JP5127287B2 - 現像ローラ、その製造方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

現像ローラ、その製造方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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本発明は、画像形成装置に使用される現像ローラ、及びその製造方法、及びこれを用いたプロセスカートリッジや画像形成装置に関するものである。
電子写真の現像プロセスは、トナー層と感光体表面とのギャップの大きさの点からは、接触現像方式と非接触現像方式に分類される。近年、複写機、プリンター等のOA機器は高画質化が進んでおり、その要請に応じるため、現像ローラとして弾性体を用い、感光体に均一に圧接して現像を行なう接触現像方式が提案されている。この接触現像方式では、現像ローラには、以下のような性質を有することが求められている。すなわち、感光体への均一な圧接幅の確保(弾性材料で構成されること)、均一な導電性や耐リーク性、トナーの担持搬送のための適度な表面粗さ、長期間にわたり安定した画像出力のために表面へのトナー固着がないこと等である。
なお、非接触現像方式においては、現像ローラが感光体と圧接することはないので、弾性層は必ずしも必要でない。しかし、現像ローラはトナー塗布部材あるいはトナー規制部材(規制ブレード)と常に圧接する状態にあり、やはり、弾性を有すること、表面へのトナー固着防止等が求められている。トナー塗布部材とは、現像ローラへトナーを担持させたり、現像に用いられなかったトナーを一旦現像ローラから剥ぎ取ったりする役割をする部材である。また、トナー規制部材(規制ブレード)とは、トナーを均一な帯電と均一な厚み(量)で現像ローラ表面に担持させる役割をする部材である。
トナー固着を防止するために、非極性の添加剤を表面に添加する方法(特許文献1)や現像ローラを柔軟化する方法(特許文献2)が知られている。
しかしながら、上記特許文献1、2に係る技術を用いた場合でも、現像ローラの長期の使用により、現像ローラ表面の凹凸部分へのトナーの固着に起因する画像濃度の上昇、非画像部へのトナー現像(かぶり)等の現象が生じてしまうことがあった。
特開平11−212354号公報 特開平07−332350号公報
したがって、本発明の課題は、長期にわたって表面へのトナー固着を有効に抑制することができる現像ローラとその製造方法を提供することである。また、本発明の課題は、その結果、長期間にわたって安定して高品質な電子写真画像を与える画像形成装置を提供することである。
上記課題は下記構成により達成される。
(1)軸芯体と、該軸芯体の外周に設けられた弾性層と、表面層とを有する現像ローラであって、
該表面層は、架橋したポリウレタン樹脂を含み、かつ、示差走査熱量分析(DSC)において、35℃から80℃の範囲に吸熱ピークが観察され、かつ、その吸熱エネルギーが0.1kJ/kg以上3.0kJ/kg以下であって、
該架橋したポリウレタン樹脂は、ポリウレタンポリオールとイソシアネート化合物とを重合して得られたものであり、
該ポリウレタンポリオールは、2官能のポリエステルポリオールと2官能のイソシアネート化合物とを重合して鎖延長させてなる、重量平均分子量Mwが50000以上200000以下であり、かつ、分子量分散度Mw/Mnが1.1以上2.0以下である
ことを特徴とする現像ローラ。
(2)前記2官能のポリエステルポリオールが、ポリブチレンアジペートグリコールであることを特徴とする上記(1)の現像ローラ。
(3)前記2官能のイソシアネートが、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートであることを特徴とする上記(1)または(2)の現像ローラ。
(4)上記(1)に記載の現像ローラの製造方法であって、
2官能のポリエステルポリオールと2官能のイソシアネート化合物を鎖延長させてなる、Mwが50000以上200000以下で、Mw/Mnが1.1以上2.0以下であるポリウレタンポリオールと、イソシアネート化合物とを含む塗料を弾性層の表面に塗布し、重合させて表面層を形成する
ことを特徴とする現像ローラの製造方法。
(5)前記2官能のポリエステルポリオールが、ポリブチレンアジペートグリコールであることを特徴とする上記(4)の現像ローラの製造方法。
(6)前記2官能のイソシアネートが、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートであることを特徴とする上記(4)または(5)の現像ローラの製造方法。
(7)前記ポリウレタンポリオールと反応させるイソシアネート化合物が、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネートであることを特徴とする上記(4)乃至(6)のいずれかの現像ローラの製造方法。
(8)感光体と、該感光体と接触配置された現像ローラとが一体となっているプロセスカートリッジであって、該現像ローラが、上記(1)乃至(3)のいずれかの現像ローラであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(9)感光体と、該感光体と接触配置された現像ローラとを有し、該現像ローラが、上記(1)乃至(3)のいずれかの現像ローラであることを特徴とする画像形成装置。
本発明の現像ローラは、柔軟かつ粘着力の弱い表面が形成されていて、表面への初期トナー固着が低減されており、装置寿命後期であっても表面へのトナー固着が抑えられている。そのために、画像形成装置に組み込まれ、使用したときには、かぶり等の問題もないという優れたものである。
以下、本発明に付いて、詳細に説明する。
本発明の現像ローラの一例の断面図を図1に示す。
本発明の現像ローラは、少なくとも表面が導電性である軸芯体1の外周に、少なくとも一層の導電性の弾性層2及び本発明で特定する最表面を形成する層(表面層)3が形成されている。なお、弾性層2は複層であっても、また、軸芯体1と弾性層2(表面層3)の間に接着剤層が形成されていてもよい。さらに、弾性層2と表面層3の間に機能付与のための層が形成されていてもよい。ここで弾性層2が本発明で特定する樹脂構成をとるならば最表面を形成する層(表面層)3と同じであっても良い。
軸芯体1は、例えば、炭素鋼合金表面に5μm厚さの工業ニッケルメッキを施した円柱体である。軸芯体1を構成する材料として、その他、鉄、アルミニウム、チタン、銅、ニッケル等の金属、ステンレス、ジュラルミン、真鍮、青銅等の合金、カーボンブラックや炭素繊維をプラスチックで固めた複合材料等の剛直で導電性を示す公知の材料も使用できる。また、形状としては、円柱体のほかに中心部分を空洞とした円筒体とすることも可能である。軸芯体1の外径は、外径2mm以上10mm以下が適当である。
弾性層2は、種々の液状ゴム材料を用いることができる。具体的には、ジエン系ゴム、シリコーンゴム、多硫化ゴム、ウレタンゴム等の液状ゴム材料に他の必要成分を加えて成形される。なお、これらの液状ゴム材料は、弾性層が所望の機械物性を達成できる限り、単独でも2種以上を混合して用いてもよい。なお、弾性層の圧縮永久歪み特性を考慮すると、シリコーンゴムあるいはウレタンゴムを使用することが好ましい。また、厚みとしては1mm以上5mm以下が適当であり、その硬さはアスカーC 20度以上70度以下であることが好ましい。弾性層が厚み1mm未満であったり、硬さがアスカーC 70度を超えたりする場合、感光ドラムとの圧接力が増大し、現像剤の劣化を促進するために問題がある。また、厚みが5mm超では、装置の大型化やコスト高といった問題があり、硬さがアスカーC 20度未満では、他部材との長期圧接による塑性変形が原因で画像スジが発生することとなり、いずれも問題がある。
また、上記液状ゴム材料に、導電剤として有機金属塩などのイオン導電性をもつ化合物や、カーボンブラックなどの導電性充填剤を用いることができる。なお、導電性充填剤として、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、銅、錫、ステンレス鋼等の金属又は合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化チタン、酸化錫―酸化アンチモン固溶体、酸化錫―酸化インジウム固溶体等の金属酸化物、これらの導電性材料で被覆された絶縁性物質の微粉末を用いることができる。また、非導電性充填剤としては、珪藻土、石英粉末、乾式シリカ、湿式シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミノケイ酸、炭酸カルシウム等を挙げることができる。
弾性層の形成方法としては、例えば、円筒状の金型両端に、金型内に軸芯体を保持するための駒を固定し、上記原料を駒に形成した注入口より注入した後、ゴム材料が硬化する温度で十分に加熱し、脱型することにより得ることができる。また、液状ゴム材料を円筒状に押出し硬化してチューブとし、これに軸芯体を挿入することによってもよい。さらに、軸芯体を液状ゴム材料と共に押し出し、軸芯体の周りに液状ゴム材料の層を形成し硬化することによっても構わない。なお、弾性層を後記する架橋したポリウレタン樹脂を主成分とするものであるときは、表面層3を改めて形成する必要はない。
表面層3は、架橋したポリウレタン樹脂を主成分とする樹脂層であることが好ましい。ここで主成分とは、表面層である樹脂層中に50質量%以上、好ましくは70質量%以上を含むことを示す。架橋したポリウレタン樹脂を用いることにより、他部材との長期圧接による現像ローラの塑性変形が生じることがなく、画像上スジなどの欠陥が生じることがない。またウレタン結合を有することにより、耐磨耗性やトナー帯電性に優れた表面性状を得ることができる。また、「架橋した」とは、公知の加熱手段により架橋した構造を有することを示し、溶剤に不溶の形態である。
なお、この表面層3が、DSCにおいて、35℃から80℃の範囲に吸熱ピークが観察され、かつ、その吸熱エネルギーが0.1kJ/kg以上3.0kJ/kg以下であることが必要である。かかるDSCピークが観察される架橋したポリウレタン樹脂を主成分とする樹脂組成物が表面層を形成しているので、架橋構造とともに適度な結晶性を有し、表面が柔軟かつ粘着力の低い特性が発揮される。
一般に、ポリウレタン樹脂は、架橋密度を高くすると硬度が増して、粘着性が低下する。その結果、初期トナーの固着は起きにくくなるが、耐久かぶりが発生しやすくなる。反対に、架橋密度を低くすると、硬度が低下して粘着性が増す。その結果、耐久かぶりは起きにくくなるが、初期トナーの固着が発生しやすくなる。このように、ポリウレタン樹脂の架橋密度を変化させると、初期トナー固着の抑制効果と、耐久かぶりの抑制効果が拮抗するため、双方の効果を高次元で得ることは容易なことではない。
これに対して、本発明の現像ローラでは、その表面層3にDSCにおける吸熱ピークが35℃から80℃の範囲に観察され、その吸熱エネルギーが0.1kJ/kg以上3.0kJ/kg以下となる架橋したポリウレタン樹脂を主成分とするものである。DSCにおいて吸熱ピークが観察されるということは、表面層3に用いられる架橋したポリウレタン樹脂が結晶構造を有していることを示している。架橋したポリウレタン樹脂に結晶構造を導入すると、架橋したポリウレタン樹脂は硬度が増し、粘着性が低下する。この傾向は、架橋したポリウレタン樹脂の架橋密度を高くした場合と同じである。ただし、架橋密度を高くした場合と比較して、結晶性を高くした場合の方が、架橋したポリウレタン樹脂の硬度の増加度合いに対する、粘着性の低下度合いが大きくなる。本発明は、この関係を利用したものである。つまり、架橋したポリウレタン樹脂に結晶構造を導入すると、硬度が高くなるが、その分、ポリウレタン樹脂の架橋密度を下げて、元の硬度と同じにすることができる。この時、硬度が同じであっても、結晶構造を導入した架橋したポリウレタン樹脂の方が、結晶構造が殆んどない、あるいは結晶構造が全くない架橋したポリウレタン樹脂よりも、粘着性を小さくすることができる。したがって、結晶構造を導入することで、耐久かぶりの抑制効果を保ったまま、初期トナーの固着の抑制効果を大きくすることができる。ただし、架橋したポリウレタン樹脂に結晶構造を導入するにつれ、該樹脂の硬度の上昇率が大きくなる。そのため、架橋したポリウレタン樹脂に結晶構造を導入すればするほど、該樹脂の架橋密度を一層低下させないと、該樹脂の硬度を一定に保つことが困難になる。
本発明者らの検討によると、35℃から80℃の範囲に観察される吸熱ピークの吸熱エネルギーが3.0kJ/kgを超えると、硬度を低く保つために架橋密度を大幅に低下させる必要が生じた。その結果、かぶり抑制効果を保とうとすれば、樹脂の塑性変形が増大し、他部材との長期圧接により現像ローラが永久変形し、画像スジが発生した。反対に、該吸熱エネルギーが0.1kJ/kg未満又は、吸熱ピークを有さない場合は、架橋したポリウレタン樹脂の結晶性が低い。したがって、本発明の効果、すなわち、結晶構造の導入による初期トナー固着の抑制効果と、耐久かぶりの抑制効果の双方を高次元で得ることが、困難であった。
以上のように、本発明者らは、架橋したポリウレタン樹脂の結晶度を適当な範囲に調節することで、初期トナー固着の抑制効果と耐久かぶりの抑制効果の双方を、高次元で得ることが可能であることを見出し、本発明に至った。
なお、現像ローラの表面の粘着力としては、10kN/m2以下であることが好ましい。10kN/m2を超える場合、初期にトナーが現像ローラ表面に固着して、現像ローラ周期の画像ムラが発生することがある。
表面層である樹脂組成物のDSCは、株式会社リガク製の示差走査熱量計「DSC8230L」(商品名)を用いて測定できる。
DSCにおいて、35℃から80℃の範囲に観察される吸熱ピークの吸熱エネルギーが0.1kJ/kg未満では、樹脂層の結晶性が小さく、過度の架橋構造により表面が硬くなるか、若しくは樹脂組成物が結晶性を有さない。そのため、所望の柔軟性を得るには、表面の粘着力が高くなり、問題がある。また、3.0kJ/kg超では、樹脂層の架橋構造が不十分であるので、やはり表面の粘着力が高くなり、問題である。
また、表面層である樹脂組成物の溶剤による抽出率が、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。5.0質量%を超える場合、架橋したポリウレタン樹脂は十分な架橋構造が達成していないので、現像ローラの塑性変形が生じ易く問題がある。また、0.1質量%未満では、架橋したポリウレタン樹脂が過度に架橋構造となっているので、現像ローラの表面が硬くなりすぎて問題がある。
なお、この溶媒抽出率は、現像ローラ表面から採取した試料約100mgを100mlのメチルエチルケトン中に24時間含浸し、その後、乾燥した時の、重量減少量から求める。
上記架橋したポリウレタン樹脂は、2官能のポリエステルポリオールと2官能のイソシアネート化合物を鎖延長させたポリウレタンポリオールと、イソシアネート化合物を重合することより得ることができる。2官能のポリエステルポリオールに含まれる、ポリエステル成分の結晶性により、ポリウレタンポリオールが結晶化しやすく、かつ、2官能のイソシアネート化合物にて鎖延長することにより、直鎖状のポリウレタンポリオールが得られ、更に結晶化が容易となる。なお、ここで、2官能のポリエステルポリオールと2官能のイソシアネート化合物のいずれか一方が芳香族化合物であることが、表面硬さを得るために望ましい。
2官能のポリエステルポリオールは、2価の有機酸とジオールから得られる、脂肪族系又は芳香族系のポリエステルポリオールが使用できる。2価の有機酸としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、フマル酸、ダイマー酸、テレフタル酸、1,12−ドデカン二酸等が使用できる。また、ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等をあげることができる。
なお、2官能のポリエステルポリオールは、Mw1000以上3000以下の脂肪族化合物であることが、架橋したポリウレタン樹脂の結晶性を適度にすることが可能となり、現像ローラの表面の粘着力低減と柔軟化の両立が可能となるので望ましい。
中でも、この脂肪族の2官能のポリエステルポリオールとして、ポリブチレンアジペートグリコールを用いることが、現像ローラの表面の粘着力低減と柔軟化の両立がより容易となるので望ましい。
鎖延長に用いる2官能のイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、フェニレンジイソシアネート(PPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、シクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
上記2官能のポリエステルポリオールと2官能のイソシアネート化合物を、ポリエステル成分過剰で反応させて、ポリウレタンポリオールを得る。このポリウレタンポリオールは、Mwが50000以上200000以下で、かつ、Mw/Mnが1.1以上2.0以下であることが好ましい。
Mwが50000未満である場合、架橋点間の距離が短くなり、樹脂の柔軟化が困難となるために、寿命後期でのトナー固着が発生する。また、Mwが200000を超える場合、架橋密度が小さくなり、樹脂の粘着力が増加し、初期トナー固着などの問題が生じる。また、Mw/Mnが2.0を超える場合は、分子量分布がブロードなため分子間の結晶化が起きにくく、樹脂の粘着力の低減が困難となる。また、1.1未満では分子量分布が小さすぎて入手することが困難である。
上記Mw及びMw/Mnの範囲であるポリウレタンポリオールは、ポリエステルポリオールと2官能イソシアネートの配合量、反応温度を調節し、必要に応じて公知の触媒を添加することにより得ることができる。
上記ポリウレタンポリオールをメチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル等の溶媒で希釈し、公知のイソシアネート化合物を添加した後、導電剤を公知の分散手段で分散することにより表面層を形成する樹脂塗料を得る。
公知のイソシアネート化合物とは、平均官能基数が2より大きく6より小さいイソシアネート又は末端イソシアネート型プレポリマーである。平均官能基数が2より大きく6より小さいイソシアネートとして、例えば、トリフェニルメタントリイソシアネート、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネート等の多官能イソシアネートや多核体成分を含むクルードタイプのものが挙げられる。また、ジイソシアネートの変性体(ウレタン変性体、アロファネート変性体、ビウレット変性体、イソシアヌレート変性体、トリメチロールプロパン変性体)等も使用可能である。平均官能基数が2以下であると架橋構造が殆ど得られず、材料強度が不足する。平均官能基数が6以上であると架橋密度が高くなりすぎて柔軟化が困難となる。
公知のイソシアネート化合物は、通常、ポリウレタンポリオールに対して、イソシアネートインデックスが0.9から1.5の範囲となるように使用される。イソシアネートインデックスとは、イソシアネート化合物中のイソシアネート基のモル数とポリオール成分中の水酸基のモル数との比([NCO]/[OH])を示すものである。
また、導電剤として、有機金属塩などのイオン導電性を持つ化合物や、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、銅、錫、ステンレス鋼等の金属又は合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化チタン、酸化錫―酸化アンチモン固溶体、酸化錫―酸化インジウム固溶体等の金属酸化物、これらの導電性材料で被覆された絶縁性物質の微粉末を用いることができる。
得られた樹脂塗料をスプレー、ディッピング等の公知の方法で塗布した後、風乾と加熱により反応させて、表面層を形成することができる。なお、表面層の厚みは、弾性層の柔軟性を損なうことの無いように、また耐摩耗性を考慮して、2μmから100μmの範囲とすることが好ましい。
該塗料中に、樹脂粒子等を表面粗し剤として添加し、表面粗さを調整することも可能であるが、表面に凹凸が存在すると、装置寿命後半におけるトナー固着が現像ローラ表面の凸部顕著に発生するために、表面粗し剤は添加しないことが好ましい。
なお、本発明の現像ローラでは、その表面が中心線平均粗さRa(JIS B0601−2001)0.01μmから0.50μmの範囲、好ましくは0.03μmから0.30μmの範囲であることが好ましい。
上記した現像ローラは、電子写真方式の画像形成装置の現像ローラとして使用可能であり、特に、プロセスカートリッジタイプに有用である。
図2は、本発明の画像形成装置の一例を示す模式説明図である。
静電潜像担持体としての感光体5が矢印方向に回転し、感光体5に当接する帯電ローラ6によって一様に帯電され、露光手段“レーザー光”7により、その表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は、感光体5に対して接触配置された現像ローラ8によってトナーが付与されることにより現像され、トナー像として可視化される。なお、本発明では、現像ローラ8が上記した性能を有することが重要である。
現像は露光部にトナー像を形成するいわゆる反転現像を行っている。可視化された感光体5上のトナー像は、転写ローラ9によって紙などの記録媒体10に転写される。トナー像が転写された記録媒体10は、定着装置11により定着処理され、装置外に排出され、プリント動作が終了する。
一方、転写されずに感光体5上に残存した残トナーは、クリーニングブレード12により剥ぎ取られる。クリーニングされた感光体5は上述作用を繰り返し行う。
現像ローラ9は、一成分現像剤である非磁性トナーを収容した現像容器(不図示)の長手方向に延在する開口部に位置し、感光体5と対向設置されている。そして、画像形成時には、トナーを担持する現像ローラ9は感光体5と当接幅をもって接触し、感光体5上の静電潜像を現像して可視化するようになっている。
なお、現像容器には現像ローラ9の表面にトナーを塗布担持させるためのトナー塗布部材13及びトナーの塗布量を規制する規制ブレード14が設けられている。トナー塗布部材13は規制ブレード14の現像ローラ9との当接部に対し、現像ローラ9の回転方向上流にて現像ローラ9に当接しており、現像ローラ9の回転と異なる回転速度で回転可能になっている。なお、トナー塗布部材13は、静電潜像の現像に供されずに現像ローラ9の表面に担持されて戻ってきたトナー(未現像トナー)を現像ローラ9表面から剥ぎ取る役目もするので、現像ローラ9とカウンター方向に回転させることが好ましい。
トナー塗布部材13の構造としては、発泡骨格状スポンジ構造や軸芯体上にレーヨン、ポリアミド等の繊維を植毛したファーブラシ構造のものが、現像ローラ9へのトナー供給及び未現像トナーの剥ぎ取りの点から好ましい。例えば、軸芯体上にポリウレタンフォームを設けた弾性ローラを用いることができる。また、このトナー塗布部材13の現像ローラ9に対する当接幅としては1mmから8mmの範囲とするのが好ましい。
規制ブレード14として、金属製の板金にゴム弾性体を固定した部材や、SUSやリン青銅の薄板の様なバネ性を有する部材、若しくはその表面に樹脂やゴムを積層した部材が用いられる。また、規制ブレード14に、現像ローラ9に印加する電圧よりも高い電圧を印加することにより、現像ローラ上のトナー層を制御することが可能である。そのためには規制ブレード14はSUSやリン青銅の薄板を用いることが好ましい。なお、規制ブレード14に印加する電圧は、現像ローラ9に印加する電圧に対し、絶対値で100Vから300V大きくするのが好ましい。このように規制ブレード14の電圧をコントロールすることによって、現像ローラ9の表面粗さRaが0.01μmから0.50μmの範囲であっても十分なトナー搬送量を得ることができる。
本発明のプロセスカートリッジは、少なくとも感光体5と現像装置(現像ローラ9、トナー塗布部材13、規制ブレード14及び現像容器)が一体となっている。そして、現像ローラ9として、本発明の現像ローラが組み込まれている。なお、クリーンニング部材(クリーニングブレード12及び廃トナー容器(不図示))も組み込まれていても構わない。
上記画像形成装置は、現像のユニットを特に示したものであり、カラー複写機等のカラー画像形成装置にあっては、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各ユニットをタンゼム型に配置したものやドラムの周りに円筒状に配置したものがある。また、記録媒体上にカラートナー像を形成する方式としても、各ユニットで形成されたトナー像が記録媒体上に直接重ね合わされるもの、ベルトあるいはドラムに一旦カラートナー像が形成された後記録媒体に一括転写されるものがある。これらはいずれの形態でも構わない。その後、カラートナー像が記録媒体上に形成された記録媒体は定着装置に搬送されて、カラー画像として記録媒体に固定される。
以下、実施例により本発明を説明する。
まず、各種データの測定、評価方法を示す。
(表面層である樹脂組成物の示差走査熱量分析(DSC))
装置として、株式会社リガク製の示差走査熱量計「DSC8230L」(商品名)を用いた。現像ローラから表面層を約20mg採取し、アルミパンに精秤した。次いで、標準試料として測定物と同量のアルミナ粉末を入れたアルミパンと共に装置に装着した。その後、窒素雰囲気下に、−30℃から200℃まで昇温速度20℃/分で昇温して、熱量の出入りを測定し、チャートを得た。このチャートの35℃から80℃の領域に発生する吸熱ピーク(℃)を確認し、そのベースラインに対する面積を求めた。次いで、この面積から吸熱エネルギー(kJ/kg)を算出した。
(重量平均分子量Mw、分子量分散度Mw/Mn)
Mw、Mw/Mnはゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって測定した。
・装置:東ソー株式会社製の高速液体クロマトグラフ「HLC−8120GPC」(商品名)。
・分離カラム:昭和電工株式会社製のポリスチレンジェルカラム「Shodex GPC KF−801、同KF−802、同KF−803、同KF−804、同KF−805、同KF−806及び同KF−807」(商品名)。測定する分子量にあわせて組み合わせて使用した。
・分子量の評定:東ソー株式会社製の単分散ポリスチレン標準試料「TSK標準ポリスチレン」(商品名)にて検量線作製。(分子量:6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106及び4.48×106のもの10種類)。
・溶離溶媒:テトラヒドロフラン(THF)1ml/min。
・検出器:屈折率(RI)検出器。
・注入試料:被測定試料の濃度0.05質量%乃至0.6質量%のTHF溶液。
まず、装置に分離カラム(組)をセットし、チャンバーを40℃にし、カラム温度を安定させ、THFを1ml/minで流す。この状態で、カラムに試料50μlから200μlを注入し、溶離曲線を作製した。そして、単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数(リテンションタイム)との関係から試料の分子量Mw、分子量分散度Mw/Mnを算出した。
(溶媒抽出率(質量%))
現像ローラ表面から試料を約100mg採取し、精秤した(Ws)。次いで、この試料をメチルエチルケトン100ml中に24時間室温で含浸した後、十分に乾燥し、再度精秤した(Wr)。これらの測定値から下記式により溶媒抽出率を求めた。
溶媒抽出率=((Ws−Wr)/Ws)×100
(粘着力)
装置として、JIS Z3284に準拠した株式会社レスカ製のタッキング試験機「TAC−II」(商品名)を用いた。また、測定試料として、現像ローラを長さ50mm程度の半円柱状に切り取ったものを使用した。現像ローラの表面の粘着強度を、円柱形φ5.1mmのステンレス製プローブを用い、25±2℃、50±10%HRの環境下に測定した。なお、測定条件は、プリロード3.92N(400gf)、押し込み速度30mm/min、押し込み荷重3.92N(400gf)、押し込み時間5秒及び引上げ速度600mm/minとした。
(かぶり発生)
作製した現像ローラを、現像ローラとして用い、室温環境で、1%の印字率で連続画像出力を行い、ベタ白部分に3%を超えるかぶりが観察される出力枚数を計測した。なお、画像出力には、規制ブレードが厚さ0.1mmのリン青銅板を取り付けたキヤノン株式会社製のレーザービームプリンタ「Satera LBP5500」(商品名)を用いた。また、出力1000枚毎にマクベス社製の反射濃度計を用い、非印字部分(基準)及び印字範囲のベタ白部の反射率を測定し、基準に対する反射率の低下量(%)を「かぶり」とした。
製造例1(原料弾性ローラの製造)
外径8mm、長さ250mmの表面に化学ニッケルメッキを施した鉄製軸芯体を内径16mmの円筒状金型内に同心となるように載置した。この金型に、液状導電性シリコーンゴム(東レダウシリコーン株式会社製、硬化物のアスカーC硬さ40、硬化物の体積固有抵抗105Ω・cm品)を注型し、130℃のオーブン中で20分加熱成型し、脱型した。その後、さらに200℃のオーブン中で2時間二次加硫を行い、弾性層厚み4mmの原料弾性ローラを得た。
実施例1
(樹脂塗料1の調製)
テレフタル酸とブチレングリコールからなるポリエステルポリオール(Mw=500)とトリレンジイソシアネート(TDI)を80℃で反応させ、Mw=40000、Mw/Mn=2.2の両末端が水酸基である2官能ポリウレタンポリオールを得た。次いで、メチルエチルケトンで固形分30質量%となるように希釈し、ポリウレタンポリオール溶液を得た。次いでこの溶液にトリメチロールプロパン変性のTDI(以下、「TMP変性TDI」と略す)をNCO/OHの比率が1.0になる量添加した。その後、導電性カーボンブラック「MA77」(商品名、三菱化学株式会社製)を固形分100質量部に対し25質量部添加して、充分に分散させ、樹脂塗料1を得た。
(現像ローラ1の製造)
この樹脂塗料1中に製造例1で得た原料弾性ローラを浸漬し、乾燥硬化後の膜厚が10μmとなるように弾性層表面に塗布し、80℃のオーブンで15分乾燥した後、140℃のオーブンで2時間硬化して、現像ローラ1を得た。
得られた現像ローラ1の表面層のDSC測定では、80℃に0.1kJ/kgの吸熱ピークが認められた。
また得られた現像ローラ1の表面層のMEKでの溶媒抽出率は、6.0質量%であった。
実施例2
樹脂塗料1に代えて、以下に示す手順により得られた樹脂塗料2を用いた以外は実施例1と同様にして、現像ローラ2を得た。
(樹脂塗料2の調製)
テレフタル酸とブチレングリコールからなるポリエステルポリオール(Mw=4000)とTDIを80℃で反応させ、Mw=40000、Mw/Mn=2.2の両末端が水酸基である2官能ポリウレタンポリオールを得た。次いで、メチルエチルケトンで固形分30質量%となるように希釈し、ポリウレタンポリオール溶液を得た。この溶液にTMP変性TDIをNCO/OHの比率が1.0になる量添加した後、導電性カーボンブラック「MA77」(商品名)を固形分100質量部に対し25質量部添加して、充分に分散させ、樹脂塗料2を得た。
得られた現像ローラ2の表面層を実施例1と同様にDSC及び溶媒抽出率を測定したところ、DSCでは35℃に3.0kJ/kgの吸熱ピークが認められ、溶媒抽出率は6.0質量%であった。
実施例3
樹脂塗料1に代えて、以下に示す手順により得られた樹脂塗料3を用いた以外は実施例1と同様にして、現像ローラ3を得た。
(樹脂塗料3の調製)
テレフタル酸とブチレングリコールからなるポリエステルポリオール(Mw=2000)とTDIを80℃で反応させ、Mw=50000、Mw/Mn=1.1の両末端が水酸基である2官能ポリウレタンポリオールを得た。次いで、メチルエチルケトンで固形分30質量%となるように希釈し、ポリウレタンポリオール溶液を得た。この溶液にTMP変性TDIをNCO/OHの比率が1.0になる量添加した後、導電性カーボンブラック「MA77」(商品名)を固形分100質量に対し25質量部添加して、充分に分散させ、樹脂塗料3を得た。
得られた現像ローラ3の表面層を実施例1と同様にDSC及び溶媒抽出率を測定したところ、DSCでは60℃に3.0kJ/kgの吸熱ピークが認められ、溶媒抽出率は6.0質量%であった。
実施例4
樹脂塗料1に代えて、以下に示す手順により得られた樹脂塗料4を用いた以外は実施例1と同様にして、現像ローラ4を得た。
(樹脂塗料4の調製)
テレフタル酸とブチレングリコールからなるポリエステルポリオール(Mw=2000)とTDIを80℃で反応させ、Mw=200000、Mw/Mn=2.0の両末端が水酸基である2官能ポリウレタンポリオールを得た。次いで、メチルエチルケトンで固形分30質量%となるように希釈し、ポリウレタンポリオール溶液を得た。この溶液にTMP変性TDIをNCO/OHの比率が1.0になる量添加した後、導電性カーボンブラック「MA77」(商品名)を固形分100質量部に対し25質量部添加して、充分に分散させ、樹脂塗料4を得た。
得られた現像ローラ4の表面層を実施例1と同様にDSC及び溶媒抽出率を測定したところ、DSCでは60℃に1.5kJ/kgの吸熱ピークが認められ、溶媒抽出率は6.0%であった。
実施例5
樹脂塗料1に代えて、以下に示す手順により得られた樹脂塗料5を用いた以外は実施例1と同様にして、現像ローラ5を得た。
(樹脂塗料5の調製)
アジピン酸とエチレングリコールからなるポリエステルポリオール(Mw=4000)とヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を80℃で反応させ、Mw=150000、Mw/Mn=1.8の両末端が水酸基である2官能ポリウレタンポリオールを得た。次いで、メチルエチルケトンで固形分30質量%となるように希釈し、ポリウレタンポリオール溶液を得た。この溶液にTMP変性TDIをNCO/OHの比率が1.0になる量添加した後、導電性カーボンブラック「MA77」(商品名)を固形分100質量部に対し25質量部添加して、充分に分散させ、樹脂塗料5を得た。
得られた現像ローラ5の表面層を実施例1と同様にDSC及び溶媒抽出率を測定したところ、DSCでは40℃に0.8kJ/kgの吸熱ピークが認められ、溶媒抽出率は6.0質量%であった。
実施例6
樹脂塗料1に代えて、以下に示す手順により得られた樹脂塗料6を用いた以外は実施例1と同様にして、現像ローラ6を得た。
(樹脂塗料6の調製)
アジピン酸とプロピレングリコールからなるポリエステルポリオール(Mw=1000)とTDIを80℃で反応させ、Mw=100000、Mw/Mn=1.5の両末端が水酸基である2官能ポリウレタンポリオールを得た。次いで、メチルエチルケトンで固形分30質量%となるように希釈し、ポリウレタンポリオール溶液を得た。この溶液にTMP変性TDIをNCO/OHの比率が1.0になる量添加した後、導電性カーボンブラック「MA77」(商品名)を固形分100質量部に対し25質量部添加して充分に分散させ、樹脂塗料6を得た。
得られた現像ローラ6の表面層を実施例1と同様にDSC及び溶媒抽出率を測定したところ、DSCでは50℃に0.2kJ/kgの吸熱ピークが認められ、溶媒抽出率は6.0質量%であった。
実施例7
樹脂塗料1に代えて、以下に示す手順により得られた樹脂塗料7を用いた以外は実施例1と同様にして、現像ローラ7を得た。
(樹脂塗料7の調製)
アジピン酸とプロピレングリコールからなるポリエステルポリオール(Mw=3000)とTDIを80℃で反応させ、Mw=100000、Mw/Mn=1.5の両末端が水酸基である2官能ポリウレタンポリオールを得た。次いで、メチルエチルケトンで固形分30質量%となるように希釈し、ポリウレタンポリオール溶液を得た。この溶液にTMP変性TDIをNCO/OHの比率が1.0になる量添加した後、導電性カーボンブラック「MA77」(商品名)を固形分100質量部に対し25質量部添加して、充分に分散させ、樹脂塗料7を得た。
得られた現像ローラ3の表面層を実施例1と同様にDSC及び溶媒抽出率を測定したところ、DSCでは50℃に2.5kJ/kgの吸熱ピークが認められ、溶媒抽出率は6.0質量%であった。
実施例8
樹脂塗料1に代えて、以下に示す手順により得られた樹脂塗料8を用いた以外は実施例1と同様にして、現像ローラ8を得た。
(樹脂塗料8)
アジピン酸とブチレングリコールからなるポリエステルポリオール(Mw=2000)とTDIを80℃で反応させ、Mw=100000、Mw/Mn=1.5の両末端が水酸基である2官能ポリウレタンポリオールを得た。次いで、メチルエチルケトンで固形分質量30%となるように希釈し、ポリウレタンポリオール溶液を得た。この溶液にTMP変性TDIをNCO/OHの比率が1.0になる量添加した後、導電性カーボンブラック「MA77」(商品名)を固形分100質量部に対し25質量部添加して、充分に分散させ、樹脂塗料8を得た。
得られた現像ローラ8の表面層を実施例1と同様にDSC及び溶媒抽出率を測定したところ、DSCでは44℃に1.5kJ/kgの吸熱ピークが認められ、溶媒抽出率は6.0質量%であった。
実施例9
樹脂塗料1に代えて、以下に示す手順により得られた樹脂塗料9を用いた以外は実施例1と同様にして、現像ローラ9を得た。
(樹脂塗料9の調製)
アジピン酸とブチレングリコールからなるポリエステルポリオール(Mw=2000)とMDIを80℃で反応させ、Mw=200000、Mw/Mn=1.7の両末端が水酸基である2官能ポリウレタンポリオールを得た。次いで、メチルエチルケトンで固形分30質量%となるように希釈し、ポリウレタンポリオール溶液を得た。この溶液にTMP変性TDIをNCO/OHの比率が1.0になる量添加した後、導電性カーボンブラック「MA77」(商品名)を固形分100質量部に対し25質量部添加して、充分に分散させ、樹脂塗料9を得た。
得られた現像ローラ9の表面層を実施例1と同様にDSC及び溶媒抽出率を測定したところ、DSCでは44℃に1.0kJ/kgの吸熱ピークが認められ、溶媒抽出率は6.0質量%であった。
実施例10
樹脂塗料1に代えて、以下に示す手順により得られた樹脂塗料10を用いた以外は実施例1と同様にして、現像ローラ10を得た。
(樹脂塗料10の調製)
アジピン酸とブチレングリコールからなるポリエステルポリオール(Mw=2000)とMDIを80℃で反応させ、Mw=200000、Mw/Mn=1.7の両末端が水酸基である2官能ポリウレタンポリオールを得た。次いで、メチルエチルケトンで固形分30質量%となるように希釈し、ポリウレタンポリオール溶液を得た。この溶液にTMP変性TDIをNCO/OHの比率が1.1になる量添加した後、導電性カーボンブラック「MA77」(商品名)を固形分100質量部に対し25質量部を添加して、充分に分散させ、樹脂塗料10を得た。
得られた現像ローラ10の表面層を実施例1と同様にDSC及び溶媒抽出率を測定したところ、DSCでは44℃に0.5kJ/kgの吸熱ピークが認められ、溶媒抽出率は5.0質量%であった。
実施例11
樹脂塗料1に代えて、以下に示す手順により得られた樹脂塗料11を用いた以外は実施例1と同様にして、現像ローラ11を得た。
(樹脂塗料11の調製)
アジピン酸とブチレングリコールからなるポリエステルポリオール(Mw=2000)とMDIを80℃で反応させ、Mw=200000、Mw/Mn=1.7の両末端が水酸基である2官能ポリウレタンポリオールを得た。次いで、メチルエチルケトンで固形分30質量%となるように希釈し、ポリウレタンポリオール溶液を得た。この溶液にTMP変性TDIをNCO/OHの比率が1.4になる量添加した後、導電性カーボンブラック「MA77」(商品名)を固形分100質量部に対し25質量部添加して、充分に分散させ、樹脂塗料11を得た。
得られた現像ローラ11の表面層を実施例1と同様にDSC及び溶媒抽出率を測定したところ、DSCでは44℃に0.2kJ/kgの吸熱ピークが認められ、溶媒抽出率は0.1%であった。
実施例12
樹脂塗料1に代えて、以下に示す手順により得られた樹脂塗料12を用いた以外は実施例1と同様にして、現像ローラ12を得た。
(樹脂塗料12の調製)
テレフタル酸とブチレングリコールからなるポリエステルポリオール(Mw=500)とTDIを80℃で反応させ、Mw=250000、Mw/Mn=2.5の両末端が水酸基である2官能ポリウレタンポリオールを得た。次いで、メチルエチルケトンで固形分30質量%となるように希釈し、ポリウレタンポリオール溶液を得た。この溶液にTMP変性TDIをNCO/OHの比率が1.0になる量添加した後、導電性カーボンブラック「MA77」(商品名、三菱化学株式会社製)を固形分100質量部に対し25質量部添加して、充分に分散させ、樹脂塗料1を得た。
得られた現像ローラ12の表面層を実施例1と同様にDSC及び溶媒抽出率を測定したところ、DSCでは80℃に3.0kJ/kgの吸熱ピークが認められ、溶媒抽出率は6.0質量%であった。
比較例1
樹脂塗料1に代えて、以下に示す手順により得られた樹脂塗料13を用いた以外は実施例1と同様にして、現像ローラ13を得た。
(樹脂塗料13の調製)
アジピン酸とブチレングリコールからなるポリエステルポリオール(Mw=500)とXDIを80℃で反応させ、Mw=5000、Mw/Mn=3.0の両末端が水酸基である2官能ポリウレタンポリオールを得た。次いで、メチルエチルケトンで固形分30質量%となるように希釈し、ポリウレタンポリオール溶液を得た。この溶液にTMP変性TDIをNCO/OHの比率が1.4になる量添加した後、導電性カーボンブラック「MA77」(商品名)を固形分100質量部に対し25質量部添加して、充分に分散させ、樹脂塗料13を得た。
得られた現像ローラ13の表面層を実施例1と同様にDSC及び溶媒抽出率を測定したところ、DSCは35℃乃至80℃の範囲には吸熱ピークが認められなかった。また、溶媒抽出率は0.1質量%であった。
比較例2
樹脂塗料1に代えて、以下に示す手順により得られた樹脂塗料14を用いた以外は実施例1と同様にして、現像ローラ14を得た。
(樹脂塗料14の調製)
アジピン酸とブチレングリコールからなるポリエステルポリオール(Mw=5000)とXDIを80℃で反応させ、Mw=300000、Mw/Mn=3.0の両末端が水酸基である2官能ポリウレタンポリオールを得た。次いで、メチルエチルケトンで固形分30質量%となるように希釈し、ポリウレタンポリオール溶液を得た。この溶液にTMP変性TDIをNCO/OHの比率が0.8になる量添加した後、導電性カーボンブラック「MA77」(商品名)を固形分100質量部に対し25質量部添加して、充分に分散させ、樹脂塗料14を得た。
得られた現像ローラ14の表面層を実施例1と同様にDSC及び溶媒抽出率を測定したところ、DSCでは50℃に3.5kJ/kgの吸熱ピークが認められ、かつ、溶媒抽出率も8.0質量%であった。
上記で得られた現像ローラ1〜14の現像ローラとしての性能を、かぶり発生、現像ローラ表面の粘着力等で評価した結果を表1に示す。
Figure 0005127287
注)ポリエステルポリオールの種類は下記を意味する。
PBT:ポリブチレンテレフタレート
PEA:ポリエチレンアジペート
PPA:ポリプロピレンアジペート
PBA:ポリブチレンアジペート
表1から明らかなように、実施例では、表面粘着力が10kN/m2以下であり、初期トナー固着の発生がなく、実使用上問題ないレベルで、かつトナー固着によるかぶり発生も15000枚以上であり、十分に長寿命である結果となった。特に、実施例9、実施例10及び実施例11においては、低粘着力でありながら、かぶり発生は30000枚目という長寿命であった。
それに対し、比較例1ではDSC吸熱ピークが存在しないために、粘着力は低減できたが、かぶり発生が8000枚目であり、短寿命であった。また、比較例2では、DSC吸熱ピークが3.0kJ/kgを超えるために、粘着力が12kN/m2となり、初期トナー固着が発生して実用不可能なレベルであった。
本発明の現像ローラの断面図である。 本発明の現像ローラを適用した画像形成装置の一例を示す模式説明図である。
符号の説明
1 軸芯体
2 弾性層
3 表面層
5 感光体
6 帯電ローラ
7 レーザー光
8 現像ローラ
9 転写ローラ
10 記録媒体
11 定着装置
12 クリーニングブレード
13 トナー塗布部材
14 規制ブレード
15 帯電ローラ用バイアス電源
16 現像ローラ用バイアス電源
17 規制ブレード用バイアス電源
18 転写ローラ用バイアス電源

Claims (9)

  1. 軸芯体と、該軸芯体の外周に設けられた弾性層と、表面層とを有する現像ローラであって、
    該表面層は、架橋したポリウレタン樹脂を含み、かつ、示差走査熱量分析(DSC)において、35℃から80℃の範囲に吸熱ピークが観察され、かつ、その吸熱エネルギーが0.1kJ/kg以上3.0kJ/kg以下であって、
    該架橋したポリウレタン樹脂は、ポリウレタンポリオールとイソシアネート化合物とを重合して得られたものであり、
    該ポリウレタンポリオールは、2官能のポリエステルポリオールと2官能のイソシアネート化合物とを重合して鎖延長させてなる、重量平均分子量Mwが50000以上200000以下であり、かつ、分子量分散度Mw/Mnが1.1以上2.0以下である
    ことを特徴とする現像ローラ。
  2. 前記2官能のポリエステルポリオールがポリブチレンアジペートグリコールであることを特徴とする請求項1に記載の現像ローラ。
  3. 前記2官能のイソシアネートが4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートであることを特徴とする請求項1または2に記載の現像ローラ。
  4. 請求項1に記載の現像ローラの製造方法であって、
    2官能のポリエステルポリオールと2官能のイソシアネート化合物を鎖延長させてなる、Mwが50000以上200000以下で、Mw/Mnが1.1以上2.0以下であるポリウレタンポリオールと、イソシアネート化合物とを含む塗料を弾性層の表面に塗布し、重合させて表面層を形成する
    ことを特徴とする現像ローラの製造方法。
  5. 前記2官能のポリエステルポリオールが、ポリブチレンアジペートグリコールであることを特徴とする請求項4に記載の現像ローラの製造方法。
  6. 前記2官能のイソシアネートが、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートであることを特徴とする請求項4または5に記載の現像ローラの製造方法。
  7. 前記ポリウレタンポリオールと反応させるイソシアネート化合物が、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネートであることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の現像ローラの製造方法。
  8. 感光体と、該感光体と接触配置された現像ローラとが一体となっているプロセスカートリッジであって、該現像ローラが、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像ローラであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  9. 感光体と、該感光体と接触配置された現像ローラとを有し、該現像ローラが、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像ローラであることを特徴とする画像形成装置。
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