JP2022107489A - 中間転写ベルトおよびそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

中間転写ベルトおよびそれを用いた画像形成装置 Download PDF

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【課題】表面凹凸がある紙種への転写性に優れ、長期使用でも粒子脱離が抑制され、高い耐久性を有する中間転写ベルトを提供する。【解決手段】像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写ベルトであって、前記中間転写ベルトは少なくとも基層11、球形微粒子13による凹凸形状を有した弾性層12および表層14を順次備える積層構造を有し、前記表層はアンチモンドープ酸化スズまたは酸化インジウムスズを含むことを特徴とする中間転写ベルトによって上記課題を解決した。【選択図】図1

Description

本発明は、中間転写ベルトおよびそれを用いた画像形成装置に関する。
従来から、電子写真装置においては様々な用途でシームレスベルトが部材として用いられている。特に近年のフルカラー電子写真装置においては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の現像画像を一旦中間転写媒体上に色重ねし、その後一括して紙などの転写媒体に転写する中間転写ベルト方式が用いられている。
このような中間転写ベルト方式は、1つの感光体に対して4色の現像器を用いるシステムで用いられていたがプリント速度が遅いという欠点があった。そのため、高速プリントとしては、感光体を4色分並べ、各色を連続して紙に転写する4連タンデム方式が用いられている。しかし、この方式では紙の環境による変動などもあり、各色画像を重ねる位置精度を合わせることが非常に困難であり、色ずれ画像を引き起こしていた。そこで近年では、4連タンデム方式に中間転写方式を採用することが主流になってきている。
このような情勢の中で中間転写ベルトにおいても、従来よりも要求特性(高速転写、位置精度)が厳しいものとなっており、これらの要求に対応する特性を満足することが必要となってきている。特に、位置精度に対しては、連続使用によるベルト自体の伸び等の変形による変動を抑えることが求められる。また、中間転写ベルトは、装置の広い領域に渡ってレイアウトされ、転写のために高電圧が印加されることから難燃性であることが求められている。このような要求に対応するため、中間転写ベルト材料として主に、高弾性率で高耐熱樹脂であるポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが用いられている。
ところが、ポリイミド樹脂による中間転写ベルトにおいては、高強度であるためその表面硬度も高いので、トナー像を転写する際にトナー層に高い圧力がかかり、トナーが局部的に凝集し画像の一部が転写されない、いわゆる中抜け画像が発生することがある。また、感光体や用紙などの転写部での接触部材との接触追従性が劣るため、転写部において部分的な接触不良部(空隙)が発生し、転写むらが発生することがある。
近年、フルカラー電子写真を用いてさまざまな用紙に画像を形成することが多くなり、通常の平滑な用紙だけでなく、コート紙のようなスリップ性のある平滑度の高いものからリサイクルペーパーやエンボス紙や和紙やクラフト紙のような表面性の粗いものが使用されることが増えてきている。このような表面性状の異なる用紙への追従性は重要であり、追従性が悪いと、用紙の凹凸状の濃淡むらや色調のむらが発生する。この課題を解決するために比較的柔軟性のあるゴム弾性層を基層上に積層した様々な中間転写ベルトが提案されている。
この問題を解決するために、中間転写ベルト上に新たに保護層を設ける方法があるが、十分に転写性能の高い材料をコートした場合、中間転写ベルトが本来有する柔軟性に追従できず、割れやはがれが発生するという新たな問題点がある。そのため、中間転写ベルト表面に微粒子を付着することにより転写性を向上させる提案がなされている。
特許文献1には、弾性ブランケット上に3μm以下の直径のビーズを配置する技術が提案されている。特許文献2には、像担持体の表面を、トナーより小粒径で表面が疎水化処理された微粒子と親和性の高い材料で構成する技術が提案されている。特許文献3には、中間転写体を、ベルト基層と、バインダー層と、微小粒子層からなる3層構成で構成する技術が提案されている。特許文献4および5には、ベルト表面に比較的大きめの粒子を露出させる技術が提案されている。
特許文献6には、ベルト表面にアルミナ、窒化ホウ素、ガラスなどの無機粒子をシランカップリング剤で処理した粒子を露出させる技術が提案されている。特許文献7には、樹脂層を有する中間転写ベルトであって、該樹脂層にシリコーン樹脂やフッ素樹脂などの有機樹脂粒子による凹凸形状を持たせる技術が提案されている。
本発明の目的は、表面凹凸がある紙種への転写性に優れ、長期使用でも粒子脱離が抑制され、高い耐久性を有する中間転写ベルトを提供することにある。
上記課題は、下記構成1)により解決される。
1)像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写ベルトであって、
前記中間転写ベルトは少なくとも基層、球形微粒子による凹凸形状を有した弾性層および表層を順次備える積層構造を有し、
前記表層はアンチモンドープ酸化スズまたは酸化インジウムスズを含むことを特徴とする中間転写ベルト。
本発明によれば、表面凹凸がある紙種への転写性に優れ、長期使用でも粒子脱離が抑制され、高い耐久性を有する中間転写ベルトが提供される。
本発明に好適に用いられる中間転写ベルトの層構成を示す断面模式図である。 絶縁樹脂粒子表面に導電性の樹脂をコーティングした形態を説明するための図である。 粒子の形状を模式的に示す図である。 粒子の形状を模式的に示す図である。 粒子の形状を模式的に示す図である。 中間転写ベルトの表面を上方から観察した拡大模式図である。 弾性層への球状微粒子の付与方法を示す概略図である。 本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態についてさらに詳しく説明する。
上記従来技術に提案された中間転写ベルトはいずれにおいても、表面に絶縁性材料を有するためトナーの転写性が全体的に低くなる。また通紙により粒子の脱離が起こりやすく、特に用紙エッジ部で脱離が起こりやすい。その結果、粒子脱離部のトナー転写性がさらに低下し、ベルトに縦スジの白抜け画像が発生してしまう。そこで本発明は上述のように、表面凹凸がある紙種への転写性に優れ、長期使用でも粒子脱離が抑制され、高い耐久性を有する中間転写ベルトの提供を目的としている。
電子写真装置においてはいくつかの部材にシームレスベルトが用いられるが、電気的特性を要求される重要な部材の一つとして中間転写体(中間転写ベルト)がある。以下、本発明の中間転写ベルトについて説明する。
本発明の中間転写ベルトは、電子写真装置〔いわゆる、像担持体(例えば、感光体ドラム)上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行い、その一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する方式の装置〕における中間転写ベルトとして好適に装備されるものである。
図1は、本発明に好適に用いられる中間転写ベルトの層構成を示す断面模式図である。構成としては、比較的屈曲性が得られる剛性な基層11の上に柔軟な弾性層12が積層されており、その最表面には球形微粒子13が弾性層上に面方向に独立して配列(埋没)され、一様な凹凸形状をして積層されている。本発明における球形微粒子13が単一の状態では、粒子同士の層厚方向の重なり合いや、弾性層12中への球形微粒子13の完全埋没が殆どない。また、弾性層12上には表層14が積層されている。
<基層>
まず、基層11について説明する。この構成材料としては、樹脂中に電気抵抗を調整する充填材(又は、添加材)、いわゆる電気抵抗調整材を含有してなるものが挙げられる。
このような樹脂としては、難燃性の観点から、例えば、PVDF、ETFEなどのフッ素系樹脂や、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂等が好ましく、機械強度(高弾性)や耐熱性の点から、特にポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂が好適である。
電気抵抗調整材としては、金属酸化物やカーボンブラック、イオン導電剤、導電性高分子材料などがある。金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等が挙げられる。また、分散性を良くするため、前記金属酸化物に予め表面処理を施したものも挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラック等が挙げられる。イオン導電剤としては、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウム等が挙げられ、これらを併用して用いてもよい。
なお、本発明における電気抵抗調整材は、上記例示化合物に限定されるものではない。
また、本発明の中間転写ベルトの製造方法における少なくとも樹脂成分を含む塗工液には必要に応じて、さらに分散助剤、補強材、潤滑材、熱伝導材、酸化防止剤などの添加材を含有してもよい。
前記中間転写ベルトとして好適に装備されるシームレスベルトに使用する場合、抵抗値として、好ましくは表面抵抗で1×10~1×1013Ω/□、体積抵抗で1×10~1×1011Ω・cmになる様なカーボンブラック量を含有させるのが好ましいが、機械強度の面から、膜が脆く割れやすくならない程度の添加量で達成できるものを選択する。つまり、前記樹脂成分(例えば、ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体)と電気抵抗調整材の配合を適正に調整した塗工液を用いて、電気特性(表面抵抗及び体積抵抗)と機械強度のバランスが取れたシームレスベルトを製造して用いるのが好ましい。
前記基層11の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30μm~150μmが好ましく、40μm~120μmがより好ましく、50μm~80μmが特に好ましい。前記基層11の厚みが、30μm以上であることにより、亀裂によりベルトが裂けることを防止でき、150μm以下であることにより、曲げによるベルトの割れを防止できる。一方、前記基層11の厚みが前記特に好ましい範囲であると耐久性の点で、有利である。基層11に関しては、走行安定性を高めるために、膜厚ムラはなるべく無くすことが好ましい。
前記基層11の厚みの測定方法としては、特に制限はなく、例えば、接触式や渦電流式の膜厚計での計測や膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で測定する方法が挙げられる。
本発明における電気抵抗調整材の含有量としては、カーボンブラックの場合には、塗工液中の全固形分の10~25wt%、好ましくは15~20wt%である。また、金属酸化物の場合の含有量としては、塗工液中の全固形分の1~50wt%、好ましくは10~30wt%である。含有量が前記それぞれの電気抵抗調整材の範囲内であれば、抵抗値の均一性が得られ、任意の電位に対する抵抗値の変動が抑制され、また前記中間転写ベルトの機械強度が向上し、実使用上好ましい。
本発明におけるポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂としては、東レデュポン、宇部興産、新日本理化、JSR、ユニチカ、アイ・エス・ティー、日立化成工業、東洋紡績、荒川化学等のメーカーからの一般汎用品を入手し使用することができる。
<弾性層>
次に基層11に積層する弾性層12について説明する。構成する材料としては、汎用の樹脂、エラストマー、ゴムなどの材料を使用することが可能だが、本発明の効果を十分に発現するに十分な柔軟性(弾性)を有する材料を用いることが好ましく、エラストマー材料やゴム材料を用いるのがよい。
エラストマー材料としては、熱可塑性エラストマーとして、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアクリル系、ポリジエン系、シリコーン変性ポリカーボネート系、フッ素系共重合体系等が挙げられる。また、熱硬化性として、ポリウレタン系、シリコーン変性エポキシ系、シリコーン変性アクリル系等が挙げられる。
また、ゴム材料としては、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ヒドリンゴム等が挙げられる。
上記各種エラストマー、ゴムの中から、所望の性能が得られる材料を適宜選択するが、本発明においては、耐オゾン性、柔軟性、球形微粒子との接着性、難燃性付与、耐環境安定性の面からアクリルゴムが最も好ましい。以下、アクリルゴムについて説明する。
弾性層12に用いられるアクリルゴムは現在上市されているものであることができ、特に限定されるものではない。しかし、アクリルゴムの各種架橋系(エポキシ基、活性塩素基、カルボキシル基)の中ではカルボキシル基架橋系がゴム物性(特に圧縮永久歪み)及び加工性が優れているので、カルボキシル基架橋系を選択することが好ましい。
カルボキシル基架橋系のアクリルゴムに用いる架橋剤は、アミン化合物が好ましく、多価アミン化合物が最も好ましい。このようなアミン化合物として、具体的には脂肪族多価アミン架橋剤、芳香族多価アミン架橋剤などが挙げられる。脂肪族多価アミン架橋剤としては、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメイト、N,N’-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサンジアミンなどが挙げられる。芳香族多価アミン架橋剤としては、4,4’-メチレンジアニリン、m-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-(m-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、4,4’-(p-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2’-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4’-ジアミノベンズアニリド、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、1,3,5-ベンゼントリアミン、1,3,5-ベンゼントリアミノメチルなどが挙げられる。
上記架橋剤の配合量は、アクリルゴム100質量部に対し、好ましくは0.05~20質量部、より好ましくは0.1~5質量部である。架橋剤の前記配合量が0.05質量部以上であることにより、架橋が十分に行われ、架橋物の形状維持が良好となる。一方、20質量部以下であることにより、架橋物が硬くなりすぎず、架橋ゴムとしての弾性が良好となる。
弾性層12においては、さらに架橋促進剤を配合して上記架橋剤に組み合わせて用いてもよい。架橋促進剤もとくに限定されないが、前記多価アミン架橋剤と組み合わせて用いることができる架橋促進剤であることが好ましい。このような架橋促進剤としては、例えば、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、第四級オニウム塩、第三級ホスフィン化合物、弱酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。グアニジン化合物としては、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジオルトトリルグアニジンなどが挙げられる。イミダゾール化合物としては、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾールなどが挙げられる。第四級オニウム塩としては、テトラn-ブチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリ―n-ブチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。多価第三級アミン化合物としては、トリエチレンジアミン、1,8-ジアザ‐ビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7(DBU)などが挙げられる。第三級ホスフィン化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィンなどが挙げられる。弱酸のアルカリ金属塩としては、ナトリウムまたはカリウムのリン酸塩、炭酸塩などの無機弱酸塩あるいはステアリン酸塩、ラウリル酸塩などの有機弱酸塩が挙げられる。
架橋促進剤の使用量は、アクリルゴム100質量部あたり、好ましくは0.1~20質量部、より好ましくは0.3~10質量部である。架橋促進剤の前記配合量が20質量部以下であることにより、架橋時に架橋速度が適切となり、架橋物表面ヘの架橋促進剤のブルームや、架橋物が硬くなりすぎたりする現象を防止できる。また前記配合量が0.1質量部以上であることにより、架橋物の引張強さが適切となり、熱負荷後の伸び変化または引張強さ変化を抑制できる。
アクリルゴムの調製にあたっては、ロール混合、バンバリー混合、スクリュー混合、溶液混合などの適宜の混合方法が採用できる。配合順序は特に限定されないが、熱で反応や分解しにくい成分を充分に混合した後、熱で反応しやすい成分あるいは分解しやすい成分として、例えば架橋剤などを、反応や分解が起こらない温度で短時間に混合すればよい。
アクリルゴムは、加熱することにより架橋物とすることができる。加熱温度は、好ましくは130~220℃、より好ましくは140℃~200℃であり、架橋時間は好ましくは30秒~5時間である。加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる方法を適宜選択すればよい。また、一度架橋した後に、架橋物の内部まで確実に架橋させるために、後架橋を行ってもよい。後架橋は、加熱方法、架橋温度、形状などにより異なるが、好ましくは1~48時間行う。後架橋を行う際の加熱方法、加熱温度は適宜選択すればよい。
また、弾性層12の柔軟性は25℃50%RH下でのマイクロゴム硬度値が30~80であることが好ましい。マイクロゴム硬度は市販のマイクロゴム硬度計を使用することが出来るが、例えば高分子計器株式会社の「マイクロゴム硬度計MD-1」を使用することにより求めることができる。
一方で弾性層12の膜厚は200μm~600μmが好ましく、より好ましくは300μm~400μmである。前記膜厚が200μm以上であることにより、表面凹凸がある紙種に対する画像品質が良好となり、600μm以下であることにより、弾性層12の重さが適切となり、たわみや反りが防止され、走行性が安定する。なお、前記厚みの測定方法としては、断面を走査型顕微鏡(SEM)で測定することができる。
<球形微粒子>
次に、この弾性層12の表面に形成する球形微粒子について説明する。球形微粒子の材料としては特に制限されず、絶縁樹脂粒子単独でもよいし、図2に示すように、絶縁樹脂粒子13A表面に導電性の樹脂、例えばポリピロールやポリチオフェンなど(13B)をコーティングしたもの(例えば特開2007-254558号公報や特開2002-356654号公報)や、絶縁樹脂粒子表面を金属メッキし、メッキ層を形成し、導電性を上げた多層構造のもの等が挙げられるが、転写性の点ではポリピロールが、粒子脱落の点では絶縁樹脂粒子表面を金属メッキしたものを使用するのが好ましい。球形微粒子の導電性としては体積抵抗率が1×10~1×1011Ω・cmが好ましく、1×10~1×1010Ω・cmが特に好ましい。なお球形微粒子の抵抗測定は、例えば三菱化学アナリテック社のMCP-PD51とロレスタGP(抵抗が高ければハイレスタUP)で測定することができる。ここで球形微粒子とは平均粒径100μm以下で真球状(後述する)の形状をしている粒子のことを言う。球形微粒子の平均粒径はトナーが粒子と粒子の隙間に入りこまないように充填されていれば問題ないが、好ましくは0.5~5μm、より好ましくは1~2μmである。
なおここでは一例として球形微粒子表面に金属被覆し金属層を形成する方法を記載する。コアの粒子としては、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、シリカなどが挙げられる。表面に被覆する金属としては、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、パラジウム、ニッケル、錫、クロム、チタン、アルミニウム、コバルト、ゲルマニウム、カドミウム等の金属やITO、はんだといった金属化合物が挙げられる。上記金属層は、単層構造であってもよく、複数の層からなる積層構造であってもよい。この中でも、ニッケル、銀、金がメッキしやすいので好ましいが、最も安価でゴムとの接着性に優れるニッケルが特に好ましい。またこれらの被覆材料は金属単体でもよいし、上記複数の材料を使った合金としてもよい。
なお、球形微粒子表面に金属被覆する方法としては、公知の方法を用いることができるが、たとえば無電解メッキ、置換メッキ、電気メッキ、スパッタリング等の方法がある。この中でも無電解メッキが金属層の厚み制御が容易な点で特に好ましい。金属層の厚みは特に限定しないが、1~100nmの範囲が好ましく、5~20nmの範囲がより好ましい。金属層の厚みが100nm以下であることにより球形微粒子の比重が適切となり、ゴムへの埋没率が良好となり転写性が向上し、1nm以上であることによりゴムとの接着性が向上する。また、このような導電性を有する球形微粒子は市販品を使用することもでき、例えば三菱マテリアル株式会社や日本化学工業株式会社、帝国イオン株式会社、東洋アルミニウム株式会社などから入手できる。
<球形微粒子の体積抵抗率測定方法>
球形微粒子の体積抵抗率測定方法としては、23℃50%RH環境下で15mmφの加圧容器に粒子を1g入れ、荷重20KNを掛けた後、90V(ハイレスタUPを使用する場合は10V)にて測定した値を読み取ることにより算出することができる。球形微粒子の抵抗としては好ましくは1×10~1×1011Ω・cmである。球形微粒子の抵抗は前述した金属層のメッキ厚みを変えることにより、前記好ましい範囲に調整することができる(コート厚みが薄いと抵抗が高く、厚いと抵抗が下がる)。
金属や導電性ポリマーなどの導電性が高すぎる材料のみを球形微粒子として使用すると、粒子の抵抗が低すぎて前記好ましい抵抗範囲には入らないので上述したような多層構造が好ましい。
<表層>
本発明において、表層14には、アンチモンドープ酸化スズまたは酸化インジウムスズ(ITO)が含まれる。
アンチモンドープ酸化スズは、少量の酸化アンチモンを含有する酸化スズであって、一般的な製造方法は、加水分解性のスズ化合物とアンチモン化合物とを原料とする共沈焼成法であり、スズ及びアンチモンの化合物を同じ溶液中で同時に加水分解させることにより、スズとアンチモンの各水和酸化物を共沈させて得られる。アンチモンドープ酸化スズは金属であるため、カーボンブラックなどの導電剤に比べて耐摩耗性が良い。アンチモンドープ酸化スズは公知の方法(たとえば特第5798240号公報参照)で作製してもよいし、三菱マテリアル株式会社、三井金属鉱業株式会社などから一般汎用品を使用してもよい。
酸化インジウムスズ(ITO)は、酸化インジウム(In2O3)に酸化スズ(SnO2)が含まれる複合酸化物であって、一般的な製造方法は、インジウムとスズを酸で溶解してインジウムとスズを含む酸性水溶液を調製した後、アルカリ水溶液にて中和インジウム・スズの共沈酸化物を析出し焼成することによって得られる。酸化インジウムスズ(ITO)は金属であるため、カーボンブラックなどの導電剤に比べて耐摩耗性が良い。酸化インジウムスズは公知の方法(たとえば特許第4686776号公報参照)で作製してもよいし、三菱マテリアル株式会社、三井金属鉱業株式会社、日揮触媒化成株式会社などから一般汎用品を使用してもよい。
表層14の抵抗はバインダーと呼ばれる樹脂とアンチモンドープ酸化スズまたは酸化インジウムスズの比率で制御でき、表層14中のアンチモンドープ酸化スズまたは酸化インジウムスズの割合は例えば1~30質量%であり、好ましくは5~10質量%である。バインダーとしてはポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリビニルアルコールなど1×1011Ω・cm以上のいわゆる絶縁と呼ばれる抵抗が高い樹脂であればいずれを使用してもよいが、表層形成の面から水や低沸点の溶剤に可溶する樹脂が特に好ましい。また、表層の抵抗としては1×10Ω/□~1×1011Ω/□が好ましく、1×10Ω/□~1×10Ω/□が特に好ましい。1×10Ω/□以上であることにより抵抗が適切となり充分な転写電界が発生し、トナー転写性が向上する。また1×1011Ω/□以下であることにより、導電性が適切となり、表層による転写性がさらに向上する。抵抗測定はPETフィルム上に厚み1μmの表層を作製し、三菱アナリテックのハイレスタUP(もしくはロレスタGP)で10V10秒印加することにより求めることができるが、ベルトに積層した表層で測定しようとすると下地のゴムの抵抗の影響を受けてしまい正確な表層の抵抗が出ないため注意が必要である。さらに表層厚みとしては0.1μm~5μmが好ましく、0.5μm~2μmが特に好ましい。0.1μm未満では表層の効果が低くなり、5μmより厚いとローラ駆動での屈曲により表層が剥がれたり割れてしまうので耐久性が下がる。なお表層14の最表面には球形微粒子13の凹凸形状が露出しているのが好ましい。
前記球状微粒子の形状は、トナーの転写効率の点から真球状粒子であることが好ましい。
前記真球状とは、以下のように定義される。
図3から図5は、本発明に用いられる球状微粒子の形状を模式的に示す図である。
図4から図5において、粒子を長軸r1、短軸r2、厚みr3(ただし、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、前記長軸と前記短軸との比(r2/r1)が0.9~1.0で、前記厚みと前記短軸との比(r3/r2)が0.9~1.0の範囲である粒子を真球状の粒子とする。
前記長軸と短軸との比、及び厚みと短軸との比(r3/r2)が0.9以上であることにより、弾性層12の表面に球状微粒子13を整列して並べることができ、トナーの転写効率が向上する。
前記長軸r1、短軸r2、及び厚みr3は、例えば、粒子を平滑な測定面上に均一に分散付着させ、粒子100個について、カラーレーザー顕微鏡「VK-8500」(キーエンス社)により任意の倍率(例えば、1,000倍)に拡大して、100個の粒子の長軸r1(μm)、短軸r2(μm)、厚みr3(μm)を測定し、それらの算術平均値から求めることができる。
<ベルトの表面状態>
次に、本発明における中間転写ベルト表面状態について説明する。
図6は、中間転写ベルトの表面を真上から観察した拡大模式図である。このように、均一な粒径の球状微粒子が独立して整然と配列する形態を採る。粒子同士の重なり合いは殆ど観測されない。この表面を構成する各粒子の断面の径も均一なほうが好ましく、具体的には、±(平均粒径×0.5)μm以下の分布幅となることが好ましい。
これを形成するためにできるだけ粒径の揃った粒子を用いることが好ましいが、これを用いなくてもある粒径のものが選択的に表面に形成できる方法により表面を形成して前記粒径分布幅となる構成としても良い。
この粒子による表面の占有面積率としては、60%以上が好ましい。60%以下では樹脂部分の露出部が多すぎてトナーがゴムと接触し良好な転写性が得られない。
本発明においては、上記球形微粒子は弾性層中へ一部埋設された形態を取るが、その埋没率は、50%を超え、100%に満たないものが好ましく、51%~90%であることが、より好ましい。埋没率が50%以上であることにより、画像形成装置での長期使用による粒子の脱離が防止され、耐久性が向上する。一方、100%に満たないようにすることにより、球形微粒子による転写性への効果が向上する。
埋没率とは、球形微粒子の深さ方向の径の弾性層に埋没している率のことであるが、ここで言う、埋没率は、すべての球形微粒子が50%を超え100%に満たないという意味ではなく、ある視野で見たときの平均埋没率で表わしたときの数値が50%を超え100%に満たなければよい。しかし、埋没率50%のときは、電子顕微鏡による断面観測において、弾性層中へ完全埋没している粒子が殆ど観測されない(弾性層中に完全に埋没している粒子の個数%は粒子全体のうち5%以下)。
次に、本発明の中間転写ベルトを作製する方法についての一例を説明する。まず、基層11の作製方法について説明する。
前記ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体を含む塗工液を用いて基層11を製造する方法について説明する。
円筒状の型、例えば、円筒状の金属金型をゆっくりと回転させながら、少なくとも樹脂成分を含む塗工液(例えば、ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体を含む塗工液)をノズルやディスペンサーのような液供給装置にて円筒の外面全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)する。その後、回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達したら一定速度に維持し、所望の時間回転を継続する。そして、回転させつつ徐々に昇温させながら、約80~150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が形成されたところで金型ごと高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、段階的に昇温し、最終的に250℃~450℃程度の高温加熱処理(焼成)し、十分にポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体のイミド化又はポリアミドイミド化を行う。充分に冷却後、引き続き、弾性層12を積層する。
弾性層12は、ゴムを有機溶剤に溶解させたゴム塗料を用い、基層11上に塗布形成し、その後、溶剤を乾燥、加硫することで製造することができる。塗布成形法としては、基層11と同じく、螺旋塗工、ダイ塗工、ロール塗工などの既存の塗工法が適用できるが、凹凸転写性を良くする為には弾性層12の厚みを厚くすることが必要であり、厚膜を形成する塗工法としては、ダイ塗工、及び螺旋塗工が優れており、前述したように弾性層の厚みを巾方向で変えやすいと言った点から螺旋塗工が優れている。そのためここでは、螺旋塗工について説明する。まず基層を周方向に回転させながら、丸型、又は広幅のノズルによりゴム塗料を連続的に供給しながら、ノズルを基層の軸方向に移動させて、基層上に塗料を螺旋状に塗工する。基層上に螺旋状に塗工された塗料は、所定の回転速度、乾燥温度を維持させることでレベリングされながら乾燥される。その後、さらに所定の加硫温度で加硫(架橋)させて形成される。巾方向への膜厚を変化させるには、ノズルの吐出量、ノズル金型間の距離を変化させるか、もしくは金型の回転速度を変えることにより作製することができる。
<ベルト表面状態作製方法>
加硫された弾性層12は、その後充分に冷却し、引き続いて球形微粒子を弾性層12上へ塗布することで球形微粒子13を形成させて所望のシームレスベルト(中間転写ベルト)を得る。球形微粒子により構成される球状粒子層の形成方法としては、図7に示すように、粉体供給装置35と押し当て部材33を設置し、ベルト32を巻いた金型ドラム31を回転させながら粉体供給装置35から球状微粒子34を表面に均一にまぶし、表面にまぶされた球状微粒子34を押し当て部材33により一定圧力にて押し当てる。この押し当て部材33により、弾性層12へ粒子を埋設させつつ、余剰な粒子を取り除く。本発明では、特に単分散の球形微粒子を用いるために、このような押し当て部材でのならし工程のみの簡単な工程で、均一な単一粒子層を形成することが可能である。埋没率の調整は、ここでの押し当て部材の押し当て時間の長さにより調整する。
粒子の弾性層中への埋没率の調整は、他の方法によっても可能であり、例えば、押し当て部材33の押圧力を加減することにより、容易に行うことができる。例えば、流延塗工液の粘度、固形分、溶剤の使用量、粒子材質等にも依るが、目安として、流延塗工液の粘度100~100000mPa・sにおいて、押圧力を、1mN/cm~1000mN/cmの範囲とすることにより、前記50%~100%の埋没率を比較的容易に達成することができる。
球状微粒子を均一に弾性層12表面に並べたのち、回転させながら所定温度、所定時間で加熱することにより硬化させ、粒子を埋設させた弾性層12を形成する。充分に冷却後、金型から基層ごと脱離させ、所望のシームレスベルト(中間転写ベルト)を得る。
<中間転写ベルトにおける球形微粒子の埋没率を測定する方法>
前記中間転写ベルトにおける球形微粒子の埋没率を測定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、中間転写体の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察することにより、測定することができる。
<表層の作製方法>
続いて、弾性層12の球状微粒子13の上に表層14を作製する方法を説明する。溶媒に樹脂を可溶させ、アンチモンドープ酸化スズまたは酸化インジウムスズを分散させた塗料を球状微粒子13の上に薄膜塗布する。塗布方法は特に限定されないがたとえばスプレーコート、ロールコート、グラビアコート、スリットコートが挙げられる。その後、ベルトを加熱して溶媒を揮発させ塗膜を得るが、ゴムが熱で劣化しないように100℃程度で揮発する水や溶剤を使用する必要がある。加熱時間は通常1分から1時間である。
<画像形成装置>
本発明の画像形成装置は、潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、前記像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、前記現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写ベルトと、前記中間転写ベルト上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを有してなり、前記中間転写ベルトが本発明の中間転写ベルトであることを特徴とする。本発明の画像形成装置は、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
この場合、前記画像形成装置がフルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなるものが好ましい。
本発明における画像形成装置に装備されるベルト構成部に用いられるシームレスベルトについて、要部模式図を参照しながら以下に詳しく説明する。なお、模式図は一例であって本発明はこれに限定されるものではない。
図8は、本発明に係る製造方法により得られるシームレスベルトをベルト部材として装備する画像形成装置を説明するための要部模式図である。
図8に示すベルト部材を含む中間転写ユニット500は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト501などにより構成されている。この中間転写ベルト501の周りには、2次転写ユニット600の2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ605、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード504、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ505などが対向するように配設されている。
また、中間転写ベルト501の外周面または内周面に図示しない位置検知用マークが設けられる。ただし、中間転写ベルト501の外周面側については位置検知用マークがベルトクリーニングブレード504の通過域を避けて設ける工夫が必要であり、配置上の困難さを伴うことがあるので、その場合には位置検知用マークを中間転写ベルト501の内周面側に設けてもよい。マーク検知用センサとしての光学センサ514は、中間転写ベルト501が架け渡されている1次転写バイアスローラ507とベルト駆動ローラ508との間の位置に設けられる。
この中間転写ベルト501は、1次転写電荷付与手段である1次転写バイアスローラ507、ベルト駆動ローラ508、ベルトテンションローラ509、2次転写対向ローラ510、クリーニング対向ローラ511、及びフィードバック電流検知ローラ512に張架されている。各ローラは導電性材料で形成され、1次転写バイアスローラ507以外の各ローラは接地されている。1次転写バイアスローラ507には、定電流または定電圧制御された1次転写電源801により、トナー像の重ね合わせ数に応じて所定の大きさの電流または電圧に制御された転写バイアスが印加されている。
中間転写ベルト501は、図示しない駆動モータによって矢印方向に回転駆動されるベルト駆動ローラ508により、矢印方向に駆動される。
このベルト部材である中間転写ベルト501は、通常、半導体、又は絶縁体で、単層または多層構造となっているが、本発明においてはシームレスベルトが好ましく用いられ、これによって耐久性が向上すると共に、優れた画像形成が実現できる。また、中間転写ベルトは、感光体ドラム200上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
2次転写手段である2次転写バイアスローラ605は、2次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501のベルト外周面に対して、後述する接離手段としての接離機構によって、接離可能に構成されている。2次転写バイアスローラ605は、2次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501との間に被記録媒体である転写紙Pを挟持するように配設されており、定電流制御される2次転写電源802によって所定電流の転写バイアスが印加されている。
レジストローラ610は、2次転写バイアスローラ605と2次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501との間に、所定のタイミングで転写材である転写紙Pを送り込む。また、2次転写バイアスローラ605には、クリーニング手段であるクリーニングブレード608が当接している。該クリーニングブレード608は、2次転写バイアスローラ605の表面に付着した付着物を除去してクリーニングするものである。
このような構成のカラー複写機において、画像形成サイクルが開始されると、感光体ドラム200は、図示しない駆動モータによって矢印で示す半時計方向に回転され、該感光体ドラム200上に、Bk(ブラック)トナー像形成、C(シアン)トナー像形成、M(マゼンタ)トナー像形成、Y(イエロー)トナー像形成が行われる。中間転写ベルト501はベルト駆動ローラ508によって矢印で示す時計回りに回転される。この中間転写ベルト501の回転に伴って、1次転写バイアスローラ507に印加される電圧による転写バイアスにより、Bkトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Yトナー像の1次転写が行われ、最終的にBk、C、M、Yの順に中間転写ベルト501上に各トナー像が重ね合わせて形成される。
例えば、上記Bkトナー像形成は次のように行われる。
図8において、帯電チャージャ203は、コロナ放電によって感光体ドラム200の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。上記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム200の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。このBk静電潜像に、Bk現像器231Kの現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム200の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
このようにして感光体ドラム200上に形成されたBkトナー像は、感光体ドラム200と接触状態で等速駆動回転している中間転写ベルト501のベルト外周面に1次転写される。この1次転写後の感光体ドラム200の表面に残留している若干の未転写の残留トナーは、感光体ドラム200の再使用に備えて、感光体クリーニング装置201で清掃される。この感光体ドラム200側では、Bk画像形成工程の次にC画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラースキャナによるC画像データの読み取りが始まり、そのC画像データによるレーザ光書き込みによって、感光体ドラム200の表面にC静電潜像を形成する。
そして、先のBk静電潜像の後端部が通過した後で、且つC静電潜像の先端部が到達する前にリボルバ現像ユニット230の回転動作が行われ、C現像機231Cが現像位置にセットされ、C静電潜像がCトナーで現像される。以後、C静電潜像領域の現像を続けるが、C静電潜像の後端部が通過した時点で、先のBk現像機231Kの場合と同様にリボルバ現像ユニットの回転動作を行い、次のM現像機231Mを現像位置に移動させる。これもやはり次のY静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了させる。なお、M及びYの画像形成工程については、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形成、現像の動作が上述のBk、Cの工程と同様であるので説明は省略する。
このようにして感光体ドラム200上に順次形成されたBk、C、M、Yのトナー像は、中間転写ベルト501上の同一面に順次位置合わせされて1次転写される。これにより、中間転写ベルト501上に最大で4色が重ね合わされたトナー像が形成される。一方、上記画像形成動作が開始される時期に、転写紙Pが転写紙カセット又は手差しトレイなどの給紙部から給送され、レジストローラ610のニップで待機している。
そして、2次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501と2次転写バイアスローラ605によりニップが形成された2次転写部に、上記中間転写ベルト501上のトナー像の先端がさしかかるときに、転写紙Pの先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ610が駆動されて、転写紙ガイド板601に沿って転写紙Pが搬送され、転写紙Pとトナー像とのレジスト合わせが行われる。
このようにして、転写紙Pが2次転写部を通過すると、2次転写電源802によって2次転写バイアスローラ605に印加された電圧による転写バイアスにより、中間転写ベルト501上の4色重ねトナー像が転写紙P上に一括転写(2次転写)される。この転写紙Pは、転写紙ガイド板601に沿って搬送されて、2次転写部の下流側に配置した除電針からなる転写紙除電チャージャ606との対向部を通過することにより除電された後、ベルト構成部であるベルト搬送装置210により定着装置270に向けて送られる。そして、この転写紙Pは、定着装置270の定着ローラ271、272のニップ部でトナー像が溶融定着された後、図示しない排出ローラで装置本体外に送り出され、図示しないコピートレイに表向きにスタックされる。なお、定着装置270は必要によりベルト構成部を備えた構成とすることもできる。
一方、上記ベルト転写後の感光体ドラム200の表面は、感光体クリーニング装置201でクリーニングされ、上記除電ランプ202で均一に除電される。また、転写紙Pにトナー像を2次転写した後の中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留トナーは、ベルトクリーニングブレード504によってクリーニングされる。該ベルトクリーニングブレード504は、図示しないクリーニング部材離接機構によって、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して所定のタイミングで接離されるように構成されている。
このベルトクリーニングブレード504の上記中間転写ベルト501の移動方向上流側には、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離するトナーシール部材502が設けられている。このトナーシール部材502は、上記残留トナーのクリーニング時に上記ベルトクリーニングブレード504から落下した落下トナーを受け止めて、該落下トナーが上記転写紙Pの搬送経路上に飛散するのを防止している。このトナーシール部材502は、上記クリーニング部材離接機構によって、上記ベルトクリーニングブレード504とともに、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離される。
このようにして残留トナーが除去された中間転写ベルト501のベルト外周面には、上記潤滑剤塗布ブラシ505により削り取られた潤滑剤506が塗布される。該潤滑剤506は、例えば、ステアリン酸亜鉛などの固形体からなり、該潤滑剤塗布ブラシ505に接触するように配設されている。また、この中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留電荷は、該中間転写ベルト501のベルト外周面に接触した図示しないベルト除電ブラシにより印加される除電バイアスによって除去される。ここで、上記潤滑剤塗布ブラシ505及び上記ベルト除電ブラシは、それぞれの図示しない接離機構により、所定のタイミングで、上記中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離されるようになっている。
ここで、リピートコピーの時は、カラースキャナの動作及び感光体ドラム200への画像形成は、1枚目の4色目(Y)の画像形成工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の1色目(Bk)の画像形成工程に進む。また、中間転写ベルト501は、1枚目の4色重ねトナー像の転写紙への一括転写工程に引き続き、ベルト外周面の上記ベルトクリーニングブレード504でクリーニングされた領域に、2枚目のBkトナー像が1次転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。以上は、4色フルカラーコピーを得るコピーモードであったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、上記同様の動作を行うことになる。また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、リボルバ現像ユニット230の所定色の現像機のみを現像動作状態にし、ベルトクリーニングブレード504を中間転写ベルト501に接触させたままの状態にしてコピー動作を行う。
上記実施形態では、感光体ドラム1を一つだけ備えた複写機について説明したが、本発明は、例えば、図9の要部模式図に一構成例を示すような、複数の感光体ドラムをシームレスベルトからなる一つの中間転写ベルトに沿って並設した画像形成装置にも適用できる。
図9は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム21BK、21Y、21M、21Cを備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
図9において、プリンタ本体10は電子写真方式によるカラー画像形成を行うための、画像書込部112、画像形成部113、給紙部114、から構成されている。画像信号を元に画像処理部で画像処理して画像形成用の黒(BK)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)の各色信号に変換し、画像書込部112に送信する。画像書込部112は、例えば、レーザ光源と、回転多面鏡等の偏向器と、走査結像光学系、及びミラー群、からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部113の各色毎に設けられた像坦持体(感光体)21BK、21M、21Y、21Cに各色信号に応じた画像書込を行う。
画像形成部113は黒(BK)用、マゼンタ(M)用、イエロー(Y)用、シアン(C)用の各像坦持体である感光体21BK、21M、21Y、21Cを備えている。この各色用の各感光体としては、通常OPC感光体が用いられる。各感光体21BK、21M、21Y、21Cの周囲には、帯電装置、上記書込部112からのレーザ光の露光部、黒、マゼンタ、イエロー、シアンの各色用の現像装置20BK、20M、20Y、20C、1次転写手段としての1次転写バイアスローラ23BK、23M、23Y、23C、クリーニング装置(表示略)、及び図示しない感光体除電装置等が配設されている。なお、上記現像装置20BK、20M、20Y、20Cには、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。ベルト構成部である中間転写ベルト22は、各感光体21BK、21M、21Y、21Cと、各1次転写バイアスローラ23BK、23M、23Y、23Cとの間に介在し、各感光体上に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。
一方、転写紙Pは、給紙部114から給紙された後、レジストローラ16を介して、ベルト構成部である転写搬送ベルト50に担持される。そして、中間転写ベルト22と転写搬送ベルト50とが接触するところで、上記中間転写ベルト22上に転写されたトナー像が、2次転写手段としての2次転写バイアスローラ60により2次転写(一括転写)される。これにより、転写紙P上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙Pは、転写搬送ベルト50により定着装置15に搬送され、この定着装置15により転写された画像が定着された後、プリンタ本体外に排出される。
なお、上記2次転写時に転写されずに上記中間転写ベルト22上に残った残留トナーは、ベルトクリーニング部材25によって中間転写ベルト22から除去される。このベルトクリーニング部材25の下流側には、潤滑剤塗布装置27が配設されている。この潤滑剤塗布装置27は、固形潤滑剤と、中間転写ベルト22に摺擦して固形潤滑剤を塗布する導電性ブラシとで構成されている。前記導電性ブラシは、中間転写ベルト22に常時接触して、中間転写ベルト22に固形潤滑剤を塗布している。固形潤滑剤は、中間転写ベルト22のクリーニング性を高め、フィルミィングの発生を防止し耐久性を向上させる作用がある。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって制限されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りこれらの実施例を適宜改変したものも本件の発明の範囲内である。なお球形微粒子の抵抗は、三菱アナリテック(株)社製MCP-PD51、ロレスターGP、ハイレスタUPを使い、23℃50%RH環境のもと、15mmφの加圧容器に粒子を1g入れ、荷重4KNを掛けた後、20KVにて測定した値を読み取ることにより算出した。また表層の抵抗は、PETフィルムに厚み1μmで塗布した被膜を23℃50%RH環境でハイレスタUP(もしくはロレスタGP)を使い、表面抵抗率をバイアス10Vで10秒印加後の値とした。
<実施例1>
下記により基層用塗工液を調製し、この塗工液を用いてシームレスベルト基層を作製した。
「基層用塗工液の調製」
先ず、ポリイミド樹脂前駆体を主成分とするポリイミドワニス(U-ワニスA;宇部興産社製)に、予めビーズミルにてN-メチル-2-ピロリドン中に分散させたカーボンブラック(SpecialBlack4;エボニックデグサ社製)の分散液を、カーボンブラック含有率がポリアミック酸固形分の17質量%になるように調合し、よく攪拌混合して塗工液を調製した。
「ポリイミド基層ベルトの作製」
次に、外径360mm、長さ400mmの外面をブラスト処理にて粗面化した金属製の円筒状支持体を型として用い、ロールコート塗工装置に取り付けた。
続いて、基層用塗工液をパンに流し込み、塗布ローラの回転速度40mm/secで塗料を汲み上げ、規制ローラと塗布ローラのギャップを0.6mmとして、塗布ローラ上の塗料厚みを制御した。
その後、円筒状支持体の回転速度を35mm/secに制御して塗布ローラに近づけ、塗布ローラとのギャップ0.4mmとして塗布ローラ上の塗料を均一に円筒状支持体上に転写塗布した後、回転を維持しながら熱風循環乾燥機に投入して、110℃まで徐々に昇温して30分加熱、さらに昇温して200℃で30分加熱し、回転を停止した。その後、これを高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に導入し、段階的に320℃まで昇温して60分加熱処理(焼成)した。充分に冷却し、膜厚60μmのポリイミド基層ベルトを得た。
「ポリイミド基層ベルトへの弾性層の作製」
下記示す各成分を下記割合で配合し混練することでゴム組成物を作成した。
アクリルゴム(日本ゼオン株式会社/NipolAR12) 100質量部
ステアリン酸(日油株式会社製 ビーズステアリン酸つばき) 1質量部
ホスフィン酸アルミニウム(クラリアントケミカルズ株式会社製 Exolit OP935)30質量部
架橋剤(デュポン ダウ エラストマー ジャパン製 Diak.No1 (ヘキサメチレンジアミンカーバメイト)) 0.6質量部
架橋促進剤(Safic alcan社製 VULCOFAC ACT55(70%1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7と二塩基酸との塩、30%アモルファスシリカ)) 0.6質量部
次に、このようにして得られたゴム組成物を有機溶剤(MIBK:メチルイソブチルケトン)に溶かして固形分35wt%のゴム溶液を作製した。この作製したゴム溶液を先に作製したポリイミド基層が形成された円筒状支持体を回転させながらポリイミド基層上に、ノズルよりゴム塗料を連続的に吐出しながら支持体の軸方法に移動させ螺旋状に塗工した。塗布量としては最終的な膜厚が400μmになるような液量の条件とした。その後、ゴム塗料が塗工された円筒状支持体をそのまま回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分で90℃まで昇温して30分加熱した。
次に平均粒径2.0μmのアクリル球形微粒子(テクポリマーSSX-102:積水化成品工業株式会社)に無電解メッキ法にてニッケルを被覆させ、抵抗が1×10Ω・cmとなるニッケルメッキ粒子を作成した。続いて図7に記載の装置および方法を用いて加熱したゴム組成物の上に前記アクリル球形微粒子をまんべんなく表面にまぶし、ポリウレタンゴムブレードの押し付け部材を、押圧力100mN/cmで押し当てて弾性層に固定化した。続いて、再び熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分で170℃まで昇温して60分加熱処理した。アクリル球形微粒子の上記埋没率は、60%であった。
「表層の作製1」
次にアンチモンドープ酸化スズ(商品名4700 三井金属鉱業株式会社)とメタノールを超音波分散した後、アルコール可溶ナイロン(商品名CM8000 東レ株式会社)を入れて充分に攪拌を行い導電性ポリマー塗料を作製した。その後、弾性層上にスプレー塗工にて塗布した後、100℃で5分加熱し、中間転写ベルトAを得た。このとき表層の抵抗は1×10Ω/□であった。また、表層の厚みは1.0μmであった。
<実施例2>
実施例1において表層の抵抗が5×1011Ω/□になるようにした以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトBを得た。
<実施例3>
実施例1において、表層の抵抗が2×10Ω/□になるようにした以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトCを得た。
<実施例4>
実施例1において、球形微粒子のニッケル厚みを変更し、粒子抵抗が4×1011Ω・cmになるようにした以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトDを得た。
<実施例5>
実施例1において、球形微粒子のニッケル厚みを変更し、粒子抵抗が6×10Ω・cmになるようにした以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトEを得た。
<実施例6>
実施例1において、ニッケルメッキ粒子を、導電性球形微粒子(実施例1のアクリル球形微粒子に、ポリチオフェン系導電性ポリマーであるDenatron PT-434(ナガセケムテックス株式会社)をスプレー塗工した後、120℃1時間乾燥したポリチオフェンコート粒子)に変更した。その後は実施例1と同様にして、中間転写ベルトFを得た。このときの粒子抵抗は2×10Ω・cmであった。
<比較例1>
実施例1において、表層にアンチモンドープ酸化スズを入れなかった以外は実施例1と同様にして中間転写ベルGを得た。このときの表層の抵抗はオーバーレンジ(1×1012Ω/□以上)であった。
<比較例2>
実施例1において、表層を積層しなかったこと以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトHを得た。
<比較例3>
実施例1において、球形微粒子を使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトIを得た。
<実施例7>
実施例1において、「表層の作製1」を下記の「表層の作製2」に変更したこと以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトJを得た。
「表層の作製2」
酸化インジウムスズ(商品名P-130 日揮触媒化成株式会社)とメタノールを超音波分散した後、アルコール可溶ナイロン(商品名CM8000 東レ株式会社)を入れて充分に攪拌を行い導電性ポリマー塗料を作製した。その後、弾性層上にスプレー塗工にて塗布した後、100℃で5分加熱し、中間転写ベルトJを得た。このとき表層の抵抗は1×10Ω/□であった。また、表層の厚みは1.0μmであった。
<実施例8>
実施例7において表層の抵抗が5×1011Ω/□になるようにした以外は実施例7と同様にして、中間転写ベルトKを得た。
<実施例9>
実施例7において、表層の抵抗が2×10Ω/□になるようにした以外は実施例7と同様にして、中間転写ベルトLを得た。
<実施例10>
実施例7において、球形微粒子のニッケル厚みを変更し、粒子抵抗が4×1011Ω・cmになるようにした以外は実施例7と同様にして、中間転写ベルトMを得た。
<実施例11>
実施例7において、球形微粒子のニッケル厚みを変更し、粒子抵抗が6×10Ω・cmになるようにした以外は実施例7と同様にして、中間転写ベルトNを得た。
<実施例12>
実施例7において、ニッケルメッキ粒子を、導電性球形微粒子(実施例7のアクリル球形微粒子に、ポリチオフェン系導電性ポリマーであるDenatron PT-434(ナガセケムテックス株式会社)をスプレー塗工した後、120℃1時間乾燥したポリチオフェンコート粒子)に変更した。その後は実施例7と同様にして、中間転写ベルトOを得た。このときの粒子抵抗は2×10Ω・cmであった。
<比較例4>
実施例7において、球形微粒子を使用しなかったこと以外は実施例7と同様にして、中間転写ベルトPを得た。
上記各実施例、比較例の中間転写ベルトA~Pを図9の画像形成装置であるRICOH MP C6003に搭載し、用紙エッジで粒子が脱落しやすい厚紙のコート紙であるNEW-DV450(北越コーポーレーション株式会社)を使用しA4で2万枚通紙した。その後、同紙のA3サイズで通紙しA4幅の縦スジ白抜け画像を確認し、レーザー顕微鏡で粒子の脱離を観察した。判定は〇が白抜けなし、△はうっすら白抜けがあるが実使用可能レベル、×は白抜けがあり、実使用可能レベルではないものとした。またその際の通紙後のトナーの転写率も併せて測定した。判定は◎が転写率95%以上、〇が90%以上95%未満、△が80%~90%以上、80%未満は×とした(◎、〇、△評価が合格である)。さらに中間転写ベルトの表面状態を顕微鏡観察し、球形微粒子の脱離状態を調べた。
結果を表1、2に示す。
Figure 2022107489000002
Figure 2022107489000003
上記結果から、各実施例の中間転写ベルトは、表面凹凸がある紙種への転写性に優れ、長期使用でも粒子脱離が抑制され、高い耐久性を有することが分かる。
(図1の符号)
11 基層
12 弾性層
13 球形微粒子
13A 絶縁樹脂粒子
13B 導電性ポリマー
14 表層
(図7の符号)
31 金型ドラム
32 基層と弾性層を塗布したベルト
33 押し当て部材
34 球形微粒子
35 粉体塗布装置
(図8の符号)
P 転写紙
L レーザー光
70 除電ローラ
80 アースローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
204 電位センサー
205 画像濃度センサー
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像機
231K Bk現像機
231C C現像機
231M M現像機
270 定着装置
271、272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
502 トナーシール部材
503 帯電チャージャ
504 ベルトクリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ
506 潤滑剤
507 1次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションローラ
510 2次転写対向ローラ
511 クリーニング対向ローラ
512 フィードバッグ電流検知ローラ
513 トナー画像
514 光学センサ
600 2次転写ユニット
601 転写紙ガイド板
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニング部材
610 レジストローラ
801 1次転写電源
802 2次転写電源
(図9の符号)
P 転写紙
10 プリンタ本体
112 画像書込部
113 画像形成部
114 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20BK、20M、20Y、20C 現像装置
21BK、21M、21Y、21C 感光体
22 中間転写ベルト
23BK、23M、23Y、23C 1次転写バイアスローラ
25 ベルトクリーニング部材
26 駆動ローラ
27 潤滑剤塗布装置
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
特開平9-230717号公報 特開2002-162767号公報 特開2004-354716号公報 特開2007-328165号公報 特開2009-75154号公報 特開2015-148660号公報 特第5786181号公報

Claims (7)

  1. 像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写ベルトであって、
    前記中間転写ベルトは少なくとも基層、球形微粒子による凹凸形状を有した弾性層および表層を順次備える積層構造を有し、
    前記表層はアンチモンドープ酸化スズまたは酸化インジウムスズを含むことを特徴とする中間転写ベルト。
  2. 前記表層の抵抗が1×10Ω/□~1×1011Ω/□であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写ベルト。
  3. 前記球形微粒子の抵抗が1×10Ω・cm~1×1011Ω・cmであることを特徴とする請求項1または2に記載の中間転写ベルト。
  4. 前記球形微粒子がニッケルを含有することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の中間転写ベルト。
  5. シームレスベルトであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の中間転写ベルト。
  6. 潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、前記像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、前記現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写ベルトと、前記中間転写ベルト上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを有してなり、前記中間転写ベルトが請求項1~5のいずれかに記載の中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
  7. 画像形成装置がフルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなる請求項6に記載の画像形成装置。


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