JP6693315B2 - 中間転写ベルト、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

中間転写ベルト、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDF

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本発明は、中間転写ベルト、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
従来から、電子写真方式の画像形成装置においては様々な用途でシームレスベルトが部材として用いられている。近年のフルカラーの電子写真方式の画像形成装置においては、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの4色の現像画像を一旦中間転写ベルト上に色重ねし、その後一括して紙等の記録媒体に転写する中間転写ベルト方式が用いられている。
前記中間転写ベルト方式は、1つの感光体に対して4色の現像器を用いるシステムで用いられていたが、プリント速度が遅いという欠点がある。そのため、高速プリントでは、感光体を4色分並べ、各色を連続して紙等の記録媒体に転写する4連タンデム方式が用いられている。しかし、前記4連タンデム方式では紙等の記録媒体の環境による変動などもあり、各色画像を重ねる位置精度を合わせることが非常に困難であり、色ずれ画像を引き起こしていた。そこで、最近では、4連タンデム方式に中間転写方式を採用することが主流になってきている。
このような情勢の中で中間転写ベルトにおいても、従来よりも要求特性(高速転写、位置精度)が厳しいものとなっており、これらの要求に対応する特性を満足することが必要となってきている。特に、位置精度に対しては、連続使用による中間転写ベルト自体の伸び等の変形による変動を抑えることが求められる。また、前記中間転写ベルトは、装置の広い領域に渡ってレイアウトされ、転写のために高電圧が印加されることから難燃性であることが求められている。このような要求に対応するため、前記中間転写ベルトの材料として主に、高弾性率で高耐熱樹脂であるポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが用いられている。
近年、フルカラーの電子写真方式の画像形成装置を用いてさまざまな記録媒体に画像を形成することが多くなり、通常の平滑な記録媒体だけでなく、コート紙のようなスリップ性のある平滑度の高いものからリサイクルペーパー、エンボス紙、和紙やクラフト紙のような表面性の粗い記録媒体が使用されることが増えてきている。このような表面性の粗い記録媒体への追従性は重要であり、追従性が悪いと、記録媒体の凹凸状に起因する濃淡むらや色調のむらが発生する。
前記課題を解決するため、比較的柔軟性のある弾性層を基層上に積層した中間転写ベルトが提案されている。また、弾性層上に新たに保護層を設ける方法が提案されているが、十分に転写性能の高い材料をコートした場合、弾性層の柔軟性に追従できず、割れや剥がれが発生するという問題がある。更に、表面に粒子を付着することにより転写性を向上させる提案がなされている。
また、シリコーン樹脂やフッ素樹脂等の有機粒子を用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、転写性に優れると共に、低温低湿環境においても粒子の脱離が生じ難い、耐久性に優れた中間転写ベルトを提供することを目的とする。前記低温低湿環境とは、例えば、10℃で15%RHの環境をいう。
前記課題を解決するための手段としての本発明の中間転写ベルトは、像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写ベルトであって、
基層と、該基層上に、球状粒子を有し該球状粒子により凹凸形状を有する弾性層とを備え、
前記球状粒子として10%変形時の圧縮強度が0.1MPa以上30MPa以下であり、かつ復元率が15%以上50%以下である柔軟性粒子を含む。
本発明によると、転写性に優れると共に、低温低湿環境においても粒子の脱離が生じ難く、耐久性に優れた中間転写ベルトを提供することができる。
図1は、球状粒子の形状を模式的に示す図である。 図2は、球状粒子の形状を模式的に示す図である。 図3は、球状粒子の形状を模式的に示す図である。 図4Aは、中間転写ベルトの表面を上方から観察した拡大模式図である。 図4Bは、中間転写ベルトの他の一例の表面を上方から観察した拡大模式図である。 図5は、弾性層への球状粒子の付与方法の一例を示す概略図である。 図6Aは、本発明の中間転写ベルトの層構成の一例を示す模式図である。 図6Bは、本発明の中間転写ベルトの層構成の他の一例を示す模式図である。 図7は、本発明の画像形成装置の一例を示す要部模式図である。 図8は、本発明の画像形成装置の他の一例を示す要部模式図である。
(中間転写ベルト)
本発明の中間転写ベルトは、像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写ベルトであって、
基層と、該基層上に、球状粒子を有し該球状粒子により凹凸形状を有する弾性層とを備え、
前記球状粒子として10%変形時の圧縮強度が0.1MPa以上30MPa以下であり、かつ復元率が15%以上50%以下である柔軟性粒子を含み、10%変形時の圧縮強度が30MPaより大きく、かつ復元率が15%未満である高硬度粒子を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の部材を有する。
本発明の中間転写ベルトは、従来のシリコーン樹脂やフッ素樹脂等の有機粒子を用いても粒子が硬いため、低温低湿環境(例えば、10℃で15%RH)下での通紙により紙の端部との摺擦によって粒子が脱離し、異常画像が発生してしまうという知見に基づくものである。
<基層>
前記基層は、樹脂と、電気抵抗調整剤とを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
−樹脂−
前記樹脂としては、難燃性の観点から、例えば、PVDF、ETFE等のフッ素系樹脂;ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。これらの中でも、機械強度(高弾性)、及び耐熱性の点から、ポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂が好ましい。
前記ポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、東レ・デュポン株式会社、宇部興産株式会社、新日本理化株式会社、JSR株式会社、ユニチカ株式会社、アイ・エス・ティー株式会社、日立化成工業株式会社、東洋紡株式会社、荒川化学株式会社等のメーカーからの一般汎用品を入手し使用することができる。
−電気抵抗調整剤−
前記電気抵抗調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属酸化物、カーボンブラック、イオン導電剤、導電性ポリマーなどが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素などが挙げられる。また、分散性をよくするため、前記金属酸化物に予め表面処理を施したものなどが挙げられる。
前記カーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラックなどが挙げられる。
前記イオン導電剤としては、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウムなどが挙げられる。
前記導電性ポリマーとしては、例えば、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリパラフェニレンビニレンなどが挙げられる。
前記電気抵抗調整剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記基層における前記電気抵抗調整剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記電気抵抗調整剤が前記カーボンブラックの場合には、前記基層に対して、10質量%以上25質量%以下が好ましく、15質量%以上20質量%以下がより好ましい。また、前記電気抵抗調整剤が前記金属酸化物の場合には、前記基層に対して、1質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記含有量が、前記好ましい範囲の下限値以上であると、電気抵抗を調整する効果が得られないことがあり、前記好ましい範囲の上限値以下であると、中間転写ベルトの良好な機械強度が得られる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、例えば、分散助剤、補強剤、潤滑剤、熱伝導剤、酸化防止剤などが挙げられる。
前記基層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30μm以上150μm以下が好ましく、40μm以上120μm以下がより好ましく、50μm以上80μm以下が特に好ましい。
前記基層の平均厚みが、30μm以上150μm以下であると、中間転写ベルトの耐久性の点で有利である。
なお、前記基層に関しては、走行安定性を高めるために、厚みムラはなるべく無くすことが好ましい。
前記基層の平均厚みの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、接触式や渦電流式の膜厚計での計測、膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で測定する方法などが挙げられる。
<弾性層>
前記弾性層は、球状粒子を有し該球状粒子により凹凸形状を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、弾性材料を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記弾性層表面の凹凸形状は、例えば、弾性層表面をオリンパス株式会社製 LEXT OLS4100で観察することにより、確認することができる。
−弾性材料−
前記弾性材料としては、十分な柔軟性(弾性)を有する材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂、エラストマー、ゴムなどが挙げられる。これらの中でも、エラストマー、ゴムが好ましい。
前記エラストマーとしては、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマーが挙げられる。
前記熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエーテル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリアクリル系熱可塑性エラストマー、ポリジエン系熱可塑性エラストマー、シリコーン変性ポリカーボネート系熱可塑性エラストマー、フッ素系共重合体などが挙げられる。
前記熱硬化性エラストマーとしては、例えば、ポリウレタン系熱硬化性エラストマー、シリコーン変性エポキシ系熱硬化性エラストマー、シリコーン変性アクリル系熱硬化性エラストマーなどが挙げられる。
前記ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ヒドリンゴムなどが挙げられる。
これらの中でも、耐オゾン性、柔軟性、粒子との接着性、難燃性付与、及び耐環境安定性の点から、アクリルゴムが特に好ましい。
前記アクリルゴムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリルゴムの各種架橋系(エポキシ基、活性塩素基、カルボキシル基)の中ではカルボキシル基架橋系がゴム物性(特に圧縮永久歪み)及び加工性が優れている点から、カルボキシル基架橋系を選択することが好ましい。
前記カルボキシル基架橋系のアクリルゴムに用いる架橋剤としては、アミン化合物が好ましく、多価アミン化合物がより好ましい。
前記アミン化合物としては、脂肪族多価アミン架橋剤、芳香族多価アミン架橋剤などが挙げられる。
前記脂肪族多価アミン架橋剤としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメイト、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミンなどが挙げられる。
前記芳香族多価アミン架橋剤としては、例えば、4,4’−メチレンジアニリン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3,5−ベンゼントリアミン、1,3,5−ベンゼントリアミノメチルなどが挙げられる。
前記架橋剤の含有量は、アクリルゴム100質量部に対して、0.05質量部以上20質量部以下が好ましく、0.1質量部以上5質量部以下がより好ましい。
前記架橋剤の含有量が、0.05質量部以上20質量部以下であると、架橋が適正に行われ、架橋物の形状維持、弾性等の物性が良好である。
前記弾性層には、更に架橋促進剤を配合して前記架橋剤に組み合わせて用いてもよい。
前記架橋促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記多価アミン架橋剤と組み合わせて用いることができる架橋促進剤であることが好ましく、例えば、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、第四級オニウム塩、第三級ホスフィン化合物、弱酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。
前記グアニジン化合物としては、例えば、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジオルトトリルグアニジンなどが挙げられる。
前記イミダゾール化合物としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどが挙げられる。
前記第四級オニウム塩としては、例えば、テトラn−ブチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリ−n−ブチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。
前記多価第三級アミン化合物としては、例えば、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザ‐ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)などが挙げられる。
前記第三級ホスフィン化合物としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィンなどが挙げられる。
前記弱酸のアルカリ金属塩としては、例えば、ナトリウム又はカリウムのリン酸塩、炭酸塩等の無機弱酸塩あるいはステアリン酸塩、ラウリル酸塩等の有機弱酸塩などが挙げられる。
前記架橋促進剤の含有量は、アクリルゴム100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下が好ましく、0.3質量部以上10質量部以下がより好ましい。前記架橋促進剤が多すぎると、架橋時に架橋速度が早くなりすぎたり、架橋物表面ヘの架橋促進剤のブルームが生じたり、架橋物が硬くなりすぎたりする場合がある。一方、前記架橋促進剤が少なすぎると、架橋物の引張強さが著しく低下したり、熱負荷後の伸び変化又は引張強さ変化が大きすぎたりする場合がある。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電気抵抗調整剤、難燃性を得るための難燃剤、酸化防止剤、補強剤、充填剤、加硫促進剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アクリルゴムの調製には、例えば、ロール混合、バンバリー混合、スクリュー混合、溶液混合などの適宜の混合方法が採用できる。配合順序については特に限定されないが、熱で反応や分解しにくい成分を充分に混合した後、熱で反応しやすい成分あるいは分解しやすい成分として、例えば、架橋剤などを、反応や分解が起こらない温度で短時間に混合すればよい。
前記アクリルゴムは、加熱することにより架橋物とすることができる。
加熱温度は、130℃以上220℃以下が好ましく、140℃以上200℃以下がより好ましい。架橋時間は30秒間以上5時間以下が好ましい。
加熱方法としては、例えば、プレス加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる方法を適宜選択すればよい。また、一度架橋した後に、架橋物の内部まで確実に架橋させるために、後架橋を行ってもよい。前記後架橋は、加熱方法、架橋温度、形状などにより異なるが、1時間以上48時間以下で行うことが好ましい。前記後架橋を行う際の加熱方法、加熱温度は適宜選択することができる。
前記弾性層における25℃で50%RHでのマイクロゴム硬度値は、30以上80以下が好ましい。
前記マイクロゴム硬度は、市販のマイクロゴム硬度計を使用することができ、例えば、高分子計器株式会社の「マイクロゴム硬度計MD−1」などを用いて測定することができる。
前記弾性層の平均厚みは、200μm以上600μm以下が好ましく、300μm以上500μm以下がより好ましい。前記平均厚みが、200μm以上であると、表面に凹凸がある紙種に対する画像品質が良好であり、600μm以下であると、弾性層の重さが適正であり、たわみや反りが生じず、安定に走行性することができる。
前記弾性層の厚みとは、前記粒子を除いた、前記弾性層の弾性材料の厚みを指し、例えば、粒子が存在していない領域の弾性材料の厚みとすることができる。
前記平均厚みは、任意に10点の厚みを測定した際の平均値である。なお、前記厚みは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM、株式会社キーエンス製、装置名:VE−7800)で断面を観察することにより測定することができる。
<球状粒子>
前記球状粒子としては、柔軟性粒子を含み、更に高硬度粒子を含むことが好ましい。
−柔軟性粒子−
前記柔軟性粒子としては、10%変形時の圧縮強度が0.1MPa以上30MPa以下であり、かつ復元率が15%以上50%以下であることが好ましい。
前記10%変形時の圧縮強度が0.1MPa以上30MPa以下であり、かつ前記復元率が15%以上50%以下であると、低温低湿環境(10℃で15%RH)においてベルト表面からの粒子の脱離が生じ難く、耐久性を向上できる。
前記柔軟性粒子としては、10%変形時の圧縮強度が0.1MPa以上30MPa以下であり、かつ復元率が15%以上50%以下であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル樹脂粒子、ポリウレタン樹脂粒子、エチレンとメチルメタクリラートの共重合(EMMA)樹脂粒子、低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、粒子が柔らかく、かつ復元率が高い点から、アクリル樹脂粒子、ポリウレタン樹脂粒子が特に好ましい。
前記柔軟性粒子の10%変形時の圧縮強度は、例えば、株式会社島津製作所製の微小圧縮試験機MCTを用いて、下記測定条件にて測定することができる。なお、中間転写ベルト表面の球状粒子は、ラッピングフィルムでベルト表面をこすって採取する。
まず、球状粒子1個に対し、負荷速度0.98mN/秒で試験力をかけた際に、変位量が粒子径の10%に達した時点の試験力を圧縮強度(MPa)とする。
−圧縮強度の測定条件−
・試験温度:23℃で50%RH
・上部加圧圧子:直径50μmのダイヤモンド平面圧子
・下部加圧板:SKS平板
・測定モード:圧縮試験
・負荷速度:0.98mN/秒間
・最大荷重:粒子径の10%に達するまで
前記柔軟性粒子の復元率は、例えば、9.8mNの荷重を掛けた後、荷重を0.98mNまで減少させた時の変位(粒子径の変位)量を測定し、測定された粒子径の変位量と、荷重をかける前の球状粒子の粒子径から、下記数式1により、復元率(%)を求めることができる。なお、中間転写ベルト表面の粒子は、ラッピングフィルムでベルト表面をこすって採取する。
復元率(%)=[粒子径の変位量(μm)/粒子径(μm)]×100・・・数式1
−復元率の測定条件−
・試験温度:23℃で50%RH
・上部加圧圧子:直径50μmのダイヤモンド平面圧子
・下部加圧板:SKS平板
・測定モード:除荷試験
・負荷速度:0.98mN/秒間
・最大荷重:9.8mN
前記柔軟性粒子としては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、ポリウレタン樹脂粒子((商品名:メルテックス、三洋化成工業株式会社製)、(商品名:ダイミックビーズUCN−8070CMクリヤー、大日精化工業株式会社製)、(商品名:アートパール、根上工業株式会社製))、エチレンとメチルメタクリラートの共重合(EMMA)樹脂粒子(商品名:ソフトビーズA、住友精化株式会社製)、低密度ポリエチレン(LDPE)粒子(商品名:LE−1080、住友精化株式会社製)、架橋ポリメタクリル酸ブチル粒子(商品名:BM30X−5、積水化成品工業株式会社製)、架橋ポリアクリル酸エステル粒子(商品名:AFX−8、積水化成品工業株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記柔軟性粒子の平均粒径A2としては、1.0μm以上10μm以下が好ましい。前記平均粒径A2が、1.0μm以上10μm以下であると、トナー転写性を向上できる。更に、前記柔軟性粒子は、単分散粒子であることが好ましい。前記単分散粒子とは、粒子分布が極めてシャープであることを指し、具体的には、±(平均粒径×0.5)μm以下の分布幅のもののことである。
前記柔軟性粒子の平均粒径A2の測定方法は、走査型電子顕微鏡(装置名:VE−7800、SEM、株式会社キーエンス製)などで、倍率5,000倍で観察することにより測定することができる。視野中の任意の柔軟性粒子10個の大きさを測定し、平均した値を平均粒径A2とする。
−高硬度粒子−
前記高硬度粒子としては、10%変形時の圧縮強度が30MPaより大きく、かつ復元率が15%未満であることが好ましい。
前記10%変形時の圧縮強度が30MPaより大きく、かつ前記復元率が15%未満であると、高温高湿環境(30℃で85%RH)における転写性能及びクリーニング性を向上できる。
前記高硬度粒子の10%変形時の圧縮強度及び復元率は、前記柔軟性粒子と同様にして測定することができる。
前記高硬度粒子としては、10%変形時の圧縮強度が30MPaより大きく、かつ復元率が15%未満であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂、メラミン樹脂が好ましい。
前記高硬度粒子としては、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、シリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール2000B及びトスパール1110、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、メラミン樹脂粒子(商品名:エポスターS21及びIポスター、株式会社日本触媒製)などが挙げられる。
前記高硬度粒子の平均粒径B2としては、1.0μm以上15μm以下が好ましい。前記高硬度粒子の平均粒径B2が1.1μm以上5.0μm以下であると、トナークリーニング性を向上できる。
また、前記高硬度粒子は重合法などにより、球状に作製された粒子であることが好ましく、更には、真球に近い単分散粒子であることが好ましい。前記単分散粒子とは、単一粒子径の粒子という意味ではなく、粒度分布が極めてシャープであることを指し、具体的には、±(平均粒径×0.5)μm以下の分布幅のものが好ましい。前記平均粒径B2が1.0μm以上であると、粒子による転写性能を向上することができ、15μm以下であると、粒子間の隙間を小さくでき、表面粗さが小さくなり、転写性が良好になる。更には、連続画像出力時における帯電電位の蓄積による画像乱れの発生を抑制することができる。
前記高硬度粒子の平均粒径B2の測定方法は、前記柔軟性粒子の平均粒径A2の測定方法と同じ方法を用いることができる。
前記柔軟性粒子の平均粒径A2と前記高硬度粒子の平均粒径B2の比率(A2/B2)は、0.8以上10以下が好ましく、1.0以上6.0以下がより好ましい。前記比率(A2/B2)が0.8以上であると、高温高湿環境における転写性能の悪化を抑制でき、10以下であると、低温低湿環境における用紙エッジにおける粒子脱離を防止でき、縦スジ画像の発生を抑制できる。
前記中間転写ベルトの表面に存在する前記柔軟性粒子の個数A1と前記高硬度粒子の個数B1の個数比率(A1:B1)は、8:2〜2:8が好ましく、6:4〜4:6がより好ましい。
前記個数比率(A1:B1)が8:2〜2:8であると、低温低湿環境においてベルト表面からの粒子の脱離が生じ難く、高温高湿環境においても転写性を向上できる。
前記中間転写ベルトの表面に存在する前記柔軟性粒子の個数A1と前記高硬度粒子の個数B1の個数比率(A1:B1)は、前記中間転写ベルトの表面の任意の視野をレーザー顕微鏡(装置名:LEXT OLS−4100、株式会社オリンパス製)、顕微鏡(装置名:VHX−5000、株式会社キーエンス製)などで観察し、前記柔軟性粒子と前記高硬度粒子の個数をそれぞれ測定し前記比率を算出した。
前記球状粒子の配列の形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、弾性層の厚み方向に単一層で形成される形態、厚み方向に複数の球状粒子を含むような形態などが挙げられる。
これらの中でも、前記弾性層の厚み方向に単一層で形成される形態が、前記弾性層の上に球状粒子をそのまま直接塗布して、ならすことにより容易に均一に整列させることができ、安定した高品質画像を維持することができる点で、好ましい。
前記球状粒子は、前記弾性層中へ一部埋設された形態を取るが、その埋没率は、50%を超え、100%に満たないものが好ましく、51%以上90%以下であることが、より好ましい。前記埋没率が50%以下では、画像形成装置での長期使用において粒子の脱離が起きやすく、耐久性に劣る。一方、100%では、球状粒子による転写性への効果が低減し好ましくない。
前記埋没率とは、球状粒子の深さ方向の径の弾性層に埋没している率のことであるが、ここで言う、埋没率は、すべての球状粒子が50%を超え100%に満たないという意味ではなく、ある視野で見たときの平均埋没率で表したときの数値が50%を超え100%に満たなければよい。しかし、埋没率50%のときは、電子顕微鏡による断面観測において、弾性層中へ完全埋没している粒子が殆ど観測されない(弾性層中に完全に埋没している球状粒子の個数%は球状粒子全体のうち5%以下)。
ここで、図4A、及び図4Bは、中間転写ベルトの表面を上方から観察した拡大模式図である。このように、均一な粒径の球状粒子が独立して整然と配列する形態を採る。球状粒子同士の重なり合いは殆ど観測されない。この表面を構成する各球状粒子の弾性層面における断面の径も均一なほうが好ましく、具体的には、±(平均粒径×0.5)μm以下の分布幅となることが好ましい。
これを形成するために、柔軟性粒子及び高硬度粒子はそれぞれ、できるだけ粒径の揃った粒子を用いることが好ましいが、これを用いなくてもある粒径のものが選択的に表面に形成できる方法により表面を形成して前記粒径分布幅となる構成としてもよい。
前記球状粒子による弾性層表面の占有面積率としては、60%以上が好ましい。前記占有面積率が60%以上であると、樹脂部分の露出が適正であり、良好な転写性が得られる。
<中間転写ベルトの製造方法>
本発明の中間転写ベルトを作製する方法についての一例を説明する。まず、基層の作製方法について説明する。
少なくとも樹脂成分を含む基層用塗工液、即ち、前記ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体を含む基層用塗工液を用いて基層を製造する方法について説明する。
円筒状の型、例えば、円筒状の金属金型をゆっくりと回転させながら、少なくとも樹脂成分を含む塗工液(例えば、ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体を含む塗工液)をノズルやディスペンサーのような液供給装置にて円筒の外面全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)する。その後、回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達したら一定速度に維持し、所望の時間回転を継続する。そして、回転させつつ徐々に昇温させながら、80℃以上150℃以下の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が形成されたところで金型ごと高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、段階的に昇温し、最終的に250℃以上450℃以下の高温加熱処理(焼成)し、十分にポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体のイミド化又はポリアミドイミド化を行う。充分に冷却後、引き続き、弾性層を積層する。
弾性層は、ゴムを有機溶剤に溶解させたゴム塗料を用い、基層上に塗布形成し、その後、溶剤を乾燥、加硫することで製造することができる。塗布成形法としては、基層と同じく、螺旋塗工、ダイ塗工、ロール塗工などの既存の塗工法が適用できるが、凹凸転写性をよくするためには弾性層の厚みを厚くすることが必要であり、厚膜を形成する塗工法としては、ダイ塗工、及び螺旋塗工が優れており、前述したように弾性層の厚みを巾方向で変えやすいと言った点から螺旋塗工が優れている。そのため、ここでは、螺旋塗工について説明する。まず、基層を周方向に回転させながら、丸型、又は広幅のノズルによりゴム塗料を連続的に供給しながら、ノズルを基層の軸方向に移動させて、基層上に塗料を螺旋状に塗工する。基層上に螺旋状に塗工された塗料は、所定の回転速度、乾燥温度を維持させることでレベリングされながら乾燥される。その後、更に所定の加硫温度で加硫(架橋)させて形成される。巾方向への膜厚を変化させるには、ノズルの吐出量、ノズル金型間の距離を変化させるか、もしくは金型の回転速度を変えることにより作製することができる。
次に、加硫された弾性層は、その後充分に冷却し、引き続き、粒子を弾性層上へ塗布することで粒子層を形成させて所望のシームレスベルト(中間転写ベルト)を得る。
ここで、前記粒子層の形成方法としては、図5に示すように、粉体供給装置35と押し当て部材33を設置し、回転させながら粉体供給装置35から柔軟性粒子又は柔軟性粒子及び高硬度粒子34を弾性層32の表面に均一にまぶし、表面にまぶされた前記柔軟性粒子又は前記柔軟性粒子及び前記高硬度粒子を押し当て部材33により一定圧力にて押し当てる。
押し当て部材33により、弾性層へ粒子を埋設させつつ、余剰な粒子を取り除く。本発明では、特に単分散の粒子を用いるために、このような押し当て部材でのならし工程のみの簡単な工程で、均一な単一粒子層を形成することが可能である。埋没率の調整は、ここでの押し当て部材の押し当て時間の長さにより調整する。
前記粒子の弾性層中への埋没率の調整は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、押し当て部材の押圧力を加減することにより、容易に果たすことができる。例えば、流延塗工液の粘度、固形分、溶剤の使用量、粒子の材質等にもよるが、目安として、流延塗工液の粘度100mPa・s以上100,000mPa・s以下において、押圧力を、1mN/cm以上1,000mN/cm以下の範囲とすることにより、前記50%以上100%以下の埋没率を比較的容易に達成することができる。
粒子を均一に表面に並べた後、回転させながら所定温度、所定時間で加熱することにより、硬化させ粒子を埋設させた弾性層を形成する。充分に冷却後、金型から基層ごと脱離させ、所望のシームレスベルト(中間転写ベルト)を得ることができる。
前記中間転写ベルトにおける粒子の埋没率を測定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、中間転写体の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)やレーザー顕微鏡を用いて観察することにより、測定することができる。
こうして作製された中間転写ベルトの抵抗は、カーボンブラック、イオン導電剤の量を可変することにより調整される。この際、粒子の大きさや占有面積率によって抵抗が変わりやすいので注意する。
前記中間転写ベルトの抵抗値としては、表面抵抗で1×10Ω/□以上1×1013Ω/□以下が好ましく、体積抵抗で1×10Ω・cm以上1×1011Ω・cm以下が好ましい。
前記中間転写ベルトの抵抗は、カーボンブラック、イオン導電剤の量を可変することにより調整される。この際、粒子の大きさや占有面積率によって抵抗が変わりやすいので注意する。
前記抵抗の測定は、市販の計測器を使用できるが、例えば、ダイアインスツルメンツ社製のハイレスタを使用することにより測定することができる。
ここで、図6A及び図6Bは、本発明の中間転写ベルトの層構成の一例を示す模式図である。この図6の中間転写ベルトは、比較的屈曲性が得られる剛性な基層1の上に柔軟な弾性層2が積層されており、その最表面には粒子3が弾性層2上に面方向に独立して配列(埋没)され、一様な凹凸形状をして積層されている。粒子3が単一の状態では、粒子同士の層厚方向の重なり合いや、弾性層2中への粒子3の完全埋没が殆どない。
前記中間転写ベルトは、無端ベルト、即ちシームレスベルトであることが好ましい。前記中間転写ベルトが無端ベルトの場合の前記中間転写ベルトの周長としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000mm以上が好ましく、1,100mm以上3,000mm以下がより好ましい。
本発明の中間転写ベルトは、中間転写ベルト方式の画像形成装置の像担持体(例えば、感光体ドラム)上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行い、得られた一次転写画像を記録媒体上に一括して二次転写する方式の装置に好適に用いられる。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、前記像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、前記現像手段により現像された前記トナー像が一次転写される中間転写体と、前記中間転写体上に担持された前記トナー像を記録媒体に二次転写する転写手段と、を有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有する。
前記中間転写体が、本発明の前記中間転写ベルトである。
この場合、前記画像形成装置がフルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなるものが好ましい。
本発明の画像形成方法は、潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像工程と、
前記現像工程において現像された前記トナー像を中間転写体上に転写する一次転写工程と、
前記中間転写体上に担持された前記トナー像を記録媒体に転写する二次転写工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
前記中間転写体が、本発明の前記中間転写ベルトである。
前記画像形成装置に装備されるベルト構成部に用いられるシームレスベルトについて、要部模式図を参照しながら、以下に詳しく説明する。なお、模式図は一例であって本発明はこれに限定されるものではない。
図7は、本発明に係る製造方法により得られるシームレスベルトをベルト部材として装備する画像形成装置を説明するための要部模式図である。
図7に示すベルト部材を含む中間転写ユニット500は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト501などにより構成されている。この中間転写ベルト501の周りには、二次転写ユニット600の二次転写電荷付与手段である二次転写バイアスローラ605、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード504、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ505などが対向するように配設されている。
また、位置検知用マークが中間転写ベルト501の外周面又は内周面に図示しない位置検知用マークが設けられる。ただし、中間転写ベルト501の外周面側については位置検知用マークがベルトクリーニングブレード504の通過域を避けて設ける工夫が必要であり、配置上の困難さを伴うことがあるので、その場合には位置検知用マークを中間転写ベルト501の内周面側に設けてもよい。マーク検知用センサとしての光学センサ514は、中間転写ベルト501が架け渡されている一次転写バイアスローラ507とベルト駆動ローラ508との間の位置に設けられる。
この中間転写ベルト501は、一次転写電荷付与手段である一次転写バイアスローラ507、ベルト駆動ローラ508、ベルトテンションローラ509、二次転写対向ローラ510、クリーニング対向ローラ511、及びフィードバック電流検知ローラ512に張架されている。各ローラは導電性材料で形成され、一次転写バイアスローラ507以外の各ローラは接地されている。一次転写バイアスローラ507には、定電流又は定電圧制御された一次転写電源801により、トナー像の重ね合わせ数に応じて所定の大きさの電流又は電圧に制御された転写バイアスが印加されている。
中間転写ベルト501は、図示しない駆動モータによって矢印方向に回転駆動されるベルト駆動ローラ508により、矢印方向に駆動される。
このベルト部材である中間転写ベルト501は、通常、半導体、又は絶縁体で、単層又は多層構造となっているが、本発明においてはシームレスベルトが好ましく用いられ、これによって耐久性が向上すると共に、優れた画像形成が実現できる。また、中間転写ベルトは、感光体ドラム200上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
二次転写手段である二次転写バイアスローラ605は、二次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501のベルト外周面に対して、後述する接離手段としての接離機構によって、接離可能に構成されている。二次転写バイアスローラ605は、二次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501との間に被記録媒体である転写紙Pを挟持するように配設されており、定電流制御される二次転写電源802によって所定電流の転写バイアスが印加されている。
レジストローラ610は、二次転写バイアスローラ605と二次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501との間に、所定のタイミングで転写材である転写紙Pを送り込む。また、二次転写バイアスローラ605には、クリーニング手段であるクリーニングブレード608が当接している。該クリーニングブレード608は、二次転写バイアスローラ605の表面に付着した付着物を除去してクリーニングするものである。
このような構成のカラー複写機において、画像形成サイクルが開始されると、感光体ドラム200は、図示しない駆動モータによって矢印で示す半時計方向に回転され、該感光体ドラム200上に、Bk(ブラック)トナー像形成、C(シアン)トナー像形成、M(マゼンタ)トナー像形成、Y(イエロー)トナー像形成が行われる。中間転写ベルト501はベルト駆動ローラ508によって矢印で示す時計回りに回転される。この中間転写ベルト501の回転に伴って、一次転写バイアスローラ507に印加される電圧による転写バイアスにより、Bkトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Yトナー像の一次転写が行われ、最終的にBk、C、M、Yの順に中間転写ベルト501上に各トナー像が重ね合わせて形成される。
例えば、前記Bkトナー像形成は次のように行われる。
図7において、帯電チャージャ203は、コロナ放電によって感光体ドラム200の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。前記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザー光によるラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム200の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。このBk静電潜像に、Bk現像器231Kの現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム200の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
このようにして感光体ドラム200上に形成されたBkトナー像は、感光体ドラム200と接触状態で等速駆動回転している中間転写ベルト501のベルト外周面に一次転写される。この一次転写後の感光体ドラム200の表面に残留している若干の未転写の残留トナーは、感光体ドラム200の再使用に備えて、感光体クリーニング装置201で清掃される。この感光体ドラム200側では、Bk画像形成工程の次にC画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラースキャナによるC画像データの読み取りが始まり、そのC画像データによるレーザー光書き込みによって、感光体ドラム200の表面にC静電潜像を形成する。
そして、先のBk静電潜像の後端部が通過した後で、且つC静電潜像の先端部が到達する前にリボルバ現像ユニット230の回転動作が行われ、C現像機231Cが現像位置にセットされ、C静電潜像がCトナーで現像される。以後、C静電潜像領域の現像を続けるが、C静電潜像の後端部が通過した時点で、先のBk現像機231Kの場合と同様にリボルバ現像ユニットの回転動作を行い、次のM現像機231Mを現像位置に移動させる。これもやはり次のY静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了させる。なお、M及びYの画像形成工程については、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形成、現像の動作が上述のBk、Cの工程と同様であるので説明は省略する。
このようにして感光体ドラム200上に順次形成されたBk、C、M、及びYのトナー像は、中間転写ベルト501上の同一面に順次位置合わせされて一次転写される。これにより、中間転写ベルト501上に最大で4色が重ね合わされたトナー像が形成される。一方、前記画像形成動作が開始される時期に、転写紙Pが転写紙カセット又は手差しトレイなどの給紙部から給送され、レジストローラ610のニップで待機している。
そして、二次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501と二次転写バイアスローラ605によりニップが形成された二次転写部に、前記中間転写ベルト501上のトナー像の先端がさしかかるときに、転写紙Pの先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ610が駆動されて、転写紙ガイド板601に沿って転写紙Pが搬送され、転写紙Pとトナー像とのレジスト合わせが行われる。
このようにして、転写紙Pが二次転写部を通過すると、二次転写電源802によって二次転写バイアスローラ605に印加された電圧による転写バイアスにより、中間転写ベルト501上の4色重ねトナー像が転写紙P上に一括転写(二次転写)される。この転写紙Pは、転写紙ガイド板601に沿って搬送されて、二次転写部の下流側に配置した除電針からなる転写紙除電チャージャ606との対向部を通過することにより除電された後、ベルト構成部であるベルト搬送装置210により定着装置270に向けて送られる。そして、この転写紙Pは、定着装置270の定着ローラ271、272のニップ部でトナー像が溶融定着された後、図示しない排出ローラで装置本体外に送り出され、図示しないコピートレイに表向きにスタックされる。なお、定着装置270は必要によりベルト構成部を備えた構成とすることもできる。
一方、前記ベルト転写後の感光体ドラム200の表面は、感光体クリーニング装置201でクリーニングされ、前記除電ランプ202で均一に除電される。また、転写紙Pにトナー像を二次転写した後の中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留トナーは、ベルトクリーニングブレード504によってクリーニングされる。該ベルトクリーニングブレード504は、図示しないクリーニング部材離接機構によって、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して所定のタイミングで接離されるように構成されている。
このベルトクリーニングブレード504の前記中間転写ベルト501の移動方向上流側には、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離するトナーシール部材502が設けられている。このトナーシール部材502は、前記残留トナーのクリーニング時に前記ベルトクリーニングブレード504から落下した落下トナーを受け止めて、前記落下トナーが前記転写紙Pの搬送経路上に飛散するのを防止している。このトナーシール部材502は、前記クリーニング部材離接機構によって、前記ベルトクリーニングブレード504とともに、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離される。
このようにして残留トナーが除去された中間転写ベルト501のベルト外周面には、前記潤滑剤塗布ブラシ505により削り取られた潤滑剤506が塗布される。該潤滑剤506は、例えば、ステアリン酸亜鉛などの固形体からなり、該潤滑剤塗布ブラシ505に接触するように配設されている。また、中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留電荷は、中間転写ベルト501のベルト外周面に接触した図示しないベルト除電ブラシにより印加される除電バイアスによって除去される。ここで、前記潤滑剤塗布ブラシ505及び前記ベルト除電ブラシは、それぞれの図示しない接離機構により、所定のタイミングで、前記中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離されるようになっている。
ここで、リピートコピーの時は、カラースキャナの動作及び感光体ドラム200への画像形成は、1枚目の4色目(Y)の画像形成工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の1色目(Bk)の画像形成工程に進む。また、中間転写ベルト501は、1枚目の4色重ねトナー像の転写紙への一括転写工程に引き続き、ベルト外周面の前記ベルトクリーニングブレード504でクリーニングされた領域に、2枚目のBkトナー像が一次転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。以上は、4色フルカラーコピーを得るコピーモードであったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、前記同様の動作を行うことになる。また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、リボルバ現像ユニット230の所定色の現像機のみを現像動作状態にし、ベルトクリーニングブレード504を中間転写ベルト501に接触させたままの状態にしてコピー動作を行う。
前記実施形態では、感光体ドラムを一つだけ備えた複写機について説明したが、本発明は、例えば、図8の要部模式図に一構成例を示すような、複数の感光体ドラムをシームレスベルトからなる一つの中間転写ベルトに沿って並設した画像形成装置にも適用できる。
図8は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム21Bk、21Y、21M、及び21Cを備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
図8において、プリンタ本体10は電子写真方式によるカラー画像形成を行うための、画像書込部12、画像形成部13、給紙部14、から構成されている。画像信号を元に画像処理部で画像処理して画像形成用の黒(Bk)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びシアン(C)の各色信号に変換し、画像書込部12に送信する。画像書込部12は、例えば、レーザー光源と、回転多面鏡等の偏向器と、走査結像光学系、及びミラー群、からなるレーザー走査光学系であり、前記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部13の各色毎に設けられた像担持体(感光体)21BK、21M、21Y、及び21Cに各色信号に応じた画像書込を行う。
画像形成部13は黒(Bk)用、マゼンタ(M)用、イエロー(Y)用、及びシアン(C)用の各像担持体である感光体21Bk、21M、21Y、21Cを備えている。この各色用の各感光体としては、通常OPC感光体が用いられる。各感光体21Bk、21M、21Y、及び21Cの周囲には、帯電装置、前記書込部12からのレーザー光の露光部、黒、マゼンタ、イエロー、シアンの各色用の現像装置20Bk、20M、20Y、20C、一次転写手段としての一次転写バイアスローラ23Bk、23M、23Y、23C、クリーニング装置(表示略)、及び図示しない感光体除電装置等が配設されている。なお、前記現像装置20Bk、20M、20Y、20Cには、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。ベルト構成部である中間転写ベルト22は、各感光体21Bk、21M、21Y、21Cと、各一次転写バイアスローラ23Bk、23M、23Y、23Cとの間に介在し、各感光体上に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。
一方、転写紙Pは、給紙部14から給紙された後、レジストローラ16を介して、ベルト構成部である転写搬送ベルト50に担持される。そして、中間転写ベルト22と転写搬送ベルト50とが接触するところで、前記中間転写ベルト22上に転写されたトナー像が、二次転写手段としての二次転写バイアスローラ60により二次転写(一括転写)される。これにより、転写紙P上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙Pは、転写搬送ベルト50により定着装置15に搬送され、この定着装置15により転写された画像が定着された後、プリンタ本体外に排出される。
なお、前記二次転写時に転写されずに前記中間転写ベルト22上に残った残留トナーは、ベルトクリーニング部材25によって中間転写ベルト22から除去される。このベルトクリーニング部材25の下流側には、潤滑剤塗布装置27が配設されている。この潤滑剤塗布装置27は、固形潤滑剤と、中間転写ベルト22に摺擦して固形潤滑剤を塗布する導電性ブラシとで構成されている。前記導電性ブラシは、中間転写ベルト22に常時接触して、中間転写ベルト22に固形潤滑剤を塗布している。固形潤滑剤は、中間転写ベルト22のクリーニング性を高め、フィルミィングの発生を防止し耐久性を向上させる作用がある。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<球状粒子の10%変形時の圧縮強度>
球状粒子(柔軟性粒子、高硬度粒子)の10%変形時の圧縮強度は、株式会社島津製作所製の微小圧縮試験機MCTを用いて、下記測定条件にて測定した。なお、中間転写ベルト表面の球状粒子は、ラッピングフィルムでベルト表面をこすって採取した。
まず、球状粒子1個に対し、負荷速度0.98mN/秒で試験力をかけた際に、変位量が粒子径の10%に達した時点の試験力を圧縮強度(MPa)とする。
−圧縮強度の測定条件−
・試験温度:23℃で50%RH
・上部加圧圧子:直径50μmのダイヤモンド平面圧子
・下部加圧板:SKS平板
・測定モード:圧縮試験
・負荷速度:0.98mN/秒間
・最大荷重:粒子径の10%に達するまで
<球状粒子の復元率>
球状粒子(柔軟性粒子、高硬度粒子)の復元率は、9.8mNの荷重を掛けた後、荷重を0.98mNまで減少させた時の変位(粒子径の変位)量を測定し、測定された粒子径の変位量と、荷重をかける前の球状粒子の粒子径から、下記数式1により、復元率(%)を求めた。なお、中間転写ベルト表面の粒子は、ラッピングフィルムでベルト表面をこすって採取した。
復元率(%)=[粒子径の変位量(μm)/粒子径(μm)]×100・・・数式1
−復元率の測定条件−
・試験温度:23℃で50%RH
・上部加圧圧子:直径50μmのダイヤモンド平面圧子
・下部加圧板:SKS平板
・測定モード:除荷試験
・負荷速度:0.98mN/秒間
・最大荷重:9.8mN
<球状粒子の平均粒径>
走査型電子顕微鏡(装置名:VE−7800、SEM、株式会社キーエンス製)を用いて、球状粒子を倍率5,000倍で観察することにより測定した。視野内の任意の球状粒子(柔軟性粒子、高硬度粒子)10個の大きさを測定し、平均した値を平均粒径とした。
<柔軟性粒子の個数A1及び高硬度粒子の個数B1の個数比率(A1:B1)の測定方法>
前記個数比率(A1:B1)の測定方法は、中間転写ベルト表面をレーザー顕微鏡(装置名:LEXT OLS−4100、オリンパス株式会社製)を用いて、倍率200倍で観察し、視野内の柔軟性粒子の個数A1及び高硬度粒子の個数B1を計測し、算出した。
<球状粒子の形状>
球状粒子(柔軟性粒子、高硬度粒子)を平滑な測定面上に均一に分散付着させ、球状粒子100個について、カラーレーザー顕微鏡(装置名:VK−8500、株式会社キーエンス製)を用いて、任意の倍率(例えば、1,000倍)に拡大して、図1〜図3に示すように、100個の粒子の長軸r1(μm)、短軸r2(μm)、厚みr3(μm)を測定し、それらの算術平均値を求め、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.9以上1.0以下で、厚みと短軸との比(r3/r2)が0.9以上1.0以下の範囲であるものを真球状の粒子とした。
(実施例1)
<中間転写ベルトの作製>
−基層用塗工液の調製−
まず、ポリイミド樹脂前駆体を主成分とするポリイミドワニス(商品名:U−ワニスA、宇部興産株式会社製)に、予め、ビーズミルにてN−メチル−2−ピロリドン中に分散させたカーボンブラック(商品名:SpecialBlack4、エボニックデグサ社製)の分散液を、カーボンブラック含有量がポリアミック酸の固形分に対して17質量%になるように調合し、よく攪拌混合して、基層用塗工液を調製した。
−ポリイミド基層ベルトの作製−
次に、外径500mm、長さ400mmの外面をブラスト処理にて粗面化した金属製の円筒状支持体を型として用い、該型をロールコート塗工装置に取り付けた。
次いで、前記基層用塗工液をパンに流し込み、塗布ローラの回転速度40mm/secで基層用塗工液を汲み上げ、規制ローラと塗布ローラのギャップを0.6mmとして、塗布ローラ上の基層用塗工液の厚みを制御した。
その後、円筒状支持体の回転速度を35mm/secに制御して塗布ローラに近づけ、前記塗布ローラとのギャップを0.4mmとして前記塗布ローラ上の基層用塗工液を均一に円筒状支持体上に転写塗布した後、回転を維持しながら熱風循環乾燥機に投入して、110℃まで徐々に昇温して30分間加熱、更に昇温して200℃で30分間加熱し、回転を停止した。
その後、これを高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に導入し、段階的に320℃まで昇温して60分間加熱処理(焼成)した。充分に冷却し、平均厚み60μmのポリイミド基層ベルトを作製した。
−ポリイミド基層ベルトへの弾性層の作製−
下記に示す各成分及び含有量で配合し、混練することにより、ゴム組成物を調製した。
・アクリルゴム(日本ゼオン株式会社製、NipolAR12):100質量部
・ステアリン酸(日油株式会社製、ビーズステアリン酸つばき):1質量部
・赤リン(燐化学工業株式会社製、ノーバエクセル140F):10質量部
・水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製、ハイジライトH42M):40質量部
・架橋剤(デュポン ダウ エラストマー ジャパン社製、Diak.No.1、ヘキサメチレンジアミンカーバメイト):0.6質量部
・架橋促進剤(Safic alcan社製、VULCOFAC ACT55(70質量%の1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7と二塩基酸との塩、30質量%のアモルファスシリカ)):0.6質量部
・導電剤(日本カーリット株式会社製、QAP−01、過塩素酸テトラブチルアンモニウム):0.3質量部
次に、得られたゴム組成物を有機溶剤(MIBK、メチルイソブチルケトン)に溶かして、固形分35質量%のゴム溶液を作製した。
前記ゴム溶液を先に作製したポリイミド基層が形成された円筒状支持体を回転させながらポリイミド基層上に、ノズルよりゴム溶液を連続的に吐出しながら円筒状支持体の軸方向に移動させ螺旋状に塗布した。塗布量としては最終的な弾性層の平均厚みが400μmになるようなゴム溶液量の条件とした。その後、ゴム溶液が塗布された円筒状支持体をそのまま回転しながら熱風循環乾燥機に投入し、昇温速度4℃/分間で90℃まで昇温して30分間加熱した。
−弾性層表面への粒子塗布−
次に、熱風循環乾燥機から取り出して冷却した後、図5に示すように、柔軟性粒子であるポリウレタン樹脂粒子34(商品名:ダイミックビーズUCN−8070CMクリヤー、平均粒径7μm、大日精化工業株式会社製)を弾性層32の表面に満遍なくまぶし、ポリウレタンゴムブレード(東洋ゴム株式会社製、T7050)からなる押し当て部材33を、押圧力100mN/cmで押し当てて弾性層表面に固定化した。
次いで、再び熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分間で170℃まで昇温して60分間加熱処理し、中間転写ベルトAを作製した。
得られた中間転写ベルトAにおけるポリウレタン樹脂粒子の圧縮強度は3.6MPa、復元率は42.5%であった。
(実施例2)
実施例1において、柔軟性粒子であるポリウレタン樹脂粒子を、柔軟性粒子である架橋ポリメタクリル酸ブチル樹脂粒子(商品名:BM30X−5、平均粒径5μm、積水化成品工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトBを作製した。
得られた中間転写ベルトBにおける架橋ポリメタクリル酸ブチル樹脂粒子の圧縮強度は18.9MPa、復元率は19.7%であった。
(実施例3)
実施例1において、柔軟性粒子であるポリウレタン樹脂粒子を、柔軟性粒子である架橋ポリアクリル酸エステル樹脂粒子(商品名:AFX−8、平均粒径8μm、積水化成品工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトCを作製した。
得られた中間転写ベルトCにおける架橋ポリアクリル酸エステル樹脂粒子の圧縮強度は11.5MPa、復元率は24.6%であった。
(実施例4)
実施例1において、柔軟性粒子であるポリウレタン樹脂粒子を、柔軟性粒子である低密度ポリエチレン樹脂粒子(商品名:LE−1080、平均粒径6μm、住友精化株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトDを作製した。
得られた中間転写ベルトDにおける低密度ポリエチレン樹脂粒子の圧縮強度は25.6MPa、復元率は17.5%であった。
(実施例5)
実施例1において、柔軟性粒子であるポリウレタン樹脂粒子を、柔軟性粒子であるエチレンとメチルメタクリラートの共重合(EMMA)樹脂粒子(商品名:ソフトビーズA、平均粒径10μm、住友精化株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトEを作製した。
得られた中間転写ベルトEにおけるEMMA樹脂粒子の圧縮強度は28.3MPa、復元率は15.5%であった。
(実施例6)
実施例1において、球状粒子として、柔軟性粒子であるポリウレタン樹脂粒子(商品名:ダイミックビーズUCN−8070CMクリヤー、平均粒径7μm、大日精化工業株式会社製)と、高硬度粒子であるメラミン樹脂粒子(商品名:エポスターS21、平均粒径1.2μm、株式会社日本触媒製)と、の2種を用い、前記柔軟性粒子と前記高硬度粒子の混合割合を5:5に調合し、よく撹拌した調合物を、弾性層32の表面に満遍なくまぶし、ポリウレタンゴムブレード(製品名:T7050、東洋ゴム株式会社製)からなる押し当て部材33を、押印圧100mN/cmで押し当てて弾性層表面に固定化した。
次いで、再び熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分間で170℃まで昇温して60分間加熱処理し、中間転写ベルトFを作製した。作製した中間転写ベルトFの表面の柔軟性粒子の個数A1と高硬度粒子の個数B1の個数比率(A1:B1)を算出した結果、混合割合と同様に5:5であることを確認した。
得られた中間転写ベルトFにおけるポリウレタン樹脂粒子の圧縮強度は3.6MPa、復元率は42.5%、メラミン樹脂粒子の圧縮強度は53.9MPa、復元率は6.1%であった。
(実施例7)
実施例6において、高硬度粒子であるメラミン樹脂粒子を高硬度粒子であるシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール2000B、平均粒径6μm、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)に変更した以外は、実施例6と同様にして、中間転写ベルトGを作製した。
得られた中間転写ベルトGにおけるポリウレタン樹脂粒子の圧縮強度は3.6MPa、復元率は42.5%、シリコーン樹脂粒子の圧縮強度は42.1MPa、復元率は4.5%であった。
(実施例8)
実施例6において、高硬度粒子であるメラミン樹脂粒子を高硬度粒子であるシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール1110、平均粒径11μm、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)に変更した以外は、実施例6と同様にして、中間転写ベルトHを作製した。
得られた中間転写ベルトHにおけるポリウレタン樹脂粒子の圧縮強度は3.6MPa、復元率は42.5%、シリコーン樹脂粒子の圧縮強度は43.5MPa、復元率は3.9%であった。
(実施例9)
実施例6において、柔軟性粒子であるポリウレタン樹脂粒子を柔軟性粒子であるエチレンとメチルメタクリラートの共重合(EMMA)樹脂粒子(商品名:ソフトビーズA、平均粒径10μm、住友精化株式会社製)に変更した以外は、実施例6と同様にして、中間転写ベルトIを作製した。
得られた中間転写ベルトIにおけるEMMA樹脂粒子の圧縮強度は28.3MPa、復元率は15.5%、メラミン樹脂粒子の圧縮強度は53.9MPa、復元率は6.1%であった。
(実施例10)
実施例6において、柔軟性粒子であるポリウレタン樹脂粒子と高硬度粒子であるメラミン樹脂粒子の混合割合を5:5から9:1に変更した以外は、実施例6と同様にして、中間転写ベルトJを作製した。作製した中間転写ベルトJの表面の柔軟性粒子の個数A1と高硬度粒子の個数B1の個数比率(A1:B1)を算出した結果、混合割合と同様に9:1であることを確認した。
(実施例11)
実施例6において、柔軟性粒子であるポリウレタン樹脂粒子と高硬度粒子であるメラミン樹脂粒子の混合割合を5:5から1:9に変更した以外は、実施例6と同様にして、中間転写ベルトKを作製した。作製した中間転写ベルトKの表面の柔軟性粒子の個数A1と高硬度粒子の個数B1の個数比率(A1:B1)を算出した結果、混合割合と同様に1:9であることを確認した。
(比較例1)
実施例1において、柔軟性粒子であるポリウレタン樹脂粒子を、高硬度粒子であるシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール2000B、平均粒径6μm、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトLを作製した。
得られた中間転写ベルトLにおけるシリコーン樹脂粒子の圧縮強度は42.1MPa、復元率は4.5%であった。
(比較例2)
実施例1において、柔軟性粒子であるポリウレタン樹脂粒子を、高硬度粒子であるメラミン樹脂粒子(商品名:オプトビーズ6500M、平均粒径6.5μm、日産化学工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトMを作製した。
得られた中間転写ベルトMにおけるメラミン樹脂粒子の圧縮強度は58.2MPa、復元率は7.7%であった。
(比較例3)
実施例1において、柔軟性粒子であるポリウレタン樹脂粒子を、以下に示す方法で表面処理した高硬度粒子であるアルミナ粒子に変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトNを得た。
得られた中間転写ベルトNにおけるアルミナ粒子の圧縮強度は76.0MPa、復元率は2.2%であった。
−アルミナ粒子の表面処理−
シランカップリング剤(スルフィド系、信越シリコーン株式会社製、商品名:KBE−846)1質量部をエタノール500質量部に添加し、羽根撹拌機を用いて、撹拌(300rpm、30分間)した。得られた溶液501質量部に、無機粒子としてのアルミナ粒子(日本軽金属株式会社製、A32、平均粒径1μm)100質量部を添加し、羽根撹拌機を用いて、撹拌(300rpm、30分間)した。得られた分散液601質量部を100rpmの撹拌速度で撹拌しながら、減圧下、温度40℃で有機溶媒(エタノール)を除去し、冷却し、濾過し、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離した。次いで、80℃で2時間真空乾燥を行い、表面処理したアルミナ粒子を得た。
(比較例4)
実施例1において、柔軟性粒子であるポリウレタン樹脂粒子を、高硬度粒子であるメラミン樹脂粒子(商品名:エポスターS21、平均粒径1.2μm、日本触媒株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトOを作製した。
得られた中間転写ベルトOにおけるメラミン樹脂粒子の圧縮強度は53.9MPa、復元率は6.1%であった。
次に、得られた各実施例及び比較例の中間転写ベルトA〜Oについて、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表1〜表5に示した。
<低温低湿環境における転写性の評価>
作製した各実施例及び比較例の中間転写ベルトA〜Oを、図8に示すような画像形成装置(RICOH、MP C6502、株式会社リコー製)に搭載し、各画像形成装置を用いて、表面コートしている厚紙(PODグロスコート紙、王子製紙株式会社製、平均厚み128μm)をA4サイズ縦出力、10℃で15%RH環境(低温低湿環境)下、ブラックハーフトーン画像の1万枚通紙を行った。
続いて、前記PODグロスコート紙のA3サイズ紙でブラックハーフトーン画像を10枚出力し、10枚全てで縦スジ異常画像の確認をし、下記基準で評価した。
[評価基準]
◎:縦スジ画像が10枚全てで未発生(転写性が極めて良好)
○:1枚以上2枚以下でうっすらと縦スジが見える箇所が有る(転写性良好)
△:3枚以上5枚以下でうっすらと縦スジが見える
×:6枚以上で縦スジがはっきり見えており、使用不可とした
<エッジ傷部の表面観察>
A4サイズ紙のエッジ部接触箇所(エッジ傷発生部)に該当する部分の中間転写ベルト表面をオリンパス株式会社製 LEXT OLS4100で観察を行い、粒子の脱落の有無を確認した。
<弾性層表面の凹凸形状の有無の確認方法>
弾性層表面をオリンパス株式会社製 LEXT OLS4100で観察することにより、凹凸形状の有無を確認した。
<弾性層のマイクロゴム硬度>
弾性層のマイクロゴム硬度は、高分子計器株式会社の「マイクロゴム硬度計MD−1」を用いて測定した。
<球状粒子の埋没率>
弾性層表面の任意の箇所を走査型電子顕微鏡(SEM、株式会社キーエンス製、装置名:VE−7800)用いて断面SEM(5,000倍)で観察することにより、球状粒子10個の球状粒子の深さ方向の径の弾性層に埋没している埋没率(%)の平均値を求めた。
<球状粒子による弾性層表面の占有面積率>
弾性層表面をオリンパス株式会社製 LEXT OLS4100で観察することにより、球状粒子による弾性層表面を占有している面積の割合である占有面積率を求めた。
表1から表5の結果から、実施例1〜11は、圧縮強度が小さく、復元率が高い柔軟性粒子を用いているので、球状粒子の脱落が起きにくく、縦スジ異常画像が発生しない(転写性が良好である)ことがわかる。
これに対して、圧縮強度が大きく、復元率が低い高硬度粒子のみを用いた比較例1〜4は、低温低湿環境で球状粒子が脱落し、縦スジ異常画像が発生することがわかった。
したがって、本発明によると、低温低湿環境においても球状粒子の脱離が起こることがなく、耐久性に優れた中間転写ベルト、及び該中間転写ベルトを用いた、特にフルカラー画像形成に好適な中間転写方式の画像形成装置を提供することができる。
次に、2種類の球状粒子を使用した効果を検討するために、更に、実施例6〜11について、以下のようにして、高温高湿環境における転写性の評価を行った。結果を表6に示した。
<高温高湿環境における転写性の評価>
作製した実施例6〜11の中間転写ベルトF〜Kを、図8に示すような画像形成装置(RICOH、MP C6502、株式会社リコー製)に搭載し、各画像形成装置を用いて、表面コートしている厚紙(PODグロスコート紙、王子製紙株式会社製、平均厚み128μm)をA4サイズ縦出力、23℃で50%RH環境(中温中湿環境)と、30℃で85%RH環境(高温高湿環境)のそれぞれの環境の下で、シアン、マゼンタの2色ブルーベタ画像の一万枚通紙を行った。
続いて、前記PODグロスコート紙のA3サイズ紙(王子製紙株式会社製)でブルーベタ画像を10枚ずつ出力し、両環境における画像の画像濃度を目視で観察し、下記基準で評価した。
[評価基準]
◎:中温中湿環境とくらべて高温高湿環境での画像濃度の低下なし
○:中温中湿環境とくらべて高温高湿環境の画像濃度が僅かに低い
△:中温中湿環境とくらべて高温高湿環境の画像濃度が○よりも更に低くなっている(実使用可能)
×:中温中湿環境とくらべて画像濃度が低い(実使用不可能)
表6の結果から、柔軟性粒子に加えて高硬度粒子を更に含むことで、高温高湿環境での、転写性が良好な結果が得られることがわかった。なお、本明細書には示していないが、柔軟性粒子のみを用いた中間転写ベルトでは、高温高湿環境における転写性の効果は得られないことがわかっている。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写ベルトであって、
基層と、該基層上に、球状粒子を有し該球状粒子により凹凸形状を有する弾性層とを備え、
前記球状粒子として10%変形時の圧縮強度が0.1MPa以上30MPa以下であり、かつ復元率が15%以上50%以下である柔軟性粒子を含むことを特徴とする中間転写ベルトである。
<2> 前記球状粒子の10%変形時の圧縮強度が、1MPa以上20MPa以下である前記<1>に記載の中間転写ベルトである。
<3> 前記球状粒子の復元率が、15%以上45%以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の中間転写ベルトである。
<4> 前記球状粒子が、真球状粒子である前記<1>から<3>のいずれかに記載の中間転写ベルトである。
<5> 前記球状粒子の長軸r1(μm)、短軸r2(μm)、厚みr3(μm)とすると、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.9以上1.0以下であり、厚みと短軸との比(r3/r2)が0.9以上1.0以下である前記<4>に記載の中間転写ベルトである。
<6> 前記柔軟性粒子が、ポリウレタン樹脂粒子である前記<1>から<5>のいずれかに記載の中間転写ベルトである。
<7> 前記柔軟性粒子が、アクリル樹脂粒子である前記<1>から<6>のいずれかに記載の中間転写ベルトである。
<8> 更に、前記球状粒子として10%変形時の圧縮強度が30MPaより大きく、かつ復元率が15%未満である高硬度粒子を含む前記<1>から<7>のいずれかに記載の中間転写ベルトである。
<9> 前記高硬度粒子がメラミン樹脂粒子である前記<8>に記載の中間転写ベルト。
<10> 前記中間転写ベルト表面における前記柔軟性粒子の個数A1と前記高硬度粒子の個数B1の個数比率(A1:B1)が、8:2〜2:8である前記<8>から<9>のいずれかに記載の中間転写ベルトである。
<11> 前記柔軟性粒子の平均粒径A2と前記高硬度粒子の平均粒径B2との比率(A2/B2)が0.8以上10以下である前記<8>から<10>のいずれかに記載の中間転写ベルトである。
<12> 前記弾性層が、アクリルゴムを含有する前記<1>から<11>のいずれかに記載の中間転写ベルトである。
<13> 前記中間転写ベルトが、シームレスベルトである前記<1>から<12>のいずれかに記載の中間転写ベルトである。
<14> 潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、
前記像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、
前記現像手段により現像された前記トナー像が一次転写される中間転写体と、
前記中間転写体上に担持された前記トナー像を記録媒体に二次転写する転写手段と、を有し、
前記中間転写体が、前記<1>から<13>のいずれかに記載の中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置である。
<15> フルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなる前記<14>に記載の画像形成装置である。
<16> 潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像工程と、
前記現像工程において現像された前記トナー像を中間転写体上に転写する一次転写工程と、
前記中間転写体上に担持された前記トナー像を記録媒体に転写する二次転写工程と、を含み、
前記中間転写体が、前記<1>から<13>のいずれかに記載の中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成方法である。
前記<1>から<13>のいずれかに記載の中間転写ベルト、前記<14>から<15>のいずれかに記載の画像形成装置、及び前記<16>に記載の画像形成方法によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
1 基層
2 弾性層
3 柔軟性粒子
4 高硬度粒子
特許第5786181号公報

Claims (13)

  1. 像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写ベルトであって、
    基層と、該基層上に、球状粒子を有し該球状粒子により凹凸形状を有する弾性層とを備え、
    前記球状粒子として10%変形時の圧縮強度が0.1MPa以上30MPa以下であり、かつ復元率が15%以上50%以下である柔軟性粒子を含むことを特徴とする中間転写ベルト。
  2. 前記球状粒子が、真球状粒子である請求項1に記載の中間転写ベルト。
  3. 前記柔軟性粒子が、ポリウレタン樹脂粒子である請求項1から2のいずれかに記載の中間転写ベルト。
  4. 前記柔軟性粒子が、アクリル樹脂粒子である請求項1から3のいずれかに記載の中間転写ベルト。
  5. 更に、前記球状粒子として10%変形時の圧縮強度が30MPaより大きく、かつ復元率が15%未満である高硬度粒子を含む請求項1から4のいずれかに記載の中間転写ベルト。
  6. 前記高硬度粒子が、メラミン樹脂粒子である請求項5に記載の中間転写ベルト。
  7. 前記中間転写ベルト表面における前記柔軟性粒子の個数A1と前記高硬度粒子の個数B1の個数比率(A1:B1)が、8:2〜2:8である請求項5から6のいずれかに記載の中間転写ベルト。
  8. 前記柔軟性粒子の平均粒径A2と前記高硬度粒子の平均粒径B2との比率(A2/B2)が、0.8以上10以下である請求項5から7のいずれかに記載の中間転写ベルト。
  9. 前記弾性層が、アクリルゴムを含有する請求項1から8のいずれかに記載の中間転写ベルト。
  10. 前記中間転写ベルトが、シームレスベルトである請求項1から9のいずれかに記載の中間転写ベルト。
  11. 潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、
    前記像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、
    前記現像手段により現像された前記トナー像が一次転写される中間転写体と、
    前記中間転写体上に担持された前記トナー像を記録媒体に二次転写する転写手段と、を有し、
    前記中間転写体が、請求項1から10のいずれかに記載の中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
  12. フルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなる請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像工程と、
    前記現像工程において現像された前記トナー像を中間転写体上に転写する一次転写工程と、
    前記中間転写体上に担持された前記トナー像を記録媒体に転写する二次転写工程と、を含み、
    前記中間転写体が請求項1から10のいずれかに記載の中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成方法。
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