JP2004074606A - 低汚染性金属樹脂複合板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低汚染性金属樹脂複合板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】(1)合成樹脂シートの両面に金属シートを積層して成る複合板の少なくとも一方側の金属シート表面に、水に対する接触角が70°以下であるフッ素系塗膜を形成して成ることを特徴とする低汚染性金属樹脂複合板、および、(2)上記の低汚染性金属樹脂複合板の製造方法であって、少なくとも一方側の金属シート表面にフッ素系塗料を塗布し、焼き付け硬化させた後、合成樹脂シートと貼り合わせて複合板とする低汚染性金属樹脂複合板の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】(1)合成樹脂シートの両面に金属シートを積層して成る複合板の少なくとも一方側の金属シート表面に、水に対する接触角が70°以下であるフッ素系塗膜を形成して成ることを特徴とする低汚染性金属樹脂複合板、および、(2)上記の低汚染性金属樹脂複合板の製造方法であって、少なくとも一方側の金属シート表面にフッ素系塗料を塗布し、焼き付け硬化させた後、合成樹脂シートと貼り合わせて複合板とする低汚染性金属樹脂複合板の製造方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は低汚染性金属樹脂複合板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂シートの両面に金属シートを積層して成る複合板は、軽量で且つ曲げ剛性および加工性能に優れていることから、建築物の内壁や外壁に広く使用されている。しかしながら、特に建築物の外壁などの外装用途に使用した場合、外側の金属シートが汚染されるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、低汚染性金属樹脂複合板およびその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第1の要旨は、合成樹脂シートの両面に金属シートを積層して成る複合板の少なくとも一方側の金属シート表面に、水に対する接触角が60°以下であるフッ素系塗膜を形成して成ることを特徴とする低汚染性金属樹脂複合板に存する。
【0005】
そして、本発明の第2の要旨は、第1の要旨に係る低汚染性金属樹脂複合板の製造方法であって、少なくとも一方側の金属シート表面にフッ素系塗料を塗布し、焼き付け硬化させた後、合成樹脂シートと貼り合わせて複合板とすることを特徴とする低汚染性金属樹脂複合板の製造方法に存する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。先ず、本発明の低汚染性金属樹脂複合板について説明する。本発明の低汚染性金属樹脂複合板は、基本的には、合成樹脂シートの両面に金属シートを積層して成る。
【0007】
上記の合成樹脂シートの材料は、特に制限されないが、ポリオレフィン系樹脂またはポリオレフィン系樹脂と無機フィラーとを含有するポリオレフィン系樹脂組成物が好適に使用される。
【0008】
上記のポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のα−オレフィン、エチレンプロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体などのエチレン系共重合体が挙げられる。これらは、単独でも、2種類以上の混合物であってもよい。
【0009】
上記の無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、タルク等の他、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水和金属金属酸化物が挙げられる。斯かる無機フィラーは樹脂の燃焼発熱量を低下させて難燃性を向上させる機能を有する。無機フィラーの平均粒子径は通常15〜90μmの範囲とされる。平均粒子径が小さ過ぎる場合は、合成樹脂シートとして金属シートに積層させる際の接着性が低下し、逆に、大き過ぎる場合は難燃性が不充分となる。無機フィラーのポリオレフィン樹脂に対する配合量は、通常50〜80重量%の範囲とされる。配合量が余りに少ない場合は難燃性が不充分であり、余りに多い場合は、合成樹脂シートとして金属シートに積層させる際の接着性が低下する。
【0010】
合成樹脂シート(前記のポリオレフィン系樹脂またはポリオレフィン系樹脂組成物から成るシート)の厚さは、通常2〜8mmの範囲とされる。厚さが2mm未満の場合は、複合板の厚さが薄くなり過ぎる。従って、充分な剛性を得るために金属シートを厚くする必要があり、その結果、複合板の重量が重くなる。厚さが8mmを超える場合は、複合板の折り曲げ加工が困難となり、また、折り曲げ加工の際に樹脂シートと金属シートとの界面で剥離が生じ易くなる。
【0011】
前記の金属シートの材料は、特に制限されないが、アルミニウム(合金を含む)、ステンレス、チタン、鉄などが挙げられる。金属シートの厚さは、通常0.1〜0.8mmの範囲とされる。厚さが余りにも薄い場合は、複合板の機械的強度が不充分であり、また、厚さが余りにも厚い場合は複合板を折り曲げ加工する際の加工性が劣る。
【0012】
本発明の低汚染性金属樹脂複合板は、上記の様な複合板の少なくとも一方側の金属シート表面に、水に対する接触角が70°以下であるフッ素系塗膜を形成して成ることを特徴とする。
【0013】
水に対する接触角が70°以下であるフッ素系塗膜は、例えば、官能基含有フッ素樹脂(a)、4官能加水分解性シラン化合物の多量体(b)、硬化剤(c)を含有する塗料を塗装して焼き付け硬化させることによって形成することが出来る。
【0014】
上記の官能基含有フッ素樹脂(a)としては、溶剤に対する溶解性、塗膜の耐候性、塗装作業性などの観点から、塗料用フッ素樹脂として知られるフルオロオレフィン及びこれと共重合可能な単量体を共重合して得られる樹脂が好ましい。
【0015】
フルオロオレフィンとしては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン等の炭素数2又は3のフルオロオレフィンが挙げられる。
【0016】
フルオロオレフィンと共重合可能な単量体としては、ビニルエーテル、カルボン酸ビニルエステル、アリルエーテル、カルボン酸アリルエステル、イソプロペニルエーテル、カルボン酸イソプロペニルエステル、メタリルエーテル、カルボン酸メタリルエステル、α−オレフィン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等から選ばれる1種以上の単量体が挙げられる。
【0017】
上記のビニルエーテルとしては、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、フルオロアルキルビニルエーテル、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)等のアルキルビニルエーテルが例示される。上記のカルボン酸ビニルエステルとしては、分岐状のアルキル基を有するベオバ−10(シェル化学製商品名)、酪酸ビニル、酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステルが例示される。上記のアリルエーテルとしては、エチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル等のアルキルアリルエーテルが例示される。上記のカルボン酸アリルエステルとしては、プロピオン酸アリル、酢酸アリル等の脂肪酸アリルエステルが例示される。上記のイソプロペニルエーテルとしては、メチルイソプロペニルエーテル等のアルキルイソプロペニルエーテルが例示される。上記のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、イソブチレン等が例示される。
【0018】
上記の樹脂において、フルオロオレフィンの共重合割合が余りに少ない場合は、充分に優れた耐候性が発揮されず、また、フルオロオレフィンの共重合割合が余りに多い場合は、溶剤への溶解性などが低下する。従って、フルオロオレフィンの共重合割合は、通常30〜70モル%、好ましくは40〜60モル%の割合とされる。
【0019】
上記の樹脂の有する官能基は、硬化剤(c)と架橋反応し得る官能基であり、、その具体例としては、イソシアネート系硬化剤やアミノプラスト系硬化剤などと反応し得る活性水素含有基、例えば、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基などが例示される。また、それ以外に、エポキシ基、ハロゲン、二重結合などの官能基も例示される。好ましい官能基は活性水素含有基であり、特に好ましい官能基は水酸基である。官能基を有する共重合単位は、共重合体中の割合として通常5〜20モル%である。
【0020】
官能基の導入方法としては、重合にあずかる二重結合以外の官能基を有する単量体、例えば、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルアリルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ウンデセン酸、グリシジルビニルエーテル、グリシジルアリルエーテル等を共重合せしめる方法が挙げられる。また、共重合体を変性せしめることにより官能基を導入する方法、例えば、水酸基またはエポキシ基に、無水コハク酸の様な多塩基酸無水物を反応せしめてカルボキシル基を導入する方法、イソシアネートアルキルメタクリレート等を反応せしめて二重結合を導入する方法などの方法でも官能基を導入できる。
【0021】
前記の4官能加水分解性シラン化合物の多量体(b)としては、テトラメトキシシリケートの縮合体でSiO2含有量が58%以上である加水分解性シラン化合物の多量体が好ましい。テトラメトキシシランの縮合体のSiO2含有量は、この化合物を完全に加水分解して焼成して生成するSiO2重量割合を測定することで求められる。SiO2含有量は大きくなると縮合度が高いことを示す。
【0022】
4官能加水分解性シラン化合物の多量体(b)の配合量は、官能基含有フッ素樹脂(a)と硬化剤(c)の合計100重量部に対し、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。4官能加水分解性シラン化合物の多量体(b)の配合量が0.1重量部未満の場合は防汚性が劣り、10重量部を超える場合は塗膜の柔軟性の低下や硬化障害が起こり物性の低下が生じる。
【0023】
前記の硬化剤(c)としては、官能基含有フッ素樹脂(a)を架橋し得るものであれば特に限定されない。具体例としては、アミノプラスト系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、多塩基酸系硬化剤、多価アミン系硬化剤などが挙げられる。また、斯かる硬化剤の架橋反応を促進すべく、ジブチル錫ラウリレート等の金属化合物触媒を使用するのが好ましく、その使用量は、官能基含有フッ素樹脂(a)、4官能加水分解性シラン化合物の多量体(b)、硬化剤(c)の合計100重量部に対し、通常0.01〜0.1重量部である。
【0024】
硬化剤(c)の配合量は、官能基含有フッ素樹脂(a)中の官能基(例えば水酸基含有フッ素樹脂の場合は水酸基)1モルに対し、通常0.5〜2.0、好ましくは0.8〜2.0モルとされる。硬化剤(c)の配合量が余りに少ない場合は、官能基含有フッ素樹脂(a)の硬化が不充分となり耐溶剤性などが低下することがあり、硬化剤(c)の配合量が余りに多い場合は、未反応の状態で塗膜中に残存し、耐候性その他の性能に悪影響を起こすことがある。
【0025】
塗料の調製において、任意に使用される溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類などが挙げられる。また、脂肪族系溶剤、エーテル系溶剤、石油系溶剤なども例示される。これらの溶剤は2種以上を併用してもよい。
【0026】
塗料中には、上記成分の他に、顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、つや消し剤、界面活性剤、タレ防止剤、塗膜の付着性向上のためのシランカップリング剤などを配合してもよい。また、フッ素樹脂と共に、防汚性や加工性に支障ない範囲で、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などの他の塗料用樹脂を併用してもよい。更に、4官能加水分解性シラン化合物の多量体(b)と共に、加水分解性基とそれ以外の有機基とがケイ素原子に結合したシラン化合物であるシランカップリング剤を塗膜の付着性向上のために併用してもよい。
【0027】
防汚性の機能発現は、塗膜表面に早期にシラノール基(SiOH)を形成させることにより塗膜表面を親水性にして水洗を容易にすることによる。また、帯電性を下げることにより静電気による汚染物質の付着をし難くするという効果がある。
【0028】
親水性の定量的な指標としての水との接触角は、フッ素系塗膜の形成の仕方により異なるが、本発明においては、70°以下、好ましくは60°以下、更に好ましくは55°以下にする。水との接触角が70°を超える場合は、水洗を容易にする効果が不十分である。なお、水との接触角の下限は、特に制限されないが、通常は30°である。
【0029】
防汚性を向上させるには、汚染物質が塗膜中に浸透し難くすることも必要である。塗膜を緻密にするためには、架橋密度を高く且つ塗膜を硬くすればよい。一方、架橋密度を上げ過ぎても塗膜の加工性や耐衝撃性は低下する。これらのことから、フッ素樹脂の官能基当量は800〜1,400g/モル、ガラス転移転温度は0〜50℃の範囲とすることが好ましい。また、金属板の付着性と防錆性の表面処理としては種々の化成処理および/またはプライマーの塗装が必要な場合もある。
【0030】
次に、本発明に係る低汚染性金属樹脂複合板の製造方法について説明する。本発明の製造方法は、前記の様な低汚染性金属樹脂複合板の製造方法であって、少なくとも一方側の金属シート表面にフッ素系塗料を塗布し、焼き付け硬化させた後、合成樹脂シートと貼り合わせて複合板とすることを特徴とする。
【0031】
先ず、本発明においては、アンコイラーから金属シートを連続的に引き出して走行させつつ、塗工機によって金属シート表面にフッ素系塗料を塗布し、加熱炉内で焼付け硬化させた後に冷却し、リコイラーに巻き取る。上記の塗工機としては、ロールコーター、ダイコーター等が好適に使用され、フッ素系塗料の焼付け温度は、通常200〜250℃である。
【0032】
金属シートと合成樹脂シートとの接着性を高めるため、金属シートの非塗布面側にはホットメルト性の接着フィルムを熱融着するのが好ましい。接着フィルムとしては、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸共重合体などのフィルムが好適に使用される。
【0033】
次いで、本発明においては、押出機から連続的に合成樹脂シートを押し出し、その両面に金属シートの非塗布面(接着フィルム面)を配置させ、圧着接合ロールで貼り合わせ処理する。金属シートと合成樹脂シートとの貼り合わせ温度は通常150〜250℃である。
【0034】
上記の様に、合成樹脂シートと貼り合わせる前の金属シートに予めフッ素系塗料を塗布して焼付け硬化させるプレコート法は、量産性に優れた好適な方法である。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0036】
実施例1
(フッ素樹脂塗料の調製)
水酸基を含有するフッ素樹脂(クロロトリフルオロエチレン/シクロヘキシルビニルエーテル/エチルビニルエーテル/ヒドロキシブチルビニルエーテル=50/5/25/10モル%の共重合体、数平均分子量13,000、ガラス転移転温度35℃、水酸基当量1,122=固形分水酸基価50[mgKOH/g固体樹脂]に相当)のキシレン溶液(固形分濃度60重量%)167重量部に酸化チタン(石原産業製「CR−90」)60重量部と酢酸ブチル21重量部を添加し、分散機サンドミルを使用し、粒ゲージで測定した酸化チタンの最大粒子径が5ミクロン以下になる様に分散した。これに、更に、多価ブロックイソシアネート化合物(日本ポリウレタン製「コロネート−2507」、固形分80重量%、NCO含量14.6重量%)33重量部と硬化触媒としてジブチル錫ジラウリレート0.025重量部とテトラメトキシシランの多量体(900℃で測定したSiO2濃度が58.4重量%)5重量部(フッ素樹脂と硬化剤の固形分合計100重量部に対して3.5重量部に相当)添加してフッ素樹脂塗料を作成した。
【0037】
(金属シートの調整)
厚さ0.5mmのアルミニウムシートを水洗後、脱脂液浸漬により圧延時に付着した油分を除去し、更に、湯洗した後に乾燥した。樹脂シートとの接着面側には、塗布型のクロム酸クロム溶液によりCr表面処理(クロム換算で50mg/m2)を施した。そして、上記と反対の面側に、ダイコーターを使用し、厚さが20μmになる様にフッ素樹脂塗料を塗装した後、230℃1分間加熱し、塗膜を硬化させた。そして、Cr表面処理面に、熱ロールを使用し200℃の温度で接着フィルム(厚さ40μmのエチレンアクリル酸共重合体フィルム)を熱溶着した。
【0038】
(金属樹脂複合板の製造)
原料供給フィダーを使用し、メルトフローレート(MFR)4.0g/10minの低密度ポリエチレン(三菱化学社製「LF542M」)と平均粒子径60μmの水酸化アルミニウム(アルコア化成社製)とを35:65重量比の割合で、二軸混練機に供給し、押出機で溶融混練し、厚さ3.0mmのシート状に押出した。次いで、得られたシートの両面に、前記のアルミニウムシートの接着フィルムを配し、表面温度が180℃に設定した圧着接合ロールで処理し、総厚さ4.0mmの金属樹脂複合板を得た。
【0039】
比較例1
実施例1において、フッ素樹脂塗料の調製の際、テトラメトキシシランを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして金属樹脂複合板を製造した。
【0040】
比較例2
実施例1において、フッ素樹脂塗料の調製の際、硬化剤として多価イソシアネート化合物(日本ポリウレタン製「コロネートHX」、固形分100重量%、NCO含量21.3%)43.2重量部、硬化触媒としてジブチル錫ジラウリレートを0.0007重量部添加し、更に、金属シートの調整の際、塗料をダイコーターで塗装した後に室温で7日間放置して塗料を硬化させた以外は、実施例1と同様にして、金属樹脂複合板を製造した。
【0041】
上記の各例で得られた金属樹脂複合板について、表1に示す評価を行ない、その結果を同表に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
表1中の注記の意義は次の通りである。
(1)水に対する接触角
(2)屋外暴露後の60°鏡面反射率保持率
(3)屋外暴露前後の色差(JIS Z8730に準拠)
(4)目視判定(○:雨筋汚れ無し、×:雨筋汚れ有り)
(5)デュポン衝撃試験機を使用し、50cmの高さより500gの円錐を落下させ、塗膜へのクラックの発生の有無を評価した(○:クラックの発生無し、×:クラックの発生有り)。
【0044】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、量産性に優れているプレコート法で製造することが出来、防汚性、耐候性、加工性に優れたフッ素樹脂系塗膜を有する金属樹脂複合板が提供される。
【発明の属する技術分野】
本発明は低汚染性金属樹脂複合板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂シートの両面に金属シートを積層して成る複合板は、軽量で且つ曲げ剛性および加工性能に優れていることから、建築物の内壁や外壁に広く使用されている。しかしながら、特に建築物の外壁などの外装用途に使用した場合、外側の金属シートが汚染されるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、低汚染性金属樹脂複合板およびその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第1の要旨は、合成樹脂シートの両面に金属シートを積層して成る複合板の少なくとも一方側の金属シート表面に、水に対する接触角が60°以下であるフッ素系塗膜を形成して成ることを特徴とする低汚染性金属樹脂複合板に存する。
【0005】
そして、本発明の第2の要旨は、第1の要旨に係る低汚染性金属樹脂複合板の製造方法であって、少なくとも一方側の金属シート表面にフッ素系塗料を塗布し、焼き付け硬化させた後、合成樹脂シートと貼り合わせて複合板とすることを特徴とする低汚染性金属樹脂複合板の製造方法に存する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。先ず、本発明の低汚染性金属樹脂複合板について説明する。本発明の低汚染性金属樹脂複合板は、基本的には、合成樹脂シートの両面に金属シートを積層して成る。
【0007】
上記の合成樹脂シートの材料は、特に制限されないが、ポリオレフィン系樹脂またはポリオレフィン系樹脂と無機フィラーとを含有するポリオレフィン系樹脂組成物が好適に使用される。
【0008】
上記のポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のα−オレフィン、エチレンプロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体などのエチレン系共重合体が挙げられる。これらは、単独でも、2種類以上の混合物であってもよい。
【0009】
上記の無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、タルク等の他、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水和金属金属酸化物が挙げられる。斯かる無機フィラーは樹脂の燃焼発熱量を低下させて難燃性を向上させる機能を有する。無機フィラーの平均粒子径は通常15〜90μmの範囲とされる。平均粒子径が小さ過ぎる場合は、合成樹脂シートとして金属シートに積層させる際の接着性が低下し、逆に、大き過ぎる場合は難燃性が不充分となる。無機フィラーのポリオレフィン樹脂に対する配合量は、通常50〜80重量%の範囲とされる。配合量が余りに少ない場合は難燃性が不充分であり、余りに多い場合は、合成樹脂シートとして金属シートに積層させる際の接着性が低下する。
【0010】
合成樹脂シート(前記のポリオレフィン系樹脂またはポリオレフィン系樹脂組成物から成るシート)の厚さは、通常2〜8mmの範囲とされる。厚さが2mm未満の場合は、複合板の厚さが薄くなり過ぎる。従って、充分な剛性を得るために金属シートを厚くする必要があり、その結果、複合板の重量が重くなる。厚さが8mmを超える場合は、複合板の折り曲げ加工が困難となり、また、折り曲げ加工の際に樹脂シートと金属シートとの界面で剥離が生じ易くなる。
【0011】
前記の金属シートの材料は、特に制限されないが、アルミニウム(合金を含む)、ステンレス、チタン、鉄などが挙げられる。金属シートの厚さは、通常0.1〜0.8mmの範囲とされる。厚さが余りにも薄い場合は、複合板の機械的強度が不充分であり、また、厚さが余りにも厚い場合は複合板を折り曲げ加工する際の加工性が劣る。
【0012】
本発明の低汚染性金属樹脂複合板は、上記の様な複合板の少なくとも一方側の金属シート表面に、水に対する接触角が70°以下であるフッ素系塗膜を形成して成ることを特徴とする。
【0013】
水に対する接触角が70°以下であるフッ素系塗膜は、例えば、官能基含有フッ素樹脂(a)、4官能加水分解性シラン化合物の多量体(b)、硬化剤(c)を含有する塗料を塗装して焼き付け硬化させることによって形成することが出来る。
【0014】
上記の官能基含有フッ素樹脂(a)としては、溶剤に対する溶解性、塗膜の耐候性、塗装作業性などの観点から、塗料用フッ素樹脂として知られるフルオロオレフィン及びこれと共重合可能な単量体を共重合して得られる樹脂が好ましい。
【0015】
フルオロオレフィンとしては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン等の炭素数2又は3のフルオロオレフィンが挙げられる。
【0016】
フルオロオレフィンと共重合可能な単量体としては、ビニルエーテル、カルボン酸ビニルエステル、アリルエーテル、カルボン酸アリルエステル、イソプロペニルエーテル、カルボン酸イソプロペニルエステル、メタリルエーテル、カルボン酸メタリルエステル、α−オレフィン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等から選ばれる1種以上の単量体が挙げられる。
【0017】
上記のビニルエーテルとしては、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、フルオロアルキルビニルエーテル、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)等のアルキルビニルエーテルが例示される。上記のカルボン酸ビニルエステルとしては、分岐状のアルキル基を有するベオバ−10(シェル化学製商品名)、酪酸ビニル、酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステルが例示される。上記のアリルエーテルとしては、エチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル等のアルキルアリルエーテルが例示される。上記のカルボン酸アリルエステルとしては、プロピオン酸アリル、酢酸アリル等の脂肪酸アリルエステルが例示される。上記のイソプロペニルエーテルとしては、メチルイソプロペニルエーテル等のアルキルイソプロペニルエーテルが例示される。上記のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、イソブチレン等が例示される。
【0018】
上記の樹脂において、フルオロオレフィンの共重合割合が余りに少ない場合は、充分に優れた耐候性が発揮されず、また、フルオロオレフィンの共重合割合が余りに多い場合は、溶剤への溶解性などが低下する。従って、フルオロオレフィンの共重合割合は、通常30〜70モル%、好ましくは40〜60モル%の割合とされる。
【0019】
上記の樹脂の有する官能基は、硬化剤(c)と架橋反応し得る官能基であり、、その具体例としては、イソシアネート系硬化剤やアミノプラスト系硬化剤などと反応し得る活性水素含有基、例えば、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基などが例示される。また、それ以外に、エポキシ基、ハロゲン、二重結合などの官能基も例示される。好ましい官能基は活性水素含有基であり、特に好ましい官能基は水酸基である。官能基を有する共重合単位は、共重合体中の割合として通常5〜20モル%である。
【0020】
官能基の導入方法としては、重合にあずかる二重結合以外の官能基を有する単量体、例えば、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルアリルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ウンデセン酸、グリシジルビニルエーテル、グリシジルアリルエーテル等を共重合せしめる方法が挙げられる。また、共重合体を変性せしめることにより官能基を導入する方法、例えば、水酸基またはエポキシ基に、無水コハク酸の様な多塩基酸無水物を反応せしめてカルボキシル基を導入する方法、イソシアネートアルキルメタクリレート等を反応せしめて二重結合を導入する方法などの方法でも官能基を導入できる。
【0021】
前記の4官能加水分解性シラン化合物の多量体(b)としては、テトラメトキシシリケートの縮合体でSiO2含有量が58%以上である加水分解性シラン化合物の多量体が好ましい。テトラメトキシシランの縮合体のSiO2含有量は、この化合物を完全に加水分解して焼成して生成するSiO2重量割合を測定することで求められる。SiO2含有量は大きくなると縮合度が高いことを示す。
【0022】
4官能加水分解性シラン化合物の多量体(b)の配合量は、官能基含有フッ素樹脂(a)と硬化剤(c)の合計100重量部に対し、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。4官能加水分解性シラン化合物の多量体(b)の配合量が0.1重量部未満の場合は防汚性が劣り、10重量部を超える場合は塗膜の柔軟性の低下や硬化障害が起こり物性の低下が生じる。
【0023】
前記の硬化剤(c)としては、官能基含有フッ素樹脂(a)を架橋し得るものであれば特に限定されない。具体例としては、アミノプラスト系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、多塩基酸系硬化剤、多価アミン系硬化剤などが挙げられる。また、斯かる硬化剤の架橋反応を促進すべく、ジブチル錫ラウリレート等の金属化合物触媒を使用するのが好ましく、その使用量は、官能基含有フッ素樹脂(a)、4官能加水分解性シラン化合物の多量体(b)、硬化剤(c)の合計100重量部に対し、通常0.01〜0.1重量部である。
【0024】
硬化剤(c)の配合量は、官能基含有フッ素樹脂(a)中の官能基(例えば水酸基含有フッ素樹脂の場合は水酸基)1モルに対し、通常0.5〜2.0、好ましくは0.8〜2.0モルとされる。硬化剤(c)の配合量が余りに少ない場合は、官能基含有フッ素樹脂(a)の硬化が不充分となり耐溶剤性などが低下することがあり、硬化剤(c)の配合量が余りに多い場合は、未反応の状態で塗膜中に残存し、耐候性その他の性能に悪影響を起こすことがある。
【0025】
塗料の調製において、任意に使用される溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類などが挙げられる。また、脂肪族系溶剤、エーテル系溶剤、石油系溶剤なども例示される。これらの溶剤は2種以上を併用してもよい。
【0026】
塗料中には、上記成分の他に、顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、つや消し剤、界面活性剤、タレ防止剤、塗膜の付着性向上のためのシランカップリング剤などを配合してもよい。また、フッ素樹脂と共に、防汚性や加工性に支障ない範囲で、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などの他の塗料用樹脂を併用してもよい。更に、4官能加水分解性シラン化合物の多量体(b)と共に、加水分解性基とそれ以外の有機基とがケイ素原子に結合したシラン化合物であるシランカップリング剤を塗膜の付着性向上のために併用してもよい。
【0027】
防汚性の機能発現は、塗膜表面に早期にシラノール基(SiOH)を形成させることにより塗膜表面を親水性にして水洗を容易にすることによる。また、帯電性を下げることにより静電気による汚染物質の付着をし難くするという効果がある。
【0028】
親水性の定量的な指標としての水との接触角は、フッ素系塗膜の形成の仕方により異なるが、本発明においては、70°以下、好ましくは60°以下、更に好ましくは55°以下にする。水との接触角が70°を超える場合は、水洗を容易にする効果が不十分である。なお、水との接触角の下限は、特に制限されないが、通常は30°である。
【0029】
防汚性を向上させるには、汚染物質が塗膜中に浸透し難くすることも必要である。塗膜を緻密にするためには、架橋密度を高く且つ塗膜を硬くすればよい。一方、架橋密度を上げ過ぎても塗膜の加工性や耐衝撃性は低下する。これらのことから、フッ素樹脂の官能基当量は800〜1,400g/モル、ガラス転移転温度は0〜50℃の範囲とすることが好ましい。また、金属板の付着性と防錆性の表面処理としては種々の化成処理および/またはプライマーの塗装が必要な場合もある。
【0030】
次に、本発明に係る低汚染性金属樹脂複合板の製造方法について説明する。本発明の製造方法は、前記の様な低汚染性金属樹脂複合板の製造方法であって、少なくとも一方側の金属シート表面にフッ素系塗料を塗布し、焼き付け硬化させた後、合成樹脂シートと貼り合わせて複合板とすることを特徴とする。
【0031】
先ず、本発明においては、アンコイラーから金属シートを連続的に引き出して走行させつつ、塗工機によって金属シート表面にフッ素系塗料を塗布し、加熱炉内で焼付け硬化させた後に冷却し、リコイラーに巻き取る。上記の塗工機としては、ロールコーター、ダイコーター等が好適に使用され、フッ素系塗料の焼付け温度は、通常200〜250℃である。
【0032】
金属シートと合成樹脂シートとの接着性を高めるため、金属シートの非塗布面側にはホットメルト性の接着フィルムを熱融着するのが好ましい。接着フィルムとしては、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸共重合体などのフィルムが好適に使用される。
【0033】
次いで、本発明においては、押出機から連続的に合成樹脂シートを押し出し、その両面に金属シートの非塗布面(接着フィルム面)を配置させ、圧着接合ロールで貼り合わせ処理する。金属シートと合成樹脂シートとの貼り合わせ温度は通常150〜250℃である。
【0034】
上記の様に、合成樹脂シートと貼り合わせる前の金属シートに予めフッ素系塗料を塗布して焼付け硬化させるプレコート法は、量産性に優れた好適な方法である。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0036】
実施例1
(フッ素樹脂塗料の調製)
水酸基を含有するフッ素樹脂(クロロトリフルオロエチレン/シクロヘキシルビニルエーテル/エチルビニルエーテル/ヒドロキシブチルビニルエーテル=50/5/25/10モル%の共重合体、数平均分子量13,000、ガラス転移転温度35℃、水酸基当量1,122=固形分水酸基価50[mgKOH/g固体樹脂]に相当)のキシレン溶液(固形分濃度60重量%)167重量部に酸化チタン(石原産業製「CR−90」)60重量部と酢酸ブチル21重量部を添加し、分散機サンドミルを使用し、粒ゲージで測定した酸化チタンの最大粒子径が5ミクロン以下になる様に分散した。これに、更に、多価ブロックイソシアネート化合物(日本ポリウレタン製「コロネート−2507」、固形分80重量%、NCO含量14.6重量%)33重量部と硬化触媒としてジブチル錫ジラウリレート0.025重量部とテトラメトキシシランの多量体(900℃で測定したSiO2濃度が58.4重量%)5重量部(フッ素樹脂と硬化剤の固形分合計100重量部に対して3.5重量部に相当)添加してフッ素樹脂塗料を作成した。
【0037】
(金属シートの調整)
厚さ0.5mmのアルミニウムシートを水洗後、脱脂液浸漬により圧延時に付着した油分を除去し、更に、湯洗した後に乾燥した。樹脂シートとの接着面側には、塗布型のクロム酸クロム溶液によりCr表面処理(クロム換算で50mg/m2)を施した。そして、上記と反対の面側に、ダイコーターを使用し、厚さが20μmになる様にフッ素樹脂塗料を塗装した後、230℃1分間加熱し、塗膜を硬化させた。そして、Cr表面処理面に、熱ロールを使用し200℃の温度で接着フィルム(厚さ40μmのエチレンアクリル酸共重合体フィルム)を熱溶着した。
【0038】
(金属樹脂複合板の製造)
原料供給フィダーを使用し、メルトフローレート(MFR)4.0g/10minの低密度ポリエチレン(三菱化学社製「LF542M」)と平均粒子径60μmの水酸化アルミニウム(アルコア化成社製)とを35:65重量比の割合で、二軸混練機に供給し、押出機で溶融混練し、厚さ3.0mmのシート状に押出した。次いで、得られたシートの両面に、前記のアルミニウムシートの接着フィルムを配し、表面温度が180℃に設定した圧着接合ロールで処理し、総厚さ4.0mmの金属樹脂複合板を得た。
【0039】
比較例1
実施例1において、フッ素樹脂塗料の調製の際、テトラメトキシシランを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして金属樹脂複合板を製造した。
【0040】
比較例2
実施例1において、フッ素樹脂塗料の調製の際、硬化剤として多価イソシアネート化合物(日本ポリウレタン製「コロネートHX」、固形分100重量%、NCO含量21.3%)43.2重量部、硬化触媒としてジブチル錫ジラウリレートを0.0007重量部添加し、更に、金属シートの調整の際、塗料をダイコーターで塗装した後に室温で7日間放置して塗料を硬化させた以外は、実施例1と同様にして、金属樹脂複合板を製造した。
【0041】
上記の各例で得られた金属樹脂複合板について、表1に示す評価を行ない、その結果を同表に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
表1中の注記の意義は次の通りである。
(1)水に対する接触角
(2)屋外暴露後の60°鏡面反射率保持率
(3)屋外暴露前後の色差(JIS Z8730に準拠)
(4)目視判定(○:雨筋汚れ無し、×:雨筋汚れ有り)
(5)デュポン衝撃試験機を使用し、50cmの高さより500gの円錐を落下させ、塗膜へのクラックの発生の有無を評価した(○:クラックの発生無し、×:クラックの発生有り)。
【0044】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、量産性に優れているプレコート法で製造することが出来、防汚性、耐候性、加工性に優れたフッ素樹脂系塗膜を有する金属樹脂複合板が提供される。
Claims (5)
- 合成樹脂シートの両面に金属シートを積層して成る複合板の少なくとも一方側の金属シート表面に、水に対する接触角が70°以下であるフッ素系塗膜を形成して成ることを特徴とする低汚染性金属樹脂複合板。
- 合成樹脂シートの材料が、ポリオレフィン系樹脂またはポリオレフィン系樹脂と無機フィラーとを含有するポリオレフィン系樹脂組成物である請求項1に記載の低汚染性金属樹脂複合板。
- 金属シートの材料が、アルミニウム板、鉄板またはステンレス鋼鈑である請求項1又は2に記載の低汚染性金属樹脂複合板。
- フッ素系塗料が、水酸基含有フッ素樹脂、テトラアルコキシシラン及び硬化剤を含有する請求項1〜3の何れかに記載の低汚染性金属樹脂複合板。
- 請求項1〜4の何れかに記載の低汚染性金属樹脂複合板の製造方法であって、少なくとも一方側の金属シート表面にフッ素系塗料を塗布し、焼き付け硬化させた後、合成樹脂シートと貼り合わせて複合板とすることを特徴とする低汚染性金属樹脂複合板の製造方法。
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- 2002-08-20 JP JP2002238771A patent/JP2004074606A/ja not_active Withdrawn
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