JP2017181604A - 画像形成装置用導電性部材、画像形成装置用転写ユニット及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
上記導電層は、連続相と1相の非連続相との2相からなり、該連続相と非連続相とが海−島構造を呈し、上記非連続相に陽イオンと陰イオンに解離可能な塩を偏在させ、該非連続相を構成する有機高分子材料は上記連続相を構成する有機高分子材料よりも上記陽イオンと陰イオンに解離可能な塩との親和性を高くし、
印加電圧100Vのもとで測定したJIS K6911に記載の体積抵抗率が104〜1012[Ω・cm]である上記有機高分子材料組成物から形成していることを特徴とする画像形成装置用の導電性部材」が開示されている。
請求項1に係る発明は、導電性の有機高分子材料を含む海部と、電子導電性の導電性付与剤の凝集体で構成され、粒径が100nm以上3μm以下である島部と、を有し、10μm×10μm角四方における前記島部の数が20個以上50個以下である導電層を有する画像形成装置用導電性部材。
請求項2に係る発明は、体積抵抗率が10.0LogΩ・cm以上12.5LogΩ・cm以下である請求項1に記載の画像形成装置用導電性部材。
請求項3に係る発明は、前記有機高分子材料が極性ゴムである請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置用導電性部材。
請求項4に係る発明は、前記導電性付与剤がカーボンブラックである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置用導電性部材。
請求項5に係る発明は、無端のベルト状である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置用導電性部材。
請求項7に係る発明は、前記転写ベルトが、トナー像が記録媒体に転写される転写部において前記記録媒体を搬送する記録媒体搬送転写ベルトである請求項6に記載の画像形成装置用転写ユニット。
請求項9に係る発明は、前記トナー像が前記記録媒体に転写される転写部において前記記録媒体を搬送する記録媒体搬送転写ベルトである請求項8に記載の画像形成装置。
本実施形態に係る画像形成装置用導電性部材(以下、「導電性部材」と称する場合がある。)は、導電性の有機高分子材料と電子導電性の導電性付与剤とを含む導電層を有する。導電層は、導電性の有機高分子材料を含む海部と、電子導電性の導電性付与剤の凝集体で構成され、粒径が50nm以上3μm以下である島部と、を有し、10μm×10μm角四方における前記島部の数が20個以上50個以下である。なお、本明細書において、「導電性」とは一例として体積抵抗率が1.0×109Ω・m未満であることを意味する。
本実施形態に係る導電性部材は、高電圧(例えば、1.0kV以上)の印加が繰り返されても電気抵抗の上昇が抑制される。その理由は定かでないが、以下のように推測される。
上記のように記録媒体を転写部に搬送する記録媒体搬送転写ベルト(以下、「搬送転写ベルト」又は「転写ベルト」と称する場合がある。)には、ベルトを構成する高分子材料としてポリイミドに代表される樹脂ベルト、又は、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、エピクロルヒドリンゴム(ECO)等のゴム成分を含む弾性ベルトが用いられているが、ベルトの蛇行を抑制する観点から、弾性ベルトを用いることが好ましい。
また、非通紙領域への電流の流出により発生する用紙端部の転写不良の発生を抑制する為に、搬送転写ベルトには、より高い抵抗が求められる。
一方、導電剤として電子導電性の導電性付与剤(以下、「電子導電剤」と称する場合がある)を用いた場合の導電は、電子導電剤等の導電担体間のホッピング電導によるものであり、電子導電剤間の高分子材料の絶縁破壊によって抵抗が低下すると考えられる。
基材層10Aは、導電性の有機高分子材料と電子導電性の導電性付与剤(以下、「電子導電剤」と称する場合がある。)とを含む導電層であり、必要に応じて、その他の周知の添加剤を含んで構成される。基材層10Aは、導電性の有機高分子材料を含む海部と、電子導電剤が凝集し、粒径が50nm以上3μm以下である島部と、を有し、10μm×10μm角四方における前記島部の数が20個以上50個以下となっている。
導電性の有機高分子材料は、基材層10Aにおいて海部を構成する。基材層10Aに含まれる導電性の有機高分子材料としては、導電性を有する樹脂材料又はゴム材料が挙げられる。本実施形態に係る導電性部材を搬送転写ベルトとして用いる場合、基材層10Aに含まれる導電性の有機高分子材料は、弾性の観点からゴム材料が好ましい。
また、電気抵抗制御の観点から、導電性の有機高分子材料は、ゴム成分としてEPDM、CR、ECO、及びNBRを配合したゴム材料が好ましく、ゴム材料100質量%に対し、各ゴム成分を以下の質量比で含むことがより好ましい。
・EPDM:20質量%以上45質量%以下(さらに好ましくは35質量%以上40質量%以下)
・CR:20質量%以上40質量%以下(さらに好ましくは30質量%以上35質量%以下)
・ECO:0質量%以上20質量%以下(さらに好ましくは10質量%以上15質量%以下)
・NBR:0質量%以上15質量%以下
導電性付与剤(導電剤)としては、一般的に、電子伝導性の導電剤(電子導電剤)とイオン伝導性の導電剤(イオン導電剤)があるが、本実施形態における基材層10Aは、電子導電剤を含む。基材層10Aに含まれる電子導電剤は、基材層10Aにおいて凝集して島部を構成している。基材層10Aにおいて電子導電剤が凝集して構成された島部(凝集体)のうち、粒径が100nm以上3μm以下である島部が、10μm×10μm角四方において20個以上50個以下存在している。
高電圧印加によって海部への電流の集中を抑制し、且つ、島−島間での絶縁破壊を抑制する観点から、電子導電剤が凝集した粒径が100nm以上3μm以下である島部は、10μm×10μm角四方において20個以上50個以下であることが好ましく、25個以上40個以下であることがより好ましい。
なお、基材層10Aにおいて粒径が100nm未満の島部が多少存在してもよいが、電子導電剤による島部のうち、100nm以上3μm以下である島部の面積比は60%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、100%、すなわち、100nm未満の島部が存在しないことが特に好ましい。また、3μmを超える島部については、島部への電界集中による絶縁破壊を引き起こす事がある為、存在しないことが好ましい。
特に、カーボンブラックの平均一次粒径を24nm以下とすると、カーボンブラックによる導電点が微細かつ均一性が高くなり、ベルト表面での放電劣化による抵抗低下が抑制され易くなる。
なお、上記観点からは、カーボンブラックの平均一次粒径は小さい程よいが、一次粒径が小さすぎると嵩密度が小さくなり取り扱いが困難になることや表面積が大きくなるために分散物がチキソ性を示すようになることから、10nm以上(望ましくは12nm以上)であることがよい。
導電性部材の基材層10Aから、ミクロトームにより切断して、200nmの厚さの測定サンプルを採取し、本測定サンプルをTEM(透過型電子顕微鏡)により観察する。そして、カーボンブラックの一次粒子50個の径を測定して、その平均値を平均一次粒径とする。
なお、電子導電剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
例えば充填剤として、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等、クレー、タルク等、また、ゴム用薬品として、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤、プロセスオイル等、着色剤として、各種顔料等が挙げられる。
また、受酸剤、補強剤、などを添加してもよい。
表面層10Bは、必要に応じて基材層10A上に設けられる層である。表面層10Bは、例えば、樹脂材料と導電剤を含んで構成され、必要に応じて、その他の公知の添加剤を含んで構成される。
ゴム等から構成される基材層10Aは、シワが生じやすく、また、画像形成に伴って生成する放電生成物が付着しやすいが、基材層10Aの外周面上に表面層10Bが設けられていることでシワの発生や放電生成物、トナー等の付着が抑制される。
表面層10Bを構成する樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂などが挙げられる。
表面層10Bに含まれる導電剤としては、電子導電剤、イオン導電剤のいずれも挙げられる。
これらの中でも、ベルトの抵抗の環境変動を抑制する観点から、電子導電剤がよく、具体的には、カーボンブラックがよい。
カーボンブラックとしては、特に、電気抵抗の経時での安定性や、転写電圧による電界集中を抑制する電界依存性の観点から、pH5以下(好ましくはpH4.5以下であり、より好ましくはpH4.0以下)の酸化処理カーボンブラック(例えば表面にカルボキシル基、キノン基、ラクトン基、水酸基等を付与して得られたカーボンブラック)がよい。
なお、pH5以下のカーボンブラックとしては、基材層10Aの電子導電剤として説明したものと同様である。
なお、表面層10Bにおける導電剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
(表面抵抗率及び体積抵抗率)
本実施形態に係る導電性部材10が搬送転写ベルトの場合、その外周面の表面抵抗率は、8.5LogΩ/□以上11.0LogΩ/□以下であることが好ましく、10.0LogΩ/□以上11.0LogΩ/□以下であることがより好ましい。
また、本実施形態に係る導電性ベルト部材10が搬送転写ベルトの場合の全体の体積抵抗率は、10.0LogΩ・cm以上12.5LogΩ・cm以下であることが好ましく、10.0LogΩ・cm以上11.6LogΩ・cm以下であることがより好ましい。本実施形態に係る導電性ベルト部材10の体積抵抗率が10.0LogΩ・cm以上であれば、非通紙領域への電流の流れ込みにより発生する用紙端部の転写不良を抑制することが可能であり、12.5LogΩ・cm以下であれば、転写電圧が増えることに伴い発生する放電による不具合を抑制することが出来る。
式:ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
なお、表面抵抗率は、円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極部Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧500V、10秒印加後の電流値を求め算出する。
式ρv=19.6×(V/I)×t
なお、体積抵抗率は、円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極部Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧500V、10秒印加後の電流値を求め算出する。
本実施形態に係る導電性部材の製造方法は特に限定されず、例えば、図2に示す層構成を有する導電性ベルト部材10を製造する場合は、基材層10Aが、導電性の有機高分子材料を含む海部と、電子導電剤の凝集体で構成され、粒径が50nm以上3μm以下である島部と、を有し、10μm×10μm角四方における前記島部の数が20個以上50個以下となればよい。例えば以下のように基材層10Aを形成後、基材層10Aの外周面上に表面層10Bを形成することで製造することができる。
まず、基材層10Aの形成として、例えば、クロロプレンゴム、EPDM等のゴム材料、電子導電剤、加硫剤、加硫促進剤等を配合したゴム組成物をバンバリーミキサーに投入し、混練する。
さらにロールによって十分混練した混練物をチューブクロスヘッド押出成形機により無端のベルト状に成形し、無端のベルト状に成形されたゴム組成物を加硫缶内で加圧蒸気により加熱することで加硫して基材ゴムを形成した。得られた基材を金属製チューブの外側に被せ、表面を研磨加工することで無端のベルト状の基材層10Aが得られる。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により前記像保持体の表面の前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記本実施形態に係る導電性ベルト部材を含む転写ベルトを有し、前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、を備えた画像形成装置である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図4に示すように、例えば、いわゆるタンデム方式であり、電子写真感光体からなる4つの像保持体101a〜101dの周囲に、その回転方向に沿って順次、帯電装置102a〜102d、露光装置114a〜114d、現像装置103a〜103d、一次転写装置(一次転写ロール)105a〜105d、像保持体クリーニング装置104a〜104dが配置されている。尚、転写後の像保持体101a〜101dの表面に残留している残留電位を除去するために除電器を備えていてもよい。
像保持体101a〜101dとしては、公知の電子写真感光体が広く適用される。電子写真感光体としては、感光層が無機材料で構成される無機感光体や、感光層が有機材料で構成される有機感光体などが用いられる。有機感光体においては、露光により電荷を発生する電荷発生層と、電荷を輸送する電荷輸送層を積層する機能分離型有機感光体や、電荷を発生する機能と電荷を輸送する機能を果たす単層型有機感光体が好適に用いられる。また、無機感光体においては、感光層がアモルファスシリコンにより構成されているものが、好適に用いられる。
帯電装置102a〜102dとしては、特に制限はなく、例えば、導電性(ここで、帯電装置における「導電性」とは例えば体積抵抗率が107Ω・cm未満を意味する。)または半導電性(ここで、帯電装置における「半導電性」とは例えば体積抵抗率が107以上1013Ωcm以下を意味する。)のローラ、ブラシ、フィルム、またはゴムブレード等を用いた接触型帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器など、公知の帯電器が広く適用される。これらの中でも接触型帯電器が好ましい。
露光装置114a〜114dとしては、特に制限はなく、例えば、像保持体101a〜101dの表面に、半導体レーザ光、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)光、または液晶シャッタ光等の光源、またはこれらの光源からポリゴンミラーを介して定められた像様に露光し得る光学系機器など、公知の露光装置が広く適用される。
現像装置103a〜103dとしては、目的に応じて選択され。例えば、一成分系現像剤または二成分系現像剤をブラシ、またはローラ等を用い接触または非接触で現像する公知の現像器などが挙げられる。
一次転写ロール105a〜105dは単層または多層のいずれでもよい。例えば、単層構造の場合は、発泡または無発泡のシリコーンゴム、ウレタンゴム、またはEPDM等にカーボンブラック等の導電性粒子が適量配合されたロールで構成される。
像保持体クリーニング装置104a〜104dは、一次転写工程後の像保持体101a〜101dの表面に付着する残存トナーを除去するためのものであり、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、またはロールクリーニング等が用いられる。これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、またはシリコーンゴム等が挙げられる。
二次転写ロール109の層構造は、特に限定されるものではないが、例えば、三層構造の場合、コア層と中間層とその表面を被覆する塗布層により構成される。コア層は導電性粒子を分散したシリコーンゴム、ウレタンゴム、またはEPDM等の発泡体で、中間層はこれらの無発泡体で構成される。塗布層の材料としては、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、またはパーフルオロアルコキシ樹脂などが挙げられる。二次転写ロール109の体積抵抗率は107Ωcm以下であることが好ましい。また、中間層を除いた2層構造としてもよい。
対向ロール108は、二次転写ロール109の対向電極を形成する。対向ロール108の層構造は、単層または多層のいずれでもよい。例えば単層構造の場合は、シリコーンゴム、ウレタンゴム、またはEPDM等にカーボンブラック等の導電性粒子が適量配合されたロールで構成される。二層構造の場合は、上記のゴム材料で構成される弾性層の外周面を高抵抗層で被覆したロールから構成される。
定着装置110としては、例えば、熱ローラ定着器、加圧ローラ定着器、またはフラッシュ定着器など公知の定着器が広く適用される。
中間転写ベルトクリーニング装置112および113としては、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、またはロールクリーニング等が用いられる、これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、またはシリコーンゴム等が挙げられる。
以上により用紙上に目的とする画像が形成される。
本実施形態の画像形成装置用転写ユニット(以下、単に「転写ユニット」とも称する)は、上記本実施形態に係る導電性ベルト部材を含む転写ベルトと、前記転写ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、を備えている。
(基材ゴムの作製)
下記のゴム配合1の割合で各成分を配合してゴム組成物を調製した。
−ゴム配合1−
CR:(クロロプレンゴム、東ソー社製 TSR−61)35部
ECO:(エピクロロヒドリンゴム、ダイソー社製 610)15部
EPDM:(エチレンプロピレンジエンゴム、JSR社製 EP33)35部
NBR:(ニトリルブタジエンゴム、日本ゼオン社製 DN211)15部
硫黄(鶴見化学工業社製)0.5部
ZnO(協同化学社製)5部
加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラーM)1部
ステアリン酸 0.5部
導電性付与剤:CB(カーボンブラック、三菱化学社製 ♯3030B)23部
次いで、無端のベルト状に成形されたゴム組成物を加硫缶内で加圧蒸気(温度126℃、圧力1.5kg/cm2)により加熱することで加硫して基材ゴムを形成した。得られた基材ゴムを金属製チューブの外側に被せ、表面を研磨加工して無端のベルト状の基材ゴム層(径40mm、幅340mm、厚さ492μm)を作製した。
シリコン変性アクリルウレタン(日本アチソン社製 JYL841)100質量部に、デグサ社製カーボンブラック「FW200」を20質量部配合して表面層形成用溶液を調製した。
作製した基材ゴム層の表面に表面層形成用溶液をスプレーコートした後、180℃、30分間加熱乾燥して、表面層(厚さ:8μm)を形成した。
上記の方法により、径40mm、幅340mm、厚さ500μmの導電性ベルト部材を作製した。
実施例1の基材ゴムの作製においてゴム配合1をそれぞれ表1に示す配合に変更してゴム組成物を調製したこと以外は実施例1と同様にして導電性ベルト部材を作製した。
各例で得られた導電性ベルト部材について、下記の測定及び評価を行った。
<体積抵抗率の測定>
各例で得られた導電性ベルト部材の体積抵抗値の測定は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ)を用い、JIS K6911(1995年)に従って測定した。
なお、体積抵抗率は、円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧500V、10秒印加後の電流値を求め算出した。
体積抵抗率は測定した体積抵抗を基に電極面積及び厚みで換算して算出する。
各例で得られた導電性ベルト部材を、金属製チューブの外側に被せ、対極に金属パイプの電極を設け、10℃、15%RHの環境下で、金属チューブを速度:530mm/s で回転させ、対向の金属パイプに、高圧電源(Trek社製 610C)を用いて、−120μAの電流が流れるように電圧を調整し、120時間連続で電圧を印加した。
試験前後の体積抵抗値の変化を前記の抵抗測定方法で測定し、通電による抵抗の変化量を算出した。
各例で得られた導電性ベルト部材における導電点を以下の方法によって測定した。
得られた導電性ベルト部材から小片(試料)を切り出し、試料表面に導電性の両面テープを貼りつけた後、静電除去した試料を準備する。試料の表面に−20Vの測定電圧をかけながら、大気中で10μm×10μmの範囲を512×512の分解能でコンダクティングAFM測定(Digital Instruments製、NanoscopeIIIa+D3100を使用)を行う。この際、プローブと導電性の両面テープに3.0pA以上の電流が流れる点を島部の導電点と判定した。
この導電点の画像解析を行い、導電点数(隣接する導電点はまとめて1つと数える)が算出される。本明細書において「10μm×10μm角四方における島部の数」とは当該方法によって算出されたものである。
図7は、実施例1で製造した導電性ベルト部材の断面を原子間力顕微鏡(AFM)により測定して得られた画像であり、高コントラスト位置(黒点部分)がカーボンブラックの凝集した島部である。
得られた導電性ベルト部材を片刃カミソリを用いて断面を切り出し、SEMにより基材層の断面を観察した。断面観察時のコントラストが低い部分を島部とし1視野内での各島部の最大径を計測した。
図8は、実施例1で製造した導電性ベルト部材の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により測定して得られた画像であり、低コントラスト位置(白点部分)がカーボンブラックの凝集した島部である。
得られた導電性ベルト部材を搬送転写ベルトとして富士ゼロックス社製「Color 1000 Press」に装着し、10℃、15%RHの環境下で、用紙(A3J紙 坪量82g/m2 紙厚97μm(富士ゼロックス社製))に対し、画像濃度200%のハーフトーン画像を連続100枚形成した。得られた画像について下記のように画質を評価した。
なお、上記画質評価は、通電試験前と通電試験後にそれぞれ行った。
A:画像上の色ムラ発生無し
B:軽微な色ムラ発生
C:部分的に色ムラ及び色抜け発生
D:画像全体に色ムラ及び色抜け発生
10A 基材層(導電層)
10B 表面層
100 画像形成装置
101a乃至101d 像保持体
102a乃至102d 帯電装置(帯電手段)
103a乃至103d、204Y、204M、204C、204BK 現像装置(現像手段)
104a乃至104d 像保持体クリーニング装置
105a乃至105d 一次転写ロール(転写手段)
106a乃至106e 支持ロール
107 中間転写ベルト
108 対向ロール
109 二次転写ロール(転写手段)
110、209 定着装置(定着手段)
111 駆動ロール
112、113 中間転写ベルトクリーニング装置
114a乃至114d 露光装置(潜像形成手段)
115 記録媒体
116 二次転写ベルト(導電性部材)
201Y、201M、201C、201BK 感光体ドラム(像保持体)
202Y、202M、202C、202BK 帯電器(帯電手段)
203Y、203M、203C、203BK 露光器(潜像形成手段)
205Y、205M、205C、205BK 感光体ドラム清掃部材
206 記録媒体搬送転写ベルト
207Y、207M、207C、207BK 転写ロール(転写手段)
214 ベルト用清掃部材
216 用紙(記録媒体)
220、330 転写ユニット
Claims (9)
- 導電性の有機高分子材料を含む海部と、電子導電性の導電性付与剤の凝集体で構成され、粒径が100nm以上3μm以下である島部と、を有し、10μm×10μm角四方における前記島部の数が20個以上50個以下である導電層を有する画像形成装置用導電性部材。
- 体積抵抗率が10.0LogΩ・cm以上12.5LogΩ・cm以下である請求項1に記載の画像形成装置用導電性部材。
- 前記有機高分子材料が極性ゴムである請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置用導電性部材。
- 前記導電性付与剤がカーボンブラックである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置用導電性部材。
- 無端のベルト状である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置用導電性部材。
- 請求項5に記載の画像形成装置用導電性部材を含む転写ベルトと、
前記転写ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、
を備えた画像形成装置用転写ユニット。 - 前記転写ベルトが、トナー像が記録媒体に転写される転写部において前記記録媒体を搬送する記録媒体搬送転写ベルトである請求項6に記載の画像形成装置用転写ユニット。
- 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により前記像保持体の表面の前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
請求項5に記載の画像形成装置用導電性部材を含む転写ベルトを有し、前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、
を備えた画像形成装置。 - 前記転写ベルトが、前記トナー像が前記記録媒体に転写される転写部において前記記録媒体を搬送する記録媒体搬送転写ベルトである請求項8に記載の画像形成装置。
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