JP6216247B2 - 電子写真用部材 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真用部材に関する。
従来、電子写真方式の複写機やプリンター、ファクシミリ等の電子写真装置が知られている。これら電子写真装置は、帯電させた感光体への画像データ露光による潜像形成、現像、転写媒体への転写、定着等の工程を経て画像形成を行う。そのため、装置内には、これら工程を実現するために各種機能を備えた電子写真用部材が組み込まれている。
上記電子写真用部材として、外部に表面が露出したゴム弾性体を有するものが知られている。
例えば、複数の感光体によって色別に形成した各トナー像をベルト表面に一次転写して各色のトナー像を重ね合わせ、これを用紙上に二次転写するために、基層の表面に層状のゴム弾性体を設けてなる二層構造のベルト部材が中間転写ベルトとして使用されている。より具体的には、例えば、特許文献1には、樹脂製の基層の表面にアクリロニトリルブタジエンゴムを含むゴム材料より形成された層状のゴム弾性体を有する電子写真装置用の無端ベルトが開示されている。
他にも例えば、感光体上に形成された潜像を現像するために、軸体の外周に層状のゴム弾性体を設けてなるロール部材が現像ロールとして使用されている。
特開2010−156760号公報
上述したような電子写真用部材において、ゴム弾性体の表面を外部に露出させるよう構成するのは、ゴム弾性体表面の柔軟性を利用し、電子写真用部材の機能性向上を図るためである。しかしながら、ゴム弾性体にアクリロニトリルブタジエンゴムを用いる場合には、以下に示すような問題がある。
すなわち、ゴム弾性体にアクリロニトリルブタジエンゴムを用いる場合、アクリロニトリルブタジエンゴムを配合したゴム組成物を熱処理し、熱硬化させる。ところが、ゴム組成物中に含まれるアクリロニトリルブタジエンゴムのアクリロニトリル含有量が高くなると、ゴム組成物を熱硬化したときにアクリロニトリルブタジエンゴムの架橋によってゴム弾性体表面の硬度が増加し、ゴム弾性体表面の柔軟性が損なわれるという問題が生じる。
表面の柔軟性が損なわれたゴム弾性体を用いた電子写真用部材を、例えば、中間転写ベルトとして適用した場合には、紙等の転写材にトナーを二次転写するときの二次転写性が低下したり、上記転写材における表面凹凸に追従し難くなったりする。また、表面の柔軟性が損なわれたゴム弾性体を用いた電子写真用部材を、例えば、現像ロールとして適用した場合には、ゴム弾性体表面がトナーにストレスを与えやすくなり、その結果、カブリ現象が生じやすくなる。
一方、ゴム弾性体表面の柔軟性が損なわれる問題を防ぐため、アクリロニトリル含有量の低いアクリロニトリルブタジエンゴムを用いる場合には、アクリロニトリルブタジエンゴムの架橋によるゴム弾性体表面の硬度の増加を抑制することができる。しかしながら、この場合は、ゴム弾性体表面が摩耗しやすくなり、耐摩耗性が低下するという問題が生じる。ゴム弾性体表面の耐摩耗性が低下すると、良好な画像を形成し難くなるなどの不具合が発生する。また、電子写真用部材の寿命も短くなるため、画像形成装置のメンテナンス回数が増えるなどの不都合につながる。
このように、アクリロニトリルブタジエンゴムを用いたゴム弾性体を有する電子写真用部材は、ゴム弾性体表面における硬度の増加抑制と耐摩耗性の向上との両立を図ることが難しい。
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、アクリロニトリルブタジエンゴムを用いたゴム弾性体表面における硬度の増加抑制と耐摩耗性の向上との両立を図ることが可能な電子写真用部材を提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、外部に表面が露出するゴム弾性体を有する電子写真用部材であって、
上記ゴム弾性体は、アクリロニトリル含有量が40質量%以下であるアクリロニトリルブタジエンゴムを含むマトリックスポリマーと、分子内にイソシアネート基を2個以上有する多価イソシアネートとを含有するゴム組成物の熱硬化物であり
記ゴム組成物におけるイソシアネート基含有量は0.4質量%〜10質量%の範囲内にあり、
上記ゴム組成物における上記マトリックスポリマーは、分子内にハロゲン原子を含有するハロゲン含有ポリマーを含むことを特徴とする電子写真用部材にある。
また、本発明の他の態様は、外部に表面が露出するゴム弾性体を有する電子写真用部材であって、
上記ゴム弾性体は、アクリロニトリル含有量が40質量%以下であるアクリロニトリルブタジエンゴムを含むマトリックスポリマーと、分子内にイソシアネート基を2個以上有する多価イソシアネートとを含有するゴム組成物の熱硬化物であり、
上記ゴム組成物におけるイソシアネート基含有量は、0.4質量%〜10質量%の範囲内にあり、
上記アクリロニトリルブタジエンゴムは、上記イソシアネート基と反応する官能基によって変性されておらず、
上記熱硬化物は、上記多価イソシアネート同士の自己架橋による架橋構造を有していることを特徴とする電子写真用部材にある。
上記一態様に係る電子写真用部材は、外部に表面が露出するゴム弾性体を有しており、そのゴム弾性体が、上記特定のゴム組成物の熱硬化物より構成されている。そのため、上記一態様に係る電子写真用部材は、アクリロニトリルブタジエンゴムを用いたゴム弾性体表面における硬度の増加抑制と耐摩耗性の向上との両立を図ることができる。
これは、上記構成を採用することにより、ゴム組成物の熱硬化時に、アクリロニトリルブタジエンゴムの過度な架橋が抑制されてゴム弾性体表面に適度な柔軟性が付与される一方、多価イソシアネート同士により自己架橋が生じ、この自己架橋による架橋構造によってゴム弾性体表面における耐摩耗性のレベル向上が図られるためであると推察される。
また、上記他の態様に係る電子写真用部材によっても、アクリロニトリルブタジエンゴムを用いたゴム弾性体表面における硬度の増加抑制と耐摩耗性の向上との両立を図ることができる。
実施例1の電子写真用部材を模式的に示した説明図である。 図1のII−II断面図である。 実施例2の電子写真用部材を模式的に示した説明図である。 図3のIV−IV断面図である。
上記電子写真用部材は、電子写真装置に用いられる部材である。電子写真装置としては、具体的には、帯電像を用いる電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリ、複合機、POD(Print On Demand)装置等の画像形成装置などを例示することができる。
上記電子写真用部材において、ゴム弾性体は、ゴム弾性を有しており、外部に表面が露出している。つまり、ゴム弾性体の表面は、電子写真用部材の表面を構成している。なお、ゴム弾性体の表面の外部への露出には、ゴム弾性体の表面に表面処理が施され、その表面処理されたゴム弾性体の表面が外部へ露出されている場合も含まれる。ゴム弾性体は、例えば、1つの層より構成されていてもよいし、2つ以上の層より構成されていてもよい。
上記電子写真用部材において、ゴム弾性体は、アクリロニトリル含有量が40質量%以下であるアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)を含むマトリックスポリマーと、分子内にイソシアネート基を2個以上有する多価イソシアネートとを含有するゴム組成物の熱硬化物である。
上記アクリロニトリルブタジエンゴムにおけるアクリロニトリル含有量は、ゴム組成物を熱硬化したときにおけるアクリロニトリルブタジエンゴムの架橋度合と関係の深い物性値である。上記アクリロニトリル含有量が40質量%を上回ると、ゴム組成物を熱硬化したときに過度なゴム架橋が生じてゴム弾性体表面が硬くなり過ぎ、ゴム弾性体表面の柔軟性が損なわれる。上記アクリロニトリル含有量は、ゴム弾性体表面の硬度増加を抑制する観点から、好ましくは39質量%以下、より好ましくは38質量%以下、さらに好ましくは37質量%以下、さらにより好ましくは36質量%以下とすることができる。なお、アクリロニトリル含有量の下限は、適度なゴム架橋が耐摩耗性の向上に役立つことから、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは18質量%以上とすることができる。上記アクリロニトリル含有量は、FT−NMR装置を用いて測定することができる。
上記多価イソシアネートは、ゴム弾性体表面における硬度増加を抑制しつつ、耐摩耗性のレベルを向上させるために重要な成分である。その詳細なメカニズムは明らかではないが、多価イソシアネート同士による自己架橋が関係しているものと考えられる。この自己架橋を促す観点から、多価イソシアネートは、分子内にイソシアネート基を2個以上有するものが適用される。多価イソシアネートは、ゴム弾性体表面における硬度増加を抑制しつつ、耐摩耗性のレベルを向上させることができる範囲内であれば、分子内のイソシアネート基の個数が特に限定されるものではない。
上記多価イソシアネートとしては、例えば、脂肪族、脂環族または芳香族の多価イソシアネートあるいはこれら多価イソシアネートのイソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体等の誘導体などを例示することができ、具体的には、脂肪族、脂環族または芳香族のジイソシアネートあるいはこれらジイソシアネートのイソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体等の誘導体などを例示することができる。
上記多価イソシアネートとしては、より具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)系、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)系、キシレンジイソシアネート(XDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)系、水添キシレンジイソシアネート(H6XDI)、水添キシレンジイソシアネート(H6XDI)系、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)系、トリレンジイソシアネート(TDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)系、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)系、これらのイソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体等の誘導体等を例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。なお、上記にいう「系」は、ベースとなるイソシアネートが同じである多価イソシアネート、そのイソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体等の誘導体を包括的に含む意味である。つまり、例えば、「ヘキサメチレンジイソシアネート系」の場合であれば、ヘキサメチレンジイソシアネートをベースにした各種の多価イソシアネート、そのイソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体等の誘導体が含まれる。他についても同様である。
上記多価イソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート系、イソホロンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート系、キシレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート系、水添キシレンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート系、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート系、トリレンジイソシアネート、および、トリレンジイソシアネート系から選択される1種または2種以上とすることができる。この場合は、ゴム弾性体表面における柔軟性と耐摩耗性とのバランスが良好である。
上記多価イソシアネ−トは、イソシアネ−ト基がブロック剤にてブロックされたブロック多価イソシアネ−トを好適に用いることができる。ブロック多価イソシアネ−トは、イソシアネート基がブロック剤により保護されているため、常温での反応性が非ブロック多価イソシアネ−トに比べて低くなっている。そのため、ブロック多価イソシアネ−トは、電子写真用部材の製造環境における湿気や製造時間の長さによる劣化などが起こり難く、好適に使用することができる。なお、ブロック剤は、ゴム組成物の熱硬化時に加えられる熱によって解離し、活性なイソシアネート基が再生される。また、ブロック剤としては、例えば、アルコ−ル系、フェノ−ル系、活性メチレン系、メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド系、イミダゾ−ル系、尿素系、オキシム系、アミン系、イミド系化合物、ピリジン系化合物などを例示することができる。
上記ゴム組成物は、イソシアネート基含有量が0.4質量%〜10質量%の範囲内にある。ゴム組成物におけるイソシアネート基含有量が0.4質量%未満になると、ゴム弾性体表面における耐摩耗性の向上を図ることが難くなる。これは、多価イソシアネート同士による自己架橋が十分に生じず、上記自己架橋による架橋構造が少なくなるためであると考えられる。ゴム組成物におけるイソシアネート基含有量は、ゴム弾性体表面における耐摩耗性の向上の観点から、好ましくは0.45質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは0.55質量%以上、さらにより好ましくは0.6質量%以上とすることができる。一方、ゴム組成物におけるイソシアネート基含有量が10質量%を超えると、ゴム弾性体表面における硬度が増加し、柔軟性が低下する傾向が見られる。これは、多価イソシアネート同士による自己架橋が過度に多くなるためであると考えられる。この場合は、アクリロニトリルブタジエンゴムのアクリロニトリル含有量を40質量%以下に規制する意義が薄れる。ゴム組成物におけるイソシアネート基含有量は、ゴム弾性体表面の柔軟性向上の観点から、好ましくは9.5質量%以下、より好ましくは9質量%以下、さらに好ましくは8.7質量%以下とすることができる。なお、上記ゴム組成物におけるイソシアネート基含有量(質量%)は、[マトリックスポリマー中のゴム成分100質量部に対する多価イソシアネートの固形分添加量(質量部)]×[多価イソシアネートの有効NCO量(質量%)]から算出することができる。上記有効NCOは、多価イソシアネートにおける熱硬化時に反応可能なイソシアネート基のことを意味し、上記有効NCO量は、電位差滴定によって求めることができる。また、多価イソシアネートの添加量は、上記ゴム組成物におけるイソシアネート基含有量が上述の範囲内となるように、多価イソシアネートの種類等を考慮して決定することができる。
上記一態様に係る電子写真用部材において、上記ゴム組成物におけるマトリックスポリマーは、分子内にハロゲン原子を含有するハロゲン含有ポリマーを含む。一方、上記他の態様に係る電子写真用部材において、上記ゴム組成物におけるマトリックスポリマーは、分子内にハロゲン原子を含有するハロゲン含有ポリマーを含むことができる。
上記構成によれば、ゴム弾性体に難燃性を付与することができるので、難燃性を有する電子写真用部材を得ることができる。また、ゴム弾性体に難燃性を付与する方法としては、ゴム弾性体中に各種の無機系難燃剤や有機系難燃剤を添加する方法がある。しかし、無機系難燃剤を用いて十分な難燃性を発揮させるためには、有機系難燃剤を用いる場合に比較して多量の添加が必要となる。ゴム弾性体中に無機系難燃剤が多量に添加されると、ゴム弾性体表面が硬くなり、ゴム弾性体表面の柔軟性が低下する。これに対して、マトリックスポリマーとしてハロゲン含有ポリマーを含む場合は、無機難燃剤の使用量を低減あるいは用いなくても、ポリマー成分であるハロゲン含有ポリマーによって難燃性を確保することができ、ゴム弾性体表面の硬度増加を抑制するのに有利である。
ハロゲン含有ポリマーは、Cl、F、Br、Iなどのハロゲン原子を1種または2種以上含有することができる。ハロゲン原子は、難燃効果、生産性などの観点から、好ましくは、Clであるとよい。
ハロゲン含有ポリマーとしては、具体的には、例えば、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、塩素化ブチルゴム(CIIR)などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。ハロゲン含有ポリマーは、ゴム弾性体表面の柔軟性向上に有利であるなどの観点から、ハロゲン含有ゴムを含むことが好ましい。具体的には、ハロゲン含有ポリマーには、少なくともクロロプレンゴムが含まれていることが好ましく、より好ましくは、ハロゲン含有ポリマーはクロロプレンゴムであるとよい。クロロプレンゴムは、自己消化性を有しているので、ゴム弾性体表面の柔軟性向上に加え、難燃効果も高まるためである。
上記ゴム組成物がハロゲン含有ポリマーを含有している場合、全マトリックスポリマー成分に対するハロゲン含有ポリマーの含有量は、30〜85質量%の範囲内とすることができる。上記ハロゲン含有ポリマーの含有量が30質量%以上である場合は、このハロゲン含有ポリマーによる難燃効果によって無機難燃剤の使用量を抑制しつつ、ゴム弾性体表面の硬度増加を抑制するのに有利である。また、上記ハロゲン含有ポリマーの含有量が85質量%以下である場合は、ゴム組成物中に十分なアクリロニトリルブタジエンゴムを確保しやすく、良好な耐摩耗性を確保しやすくなる。上記ハロゲン含有ポリマーの含有量は、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上である。また、上記ハロゲン含有ポリマーの含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。
上記ゴム組成物は、マトリックスポリマーとして、他にも、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、必要に応じて、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、シリコーンゴム(Q)などの各種ゴム成分を含むことができる。これらは1種または2種以上併用することができる。
上記ゴム組成物は、必要に応じて、導電剤、難燃剤、粗さ形成用粒子、架橋剤、レベリング剤、可塑剤、軟化剤、滑剤、充填剤などの各種添加剤を1種または2種以上含むことができる。
上記導電剤は、イオン導電剤、電子導電剤のいずれであってもよく、双方を含むこともできる。導電剤は、好ましくは、均一な体積電気抵抗が得られやすいなどの観点から、イオン導電剤であるとよい。イオン導電剤としては、具体的には、例えば、第四級アンモニウム塩、リン酸エステル、スルホン酸塩、脂肪族多価アルコール、脂肪族アルコールサルフェート、イオン液体などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。電子導電剤としては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素系導電材料、アルミニウム粉末、ステンレス粉末等の金属粉末材料、導電性酸化亜鉛(c−ZnO)、導電性酸化チタン(c−TiO)、導電性酸化鉄(c−Fe)、導電性酸化錫(c−SnO)等の導電性金属酸化物などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。
上記難燃剤は、有機系難燃剤、無機系難燃剤のいずれであってもよく、双方を含むこともできる。上記難燃剤としては、比較的少ない添加量で難燃効果が得られ、ゴム弾性体の柔軟性を損ない難いなどの観点から、有機系難燃剤を好適に用いることができる。また、有機系難燃剤および無機系難燃剤の双方を用いた場合には、比較的低廉に難燃効果を付与することができる利点がある。
上記有機系難燃剤としては、具体的には、例えば、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノール−Aおよびその誘導体、ビス(ペンタブロモフェニル)エタン等の多ベンゼン環化合物、臭素化ポリスチレンおよびポリ臭素化スチレン等の臭素系難燃剤や、芳香族リン酸エステル類、芳香族縮合リン酸エステル類、含ハロゲンリン酸エステル類、含ハロゲン縮合リン酸エステル類、フォスファゼン誘導体等のリン系難燃剤などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。上記無機系難燃剤としては、具体的には、例えば、三酸化アンチモンや五酸化アンチモン等のアンチモン系難燃剤や、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の金属水酸化物系難燃剤などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。
上記粗さ形成用粒子としては、具体的には、例えば、樹脂粒子、無機粒子などを用いることができる。粗さ形成用粒子としては、好ましくは、ゴム弾性体表面の硬度増加を抑制しやすく、トナーにストレスを与え難いなどの観点から、樹脂粒子を好適に用いることができる。樹脂粒子としては、例えば、ポリウレタン樹脂粒子、(メタ)アクリル樹脂粒子、ポリアミド樹脂粒子などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。
上記ゴム組成物が、有機系難燃剤および/または無機系難燃剤を含んでいる場合、有機系難燃剤は、全マトリックスポリマー成分100質量部に対して40質量部未満とすることができ、無機系難燃剤は、全マトリックスポリマー成分100質量部に対して100質量部未満とすることができる。
上記有機系難燃剤が、全マトリックスポリマー成分100質量部に対して40質量部未満である場合には、有機系難燃剤のゴム弾性体表面へのブリードを抑制しやすくなる。そのため、この場合は、電子写真装置内に組み込まれている他部材を、ブリードした有機系難燃剤によって汚染し難くなる利点がある。有機系難燃剤は、全マトリックスポリマー成分100質量部に対して、好ましくは38質量部以下、より好ましくは35質量部以下とすることができる。なお、添加による難燃効果を得る観点から、有機系難燃剤は、全マトリックスポリマー成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上とすることができる。
上記無機系難燃剤が、全マトリックスポリマー成分100質量部に対して100質量部未満である場合には、ゴム弾性体表面を比較的柔軟に保つのに有利である。無機系難燃剤は、全マトリックスポリマー成分100質量部に対して、好ましくは95質量部以下、より好ましくは90質量部以下、さらに好ましくは80質量部以下とすることができる。なお、添加による難燃効果を得る観点から、無機系難燃剤は、全マトリックスポリマー成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは25質量部以上、さらに好ましくは30質量部以上とすることができる。
上記ゴム弾性体の厚みは、柔軟性、難燃性、反り、耐摩耗性、用途などを考慮して決定することができる。電子写真用部材を後述するベルト部材として構成する場合に、ゴム弾性体の厚みは、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上、さらにより好ましくは30μm以上とすることができる。一方、ゴム弾性体の厚みは、好ましくは500μm以下、より好ましくは400μm以下、さらに好ましくは300μm以下とすることができる。また、電子写真用部材を後述するロール部材として構成する場合に、ゴム弾性体の厚みは、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは3μm以上、さらにより好ましくは5μm以上とすることができる。一方、ゴム弾性体の厚みは、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは30μm以下とすることができる。
上記電子写真用部材は、具体的には、例えば、筒状に形成された樹脂製の基層と、基層の外周に積層された層状の上記ゴム弾性体とを有する構成とすることができる。
この場合は、筒状の基層の外周に積層されたゴム弾性体表面における硬度の増加抑制と耐摩耗性の向上との両立が図られたベルト部材を得ることができる。このような構成の電子写真用部材は、より具体的には、電子写真方式の画像形成装置に組み込まれる中間転写ベルトとして好適に用いることができる。なお、中間転写ベルトは、潜像担持体に担持されたトナー像をベルト表面に一次転写させた後、このトナー像をベルト表面から用紙等の転写材へ二次転写させるために、画像形成装置に組み込まれている無端ベルトである。この場合は、ゴム弾性体表面が過度に硬くならず適度な柔軟性を有するので、トナーの二次転写性が良好となり、未転写部分や白点画像の画像不具合のない画像形成に有利である。
上記基層を形成するための樹脂としては、例えば、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。基層の樹脂は、好ましくは、ポリイミドおよびポリアミドイミドから選択される1種または2種以上を含んでいるとよい。この場合には、基層の剛性が高くなるため、ベルト状に構成される電子写真用部材の耐久性を向上させることができる。
なお、上記基層は、必要に応じて、導電剤、難燃剤、架橋剤、レベリング剤、充填剤、酸化防止剤などの各種添加剤を1種または2種以上含むことができる。導電剤としては、上述した電子導電剤などを好適に用いることができる。また、基層の筒径、厚みは、用途(例えば、画像形成装置の機種、大きさ等)に応じて適宜決定することができる。基層の筒径は、例えば、120mm〜1000mm程度とすることができる。基層の厚みは、例えば、30μm〜200μm程度とすることができる。
上記電子写真用部材は、電子写真方式の画像形成装置に組み込まれる中間転写ベルト以外にも、電子写真方式の画像形成装置に組み込まれる現像部材、帯電部材などとして適用することも可能である。具体的には、例えば、上記電子写真用部材は、軸体と、軸体の外周に沿って形成されたゴム基層と、ゴム基層の外周に積層された層状の上記ゴム弾性体とを有する構成、軸体と、軸体の外周に沿って形成された層状の上記ゴム弾性体とを有する構成などとすることができる。この場合は、ゴム弾性体表面における硬度の増加抑制と耐摩耗性の向上との両立が図られたロール部材を得ることができる。また、前者の構成の場合には、ベースとなるゴム基層を有しているので、ゴム弾性体と異なる材質を選択しやすくなり、ゴム基層とゴム弾性体との機能分離によりロールの機能性をより向上させやすくなる利点がある。このような構成の電子写真用部材は、より具体的には、電子写真方式の画像形成装置に組み込まれる現像ロール、帯電ロールなどとして好適に用いることができる。
なお、上記ゴム基層を主に構成するゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ブタジエンゴム、ヒドリンゴム、ニトリルゴムなどを例示することができる。上記ゴム材料には、上述した導電剤、充填剤、増量剤、補強材、加工助剤、硬化剤、加硫促進剤、架橋剤、架橋助剤、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料、シリコーンオイル、助剤、界面活性剤などの各種添加剤を適宜添加することができる。ゴム基層の厚みは、例えば、0.1〜10mm程度、好ましくは1〜5mm程度とすることができる。
上記電子写真用部材において、ゴム弾性体表面は、表面処理によって改質することができる。具体的には、ゴム弾性体表面は、表面処理によってゴム弾性体の内部よりもタック性が低くされているとよい。このような状態は、例えば、表面処理液による表面処理によってゴム弾性体表面にF原子および/またはCl原子を存在させる、あるいは、ゴム弾性体表面に紫外線照射処理などの光照射処理を施すことなどによって実現することができる。
この場合は、ゴム弾性体表面にトナーが固着し難くなるので、電子写真用部材としての機能性が向上する。なお、上記タック性の高低は、表面摩擦係数やタックテスタ等により判断することができる。
ゴム弾性体表面にF原子および/またはCl原子を存在させるためには、例えば、一般式:X(OCl)n(但し、Xは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子またはアルキル基を表し、nは正の整数)で表される塩素化合物および分子内に−CONCl−構造を有する塩素化合物から選択される1種または2種以上を含有する表面処理液、この表面処理液にさらにBFを含有させた表面処理液などにより、ゴム弾性体表面を表面処理する方法などを例示することができる。
アルカリ金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどを、アルカリ土類金属原子としては、例えば、マグネシウムやカルシウムなどを、アルキル基としてはメチル基、エチル基、第三級ブチル基、トリフルオロメチル基などを例示することができる。
上記一般式で表される化合物としては、具体的には、例えば、メチルハイポクロライド、エチルハイポクロライド、第三級ブチルハイポクロライド、トリフルオロメチルハイポクロライド等のアルキルハイポクロライド、次亜塩素酸、さらに次亜塩素酸リチウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸マグネシウム、次亜塩素酸カリウム等の次亜塩素酸塩などを例示することができる。また、上記分子内に−CONCl−構造を有する塩素化合物としては、具体的には、例えば、N−クロロスクシンイミドやN−クロロフタルイミド等の酸イミドハロゲン化合物、トリクロロイソシアヌル酸やジクロロイソシアヌル酸等のイソシアヌル酸ハライド、ジクロロジメチルヒダントイン等のハロゲン化ヒダントインなどを例示することができる。なお、表面処理液は、水やトルエン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ヘキサン、メタノール、エタノール、プロパノール、第三級ブタノール、イソプロピルアルコール、ジエチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン等の適用な溶媒に上記化合物を溶解もしくは分散することにより液状に調製することができる。
実施例に係る電子写真用部材について、図面を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
図1、図2に示すように、電子写真用部材1は、外部に表面が露出するゴム弾性体3を有している。本例の電子写真用部材1は、具体的には、電子写真方式の画像形成装置に組み込まれるベルト部材として構成されており、中間転写ベルトとして使用される。本例の電子写真用部材1は、より具体的には、筒状に形成された樹脂製の基層2と、基層2の外周に積層された層状のゴム弾性体3とから構成される二層構造を有している。基層2は、電子導電剤を含むポリアミドイミドから形成されており、電子導電性を有している。
ここで、ゴム弾性体3は、アクリロニトリル含有量が40質量%以下であるアクリロニトリルブタジエンゴムを含むマトリックスポリマーと、分子内にイソシアネート基を2個以上有する多価イソシアネートとを含有するゴム組成物の熱硬化物であり、上記ゴム組成物におけるイソシアネート基含有量は0.4質量%〜10質量%の範囲内にある。本例では、ゴム組成物におけるマトリックスポリマーは、分子内にハロゲン原子を含有するハロゲン含有ポリマーとしてのクロロプレンゴムを含有し得る。
また、ゴム組成物における多価イソシアネ−トは、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート系、イソホロンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート系、キシレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート系、水添キシレンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート系、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート系、トリレンジイソシアネート、および、トリレンジイソシアネート系から選択される1種または2種以上である。これら多価イソシアネ−トは、ゴム組成物を液状としたときの安定性の面等から、イソシアネ−ト基がブロック剤にてブロックされたブロック多価イソシアネ−トとすることができる。
以下、異なる構成のゴム弾性体を有する電子写真用部材としてのベルト部材の試料Bを複数作製し、各種評価を行った。その実験例について説明する。
(実験例1)
<基層形成用材料の調製>
ポリアミドイミド(PAI)(東洋紡績(株)製「バイロマックスHR−16NN」)100質量部と、カーボンブラック(電気化学工業(株)製「デンカブラック」)10質量部と、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)800質量部とを混合することにより基層形成用材料を調製した。なお、基層形成用材料は、液状であり、粘度は、10,000mPa・s(25℃、B型粘度計の測定値)程度に調整した。また、この基層形成用材料は、実験例1における各試料Bの作製において共通に使用するものである。
<ゴム弾性体の形成に用いるゴム組成物の調製>
ゴム組成物に用いる各材料として以下のものを準備した。
−マトリックスポリマー−
・アクリロニトリルブタジエンゴム(1)(アクリロニトリル含有量:15質量%)(JSR(株)製、「N260S」)
・アクリロニトリルブタジエンゴム(2)(アクリロニトリル含有量:35質量%)(JSR(株)製、「N230S」)
・アクリロニトリルブタジエンゴム(3)(アクリロニトリル含有量:41質量%)(JSR(株)製、「N220S」)
・アクリロニトリルブタジエンゴム(4)(アクリロニトリル含有量:48質量%)(JSR(株)製、「N215SL」)
・クロロプレンゴム(電気化学工業(株)製、「デンカクロロプレンDCR−75」)
−多価イソシアネート−
・多価イソシアネート(1)(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートブロック化体、有効NCO量15.6質量%)(三井化学(株)製、「タケネートB882N」)
・多価イソシアネート(2)(イソホロンジイソシアネートブロック化体、有効NCO量20.9質量%)(三井化学(株)製、「タケネートB870」)
・多価イソシアネート(3)(水添キシレンジイソシアネートブロック化体、有効NCO量13.8質量%)(三井化学(株)製、「タケネートB842」)
・多価イソシアネート(4)(ジフェニルメタンジイソシアネートブロック化体、有効NCO量7.4質量%)(日本ポリウレタン(株)製、「コロネート2512」)
・多価イソシアネート(5)(トリレンジイソシアネートブロック化体、有効NCO量12.7質量%)(三井化学(株)製、「タケネートB830」)
−有機系難燃剤−
・トリメチルホスフェート(大八化学工業(株)製、「TMP」)
−樹脂架橋剤−
・フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC(株)製、「EPICLON N−775」)
−イオン導電剤−
・ポリアルキレングリコール化合物と過塩素酸リチウムの複合物(日本カーリット(株)製、「PEL−20A」)
次いで、上記マトリックスポリマーを、後述の表1および表2に示す各配合割合(質量部)で混練した。その後、得られたゴム混練物を溶剤(トルエン)に溶解させた後、表1および表2に示す各配合割合で他の配合材料をそれぞれ添加し、混合した。これにより試料B1〜B21のベルト部材のゴム弾性体の形成に用いる各ゴム組成物を調製した。なお、各ゴム組成物は、固形分量の4倍の溶剤(トルエン)にて希釈し、液状に調製した。
<ベルト部材試料の作製>
基体として、アルミニウム製の円筒状金型を準備した。また、2つのノズルを有するディスペンサ(液体定量吐出装置)を準備した。このディスペンサのノズルは、内径φ=1mmのニードルノズルである。次いで、上記調製した基層形成用材料とゴム組成物とを、それぞれ別のエアー加圧タンクに収容し、金型の外周面とノズルとのクリアランスを1mmとして、金型およびノズルをセットした。次いで、金型を垂直にした状態で、回転数200rpmで軸中心に回転させながら、基層形成用材料を吐出するノズルを、1mm/secの移動速度で軸方向下方に移動させるとともに、エアー加圧タンクに0.4MPaの圧力をかけて基層形成用材料をノズルに圧送し、ノズルから基層形成用材料を吐出させ、金型の外周面上にらせん状に塗工し、らせん状塗膜の連続体からなる全体塗膜を形成した。次いで、形成された全体塗膜に対して、2時間で250℃まで昇温し、250℃で1時間保持するという条件にて熱処理を施した。これにより、金型の外周面上に、筒状に形成されたポリアミドイミド製の基層(厚み80μm、筒径φ320mm)を形成した。
次に、上記基層が形成された金型を、回転数200rpmで軸中心に回転させながら、ゴム組成物を吐出するノズルを、1mm/secの移動速度で軸方向下方に移動させるとともに、エアー加圧タンクに0.8MPaの圧力をかけてゴム組成物をノズルに圧送し、ノズルからゴム組成物を吐出させ、金型の外周面上にある基層の表面にらせん状に塗工し、らせん状塗膜の連続体からなる全体塗膜を形成した。次いで、形成された全体塗膜を130℃で30分間保持して溶剤を揮発させた。その後、2時間で170℃まで昇温し、170℃で30分間保持するという条件で熱処理を施して硬化させた。これにより、筒状の基層の外周面に沿って、層状のゴム弾性体(厚み200μm)を積層した。
次に、ゴム弾性体の表面に、下記の表面処理(1)または表面処理(2)を施した。すなわち、後述の表1および表2に示すように、試料B3以外の試料の作製時には、次の手順に従って表面処理(1)を実施した。
紫外線照射機(アイグラフィックス(株)製、「UB031−2A/BM」(水銀ランプ形式))を用いて、ゴム弾性体表面に対して、周速570〜590mm/secでベルトを回転させながら、照射強度120mW/cm、照射時間30秒、光源とゴム弾性体表面との距離40mmという条件にて紫外線を照射した。
また、後述の表1に示すように、試料B3の作製時には、次の手順に従って表面処理(2)を実施した。
トリクロロイソシアヌル酸:2質量部と、酢酸エチル:9.8質量部と、ターシャリーブチルアルコール(TBA):88.2質量部とを混合し、表面処理液(固形分:2%)を調製した。次いで、大気雰囲気中、室温下にて、反応時間30秒となるように、ゴム弾性体表面に上記表面処理液をローラー塗工した後、水で洗浄し、エアブローにより水滴を除去した。
次に、基層の一端縁と金型の外周面との間に高圧エアーを吹き込むことにより、基層と金型とを分離した。以上のようにして、電子写真用部材としての試料B1〜試料B21のベルト部材を作製した。
<難燃性>
実験例1で作製した各ベルト部材は、画像形成装置における中間転写ベルトとして組み込むことができるように構成されている。中間転写ベルトは、比較的大型な部材であり、難燃性が要求されることが多い。そのため、参考データとして、各試料Bのベルト部材について、難燃性の調査を以下のようにして実施した。
すなわち、米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ・INC.(UL)が規定したUL規格94(第5版、第11章)に準じたVTM燃焼性試験を行なった。具体的には、試料Bのベルト部材より切り出したフィルム状の試験片(n数:3本)を円筒状に巻き、クランプする側の端部から反対側の端部に向かって75mmの位置まで粘着テープにて固定し、この状態の試験片をクランプに垂直に取り付け、20mmの炎による3秒間の接炎を2回行ない、その燃焼挙動を後述の表3に示す判定条件に従って判定した。なお、表3から明らかなように、VTM−0が最も優れた難燃性を示すものであり、以下、VTM−1、VTM−2となり、VTM−2を超える場合は難燃性を有さずNotとなる。
<画像評価(二次転写性)>
試料Bのベルト部材を、電子写真方式を採用するデジタルフルカラー複合機((株)リコー製、「ImagioMP C5001」)の中間転写ベルトとして組み込み、23.5℃×53%RHの環境下にて、さざ波紙(A4紙)を用いて画像出力(テストパターン印刷)を行った。得られた画像を目視で観察し、未転写部分および白点画像の画像不具合が認められなかった場合を、二次転写性に優れるとして「A」とした。未転写部分または白点画像が僅かに認められたが、画像形成上、許容範囲内であった場合を、二次転写性が良好であるとして「B」とした。未転写部分または白点画像の画像不具合が認められた場合を、二次転写性が悪いとして「C」とした。なお、ゴム弾性体表面の硬度の増加が抑制され、ゴム弾性体表面に適度な柔軟性がある場合には、二次転写性が良化する。一方、ゴム弾性体表面の硬度が過度に増加し、ゴム弾性体表面の柔軟性が損なわれた場合には、二次転写性が悪化する。また、ゴム弾性体表面における耐摩耗性のレベルが低くなると、ゴム弾性体表面が摩耗によって削れ、これに起因して二次転写性が悪化する。
<耐摩耗性>
試料Bのベルト部材から大きさ110mm角の試験片を採取した。次いで、テーバー式アブレーションテスター((株)安田精機製作所製)を用い、回転数70rpmで回転する試験片上に、上記テスターの摩耗輪を一定荷重500gで押し付け、回転回数3000回の摩耗試験を行った後の摩耗減量を測定した。この摩耗減量が20mg以下の場合を、耐摩耗性のレベル向上が図られており、十分な耐摩耗性を有するとして「A」とした。上記摩耗減量が20mgを上回る場合を、耐摩耗性のレベル向上が図られていないとして「C」とした。
表1および表2に、作製した試料Bのベルト部材の詳細な構成、評価結果をまとめて示す。また、表3に、上記難燃性試験の判定条件を示す。
Figure 0006216247
Figure 0006216247
Figure 0006216247
表1〜表3によれば、以下のことがわかる。
すなわち、試料B17のベルト部材におけるゴム弾性体は、アクリロニトリル含有量が40質量%以下であるアクリロニトリルブタジエンゴムが樹脂架橋剤で架橋されている。しかしながら、ゴム弾性体を形成するためのゴム組成物中には多価イソシアネートが全く配合されていない。そのため、試料B17のベルト部材は、摩耗減量が20mgを上回り、耐摩耗性のレベル向上を図ることができなかった。
試料B18および試料B19のベルト部材は、ゴム弾性体を形成するためのゴム組成物のマトリックスポリマーとして、アクリロニトリル含有量が40質量%を超えるアクリロニトリルブタジエンゴムを用いている。そのため、試料B18および試料B19のベルト部材は、アクリロニトリルブタジエンゴムの結晶性が高くなってゴム弾性体表面の硬度が増加し、ゴム弾性体表面の柔軟性が損なわれ、二次転写性が悪かった。
試料B20のベルト部材は、ゴム弾性体を形成するためのゴム組成物におけるイソシアネート基含有量が0.4質量%未満である。そのため、試料B20のベルト部材は、摩耗減量が20mgを上回り、耐摩耗性のレベル向上を図ることができなかった。これは、多価イソシアネート同士による自己架橋が十分に生じず、自己架橋による架橋構造が少なかったためであると考えられる。また、ゴム弾性体表面における耐摩耗性のレベル向上が図られていないため、ゴム弾性体表面が摩耗によって削れ、これに起因して二次転写性も悪かった。
試料B21のベルト部材は、ゴム弾性体を形成するためのゴム組成物におけるイソシアネート基含有量が10質量%を超えている。そのため、試料B21のベルト部材は、ゴム弾性体表面における硬度が増加し、ゴム弾性体表面の柔軟性が損なわれ、二次転写性が悪かった。これは、多価イソシアネート同士による自己架橋が過度に多くなったためと考えられる。
これらに対し、試料B1〜試料B16のベルト部材は、ゴム弾性体が、アクリロニトリル含有量が40質量%以下であるアクリロニトリルブタジエンゴムを含むマトリックスポリマーと、分子内にイソシアネート基を2個以上有する多価イソシアネートとを含有するゴム組成物の熱硬化物であり、ゴム組成物におけるイソシアネート基含有量が0.4質量%〜10質量%の範囲内にある。
そのため、試料B1〜試料B16のベルト部材は、アクリロニトリルブタジエンゴムを用いたゴム弾性体表面における硬度の増加抑制と耐摩耗性の向上との両立を図ることができた。これは、上記構成を採用することにより、ゴム組成物の熱硬化時に、アクリロニトリルブタジエンゴムの過度な架橋が抑制されてゴム弾性体表面に適度な柔軟性が付与される一方、多価イソシアネート同士により自己架橋が生じ、この自己架橋による架橋構造によってゴム弾性体表面における耐摩耗性のレベル向上が図られたためであると考えられる。
また、試料B1〜試料B11、試料B14〜B16のベルト部材は、ゴム弾性体を形成するためのゴム組成物におけるマトリックスポリマーとして、アクリロニトリルブタジエンゴム以外にハロゲン含有ポリマーであるクロロプレンゴムを含んでいる。そのため、これらのベルト部材は、無機難燃剤を用いなくても、ポリマー成分であるハロゲン含有ポリマーによって難燃性を確保することができ、ゴム弾性体表面の硬度増加も抑制することができた。とりわけ、試料B12〜試料B16のベルト部材の比較からわかるように、ゴム組成物における全マトリックスポリマー成分に対するハロゲン含有ポリマーの含有量が30〜85質量%の範囲内である場合は、ハロゲン含有ポリマーによって難燃効果が向上する。そのため、無機難燃剤の使用量を抑制しつつ、ゴム弾性体表面の硬度増加を抑制するのに有利であるといえる。したがって、試料B1〜試料B11、試料B14〜B16のベルト部材は、難燃性が要求される画像形成装置の中間転写ベルトに特に適しているといえる。
(実施例2)
図3、図4に示すように、電子写真用部材1は、外部に表面が露出するゴム弾性体3を有している。本例の電子写真用部材1は、具体的には、電子写真方式の画像形成装置に組み込まれるロール部材として構成されており、現像ロールとして使用される。本例の電子写真用部材1は、より具体的には、軸体4と、軸体4の外周に沿って形成されたゴム基層5と、ゴム基層5の外周に積層された層状のゴム弾性体3とを有している。軸体4は、金属製の芯金であり、その両端部は、ゴム弾性体3の両端面から突出した状態とされている。ゴム基層5は、導電性シリコーンゴムより構成されている。
ここで、ゴム弾性体3は、アクリロニトリル含有量が40質量%以下であるアクリロニトリルブタジエンゴムを含むマトリックスポリマーと、分子内にイソシアネート基を2個以上有する多価イソシアネートとを含有するゴム組成物の熱硬化物であり、上記ゴム組成物におけるイソシアネート基含有量は0.4質量%〜10質量%の範囲内にある。
また、ゴム組成物における多価イソシアネ−トは、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート系、イソホロンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート系、キシレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート系、水添キシレンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート系、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート系、トリレンジイソシアネート、および、トリレンジイソシアネート系から選択される1種または2種以上である。これら多価イソシアネ−トは、ゴム組成物を液状としたときの安定性の面等から、イソシアネ−ト基がブロック剤にてブロックされたブロック多価イソシアネ−トとすることができる。
以下、異なる構成のゴム弾性体を有する電子写真用部材としてのロール部材の試料Rを複数作製し、各種評価を行った。その実験例について説明する。
(実験例2)
<ゴム弾性体の形成に用いるゴム組成物の調製>
クロロプレンゴム、有機系難燃剤以外は実験例1と同様にして、ゴム組成物に用いるマトリックスポリマー、多価イソシアネート、樹脂架橋剤、イオン導電剤を準備した。さらに、粗さ形成用粒子として以下のものを準備した。
−粗さ形成用粒子−
・ポリウレタン樹脂粒子(大日精化工業(株)製、「ダイミックビーズUCN−5070D」)
次いで、上記マトリックスポリマーを、後述の表4に示す各配合割合(質量部)で混練した。その後、得られたゴム混練物を溶剤(MEK)に溶解させた後、表4に示す各配合割合で他の配合材料をそれぞれ添加し、混合した。これにより試料R1〜R12のベルト部材のゴム弾性体の形成に用いる各ゴム組成物を調製した。なお、各ゴム組成物は、固形分量の6倍の溶剤(MEK)にて希釈し、液状に調製した。
<ロール部材試料の作製>
導電性シリコーンゴム(信越化学工業社製、「X−34−264A/B、混合質量比A/B=1/1」)をスタティックミキサーにて混合することにより、ゴム基層材料を調製した。次いで、軸体として、直径6mmの中実円柱状の鉄製芯金を準備し、芯金の外周面に接着剤を塗布した。この軸体をロール成形用金型の中空空間にセットした後、上記調製したゴム基層材料を中空空間に注入し、190℃で30分間加熱して硬化させ、脱型した。これにより、軸体の外周に沿って、導電性シリコーンゴムよりなるロール状のゴム基層(厚み3mm)を形成した。
次いで、上記ゴム基層の外周面に、ロールコート法により、上記調製した液状の各ゴム組成物を塗工した後、150℃で60分間加熱して硬化させ、層状の各ゴム弾性体(厚み15μm)を形成した。
次いで、実験例1と同様にして、ゴム弾性体の表面に表面処理(1)を施した。以上のようにして、電子写真用部材としての試料R1〜試料R12のロール部材を作製した。
<画像評価(耐カブリ)>
試料Rのロール部材を、電子写真方式を採用するカラーレーザープリンター((株)リコー製、「IPSiO SP C310」)の現像ロールとして組み込み、15℃×10%RHの環境下にて、10000枚の印字テストを行った。当該印字テストによる耐久後、32℃×80%RHの環境下にて、白地画像を印刷した時の白色部を目視にて観察した。イメージがない箇所にトナーが飛んでいるカブリ現象が認められなかった場合を、耐カブリ性に優れるとして「A」とした。カブリ現象が軽微に認められたが、画像形成上、許容範囲内であった場合を、耐カブリ性が良好であるとして「B」とした。カブリ現象が顕著に認められた場合を、耐カブリ性に劣るとして「C」とした。なお、ゴム弾性体表面の硬度の増加が抑制され、ゴム弾性体表面に適度な柔軟性がある場合には、ゴム弾性体表面がトナーにストレスを与え難いため、耐カブリ性が良化する。一方、ゴム弾性体表面の硬度が過度に増加し、ゴム弾性体表面の柔軟性が損なわれた場合には、ゴム弾性体表面がトナーにストレスを与えやすくなるため、耐カブリ性が悪化する。
<耐摩耗性>
試料Rのロール部材から試験片を採取した以外は、実験例1と同様にして、耐摩耗性を評価した。
<画像評価(耐スジ、耐カスレ)>
上記印字テストによる耐久後、ベタ画像を印刷した。ゴム弾性体表面における耐摩耗性のレベルが低くなると、ゴム弾性体表面が摩耗によって削れ、耐久後のベタ画像にスジやカスレが生じやすくなる。当該ベタ画像にスジやカスレが見られなかった場合を、ゴム弾性体表面の耐摩耗性が十分に向上し、長期にわたって優れた画像を形成できるとして「A」とした。ベタ画像にスジやカスレが軽微に認められたが、画像形成上、許容範囲内であった場合を、ゴム弾性体表面の耐摩耗性が向上し、長期にわたって良好な画像を形成できるとして「B」とした。ベタ画像にスジやカスレが顕著に認められた場合を、ゴム弾性体表面の耐摩耗性が不十分であり、画像不良が発生するとして「C」とした。
表4に、作製した試料Rのロール部材の詳細な構成、評価結果をまとめて示す。
Figure 0006216247
表4によれば、以下のことがわかる。
すなわち、試料R9のロール部材におけるゴム弾性体は、アクリロニトリル含有量が40質量%以下であるアクリロニトリルブタジエンゴムが樹脂架橋剤で架橋されている。しかしながら、ゴム弾性体を形成するためのゴム組成物中には多価イソシアネートが全く配合されていない。そのため、試料R9のロール部材は、摩耗減量が20mgを上回り、耐摩耗性のレベル向上を図ることができなかった。また、ゴム弾性体表面が摩耗によって削れ、これに起因して耐久時にスジやカスレの画像不具合が発生しやすかった。
試料R10および試料R11のロール部材は、ゴム弾性体を形成するためのゴム組成物のマトリックスポリマーとして、アクリロニトリル含有量が40質量%を超えるアクリロニトリルブタジエンゴムを用いている。そのため、試料R10および試料R11のロール部材は、アクリロニトリルブタジエンゴムの結晶性が高くなってゴム弾性体表面の硬度が増加し、ゴム弾性体表面の柔軟性が損なわれ、耐久時にカブリ現象が発生しやすかった。
試料R12のロール部材は、ゴム弾性体を形成するためのゴム組成物におけるイソシアネート基含有量が0.4質量%未満である。そのため、試料R12のロール部材は、摩耗減量が20mgを上回り、耐摩耗性のレベル向上を図ることができなかった。これは、多価イソシアネート同士による自己架橋が十分に生じず、自己架橋による架橋構造が少なかったためであると考えられる。また、ゴム弾性体表面における耐摩耗性のレベル向上が図られていないため、ゴム弾性体表面が摩耗によって削れ、これに起因して耐久時にスジやカスレの画像不具合が発生しやすかった。
これらに対し、試料R1〜試料R8のロール部材は、ゴム弾性体が、アクリロニトリル含有量が40質量%以下であるアクリロニトリルブタジエンゴムを含むマトリックスポリマーと、分子内にイソシアネート基を2個以上有する多価イソシアネートとを含有するゴム組成物の熱硬化物であり、ゴム組成物におけるイソシアネート基含有量が0.4質量%〜10質量%の範囲内にある。
そのため、試料R1〜試料R8のロール部材は、アクリロニトリルブタジエンゴムを用いたゴム弾性体表面における硬度の増加抑制と耐摩耗性の向上との両立を図ることができた。これは、上記構成を採用することにより、ゴム組成物の熱硬化時に、アクリロニトリルブタジエンゴムの過度な架橋が抑制されてゴム弾性体表面に適度な柔軟性が付与される一方、多価イソシアネート同士により自己架橋が生じ、この自己架橋による架橋構造によってゴム弾性体表面における耐摩耗性のレベル向上が図られたためであると考えられる。上記結果から、試料R1〜試料R8のロール部材は、画像形成装置の現像ロールとして好適であることが確認された。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。
1 電子写真用部材
3 ゴム弾性体

Claims (18)

  1. 外部に表面が露出するゴム弾性体を有する電子写真用部材であって、
    上記ゴム弾性体は、アクリロニトリル含有量が40質量%以下であるアクリロニトリルブタジエンゴムを含むマトリックスポリマーと、分子内にイソシアネート基を2個以上有する多価イソシアネートとを含有するゴム組成物の熱硬化物であり
    記ゴム組成物におけるイソシアネート基含有量は0.4質量%〜10質量%の範囲内にあり、
    上記ゴム組成物における上記マトリックスポリマーは、分子内にハロゲン原子を含有するハロゲン含有ポリマーを含むことを特徴とする電子写真用部材。
  2. 上記ハロゲン含有ポリマーには、少なくともクロロプレンゴムが含まれることを特徴とする請求項に記載の電子写真用部材。
  3. 上記アクリロニトリルブタジエンゴムは、上記イソシアネート基と反応する官能基によって変性されておらず、
    上記熱硬化物は、上記多価イソシアネート同士の自己架橋による架橋構造を有していことを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用部材。
  4. 上記多価イソシアネ−トは、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート系、イソホロンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート系、キシレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート系、水添キシレンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート系、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート系、トリレンジイソシアネート、および、トリレンジイソシアネート系から選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真用部材。
  5. 上記多価イソシアネ−トは、上記イソシアネ−ト基がブロック剤にてブロックされたブロック多価イソシアネ−トであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真用部材。
  6. 筒状に形成された樹脂製の基層と、該基層の外周に積層された層状の上記ゴム弾性体とを有すること特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真用部材。
  7. 電子写真方式の画像形成装置に組み込まれる中間転写ベルトであることを特徴とする請求項6に記載の電子写真用部材。
  8. 軸体と、該軸体の外周に沿って形成されたゴム基層と、該ゴム基層の外周に積層された層状の上記ゴム弾性体とを有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電子写真用部材。
  9. 電子写真方式の画像形成装置に組み込まれる現像ロールであることを特徴とする請求項8に記載の電子写真用部材。
  10. 外部に表面が露出するゴム弾性体を有する電子写真用部材であって、
    上記ゴム弾性体は、アクリロニトリル含有量が40質量%以下であるアクリロニトリルブタジエンゴムを含むマトリックスポリマーと、分子内にイソシアネート基を2個以上有する多価イソシアネートとを含有するゴム組成物の熱硬化物であり、
    上記ゴム組成物におけるイソシアネート基含有量は、0.4質量%〜10質量%の範囲内にあり、
    上記アクリロニトリルブタジエンゴムは、上記イソシアネート基と反応する官能基によって変性されておらず、
    上記熱硬化物は、上記多価イソシアネート同士の自己架橋による架橋構造を有していることを特徴とする電子写真用部材。
  11. 上記ゴム組成物における上記マトリックスポリマーは、分子内にハロゲン原子を含有するハロゲン含有ポリマーを含むことを特徴とする請求項10に記載の電子写真用部材。
  12. 上記ハロゲン含有ポリマーには、少なくともクロロプレンゴムが含まれることを特徴とする請求項11に記載の電子写真用部材。
  13. 上記多価イソシアネ−トは、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート系、イソホロンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート系、キシレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート系、水添キシレンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート系、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート系、トリレンジイソシアネート、および、トリレンジイソシアネート系から選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の電子写真用部材。
  14. 上記多価イソシアネ−トは、上記イソシアネ−ト基がブロック剤にてブロックされたブロック多価イソシアネ−トであることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の電子写真用部材。
  15. 筒状に形成された樹脂製の基層と、該基層の外周に積層された層状の上記ゴム弾性体とを有することを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載の電子写真用部材。
  16. 電子写真方式の画像形成装置に組み込まれる中間転写ベルトであることを特徴とする請求項15に記載の電子写真用部材。
  17. 軸体と、該軸体の外周に沿って形成されたゴム基層と、該ゴム基層の外周に積層された層状の上記ゴム弾性体とを有することを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載の電子写真用部材。
  18. 電子写真方式の画像形成装置に組み込まれる現像ロールであることを特徴とする請求項17に記載の電子写真用部材。
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