JP2007322664A - 半導電性ベルト及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の半導電性ベルトは、弾性体で構成される基材層と、該基材層上に積層された保護層とを有し、基材層の層厚に対する保護層の層厚の比が0.04以下であると共に、半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、基材層の引張り永久歪みとの差が0.6%以下である。
【選択図】図1
Description
このような画像形成装置では、例えば、中間転写ベルトを像担持体に対向配置し、中間転写ベルトにトナー像を転写した後に、この中間転写ベルトに転写されたトナー像を記録媒体に転写する中間転写方式や、像担持体から直接記録媒体にトナー像を転写する直接転写方式等が用いられている。
この中間転写方式を使用した複写機は、直接転写方式の画像形成装置と比較すると、封筒、はがき、ラベル紙や厚紙までも大きさに関わらず転写できる利点を有している。
即ち、本発明は、クラックゴーストの発生を抑制可能な半導電性ベルト、及び該半導電性ベルトを搭載した画像形成装置を提供することを目的とする。
なお、本発明の半導電性ベルトは、無伸長時の体積抵抗率が107Ωcm〜1011Ωcmであることが好ましい。
本発明の半導電性ベルトは、少なくとも弾性材料を含有する基材層上に、保護層を積層して構成されている。
本発明の半導電性ベルトは、半導電性ベルトを構成する基材層の層厚に対する保護層の層厚の比が0.04以下であると共に、半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、基材層の引張り永久歪みとの差が0.6%以下である。
本発明の半導電性ベルトは、上記基材層に対する上記保護層の層厚の比が0.04以下である状態において、半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、基材層の引張り永久歪みとの差が0.6%以下である事が必須であり、よりクラックの発生を抑制するには、0.5%以下であることが更に好ましい。
本発明の半導電性ベルト及び基材層の引張り永久歪みは、100%伸長下で22℃55%RHの環境下に10分間保持した後、無伸長状態に戻して22℃55%RHの環境下に10分間保持した後に測定する。引張り永久歪みの測定は、後述する部分以外はJIS K6262(2006)に準拠して実施する。
より具体的には、半導電性ベルトの周方向に沿って試験片を打抜き、引張り装置により無伸長時に対して100%伸長するように伸長した状態を示す。
作製した試験片について、上記同様に、まず、22℃55%RHの環境下で無伸長時における試験片の平行部分の長さZを測定する。(JIS K6251(2004)に準拠するダンベル状1号型では40mmである。)次に、引っ張り装置により試験片を100%伸長した状態で22℃55%RHの環境下に10分間保持した後に、無伸長の状態に戻して22℃55%RHの環境下に10分間保持した後の試験片の平行部分の長さWを測定し、伸長処理前の試験片の平行部分の長さZに対する、伸長処理後の無伸長状態の試験片の平行部分の長さWの歪み率{(W―Z)/Z}×100(%)を、基材層の引張り永久歪みとして求めることにより、得ることができる。
また、半導電性ベルトの永久歪みを測定する試験片の厚みは、使用する半導電性ベルトの厚みとする。また、基材層の永久歪みを測定する試験片の厚みは、半導電性ベルトの保護層を除いた厚みとする。
また、半導電性ベルトは、継ぎ目のある無端ベルトであってもよいし、継ぎ目なしの無端ベルトであってもよい。
体積抵抗率は、円形電極(例えば、ダイヤインスツルメント(株)製、ハイレスタUPMCP−450型URプローブ)を用い、JIS K6911(1995)に従って測定した。体積抵抗率の測定方法を、図3を用いて説明する。図3は、円形電極の一例を示し、(a)は上面図であり、(b)はX−X断面図である。図3に示す円形電極は、第一電圧印加電極A’と第二電圧印加電極B’とを備える。第一電圧印加電極A’は、円柱状電極部C’と、該円柱状電極部C’の外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部C’を一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部D’とを備える。第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’及びリング状電極部D’と第二電圧印加電極B’との間に、半導電性ベルトbを挟持し、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’と第二電圧印加電極B’との間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式により、半導電性ベルトbの体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出することができる。ここで、下記式中、tは半導電性ベルトbの厚さを示す。
式:ρv=19.6×(V/I)×t
計測は、22℃/55%RH環境下にて、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’と第二電圧印加電極B’との間に電圧500(V)を印加し、10秒後の電流値より求めた。作成した基材の長さ方向に3点、周方向に8点の合計24点について計測した平均値を半導電性ベルトの体積抵抗率とした。
次いで、半導電性ベルトの構成について詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の半導電性ベルト10は、少なくとも弾性材料を含有する基材層12と、基材層12の表面を被覆する用に積層された保護層14と、を含んで構成されている。なお、必要に応じて、保護層14を、基材層12の両面に設けるようにしてもよい。
導電剤としては、導電性若しくは半導電性の微粉末が使用でき、所望の電気抵抗を安定して得ることができれば、特に制限はないが、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、アルミニウムやニッケル等の金属、酸化錫等の導電性金属酸化物、チタン酸カリウム等が例示でき、これらの中でも、カーボンブラック、導電性金属酸化物が特に好ましい。そしてこれらを単独、或いは併用して使用してもよい。
基材層12の厚みが300μmに満たないと、半導電性ベルト10の強度が十分でなく、回転等により破断する場合があり、900μmを越えると、半導電性ベルト10の抵抗や硬度が高くなるため使用できなくなる場合がある。
保護層14の構成材料としては、ウレタン樹脂、ポリエステル、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、セルロース等が挙げられる。
中でも、半導電性ベルトの硬度の点から、ウレタン樹脂が好ましい。
なお、導電性若しくは半導電性の微粉末の添加量は、半導電性ベルトの抵抗値を制御するために、保護層14を形成する際に用いられる塗料主原料100重量部に対して、0〜30質量%含有することが好ましく、0〜20質量%含有することがより好ましく、0〜15質量%含有することが更に好ましい。
また、保護層14には、フッ素系或いはシリコーン系の樹脂又は微粒子を添加してもよい。
更に、基材層12との接着性向上のためにカップリング剤を添加してもよい。
保護層14の厚みは、基材層12上への塗布量により制御することができる。
基材層12に対する保護層14の層厚の比が0.04より大きいと、経時でベルト張力が低下すると言う問題があり、0.001以下であると、表面粗さが大きくなることにより転写性能が低下すると言う問題がある。
第1の方法としては、基材層12の引張り永久歪みを上昇させて保護層14の引張り永久歪みに近い値となるように調整する方法があり、第2の方法としては、保護層14の引張り永久歪みを低下させて基材層12の引張り永久歪みに近い値となるように調整する方法がある。
中でも、ブルーム等表面析出物が発生しにくい観点から、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等を用いる事が好ましい。
中でも、ブルーム等表面析出物が発生しにくい観点から、カーボンブラック、シリカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、けい酸マグネシウム、けい酸アルミニウムを用いる事が好ましい。
中でも、ブルーム等表面析出物が発生しにくい観点から、炭酸カルシウム、けい酸アルミニウム、シリカを用いる事が好ましい。
中でも、ブリード等表面析出物が発生しにくい観点から、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルを用いる事が好ましい。
前記軟化剤の保護層14を構成する組成物に対する添加量が80重量部より多いと、ブリードを発生すると言う問題がある。
この場合についても同様に、上記保護層14の引張り永久歪みを低下させて、この保護層14を含む半導電性ベルト10を構成する前記基材層12の引張り永久歪みに近い値となるように、添加量及び添加する各材料の種類を調整すればよい。
本発明の半導電性ベルトを形成するにあたっては、公知の方法を適宜選択して用いることができる。中でも、特に、基材層12は、押出成形した材料を金属パイプに伸長させつつ被覆し、加硫を行いエンドレスベルト状に成形する方法が好ましく用いられる。その際、伸長率は、1.2倍(20%)以上であることが好ましい。伸長率が1.2倍(20%)未満であると、得られた半導電性ベルトを伸長して使用する際に、体積抵抗率の上昇が押さえられず、画像形成装置に使用した場合に、転写不良による画質欠陥を生じてしまう。なお、製造操作上の観点から、押出成形した材料の伸長率の上限は3.0倍(300%)程度である。
ここで、上記の伸長率は、押出成形した半導電性ベルトの内径と、加硫時に用いる金属パイプの外径の比から求める。
このようにして得られたベルト基材の表面に、塗布法による保護層を形成することにより、本発明の半導電性ベルトを製造することができる。
即ち、パーオキサイド架橋を行い、添加剤を加えることによってベルト基材を成形し、その表面に塗布法による保護層を形成することにより、本発明の半導電性ベルトを作製することもできる。
本発明の半導電性ベルトは、JIS B0601(1994)に規定する表面粗さRz(10点平均粗さ)が10μm以下であることが好ましく、更に8μm以下であることがより好ましい。なお、下限値は特に限定されるわけではないが、感光体ドラムとのタック性という観点から、1.0μm以上であることが好ましい。
ベルトの表面粗さは、基材(ベルト基材)を作製する際の研磨条件を制御することで上記範囲にすることができる。
次いで、本発明の画像形成装置について、図を用いて詳細に説明する。
本発明の画像形成装置は、上述の本発明の半導電性ベルトを備えることを特徴とする。また、この半導電性ベルトは、画像形成装置の、中間転写ベルト又は用紙搬送ベルトとして用いることが好ましい態様である。
なお、本発明の半導電性ベルトを中間転写ベルトとして画像形成装置に備える場合、該中間転写ベルトが複数の張架ロールに張架され、像担持体の形状に沿って接触配置され、該像担持体及び当該中間転写ベルトのいずれか一方を駆動源とし、他方を従動回転させる構成の画像形成装置であることが好ましい態様である。
まず、上記半導電性ベルトを、中間転写ベルトとして備えた場合の、本発明の画像形成装置について説明する。
本発明の画像形成装置50は、感光体ドラム(像担持体)19と、この感光体ドラム19からトナー像を転写させるために感光体ドラム19に感光体ドラム19の外周面に沿うように接触配置された中間転写ベルト20とを有する。本実施の形態において、感光体ドラム19は光の照射によって抵抗値が低下する感光層を備えたものであり、この感光体ドラム19の周囲には、感光体ドラム19を帯電する帯電装置11と、帯電された感光体ドラム19上に各色成分(本例では、ブラック、イエロ、マゼンタ、シアン)の静電潜像を書込む露光装置31と、感光体ドラム19上に形成された各色成分潜像を各色成分トナーにて可視像化するロータリ型現像装置13と、中間転写ベルト20と、感光体ドラム19上の残留トナーを清掃するクリーニング装置17と、が配設されている。また、画像形成装置50は、記録媒体40を搬送するための用紙搬送ベルト51を含んで構成されている。
また、露光装置31は感光体ドラム19上に光によって像を書き込めるものであればよく、例えば、LEDを用いたプリントヘッドが用いられるが、これに限られるものではなく、ELを用いたプリントヘッドでも、レーザビームをポリゴンミラーでスキャンするスキャナなど適宜選定して差し支えない。
なお、本例では、ロータリ型現像装置13が用いられているが、4台の現像装置を用いるようにしてもよい。
但し、転写効率の高い、例えば、球状トナーを使用する場合にはクリーニング装置17を使用しない態様もあり得る。
更に、中間転写ベルト20の張架ロール23に対向した部位には、二次転写装置としての二次転写ロール30が張架ロール23のバックアップロールとして対向配置されており、例えば、二次転写ロール30に所定の二次転写バイアスが印加され、バックアップロールを兼用する張架ロール23は接地されていることが好ましい。
なお、本例では、4つの張架ロール21、張架ロール22、張架ロール23、及び張架ロール24各々の大きさは適宜選定して差し支えない。
また、この中間転写ベルト20と感光体ドラム19とは各々別駆動系で駆動されていてもよい。
図4は、本発明の画像形成装置の他の一実施形態を示す概略構成図である。
図4に示すように、本発明の画像形成装置60は、感光体ドラム(像担持体)62及びこれに対向する本発明の半導電性ベルト10を有し、感光体ドラム62上に形成されたトナー像を、中間転写ベルトとしての半導電性ベルト10、または用紙搬送ベルトとしての半導電性ベルト10A上の記録媒体40に転写する。
このような態様の駆動構成にすることで、一方の駆動機構を省略することができ、その分、駆動コストを抑制できるほか、中間転写ベルトとして機能する半導電性ベルト10と感光体ドラム62との駆動干渉からくる半導電性ベルト10の厚み変動や、プロセス方向の送り変動などの変動要因を除外することができる。
そのため、本発明の画像形成装置50及び画像形成装置50においては、本発明の半導電性ベルト10の無伸長時の周長に対して、1〜10%の範囲の伸長率で使用することが好ましく、4〜10%の範囲の伸長率がより好ましい。
ここで、伸張率が10%を超える場合には、半導電性ベルトの保護層に割れが発生し、良好な画質が得られない場合がある。
(ベルト基材の作製)
ポリクロロプレンゴム(ES−40、電気化学工業社製)85重量部、エピクロルヒドリン共重合体(ゼクロン3106、日本ゼオン社製)15重量部、カーボン(アサヒサーマル、旭カーボン社製)20重量部、ケッチェンブラックEC(旭カーボン社製)8重量部、酸化亜鉛(亜鉛華1号、日本化学工業)5重量部、酸化マグネシウム(キョーワマグ150、協和化学工業社製)5重量部、炭酸カルシウム(シルバーW、白石工業)15重量部、プロセスオイル(ダイアナPW−150、出光興産)10重量部、作製する基材層の引張り永久歪みを上昇させるために基材層に添加する難燃剤としての水酸化アルミニウム(ハイジライトH−10、昭和電工)15重量部、イオウ(#200、鶴見化学工業)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーTS、大内新興化学工業社製)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーDT、大内新興化学工業社製)0.5重量部を混練り後、押出成形を行い金属製パイプに被覆し、150度1時間加硫缶にて蒸気加硫を行った。さらに加硫後のベルトを、円筒研削盤にて表と裏側を研削して厚さ500μmに仕上げることによって本発明の半導電性ベルトの基材層を作製した。
得られた基材層の表面にカーボンブラック10部を添加したJLY−601ESD(日本アチソン社製)をスプレーコートし、その後130℃で30分加熱し、厚み10μmの保護層を形成することによって、基材層に対する保護層の層厚の比が0.02である半導電性ベルトを作製した。
また、得られた半導電性ベルトを、22℃55%RH環境下にてベルト周方向に沿ってJIS K6251(2004)に準拠するダンベル状1号形の試験片を打抜き、22℃55%RH環境下で引っ張り装置としてアイコーエンジニアリング社製MODEL−1605Nを用いて100%伸長した状態で10分間保持した後、試験片を無伸長の状態に戻し22℃55%RH環境下にて10分間保持した後に引張り永久歪みを測定したところ、2.7%であった。
このため、実施例1で作製した半導電性ベルトの半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、前記基材層の引張り永久歪みとの差は0.5%であった。
(ベルト基材の作製)
ポリクロロプレンゴム(ES−40、電気化学工業社製)85重量部、エピクロルヒドリン共重合体(ゼクロン3106、日本ゼオン社製)15重量部、カーボン(アサヒサーマル、旭カーボン社製)20重量部、ケッチェンブラックEC(旭カーボン社製)8重量部、酸化亜鉛(亜鉛華1号、日本化学工業)5重量部、酸化マグネシウム(キョーワマグ150、協和化学工業社製)5重量部、炭酸カルシウム(シルバーW、白石工業)15重量部、プロセスオイル(ダイアナPW−150、出光興産)10重量部、作製する基材層の引張り永久歪みを上昇させるために基材層に添加する硬化剤としてのクレー(ユニオンクレーRC−1、竹原化学工業)25重量部、イオウ(#200、鶴見化学工業)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーTS、大内新興化学工業社製)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーDT、大内新興化学工業社製)0.5重量部を混練り後、押出成形を行い金属製パイプに被覆し、150度1時間加硫缶にて蒸気加硫を行った。さらに加硫後のベルトを、円筒研削盤にて表と裏側を研削して厚さ500μmに仕上げることによって、本発明の半導電性ベルトの基材層を作製した。
得られたベルト基材の表面にカーボンブラック10部を添加したJLY−601ESD(日本アチソン社製)をスプレーコートし、その後130℃で30分加熱し、厚み10μmの保護層を形成することによって、基材層に対する保護層の層厚の比が0.02である半導電性ベルトを作製した。
また、得られた半導電性ベルトを、実施例1と同様にして引張り永久歪みを測定したところ、2.5%であった。
このため、実施例2で作製した半導電性ベルトの半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、前記基材層の引張り永久歪みとの差は0.4%であった。
(ベルト基材の作製)
ポリクロロプレンゴム(ES−40、電気化学工業社製)85重量部、エピクロルヒドリン共重合体(ゼクロン3106、日本ゼオン社製)15重量部、カーボン(アサヒサーマル、旭カーボン社製)20重量部、ケッチェンブラックEC(旭カーボン社製)8重量部、酸化亜鉛(亜鉛華1号、日本化学工業)5重量部、酸化マグネシウム(キョーワマグ150、協和化学工業社製)5重量部、炭酸カルシウム(シルバーW、白石工業)15重量部、作製する基材層の引張り永久歪みを上昇させるためのプロセスオイルとして(ダイアナプロセスオイルNS−100、出光興産)10重量部、イオウ(#200、鶴見化学工業)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーTS、大内新興化学工業社製)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーDT、大内新興化学工業社製)0.5重量部を混練り後、押出成形を行い金属製パイプに被覆し、150度1時間加硫缶にて蒸気加硫を行った。さらに加硫後のベルトを、円筒研削盤にて表と裏側を研削して厚さ500μmに仕上げることによって、本発明の半導電性ベルトの基材層を作製した。
得られたベルト基材の表面にカーボンブラック10部を添加したJLY−601ESD(日本アチソン社製)をスプレーコートし、その後130℃で30分加熱し、厚み3μmの保護層を形成することによって、基材層に対する保護層の層厚の比が0.006である半導電性ベルトを作製した。
また、得られた半導電性ベルトを、実施例1と同様にして引張り永久歪みを測定したところ、2.0%であった。
このため、実施例3で作製した半導電性ベルトの半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、前記基材層の引張り永久歪みとの差は0.3%であった。
(ベルト基材の作製)
ポリクロロプレンゴム(ES−40、電気化学工業社製)85重量部、エピクロルヒドリン共重合体(ゼクロン3106、日本ゼオン社製)15重量部、カーボン(アサヒサーマル、旭カーボン社製)20重量部、ケッチェンブラックEC(旭カーボン社製)8重量部、酸化亜鉛(亜鉛華1号、日本化学工業)5重量部、酸化マグネシウム(キョーワマグ150、協和化学工業社製)5重量部、炭酸カルシウム(シルバーW、白石工業)15重量部、プロセスオイル(ダイアナPW−150、出光興産)10重量部、イオウ(#200、鶴見化学工業)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーTS、大内新興化学工業社製)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーDT、大内新興化学工業社製)0.5重量部を混練り後、押出成形を行い金属製パイプに被覆し、150度1時間加硫缶にて蒸気加硫を行った。さらに加硫後のベルトを、円筒研削盤にて表と裏側を研削して厚さ500μmに仕上げることによって、本発明の半導電性ベルトの基材層を作製した。
得られたベルト基材の表面にカーボンブラック10部を添加したJLY−601ESD(日本アチソン社製)をスプレーコートし、その後130℃で30分加熱し、厚み10μmの保護層を形成することによって、基材層に対する保護層の層厚の比が0.02である半導電性ベルトを作製した。
また、得られた半導電性ベルトを実施例1と同様にして引張り永久歪みを測定したところ、1.8%であった。
このため、実施例4で作製した半導電性ベルトの半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、前記基材層の引張り永久歪みとの差は0.6%であった。
(ベルト基材の作製)
ポリクロロプレンゴム(ES−40、電気化学工業社製)85重量部、エピクロルヒドリン共重合体(ゼクロン3106、日本ゼオン社製)15重量部、カーボン(アサヒサーマル、旭カーボン社製)20重量部、ケッチェンブラックEC(旭カーボン社製)8重量部、酸化亜鉛(亜鉛華1号、日本化学工業)5重量部、酸化マグネシウム(キョーワマグ150、協和化学工業社製)5重量部、炭酸カルシウム(シルバーW、白石工業)20重量部、プロセスオイル(ダイアナPW−150、出光興産)10重量部、イオウ(#200、鶴見化学工業)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーTS、大内新興化学工業社製)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーDT、大内新興化学工業社製)0.5重量部を混練り後、押出成形を行い金属製パイプに被覆し、150度1時間加硫缶にて蒸気加硫を行った。さらに加硫後のベルトを、円筒研削盤にて表と裏側を研削して厚さ500μmに仕上げることによって、本発明の半導電性ベルトの基材層を作製した。
得られたベルト基材の表面にカーボンブラック10部を添加したJLY−601ESD(日本アチソン社製)をスプレーコートし、その後130℃で30分加熱し、厚み20μmの保護層を形成することによって、基材層に対する保護層の層厚の比が0.04である半導電性ベルトを作製した。
また、得られた半導電性ベルトを実施例1と同様にして引張り永久歪みを測定したところ、1.9%であった。
このため、実施例5で作製された半導電性ベルトの半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、前記基材層の引張り永久歪みとの差は0.6%であった。
(ベルト基材の作製)
ポリクロロプレンゴム(ES−40、電気化学工業社製)85重量部、エピクロルヒドリン共重合体(ゼクロン3106、日本ゼオン社製)15重量部、カーボン(アサヒサーマル、旭カーボン社製)20重量部、ケッチェンブラックEC(旭カーボン社製)8重量部、酸化亜鉛(亜鉛華1号、日本化学工業)5重量部、酸化マグネシウム(キョーワマグ150、協和化学工業社製)5重量部、プロセスオイル(ダイアナPW−150、出光興産)10重量部、イオウ(#200、鶴見化学工業)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーTS、大内新興化学工業社製)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーDT、大内新興化学工業社製)0.5重量部を混練り後、押出成形を行い金属製パイプに被覆し、150度1時間加硫缶にて蒸気加硫を行った。さらに加硫後のベルトを、円筒研削盤にて表と裏側を研削して厚さ500μmに仕上げることによって、半導電性ベルトの基材層を作製した。
得られたベルト基材の表面にカーボンブラック10部を添加したJLY−601ESD(日本アチソン社製)をスプレーコートし、その後130℃で30分加熱し、厚み12μmの保護層を形成することによって、基材層に対する保護層の層厚の比が0.024である半導電性ベルトを作製した。
また、得られた半導電性ベルトを実施例1と同様にして引張り永久歪みを測定したところ、1.6%であった。
このため、比較例1で作製した半導電性ベルトの半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、前記基材層の引張り永久歪みとの差は0.8%であった。
(ベルト基材の作製)
ポリクロロプレンゴム(ES−40、電気化学工業社製)85重量部、エピクロルヒドリン共重合体(ゼクロン3106、日本ゼオン社製)15重量部、カーボン(アサヒサーマル、旭カーボン社製)20重量部、ケッチェンブラックEC(旭カーボン社製)8重量部、酸化亜鉛(亜鉛華1号、日本化学工業)5重量部、酸化マグネシウム(キョーワマグ150、協和化学工業社製)5重量部、炭酸カルシウム(シルバーW、白石工業)5重量部、プロセスオイル(ダイアナPW−150、出光興産)10重量部、イオウ(#200、鶴見化学工業)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーTS、大内新興化学工業社製)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーDT、大内新興化学工業社製)0.5重量部を混練り後、押出成形を行い金属製パイプに被覆し、150度1時間加硫缶にて蒸気加硫を行った。さらに加硫後のベルトを、円筒研削盤にて表と裏側を研削して厚さ500μmに仕上げることによって、半導電性ベルトの基材層を作製した。
得られたベルト基材の表面にカーボンブラック10部を添加したJLY−601ESD(日本アチソン社製)をスプレーコートし、その後130℃で30分加熱し、厚み10μmの保護層を形成することによって、基材層に対する保護層の層厚の比が0.02である半導電性ベルトを作製した。
また、得られた半導電性ベルトを実施例1と同様にして引張り永久歪みを測定したところ、1.7%であった。
このため、比較例2で作製した半導電性ベルトの半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、前記基材層の引張り永久歪みとの差は0.7%であった。
上記実施例1〜実施例5及び比較例1〜比較例2で作製した半導電性ベルトを中間転写ベルトとして下記のような構成の画像形成装置に設置し、下記の方法で転写性能を評価した。なお、下記に示す画像形成装置の構成は、図2に示す画像形成装置と略同様の構成の装置を使用した。
・プロセス速度:80mm/s
・トナー:富士ゼロックス社製、商品名:DocuCentreColor400CPで用いられるトナー(体積平均粒子径5μm)。
富士ゼロックス社製、商品名:DocuCentreColor400CPで用いられるトナー(体積平均粒子径8μm)。
・現像担持体:φ15mmのアルミニウム中空パイプにアルマイト処理を施したもの。
・像形成部材:厚さ0.5mmのSUS板にゴム硬度50度のシリコーンゴムをドクター方式に設定したもの。
・一次転写装置:φ15mm、体積抵抗率108Ωcm、半導電性スポンジ材層を備えたロール
・二次転写装置:φ20mm、体積抵抗率108Ωcm、イオン導電剤を配合した発泡性シリコーンゴム層を備えたロール
・潜像電位:−100V
・背景部電位:−350V
・中間転写ベルト:半導電性ベルトをロールにて無伸長時に比べて5%伸長して張架し、感光体ドラム駆動による中間転写ベルト従動駆動、感光体ドラムとの接触幅(ニップ幅)30mm
・定着装置:厚さ0.5mmのSUS材を使用したφ40mmの中空タイプ
・ヒートランプ:定格650Wのタングステンランプ
・プレッシャーロール:φ30mmのSUS円筒に肉厚50mmのゴム層を被覆させたもの。
・記録媒体:富士ゼロックス社製J紙
実施例1〜実施例5、比較例1〜比較例2各々で作製した半導電性ベルトについて、上記体積平均粒子径5μmのトナーを用いた場合と、体積平均粒子径8μmのトナーを用いた場合の各々について、下記の方法で、発生したクラック幅の測定、及び画質評価としてクラックゴーストの評価を行った。評価結果を下記表1に示した。
実施例1〜実施例5、比較例1〜比較例2各々で作製した半導電性ベルト各々を搭載した上記画像形成装置について、エリアカバレッジ5%の画像を上記記録媒体1万枚に形成した後に、各半導電性ベルトの外周面上に発生したクラックのクラック幅のうち、最大のクラック幅を、各半導電性ベルトのクラック幅として測定した。
なお、このクラック幅は、半導電性ベルトの張架方向としての、半導電性ベルトの周方向の長さであって、株式会社島津製作所社製レーザ顕微鏡を用いて測定した。
エリアカバレッジ5%の画像を上記記録媒体1万枚に形成した後に、マゼンタ色とシアン色を合わせた青色(用紙一杯)の100%ベタ画像を、上記記録媒体1枚に形成した直後に、全面100%の白色画像を上記記録媒体1枚に形成した(以下、白紙と称する)。そして、クラックゴーストの評価は、この白紙上に青色領域(青色画像)が存在するか否かを目視により評価することにより行った。
クラックゴーストの評価指標は下記の通りである。
○:クラックゴースト発生有り。
×:クラックゴースト発生無し。
また、半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、基材層の引張り永久歪みとの差が0.6%である実施例4において発生したクラックのクラック幅は、7μmであり、現在の複合機やプリンター等の画像形成装置に多く用いられているトナーの体積平均粒子径5μm、及び8μmのうちの8μmのトナーを用いた場合には、クラックゴーストの発生はみられなかったが、5μmのトナーを用いた場合には、トナーの体積平均粒子径よりクラック幅が大きいために、クラックゴーストが発生した。
以上のことから、本発明の半導電性ベルトは、中間転写ベルトとして用いた場合において、クラックゴーストの発生を抑制することができることが判明した。
12 基材層
14 保護層
19、62 感光体ドラム
20 中間転写ベルト
50、60 画像形成装置
51 用紙搬送ベルト
Claims (2)
- 基材層と該基材層上に積層された保護層とを有し、前記基材層の層厚に対する前記保護層の層厚の比が0.04以下であると共に、半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、前記基材層の引張り永久歪みとの差が0.6%以下であることを特徴とする半導電性ベルト。
- 画像情報に応じた静電潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体上に形成された静電潜像をトナーにより現像して該像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、
前記像担持体上に形成されたトナー像が転写される中間転写体と、
前記中間転写体に転写されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
を備え、
前記中間転写体が、基材層と、該基材層上に積層された保護層と、を有し、前記基材層の層厚に対する前記保護層の層厚の比が0.04以下であると共に、半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、前記基材層の引張り永久歪みとの差が0.6%以下である半導電性ベルトからなることを特徴とする画像形成装置。
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