JP6484483B2 - 現像ローラ、現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、現像ローラ、現像装置及び画像形成装置に関する。
電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置(電子写真機器ともいう)に用いられる現像ローラは、静電潜像が形成された像担持体に現像剤を搬送する機能(現像剤搬送性ともいう)を持つ。現像ローラが有する現像剤搬送性は、画像形成装置の品質、特に印字濃度に影響する。したがって、現像ローラの表面に凹凸を形成し、これにより、現像ローラの現像剤搬送性を向上させること等が検討されている。
例えば、特許文献1や特許文献2には、現像ローラの最表面に樹脂粒子が分散された表層を設けることにより、現像ローラの表面粗さを調整した現像ローラが記載されている。
また、これら以外にも、表面を砥石等で研磨することにより、所定の表面粗さに調整した現像ローラや、成形金型の内面をブラスト処理して所定の粗さに調整した成形金型を用いて弾性層を型成形することにより、所定の表面粗さに調整した現像ローラ等も知られている。
特開2009−265157号公報 特開2002−304053号公報
しかし、特許文献1及び特許文献2に記載の現像ローラのように、樹脂粒子が分散された表層を備えた現像ローラは、画像形成装置に装着されたときに現像ブレードの接触面積が増えてトナーフィルミング(現像剤の固着)が生じ易くなることがあった。
また、研磨により表面粗さを調整した現像ローラは、高コストになるうえ、それほど微細な凹凸が形成されていないため、トナーフィルミングが生じやすく、これにより耐久性が低下しやすいという問題があった。さらに、ブラスト処理された成形金型により型成形された現像ローラは、微細な凹凸が形成されているので、搬送量も少なく、耐久性が低下しやすいことより、トナーフィルミングも生じやすいという問題があった。
本発明は、現像剤搬送性に優れるとともにトナーフィルミングを抑えて耐久性に優れた現像ローラ、並びに、この現像ローラを備えた現像装置及び画像形成装置を提供することを課題とする。
本発明の課題は、以下の手段によって達成された。
(1)軸体と、前記軸体の外周に成形された、中実なシリコーンゴム弾性層と、前記シリコーンゴム弾性層の外周に形成された、ウレタン樹脂からなる被覆層とを備えた現像ローラであって、
前記被覆層が、平均粒径が5〜15μmの微粒子を含有し、
前記被覆層の表面に該微粒子で形成された不規則な凸部を有し、前記表面の13125μmの領域に存在する前記凸部の数が3個以上80個以下であり、
前記被覆層の十点平均粗さRzが5.2μm以下である現像ローラ。
(2)前記被覆層の全面積Sに対する、前記凸部の表面積Sの表面積比(S/S)が、0.05〜0.2の範囲内である(1)に記載の現像ローラ。
(3)前記被覆層が、最外層である(1)又は(2)に記載の現像ローラ。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の現像ローラを備えた現像装置。
(5)上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の現像ローラを備えた画像形成装置。
本発明により、現像剤搬送性に優れるとともに、トナーフィルミングの発生を抑えて耐久性にも優れた現像ローラ、並びに、この現像ローラを備えた現像装置及び画像形成装置を提供できる。
本発明の現像ローラ及び現像装置は、画像形成装置が高濃度で高画質の画像を長期にわたって形成することに貢献できる。また、本発明の画像形成装置は、高濃度で高画質の画像を長期にわたって形成できる。
図1は本発明の現像ローラの一例を示す概略正面図である。 図2は本発明の現像装置及び本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。
本発明の現像ローラを、好ましい一例を挙げて、説明する。
本発明の現像ローラの好ましい一例である現像ローラは、図1に示されるように、棒状又は管状の軸体2と、軸体の外周に形成された管状のゴム弾性層(図1において図示しない)と、ゴム弾性層の外周に形成された被覆層4とを備えている。
軸体2は、従来公知の現像ローラにおける軸体と同様である。
軸体2は、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮等で構成された所謂「芯金」であり、良好な導電特性を有している。軸体2は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂等の絶縁性芯体にメッキを施して導電化した軸体であってもよい。軸体2は、金属で形成された、高伝導性であることが好ましい。
ゴム弾性層は、SBR、NBR、エピクロルヒドリンゴム、EPDM、CR、BR、IR、アクリルゴム、シリコーンゴム及びこれらの複合物、並びに、これらの変性物等で軸体の外周に形成され、なかでも、成形収縮率の大きいシリコーンゴムで形成されることが好ましい。シリコーンゴムは、特に限定されないが、好ましくは後述するシリコーンゴム組成物の硬化物である。
ゴム弾性層は、発泡ゴムからなる発泡層であってもよいが、厚み精度が優れる点で、中実な層であるのが好ましい。本発明において「中実」とは、内部に中空部が存在しない場合に加えて、例えば0.1個/mm以下の中空部が存在する場合をも包含する。
ゴム弾性層は、20〜55のJIS A硬度を有しているのが好ましい。ゴム弾性層が20〜55のJIS A硬度(JIS K6301)を有していると、現像ローラと被当接体との接触面積(ニップ幅ともいう)が大きくなり、転写効率、帯電効率又は現像効率等が改善される。また、感光体等の被当接体に機械的ダメージを与えるおそれが低減される。
ゴム弾性層の厚さは、被当接体との当接状態において被当接体との均一なニップ幅を確保することができる等の点で、0.5〜10mmが好ましく、1〜5mmが特に好ましい。ゴム弾性層の外径としては、特に限定されないが、例えば、5〜20mmとすることができる。
被覆層4は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂でゴム弾性層の外周に形成されている。なかでも、耐摩耗性が優れるウレタン樹脂、特にポリエステルウレタン樹脂で形成されていることが好ましい。ウレタン樹脂及びポリエステルウレタン樹脂については後述する。
被覆層4は、微粒子を含有している。この微粒子は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂で形成されたものが好ましく、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ポリスチレン、アクリルスチレン共重合、架橋オレフィン系樹脂又はポリアミド樹脂等の各樹脂で形成された微粒子がより好ましい。
微粒子の平均粒径は、5〜15μmである。平均粒径が5μm未満であると、現像ローラ1の表面粗さ(十点平均粗さRz)が小さくなり、現像剤搬送性が低下することがある。一方、15μmを超えると、解像度が低下して形成される画像の画質が悪化することがある。優れた現像剤搬送性と高解像度とを高い水準で両立できる点で、微粒子の平均粒子径は、5〜14μmであることが好ましく、6〜12μmであることがさらに好ましい。微粒子の粒径は、現像ローラ1を切断処理した後に、顕微鏡により断面を測ることによって、測定できる。
この微粒子は、100℃以上でも変形又は溶融等しない耐熱性を有することが好ましく、130〜180℃での耐熱性を有することがより好ましい。これにより、被覆層4の架橋温度にも変形せずに耐えられる。耐熱性は、メルトフローインデクサーという設備において微粒子を入れ圧力と熱を与えて流動性を出す装置を用いて、所定の熱を与えても微粒子がこの装置から溶けて流れ出すことがないことにより、確認できる。
微粒子は、被覆層4中に存在(埋没)していればよく、その一部が被覆層4上に存在していてもよい。また、被覆層4中に不均一に分散し、例えば表面側に偏在していてもよい。
また、微粒子の形状も特に限定されない。例えば、粒状であってもよく、柱状、棒状、不定形、円盤状(偏平状)でもよい。
被覆層4は、微粒子を含有することにより、微粒子に起因する凸部4aが被覆層4に不規則的に形成されている。例えば、被覆層4が、内部に存在する微粒子により粒状に隆起又は突出している凸部4aを有する。この凸部4aは被覆層4で覆われた微粒子により形成されている。ここで、不規則的とは、凸部4aが所定の様式(配列様式及び間隔等)で繰り返して配列された配列状態ではないことを意味する。例えば、粒子同士が一部くっついたり、配列ピッチがランダムだったり、しながらも、分散又は散在した状態等が挙げられる。
凸部4aは、被覆層4に形成されていればよく、その数は特に限定されない。本発明においては、凸部4aを多数有し、以下の凸部数を満たす程度の数で有する。
被覆層4が有する凸部4aの数(凸部数という)については、被覆層4における表面のうち13125μm(140μm×93.75μm)の領域に存在する凸部数が100個以下である。凸部数が100個を超えると、表面の凸部4a近傍にトナーフィルミングが発生しやすく、トナーフィルミングにより被覆層4に付着する現像剤量(フィルミング量という)が多くなる。トナーフィルミングの発生を長期わたって抑え、しかもフィルミング量も低減できる点で、凸部数は、90個以下であることが好ましく、80個以下であることがさらに好ましい。凸部数の下限値は、凸部4aが存在する限り特に限定されないが、例えば、1個以上であることが好ましく、2個以上であることがより好ましく、3個以上であることがさらに好ましい。
本発明において、凸部数は、次のようにして、測定する。
すなわち、被覆層4の表面において、微粒子が存在する領域を観測対象(測定点は少なくとも3点)とし、そのうちの13125μm(140μm×93.75μm)の領域を、レーザー顕微鏡:VK−8700(商品名、キーエンス社製)により、倍率100倍にて、観察する。観測領域において、140μmの長さ方向は現像ローラ1の長手方向と平行とし、93.75μmの長さ方向は現像ローラ1の円周方向と平行とする。
このようにして観測した観測領域内に、微粒子に基づく凸部4aが存在する数を計数する。各測定点で計数された凸部数を平均して、上記領域の凸部数とする。
ここで、観測領域内の凸部4aは粒子解析ソフトを用いて2値化により、判別できる。
凸部数は、被覆層4中に含まれる微粒子の含有量等により、上記範囲に設定できる。
被覆層4は、全面積Sに対する、凸部4aの表面積Sの表面積比(S/S)が0.05〜0.2の範囲内であることが好ましい。表面積比(S/S)がこの範囲内にあると、現像剤搬送性と耐久性とをより高い水準で両立できる。現像剤搬送性と耐久性とがさらに優れる点で、表面積比(S/S)は、0.05〜0.18であることが好ましく、0.05〜0.15であることがさらに好ましい。
本発明において、表面積比(S/S)は、以下のようにして、測定、算出した値とする。
上記のように表面を観測して、観察領域の表面の二次元画像を得る。この二次元画像を二値化(条件:オプションソフトにより二値化、照明、ピント及びしきい値はいずれも自動調整に設定。)する。観測領域の全ピクセル数を計数し、このピクセル数から合計面積Sを算出する。また、同様にして、凸部4aを示す領域のピクセル数から凸部4aの合計表面積Sを算出する。表面積Sを面積Sで除して、表面積比(S/S)を算出する。
表面積比(S/S)は、被覆層4中に含まれる微粒子の含有量及び平均粒径等により、上記範囲に設定できる。
被覆層4中の、微粒子の含有量は、ベース樹脂100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、1〜25質量部であることがより好ましく、2〜20質量部であることがさらに好ましい。含有量が上記範囲内にあると、凸部数、さらには表面積比(S/S)を上記範囲内に設定できる。
被覆層4(現像ローラ1)は、5.5μm以下の十点平均粗さRzを有している。これにより、トナーフィルミングの発生を長期わたって抑え、しかもフィルミング量を低減できる。この点で、被覆層4の十点平均粗さRzは、0.5〜5.5μmであることが好ましく、1〜5.5μmであることがより好ましく、2〜5.5μmであることがさらに好ましい。
十点平均粗さRzは、JIS B0601−1984に準じて、先端半径2μmの測定プローブを備えた表面粗さ計(商品名「590A」、東京精密社製)に、現像ローラ1をセットし、測定長2.4mm、カットオフ波長0.8mm、カットオフ種別ガウシアンにより、少なくとも3点を測定点として測定した値の平均値とする。測定位置は、被覆層4の、軸方向の中央約200mm以内の両端部及び中央部の少なくとも3点とする。
十点平均粗さRzは、微粒子の平均粒径又は含有量等により、上記範囲に設定できる。
被覆層4は、現像ローラ1が導電性を有していれば、導電性を有していても有していなくてもよいが、導電性を有しているのが好ましい。被覆層4の導電性は、例えば、後述する樹脂組成物に導電性付与剤を含有させることによって、付与できる。
被覆層4は、10nm〜20μmの層厚を有しているのが好ましく、100nm〜10μmの層厚を有しているのがより好ましい。
本発明の現像ローラは、上記好ましい一例である現像ローラ1に限定されず、本発明の目的を損なわない範囲において、種々の変更が可能である。
例えば、本発明の現像ローラは、軸体とゴム弾性層と被覆層とを備えていれば、他の構成は特に限定されない。例えば、本発明の現像ローラは、軸体とゴム弾性層の間又はゴム弾性層と被覆層との間に接着層又はプライマー層等の中間層を有していてもよい。また、後述するように、被覆層の表面に表層を有していてもよい。
表層としては、種々の機能を有する層を適宜に設けることができる。例えば、トナー粒子に対する離型性、又は、接触するブレードに対する潤滑性を有する表層が挙げられる。
このような表層は、所定の機能を有していればよく、好ましくは、Si元素及びフッ素元素の少なくとも1種を含有することが好ましい。
Si元素を含有する表層としては、例えば、Si元素を含有する材料で形成された表層が挙げられる。Si元素を含有する材料としては、例えば、シリコーングラフトポリマー含有ウレタン、アクリルシリコーン樹脂含有ウレタン、シリコーン系レベリング剤含有ウレタン、シリコーンオイル含有ウレタン、又は、シランカップリング剤が挙げられる。
フッ素元素を含有する表層としては、例えば、フッ素元素を含有する材料で形成された表層が挙げられる。フッ素元素を含有する材料としては、例えば、フッ素ポリオールとイソシアネートとのウレタン、フッ素系界面活性剤含有ウレタン、アクリルフッ素樹脂含有ウレタン、又は、PTFEビーズなどフッ素系微小ビーズ含有ウレタンが挙げられる。
Si元素及びフッ素元素を含有する表層としては、例えば、Si元素及びフッ素元素を含有する材料で形成された表層が挙げられる。Si元素及びフッ素元素を含有する材料としては、例えば、ウレタンにフッ素ポリオールと水酸基含有アクリルシリコーン樹脂のグラフト樹脂で形成された表層が挙げられる。
表層に含有されるSi元素及びフッ素元素は、次のようにして、同定できる。
すなわち、現像ローラから表層を採取した試験片を、X線光電子分光法(ESCA)にて分析する。検出された元素の種類を分析する。
本発明の現像ローラは、微粒子を含有する被覆層を形成し、好ましくは上記のようにして、表面積比(S/S)及び十点平均粗さRzを所定の範囲に設定することにより、製造される。
現像ローラ1を製造する方法を説明するが、本発明はこれに限定されない。
具体的には、まず、軸体2を準備又は作製する。軸体2は、上記材料を用いて、公知の方法により棒状体に作製される。なお、軸体2は、所望により、その外周面を洗浄、脱脂処理、プライマー処理等してもよい。
次いで、軸体2の外周にゴム弾性層を成形する。
ゴム弾性層を形成するゴム組成物は、特に限定されないが、上記した中でも、シリコーンゴム組成物が好ましく、オルガノポリシロキサン及び導電性付与剤を含有するシリコーンゴム組成物がさらに好ましい。
導電性付与剤は、導電性を有していれば特に限定されず、例えば、導電性カーボン、ゴム用カーボン類、金属、導電性ポリマー等の導電性粉末が挙げられる。
シリコーンゴム組成物は、各種の添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、鎖延長剤及び架橋剤等の助剤、触媒、分散剤、発泡剤、老化防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料、着色剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、乳化剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤、離型剤、溶剤等が挙げられる。
シリコーンゴム組成物として、軸体2との高い密着性を発現する点で、付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物、付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物、付加反応型発泡シリコーンゴム組成物等が好ましく、これらのなかでも、特に、付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物が好ましい。
付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物としては、一分子中にケイ素原子と結合するアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン、一分子中にケイ素原子と結合する水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、平均粒径が1〜30μmで嵩密度が0.1〜0.5g/cmである無機質充填材、導電性付与剤及び付加反応触媒を含有する付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物が挙げられる。付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物において、オルガノポリシロキサン100質量部に対して、オルガノハイドロジェンポリシロキサンは0.1〜30質量部、無機質充填材は5〜100質量部、導電性付与剤は2〜80質量部が好ましく、付加反応触媒はオルガノポリシロキサン及びオルガノハイドロジェンポリシロキサンの合計質量に対して0.5〜1,000ppmが好ましい。
付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物としては、平均組成式:RnSiO(4−n)/2(Rは、同一又は異なっていてもよい、置換又は非置換の一価炭化水素基、好ましくは炭素原子数1〜12、より好ましくは炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、nは1.95〜2.05の正数である。)で示されるオルガノポリシロキサン、充填材、及び、該充填材に属するもの以外の導電性材料を含有する付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物が挙げられる。付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物において、オルガノポリシロキサン100質量部に対して、充填材は11〜39質量部、導電性材料は2〜80質量部が好ましい。
この付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物は、特開2008−058622号公報に記載の「付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物」を用いることができ、これに記載された内容は本明細書に組み込まれる。
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物としては、ビニル基含有シリコーン生ゴム、シリカ系充填材、発泡剤、付加反応架橋剤、付加反応触媒、反応制御剤を含有し、所望により有機過酸化物架橋剤及び各種添加剤を含有する付加反応型発泡シリコーンゴム組成物が挙げられる。このシリコーンゴム組成物において、ビニル基含有シリコーン生ゴム100質量部に対して、シリカ系充填材は5〜100質量部、発泡剤は0.1〜10質量部、付加反応架橋剤は0.01〜20質量部、反応制御剤は0.1〜2質量部、付加反応触媒は組成物全体に対して1〜1,000ppmが好ましい。
この付加反応型発泡シリコーンゴム組成物は、特開2008−076751号公報に記載の「付加反応型発泡シリコーンゴム組成物」を用いることができ、これに記載された内容は本明細書に組み込まれる。
ゴム弾性層は、ゴム組成物を軸体2の外周面に配置し、ゴム組成物を硬化して、成形される。ゴム組成物の硬化方法はゴム組成物の硬化に必要な熱を加えられる方法であればよい。また、ゴム弾性層の成形方法も、特に限定されないが、押出成形による連続加硫、プレス、インジェクションによる型成形等が好ましい。ゴム弾性層は型成形されるのが好ましい。
シリコーンゴム組成物を硬化させる際の加熱温度及び加熱時間は、付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物の場合は100〜500℃、特に120〜300℃であるのが好ましく、数秒以上1時間以下、特に10秒以上〜35分以下であるのが好ましく、付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の場合は100〜300℃、特に110〜200℃であるのが好ましく、5分〜5時間、特に1〜3時間であるのが好ましく、付加反応型発泡シリコーンゴム組成物である場合は170〜500℃、特に200〜400℃であるのが好ましく、数分以上1時間以下、特に5〜30分間であるのが好ましい。このようにしてシリコーンゴム組成物を軸体の外周面で硬化させる。硬化したシリコーンゴム組成物を、所望により、二次硬化させることもできる。
ゴム弾性層は、所望により、その表面が研磨、研削されて、外径及び表面状態等が調整される。ゴム弾性層は、所望により、外周にプライマー層が形成されてもよい。また、プラズマ処理、エキシマ処理、UV処理、コロナ処理、イトロ処理又はフレーム処理等によって、表面を改質することもできる。
被覆層4は、熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂及び微粒子を含有する微粒子含有樹脂組成物を、ゴム弾性層又は所望により形成されたプライマー層の外周面で加熱硬化して、形成することができる。また、熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂を含有する樹脂組成物をゴム弾性層又は所望により形成されたプライマー層の外周面に塗布し、微粒子を散布等した後に、加熱硬化して、形成することもできる。本発明においては、微粒子含有樹脂組成物を用いる方法が好ましい。
微粒子含有樹脂組成物は、微粒子を含有する。この微粒子は、上記した通りであり、凸部数、十点平均粗さRz、好ましくは表面積比(S/S)が上記範囲内となるように、平均粒径及び含有量が適宜に決定される。平均粒径は、上記した通りであり、好ましい範囲も同じである。含有量は、被覆層4中の、微粒子の含有量と同じであり、上記した通りである。
微粒子含有樹脂組成物及び樹脂組成物は、導電性付与剤、各種添加剤を含有していてもよい。導電性付与剤及び添加剤は、それぞれ、シリコーンゴム組成物に含有される導電性付与剤及び添加剤と同じものを使用できる。
被覆層4がウレタン樹脂で形成される場合、微粒子含有樹脂組成物及び樹脂組成物は、上記ポリエステルウレタン樹脂を形成する前駆体であるウレタン調製成分を含有する。このウレタン調製成分は、ポリウレタン樹脂を形成できればよく、例えば、ポリエステルポリオールとイソシアネートとの混合物が挙げられる。ウレタン調製成分は、ポリエステルウレタン樹脂を形成できるものが好ましく、例えば、ポリエステルポリオールとイソシアネートとの混合物が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、特に限定されず、分子中に2以上のエステル結合及び2以上の水酸基を有する化合物が挙げられる。具体的には、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、その他の低分子ポリオールの1種又は2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、その他の低分子カルボン酸やオリゴマー酸の1種又は2種以上との縮合重合体、又は、プロピオンラクトン、バレローラクトン、カプローラクトンのような開環重合体等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとして、耐熱性が良く加水分解しにくいポリカーボネートポリオールを用いることもできる。また、性能向上のため少量のポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリルポリオール等が混在したものであっても、後述する表面処理の熱に影響を及ぼさないものであれば用いることもできる。
ポリエステルポリオールは、1種又は2種以上を使用できる。
ポリイソシアネートは、ポリウレタンの調製に通常使用される各種ポリイソシアネートであればよく、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートのカルボジイミド変性ポリイソシアネート、又は、これらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネート等が挙げられる。
ポリイソシアネートは、1種又は2種以上を使用できる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4'−MDI)、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4'−MDI)、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアナートメチル(NBDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、H6XDI(水添XDI)、H12MDI(水添MDI)、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリオールとポリイソシアネートとの混合物における混合割合は、特に限定されないが、通常、ポリエステルポリオールに含まれる水酸基(OH)と、ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基(NCO)とのモル比率(NCO/OH)が0.7〜1.15であるのが好ましい。このモル比率(NCO/OH)は、ポリウレタンの加水分解を防止することができる点で、0.85〜1.10であるのがより好ましい。
ウレタン調整成分には、ポリオール及びポリイソシアネートに加えて、ポリオールとポリイソシアネートとの反応に通常使用される助剤、例えば、鎖延長剤、架橋剤等を併用してもよい。鎖延長剤、架橋剤としては、例えば、グリコール類、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン及びアミン類、カルボジイミド等が挙げられる。
微粒子含有樹脂組成物及び樹脂組成物の塗工は、例えば、微粒子含有樹脂組成物及び樹脂組成物を塗工する塗布法、微粒子含有樹脂組成物及び樹脂組成物にゴム弾性層等を浸漬するディッピング法、微粒子含有樹脂組成物及び樹脂組成物をゴム弾性層等に吹き付けるスプレーコーティング法等の公知の塗工方法によって、行われる。これらの樹脂組成物は、そのまま塗工してもよいし、樹脂組成物に、例えば、メタノール及びエタノール等のアルコール、キシレン及びトルエン等の芳香族系溶媒、酢酸エチル及び酢酸ブチル等のエステル系溶媒等の揮発性溶媒、又は、水を加えた塗工液を塗工してもよい。
このようにして塗工された微粒子含有樹脂組成物及び樹脂組成物を硬化する方法は、微粒子含有樹脂組成物及び樹脂組成物の硬化等に必要な熱を加えられる方法であればよく、例えば、加熱器で加熱する方法が挙げられる。加熱温度は、例えば、100〜200℃、特に120〜160℃、加熱時間は10〜120分間、特に30〜60分間であるのが好ましい。このようにして被覆層4を形成できる。
表層は、上記各材料を用いて、下記方法及び条件で形成できる。
例えば、被覆層4を形成する樹脂組成物に上記材料を混合して、ゴム弾性層の周囲に塗布、硬化(乾燥)することにより、被覆層4と表層とを形成することができる。
Si元素を含有する表層の形成方法:
Si元素を含有する材料は、アクリルシリコーン樹脂、シランカップリング剤、反応性シリコーンオイルやレベリング剤などシリコーン系塗料用添加剤を配合することによって表面を改質できる。例えば、ポリカーボネートジオールとアクリルシリコーンポリマーの混合品合計とポリイソシアネートとのモル比率(NCO/OH)が0.85〜1.1の場合もお互いの樹脂の相容性がよければ作業変更もなく上記同じ条件にて成形できる。
F元素を含有する表層の形成方法:
フッ素元素を含有する材料は、フッ素ポリオール、フッ素ゴム、PTEF、PFA、フッ素系レベリング剤、フッ素ポリオール、アクリルフッ素ポリマー、フッ素系界面活性剤などを配合することによって表面を改質できる。例えば、ポリカーボネートジオールとポリイソシアネートとのモル比率(NCO/OH)が0.85〜1.1の場合も添加剤としてお互いの樹脂の相容性がよければ作業変更もなく上記同じ条件にて成形できる。また、フッ素樹脂パウダーを混合してもよい。
Si元素及びF元素を含有する表層の形成条件:
フッ素系シリコーングラフト樹脂をイソシアネートとのモル比率(NCO/OH)が0.85〜1.1の場合もお互いの樹脂の相容性がよければ作業変更もなく上記同じ条件にて成形できる。また、Si元素を含有する材料の配合にフッ素系添加剤を相容性が良ければ混ぜてもよい。また、フッ素元素を含有する材料の配合にシリコーン系添加剤を混ぜてもよい。
このようにして、現像ローラ1が製造される。
このようにして製造される現像ローラ1は、上記のように、被覆層4に平均粒径が5〜15μmの微粒子が含有されている。また、この微粒子で形成された凸部4aは、被覆層4の表面に不規則に存在し、しかも13125μmの領域に100個以下存在する。さらに、被覆層の十点平均粗さRzは5.5μm以下になっている。好ましくは、表面積比(S/S)が0.05〜0.2の範囲内にある。
このような現像ローラ1は、画像形成装置に装着されると、現像剤搬送性に優れるとともに画像形成装置でのトナーフィルミングの発生を抑えて、画像形成装置が高濃度で高画質の画像を長期にわたって形成すること(耐久性の向上)に貢献できる。
次に、本発明の現像装置及び本発明の画像形成装置の一実施態様を、図2を参照して、説明する。
画像形成装置10は、各色の現像ユニットB、C、M及びYに装備された複数の像担持体11B、11C、11M及び11Yを転写搬送ベルト6上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置であり、現像ユニットB、C、M及びYが転写搬送ベルト6上に直列に配置されている。現像ユニットBは、像担持体11B例えば感光体(感光ドラムとも称される。)と、帯電手段12B例えば帯電ローラと、露光手段13Bと、現像装置20Bと、転写搬送ベルト6を介して像担持体11Bに当接する転写手段14B例えば転写ローラと、クリーニング手段15Bとを備えている。
現像装置20Bは、本発明の現像装置の一例であり、図2に示されるように、本発明の現像ローラと現像剤とを備えている。したがって、この画像形成装置10において、現像ローラ1は、現像剤担持体23B、23C、23M及び23Y、すなわち、現像ローラとして装着されている。現像装置20Bは、具体的には、一成分非磁性の現像剤22Bを収容する筐体21Bと、現像剤22Bを像担持体11Bに供給する現像剤担持体23B例えば現像ローラと、現像剤22Bの厚みを調整する現像剤量調節手段24B例えばブレードとを備えて成る。現像装置20Bにおいて、現像剤量調節手段24Bは、図2に示されるように、現像剤担持体23Bの外周面に接触又は圧接している。すなわち、前記現像装置20Bは所謂「接触式現像装置」である。現像ユニットC、M及びYは現像ユニットBと基本的に同様に構成されており、同じ要素には、同じ符号と各ユニットを示す記号C、M又はYとを付して、説明を省略する。
画像形成装置10において、現像装置20Bの現像剤担持体23Bは、その表面が像担持体11Bの表面に接触又は圧接するように配置されている。現像装置20C、20M及び20Yも、現像装置20Bと同様に、その表面が現像剤担持体23C、23M及び23Yが像担持体11C、11M及び11Yの表面に接触又は圧接するように配置されている。すなわち、この画像形成装置10は所謂「接触式画像形成装置」である。
定着手段30は、現像ユニットYの下流側に配置されている。この定着手段30は、記録体16を通過させる開口部35を有する筐体内に、定着ローラ31と、定着ローラ31の近傍に配置された無端ベルト支持ローラ33と、定着ローラ31及び無端ベルト支持ローラ33に巻き掛けられた無端ベルト36と、定着ローラ31と対向配置された加圧ローラ32とを備え、無端ベルト36を介して定着ローラ31と加圧ローラ32とが互いに当接又は圧接するように回転自在に支持されて成る圧力熱定着装置である。画像形成装置10の底部には、記録体16を収容するカセット41が設置されている。転写搬送ベルト6は複数の支持ローラ42に巻回されている。
画像形成装置10に使用される現像剤22B、22C、22M及び22Yはそれぞれ、摩擦により帯電可能な現像剤であれば、乾式現像剤でも湿式現像剤でもよく、また、非磁性現像剤でも磁性現像剤でもよい。各現像ユニットの筐体21B、21C、21M及び21Y内には、一成分非磁性の、黒色現像剤22B、シアン現像剤22C、マゼンタ現像剤22M及び黄色現像剤22Yが収納されている。
画像形成装置10は、以下のようにして記録体16にカラー画像を形成する。まず、現像ユニットBにおいて、帯電手段12Bで帯電した像担持体11Bの表面に露光手段13Bにより静電潜像が形成され、現像剤担持体23Bにより供給された現像剤22Bで黒色の静電潜像が現像される。そして、記録体16が転写手段14Bと像担持体11Bとの間を通過する際に黒色の静電潜像が記録体16Bの表面に転写される。次いで、現像ユニットBと同様にして、現像ユニットC、M及びYによって、静電潜像が黒像に顕像化された記録体16に、それぞれシアン像、マゼンタ像及び黄色像が重畳され、カラー像が顕像化される。次いで、カラー像が顕像化された記録体16は、定着手段30によりカラー像が永久画像として記録体16に定着される。このようにして、記録体16にカラー画像を形成することができる。
この現像装置は、現像ローラ1を備えており、現像剤搬送性に優れるとともにトナーフィルミングの発生を抑えて、高濃度で高画質の画像を長期にわたって形成することに貢献できる。また、この画像形成装置は高濃度で高画質の画像を長期にわたって形成できる。
本発明の現像装置及び画像形成装置は、上記したものに限定されることはなく、本発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。
画像形成装置10は、電子写真方式の画像形成装置とされているが、この発明において、画像形成装置は、電子写真方式には限定されず、例えば、静電方式の画像形成装置であってもよい。また、本発明の現像ローラが配設される画像形成装置は、各色の現像ユニットを備えた複数の像担持体を転写搬送ベルト上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置に限られず、例えば、単一の現像ユニットを備えたモノクロ画像形成装置、像担持体上に担持された現像剤像を無端ベルトに順次一次転写を繰り返す4サイクル型カラー画像形成装置等であってもよい。また、画像形成装置10に用いられる現像剤は、一成分非磁性現像剤とされているが、この発明においては、一成分磁性現像剤であってもよく、二成分非磁性現像剤であっても、また、二成分磁性現像剤であってもよい。
前記画像形成装置10は、所謂「接触式画像形成装置」であるが、この発明において、画像形成装置は、現像剤担持体の表面が像担持体の表面に接触しないように間隙を有して配置される所謂「非接触式画像形成装置」であってもよい。
参考例1)
図1に示される現像ローラ1を以下のようにして製造した。得られた現像ローラ1について下記物性の測定及び性能の評価をした。
軸体2(SUM23、直径8mm、長さ282mm)の表面にシリコーン系プライマー(商品名:プライマーNo.4、信越化学工業社製)を塗布し、その後ギヤオーブン中で150℃乾燥させ、プライマー処理した。
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(D)(重合度300)100質量部、BET比表面積が110m/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、R−972)1質量部、平均粒径6μm、嵩密度が0.25g/cmである珪藻土(F)(オプライトW−3005S、北秋珪藻土社製)40質量部、及び、アセチレンブラック(G)(デンカブラックHS−100、電気化学工業社製)5質量部をプラネタリーミキサーに入れ、30分撹拌した後、3本ロールに1回通した。これを再度プラネタリーミキサーに戻し、架橋剤として、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(E)(重合度17、Si−H量0.0060mol/g)2.1質量部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.1質量部、及び、白金触媒(H)(Pt濃度1%)0.1部を添加し、15分撹拌して混練して、付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物を調製した。
調製した付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物と軸対とを一体成型して、軸体2の外周にゴム弾性層を成形した。このゴム弾性層は、厚さ3mmの中実体であり、JIS A硬度が40であった。
下記組成を有する微粒子含有ウレタン樹脂組成物を調製した。
・ウレタン調製成分のポリオール:カーボネートジオール(水酸基価=56、商品名:プラクセルCD220、ダイセル社製)100部
・ウレタン調製成分のポリイソシアネート:ヘキサメチレンジイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−B80E」、旭化成社製)36質量部
・カーボンブラック:(商品名「トーカブラック#5500」、東海カーボン社製)16.2質量部(ウレタン調製成分100質量部に対して11.9質量部)
・ジブチル錫ジウラウレート(商品名「ジ−n−ブチルすずジウラウレート」、昭和化学社製)0.03質量部
・ウレタン系微粒子(商品名アートパールP−600T、平均粒径6μm、根上工業社製)10質量部(ウレタン調製成分100質量部に対して7.35質量部)
軸体2の外周に形成したゴム弾性層の外周に、微粒子含有ウレタン樹脂組成物を、スプレー法によって塗布し、150℃で30分間加熱して、層厚5μmの被覆層4を形成した。
このようにして、現像ローラ1を製造した。
(実施例2)
参考例1において、カーボネートジオールをプラクセル220EC(商品名、ダイセル社製)に変更し、ウレタン系微粒子アートパールP−800TをアートパールP−400T(商品名、平均粒径15μm、根上工業社製)に代えたこと以外は、参考例1と同様にして、現像ローラ1を製造した。
(実施例3)
実施例2において、ウレタン系微粒子アートパールP−800TをアートパールRV−600T(商品名、平均粒径10μm、根上工業社製)に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、現像ローラ1を製造した。
参考例2
参考例1において、ウレタン系微粒子アートパールP−800TをアートパールRV−600T(商品名、平均粒径10μm、根上工業社製)に変更し、かつモディパーF206(アクリルフッ素樹脂、日油社製)を1質量部添加したこと以外は、参考例1と同様にして、現像ローラ1を製造した。得られた現像ローラはフッ素元素を含有する材料が被覆層4の表面に移行して表層を形成していた。
参考例3
実施例3において、形成した被覆層4に、実施例3で使用した微粒子含有ウレタン樹脂組成物から微粒子を除き、かつサイマックUS−270(商品名、シリコーングラフトポリマー、東亜合成社製)を2質量部加えて調製したウレタン樹脂組成物を覆層4上に塗布硬化して、層厚2μmの表層を形成して、参考例3の現像ローラを製造した。表層はSi元素を含有する材料(シリコーングラフトポリマー)を含有していた。
参考例4
参考例1において、ウレタン系微粒子の含有量を24質量部(ウレタン調製成分100質量部に対して17.6質量部)に変更したこと以外は、参考例1と同様にして、現像ローラ1を製造した。
(比較例1)
参考例1において、ウレタン系微粒子アートパールP−800Tをミクロパール(商品名、平均粒径3μm、積水化学工業製)に変更したこと以外は、参考例1と同様にして、現像ローラを製造した。
(比較例2)
実施例3において、ウレタン系微粒子の含有量を20質量部(ウレタン調製成分100質量部に対して14.7質量部)に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、現像ローラを製造した。
(比較例3)
実施例2において、ウレタン系微粒子アートパールP−800TをケミスノーMZ−16H(商品名、平均粒径16μm、綜研化学)に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、現像ローラを製造した。
(凸部4aの確認)
製造した各現像ローラにおいて、断面の顕微鏡写真により、被覆層4の表面に存在する凸部4aは微粒子により形成され、凸部4aが散在していたこと確認した。
(凸部数及び表面積比(S/S)の測定)
製造した各現像ローラにおいて、被覆層に存在する凸部数、及び、表面積比(S/S)を、上記方法により、それぞれ測定した。結果を表1に示す。
(十点平均粗さRzの測定)
製造した各現像ローラにおいて、被覆層の十点平均粗さRzを、上記方法により、測定した。結果を表1に示す。
(印字濃度及びフィルミング量の測定)
製造した各現像ローラについて、以下のようにして、印字濃度及びフィルミング量を測定した。結果を表1に示す。
用いた画像形成装置は、型番:C610dn2(沖データ社製)であった。この画像形成装置の現像ローラとして、製造した各現像ローラを現像装置内に装着した。次いで、23℃55%の条件で、ベタ画像を形成し、印字評価を確認した。6000枚印刷後のフィルミング状況と、6000枚印刷後の画像品質(ベタ印字の初期印字形成部分と終期印字形成部分との濃度段差率)を評価した。濃度測定にはX−Rite社製のX−Rite500分光濃度計を使用した。
印字濃度は、下記評価基準により、評価した。本試験において、印字濃度は、評価がAであると合格である。
A:濃度段差率が96〜100%であり、かつ印字ドットがきれいであった場合
B:濃度段差率が92〜95%であり、かつその他の不具合(印字ドットが粗い)があった場合
C:濃度段差率が91%以下であり、かつその他不具合があった場合
(フィルミング量の測定)
トナー付着(フィルミング)は、現像剤の付着量により評価した。具体的には、6000枚印字した後の現像ローラの表面に付着している現像剤を吸引後、フィルミング重量測定ジグに転写した質量を測定した。
フィルミング評価については、転写した現像剤の質量で下記基準により評価した。本試験において、フィルミング量は、評価がBであると合格である。
A:0〜0.003mg
B:0.004〜0.006mg
C:0.007mg以上
Figure 0006484483
表1の結果から以下のことが分かった。
実施例2及び3の現像ローラは、いずれも、表面に不規則な凸部4aを有し、しかも、ウレタン系微粒子の平均粒径、凸部数及び十点平均粗さRzを満たしていた。これらの現像ローラは、印字濃度(現像剤搬送性)に優れるとともに、トナーフィルミング量を抑えることができ、高い耐久性を発揮する。
一方、比較例1は、ウレタン系微粒子の平均粒径及び凸部数を満たしていない。その結果、フィルミング量が多く、印字濃度にも劣った。これは、粒子の数が多く、ウレタン樹脂組成物のチクソ性による表面のうねり等も原因と考えられる。比較例2は、十点平均粗さRzが満たしていない。その結果、現像剤搬送量が多くかぶりが発生した。比較例3は、ウレタン系微粒子の平均粒径及び十点平均粗さRzを満たしていない。その結果、印字濃度及びフィルミング量のいずれも満足できなかった。
1 現像ローラ
2 軸体
4 被覆層
4a 凸部
6 転写搬送ベルト
10 画像形成装置
11B、11C、11M、11Y 像担持体
12B、12C、12M、12Y 帯電手段
13B、13C、13M、13Y 露光手段
14B、14C、14M、14Y 転写手段
15B、15C、15M、15Y クリーニング手段
16 記録体
20 現像装置
21B、21C、21M、21Y、34 筐体
22B、22C、22M、22Y 現像剤
23B、23C、23M、23Y 現像剤担持体
24B、24C、24M、24Y 現像剤規制部材
30 定着手段
31 定着ローラ
32 加圧ローラ
33 無端ベルト支持ローラ
35 開口部
36 無端ベルト
41 カセット
42 支持ローラ
B、C、M、Y 現像ユニット

Claims (5)

  1. 軸体と、前記軸体の外周に成形された、中実なシリコーンゴム弾性層と、前記シリコーンゴム弾性層の外周に形成された、ウレタン樹脂からなる被覆層とを備えた現像ローラであって、
    前記被覆層が、平均粒径が5〜15μmの微粒子を含有し、
    前記被覆層の表面に該微粒子で形成された不規則な凸部を有し、前記表面の13125μmの領域に存在する前記凸部の数が3個以上80個以下であり、
    前記被覆層の十点平均粗さRzが5.2μm以下である現像ローラ。
  2. 前記被覆層の全面積Sに対する、前記凸部の表面積Sの表面積比(S/S)が、0.05〜0.2の範囲内である請求項1に記載の現像ローラ。
  3. 前記被覆層が、最外層である請求項1又は2に記載の現像ローラ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の現像ローラを備えた現像装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の現像ローラを備えた画像形成装置。
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