JP2005345528A - 現像ローラ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期使用後に起こるトナーの溶融固着を防止し、長期保存や停止時における現像ローラ表面圧接部の圧縮変形において良好な変形回復性(セット性)を達成でき、優れた接着性、耐久性をも併せ持つ現像ローラを提供すること。
【解決手段】軸芯体と、該軸芯体の外周に形成された導電性弾性層と、該導電性弾性層上に形成された被覆層とを少なくとも具備する現像ローラにおいて、前記被覆層が、ポリオール成分(i)と、ジフェニルメタンジイソシアネートのポリプロピレンポリオールによる変性体である変性イソシアネート化合物(A)と、トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパンによる変性体である変性イソシアネート化合物(B)と、が3/7〜8/2(モル比(A/B))で含有するイソシアネート成分(ii)とから得られるポリウレタンエラストマーを含有することを特徴とする現像ローラ。
【選択図】図1

Description

本発明は画像形成装置において、感光体に圧接し現像剤を可視化する現像ローラ、およびそれを用いたプロセスカートリッジ、画像形成装置に関するものである。
近年、複写機、プリンター等のOA機器は高画質化が進んでおり、それに伴い現像ローラとして弾性体を用い、感光体に均一に圧接して現像を行う接触現像方式が提案されている。
例えば電子写真方式を用いたプリンターにおいては、感光体が帯電ローラにより均一に帯電され、レーザー等により静電潜像を形成する。次に、現像容器内の現像剤が現像剤塗布ローラ及び現像剤規制部材により適正電荷で均一に現像ローラ上に塗布され、感光体と現像ローラとの接触部で現像剤の転写(現像)が行われる。その後感光体上の現像剤は、転写ローラにより記録紙に転写され、熱と圧力により定着され、感光体上に残留した現像剤はクリーニングブレードによって除かれ、一連のプロセスが完了する。この場合、現像ローラは常時感光体及び現像剤規制部材に圧接されており、停止時、未使用時等に長期間感光体や現像剤規制部材に圧接するので、その構成部材は容易に変形し、当接する相手部材を傷つけない必要がある。そのため感光体や現像剤規制部材に接触する構成部材は低硬度の弾性体からなる材料から形成されるものが用いられる。
通常、現像ローラには金属からなる軸心の外周に、低硬度弾性体からなる弾性体層が同心に積層されてなるものが使用されており、さらに表面性や帯電性を付与するために必要に応じて被覆層を積層して形成したものも使用されている。
また、電子写真方式の画像形成装置に用いられる現像ローラは、適正な当接状態を維持する上で重要となる、変形回復性(すなわち、セット性)に対して、従来より様々な提案がなされている。一般的に、従来の提案では、ローラ層を構成する弾性体材料に圧縮永久歪に優れた材料を選ぶことでセット性能向上を図っており、ローラ層を二種以上の材料を積層した構成とする場合も、同様の手法が利用されてきた。
また、従来技術には、弾性を有するローラ基体(基層)の外周面に、表層として、可撓性を有する層を設ける構成とする弾性ローラが提案されている。この表層として、可撓性を有する層を設ける積層構成とすることにより、弾性ローラの圧縮永久歪みを20%以下に設定した際、この構造の弾性ローラを現像ローラに適用する現像装置を長期使用、あるいは長期保存後であっても、現像ローラの変形に起因する画質の劣化を抑制でき、製造直後の現像ローラを用いた場合と同様の、高品位の画質が得られることが開示されている。表層として、可撓性を持つ層を設けることにより、ローラ表面に加わる加重を広い部分で受け、その結果、変形は直接加重を受る部分だけでなく、隣接する他の部分も同時に変形することで、個々の部分における変形量の変化が緩やかとなる。この効果に付随して、歪自体の画質への影響を少なくなると共に、永久歪みが起きたローラ上の鋭い折れや鋭い凹みが生じにくくなると、その手法の作用が説明されている(特許文献1参照)。
近年、電子写真方式の画像形成装置に使用される弾性ローラの要求性能は、画像形成装置の高速化、画質の高品位化に伴って、より高度なものとなってきており、より具体的には、変形回復性(セット性)と共に、高解像度に要求される均一な導電性、高速化に要求される耐久性(接着性)の向上が一層求められている。これらの要求性能を、従来より知られている方法だけにより実現することは、必ずしも容易ではないものである。例えば、上記の特許文献1の手法を適用して、変形回復性(セット性)をより高める目的で、より低硬度の基体(例えば、弾性体層)を採用する場合、表層とする、可撓性層の弾性率を相対的に高くする必要がある。そのような高い弾性率を示す可撓性材料を用いると、基層の基体との接着性に問題が生じやすく、その結果、長期間の使用において、所望の導電性や耐久性の維持が十分に達成されない。
また、その他従来技術として弾性体層の硬度、圧縮永久歪特性や表層材料のクリープ特性について説明するものもある。変形回復性(セット性)をより高める目的で、ローラ層を構成する全ての層に、圧縮永久歪に優れた材料を選択することは、必ずしも得策ではなく、ほとんどの場合、他特性とのバランスをも含めると、複数の要求項目を全て満足する上で、十分な性能を提供することはできていない。
そこで、軸芯体の外周面に積層構造のローラ層が形成された構成を採用し、ローラ層を、基層として、ゴムを主成分とする弾性体層を用いて、この弾性体層の硬度(Asker−C)は、15〜55°の範囲に、圧縮永久歪みは0.5〜5.0%の範囲に選択することで、基層は、良好な圧縮永久歪性を導き出すことができ、また、外的入力に対しより大きく変形し易いので、適正なニップ幅を得ることが可能となり、一方、表層として、少なくとも前記弾性体層の外側を被覆する樹脂層を用いて、この樹脂層の永久伸びは、1〜10%の範囲に選択することにより、基層の大きな変形量に対しても、優れた接着性、耐久性を示し、柔軟性に富み、よりセット性(変形回復性)に優れた現像ローラとなる技術も開示されている(特許文献2参照)。
特開平2−259785号公報 特開2002−257130号公報
しかし、一般的に表層の可撓性層に弾性率の低い材料を用いて、低硬度の弾性体層の追従性を得るために単に柔軟性のあるような材料設計をしようとすると、材料中からのブリード物が感光体を汚染したり、現像ローラの長期使用後に劣化したトナーが現像ローラ表面に溶融固着し、画像不良やトナー漏れなどの問題が発生することがあった。
本発明は前記の課題を解決するもので、本発明の目的は、現像ローラの長期使用後にトナーの劣化によって引き起こされる現像ローラ表面上のトナーの溶融固着を防止し、長期保存や停止時における現像ローラ表面圧接部の圧縮変形において良好な変形回復性(セット性)を達成でき、同時に、優れた接着性、耐久性をも併せ持つ、新規な材料構成を採用する現像ローラを提供することにある。また、本発明の他の目的は、このような現像ローラを用いたプロセスカートリッジおよび画像形成装置を提供することにある。
本発明は、金属からなる軸芯体の外周に、低硬度弾性体からなる導電性弾性層を同心に積層し、さらに表面性や帯電性を付与するために被覆層を積層して形成した2層以上から構成された現像ローラにおいて、外側に位置する層(被覆層)の材料として、十分な柔軟性を有しかつ劣化トナーの固着しにくい材料を選択することで、現像ローラ表面圧接部の圧縮変形において良好な変形回復性(セット性)を示し、現像ローラ表面上のトナーの溶融固着防止に優れた現像ローラとなすことが可能であることを見出し、完成するに至った。
本発明は、軸芯体と、該軸芯体の外周に形成された導電性弾性層と、該導電性弾性層上に形成された被覆層とを少なくとも具備する現像ローラにおいて、前記被覆層が、
ポリオール成分(i)と、
ジフェニルメタンジイソシアネートのポリプロピレンポリオールによる変性体である変性イソシアネート化合物(A)と、トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパンによる変性体である変性イソシアネート化合物(B)と、を3/7〜8/2(モル比(A/B))で含有するイソシアネート成分(ii)と
から得られるポリウレタンエラストマーを含有することを特徴とする現像ローラである。
また、本発明は、
現像剤と、該現像剤を薄膜状に担持し得る前記の現像ローラと、を有するプロセスカートリッジであって、
前記現像ローラは、表面に静電潜像を形成可能な潜像担持体の表面に対向して当接若しくは圧接した状態となって、前記現像ローラの表面に担持された現像剤を前記潜像担持体の表面に形成された静電潜像に供給して現像可能なものであり、
前記潜像担持体は前記プロセスカートリッジ又は画像形成装置に具備されていることを特徴とするプロセスカートリッジである。
また、本発明は、
潜像担持体と、該潜像担持体の表面を帯電させるための帯電装置と、該潜像担持体の帯電領域に静電潜像を形成するための静電潜像形成装置と、該潜像担持体の表面に形成された静電潜像に現像剤を供給して該静電潜像を顕像化して画像とするための現像装置と、該画像を転写材に転写するための転写装置と、を有する画像形成装置であって、
前記現像装置が具備する現像ローラとして、前記の現像ローラを、前記潜像担持体の表面に対向して当接若しくは圧接した状態で有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、現像ローラ表面圧接部の圧縮変形において良好な変形回復性(セット性)を示し、現像ローラ表面上のトナーの溶融固着防止に優れた現像ローラとなる。例えば、シリコーンゴムから主になる弾性層として、低硬度かつ圧縮永久歪みに優れた材料を選び、その外周面に形成されるウレタン樹脂を用いる被覆層として、十分な柔軟性を有しかつ劣化トナーの固着しにくい材料を選ぶことで、低硬度で、セット性能(変形回復性)、フィルミング性に優れた、画像形成装置用の現像ローラとすることができる。また、このような現像ローラを用いたプロセスカートリッジおよび画像形成装置を提供できる。
本発明の現像ローラは、金属の軸芯体と、該軸芯体の外周に形成された導電性弾性層と、該導電性弾性層上に形成された被覆層とを少なくとも具備する現像ローラにおいて、前記被覆層が、
ポリオール成分(i)と、
ジフェニルメタンジイソシアネートのポリプロピレンポリオールによる変性体である変性イソシアネート化合物(A)と、トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパンによる変性体である変性イソシアネート化合物(B)と、を3/7〜8/2(モル比(A/B))で含有するイソシアネート成分(ii)と
から得られるポリウレタンエラストマーを含有することを特徴とするものである。
変性イソシアネート化合物とは、イソシアネート化合物をポリオール化合物と反応させて、末端にNCO基を有するウレタンプレポリマーとしたプレポリマー化イソシアネート化合物のことであり、ここでは、変性イソシアネート化合物(A)として、ジフェニルメタンジイソシアネートのポリプロピレンポリオールによる変性体、変性イソシアネート化合物(B)として、トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパンによる変性体を用いることを特徴とする。
変性イソシアネート化合物(A)の変成のために使用するポリプロピレンポリオールの数平均分子量としては1000〜3000、官能基数2〜3のものが好ましい。
変性イソシアネート化合物(A)の遊離イソシアネート濃度(以下NCO%と略記する)は、2.6〜9.8であることが好ましい。また、変性イソシアネート化合物(B)のNCO%は、7〜15であることが好ましい。
本発明では、上記の変性イソシアネート化合物(A)と変性イソシアネート化合物(B)と、を3/7〜8/2(モル比(A/B))で含有するイソシアネート成分(ii)を、ポリウレタンエラストマーの原料として使用する。上記2成分の混合比は、5/5〜7/3(モル比(A/B))であることが好ましい。
上記イソシアネート成分(ii)は、さらに、他のイソシアネート化合物を含有することもできる。例えば、ポリメリックMDIなどの多核体、多官能イソシアネート、アロファネート変性体、ビュレット変性体、イソシアヌレート変性体等を含有することもできる。ただし、本発明の効果を充分に発揮させるために、変性イソシアネート化合物(A)及び変性イソシアネート化合物(B)の含有量の合計が、イソシアネート成分(ii)中の80質量%以上であることが好ましい。
本発明でポリウレタンエラストマーの原料として使用するポリオール成分(i)としては、特に限定されず、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリプロピレングリコール、エポキサイド付加ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール等を使用することができる。中でも、ポリテトラメチレンエーテルグリコールを主成分とするものであることが好ましい。すなわち、ポリテトラメチレンエーテルグリコール単独、または、目的の被覆層の膜物性を達成できる範囲で、低分子量ポリオールを0.1〜10質量%添加したもの等を用いることができる。ポリテトラメチレンエーテルグリコールとしては、数平均分子量650〜3000のものが好ましく用いられる。より好ましくは、数平均分子量1000〜2000の範囲である。また、低分子量ポリオールとしては、数平均分子量500未満、官能基数2〜3のポリプロピレンポリオールの他、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン等が好適に用いられる。
本発明は、上記のようなポリオール成分(i)とイソシアネート成分(ii)とから得られるポリウレタンエラストマーを使用する。このポリウレタンエラストマーの原料であるポリオール成分(i)とイソシアネート成分(ii)との配合比については、被覆層形成用の材料として使用した際に、本発明の目的とする効果を発揮できるように適宜設定することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の現像ローラの構造の一例を、図1(斜視図)及び図2(断面図)に模式的に示す。本発明の現像ローラ1は、中心に軸芯体11を有し、ローラ層として、軸芯体11の外周面上に導電性弾性層(基層)12が固定され、この導電性弾性層12の外周面に被覆層(表層)13を積層した構造となっている。
軸芯体11自体は、円柱状または中空円筒状の形状を有し、金属などの導電性材料で形成される軸芯金を用いることが多いが、仮に、かかる現像ローラが電気的に絶縁された状態で利用される場合には、使用に際して、現像ローラに加わる外力に対して、その軸芯体11自体の形状を堅固に保持できる限り、非導電性材料で形成されていてもよい。また、かかる現像ローラが電気的なバイアスを印加して、あるいは、接地されて、使用される場合であっても、軸芯体全体11を導電性材料で構成する代わりに、非導電性材料の表面に所望の導電性を満足する導電性処理、例えば、良導性の被覆層による被覆を施した構造のものを用いることもできる。
画像形成装置に利用される現像ローラは、電気的なバイアスを印加して、または、接地されて、使用されるのが一般的であるので、軸芯体11を導電性の基体、所謂軸芯金の形態とすることが好ましい。軸芯金は、支持部材であり、例えば、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼等の金属または合金、あるいは、クロム、ニッケル等で鍍金処理を施した鉄、合成樹脂など、少なくともその外周面は、その上に形成されるローラ層に所定の電圧を印加するに十分な導電性の材質で構成する。画像形成装置に利用される現像ローラにおける軸芯体の外径は、通常4〜10mmの範囲とされる。
基層となる導電性弾性層12は、原料主成分としてゴム成分を用いた成型体として形成することができる。導電性弾性層12の原料主成分のゴム成分としては、従来より用いられている種々のゴムを用いることができる。具体的には、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリルニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、NBRの水素化物、多硫化ゴム、ウレタンゴム等のゴムを、単独であるいは2種以上を混合して用いることもできる。
特に、後述するような低硬度および低圧縮永久歪み性が得られやすいことから、シリコーンゴムを主成分として用いることが好ましい。シリコーンゴムとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルトリフルオロプロピルシロキサン、ポリメチルビニルシロキサン、ポリトリフルオロプロピルビニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリフェニルビニルシロキサン、及びこれらを構成する単量体単位を2種以上含有する共重合体等が挙げられる。シリコーンゴムの重合度は、3000〜15000の範囲にあることが好ましい。なお、必要に応じて目的とする硬度および圧縮永久歪みが得られる限り、主成分として用いるシリコーンゴム以外に、天然ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、EPDM、SBR、NBR等のエラストマーを、ゴム成分の20質量%以下の割合で含有することもできる。
更に、導電性弾性層自体に要求される機能に必要な成分、例えば、導電剤、非導電性充填剤など、また、各種添加剤成分、例えば、架橋剤、触媒、分散促進剤など、を適宜配合することができる。
導電性弾性層に導電性を付与する目的に添加する導電剤としては、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、銅、錫、ステンレス鋼などの各種導電性金属または合金;酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化チタン、酸化錫−酸化アンチモン固溶体、酸化錫−酸化インジウム固溶体などの各種導電性金属酸化物、これらの導電性材料で被覆された絶縁性物質などの微粉末を用いることができる。これらの内、比較的容易に入手でき、また、主成分のゴムの種類に依らず良好な帯電性が得られるため、カーボンブラックが好適に利用できる。ゴム材料中に、微粉末状の導電剤を分散させる手段としては、従来から利用される手段、例えば、ロールニーダー、バンバリーミキサー、ボールミル、サンドグラインダー、ペイントシェーカーなどを、主成分のゴム材料に応じて適宜利用すればよい。
その他、導電性弾性層に導電性を付与する手段として、導電剤に代えて、あるいは、導電剤とともに、導電性高分子化合物を添加する手法も利用できる。例えば、導電性高分子化合物としては、ホストポリマーとして、ポリアセチレン、ポリ(p−フェニレン)、ポリピロール、ポリチオフェニン、ポリ(p−フェニレンオキシド)、ポリ(p−フェニレンスルフィド)、ポリ(p−フェレンビニレン)、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキサイド)、ポリ(ビスフェノールAカーボネート)、ポリビニルカルバゾール、ポリジアセチレン、ポリ(N−メチル−4−ビニルピリジン)、ポリアニリン、ポリキノリン、ポリ(フェニレンエーテルスルフォン)などを使用し、これらにドーパントして、AsF5、I2、Br2、SO3、Na、K、ClO4、FeCl3、F、Cl、Br、I、Kr等の各イオン、Li、TCNQ(7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン)等をドープしたものが、使用可能である。
これらの導電性を付与する成分の使用量は、目的とする導電性弾性層の特性を達成するために必要な量を適宜選択することができる。
非導電性充填剤としては、珪藻土、石英粉末、乾式シリカ、湿式シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミノケイ酸、炭酸カルシウム等を挙げることができる。
架橋剤としては、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、p−クロロベンゾイルパーオキサイドなどを挙げることができる。例えば、ゴム成分として液状シリコーンゴムを用いる際には、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンを架橋成分として、白金系触媒が用いて、ゴム成分相互の架橋を図ることが好ましい。
導電性弾性層の硬度(Asker−C)は、15〜55°の範囲とすることが好ましい。導電性弾性層硬度(Asker−C)が、15°未満では、目的とするセット性能に寄与するゴム弾性が得られ難くなり、一方、55°を超える場合には、本発明の他性能を失うことなく、適切なニップ幅を得ることが難しくなってしまう。導電性弾性層硬度(Asker−C)は、20〜40°の範囲とすることがより好ましい。ここで、硬度(Asker−C)は、ゴム材硬度の測定法に従い、具体的には、基準規格アスカーC型SRIS(日本ゴム協会規格)0101に従って別途作製した試験片を用いて、アスカーゴム硬度計(高分子計器(株)製)により測定される硬度により定義されるものである。
同時に、導電性弾性層の圧縮永久歪みを、0.5〜5.0%の範囲とすることが好ましい。圧縮永久歪が、0.5%未満となる範囲では、ゴム弾性そのものを示さなくなる場合がある。一方、圧縮永久歪が5.0%を超える場合には、導電性弾性層の変形量自体が大きくなる際、その変形状態で長期保存すると、その変形の回復が十分に達成できず、そのため、画像形成装置に用いた場合、製造当初と同様な良好な画像形成ができなくなる場合がある。導電性弾性層の圧縮永久歪みは、0.5〜3.0%の範囲とすることがより好ましい。ここで、圧縮永久歪みは、別途作製した試験片を用いて、JIS K−6301加硫ゴム試験法(10.圧縮永久ひずみ試験)に準じて測定した値により定義されるものである。
現像ローラを当接する際に、均一なニップ幅を確保し、加えて、好適なセット性を満たすものとするために、導電性弾性層の厚さは、0.5mm以上とすることが好ましく、1.0mm以上とすることがより好ましい。作製される現像ローラの外径精度を損なわない限り、導電性弾性層の厚さの上限は特にないものの、一般に、導電性弾性層の厚さを過度に厚くすると、導電性弾性層の製造コストを適正な範囲に抑えることが難しく、この実用上の制約をも考慮すると、導電性弾性層の厚さは、6.0mm以下とすることが好ましく、5.0mm以下とすることがより好ましい。導電性弾性層の厚さは、目的とするニップ幅を達成するため、その硬度に応じて、適宜選択されるものである。
本発明の現像ローラは、上記の導電性弾性層を基層とし、その外表面を被覆する被覆層を表層として形成したものである。
本発明の現像ローラの被覆層中に、上記のようなポリウレタンエラストマーを含有する。その含有量は、被覆層全体に対して50〜100質量%であることが好ましく、70〜100質量%であることがより好ましい。
また、本発明の現像ローラの被覆層中に、他の樹脂成分を含有することもできる。例えば、尿素樹脂やメラミン樹脂などのアミノ樹脂成分、アクリル樹脂成分、シリコーン樹脂成分等を用いることもできる。その含有量は、被覆層全体に対して20質量%以下とすることが好ましい。
更に、本発明の現像ローラでは、用途に合わせて、被覆層自体に要求される機能に必要な成分、例えば、導電剤、非導電性充填剤など、また、樹脂膜体とする際に利用される各種添加剤成分、例えば、触媒、分散促進剤など、を、適宜配合することができる。なお、導電剤、非導電性充填剤は、先に導電性弾性層に含有可能な添加剤として例示したものから適宜選択することができる。また、これらの成分の添加量は、形成される被覆層の特性を本発明の効果を発揮する範囲内とすることができる限り、添加目的に応じて適宜選択することができる。特に、導電性物質を含有することが好ましい。
被覆層の厚さは、十分な耐摩耗性を確保するために、また、均一に塗布・形成しやすくするために、1μm以上とすることが好ましい。一方、導電性を有する現像ローラとする際に均一な導電性を実現するために、また、現像ローラ全体の変形性に対する影響を小さくするために、被覆層の厚さは、100μm以下に留めることが好ましい。被覆層の厚さは、前記の範囲において、その硬度等をも考慮して、適宜選択するとよい。
被覆層の形成には、樹脂膜体の原料となる樹脂原料を液状として、導電性弾性層表面に塗布する方法を利用することができる。この樹脂原料の塗布方法は、特に限定されないが、エアースプレー、ロールコート、カーテンコート、ディッピング等の方法により、樹脂原料を所望の厚さで、導電性弾性層表面に均一に塗布することが好ましい。その後、必要に応じ、加熱処理を行う場合がある。
このような本発明の現像ローラの抵抗値は104〜1010Ωであることが好ましい。なお、抵抗値は、導電ローラを円柱状の金属性ローラ(Φ60)に片側500gの定圧荷重で押し当て、100Vの直流電圧を印加したときの抵抗値により定義されるものである。
以上に説明した様に、本発明の現像ローラにおいては、導電性弾性層は、低硬度で良好な圧縮永久歪み特性を併せ持ち、被覆層は、変形追従性がよくクリープもし難く、その結果、長期間、現像ローラを大きく変形させた際にも、接着性やしわなどの問題を起こさない。特に、低硬度のため適切なニップ幅が得られやすく、優れたセット性、2層間の接着性により良好な画像が得られ、なおかつ、劣化したトナーの固着も防ぐことができ、その耐久性により、その良好な画像が長期にわたる使用後も維持できる。更に、利用される画像形成装置自体、高速化され、プロセス速度、すなわち、感光体表面の速度が増す条件において、前記の利点は一層顕著なものとなる。
上記のような現像ローラは、画像形成装置の現像ローラとして使用するのに適している。すなわち、本発明の好ましい実施形態の1つとして、
潜像担持体と、該潜像担持体の表面を帯電させるための帯電装置と、該潜像担持体の帯電領域に静電潜像を形成するための静電潜像形成装置と、該潜像担持体の表面に形成された静電潜像に現像剤を供給して該静電潜像を顕像化して画像とするための現像装置と、該画像を転写材に転写するための転写装置と、を有する画像形成装置であって、前記現像装置が具備する現像ローラとして、上記の現像ローラを、前記潜像担持体の表面に対向して当接若しくは圧接した状態で有することを特徴とする画像形成装置が挙げられる。
本発明の画像形成装置の構成の一例を図3に示す。図3の画像形成装置において、現像ローラ25は、潜像担持体としての感光体21の表面に対向して当接する状態で具備される。感光体21の表面は帯電装置が具備する帯電ローラ22によって帯電され、その後、静電潜像形成装置が具備するレーザー光発信装置から発信されたレーザー光23によって、感光体21の表面に所定の静電潜像が形成される。一方、現像装置24では、現像容器34に入れられた現像剤28が、現像剤供給ローラ26によって現像ローラ25の表面に供給され、現像剤規制部材27により現像ローラ25の表面に薄膜状に担持される。そして、現像ローラ25の表面に担持された現像剤が、感光体21の表面に形成された静電潜像に供給され、顕像化して画像を形成する。その後、感光体21と転写装置の転写ローラ29との間を紙33が通過することで画像が紙に転写され、さらに定着ローラ32によって画像が紙上に定着される。感光体21上に残った現像剤は、クリーニングブレード30によって掻き取られ、廃トナー容器31に落とされる。
上記の画像形成装置における現像装置24は、プロセスカートリッジとして着脱可能であることが好ましい。すなわち、本発明の好ましい実施形態の1つとして、
現像剤と、該現像剤を薄膜状に担持し得る上記の現像ローラと、を有するプロセスカートリッジであって、前記現像ローラは、表面に静電潜像を形成可能な潜像担持体の表面に対向して当接若しくは圧接した状態となって、前記現像ローラの表面に担持された現像剤を前記潜像担持体の表面に形成された静電潜像に供給して現像可能なものであり、前記潜像担持体は前記プロセスカートリッジ又は画像形成装置に具備されていることを特徴とするプロセスカートリッジが挙げられる。このような構成とすることで、現像装置24が具備する現像ローラを容易に交換可能となる。
本発明のプロセスカートリッジの構成としては、上記の機能を発揮可能な構成とすることができ、例えば、図3の画像形成装置における現像装置24のみからなる構成することもでき(この場合、感光体21は画像形成装置内にあらかじめ設置される)、現像装置24及び感光体21を有する構成とすることもできる。いずれの場合も、現像ローラ25は、潜像担持体としての感光体21の表面に対向して当接若しくは圧接した状態となって、現像ローラ25の表面に担持された現像剤を感光体21の表面に形成された静電潜像に供給して現像可能なものである。特に、現像装置24のみからなるプロセスカートリッジが好ましい。なお、図3の画像形成装置における現像装置24は、現像剤28、現像剤28を入れる現像容器34、現像ローラ25、現像剤28を現像ローラ25の表面に供給可能な現像剤供給ローラ26、及び、現像ローラ25の表面に現像剤28が薄膜状になるように規制する現像剤規制部材27により構成されている。
以下に、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。これら実施例は、本発明における最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明は、実施例によって、何ら限定されるものではない。実施例に示す手法で作製される現像ローラは、画像形成装置で使用される現像ローラとして好適に使用できる。
なお、以下に記載する具体例では、特に明記しない限り、各例において利用される試薬等は、市販の高純度品を用いた。また、各実施例、比較例において現像ローラの被覆層作製に用いたウレタンエラストマーの原料であるポリオール成分(i)、イソシアネート成分(ii)の組成について表1、表2に示す。
<使用したイソシアネート化合物>
・ウレタン変性MDI(変性イソシアネート化合物(A)):
ジフェニルメタンジイソシアネートのポリプロピレンポリオールによる変性体(NCO%:4.7、固形分:65質量%、日本ポリウレタン工業株式会社製、ポリプロピレンポリオールの数平均分子量:1000相当)
・ポリメリックMDI:
ジフェニルメタンジイソシアネートの多核体(NCO%:14.2、固形分:80質量%、日本ポリウレタン工業株式会社製)
・TMP変性TDI(変性イソシアネート化合物(B)):
トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパンによる変性体(NCO%:7.0、固形分:55質量%、三井武田ケミカル株式会社製)
・ウレタン変性TDI:
トルエンジイソシアネートのポリプロピレンポリオールによる変性体(NCO%:4.1、固形分:100質量%、日本ポリウレタン工業株式会社製、ポリプロピレンポリオールの数平均分子量:1500相当)
(実施例1)
以下の手法により現像ローラ(1)を作製した。なお、ローラ層を構成する基層、表層ともに、導電性を付与して、具体的には、基層の導電性弾性層ならびに表層の被覆層ともに、それぞれ、導電剤として、カーボンブラックを適宜添加し、この現像ローラを当接した際の電気抵抗が106Ωとなるように、導電剤のカーボンブラックの添加量を調整した。
軸芯体として、SUS製の芯金の表面にニッケル・メッキを施し、さらに、その外周面に接着剤を塗布、焼き付けしたものを用いた。この軸芯体を金型に配置し、この金型内に形成されたキャビティに、液状であるシリコーンゴム1(東レ・ダウコーニングシリコーン製)を注入した。続いて、金型を加熱して、注入されたシリコーンゴムを150℃にて30分間加熱処理を施して、硬化させた。冷却後、脱型し、さらに、150℃にて30分間加熱処理を施すことで、厚さ4mmの、シリコーンゴムを主成分とする導電性弾性層を軸芯体の外周面上に設けた。得られた導電性弾性層のAsker−C硬度は32゜であり、圧縮永久歪みは1.9%であった。
被覆層を形成するウレタンエラストマーの原料として、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG3000、数平均分子量:3000、三洋化成工業株式会社製)100質量部に対して、以下に示すイソシアネート成分(ii)を50質量部添加し、十分に攪拌した。イソシアネート成分(ii)としては、ウレタン変性MDIとTMP変性TDIとをモル比で5/5になるように混合したものを用いた。なお、[NCO]/[OH]の値は1.2とした。上記原料混合液に有機溶剤(メチルエチルケトン)を加え固形分20質量%となるように調整したものに、カーボンブラック(商品名:MA100、三菱化学社製)20質量部及びウレタン球状フィラー(商品名:C400、根上工業社製、平均粒子径15μm)15質量部を加えて、均一分散、混合したものを樹脂原料液とした。
この樹脂原料液中に、上記の導電性弾性層の形成を終えた軸芯体を浸漬して、導電性弾性層の外表面をコーティングした後、引上げて自然乾燥させた。次いで、140℃にて60分間加熱処理することで、コーティングされた樹脂原料の硬化を行ない、厚さ20μmの被覆層を導電性弾性層の外周面上に形成した。
(実施例2)
被覆層を形成するウレタンエラストマーの原料として、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG2000、数平均分子量:2000、三洋化成工業株式会社製)100質量部に対して、実施例1と同じ組成のイソシアネート成分(ii)を75質量部添加したものを用いた以外は、実施例1と同様の手法により現像ローラ(2)を作製した。
(実施例3)
被覆層を形成するウレタンエラストマーの原料として、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG1000、数平均分子量:1000、三洋化成工業株式会社製)100質量部に対して、実施例1と同じ組成のイソシアネート成分(ii)を150質量部添加したものを用いた以外は、実施例1と同様の手法により現像ローラ(3)を作製した。
(実施例4)
被覆層を形成するウレタンエラストマーの原料として、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG650、数平均分子量:650、三洋化成工業株式会社製)100質量部に対して、実施例1と同じ組成のイソシアネート成分(ii)を230質量部添加したものを用いた以外は、実施例1と同様の手法により現像ローラ(4)を作製した。
(実施例5)
被覆層を形成するウレタンエラストマーの原料として、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG2000)100質量部に対して、ウレタン変性MDIとTMP変性TDIとをモル比で3/7になるように混合したイソシアネート成分(ii)を64質量部添加したものを用いた以外は、実施例1と同様の手法により現像ローラ(5)を作製した。
(実施例6)
被覆層を形成するウレタンエラストマーの原料として、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG2000)100質量部に対して、ウレタン変性MDIとTMP変性TDIとをモル比で8/2になるように混合したイソシアネート成分(ii)を64質量部添加したものを用いた以外は、実施例1と同様の手法により現像ローラ(6)を作製した。
(比較例1)
被覆層を形成するウレタンエラストマーの原料として、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG2000)100質量部に対して、ウレタン変性MDIとTMP変性TDIとをモル比で9/1になるように混合したイソシアネート成分(ii)を100質量部添加したものを用いた以外は、実施例1と同様の手法により現像ローラ(7)を作製した。
(比較例2)
被覆層を形成するウレタンエラストマーの原料として、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG2000)100質量部に対して、ウレタン変性MDIを107質量部添加したものを用いた以外は、実施例1と同様の手法により現像ローラ(8)を作製した。
(比較例3)
被覆層を形成するウレタンエラストマーの原料として、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG2000)100質量部に対して、ウレタン変性MDIとTMP変性TDIとをモル比で2/8になるように混合したイソシアネート成分(ii)を71質量部添加したものを用いた以外は、実施例1と同様の手法により現像ローラ(9)を作製した。
(比較例4)
被覆層を形成するウレタンエラストマーの原料として、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG2000)100質量部に対して、TMP変性TDIを60質量部添加ししたものを用いた以外は、実施例1と同様の手法により現像ローラ(10)を作製した。
(実施例7)
被覆層を形成するウレタンエラストマーの原料として、ポリプロピレンポリオール(数平均分子量:3000、f=2、三井武田ケミカル株式会社製)100質量部に対して、実施例1と同じ組成のイソシアネート成分(ii)を50質量部添加したものを用いた以外は、実施例1と同様の手法により現像ローラ(11)を作製した。
(実施例8)
被覆層を形成するウレタンエラストマーの原料として、ポリエステルポリオール(数平均分子量:2000、f=2、EAタイプ、日本ポリウレタン工業株式会社製)100質量部に対して、実施例1と同じ組成のイソシアネート成分(ii)を75質量部添加したものを用いた以外は、実施例1と同様の手法により現像ローラ(12)を作製した。
(比較例5)
被覆層を形成するウレタンエラストマーの原料として、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG2000)100質量部に対して、ウレタン変性MDIとウレタン変性TDIをモル比で5/5になるように混合したイソシアネート成分(ii)を64質量部添加したものを用いた以外は、実施例1と同様の手法により現像ローラ(13)を作製した。
(比較例6)
被覆層を形成するウレタンエラストマーの原料として、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG2000)100質量部に対して、ポリメリックMDIとTMP変性TDIとをモル比で5/5になるように混合したイソシアネート成分(ii)を64質量部添加したものを用いた以外は、実施例1と同様の手法により現像ローラ(14)を作製した。
(特性の評価)
実施例1〜8ならびに比較例1〜6で作製された、現像ローラ(1)〜(14)について、そのセット性能(変形回復性)、フィルミング、画像(初期、12k後)の項目に関し、以下の通り評価した。表3に、その評価結果を示す。
なお、現像工程において、感光体に対するバイアスは同一条件として、画像形成を行った。
<セット性能(変形回復性)の評価>
セット性能は、現像ローラをカートリッジに組み込みL/L環境下(15℃、10%RH)で6日間放置した後、J/J環境下(常温、常湿)に移動し1日放置し、その後、図3に示す構成を有するカートリッジを画像形成装置に組み込み、ベタ及びハーフトーンの画像の評価をおこなった。なお、上記カートリッジは、現像ローラ、現像剤供給ローラ、現像剤規制部材、現像剤および現像容器を具備するものとした。
◎:圧接跡が画像上にみられないもの
○:圧接跡がごく薄くみられるが、画像に影響のないもの
△:圧接跡が薄くみられるが、画像に影響のないもの
×:圧接跡が明瞭にみられ、画像に影響するもの
実施例1〜3、5〜7、比較例1、2、5で作製した現像ローラ上の圧接跡はほとんど見られず良好な結果が得られた。実施例4、8、比較例6で作製した現像ローラでは圧接跡が薄く確認されたが実用上問題の無いレベルであった。比較例3、4で作製した現像ローラでは圧接跡がはっきりと見られ画像上問題となるレベルにあった。この結果から、イソシアネート成分(ii)中のイソシアネート化合物のモル比率とセット性能に相関性があり、ウレタン変性MDIのモル比が30%以上では良好なセット性能が得られた。
<画像の評価>
画像の評価は、作製した現像ローラを実際に図3に示す構成を有する画像形成装置に組み込んで、ベタ及びハーフトーンの画像形成を行い、初期および12k後(12000枚印刷後)における形成された画像の問題の有無を判断した。その判断に基づき、下記の基準で評価した。
◎:画像が良好なもの
○:ごくうすく濃淡やかぶりが確認されるが、問題がないもの
△:うすく濃淡やかぶりが確認されるが、問題のないもの
×:濃淡やかぶりが明らかに確認され、問題のあるもの
実施例1〜7、比較例3で作製した現像ローラは、初期画像は良好であり、実施例8、比較例1、2、4、6で作製した現像ローラでも、初期画像上の問題はなかった。12k後の画像評価においては、実施例7、8、比較例1、6で作製した現像ローラでうすく濃淡むらやかぶりが発生したが問題ないレベルであった。比較例2で作製した現像ローラではかぶりの状態が悪いものであった。比較例7で作製した現像ローラでは、初期の画像においても濃淡むらやかぶりが確認され耐久後の画像を評価するには至らなかった。
<フィルミングの評価>
フィルミングの評価は、画像評価12k後の現像ローラに対して、その表面を顕微鏡にて観察し、ローラ表面上でトナーが固着しているレベルの確認を行った。この目視検査結果に基づき、下記の基準で評価した。
◎:固着がみられないもの
○:やや固着がみられるが画像上問題のないもの
△:固着がみられ、画像上問題のあるもの
×:固着がひどくトナー漏れが発生するもの
実施例1〜8、比較例3、4、6で作製した現像ローラでは、トナーの固着レベルは良好であるか、固着はあるが画像上問題の無いレベルであった。比較例1、2、5で作製した現像ローラで固着があり画像上問題が出てしまい、比較例7においては初期の画像評価の段階でトナー固着が発生した。この結果から、イソシアネート成分(ii)中のイソシアネート化合物のモル比率とフィルミングに相関性があり、TMP変性TDIのモル比率を20%以上にすることでフィルミングに対して効果的であった。
上記の評価結果に基づき、総合的な性能評価を行い、下記する4区分に評価した。
◎:極めて良好
○:良好
△:やや難点を有するが、実用上問題ない
×:明らかな問題があり、実用できるレベルにはない
総合的に評価すると、実施例1〜8で作製された現像ローラは、セット性能、画像(初期、耐久後)、フィルミングのいずれの項目ともに、実用上問題となる難点はなく、良好以上と評価された。その中でも、実施例2、3、5、6で作製された現像ローラは、画像特性(12k後)を含め、良好な特性を示し、総合的には、極めて良好と評価される。
Figure 2005345528
Figure 2005345528
Figure 2005345528
なお、本発明は、上述した具体例に示す条件に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲内において、種々の用途に応じて、実施の形態を変更の上、実施することができる。因みに、上述の具体例では、被覆層の形成に、ディッピング法による塗布を利用した例を示したが、スプレー法やロールコーター法、または他の方法で塗布、形成した被覆層を具える現像ローラとしてもよい。
本発明の現像ローラの構成を示す模式的斜視図である。 本発明の現像ローラの構成を示模式的断面図である。 本発明の画像形成装置の構成の一例を示す図である。
符号の説明
1:現像ローラ
11:軸芯体
12:導電性弾性層(基層)
13:被覆層(表層)
21:感光体
22:帯電ローラ
23:レーザー光
24:現像装置
25:現像ローラ
26:現像剤供給ローラ
27:現像剤規制部材
28:現像剤
29:転写ローラ
30:クリーニングブレード
31:廃トナー容器
32:定着ローラ
33:紙
34:現像容器

Claims (7)

  1. 軸芯体と、該軸芯体の外周に形成された導電性弾性層と、該導電性弾性層上に形成された被覆層とを少なくとも具備する現像ローラにおいて、前記被覆層が、
    ポリオール成分(i)と、
    ジフェニルメタンジイソシアネートのポリプロピレンポリオールによる変性体である変性イソシアネート化合物(A)と、トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパンによる変性体である変性イソシアネート化合物(B)と、を3/7〜8/2(モル比(A/B))で含有するイソシアネート成分(ii)と
    から得られるポリウレタンエラストマーを含有することを特徴とする現像ローラ。
  2. 前記ポリオール成分(i)が、ポリテトラメチレンエーテルグリコールを主成分とするものであることを特徴とする請求項1に記載の現像ローラ。
  3. 前記被覆層が、さらに導電性物質を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の現像ローラ。
  4. 前記導電性弾性層が、シリコーンゴムを主成分とする材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の現像ローラ。
  5. 前記導電性弾性層の硬度(Asker−C)が15〜55°であり、かつ、該導電性弾性層の圧縮永久歪が0.5〜5.0%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の現像ローラ。
  6. 現像剤と、該現像剤を薄膜状に担持し得る請求項1〜5のいずれかに記載の現像ローラと、を有するプロセスカートリッジであって、
    前記現像ローラは、表面に静電潜像を形成可能な潜像担持体の表面に対向して当接若しくは圧接した状態となって、前記現像ローラの表面に担持された現像剤を前記潜像担持体の表面に形成された静電潜像に供給して現像可能なものであり、
    前記潜像担持体は前記プロセスカートリッジ又は画像形成装置に具備されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7. 潜像担持体と、該潜像担持体の表面を帯電させるための帯電装置と、該潜像担持体の帯電領域に静電潜像を形成するための静電潜像形成装置と、該潜像担持体の表面に形成された静電潜像に現像剤を供給して該静電潜像を顕像化して画像とするための現像装置と、該画像を転写材に転写するための転写装置と、を有する画像形成装置であって、
    前記現像装置が具備する現像ローラとして、請求項1〜5のいずれかに記載の現像ローラを、前記潜像担持体の表面に対向して当接若しくは圧接した状態で有することを特徴とする画像形成装置。
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