JP5703065B2 - 電子写真機器用導電性部材 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式を利用して画像を形成する複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真機器に用いられる現像ロール等の電子写真機器用導電性部材に関するものである。
電子写真機器は、感光体ドラムの外周面を帯電させトナー像を形成し、紙等の被転写体に転写することで画像形成を行うものである。電子写真機器において感光体ドラムに対峙して現像ロールが設けられている。現像ロールは、通常、ステンレス等の金属軸体の外周面に導電性を有する導電性弾性層が設けられ、更に導電性弾性層の上に樹脂層が設けられている。
前記現像ロールの導電性弾性層の上に形成される樹脂層は、バインダー樹脂、導電剤、その他の添加剤などを含むものである。上記樹脂層は、単層や複数層のものがある。
上記現像ロールは、トナー搬送性を向上させるために、樹脂層に粗さ形成用粒子を添加して、ロール表面に粗度形成(凹凸形成)を行っている。上記の粗さ形成用粒子としては、ポリウレタン樹脂の硬質粒子等が用いられていた。
電子写真機器などの高速化に伴い、規制部材からトナーに対する物理的ストレスや摩擦熱等の摺擦ストレスが大きくなっている。また電子写真機器の省電力化により、低温定着性を上げるために、トナーの低融点化(低強度化)が進んでいる。また、電子写真用カートリッジのロングライフ化もあり、トナーの劣化が起こり易い。
そのため電子写真機器は、耐久使用によるトナーの流動性低下、帯電性低下や、現像ロールへのトナー/外添剤付着による性能低下が起こると、画像濃度の変動や地汚れ(かぶり)、スジ等の画像不具合に繋がる。
そこで、電子写真機器における低強度トナーの劣化抑制手段として、現像ロール表面の柔軟性を上げることが効果的である。現像ロールの表面は、通常、トナー搬送性を向上させる為に微細凹凸が形成されている。現像ロールの表面に微細凹凸を形成する手段として、例えば、弾性層表面に研磨等を行い粗度形成する方法や、樹脂層への粗さ形成粒子の添加する方法等が挙げられる。
上記の現像ロールの弾性層表面を研磨して微細凹凸を形成する場合、その製法やニップ面積の点から、弾性層自体を硬質化する必要がある。しかし、弾性層が硬質化すると、上記したようにトナーへのストレスが高くなってしまう。
また上記の現像ロールの樹脂層へ粗さ形成粒子を添加することは、凸部となる粒子部位が、粒子のない平面部位よりも硬いため、層形成ブレードやドラム等の規制部材との接点である凸部(粒子部位)に応力が集中するという問題があった。現像ロール表面の凹凸の凸部に応力が集中すると、凸部を基点としたトナーの融着(フィルミング)や劣化が起こることが懸念される。
現像ロールとトナーが接触する際のトナーに対するストレスを低減するために、シリコーン樹脂やウレタン樹脂等の圧縮永久歪みの低い材料を用いた粗さ形成用樹脂粒子を添加した樹脂層を設けることが公知である(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−128080号公報(段落番号0003、0004等)
上記特許文献1に記載されているように、現像ロール最表面の粗さ形成用粒子とバインダー樹脂の両方に、低弾性かつ圧縮永久歪みの低い材料を選択した場合には、粗さ形成用樹脂の粒子が凝集し、均一に分散されない場合があるという問題があった。
樹脂粒子を単純に低硬度化すると、粒子表面の粘着力が増大し、凝集が生じてしまい、均一な樹脂粒子が得られ難いという問題があった。また現像ロールの樹脂層において、粗さ形成用粒子が凝集してしまい均一に分散していない状態では、電子写真機器の耐久評価を行った場合に、凝集部分がトナー固着の起点となってしま、良好な画像が得られないという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点を解決することにあり、トナーに対するストレスを低減し、表面に均一な粗さを形成することが可能であり、初期及び長期使用後の表面特性に優れ、良好な画像を得ることが可能な電子写真機器用導電性部材を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る電子写真機器用導電性部材は、
導電性を有する基材層と、粗さ形成用粒子とバインダー樹脂を含み前記基材層表面側に形成されている表層とを有する電子写真機器用導電性部材において、
前記粗さ形成用粒子は、ポリイソシアネート成分、ポリオール成分、二官能アミン成分から形成されるポリウレタンウレア粒子の表面にシリカ微粉末が付着しているシリカ被覆ポリウレタンウレア粒子であり、
前記粗さ形成用粒子のガラス転移温度が−50℃以下であることを要旨とするものである。
本発明に係る電子写真機器用導電性部材は、前記シリカ微粉末の付着量が、前記ポリウレタンウレア粒子と前記シリカ微粉末の合計量の7〜10質量%であることが好ましい。
本発明に係る電子写真機器用導電性部材は、前記シリカ微粉末が、親水性シリカと疎水性シリカを含むことが好ましい。
本発明に係る電子写真機器用導電性部材は、前記シリカ被覆ポリウレタンウレア粒子のマルテンス硬さが、0.3mN/mm以下であることが好ましい。
本発明に係る電子写真機器用導電性部材は、前記シリカ被覆ポリウレタンウレア粒子の平均粒子径が、5〜15μmであることが好ましい。
本発明に係る電子写真機器用導電性部材は、前記シリカ被覆ポリウレタンウレア粒子の粒度分布が、粒径20μm以上の粒子の頻度が2質量%未満であることが好ましい。
本発明に係る電子写真機器用導電性部材は、前記表層のバインダー樹脂が、ポリウレタンであることが好ましい。
本発明に係る電子写真機器用導電性部材は、前記基材層が、シリコーン樹脂からなることが好ましい。
本発明に係る電子写真機器用導電性部材は、金属製の軸体の外周に前記基材層が設けられ、該基材層の表面に前記被覆層が積層されていて、現像ロールの形態に形成することができる。
本発明に係る電子写真機器用導電性部材は、表層に粗さ形成用粒子として、ガラス転移温度が−50℃以下のシリカ被覆ポリウレタンウレア粒子を有していることから、低温環境下でも柔軟性に優れており、トナーに対するストレスを低く抑制可能である。
更に本発明に係る電子写真機器用導電性部材は、表層に含まれる粗さ形成用粒子として、表面ウレア層を有するポリウレタンウレア粒子の表面にシリカ微粉末が付着している粒子を用いたことにより、表面ウレア層と更にその表面に付着したシリカ微粉末により、粒子同士の凝集力を抑制することができるので、導電性部材の表層を均一な粗さに形成することができる。
このように本発明の導電性部材は、従来の粗さ形成用粒子として単に柔軟な粒子を用いた部材のように粒子同士が凝集してしまい耐久評価でトナー固着の起点となるのを防止することができる。その結果、本発明の電子写真機器用導電性部材は、トナーに対するストレスを低減し、表層の表面を均一な粗さを形成することが可能であり、初期及び長期使用後の表面特性に優れ、良好な画像を得ることができる。
本発明の電子写真機器用導電性部材の一例としての現像ロールの外観を示す斜視図である。 図1のB−B線縦断面図である。 図1のC−C線縦断面図である。 図1の現像ロールの表層と基材層の一部を拡大した断面図である。
以下、本実施形態に係る電子写真機器用導電性部材について詳細に説明する。図1は本発明の電子写真機器用導電性部材の一例として現像ロールの外観を示す斜視図であり、図2は図1のB−B線縦断面図であり、図3は図1のC−C線縦断面図である。図1〜3に示すように、現像ロール1は、金属製の軸体2表面の軸体外周面に設けられている導電性を有する円筒状の基材層3と、該基材層3の表面であるロール外周面に形成されている、粗さ形成用粒子5とバインダー樹脂を含む導電性を有する表層4とから構成されている。
図4は図1の現像ロールの表層と基材層の一部を拡大した断面図である。図4に示すように、表層4は、バインダー樹脂中に粗さ形成用粒子5が分散されて構成されている。上記表層4外周面(表面)は、粗さ形成用粒子5が存在する部分が凸部6となり、粗さ形成用粒子5が存在しない部分が凹部7となり、凸部6と凹部7からなる微細凹凸が形成されていて粗面化されている。
表層4の表面粗さは、特に限定されないが、算術平均粗さ(Ra)が0.5〜3.0μmの範囲が好ましい。
表層4の厚みは、特に限定されないが、表面粗さを上記の好ましい範囲〔算術平均粗さ(Ra)0.5〜3.0μmの範囲〕にする観点から、凸部6では5〜40μmの範囲内が好ましく、凹部7では2〜20μmの範囲内が好ましい。
粗さ形成用粒子5の平均粒径は、通常、3〜20μmであり、好ましくは5〜15μmである。粗さ形成用粒子5の平均粒径が、5μm未満であると十分なトナー搬送性が得られない恐れがあり、15μmを超えると画像のガサツキを生じる恐れがある。
粗さ形成用粒子5は、ポリウレタンウレア粒子からなる球状の微粒子表面が、無定型のシリカ微粉末により表面処理されて、表面にシリカ微粉末が付着しているシリカ被覆ポリウレタンウレア粒子が用いられる。上記ポリウレタンウレア粒子は、主としてポリイソシアネートとポリオールが反応して得られる柔軟なポリウレタンからなる粒子本体と、ポリイソシアネートと二官能アミンが反応して得られ該粒子本体の表面に形成される硬質なウレア薄層から構成されている。
上記ポリウレタンウレア粒子は、ポリイソシアネート成分、ポリオール成分、二官能アミン成分を用い、これらの成分を懸濁重合させて得られる球形の粒子である。上記ポリウレタンウレア粒子は、例えば、ポリイソシアネート成分とポリオール成分を含む組成物を分散させた懸濁液中に、二官能アミン成分を滴下等により添加することで得られる。
上記の反応では、ポリイソシアネート成分とポリオール成分の反応により形成されるポリウレタンからなる球状の粒子からなる粒子本体の最外層に、二官能アミン成分とポリイソシアネート成分が反応して生成したポリウレアからなるウレア薄層(架橋膜)が形成される。上記粒子本体の表面に形成されるウレア薄層は、ポリウレタンからなる粒子本体よりも硬く形成されている。
このように粗さ形成用粒子5は、粒子本体がポリウレタンから形成されているので、粒子自体が柔軟であり、トナーストレスが高くならず、トナーの劣化を防止して耐久性を向上させることができる。更に粗さ形成用粒子5は、最外層のウレア薄層が硬質なポリウレアにより形成されているので、粒子どうしの凝集を防止することができる。これに対し、粗さ形成用粒子を単純に柔軟なポリウレタンを用いて形成しただけでは、粒子の凝集力が大きくなり、特に小径の粒子ほど凝集力が大きくなって、乾粉化が困難である。粗さ形成用粒子5に凝集した粒子が存在すると、表層4に局所的に凝集を生じ、耐久付着の起点になってしまう。これに対し本発明で用いる上記の粗さ形成用粒子5は、凝集力が大きくならないようにして柔軟性を向上させるができ、表層4の耐久後の画像形成に凝集による悪影響を与えることがない。
またポリウレタンウレア粒子を形成するアミン成分として、二官能アミンを用いることが重要である。二官能アミン成分の添加により、粒子の表面にウレア薄膜が形成され、粒子の凝集を抑制することができる。アミン成分に三官能アミンを用いた場合には、粒子の凝集が大きくなってしまい、バインダー樹脂中への分散性が低下し、所望の特性を得ることができない。また、三官能アミンを用いると、二官能アミンを用いた場合と比較して、粒子が硬くなり易く、トナーストレスが高くなる虞がある。アミン成分として二官能アミンを用いる事で、粒子の柔軟性を損なわず凝集を防止することが可能である。
粗さ形成用粒子5は、ポリウレタンウレア粒子の表面をシリカ微粉末で表面処理して、シリカを付着させて表面を被覆していることにより、更に良好に粒子の凝集を防止することができる。
粗さ形成用粒子5は、ガラス転移点(Tg)が−(マイナス)50℃以下のものが用いられる。この粗さ形成用粒子5は、柔軟性に優れており、より低温環境でも柔軟性を発揮できるので、トナーストレスが良好に抑制されている。また粗さ形成用粒子5のTgの下限は、粘着による凝集を防止して造粒性に優れるという点から、−60℃以上であるのが好ましい。
粗さ形成用粒子5のTgを−50℃以下に形成するには、ポリウレタンウレア粒子を構成するポリイソシアネート成分、ポリオール成分、二官能アミン成分等を適宜、選択することにより、所望のTgを有するポリウレタンウレア粒子が得られる。粗さ形成用粒子5のTgは、熱分析により測定することができる。
以下、ポリウレタンウレア粒子を構成するための各成分について説明する。Tgが−50℃以下のポリウレタンウレア粒子を得るためのポリオール成分として、例えば、3−メチルー1,5−ペンタンジオールとアジピン酸とを反応させて得られたポリエステルポリオールを用いることができる。上記ポリエステルポリオールの数平均分子量は、2000〜10000の範囲が好ましい。また上記ポリオール以外に、Tgが−50℃を超えない範囲であれば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ポリウレタンポリオール、芳香族ポリオール(フタル酸系ポリオール)等を添加しても良い。また、3官能以上の多官能ポリオールを用いても良い。
ポリイソシアネート成分は、特に限定されるものではなく、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)等の芳香族ジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族ジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)等の脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。またポリイソシアネートは、上記ジイソシアネートモノマーから形成したイソシアヌレート化合物(3官能)またはウレトジオン化合物(2官能)等を用いることもできる。また、ポリイソシアネート成分として、末端イソシアネート基ポリイソシアネート(例えば、アダクト型ポリイソシアネート、ビウレット型ポリイソシアネート等)を用いることもできる。
上記ポリイソシアネート成分の中では、揮発性が低く、適度な反応性を有する点で、脂肪族、脂環族のジイソシアネートモノマーから形成されたイソシアヌレート化合物またはウレトジオン化合物(2官能)がより好ましく、特にHDIから形成されたイソシアヌレート化合物またはウレトジオン化合物が好ましい。
ポリイソシアネート成分とポリオール成分とのモル比(NCO/OH)は、1〜20であることが好ましい。
上記二官能アミン成分としては、例えば、エチレンジアミン、メチレンジアミン、モノエタノールアミン等が挙げられる。
ポリウレタンウレア粒子の防着材として外添するシリカ微粉末は、SiO2を主体とする合成ケイ酸が用いられる。合成ケイ酸は、ハロゲン化ケイ素の熱分解による乾式法の超微粉末の無水ケイ酸、或いは、ケイ酸ソーダの酸分解による湿式法の含水ケイ酸等がある。親水性シリカは、表面に疎水基が実質的に存在しない。一方疎水性シリカは、親水性シリカの表面がシランカップリング剤等で処理され表面に疎水性基が存在している。
シリカ微粉末の粒径は、ポリウレタンウレア粒子の平均粒径が5〜15μmである場合、シリカ微粉末の平均一次粒径は20〜100nmが好ましい。シリカ微粉末の平均一次粒径が大きくなりすぎるとポリウレタンウレア粒子の柔軟性を損ねる恐れがあり、また小さくなりすぎると防着効果が低くなる。
シリカ微粉末は、親水性シリカ又は疎水性シリカのいずれを用いてもよいが、多く外添する事で粒子の流動性を発現出来、疎水性シリカを用いる事で非水系塗料下での粒子分散性が向上する。両者を併用する事でより粒子へのシリカ実着量を多く、且つ分散性を向上させることができる。親水性シリカと疎水性シリカを併用する場合の混合比(質量比)は、親水性シリカ:疎水性シリカ=2:1〜9:1であるのが好ましい。シリカ微粉末による表面処理を行う際に、水中で処理を行う場合、疎水性シリカをアルコールに分散添加する必要があり、添加量に限界があるため、上記範囲であれば処理が容易である。
シリカ微粉末は、表面処理後の粒子に対する実付着量が、ポリウレタンウレア粒子とシリカ微粉末の合計量に対し、通常、4〜12質量%、好ましくは7〜10質量%となるのが、粒子の凝集を確実に防止できることから望ましい。シリカ微粉末の粒子に対する実付着量を上記の範囲となるようにするには、例えば、表面処理を行う際に、シリカ微粉末の添加量を、上記付着量に対し125〜200質量%程度にして表面処理を行う。
以下、粗さ形成用粒子5の製造方法について説明する。ポリウレタンウレア粒子の製造方法は、例えば、ポリオール成分にポリイソシアネート成分を反応させて末端イソシアネート基のプレポリマーを得た後、懸濁安定剤等を含む水中に上記プレポリマーを分散させ、この分散液に二官能アミン成分を滴下して、プレポリマーからなる粒子表面のイソシアネート基と二官能アミンを反応させて、粒子の表面にポリウレアからなるウレア薄膜を形成し、ポリウレタンウレア樹脂粒子が水中に分散した懸濁液を調整する事ができる。
上記懸濁安定剤としては、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを水中で乳化しうるようなものであればよく、例えば、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤、ポリビニルアルコール等の高分子分散剤等が用いられる。
上記ポリウレタンウレア粒子の表面にシリカ微粉末を付着させるには、例えば、シリカ微粉末を水中に添加して攪拌して分散させたシリカ水性分散液を調製し、該シリカ水性分散液に上記のポリウレタンウレア粒子の分散液を混合した後、この混合液を濾過、遠心分離等の手段で固液分離し、水で洗浄し懸濁安定剤等を除去し、乾燥する。また、シリカ微粉末の付着は、上記のポリウレタンウレア粒子の分散液に、シリカ微粉末を添加して攪拌して、洗浄、乾燥してもよい。
疎水性シリカは水への分散が困難であるから、アルコールに分散したものを、を上記の粒子懸濁液中に添加すすればよい。
粗さ形成用粒子5の粒度分布は、例えば平均粒径が6〜7μmの粒子の場合、粒度分布計で測定される粒度分布において、20μm以上の粒子の頻度が、通常、粒子全体の6質量%以下であり、好ましくは3質量%以下であり、更に好ましくは0質量%以下である。上記範囲であると、粗さ形成用粒子5の粗大粒子が更に少なくなって、凝集による影響を更に良好に抑制することができる。
粗さ形成用粒子5の硬さは、マルテンス硬さで、0.3mN/mm以下であるのが好ましく、更に好ましくは、0.25mN/mm以下である。粗さ形成用粒子5のマルテンス硬さは、粒子径500μm以上の粗大粒子を作り、微小硬度計を用いて1mN/5secで押し込んだ際のマルテンス硬さである。
表層4は、表層膜の硬度と粗さ形成用粒子の硬度比が、表層膜の硬度/粗さ形成用粒子の硬度=4〜9の範囲が好ましい。上記硬度比が4未満では硬すぎて、製品実機耐久性が悪化して耐久スジ発生等の恐れがある。上記硬度比が9を超えるとニップが大きくなり、搬送性が不足する恐れがある。上記硬度は、微小硬度計を用いて、変形量が全厚の5%未満下で測定した値である。
表層4は、粗さ形成用粒子5の存在しない部位である非粒子部の弾性率と、粗さ形成用粒子5の存在する部位である粒子部の弾性率の比として表わされる弾性率比が、粒子部の弾性率/非粒子部の弾性率=1〜5の範囲であることが好ましい。上記弾性率比が1未満では、柔らかすぎて粒子を形成するのが困難になる恐れがある。また上記弾性率比が5を超えると、粒子部が硬くなりすぎてトナーストレスが大きくなる恐れがある。上記弾性率の測定は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて粒子部と非粒子部の弾性率マッピングを行い、各部の弾性率を算出した。
表層4の硬さや弾性率の調節は、粗さ形成用粒子の硬さや弾性率に応じて、バインダー樹脂や導電剤等の組成を適宜調整することにより行うことができる。
表層4における、粗さ形成用粒子5のバインダー樹脂に対する添加量は、粗さ形成用粒子の平均粒径や目的とする表層4の表面の算術平均粗さ(Ra)等に応じて、適宜選択できる。例えば、粗さ形成用粒子5の平均粒径が5〜15μmの好ましい範囲内のものを用いる場合、粗さ形成用粒子5の添加量は上記表層4のバインダー樹脂と粗さ形成用粒子5の合計量に対し10〜40質量%の範囲が好ましい。
表層4は、バインダー樹脂及び粗さ形成用粒子5以外に、バインダー樹脂が導電性を有していない場合には、導電剤を含有している。また表層4は、必要に応じて、適宜、硬化剤、その他の添加剤等を含有してもよい。
表層4のバインダー樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリウレタン、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリル樹脂等を用いることができる。これらは単独で使用しても、2種以上併用してもいずれでも良い。表層4のバインダー樹脂は、耐摩耗性等が良好である点から、ポリウレタンを用いることが好ましい。
表層4のバインダー樹脂としてポリウレタンを用いる場合、ポリオール成分は、例えばポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等が挙げられる。上記ポリオールの数平均分子量(Mn)は、500〜3000の範囲が好ましい。またポリウレタンのポリイソシアネート成分は、例えばMDI、TDI、IPDI、XDI、これらの誘導体等の各種ポリイソシアネートが挙げられる。ポリウレタンには、ポリイソシアネート、ポリオールに加えて、鎖延長剤、触媒、発泡剤、界面活性剤、難燃剤、着色剤、充填剤、可塑剤、安定剤、離型剤等を適宜配合して用いることも可能である。
表層4に添加される導電剤としては、カーボンブラック、金属酸化物等が挙げられる。
現像ロールの軸体2は、特に限定されるものではなく、中実でも中空でもよい。また、上記軸体2の材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、鉄、鉄にめっきを施したもの、ステンレス、アルミニウム等が挙げられる。そして、上記軸体2の表面には、通常、接着剤やプライマー等が塗布される。さらに、上記接着剤やプライマー等は、必要に応じて、導電化してもよい。
上記基材層2は、導電性を有する弾性材料からなる。基材層2の形成材料としては、下記の主材料に導電剤が含有されているものが用いられる。すなわち、その主材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリウレタン系エラストマー、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)等が挙げられる。なかでも、低硬度でへたりが少ないという点から、シリコーンゴムを用いることが好ましい。また、必要に応じて、上記主材料に、シリコーンオイル、加硫剤、加硫促進剤、滑剤、助剤等を適宜に添加してもよい。上記基材層2の厚みは、特に限定されないが、通常、0.5〜5mm程度に設定される。
上記現像ロール1の製法の一例について説明する。まず、軸体2の外周面に必要に応じて接着剤等を塗布し、これを成形用金型の中空部に同軸的に設置し、密封した後、基材層2の形成材料を注入して成形し、ついで、オーブン加硫等により加硫し、軸体2の外周に基材層3を形成する。そして、基材層3の外周面に、シリカ被覆ポリウレタンウレア粒子とバインダー樹脂を含む表層4の組成物を塗布する。これを乾燥(硬化)させることで、バインダー樹脂中にシリカ被覆ポリウレタンウレア粒子が分散された表層4が形成されて、現像ロール1を得ることができる。表層の組成物を塗布する方法として、ロールコーティング法,スプレーコーティング法,ディッピング法等を用いることができる。
上記態様の現像ロール1は、基材層3の外周面に表層4が形成されているが、基材層3と表層4との間に中間層を形成してもよい。また、基材層3は、単層、複数層の積層構造のいずれでも良い。
特に図示しないが、電子写真機器では、現像ロール1の表面に、現像剤供給ロール、現像ブレード、感光ドラム等が当接されて、電子写真用カートリッジとして構成されている。カートリッジでは、現像剤供給ロールからトナー等の現像剤が現像ロールの表面に供給され、現像ブレードにより付着した現像剤の厚さが均一にされた後、現像ロールと感光ドラムが当接し、感光ドラムに現像剤が付着して感光ドラムが現像される。
本発明の電子写真機器用導電性部材の一形態である上記現像ロールは、例えばコピー機、プリンター等の電子写真複写機用の現像ロールとして好適に用いられるものであり、特に、フルカラーLBP(レーザービームプリンター)用現像ロールとして好適に用いることができる。
本発明の電子写真機器用導電性部材の形態としては、上記現像ロールに限定されるものではなく、導電性の基材層と、該基材層の表面に、微細凹凸により表面が粗面化された表層が設けられている形態の電子写真機器用導電性部材であれば適用することができる。このような部材として、例えば、帯電ロール、中間転写ロール等が挙げられる。
以下、本発明の実施例、比較例を示す。本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
下記のように、軸体、基材層、表層の形成材料等を準備し、上記実施の形態と同様にして、現像ロールを作製した。
〔軸体〕
外径8mm、長さ350mmの鉄製の中実円柱状の軸体を準備した。
〔基材層の形成材料〕
導電性シリコーンゴム(X34−264A/B、信越化学工業社製)をニーダーにより混練して基材層の形成材料を調製した。
〔表層の塗布液の組成〕
・ポリオール(日本ポリウレタン社製:ニッポラン5196)100質量部
・イソシアネート(日本ポリウレタン社製:コロネートHL)30質量部
・カーボンブラック(電気化学工業社製:デンカブラックHS−100)40質量部
・粗さ形成用粒子(下記参照)25質量部
・MEK適宜
〔粗さ形成用粒子の作製方法〕
2官能ポリエステルポリオール(クラレ社製「クラレポリオールP−6010」、数平均分子量6000)1420g、ヘキサメチレンジイソシアネート80g、ジブチル錫ジラウレート0.15gを、60℃で12時間攪拌、混合して反応させ、MEKを加えて末端イソシアネートプレポリマー(I)を得た。
3官能ポリカプロラクトン系ポリエステルポリオール(ダイセル化学工業社製「プラクセル320」、数平均分子量2000)1200gと、ヘキサメチレンジイソシアネート300gを反応させ、MEKを加えて末端イソシアネートプレポリマー(II)を得た。
上記末端イソシアネートプレポリマー(I)241.4gと上記末端イソシアネートプレポリマー(II)142.9g、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン型ポリイソシアネート31.0gを混合して、末端イソシアネートプレポリマー(III)を調製した。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業社製「メトローズ90SH−100」)を水に溶解して分散媒を調製し、前記分散媒を600rpmで攪拌しながら、前記末端イソシアネートプレポリマー(III)を加え、懸濁液を調製した。次いで、懸濁液にエチレンジアミン(EDA)を、上記末端イソシアネートプレポリマー(III)に対し1質量%滴下した後、懸濁液を加熱して反応させた。反応後、室温まで冷却して、球状のポリウレタンウレア粒子の分散液を得た。尚、上記の反応で、EDAの添加量が1質量%より多いと、粒子が硬くなり、機能を損なう恐れがあり、内部架橋密度が低下し、溶媒下での膨潤が大きくなり、凝集やフィルター目詰まりが発生し易くなる。またEDAの添加量が0.5質量部よりも少なくなると、表面の粘着性に起因する凝集が発生する恐れが大きくなる。
上記ポリウレタンウレア粒子の分散液に、シリカ微粉末(親水性シリカA:エボニック・デグサ社製「AEROSIL OX50」、平均一次粒径40nm)を、上記ポリウレタンウレア粒子との合計量に対し、12質量%添加して、攪拌し、ポリウレタンウレア粒子の表面処理を行った。そして、この分散液を固液分離し、水で充分洗浄した後、乾燥して、平均粒径6〜7μmのシリカ被覆ポリウレタンウレア粒子を得た。得られたポリウレタンウレア粒子はガラス転移温度が、−56.8℃であり、シリカ微粉末の実付着量は、ポリウレタンウレア粒子との合計量に対し8.3質量%であった。上記実付着量は、熱重量分析(TG)により測定した。この粒子のマルテンス硬さは0.12N/mmであった。この粒子を粒度分布計(ベックマン=コールター社製「マルチサイザーIII」)を用いて水分散で粒度分布を測定し、凝集性について評価した。その結果、20μm以上の粒子の頻度が2.2質量%であり、凝集の殆どない良好な粒子であった。粒子の硬さ、粒度分布〔20μmを超える粒子の頻度(質量%)〕、凝集性の評価を表1に示す。凝集性の評価方法は下記の通りである。
凝集性は、上記粒度分布の測定結果が、20μmを超える粒子の頻度が3質量%未満(1山)であるものを「○」、20μmを超える粒子の頻度が3〜6質量%のものを「△」、20μmを超える粒子の頻度が6質量%超のものを「×」(不合格)とした。
〔現像ロールの作製〕
上記軸体の外周面に、上記基材層の形成材料を用いて、成形用金型で190℃×30分間処理して、厚み4mm、長さ240mmに基材層を成形した。そして、その基材層の外周面に、表層の塗布液をロールコーティング法により塗布した後、乾燥(硬化)させ、表層を形成して現像ロールを作製した。表層の厚みは、非粒子部で10μmになるよう形成した。
〔現像ロールの評価〕
現像ロールを用いて、表層表面の弾性率を測定した。その結果、非粒子部弾性率が0.10GPa、粒子部(凸部)弾性率が0.11GPaであり、弾性率比が1.1であった。弾性率比が小さい程、粒子部と非粒子部の硬度差が小さく、良好であると判断することができる。
また実施例1の現像ロールを用いて印刷試験を行い、下記の基準に従い、画像の耐久性及び画像のガサツキの特性について評価を行った。その結果を表1に示した。いずれの評価も良好であった。弾性率の測定方法、各評価方法は下記の通りである。
〔弾性率測定方法〕
測定器として日本ピーコ社製「マルチモードV」を用い、粒子部と非粒子部の弾性率マッピングを行い、弾性率を算出した。
〔耐久性〕
現像ロールを市販のレーザープリンター(HP社「CP1215」)に組み込み、L/L環境(10℃×10%RH)で3%印字通紙耐久試験(300枚/日×8日=2400枚)を行い、画像にスジ発生した枚数で判断した。スジ発生が、1800枚以上の場合を「○」、1800枚未満〜1500枚以上の場合を「△」、1500枚未満〜1200枚以上の場合を「△」、1200枚未満の場合を「×」として評価した。
〔L/L環境ガサツキ〕
現像ロールを市販のレーザープリンター(HP社「CP1215」)に組み込み、L/L環境(10℃×10%RH)で75%、50%BK色にて画像のガサツキ感を目視して判断した。判断基準は、目視での画像均質性から全面均質の場合「○」、極軽微にムラがある場合「○」、軽微にムラがみられる場合「△」、ムラが目立つ場合「×」とした。
[実施例2]
実施例1の粗さ形成用粒子の代わりに、エチレンジアミンの添加量を3質量%から6質量%に変更して作製した粗さ形成用粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の現像ロールを作製し、現像ロールの評価を行った。実施例2で用いた粗さ形成用粒子の物性、実施例2の現像ロールの評価について表1に示す。
[実施例3]
実施例1の粗さ形成用粒子の代わりに、エチレンジアミンの添加量を3質量%から10質量%に変更して作製した粗さ形成用粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3の現像ロールを作製し、現像ロールの評価を行った。実施例3で用いた粗さ形成用粒子の物性、実施例3の現像ロールの評価について表1に示す。
[実施例4]
実施例1の粗さ形成用粒子の代わりに、エチレンジアミンの添加量を3質量%から15質量%に変更して作製した粗さ形成用粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例4の現像ロールを作製し、現像ロールの評価を行った。実施例4で用いた粗さ形成用粒子の物性、実施例4の現像ロールの評価について表1に示す。
[実施例5]
実施例1の粗さ形成用粒子の代わりに、シラン微粉末として、親水性シリカA12質量%と疎水性シリカA(エボニック・デグサ社製「AEROSIL RX50」:ジメチル処理したもの、平均一次粒径40nm)3質量%を併用した以外は実施例1と同様に処理を行い、シリカ実付着量が8.6質量%の粗さ形成用粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例5の現像ロールを作製し、現像ロールの評価を行った。実施例5で用いた粗さ形成用粒子の物性、実施例4の現像ロールの評価について表1に示す。
[実施例6]
実施例5の粗さ形成用粒子の代わりに、シラン微粉末として、親水性シリカAの使用量を10質量%とし、実施例5で用いたものと異なる疎水性シリカB(エボニック・デグサ社製「AEROSIL RM50」:メタクリル処理したもの、平均一次粒径40nm)5質量%を用いて処理した粗さ形成用粒子を用いて、実施例6の現像ロールを作製し、現像ロールの評価を行った。実施例6で用いた粗さ形成用粒子の物性、実施例4の現像ロールの評価について表1に示す。
[実施例7]
実施例1の粗さ形成用粒子の代わりに、シラン微粉末として、親水性シリカAの代わりに親水性シリカB(エボニック・デグサ社製「AEROSIL 90G」:平均一次粒径20nm)12質量%用いて処理した粗さ形成用粒子を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例7の現像ロールを作製し、現像ロールの評価を行った。実施例7で用いた粗さ形成用粒子の物性、実施例7の現像ロールの評価について表1に示す。
[比較例1]
実施例1の粗さ形成用粒子の代わりに、二官能アミン成分を含まないTg40℃のポリウレタン粒子の市販品(根上工業社製「U−800T」)を用い、シリカ微粉末として実施例1と同じ親水性シリカA6質量%を用いて処理した粗さ形成用粒子を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の現像ロールを作製し、現像ロールの評価を行った。比較例1で用いた粗さ形成用粒子の物性、比較例1の現像ロールの評価について表2に示す。
[比較例2]
実施例1の粗さ形成用粒子の代わりに、二官能アミン成分を含まずTg−17℃のポリウレタン粒子の市販品(根上工業社製「C−800T」)を用い、シリカ微粉末として実施例1と同じ親水性シリカ6質量%を用いて表面処理して得られた粗さ形成用粒子を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2の現像ロールを作製し、現像ロールの評価を行った。比較例2で用いた粗さ形成用粒子の物性、比較例2の現像ロールの評価について表2に示す。
[比較例3]
実施例1の粗さ形成用粒子の代わりに、二官能アミン成分を含まずTg−53.9℃のポリウレタン粒子の市販品(根上工業社製「JB−800T」)を用い、シリカ微粉末として実施例1と同じ親水性シリカ6質量%を用いて表面処理して得られた粗さ形成用粒子を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3の現像ロールを作製し、現像ロールの評価を行った。比較例3で用いた粗さ形成用粒子の物性、比較例3の現像ロールの評価について表2に示す。
[比較例4]
比較例3の粗さ形成用粒子の代わりに、親水性シリカ8質量%を用いて表面処理した以外は同様にして形成した粗さ形成用粒子を用いた以外は比較例3と同様にして、比較例4の現像ロールを作製し、現像ロールの評価を行った。比較例4で用いた粗さ形成用粒子の物性、比較例4の現像ロールの評価について表2に示す。
[比較例5]
実施例1の粗さ形成用粒子の代わりに、二官能アミン成分を含まないポリウレタン粒子(Tg−56.8℃)を作製し、実施例1と同じ親水性シリカをシリカ微粉末として用い、使用量を上記ポリウレタン粒子との合計量の6質量%として表面処理を行った以外は実施例1と同様にして形成した粗さ形成用粒子を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例5の現像ロールを作製し、現像ロールの評価を行った。比較例5で用いた粗さ形成用粒子の物性、比較例5の現像ロールの評価について表2に示す。
[比較例6]
比較例5の粗さ形成用粒子の代わりに、親水性シリカの使用量を6質量%から8質量%に変更した以外は比較例5と同様にして形成した粗さ形成用粒子を用いた以外は比較例5と同様にして、比較例6の現像ロールを作製し、現像ロールの評価を行った。比較例6で用いた粗さ形成用粒子の物性、比較例6の現像ロールの評価について表2に示す。
[比較例7]
比較例5の粗さ形成用粒子の代わりに、親水性シリカの使用量を6質量%から10質量%に変更した以外は比較例5と同様にして形成した粗さ形成用粒子を用いた以外は比較例5と同様にして、比較例7の現像ロールを作製し、現像ロールの評価を行った。比較例7で用いた粗さ形成用粒子の物性、比較例7の現像ロールの評価について表2に示す。
[比較例8]
比較例5の粗さ形成用粒子の代わりに、親水性シリカの使用量を6質量%から11質量%に変更した以外は比較例5と同様にして形成した粗さ形成用粒子を用いた以外は比較例5と同様にして、比較例8の現像ロールを作製し、現像ロールの評価を行った。比較例8で用いた粗さ形成用粒子の物性、比較例8の現像ロールの評価について表2に示す。
[比較例9]
比較例5の粗さ形成用粒子の代わりに、親水性シリカの使用量を6質量%から12質量%に変更した以外は比較例5と同様にして形成した粗さ形成用粒子を用いた以外は比較例5と同様にして、比較例9の現像ロールを作製し、現像ロールの評価を行った。比較例9で用いた粗さ形成用粒子の物性、比較例9の現像ロールの評価について表2に示す。
[比較例10]
実施例1の粗さ形成用粒子の代わりに、アミン成分としてエチレンジアミン(二官能アミン)の代わりに三官能アミンであるジエチレントリアミン(DETA)を10質量%使用した以外は実施例1と同様にしてポリウレタンウレア粒子(Tg−56.8℃)を作製し、実施例1と同様のシリカ微粉末(親水性シリカ1)で表面処理して作製した粗さ形成用粒子を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例10の現像ロールを作製し、現像ロールの評価を行った。比較例10で用いた粗さ形成用粒子の物性、比較例10の現像ロールの評価について表2に示す。
[比較例11]
比較例10の粗さ形成用粒子の代わりに、アミン成分としてDETAを10質量%から15質量%に変更した以外は比較例10と同様にして作製した粗さ形成用粒子を用いた以外は比較例10と同様にして、比較例11の現像ロールを作製し、現像ロールの評価を行った。比較例11で用いた粗さ形成用粒子の物性、比較例11の現像ロールの評価について表2に示す。
Figure 0005703065
Figure 0005703065
実施例1〜7は、表1に示すように、いずれも、粗さ形成用粒子のTgが低く、凝集が少なく、柔軟な粒子である。実施例1〜7の現像ロールは、表層の粒子部と非粒子部の弾性率比が、2.0以下であり、硬度比の小さい良好なものであった。更に、実施例1〜7の現像ロールは、低温、低湿度環境における画像の耐久性、画像のガサツキについて優れた特性を有するものであった。
比較例1、2は、粗さ形成用粒子のTgが40℃、−17℃であり−50℃を超えている。そのため、粗さ形成用粒子自体が硬すぎて、画像の耐久性が劣っている。また比較例3〜9は、粗さ形成用粒子のTgが−50℃以下であり、画像の耐久性が比較例1、2に対し向上しているものの、粗さ形成用粒子が二官能アミン成分を含んでいないので、粒子の凝集性が悪く、画像のガサツキが悪くなっている。
比較例10、11は、粗さ形成用粒子が、二官能アミン成分の代わりに三官能アミン成分を含有するものであるため、実施例の現像ロールと比較すると、画像の耐久性が低下していた。
1 現像ロール(電子写真機器用導電性部材)
2 金属軸体
3 基材層
4 表層
5 粗さ形成用粒子
6 表層の凸部
7 表層の凹部

Claims (9)

  1. 導電性を有する基材層と、粗さ形成用粒子とバインダー樹脂を含み前記基材層表面側に形成されている表層とを有する電子写真機器用導電性部材において、
    前記粗さ形成用粒子は、ポリイソシアネート成分、ポリオール成分、二官能アミン成分から形成され、ポリウレタンからなる粒子本体と該粒子本体の表面に形成されるウレア薄層から構成される粒子の表面に、シリカ微粉末が付着しているシリカ被覆粒子であり、
    前記粗さ形成用粒子のガラス転移温度が−50℃以下であることを特徴とする電子写真機器用導電性部材。
  2. 前記シリカ微粉末の付着量が、前記シリカ被覆粒子の7〜10質量%であることを特徴とする請求項1記載の電子写真機器用導電性部材。
  3. 前記シリカ微粉末が、親水性シリカと疎水性シリカを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真機器用導電性部材。
  4. 前記シリカ被覆粒子のマルテンス硬さが、0.3mN/mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真機用導電性部材。
  5. 前記シリカ被覆粒子の平均粒子径が、5〜15μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真機器用導電性部材。
  6. 前記シリカ被覆粒子の粒度分布が、粒径20μm以上の粒子の頻度が2質量%未満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真機器用導電性部材。
  7. 前記表層のバインダー樹脂が、ポリウレタンであることを特徴とる請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真機器用導電性部材。
  8. 前記基材層が、シリコーン樹脂からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真機器用導電性部材。
  9. 金属製の軸体の外周に前記基材層が設けられ、該基材層の表面に前記被覆層が積層されていて、現像ロールとして形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真機器用導電性部材。
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