JP2007322664A - 半導電性ベルト及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラックゴーストの発生を抑制可能な半導電性ベルト、及び該半導電性ベルトを搭載した画像形成装置を提供する。
【解決手段】本発明の半導電性ベルトは、弾性体で構成される基材層と、該基材層上に積層された保護層とを有し、基材層の層厚に対する保護層の層厚の比が0.04以下であると共に、半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、基材層の引張り永久歪みとの差が0.6%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導電性ベルト及び画像形成装置に係り、特に、電子写真方式の画像形成装置に搭載して好適な半導電性ベルト及び該中間転写体を搭載した画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置として、トナー像を担持する像担持体と、この像担持体上に担持されたトナー像を転写される中間転写ベルトを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような画像形成装置では、例えば、中間転写ベルトを像担持体に対向配置し、中間転写ベルトにトナー像を転写した後に、この中間転写ベルトに転写されたトナー像を記録媒体に転写する中間転写方式や、像担持体から直接記録媒体にトナー像を転写する直接転写方式等が用いられている。
この中間転写方式を使用した複写機は、直接転写方式の画像形成装置と比較すると、封筒、はがき、ラベル紙や厚紙までも大きさに関わらず転写できる利点を有している。
このような中間転写方式を使用した画像形成装置において、像担持体から中間転写ベルトへのトナー像の転写効率を上げるために、像担持体と中間転写ベルトとの間に周速度差をつけて機械的にトナーと像担持体との間にせん断力を与えてトナーの付着力を破壊する手法が知られている。しかしながら、この手法では、像担持体と中間転写ベルトとの静電吸着力により中間転写ベルトが像担持体を引っ張るような状態となるために、像担持体の回転速度に変動が生じ、バンディングや色ずれ等が発生する懸念があった。
このような問題に対応可能な技術として、例えば、特許文献2では、弾性を有する中間転写ベルトを複数の張架ロールに掛け渡し伸張させると共に、中間転写ベルトと像担持体との接触領域を増やすことで、従来の画像形成装置に比べて高画質且つ高転写効率を実現していた。
特開昭63−301960号公報 特開2003−84581号公報
しかしながら、中間転写ベルトを伸長して画像形成装置に搭載すると、中間転写ベルトの表面に亀裂(クラック)が発生するという問題がある。これは、伸張や回転の伸縮によって中間転写ベルトの外側表面と内側とで伸びに差が生じるためであり、特に、中間転写ベルトとして、弾性体で構成される基材層上に樹脂で構成された保護層を形成した中間転写ベルトでは、基材層の伸びに保護層の伸びが追従できずに保護層にクラックが発生しやすいという懸念がある。このような中間転写ベルトを電子写真方式の画像形成装置の中間転写体として搭載した場合、中間転写ベルトの回転時にクラックの中にトナーが入り、ベルトクリーナーでもクリーニングされず、このクラックの中にトナーが溜まった状態となる。この状態で、さらに中間転写ベルトが回転されると、クラック中に溜まったトナーの一部が記録媒体に転写されてしまうために、記録媒体上の本来画像がのるべきではない領域にトナーが転写されてしまうという問題(所謂、クラックゴースト)が発生する懸念があった。
本発明は、上記技術的課題を解決することを目的とする。
即ち、本発明は、クラックゴーストの発生を抑制可能な半導電性ベルト、及び該半導電性ベルトを搭載した画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の半導電性ベルトは、基材層と該基材層上に積層された保護層とを有し、前記基材層の層厚に対する前記保護層の層厚の比が0.04以下であると共に、半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、前記基材層の引張り永久歪みとの差が0.6%以下であることを特徴としている。
なお、上記基材層は、少なくとも弾性材料を含有している。
なお、本発明の半導電性ベルトは、無伸長時の体積抵抗率が10Ωcm〜1011Ωcmであることが好ましい。
本発明の画像形成装置は、画像情報に応じた静電潜像を担持する像担持体と、前記像担持体上に形成された静電潜像をトナーにより現像して該像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、前記像担持体上に形成されたトナー像が転写される中間転写体と、前記中間転写体に転写されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、を備え、前記中間転写体が、基材層と、該基材層上に積層された保護層と、を有し、前記基材層の層厚に対する前記保護層の層厚の比が0.04以下であると共に、半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、前記基材層の引張り永久歪みとの差が0.6%以下である半導電性ベルトからなることを特徴としている。
本発明の画像形成装置において、前記中間転写体としての前記半導電性ベルトは、前記像担持体に接触配置され、該半導電性ベルト及び該像担持体の何れか一方の回転に応じて他方が従動回転することができる。
また、前記中間転写体としての前記半導電性ベルトは、複数の張架ロールによって張架されると共に、該半導電性ベルトの外周面の少なくとも一部が前記像担持体の外周面に沿って接触するように配置されることができる。
なお、本発明の画像形成装置は、前記記録媒体を搬送する搬送手段を更に備え、該搬送手段を請求項1に記載の半導電性ベルトとすることができる。
なお、請求項1に記載の半導電性ベルトを前記中間転写体及び前記搬送手段の何れか一方または双方として用いるときには、該半導電性ベルトは、該半導電性ベルトの無伸長時における張架方向長さに対して、1%〜10%伸長された状態で複数の張架ロールによって張架されることが好ましい。
また、本発明の画像形成装置の前記トナーは、球状であることが好ましい。
なお、本発明の画像形成装置は、前記中間転写体上の残留トナーを除去するクリーニング手段を更に備えることができる。
本発明の半導電性ベルト及び画像形成装置によれば、クラックゴーストの発生を抑制可能な半導電性ベルト、及び該半導電性ベルトを搭載した画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明するにあたり、まず、本発明の中間転写ベルトについて詳述し、その後、本発明の画像形成装置について述べる。
<半導電性ベルト>
本発明の半導電性ベルトは、少なくとも弾性材料を含有する基材層上に、保護層を積層して構成されている。
本発明の半導電性ベルトは、半導電性ベルトを構成する基材層の層厚に対する保護層の層厚の比が0.04以下であると共に、半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、基材層の引張り永久歪みとの差が0.6%以下である。
このように、本発明の半導電性ベルトでは、半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、基材層の引張り永久歪みと、の差が0.6%以下であることから、この半導電性ベルトが詳細を後述する画像形成装置に搭載されることによって伸長された状態を継続した場合であっても、基材層の伸長に追随して保護層が伸長されるので、半導電性ベルト上に亀裂(所謂、クラック)が発生することを抑制することができる。
−半導電性ベルトの引張り永久歪み−
本発明の半導電性ベルトは、上記基材層に対する上記保護層の層厚の比が0.04以下である状態において、半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、基材層の引張り永久歪みとの差が0.6%以下である事が必須であり、よりクラックの発生を抑制するには、0.5%以下であることが更に好ましい。
ここで、本発明の半導電性ベルトの引張り永久歪みの測定方法について説明する。
本発明の半導電性ベルト及び基材層の引張り永久歪みは、100%伸長下で22℃55%RHの環境下に10分間保持した後、無伸長状態に戻して22℃55%RHの環境下に10分間保持した後に測定する。引張り永久歪みの測定は、後述する部分以外はJIS K6262(2006)に準拠して実施する。
なお、この「100%伸長」とは、例えば、半導電性ベルトに外的な応力が掛けられていない状態としての無伸長時から、半導電性ベルトの周方向に100%伸長した状態を示す。
より具体的には、半導電性ベルトの周方向に沿って試験片を打抜き、引張り装置により無伸長時に対して100%伸長するように伸長した状態を示す。
半導電性ベルトの引張り永久歪みは、まず、22℃55%RHの環境下で無伸長状態における半導電性ベルトの周方向に沿ってJIS K6251(2004)に準拠するダンベル状1号型の試験片を打抜く。この試験片の平行部分の長さXは40mmである。
次に、伸長処理として、上述のように、この半導電性ベルトを引張り装置により100%伸長した状態(すなわち試験片の平行部分の長さが80mmの状態)で22℃55%RHの環境下に10分間保持する。その後、試験片を無伸長の状態に戻し、上記伸長処理時と同じく22℃55%RHの環境下に10分間保持したときの試験片の平行部分の長さY(mm)を測定する。そして、上記伸長処理を施す前に測定した試験片の平行部分の長さX(mm)に対する、上記伸長処理後に無伸長の状態に戻して測定した試験片の平行部分の長さY(mm)の歪み率{(Y―X)/X}×100(%)を、半導電性ベルトの引張り永久歪みとして求める。
基材層の引張り永久歪みについては、22℃55%RHの環境下で無伸長時における半導電性ベルトから上記同様にして打抜いた試験片について保護層のみを除去した試験片を準備する。保護層の除去は試験片打抜き前に行ってもよく、試験片打抜き後に除去しても良い。保護層の除去は、切り取り、研磨、溶剤に溶解させる等の方法で行うことができる。
作製した試験片について、上記同様に、まず、22℃55%RHの環境下で無伸長時における試験片の平行部分の長さZを測定する。(JIS K6251(2004)に準拠するダンベル状1号型では40mmである。)次に、引っ張り装置により試験片を100%伸長した状態で22℃55%RHの環境下に10分間保持した後に、無伸長の状態に戻して22℃55%RHの環境下に10分間保持した後の試験片の平行部分の長さWを測定し、伸長処理前の試験片の平行部分の長さZに対する、伸長処理後の無伸長状態の試験片の平行部分の長さWの歪み率{(W―Z)/Z}×100(%)を、基材層の引張り永久歪みとして求めることにより、得ることができる。
なお、試験片についてJIS K6251(2004)に準拠するダンベル1号型で説明したが、JIS K6251に準拠する他の試験片形状で測定しても構わない。また、JIS K6262(2006)に規定されるI字状試験片で測定してももちろん構わない。
また、半導電性ベルトの永久歪みを測定する試験片の厚みは、使用する半導電性ベルトの厚みとする。また、基材層の永久歪みを測定する試験片の厚みは、半導電性ベルトの保護層を除いた厚みとする。
なお、本発明における半導電性ベルトにおいて、「半導電性」とは、無伸張状態でのベルトの体積抵抗率が10〜1011Ωcmの範囲であること意味する。本発明の半導電性ベルトが、この範囲の体積抵抗率を有することにより、後述する画像形成装置の中間転写ベルトや用紙搬送ベルトとして用いたときに、好ましい転写性能を得ることができる。
また、半導電性ベルトは、継ぎ目のある無端ベルトであってもよいし、継ぎ目なしの無端ベルトであってもよい。
ここで、本発明における体積抵抗率の測定方法について説明する。
体積抵抗率は、円形電極(例えば、ダイヤインスツルメント(株)製、ハイレスタUPMCP−450型URプローブ)を用い、JIS K6911(1995)に従って測定した。体積抵抗率の測定方法を、図3を用いて説明する。図3は、円形電極の一例を示し、(a)は上面図であり、(b)はX−X断面図である。図3に示す円形電極は、第一電圧印加電極A’と第二電圧印加電極B’とを備える。第一電圧印加電極A’は、円柱状電極部C’と、該円柱状電極部C’の外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部C’を一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部D’とを備える。第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’及びリング状電極部D’と第二電圧印加電極B’との間に、半導電性ベルトbを挟持し、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’と第二電圧印加電極B’との間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式により、半導電性ベルトbの体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出することができる。ここで、下記式中、tは半導電性ベルトbの厚さを示す。
式:ρv=19.6×(V/I)×t
計測は、22℃/55%RH環境下にて、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’と第二電圧印加電極B’との間に電圧500(V)を印加し、10秒後の電流値より求めた。作成した基材の長さ方向に3点、周方向に8点の合計24点について計測した平均値を半導電性ベルトの体積抵抗率とした。
−半導電性ベルトの層構成−
次いで、半導電性ベルトの構成について詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の半導電性ベルト10は、少なくとも弾性材料を含有する基材層12と、基材層12の表面を被覆する用に積層された保護層14と、を含んで構成されている。なお、必要に応じて、保護層14を、基材層12の両面に設けるようにしてもよい。
基材層12に含有される上記弾性材料を形成する材料としては、ジエン系若しくは非ジエン系のゴム弾性体があり、上記ゴム弾性体の材料は、固体状、液体状のどちらでもよく、アクリルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エピクロルヒドリン共重合ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ノルボルネン、水素添加ポリブタジエンゴム等が挙げられ、これらの中でも、エチレン−プロピレン共重合ゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エピクロルヒドリン共重合ゴム、クロロプレンゴムがより好ましい。上記弾性材料を、1種類又は2種類以上ブレンドして用いることができる。なお、必要に応じて軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、シリカ及び炭酸カルシウム等の充填剤等、通常ゴムに添加され得る材料を加えてもよい。
上記基材層12には、導電剤が分散されていることが好ましい。
導電剤としては、導電性若しくは半導電性の微粉末が使用でき、所望の電気抵抗を安定して得ることができれば、特に制限はないが、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、アルミニウムやニッケル等の金属、酸化錫等の導電性金属酸化物、チタン酸カリウム等が例示でき、これらの中でも、カーボンブラック、導電性金属酸化物が特に好ましい。そしてこれらを単独、或いは併用して使用してもよい。
この導電剤の含有量としては、半導電性ベルトの抵抗値を制御するために、弾性材料100重量部に対して、10〜50重量部含有することが好ましく、15〜45重量部含有することがより好ましく、20〜40重量部含有することが更に好ましい。
基材層12の厚さとしては、半導電性ベルト10の用途や、使用する材料や配合によって変わるが、通常、300〜900μmの範囲であることが好ましく、300〜800μmの範囲であることがより好ましく、400〜700μmの範囲であることが更に好ましい。
基材層12の厚みが300μmに満たないと、半導電性ベルト10の強度が十分でなく、回転等により破断する場合があり、900μmを越えると、半導電性ベルト10の抵抗や硬度が高くなるため使用できなくなる場合がある。
保護層14は、基材層12の表面に積層されるように設けられ、半導電性ベルト10の最表面を構成する層である。
保護層14の構成材料としては、ウレタン樹脂、ポリエステル、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、セルロース等が挙げられる。
中でも、半導電性ベルトの硬度の点から、ウレタン樹脂が好ましい。
保護層14には、導電性若しくは半導電性の微粉末が含有されてもよい。粒子状の導電剤としては、粒径が3μm以下で体積抵抗率が1×10Ωcm以下であるものが望ましい。例えば、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物、又はそれらの合金からなる微粒子、或いはケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック等を用いることができる。
なお、導電性若しくは半導電性の微粉末の添加量は、半導電性ベルトの抵抗値を制御するために、保護層14を形成する際に用いられる塗料主原料100重量部に対して、0〜30質量%含有することが好ましく、0〜20質量%含有することがより好ましく、0〜15質量%含有することが更に好ましい。
また、保護層14には、フッ素系或いはシリコーン系の樹脂又は微粒子を添加してもよい。
更に、基材層12との接着性向上のためにカップリング剤を添加してもよい。
保護層14の厚みは、1μm以上20μm以下であることが好ましく、2μm以上15μm以下であることがより好ましい。保護層の厚みが1μmに満たないと、磨耗によって表面層が失われてしまう場合があり、20μmを越えるとクラック幅が大きくなり、クラックゴーストを抑制することができなくなる。
保護層14の厚みは、基材層12上への塗布量により制御することができる。
本発明の半導電性ベルト10では、上記基材層12に対する上記保護層14の層厚の比が0.001以上0.04以下であることが必須であり、0.0025以上0.04以下であることが好ましく、0.003以上0.03以下であることが更に好ましい。
基材層12に対する保護層14の層厚の比が0.04より大きいと、経時でベルト張力が低下すると言う問題があり、0.001以下であると、表面粗さが大きくなることにより転写性能が低下すると言う問題がある。
ここで、基材層12の表面に保護層14が積層された上記半導電性ベルト10を、後述する画像形成装置の中間転写ベルトや用紙搬送ベルトとして用いる場合には、この半導電性ベルト10は、複数の張架ロールで張架した状態で画像形成装置に搭載される。このように、半導電性ベルト10は伸長された状態で画像形成装置に搭載されるため、弾性材料を含有することで保護層14に比べてより弾性を有する基材層12の伸びに保護層14の伸びが追従できない場合には、保護層14に亀裂(以下、適宜、クラックと称する)が発生する。
この「クラック」とは、半導電性ベルト10が製造されて無伸長の状態では存在せず、所定方向に伸長されることによって発生した亀裂を意味している。なお、後述する「クラック幅」とは、半導電性ベルト10上に発生した各クラックにおける、半導電性ベルト10の伸長方向の最大長を示している。
この保護層14上に発生したクラックが、画像形成装置において用いられるトナーの長径より大きくなるほど、クラックにトナーが溜まりやすくなり、クラックに溜まったトナーによる画質劣化が発生する。
本発明の半導電性ベルト10では、このようなクラックの発生を抑制、または発生したクラックのクラック幅がトナーの粒子径より大きくなることを抑制するために、保護層14の伸びを基材層12の伸びに追従させることによって、基材層12の層厚に対する保護層14の層厚の比が0.04以下であるときに、100%伸長下で22℃55%RHの環境下に10分間保持し、さらに無伸長下にして22℃55%RHの環境下に10分保持した後に測定した半導電性ベルト10の引張り永久歪みと、基材層12の引張り永久歪みとの差を0.6%以下としている。
保護層14の伸びを基材層12の伸びに追従させるための方法としては、2通りの方法が考えられる。
第1の方法としては、基材層12の引張り永久歪みを上昇させて保護層14の引張り永久歪みに近い値となるように調整する方法があり、第2の方法としては、保護層14の引張り永久歪みを低下させて基材層12の引張り永久歪みに近い値となるように調整する方法がある。
基材層12の引張り永久歪みを上昇させて、この基材層12を含む半導電性ベルト10を構成する前記保護層14の引張り永久歪みに近い値となるように調整するためには、上記基材層12に、難燃剤や硬化剤や充填剤などを添加する方法や、可塑剤であるプロセスオイルの添加量を減量させる方法等がある。
前記基材層12へ添加する前記難燃剤としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、グァニジン系難燃剤、ジルコニウム系難燃剤、リン酸エステル、リン化合物、塩素系難燃剤、臭素系難燃剤、反応型難燃剤、難燃化用安定剤等が挙げられる。
中でも、ブルーム等表面析出物が発生しにくい観点から、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等を用いる事が好ましい。
前記基材層12へ添加する硬化剤としては、カーボンブラック、シリカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、けい酸マグネシウム、けい酸アルミニウム、有機補強剤等が挙げられる。
中でも、ブルーム等表面析出物が発生しにくい観点から、カーボンブラック、シリカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、けい酸マグネシウム、けい酸アルミニウムを用いる事が好ましい。
前記基材層12へ添加する前記充填剤としては、炭酸カルシウム、けい酸アルミニウム、タルク、シリカ、ウォラストナイト、ゼオライト、有機充填剤、プラスティック強化剤等が挙げられる。
中でも、ブルーム等表面析出物が発生しにくい観点から、炭酸カルシウム、けい酸アルミニウム、シリカを用いる事が好ましい。
さらに、前記基材層12へ添加する前記プロセルオイルとしては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、植物油系軟化剤、サブ、脂肪酸等が挙げられる。
中でも、ブリード等表面析出物が発生しにくい観点から、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルを用いる事が好ましい。
なお、基材層12の引張り永久歪みを上昇させるためには、上記難燃剤、上記硬化剤、上記充填剤、及び上記プロセスオイルの内の何れか1種のみではなく、これらの難燃剤、硬化剤、充填剤、及びプロセスオイルの内の複数を制御して上記基材層12へ添加するようにしてもよい。
上記弾性材料へ添加する上記難燃剤、硬化剤、充填剤、及びプロセスオイルの種類、及び前記弾性材料への添加量としては、上記基材層12の引張り永久歪みを上昇させて、この基材層12を含む半導電性ベルト10を構成する前記保護層14の引張り永久歪みに近い値となるように、添加量及び添加する各材料の種類を選択すればよい。
具体的には、これらの難燃剤、硬化剤、及び充填剤各々の添加量、またはこれら難燃剤、硬化剤、及び充填剤の総添加量は、上記弾性材料100重量部に対して、5〜100重量部であることが好ましく、10〜90重量部であることがより好ましい。
上記難燃剤、硬化剤、及び充填剤各々の添加量、またはこれら難燃剤、硬化剤、及び充填剤の総添加量の、上記弾性材料に対する添加量が100重量部より多いと、ベルトの可撓性がなくなるという問題があり、5重量部未満であると、ベルトの機械的強度が不足するという問題がある。
また、プロセスオイルの添加量は、上記弾性材料100重量部に対して、2〜80重量部であることが好ましく、5〜70重量部であることがより好ましい。プロセスオイルの添加量の上記弾性材料に対する添加量が80重量部より多いと、ブリードが発生するという問題があり、2重量部未満であると、添加剤の分散不均一による抵抗ムラを発生するという問題がある。
一方、保護層14の引張り永久歪みを低下させて、この保護層14を含む半導電性ベルト10を構成する前記基材層12の引張り永久歪みに近い値となるように調整するためには、前記保護層14の膜厚を薄く調整する方法や、保護層14に軟化剤を添加する方法や、保護層14に含まれる硬化剤の量を調節する方法等がある。
前記保護層14に添加する軟化剤としては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、植物油系軟化剤、サブ、脂肪酸等が好ましく挙げられる。
前記保護層14に添加する硬化剤としては、カーボンブラック、酸化鉄、イソシアネート、フッ素系添加剤等が好ましく挙げられる。
前記軟化剤の上記保護層14への添加量としては、保護層の材料や厚みに応じて適宜選択することができ、保護層14の引張り永久歪みを低下させて該保護層14と同一の半導電性ベルト10を構成する基材層12の引張り永久歪みに近い値となるような添加量であればよい。
具体的には、上記保護層14を構成する組成物100重量部に対して、50重量部以下であることが好ましく、40重量部以下であることがより好ましい。
前記軟化剤の保護層14を構成する組成物に対する添加量が80重量部より多いと、ブリードを発生すると言う問題がある。
前記硬化剤の上記保護層14への添加量としては、通常、ブリードやタック防止の観点から50重量部以下添加されるが、保護層14の引張り永久歪みを低下させて該保護層14と同一の半導電性ベルト10を構成する基材層12の引張り永久歪みに近い値となるような添加量としては、具体的には、上記保護層14を構成する組成物100重量部に対して、40重量部以下であることが好ましく、30重量部であることがより好ましい。
前記硬化剤の保護層14を構成する組成物に対する添加量が40重量部より多いと、伸長時のクラックが発生しやすくなると言う問題がある。
なお、前軟化剤及び前記硬化剤の内の何れか1種のみではなく、これらの軟化剤及び硬化剤の双方を選択して保護層14へ添加するようにしてもよい。
この場合についても同様に、上記保護層14の引張り永久歪みを低下させて、この保護層14を含む半導電性ベルト10を構成する前記基材層12の引張り永久歪みに近い値となるように、添加量及び添加する各材料の種類を調整すればよい。
なお、保護層14の伸びを基材層12の伸びに追従させるための方法として、上記2通りの方法を組み合わせるようにしても良い。
−半導電性ベルトの製造−
本発明の半導電性ベルトを形成するにあたっては、公知の方法を適宜選択して用いることができる。中でも、特に、基材層12は、押出成形した材料を金属パイプに伸長させつつ被覆し、加硫を行いエンドレスベルト状に成形する方法が好ましく用いられる。その際、伸長率は、1.2倍(20%)以上であることが好ましい。伸長率が1.2倍(20%)未満であると、得られた半導電性ベルトを伸長して使用する際に、体積抵抗率の上昇が押さえられず、画像形成装置に使用した場合に、転写不良による画質欠陥を生じてしまう。なお、製造操作上の観点から、押出成形した材料の伸長率の上限は3.0倍(300%)程度である。
ここで、上記の伸長率は、押出成形した半導電性ベルトの内径と、加硫時に用いる金属パイプの外径の比から求める。
このようにして得られたベルト基材の表面に、塗布法による保護層を形成することにより、本発明の半導電性ベルトを製造することができる。
また、本発明の半導電性ベルトは、下記の方法により作製することもできる。
即ち、パーオキサイド架橋を行い、添加剤を加えることによってベルト基材を成形し、その表面に塗布法による保護層を形成することにより、本発明の半導電性ベルトを作製することもできる。
−半導電性ベルトの物性−
本発明の半導電性ベルトは、JIS B0601(1994)に規定する表面粗さRz(10点平均粗さ)が10μm以下であることが好ましく、更に8μm以下であることがより好ましい。なお、下限値は特に限定されるわけではないが、感光体ドラムとのタック性という観点から、1.0μm以上であることが好ましい。
ベルトの表面粗さは、基材(ベルト基材)を作製する際の研磨条件を制御することで上記範囲にすることができる。
また、本発明の半導電性ベルトは、画像形成装置で感光体ドラムに正常に接触させる点から、JIS K6253(1997)準拠のデュロメータ タイプA測定でのデュロメータ硬さが、A50/S〜A90/Sであることが好ましく、A60/S〜A80/Sであることがより好ましい。デュロメータ硬さがA90/S以上の場合、経時でのベルト張力が低下する問題があり、A50/S未満の場合、ブリード等表面析出物が発生する問題がある。
<画像形成装置>
次いで、本発明の画像形成装置について、図を用いて詳細に説明する。
本発明の画像形成装置は、上述の本発明の半導電性ベルトを備えることを特徴とする。また、この半導電性ベルトは、画像形成装置の、中間転写ベルト又は用紙搬送ベルトとして用いることが好ましい態様である。
なお、本発明の半導電性ベルトを中間転写ベルトとして画像形成装置に備える場合、該中間転写ベルトが複数の張架ロールに張架され、像担持体の形状に沿って接触配置され、該像担持体及び当該中間転写ベルトのいずれか一方を駆動源とし、他方を従動回転させる構成の画像形成装置であることが好ましい態様である。
まず、上記半導電性ベルトを、中間転写ベルトとして備えた場合の、本発明の画像形成装置について説明する。
図2は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。
本発明の画像形成装置50は、感光体ドラム(像担持体)19と、この感光体ドラム19からトナー像を転写させるために感光体ドラム19に感光体ドラム19の外周面に沿うように接触配置された中間転写ベルト20とを有する。本実施の形態において、感光体ドラム19は光の照射によって抵抗値が低下する感光層を備えたものであり、この感光体ドラム19の周囲には、感光体ドラム19を帯電する帯電装置11と、帯電された感光体ドラム19上に各色成分(本例では、ブラック、イエロ、マゼンタ、シアン)の静電潜像を書込む露光装置31と、感光体ドラム19上に形成された各色成分潜像を各色成分トナーにて可視像化するロータリ型現像装置13と、中間転写ベルト20と、感光体ドラム19上の残留トナーを清掃するクリーニング装置17と、が配設されている。また、画像形成装置50は、記録媒体40を搬送するための用紙搬送ベルト51を含んで構成されている。
本発明の画像形成装置50は、この中間転写ベルト20として、上記半導電性ベルト10を用いている。
ここで、帯電装置11としては、例えば、帯電ロールが用いられるが、コロトロンなどの帯電器を用いてもよい。
また、露光装置31は感光体ドラム19上に光によって像を書き込めるものであればよく、例えば、LEDを用いたプリントヘッドが用いられるが、これに限られるものではなく、ELを用いたプリントヘッドでも、レーザビームをポリゴンミラーでスキャンするスキャナなど適宜選定して差し支えない。
更に、ロータリ型現像装置13は、各色成分トナーが収容された現像器13a、現像器13b、現像器13c、及び現像器13dを回転可能に搭載したものであり、例えば、感光体ドラム19上で露光によって電位が低下した部分に各色成分トナーを付着させるものであれば適宜選定して差し支えなく、使用するトナーも形状、粒径など特に制限はなく、感光体ドラム19上の静電潜像上に正確に載るものであればよいが、良好な画質を得る観点からは、球状のトナーを用いることが好ましい。
なお、本例では、ロータリ型現像装置13が用いられているが、4台の現像装置を用いるようにしてもよい。
クリーニング装置17は、感光体ドラム19上の残留トナーを清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式を採用したもの等適宜選定して差し支えない。
但し、転写効率の高い、例えば、球状トナーを使用する場合にはクリーニング装置17を使用しない態様もあり得る。
本実施の形態では、中間転写ベルト20は、4つの張架ロール21、張架ロール22、張架ロール23、及び張架ロール24に架け渡されることによって張架されている。中間転写ベルト20は、これら4つの張架ロール21、張架ロール22、張架ロール23、及び張架ロール24に架け渡されることによって、ロータリ型現像装置13とクリーニング装置17との間に位置する感光体ドラム19の外周面に沿って、中間転写ベルト20の外周面の所定領域が密着するように配設されている。
中間転写ベルト20と感光体ドラム19との接触領域の一部には、中間転写ベルト20の裏側から一次転写ロール25が接触配置されており、所定の一次転写バイアスが印加されている。この一次転写ロール25と感光体ドラム19とによって挟持される領域(以下、一次転写領域という)において、感光体ドラム19上に形成された後述するトナー像が中間転写ベルト20表面に転写される。
更に、中間転写ベルト20の張架ロール23に対向した部位には、二次転写装置としての二次転写ロール30が張架ロール23のバックアップロールとして対向配置されており、例えば、二次転写ロール30に所定の二次転写バイアスが印加され、バックアップロールを兼用する張架ロール23は接地されていることが好ましい。
中間転写ベルト20の4つの張架ロール21、張架ロール22、張架ロール23、及び張架ロール24のうち、上記一次転写領域より、中間転写ベルト20の搬送方向(図2中、矢印B方向)上流側に位置する張架ロール21は、例えば、駆動ロールとして働き、しかも、4つの張架ロール21、張架ロール22、張架ロール23、及び張架ロール24の中でも中間転写ベルト20の巻き付け角度が一番大きく設定されている。また、一次転写領域より、中間転写ベルト20の搬送方向(図2中、矢印B方向)下流側に位置する張架ロール22は、従動ロールであって、感光体ドラム19と中間転写ベルト20との接触領域(一次転写領域)を規制するものである。更に、この張架ロール22より、中間転写ベルト20の搬送方向下流に位置する張架ロール23は、従動ロールであって、中間転写ベルト20上に転写されたトナー像を後述する記録媒体40へ転写する(以下、適宜、二次転写と称する)ためのバックロールを兼用するものであり、更に、張架ロール24は従動ロールであり、例えば、ベルトクリーニング装置27のバックアップロールを兼用している。
なお、本例では、4つの張架ロール21、張架ロール22、張架ロール23、及び張架ロール24各々の大きさは適宜選定して差し支えない。
また、本例においては、中間転写ベルト20と感光体ドラム(像担持体)10とが周面に沿って比較的広い範囲で上記一次転写領域において接触配置されていることから、中間転写ベルト20及び感光体ドラム19のいずれか一方を駆動源として、他方を従動回転させる方式をとることが可能である。例えば、感光体ドラム19を駆動源として、中間転写ベルト20を従動回転させることができる。この方式の場合、一方の駆動機構を省略することができ、装置の小型化及びコスト低減を図ることができる。
また、この中間転写ベルト20と感光体ドラム19とは各々別駆動系で駆動されていてもよい。
用紙等の記録媒体40は、供給トレイ41に収容されており、フィードロール42よって画像形成装置50内の搬送経路上に供給された後、搬送ロール43、及びレジストロール44を経て、張架ロール23と二次転写ロール30とによって挟持される領域(以下、適宜、二次転写領域と称する)へと搬送され、中間転写ベルト20上に転写されたトナー像を転写された後に、定着ロール46とプレッシャーロール47とを有する定着装置45の設置位置へと搬送されるようになっている。定着装置45に搬送された記録媒体40上のトナー像は、定着装置45によって記録媒体40上に定着される。トナー像を定着された記録媒体40は、図示を省略する搬送ロールによって画像形成装置50の外部へと搬送される。
次に、図2に示される本発明の画像形成装置の動作について説明する。感光体ドラム19上に各色成分トナー像が順次形成される。感光体ドラム19上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト20との接触領域において中間転写ベルト20に順次転写された後、記録媒体40に一括転写される。このような作像過程において、感光体ドラム19と中間転写ベルト20とは比較的広い接触領域にて接触配置されており、しかも、感光体ドラム19は、弾性を有する中間転写ベルト20により弾性押圧されているため、感光体ドラム19と中間転写ベルト20との間のニップ(タック)面圧は接触領域が狭い場合に比べて高くない。また、弾性を有する中間転写ベルト20によるトナー像の包み込みが行われることにより、感光体ドラム19上のトナー像が中間転写ベルト20側に一次転写される。このため、中間転写ベルト20への転写画像には、大きなニップ面圧によるホロキャラなどの画質欠陥はなく、高い転写効率で転写され、記録媒体40上のカラー画像品質は極めて良好に保たれる。
続いて、本発明の上記半導電性ベルトを中間転写ベルト又は用紙搬送ベルトとして備えた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の他の形態について説明する。
図4は、本発明の画像形成装置の他の一実施形態を示す概略構成図である。
図4に示すように、本発明の画像形成装置60は、感光体ドラム(像担持体)62及びこれに対向する本発明の半導電性ベルト10を有し、感光体ドラム62上に形成されたトナー像を、中間転写ベルトとしての半導電性ベルト10、または用紙搬送ベルトとしての半導電性ベルト10A上の記録媒体40に転写する。
ここで、半導電性ベルト10を、画像形成装置60の中間転写ベルトとして使用する態様では、図4に示すように、感光体ドラム62上のトナー像を一次転写装置74との対向位置において中間転写ベルトとしての半導電性ベルト10に一次転写した後、半導電性ベルト10上に転写されたトナー像を、二次転写装置78との対向位置において紙等の記録媒体40に二次転写する。
一方、半導電性ベルト10を、記録媒体40を搬送するための用紙搬送ベルトとして使用する態様では、図4に示すように、用紙搬送ベルトとしての半導電性ベルト10Aは、この半導電性ベルト10A上に記録媒体40を保持した状態で、転写装置72と感光体ドラム62とによって挟持される位置へ記録媒体40を搬送することによって、この記録媒体40に感光体ドラム62上のトナー像を転写し、さらにトナー像を転写された記録媒体40を、搬送する。
なお、画像形成装置60では、上記説明した画像形成装置50と同様に、中間転写ベルトとしての半導電性ベルト10は、複数の張架ロール(張架ロール70、張架ロール80、及び張架ロール82)によって張架されることにより、半導電性ベルト10の少なくとも一部が、ドラム状の感光体ドラム62の外周面に沿って接触配置される態様が好ましい。
本態様によれば、中間転写ベルトとしての半導電性ベルト10をできるだけ感光体ドラム62の外周面に沿わせることで、転写の際のニップ域前後での無駄な空隙による放電をなくし、トナー像の飛び散りを防止することができ、また、感光体ドラム62に対する記録媒体40の剥離性能に有利になる。
更に、画像形成装置60においては、上記画像形成装置50と同様に、感光体ドラム(像担持体)62、及び中間転写ベルトとしての半導電性ベルト10のいずれか一方を駆動源とし、他方を従動回転させるようにする態様が好ましい。
このような態様の駆動構成にすることで、一方の駆動機構を省略することができ、その分、駆動コストを抑制できるほか、中間転写ベルトとして機能する半導電性ベルト10と感光体ドラム62との駆動干渉からくる半導電性ベルト10の厚み変動や、プロセス方向の送り変動などの変動要因を除外することができる。
本発明の画像形成装置50及び画像形成装置50において、半導電性ベルト10の波打ちや、感光体ドラム(像担持体)や転写ロールなどとのニップが不安定になることを抑制するために、半導電性ベルト10を伸長して使用することが好ましい。特に、上述のように、像担持体と半導電性ベルト10とを従動回転させるためには、特に、ある程度の伸張率が必要となる。
そのため、本発明の画像形成装置50及び画像形成装置50においては、本発明の半導電性ベルト10の無伸長時の周長に対して、1〜10%の範囲の伸長率で使用することが好ましく、4〜10%の範囲の伸長率がより好ましい。
ここで、伸張率が10%を超える場合には、半導電性ベルトの保護層に割れが発生し、良好な画質が得られない場合がある。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中「部」は「重量部」を表す。
<実施例1>
(ベルト基材の作製)
ポリクロロプレンゴム(ES−40、電気化学工業社製)85重量部、エピクロルヒドリン共重合体(ゼクロン3106、日本ゼオン社製)15重量部、カーボン(アサヒサーマル、旭カーボン社製)20重量部、ケッチェンブラックEC(旭カーボン社製)8重量部、酸化亜鉛(亜鉛華1号、日本化学工業)5重量部、酸化マグネシウム(キョーワマグ150、協和化学工業社製)5重量部、炭酸カルシウム(シルバーW、白石工業)15重量部、プロセスオイル(ダイアナPW−150、出光興産)10重量部、作製する基材層の引張り永久歪みを上昇させるために基材層に添加する難燃剤としての水酸化アルミニウム(ハイジライトH−10、昭和電工)15重量部、イオウ(#200、鶴見化学工業)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーTS、大内新興化学工業社製)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーDT、大内新興化学工業社製)0.5重量部を混練り後、押出成形を行い金属製パイプに被覆し、150度1時間加硫缶にて蒸気加硫を行った。さらに加硫後のベルトを、円筒研削盤にて表と裏側を研削して厚さ500μmに仕上げることによって本発明の半導電性ベルトの基材層を作製した。
作製した基材層を、22℃55%RH環境下にて基材層周方向に沿ってJIS K6251(2004)に準拠するダンベル状1号形の試験片を打抜き、22℃55%RH環境下で引っ張り装置としてアイコーエンジニアリング社製MODEL−1605Nを用いて100%伸長した状態で10分間保持した後、試験片を無伸長の状態に戻し22℃55%RH環境下にて10分間保持した後に引張り永久歪みを測定したところ、2.2%であった。
(保護層の作製)
得られた基材層の表面にカーボンブラック10部を添加したJLY−601ESD(日本アチソン社製)をスプレーコートし、その後130℃で30分加熱し、厚み10μmの保護層を形成することによって、基材層に対する保護層の層厚の比が0.02である半導電性ベルトを作製した。
得られた半導電性ベルトの体積抵抗率は、5×10Ωcmであった。
また、得られた半導電性ベルトを、22℃55%RH環境下にてベルト周方向に沿ってJIS K6251(2004)に準拠するダンベル状1号形の試験片を打抜き、22℃55%RH環境下で引っ張り装置としてアイコーエンジニアリング社製MODEL−1605Nを用いて100%伸長した状態で10分間保持した後、試験片を無伸長の状態に戻し22℃55%RH環境下にて10分間保持した後に引張り永久歪みを測定したところ、2.7%であった。
このため、実施例1で作製した半導電性ベルトの半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、前記基材層の引張り永久歪みとの差は0.5%であった。
<実施例2>
(ベルト基材の作製)
ポリクロロプレンゴム(ES−40、電気化学工業社製)85重量部、エピクロルヒドリン共重合体(ゼクロン3106、日本ゼオン社製)15重量部、カーボン(アサヒサーマル、旭カーボン社製)20重量部、ケッチェンブラックEC(旭カーボン社製)8重量部、酸化亜鉛(亜鉛華1号、日本化学工業)5重量部、酸化マグネシウム(キョーワマグ150、協和化学工業社製)5重量部、炭酸カルシウム(シルバーW、白石工業)15重量部、プロセスオイル(ダイアナPW−150、出光興産)10重量部、作製する基材層の引張り永久歪みを上昇させるために基材層に添加する硬化剤としてのクレー(ユニオンクレーRC−1、竹原化学工業)25重量部、イオウ(#200、鶴見化学工業)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーTS、大内新興化学工業社製)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーDT、大内新興化学工業社製)0.5重量部を混練り後、押出成形を行い金属製パイプに被覆し、150度1時間加硫缶にて蒸気加硫を行った。さらに加硫後のベルトを、円筒研削盤にて表と裏側を研削して厚さ500μmに仕上げることによって、本発明の半導電性ベルトの基材層を作製した。
作製した基材層を、実施例1と同様にして引張り永久歪みを測定したところ、2.1%であった、
(保護層の作製)
得られたベルト基材の表面にカーボンブラック10部を添加したJLY−601ESD(日本アチソン社製)をスプレーコートし、その後130℃で30分加熱し、厚み10μmの保護層を形成することによって、基材層に対する保護層の層厚の比が0.02である半導電性ベルトを作製した。
得られた半導電性ベルトの体積抵抗率は、4×10Ωcmであった。
また、得られた半導電性ベルトを、実施例1と同様にして引張り永久歪みを測定したところ、2.5%であった。
このため、実施例2で作製した半導電性ベルトの半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、前記基材層の引張り永久歪みとの差は0.4%であった。
<実施例3>
(ベルト基材の作製)
ポリクロロプレンゴム(ES−40、電気化学工業社製)85重量部、エピクロルヒドリン共重合体(ゼクロン3106、日本ゼオン社製)15重量部、カーボン(アサヒサーマル、旭カーボン社製)20重量部、ケッチェンブラックEC(旭カーボン社製)8重量部、酸化亜鉛(亜鉛華1号、日本化学工業)5重量部、酸化マグネシウム(キョーワマグ150、協和化学工業社製)5重量部、炭酸カルシウム(シルバーW、白石工業)15重量部、作製する基材層の引張り永久歪みを上昇させるためのプロセスオイルとして(ダイアナプロセスオイルNS−100、出光興産)10重量部、イオウ(#200、鶴見化学工業)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーTS、大内新興化学工業社製)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーDT、大内新興化学工業社製)0.5重量部を混練り後、押出成形を行い金属製パイプに被覆し、150度1時間加硫缶にて蒸気加硫を行った。さらに加硫後のベルトを、円筒研削盤にて表と裏側を研削して厚さ500μmに仕上げることによって、本発明の半導電性ベルトの基材層を作製した。
作製した基材層を、実施例1と同様にして引張り永久歪みを測定したところ、1.7%であった、
(保護層の作製)
得られたベルト基材の表面にカーボンブラック10部を添加したJLY−601ESD(日本アチソン社製)をスプレーコートし、その後130℃で30分加熱し、厚み3μmの保護層を形成することによって、基材層に対する保護層の層厚の比が0.006である半導電性ベルトを作製した。
得られた半導電性ベルトの体積抵抗率は、1×10Ωcmであった。
また、得られた半導電性ベルトを、実施例1と同様にして引張り永久歪みを測定したところ、2.0%であった。
このため、実施例3で作製した半導電性ベルトの半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、前記基材層の引張り永久歪みとの差は0.3%であった。
<実施例4>
(ベルト基材の作製)
ポリクロロプレンゴム(ES−40、電気化学工業社製)85重量部、エピクロルヒドリン共重合体(ゼクロン3106、日本ゼオン社製)15重量部、カーボン(アサヒサーマル、旭カーボン社製)20重量部、ケッチェンブラックEC(旭カーボン社製)8重量部、酸化亜鉛(亜鉛華1号、日本化学工業)5重量部、酸化マグネシウム(キョーワマグ150、協和化学工業社製)5重量部、炭酸カルシウム(シルバーW、白石工業)15重量部、プロセスオイル(ダイアナPW−150、出光興産)10重量部、イオウ(#200、鶴見化学工業)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーTS、大内新興化学工業社製)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーDT、大内新興化学工業社製)0.5重量部を混練り後、押出成形を行い金属製パイプに被覆し、150度1時間加硫缶にて蒸気加硫を行った。さらに加硫後のベルトを、円筒研削盤にて表と裏側を研削して厚さ500μmに仕上げることによって、本発明の半導電性ベルトの基材層を作製した。
作製した基材層を、実施例1と同様にして引張り永久歪みを測定したところ2.4%であった、
(保護層の作製)
得られたベルト基材の表面にカーボンブラック10部を添加したJLY−601ESD(日本アチソン社製)をスプレーコートし、その後130℃で30分加熱し、厚み10μmの保護層を形成することによって、基材層に対する保護層の層厚の比が0.02である半導電性ベルトを作製した。
得られた半導電性ベルトの体積抵抗率は、7×10Ωcmであった。
また、得られた半導電性ベルトを実施例1と同様にして引張り永久歪みを測定したところ、1.8%であった。
このため、実施例4で作製した半導電性ベルトの半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、前記基材層の引張り永久歪みとの差は0.6%であった。
<実施例5>
(ベルト基材の作製)
ポリクロロプレンゴム(ES−40、電気化学工業社製)85重量部、エピクロルヒドリン共重合体(ゼクロン3106、日本ゼオン社製)15重量部、カーボン(アサヒサーマル、旭カーボン社製)20重量部、ケッチェンブラックEC(旭カーボン社製)8重量部、酸化亜鉛(亜鉛華1号、日本化学工業)5重量部、酸化マグネシウム(キョーワマグ150、協和化学工業社製)5重量部、炭酸カルシウム(シルバーW、白石工業)20重量部、プロセスオイル(ダイアナPW−150、出光興産)10重量部、イオウ(#200、鶴見化学工業)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーTS、大内新興化学工業社製)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーDT、大内新興化学工業社製)0.5重量部を混練り後、押出成形を行い金属製パイプに被覆し、150度1時間加硫缶にて蒸気加硫を行った。さらに加硫後のベルトを、円筒研削盤にて表と裏側を研削して厚さ500μmに仕上げることによって、本発明の半導電性ベルトの基材層を作製した。
作製した基材層を実施例1と同様にして引張り永久歪みを測定したところ、2.5%であった、
(保護層の作製)
得られたベルト基材の表面にカーボンブラック10部を添加したJLY−601ESD(日本アチソン社製)をスプレーコートし、その後130℃で30分加熱し、厚み20μmの保護層を形成することによって、基材層に対する保護層の層厚の比が0.04である半導電性ベルトを作製した。
得られた半導電性ベルトの体積抵抗率は、9×10Ωcmであった。
また、得られた半導電性ベルトを実施例1と同様にして引張り永久歪みを測定したところ、1.9%であった。
このため、実施例5で作製された半導電性ベルトの半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、前記基材層の引張り永久歪みとの差は0.6%であった。
<比較例1>
(ベルト基材の作製)
ポリクロロプレンゴム(ES−40、電気化学工業社製)85重量部、エピクロルヒドリン共重合体(ゼクロン3106、日本ゼオン社製)15重量部、カーボン(アサヒサーマル、旭カーボン社製)20重量部、ケッチェンブラックEC(旭カーボン社製)8重量部、酸化亜鉛(亜鉛華1号、日本化学工業)5重量部、酸化マグネシウム(キョーワマグ150、協和化学工業社製)5重量部、プロセスオイル(ダイアナPW−150、出光興産)10重量部、イオウ(#200、鶴見化学工業)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーTS、大内新興化学工業社製)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーDT、大内新興化学工業社製)0.5重量部を混練り後、押出成形を行い金属製パイプに被覆し、150度1時間加硫缶にて蒸気加硫を行った。さらに加硫後のベルトを、円筒研削盤にて表と裏側を研削して厚さ500μmに仕上げることによって、半導電性ベルトの基材層を作製した。
作製した基材層を実施例1と同様にして引張り永久歪みを測定したところ、2.4%であった、
(保護層の作製)
得られたベルト基材の表面にカーボンブラック10部を添加したJLY−601ESD(日本アチソン社製)をスプレーコートし、その後130℃で30分加熱し、厚み12μmの保護層を形成することによって、基材層に対する保護層の層厚の比が0.024である半導電性ベルトを作製した。
得られた半導電性ベルトの体積抵抗率は、5×10Ωcmであった。
また、得られた半導電性ベルトを実施例1と同様にして引張り永久歪みを測定したところ、1.6%であった。
このため、比較例1で作製した半導電性ベルトの半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、前記基材層の引張り永久歪みとの差は0.8%であった。
<比較例2>
(ベルト基材の作製)
ポリクロロプレンゴム(ES−40、電気化学工業社製)85重量部、エピクロルヒドリン共重合体(ゼクロン3106、日本ゼオン社製)15重量部、カーボン(アサヒサーマル、旭カーボン社製)20重量部、ケッチェンブラックEC(旭カーボン社製)8重量部、酸化亜鉛(亜鉛華1号、日本化学工業)5重量部、酸化マグネシウム(キョーワマグ150、協和化学工業社製)5重量部、炭酸カルシウム(シルバーW、白石工業)5重量部、プロセスオイル(ダイアナPW−150、出光興産)10重量部、イオウ(#200、鶴見化学工業)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーTS、大内新興化学工業社製)1重量部、加硫促進剤(ノクセラーDT、大内新興化学工業社製)0.5重量部を混練り後、押出成形を行い金属製パイプに被覆し、150度1時間加硫缶にて蒸気加硫を行った。さらに加硫後のベルトを、円筒研削盤にて表と裏側を研削して厚さ500μmに仕上げることによって、半導電性ベルトの基材層を作製した。
作製した基材層を、実施例1と同様にして引張り永久歪みを測定したところ、2.4%であった、
(保護層の作製)
得られたベルト基材の表面にカーボンブラック10部を添加したJLY−601ESD(日本アチソン社製)をスプレーコートし、その後130℃で30分加熱し、厚み10μmの保護層を形成することによって、基材層に対する保護層の層厚の比が0.02である半導電性ベルトを作製した。
得られた半導電性ベルトの体積抵抗率は、6×10Ωcmであった。
また、得られた半導電性ベルトを実施例1と同様にして引張り永久歪みを測定したところ、1.7%であった。
このため、比較例2で作製した半導電性ベルトの半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、前記基材層の引張り永久歪みとの差は0.7%であった。
<評価>
上記実施例1〜実施例5及び比較例1〜比較例2で作製した半導電性ベルトを中間転写ベルトとして下記のような構成の画像形成装置に設置し、下記の方法で転写性能を評価した。なお、下記に示す画像形成装置の構成は、図2に示す画像形成装置と略同様の構成の装置を使用した。
・感光体ドラム:OPC感材
・プロセス速度:80mm/s
・トナー:富士ゼロックス社製、商品名:DocuCentreColor400CPで用いられるトナー(体積平均粒子径5μm)。
富士ゼロックス社製、商品名:DocuCentreColor400CPで用いられるトナー(体積平均粒子径8μm)。
・現像担持体:φ15mmのアルミニウム中空パイプにアルマイト処理を施したもの。
・像形成部材:厚さ0.5mmのSUS板にゴム硬度50度のシリコーンゴムをドクター方式に設定したもの。
・一次転写装置:φ15mm、体積抵抗率10Ωcm、半導電性スポンジ材層を備えたロール
・二次転写装置:φ20mm、体積抵抗率10Ωcm、イオン導電剤を配合した発泡性シリコーンゴム層を備えたロール
・潜像電位:−100V
・背景部電位:−350V
・中間転写ベルト:半導電性ベルトをロールにて無伸長時に比べて5%伸長して張架し、感光体ドラム駆動による中間転写ベルト従動駆動、感光体ドラムとの接触幅(ニップ幅)30mm
・定着装置:厚さ0.5mmのSUS材を使用したφ40mmの中空タイプ
・ヒートランプ:定格650Wのタングステンランプ
・プレッシャーロール:φ30mmのSUS円筒に肉厚50mmのゴム層を被覆させたもの。
・記録媒体:富士ゼロックス社製J紙
<評価>
実施例1〜実施例5、比較例1〜比較例2各々で作製した半導電性ベルトについて、上記体積平均粒子径5μmのトナーを用いた場合と、体積平均粒子径8μmのトナーを用いた場合の各々について、下記の方法で、発生したクラック幅の測定、及び画質評価としてクラックゴーストの評価を行った。評価結果を下記表1に示した。
(クラック幅の測定)
実施例1〜実施例5、比較例1〜比較例2各々で作製した半導電性ベルト各々を搭載した上記画像形成装置について、エリアカバレッジ5%の画像を上記記録媒体1万枚に形成した後に、各半導電性ベルトの外周面上に発生したクラックのクラック幅のうち、最大のクラック幅を、各半導電性ベルトのクラック幅として測定した。
なお、このクラック幅は、半導電性ベルトの張架方向としての、半導電性ベルトの周方向の長さであって、株式会社島津製作所社製レーザ顕微鏡を用いて測定した。
(クラックゴーストの評価)
エリアカバレッジ5%の画像を上記記録媒体1万枚に形成した後に、マゼンタ色とシアン色を合わせた青色(用紙一杯)の100%ベタ画像を、上記記録媒体1枚に形成した直後に、全面100%の白色画像を上記記録媒体1枚に形成した(以下、白紙と称する)。そして、クラックゴーストの評価は、この白紙上に青色領域(青色画像)が存在するか否かを目視により評価することにより行った。
クラックゴーストの評価指標は下記の通りである。
○:クラックゴースト発生有り。
×:クラックゴースト発生無し。
Figure 2007322664

表1から明らかなように、前記保護層の層厚の比が0.04以下であると共に、半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、基材層の引張り永久歪みとの差が0.5%以下である実施例1〜実施例3において発生したクラックのクラック幅は、現在の複合機やプリンター等の画像形成装置に多く用いられているトナーの体積平均粒子径(5μmまたは8μm)未満であり、クラックゴーストは発生しなかった。
また、半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、基材層の引張り永久歪みとの差が0.6%である実施例4において発生したクラックのクラック幅は、7μmであり、現在の複合機やプリンター等の画像形成装置に多く用いられているトナーの体積平均粒子径5μm、及び8μmのうちの8μmのトナーを用いた場合には、クラックゴーストの発生はみられなかったが、5μmのトナーを用いた場合には、トナーの体積平均粒子径よりクラック幅が大きいために、クラックゴーストが発生した。
一方、半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、基材層の引張り永久歪みとの差が0.6%より大きい比較例1〜2では、発生したクラックのクラック幅は、何れも現在の複合機やプリンター等の画像形成装置に多く用いられているトナーの体積平均粒子径(5μmまたは8μm)より大きく、体積平均粒子径5μm、及び8μmの何れのトナーを用いた場合においてもクラックゴーストが発生した。
以上のことから、本発明の半導電性ベルトは、中間転写ベルトとして用いた場合において、クラックゴーストの発生を抑制することができることが判明した。
本発明の半導電性ベルトの層構成の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明の画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。 体積抵抗率の測定方法を示す図であり、(a)は上面図であり、(b)は(a)のX−X断面図である。 本発明の画像形成装置の他の一実施形態を示す概略構成図である。
符号の説明
10、10A 半導電性ベルト
12 基材層
14 保護層
19、62 感光体ドラム
20 中間転写ベルト
50、60 画像形成装置
51 用紙搬送ベルト

Claims (2)

  1. 基材層と該基材層上に積層された保護層とを有し、前記基材層の層厚に対する前記保護層の層厚の比が0.04以下であると共に、半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、前記基材層の引張り永久歪みとの差が0.6%以下であることを特徴とする半導電性ベルト。
  2. 画像情報に応じた静電潜像を担持する像担持体と、
    前記像担持体上に形成された静電潜像をトナーにより現像して該像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、
    前記像担持体上に形成されたトナー像が転写される中間転写体と、
    前記中間転写体に転写されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    を備え、
    前記中間転写体が、基材層と、該基材層上に積層された保護層と、を有し、前記基材層の層厚に対する前記保護層の層厚の比が0.04以下であると共に、半導電性ベルト本体の引張り永久歪みと、前記基材層の引張り永久歪みとの差が0.6%以下である半導電性ベルトからなることを特徴とする画像形成装置。
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