JP2006267733A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 転写後の電子写真感光体表面の残留トナーを回収して再利用するリサイクル手段を備え、長期に渡って良好な画像を安定して得ることのできる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記電子写真感光体の表面に形成された潜像をトナーを含有する現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記トナーの帯電極性とは異なる極性の電圧が印加された第1のブラシと前記トナーの帯電極性と同じ極性の電圧が印加された第2のブラシとを含み、転写後の前記電子写真感光体表面の残留トナーを回収するトナー回収手段と、前記第1のブラシにより回収されたトナーをリサイクルトナーとして前記現像手段に戻すリサイクル手段と、を備えた画像形成装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は画像形成装置に関し、特に転写後の電子写真感光体表面の残留トナーをリサイクルトナーとして再利用する画像形成装置に関する。
従来、転写後の電子写真感光体表面の残留トナーをクリーニング装置を用いて回収しても、回収した残留トナーは廃トナーとして破棄されていた。しかし、トナーの使用効率や環境汚染等の問題により廃トナーを再利用する方法が検討されている。
今までに、螺旋状ブラシローラーを用いて残留トナーを回収する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、ブラシに攪乱用電圧を印加して残留トナーを効率的に回収する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし回収されたトナーには紙粉や不良帯電トナー、遊離した外添剤などが多く含まれており、回収されたトナーを再利用しようとするとトナーかぶり等の画質劣化の原因となる。
また、回収されたトナーを現像装置に戻す途中で、静電的もしくは他の手段で不良帯電トナー等を除去する手段を用いる技術が開示されている(例えば、特許文献3又は4参照。)。しかしこれらの方法では正常トナーと不良帯電トナーの分離が十分でない。
また、トナーと同極性の電圧が印加された第1の回収手段とその下流に位置する第2の回収手段とを有し、第2の回収手段で回収されたトナーだけを再利用する方法が開示されている(例えば、特許文献5参照。)。さらに、トナーの帯電極性と異なる極性の電圧が印加された第1の回収手段とその下流に位置する第2の回収手段とを有し、第1の回収手段で回収されたトナーだけを再利用する方法が提案されている(例えば、特許文献6参照。)。
しかし、第1の回収手段としてブラシを使用した場合ブラシによる感光体の傷つけやブラシにたまったトナーおよび外添剤が電子写真感光体にこすりつけられることによるフィルミングが問題となる。また第2の回収手段としてブレードを用いた場合、長期間使用することによりブレードの欠け・磨耗が発生し電子写真感光体表面を十分にクリーニングできなくなってしまう。
特開昭63−100488号公報 特開平4−371975号公報 特開昭63−159875号公報 実公平4−38366号公報 特開平7−168504号公報 特開平7−168505号公報
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、転写後の電子写真感光体表面の残留トナーを回収して再利用するリサイクル手段を備え、長期に渡って良好な画像を安定して得ることのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、
<1> 電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記電子写真感光体の表面に形成された潜像をトナーを含有する現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記トナーの帯電極性とは異なる極性の電圧が印加された第1のブラシと前記トナーの帯電極性と同じ極性の電圧が印加された第2のブラシとを含み、転写後の前記電子写真感光体表面の残留トナーを回収するトナー回収手段と、前記第1のブラシにより回収されたトナーをリサイクルトナーとして前記現像手段に戻すリサイクル手段と、を備えた画像形成装置である。
<2> 前記トナーが外添剤として潤滑剤を少なくとも含む<1>に記載の画像形成装置である。
<3> 前記潤滑剤がステアリン酸亜鉛である<2>に記載の画像形成装置である。
<4> 前記電子写真感光体が導電性基体上に感光層を少なくとも備えてなり、前記電子写真感光体の最表面層が、電荷輸送能を有する構造単位を含み架橋構造を有する樹脂を含有する保護層である<1>乃至<3>のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
<5> 前記保護層が、メチロール基を有するフェノール誘導体と、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送材料と、を含有する<4>に記載の画像形成装置である。
本発明によれば、転写後の電子写真感光体表面の残留トナーを回収して再利用するリサイクル手段を備え、長期に渡って良好な画像を安定して得ることのできる画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の画像形成装置について詳細に説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態に係る概略構成図である。図1の画像形成装置100は、矢印B方向に回転可能な電子写真感光体30と、電子写真感光体30を帯電させる帯電手段である非接触型帯電装置40と、帯電した電子写真感光体30の表面を画像信号に基づくレーザー光線52によって露光して潜像を形成する潜像形成手段である露光装置50と、電子写真感光体30の表面に形成された潜像を帯電極性がマイナスであるトナーを含有する現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段である現像装置60と、電子写真感光体30の表面に形成されたトナー像を被転写体Pに転写する転写手段である転写装置70と、不図示の印加手段によりプラスに印加された第1のブラシ10と不図示の印加手段によりマイナスに印加された第2のブラシ20とを含み、転写後の電子写真感光体30の表面の残留トナーを回収するトナー回収手段であるクリーニング装置80と、第1のブラシ10により回収されたトナーをリサイクルトナーとして現像装置60に戻すリサイクル手段であるトナー戻り管90と、を備える。
なお、本発明においてトナーの帯電極性とは、現像時のトナーの主極性をいう。現像時のトナーの主極性は、例えば、帯電分布測定機((株)HOSOKAWA MICRON製 E−SPART ANALYZER MODEL EST−II)を用いて決定することができる。
本発明において、帯電極性がプラスであるトナーを用いた場合、第1のブラシ10はマイナスに印加され、第2のブラシ20はプラスに印加される。
まず、電子写真感光体30はその表面を非接触型帯電装置40によって−600V〜−800V程度の電位に帯電される。電子写真感光体30は導電性基体上に感光層を少なくとも備えてなる。この感光層は、通常は高抵抗であるが、露光装置50からレーザー光線52が照射されると、レーザー光線52が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した電子写真感光体30の表面に、図示しない制御部から送られてくる画像データに従って、露光装置50を介してレーザー光線52を出力する。レーザー光線52は、電子写真感光体30の感光層に照射され、それにより、印字パターンの潜像が電子写真感光体30の表面に形成される。
このようにして電子写真感光体30の表面に形成された潜像は、電子写真感光体30の矢印B方向への回転により所定の現像位置まで移動する。そして、現像位置で、電子写真感光体30上の潜像が、現像装置60によって可視像(トナー像)化される。
電子写真感光体30の表面が現像装置60を通過することにより、電子写真感光体30表面の除電された潜像部にのみトナーが静電的に付着し、潜像がトナーによって現像される。電子写真感光体30は、引続き矢印B方向に回転し、電子写真感光体30表面に現像されたトナー像が所定の転写位置へ搬送される。
電子写真感光体30表面のトナー像が転写位置へ搬送されると、転写装置70に所定の転写バイアスが印加され、電子写真感光体30から転写装置70に向う静電気力がトナー像に作用し、電子写真感光体30表面のトナー像が被転写体P上へ転写される。
電子写真感光体30表面の残留トナーは、クリーニング装置80により回収され、第1のブラシ10により回収されたトナーのみがリサイクルトナーとしてトナー戻り管90を介して現像装置60に戻され、再利用される。本発明の画像形成装置はクリーニングブレードを用いないため、ブレードの欠け、摩耗等の問題が発生することはない。
第1のブラシ10はトナーの帯電極性(マイナス)とは異なる極性(プラス)の電圧が印加されているため、正常に帯電したトナーが第1のブラシ10により回収される。また、不良帯電トナー(本実施形態においてはプラスに帯電したトナー)は、トナーの帯電極性(マイナス)と同じ極性(マイナス)の電圧が印加された第2のブラシ20により回収される。本発明においては、トナーの帯電極性とは異なる極性の電圧が印加された第1のブラシ10により回収されたトナーのみがトナー戻り管90を介して現像装置60に戻されるため、回収されるトナーから不良帯電トナーや紙粉等を効率的に除去することができる。そのため、長期にわたって良好な画像を形成することができる。
クリーニング装置80は、電子写真感光体30表面に当接配置された第1のブラシ10と、第1のブラシ10に当接配置された第1の回収ローラ(第1の回収部材)12と、第1のブラシ10に対し電子写真感光体30の回転方向下流側に当接配置される第2のブラシ20と、第2のブラシ20に当接配置された第2の回収ローラ(第2の回収部材)22と、を有する。また、第1のブラシ10、第1の回収ローラ12、第2のブラシ20、及び第2の回収ローラ22には、ぞれぞれ不図示の外部電源が接続されており、所定の電圧が印加されるようになっている。
本発明においては、第1の回収ローラ12には第1のブラシ10より高い電圧が印加され、第2の回収ローラ22には第2のブラシ20より高い電圧が印加されることが好ましい。このように、ブラシと該ブラシに当接配置される回収部材との間に電位差を設けることによって、電子写真感光体表面から掻き取られ、ブラシに付着したトナーを、静電的に効率よく回収部材へと吸着移動させることができる。
なお、ブラシと回収部材との電位差の絶対値は、100V以上であることが好ましく、より好ましくは200V以上である。
第1のブラシ10は、回転するシャフト外周上に無数のブラシ繊維を配した形状を有する。第1のブラシ10は電子写真感光体30に対し、ブラシ繊維の先端が、所定の量、食い込む位置に接触配置される。また、第1のブラシ10は電子写真感光体30の回転方向と逆方向(矢印方向)にその周面が回転移動する。この際、第1のブラシ10のブラシ繊維が電子写真感光体30と摺接することにより、電子写真感光体30表面から残留トナー等の付着物を剥離し、第1の回収ローラ12へと運ぶ働きを担っている。
第1のブラシ10におけるブラシ繊維の材料としては、ナイロン、アクリル、ポリオレフィン、ポリエステル等の樹脂繊維を挙げることができ、導電性粉末やイオン導電剤を配合して導電性を付与したり、繊維一本一本の内部或いは外部に導電層が形成されたもの等を用いることができ、その抵抗値としては繊維単体で102〜109Ωのものが好ましい。
第1の回収ローラ12は、その外周部が第1のブラシ10外周面に僅かに食い込む位置に接触配置され、第1のブラシ10に付着したトナーを担持・回収する機能を有する。
第1の回収ローラ12は、第1のブラシ10の回転方向に対して正回転又は逆回転する。
また、具体的には、第1の回収ローラ12は、金属シャフトの外周に抵抗層を設けた構成からなる。抵抗層を構成するバインダー樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS、EVA、メタクリル樹脂等の汎用熱可塑性樹脂;エポキシ、フェノール、ユリア・メラミン、ポリウレタン、シリコーン等の熱硬化樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリイミド等のエンジニアリングプラスチック類;ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイドといった液晶ポリマー;テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)等のフッ素樹脂を挙げることができるが、特にこれらに限定されない。
また、抵抗層は半導電性の電気抵抗発現のため、上記各種バインダー材料に、導電物質を混入することで電気抵抗が102〜109Ωに調整されることが好ましい。また、抵抗層の厚みとしては、上記バインダー樹脂の材料と、抵抗値制御のために混入する導電物質とにより任意調整されるが、具体的には0.5〜5mmであることが好ましい。
第1の回収ローラ12は、第1の回収ローラ12に当接配置されたブレード14により、その表面に担持したトナーが回収される構成となっている。
ブレード14は、クリーニングブレード又はスクレーパ等から適宜選択され、高耐久性及び低コストの観点より、ステンレス或いはリン青銅の金属薄板から形成されることが好ましい。なお、ブレード14の厚さは0.02〜2mm程度であるものが好適に用いられる。
第2のブラシ20、第2の回収ローラ22及びブレード24は、それぞれ第1のブラシ10、第1の回収ローラ12及びブレード14と同様の機能を有し、その構成も同様である。
本発明の画像形成装置においては、電子写真感光体30の回転方向上流側に第1のブラシ10を、下流側に第2のブラシ20を配置してもよいし、回転方向上流側に第2のブラシ20を、下流側に第1のブラシ10を配置してもよい。第1のブラシ10を電子写真感光体30の回転方向上流側に配置することにより、トナーの回収量を多くすることができるため好ましい。また、第1のブラシ10を電子写真感光体30の回転方向下流側に配置することにより、回収されるトナー中に含まれる不良帯電トナーの量をさらに減少させることができるため好ましい。
次に、図1に係る画像形成装置におけるその他の構成部材について説明する。
非接触型帯電装置40を用いることにより電子写真感光体30が帯電されるが、帯電手段としてはコロトロン、スコロトロンなどの非接触方式の帯電装置、及び、電子写真感光体表面に接触させた導電性部材に電圧を印加することにより、電子写真感光体を帯電させる接触方式の帯電装置が挙げられ、いかなる方式の帯電装置でもよい。しかし、オゾンの発生量が少なく、環境に優しく、かつ耐刷性に優れるという効果を発揮するという観点から、接触帯電方式の帯電装置が好ましい。
前記接触帯電方式の帯電装置においては、導電性部材の形状はブラシ状、ブレード状、ピン電極状、ローラー状等の何れでもよく制限を受けるものではない。
帯電した電子写真感光体30の表面に露光装置50を用いて潜像が形成される。露光装置50としては、例えば、レーザー光学系やLEDアレイ等が用いられる。
電子写真感光体30の表面に形成された潜像は、少なくともトナーを含有する現像剤により現像されてトナー像が形成される。例えば、現像剤層を表面に形成させた現像剤担持体を電子写真感光体30に接触若しくは近接させて、電子写真感光体30の表面の潜像にトナーを付着させてトナー画像が形成される。
現像装置60としては、既知の装置を用いることができるが、二成分現像剤を用いる現像装置としては、例えば、カスケード方式、磁気ブラシ方式などの現像装置を挙げることができる。
電子写真感光体30の表面に形成されたトナー像は転写装置70により被転写体Pに転写される。電子写真感光体30からのトナー像を被転写体Pに転写する転写装置70としては、コロトロンが利用できる。コロトロンは被転写体Pを均一に帯電する手段としては有効であるが、被転写体Pに所定の電荷を与えるために、数kVという高圧を印加しなければならず、高圧電源を必要とする。また、コロナ放電によってオゾンが発生するため、ゴム部品や電子写真感光体30の劣化を引き起こすことがあるので、弾性材料からなる導電性の転写ロールを電子写真感光体30に圧接して、被転写体Pにトナー画像を転写する接触転写方式が好ましいが、本発明においては、転写装置に関し特に制限を受けるものではない。
被転写体Pに転写されたトナー像は、不図示の定着装置により定着される。定着装置としては、ヒートロールを用いる加熱定着装置が好ましく用いられる。加熱定着装置は、円筒状芯金の内部に加熱用のヒータランプを備え、その外周面に耐熱性樹脂被膜層あるいは耐熱性ゴム被膜層により、いわゆる離型層を形成した定着ローラと、この定着ローラに対し圧接して配置され、円筒状芯金の外周面あるいはベルト状基材表面に耐熱弾性体層を形成した加圧ローラあるいは加圧ベルトと、で構成される。未定着トナー像の定着プロセスでは、定着ローラと加圧ローラあるいは加圧ベルトとの間に未定着トナー画像が形成された被転写体Pを挿通させて、トナー中の結着樹脂、添加剤等の熱溶融による定着を行う。本発明の画像形成装置においては、定着装置について特に制限を受けるものではない。
トナー戻り管90の内部には不図示の搬送スクリューが設けられ、搬送スクリューの回転によりクリーニング装置80の第1のブラシ10で回収されたトナーが現像装置60に搬送される。
リサイクル手段のその他の例としては、クリーニング装置で回収されたトナーを搬送コンベアによって補給用トナーホッパー又は現像装置に供給する方法や、中間室において補給用トナーとリサイクルトナーとを混合して現像装置へ供給する方法等をあげることができる。好ましくは現像装置へ直接戻す方式あるいは中間室にて補給用トナーとリサイクルトナーとを混合して供給する方式をあげることができる。
電子写真感光体30は、導電性基体と、前記導電性基体上に形成された感光層とを少なくとも備えてなり、必要に応じて下塗り層、保護層等のその他の層を備えていてもよい。また、前記感光層は、一層のみからなっていてもよいし、電荷発生層と電荷輸送層とから構成される機能分離型の感光層であってもよい。前記感光層が機能分離型である場合、前記導電性基体側から電荷発生層と電荷輸送層とがこの順に積層されている態様が好ましい。
導電性基体としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属又は合金を用いた金属板、金属ドラム、金属ベルト、あるいは導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニウム、パラジウム、金等の金属又は合金を塗布、蒸着、あるいはラミネートした紙、プラスチックフィルム、ベルト等が挙げられる。
電子写真感光体がレーザープリンターに使用される場合には、レーザーの発振波長としては350nmから850nmのものが好ましく、短波長のものほど解像度に優れるため好ましい。また、レーザー光を照射する際に生じる干渉縞を防止するために、導電性基体の表面は、中心線平均粗さRaで0.04μm〜0.5μmに粗面化することが好ましい。粗面化の方法としては、研磨剤を水に懸濁させて基体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、あるいは、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化などが好ましい。
Raが0.04μmより小さいと、鏡面に近くなるので干渉防止効果が得られなくなり、Raが0.5μmより大きいと、本発明による被膜を形成しても画質が粗くなって不適である。非干渉光を光源に用いる場合には、干渉縞防止の粗面化は特に必要なく、基材の表面の凹凸による欠陥の発生が防げるため、より長寿命化に適する。
陽極酸化処理はアルミニウムを陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することによりアルミニウム表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、そのままの多孔質陽極酸化膜は化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、陽極酸化膜の微細孔を加圧水蒸気または沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行う。
陽極酸化膜の膜厚については0.3〜15μmが好ましい。0.3μmより薄い場合は注入に対するバリア性が乏しく効果が十分でない。また、15μmより厚い場合は繰り返し使用による残留電位の上昇を招く。
リン酸、クロム酸及びフッ酸からなる酸性処理液による処理は以下の様に実施される。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸およびフッ酸の配合割合は、リン酸が、10〜11質量%の範囲、クロム酸が3〜5質量%の範囲、フッ酸が0.5〜2質量%の範囲であって、これらの酸全体の濃度は、13.5〜18質量%の範囲が好ましい。処理温度は、42〜48℃であるが、処理温度を高く保つことにより、一層速く、かつ厚い被膜を形成することができる。被膜の膜厚については0.3〜15μmが好ましい。0.3μmより薄い場合は注入に対するバリア性が乏しく効果が十分でない。また、15μmより厚い場合は繰り返し使用による残留電位の上昇を招く。
導電性基体のベーマイト処理は、90〜100℃の純水中に5〜60分間浸漬するか、90〜120℃の加熱水蒸気に5〜60分間接触させることにより行うことができる。被膜の膜厚については0.1〜5μmが好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩などの皮膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
所望により導電性基体と感光層との間に下引き層を形成することもできる。下引き層に用いられる材料としてはジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムカップリング剤などの有機ジルコニウム化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタネートカップリング剤などの有機チタン化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムカップリング剤などの有機アルミニウム化合物のほか、アンチモンアルコキシド化合物、ゲルマニウムアルコキシド化合物、インジウムアルコキシド化合物、インジウムキレート化合物、マンガンアルコキシド化合物、マンガンキレート化合物、スズアルコキシド化合物、スズキレート化合物、アルミニウムシリコンアルコキシド化合物、アルミニウムチタンアルコキシド化合物、アルミニウムジルコニウムアルコキシド化合物、などの有機金属化合物、とくに有機ジルコニウム化合物、有機チタニル化合物、有機アルミニウム化合物は残留電位が低く良好な電子写真特性を示すため、好ましく使用される。
また、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス2メトキシエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−2−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を含有させて使用することができる。
さらに、従来より下引き層に用いられるポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレノキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリイミド、カゼイン、ゼラチン、ポリエチレン、ポリエステル、フェノール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリウレタン、ポリグルタミン酸、ポリアクリル酸等の公知の結着樹脂を用いることもできる。これらの混合割合は、必要に応じて適宜設定することができる。
また、下引き層中には電子輸送性顔料を混合/分散して使用することもできる。電子輸送性顔料としては、特開昭47−30330号公報に記載のペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料、また、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン原子等の電子吸引性の置換基を有するビスアゾ顔料やフタロシアニン顔料等の有機顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機顔料が上げられる。これらの顔料の中ではペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料と多環キノン顔料、酸化亜鉛、酸化チタンが、電子移動性が高いので好ましく使用される。
また、これらの顔料の表面は、分散性、電荷輸送性を制御する目的で上記カップリング剤や、バインダーなどで表面処理しても良い。混合/分散方法は、ボールミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、超音波等をもちいる常法が適用される。
混合/分散は有機溶剤中で行われるが、有機溶剤としては、有機金属化合物や樹脂を溶解し、また、電子輸送性顔料を混合/分散したときにゲル化や凝集を起こさないものであれば如何なるものでも使用できる。
例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
下引き層の厚みは一般的には、0.1〜30μm、好ましくは0.2〜25μmが適当である。また、下引き層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。塗布したものを乾燥させて下引き層を得るが、通常、乾燥は溶剤を蒸発させ、製膜可能な温度で行われる。特に、酸性溶液処理、ベーマイト処理を行った基材は、基材の欠陥隠蔽力が不十分となり易いため、下引き層を形成することが好ましい。
次に電荷発生層について説明する。
電荷発生層に含まれる電荷発生材料は、ビスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料、ジブロモアントアントロンなどの縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料等の有機顔料や、三方晶セレン、酸化亜鉛などの無機顔料など既知のもの全て使用することができるが、特に380nm〜500nmの露光波長を用いる場合には無機顔料が好ましく、700nm〜800nmの露光波長を用いる場合には、金属及び無金属フタロシアニン顔料が好ましい。
その中でも、特開平5−263007及び、特開平5−279591に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン、特開平5−98181に開示されたクロロガリウムフタロシアニン、特開平5−140472及び、特開平5−140473に開示されたジクロロスズフタロシアニン、特開平4−189873及び、特開平5−43813開示されたチタニルフタロシアニンが特に好ましい。
結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択することができる、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシランなどの有機光導電性ポリマーから選択することもできる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂をあげることができるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
電荷発生材料と結着樹脂との配合比(質量比)は10:1〜1:10の範囲が好ましい。またこれらを分散させる方法としてはボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の通常の方法を用いることができるが、この際、分散によって該の結晶型が変化しない条件が必要とされる。
さらにこの分散の際、粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下の粒子サイズにすることが有効である。
またこれらの分散に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
電荷発生層の厚みは一般的には、0.1〜5μm、好ましくは0.2〜2.0μmが適当である。また、電荷発生層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
次いで、電荷輸送層について説明する。
電荷輸送層としては、公知の技術によって形成されたものを使用できる。電荷輸送層は、電荷輸送材料と結着樹脂を含有して形成されるか、あるいは高分子電荷輸送材を含有して形成される。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物があげられる。これらの電荷輸送材料は単独または2種以上混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの電荷輸送材料は単独あるいは2種以上混合して用いることができるが、モビリティーの観点から、以下の構造のものが好ましい。
Figure 2006267733
(式中、R14は、水素原子またはメチル基を示す。また、nは1又は2を意味する。Ar6及びAr7は置換又は未置換のアリール基あるいは、−C(R18)=C(R19)(R20)、―CH=CH―CH=C(Ar)2を表わし、R18、R19、R20は水素原子、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアリール基を表し、Arは、置換又は未置換のアリール基を表す。置換基としてはハロゲン原子、炭素数が1〜5の範囲のアルキル基、炭素数が1〜5の範囲のアルコキシ基、又は炭素数が1〜3の範囲のアルキル基で置換された置換アミノ基を示す。)
Figure 2006267733
(式中R15、R15' は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、を表わす。R16、R16'、R17、R17' は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換又は未置換のアリール基、あるいは、−C(R18)=C(R19)(R20)、―CH=CH―CH=C(Ar)2を表わし、R18、R19、R20は水素原子、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアリール基を表し、Arは、置換又は未置換のアリール基を表す。mおよびnは0〜2の整数である。)
Figure 2006267733
(式中R21は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、置換又は未置換のアリール基、または、―CH=CH―CH=C(Ar)2を表す。Arは、置換又は未置換のアリール基を表す。R22、R23は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換又は未置換のアリール基を表す。)
さらに電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材など高分子電荷輸送材を用いることもできる。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(質量比)は10:1〜1:5が好ましい。
また、高分子電荷輸送材を単独で用いることもできる。高分子電荷輸送材としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシランなどの電荷輸送性を有する公知のものを用いることができる。特に、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材は、高い電荷輸送性を有しており、とくに好ましいものである。高分子電荷輸送材はそれだけでも電荷輸送層として使用可能であるが、上記結着樹脂と混合して成膜してもよい。
本発明で用いる電荷輸送層の厚みは一般的には、5〜50μm、好ましくは10〜30μmが適当である。塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
電荷輸送層を設けるときに用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常に使われる有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
また、複写機中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光、熱による電子写真感光体の劣化を防止する目的で、感光層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の添加剤を添加することができる。例えば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等があげられる。光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン等の誘導体があげられる。また、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、少なくとも1種の電子受容性物質を含有させることができる。
電子写真感光体に使用可能な電子受容物質としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等や、後述する一般式(I)で示される化合物をあげることができる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系やCl, CN, NO2等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
本発明に係る電子写真感光体としては表面の傷などに対する耐性を持たせ長寿命化を図るため高強度の表面層を設けることが好ましい。高強度の表面層としては、バインダー樹脂中に導電性微粒子を分散したもの、通常の電荷輸送層材料にフッ素樹脂、アクリル樹脂などの潤滑性微粒子や受酸効果を有する複合微粒子を分散させたもの、シリコンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができるが、膜強度の観点から、架橋構造を有するものが好ましい。
感光体の表面(最表面層)に架橋構造を有する樹脂が含まれるために、表面の硬度が高く耐磨耗性に優れ、ブラシ摺擦により発生する傷を抑制することができる。そのため、ブラシ毛先の傷に沿った不均一な摺擦を抑制し感光体を均一に摺擦することが可能となり、受酸効果を有する複合微粒子による放電生成物除去効果をより均一に長期に渡って発現させることができる。
受酸効果を有する複合微粒子としては、陰イオン交換性を有する化合物からなる微粒子であることが好ましく、具体的には、水酸化アルミニウム・マグネシウムであるハイドロタルサイト化合物や、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈物等からなる微粒子を使用することが可能で、なかでも、ハイドロタルサイト化合物からなる微粒子が好ましく、特に、層状構造を有するハイドロタルサイト化合物からなる微粒子を使用することが好ましい。
なお、前記「受酸効果を有する化合物」とは、酸を吸着する効果を有する化合物をいう。
架橋構造を形成するものとしては種々の材料を用いることが出来るが、特性上フェノール樹脂、シロキサン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが好ましく、フェノール樹脂またはシロキサン系樹脂からなるものが好ましい。なお、保護層には、架橋構造を有する樹脂以外にも必要に応じて、架橋構造を有さないバインダー樹脂や、導電性微粒子、また、フッ素樹脂やアクリル樹脂などからなる潤滑性微粒子が含まれていてもよく、最表面層の形成に際しては、必要に応じてシリコンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができる。最表面層の形成には架橋構造を有する樹脂を構成する前駆体を少なくとも含む最表面層形成用溶液が用いられる。
さらに電気特性や画質維持性などの観点からは、電子写真感光体の最表面層が、電荷輸送能を有する構造単位を含み架橋構造を有する樹脂を含有する保護層であることが好ましい。この場合、積層構成型の電子写真感光体では、保護層が電荷輸送層の一部として機能することもできる。
電荷輸送能を有する構造単位を含み架橋構造を有する樹脂を含有する保護層は、架橋構造を有する樹脂としてメチロール基を有するフェノール誘導体またはシロキサン系樹脂と、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送材料とを含有するものがより好ましく、架橋構造を有する樹脂としてメチロール基を有するフェノール誘導体を用いることがさらに好ましい。
また、メチロール基を有するフェノール誘導体含有層の赤外吸収スペクトルが下記式で示される条件を満たすことで電気特性に優れ高画質化が図れる為特に好ましい。
(P2/P1)≦0.2
[式中、P1は1560cm-1〜1640cm-1に存在する最大吸収ピークの吸光度を、P2は1645cm-1〜1700cm-1に存在する最大吸収ピークの吸光度を示す。]
上記式で上述の効果が得られる理由は必ずしも明確ではないが、本発明者らは以下のように推察する。
すなわち、メチロール基を有するフェノール誘導体を用いて塗膜を形成する過程において、フェノール誘導体のメチロール基のうちの一部は、ホルミル基等の酸化物になると考えられる。このようなホルミル基等の酸化物は、電子写真感光体における電荷輸送を妨げるキャリアトラップとして作用し、電子写真感光体の電気特性を低下させると考えられる。ここで、赤外吸収スペクトルにおいて、1560cm-1〜1640cm-1に存在する最大吸収ピーク(P1)は、フェノール誘導体の芳香族C−C伸縮振動に相当する。また、1645cm-1〜1700cm-1に存在する最大吸収ピーク(P2)は、ホルミル基等の酸化物に由来すると考えられる。
つまり、吸光度比(P2/P1)が小さい場合、メチロール基を有するフェノール誘導体含有層(保護層)中のホルミル基等の酸化物が少なく、キャリア輸送性に優れると考えられる。そして、本発明に係る電子写真感光体は、上記特定の材料を用い且つ吸光度比(P2/P1)が0.2以下であることから、電気特性に優れ、高画質化が達成できたと考えられる。なお、本発明に係る電子写真感光体は、電気特性と共に機械強度も優れており、この点も高画質化が達成できた要因であると考えられる。
なお、吸光度比(P2/P1)は、0.18以下が好ましく、0.17以下がより好ましい。吸光度比(P2/P1)が0.2を超えると、キャリア輸送性が低下し、感光体の電気特性が不十分となり、画質が低下する場合がある。
上記メチロール基を有するフェノール誘導体としては、モノメチロールフェノール類、ジメチロールフェノール類若しくはトリメチロールフェノール類のモノマー、それらの混合物、それらがオリゴマー化されたもの、又はそれらモノマーとオリゴマーの混合物が挙げられる。このようなメチロール基を有するフェノール誘導体は、レゾルシン、ビスフェノール等、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフェノール等の水酸基を1個含む置換フェノール類、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等の水酸基を2個含む置換フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールZ等のビスフェノール類、ビフェノール類等、フェノール構造を有する化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等とを、酸触媒又はアルカリ触媒下で反応させることで得られるもので、一般にフェノール樹脂として市販されているものも使用できる。なお、本明細書では、分子の構造単位の繰り返しが2〜20程度の比較的大きな分子をオリゴマーといい、それ以下のものをモノマーという。
上記酸触媒としては、硫酸、パラトルエンスルホン酸、リン酸等が用いられる。また、アルカリ触媒としては、NaOH、KOH、Ca(OH)2、Ba(OH)2等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物やアミン系触媒が用いられる。
アミン系触媒としては、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。塩基性触媒を使用した場合には、残留する触媒によりキャリアが著しくトラップされ、電子写真特性を悪化させる傾向がある。そのため、酸で中和するか、シリカゲル等の吸着剤や、イオン交換樹脂等と接触させることにより不活性化又は除去することが好ましい。
また、メチロール基を有するフェノール誘導体としては、フェノール樹脂が好ましく、レゾール型フェノール樹脂がより好ましい。
水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送材料としては、下記一般式(I)、(II)又は(III)で示される化合物であることが好ましい。
F−[(X1m1−(R1m2−Y]m3 (I)
上記式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、X1は酸素原子又は硫黄原子を、R1はアルキレン基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)を、Yは水酸基、カルボキシル基(−COOH)、チオール基(−SH)又はアミノ基(−NH2)を示し、m1及びm2はそれぞれ独立に0又は1を、m3は1〜4の整数を示す。
F−[(X2n1−(R2n2−(Z)n3G]n4 (II)
上記式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、X2は酸素原子又は硫黄原子を、R2はアルキレン基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)を、Zはアルキレン基、酸素原子、硫黄原子、NH又はCOOを、Gはエポキシ基を、n1、n2及びn3はそれぞれ独立に0又は1を、n4は1〜4の整数を示す。
F−[D−Si(R3(3-a)ab (III)
式(III)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、Dは可とう性を有する2価の基を、R3は水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)又は置換若しくは未置換のアリール基(炭素数は6〜20が好ましく、6〜15がより好ましい)を、Qは加水分解性基を、aは1〜3の整数を、bは1〜4の整数を示す。
また、上記可とう性を有する2価の基Dとしては、具体的には、光電特性を付与するためのFの部位と、3次元的な無機ガラス質ネットワークの構築に寄与する置換ケイ素基とを結びつける働きを担う2価の基である。また、Dは、堅い反面もろさも有する無機ガラス質ネットワークの部分に適度な可とう性を付与し、膜としての機械的強靱さを向上させる働きを担う有機基構造を表す。Dとして具体的には、−CαH2α−、−CβH2β-2−、−CγH2γ-4−で表わされる2価の炭化水素基(ここで、αは1〜15の整数を表し、βは2〜15の整数を表し、γは3〜15の整数を表す)、−COO−、−S−、−O−、−CH2−C64−、−N=CH−、−(C64)−(C64)−、及び、これらの特性基を任意に組み合わせた構造を有する特性基、更にはこれらの特性基の構成原子を他の置換基と置換したもの等が挙げられる。また、上記加水分解性基Qとしては、アルコキシ基が好ましく、炭素数1〜15のアルコキシ基がより好ましい。
上記一般式(I)〜(III)で示される化合物における正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基Fとしては、下記一般式(V)で示される化合物が好ましい。
Figure 2006267733
ここで、上記式(V)中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、Ar5は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、且つAr1〜Ar5のうち1〜4個は、上記式(I)〜(III)で示される化合物における−[(X1m1−(R1m2−Y]、−[(X2n1−(R2n2−(Z)n3G]、又は、−[D−Si(R3(3-a)a]で示される部位と結合手を有する。kは0又は1を示す。
また、保護層には、残留電位を下げるために導電性粒子を添加してもよい。導電性粒子としては、金属、金属酸化物及びカーボンブラック等が挙げられる。これらの中でも、金属又は金属酸化物がより好ましい。金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀及びステンレス等、又はこれらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したもの等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ、及びアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらは単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合しても、固溶体や融着の形にしてもよい。導電性粒子の体積平均粒子径は保護層の透明性の観点から、0.3μm以下が好ましく、0.1μm以下が特に好ましい。
また、保護層には、保護層の強度、膜抵抗等の種々の物性をコントロールするために、下記一般式(VII−1)で示される化合物を添加することもできる。
Si(R30(4-c)c (VII−1)
上記式(VII−1)中、R30は水素原子、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を、Qは加水分解性基を、cは1〜4の整数を示す。
上記一般式(VII−1)で示される化合物の具体例としては以下のようなシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の四官能性アルコキシシラン(c=4);メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトキシシラン等の三官能性アルコキシシラン(c=3);ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン等の二官能性アルコキシシラン(c=2);トリメチルメトキシシラン等の1官能アルコキシシラン(c=1)等を挙げることができる。膜の強度を向上させるためには3及び4官能のアルコキシシランが好ましく、可とう性、成膜性を向上させるためには1及び2官能のアルコキシシランが好ましい。
また、主にこれらのカップリング剤より作製されるシリコン系ハードコート剤も用いることができる。市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−40−2239(以上、信越シリコーン社製)、及びAY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)等を用いることができる。
また、保護層には、その強度を高めるために、一般式(VII−2)に示すような2つ以上のケイ素原子を有する化合物を用いることも好ましい。
B−(Si(R31(3-d)d2 (VII−2)
上記式(VII−2)中、Bは2価の有機基を、R31は水素原子、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を、Qは加水分解性基を、dは1〜3の整数を示す。
また、保護層には、ポットライフの延長、膜特性のコントロール、トルク低減、塗布膜表面の均一性向上のため、下記一般式(VII−3)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物、若しくはその化合物からの誘導体を含有させることもできる。
Figure 2006267733
上記式(VII−3)中、A1及びA2は、それぞれ独立に一価の有機基を示す。
一般式(VII−3)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物としては、市販の環状シロキサンを挙げることができる。具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素原子含有シクロシロキサン類、メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサン等のヒドロシリル基含有シクロシロキサン類、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン等のビニル基含有シクロシロキサン類等の環状のシロキサン等を挙げることができる。これらの環状シロキサン化合物は1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
更に、感光体表面の耐汚染物付着性、潤滑性、硬度等を制御するために、各種微粒子を添加することもできる。それらは、単独で用いることもできるが、2種以上を併用してもよい。
微粒子の一例として、ケイ素原子含有微粒子を挙げることができる。ケイ素原子含有微粒子とは、構成元素にケイ素を含む微粒子であり、具体的には、コロイダルシリカ及びシリコーン微粒子等が挙げられる。ケイ素原子含有微粒子として用いられるコロイダルシリカは、体積平均粒子径が好ましくは1〜100nm、より好ましくは10〜30nmであり、酸性若しくはアルカリ性の水分散液、或いはアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものから選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。保護層中のコロイダルシリカの固形分含有量は、特に限定されるものではないが、成膜性、電気特性、強度の面から保護層の固形分全量を基準として好ましくは0.1〜50質量%の範囲、より好ましくは0.1〜30質量%の範囲で用いられる。
ケイ素原子含有微粒子として用いられるシリコーン微粒子は、球状で、体積平均粒子径が好ましくは1〜500nm、より好ましくは10〜100nmであり、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子及びシリコーン表面処理シリカ粒子から選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。
シリコーン微粒子は、化学的に不活性で、樹脂への分散性に優れる小径粒子であり、さらに十分な特性を得るために必要とされる含有量が低いため、架橋反応を阻害することなく、感光体の表面性状を改善することができる。即ち、強固な架橋構造中に均一に取り込まれた状態で、感光体表面の潤滑性、撥水性を向上させ、長期間にわたって良好な耐摩耗性、耐汚染物付着性を維持することができる。保護層中のシリコーン微粒子の含有量は、保護層の固形分全量を基準として好ましくは0.1〜30質量%の範囲であり、より好ましくは0.5〜10質量%の範囲である。
また、その他の微粒子としては、4弗化エチレン、3弗化エチレン、6弗化プロピレン、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のフッ素系微粒子や”第8回ポリマー材料フォーラム講演予稿集p89”に示される様な、フッ素樹脂と水酸基を有するモノマーを共重合させた樹脂からなる微粒子、ZnO−Al23、SnO2−Sb23、In23−SnO2、ZnO−TiO2、ZnO−TiO2、MgO−Al23、FeO−TiO2、TiO2、SnO2、In23、ZnO、MgO等の半導電性金属酸化物を挙げることができる。また、同様な目的でシリコーンオイル等のオイルを添加することもできる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコーンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンオイル等を挙げることができる。これらは、保護層形成用塗布液に予め添加してもよいし、感光体を作製後、減圧、或いは加圧下等で含浸処理してもよい。
また、可塑剤、表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等の添加剤を使用することもできる。可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。保護層にはヒンダートフェノール、ヒンダートアミン、チオエーテル又はホスファイト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
酸化防止剤としては以下のような化合物が挙げられる。例えば、ヒンダートフェノール系としては、「Sumilizer BHT−R」、「Sumilizer MDP−S」、「Sumilizer BBM−S」、「Sumilizer WX−R」、「Sumilizer NW」、「Sumilizer BP−76」、「Sumilizer BP−101」、「Sumilizer GA−80」、「Sumilizer GM」、「Sumilizer GS」以上住友化学社製、「IRGANOX1010」、「IRGANOX1035」、「IRGANOX1076」、「IRGANOX1098」、「IRGANOX1135」、「IRGANOX1141」、「IRGANOX1222」、「IRGANOX1330」、「IRGANOX1425WL」、「IRGANOX1520L」、「IRGANOX245」、「IRGANOX259」、「IRGANOX3114」、「IRGANOX3790」、「IRGANOX5057」、「IRGANOX565」以上チバスペシャリティーケミカルズ社製、「アデカスタブAO−20」、「アデカスタブAO−30」、「アデカスタブAO−40」、「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」、「アデカスタブAO−70」、「アデカスタブAO−80」、「アデカスタブAO−330」以上旭電化製。ヒンダートアミン系としては、「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS770」、「サノールLS744」以上三共ライフテック株式会社製、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」、「スミライザーTPS」、チオエーテル系としては、「スミライザーTP−D」、ホスファイト系としては、「マーク2112」、「マークPEP・8」、「マークPEP・24G」、「マークPEP・36」、「マーク329K」、「マークHP・10」が挙げられ、特にヒンダートフェノール、ヒンダートアミン系酸化防止剤が好ましい。さらに、これらは架橋膜を形成する材料と架橋反応可能な例えばアルコキシシリル基等の置換基で変性してもよい。
また、保護層には、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂を含有させてもよい。この場合、絶縁性樹脂は、所望の割合で添加することができ、これにより、電荷輸送層との接着性、熱収縮やハジキによる塗布膜欠陥等を抑制することができる。
本発明に用いられるトナーは、特に製造方法により限定されるものではなく、例えば結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等により得られるものが使用できる。
また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法など、公知の方法を使用することができるが、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が好ましく、乳化重合凝集法が特に好ましい。
トナー粒子は結着樹脂と着色剤、離型剤等とからなり、必要であれば、シリカや帯電制御剤を用いてもよい。トナー粒子の体積平均粒径は2〜12μmの範囲が好ましく3〜9μmの範囲がより好ましい。また、トナー粒子の平均形状係数SFが100〜145の範囲のものを用いることにより、高い現像、転写性、及び高画質の画像を得ることができる。トナー粒子の平均形状係数SFのさらに好ましい範囲は110〜140である。
本発明において、形状係数SFとは下記式で定義される値をいう。
SF=100×π×ML2/4A
上記式において、SFは形状係数を、MLは粒子の絶対最大長を、Aは粒子の投影面積を表す。ML及びAは、例えば、ルーゼックス画像解析装置(株式会社ニレコ製、FT)を用いて計測可能である。上記式に基づき求められた形状係数SFの値をトナー粒子100個について求め、その平均を平均形状係数SFとした。
使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
使用される着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
また、トナーには必要に応じて帯電制御剤が添加されてもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減との点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。本発明におけるトナーは、磁性材料を内包する磁性トナー、および磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
本発明に用いられるトナーには、外添剤として潤滑剤を添加することが好ましい。これにより、潤滑剤を電子写真感光体表面に供給することができ、その結果としてブラシの摺擦による電子写真感光体表面の傷やブラシ上の堆積物の再付着を防止することができる。
潤滑剤の具体例としては、グラファイト、二硫化モリブデン、滑石、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の固体潤滑剤;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪族アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのような動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス;及びそれらの変性物が使用でき、これらを単独で使用するか、あるいは併用しても良い。
特にトナーに添加する潤滑剤としては劈開性を有することより摩擦低減効果の高い脂肪酸金属塩、特にはステアリン酸亜鉛が良い。ステアリン酸亜鉛の添加量は0.01〜2.0質量%が好ましく、0.05〜0.5質量%がより好ましい。潤滑剤の添加量が0.01質量%より少ない場合は十分な潤滑効果を発揮できず、2.0質量%よりも多い場合は像担持体の付着量が過剰となり、高温高湿下で像流れが発生し易くなる上、トナーその物の帯電特性に悪影響を与えてしまう。
本発明に用いるトナーには、電子写真感光体表面の付着物、劣化物除去の目的等で、無機微粒子、有機微粒子、該有機微粒子に無機微粒子を付着させた複合微粒子などを加えることができるが、研磨性に優れる無機微粒子が特に好ましい。
無機微粒子の具体例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。
また、上記無機微粒子にテトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどのチタンカップリング剤、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤などで処理を行っても良い。また、シリコーンオイル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩による疎水化処理も好ましく行うことができる。
有機微粒子としては、スチレン樹脂粒子、スチレンアクリル樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子等を挙げることができる。これらの粒子径としては、小さすぎると研磨能力に欠け、また、大きすぎると電子写真感光体表面に傷を発生しやすくなるため、体積平均粒子径で5〜1000nmの範囲、好ましくは5〜800nmの範囲、より好ましくは5〜700nmの範囲のものが使用される。また、前記潤滑性粒子の添加量との和が、0.6質量%以上であることが好ましい。
トナーに添加されるその他の無機酸化物としては、粉体流動性、帯電制御等のため、1次粒径が40nm以下の小径無機酸化物を、更に付着力低減や帯電制御のため、それより大径の無機酸化物を挙げることができる。これらの無機酸化物微粒子は公知のものを使用することができるが、精密な帯電制御を行うためには、シリカと酸化チタンとを併用することが好ましい。また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性を向上させる効果が大きくなる。
本発明に用いられるトナーは、前記トナー粒子及び上記外添剤をヘンシェルミキサー、あるいはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、トナー粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
また、本発明におけるトナーをカラートナーとして用いる場合には、キャリアと混合して使用されることが好ましいが、該キャリアとしては、鉄粉、ガラスビーズ、フェライト粉、ニッケル粉、またはそれ等の表面に樹脂コーテイングを施したものが使用される。また、キャリアとトナーとの混合割合は、適宜設定することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」はすべて「質量部」を意味する。
トナー母粒子、凝集粒子等、μmオーダーの粒子は、マルチサイザー(日科機社製)を用い、アパーチャー径100μmのもので測定した。
樹脂粒子、着色剤粒子、離型剤粒子等、nmオーダーの粒子は電子顕微鏡FE−SEM S4100((株)日立製作所)を用いて測定した。
[トナー母粒子の製造]
(樹脂微粒子分散液の調整)
スチレン370部,n−ブチルアクリレート30部,アクリル酸8部、ドデカンチオール24部、四臭化炭素4部を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10部をイオン交換水550部に溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果体積平均粒子径が150nmであり、ガラス転移点が58℃、重量平均分子量Mw=11500の樹脂粒子が分散された樹脂微粒子分散液が得られた。この分散液の固形分濃度は40質量%であった。
(着色剤分散液(1)の調整)
カーボンブラック(モーガルL:キャボット製) 60部
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 6部
イオン交換水 240部
以上の成分を混合して、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して体積平均粒子径が250nmである着色剤(カーボンブラック)粒子が分散された着色剤分散剤(1)を調整した。
(着色剤分散液(2)の調整)
Cyan顔料B15:3 60部
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 5部
イオン交換水 240部
以上の成分を混合して、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して体積平均粒子径が250nmである着色剤(Cyan顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(2)を調整した。
(着色剤分散液(3)の調整)
Magenta顔料R122 60部
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 5部
イオン交換水 240部
以上の成分を混合して、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して体積平均粒子径が250nmである着色剤(Magenta顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(3)を調整した。
(着色分散液(4)の調整)
Yellow顔料Y180 90部
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 5部
イオン交換水 240部
以上の成分を混合して、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して体積平均粒子径が250nmである着色剤(Yellow顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(4)を調整した。
(離型剤分散液)
パラフィンワックス(HNP0190:日本精蝋(株)製、融点85℃)
100部
カチオン性界面活性剤 (サニゾールB50:花王(株)製) 5部
イオン交換水 240部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が550nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液を調整した。
<トナー母粒子Kの調整>
樹脂微粒子分散液 234部
着色剤分散液(1) 30部
離型剤分散液 40部
ポリ水酸化アルミニウム(浅田化学社製、Paho2S) 0.5部
イオン交換水 600部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら40℃まで加熱した。40℃で30分保持した後、体積平均粒子径が4.5μmの凝集粒子が生成していることを確認した。更に加熱用オイルバスの温度を上げて56℃で1時間保持し、体積平均粒子径は5.3μmとなった。その後、この凝集体粒子を含む分散液に26部の樹脂微粒子分散液を追加した後、加熱用オイルバスの温度を50℃まで上げて30分間保持した。この凝集体粒子を含む分散液に1N水酸化ナトリウムを追加して系のpHを7.0に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら90℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、このトナー母粒子を濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥してトナー母粒子Kを得た。トナー母粒子Kの体積平均粒子径が5.9μm、平均形状係数SFは123であった。
<トナー母粒子Cの調整>
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(2)を用いる以外はトナー母粒子Kと同様にしてトナー母粒子Cを得た。このトナー母粒子Cの体積平均粒子径は5.8μm,平均形状係数SFは120であった。
<トナー母粒子Mの調整>
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(3)を用いる以外はトナー母粒子Kと同様にしてトナー母粒子Mを得た。このトナー母粒子Mの体積平均粒子径は5.5μm,平均形状係数SFは122であった。
<トナー母粒子Yの調整>
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(4)を用いる以外はトナー母粒子Kと同様にしてトナー母粒子Yを得た。このトナー母粒子Yの体積平均粒子径は5.9μm,平均形状係数SFは120であった。
[キャリヤの製造]
フェライト粒子(体積平均粒径:50μm) 100部
トルエン 14部
スチレン/メタクリレート共重合体(成分比:90/10) 2部
カーボンブラック(R330:キャボット社製) 0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて、分散した被覆液を調整し、次に、この被覆液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリヤを得た。このキャリヤは、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗値が1011Ωcmであった。
本発明に使用する感光体について説明する。
[感光体の作製]
4部のポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水化学社製)を溶解したn−ブチルアルコール170部に、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセトンジルコニウムブチレート)30部および有機シラン化合物(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)3部を添加、混合撹拌して下引き層形成用の塗布液を得た。この塗布液を、ホーニング処理により粗面化された外径40mmのアルミニウム支持体の上に浸漬塗布し、室温で5分間風乾を行った後、支持体を10分間で50℃に昇温し、50℃、85%RH(露点47℃)の恒温恒湿槽中に入れて、20分間加湿硬化促進処理を行った。その後、熱風乾燥機に入れて170℃で10分間乾燥を行い下引き層を形成した。
電荷発生材料として、塩化ガリウムフタロシアニン15部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニオンカーバイト社製)10部およびn−ブチルアルコール300部からなる混合物をサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液を、上記下引き層上に浸漬塗布し、乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。次に、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン40部とビスフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量40,000)60部とをテトラヒドロフラン235部及びモノクロロベンゼン100部に十分に溶解混合した。得られた塗布液を上記電荷発生層まで塗布したアルミニウム支持体上に浸漬塗布し、乾燥することにより、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
下記化合物1を5部、レゾール型フェノール樹脂(PL−4852、群栄化学社製)を7部、メチルフェニルポリシロキサンを0.03部、及びイソプロパノ−ルを20部混合して溶解し、保護層形成用塗布液を得た。この塗布液を浸漬コーティング法で上記電荷輸送層上に塗布し、130℃で40分乾燥させ、膜厚3μmの保護層を形成した。得られた感光体を感光体Aとした。
Figure 2006267733
(実施例1)
富士ゼロックスColorDT60Vに下記回転ブラシ1により回収されたトナーを現像装置に戻すリサイクル手段を追加工し、電子写真感光体の回転方向上流側に下記回転ブラシ1を、回転方向下流側に下記回転ブラシ2を備え、現像剤として下記現像剤を用い、感光体として上記感光体Aを備えた実験機を用いて10万枚のランニングテストを行い、非画像部かぶり、感光体傷、フィルミング及びクリーニング不良について下記基準に基づいて評価した。得られた結果を表1に示す。
回転ブラシ1:ナイロンにカーボン分散した導電性繊維、電気抵抗が108Ω、繊維太さ2デニール、繊維密度120k本/inch2、印加電圧(バイアス)+200v、電子写真感光体の回転方向とは同方向(against)に69rpm。
回転ブラシ2:回転ブラシ1と同じ、印加電圧(バイアス)−400v、電子写真感光体の回転方向とは同方向(against)に69rpm。
現像剤:前記トナー母粒子100部に潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を0.1部添加しトナーを作製した。このトナーの帯電極性はマイナスであった。またキャリア100部とこのトナー6部とをV−ブレンダーで50rpm×15分間攪拌し現像剤を作製した。
(実施例2)
回転ブラシ1として下記ブラシを用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
回転ブラシ1:ナイロンにカーボン分散した導電性繊維、電気抵抗が108Ω、繊維太さ10デニール、繊維密度360K本/inchi2、印加電圧(バイアス)+200v、電子写真感光体の回転方向とは同方向(against)に69rpm。
(比較例1)
回転ブラシ2の代わりに硬度(JISA硬度)80度、電子写真感光体との接触圧3.5gf/mmのウレタンブレードを設置した以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
(比較例2)
回転ブラシ1に印可電圧(バイアス)をかけず、且つ外添剤としてステアリン酸亜鉛を添加しない以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
(非画像部かぶり)
10万枚ランニングテスト後に画像を採取し画質への影響の有無の官能評価を行った。
○:画質上未発生。
×:画質上発生。
(感光体傷)
10万枚ランニングテスト後の電子写真感光体表面を目視で観察した。
○:電子写真感光体表面に傷がない。
×:電子写真感光体表面に傷がある。
(フィルミング)
10万枚ランニングテスト後の電子写真感光体表面を目視で観察した。また画像を採取し画質への影響の有無の官能評価を行った。
○:電子写真感光体に付着物がない。
△:電子写真感光体に付着物があるが、画質上は白スジが未発生。
×:電子写真感光体に付着物があり、画質上も白スジが発生。
(クリーニング不良)
10万枚ランニングテスト後の電子写真感光体表面を目視で観察した。また画像を採取し画質への影響の有無の官能評価を行った。
○:電子写真感光体に残留トナーがない。
△:電子写真感光体に残留トナーがあるが、画質上は色スジが未発生。
×:電子写真感光体に残留トナーがあり、画質上も色スジが発生。
Figure 2006267733
本発明の画像形成装置の一実施形態に係る概略構成図である。
符号の説明
10 第1のブラシ
20 第2のブラシ
30 電子写真感光体
40 非接触型帯電装置
50 露光装置
60 現像装置
70 転写装置
80 クリーニング装置
90 トナー戻り管
100 画像形成装置

Claims (5)

  1. 電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
    前記電子写真感光体の表面に形成された潜像をトナーを含有する現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、
    前記トナーの帯電極性とは異なる極性の電圧が印加された第1のブラシと前記トナーの帯電極性と同じ極性の電圧が印加された第2のブラシとを含み、転写後の前記電子写真感光体表面の残留トナーを回収するトナー回収手段と、
    前記第1のブラシにより回収されたトナーをリサイクルトナーとして前記現像手段に戻すリサイクル手段と、
    を備えた画像形成装置。
  2. 前記トナーが外添剤として潤滑剤を少なくとも含む請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記潤滑剤がステアリン酸亜鉛である請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記電子写真感光体が導電性基体上に感光層を少なくとも備えてなり、前記電子写真感光体の最表面層が、電荷輸送能を有する構造単位を含み架橋構造を有する樹脂を含有する保護層である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記保護層が、メチロール基を有するフェノール誘導体と、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送材料と、を含有する請求項4に記載の画像形成装置。
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