JP2006091497A - 半導電性ベルト及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

半導電性ベルト及びこれを用いた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 感光体と常時接触していてもブリード現象を起こすことがなく、リサイクルペーパー等の凹凸の大きな紙に対してもトナー転写性が良好であり、かつ、転写部でのニップ形状の形成に優れ、転写画質のライン画像が中抜け、トナーの飛び散りの画質欠陥が著しく少なく、更に経時での電気抵抗の変化の少ない半導電性ベルト、及び前記半導電性ベルトを備え、高品質の転写画質を安定して得ることができる画像形成装置を提供することである。
【解決手段】 少なくとも該半導電性ベルトを構成する表面層が、熱可塑性樹脂をマトリクスとし、少なくとも一部が導電性を有するとともに少なくとも一部が架橋されたゴム粒子をドメインとする熱可塑性エラストマー組成物からなり、かつ、該熱可塑性エラストマー組成物の表面硬度がD硬度で30〜55の範囲であることを特徴とする半導電性ベルトである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、複写機やプリンタ等の電子写真方式を用いた画像形成装置に用いられる半導電性ベルト及び該半導電性ベルトを用いた画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた画像形成装置においては、まず、無機または有機材料からなる光導電性感光体からなる像担持体表面に一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザー光等で静電濳像を形成した後、帯電したトナーで前記静電濳像を現像して可視化したトナー像が形成される。そして、該トナー像を中間転写体を介して、あるいは直接記録紙等の転写材に静電的に転写し、記録材に定着することにより所要の再生画像が得られる。
特に、フルカラー画像形成に関しては、前記像担持体(感光体)に形成したトナー像を中間転写体に一次転写し、更に中間転写体上のトナー像を記録紙に二次転写する方式を採用した画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
前記中間転写体方式を採用した画像形成装置において、中間転写体に用いられる材料としては、ポリカーボネート樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ポリアルキレンフタレート、PC(ポリカーボネート)/PAT(ポリアルキレンテレフタレート)のブレンド材料、ETFE(エチレンテトラフロロエチレン共重合体)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料等の熱可塑性樹脂を用いた導電性の無端ベルトを使用する提案がなされている(例えば、特許文献2〜7参照)。
また、中間転写ベルトや用紙搬送ベルト等に用い得る半導電性ベルトとして、機械特性や耐熱性に優れたポリイミド系樹脂に導電性フィラーを分散してなる中間転写ベルトが提案されている(例えば、特許文献8、9参照)。
しかしながら、上記のものは、硬度が高いためにトナー転写性に劣るとともに、近年は、色紙やエンボス加工等の表面に凹凸を付けた特殊な紙も使用される傾向になり、このような紙への追従性が特に悪いためにトナーの転写性が著しく劣るという難点がある。また、ストレスが大きいために、トナーが破壊されやすく、ベルトへのトナーフィルミングが起こり、耐久性に劣るという難点もある。
また、近年の高品質の転写画質を得るために、トナーは小径の球状トナーを用いる傾向にあり、トナーが、小径化、球状化されることで、転写電界によって、容易にトナーが移動し易いためにトナーが飛び散ってしまう問題が発生する問題が起き易い。
この種の中間転写ベルト(用紙搬送ベルト)において、像担持体からの画像の転写性能を良好に保つという観点からすれば、中間転写ベルト(用紙搬送ベルト)と像担持体とのニップ域や、中間転写ベルト(用紙搬送ベルト)と転写部材とのニップ域の圧力を十分にし、かつ密着性を挙げることが必要である。
そのためには、中間転写ベルト(用紙搬送ベルト)のベルト基材自体を柔軟なゴム材料などの弾性材で形成したものが既に提供されている。
一般に、ベルト基材として、ゴム材料を用いる場合には、耐オゾン性、難燃性、劣化防止などの特性を満たすために、ゴム材料中に各種薬品が添加されるが、添加した各種薬品が搬送ベルト表面に析出する所謂ブリード現象が発生する懸念がある。そのため、柔軟なゴム材料を用いる場合には、ブリードを防止するために表面層を設けられている。
また、転写搬送ベルトとして、カーボンブラックなどを分散したクロロピレンゴムなど弾性体を用いた場合において、半導電性の抵抗領域(105〜1011Ωcmの範囲程度)で、所望の抵抗値を安定して得ることがほとんどできないだけでなく、弾性ベルトの抵抗のバラツキを1桁(logΩcm値)以内に安定して製造すること難しく、抵抗の面内バラツキが1桁以上に大きい場合には、転写電圧が均一に印加できないため、転写画質が安定しない問題がある。更に、ベルトが転写材を保持し、トナー画像を転写材に転写するために1kVから5kVの転写電圧を印加するが、この印加電圧によって、ベルト材料の抵抗値が変化してしまい、転写材のある部位と転写材のない部位とで抵抗値が変わるという問題が発生した。
このような技術的課題に対し、用紙搬送ベルトのベルト基材として、クロロプレンゴムとEPDMとの混合基材を用いるようにすれば、優れた耐オゾン性と難燃性を発揮できると共に、前記ブリード現象を有効に回避できる技術が既に提供されている(例えば特許文献10参照)。しかしながら、前記搬送ベルト表面が像担持体表面に長く密着した状態にあると、前記ブリード現象が発生してしまう。
これは、搬送ベルトの被覆層が像担持体表面に密着すると、両者間の負圧が起因し、ベルト基材中の低分子オイル成分(EPDMや混練の際に添加した各種薬品中に含まれる)が搬送ベルト表面に析出するためと考えられる。
このような不具合を回避するには、非画像形成時に像担持体と用紙搬送ベルトとを接離機構を介して離間配置する手法が必要不可欠になるが、この方式では、両者間に接離機構を設けることが必要になり、その分、装置構成が複雑化するという技術的課題もある。
このように、高画質化や耐久性向上等のためにベルトの硬度を低くした場合には、前記ブリード現象だけでなく、抵抗値の制御、安定性などの問題が顕著となるため、全ての特性を満足できる半導電性ベルトは得られていないのが現状である。
特開昭62−206567号公報 特開平6−095521号公報 特開平5−200904号公報 特開平6−228335号公報 特開平6−149081号公報 特開平6−149083号公報 特開平6−149079号公報 特開平5−77252号公報 特開平10−63115号公報 特開平9−179414号公報
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
すなわち、本発明は、感光体と常時接触していてもブリード現象を起こすことがなく、従来では高い画質でのプリントが難しいとされていたリサイクルペーパー等の凹凸の大きな紙に対してもトナー転写性が良好であり、かつ、転写部でのニップ形状の形成に優れ、転写画質のライン画像が中抜け(ホロキャラクター)、トナーの飛び散り(ブラー)の画質欠陥が著しく少なく、更に経時での電気抵抗の変化の少ない半導電性ベルトを提供することを目的とする。また、本発明は、前記半導電性ベルトを備え、高品質の転写画質を安定して得ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段は、以下の本発明により達成される。
すなわち本発明は、
<1> 電子写真用画像形成装置に用いられる半導電性ベルトであって、
少なくとも該半導電性ベルトを構成する表面層が、熱可塑性樹脂をマトリクスとし、少なくとも一部が導電性を有するとともに少なくとも一部が架橋されたゴム粒子をドメインとする熱可塑性エラストマー組成物からなり、かつ、該熱可塑性エラストマー組成物の表面硬度がD硬度で30〜55の範囲であることを特徴とする半導電性ベルトである。
<2> 前記熱可塑性樹脂が、ハードセグメントとソフトセグメントとの共重合体からなるポリエステル樹脂であり、前記ハードセグメントが芳香族ポリエステル構成セグメントであり、前記ソフトセグメントが脂肪族ポリエーテル構成セグメントまたは脂肪族ポリエステル構成セグメントであることを特徴とする<1>に記載の半導電性ベルトである。
<3> 表面の十点平均粗さRzが、1.5〜9.0μmの範囲であることを特徴とする<1>または<2>に記載の半導電性ベルトである。
<4> 少なくとも前記表面層と基材とを有することを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の半導電性ベルト。
<5> 前記表面層が、体積抵抗率が1013Ωcmを超え1014Ωcm以下の熱可塑性エラストマー組成物からなり、前記基材が、体積抵抗率が1×108〜1×1013Ωcmの範囲の樹脂組成物からなることを特徴とする<4>に記載の半導電性ベルトである。
<6> 前記表面層が、体積抵抗率が1×108〜1×1013Ωcmの範囲の熱可塑性エラストマー組成物からなり、前記基材が、体積抵抗率が1×108〜1×1013Ωcmの範囲の樹脂組成物からなることを特徴とする<4>に記載の半導電性ベルトである。
<7> 基材のヤング率が、1000〜3000MPaの範囲であることを特徴とする<4>〜<6>のいずれかに記載の半導電性ベルトである。
<8> <1>〜<7>のいずれかに記載の半導電性ベルトを、中間転写ベルトとして用いたことを特徴とする画像形成装置である。
<9> <1>〜<7>のいずれかに記載の半導電性ベルトを、用紙搬送ベルトとして用いたことを特徴とする画像形成装置である。
<10> 形状係数SF1が、100〜140の範囲であるトナーを用いることを特徴とする<8>または<9>に記載の画像形成装置である。
<11> 除電手段を有することを特徴とする<8>〜<10>のいずれかに記載の画像形成装置である。
本発明は、転写部でのニップ形状の形成に優れ、転写画質のライン画像の中抜け(ホロキャラクター)、トナーの飛び散り(ブラー)、色ずれなどの画質欠陥が著しく少なく、更に経時での電気抵抗の変化の少なく、ブリードの発生のない半導電性ベルトを提供することができる。また、本発明の画像形成装置は、前記半導電性ベルトを備え、高品質の転写画質を安定して得ることができる。更に、半導電性ベルトと像担持体との間の接離機構を設けることが不要になり、その分、装置構成の簡略化を図ることもできる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<半導電性ベルト>
本発明の半導電性ベルト(以下、単に「ベルト」という場合がある)は、少なくともベルトを構成する表面層が熱可塑性樹脂をマトリクスとし、少なくとも一部が導電性を有するとともに、少なくとも一部が架橋されたゴム粒子をドメインとする熱可塑性エラストマー組成物からなり、かつ該熱可塑性エラストマー組成物の表面硬度がD硬度で30〜55である半導電性ベルトである。
前記熱可塑性エラストマー組成物は、弾性を有することに加え表面硬度が低いため、色紙やエンボス加工等の表面に凹凸を付けた特殊な紙へ追従性が弾性のある材料として用いることができ、また、後述するような材料、製法により得られるため、抵抗制御が容易であり、しかも低分子物質の染み出しがほとんどない。
また、熱可塑性エラストマー組成物は熱可塑性樹脂と同様の成形加工が可能なことから、加硫工程の省略、リサイクルといった環境保護面でのメリットがある。さらに熱可塑性エラストマー組成物は、架橋系のエラストマーと比較して、熱可塑性樹脂用成形機で迅速に加工することができて、成形サイクルが短い、加硫工程を必要としない。すなわち、製造工程が簡単で、省エネルギー・省力・省時間型の材料である。また、製品が架橋されていないので、スクラップのリサイクルが容易である などの効果がある。
したがって、上記熱可塑性エラストマー組成物を半導電性ベルトの表面層を構成する材料として用いることにより、例えば単層の柔軟な転写ベルトとして像担持体と広いニップ幅で常時接触させても、ブリードの発生を抑えることができる。また、例えば基材との2層構成とした場合でも表面層の硬度が低いため、リサイクルペーパーなどの表面凹凸が大きい紙に対しても転写ベルトとして良好なトナー転写性を得ることができる。
なお、本発明において表面層とは、半導電性ベルトが単層で構成される場合には、該単層を意味する。
まず、本発明における熱可塑性エラストマー組成物について説明する。本発明の半導電性ベルトは、この熱可塑性エラストマー組成物を用いて単層のベルトとしたものでも良いし、後述するように、熱可塑性エラストマー組成物を用いた表面層と基材とからなるベルトとしたものでも良い。
本発明者等は既に、半導電性ベルトに使用される表面抵抗率のバラツキの小さい半導電性材料として、熱可塑性樹脂に少なくとも一部が架橋したゴム成分を分散した構造を有し、該ゴム成分中に導電性充填剤を含有させた半導電性の熱可塑性エラストマー組成物を提案している(特開2001−254022号公報参照)。この材料は、導電性ゴム成分を熱可塑性樹脂中に均一に分散させることが容易であるため、表面抵抗率のバラツキを大きく改善することができる。
しかし、上記熱可塑性エラストマー組成物では表面硬度が高すぎ、本願発明の目的とする像担持体との常時密着等を達成することができない。このため、本発明においては、熱可塑性樹脂とゴム成分との配合調節、分散条件の変更等により、低汚染性や抵抗均一性などを維持しつつ表面硬度を一定以下とした熱可塑性エラストマー組成物を見出し本発明を完成させた。
ここで、本発明の表面層に用いる、熱可塑性樹脂に少なくとも一部が架橋したゴム粒子を分散させた構造を有し、該ゴム粒子中に導電性付与剤を含有させた半導電性の熱可塑性エラストマー組成物では、熱可塑性樹脂のマトリックス中に、導電性を有する架橋ゴム粒子と必要により導電性のないゴム粒子とが細かく安定に分散(ドメインを形成)している。導電性付与剤は、この導電性を有する架橋ゴム粒子中に存在する。成形後の熱可塑性エラストマーの導電性は、組成物中の導電性付与剤を含有するゴム粒子の体積抵抗率、ゴム粒子の量、粒子径、構造、さらにマトリックスの導電性(体積抵抗率)の少なくとも一つを制御し、もしくは組み合わせて制御することによって、所望される規定範囲の半導電性の領域とすることができ、特に、抵抗の面内ばらつき(ΔR)を1桁(logΩcm)以内にすることができる。
この場合、本発明においては、熱可塑性樹脂の粘度ηmと、ゴム粒子を形成するゴム成分の、未架橋または架橋途中の粘度ηrとの比が、0.5 <ηr/ηm< 1.5の関係を満たすことが好ましい。
また、前記熱可塑性樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリサルファイド系樹脂、ポリサルホン系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、及びウレタン系樹脂からなる群の中から選択される少なくとも1つの樹脂を用いることが好ましい。
特に本発明においては、ハードセグメントとソフトセグメントとの共重合体からなるポリエステル樹脂であり、前記ハードセグメントが芳香族ポリエステル構成セグメントであり、前記ソフトセグメントが脂肪族ポリエーテル構成セグメントまたは脂肪族ポリエステル構成セグメントであるものが低摩耗性及び低表面硬度を得るために好ましい。
前記ハードセグメントは、好ましくは芳香族ジカルボン酸と、ジオールから形成される芳香族ポリエステル構成セグメントである。
前記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、ジフェニル−4,4−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4−ジフェニルエ−テルジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸、3−スルホイソフタル酸ナトリウム等が挙げられる。
前記ジオールとしては、分子量400以下のジオール、例えば、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4ジシクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノールなどの脂環族ジオール、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシジフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシ)フェニル]シクロヘキサン、4,4‘−ジヒドロキシ-p-タ-フェニル、4,4−ジヒドロキシ-p-クオ−タ−フェニルなどの芳香族ジオールが好ましい。
これらのジカルボン酸及びジオール成分は、2種類以上併用しても良い。そして、最も好ましい芳香族ポリエステル構成セグメントの例はテレフタル酸及び/又は、ジメチルテレフタレ−トと1,4−ブタンジオールとから誘導されたポリブチレンテレフタレートである。
また、前記ソフトセグメントは、好ましくは脂肪族ポリエーテル構成セグメント又は脂肪族ポリエステル構成セグメントである。
前記脂肪族ポリエーテル構成セグメントとしては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体などが挙げられる。このような脂肪族ポリエーテル構成セグメントを含有することで、ポリエステル樹脂にゴム弾性を付与させることができ、機械的物性を損なうことなく、柔軟性を向上させることができる。
また、前記脂肪族ポリエステル構成セグメントとしては、ポリ(ε−カプロラクタン)、ポリエナントラクタン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペーター等が挙げられる。
熱可塑性樹脂中の前記ハードセグメントとソフトセグメントとの存在割合は、構成モル%比(ハードセグメント/ソフトセグメント)で1/1.5〜1/4の範囲であることが好ましい。また、熱可塑性樹脂の分子量は、数平均分子量で1万〜30万の範囲であることが好ましい。
さらに、前記ゴム粒子としては、少なくとも一部は架橋されるとともに少なくとも一部が導電性を有するものを用いる。熱可塑性樹脂とゴム成分とを混練りしながら架橋することにより、ゴム粒子を小さく分散した状態で固化できる。従って、熱可塑性樹脂中に分散するゴム粒子径が小さくなり、抵抗値のバラツキが抑えられるようになる。
架橋の程度は、本熱可塑性エラストマー組成物を適当な溶剤(例えば、トリフルオロ酢酸など)に溶解し、ろ過後、残渣中のゴム成分が当初組成物中に含まれていたゴム成分の80%以上(ゲル化率80%以上)になることが好ましい。
また、導電性に関しては、抵抗バラツキの小さいゴム成分を均一に熱可塑性樹脂中に分散させることが重要である。そのため、ゴム成分の体積抵抗率は、100〜104Ωcmの範囲とし、熱可塑性エラストマー組成物中に2〜50質量%の範囲で存在させることが好ましい。
前記ゴム粒子を構成するゴム成分として利用されるものとしては、各種のゴムが利用可能である。例えば、ジエン系ゴム及びその水添物(例えば、NR、IR、水素化NBR、水素化SBR)、オレフィン系ゴム(例えば、エチレンプロピレン(EODM,EPM)、マレイン酸変性エチレン・プロピレンゴム(M−EPM)、IIR、イソブチレンと芳香族ビニルまたはジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)アイオノマー、含ハロゲンゴム(例えば、Br−IIR、Cl−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(BIMS)、CR、ヒドリンゴム(CHR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM))、シリコーンゴム(例えば、メチルビニルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム)、含イオンゴム(例えば、ポリスフィドゴム)、フッ素ゴム(例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム)、熱可塑性エラストマー(例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー)が挙げられる。
本発明に用いる導電性付与剤は、従来公知の導電性付与剤が利用可能であるが、好ましい例としては、金属系フィラーとカーボン系フィラーが挙げられる。金属系フィラーとしては、Ag粉、Ni粉、Cu粉、AgメッキCu粉などの金属粉、黄銅繊維、Al繊維、Cu繊維、ステンレス繊維等の金属繊維、金属フレーク等がある。また、カーボン系のフィラーとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラックや、黒鉛、カーボン繊維等が挙げられる。
特に、本発明に用いるカーボンブラックは、最も一般的な導電性カーボンブラックとして用いられるケツチエンブラックと、吸油量が0.5cc/g以上の高ストラクチャ−のカーボンブラックとの併用が望ましい。また、ケツチエンブラックと吸油量0.5cc/g以上のカーボンブラックの比率は、20/80〜90/10の範囲が望ましい。
ゴム組成物中には、上記導電性付与剤以外にも、加硫(架橋)剤、加硫(架橋)促進剤、老化防止剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料や染料等の着色剤等が必要に応じて含まれていてもよい。前記架橋剤の種類や温度・架橋時間などの動的な架橋条件等は、ゴム組成物の組成に応じて適宜決定すればよく、特に限定はない。
なお、前記導電性付与剤は、マトリックスを形成する熱可塑性樹脂とゴム粒子を構成する原料ゴムの導電性(極性)の差に応じて、予めゴム組成物に添加するか、混練中に添加するかを決定すればよい。すなわち、熱可塑性樹脂と原料ゴムとの極性差がない、あるいは小さい場合には、予めゴム組成物に添加するのがよく、熱可塑性樹脂に比し、原料ゴムの極性が大きい場合には、混練中に添加することにより、より効果的にゴム粒子とマトリックスとの界面に存在させることができる。
次に、本発明における熱可塑性エラストマー組成物の製造方法を以下に示す。本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造は、まず、前記熱可塑性樹脂、ゴム組成物等を混合し、溶融混練し、次いで、混練下で加硫剤を添加し、または、前もって加硫剤をゴム中に混入しておいて、ゴムを動的に加硫させることにより行うことができる。
また、本発明における熱可塑性エラストマー組成物には、必要に応じて補強剤、軟化剤、老化防止剤等の配合剤を添加してもよい。ゴム組成物への配合剤は上記混練中に添加してもよいが、混練の前に予め混合しておくのがよい。熱可塑性エラストマー組成物への配合剤は、上記混練の前に予め混合しておいてもよく、また、上記混練中に添加してもよい。
さらに、本発明における熱可塑性エラストマー組成物には、必要に応じて後述する積層タイプの半導電性ベルトに使用する電子導電性を付与する導電剤やイオン導電性を付与する導電剤を用いることができる。
熱可塑性エラストマー組成物の製造に使用する混練機には、特に限定はないが、スクリュ押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等が挙げられる。中でも樹脂成分とゴム成分の混練及びゴム成分の動的加硫を考慮すると、2軸混練押出機を使用するのが好ましい。さらに、2種類以上の混練機を使用し、順次混練してもよい。
溶融混練の条件としては、混練温度は、例えば180〜300℃の範囲で行うことが好ましいが、熱可塑性エラストマー組成物成分が溶融する温度以上であれば特に限定はされない。混練時の剪断速度は、500〜8000sec-1の範囲、特に、500〜5000sec-1の範囲であるのが好ましい。溶融混練全体の滞留時間は、30秒〜10分の範囲、加硫剤を添加した後の滞留時間(加硫時間)は、15秒〜5分の範囲であるのが好ましい。
溶融混練後の熱可塑性樹脂エラストマー組成物においては、図2に示すように、絶縁性の熱可塑性樹脂マトリックス5中に、導電性のゴム粒子4がドメインとして分散されたミクロ構造がされる。この場合、ゴム粒子4同士は導電性回路を形成することができず、導電性は、トンネル効果とよばれる導電性を有するゴム間を電子がジャンプすることによって発現される。この時、体積抵抗率は、ゴム粒子間の距離によって決まる。したがって、本発明における熱可塑性エラストマー組成物の体積抵抗率は、樹脂組成物中のゴム成分の量と、ゴム粒子径とによって、自由にコントロールでき、かつ、系中のゴム粒子径は、ほぼ均一になるために、極めて導電性ばらつきの小さい材料とすることができる。
本発明における熱可塑性エラストマー組成物中のゴム粒子4の体積抵抗率は100〜104Ωcmの範囲であることが好ましい。また、ゴム粒子径は0.1〜5.0μmの範囲であることが好ましく、このようなゴム粒子が熱可塑性樹脂マトリクス5中に5〜100nmの範囲程度の間隔をおいて均一に分散されていることが好ましい。
本発明における熱可塑性エラストマー組成物の表面硬度は、JIS K7215に準拠したD硬度で、30〜55の範囲である。また、D硬度は35〜50の範囲が好ましく、40〜50の範囲がより好ましい。表面のD硬度が55を越える場合には、ベルトが硬くなり、像担持体表面に密着させて用いる場合や表面に凹凸を付けた紙を用いる場合に、それらへの追従性が悪くなるので、トナーの転写性が悪くなる。表面のD硬度が30未満の場合には、寸法変化が大きくなってしまい長期の使用に関して懸念される。また、金属製のクリーニング部材、紙粉(用紙に含まれる炭酸カルシウム)などによって、表面層が傷つき易くなる。
なお、前記D硬度は、シート形状の材料を積層して、6mmの厚みとして、JIS K7215に準拠して計測した。
さらに、熱可塑性エラストマー組成物表面の十点平均粗さRzは、1.5〜9.0μmの範囲であることが好ましく、1.5〜4.0μmの範囲であることがより好ましい。Rzが1.5μm未満であると、ベルトが接触部材と密着する懸念があり、9.0μmを超えると、画像材料であるトナー等がベルト表面に付着し、ハーフトーンむらなどの画質劣化を生ずる懸念がある。
なお、前記十点平均粗さRzは、JIS B0601に従い、測定長2.5mm、カットオフ値0.8mm、測定速度0.6mm/secの条件で計測した。
前述のように、本発明の半導電性ベルトは、前記熱可塑性エラストマー組成物を単層として形成したもの(以下、「単層タイプの半導電性ベルト」という場合がある)であっても、熱可塑性エラストマー組成物を表面層としこれと基材とを貼り合わせたもの(以下、「積層タイプの半導電性ベルト」という場合がある)であっても良い。
前記単層タイプの半導電性ベルトは、前記表面硬度の低い熱可塑性エラストマー組成物で構成されるため、表面硬度のみならず全体として柔軟なベルトであるため、像担持体と広いニップ幅で接触する転写ベルトとして好ましく用いることができる。
単層タイプの半導電性ベルトは、無端状であるので、フィルム端の接着剤等を介した接着方式などの適宜な接続方式にて形成することもできるし、シームレスベルトとすることもできる。シームレスベルトは、接合部の厚さ変化がなく任意な部分を回転の開始位置とすることができて、回転開始位置の制御機構を省略できる利点などを有している。
具体的な成形法は、前記熱可塑性エラストマー組成物を円筒成形によって、厚み0.1〜1.0mmの範囲のベルト形状の円筒体に成形する。厚みは0.2〜0.5mmの範囲がより好ましい。円筒体は輪切りにすることによって容易にエンドレスベルトとなる。円筒成形(インフレーション成形)によって得られたベルトは継ぎ目がないので動作が滑らかであり、耐久性に優れる。
本発明の単層の半導電性ベルト(後述の積層タイプの半導電性ベルトにも共通)を中間転写ベルト(中間転写体)として用いた場合、半導電性ベルトの表面抵抗率が1×1010〜1×1014Ω/□の範囲であることが好ましく、1×1011〜1×1013Ω/□の範囲であることがより好ましい。この表面抵抗率が1×1014Ω/□より高い場合には、一次転写部の像担持体と中間転写体とが剥離するポストニップ部で剥離放電が発生し易くなり、放電が発性した部分は、白抜けする画質欠陥が発生することがある。一方、表面抵抗率が1×1010Ω/□未満の場合には、プレニップ部での電界強度が強くなり、プレニップ部でのギャップ放電が発生し易くなるために画質の粒状性が悪化することがある。従って、前記表面抵抗率を、上記範囲とすることで、表面抵抗率が高い場合に発生する放電による白抜け、表面抵抗率が低い場合に発生する画質の悪化を防止することができる。
また、表面抵抗率の面内ばらつきは、常用対数値で1.2(logΩ/□)以下であることが好ましく、0.8(logΩ/□)以下であることがより好ましい。上記面内ばらつきが1.2(logΩ/□)以下であると、転写電圧を均一に印加することができるので、均一な転写画質が得られる。また、局部的に導電性の大きい部位が少ないために、局部的に表面抵抗率が低下する問題が起こりにくくなる。ここで、表面抵抗率の面内ばらつきとは、半導電性ベルト面内の表面抵抗率の最大値と最小値との常用対数値の差をいう。
表面抵抗率は、円形電極(例えば、ダイヤインスツルメント社製ハイレスターIPの「HRプローブ」)を用い、JIS K6911に従って測定することができる。前記表面抵抗率の測定方法を図3を用いて説明する。図3は、円形電極の一例を示す概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。図3に示す円形電極は、第一電圧印加電極Aと板状絶縁体Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cと、該円柱状電極部Cの外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部Cを一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部Dとを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと板状絶縁体Bとの間に半導電性ベルトTを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧V(V)を印可したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(1)により、半導電性ベルトTの転写面の表面抵抗率ρs(Ω/□)を算出することができる。ここで、下記式(1)中、d(mm)は円柱状電極部Cの外径を示し、D(mm)はリング状電極部Dの内径を示す。
ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I) ・・・ (1)
また、本発明の単層タイプの半導電性ベルトの場合、体積抵抗率は1×107〜1×1013Ωcmの範囲であることが好ましく、1×108〜1×1012Ωcmの範囲であることがより好ましい。上記範囲とすることによって、本発明の単層の半導電性ベルトを例えば中間転写体として用いた画像形成装置において、次のような問題がなくなる。
すなわち、体積抵抗率が107Ωcmより低い時には、像担持体から中間転写体に転写された未定着トナー像の電荷を保持する静電的な力が働かなくなるため、トナー同士の静電的反発力や画像エッジ付近のフリンジ電界の力によって、画像の周囲にトナーが飛散してしまい(ブラー)、ノイズの大きい画像が形成される。特に、多重転写画像の様に、単位面積あたりのトナー像の多い画像周りではこの現象が顕著に現れ、カラー画像形成装置にとって致命的な欠陥となってしまう。
また、体積抵抗率が1×1013Ωcmを超えると、電荷を保持する静電的な力が大きいために、中間転写体上の多重転写画像を用紙に転写したあとでも電荷が残っているために、1次転写部の前に除電機構を設ける必要があるなどの問題がある。
本発明における体積抵抗率は、前記表面抵抗率の測定と同様の円形電極(例えば、ダイヤインスツルメント社製ハイレスターIPのHRプローブ)を用い、JIS K6911に従って測定することができる。
具体的には、図3における第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと第二電圧印加電極Bとの間に半導電性ベルトTを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cと第二電圧印加電極Bとの間に電圧V(V)を印可したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(2)により、半導電性ベルトTの体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出することができる。ここで、下記式(2)中、tは中間転写体Tの厚さを示す。
ρv=19.6×(V/I)×t ・・・ (2)
次に、本発明の積層タイプの半導電性ベルトを図1を用いて説明する。本発明の積層タイプの半導電性ベルト1は、表面層2と基材3とからなる無端状のベルトであり、表面層2は、その表面層を構成する材料が前記熱可塑性エラストマー組成物からなり、かつ該熱可塑性エラストマー組成物の表面硬度がD硬度で30〜55である半導電性ベルトである。ここで図1は、本発明の半導電性ベルトの構成を示す断面図である。
このように、本発明の半導電性ベルトを表面層2と基材3とからなる2層構造とすることで、単一の材料構成では得られない、可とう性と剛性とのバランスを満足することができる。したがって、この積層タイプの半導電性ベルトは、特に変形に対するストレスが大きい転写ベルト用ベルトとして好ましく用いることができる。
前述のように、このタイプの半導電性ベルトは、熱可塑性エラストマー組成物を表面層に有することで、色紙やエンボス加工等の表面に凹凸を付けた特殊な紙へ追従性が良好となり、このような特殊な紙への転写性が低下することのないベルトとして用いることができる。さらに、前述のように抵抗制御が容易なだけでなく、熱可塑性エラストマー組成物は熱可塑性樹脂と同様の成形加工が可能なことから、加硫工程の省略、リサイクルといった環境保護面でのメリットがある。
ところが、この熱可塑性エラストマー組成物を半導電性ベルトの表面層へ適用する場合、材料固有の応力歪みにより変形が生じやすい。特にベルトの走行を長時間停止すると、ベルトを張架する支持ロールの曲率にならって変形が生じやすく、転写面が安定しない、転写材を静電的に吸着して安定的に搬送できないなどの問題が発生する場合がある。さらに、カーボンブラックなどの電子伝導性の導電剤を用いた場合には、半導電性領域(106〜1012Ωcm程度)に設定しようとすると、抵抗値のバラツキが大きく、部分的転写不良等の画像欠陥が発生してしまう。この画像欠陥の発生は、電子伝導性の導電剤を熱可塑性エラストマー中に均一に分散させるのが難しく、分散不良が生じることにより引き起こされるものである場合がある。
本発明の積層タイプの半導電性ベルトは、基材と前記熱可塑性エラストマー組成物からなる表面層とを有する構成であるため、前記種々の問題を解決することができるだけでなく、表面層の表面硬度がD硬度で30〜55の範囲であるため、色紙やエンボス加工等の表面に凹凸を付けた特殊な紙への追従性がよくなり、トナーの転写性を改善することができる。
このベルトにおける表面層を構成する熱可塑性エラストマー組成物は、前記単層タイプの半導電性ベルトで説明した材料と同一であるため説明は省略し、基材について説明する。
本発明の積層タイプの半導電性ベルトにおける基材は、ヤング率が1000〜3000MPaの範囲であることが好ましい。このような機械特性を満足させることにより、ベルトは、より効果的に単一の材料構成では得られない、可とう性と剛性とのバランスを満足することができる。
基材を構成する樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、塩化ビニル系樹脂、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、強度と屈曲疲労性の両面に優れている点で、ポリイミド樹脂、及びフッ素系樹脂が好適に用いられる。特にフッ素系樹脂は、ポリイミド樹脂に比べ、熱可塑性樹脂であり、熱可塑性エラストマー組成物からなる表面層との一体成形が可能であるなどの点で有利である。
前記ポリイミド樹脂は、例えば芳香族テトラカルボン酸成分と、芳香族ジアミン成分とを有機極性溶媒中で反応させて得られるものである。
芳香族テトラカルボン酸成分としては、ピロメリット酸、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸、2,3,5,6−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルエ−テルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−アゾベンゼンテトラカルボン酸ビス(2,3−ジカルポキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルポキシフェニル)メタン、β,β−ビス(3,4−ジカルポキシフェニル)プロパン、β,β−ビス(3,4−ジカルポキシフェニル)ヘキサフオロプロパン等があり、これらのテトラカルボン酸類の混合物でもよい。
また、前記芳香族ジアミン成分としては、特に制限はなく、m−フェニルジアミン、p−フェニルジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,4’−ジアミノナフタレビフェニル、ベンジジン、3,3−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、3,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(オキシ−p,p’−ジアニリン;ODA)、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノフェニルスルホン、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、β,β−ビス(4−アミンフェニル)プロパン等が挙げられる。
また、前記有機極性溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド等を挙げることができる。これらの有機極性溶媒には、必要に応じて、クレゾ−ル、フェノ−ル、キシレノ−ル等のフェノ−ル類、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類を混合することができる、これらの溶剤も、単独で、または2種類以上の混合物として用いられる。
一方、フッ素系樹脂としては、例えば、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体〔Poly(VdF−TFE)〕、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等が挙げられる。これらのなかでも、Poly(VdF−TFE)が好適に用いられる。
これらの基材に用いる樹脂組成物及び/または熱可塑性エラストマー組成物からなる表面層には、必要に応じて、電子伝導性を付与する導電剤やイオン伝導性を付与する導電剤を1種類または2種類以上を組み合わせて添加することが好適である。
電子伝導性系導電剤として、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、ニッケル、銅合金などの金属または合金、酸化錫、酸化亜鉛、チタン酸カリム、酸化錫−酸化インジウムまたは酸化錫−酸化アンチモン複合酸化物などの金属酸化物などを挙げることができる。
イオン伝導性導電剤としては、スルホン酸塩やアンモニア塩など、また、カチオン系、アニオン系、ノニオン系などの各種の界面活性剤がある。さらには、導電性ポリマーをブレンドする方法があり、該導電性ポリマーとしては、例えば、カルボキシル基に4級アンモニム塩基を結合する(メタ)アクリレートとの各種(例えばスチレン)共重合体、4級アンモニウム塩基と結合するマレイミドとメタアクリレートとの共重合体等の4級アンモニウム塩基を結合するポリマー、ポリスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸のアルカリ金属塩を結合するポリマー、分子鎖中に少なくともアルキルオキシドの親水性ユニットを結合するポリマー、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール系ポリアミド共重合体、ポリエチレンオキド−エピクロルヒドリン共重合体ポリエーテルアミドイミド、ポリエーテルを主セグメントとするブロック型のポリマー、さらには、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレンなどを挙げることができ、これらの導電性ポリマーを脱ドープ状態、またはドープ状態で用いることができる。
本発明においては、導電剤、導電性ポリマー及び界面活性剤を1種または2種以上を組み合わせ用いることができる。
導電剤としては、樹脂組成物中への分散性がよいと、半導電性ベルトの抵抗バラツキを小さくすることができるとともに、電界依存性も小さくなり、更に転写電圧による電界集中が起こりにくくなることにより電気抵抗の経時での安定性が向上することから、pH5以下の酸性カーボンブラックを用いることが好ましい。
pH5以下の酸性カーボンブラックは、カーボンブラックを酸化処理することで、粒子表面にカルボキシル基、キノン基、ラクトン基、水酸基等を付与することで製造することができる。この酸化処理は、高温雰囲気下で、空気と接触され、反応させる空気酸化法、常温下で窒素酸化物やオゾンと反応させる方法、及び高温下での空気酸化後、低い温度下でオゾン酸化する方法などにより行うことができる。具体的には、pH5以下の酸性カーボンブラックは、コンタクト法により製造することができる。このコンタクト法としては、チャネル法、ガスブラック法等が挙げられる。また、酸性カーボンブラックは、ガスまたはオイルを原料とするファーネスブラック法により製造することもできる。更に必要に応じて、これらの処理を施した後、硝酸などで液相酸化処理を行ってもよい。
なお、酸性カーボンブラックは、コンタクト法で製造することができるが、密閉式のファーネス法によって製造するのが通常である。ファーネス法では通常高pH・低揮発分のカーボンブラックしか製造されないが、これに上述の液相酸処理を施してpHを調整することができる。このため本発明においてはファーネス法製造により得られるカーボンブラックで、後工程処理によりpHが5以下となるように調節されたカーボンブラックも、pH5以下の酸性カーボンブラックに含まれるとみなす。
酸性カーボンブラックのpH値は、pH5.0以下であることが好ましく、pH4.5以下であることがより好ましく、pH4.0以下であることが更に好ましい。pH5.0以下の酸化処理カーボンは、外にカルボキシル基、水酸基、キノン基、ラクトン基などの酸素含有官能基が、あるので、樹脂中への分散性がよいので、良好な分散安定性が得られ、半導電性ベルトの抵抗バラツキを小さくすることができるとともに、電界依存性も小さくなり、転写電圧による電界集中が起こりにくくなる
酸性カーボンブラックのpHは、水性懸濁液を調整し、ガラス電極で測定することで求められる。また、前記カーボンブラックのpHは、酸化処理工程での処理温度、処理時間等の条件によって、調整することができる。
酸性カーボンブラックは、その揮発成分の含有量が1〜25質量%であることが好ましく、3〜20%であることがより好ましく、3.5〜15質量%含まれていることが更に好ましい。前記揮発成分の含有量が1質量%未満である場合には、外に付着する酸素含有官能基の効果がなくなり、結着樹脂への分散性が低下する場合がある。一方、前記揮発成分の含有量が25%より高い場合には、樹脂組成物に分散させる際に分解してしまう場合や、表面の酸素含有官能基に吸着された水などが多くなるなどによって、表面層あるいは基材の外観が悪くなる場合がある。
これに対し、揮発成分の含有量を1〜25質量%とすることで、前記樹脂組成物中への分散をより良好とすることができる。尚、前記揮発成分の含有は、カーボンブラックを950℃で7分間加熱したときに、出てくる有機揮発成分(カルボキシル基、水酸基、キノン基、ラクトン基等)の割合により求めることが出来る。
ここで、導電剤としてのカーボンブラックは2種類以上含有していてもよい。そのとき、これらのカーボンブラックは実質的に互いに導電性の異なるものであると好ましく、例えば、酸化処理の度合い、DBP吸油量、窒素吸着を利用したBET法による比表面積等の物性が異なるものを用いる。このように導電性の異なる2種類以上のカーボンブラックを添加する場合、例えば高い導電性を発現するカーボンブラックを優先的に添加した後、導電率の低いカーボンブラックを添加して表面抵抗率を調整すること等が可能である。このように2種類以上のカーボンブラックを含有させる場合も、少なくとも、そのうちの1種類にpH5.0以下の酸化処理カーボンブラックを使うことによって、両方のカーボンブラックの混合や分散を高めることができる。
酸性カーボンブラックとして、具体的には、デグサ社製の「プリンテックス150T」(pH4.5、揮発分10.0質量%)、同「スペシャルブラック350」(pH3.5、揮発分2.2質量%)、同「スペシャルブラック100」(pH3.3、揮発分2.2質量%)、同「スペシャルブラック250」(pH3.1、揮発分2.0質量%)、同「スペシャルブラック5」(pH3.0、揮発分15.0質量%)、同「スペシャルブラック4」(pH3.0、揮発分14.0質量%)、同「スペシャルブラック4A」(pH3.0、揮発分14.0質量%)、同「スペシャルブラック550」(pH2.8、揮発分2.5質量%)、同「スペシャルブラック6」(pH2.5、揮発分18.0質量%)、同「カラーブラックFW200」(pH2.5、揮発分20.0質量%)、同「カラーブラックFW2」(pH2.5、揮発分16.5質量%)、同「カラーブラックFW2V」(pH2.5、揮発分16.5質量%)、キャボット社製「MONARCH1000」(pH2.5、揮発分9.5質量%)、キャボット社製「MONARCH1300」(pH2.5、揮発分9.5質量%)、キャボット社製「MONARCH1400」(pH2.5、揮発分9.0質量%)、同「MOGUL−L」(pH2.5、揮発分5.0質量%)、同「REGAL400R」(pH4.0、揮発分3.5質量%)等が挙げられる。
酸性カーボンブラックは、一般的なカーボンブラックに比べ、前述したように表面に存在する酸素含有官能基の効果により、樹脂組成物中への分散性がよいため、導電性微粉末としての添加量を高くすることが好ましい。これにより、半導電性ベルト中のカーボンブラックの量が多くなるため、前記電気抵抗値の面内バラツキを押えることができる等の酸化処理カーボンブラックを用いることの効果を最大限発揮することができる。
例えば、基材中の酸性カーボンブラックの含有量が10〜30質量%であると、半導電性ベルトの表面抵抗率の面内バラツキを抑制するなど、酸性カーボンブラックの効果が発揮でき好ましい。基材中の酸性カーボンブラックが10質量%未満であると電気抵抗の均一性が低下し、表面抵抗率の面内ムラや電界依存性が大きくなる場合がある。一方、基材中の酸性カーボンブラックの含有量が30質量%を超えると所望の抵抗値が得られ難くなる場合がある。さらに、酸性カーボンブラックを18〜30質量%含有させることがより好ましい、酸性カーボンブラックを18〜30質量%含有させることにより、その効果を最大限発揮させることができ、表面抵抗率の面内ムラや電界依存性を顕著に向上させることができる。
本発明の積層タイプの半導電性ベルトにおける表面層及び基材の体積抵抗率は、2次転写後にAC電圧印加などのよる半導電性ベルトへの除電手段を設けた電子画像形成装置に適用する場合とこの除電手段を設けていない電子写真画像形成装置に適用する場合とで、好ましい体積抵抗率の領域が異なる。
まず、除電手段を設けた電子写真画像形成装置に適用する場合、表面層の体積抵抗率が1×1013を超え1×1014Ωcm以下であり、基材の体積抵抗率が1×108〜1×1013Ωcmであることが好ましい。また、表面層の体積抵抗率が2×1013〜1×1014Ωcmの範囲であり、基材の体積抵抗率が1×109〜1×1011Ωcmの範囲であることがより好ましい。
表面層の体積抵抗率が前記範囲にあると、除電手段を設けた電子写真画像形成装置に適用したとき、1次転写での転写電界において半導電性ベルトの表面が帯電して、電荷の保持力が大きくなるため、トナー同士の静電的反発力や画像エッジ付近のフリンジ電界の力によって、画像の周囲にトナーが飛散してしまう(ブラー)問題が発生することが少なくなる。
一方、除電手段を設けていない電子写真画像形成装置に適用する場合、表面層及び基材は、いずれも体積抵抗率が1×108〜1×1013Ωcmの範囲であることが好ましく、より好ましくは1×109〜1×1012Ωcmの範囲である。表面層及び基材の体積抵抗率が1×108〜1×1013Ωcmであれば、トナー同士の静電的反発力や画像エッジ付近のフリンジ電界の力によって、画像の周囲にトナーが飛散してしまう(ブラー)問題が発生することが少なくなる。また、上記領域の範囲であれば、半導電性ベルト(特に、中間転写体に適用した場合)の体積抵抗率は、帯電電荷が適当に減衰する範囲に有るので、除電部材を使用せずに連続して画像形成を行うことができる。
なお、除電手段の有無に関わらず、基材の体積抵抗率は、1×108〜1×1013Ωcmが好ましく、好ましくは1×109〜1×1012Ωcmである。この基材の体積抵抗率が1×108〜1×1013Ωcmであれば、トナー同士の静電的反発力や画像エッジ付近のフリンジ電界の力によって、画像の周囲にトナーが飛散してしまう(ブラー)問題が発生することが少なくなる。
上述のように、本発明の積層タイプの半導電性ベルトは、前記表面層のD硬度が30〜55の範囲であり、かつ前記表面層の体積抵抗率が高いと、画像形成装置に用いた場合、ライン画像が中抜けする(ホロキャラクター)、トナーが飛び散る(ブラー)などの画質欠陥を発生することがなく、色紙やエンボス加工等の表面に凹凸を付けた特殊な紙への追従性がよくなるので、色紙やエンボス加工等の表面に凹凸を付けた特殊な紙トナーの転写性が改善することができ、高画質の転写画質を安定して得ることができる。
また、基材のヤング率が1000〜3000MPaの範囲であることが好ましく、1500〜3000MPaの範囲であることがより好ましく、2000〜2500MPaの範囲であることがさらに好ましい。1000MPa以上の樹脂材料を基材の材料として用いると、ベルト駆動時の外乱(負荷変動)によるベルトの変位量が少なくなり、駆動時の応力に対するベルト変形が小さくなり、良好な画質を安定して得ることができる。但し、ベルトの厚みは、厚くなると、駆動系ロールなどのベルト屈曲部でのベルトの外側表面の変形量が大きくなり、良好な画質を得られない場合がある。また、ベルトの外側と内側との変形量が大きくなり、局部的な繰り返し応力のためにベルトが破断するなどの問題が生じる場合がある。
なお、前記ヤング率は、JISK6251に準じて、基材をJISに規定されている3号ダンベル形状に打ち抜き、引張試験を行うことにより測定した。引張試験により得られた応力・歪曲線の初期ひずみ領域の曲線に接線を引き、その傾きによりヤング率を求めた。
本発明の積層タイプの半導電性ベルトの厚みは、総厚みで0.05〜0.5mmの範囲であることが好ましく、0.1〜0.4mmの範囲であることがより好ましく、0.15〜0.3mmの範囲であることが更に好ましい。厚みが0.05mm未満の場合には、ベルトテンションによって、ベルト周長さが変化するなどの問題が生じる場合がある。また、ベルトの厚みが0.5mmを超える場合には、ロール屈曲部でのベルト表面の変形が大きくなるために表面にクラックがはいるなどの問題が生じる場合がある。
また、前記表面層の厚みは、ベルト総厚みの10〜90%の範囲であることが好ましく、30〜70%の範囲であることがより好ましい、上記範囲であると、前記基材の樹脂組成物に影響されずに、半導電性ベルト上のトナーに集中していた押圧力は分散される。このためトナーは凝集せず、色紙やエンボス加工等の表面に凹凸を付けた特殊な紙への追従性がよくなるので、色紙やエンボス加工等の表面に凹凸を付けた特殊な紙トナーの転写性が改善することができる。また、前記基材の樹脂組成物のヤング率が1000MPa以上と高ヤング率である場合には、半導電性ベルトとしての機械特性も満足させることができる。
本発明の積層タイプの半導電性ベルトは、前述の如き熱可塑性エラストマー組成物を主成分となす表面層と樹脂材料からなる基材とを有する。また、前記表面層及び基材とも既述の導電剤以外の添加剤を含有してもよい。さらに、表面層と基材とに加えて、本発明の効果を損なわない範囲でさらに多層化することもできる。
積層タイプの半導電性ベルトの形成は、前記単層タイプと同様無端状であるので、フィルム端の接着剤等を介した接着方式などの適宜な接続方式にて形成することもできるし、シームレスベルトとすることもできる。
基材及び表面層の形成は、例えば押出成型法によって、各層の材料をシート形状に成形してから、金属芯体に積層して加熱処理することで、2層構成のベルトを形成することもできるし、基材の材料をベルト形状に形成して、金属芯体に積層してその上に表面層を形成することもできる。また、表面層及び基材の材料を積層しながら同時成型して、2層構成ベルトを形成することもできる。
<画像形成装置>
本発明の画像形成装置は、中間転写体方式の画像形成装置であれば、特に限定されるものではない。例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラーの画像形成装置や、感光体ドラム等の像担持体上に担持されたトナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現像器を備えた複数の像担持体を中間転写体上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等のいずれでもよい。
本発明の画像形成装置の第1の態様は、既述の本発明の半導電性ベルトを中間転写ベルトとして用いることを特徴とする。また、本発明の画像形成装置の第2の態様は、既述の本発明の半導電性ベルトを用紙搬送ベルトとして用いることを特徴とする。更に、本発明の画像形成装置は除電手段を有することが好ましい。
一例として、図4に、本発明の半導電性ベルトを中間転写ベルト及び/または用紙搬送ベルトとして用いた画像形成装置の要部部分の概略図を示す。
図4に示す画像形成装置においては、像担持体16及びこれに対向する半導電性ベルト10を有し、像担持体16上に形成されたトナー像を半導電性ベルト(中間転写ベルト)10若しくは半導電性ベルト(用紙搬送ベルト)10上の記録材17に転写する画像形成装置において、前記半導電性ベルト(用紙搬送ベルトおよぶ中間転写ベルト)10として上述した半導電性ベルトを使用することを特徴とするものである。
ここで、半導電性ベルト10を中間転写ベルトとして使用する態様にあっては、図4に示すように、像担持体16上のトナー像を一次転写装置18aにて半導電性ベルト(中間転写ベルト)10に一次転写した後、半導電性ベルト(中間転写ベルト)10上のトナー像を二次転写装置18bにて記録材17に二次転写する。
一方、半導電性ベルト10を用紙搬送ベルト(記録材保持ベルト)として使用する態様にあっては、図4に示すように、用紙搬送ベルト(記録材保持ベルト)10上に記録材17を保持した後、像担持体16上のトナー像を転写装置18にて転写搬送ベルト(記録材保持ベルト)10上の記録材17に転写する。
また、図4に示す画像形成装置において、半導電性ベルト10は複数の張架ロール19に張架され、ドラム状の像担持体16の形状に沿って接触配置されている態様が好ましい。
本態様によれば、半導電性ベルト10をできるだけ像担持体16の形状に沿わせることで、転写の際のニップ域前後での無駄な空隙による放電をなくし、トナー像の飛び散りを防止することができる。
この画像形成装置に本発明の半導電性ベルトを用いるにあたっては、図に示すように、半導電性ベルト10は像担持体16に広いニップ幅を形成して接触する必要があり、この態様に適応するためにはベルトがある程度以上の柔軟性を有していることが必要とされる。したがって、図4に示すような画像形成装置に用いられる本発明の半導電性ベルトとしては、前記単層タイプの半導電性ベルトが適している。
さらに、図4に示す画像形成装置においては、像担持体16及び半導電性ベルト10のいずれか一方を駆動源とし、他方を従動回転させるようにする態様が好ましい。
このような駆動構成にすることで、一方の駆動機構を省略することができ、その分、駆動コストを抑制できるほか、半導電性ベルト10と像担持体16との駆動干渉からくる半導電性ベルト10の厚み変動や、プロセス方向の送り変動などの変動要因を除外することができる。
次に、本発明の半導電性ベルトを用いた画像形成装置の他の例示として、順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置の概略図を図5に示す。図5は本発明を適用する画像形成装置の要部部分を説明する概略図である。該画像形成装置は、像担持体としての感光体ドラム21、中間転写体としての中間転写ベルト22、転写電極であるバイアスローラ23(第二転写手段)、転写媒体である記録紙を供給する用紙トレー24、Bk(ブラック)トナーによる現像器25、Y(イエロー)トナーによる現像器26、M(マゼンタ)トナーによる現像器27、C(シアン)トナーによる現像器28、中間転写体クリーナー29、剥離爪33、ベルトローラ41、43及び44、バックアップローラ42、導電性ローラ45(第一転写手段)、電極ローラ46、クリーニングブレード51、記録紙61、ピックアップローラ62、並びにフィードローラ63を有してなる。
図5において、感光体ドラム21は矢印A方向に回転し、図示しない帯電装置でその表面が一様に帯電される。帯電された感光体ドラム21にレーザー書込み装置等の画像書き込み手段により第一色(例えば、Bk)の静電潜像が形成される。この静電潜像はブラック現像器25によってトナー現像されて可視化されたトナー像Tが形成される。トナー像Tは、感光体ドラム21の回転で導電性ローラ45(第一転写手段)が配置された一次転写部に到り、導電性ローラ45からトナー像Tに逆極性の電界を作用させることにより、前記トナー像Tは、静電的に中間転写ベルト22に吸着されつつ中間転写ベルト22の矢印B方向の回転で一次転写される。
以下、同様にして第2色のトナー像、第3色のトナー像、第4色のトナー像が順次形成され、中間転写ベルト22において重ね合わされ、多重トナー像が形成される。
中間転写ベルト22に転写された多重トナー像は、中間転写ベルト2の回転でバイアスローラ23(第二転写手段)が設置された二次転写部に到る。二次転写部は、中間転写ベルト22のトナー像が担持された表面側に設置されたバイアスローラ23と中間転写ベルト22の裏側からバイアスローラ23に対向するように配置されたバックアップローラ42及び該バックアップローラ42に圧接して回転する電極ローラ46から構成される。
記録紙61は、用紙トレー24に収容された記録紙束からピックアップローラ62で一枚ずつ取り出され、フィードローラ63で二次転写部の中間転写ベルト22とバイアスローラ23との間に所定のタイミングで給送される。給送された記録紙61は、バイアスローラ23及びバックアップローラ42による圧接搬送と中間転写ベルト22の回転により、該中間転写ベルト22に担持されたトナー像が転写される。
トナー像が転写された記録紙61は、最終トナー像の一次転写終了まで退避位置にある剥離爪33を作動せることにより中間転写ベルト22から剥離され、図示しない定着装置に搬送され、加圧/加熱処理でトナー像を固定して永久画像とされる。尚、多重トナー像の記録紙61への転写の終了した中間転写ベルト22は、二次転写部の下流に設けた中間転写体クリーナ29で残留トナーの除去が行われて次の転写に備える。また、バイアスローラ23は、ポリウレタン等からなるクリーニングブレード51が常時当接するように取り付けられており、転写で付着したトナー粒子や紙紛等の異物が除去される。
単色画像の転写の場合、一次転写されたトナー像Tを直ちに二次転写して定着装置に搬送するが、複数色の重ね合わせによる多色画像の転写の場合、各色のトナー像が一次転写部で正確に一致するように中間転写ベルト22と感光体ドラム21との回転を同期させて各色のトナー像がずれないようにする。前記二次転写部では、バイアスローラ23と中間転写ベルト22を介して対向配置したバックアップローラ42に圧接した電極ローラ46に、トナー像の極性と同極性の電圧(転写電圧)を印加することで、該トナー像を記録紙61に静電反発で転写する。また、中間転写ベルト22の電荷は、除電ロール(除電手段)50により除電される。除電ロール50としては、導電剤を分散して体積抵抗率を105〜1010Ωcmの範囲に調整してなる弾性ロール(例えば、カーボンブラック分散のエピクロルヒドリンゴムロールなど)を用いることができる。
上述の構成の画像形成装置により、高品質の転写画質を安定して得ることができる。
更に、本発明の画像形成装置の第1の態様は、図6に示すような、前記本発明の半導電性ベルトである中間転写ベルトを備え、例えば、4色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)の現像器85を備えた各色毎の感光体79が中間転写体(中間転写ベルト)86に配置したタンデム式カラー画像形成装置に適用できる。
このようなタンデム式カラー画像形成装置に本発明の中間転写ベルトを備えることで、高画質の転写画像を得ることができる。具体的には、図6において感光体79表面を均一に帯電する帯電ロール83(帯電装置)、感光体79表面を露光し静電潜像を形成するレーザー発生装置78(露光装置)、感光体79表面に形成された潜像を現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像器85(現像装置)、感光体に付着したトナーやゴミ等を除去する感光体クリ−ナー84(クリーニング装置)、被転写材上のトナー像を定着する定着する定着ロール72等必要に応じて公知の方法で任意に備えることができる。また、中間転写体86の電荷は、除電ロール(除電手段)88により除電される。
上述の構成のタンデム式の画像形成装置においても、高品質の転写画質を安定して得ることができる。
図4、図5では、本発明の半導電性ベルトを中間転写ベルトとして用いた第1の態様の画像形成装置について説明したが、本発明の半導電性ベルトを用紙搬送ベルトとして用いた第2の態様の画像形成装置においても同様の効果が得られる。
さらに、本発明の半導電性ベルトを、画像形成装置内の中間転写ベルトや用紙搬送ベルトとしてとして組み込んで利用する場合には、トナーとして球状トナーを用いることが好ましい。トナーとして球状トナーを用いることにより、転写面を構成する材料が、表面硬度が低く、かつ高体積抵抗であることによって、画質欠陥(ホロキャラクター、ブラー、カラーレジ)のない高品質の転写画質を得ることができる。
上記球状トナーとは、その形状係数SF1が、100〜140の範囲であることを意味する。本発明においては、形状係数SF1としては100〜130の範囲であることが好ましく、100〜120の範囲であることがより好ましい。この平均形状係数SFが140より大きくなると転写効率が低下してしまい、プリントサンプルの画質の低下が目視で確認できてしまう。
上記トナー形状係数SF1は、スライドグラス上に散布したトナー粒子、またはトナーの光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置(ニレコ社製)に取り込み、50個以上のトナーの最大長と投影面積を求め、下記式(1)によって計算し、その平均値を求めることにより得られるものである。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ (2)
上記式(2)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
球状トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有してなる。この球状トナーは、好ましくは体積平均粒径が2〜12μmの範囲の粒子、より好ましくは3〜9μmの範囲の粒子を用いることができる。
前記結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体及び共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等も挙げられる。
着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして挙げることができる。
球状トナーには、帯電制御剤、離型剤、他の無機微粒子等の公知の添加剤を内添加処理や外添加処理してもよい。離型剤としては低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして挙げられる。
帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。
他の無機微粒子としては、粉体流動性、帯電制御等の目的で、平均1次粒径が40nm以下の小径無機微粒子を用い、更に必要に応じて、付着力低減の為、それより大径の無機あるいは有機微粒子を併用してもよい。これらの他の無機微粒子は公知のものを使用できる。例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、メタチタン酸、酸化亜鉛、ジルコニア、マグネシア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム等が挙げられる。また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性をあげる効果が大きくなるため有効である。
球状トナーは、特に製造方法により限定されるものではなく、公知の方法により得ることができる。具体的には、例えば結着樹脂及び着色剤と、必要に応じて離型剤及び帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、必要に応じて離型剤及び帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、球状トナーを得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤、必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂及び着色剤と必要に応じて離型剤及び帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等が挙げられる。
また、上記方法で得られた球状トナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。外添剤を添加する場合、球形トナー及び外添剤をヘンシェルミキサーあるいはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、球状トナーを湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。以下、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
<単層タイプの半導電性ベルトの作製、評価>
(半導電性ベルト(1)〜(5)の作製)
−ゴム組成物の作製−
まず、表1に示すゴム配合に従って、ゴム、カーボン、その他材料をバンバリーミキサーに投入し、各々初期温度50℃で2分間混練した後、架橋剤を投入し、さらに1分間混練後、放出してゴム組成物1〜2を作製した。作製したゴム組成物はゴム用ペレタイザーで100℃にてペレット化した。
なお、このゴム組成物1〜2について、熱プレスによりゴムシートを作製して体積抵抗率を測定したところ、各々1.5×102Ωcm、6.5×101Ωcmであった。
Figure 2006091497
−熱可塑性エラストマー組成物の作製−
次いで、得られたゴム組成物と各熱可塑性樹脂成分(ポリエステル共重合体、変性ポリプロピレン)とを、表2の配合比で各々ドライブレンドし、これを200〜230℃、剪断速度1000sec-1に設定した2軸混練機の第1投入口より投入して混練、動的加硫の工程を経て熱可塑性エラストマー組成物(1)〜(5)を作製した。得られた各熱可塑性エラストマー組成物は、ペレット化し、次工程のベルト成形に供した。
Figure 2006091497
−半導電性ベルトの成形−
得られた熱可塑性エラストマー組成物(1)〜(5)を各々単軸押出し機に投入し、押出し機の先端に付けられた円筒形のダイを通じて、内径140mm、厚さ0.2mmの筒状に連続的に成形し、その後300mm長さに切断して、内径140mm、幅300mmの半導電性ベルト(1)〜(5)を得た。
なお、半導電性ベルト表面層(1)〜(5)の薄片を顕微鏡にて観察したところ、0.2〜1μm程度の大きさのゴム粒子が熱可塑性樹脂中に均一に分散されていることが確認された。
(半導電性ベルト(6)の作製)
6インチ径のオープンロールを用いてクロロプレンゴム70部を2分間素練りし、これにエチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合体(EPDM)30部を加えて13分間かけて混練りを行った。次いで、このクロロプレンゴムとEPDMとのポリマー混練り物に、酸化亜鉛5部、酸化マグネシウム4部、ステアリン酸1部、及びエチレン・チオ尿素(三新化学社製のサンセラー22C)0.35部を逐次添加し、更にジ−n−ブチル・ジチオカルバミン酸亜鉛(大内振興社製のノクサラーBZ)1.5部、ジベンゾチアジル・ジスルフィド(大内振興社製のノクセラーDM)1部、ジペンタメチレンチウラム・テトラスルフィド(大内振興社製のノクセラーTRA)0.7部、及び硫黄1.5部を添加した後、オープンロールを用いて薄通しを10回行った。
このゴム混練り物をオープンロールから取り外した後、3等分し、それぞれのゴム混練り物にファーネスブラック(旭カーボン社製)23部、アセチレンブラック(電気化学社製のデンカブラック)6部をそれぞれ添加し、オープンロールで混練りした。
このようにしてカーボンブラックが添加された混練り物を、押し出し機を用いてベルト状に成形し、次いで蒸気釜を用いて加硫した。その後、研削によりベルトの厚さを0.5mmに加工した。このベルトの表面に、ポリエステルウレタン(広野科学社製のC−230U主剤)100部とイソシアネート(広野科学社製のC−230U硬化剤)30部との混合物をスプレー塗装し、160℃で30分間の焼成を行い表面層を形成し、内径140mm、幅300mmのベルトを作製した。
(半導電性ベルトの評価)
表3の実施例1〜3及び比較例1〜3に示すように、得られた半導電性ベルト(1)〜(6)について、表面のD硬度、体積抵抗率、表面抵抗率、表面抵抗率の面内ばらつき、表面の十点平均粗さRz、寸法変化、傷つき性、ブリードの発生有り無し、葉書を3000枚連続コピー後の画質を評価した。
上記各特性は、以下のようにして測定した。
−表面のD硬度−
各半導電性ベルトを、厚さが6mm以上になるように重ねて、JIS K7215に準拠し、高分子計器社製、アスカゴム硬度計D型を用い、22℃、55%RHにおいてDタイプの表面硬度を測定した。
−表面の十点平均粗さRz−
ベルト表面の十点平均粗さRzは、JIS B0601に従い、東京精密製、サーフコム3000Aを用い、22℃、55%RHにて、測定長2.5mm、カットオフ値0.8mm、測定速度0.6mm/secの条件で計測した。
−体積抵抗率、表面抵抗率・抵抗ばらつき−
各半導電性ベルトの長さ方向に5点、周方向に10点(合計50点)について、前記の方法により100V印加時の体積抵抗率、表面抵抗率を測定し、その平均値をベルトの体積抵抗率、表面抵抗率とした。また、各表面抵抗率値の常用対数をとり、その最大値と最小値の差を抵抗バラツキ(桁:logΩcm)とした。
なお、測定には、ダイヤインスツルメント社のハイレスタIPのHRプローブを用い、22℃、55%RHにて、電圧印加後30秒値を用いた。
−寸法変化−
22℃/55%RH環境下、各半導電性ベルトに1kg/300mm幅の垂直荷重を掛け、100時間放置後、寸法変化を測定した。この測定値をもとに、下記式(4)により寸法変化率を求めた。
〔(荷重印加後の寸法−荷重印加前の寸法)/荷重印加前の寸法〕×100(%) ・・・ (4)
−傷つき性−
ケイ砂 4号(体積平均粒径:約1mm)をベルト上に0.5g載せ、これを複写機(富士ゼロックス社製、DocuColor 1255CP)に装着し印刷を実施した。その後、ベルトをきれいにメチルアルコールで拭き取り、色むら試験に供して、ベルトに入った傷の印刷への影響を目視で確認し、以下の判断基準で評価した。
○:異常なし。
△:異常小さく、ベルトを続けて使用可。
×: 異常大きく、ベルトの交換必要。
−ブリード性−
作製したベルトを、像担持体(富士ゼロックス社製、DocuColor 1255CP用感光体)に巻きつけ、高温高湿度(45℃、95%RH)の環境下で1週間保管後、その感光体を用いて画質を評価して、ブリ−ド性を以下の基準により評価した。
○:画質上の問題なし。
×:ブリードの発生があり、画質上での問題あり。
−連続走行テスト−
評価機として、図4に示すような構成を有するように富士ゼロックス社製DocuColor1255CPを改造して、形状係数SF1が125、体積平均粒径が5.5μmのトナーを使用して、葉書を3000枚連続コピー後、マゼンタ30%のハーフトーンをコピーした時の白抜け発生状況について、以下の基準により評価した。
○:白抜けの発生なし
△:白抜けの発生はないが、葉書の走行において、位置ずれが発生した。
×:白抜けの発生があり、画質上での問題あり
評価結果をまとめて表3に示す。
Figure 2006091497
表3の結果から、本発明の実施例1〜3の半導電性ベルトは、画質欠陥がなく、優れた画質を長期にわたり安定して得ることができることがわかった。一方、比較例1では、ベルト材料の硬度が低いので、寸法変化が大きく、用紙走行テストにおいて、白抜けの画質欠陥が発生した。また比較例2では、表面硬度が硬いために、葉書の走行において、位置ずれが発生し、傷つき性の評価で、像担持体に傷をつける問題があり、像担持体とベルトとの間に異物が混入した場合に、像担持体を傷つけて 画質欠陥を発生する問題があった。さらに比較例3では、ブリードの発生があり、ベルトの表面硬度が低いので、寸法変化が大きく、用紙走行テストにおいて、白抜けの画質欠陥が発生した。
<積層タイプの半導電性ベルトの作製、評価>
(表面層(1)〜(7)の作製)
−熱可塑性エラストマー組成物の作製−
前記単層タイプの半導電性ベルトの作製で用いたゴム組成物1〜2(表1)と、各熱可塑性樹脂成分(ポリエステル共重合体、変性ポリプロピレン、PET)を、表4の配合比でドライブレンドし、200〜230℃、剪断速度1000sec-1に設定した2軸混練機の第1投入口より投入して混練、動的加硫の工程を経て熱可塑性エラストマー組成物(7)〜(14)を作製した。得られた熱可塑性エラストマー組成物は、ペレット化し、次工程のベルト成形に供した。
−表面層の成形−
得られた熱可塑性エラストマー組成物(7)〜(14)を各々単軸押出し機に投入し、押出し機の先端に付けられた円筒形のダイを通じて、内径168mm、厚さ0.2mmの筒状に連続的に成形し、その後350mm長さに切断して、内径168mm、幅350mmの半導電性ベルトを構成する表面層(1)〜(7)を得た。なお、表面層(1)〜(7)の薄片を顕微鏡にて観察したところ、0.2〜1.0μm程度の大きさのゴム粒子が熱可塑性樹脂中に均一に分散されていることが確認された。
以上の各表面層の配合と、D硬度、体積抵抗率及び寸法変化率をまとめて表4に示す。
Figure 2006091497
表4の結果から、表面のD硬度が30未満であると、寸法変化が大きくなってしまい長期の使用に関して懸念される。さらに、本発明における表面層に用いた熱可塑性エラストマー組成物に用いられる熱可塑性樹脂がハードセグメントとソフトセグメントの共重合体からなるポリエステル樹脂であることによって、抵抗バラツキ、抵抗の電圧依存性が小さくなる傾向にあり、より望ましいと言える。
(基材(1)〜(4)の作製)
−基材(1)−
テトラカルボン酸二無水物として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と、ピロメリット酸2無水物(PMDA)とを2:1の比率で組み合わせ、ジアミン成分として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とからなるポリアミド酸のN−メチル−2ピロリドン(NMP)溶液(固形分20%)に、乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4(Degussa社製、pH3.0、揮発分:14.0%)をポリイミド系樹脂固形分100部に対して24部になるよう添加した。これらを混合し、衝突型分散機(ジーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで、最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて混合して、基材用のカーボンブラック入りポリアミド酸溶液(A)を得た。
カーボンブラック入りポリアミド酸溶液(A)を円筒状金型内面に、ディスペンサーを介して0.4mmに塗布し、1500rpmで15分間回転させて均一な厚みを有する展開層とした後、250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱した。次いで、室温に戻した後、金型からはがして、金属芯体に被覆して、360℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、更に360℃で30分加熱し、溶媒の除去、脱水閉環水の除去、及びイミド転化反応の完結を行った。その後室温に戻し、金型から剥離し、目的とするポリイミドフィルムからなる基材(1)を得た。
基材(1)の厚みは、0.08mmであった。この樹脂ベルトのヤング率は、2500MPaであり、印加電圧100Vでの体積抵抗率は、5×1010Ωcmであった。
−基材(2)−
ポリフッ化ビニリデン樹脂(呉羽化学工業(株)製:商品名「#850」)100部に、導電剤として酸化カーボンブラック(商品名:プリンテックス140U(pH:4.5%)、デグサ・ジャパン社製)16部を添加して、二軸押出機で 分散・混練して樹脂組成物を得た。これを用い、更に1軸押出機を用いて、厚さ0.15mmの樹脂ベルトからなる基材(2)を作製した。
この基材(2)は、印加電圧100Vでの体積抵抗率が1×1010Ωcmであり、ヤング率は、1900MPaであった。
−基材(3)−
フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(呉羽化学工業(株)製:商品名「#2300」)100部に、導電剤として、酸化カーボンブラック(商品名:プリンテックス140U(pH:4.5%)、デグサ・ジャパン社製)15部を添加して、二軸押出機で 分散・混練して樹脂組成物を得た。これを用い、更に1軸押出機を用いて、厚さ0.15mmの樹脂ベルトからなる基材(3)を作製した。
この基材(3)は、印加電圧100Vでの体積抵抗率が5×1010Ωcmであり、ヤング率は、1500MPaであった。
−基材(4)−
ポリプロピレン(出光興産(株)製、RB110(商品名))100部にケッチエンブラック15部を添加して、二軸押出機で 分散・混練して樹脂組成物のペレットを得た。これを用い、更に1軸押出機を用いて、厚さ0.15mmの樹脂ベルトからなる基材(4)を作製した。
この基材(4)は、印加電圧100Vでの体積抵抗率が5×1010Ωcmであり、ヤング率は、950MPapaであった。
(半導電性ベルトの作製)
−半導電性ベルト(7)〜(11)−
表面層(2)〜(6)と基材(1)とを、表5に示す実施例4〜8のように組合せて、円筒形状の金型に基材/表面層とを圧接して、圧力5.5kg/cm2の加圧下に温度150℃、60分間加熱して、内径168mm、幅350mmの2層構成の半導電性ベルトを得た。この半導電性ベルトの表面層の厚みは0.1mm、基材の厚みは0.08mmであった。
−半導電性ベルト(12)〜(13)−
表面層(3)〜(4)と基材(2)とを、表5に示す実施例9〜10のように組合せて、表面層/基材からなる円筒を共押出し法によって作製した。作製条件は、単軸押出し機に投入し、押出し機の先端に付けられた円筒形のダイを通じて、内径150mm、厚さ0.2mmの筒状に連続的に成形し、その後350mm長さに切断して、内径168mm、幅350mmのベルトとした。表面層及び基材の厚みは、それぞれ0.1mmとした。
−半導電性ベルト(14)〜(15)−
表面層(3)〜(4)と基材(3)とを、表5に示す実施例11〜12のように組合せて、表面層/基材からなる円筒を共押出し法によって作製した。作製条件は、単軸押出し機に投入し、押出し機の先端に付けられた円筒形のダイを通じて、内径150mm、厚さ0.2mmの筒状に連続的に成形し、その後350mm長さに切断して、内径168mm、幅350mmのベルトとした。表面層及び基材の厚みは、それぞれ0.1mmとした。
−半導電性ベルト(16)〜(18)−
表面層(1)、(7)〜(8)と基材(3)〜(4)とを、表5に示す比較例4〜6のように組合せて、表面層/基材からなる円筒を共押出し法によって作製した。作製条件は、単軸押出し機に投入し、押出し機の先端に付けられた円筒形のダイを通じて、内径150mm、厚さ0.2mmの筒状に連続的に成形し、その後350mm長さに切断して、内径168mm、幅350mmのベルトとした。表面層及び基材の厚みは、それぞれ0.1mmとした。
(半導電性ベルトの評価)
表5の実施例4〜12及び比較例4〜6に示すように、得られた半導電性ベルト(7)〜(18)について、体積抵抗率、転写画質、葉書を3000枚連続コピー後の画質等を評価した。
−体積抵抗率−
得られた半導電性ベルトの表面層及び積層されたベルトについて、図3に示す円形電極(ダイヤインスツルメント社製ハイレスターIPのHRプローブ:円柱状電極部Cの外径16mm、リング状電極部Dの内径30mm、外径φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cと第二電圧印加電極Bとの間に電圧100(V)を印加し、10秒後の電流値より求めた。
次に、実施例4〜12及び比較例4〜6で得られた半導電性ベルトについて、転写画質(ブラー、ホローキャラクター、色ずれ)、エンボス紙走行性、葉書を3000枚連続コピー後の画質を評価した。
−転写画質の評価−
得られた半導電性ベルトを富士ゼロックス(株)Docu Color1255CPを改造して、2次転写後の除電装置を装着して、以下のような転写画質を評価した。
ブラーの発生状況について、以下の基準により評価した。
◎:ブラーの発生なし。
○:ブラーの発生は、わずかであり、画質上での問題なし。
×:ブラーの発生があり、画質上での問題あり。
また、ホロキャラクターの発生状況について、以下の基準により評価した。
◎:画質上の問題なし
○:発生がわずかであり、画質上の問題は少ない
×:画質上の問題あり
さらに、色ずれの発生状況について、以下の基準により評価した。
◎:画質上の問題なし
○:発生がわずかであり、画質上での問題は少ない
×:画質上の問題あり
また、段差50μmのエンボス紙を走行して、マゼンタ30%のハーフトーンをコピーした時の画質評価を行い、以下の基準により評価した。
◎:連続1000枚走行テストで画質上問題
○:連続1000枚走行テストで画質上大きな問題なし
×:画質上の問題あり
−連続走行テスト−
葉書を3000枚連続コピー後、マゼンタ30%のハーフトーンをコピーした時の白抜け発生状況について、以下の基準により評価した。
○:白抜けの発生なし
×:白抜けの発生があり、画質上での問題あり
評価結果をまとめて表5に示す。
Figure 2006091497
表5の結果から、本発明の実施例4〜12の半導電性ベルトは、画質欠陥がなく、優れた画質を長期にわたり安定して得ることができた。特に、表面層の体積抵抗率の高い、実施例6、実施例10、実施例12においては、ブラーの発生のない高い画質が得られた。 一方、比較例4では、表面層材料の硬度が低いので、用紙走行テストにおいて、白抜けの画質欠陥が発生した。比較例5〜6では、表面硬度が硬いために、ホロキャラ画質欠陥が発生し、エンボス紙の走行性に問題があった。また、比較例6は、内層の樹脂組成物のヤング率が小さいためにカラーレジが悪く、初期で色ずれが発生した。
本発明の半導電性ベルトの構成を示す断面図である。 本発明における熱可塑性エラストマー組成物の分散状態を示す模式図である。 表面抵抗率、体積抵抗率の計測方法を示す図である。 本発明を適用する画像形成装置の要部部分を説明する模試図である。 本発明を適用する他の画像形成装置の要部部分を説明する模試図である。 本発明を適用するタンデム式の画像形成装置の要部部分を説明する模試図である。
符号の説明
1 半導電性ベルト
2 表面層
3 基材
4 ゴム粒子
5 熱可塑性樹脂
16、21 感光体ドラム(像担持体)
10、22 中間転写ベルト(中間転写体)
23 バイアスローラ(第二転写手段)
24 用紙トレー
25 ブラック現像器
26 イエロー現像器
27 マゼンタ現像器
28 シアン現像器
29 中間転写体クリーナ
33 剥離爪
41 ベルトローラ
42 バックアップローラ
43 ベルトローラ
44 ベルトローラ
45 導電性ローラ(第一転写手段)
46 電極ローラ
50 除電ロール
51 クリーニングブレード
61 記録紙
62 ピックアップローラ
63 フィードローラ
71 トナーカートリッジ
72 定着ロール
73 バックアップロール
74 テンションロール
75 2次転写ロール
76 用紙経路
77 用紙トレイ
78 レーザー発生装置
79 感光体
80 1次転写ロール
81 駆動ロール
82 転写クリナー
83 帯電ロール
84 感光体クリ−ナー
85 現像器
86 中間転写体
88 除電ロール

Claims (11)

  1. 電子写真用画像形成装置に用いられる半導電性ベルトであって、
    少なくとも該半導電性ベルトを構成する表面層が、熱可塑性樹脂をマトリクスとし、少なくとも一部が導電性を有するとともに少なくとも一部が架橋されたゴム粒子をドメインとする熱可塑性エラストマー組成物からなり、かつ、該熱可塑性エラストマー組成物の表面硬度がD硬度で30〜55の範囲であることを特徴とする半導電性ベルト。
  2. 前記熱可塑性樹脂が、ハードセグメントとソフトセグメントとの共重合体からなるポリエステル樹脂であり、前記ハードセグメントが芳香族ポリエステル構成セグメントであり、前記ソフトセグメントが脂肪族ポリエーテル構成セグメントまたは脂肪族ポリエステル構成セグメントであることを特徴とする請求項1に記載の半導電性ベルト。
  3. 表面の十点平均粗さRzが、1.5〜9.0μmの範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導電性ベルト。
  4. 少なくとも前記表面層と基材とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導電性ベルト。
  5. 前記表面層が、体積抵抗率が1013Ωcmを超え1014Ωcm以下の熱可塑性エラストマー組成物からなり、前記基材が、体積抵抗率が1×108〜1×1013Ωcmの範囲の樹脂組成物からなることを特徴とする請求項4に記載の半導電性ベルト。
  6. 前記表面層が、体積抵抗率が1×108〜1×1013Ωcmの範囲の熱可塑性エラストマー組成物からなり、前記基材が、体積抵抗率が1×108〜1×1013Ωcmの範囲の樹脂組成物からなることを特徴とする請求項4に記載の半導電性ベルト。
  7. 基材のヤング率が、1000〜3000MPaの範囲であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の半導電性ベルト。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導電性ベルトを、中間転写ベルトとして用いたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導電性ベルトを、用紙搬送ベルトとして用いたことを特徴とする画像形成装置。
  10. 形状係数SF1が、100〜140の範囲であるトナーを用いることを特徴とする請求項8または9に記載の画像形成装置。
  11. 除電手段を有することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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