JP4250568B2 - 現像ローラ、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 - Google Patents
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Description
少なくとも前記表面層の最外層が、バインダー樹脂として、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られ末端に水酸基を有するウレタンプレポリマーとブロックイソシアネートとをNCO当量37〜75の比率で混合、反応させた樹脂と、導電材としてカーボンブラックと、表面粗し材として重量平均粒子径3〜30μmの樹脂粒子とを含有することを特徴とする現像ローラに関する。
図1は本発明の現像ローラの一つの実施形態の概略を示すもので、(a)は現像ローラの軸線に平行な方向の概略断面図、(b)は現像ローラを軸線に垂直な断面でみた図である。
この図に示す形態の現像ローラは芯金1a上に弾性層1bを形成し、その外周上に表面層1cを設けたものである。ローラの硬度はAskerC硬度30〜70度が好ましく、40〜60度がより好ましい。ローラ硬度がこれらの範囲内にあることによって、ローラを長時間、安定的に使用することが可能となる。
芯金(軸体)1aは、成形時や実使用時に耐えうる強度を有すれば良く、外径4〜10mmが好ましい。
弾性層1bは、天然ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ネオプレンゴム、イソプレンゴム、NBR等のゴム材料に、必要に応じてカーボンブラック、グラファイト、導電性粒子、導電性ゴム等を添加したものであり、硬さ、圧縮永久歪みを考慮した場合、付加反応型導電性シリコーンゴムが好ましく、厚みは1〜6mmが好ましい。弾性層の製造には従来公知の方法を使用することができる。例えば、ディッピング法、スプレーコーティング法、ロールコート法等を用いて原料液を軸体上に塗工した後、加熱架橋を行うことによって弾性層を得ることができる。
表面層1cは少なくとも一層以上の層からなる。少なくとも表面層の最外層は耐摩耗性やトナー帯電性、トナー搬送性等が要求されるため、ウレタン樹脂を主成分とする必要がある。また、表面層には適度な導電性が必要であり、導電剤としては安価なカーボンブラックを用いることが好適である。表面層は例えば、2官能のポリエステルポリオールをメチルエチルケトン、トルエン、アルコール、水等の溶媒で適宜希釈し、導電剤としてカーボンブラックを分散し、表面粗し材として、重量平均粒子径が3〜30μmの樹脂粒子、樹脂粒子を表面層の樹脂固形分100質量部に対し、2〜40質量部を分散した後、硬化剤としてブロックイソシアネートを添加し、攪拌することにより得られる塗料を、弾性層上にスプレー、ディッピング等の方法で塗布すればよい。この後、一定時間、加熱することによって弾性層上に塗布したウレタン塗料を硬化させて表面層とする。ここで、ウレタン塗料の硬化温度は120〜180℃が好ましく、140〜160℃がより好ましい。硬化温度がこれらの範囲内にあることによってアロファネート結合の生成及びブロックイソシアネート中のイソシアネート基とブロック化剤との解離を容易とすることができる。また、上記塗料には加工性やコストを改善するための充填剤、保存安定剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料などを添加してもよい。
本発明によれば、表面層に樹脂粒子を添加し、所望の表面粗さを形成することにより、トナー搬送性が良好となり、感光体上に所望のトナー量供給するための周速比を下げることが可能となる。またこれにより、現像剤量規制部材へのトナー融着や、トナー劣化によるかぶりを防止することが可能となる。ここで、表面粗さを形成するために添加する粒子としては、塗料安定性を考慮し金属粒子等よりも比重の比較的小さい樹脂粒子を用いることが好ましい。また、感光体や現像剤量規制部材との摩擦による磨耗を考慮しても、やはり比較的柔軟性のある樹脂粒子が好ましい。樹脂粒子としては例えばウレタン粒子、ナイロン粒子、アクリル粒子、シリコン粒子等を挙げることができる。これらの樹脂粒子は単独で、又は複数種を混合して使用することができる。
また、導電剤として使用するカーボンブラックとしては例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどを使用することができる。カーボンブラックのDBP吸油量としては30〜150ml/100gが好ましく、50〜100ml/100gであることがより好ましい。表面層中のカーボンブラックの含量は樹脂固形分100質量部に対して3〜50質量部であることが好ましく、10〜30質量部であることがより好ましい。カーボンブラックの含量がこれらの範囲内にあることによって本発明のローラは優れたトナー帯電性を有することができる。ローラの体積抵抗値は104〜1010Ωcm、好ましくは105〜108Ωcmであることが好ましい。
ブロックイソシアネートは常温では安定しており加熱時にイソシアネートが再生するため取り扱いが容易であるなどの利点を有する。ブロック剤としてはε−カプロラクタム、メチルエチルケトオキシム、3,5−ジメチルピラゾール、アルコール類やフェノール類がイソシアネート基をブロックしているタイプと、イソシアネートダイマー(ポリウレトジオン)が熱で分解しイソシアネートを再生するダイマータイプとがある。どちらのタイプも好ましく用いられるが、ダイマータイプは、架橋時にブロック剤が遊離しないので更に好ましい。
バインダー樹脂の原料であるウレタンプレポリマーはポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの反応によって得られ末端に水酸基を有する。ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、あるいはその他の低分子ポリオールの1種または2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、あるいはその他の低分子カルボン酸やオリゴマー酸の1種または2種以上との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトン等の開環重合体等を挙げることができる。
溶媒抽出時の抽出分中のアロファネート結合/ウレタン結合比は0.1〜2の必要がある。アロファネート結合/ウレタン結合比は0.3〜1.5が好ましく、0.5〜1がより好ましい。アロファネート結合/ウレタン結合比がこれらの範囲内にあることによって、トナー帯電性を向上させて長期にわたり高品質な画像を得ることができる。なお、アロファネート結合/ウレタン結合比は実施例に記載の方法によって測定する。
次に、図2に本発明の現像ローラを適用した画像形成装置の一つの実施形態の概略を示す。図2において、感光体としての感光ドラム2002が矢印の方向にVfなる一定の速度で回転駆動されるようになっていて、その表面は、まず、帯電チャージャー2003により一様に帯電させられ、レーザーまたはLEDを用いた光書込装置2004により、静電潜像が形成される。光書込装置2004に反射光を使用しても差し支えない。
外径8mmの芯金を内径16mmの円筒状金型内に同心となるように設置し、弾性層として液状導電性シリコーンゴム(東レダウシリコーン社製:AskerC硬度35度、体積固有抵抗107Ωcm品)を注型後、130℃のオーブンに入れ20分加熱成型し、脱型後、200℃のオーブンで4時間2次加硫を行ない、弾性層の厚みが4mmのローラを得た。
表面粗し材として重量平均粒子径30μmのアクリル粒子(MR−30G(商品名):綜研化学社製)を固形分100質量部に対して3質量部添加し、NCO当量を75とした以外は実施例1と同様にして現像ローラを得た。
表面粗し材として重量平均粒子径14μmのウレタン粒子(アートパールC400(商品名):根上工業社製)を固形分100質量部に対して3質量部添加し、NCO当量を50とした以外は実施例1と同様にして現像ローラを得た。
表面粗し材として重量平均粒子径10μmのウレタン粒子(アートパールC605T(商品名):根上工業社製)を固形分100質量部に対して3質量部添加し、NCO当量を40とした以外は実施例1と同様にして現像ローラを得た。
表面粗し材を添加せず、NCO当量を34とした以外は実施例1と同様にして現像ローラを得た。
NCO当量を80とした以外は実施例4と同様にして現像ローラを得た。
表面粗し材として重量平均粒子径1.8μmのアクリル粒子(MX−180(商品名):綜研化学社製)を固形分100質量部に対して3質量部添加した以外は比較例1と同様にして現像ローラを得た。
(表面粗さ)
以上により作製した現像ローラ表面層における最外層の表面粗さRaを、接触式表面粗さ計サーフコム480A(東京精密製)を用いて測定した。測定条件としては、JISB0601に準じ、半径2μmの触針を用い、押し付け圧0.7mN、測定速度0.3mm/sec、測定倍率5000倍、カットオフ波長0.8mm、測定長さ2.5mmで行い、周方向3点、軸方向3点、合計9点の平均値を粗さ測定値とした。
表面層の形成に使用した塗料を用いて厚さ0.2mmのシートを作成し、長さ10mm、幅5mm程度の短冊状サンプルを重量の合計が0.5g程度となる様に複数切り取り、メチルエチルケトン20ccが入った20ccのサンプル瓶中に、室温で24時間浸漬した後、 得られた抽出成分を真空乾燥機で溶媒成分を除去し、20mgの抽出成分を重クロロホルム0.5mlに溶解してサンプルを作製し、核磁気共鳴装置(JNM−EX400型 JEOL製)を用い、H−NMRスペクトルを測定した。得られたスペクトルから、8.5ppm付近のアロファネート結合を示すピーク強度と、6.8ppm付近のウレタン結合を示すピーク強度の比から、以下の式により結合比を求めた。
(かぶり量)
次に、現像剤量規制部材として厚さ0.1mmのリン青銅板が取り付けられ、非磁性一成分現像剤を収容する現像容器に得られた現像ローラを組み込み、感光体に圧接した状態で高温高湿環境(30℃/80%RH)下、7日間放置した後にレーザービームプリンター(Satera LBP5500(商品名):キヤノン社製)に装着し、ハーフトーン画像を出力し、感光体周期の横スジの有無を評価した。次に、感光体に対する現像ローラの周速比を150%、120%のいずれかに設定し、同じく高温高湿環境(30℃/80%RH)下、レーザービームプリンター(Satera LBP5500(商品名):キヤノン社製)に装着し印字率2%にて10000枚印字後に、白ベタ画像出力中にプリンターを停止し、感光体上に付着したトナーをテープではがし取り、反射濃度計にて基準に対する反射率の低下量(%)を測定し、かぶり量とした。
また、ハーフトーン画像を出力し、現像剤規制部材へのトナー付着起因で発生する縦スジ発生の有無を評価した。
かぶり量については5%以下であれば画像が良好である。ここで周速比とは感光体と現像ローラの回転による線速度の比率であり、感光体の外径をA(mm)、回転速度a(rpm)、現像ローラの外径をB(mm)、回転速度をb(rpm)とすると、以下の式により求めることが出来る。
評価するにあたり、ベタ画像のマクベス濃度が1.4〜1.5となる周速比を設定し、それぞれの現像ローラに適用した。以上の結果を表1に示す。
※2 かぶりについて、反射濃度の低下率が5%以下であれば○、0.5%を超える場合は×とした。
※3 縦スジについて、10000枚印字後のハーフトーン画像にて、縦スジが確認できないものを○、確認できるものを×とした。
1b 弾性層
1c 表面層
2002 感光ドラム
2003 帯電チャージャー
2004 光書込装置
2005 現像器
2005a 現像ローラ
2006 トナー
2007,2008,2009,2010 ローラ
2011 転写紙
2012 紙吸着帯電器
2013 転写帯電器
2014 定着装置
Claims (2)
- 軸体と、該軸体の外周上に弾性層と、該弾性層の外周上に少なくとも一層の表面層を有し、感光体と接触して表面に担持した現像剤を該感光体へ搬送し該感光体上の静電潜像を可視化する現像ローラであって、
少なくとも前記表面層の最外層が、バインダー樹脂として、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られ末端に水酸基を有するウレタンプレポリマーとブロックイソシアネートとをNCO当量37〜75の比率で混合、反応させた樹脂と、導電材としてカーボンブラックと、表面粗し材として重量平均粒子径3〜30μmの樹脂粒子とを含有することを特徴とする現像ローラ。 - 感光体と、現像剤を収容し且つ現像ローラを具備している現像器とを有し、該現像ローラは該感光体に圧接されている画像形成装置において、
該現像ローラが請求項1に記載の現像ローラであることを特徴とする画像形成装置。
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