JP5729037B2 - 中間転写体、及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、比較的柔軟性のある層を表面層とした場合、転写圧力が低減されたり、用紙凹凸への追従性が向上する反面、表面の離型性が劣るためにトナーがうまく離型できず転写効率が低下し、柔軟性のある層の効果を生かせないという問題が発生する。また、耐摩耗性・耐擦傷性にも劣るとう問題もある。
そこで、表面に微粒子を付着させることにより転写性を向上させる提案がなされている。
さらに、表面にシリカのような無機粒子を有する中間転写ベルトは、有機感光体との接触により、有機感光体の表面を摩耗させやすく、傷つけたりして、耐久性を低下させるという不具合を生じさせることがある。
すなわち、上記課題は、以下の(1)〜(8)に記載する発明によって上記課題が解決される。
(1)像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写体であって、該中間転写体は基層、弾性層が積層されたものであり、該弾性層は、表面に球形樹脂微粒子の一部が深さ方向に単一の状態で埋め込まれた独立した凹凸形状を有し(ただし、上記一部とは、各球形樹脂微粒子それぞれの埋め込まれる部分をいう。)、表面抵抗率が基層の表面抵抗率よりも低いものであることを特徴とする中間転写体。
(2)中間転写体全体の体積抵抗率の値が、球形樹脂微粒子が埋め込まれた面の表面抵抗率の値よりも小さいことを特徴とする前記(1)に記載の中間転写体。
(3)前記基層及び前記弾性層は共に、表面抵抗率が8(LogΩ/□)以上13(LogΩ/□)以下であり、体積抵抗率が7(LogΩ・cm)以上12(LogΩ・cm)以下であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の中間転写体。
(4)前記中間転写体表面の球形樹脂微粒子は、平均粒子径が1.0μm以上5.0μm以下の球形シリコーン微粒子であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の中間転写体。
(5)前記球形樹脂微粒子の埋没率が深さ方向に50%以上100%未満であることを特徴とする前記(1)乃至(4)いずれかに記載の中間転写体。
(6)シームレスベルトであることを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の中間転写体。
(7)潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを有してなり、前記中間転写体が前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。
(8)画像形成装置がフルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなる前記(7)に記載の画像形成装置。
本発明のシームレスベルトは、中間転写ベルト方式の電子写真装置〔いわゆる、像担持体(例えば、感光体ドラム)上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行い、その一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する方式の装置〕における中間転写ベルトとして好適に装備されるものである。
まず、基層(11)について説明する。この構成材料としては、樹脂中に電気抵抗を調整する充填材(又は、添加材)、いわゆる電気抵抗調整材を含有してなるものが挙げられる。
前記樹脂としては、難燃性の観点から、例えば、PVDF、ETFEなどのフッ素系樹脂や、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂等が好ましく、機械強度(高弾性)や耐熱性の点から、特にポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂が好適である。
基層の表面抵抗率及び体積抵抗率は、電気抵抗調整材の含有量により調節できるが、機械強度の面から、膜が脆く割れやすくならない程度の添加量で前記抵抗率を達成できるものが好ましい。
つまり、中間転写ベルトとする場合には、前記樹脂成分(例えば、ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体)と電気抵抗調整材の配合を適正に調整した塗工液を用いて、電気特性(表面抵抗及び体積抵抗)と機械強度のバランスをとることが好ましい。
金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等が挙げられる。また、分散性を良くするため、前記金属酸化物に予め表面処理を施したものも挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラック等が挙げられる。イオン導電剤としては、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウム等が挙げられ、これらを併用して用いてもよい。
なお、本発明における電気抵抗調整材は、上記例示化合物に限定されるものではない。
また、本発明のシームレスベルトの製造方法における少なくとも樹脂成分を含む塗工液には必要に応じて、さらに分散助剤、補強材、潤滑材、熱伝導材、酸化防止剤などの添加材を含有してもよい。
弾性層は、柔軟性(弾性)を有する層の表面に球形樹脂微粒子の一部が深さ方向に単一の状態で埋め込まれ独立した凹凸形状を有してなり、その表面抵抗率が基層(裏面)の表面抵抗率よりも低いことが必要である。
基層よりも弾性層の表面抵抗を高くしてしまうと最表面の球形樹脂微粒子がチャージアップし、転写時に放電、トナー散りなどが起こりやすくなったり、電荷が落ちきらないため、前の紙に転写した画像が残像となって次の紙に転写されたりしてしまう。
エラストマー材料としては、熱可塑性エラストマーとして、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアクリル系、ポリジエン系、シリコーン変性ポリカーボネート系、フッ素系共重合体系等が挙げられる。また、熱硬化性として、ポリウレタン系、シリコーン変性エポキシ系、シリコーン変性アクリル系等が挙げられる。また、ゴム材料としては、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ヒドリンゴム、加硫ゴム等が挙げられる。上記各種エラストマー、ゴムの中から、性能が得られる材料を適宜選択できる。
本発明においては、この材料の表面に球形微粒子を埋没させるので、熱可塑性のものよりも熱硬化性のものの方が好ましい。
熱硬化性のものの方が、その硬化反応に寄与する官能基の効果により弾性層との密着性に優れ確実に固定化することが可能である。
次に、上記弾性層(12)の最表面を形成する球形樹脂微粒子(13)について説明する。
材料としては特に問わないが、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、などの樹脂を主成分としてなる球形粒子が挙げられ、ここでいう樹脂材料には、ゴム材料も含むが、シリコーン樹脂粒子であると、滑性を有し、トナーに対しての離型性、耐磨耗性を付与できる機能が高くなり、好ましい。
また、これらの樹脂材料からなる粒子の表面を異種材料で表面処理を施したものでもよく、ゴム材料で作製された球状粒子の表面を硬い樹脂をコートしたような構成のものも適用可能であり、また、中空粒子、多孔質粒子であってもよい。
球形樹脂微粒子は、重合法などにより作製された真球に近いものであることが好ましい。
粒径が1.0μm以下の場合、粒子による転写性能の効果が十分に得られず、一方、5.0μm以上では、表面粗さが大きくなり、粒子間の隙間が大きくなるため、トナーがうまく転写できなくなったりクリーニング不良となったりする不具合が生じる。さらには、粒子は絶縁性が高いものが多いため、粒径が大きすぎると粒子による帯電電位の残留により、連続画像出力時にこの電位の蓄積による画像乱れが発生する不具合も生じる。
次に、本発明におけるベルト表面状態について説明する。
図2に、ベルトの表面を真上から観察した拡大模式図を示す。このように、均一な粒径の球状粒子が独立して整然と配列する形態を採る。樹脂粒子同士の重なり合いは殆ど観測されない。この表面を構成する各粒子の樹脂層面における断面の径も均一なほうが好ましく、具体的には、±(平均粒径×0.5)μm以下の分布幅となることが好ましい。
これを形成するためにできるだけ粒径の揃った粒子を用いることが好ましいが、これを用いなくてもある粒径のものが選択的に表面に形成できる方法により表面を形成して前記粒径分布幅となる構成としても良い。
この粒子による表面の占有面積率としては、60%以上90%以下が好ましい。60%より小さくては樹脂部分の露出部が多すぎてトナーがゴムと接触し良好な転写性が得られず、90%より大きくては、粒子の重なりが生じ、ベルト表面の電気特性が不均一となる。
本発明においては、上記球形樹脂粒子(13)が、粒子同士の層厚方向の重なり合いや、弾性層(12)中への球形微粒子(13)の完全埋没が殆どない、単一の状態で、弾性層(12)中にその一部が埋没している。
図4のように、厚み方向に複数の粒子を含むような構成では、粒子の含有される分布がむらになり、粒子の有する電気抵抗値の影響により、ベルト表面の電気特性が不均一となり画像乱れを生じる。具体的には、粒子が多く存在する部分での電気抵抗値が高くなり、ここに残留電荷による表面電位が発生し、ベルト表面において表面電位のばらつきが発生し、隣接した部分での画像濃度に差が生じる等による画像乱れが顕在化することがある。
また、図5に示されるように、弾性層表面に露出している粒子と、弾性層中に完全埋没している粒子が混在する状態であっても、画像乱れが顕在化することがある。
埋没率とは、粒子の深さ方向の径の樹脂層に埋没している率のことであるが、ここで言う、埋没率は、すべての粒子が50%を超え100%に満たないという意味ではなく、ある視野で見たときの平均埋没率で表わしたときの数値が50%を超え100%に満たなければ良い。しかし、埋没率50%のときは、電子顕微鏡による断面観測において、弾性層中へ完全埋没している粒子が殆ど観測されない(弾性層中に完全に埋没している粒子の個数%は粒子全体のうち5%以下)。
円筒状の型、例えば、円筒状の金属金型をゆっくりと回転させながら、少なくとも樹脂成分を含む塗工液(例えば、ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体を含む塗工液)をノズルやディスペンサーのような液供給装置にて円筒の外面全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)する。その後、回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達したら一定速度に維持し、所望の時間回転を継続する。そして、回転させつつ徐々に昇温させながら、約80〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が形成されたところで金型ごと高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、段階的に昇温し、最終的に250℃〜450℃程度の高温加熱処理(焼成)し、十分にポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体のイミド化又はポリアミドイミド化を行う。充分に冷却後、引き続き、弾性層(12)を積層する。
その後、回転速度を所定速度まで上げ、所望の時所定速度に達したら一定速度に維持し、間回転を継続する。そして、十分にレベリングさせる。
続いて図6に示すように、粉体供給装置(45)と押し当て部材(43)を設置し、回転させながら粉体供給装置(45)から球状粒子を表面に均一にまぶし、表面にまぶされた球状粒子を押し当て部材(43)により一定圧力にて押し当てる。この押し当て部材(43)により、樹脂層へ粒子を埋設させつつ、余剰な粒子を取り除く。本発明では、特に単分散の球形粒子を用いるために、このような押し当て部材でならすのみの簡単な、ならし工程で、均一な単一粒子層を形成することが可能である。
粒子の弾性層中への埋没率の調整は、他の方法によっても可能であるかも知れないが、例えば、押し当て部材(43)の押圧力を加減することにより、容易に果たすことができる。例えば、流延塗工液の粘度、固形分、溶剤の使用量、粒子材質等にも依るが、目安として、流延塗工液の粘度100〜100000mPa・sにおいて、押圧力を、1mN/cm〜1000mN/cmの範囲とすることにより、前記50%〜100%の埋没率を比較的容易に達成することができる。
微粒子を均一に表面に並べたのち、回転させながら所定温度、所定時間で加熱することにより、硬化させ粒子を埋設させた弾性層を形成する。充分に冷却後、金型から基層ごと脱離させ、所望のシームレスベルト(中間転写ベルト)を得る。
中間転写体全体の表面抵抗率が、1×108〜1×1013Ω/□、体積抵抗率が、1×107〜1×1012Ω・cmであると転写効率とトナー散り防止とを両立でき、好ましい。
前述の方法により製造されたシームレスベルトは、例えば、像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行い、その一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する、いわゆる中間転写方式の電子写真装置の中間転写ベルトとして好適に用いられ、高画質画像形成な電子写真装置(画像形成装置)を構成することができる。
本発明における電子写真装置(以降、「画像形成装置」と呼称する。)に装備されるベルト構成部に用いられるシームレスベルトについて、要部模式図を参照しながら以下に詳しく説明する。なお、模式図は一例であって本発明はこれに限定されるものではない。
図7は、本発明に係る製造方法により得られるシームレスベルトをベルト部材として装備する画像形成装置を説明するための要部模式図である。
図7に示すベルト部材を含む中間転写ユニット(500)は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト(501)などにより構成されている。この中間転写ベルト(501)の周りには、2次転写ユニット(600)の2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ(605)、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード(504)、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ(505)などが対向するように配設されている。
このベルト部材である中間転写ベルト(501)は、通常、半導体、又は絶縁体で、単層または多層構造となっているが、本発明においてはシームレスベルトが好ましく用いられ、これによって耐久性が向上すると共に、優れた画像形成が実現できる。また、中間転写ベルトは、感光体ドラム(200)上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
図7において、帯電チャージャ(203)は、コロナ放電によって感光体ドラム(200)の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。上記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム(200)の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。このBk静電潜像に、Bk現像器(231K)の現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム(200)の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
そして、2次転写対向ローラ(510)に張架された中間転写ベルト(501)と2次転写バイアスローラ(605)によりニップが形成された2次転写部に、上記中間転写ベルト(501)上のトナー像の先端がさしかかるときに、転写紙Pの先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ(610)が駆動されて、転写紙ガイド板(601)に沿って転写紙Pが搬送され、転写紙Pとトナー像とのレジスト合わせが行われる。
図8は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム(21BK、21Y、21M、21C)を備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
「基層用塗工液Aの調製」
先ず、ポリイミド樹脂前駆体を主成分とするポリイミドワニス(U−ワニスA;宇部興産社製)に、予めビーズミルにてN−メチル−2−ピロリドン中に分散させたカーボンブラック(SpecialBlack4;エボニックデグサ社製)の分散液を、カーボンブラック含有率がポリアミック酸固形分の16.7重量%になるように調合し、よく攪拌混合して塗工液を調製した。
次に、外径340mm、長さ360mmの外面をブラスト処理にて粗面化した金属製の円筒状支持体を型として用い、ロールコート塗工装置に取り付けた。
続いて、基層用塗工液Aをパンに流し込み、塗布ローラの回転速度40mm/secで塗料を汲み上げ、規制ローラと塗布ローラのギャップを0.6mmとして、塗布ローラ上の塗料厚みを制御した。
その後、円筒状支持体の回転速度を35mm/secに制御して塗布ローラに近づけ、塗布ローラとのギャップ0.4mmとして塗布ローラ上の塗料を均一に円筒状支持体上に転写塗布した後、回転を維持しながら熱風循環乾燥機に投入して、110℃まで徐々に昇温して30分加熱、 さらに昇温して200℃で30分加熱し、回転を停止した。その後、これを高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に導入し、段階的に320℃まで昇温して60分加熱処理(焼成)した。充分に冷却し、ポリイミド基層ベルトAを得た。
以下に示す各材料を配合し、ニーダーにて混練することでゴム組成物を作成した。
アクリルゴム(日本ゼオン株式会社製 二ポールAR12) 100重量部
ステアリン酸(日油株式会社製 ビーズステアリン酸つばき) 1重量部
赤リン(燐化学工業株式会社製 ノーバエクセル140F) 10重量部
水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製 ハイジライトH42M) 60重量部
架橋剤(デュポン ダウ エラストマー ジャパン製 Diak.No1(ヘキサメチレンジアミンカーバメイト)) 0.6重量部
架橋促進剤(Safic alcan社製 VULCOFAC ACT55(70%1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7と二塩基酸との塩、30%アモルファスシリカ)) 0.6重量部
導電剤(広栄化学株式会社製 AP−1(第4級ホスホニウム塩)) 0.3重量部
次いで、このようにして得られたゴム組成物を有機溶剤(MIBK:メチルイソブチルケトン)に溶かして固形分35wt%のゴム溶液を作製した。この作製したゴム溶液を先に作製したポリイミド基層が形成された円筒状支持体を回転させながらポリイミド基層上に、ノズルよりゴム塗料を連続的に吐出しながら支持体の軸方法に移動させ螺旋状に塗工した。塗布量としては最終的な膜厚が500μmになるような液量の条件とした。その後、ゴム塗料が塗工された円筒状支持体をそのまま回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分で90℃まで昇温して30分加熱した。
その後、乾燥機から取り出して冷却し、この表面に、図6の方法を用いて、球状樹脂粒子として、シリコーン球形微粒子(トスパール120(体積平均粒径2.0μm品);モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ)をまんべんなく表面にまぶし、ポリウレタンゴムブレードの押し付け部材を、押圧力100mN/cmで押し当てて弾性層に固定化した。続いて、再び熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分で170℃まで昇温して60分加熱処理し、中間転写ベルトAを得た。
またベルトの表面抵抗率、体積抵抗率ともにダイアインスツルメンツ社のハイレスタを使い、どちらも100Vで10秒印加した後の抵抗を測定することにより算出した。
基層(ベルト裏面)の表面抵抗率は11.9(LogΩ/□)、体積抵抗率は8.5(LogΩ・cm)、
弾性層の表面抵抗率は10.6(LogΩ/□)、体積抵抗率は9.5(LogΩ・cm)、
粒子埋没後(ベルト表面)の表面抵抗率は11.2(LogΩ/□)であり、ベルト体積抵抗率は10.1(LogΩ・cm)であった。
本ベルトの断面を電子線顕微鏡にて断面観察したところ、粒子は単一層を形成しており、弾性層への埋没率は、65%であった。またベルト基層(ベルト裏面)の表面抵抗率は8.6(LogΩ/□)、体積抵抗率は7.8(LogΩ・cm)、弾性層の表面抵抗率は8.3(LogΩ/□)、体積抵抗率は8.1(LogΩ・cm)、粒子埋没後(ベルト表面)の表面抵抗率は8.5(LogΩ/□)であり、ベルト体積抵抗率は8.1(LogΩ・cm)であった。
本ベルトの断面を電子線顕微鏡にて断面観察したところ、粒子は単一層を形成しており、弾性層への埋没率は、69%であった。またベルト基層(ベルト裏面)の表面抵抗率は11.9(LogΩ/□)、体積抵抗率は8.5(LogΩ・cm)、弾性層の表面抵抗率は10.6(LogΩ/□)、体積抵抗率は9.5(LogΩ・cm)、粒子埋没後(ベルト表面)の表面抵抗率は11.7(LogΩ/□)であり、ベルト体積抵抗率は10.5(LogΩ・cm)であった。
本ベルトの断面を電子線顕微鏡にて断面観察したところ、粒子は単一層を形成しており、弾性層への埋没率は、90%であった。またベルト基層(ベルト裏面)の表面抵抗率は11.9(LogΩ/□)、体積抵抗率は8.5(LogΩ・cm)、弾性層の表面抵抗率は10.6(LogΩ/□)、体積抵抗率は9.5(LogΩ・cm)、粒子埋没後(ベルト表面)の表面抵抗率は11.4(LogΩ/□)であり、ベルト体積抵抗率は9.9(LogΩ・cm)であった。
本ベルトの断面を電子線顕微鏡にて断面観察したところ、粒子は単一層を形成しており、弾性層への埋没率は、65%であった。またベルト基層(ベルト裏面)の表面抵抗率は11.9(LogΩ/□)、体積抵抗率は8.5(LogΩ・cm)、弾性層の表面抵抗率は10.6(LogΩ/□)、体積抵抗率は10.4(LogΩ・cm)、粒子埋没後(ベルト表面)の表面抵抗率は10.8(LogΩ/□)であり、ベルト体積抵抗率は10.5(LogΩ・cm)であった。
本ベルトの断面を電子線顕微鏡にて断面観察したところ、粒子は単一層を形成しており、弾性層への埋没率は、52%であった。またベルト基層(ベルト裏面)の表面抵抗率は11.9(LogΩ/□)、体積抵抗率は8.5(LogΩ・cm)、弾性層の表面抵抗率は10.6(LogΩ/□)、体積抵抗率は9.5(LogΩ・cm)、粒子埋没後(ベルト表面)の表面抵抗率は11.8(LogΩ/□)であり、ベルト体積抵抗率は9.8(LogΩ・cm)であった。
実施例1において微粒子を用いない以外は実施例1と同様にして中間転写ベルトGを得た。このときのベルト基層(ベルト裏面)の表面抵抗率は11.9(LogΩ/□)、体積抵抗率は8.5(LogΩ・cm)、弾性層の表面抵抗率は10.6(LogΩ/□)、ベルト体積抵抗率は9.5(LogΩ・cm)であった。
実施例1において球形微粒子をシリコーン樹脂不定形粒子(トスパール240(体積平均粒子径2.0μm品);モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ)に代える他は同じとし、中間転写ベルトHを得た。
本ベルトの断面を電子線顕微鏡にて断面観察したところ、厚み方向に複数の粒子を含み、また粒子の埋まりは観察できたが、不定形であるため粒子による埋没度合いのムラが大きく、明確な埋没率を求めることはできなかった。またベルト基層(ベルト裏面)の表面抵抗率は11.9(LogΩ/□)、体積抵抗率は8.5(LogΩ・cm)、弾性層の表面抵抗率は10.6(LogΩ/□)、体積抵抗率は9.5(LogΩ・cm)、粒子埋没後(ベルト表面)の表面抵抗率は11.2(LogΩ/□)であり、ベルト体積抵抗率は10.1(LogΩ・cm)であった。
実施例1において、基層用塗工液Aを以下の基層用塗工液Iに変える他は実施例1と同様にした。
「基層用塗工液Iの調製」
先ず、ポリイミド樹脂前駆体を主成分とするポリイミドワニス(U−ワニスA;宇部興産社製)に、予めビーズミルにてN−メチル−2−ピロリドン中に分散させたカーボンブラック(Regal400R;キャボット社製)の分散液を、カーボンブラック含有率がポリアミック酸固形分の19.7重量%になるように調合し、よく攪拌混合して塗工液を調製した。その後は実施例1と同様にして中間転写ベルトIを得た。
本ベルトの断面を電子線顕微鏡にて断面観察したところ、粒子の弾性層への埋没率は、65%であった。またベルト基層(ベルト裏面)の表面抵抗率は9.5(LogΩ/□)、体積抵抗率は9.1(LogΩ・cm)、弾性層の表面抵抗率は10.6(LogΩ/□)、体積抵抗率は9.5(LogΩ・cm)、粒子埋没後(ベルト表面)の表面抵抗率は11.2(LogΩ/□)、体積抵抗率は10.1(LogΩ・cm)であった。
本ベルトの断面を電子線顕微鏡にて断面観察したところ、粒子の弾性層への埋没率は、65%であった。またベルト基層(ベルト裏面)の表面抵抗率は11.8(LogΩ/□)、体積抵抗率は8.9(LogΩ・cm)、弾性層の表面抵抗率は8.3(LogΩ/□)、体積抵抗率は8.1(LogΩ・cm)、粒子埋没後(ベルト表面)の表面抵抗率は9.6(LogΩ/□)であり、ベルト体積抵抗率は8.9(LogΩ・cm)であった。
以上の結果を表1に示す。
結果を表2に示す。
11 基層
12 弾性層
13 球形微粒子
(図6の符号)
41 金型ドラム
42 基層と弾性層を塗布したベルト
43 押し当て部材
44 球形微粒子
45 粉体供給装置
(図7の符号)
P 転写紙
L レーザー光
70 除電ローラ
80 アースローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
204 電位センサー
205 画像濃度センサー
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像機
231K Bk現像機
231C C現像機
231M M現像機
270 定着装置
271、272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
502 トナーシール部材
503 帯電チャージャ
504 ベルトクリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ
506 潤滑剤
507 1次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションローラ
510 2次転写対向ローラ
511 クリーニング対向ローラ
512 フィードバッグ電流検知ローラ
513 トナー画像
514 光学センサ
600 2次転写ユニット
601 転写紙ガイド板
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニングブレード
610 レジストローラ
801 1次転写電源
802 2次転写電源
(図8の符号)
P 転写紙
10 プリンタ本体
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20BK、20M、20Y、20C 現像装置
21BK、21M、21Y、21C 感光体
22 中間転写ベルト
23BK、23M、23Y、23C 1次転写バイアスローラ
25 ベルトクリーニング部材
26 駆動ローラ
27 潤滑剤塗布装置
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
Claims (8)
- 像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写体であって、該中間転写体は基層、弾性層が積層されたものであり、該弾性層は、表面に球形樹脂微粒子の一部が深さ方向に単一の状態で埋め込まれた独立した凹凸形状を有し(ただし、上記一部とは、各球形樹脂微粒子それぞれの埋め込まれる部分をいう。)、表面抵抗率が基層の表面抵抗率よりも低いものであることを特徴とする中間転写体。
- 中間転写体全体の体積抵抗率の値が、球形樹脂微粒子が埋め込まれた面の表面抵抗率の値よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の中間転写体。
- 前記基層及び前記弾性層は共に、表面抵抗率が8(LogΩ/□)以上13(LogΩ/□)以下であり、体積抵抗率が7(LogΩ・cm)以上12(LogΩ・cm)以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の中間転写体。
- 前記中間転写体表面の球形樹脂微粒子は、平均粒子径が1.0μm以上5.0μm以下の球形シリコーン微粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の中間転写体。
- 前記球形樹脂微粒子の埋没率が深さ方向に50%以上100%未満であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の中間転写体。
- シームレスベルトであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の中間転写体。
- 潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを有してなり、前記中間転写体が請求項1乃至6のいずれかに記載の中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。
- 画像形成装置がフルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなる請求項7に記載の画像形成装置。
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