JP5109463B2 - 転写ロール及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
そして、得られたトナー像を中間転写体を介して、あるいは直接、記録用紙等の記録媒体に静電的に転写することにより所要の再生画像が得られる。
さらに、ロール表面に開口径が50〜400μmの多孔性層を有するロールも開示されている(例えば、特許文献3参照)。
すなわち、請求項1に係る発明は、金属のシャフトと、該金属のシャフトの外周に設けられた1層以上の弾性層と、該弾性層の外周に設けられた泡沫を含む層を有する表面層と、を有し、前記泡沫を構成する気泡の最大径が、転写ロールの軸方向における中央部より端部の方が大きく、前記泡沫を含む層の厚さが、0.1〜30μmの範囲である転写ロールであることを特徴とする転写ロールである。
請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明において、泡沫を構成する気泡の最大径を考慮しない場合に比べて、転写ロール表面のクリーニング性が向上し、トナーの外添剤等の付着を防止することができる。
請求項3に係る発明によれば、請求項2に係る発明において、気泡の最大径を考慮しない場合に比べて、上記転写ロール表面のクリーニング性、トナーの外添剤等の付着防止性をより向上させることができる。
請求項1に係る発明によれば、転写ロールの軸方向における泡沫を構成する気泡の大きさを考慮しない場合に比べて、さらに摩擦によるクリーニングブレードの捲れを防止することができる。
請求項1に係る発明によれば、泡沫を含む層の厚さを考慮しない場合に比べて、前記転写ロールが受ける衝撃の吸収性能をより向上させることができる。
請求項4に係る発明によれば、上記請求項に係る発明において、転写ロールの軸方向における表面層の厚みを考慮しない場合に比べて、さらに縦倍率不良や色合わせ不良を発生させることなく、紙しわの原因となる転写しわの発生を防止できる。
請求項5に係る発明によれば、請求項4に係る発明において、転写ロールの軸方向における外径の変動を考慮しない場合に比べて、より効果的に縦倍率不良や色合わせ不良を発生させることなく、紙しわの原因となる転写しわの発生を防止できる。
請求項6に係る発明によれば、転写ロールの表面層の構成を考慮しない場合に比べて、記録用紙が転写部に突入した場合に転写ロールが受ける衝撃による転写プロセスへの影響を低減させることができ、画像欠陥の発生を抑えることができる。
請求項7に係る発明によれば、請求項6に係る発明において、2次転写ロールの表面層の構成を考慮しない場合に比べて、記録媒体が2次転写部に突入した場合に2次転写ロールが受ける衝撃の低減により、該衝撃による中間転写体の速度低下を防止することができ、1次転写部での画像不良発生を抑えることができる。
請求項8に係る発明によれば、請求項7に係る発明において、記録媒体の2次転写部への突入角度を考慮しない場合に比較して、より効果的に1次転写部での画像不良発生を抑えることができる。
<転写ロール>
本発明の転写ロールは、金属のシャフトと、該金属シャフトの外周に設けられた1層以上の弾性層と、該弾性層の外周に設けられた泡沫を含む層を有する表面層と、を有する。但し、本発明では、表面層に有する泡沫を含む層は、前記泡沫を構成する気泡の最大径が、転写ロールの軸方向における中央部より端部の方が大きく、前記泡沫を含む層の厚さが、0.1〜30μmの範囲である転写ロールを適用する。
また、本発明における泡沫を含む層は、表面層全体であってもよく、表面層のうちの一部の層であってもよい。この場合、泡沫を含む層は表面層中の最表面に近接して存在してもよく最表面から離れた内部に存在してもよい。ただし、表面層の最表面には気泡の開口部は存在しない。
転写ロールに記録用紙が衝突した場合、転写ロールの最表面に加えられた力は表面層中に気泡が存在する場合には該気泡の周囲に応力として集中する。このとき、気泡が連泡となっていると応力が集中する部分が大面積となるため、結局表面層のかなりの部分に衝撃が伝わってしまう。一方、独立した気泡が泡沫を形成している場合は、前記最表面に加えられた力がその位置に存在する気泡にだけ応力集中するため、気泡が破壊されない限り衝撃はその部分だけにとどまることとなる。これにより転写ロールの回転が阻害されないため、例えば転写プロセスに本発明の転写ロールを用いた場合、プロセス方向の帯状の濃度ムラ(バンディング)を防止することができるものと考えられる。従って本発明の転写ロールは、衝撃が加えられる箇所に使用される場合に好適に使用することができるものである。
本実施形態の転写ロールの構成は、芯金である金属のシャフトの外周に、1層以上の弾性層と表面層とが順次積層形成されていればその他は特に限定されず、その他の層を備えてもよい。
前記金属のシャフトは、転写ロールの電極及び支持部材として機能する円柱状の部材であり、例えば、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼等の金属又は合金;クロム、ニッケル等で鍍金処理を施した鉄;導電性樹脂;などの導電性(体積抵抗率が104Ωcm以下)の材質で構成される。これらの材質であれば、強度及び電気的特性の点から、金属のシャフトとしていずれも使用することができる。金属のシャフトの外径は、通常3〜20mmの範囲であるのが望ましい。
前記弾性層は、無発泡層だけから構成されるものであってもよいし、発泡層の表面(外側)に無発泡層を有するものであってもよい。また、この発泡層及び無発泡層は複数でも構わない。なお、弾性層とは100Paの外力印加により変形しても、もとの形状に復元する材料から構成される層をいう。
弾性層は、例えば転写ロールとして適切な圧力で接触部分を形成し転写電界を形成できるようにするものである。このため、弾性層の抵抗を調整することが望ましく、例えば弾性層を構成するゴム材中に導電剤を分散させることによって、弾性層の抵抗を調整することができる。
なお、前記体積抵抗率の測定は、シート状の測定サンプルに対し、測定治具(R12702A/Bレジスティビティ・チェンバ:アドバンテスト社製)と高抵抗測定器(R8340Aデジタル高抵抗/微小電流計:アドバンテスト社製)とを用い、電場(印加電圧/組成物シート厚)が1000V/cmになるよう調節した電圧を30秒印加後の電流値より、下記式(1)を用いて算出した。
体積抵抗率(Ω・cm)=(19.63×印加電圧(V))/(電流値(A)×測定サンプルシート厚(cm)) ・・・ 式(1)
なお、アスカーC硬度の測定は、3mm厚の測定シート表面にアスカーC型硬度計(高分子計器社製)の測定針を押圧し、1000g荷重の条件で行った。
本実施形態における表面層を構成する材料としては、特に制限されないが、ブリードやブルームを防止するという観点から、高分子材料を用いることが望ましい。
前記表面層を構成する高分子材料としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン共重合体、ポリエステル、ポリイミド、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、メラミン樹脂、フッ素ゴム、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。表面層を構成する高分子材料は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、表面層の材料としてウレタンを主剤とした場合は、フッ素系材料またはシリコン系の材料を添加しても構わない。
また、上記両者の最大径の差を5〜25μmの範囲とすることが望ましく、10〜20μmの範囲とすることがより望ましい。
なお、上記面積比は前記SEMによる断面観察における視野内の画像処理により求めることができる。
これに対し、転写ロール中央部の外径を研磨等により小さくすると同様の効果はあるが、転写ロール面内の硬度差が原因で左右対称(軸方向)なものが得られ難く、この外径左右差により縦倍率(用紙排出方向の倍率)不良やカラーレジストレーション(色重ね合わせ)不良が発生するため好ましくない。
したがって、本実施形態の表面層の厚みを転写ロールの両端部で厚くすることにより中央部の外径を小さくした場合には、前記研磨により外径を小さくした場合に比べ転写ロール面内の硬度差が小さくなり、これが縦倍率不良や色重ね合わせ不良の発生防止に寄与する。
その結果、転写ロール軸方向における中央部と端部との転写ロール外径の差を1〜500μmの範囲とすることが望ましく、20〜200μmの範囲とすることがより望ましい。なお、転写ロールの外径は、例えばレーザ式寸法測定器((株)キーエンス社製、LS−5120)を用いて確認することができる。
なお、前記表面微小硬度は、マイクロ硬度計(MD−1、高分子計器社製)にて、測定針を4.9Nの荷重で押圧し、5秒後の値を測定した。これを、転写ロール軸方向3箇所、周方向4箇所の計12箇所について計測し、その平均値として求めた。
本実施形態においては、前記弾性層及び表面層以外にも、これらの層間や該弾性層の下層等に、各種層を設けることができる。これらの層に用いるゴム材料は、前記弾性層で説明したゴム材料等を適用することができる。また、導電剤等の添加剤を添加できる。
本実施形態の転写ロールは、例えば、少なくとも、金属のシャフトの外周に弾性層を形成してなる成形物を得た後、前記弾性層の外周面に表面層を形成することにより製造される。
まず、芯金である金属のシャフトの表面に弾性層を設ける。弾性層の作製方法としては、例えば、ゴム材料に加硫剤と加硫促進剤とを混練りした混合物を押し出し成型した後、加熱して加硫させる方法などを挙げることができる。弾性層塗布液を表面に塗布した基材を、加熱した円筒型内に挿入し、遠心成形することで弾性層を形成することができる。なお、必要に応じて、上記混合物に導電剤等の添加剤を添加する。
また、下記コーティングの前に、密着性向上のためのプライマー層を基材表面に形成させてもよい。
表面層は、下層が非耐熱性材料である場合がほとんどであること、より特性にばらつきのない層として形成できることなどの観点から、コーティング液として前記弾性層等の表面に塗工して形成することが望ましい。
本実施形態における泡沫を含む層形成用の塗工液は、上記のように液中に独立気泡を形成しやすく、また形成された気泡がある程度その状態を維持することができるものであることが望ましいため、具体的には以下のコーティング方法が望ましい。
例えば、サーマルヘッドを有するインクジェット塗布装置を用い、発泡剤が含有された塗工液をサーマルヘッドにより加熱しながら塗出することで、サーマルヘッド通過の際に液滴内部に気泡が発生し、塗液に覆われた気泡を発生させることができる。気泡を覆う塗液はサーマルヘッドにより瞬間的に加熱されるため、塗出後にその状態を維持することができる。このコーティング方法によれば、前記弾性層等の表面に塗液に覆われた気泡を隙間なく敷き詰めることができる。さらに、この操作を繰り返すことで、泡沫の層上に泡沫の層を積層して形成することもできる。
コート後は加熱して乾燥・硬化を行う。なお、上記コーティングの前に、密着性向上のためのプライマー層を形成させてもよい。
R=V/I ・・・ 式(2)
本発明の画像形成装置は、少なくとも像保持体と、該像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記像保持体表面に形成された潜像をトナー像として可視化する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段とを備える画像形成装置であって、前記転写手段を構成する転写ロールが、本発明の転写ロールであることを特徴とする。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(3)
上記式(3)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
また、本実施形態の画像形成装置では、一般的に画像形成装置に用いられている上記構成以外の構成部材を備えることができる。
(転写ロールの作製)
−弾性層の形成−
・エピクロロヒドリンゴム(G3100、日本ゼオン社製)50部
・NBR(DN4050、日本ゼオン社製)50部
・カーボンブラック(スペシャルブラック4、Degussa社製)2部
・発泡剤(内層側のみ):ビニホールAC#3(永和化成社製)5部
・加硫剤:硫黄(鶴見化学工業社製200メッシュ)2部
・加硫促進剤(ノクセラーDM、大内新興化学工業社製)1部
塗布装置として、スプレー塗工装置のほかに、吐出口の直径が50μmのインクジェットノズルを50個並べ、これに接続されたインクタンクとしてはコート剤種に必要なタンク数を備えたインクジェット塗布装置を用意した。塗工液として、フッ素樹脂系塗料(JLY−601E、日本アチソン社製)を用い、インクタンクを1つ用意して、前記弾性層を形成したロールを5〜60rpmで回転させながら、スプレー塗装(塗出圧:2Pa・S)及びインクジェット塗装(塗出圧:5MPa・S)でロール端部から表面層コートを行った。なお、コート前にロールは予熱を行っていない。
評価装置として、図2に示す構成の富士ゼロックス社製DocuColor5065Pの2次転写ロールを上記作製の転写ロールに変更し、2次転写部への用紙突入角度を可変とした改造機を用いた。20℃、10%RHの環境下で、プロセススピード260mm/secで、A4用紙(坪量:200g/m2)を縦送り(長辺方向で移動させる送り)にて画像出しを行い、以下の評価を行った。
2次転写部への記録用紙の突入角度αを0°から徐々に変化させ、1次転写部での画像欠陥(バンディング)が発生する角度を調べた。その結果、αが±15°までは画像欠陥が発生しないことが確認された。
次に、2次転写部への記録用紙の突入角度を15°、転写されるトナーの重量を1gと固定し、前記環境下で1000枚の連続画像出しを行い、そのときの2次転写ロールの汚れ具合を残留するトナーの重量により確認し、以下の評価基準により判断した。
○:0.01g未満。
△:0.01g以上0.02g未満。
×:0.02g以上。
上記評価項目及び転写ロールの製造のしやすさ等を勘案し、総合評価を以下の基準で判定した。
◎:すべてにおいて問題ないレベル。
○:何らかの問題はあるが、品質上は問題ないレベル。
△:何らかの問題があり、品質上も問題となるレベル。
×:すべてにおいて不具合があるレベル。
参考例1の転写ロールの作製において、表面層の形成を、前記ソリッド層の表面にインクジェット塗布装置により最大径が10μmの独立気泡を面積比で77%含む層を厚さ10μmで形成し、その表面に、最大径が5μmの独立気泡を面積比で79%含む層を厚さ10μmで形成し、さらにその表面に、最大径が0.5μmの独立気泡を面積比で80%含む層を厚さ5μmで形成することにより行った以外は、参考例1における転写ロールの作製に準じて、転写ロール2を得た。
結果をまとめて表1に示す。
参考例1の転写ロールの作製において、表面層の形成を、前記ソリッド層の表面にインクジェット塗布装置により最大径が0.05μmの独立気泡を面積比で87%含む層を厚さ0.05μm(1層)で形成することにより行った以外は、参考例1における転写ロールの作製に準じて、転写ロール3を得た。
結果をまとめて表1に示す。
参考例1の転写ロールの作製において、表面層の形成を、前記ソリッド層の表面にインクジェット塗布装置により最大径が40μmの独立気泡を面積比で80%含む層を厚さ40μm(1層)で形成することにより行った以外は、参考例1における転写ロールの作製に準じて、転写ロール4を得た。
結果をまとめて表1に示す。
参考例1の転写ロールの作製において、表面層の形成を、前記ソリッド層の表面にインクジェット塗布装置により最大径が0.5μmの気泡を、最大径のばらつきが2.0%となるように形成することにより行った以外は、参考例1における転写ロールの作製に準じて、転写ロール5を得た。
結果をまとめて表1に示す。
参考例1の転写ロールの作製において、表面層の形成を、前記ソリッド層の表面にインクジェット塗布装置により最大径が1.5μmの気泡を面積比で76%含む層を厚さ30μm(2層)で形成することにより行った以外は、参考例1における転写ロールの作製に準じて、転写ロール6を得た。
結果をまとめて表1に示す。
参考例1の転写ロールの作製において、表面層の形成を、前記ソリッド層の形成を行わず、弾性層表面にインクジェット塗布装置により最大径が0.5μmの気泡を面積比で80%含む層を厚さ1.5μm(3層)で形成することにより行った以外は、参考例1における転写ロールの作製に準じて、転写ロール7を得た。
結果をまとめて表1に示す。
参考例1の転写ロールの作製において、表面層の形成を、まず弾性層表面にインクジェット塗布装置により最大径が0.5μmの気泡を面積比で80%含む層を厚さ1.5μm(3層)で形成し、次いでスプレー塗装により厚さ8.5μmのソリッド層を形成することにより行った以外は、参考例1における転写ロールの作製に準じて、転写ロール8を得た。
結果をまとめて表1に示す。
参考例1の転写ロールの作製において、表面層の形成を、前記ソリッド層の表面に、ロールの中央から軸方向に左右30mmの範囲にインクジェット塗布装置により最大径が1μmの独立気泡を含む層を厚さ2μmで形成し(3層構成)、ロールの両端面から軸方向30mmの範囲の端部に最大径が30μmの独立気泡を含む層を厚さ50μm(2層構成)で形成することにより行った以外は、参考例1における転写ロールの作製に準じて、転写ロール9を得た。
また、転写ロール9を用いて、参考例1における評価条件でランニングテスト(連続画像出し)を行った。その結果、40万枚相当でも転写ロールのクリーニングブレードに捲れは発生しなかったが、用紙剥離性がやや悪化する傾向が見られた。ここで言う「やや悪化」とは、10万枚のランニングで、紙詰まりの発生が1回以上5回以下発生したことを意味している。
参考例1の転写ロールの作製において、表面層の形成を、前記ソリッド層の表面に、ロールの中央から軸方向に左右30mmの範囲にインクジェット塗布装置により最大径が4μmの独立気泡を含む層を厚さ10μmで形成し(3層構成)、ロールの両端面から軸方向30mmの範囲の端部に最大径が15μmの独立気泡を含む層を厚さ20μm(2層構成)で形成することにより行った以外は、参考例1における転写ロールの作製に準じて、転写ロール10を得た。
また、転写ロール10を用いて、参考例1における評価条件でランニングテストを行った。その結果、40万枚相当でも用紙剥離性が悪化することなく、転写ロールのクリーニングブレードに捲れもは発生しなかった。
参考例1の転写ロールの作製において、表面層の形成を、まずスプレー塗装によりロールの中央から軸方向に左右30mmの範囲に膜厚が15μm、ロールの両端面から軸方向30mmの範囲の端部に膜厚20μmのソリッド層を形成し、次いで、インクジェット塗布装置により最大径が2.5μmの独立気泡を含む層を厚さ5μmで形成した(2層構成)以外は、参考例1の転写ロールの作製に準じて転写ロールを得た。その結果、表面層の膜厚は、ロール中央部で20μm、両端部で25μmとなり、ロール両端部の外径と中央部との外径の差は10μmで、中央部を中心とした外径左右差はどの位置においても10μm以下の転写ロール11が得られた。
また、転写ロール11について、図1に示す構成の富士ゼロックス社製DocuColor−II C4300の2次転写ロールを上記転写ロール11に変更し、28℃、85%RHの環境下で、A3用紙にてランニングテストを行い、紙しわの発生率および縦倍率、カラーレジストレーション(色重ねあわせ)を確認した結果、縦倍率不良およびカラーレジストレーション不良の発生なく、紙しわの発生を防止することができた。
参考例11の転写ロールの作製において、ソリッド層を設けずに、泡沫を含む層のみで同等の膜厚の表面層を形成し、ロール軸方向の両端部と中央部との外径の差が10μmの転写ロール12を得た。
また、この転写ロール12について、参考例11に準じての評価を実施したところ、紙しわの発生を防止することができたが、縦倍率及びカラーレジストレーションがやや悪化の傾向にあった。ここで言う「やや悪化」とは、目視で欠陥の発生が確認できないが、顕微鏡で10倍に拡大して観察した際に縦倍率及びカラーレジストレーションの欠陥の発生が確認されたことを意味している。
参考例1の転写ロールの作製において、表面層の形成を、スプレー塗装により厚さ20μmのソリッド層のみを形成することにより行った以外は、参考例1における転写ロールの作製に準じて、転写ロール13を得た。
結果をまとめて表1に示す。なお、転写ロール13について、実施例9における評価に準じてランニングテストを行ったところ、20万枚相当で転写ロールのクリーニングブレードに捲れが発生した。
参考例1の転写ロールの作製において、表面層の形成を、塗工液をフッ素樹脂塗料(エムラロン312、日本アチソン社製)に変更し、スプレー塗装により厚さ20μmのソリッド層のみを形成することにより行った以外は、参考例1における転写ロールの作製に準じて、転写ロール14を得た。
結果をまとめて表1に示す。
20 転写ロール
30 記録用紙
71 トナーカートリッジ
72 定着ロール
73 バックアップロール
74 テンションロール
75 2次転写ロール
76 用紙経路
77 給紙手段
78 レーザー発生装置
79 感光体
80 1次転写ロール
81 駆動ロール
82 転写クリーナー
83 帯電ロール
84 感光体クリーナー
85 現像器
86 中間転写体
88 除電ロール
100 金属のシャフト
120 弾性層
130 表面層
Claims (8)
- 金属のシャフトと、該金属のシャフトの外周に設けられた1層以上の弾性層と、該弾性層の外周に設けられた泡沫を含む層を有する表面層と、を有し、
前記泡沫を構成する気泡の最大径が、転写ロールの軸方向における中央部より端部の方が大きく、前記泡沫を含む層の厚さが、0.1〜30μmの範囲であることを特徴とする転写ロール。 - 前記泡沫を構成する気泡の最大径が、0.1〜30μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の転写ロール。
- 前記気泡の最大径のばらつきが、0〜1%の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の転写ロール。
- 前記表面層の厚みが、転写ロールの軸方向における中央部よりも両側の端部の方が大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の転写ロール。
- 転写ロールの軸方向における中央部よりも両側の端部の方が、外径が1〜500μm大きいことを特徴とする請求項4に記載の転写ロール。
- 少なくとも像保持体と、該像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記像保持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記像保持体表面に形成された潜像をトナー像として現像する現像手段と、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段とを備え、前記転写手段を構成する転写ロールが、請求項1〜5のいずれか1項に記載の転写ロールであることを特徴とする画像形成装置。
- さらに中間転写体を備え、前記転写手段が像保持体表面から前記中間転写体表面に1次転写されたトナー像を記録媒体に転写する2次転写手段であり、前記転写ロールが該2次転写手段を構成する2次転写ロールであることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記記録媒体の2次転写部への突入角度が±10〜40°の範囲であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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