JP7318379B2 - 積層体および包装袋、積層体の製造方法 - Google Patents
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Description
これらは、使用目的に応じて、接着剤や、溶融した樹脂などにより、他の材料と積層される。
例えば、包装材料をポリエチレンとしてマテリアルリサイクルする場合においては、異種材料を10%以下、好ましくは5%以下とすることが求められている。
少なくとも、基材フィルム、ガスバリア性前駆積層体、接着層、熱可塑性樹脂層が順次積
層された積層体において、
前記ガスバリア性前駆積層体は層(A)と層(B)を有し、前記基材フィルム上に層(A)と層(B)がこの順に積層されており、
前記層(A)は、ポリカルボン酸系重合体(A1)と、下記一般式(1)で表されるシランカップリング剤及びその加水分解物及びそれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素含有化合物(A2)とを、(A1):(A2)=99.5:0.5~80.0:20.0の質量比(但し、前記ケイ素含有化合物(A2)の質量は前記シランカップリング剤換算の質量)で含有し、且つ、透過法により測定される赤外線吸収スペクトルにおける波数1490~1659cm-1の範囲内の最大ピーク高さ(α)と、波数1660~1750cm-1の範囲内の最大ピーク高さ(β)との比(α/β)が1未満であり、
前記層(B)は多価金属化合物を含有する、
ことを特徴とする積層体である。
R1Si(OR2)3 ・・・(1)
[式(1)中、R1はグリシジルオキシ基又はアミノ基を含む有機基であり、R2はアルキル基であり、3個のR2はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。]
前記基材フィルムと前記ガスバリア性前駆積層体との間に、アンカーコート層を備えることを特徴とする請求項1記載の積層体である。
前記アンカーコート層が、下記一般式(p1)で表される3官能オルガノシラン、及び下記一般式(p2)で表される金属アルコキシド及びそれらの加水分解物からなる群から選択される少なくとも1種の金属化合物(P)と、ポリオール化合物(Q)と、イソシアネート化合物(S)との複合物からなることを特徴とする、請求項2に記載の積層体である。
R3Si(OR4)3 ・・・(p1)
M(OR5)n ・・・(p2)
[式(p1)中、R3は、アミノ基、イソシアネート基、スルホキシド基、アルキル基、ビニル基又はエポキシ基を含む有機基であり、R4はアルキル基であり、3個のR4はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。式(p2)中、Mは金属元素であり、nは金属元素Mの酸化数であり、R5はアルキル基であり、nが3以上である場合、(n-1)個のR5はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。]
前記金属化合物(P)は、前記一般式(p1)中のR3がアミノ基、イソシアネート基又はスルホキシド基を含む有機基である3官能オルガノシラン、及びその加水分解物からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項3に記載の積層体である。
前記接着層が、酸変性ポリエチレンを含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の積層体である。
前記酸変性ポリエチレンが、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンであることを特徴とする、請求項5に記載の積層体である。
前記熱可塑性樹脂層が、ポリエチレンからなることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の積層体である。
前記無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンのグラフト率が0.1重量%以上、1.0重量%以下であることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の積層体である。
前記熱可塑性樹脂層のポリエチレンが、密度0.91以上0.93以下のポリエチレンフィルムからなることを特徴とする請求項7に記載の積層体である。
前記接着層が、少なくとも無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン層とポリエチレン層の2層を備え、
前記ガスバリア性前駆積層体側に前記無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン層が隣接し、前記熱可塑性樹脂層側にポリエチレンが隣接していることを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の積層体である。
前記基材フィルムが、密度0.93以上のポリエチレンフィルムであることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の積層体である。
レトルト処理またはボイル処理を含む湿熱処理が施されており、前記層(A)の前記比(α/β)が1以上であることを特徴とする、請求項1~11のいずれかに記載の積層体である。
請求項1~12のいずれか一項に記載の積層体を製袋してなる包装袋である。
請求項1記載の積層体を製造する方法であって、
前記基材フィルム上に、前記ポリカルボン酸系重合体(A1)と前記ケイ素含有化合物(A2)とを、(A1):(A2)=99.5:0.5~80.0:20.0の質量比(但し、前記ケイ素含有化合物(A2)の質量は前記シランカップリング剤換算の質量)で含有するコーティング液(a)を塗工、乾燥し、
その後、前記多価金属化合物を含有するコーティング液(b)を塗工、乾燥することにより、前記ガスバリア性前駆積層体を形成することを特徴とする、積層体の製造方法である。
本発明の積層体(1)は、基材フィルム(11)の一方の面上に、アンカーコート層(12)、層(A)(13)と層(B)(14)とを少なくとも含むガスバリア性前駆積層体(15)、接着層(16)、熱可塑性樹脂層(19)がこの順に積層されている。
ここで、基材フィルム(11)、アンカーコート層(12)、ガスバリア性前駆積層体(15)を積層したものをガスバリアフィルム(20)とする。
これらの層について、次に詳述する。
基材フィルム(11)としては、特に限定しないが、例えばポリエチレンからなるフィルムであり、後加工性、耐熱性などを考慮すると、密度が0.93以上のポリエチレンを主成分とするポリエチレンフィルムが好ましい。
基材フィルム(11)の表面には、アンカーコート層との接着性を改良するという観点から、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理等の表面活性化処理が施されていてもよい。
アンカーコート層(12)は、必須ではないが、基材フィルム(11)とガスバリア性前駆積層体(15)との密着性を向上させ、耐熱性が向上し、ボイル処理、レトルト処理、加熱調理等の加熱処理を行ったときの、フィルム基材(11)とガスバリア性前駆積層体(15)との間のデラミネーションが抑制されるものであればよい。通常、エステル系やウレタン系などの樹脂を主成分とするコート剤をコーティング、乾燥して形成される。
R3Si(OR4)3 ・・・(p1)
M(OR5)n ・・・(p2)
[式(p1)中、R3は、アミノ基、イソシアネート基、スルホキシド基、アルキル基、ビニル基又はエポキシ基を含む有機基であり、R4はアルキル基であり、3個のR4はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。式(p2)中、Mは金属元素であり、nは金属元素Mの酸化数であり、R5はアルキル基であり、nが3以上である場合、(n-1)個のR5はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。]
また、前記金属化合物(P)は、前記一般式(p1)中のR3がアミノ基、イソシアネート基又はスルホキシド基を含む有機基である3官能オルガノシラン及びその加水分解物からなる群から選択される少なくとも1種である。
式(p1)中のR3としては、本発明の効果に優れることから、アミノ基、イソシアネート基又はスルホキシド基を含む有機基が好ましく、特に、一般式:X-(CH2)m-[式中、Xは水素原子、アミノ基、イソシアネート基又はスルホキシド基であり、mは1~4の整数である。]で表される基が好ましい。
またR3は、アミノ基、イソシアネート基又はスルホキシド基を含むアルキル基がより好
ましく、前記一般式:X-(CH2)m-中のXがアミノ基、イソシアネート基又はスルホキシド基である基が特に好ましい。アミノ基は、1つの水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、アミノアルキル基等が挙げられる。
これらの中でも、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ-イソシアネートプロピルトリエトキシシランが好ましい。
R5のアルキル基としては、炭素数1~6のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基が好ましい。
式(p2)で表される金属アルコキシドとしては、例えばテトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、トリプロポキシアルミニウム等が挙げられる。
金属化合物(P)は、特に、本発明の効果に優れることから、前記一般式(p1)中のR3が、アミノ基、イソシアネート基又はスルホキシド基を含む有機基である3官能オルガノシラン及びその加水分解物からなる群から選択される少なくとも1種(以下、(P1)成分と呼ぶ)を含むことが好ましい。
ポリオール化合物(Q)は、水酸基を2個以上有する化合物である。
ポリオール化合物(Q)としては、イソシアネート化合物との反応性の点から、高分子化合物が好ましく、例えばアクリルポリオール、芳香族ポリエステルポリオール化合物、芳香族系ポリカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、透明性に優れることから、アクリルポリオールが好ましい。
水酸基を有さない(メタ)アクリル酸誘導体モノマーとしては、例えば、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体モノマー、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体モノマー、環構造を有する(メタ)アクリル酸誘導体モノマー等が挙げられる。
カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸などが挙げられる。
環構造を有する(メタ)アクリル酸誘導体モノマーとしては、例えばベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸誘導体モノマー以外のモノマーはOH基を有していてもよい。
水酸基価(mgKOH/g)とは、アクリルポリオール中の水酸基量の指標であり、アクリルポリオール1g中の水酸基をアセチル化するために必要な水酸化カリウムのmg数を示す。
水酸基価が50mgKOH/g未満であると、イソシアネート化合物(S)との反応量が少なく、密着性向上効果が充分に発現しないおそれがある。一方、水酸基価が250mgKOH/gよりも大きいと、イソシアネート化合物(S)との反応量が多くなり過ぎて、アンカーコート層の膜収縮が大きくなるおそれがある。膜収縮が大きいと、その上に無機蒸着層がきれいに積層されず、充分なガスバリア性を示さないおそれがある。
アクリルポリオールの重量平均分子量は、ポリスチレンを基準として、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定される。
またポリオール化合物(Q)は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
複合物の形成に用いられるポリオール化合物(Q)の量は、ポリオール化合物(Q)/金属化合物(P)の質量比が、1/1~100/1の範囲内となる量が好ましく、2/1~50/1の範囲内となる量がより好ましい。
イソシアネート化合物(S)は、ポリオール化合物(Q)と反応してできるウレタン結合によりフィルム基材と無機蒸着層との密着性を高めるために添加されるもので、主に架橋剤もしくは硬化剤として作用する。
また、これらのモノマー系イソシアネートの重合体又は誘導体も使用可能である。
該重合体又は誘導体としては、例えば、3量体のヌレート型、1,1,1-トリメチロールプロパンなどと反応させたアダクト型、ビウレットと反応させたビウレット型などが挙げられる。
複合物の形成に用いられるイソシアネート化合物(S)の量は、ポリオール化合物(Q)の水酸基に対するイソシアネート化合物(S)のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が、5/10~10/5の範囲内となる量が好ましく、4/10~10/4の範囲内となる量がより好ましい。
NCO/OHの値が小さすぎる(イソシアネート化合物(S)が少なすぎる)と硬化不良になる場合があり、逆に大きすぎるとブロッキング等が発生し、フィルム加工上の問題が生じるおそれがある。
/10000の範囲内が好ましく、1/100~1/2000の範囲内がより好ましい。
アンカーコート液は、前記金属化合物(P)と、前記ポリオール化合物(Q)と、前記イソシアネート化合物(S)と、必要に応じて各種添加剤(反応触媒等)とを、溶媒と混合することにより調製できる。
形成された塗膜を乾燥することで、溶媒の除去と硬化が進み、アンカーコート層が形成される。
ガスバリア性前駆積層体(15)は、下記の層(A)(13)と、多価金属化合物を含有する層(B)(14)とを含む。
層(A):ポリカルボン酸系重合体(A1)(以下「(A1)成分」)と、下記一般式(1)で表されるシランカップリング剤、その加水分解物及びそれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素含有化合物(A2)(以下「(A2)成分」)とを、(A1):(A2)=99.5:0.5~80.0:20.0の質量比(但し、(A2)成分の質量はシランカップリング剤換算の質量である)で含有し、透過法により測定されるIRスペクトルにおける波数1490~1659cm-1の範囲内の最大ピーク高さ(α)と、波数1660~1750cm-1の範囲内の最大ピーク高さ(β)との比(α/β)が1未満である。
R1Si(OR2)3 ・・・(1)
[式(1)中、R1はグリシジルオキシ基又はアミノ基を含む有機基であり、R2はアルキル基であり、3個のR2はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。]
は、層(A)は柔軟性がある。そのため、ガスバリア性前駆積層体に延伸や圧縮等の虐待が加えられたときに、層(A)に欠陥が生じにくい。
なお、前記層(A)、層(B)に相当するガスバリア性積層体(15’)の層を、それぞれ層(A’)、層(B’)とする。ガスバリア性積層体(15’)の詳細については、後述する。
このとき、前記イオン架橋が増加することで、最大ピーク高さの比(α/β)は増大し、1以上となる。これは、ガスバリア性が発現したことを示す。
(A1)成分のポリカルボン酸系重合体とは、分子内に2個以上のカルボキシ基を有する重合体である。たとえば、エチレン性不飽和カルボン酸の(共)重合体;エチレン性不飽和カルボン酸と他のエチレン性不飽和単量体との共重合体;アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ペクチン等の分子内にカルボキシル基を有する酸性多糖類が挙げられる。
前記エチレン性不飽和カルボン酸と共重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル等の飽和カルボン酸ビニルエステル類、アルキルアクリレート類、アルキルメタクリレート類、アルキルイタコネート類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
これらのポリカルボン酸系重合体は、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
該重合体が、上記構成単位以外の他の構成単位を含む共重合体である場合、該他の構成単位としては、例えば前述のエチレン性不飽和カルボン酸と共重合可能なエチレン性不飽
和単量体から誘導される構成単位などが挙げられる。
なお、上記数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めた、ポリスチレン換算の数平均分子量である。
(A2)成分は、前記一般式(1)で表されるシランカップリング剤(以下「シランカップリング剤(1)」ということがある。)、その加水分解物及びそれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素含有化合物である。
前記一般式(1)中、R1における有機基としては、例えば、グリシジルオキシアルキル基、アミノアルキル基等が挙げられる。
R2のアルキル基としては、炭素数1~6のアルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基が特に好ましい。
加水分解物としては、前記一般式(1)中の3つのOR2のうち少なくとも1つがOHとなったものが挙げられる。
縮合物としては、少なくとも2分子の加水分解物のSi-OH同士が縮合してSi-O-Si結合を形成したものが挙げられる。
なお、以下においては、シランカップリング剤の加水分解物が縮合したものを、加水分解縮合物と記すことがある。
通常、シランカップリング剤(1)は、加水分解が容易におこり、また、酸、アルカリ存在下では容易に縮合反応が起こるため、シランカップリング剤(1)のみ、その加水分解物のみ、またはそれらの縮合物のみで存在することは稀である。すなわち、(A2)成分は、通常、シランカップリング剤(1)、その加水分解物、およびこれらの縮合物が混在している。また、加水分解物には、部分加水分解物、完全加水分解物が含まれる。
加水分解縮合物を製造する際の方法としては、シランカップリング剤(1)を、上述の(A1)成分および水を含む液に直接混合してもよく、シランカップリング剤(1)に水を加えることによって、加水分解およびそれに続く縮合反応を行い、ポリカルボン酸系重合体と混合する前に、加水分解縮合物を得てもよい。
層(A)(13)は、(A1)成分と、(A2)成分とを、(A1):(A2)=99.5:0.5~80.0:20.0の質量比で含有する。但し、(A2)成分の質量は、前記シランカップリング剤(1)換算の質量である。つまり、(A2)成分は、上記のとおり、通常、シランカップリング剤(1)、その加水分解物、およびこれらの縮合物が混在するが、(A2)成分の質量は、シランカップリング剤(1)に換算した値、すなわちシランカップリング剤(1)の仕込み量である。
また、該ガスバリア性前駆積層体(15)から前述のレトルト処理やボイル処理を経て得られるガスバリア性積層体(15’)は、ガスバリア性に優れる。さらに、密着性も優れているので、ガスバリア性前駆積層体(15)からガスバリア性積層体(15’)を得る際に、デラミネーションが生じにくい。
また、上記の質量比範囲で(A2)成分を含有することで、層(A)を、相分離のない均一な層とすることができ、該ガスバリア性前駆積層体から得られるガスバリア性積層体の層(A’)も、相分離のない均一な層となる。さらに、(A2)成分が存在することにより、本発明のガスバリア性前駆積層体(15)の層(A)や、ガスバリア性積層体(15’)の層(A’)が、酸に対する耐性を有する。
添加剤としては可塑剤、樹脂、分散剤、界面活性剤、柔軟剤、安定剤、アンチブロッキング剤、膜形成剤、粘着剤、酸素吸収剤等が挙げられる。
該可塑剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンオキサイド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、エリトリトール、グリセリン、乳酸、脂肪酸、澱粉、フタル酸エステルなどを例示することができる。これらは必要に応じて、混合物で用いてもよい。
このような可塑剤が含まれる場合には、ガスバリア性前駆積層体の延伸性が向上するため、ガスバリア性前駆積層体の耐虐待性をさらに向上させることができる。
層(A)に添加剤が含まれている場合には、(A1)成分と添加剤との質量比((A1)成分:添加剤)は通常は70:30~99.9:0.1の範囲であり、80:20~98:2であることが好ましい。
まず、層(A)を分離する。分離方法としては、例えば、無機蒸着層を積層したフィルム基材から被覆層を剥がした後、該被覆層中の層(B)を、トルエン等の有機溶媒を用いて溶解して、層(A)を単離する方法が挙げられる。フィルム基材と被覆層とを剥がすことが困難である場合には、プロパノール等を用いてフィルム基材と接した被覆層を溶解させながら剥がすことができる。また、無機蒸着層上に層(B)、層(A)が順次積層されている場合は、層(A)を直接、層(B)から剥離してもよい。
なお、ガスバリア性積層体(15’)が有する層(A’)についても、層(A)と同様の方法で支持体および層(B’)から分離し、IRスペクトルを測定することができる。
なお、被覆層が層(A)を複数含む場合でも、被覆層中の層(A)の合計の好ましい厚さは上記と同じである。
層(A)は、通常、コーティング法により形成することができる。具体的には、(A1)成分と(A2)成分とを含有するコーティング液(a)からなる塗膜を乾燥することにより形成できる。
コーティング液(a)は、(A1)成分と(A2)成分とを、(A1):(A2)=99.5:0.5~80.0:20.0の質量比(但し、前記(A2)成分の質量は前記シランカップリング剤(1)換算の質量である)で含有することが好ましい。好ましい理由は前記と同じである。
コーティング液(a)は、(A1)成分と(A2)成分と必要に応じて含まれる添加剤とを、溶媒と混合することにより調製できる。
(A1)成分の溶解性、コストの点では、水が最も好ましい。アルコール等の有機溶媒は、シランカップリング剤(1)の溶解性、コーティング液(a)の塗工性を向上する点で好ましい。
有機溶媒としては、炭素数1~5のアルコールおよび炭素数3~5のケトンからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒等を用いることが好ましい。このような有機溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
混合溶媒としては、水が20~95重量%の量で存在し、有機溶媒が80~5重量%の量で存在する(ただし、水と有機溶媒との合計を100重量%とする)ものが好ましい。
コーティング液(a)の塗工方法としては、特に限定されず、公知のコート法のなかから適宜選択でき、例えばキャスト法、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、スクリーン印刷法、リバースコート法、スプレーコート法、キットコート法、ダイコート法、メタリングバーコート法、チャンバードクター併用コート法、カーテンコート法等が挙げられる。
コーティング液(a)を塗工した後、乾燥により、塗膜に含まれるコーティング液(a)の溶媒を除去することによって、層(A)が形成される。
乾燥方法としては、特に限定は無く、例えば熱風乾燥法、熱ロール接触法、赤外線加熱法、マイクロ波加熱法等の方法が挙げられる。これらの方法はいずれかを単独で用いても2種以上を組み合わせてもよい。
コーティング液(a)の添加剤として、ポリビニルアルコール等の水酸基を2つ以上有する化合物を用いた場合、上記乾燥、熟成処理、熱処理等の際に、該化合物の水酸基と(A1)成分のカルボキシ基の一部とが反応してエステル結合を形成していてもよい。
層(B)(14)は、多価金属化合物を含有する。
多価金属化合物とは、金属イオンの価数が2以上の多価金属の化合物である。
多価金属としては、例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属;チタン、ジルコニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛などの遷移金属;アルミニウム、ケイ素が挙げられる。多価金属としては、耐熱性、耐水性、透明性の観点から、カルシウムまたは亜鉛が特に好ましい。すなわち、多価金属化合物としては、カルシウム化合物または亜鉛化合物が好ましい。
これらの多価金属化合物の中でも、ガスバリア性、高温水蒸気や熱水に対する耐性、製造性の観点から、アルカリ土類金属、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウムまたはケイ素の酸化物、水酸化物、塩化物、炭酸塩または酢酸塩、銅または亜鉛のアンモニウム錯体またはそれらの炭酸塩を用いることが好ましい。
これらの中でも、工業的生産性の観点から、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酢酸亜鉛、酢酸カルシウムが好ましく、酸化亜鉛または炭酸カルシウムが特に好ましい。
該分散剤としては、アニオン系界面活性剤や、ノニオン系界面活性剤を用いることができる。該界面活性剤としては、(ポリ)カルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルフォコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、芳香族リン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、アルキルアリル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ソルビタンアルキルエステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の各種界面活性剤が挙げられる。
これらの界面活性剤は単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
層(B)の形成方法としては、例えば、コーティング法、ディッピング法等が挙げられる。これらの中でも、生産性の観点からから、コーティング法が好ましい。
以下、コーティング法により層(B)を形成する場合について説明する。
コーティング液(b)に含まれる多価金属化合物としては、前記と同様なものを用いることができ、カルシウム化合物または亜鉛化合物が好ましい。
該添加剤としては、例えば、コーティング液(b)に用いる溶媒に可溶又は分散可能な
樹脂、該溶媒に可溶又は分散可能な分散剤、その他の界面活性剤、柔軟剤、安定剤、膜形成剤、増粘剤等が挙げられる。
コーティング液(b)に用いる溶媒としては、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、n-ペンチルアルコール、ジメチルスルフォキシド、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチルが挙げられる。また、これらの溶媒は1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
コーティング液(b)においては、コーティング適性の観点から、コーティング液(b)中の多価金属化合物及び添加剤の合計含有量が、コーティング液(b)の総重量に対して1~50重量%の範囲であることが好ましく、3~45重量%の範囲であることがより好ましく、5~40重量%の範囲であることが特に好ましい。
コーティング液(b)の塗工方法としては、特に限定されず、公知のコート法のなかから適宜選択でき、例えばキャスト法、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、スクリーン印刷法、リバースコート法、スプレーコート法、キットコート法、ダイコート法、メタリングバーコート法、チャンバードクター併用コート法、カーテンコート法等が挙げられる。
も、2種以上を組み合わせてもよい。
このようにして形成される層(B)には、多価金属化合物が含まれ、さらに、コーティング液(b)に添加剤等の他の成分が含まれる場合には、当該他の成分が含まれている。
接着性樹脂からなる接着層(16)は、酸変性ポリオレフィンを主成分とする層であり、特には無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン(以下、変性PEともいう。)を主成分とする層であることが好ましい。
ここで、この無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンのグラフト率は0.1重量%以上1.0重量%以下が好ましい。グラフト率が0.1重量%未満であると、ラミネート強度の低下につながる。1.0重量%を超えると、コスト高や水分を吸着しやすくなり、発泡の原因となる。また、黄変が見られ、押出機やダイス金属に吸着しやすくなり、ヤケの原因となるなど、加工性の低下につながる。
なお、接着性樹脂層(16)の厚みは、5~40μmが好ましく、5~15μmがより好ましい。
本実施形態の積層体は、図2を参照して、以下の構成となっているが、接着層以外は前述の第一の実施形態と共通している。
そして、接着層(16)側にガスバリア性前駆積層体(15)が形成されたガスバリアフィルム(20)を重ね、また、接着層(17)側に熱可塑性樹脂層(19)を重ね、冷却ロールによって押圧することにより、これらを一体的に接着積層して、図2に示す層構成の積層体(2)ができる。
変性PEを主成分とする接着性樹脂の接着層(16)と、ポリエチレンの接着層(17)との共押し出しによる接着層(18)の厚みは、総厚5~50μmが好ましく、15~25μmがより好ましい。
本発明に係る熱可塑性樹脂層(19)は、ポリエチレンを主成分とするフィルムであり、密度0.91以上0.93以下のポリエチレンを主成分とするものが、ヒートシール性、耐衝撃性、レトルト処理、ボイル処理及び調湿処理等の質熱処理耐性の点より好ましい。
また、繰り返し単位のエチレンと若干量のα‐オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)も使用可能である。
ヒートシール性、耐衝撃性、レトルト処理、ボイル処理及び調湿処理等の質熱処理耐性の点より、本発明の積層体をヒーターロールやオーブンを通して熱を加えることで、接着強度を向上させることが好ましい。
本実施形態に係るガスバリア性積層体(15’)は、上述した本発明のガスバリア性前駆積層体に、レトルト処理、ボイル処理などの湿熱処理を、前述した層(A)におけるIRスペクトルの最大ピーク高さの比(α/β)が1以上になるように施して得られるものである。
さらに、このガスバリア性積層体は、図2に示したように、少なくとも変性PEを主成分とする層と、ヒートシール可能なポリエチレン層との2層を有する積層体であってもよい。
ガスバリア性前駆積層体をガスバリア性積層体とする際の処理は、レトルト処理、ボイル処理などの湿熱処理である。
レトルト処理は、一般に食品等を保存するために、カビ、酵母、細菌などの微生物を加圧殺菌する処理である。通常は、食品を包装したガスバリア性前駆積層体を、温度105
~140℃、圧力0.15~0.3MPa、処理時間10~120分の条件で加圧殺菌処理する。レトルト装置は、加熱蒸気を利用する蒸気式と加圧過熱水を利用する熱水式等があり、内容物となる食品等の殺菌条件に応じて適宜使い分ける。
以下に、本発明に係る積層体および包装袋の実施例とその評価結果を示す。
希釈溶媒(酢酸エチル)中、γ-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン1質量部と、アクリルポリオール5質量部とを混合撹拌し、溶液を得た。その後、トリレンジイソシアネート(TDI)を、アクリルポリオールの水酸基に対しイソシアネート基が等量となるように上記溶液に加えた。そして、当該溶液を酢酸エチルにより2質量%の濃度に希釈したものをアンカーコート液とした。
数平均分子量200,000のポリアクリル酸水溶液(東亞合成株式会社製「アロンA-10H」、固形分濃度25質量%)20gを蒸留水58.9gに溶解した。そこへ、アミノプロピルトリメトキシシラン(シグマ アルドリッチ ジャパン合同会社製)0.44gを添加して均一に撹拌した。これにより、コーティング液Aを得た。
酸化亜鉛微粒子水分散液(住友大阪セメント株式会社製「ZE143」)100gと硬化剤(Henkel社製「Liofol HAERTER UR 5889-21」)1gとを混合してコーティング液Bを得た。
密度0.935のポリエチレンを主成分とするポリエチレンフィルム(厚み40μm)(11)のコロナ処理面に、前記アンカーコート液をグラビアコート法により塗布し、アンカーコート層(12)を設けた(乾燥後の厚み0.05μm)。
次に、アンカーコート層(12)上に、前記コーティング液Aをグラビアコート法により塗布してガスバリア性前駆積層体の層(A)(13)を設け(乾燥後の厚み0.04μm)、さらに前記コーティング液Bを同様に塗布してガスバリア性前駆積層体の層(B)(14)(乾燥後の厚み0.1μm)を設け、ガスバリアフィルム(20)を得た。
上記で積層させたフィルムを140℃、15秒ヒーターロールに抱かせるように熱を加えて、図2に示す層構成の積層体(2)を作製した。
密度0.945のポリエチレンを主成分とするポリエチレンフィルム(厚み40μm)(11)のコロナ処理面に、アンカーコート液をグラビアコート法により塗布し、アンカーコート層(12)を設けた(乾燥後の厚み1μm)。
次に、アンカーコート層(12)上に、コーティング液Aをグラビアコート法により塗布し、ガスバリア性前駆積層体A層(13)を設け(厚み1μm)、さらにコーティング液Bを同様に塗布しガスバリア性前駆積層体B層(14)を設けた(厚み1.2μm)。
その後は実施例1と同様にした。
比較例の層構成は図3に示しており、積層体(3)は、基材フィルム(11)、アンカーコート層(12)、蒸着層(30)又は(40)、変性ポリエチレン(16)とポリエチレン(17)からなる接着層(18)、熱可塑性樹脂層(19)の順に積層してなる。
本発明に係る積層体(1)、(2)と比べると、ガスバリア性前駆積層体(15)に相当する部分が蒸着層となっている点が異なる。
密度0.935のポリエチレンを主成分とするポリエチレンフィルム(厚み40μm)(11)のコロナ処理面に、アンカーコート液をグラビアコート法により塗布し、アンカーコート層(12)を設けた(厚み0.1μm)。
次に、物理蒸着法によりアンカーコート層(12)上に、アルミナ蒸着膜による蒸着層(30)を積層した。この蒸着層の厚みは、0.01μmであった。
その後は、実施例1と同様に処理した。
密度0.935のポリエチレンを主成分とするポリエチレンフィルム(厚み40μm)のコロナ処理面に、アンカーコート液をグラビアコート法により塗布し、アンカーコート層(12)を設けた(厚み0.1μm)。
次に、物理蒸着法によりアンカーコート層(12)上に、シリカ蒸着膜による蒸着層(40)を積層した。この蒸着層の厚みは、0.03μmであった。
その後は、実施例1と同様に処理した。
上記実施例及び比較例で作製した積層体のそれぞれを20cm×20cm角に切り取り、ヒートシール法により三方製袋して包装袋を作製した。これらに蒸留水200mlを充填後、ヒートシールにて密封した。
これらを熱水槽にて、98℃で60分間のボイル処理を行った。
そして、酸素バリア性をモコン法(測定器:OX-TRAN2/12)により測定した。測定結果を表1に示す。
また表2によれば、実施例1及び2においてラミネート強度がボイル後に増加しており、ボイル処理後でも密着性がむしろ良くなっていることがわかる。一方、比較例1及び2では、熱ラミ後およびボイル後のラミネート強度が実施例1及び2と比べると低く、またボイル後にやや低下していることから、比較例1及び2の密着性は実施例1及び2に及ばないことがわかる。
これは、ボイル処理前の状態では、前述の通り、層(A)中の(A1)成分のカルボキシ基の多くがイオン架橋を形成しておらず柔軟性がある状態であり、欠陥が生じにくいため、ボイル処理後もガスバリア性が劣化しにくいことを示唆している。
(11)・・・基材フィルム
(12)・・・アンカーコート層
(13)・・・層(A)
(14)・・・層(B)
(15)・・・ガスバリア性前駆積層体
(16)・・・接着層(無水マレイン酸グラフト重合ポリエチレン)
(17)・・・接着層(ポリエチレン)
(18)・・・接着層
(19)・・・熱可塑性樹脂層
(20)・・・ガスバリアフィルム
(30)・・・アルミナ蒸着層
(40)・・・シリカ蒸着層
Claims (12)
- 少なくとも、基材フィルム、ガスバリア性前駆積層体、接着層、熱可塑性樹脂層が順次積層された積層体において、
前記ガスバリア性前駆積層体は層(A)と層(B)を有し、前記基材フィルム上に層(A)と層(B)がこの順に積層されており、
前記層(A)は、ポリカルボン酸系重合体(A1)と、下記一般式(1)で表されるシランカップリング剤及びその加水分解物及びそれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素含有化合物(A2)とを、(A1):(A2)=99.5:0.5~80.0:20.0の質量比(但し、前記ケイ素含有化合物(A2)の質量は前記シランカップリング剤換算の質量)で含有し、且つ、透過法により測定される赤外線吸収スペクトルにおける波数1490~1659cm-1の範囲内の最大ピーク高さ(α)と、波数1660~1750cm-1の範囲内の最大ピーク高さ(β)との比(α/β)が1未満であり、
前記層(B)は多価金属化合物を含有し、
前記基材フィルムが密度0.93g/cm 3 以上のポリエチレンフィルムであり且つ前記熱可塑性樹脂層が密度0.91g/cm 3 以上0.93g/cm 3 以下のポリエチレンフィルムであることを特徴とする積層体。
R1Si(OR2)3 ・・・(1)
[式(1)中、R1はグリシジルオキシ基又はアミノ基を含む有機基であり、R2はアルキル基であり、3個のR2はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。] - 前記基材フィルムと前記ガスバリア性前駆積層体との間に、アンカーコート層を備えることを特徴とする請求項1記載の積層体。
- 前記アンカーコート層が、下記一般式(p1)で表される3官能オルガノシラン、及び下記一般式(p2)で表される金属アルコキシド及びそれらの加水分解物からなる群から選択される少なくとも1種の金属化合物(P)と、ポリオール化合物(Q)と、イソシアネート化合物(S)との複合物からなることを特徴とする、請求項2に記載の積層体。
R3Si(OR4)3 ・・・(p1)
M(OR5)n ・・・(p2)
[式(p1)中、R3は、アミノ基、イソシアネート基、スルホキシド基、アルキル基、ビニル基又はエポキシ基を含む有機基であり、R4はアルキル基であり、3個のR4はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。式(p2)中、Mは金属元素であり、nは金属元素Mの酸化数であり、R5はアルキル基であり、nが3以上である場合、(n-1)個のR5はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。] - 前記金属化合物(P)は、前記一般式(p1)中のR3がアミノ基、イソシアネート基又はスルホキシド基を含む有機基である3官能オルガノシラン、及びその加水分解物からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項3に記載の積層体。
- 前記接着層が、酸変性ポリエチレンを含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記酸変性ポリエチレンが、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンであることを特徴とする、請求項5に記載の積層体。
- 前記アンカーコート層と前記ガスバリア性前駆積層体が直接接していることを特徴とする、請求項2~4のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンのグラフト率が0.1重量%以上、1.0重量%以下であることを特徴とする請求項6に記載の積層体。
- 前記基材フィルムと前記ガスバリア性前駆積層体が直接接していることを特徴とする、請求項1に記載の積層体。
- 前記接着層が、少なくとも無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン層とポリエチレン層の2層を備え、
前記ガスバリア性前駆積層体側に前記無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン層が隣接し、前記熱可塑性樹脂層側にポリエチレンが隣接していることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の積層体。 - 請求項1~10のいずれか一項に記載の積層体を製袋してなる包装袋。
- 請求項1~10のいずれか一項に記載の積層体を製造する方法であって、
前記基材フィルム上に、前記ポリカルボン酸系重合体(A1)と前記ケイ素含有化合物(A2)とを、(A1):(A2)=99.5:0.5~80.0:20.0の質量比(但し、前記ケイ素含有化合物(A2)の質量は前記シランカップリング剤換算の質量)で含有するコーティング液(a)を塗工、乾燥し、
その後、前記多価金属化合物を含有するコーティング液(b)を塗工、乾燥することにより、前記ガスバリア性前駆積層体を形成することを特徴とする、積層体の製造方法。
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