JP7120703B2 - 現像ローラ、現像装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、フィルミングの発生が良好に抑制され、耐久印字性能に優れる現像ローラ、現像装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
図1は、本発明の現像ローラの一実施形態を示す概略斜視図である。
本発明の現像ローラ1は、図1に示すように、軸体2の外周面に形成された弾性層3と、弾性層3の外周面に形成された被覆層4とを備える現像ローラであって、被覆層4の表面自由エネルギーが10mJ/m2以上25mJ/m2以下であり、かつ算術平均粗さRaが0.6超1.5以下である。
以下、本発明の現像ローラ1の構成について説明する。
軸体2は、好ましくは、導電性を有する、従来公知の現像ローラに用いられる軸体を用いることができる。軸体2は、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、及び真鍮からなる群より選択される少なくとも1種の金属で構成されていることが好ましい。このような金属で構成される軸体2は、一般に、「芯金」の名称でも知られている。
軸体2は、良好な導電性を得るために、芯金であることが好ましい。
弾性層3は、ゴム組成物を軸体2の外周面に加熱硬化して形成される。弾性層3を形成するためのゴム組成物は、ゴムと、導電性付与剤と、所望により各種添加剤とを含有するのが好ましい。
シリコーンゴム組成物としては、例えば、付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物、及び付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物等が挙げられる。
付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物は、例えば、(A)下記平均組成式(1)で示されるオルガノポリシロキサン、(B)充填材、(C)導電性付与剤を含有するものであってよい。
R1 nSiO(4-n)/2 …(1)
式(1)中、nは1.95以上2.05以下の正数を示す。また、R1は、同一又は異なっていてよい、置換又は非置換の一価の炭化水素基を示す。炭化水素基の炭素原子数は、好ましくは1以上12以下であり、より好ましくは1以上8以下である。
付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物は、例えば、(D)分子中に2つ以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、(E)分子中にケイ素原子と結合する水素原子を2つ以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、(F)充填材と、(G)導電性付与剤と、(H)付加反応触媒と、を含有していてよい。
R4 aSiO(4-a)/2 …(2)
式(2)中、aは1.5以上2.8以下の正数を示し、好ましくは1.8以上2.5以下、より好ましくは1.95以上2.05以下である。また、R4は、同一又は異なっていてよい、置換又は非置換の一価の炭化水素基を示す。ただし、一分子中のR4のうち少なくとも2つはアルケニル基である。炭化水素基の炭素原子数は、好ましくは1以上12以下であり、より好ましくは1以上8以下である。
R5 bHcSiO(4-b-c)/2 …(3)
式(3)中、bは0.7以上2.1以下の正数を示し、cは0.001以上1.0以下の正数を示し、b-cは0.8以上3.0以下である。また、R5は、同一又は異なっていてよい、置換又は非置換の一価の炭化水素基を示す。炭化水素基の炭素原子数は、1以上10以下であることが好ましい。なお、R5としては、上記R1として例示した基と同じ基が例示できる。
ゴム組成物は上記以外の各種添加剤を更に含有してもよい。各種添加剤としては、例えば、助剤(鎖延長剤、架橋剤等)、触媒、分散剤、発泡剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料、着色剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、乳化剤、イオン導電剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤、離型剤、溶剤等が挙げられる。
被覆層4は、弾性層3の外周であって、現像ローラ1の最表面に設けられるものである。被覆層4は、弾性層3、又は、所望により形成されたプライマー層の外周面に、被覆層用樹脂組成物を塗工し、次いで、塗工された被覆層用樹脂組成物を加熱硬化させて、形成される。
被覆層用樹脂組成物は、(a)ポリオール、(b)イソシアネート、(c)水酸基と1質量%以上10質量%以下のフッ素原子とを含有する(メタ)アクリレート共重合体、(d)表面粗さ材、及び(e)イオン導電材を含有する。
以下、被覆層用樹脂組成物の各成分(a)~(e)について説明する。
ポリオールは、ポリウレタンの調製に通常使用される各種のポリオールであればよく、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリカーボネートポリオールから選択された少なくとも1種のポリオールであるのが好ましい。
ポリオールは、後述するイソシアネート等との相溶性に優れる点で、1000~8000の数平均分子量を有するのが好ましく、1000~5000の数平均分子量を有するのが更に好ましい。数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレンに換算したときの分子量である。
イソシアネートは、ポリウレタンの調製に通常使用される各種イソシアネートであればよく、例えば、脂肪族イソシアネート、芳香族イソシアネート及びこれらの誘導体等が挙げられる。イソシアネートは、貯蔵安定性に優れ、反応速度を制御しやすい点で、脂肪族イソシアネートであるのが好ましい。
芳香族イソシアネートとしては、例えば、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(トリレンジイソシアネートとも称する。TDI)、3,3’-ビトリレン-4,4’-ジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネートウレチジンジオン(2,4-TDIの二量体)、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、メタフェニレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族イソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、オルトトルイジンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルナンジイソシアネートメチル、トランスシクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、トリフェニルメタン-4,4’,4’’-トリイソシアネート等が挙げられる。
誘導体としては、ポリイソシアネートの多核体、ポリオール等で変性したウレタン変性物(ウレタンプレポリマーを含む)、ウレチジオン形成による二量体、イソシアヌレート変性物、カルボジイミド変性物、ウレトンイミン変性物、アロハネート変性物、ウレア変性物、ビュレット変性物等が挙げられる。ポリイソシアネートは、1種単独で又は2種以上を用いることができる。ポリイソシアネートは、500~2000の分子量を有するのが好ましく、700~1500の分子量を有するのがより好ましい。
ポリオールとポリイソシアネートとの混合物における混合割合は、特に限定されないが、通常、ポリオールに含まれる水酸基(OH)と、ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基(NCO)とのモル比(NCO/OH)が0.7以上1.15以下であるのが好ましい。このモル比(NCO/OH)は、ポリウレタンの加水分解を防止することができる点で、0.85以上1.10以下であるのがより好ましい。なお、実際には、作業環境、作業上の誤差を考慮して適正モル比の3倍から4倍相当量を配合してもよい。
水酸基と1質量%以上10質量%以下のフッ素原子とを含有する(メタ)アクリレート共重合体(以下、単に(c)(メタ)アクリレート共重合体と記載する場合がある)は、少なくとも、共重合体中に水酸基と、1質量%以上10質量%以下のフッ素原子を有するものである。このような共重合体は、少なくともフッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(c-1)、及び水酸基含有(メタ)アクリレートモノマー(c-2)から構成される。
-X-Y-(CH2)n2- (n2=2~43)
-X-(CH2)n3- (n3=1~44)
-CH2CH2(OCH2CH2)n4- (n4=1~24)
-XCO(OCH2CH2)n5- (n5=1~21)
(式中、Xは炭素数1~3のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる置換基を1~3個有していてもよいフェニレン、ビフェニレン又はナフチレンを示す。Yは、-O-CO-、-CO-O-、-CONH-又はNHCO-を示す。)
-C6H4OCO(CH2)n2- (n2=2~10)
-C6H4(CH2)n3- (n3=1~10)
-CH2CH2(OCH2CH2)n4- (n4=1~10)
-C6H4CO(OCH2CH2)n5- (n5=1~10)
-(CH2CH2O)n7CH2CH2- (n7=1~20)
-(CHCH3CH2O)n8CHCH3CH2- (n8=1~10)
被覆層4は、表面粗さ材を含有する。表面粗さ材は、被覆層4の表面粗さを調製する粒子である。被覆層4に配合される表面粗さ材の平均粒子径は、好ましくは0.1μm以上20μm以下であり、より好ましくは1μm以上15μm以下である。被覆層4にこのような表面粗さ材を配合することで、外周面の表面粗さを、容易に適切な範囲に調整することができる。現像ローラ1の外周面の表面粗さを調整することで、トナー搬送性が向上し、一層優れた印字特性が得られる。なお、表面粗さ材の平均粒子径は、レーザー光回折法による粒度分布測定装置を用いて、メジアン径として測定できる。
イオン導電性物質としては、例えば、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウム、リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、カリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、カリウム N,N-ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド等の無機イオン性導電性物質などが挙げられる。イオン導電材の被覆層用樹脂組成物中における含有量は、被覆層用樹脂組成物100質量部に対し、0.01~5質量部であることが好ましく、0.1~3質量部であることがより好ましい。
このようにして形成される被覆層においては、樹脂を形成する前駆体とイオン導電材が反応して一体になっていてもよく、複合体を形成していてもよい。また、イオン導電材が樹脂を形成する前駆体と反応せず、樹脂中に分散していてもよい。
本発明の現像ローラにおける被覆層の表面自由エネルギーは、10mJ/m2以上25mJ/m2以下である。被覆層の表面自由エネルギーが10mJ/m2以上であることにより、現像剤の搬送力を大きくすることができる。また、被覆層の表面自由エネルギーが25mJ/m2以下であることにより、被覆層の凹凸に残留しにくく、現像剤の掻き落としが容易であるので、フィルミングを良好に防止することができる。
表面自由エネルギーが25mJ/m2以下であることにより、現像ローラ表面に付着したトナーの離形に優れ、現像剤の掻き落としが容易であるので、フィルミングを良好に防止することができる。また、10mJ/m2以上とは実際の表面自由エネルギー限界レベルである。
本発明の現像ローラにおける被覆層の表面の算術平均粗さRaは、0.6超1.5以下である。0.6超であることにより、現像剤の搬送力を調整し、大きくすることができる。このため、印字濃度を調整でき、高くすることができる。また、1.5以下であることにより、トナーが被覆層の表面の凹凸に残留することがないため、フィルミングを良好に防止することができる。
なお、被覆層用樹脂組成物中のフッ素原子の含有量は後述の実施例で示す測定方法で測定した値とする。
本発明における被覆層用樹脂組成物によって作製された被覆層では、水酸基と1質量%以上10質量%以下のフッ素原子とを含有する(メタ)アクリレート共重合体を含有するため、フッ素原子が樹脂の一部として取り込まれた状態で被覆層の表面近傍に偏在している。したがって、本発明の被覆層は、表面に長期間にわたってフッ素原子が存在するため、画像形成装置の稼動によって溶融した現像剤が被覆層にほとんど付着しなくなり、被覆層に固着する現像剤量を著しく低減することができ、高品位な画像を提供することができる。
本発明の現像ローラ1は、軸体2と弾性層3との間、及び弾性層3と被覆層4との間に、接着層又はプライマー層等の中間層を備えていてもよい。ここで、これらの中間層のうち、特に、弾性層3と被覆層4の間に設けられる接着層及びプライマー層については、その電気的特性を調整することにより、現像ローラ1としての電気的特性を調整することができ、これにより、現像ローラ1の現像性能を良好に調整することができる。
本発明の現像ローラ1は、現像装置及び画像形成装置における現像剤担持体として、好適に用いることができる。本実施形態において、画像形成装置における現像ローラ1以外の構成は特に限定されない。本発明の現像ローラ1を備えた現像装置及び画像形成装置の一例を、図2を参照して、説明する。
(プライマー層の形成)
無電解ニッケルメッキ処理が施された軸体(SUM22製、直径10mm、長さ275mm)をエタノールで洗浄し、その表面にシリコーン系プライマー(商品名「プライマーNo.16」、信越化学工業株式会社製)を塗布した。プライマー処理した軸体を、ギヤオーブンを用いて、150℃の温度にて10分焼成処理した後、常温にて30分以上冷却し、軸体の外周面にプライマー層を形成した。
次いで、弾性層を形成するためのシリコーンゴム組成物を次のように調製した。すなわち、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度300)100質量部、BET比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(商品名「R-972」、日本アエロジル株式会社製)1質量部、平均粒子径6μm、嵩密度が0.25g/cm3である珪藻土(商品名「オプライトW-3005S」、中央シリカ株式会社製)40質量部、及び、アセチレンブラック(商品名「デンカブラックHS-100」、デンカ株式会社製)5質量部、をプラネタリーミキサーに入れ、30分撹拌した後、3本ロールに1回通した。これを再度プラネタリーミキサーに戻し、両末端及び側鎖にSi-H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si-H量0.0060mol/g)2.1質量部、エチニルシクロヘキサノール0.1質量部、白金系触媒(Pt濃度1質量%)0.1質量部を添加し、30分撹拌脱泡混練して、付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物を調製した。
次いで、被覆層を形成するための樹脂組成物を次のように調製した。
なお、被覆層用樹脂組成物における、(a)ポリオール、(b)イソシアネートの合計含有量、(c)水酸基と1質量%以上10質量%以下のフッ素原子とを含有する(メタ)アクリレート共重合体、(d)表面粗さ材、及び(e)イオン導電材の含有量(質量部)を表1に示す。
(a)ポリエステルポリオール(1,6-ヘキサンジオールとアジピン酸との混合モル比[COOH/OH]=12/13、上記測定方法で測定された数平均分子量は、1000~8000の範囲内にあった。) 28質量部
(b)イソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート) 14質量部
(c)水酸基と1質量%以上10質量%以下のフッ素原子とを含有する(メタ)アクリレート共重合体 0.5質量部
(d)表面粗さ材(シリカACEMATT OK412(エボニックジャパン)3質量部
(e)イオン導電材(カリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、商品名「EF-N112」、三菱マテリアル電子化成株式会社製)
0.2質量部
ポリイソシアネートとポリエステルポリオールとのモル比[NCO/OH]=1.1/1であった。
(a)ポリエステルポリオールに代えてアクリルポリオール(商品名「UH-2041」、東亞合成株式会社製)配合量20質量部とし、(b)イソシアネートをアダクト系イソシアネートに変更し、配合量を25質量部にした以外は、実施例1と同様に被覆層用樹脂組成物を調製し、被覆層を形成した。
(a)ポリエステルポリオールに代えてポリカーボネートジオール(商品名「T650J」、旭化成株式会社製)20質量部とし、(b)イソシアネートをアダクト系イソシアネート19質量部とした以外は、実施例1と同様に被覆層用樹脂組成物を調整し、被覆層を形成した。
(d)表面粗さ材(シリカACEMATT OK412(エボニックジャパン))に代えてACEMATT OK607 配合量を3質量部にして、(c)水酸基と1質量%以上10質量%以下のフッ素原子とを含有する(メタ)アクリレート共重合体を0.25質量部にした以外は実施例2と同様に被覆層用樹脂組成物を調整し、被覆層を形成した。
(c)水酸基と1質量%以上10質量%以下のフッ素原子とを含有する(メタ)アクリレート共重合体を1質量部にし、(d)表面粗さ材を5質量部にした以外は実施例2と同様に被覆層用樹脂組成物を調整し、被覆層を形成した。
(a)アクリルポリオールを16質量部にし、アクリル共重合フッ素ポリオール TR-101(DIC株式会社)4質量部を追加した以外は実施例2と同様に被覆層用樹脂組成物を調整し、被覆層を形成した。
(c)水酸基と1質量%以上10質量%以下のフッ素原子とを含有する(メタ)アクリレート共重合体を添加しなかった以外は、実施例1と同様に被覆層用樹脂組成物を調製し、被覆層を形成した。
実施例6のアクリル共重合フッ素ポリオールに代えて、アクリルシリコーン系グラフトポリマー(商品名「US-270」、東亞合成株式会社製)を4質量部配合し、(c)水酸基と1質量%以上10質量%以下のフッ素原子とを含有する(メタ)アクリレート共重合体を添加しなかった以外は、実施例6と同様に被覆層用樹脂組成物を調製し、被覆層を形成した。
(c)水酸基と1質量%以上10質量%以下のフッ素原子とを含有する(メタ)アクリレート共重合体)に代えて、アクリル共重合フッ素ポリオール(商品名「TR-101」、DIC株式会社製)を4質量部配合し、(d)表面粗さ材を5質量部とした以外は、実施例6と同様に被覆層用樹脂組成物を調製し、被覆層を形成した。
本発明において、被覆層の表面自由エネルギーは、以下のように算出した。溶媒として水、エチレングリコール、ヘキサデカンを用い、現像ローラ表面に対する接触角を前述した方法で測定し、以下の北崎・畑理論により、表面自由エネルギーを算出した。まず、表面自由エネルギーが、分散成分γd、極性成分γp、水素結合成分γhからなると仮定する。この時、表面自由エネルギーγは、下記式(1)で表される。
γ=γd+γp+γh (1)
また、液体の表面自由エネルギーγL、固体の表面自由エネルギーγS,接触角θの関係は、下記式(2)で表される。
γL(1+cosθ)=2(γS dγL d)1/2+2(γS pγL p)1/2+2(γS hγL h)1/2 (2)
ここで、γLの成分として既知の液体を3種類用いてそれぞれの接触角θを測定し、γS d、γS p、γS hに関する連立方程式を解くことによりγSが求められる。
上記のようにして作製された現像ローラを、JIS B0601-2001に基づき、表面粗さ計(商品名「サーフコム 1400G」、株式会社東京精密製)により算術平均粗さRaを測定した。
被覆層用樹脂組成物を切だし、0.01gを試料燃焼装置AQF-2100H三菱ケミカルアナリテックで燃焼・吸収し、吸収液をイオンクロマトグラフ Integrion RFIC(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)で分析し、フッ素の含有量を求めた。
作製した現像ローラを装着した画像形成装置を用い、温度23℃、湿度55%RHの条件、温度30℃、湿度80%RHの条件、温度10℃、湿度20%RHの条件をサイクルで変更させ所定の印字パターンを10000枚(両面印刷)行い、翌日ベタ画像を3枚印字した後の現像ローラの表面に付着している現像剤を吸引後、フィルミング重量測定ジグに転写した質量を測定した。フィルミング評価については、転写した現像剤の質量で下記基準により評価した。本試験において、フィルミング量は、評価がAであると合格である。
-評価基準-
A:転写した現像剤の質量が0mg以上0.02mg未満
B:転写した現像剤の質量が0.02mg以上0.05mg未満
C:転写した現像剤の質量が0.05mg以上
温度23℃、湿度55%RHの条件、温度30℃、湿度80%RHの条件、温度10℃、湿度20%RHの条件をサイクルで変更させ所定の印字パターンを10000枚(両面印刷)行い、翌日ベタ画像を3枚印字し、X-Rite社製の508分光濃度計を用いてベタ画像の印字濃度を測定した。
-評価基準-
A:1.4以上
B:1.2以上1.4未満
C:1.0以上1.2未満
温度23℃、湿度55%RHの条件、温度30℃、湿度80%RHの条件、温度10℃、湿度20%RHの条件をサイクルで変更させ所定の印字パターンを10000枚(両面印刷)行い、翌日ベタ画像を3枚印字し、A4紙の上部印字濃度と下部印字濃度とを比較した。具体的には、ベタ印字の上部印字形成部分と下部印字形成部分との濃度段差率を求め、下記評価基準により評価した。
-評価基準-
A:濃度段差率が1.1以内
B:濃度段差率が1.1より大きく1.2以内
C:濃度段差率が1.2より大きい
2 軸体
3 弾性層
4 被覆層
6 転写搬送ベルト
10 画像形成装置
11B、11C、11M、11Y 像担持体
12B、12C、12M、12Y 帯電手段
13B、13C、13M、13Y 露光手段
14B、14C、14M、14Y 転写手段
15B、15C、15M、15Y クリーニング手段
16 記録体
20B、20C、20M、20Y 現像装置
21B、21C、21M、21Y、34 筐体
22B、22C、22M、22Y 現像剤
23B、23C、23M、23Y 現像剤担持体
24B、24C、24M、24Y 現像剤量調節手段
25B、25C、25M、25Y トナー供給ローラ
30 定着手段
31 定着ローラ
32 加圧ローラ
33 無端ベルト支持ローラ
34 筐体
35 開口部
36 無端ベルト
41 カセット
42 支持ローラ
B、C、M、Y 現像ユニット
Claims (3)
- 軸体の外周面に形成された弾性層と、該弾性層の外周面に形成された被覆層とを備える現像ローラであって、
前記被覆層の表面自由エネルギーが10mJ/m2以上25mJ/m2以下であり、かつ前記被覆層の表面の算術平均粗さRaが0.6超1.5以下であり、
前記被覆層が被覆層用樹脂組成物を加熱硬化させてなり、前記被覆層用樹脂組成物中のフッ素原子の含有量が5質量%未満であり、
前記被覆層用樹脂組成物が、(a)ポリオール、(b)イソシアネート、(c)水酸基と1質量%以上10質量%以下のフッ素原子とを含有する(メタ)アクリレート共重合体、(d)シリカ、及び(e)イオン導電材を含有する現像ローラ。 - 請求項1記載の現像ローラを備えた現像装置。
- 請求項1記載の現像ローラを備えた画像形成装置。
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