、ロールコート等の任意の手法により、積層して用いる事ができる。
−現像手段−
本発明の画像形成装置に用いられる現像手段としては、トナー回収するために接触現像方式を利用したものであることが好ましい。キャリアとトナーとからなる現像ブラシを潜像担持体に接触させて現像させる二成分現像方式、あるいは、導電ゴム弾性体搬送ロール上にトナーを付着させ潜像担持体にトナーを現像する接触式一成分現像方式が適している。二成分現像方式の場合、現像ロールの回転方向は潜像担持体の回転方向と同方向でも逆方向でも良く、潜像担持体と逆方向に周速差をつけると、潜像担持体上の残留トナーの回収性を上げることができる。なお、現像ロールに印加する電界は直流でも直流に交流を重畳させても良い。
−転写手段−
また本発明の画像形成装置に用いられる転写手段としては公知の転写方式を利用したものが利用可能である。例えば、転写コロトロンや転写ロール等を用いた直接転写方式、中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写体を用いた中間転写方式、記録材を静電的に吸着して搬送し潜像担持体上の画像を転写する転写ベルト方式を利用した転写手段などが挙げられる。
また転写効率を向上させるために、潜像担持体と転写部材と間に周速差をつけてもよい。潜像担持体と転写部材と間の周速比は0.1%〜5%が良く、さらに好ましくは1%〜3%が良い。
−磁気ブラシ−
次に、本発明で用いる磁気ブラシについて、上述した以外のその他の構成についてより詳細に説明する。
磁気ブラシに用いるキャリアは現像剤に用いるキャリアと同じものを用いても、違うものを用いても良い。キャリアに用いられる芯材(キャリア芯材)としては特に制限はなく、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、またはフェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズなどが挙げられる。なお、これらの芯材の中でも磁性材料からなる芯材を用いることが好ましい。
キャリア芯材の平均粒径としては、一般的に10μm〜150μmのものが用いられ、好ましくは20μm〜100μmのものが用いられる。さらに、低ストレス性を目的として、重合製法による球形のコアを用いる事ができる。重合コアの真比重は3.0〜5.0g/cm3のものが好ましく、飽和磁化は40emu/g以上が好ましい。
キャリア被覆樹脂として用いる(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体は、アルキル基が異なる2種類以上の単量体を用いる事で効果が得られる。
これら単量体の一例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ターシャルブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャルペンチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、イソヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合させるカルボン酸基を有する単量体の一例としては、(メタ)アクリル酸、カルボキシルスチレンの様なスチレンにカルボキシル基を持つもの、p−カルボキシルスチレンの様なカルボキシル基を2つ以上含むもの等が挙げられる。アイオノマー樹脂の様な、アクリル共重合体に金属カチオンを作用させてカルボキシル基を有した重合体でも同様の効果が見られる。
カルボン酸量は、そのカルボン酸単量体の種類、カルボン酸基の量、単量体の分子量によっても変わるが、全樹脂単量体に対し0.1〜15.0重量%が適当であり、より好ましくは0.5〜10.0重量%が密着性、環境安定性に対して機能を発現できる。導入量が少ないと、耐久性の効果が小さく、多すぎると粘度が高く、均一な被覆樹脂を得る事が難しく、又環境差が悪化してしまう場合がある。
キャリア被覆樹脂にはフッ素系の樹脂も利用できる。このようなフッ素系樹脂を構成する単量体の例としては、パーフルオロアクリル系の単量体が好ましい。一例としてはテトラフルオロプロピルメタクリレート、ペンタフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、等フッ素含有アクリル酸系の単量体、その他にトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等のフッ素含有単量体を用いる事もできる。
キャリア被覆樹脂に含まれるフッ素樹脂量は目的に応じて選択できる。フッ素樹脂量が多いと耐汚染性が向上するが、帯電が下がるあるいは、芯材との密着性が悪くなる場合がある。フッ素樹脂の種類にもよるがキャリア被覆樹脂に含まれるフッ素樹脂量は、密着性、帯電レベルの点で、0.1〜60.0重量部が好ましく0.5〜50.0重量部がより好ましい。
キャリア被覆樹脂の共重合比率は、画像の形成に使用するトナーの種類、画像形成装置の構成に応じて、適宜選択可能である。特に、2種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルは重合比を変える事により、所望の特性が得られる事が容易である。これらキャリア被覆樹脂の原料である単量体の共重合方法としては、ランダム共重合、グラフト共重合等の重合方法を用いる事ができる。グラフト共重合は、機能を発現させ易い点や、キャリア芯材との密着性を上げる事が可能な点、樹脂のガラス転移温度(Tg)を上げる事ができる点等で優れた重合方法である。
上記樹脂被覆層をキャリア芯材の表面に形成する代表的な方法としては、樹脂被覆層形成用原料溶液(溶剤中にマトリックス樹脂、樹脂微粒子、導電性微粉末等を適宜含む)を利用することができる。
具体的には、例えばキャリア芯材の粉末を樹脂被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、樹脂被覆層形成用溶液をキャリア芯材の表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で樹脂被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア芯材と樹脂被覆層形成用溶液を混合し、続いて溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられるが、特に溶液を用いたものに限定されるものではなく、塗布するキャリア芯材によっては、樹脂粉末と共に加熱混合するパウダーコート法等適当な方法を用いることが出来る。
被覆用樹脂の塗布量は、キャリア重量に対して総量で0.05〜5.0重量%の範囲が、画質、二次障害、帯電性を両立させるのに適当である。また、帯電付与部材に塗布する場合には、帯電量、維持性等対してに適当な膜厚が得られるよう適宜塗布量及び塗布方法の調節を行なうことが好ましい。
樹脂被覆層形成用原料溶液に使用される溶剤としては、このマトリックス樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではなく、例えばキシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化合物、が使用できる。
−潜像担持体−
本発明の画像形成装置に用いられる潜像担持体としては単層構成であってもよく、電荷発生層と電荷輸送層とからなるような積層構成など、公知の如何なる構成であってもよいが、潜像担持体の表面には架橋構造を有する樹脂が必ず含まれる。
図3は、本発明の画像形成装置に用いられる潜像担持体の構成例を示す模式断面図であり、図3中、1が潜像担持体(感光体)、11が導電性基体、12が下引き層、13が電荷発生層、14が電荷輸送層、15が保護層、16が感光層を表す。
感光体1は、導電性基体11表面に、下引き層12、電荷発生層13、電荷輸送層14、保護層15をこの順に積層したものであり、下引き層12、電荷発生層13、電荷輸送層14および保護層15は感光層16を構成している。なお、潜像担持体が図3に示すような積層構成からなる場合には、保護層15に架橋構造を有する樹脂が含まれる。
導電性基体11としては、例えば、アルミニウムを円筒状(ドラム状)に成形したものが利用できるが、これ以外にも、ステンレス、ニッケルなどの金属材料;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、フェノール樹脂などの高分子材料又は硬質紙などの絶縁材料に導電物質を分散させて導電処理したもの;上記の絶縁材料に金属泊を積層したもの;上記の絶縁材料に金属の蒸着膜を形成したもの、などを用いることができる。また、導電性基体11の形状は、シート状、プレート状等であってもよい。
下引き層12の材料としては、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムカップリング剤などの有機ジルコニウム化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタネートカップリング剤などの有機チタン化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムカップリング剤などの有機アルミニウム化合物の他、アンチモンアルコキシド化合物、ゲルマニウムアルコキシド化合物、インジウムアルコキシド化合物、インジウムキレート化合物、マンガンアルコキシド化合物、マンガンキレート化合物、スズアルコキシド化合物、スズキレート化合物、アルミニウムシリコンアルコキシド化合物、アルミニウムチタンアルコキシド化合物、アルミニウムジルコニウムアルコキシド化合物等の有機金属化合物等が挙げられ、これらの中でも有機ジルコニウム化合物、有機チタニル化合物、有機アルミニウム化合物は残留電位が低く良好な電子写真特性を示すので好ましく使用される。
また、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス2−メトキシエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−2−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプロプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を含有させて使用することができる。
さらに、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレノキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリイミド、カゼイン、ゼラチン、ポリエチレン、ポリエステル、フェノール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリウレタン、ポリグルタミン酸、ポリアクリル酸等の結着樹脂を用いることもできる。これらの混合割合は、必要に応じて適宜設定することができる。
電荷発生層13に用いられる電荷発生材料としては、公知の電荷発生物質なら何でも使用できる。
赤外光用ではフタロシアニン顔料、スクアリリウム、ビスアゾ、トリスアゾ、ペリレン、ジチオケトピロロピロール、可視光用としては縮合多環顔料、ビスアゾ、ペリレン、トリゴナルセレン、色素増感した金属酸化物微粒子等を用いる。 これらの中で、特に優れた性能が得られ、好ましく使用される電荷発生物質として、フタロシアニン系顔料が用いられる。これを用いることにより、特に高感度で、繰り返し安定性の優れる潜像担持体が得られることができる。
また、フタロシアニン顔料は一般に数種の結晶型を有しており、目的にあった感度が得られる結晶型であるならば、これらのいずれの結晶型でも用いることができる。特に好ましく用いられる電荷発生物質としては、クロロガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、無金属フタロシアニン、オキシチタニルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン等が挙げられる。
フタロシアニン顔料結晶は公知の方法で製造されるフタロシアニン顔料を、自動乳鉢、遊星ミル、振動ミル、CFミル、ローラーミル、サンドミル、ニーダー等で機械的に乾式粉砕するか、乾式粉砕後、溶剤と共にボールミル、乳鉢、サンドミル、ニーダー等を用いて湿式粉砕処理を行うことによって製造することができる。
上記の処理において使用される溶剤は、芳香族類(トルエン、クロロベンゼン等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、脂肪族アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、脂肪族多価アルコール類(エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等)、芳香族アルコール類(ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等)、エステル類(酢酸エステル、酢酸ブチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、ジメチルスルホキシド、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、さらには数種の混合系、水とこれら有機溶剤の混合系があげられる。
使用される溶剤は、顔料結晶に対して、1〜200部、好ましくは10〜100部の範囲で用いる。処理温度は、−2℃〜溶剤の沸点以下、好ましくは−10〜60℃の範囲で行う。また、粉砕の際に食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を用いることもできる。磨砕助剤は顔料に対し0.5〜20倍、好ましくは1〜10倍用いればよい。
また、公知の方法で製造されるフタロシアニン顔料結晶を、アシッドペースティングあるいはアシッドペースティングと前述したような乾式粉砕あるいは湿式粉砕を組み合わせることにより、結晶制御することもできる。アシッドペースティングに用いる酸としては、硫酸が好ましく、濃度70〜100%、好ましくは95〜100%のものが使用され、溶解温度は、−20〜100℃好ましくは−10〜60℃の範囲に設定される。濃硫酸の量は、フタロシアニン顔料結晶の重量に対して、1〜100倍、好ましくは3〜50倍の範囲に設定される。
析出させる溶剤としては、水あるいは、水と有機溶剤の混合溶剤が任意の量で用いられる。析出させる温度については特に制限はないが、発熱を防ぐために、氷等で冷却することが好ましい。
電荷発生層13に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択することができる。また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシランなどの有機光導電性ポリマーから選択することもできる。
好ましい結着樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂をあげることができるが、これらに限定されるものではない。
これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。これらの中で特にポリビニルアセタール樹脂が好ましく用いられる
また、電荷発生物質と結着樹脂との配合比(重量比)は、10:1〜1:10の範囲が好ましい。
電荷発生層13を形成する場合に用いる塗布液を調整するための溶媒としては公知の有機溶剤、例えばアルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系等から任意で選択することができる。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を用いることができる。
また、これらの分散に用いる溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤としてバインダー樹脂を溶かす事ができる溶剤であれば、いかなるものでも使用することが可能である。
分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどの方法を用いることができる。さらにこの電荷発生層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
さらにこの分散の際、電荷発生材料からなる粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下の粒子サイズにすることは高感度・高安定性に対して有効である。
さらに、電荷発生材料は電気特性の安定性向上、画質欠陥防止などのために表面処理を施すことができる。表面処理剤としてはカップリング剤などを用いることができるがこれに限定されるものではない。
表面処理に用いるカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられる。
これらのなかでも特に好ましく用いられるシランカップリング剤としてはビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が上げられる。
また、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシドなどの有機ジルコニウム化合物も用いることができる。
また、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレートなどの有機チタン化合物、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などの有機アルミニウム化合物も用いることができる。
さらに、この電荷発生層13の形成に用いる塗布液には電気特性向上、画質向上などのために種々の添加剤を添加することもできる。
添加物としては、クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾールなどのオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物などの電子輸送性物質、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料を用いることができる。
シランカップリング剤の例としてはビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどである。
ジルコニウムキレート化合物の例として、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシドなどが挙げられる。
チタニウムキレート化合物の例としてはテトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレートなどが挙げられる。
アルミニウムキレート化合物の例としてはアルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。
これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いることができる。
さらにこの電荷発生層13を形成するときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
電荷輸送層14に含有される電荷輸送物質としては、公知のものならいかなるものでも使用可能であるが、下記に示すものを例示することができる。
例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどのオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリンなどのピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ(P−メチル)フェニルアミン、N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、ジベンジルアニリン、9,9−ジメチル−N,N’−ジ(p−トリル)フルオレノン−2−アミンなどの芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどの芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジンなどの1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、[p−(ジエチルアミノ)フェニル](1−ナフチル)フェニルヒドラゾンなどのヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリンなどのキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)−ベンゾフランなどのベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N’−ジフェニルアニリンなどのα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体などの正孔輸送物質、クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾールなどのオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物などの電子輸送物質、あるいは上記化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体などがあげられる。これらの電荷輸送材料は、1種又は2種以上を組み合せて使用できる。
電荷輸送層14に用いられる結着樹脂は公知のものであればいかなるものでも使用することが出来るが、電機絶縁性のフィルム形成可能な樹脂が好ましい。
例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレンーブタジエン共重合体、塩化ビニリデンーアクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノールーホルムアルデヒド樹脂、スチレンーアルキッド樹脂、ポリーN―カルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹脂、ポリアミド、カルボキシーメチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーワックス、ポリウレタン等があげられるが、これらに限定されるものではない。
これらの結着樹脂は、単独又は2種類以上混合して用いられるが、特にポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂が電荷輸送材との相溶性、溶剤への溶解性、強度の点で優れ好ましく用いられる。結着樹脂と電荷輸送物質との配合比(重量比)はいずれの場合も任意に設定することができるが、電気特性低下、膜強度低下に注意しなくてはならない。
電荷輸送層14の厚みは5〜50μm、好ましくは10〜40μmが適当である。さらにこの電荷輸送層14を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
塗布に用いる溶剤としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
さらに、潜像担持体には、画像形成に際し、画像形成装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光・熱による潜像担持体の劣化を防止する目的で、感光層16中に酸化防止剤・光安定剤などの添加剤を添加する事ができる。
たとえば、酸化防止剤としてはヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。
酸化防止剤の具体的な化合物例として、フェノール系酸化防止剤では2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチル−フェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート]−メタン、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチル エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。
ヒンダードアミン系化合物ではビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイミル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,3,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物などが挙げられる。
有機イオウ系酸化防止剤としてジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。有機燐系酸化防止剤としてトリスノニルフェニルフォスフィート、トリフェニルフォスフィート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスフィートなどが挙げられる。
有機硫黄系および有機燐系酸化防止剤は2次酸化防止剤と言われフェノール系あるいはアミン系などの1次酸化防止剤と併用することにより相乗効果を得ることができる。
光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ジチオカルバメート系、テトラメチルピペリジン系などの誘導体が挙げられる。
ベンゾフェノン系光安定剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系系光安定剤として2−(−2’−ヒドロキシ−5’メチルフェニル−)−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラ−ヒドロフタルイミド−メチル)−5’−メチルフェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(−2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル−)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル−)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル−)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル−)−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
その他の化合物として2,4,ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ニッケルジブチル−ジチオカルバメートなどがある。
また感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として少なくとも1種の電子受容性物質を感光層16に含有させることができる。
潜像担持体に使用可能な電子受容性物質としては、例えば無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸などをあげる事ができる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系や、Cl,CN,NO2等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特によい。
また、電荷輸送層14にはシリカやフッ素系樹脂のような微粒子を含有させることもできる。フッ素系樹脂の電荷輸送層中含量は、電荷輸送層全量に対し、0.1〜40重量%が適当であり、特に1〜30重量%が好ましい。含量が1重量%未満ではフッ素系樹脂粒子の分散による改質効果が十分でなく、一方、40重量%を越えると光通過性が低下し、かつ、繰返し使用による残留電位の上昇が生じてくる場合がある。
このフッ素系樹脂粒子としては、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂およびそれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが望ましいが、特に、4フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
また塗布液には塗膜の平滑性向上のためのレベリング剤としてシリコーンオイルを微量添加することもできる。
なお、感光層が図3に示すように複数の層を積層したものではなく単層の感光層の場合は、前記の電荷発生物質と結着樹脂を含有して形成することができる。 結着樹脂としては、前記電荷発生層および電荷輸送層に用いられる結着樹脂と同様のものを用いることができる。単層型感光層中の電荷発生物質の含有量は、10から85重量%程度、好ましくは20から50重量%とする。単層型感光層には、光電特性を改善する等の目的で電荷輸送物質や高分子電荷輸送物質を添加してもよい。その添加量は5〜50重量%とすることが好ましい。
塗布に用いる溶剤や塗布方法は、上記と同様のものを用いることができる。膜厚は5〜50μm程度が好ましく、10〜40μmとするのがさらに好ましい。
−潜像担持体表面−
次に、本発明に用いられる潜像担持体の表面部分の構成(図3に示すような積層構成の場合は保護層15に相当する部分)、特に、表面に含まれる架橋構造を有する樹脂材料についてより詳細に説明する。
本発明においては、潜像担持体の表面(最表面層)に架橋構造を有する樹脂が含まれるために、表面の硬度が高く耐磨耗性に優れる。このため、より長期に渡って画像形成を行っても表面に傷が発生したり表面の磨耗が抑制されるため、より均一なクリーニングが可能となる。
この最表面層を構成する材料としては、耐磨耗性を向上させ十分な硬度を確保するために、架橋構造を有する樹脂が少なくとも用いられる。このような材料を用いない場合には、表面の硬度が低く十分な耐磨耗性が得られないため、傷が発生したり磨耗が進行し易く、より長期に渡って画像形成を行うことができなくなる。
なお、最表面層には、架橋構造を有する樹脂以外にも必要に応じて、架橋構造を有さないバインダー樹脂や、導電性微粒子、電荷輸送材料(電荷輸送能を有する化合物)、また、フッ素樹脂やアクリル樹脂などからなる潤滑性微粒子が含まれていてもよく、最表面層の形成に際しては、必要に応じてシリコンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができる。また、最表面層の形成方法の詳細については後述するが、最表面層の形成には架橋構造を有する樹脂を構成する前駆体を少なくとも含む最表面層形成用溶液が用いられる。
なお、架橋構造を有する樹脂としては、最表面層の硬度を確保する点から種々の材料を用いることができるが、特性上、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、シロキサン系樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができ、これらの中でも特にシロキサン系樹脂、フェノール系樹脂が耐久性の点で最も好ましい。
さらに電気特性や画質維持性などの観点からは、架橋構造を有する樹脂は、電荷輸送性を有している(電荷輸送能を有する構造単位を含む)ことが好ましい。この場合、図3に示すような積層構成型の潜像担持体では、保護層15が、電荷輸送層14の一部として機能することもできる。
このような電荷輸送能を有する構造単位を含み、且つ、架橋構造を有する樹脂としては、架橋構造を有するフェノール系樹脂の作製に際して、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送材料と用いたものであることがより好ましい。
この場合、その赤外吸収スペクトルが下式(3)を満たすことが好ましい。表面層に、このような樹脂を用いれば、電気特性に優れるために高画質化が図れるためである。
・式(3) (P2/P1)≦0.2
式(3)中、P1は1560cm-1〜1640cm-1に存在する最大吸収ピークの吸光度を、P2は1645cm-1〜1700cm-1に存在する最大吸収ピークの吸光度を示す。
なお、上述したような式(3)を満たす樹脂を用いた場合に、電気特性に優れるために高画質化が図れる理由は必ずしも明確ではないが、本発明者らは以下のように推察する。
すなわち、電荷輸送材料も併用して、架橋構造を有するフェノール系樹脂を作製する際に、出発原料であるフェノール誘導体、及び/または、フェノール誘導体とアルデヒド類とが反応して出来た中間体に含まれるメチロール基のうちの一部は、ホルミル基等の酸化物になると考えられる。このようなホルミル基等の酸化物は、潜像担持体中の電荷輸送を妨げるキャリアトラップとして作用し、潜像担持体の電気特性を低下させると考えられる。
一方、赤外吸収スペクトルにおいて、1560cm-1〜1640cm-1に存在する最大吸収ピーク(P1)は、フェノール誘導体の芳香族環のC−C伸縮振動に相当する。また、1645cm-1〜1700cm-1に存在する最大吸収ピーク(P2)は、ホルミル基等の酸化物に由来すると考えられる。
従って、式(3)に示す吸光度比(P2/P1)が小さい樹脂を含む最表面層を設けた潜像担持体は、潜像担持体最表面層中のホルミル基等の酸化物が少なく、キャリア輸送性に優れると考えられる。従って、式(3)を満たす樹脂を含む表面層を設けた本発明の潜像担持体は、電気特性に優れるために高画質化が図れる。加えて、この樹脂は、架橋構造を有するものであるため、潜像担持体表面の機械強度にも優れる。
なお、式(3)に示す吸光度比(P2/P1)は、0.18以下が好ましく、0.17以下がより好ましい。また、吸光度比(P2/P1)が0.2を超えると、キャリア輸送性が低下し、潜像担持体の電気特性が不十分となり、画質が低下する場合がある。
なお、フェノール誘導体としては、レゾルシン、ビスフェノール等、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフェノール等の水酸基を1個含む置換フェノール類、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等の水酸基を2個含む置換フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールZ等のビスフェノール類、ビフェノール類等、フェノール構造を有する化合物が利用でき、一般にフェノール樹脂の合成用原料として市販されているものが利用できる。
また、フェノール誘導体は、メチロール基を含むものも利用でき、例えば、モノメチロールフェノール類、ジメチロールフェノール類若しくはトリメチロールフェノール類のモノマー、それらの混合物、それらがオリゴマー化されたもの、又はそれらモノマーとオリゴマーとの混合物が挙げられる。
なお、本明細書においては、分子の構造単位の繰り返しが2〜20程度の比較的大きな分子をオリゴマーといい、それ以下のものをモノマーという。
また、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒドやパラホルムアルデヒド等が利用できる。フェノール系樹脂の合成にさいしては、これら原料を、酸触媒又はアルカリ触媒下で反応させることで得ることができるが、一般にフェノール樹脂として市販されているものも使用できる。
上記酸触媒としては、硫酸、パラトルエンスルホン酸、リン酸等が用いられる。また、アルカリ触媒としては、NaOH、KOH、Ca(OH)2、Ba(OH)2等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物やアミン系触媒が用いられる。
アミン系触媒としては、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塩基性触媒を使用した場合には、残留する触媒によりキャリアが著しくトラップされ、電子写真特性を悪化させる場合がある。このため、塩基性触媒を利用した場合は、触媒を利用した反応終了後に、酸で中和するか、シリカゲル等の吸着剤や、イオン交換樹脂等と接触させることにより不活性化又は除去することが好ましい。
本発明に用いられる架橋構造を有するフェノール系樹脂としては、上述したような公知のフェノール系樹脂を更に架橋反応させたものであってもよく、ノボラック型のようにフェノール系樹脂自体が架橋構造を有しているものであってもよい。なお、前者の場合は、レゾール型フェノール樹脂を用いることがより好ましい。
電荷輸送能を有する構造単位を含み、且つ、架橋構造を有する樹脂を構成する電荷輸送能を有する構造単位は、下記一般式(I)や(II)で示される化合物から誘導される誘導体であることが強度や安定性に優れ特に好ましい。また、同様の観点から、電荷輸送能を有する化合物が、下記一般式(I)や(II)で示される化合物から誘導される誘導体であってもよい。
・一般式(I) F−[D−Si(R2(3-a)ab
但し、一般式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、Dは可とう性サブユニット、R2は水素、アルキル基、または、置換若しくは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数を表わす。
・一般式(II) F’−(R1−ZH)m
但し、一般式(II)中、F’は正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、R1はアルキレン基、Zは酸素原子、硫黄原子またはNH、mは1〜4の整数を示す。
なお、一般式(I)中のDで示される可とう性サブユニットとしては、−(CH2)n−基を必ず含み、これに−COO−、−O−、−CH=CH−、−CH=N−基を組み合わせた2価の直鎖基であってもよい。なお、−(CH2)n−基のnは1〜5の整数を表す。また、Qで表される加水分解性基としては、−OR基(但し、Rはアルキル基を表す)を表す。
また、一般式(I)や(II)で示される化合物の有機基F、有機基F’は、特に下記一般式(III)で示される化合物から誘導される有機基であることが特に好ましい。
Figure 2005284262
但し、一般式(III)中、Ar1〜Ar4はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を表し、Ar5は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を表し、kは0または1である。
ここで、kが1の場合は、Ar1〜Ar5のうち1〜4個は、一般式(I)中の−D−Si(R2(3-a)aで表される結合基と結合可能な結合手を有し、kが0の場合は、Ar1、Ar2、Ar5のうち1〜2個は、一般式(I)中の−D−Si(R2(3-a)aで表される結合基と結合可能な結合手を有する。
Ar1〜Ar4はそれぞれ独立に置換または未置換のアリール基を示すが、具体的には、下記構造群1に示されるものが好ましい。
Figure 2005284262
なお、構造群1中に示されるArは下記構造群2から選択されるものが好ましく、Z’は下記構造群3から選択されるものが好ましい
Figure 2005284262
Figure 2005284262
また、構造群1〜3中に示されるR6は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、または、炭素数7〜10のアラルキル基から選択され、R7〜R13は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基、または、ハロゲンから選択される。
また、mおよびsは0または1を表わし、qおよびrは1から10の整数、tは1から3の整数を示す。ここで、Xは一般式(I)中に示した−D−Si(R2(3-a)aで表わされる基を示す。
また構造群3中に示されるWは下記構造群4で示されるものが好ましい。なお、構造群4中、s’は0〜3の整数を示す。
Figure 2005284262
また、一般式(III)におけるAr5の具体的構造としては、k=0の時は、上記構造群1に示したAr1〜Ar4のm=1の構造が、k=1の時は、上記構造群1に示したAr1〜Ar4のm=0の構造が挙げられる。
なお、一般式(III)で示される化合物の具体例としては、以下の表1〜7に示す化合物(III−1)〜(III−61)を挙げることができるが、本発明に用いられる一般式(III)で示される化合物は、これらのみに限定されるものではない。
また、表1〜7中の「Ar1」〜「Ar5」の欄に示される構造式中、ベンゼン環に結合する“−S”基は、表1〜7中の「S」の欄に示される一価の基(一般式(I)中の−D−Si(R2(3-a)aで表される構造に相当する基)を意味する。
Figure 2005284262
Figure 2005284262
Figure 2005284262
Figure 2005284262
Figure 2005284262
Figure 2005284262
Figure 2005284262
一般式(II)に示す化合物の具体例としては、下記構造式(II)−1〜(II)−16(但し、構造式(II)−2および構造式(II)−7を除く)に示す化合物を例示することができるが、一般式(II)に示す化合物としてはこれらのみに限定されるものではない。
なお、−OH基が直接ベンゼン環と結合する構造式(II)−2および構造式(II)−7(一般式(II)中のR1に相当するアルキレン基を有さない化合物)も、一般式(II)に示す化合物の代わりに用いることができる。
Figure 2005284262
Figure 2005284262
また、最表面層の強度を高めるために、架橋構造を有する樹脂を含む最表面層の形成に際し、一般式(IV)に示すような2つのケイ素原子を有する化合物を用いることも好ましい。
・一般式(IV) B―(Si(R2(3-a)a2
但し、一般式(IV)中、Bは2価の有機基、R2は水素、アルキル基、置換若しくは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数を表わす。
具体的には、以下の表8に示す化合物が好適な例として挙げられるが、一般式(IV)に示される化合物はこれらのみに限定されるものではない。
Figure 2005284262
また、最表面層の強度や電気抵抗などの種々の物性をコントロールするために、架橋構造を有する樹脂を含む最表面層の形成に際し、下記一般式(V)で示される化合物を利用することもできる。
・一般式(V) Si(R2(4-c)c
但し、一般式(V)中、R2は水素、アルキル基、置換若しくは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、cは1〜4の整数を表わす。
一般式(V)で示される化合物の具体例としては以下のようなシランカップリング剤があげられる。
一般式(V)において、c=4である化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の四官能性アルコキシシランを挙げることができる。
一般式(V)において、c=3である化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトシキシラン等の三官能性アルコキシシランを挙げることができる。
一般式(V)において、c=2である化合物の具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン等の二官能性アルコキシシランを挙げることができる。
一般式(V)において、c=1である化合物の具体例としては、トリメチルメトキシシラン等の1官能アルコキシシラン(c=1)等を挙げることができる。
これらのシランカップリング剤の中でも、最表面層の強度を向上させるためには3または4官能性のアルコキシシランが好ましく、可とう性、成膜性を向上させるためには2または1官能のアルコキシシランが好ましい。
また、主にこれらのカップリング剤より作製されるシリコン系ハードコート剤も用いることができる。市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−40−2239(以上、信越シリコーン社製)、およびAY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)などを用いることができる。
また、最表面層形成用溶液のポットライフの長寿命化や、最表面層の硬度等の特性のコントロールのため、下記一般式(VI)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物、もしくはその化合物の誘導体を利用することもできる。
Figure 2005284262
但し、一般式(VI)中、A1、A2はそれぞれ独立に一価の有機基を示す。このような一般式(VI)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物としては、市販の環状シロキサンをあげることができる。
具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素含有シクロシロキサン類、メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサンなどのヒドロシリル基含有シクロシロキサン類、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサンなどのビニル基含有シクロシロキサン類等の環状のシロキサン等をあげることができる。
これらの環状シロキサン化合物は単独で用いても良いが、それらを混合して用いても良い。
また、最表面層の放電ガス耐性、機械強度、耐傷性、トルク低減、磨耗量コントロールや、最表面層形成用溶液に粒子状の材料を添加する場合の粒子分散性や、最表面層形成用溶液の粘度のコントロール、ポットライフの長寿命化などの目的で、アルコール系やケトン系の溶剤、あるいはこれら以外の溶剤に溶解する種々の樹脂を利用するができる。
これらの樹脂は、最表面層の形成に際して、上述した一般式(I)〜(VI)に示すような材料と反応して架橋構造を有する樹脂を構成するものであってもよい。特に、最表面層形成用溶液に含まれる樹脂が架橋構造を有するシロキサン系樹脂を形成する場合には、アルコールに溶解する樹脂を利用することが好ましい。
アルコール系、ケトン系の溶剤に可溶な樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールやアセトアセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルアセタール樹脂などのポリビニルアセタール樹脂(たとえば積水化学社製エスレックB、Kなど)、ポリアミド樹脂、セルロ−ス樹脂、フェノール樹脂などがあげられる。特に、電気特性上ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。
上記樹脂の重量平均分子量は2000〜100000の範囲内が好ましく、5000〜50000の範囲内がさらに好ましい。重量平均分子量が2000より小さいと所望の効果が得られなくなる場合がある。また、重量平均分子量が100000より大きいと溶解度が低くなるため、最表面層形成用溶液中の樹脂の添加量が限られてしまったり、最表面層形成用溶液を塗布して塗膜を形成する場合に成膜不良を引き起こしたりする場合がある。
最表面層形成用溶液中の樹脂の添加量は1〜40重量%が好ましく、さらに好ましくは1〜30重量%であり、5〜20重量%が最も好ましい。1重量%よりも少ない場合は所望の効果が得られにくくなる場合があり、40重量%よりも多くなると高温高湿下での画像ボケが発生しやすくなる場合がある。
更に、潜像担持体表面の耐汚染物付着性や、潤滑性を改善するために、最表面層形成用溶液中には各種の微粒子を添加することもできる。これら微粒子は、単独で用いることもできるが、併用してもよい。
このような微粒子の一例としては、ケイ素含有微粒子を挙げることができる。ケイ素含有微粒子とは、構成元素にケイ素を含む微粒子であり、具体的には、コロイダルシリカおよびシリコーン微粒子等が挙げられる。ケイ素含有微粒子として用いられるコロイダルシリカは、平均粒子径が1〜100nmであることが好ましく、10〜30nmであることがより好ましい。このコロイダルシリカは、酸性もしくはアルカリ性の水分散液、あるいはアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものが利用でき、一般に市販されているものを使用することができる。
最表面層中のコロイダルシリカの固形分含有量は、特に限定されるものではないが、成膜性、電気特性、強度の面から最表面層の全固形分中の0.1〜50重量%の範囲内が好ましく、0.1〜30重量%の範囲内がより好ましい。
また、ケイ素含有微粒子として用いられるシリコーン微粒子は、球状で、平均粒子径が1〜500nmの範囲内であることが好ましく、10〜100nmの範囲内であることがより好ましい。このようなシリコーン微粒子としては、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、シリコーン表面処理シリカ粒子から選択でき、一般に市販されているものを使用することができる。
シリコーン微粒子は、化学的に不活性で、樹脂マトリックスへの分散性に優れる小径粒子であり、さらに十分な特性を得るために必要とされる含有量が低いため、最表面層の形成に際して架橋反応により架橋構造を有する樹脂の生成を阻害することなく、潜像担持体の表面性状を改善することができる。
即ち、シリコーン微粒子は、架橋構造を有する樹脂の強固な架橋構造中に均一に取り込まれた状態で、潜像担持体表面の潤滑性、撥水性を向上させ、長期間にわたって良好な耐摩耗性、耐汚染物付着性を維持することができる。
潜像担持体の最表面層中のシリコーン微粒子の含有量は、最表面層の全固形分中の0.1〜30重量%の範囲内であることが好ましく0.5〜10重量%の範囲内がより好ましい。
また、その他の微粒子としては、4弗化エチレン、3弗化エチレン、6弗化プロピレン、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のフッ素系微粒子を用いることができ、さらにこれらフッ素樹脂と水酸基を有するモノマーとを共重合させた樹脂からなる微粒子(例えば、第8回ポリマー材料フォーラム講演予稿集 p89参照)や、ZnO−Al23、SnO2−Sb23、In23−SnO2、ZnO−TiO2、ZnO−TiO2、MgO−Al23、FeO−TiO2、TiO2、SnO2、In23、ZnO、MgO等の半導電性金属酸化物をあげることができる。
また、最表面層形成用溶液中には同様な目的でシリコーンオイル等のオイルを添加することもできる。
シリコンオイルとしては、たとえば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコンオイル等をあげることができる。
また、可塑剤、表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等の添加剤を使用することもできる。
可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。本発明中の樹脂層にはヒンダートフェノール、ヒンダートアミン、チオエーテル又はホスファイト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
酸化防止剤としては以下のような化合物、例えば、ヒンダートフェノール系として「Sumilizer BHT−R」、「Sumilizer MDP−S」、「Sumilizer BBM−S」、「Sumilizer WX−R」、「Sumilizer NW」、「Sumilizer BP−76」、「Sumilizer BP−101」、「Sumilizer GA−80」、「Sumilizer GM」、「Sumilizer GS」以上、住友化学社製;、「IRGANOX1010」、「IRGANOX1035」、「IRGANOX1076」、「IRGANOX1098」、「IRGANOX1135」、「IRGANOX1141」、「IRGANOX1222」、「IRGANOX1330」、「IRGANOX1425WL」、「IRGANOX1520L」、「IRGANOX245」、「IRGANOX259」、「IRGANOX3114」、「IRGANOX3790」、「IRGANOX5057」、「IRGANOX565」以上、チバスペシャリティーケミカルズ社製;、「アデカスタブAO−20」、「アデカスタブAO−30」、「アデカスタブAO−40」、「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」、「アデカスタブAO−70」、「アデカスタブAO−80」、「アデカスタブAO−330」以上、旭電化製;を挙げることができる。
また、ヒンダートアミン系として「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」、「スミライザーTPS」、チオエーテル系として「スミライザーTP−D」、ホスファイト系として「マーク2112」、「マークPEP・8」、「マークPEP・24G」、「マークPEP・36」、「マーク329K」、「マークHP・10」以上;が挙げらる。
これら酸化防止剤の中でも、特にヒンダートフェノール、ヒンダートアミン系酸化防止剤が好ましい。
最表面層形成用溶液には、必要に応じて触媒を添加することが好ましい。用いられる触媒としては塩酸、酢酸、リン酸、硫酸などの無機酸、蟻酸、プロピオン酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸などの有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、トリエチルアミンなどのアルカリ触媒、さらにいかに示すような系に不溶な固体触媒を用いることもできる。
例えば、アンバーライト15、アンバーライト200C、アンバーリスト15E(以上、ローム・アンド・ハース社製);ダウエックスMWC−1−H、ダウエックス88、ダウエックスHCR−W2(以上、ダウ・ケミカル社製);レバチットSPC−108、レバチットSPC−118(以上、バイエル社製);ダイヤイオンRCP−150H(三菱化成社製);スミカイオンKC−470、デュオライトC26−C、デュオライトC−433、デュオライト−464(以上、住友化学工業社製);ナフィオン−H(デュポン社製)などの陽イオン交換樹脂;アンバーライトIRA−400、アンバーライトIRA−45(以上、ローム・アンド・ハース社製)などの陰イオン交換樹脂;Zr(O3PCH2CH2SO3H)2,Th(O3PCH2CH2COOH)2などのプロトン酸基を含有する基が表面に結合されている無機固体;スルホン酸基を有するポリオルガノシロキサンなどのプロトン酸基を含有するポリオルガノシロキサン;コバルトタングステン酸、リンモリブデン酸などのヘテロポリ酸;ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン酸などのイソポリ酸;シリカゲル、アルミナ、クロミア、ジルコニア、CaO、MgOなどの単元系金属酸化物;シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト類など複合系金属酸化物;酸性白土、活性白土、モンモリロナイト、カオリナイトなどの粘土鉱物;LiSO4,MgSO4などの金属硫酸塩;リン酸ジルコニア、リン酸ランタンなどの金属リン酸塩;LiNO3,Mn(NO32などの金属硝酸塩;シリカゲル上にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させて得られた固体などのアミノ基を含有する基が表面に結合されている無機固体;アミノ変性シリコーン樹脂などのアミノ基を含有するポリオルガノシロキサンなどが挙げられる。
また、最表面層形成用溶液の作製の際に、光機能性化合物、反応生成物、水、溶剤などに不溶な固体触媒を用いると、この溶液の安定性が向上する傾向にあるため好ましい。
なお、当該不溶な固体触媒とは、触媒成分が一般式(I)で示される化合物や、一般式(II)で示される化合物を形成するための材料、他の添加剤、水、溶剤等に不溶であれば特に限定されない。
これらの固体触媒の使用量は特に制限されないが、一般式(I)等に示す加水分解性基を有する化合物の合計100重量部に対して0.1〜100重量部が好ましい。また、これらの固体触媒は、前述の通り、原料化合物、反応生成物、溶剤などに不溶であるため、反応後、常法にしたがって容易に除去することができる。反応温度及び反応時間は原料化合物や固体触媒の種類及び使用量に応じて適宜選択されるものであるが、反応温度は通常0〜100℃、好ましくは10〜70℃、より好ましくは15〜50℃であり、反応時間は好ましくは10分〜100時間である。反応時間が前記上限値を超えるとゲル化が起こりやすくなる傾向にある
最表面層形成用溶液の作製工程において、この溶液に不溶な触媒を用いた場合は、強度、液保存安定性などを向上させる目的で、さらにこの溶液に溶解する触媒を併用することが好ましい。
そのような触媒としては、前述のものに加え、アルミニウムトリエチレート、アルミニウムトリイソプロピレート、アルミニウムトリ(sec−ブチレート)、モノ(sec−ブトキシ)アルミニウムジイソプロピレート、ジイソプロポキシアルミニウム(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムジイソプロポキシ(アセチルアセトネート)、アルミニウムイソプロポキシ−ビス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(トリフルオロアセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(ヘキサフルオロアセチルアセトネート)等の有機アルミニウム化合物を使用することができる。
また、有機アルミニウム化合物以外の触媒としては、ジブチルスズジラウリレート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジアセテート等の有機ズズ化合物;チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)等の有機チタニウム化合物;ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)等のジルコニウム化合物;等も使用することができる。
しかし、安全性、低コスト、ポットライフ長さの観点から、有機アルミニウム化合物を使用するのが好ましく、特にアルミニウムキレート化合物がより好ましい。
これらの触媒の使用量は特に制限されないが、加水分解性基を有する化合物の合計100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、0.3〜10重量%が特に好ましい。
また、本発明において有機金属化合物を触媒として用いた場合は、ポットライフ、硬化効率の面から、共に多座配位子を添加することが好ましい。このような多座配位子としては、以下に示すような化合物及びこの化合物から誘導される誘導体を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
具体的には、アセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ジピバロイルメチルアセトン等のβ−ジケトン類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアセト酢酸エステル類;ビピリジン及びその誘導体;グリシン及びその誘導体;エチレンジアミン及びその誘導体;8−オキシキノリン及びその誘導体;サリチルアルデヒド及びその誘導体;カテコール及びその誘導体;2−オキシアゾ化合物等の2座配位子;ジエチルトリアミン及びその誘導体;ニトリロトリ酢酸及びその誘導体等の3座配位子;エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びその誘導体等の6座配位子;等を挙げることができる。
さらに、上記のような有機系配位子の他、ピロリン酸、トリリン酸等の無機系の配位子を挙げることができる。多座配位子としては、特に2座配位子が好ましく、具体例としては、上記の他、下記一般式(VII)で表される2座配位子が挙げられる。
中でも下記一般式(VII)で表される2座配位子がより好ましく、下記一般式(VII)中のR5とR6との構造が同一のものが特に好ましい。R5とR6との構造を同一にすることで、室温付近での配位子の配位力が強くなり、最表面層形成用溶液のさらなる安定化を図ることができる。
Figure 2005284262
なお、一般式(VII)中、R5、R6はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、もしくはフッ化アルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。
多座配位子の配合量は、任意に設定することができるが、用いる有機金属化合物の1モルに対し、0.01モル以上、好ましくは0.1モル以上、より好ましくは1モル以上とするのが好ましい。
最表面層形成用溶液は、溶媒を用いずに、上述した一般式(I)等に示すような有機ケイ素化合物等の種々の原料のみを用いて調整することもできるが、必要に応じてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;等の他、種々の溶媒が使用できる。
このような溶媒としては、沸点が100℃以下のものが好ましく、任意に混合して使用することができる。溶媒量は任意に設定できるが、少なすぎると有機ケイ素化合物が析出しやすくなるため、有機ケイ素化合物2重量部に対し0.5〜30重量部の範囲内で用いることが好ましく、1〜20重量部の範囲内で用いることがより好ましい。
最表面層形成用溶液を用いて塗膜を形成した後、架橋・硬化させて最表面層を形成する際の反応温度及び反応時間は特に制限されないが、形成される架橋構造を有する樹脂を含む最表面層の機械的強度及び化学的安定性の点から、反応温度は好ましくは60℃以上であることが好ましく、80〜190℃の範囲内であることがより好ましく、反応時間は好ましくは10分〜5時間である。
なお、電荷輸送能を有する構造単位を含み、且つ、架橋構造を有するフェノール系樹脂を含む最表面層を形成する場合、最表面層の機械強度を上げるためには硬化(架橋)温度は高く、硬化時間長いほど好ましい。しかし、そうした場合には、既述した式(3)に示す吸光度比(P2/P1)が0.2を超えやすく、潜像担持体の電気特性が著しく悪化してしまう場合がある。それゆえ最表面層を構成する樹脂の赤外線吸収スペクトルが式(3)を満たすように、硬化温度、硬化時間、架橋雰囲気、硬化触媒等の反応条件を制御することが好ましい。
具体的には、最表面層を構成する樹脂の赤外線吸収スペクトルが式(3)で示される条件を満たすようにするために、硬化処理の際の硬化温度は100〜190℃が好ましく、110〜170℃がより好ましく、130〜160℃がさらに好ましい。また、硬化時間は、30分〜2時間が好ましく、30分〜1時間がより好ましい。
また、硬化反応(架橋反応)を行う雰囲気としては、窒素、ヘリウム、アルゴン等の、いわゆる酸化に対して不活性なガス雰囲気(不活性ガス雰囲気)下が、式(3)に示す吸光度比(P2/P1)の値を小さくするのに効果的である。
不活性ガス雰囲気下で架橋反応を行う場合には、空気雰囲気(酸素含有雰囲気)下よりも硬化温度を高く設定することができ、この場合の硬化温度は100〜160℃(好ましくは110〜150℃)とすることが可能である。また、硬化時間は30分〜2時間(好ましくは30分〜1時間)とすることが可能である。
また、塗膜の架橋・硬化により得られる最表面層を高湿度状態に保つことは、最表面層の特性の安定化を図る上で有効である。さらには、用途に応じてヘキサメチルジシラザンやトリメチルクロロシランなどを用いて最表面層に表面処理を施して疎水化することもできる。
なお、電荷輸送性を有し、架橋構造を有するシロキサン系樹脂やフェノール系樹脂は、優れた機械強度を有する上に光電特性も十分であるため、これをそのまま積層型の潜像担持体の電荷輸送層を形成する材料として用いることもできる。
この場合、電荷輸送性を有し、架橋構造を有する樹脂の前駆体材料を含む塗工液を、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の塗布形成方法を用いることにより塗布膜を形成し、乾燥、加熱処理を経て電荷輸送層を形成することができる。
但し、1回の塗布により必要な膜厚が得られない場合、複数回重ね塗布することにより必要な膜厚を得ることができる。複数回の重ね塗布を行なう場合、加熱処理は塗布の度に行なっても良いし、複数回重ね塗布した後でも良い。
最表面層の25℃における酸素透過係数は、4×1012fm/s・Pa以下であることが好ましく、3.5×1012fm/s・Pa以下であることがより好ましく、3×1012fm/s・Pa以下であることがさらに好ましい。
ここで、酸素透過係数は層の酸素ガス透過のし易さを表す尺度であるが、見方を変えると、層の物理的な隙間率の代用特性と捉えることもできる。なお、ガスの種類が変われば透過率の絶対値は変わるものの、検体となる層間で大小関係の逆転は殆どない。したがって、酸素透過係数は、一般的なガス透過のし易さを表現する尺度と解釈することができる。
つまり、最表面層の25℃における酸素透過係数が上記条件を満たす場合には、最表面層においてガスが浸透しにくい。したがって、画像形成プロセスにより生じる放電生成物の浸透が抑制され、最表面層に含有される化合物の劣化が抑制され、電気特性を長期に渡って高水準に維持することができ、高画質化、長寿命化に有効である。
また、電荷輸送能を有する構造単位を含み、且つ、架橋構造を有するフェノール系樹脂を含む最表面層を、赤外線吸収スペクトルの吸光度比(P2/P1)が式(3)に示す条件を満たすように形成しようとする場合には、空気雰囲気下では硬化温度を比較的低く設定することが必要である。そのため、最表面層の25℃における酸素透過係数をより下げることは困難であるものの、吸光度比(P2/P1)が式(3)に示す条件を満たすようにすると共に、最表面層の25℃における酸素透過係数が上記の範囲を満たすように硬化温度を設定することで、電気特性がさらに向上し、さらに高画質を達成できる感光体が得られる。
なお、最表面層の膜厚は、0.5〜15μmが好ましく、1〜10μmがさらに好ましく、1〜5μmがより好ましい。
なお、本発明に用いられる潜像担持体の感光層が単層型である場合は、この感光層は、既述した電荷発生物質と、一般式(I)等に示したような架橋構造を有する樹脂が形成可能な材料とを少なくとも含む単層型感光層形成用溶液を用いて形成される。但し、形成される単層型感光層の適度な弾性や柔軟性を確保するために、架橋構造を形成しない樹脂(結着樹脂)を併用することが好ましい。
結着樹脂としては、前記電荷発生層および電荷輸送層に用いられる結着樹脂と同様の材料を用いることができる。単層型感光層中の電荷発生物質の含有量は、10〜85重量%の範囲内であることが好ましく20〜50重量%の範囲内であることが好ましい。また、単層型感光層には、光電特性を改善する等の目的で電荷輸送物質や高分子電荷輸送物質を添加してもよい。その添加量は5〜50重量%とすることが好ましい。
単層型感光層形成用溶液に用いる溶剤や、この溶液の塗布方法は、上記と同様のものを用いることができる。形成される単層型感光層の膜厚は5〜50μmの範囲内が好ましく、10〜40μmの範囲内がより好ましい。
−現像剤−
本発明に用いられる現像剤は、トナーからなる一成分現像剤、あるいは、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤のいずれであってもよいが、研磨剤が必ず含まれる。
本発明に用いられるトナーは、特に製造方法により限定されるものではなく、例えば結着樹脂と着色剤と離型剤と、さらに必要に応じて帯電制御剤等とを混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させて形成された分散液と、着色剤分散液と、離型剤分散液と、更に必要に応じて帯電制御剤等を含む分散液とを混合した混合液中で、トナー構成成分を凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤や離型剤、更に必要に応じて帯電制御剤等を含む溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤と離型剤と、更に必要に応じて帯電制御剤等を含む溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等により得られるものが使用できる。
また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに結着樹脂微粒子を付着させた後、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法など、公知の方法を使用することができる。これらの製造方法の中でも、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が好ましく、乳化重合凝集法が特に好ましい。
トナーは結着樹脂、着色剤、離型剤等を含み、必要であれば、シリカや帯電制御剤を含んでいてもよい。トナーの体積平均粒径は2〜12μmの範囲が好ましく3〜9μmの範囲がより好ましい。また、既述したようにトナーの平均形状指数SFが100〜140の範囲のものを用いることにより、高い現像、転写性、及び高画質の画像を得ることができる。特にクリーニング手段として磁気ブラシを用いた本発明では、転写性に関し、高転写性を維持するためにはトナーの球形化度が高いことが好ましい。
トナーの結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体および共重合体を例示することができる。
特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
また、トナーの着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
また、トナーには必要に応じて帯電制御剤が添加されてもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減との点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。本発明におけるトナーは、磁性材料を内包する磁性トナー、および磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
本発明に用いるトナーには、平均粒径が50nm〜150nmの球形の無機微粉あるいは有機微粉を外添剤として添加すると、転写性がより向上する。更に磁気ブラシによる逆極化トナーの回収や再帯電性(極性反転)、画像形成時に磁気ブラシを残留トナーを回収する通常の条件で駆動させた状態で、現像器によるトナーの回収性が格段に向上する。
有機微粒子としては、アクリル樹脂粒子、スチレン樹脂粒子、スチレンアクリル樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子等を挙げることができる。無機微粉としてはシリカが好ましい。
これらの粒子径としては、大きすぎたり小さすぎたりした場合には上述した効果を発揮することが困難になる場合がある。このため、これら外添剤の平均粒子径は、50〜200nmの範囲内であることが好ましく、100〜160nmの範囲内であることがより好ましい。
また、平均粒子径が50〜200nmの範囲内の外添剤の適正な添加量は0.1質量%以上であることが好ましい。より好ましい範囲は0.5質量%以上である。
また、本発明に用いるトナーには、表面に架橋構造を有する樹脂を含む潜像担持体表面上の付着物、劣化物を除去し均一に削り取るために、研磨剤が外添される必要がある。研磨剤をトナーに外添しない場合には、潜像担持体表面が高硬度であるために、磁気ブラシのみでは十分な研磨性が確保できず、潜像担持体表面の付着物が均一且つ十分に除去できないため、より長期に渡って画像形成をおこなった場合に放電生成物の除去が不充分となり、白抜け等が発生してしまう。
研磨剤としては公知の研磨剤を用いることが可能であるが、特に研磨性に優れる無機微粒子を用いることが好ましい。このような無機微粒子としては、酸化セリウム、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が挙げられる。
また、上記無機微粒子にテトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどのチタンカップリング剤、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤などで処理を行っても良い。また、シリコーンオイル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩による疎水化処理を施した研磨剤を利用することもできる。
研磨剤の粒径としては、50nm〜10μmの範囲内が好ましく、さらに好ましくは100nm〜1μmの範囲内である。研磨剤の粒径が50nm未満であると研磨効果が不足する場合があり、1μmを超える場合には、潜像担持体表面の回転方向に傷が発生する場合があるため好ましくない。
また、研磨剤の添加量は、トナーに対して0.1重量%以上添加することが好ましく、0.2重量%以上添加することがより好ましい。研磨剤の添加量が0.1重量%未満の場合には、研磨効果が不足する場合があり、潜像担持体表面の種々の付着物を十分に除去できなくなる場合がある。なお、研磨効果を十分に確保する点からは研磨剤の添加量は多い方が好ましいが、実用上は、1.0重量%以下であることが好ましい。
トナーに添加されるその他の無機酸化物としては、粉体流動性、帯電制御等のため、1次粒径が50nm以下の小径無機酸化物を、更に付着力低減や帯電制御のため、それより大径の無機酸化物を挙げることができる。これらの無機酸化物微粒子は公知のものを使用することができるが、精密な帯電制御を行うためには、シリカと酸化チタンとを併用することが好ましい。また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性を向上させる効果が大きくなる。
本発明に用いるトナーに添加される潤滑剤としてはグラファイト、二硫化モリブデン、滑石、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の固体潤滑剤;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪族アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのような動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス;及びそれらの変性物が使用でき、これらを単独で使用するか、あるいは併用しても良い。
また、トナーには上記外添剤をヘンシェルミキサー、あるいはVブレンダー等で混合することによって外添することができる。また、トナー粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等を挙げることができる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
またキャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが好ましい。
キャリアの芯材の体積平均粒径としては、一般的には10〜500μmであり、好ましくは30〜100μmである。
またキャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、前記被覆樹脂、および必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して適宜選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。
前記二成分現像剤における本発明のトナーと上記キャリアとの混合比(重量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲であり、3:100〜20:100程度の範囲がより好ましい。
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
−潜像担持体の作製−
(潜像担持体Aの作製)
円筒状のAl基体をセンタレス研磨装置により研磨し、表面粗さがRzで0.6μmとなるように調整した。次にこのAl基体の外周面を有機溶剤で脱脂処理し、続いて2重量%水酸化ナトリウム溶液で1分間エッチング処理した後に、Al基体表面に残留するアルカリ成分を中和処理し、更に純水洗浄を行った。
次に、10重量%硫酸溶液を用いてAl基体の外周面を陽極酸化処理して陽極酸化膜(電流密度1.0A/dm2)を形成した。続いて、水洗した後、80℃に保持した1重量%酢酸ニッケル溶液中にAl基体を20分間浸漬して封孔処理を行い、更に純水洗浄、乾燥処理を行った。このようにして、Al基体の外周面にに膜厚7μmの陽極酸化膜(下引き層)を形成した。
次に、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が、7.4°、16.6°、25.5°、28.3°に強い回折ピークを持つクロロガリウムフタロシアニンの1重量部、ポリビニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学)1重量部、および、酢酸n−ブチル100重量部を混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間処理して分散した後に得られた塗布液を下引き層上に浸漬コートし、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。
続いて、下記の左側に示される構造のベンジジン化合物2重量部と、下記の右側に示される高分子化合物(粘度平均分子量=39,000)2重量部とをクロロベンゼン20重量部に溶解させた塗布液を前記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布した後、110℃、40分の加熱処理を行なって膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、潜像担持体A(感光体A)を得た。
Figure 2005284262
(潜像担持体Bの作製)
下記化合物1を5重量部、レゾール型フェノール樹脂(PL−4852、群栄化学社製)を7重量部、メチルフェニルポリシロキサンを0.03重量部、及び、イソプロパノ−ルを20重量部を混合して溶解し、保護層形成用塗布液を得た。この塗布液を浸漬コーティング法により感光体Aの電荷輸送層上に塗布し、130℃で40分乾燥させ、膜厚3μmの保護層を形成することにより潜像担持体B(感光体B)を得た。
Figure 2005284262
(潜像担持体Cの作製)
下記に示す構成材料をイソプロピルアルコール5重量部、テトラヒドロフラン3重量部および蒸留水0.3重量部に溶解させ、さらにイオン交換樹脂(アンバーリスト15E)0.5重量部を加え、室温で攪拌することにより24時間加水分解を行った。
−構成材料−
・化合物2(下記に示される化合物):2重量部
・メチルトリメトキシシラン:2重量部
・テトラメトキシシラン:0.5重量部
・コロイダルシリカ:0.3重量部
Figure 2005284262
続いて、この加水分解した溶液からイオン交換樹脂を濾過分離した濾過液に対し、アルミニウムトリスアセチルアセトナート(Al(aqaq)3)を0.1重量部と、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.4重量部とを加えて最表面層形成用溶液を調整した。
次に、潜像担持体Aの電荷輸送層の上に、最表面層形成用溶液を用いてリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した後、150℃で1時間加熱処理して硬化し、膜厚約3μmの保護層を形成し、潜像担持体C(感光体C)を得た。
なお、潜像担持体Cの保護層は、化合物2、メチルトリメトキシシラン、および、テトラメトキシシランが架橋反応して形成された架橋構造を有するシロキサン系樹脂からなるマトリックスにコロイダルシリカが分散した構成を有するものである。
(潜像担持体Dの作製)
化合物2を5重量部、イソプロピルアルコールを15重量部、テトラヒドロフランを9重量部、及び蒸留水を0.9重量部混合し、これにイオン交換樹脂(アンバーリスト15E)を0.5重量部加えて、室温で攪拌することにより2時間加水分解を行った。
さらに、得られた加水分解物に、ブチラール樹脂を0.5重量部、レゾール型フェノール樹脂(PL−2211、群栄化学社製)を5重量部、サノールLS2626を0.2重量部、及びネイキュア4167を0.5重量部加えて保護層形成用塗布液を調製した。
この保護層形成用塗布液を浸漬コーティング法で感光体Aの電荷輸送層上に塗布して130℃で30分乾燥し、膜厚3μmの保護層を形成し、潜像担持体D(感光体D)を得た。
−画像形成装置−
評価にはFUJI XEROX製Docu Center Color 500機をベースにし、帯電器をスコロトロンから接触帯電ローラに取り替えた改造機を用いた。この画像形成装置は、図1に示す構成を有するもので、磁気ブラシ116は、φ16mmのマグロール上に磁気ブラシ密度が300〜600g/m2、になるように層規制部材117で調整し、磁気ブラシ116の搬送ロールと潜像担持体110との間の距離が400μmとなるように設定した。
磁気ブラシ116の回転方向は、図1に示すように潜像担持体110の回転方向と同じ時計周り方向で、磁気ブラシ116と潜像担持体110との周速比が1.0〜2.0になるように設定した。磁気ブラシ116には−400Vの直流電圧と、1.0kVp−pで周波数6kHzの交流電圧とを重畳印加した。
また、上記の改造機をベースにした他の画像形成装置も必要に応じて用いた。
具体的には、図2に示す画像形成装置101のように帯電補助回転ブラシ118を設けた画像形成装置や、図1に示す画像形成装置101から、磁気ブラシ116(および層規制部材117)を除いた図4に示す画像形成装置102、あるいは、図1に示す画像形成装置100の磁気ブラシ116をクリーニングブレードに置き換えた画像形成装置を用いた。クリーニングブレードは、硬度87、自由長8mm、厚み2mmのウレタンゴムブレードを用いた。またブレードの設定角度を25℃、感光体に対する進入量1.2mmに設定した。
なお、帯電補助回転ブラシ118としてはベルトロンB12N(鐘紡(株)社製、繊維太さは2デニール、ブラシ毛密度は12×103本/inch2、ブラシ毛長さ3mm(接着層含む))を用い、潜像担持体110に対する進入量を0.5mmに設定した。また、帯電補助回転ブラシ118に印加する電圧は−1.0Kvに設定した。
また、磁気ブラシの有無や磁気ブラシの駆動条件の違いによるクリーニング性等の違いの把握を容易とするために図1,2,4に示す構成の画像形成装置のいずれにおいても潜像担持体表面に付着した残留トナーを間接的にクリーニングする手段、すなわち、中間転写体の外周面に付着した残留トナーをクリーニングするクリーニング手段は設けていない。
さらに、評価に際しては、潜像担持体110として上述した潜像担持体A〜Cを適宜交換して使用した。
−評価条件−
フルカラーモードにて、低温低湿(10℃、15%RH)で15万枚の画像形成と、環境を高温高湿(28℃、85%RH)に切り替えて15万枚、30万枚の画像形成テストを行い、潜像担持体傷、潜像担持体Filming、接触帯電ロール汚染、および、磨耗rateを観察し、高温高湿度環境で二日間放置後のプリントにて画質上白抜けを評価した。
なお、磁気ブラシを備えた画像形成装置を用いた実施例および比較例では、いずれの場合も15万枚あるいは30万枚の画像形成が終了するまで、磁気ブラシそのもののクリーニング(磁気ブラシに蓄積されたトナーの清掃)を行うことなく連続して画像を形成した。
また、画像形成に使用したトナーは、体積平均粒径D50が6.5μm、形状係数SFが112であり、表9に示す外添剤を組み合わせて添加したトナー(外添組成1〜4)を用いた。また、このトナーは、外添組成や用いた画像形成装置の構成に関係なく現像時に負極性に帯電するものである。
なお、表9中の架橋型アクリル樹脂とは、メチルメタクリレート/1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレートである。
また、磁気ブラシに用いたキャリアは、芯材の平均粒径が35μmのMn−Mgフェライトキャリアを用い、被覆剤として、メチルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メチルメタクリル酸/パーフルオロオクチルエチルメタクリレートのランダム共重合体を用いた。
各実施例および比較例の具体的な評価条件を表10に示す。なお、表10には、用いたトナーの外添組成と、画像形成に用いた画像形成装置の構成と、用いた画像形成装置が磁気ブラシを備えている場合には磁気ブラシに印加されるバイアス(直流電圧、および、交流電圧(ピーク値))や磁気ブラシ密度や周速比等の磁気ブラシの駆動条件とを示した。
また、表10に示す条件で評価を行った際の評価結果を表11に示す。なお、表11中に示す各評価項目の具体的な評価方法や評価基準は以下の通りである。
−評価方法−
(潜像担持体傷)
潜像担持体傷は、15万枚画像形成後の潜像担持体表面を表面粗さ計(東京精密(株)製Surfcom1400A)により10点平均粗さ(Rz)を測定して評価した。判断基準は以下の通りである。
○:Rz≦3.0μm
△:3.0μm<Rz<3.5μm
×:Rz≧3.5μm(形成された画像に白筋が確認されるレベル)
(潜像担持体上Filming)
潜像担持体上Filmingは、15万枚画像形成後の潜像担持体表面の目視観察による官能評価にて判断した。判断基準は以下の通りである。
○:固着全くなし
△:固着が多少あるが、画質に影響の出ないレベル
×:表面に明らかに固着があり、色筋、白筋として画質に現れる。
(帯電器汚染)
帯電器(帯電ローラ)汚染は、15万枚画像形成後の帯電ロール表面の目視観察による官能評価にて判断した。判断基準は以下の通りである。
○:固着全くなし
△:固着が多少あるが、画質に影響の出ないレベル
×:表面に明らかに固着があり、白筋として画質に現れる。
(磨耗rate)
磨耗rateは、画像形成開始前および15万枚画像形成後の潜像担持体の膜厚を渦電流式の膜厚計で計測しその差分を求め、これを単位回転数(1000回転)当たりに換算することにより算出した。
(高温高湿下白抜け)
高温高湿環境放置後の白抜けは、高温高湿度下で2日間放置した後、ハーフトーン画像(画像密度30%)を採取し、反射型濃度測定機(X−rite)により面内濃度差(ΔSAD)を測定し、以下の判断基準で評価した。
○:ΔSADが0.15以下
△:ΔSADが0.15〜0.4
×:0.4以上
Figure 2005284262
Figure 2005284262
Figure 2005284262
本発明の画像形成装置の構成例を示す模式断面図である。 本発明の画像形成装置の他の構成例を示す模式断面図である。 本発明の画像形成装置に用いられる潜像担持体の構成例を示す模式断面図である。 従来の画像形成装置の構成例を示す模式断面図である。
符号の説明
1 潜像担持体(感光体)
11 導電性基体
12 下引き層
13 電荷発生層
14 電荷輸送層
15 保護層
16 感光層
100、101、102 画像形成装置
110 潜像担持体(感光体)
111 帯電ロール
112 露光装置
113 現像器
114 転写ローラ
115 除電器
116 磁気ブラシ
117 層規制部材
118 帯電補助回転ブラシ
120 中間転写ベルト

Claims (12)

  1. 潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された前記潜像担持体表面に光を照射して潜像を形成させる潜像形成工程と、現像手段から供給されるトナーを含む現像剤により前記潜像を現像しトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を被転写体に転写する転写工程と、前記トナー像を転写した後の潜像担持体表面に残留し、前記現像手段から供給されるトナーの極性と逆極性に帯電した残留トナーを磁気ブラシにより一時的に回収しクリーニングするクリーニング工程と、前記磁気ブラシにより回収された前記残留トナーを前記潜像担持体表面に排出し現像手段により回収するトナー回収工程とを少なくとも含み、
    前記磁気ブラシにより回収された前記残留トナーを、前記磁気ブラシによりその極性を反転させた後に前記潜像担持体表面に排出する画像形成方法であって、
    前記潜像担持体表面が架橋構造を有する樹脂を含み、且つ、前記現像剤が研磨剤を含むことを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記潜像担持体表面が、電荷輸送能を有する化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記架橋構造を有する樹脂が、架橋構造を有するシロキサン系樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記架橋構造を有する樹脂が、架橋構造を有するフェノール系樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
  5. 請求項3に記載の前記架橋構造を有するシロキサン系樹脂、または、請求項4に記載の前記架橋構造を有するフェノール系樹脂が、電荷輸送能を有する構造単位を含むことを特徴とする画像形成方法。
  6. 前記電荷輸送能を有する化合物または前記電荷輸送能を有する構造単位が、下記一般式(I)で示される化合物の誘導体であることを特徴とする請求項2または5に記載の画像形成方法
    ・一般式(I) F−[D−Si(R2(3-a)ab
    〔一般式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、Dは可とう性サブユニット、R2は水素、アルキル基、または、置換若しくは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数を表わす。〕
  7. 前記電荷輸送能を有する化合物または前記電荷輸送能を有する構造単位が、下記一般式(II)から誘導されることを特徴とする請求項2または5に記載の画像形成方法
    ・一般式(II) F’−(R1−ZH)m
    〔一般式(II)中、F’は正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、R1はアルキレン基、Zは酸素原子、硫黄原子またはNH、mは1〜4の整数を示す。〕
  8. 前記一般式(I)で示される化合物の有機基Fが、下記一般式(III)で表される化合物から誘導される有機基であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
    Figure 2005284262
    ・一般式(III)
    〔一般式(III)中、Ar1〜Ar4はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を表し、Ar5は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を表し、kは0または1である。
    但し、kが1の場合は、Ar1〜Ar5のうち1〜4個は、前記一般式(I)中の−D−Si(R2(3-a)aで表される結合基と結合可能な結合手を有し、kが0の場合は、Ar1、Ar2、Ar5のうち1〜2個は、前記一般式(I)中の−D−Si(R2(3-a)aで表される結合基と結合可能な結合手を有する。〕
  9. 前記架橋構造を有する樹脂および前記架橋構造を有するシロキサン系樹脂から選択されるいずれか1種の樹脂、又は、その前駆体が、
    下記一般式(IV)で示される有機ケイ素化合物、その加水分解物、又は、前記有機ケイ素化合物の加水分解縮合物を少なくとも1種以上含むことを特徴とする請求項1または3のいずれか1つに記載の画像形成方法
    ・一般式(IV) B―(Si(R2(3-a)a2
    〔一般式(IV)中、Bは2価の有機基、R2は水素、アルキル基、置換若しくは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数を表わす。〕
  10. 下式(1)で規定される前記トナーの形状係数SFが100〜140の範囲内であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の画像形成方法。
    ・式(1) SF=100×π×ML2/4A
    〔但し、式(1)中、SFは前記トナーの形状係数、MLは前記トナー粒子の絶対最大長、Aは前記トナー粒子の投影面積を表す〕
  11. 前記トナーに、平均粒径が50nm〜200nmの無機微粉あるいは有機微粉が添加されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の画像形成方法。
  12. 表面に架橋構造を有する樹脂を含む潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体表面に光を照射して潜像を形成させる潜像形成手段と、トナーと研磨剤とを含む現像剤により前記潜像を現像しトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記トナー像を転写した後の前記潜像担持体表面に残留し、前記現像手段から供給されるトナーの極性と逆極性に帯電した逆極化トナーを回収しクリーニングする機能を少なくとも有する磁気ブラシと、を少なくとも備え、請求項1〜11のいずれか1つに記載の画像形成方法を利用して画像を形成する画像形成装置。
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