JP2019128585A - 中間転写体及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
該中間転写体は少なくとも内側から基層、球形微粒子による凹凸形状を有した弾性層を順次備える積層構造からなり、前記球形微粒子の体積抵抗率が1×10-4Ω・cm以上1×100Ω・cm未満であることを特徴とする中間転写体である。
以下、具体的態様として、中間転写ベルトを例に説明する。
このシームレスベルトは、中間転写ベルト方式の電子写真装置〔いわゆる、像担持体(例えば、感光体ドラム)上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行い、その一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する方式の装置〕における中間転写ベルトとして好適に装備されるものである。
図1は、本発明の中間転写体として好適に用いられる中間転写ベルトの層構成を示す断面模式図である。構成としては、比較的屈曲性が得られる剛性な基層11の上に柔軟な弾性層12が積層されており、その最表面には球形微粒子13が弾性層上に面方向に独立して配列(埋没)され、一様な凹凸形状をして積層されている。本発明における球形微粒子13が単一の状態では、粒子同士の層厚方向の重なり合いや、弾性層12中への球形微粒子13の完全埋没が殆どない。
まず、基層11について説明する。この構成材料としては、樹脂中に電気抵抗を調整する充填材(又は、添加材)、いわゆる電気抵抗調整材を含有してなるものが挙げられる。
このような樹脂としては、難燃性の観点から、例えば、PVDF、ETFEなどのフッ素系樹脂や、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂等が好ましく、機械強度(高弾性)や耐熱性の点から、特にポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂が好適である。
なお、本発明における電気抵抗調整材は、上記例示化合物に限定されるものではない。
また、本発明のシームレスベルトの製造方法における少なくとも樹脂成分を含む塗工液には必要に応じて、さらに分散助剤、補強材、潤滑材、熱伝導材、酸化防止剤などの添加材を含有してもよい。
次に基層11に積層する弾性層12について説明する。構成する材料としては、汎用の樹脂・エラストマー・ゴムなどの材料を使用することが可能だが、本発明の効果を十分に発現するに十分な柔軟性(弾性)を有する材料を用いることが好ましく、エラストマー材料やゴム材料を用いるのが良い。
エラストマー材料としては、熱可塑性エラストマーとして、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアクリル系、ポリジエン系、シリコーン変性ポリカーボネート系、フッ素系共重合体系等が挙げられる。また、熱硬化性として、ポリウレタン系、シリコーン変性エポキシ系、シリコーン変性アクリル系等が挙げられる。
また、ゴム材料としては、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ヒドリンゴム等が挙げられる。
上記各種エラストマー、ゴムの中から、性能が得られる材料を適宜選択するが、本発明においては、耐オゾン性、柔軟性、球形微粒子との接着性、難燃性付与、耐環境安定性の面からアクリルゴムが最も好ましい。以下、アクリルゴムについて説明する。
上記架橋剤の配合量は、アクリルゴム100重量部に対し、好ましくは0.05〜20重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。 架橋剤の配合量が少なすぎると、架橋が十分に行われないため、架橋物の形状維持が困難になる。 一方、含有量が多すぎると、架橋物が硬くなりすぎ、架橋ゴムとしての弾性などが損なわれる。
次に、この弾性層の表面に形成する球形微粒子について説明する。粒子の体積抵抗率が1×10−4Ω・cm以上1×100Ω・cm未満であれば材料としては特に問わない。このような粒子としては、たとえば金属のみからなる粒子と、有機或いは無機のコア粒子をめっき等の方法で金属被覆したものが挙げられる。特に、球形微粒子は、コア粒子の表面が金属で被覆されたものであることが好ましい。
なお粒子の抵抗測定は、例えば三菱化学アナリテック社のMCP-PD51とロレスタGPで測定することができる。ここで球形微粒子とは平均粒径100μm以下で真球状の形状をしている粒子のことを言う。粒子の粒径はトナーが粒子と粒子の隙間に入りこまないように充填されていれば問題ないが、好ましくは0.5〜5μm、より好ましくは1〜2μmである。
図2A〜図2Cは、球形微粒子の形状の測定方法を示す図である。
粒子を平滑な測定面上に均一に分散付着させ、粒子100個について、カラーレーザー顕微鏡(装置名:VK−8500、株式会社キーエンス製)を用いて、任意の倍率(例えば、1,000倍)に拡大して、図2A〜図2Cに示すように、100個の粒子の長軸r1(μm)、短軸r2(μm)、厚みr3(μm)を測定し、それらの算術平均値を求め、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.9以上1.0以下で、厚みと短軸との比(r3/r2)が0.9以上1.0以下の範囲であるものを球形の粒子とした。
球形微粒子の抵抗測定方法としては、23℃50%RH環境で15mmφの加圧容器に粒子を1g入れ、荷重20KNを掛けた後、90Vにて測定した値を読み取ることにより算出することができる。微粒子の抵抗としては1×10−4〜1×100Ω・cmであり、より好ましくは1×10−3〜1×10−1Ω・cmである。1×100Ω・cmより抵抗が高いと異常放電抑制の効果が十分に発揮されない。逆に1×10−4Ω・cmより低い抵抗では、転写電界自体が発生しないので、トナーの転写率が大きく下がる。粒子の抵抗は前述した金属層の厚みを変えることにより、前記好ましい範囲に調整することができる。すなわち、被覆コート厚みが薄いと抵抗が高く、被覆コート厚みが厚いと抵抗が下がる。
次に、本発明におけるベルト表面状態について説明する。
図3Aは、中間転写ベルトの表面を真上から観察した平面拡大模式図である。このように、均一な粒径の球形微粒子が独立して整然と配列する形態を採る。樹脂粒子同士の重なり合いは殆ど観測されない。この表面を構成する各粒子の樹脂層面における断面の径も均一なほうが好ましく、具体的には、±(平均粒径×0.5)μm以下の分布幅となることが好ましい。なお図3Bは球形微粒子1個の模式図を示し、13Aはコア粒子、13Bはコア粒子表面に被覆された金属である。図3Cは球形微粒子を電子顕微鏡で観察した様子を示す図である。
これを形成するためにできるだけ粒径の揃った粒子を用いることが好ましいが、これを用いなくてもある粒径のものが選択的に表面に形成できる方法により表面を形成して前記粒径分布幅となる構成としても良い。
この粒子による表面の占有面積率としては、60%以上が好ましい。60%未満では樹脂部分の露出部が多すぎてトナーがゴムと接触し良好な転写性が得られない。
平均埋没率とは、後述するように、球形微粒子の深さ方向の径の樹脂層に埋没している率のことであるが、ここで言う平均埋没率は、すべての粒子が50%を超え100%に満たないという意味ではなく、ある視野で見たときの平均埋没率で表わしたときの数値が50%を超え100%に満たなければ良い。しかし、平均埋没率50%のときは、電子顕微鏡による断面観測において、弾性層中へ完全埋没している粒子が殆ど観測されず、弾性層中に完全に埋没している粒子の個数%は粒子全体のうち5%以下である。
平均埋没率は、弾性層表面の任意の箇所を走査型電子顕微鏡(SEM、株式会社キーエンス製、装置名:VE−7800)用いて断面SEM(5,000倍)で観察することにより、弾性層の厚み方向に球形粒子10個の粒径のどのくらいの割合が埋没しているかを求め、その平均値を算出することにより測定できる。
次に、上記本発明の構成のベルトを作製する方法についての一例を説明する。まず、図1における基層11の作製方法について説明する。
円筒状の型、例えば、円筒状の金属金型をゆっくりと回転させながら、少なくとも樹脂成分を含む塗工液(例えば、ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体を含む塗工液)をノズルやディスペンサーのような液供給装置にて円筒の外面全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)する。その後、回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達したら一定速度に維持し、所望の時間回転を継続する。そして、回転させつつ徐々に昇温させながら、約80〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が形成されたところで金型ごと高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、段階的に昇温し、最終的に250℃〜450℃程度の高温加熱処理(焼成)し、十分にポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体のイミド化又はポリアミドイミド化を行う。充分に冷却後、引き続き、図1における弾性層12を積層する。
加硫された弾性層は、その後充分に冷却し、引き続いて球形微粒子を弾性層12上へ塗布することで球形微粒子13を形成させて所望のシームレスベルト(中間転写ベルト)を得る。
粒子の弾性層中への平均埋没率の調整は、他の方法によっても可能であるが、例えば、押し当て部材33の押圧力を加減することにより、容易に果たすことができる。例えば、流延塗工液の粘度、固形分、溶剤の使用量、粒子材質等にも依るが、目安として、流延塗工液の粘度100〜100000mPa・sにおいて、押圧力を、1mN/cm〜1000mN/cmの範囲とすることにより、前記50%〜100%の平均埋没率を比較的容易に達成することができる。
微粒子を均一に表面に並べたのち、回転させながら所定温度、所定時間で加熱することにより、硬化させ粒子を埋設させた弾性層を形成する。充分に冷却後、金型から基層ごと脱離させ、所望のシームレスベルト(中間転写ベルト)を得る。
前記中間転写ベルトにおける球形微粒子の平均埋没率を測定する方法は次の通りである。
弾性層表面の任意の箇所を走査型電子顕微鏡(SEM、キーエンス社製、装置名:VE−7800)を用いて断面SEM(5,000倍)で観察することにより、球形微粒子の深さ方向の径がゴムに埋没している割合(下記式参照)を10個の粒子で求めて平均することにより算出する。
埋没率=(深さ方向の直径のうち埋没している長さ/微粒子の直径)×100
また弾性層表面の粒子の体積抵抗率を1×10−4Ω・cm以上1×100Ω・cm未満の範囲にすることにより、低温低湿環境でのベルト抵抗は環境依存性により常温常湿環境よりも相対的に高くなるが、ベルト最表面(トナー接触面)の粒子の抵抗が低いことで異常放電が抑制され、低温低湿環境での転写性が維持できていると推測される。
本発明の中間転写ベルトの体積抵抗率は好ましくは1×108〜1×1011Ω・cm、より好ましくは1×109〜3×1010Ω・cm、特に好ましくは2×109〜2×1010Ω・cmである。好ましい範囲にすることにより転写チリが優れ、より好ましい範囲にすることで残像が発生しにくくなり、特に好ましい範囲にすることによりトナー転写性が優れる。
本発明の中間転写ベルトの表面抵抗率は好ましくは1×108〜1×1013Ω/□、より好ましくは1×109〜1×1011Ω/□、特に好ましくは3×109〜3×1010Ω/□である。好ましい範囲にすることにより転写チリが優れ、より好ましい範囲にすることで残像が発生しなくなり、特に好ましい範囲にすることによりトナー転写性が優れる。
本発明の画像形成装置は、潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
この場合、前記画像形成装置がフルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなるものが好ましい。
図5に示すベルト部材を含む中間転写ユニット500は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト501などにより構成されている。この中間転写ベルト501の周りには、2次転写ユニット600の2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ605、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード504、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ505などが対向するように配設されている。
このベルト部材である中間転写ベルト501は、通常、半導体、又は絶縁体で、単層または多層構造となっているが、本発明においてはシームレスベルトが好ましく用いられ、これによって耐久性が向上すると共に、優れた画像形成が実現できる。また、中間転写ベルトは、感光体ドラム200上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
図5において、帯電チャージャ203は、コロナ放電によって感光体ドラム200の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。上記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム200の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。このBk静電潜像に、Bk現像器231Kの現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム200の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
そして、2次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501と2次転写バイアスローラ605によりニップが形成された2次転写部に、上記中間転写ベルト501上のトナー像の先端がさしかかるときに、転写紙Pの先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ610が駆動されて、転写紙ガイド板601に沿って転写紙Pが搬送され、転写紙Pとトナー像とのレジスト合わせが行われる。
図6は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム21BK、21Y、21M、21Cを備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
球形微粒子の抵抗は、三菱アナリテック株式会社製MCP−PD51とロレスターGPを使い、23℃50%RH環境のもと、15mmφの加圧容器に粒子を1g入れ、荷重20KNを掛けた後、90V30秒印加後の値を読み取ることにより算出した。
またベルトの抵抗は、23℃50%RH環境でハイレスタUPを使い、表面抵抗率、体積抵抗をバイアス500Vで10秒印加後の値を計測した。
下記により基層用塗工液を調製し、この塗工液を用いてシームレスベルト基層を作製した。
[基層用塗工液の調製]
先ず、ポリイミド樹脂前駆体を主成分とするポリイミドワニス(U−ワニスA;宇部興産社製)に、予めビーズミルにてN−メチル−2−ピロリドン中に分散させたカーボンブラック(SpecialBlack4;エボニックデグサ社製)の分散液を、カーボンブラック含有率がポリアミック酸固形分の17重量%になるように調合し、よく攪拌混合して塗工液を調製した。
次に、外径500mm、長さ400mmの外面をブラスト処理にて粗面化した金属製の円筒状支持体を型として用い、ロールコート塗工装置に取り付けた。
続いて、基層用塗工液Aをパンに流し込み、塗布ローラの回転速度40mm/secで塗料を汲み上げ、規制ローラと塗布ローラのギャップを0.6mmとして、塗布ローラ上の塗料厚みを制御した。
その後、円筒状支持体の回転速度を35mm/secに制御して塗布ローラに近づけ、塗布ローラとのギャップ0.4mmとして塗布ローラ上の塗料を均一に円筒状支持体上に転写塗布した後、回転を維持しながら熱風循環乾燥機に投入して、110℃まで徐々に昇温して30分加熱、 さらに昇温して200℃で30分加熱し、回転を停止した。その後、これを高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に導入し、段階的に320℃まで昇温して60分加熱処理(焼成)した。充分に冷却し、膜厚60μmのポリイミド基層ベルトAを得た。
以下に示す各成分を同表に示す割合で配合し混練することでゴム組成物を作成した。
アクリルゴム(日本ゼオン株式会社製/NipolAR12) 100重量部
ステアリン酸(日油株式会社製 ビーズステアリン酸つばき) 1重量部
赤リン(燐化学工業株式会社製 ノーバエクセル140F) 10重量部
水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製 ハイジライトH42M) 40重量部
架橋剤 0.6重量部
(デュポン ダウ エラストマー ジャパン製 Diak.No1(ヘキサメチレンジアミンカーバメイト))
架橋促進剤 0.6重量部
(Safic alcan社製 VULCOFAC ACT55(70%1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7と二塩基酸との塩、30%アモルファスシリカ))
平均粒径2.0μmのポリスチレン球形粒子を無電解めっき法にてニッケルを被覆させた球形微粒子Aを作成した。球形微粒子Aをクライオミクロトームで断面カットし、その断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、金属層の厚みは27nm、粒子の体積抵抗率は9.2×10−2Ω・cmであった。
実施例1において、ニッケルの厚みを変更した球形微粒子Bを使用した以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトBを得た。このとき、金属層の厚みは70nm、粒子の体積抵抗率は2.3×10−3Ω・cmであった。
実施例1において、ニッケルの厚みを変更した球形微粒子Cを使用した以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトCを得た。このとき、金属層の厚みは80nm、粒子の体積抵抗率は8.3×10−4Ω・cmであった。
実施例1において、コアの粒子を平均粒径2.0μmのポリスチレン球形粒子から平均粒径6.0μmのポリスチレン球形粒子に変更した以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトDを得た。このとき、金属層の厚みは22nm、粒子の体積抵抗率は7.6×10−1Ω・cmであった。
<実施例5>
実施例1において、コアの粒子を平均粒径2.0μmのポリスチレン球形粒子から平均粒径5.0μmのポリスチレン球形粒子に変更した以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトEを得た。このとき、金属層の厚みは22nm、粒子の体積抵抗率は9.6×10−1Ω・cmであった。
<実施例6>
実施例1において、ニッケルの厚みを変更した球形微粒子Cを使用した以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトFを得た。このとき、金属層の厚みは90nm、粒子の体積抵抗率は1.1×10−4Ω・cmであった。
実施例1において、球形微粒子を2.0μmの球形銀粒子に変更した以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトGを得た。粒子の体積抵抗率は1.3×10−5Ω・cmであった。
比較例1において、銀粒子の代わりに平均粒径3.5μmの球形酸化亜鉛であるパゼットGK−40(ハクスイテック株式会社製)を使用した以外は比較例1と同様にして、中間転写ベルトHを得た。このときの粒子の体積抵抗率は21Ω・cmであった。
(平均埋没率の測定方法)
弾性層表面の任意の箇所を走査型電子顕微鏡(SEM、キーエンス社製、装置名:VE−7800)を用いて断面SEM(5,000倍)で観察することにより、球形微粒子の深さ方向の径がゴムに埋没している割合(%)を10個の粒子で求めて平均することにより算出した。
さらにこのときの転写率を測定した。判定は◎が90%以上、○が80〜90%、△70〜80%、70%未満は×とした。
またベルトのクリーニング性評価として、試験後のベルト表面をレーザー顕微鏡にて観察し、トナーが粒子の隙間に残り、クリーニング不良が起こっていないかも確認した。
結果を表1に示す。
11 基層
12 弾性層
13 球形微粒子
13A コア粒子
13B 被覆金属
(図4の符号)
31 金型ドラム
32 基層と弾性層を塗布したベルト
33 押し当て部材
34 球形微粒子
35 粉体供給装置
(図5の符号)
P 転写紙
L レーザー光
70 除電ローラ
80 アースローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
204 電位センサー
205 画像濃度センサー
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像機
231K Bk現像機
231C C現像機
231M M現像機
270 定着装置
271、272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
502 トナーシール部材
503 帯電チャージャ
504 ベルトクリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ
506 潤滑剤
507 1次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションローラ
510 2次転写対向ローラ
511 クリーニング対向ローラ
512 フィードバッグ電流検知ローラ
513 トナー画像
514 光学センサ
600 2次転写ユニット
601 転写紙ガイド板
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニングブレード
610 レジストローラ
801 1次転写電源
802 2次転写電源
(図6の符号)
P 転写紙
10 プリンタ本体
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20BK、20M、20Y、20C 現像装置
21BK、21M、21Y、21C 感光体
22 中間転写ベルト
23BK、23M、23Y、23C 1次転写バイアスローラ
25 ベルトクリーニング部材
26 駆動ローラ
27 潤滑剤塗布装置
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
Claims (10)
- 像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写体であって、
該中間転写体は少なくとも内側から基層、球形微粒子による凹凸形状を有した弾性層を順次備える積層構造からなり、
前記球形微粒子の体積抵抗率が1×10-4Ω・cm以上1×100Ω・cm未満であることを特徴とする中間転写体。 - 前記球形微粒子は、コア粒子の表面が金属で被覆されたものであることを特徴とする請求項1に記載の中間転写体。
- 前記金属がニッケルを含むことを特徴とする請求項2に記載の中間転写体。
- 前記球形微粒子の粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の中間転写体。
- 体積抵抗率が1×108〜1×1011Ω・cmであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の中間転写体。
- 表面抵抗率が1×108〜1×1013Ω/□であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の中間転写体。
- 前記球形微粒子は前記弾性層に一部埋没されており、前記球形微粒子の深さ方向の径がゴムに埋没している割合の平均を平均埋没率とした時、平均埋没率が50〜99%であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の中間転写体。
- シームレスの中間転写ベルトであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の中間転写体。
- 潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを有してなり、前記中間転写体が請求項1から8のいずれかに記載の中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。
- 画像形成装置がフルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
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