JP4887902B2 - 現像ローラ、及び該現像ローラを用いた画像形成方法 - Google Patents

現像ローラ、及び該現像ローラを用いた画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、複写機、プリンタあるいはファクシミリの受信装置などの電子写真方式を採用した画像形成装置に組み込まれる現像ローラに関し、特に非磁性一成分現像方式を採用した現像装置に用いる現像ローラ、及び該現像ローラを用いた画像形成方法に関するものである。
現在広く用いられている電子写真画像形成方法は、電荷付与されたトナーを静電潜像担持体(通常電子写真感光体)上に形成した静電潜像に接触、あるいは狭い間隙を介して対向させ、静電潜像をトナーにより顕像化する現像過程を経て形成された静電潜像担持体上のトナー画像を、普通紙等に転写した後、定着して最終画像を形成するものである。
トナー画像を形成するための現像方法として、キャリアとトナーとから構成される二成分現像剤を用いてトナーを帯電させ現像する二成分現像方式や、現像ローラによりトナーのみからなる現像剤を搬送し、現像剤規制部材などとの摩擦で帯電させ現像する一成分現像方式がある。この一成分現像方式ではキャリアを使用しないため、現像装置が簡略化できるため、近年ではかなり幅広く使用されている。特に、近年のカラー化の流れに伴い、磁性体を含有しないトナーを用いる非磁性一成分方式がカラー化も可能であるため、注目されている。
この方式は、二成分現像方式とは異なり、キャリアを使用せず、トナーのみを帯電部材と摩擦させ、或いは、現像ローラ面等に押圧することにより帯電させるものであり、現像器の機構が複雑でなく、かつコンパクトにできるという大きなメリットがある。その結果、通常、現像機構を4個以上必要とするカラー画像形成装置にも適用し易いと言う特徴も有する。
この非磁性一成分現像方式における現像ローラとしては、従来、例えば導電性シャフトの外周にシリコーンゴムを用いた弾性層を形成したものが用いられてきた。トナーを帯電させるためには、金属板あるいはローラ等の帯電部材を用いて現像ローラ上にトナーの薄層を形成すると共に、これと摩擦させることにより行うため、機構的には極めて単純な構成の現像器となる。
この現像ローラは、金属製或いは導電性樹脂の軸体の外周面にシリコーンゴム等のゴム状弾性体を用いた弾性層が形成されているが、トナーの搬送性及び帯電性の確保のために、その他の樹脂を用いて、弾性層上に表面層を形成することが一般的に知られている。例えば、トナーへの帯電付与あるいはトナーの搬送性の付与、さらにはトナーの付着や融着を防止するために、弾性層上にフッ素ゴムを用いることが知られている。弾性層上にフッ素ゴムの層を形成するためには、接着性を向上させる必要があり、弾性層表面にシランカップリング剤の中間層を形成させ、さらにその上にフッ素ゴム等を主成分として用いた最外層を形成することが知られている。(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、画像形成時には現像ローラ上にトナーを規制搬送して形成されたトナー層を帯電部材により摩擦し、あるいは現像ローラ面に強く押し付けることにより帯電させなければならない。弾性ゴム層上には、上記した如く外層面を保護し傷が付き難くするため、或いはトナー帯電を望ましい極性にかつ十分に行えるようにするため、構成層が複数設けられているのが普通である。
この場合、帯電時には、現像ローラ上に形成されたトナー層に帯電させるための強い摩擦力、帯電部材による押圧力が加えられ、現像ローラにも大きな力が加えられる。この結果、ローラ軸体上の弾性層が局部的に変形したり、歪んだりする。この時、弾性層とその上の被覆層の間に掛かる変形応力も当然大きくなり、剥離、或いは亀裂等が起こりやすく、これらの問題を解消する技術が非磁性一成分現像方式で求められていた。
また、非磁性一成分現像ではトナーと現像ローラの間での電荷の授受が行われ、トナーのカウンター電荷が現像ローラ表面に蓄積する。このカウンター電荷は現像ローラ内部へリークすることで除去され、現像ローラ表面の電荷を常に中和することが必要である。しかしながら、前述の構成とした場合には表面層で形成された電荷は、中間層がいわゆるバリア層となり効果的にリークされず、現像ローラ表面の残留電荷が増加してしまい、トナー飛散等の問題を発生してしまう課題があった。
特開平8−190263号公報
従来のローラにおいては、弾性層に隣接する層が絶縁性のシランカップリング剤層のために、繰り返し使用時の残留電位の上昇が見られ、その結果、トナー飛散やトナーこぼれ等が生じるという問題を派生していた。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、弾性層との接着性を損なうことなく、繰り返し使用時の残留電位上昇を抑制でき、トナー飛散やトナーこぼれを防ぎ、かつ、適度な弾性を有してトナーの帯電が均一で画像ムラを防ぐことの可能な樹脂層を備えた現像ローラ、及び該現像ローラと用いた画像形成方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の現像ローラは、少なくとも導電性シャフトの周りにシリコーンゴムよりなる弾性層、該弾性層上に少なくとも1層の樹脂層を積層して構成される現像ローラにおいて、前記弾性層に隣接する層をポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体を主成分とする樹脂層としたものである。
すなわち、本発明者らは鋭意検討した結果、ポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体を主成分とする樹脂層を弾性層に隣接する層として形成させることで、トナーの搬送性及び帯電性を付与すると同時に弾性層との接着性を向上させることで、課題を解決することができることを見出したものである。
本発明のポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体を主成分とする樹脂層は、接着性を向上できるウレタン樹脂を含んでなり、さらに、シリカのような無機構造を内部に有するハイブリッド体であるため、従来のシランカップリング剤からなる層を不要とするため、その層での電荷リーク性を十分に確保することができ、残留電位上昇を抑制することができるものと推定される。また、ウレタン樹脂骨格を有することで、樹脂としての弾性を確保することができると同時に、下層の弾性層との接着性をも向上することができる。
(1)
少なくとも導電性シャフトの周りにシリコーンゴムよりなる弾性層及び弾性層上に少なくとも1層の樹脂層を積層して構成される現像ローラにおいて、該弾性層に隣接する層を形成する樹脂がポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体を主成分としてなることを特徴とする現像ローラ。
(2)
前記ポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体中にシラン骨格が1.0質量%以上30.0質量%以下含有していることを特徴とする(1)記載の現像ローラ。
(3)
前記ポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体がウレア結合を含むことを特徴とする(1)又は(2)記載の現像ローラ。
(4)
少なくともトナーからなる現像剤を現像領域に現像ローラにより搬送し、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像し可視化する工程を含む画像形成方法において、該現像ローラが少なくとも導電性シャフトの周りにシリコーンゴムよりなる弾性層、及び弾性層上に少なくとも1層の樹脂層を積層して構成される現像ローラであり、該弾性層に隣接する層を形成する樹脂がポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体を主成分としてなる、現像ローラであることを特徴とする画像形成方法。
(5)
前記ポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体中にシラン骨格が1.0質量%以上30.0質量%以下含有していることを特徴とする(4)記載の画像形成方法。
(6)
前記ポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体がウレア結合を含むことを特徴とする(4)又は(5)記載の画像形成方法。
なお、本発明ではポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体の上層にさらに機能を付与するための層を積層してもよい。この場合、帯電性の付与のために、前記した如くシリコーン樹脂やフッ素樹脂を使用することができる。この構成とした場合でも、本願のポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体では樹脂中に極性を有する成分と非極性の成分を保有していることから、比較的低表面エネルギーのシリコーン樹脂やフッ素樹脂との接着性も向上させることができる。
本発明では弾性層に使用されるシリコーンゴムに対して単なる絶縁性の接着層を形成するのではなく、いわゆるハイブリッド樹脂構造化させた樹脂層を形成することで、課題を解決することができることを見出したものである。
本発明で用いられるポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体の構造は後述するが、骨格中にポリウレタンユニットを有しているので、例えば、シリコーン共重合ポリウレタン樹脂により表面層を形成する場合でも、該樹脂との親和性を強く有し、接着性をよくすることができる。また、シリカハイブリッド体構造を有することで、弾性層を形成するシリコーンゴムとの接着性を向上することができると同時にシリカユニットの無機的構造の存在により、電荷のリーク点としても作用させることができる。従って、現像ローラ表面での電荷の蓄積を抑制することができ、本発明の課題を解決することができると推定される。
なお、本発明において、主成分として含有するとは少なくとも50質量%以上含有することを示し、また、シラン骨格とはシランあるいはシロキサン構造を有する部分という意味である。
本発明により、繰り返し使用時の残留電位上昇を抑制でき、トナーの飛散を防ぎ、かつ、適度な弾性を有していて、トナーの帯電が均一で画像ムラを防ぐことの可能な樹脂層を備えた現像ローラ、及び該現像ローラと用いた画像形成方法を提供することが出来る。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
〔現像ローラ〕
現像ローラは軸体として導電性シャフトを使用し、その周囲にシリコーンゴムよりなる導電性の弾性層と、ポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体を主成分とする層が形成される。必要に応じ、例えばシリコーン共重合ポリウレタン樹脂を主成分とする表面層を形成してもよい。
図1に本発明に係る現像ローラ1の断面構成図を示す。導電性シャフト(軸体)2、弾性層3、樹脂層4、必要に応じて表面層5から構成される。
(導電性シャフト)
軸体を構成する導電性シャフトは、現像ローラ表面に蓄積される電荷をリークさせる部材も兼ねるため、導電性の金属で構成されることが好ましい。代表的なものとして、直径1.0〜30mmのステンレス鋼(例えばSUS304)、鉄、アルミニウム、ニッケル、アルミニウム合金、ニッケル合金等の導電性金属があり、また導電性樹脂で構成されるものでもよい。
(弾性層)
本発明における弾性層として用いられるシリコーンゴムは、当業界で普通に用いられる組成のシリコーンゴムでよく、オルガノポリシロキサンに無機充填剤や、過酸化ベンゾイルなどの硬化剤を添加してよく混練、成形後加熱して加硫し硬化させたものである。例えば、ジメチルポリシロキサンとメチルビニルシロキサンからなるメチルビニルポリシロキサンを有機過酸化物により架橋させて得ることができる。架橋の度合いによりその弾性率は異なるが、本発明において好ましく用いられるのは、JIS A 硬度が10〜60°程度の弾性体である。
また、この弾性層は抵抗を調整し、低抵抗化したものが使用される。低抵抗化するためには、カーボンブラック、グラファイト、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタンなどの低抵抗成分を含有させることが好ましい。この場合、これらの材料の抵抗としては1×10-4〜1×104Ω・cmの体積固有抵抗を有する材料を使用することが好ましい。特に好ましいものとして、グラファイト、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどをあげることができる。また、添加量は特に限定されるものではないが、弾性層を構成するシリコーンゴム100質量部に対して10〜100質量部が好ましい。
(樹脂層)
本発明に係る樹脂層はポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体を主成分とする層で構成される。このものは、ポリウレタン骨格を有し、シリカ構造と一体となったものであり、特に限定されるものではないが、例えば特開2002−220431号公報に記載されている方法で得ることができる。すなわち、少なくとも多価アルコールと多価イソシアネート化合物とから得られ、かつエポキシ基と反応性を持つ官能基を有するポリウレタン樹脂(1)と、分子中に少なくとも1つ以上の水酸基を有するエポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得られるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)とを反応させてなるアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂を硬化させ、ポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体を得ることができる。なお、反応中にアミンを添加することでイソシアネート基とアミノ基を反応させ、ウレア結合を形成させてもよい。ウレア結合とウレタン結合とを共存させることにより、分子間の密着性が向上され、耐久性を向上することができるため、好ましい。
当該多価アルコールとしては、特に限定されないが、末端に水酸基を有するポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオールなどをあげることができる。当該多価アルコールは硬化物の力学物性、弾性の付与の観点から、ある程度高分子量化されたものが好ましく、数平均分子量で1000〜6000の範囲内のものが好ましい。尚、数平均分子量はGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)にてスチレン換算数平均分子量として求めることが出来る。
また、最終的に得られるポリウレタン−シリカハイブリッド体の高温耐久性などの諸特性の点から、上記高分子ポリオールのうちでもポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールが特に好適である。
当該ポリエステルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、ジプロピレングリコール等の飽和もしくは不飽和の各種公知の低分子グリコール類またはn−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、バーサティック酸グリシジルエステル等のモノカルボン酸グリシジルエステル類と、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の二塩基酸またはこれらに対応する酸無水物やダイマー酸、ひまし油およびその脂肪酸などとを脱水縮合せしめて得られるポリエステルポリオール類、あるいは環状エステル化合物を開環重合して得られるポリエステルポリオール類などがあげられる。
また、ポリカーボネートポリオールとしては、一般に多価アルコールとジメチルカーボネートの脱メタノール縮合反応、多価アルコールとジフェニルカーボネートの脱ウレタン縮合反応または多価アルコールとエチレンカーボネートの脱エチレングリコール縮合反応など公知の反応で得られる。これら反応で使用される多価アルコールとしては1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、ジプロピレングリコール等の飽和もしくは不飽和の各種公知の低分子グリコール類、1,4−シクロヘキサンジグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコールなどが挙げられる。
またポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフランなどを開環重合して得られるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールなどが掲げられる。
ポリウレタン樹脂(1)の構成成分である多価イソシアネート化合物としては芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知の多価イソシアネート類を使用することができ、ジイソシアネート化合物が弾性付与の観点から、好ましい。
具体的には、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4′−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等をあげることができる。
また、ポリウレタン樹脂(1)には分子鎖を伸伸長させるための鎖伸長剤を使用することができる。この鎖伸張剤としては、たとえば前記ポリエステルポリオールの項で述べた低分子グリコール類やジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸など分子内にカルボキシル基を持つグリコール類、またエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジアミン、ダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン等のポリアミン類、L−リジン、L−アルギニンなど分子内にカルボキシル基を持つ多価アミン類をあげることができる。この鎖伸長剤としてのアミン類を使用することにより、分子内にウレア結合を形成することができる。このウレア結合の量としては、モル比でウレタン結合に対して1〜10モル%とすることが好ましい。すなわち、反応時にグリコール類を99〜90モル%とし、アミン類を1〜10モル%添加することで調整することができる。ウレア結合とウレタン結合を分子内に共存させることにより、分子間の水素結合による相互作用が発揮され、形成される樹脂層の耐久性や接着性を向上させることができる。このウレア結合の量が過少の場合、分子間相互作用が低下し、接着性を向上させることができない。また、過多の場合には相互作用は引き起こされるものの、過剰に存在するウレア結合の反発が引き起こされ、接着性がかえって低下してしまう。
また、本発明のポリウレタン樹脂には、分子量を調節するために重合停止剤を使用することもできる。重合停止剤としては、たとえば、ジ−n−ブチルアミン、n−ブチルアミン等のアルキルモノアミン類や、D−アラニン、D−グルタミン酸など分子内にカルボキシル基を持つモノアミン類、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、グリコール酸など分子内にカルボキシル基を持つアルコール類があげられる。
ポリウレタン樹脂(1)におけるエポキシ基と反応性を有する官能基は、ポリウレタン樹脂(1)の末端、主鎖のいずれに存在していてもよい。かかる官能基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などの酸性基、アミノ基、水酸基、メルカプト基などがあげることができる。エポキシ基との反応性や、官能基付与容易性の点から酸性基、アミノ基が好ましい。ポリウレタン樹脂(1)に酸性基を付与する方法は特に限定されないが、例えば前記の鎖伸長剤や重合停止剤として前述の官能基を有する化合物を使用することで、官能基を付与することができる。
本発明に用いるポリウレタン樹脂(1)を製造する方法としては、高分子ポリオールとジイソシアネート化合物ならびに必要に応じて鎖伸長剤および/または重合停止剤を、適当な溶媒中で一度に反応させる一段法、高分子ポリオールとジイソシアネート化合物とを、イソシアネート基過剰の条件で反応させ、高分子ポリオールの末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを調製し、次いでこれを適当な溶媒中で鎖伸長剤および必要に応じて、重合停止剤と反応させる二段法等が挙げられる。均一なポリマー溶液をうる目的には二段法が好ましい。これら製造法において、使用される溶剤としては通常、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンなどの溶剤を単独または混合して使用できる。
またポリウレタン樹脂(1)にアミノ基を付与する方法に限定はないが、例えばプレポリマーの末端イソシアネート基に対し、アミノ基が過剰になるようポリアミン類を反応させればよい。ポリウレタン樹脂(1)におけるエポキシ基反応性官能基の量は特に制限されないが、通常は0.1〜20KOHmg/gであることが好ましい。0.1KOHmg/g未満になると得られるポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体の柔軟性や耐熱性が低下し、また20KOHmg/gを超えるとポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体の耐水性が低下する傾向がある。尚、ポリウレタン樹脂中にはウレア結合を含むものが、層間接着性がより好ましい。
本発明のエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)は、前記のように、エポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得られるものである。
かかるエポキシ化合物(A)としては、1分子中に水酸基を1つもつエポキシ化合物であれば、エポキシ基の数は特に限定されない。また、エポキシ化合物(A)としては、分子量が小さいもの程、アルコキシシラン部分縮合物(B)に対する相溶性がよく、耐熱性や密着性付与効果が高いことから、炭素数が15以下のものが好適である。その具体例としては、エピクロロヒドリンと、水、2価アルコールまたはフェノール類とを反応させて得られる分子末端に1つの水酸基を有するモノグリシジルエーテル類;エピクロロヒドリンとグリセリンやペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールとを反応させて得られる分子末端に1つの水酸基を有するポリグリシジルエーテル類;エピクロロヒドリンとアミノモノアルコールとを反応させて得られる分子末端に1つの水酸基を有するエポキシ化合物;分子中に1つの水酸基を有する脂環式炭化水素モノエポキシド(例えば、エポキシ化テトラヒドロベンジルアルコール)などが例示できる。これらのエポキシ化合物の中でも、グリシドールが耐熱性付与効果の点で最も優れており、またアルコキシシラン部分縮合物(2)との反応性も高いため、最適である。
またアルコキシシラン部分縮合物(B)としては、下記一般式(a)で表される加水分解性アルコキシシランモノマーを酸又はアルカリ水の存在下で加水分解し、部分的に縮合させて得られるものが用いられる。
一般式(a):R1 pSi(OR24-p
(式中、pは0または1を示す。R1は、炭素原子に直結した官能基を持っていてもよい低級アルキル基、アリール基または不飽和脂肪族残基を示す。R2はメチル基またはエチル基を示し、R2同士はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
このような加水分解性アルコキシシランモノマーの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、等のテトラアルコキシシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類、があげられる。なお、これらアルコキシシラン部分縮合物(B)としては、前記例示のものを特に制限なく使用できるが、これら例示物のうちの2種以上を混合使用する場合には、テトラメトキシシランを、アルコキシシラン部分縮合物(B)を構成する全てのアルコキシシランモノマー中70モル%以上用いて合成されたものが好ましい。尚、ポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体中に含まれるシラン骨格の割合が、1.0質量%以上30.0質量%以下とすることにより、非常に安定した接着性が発現される。
アルコキシシラン部分縮合物(B)は、例えば次の一般式(b)または(c)で示される。
Figure 0004887902
(式中、R1は、炭素原子に直結した官能基を持っていてもよい低級アルキル基、アリール基又は不飽和脂肪族残基を示す。R2はメチル基またはエチル基を示し、R2同士はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
Figure 0004887902
(一般式(c)中、R2は一般式(b)中のR2と同じ。)
当該樹脂層の形成方法としては、例えば樹脂層を構成する樹脂成分の粘度などに応じて、ディッピング、スプレー、ロールコートまたは刷毛塗りなどが挙げられるが、本発明はこの形成方法を特に限定するものではない。
(表面層等)
一方、表面層等、本発明に係わる樹脂層より更に表面側に用いられる樹脂としては、シリコーン共重合ポリウレタン樹脂があり、2官能以上の多価イソシアネート及び2官能以上の水酸基をもつシリコーン骨格を分子中に有する化合物から合成することができる。この中で本発明に好ましく用いられるのは、JIS A 硬度が60〜90°、100%モジュラスが5×106〜30×106Paのものである。
(現像ローラの抵抗)
現像ローラの導電性は、体積抵抗率(体積抵抗、体積抵抗値)により評価することが可能である。体積抵抗率を測定する方法としては、公知の方法にて測定することが出来る。
本発明では、以下の方法で測定される現像ローラの体積抵抗率が、1×102〜1×109Ω・cmであるとき、適度な導電性を示すと判断される。特に好ましくは1×103〜1×108Ω・cmである。現像ローラの体積抵抗率が上記範囲であることにより、現像ローラ表面に生じた電荷が適度にリークし、かつ適度にリークが抑制されるからである。
現像ローラの体積抵抗率の測定は、代表的には図5に示すような装置を用いて、金属ローラ電極法により測定できる。
すなわち、ステンレス製の電極ローラ101を現像ローラ1上に接触させ、電極ローラ101の自重と合わせ9.8Nで押圧し、この状態でローラを回転させながら、現像ローラ1の一端に+100Vの電圧を印加して電流値を計測し、下記式(1)から、現像ローラの体積抵抗率を計算で求めた。
R=V/I 式(1)
(測定条件)
測定環境:23℃、57RH%
印加電圧:+100V
ローラ回転数:27rpm
電極ローラ荷重:9.8N(電極ローラ自重含む)
電極ローラ有効幅:230mm(径30mm)
測定項目:電流値(電圧印加 5sec後の平均値)
〔現像ローラの作製〕
本発明の現像ローラは、例えばつぎのようにして作製することができる(図2参照)。
すなわち、まず、上記弾性層(ベースゴム層)3形成材料の各成分をニーダー等の混練機で混練し、弾性層3形成材料を作製する。ついで、円筒状金型の中空部に、金属製の軸体2をセットし、上記円筒状金型10と軸体2との空隙部に、上記弾性層3形成材料を注型した後、金型を蓋い、加熱して、弾性層3形成材料を架橋させる。その後、上記円筒状金型から脱型することにより、軸体2の外周面に弾性層3を形成する。このように、軸体の外周面に弾性層が形成されたものをベースローラと称する。
一方、樹脂層4形成材料を、有機溶剤とともに混合することにより溶解させて、樹脂層4形成用溶液をつくる。そして、これに、必要により無機・有機の微粒子を添加し混合してもよい。この場合、上記微粒子は硬質であることが多く通常溶剤に溶解せず、分散状態となる。
また、必要により、表面層5形成材料を有機溶剤とともに混合し、表面層5形成用溶液を作製する。
そして、上記ベースローラにおける弾性層3の外周面に、上記樹脂層4形成用溶液を塗布する。この塗布法は、特に制限するものではなく、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法等の従来の方法が適用できる。そして、塗布後、乾燥および加熱処理(加硫処理、条件:120〜200℃×20〜90分)を行うことにより、上記樹脂層4形成用溶液中の溶剤の除去を行い、樹脂層を形成する。そして、上記樹脂層4の外周面に、必要により、上記表面層5形成用溶液を塗布する。この塗布法は、上記樹脂層4形成用溶液のときと同様に、従来の方法が適用できる。そして、塗布後、乾燥および加熱処理(加硫処理、条件:120〜200℃×20〜90分)を行うことにより、上記表面層5形成用溶液中の溶剤の除去を行い、表面層5を形成する。このようにして、図1に示すような二層あるいはそれ以上の多層構造の現像ローラを作製することができる。この現像ローラにおいて、弾性層3の厚みは1〜10mmの範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは2〜6mmである。また、樹脂層4の厚みは3〜30μmの範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜20μmである。そして、上記樹脂層4を含む各層の厚みは、現像ローラから、表面層5、樹脂層4および弾性層3を含む断面試料を採取し、これの顕微鏡写真に基づき測定して得ることができる。
なお、本発明の現像ローラの例として、図1において三層構造のものをあげたが、軸体2の外周に形成される層は必ずしも二層又は三層である必要はなく、ローラの用途等に応じ、弾性層3上に適宜の数の層を形成して三層以上としてもよいことは無論である。この場合、樹脂層の最表面に位置するものが表面層と言うことが出来る。
〔現像剤〕
本発明に使用可能なトナーは、粉砕・分級工程を経て製造してもよく、いわゆる重合法で製造してもよい。重合法で製造する場合には樹脂粒子を塩析/融着する製造方法が特に好ましい。
(単量体)
重合性単量体としては、ラジカル重合性単量体を必須の構成成分とし、必要に応じて架橋剤を使用することができる。また、以下の酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体を少なくとも1種類含有させることが好ましい。
(1)ラジカル重合性単量体
ラジカル重合性単量体成分としては、特に限定されるものではなく従来公知のラジカル重合性単量体を用いることができる。また、要求される特性を満たすように、1種または2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
具体的には、芳香族系ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等を用いることができる。
芳香族系ビニル単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体およびその誘導体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げられる。
ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。
モノオレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
ジオレフィン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
ハロゲン化オレフィン系単量体としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等が挙げられる。
(2)架橋剤
架橋剤としては、トナーの特性を改良するためにラジカル重合性架橋剤を添加しても良い。ラジカル重合性架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有するものが挙げられる。
(3)酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体
酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、カルボキシル基含有単量体、スルホン酸基含有単量体、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等のアミン系の化合物を用いることができる。
酸性基を有するラジカル重合性単量体としては、カルボン酸基含有単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル等が挙げられる。
スルホン酸基含有単量体としては、スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オクチル等が挙げられる。
これらは、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩あるいはカルシウムなどのアルカリ土類金属塩の構造であってもよい。
塩基性基を有するラジカル重合性単量体としては、アミン系の化合物があげられ、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、および上記4化合物の4級アンモニウム塩、3−ジメチルアミノフェニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド;ビニルピリジン、ビニルピロリドン;ビニル−N−メチルピリジニウムクロリド、ビニル−N−エチルピリジニウムクロリド、N,N−ジアリルメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジアリルエチルアンモニウムクロリド等を挙げることができる。
本発明に用いられるラジカル重合性単量体としては、酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体を単量体全体の0.1〜15質量%使用することが好ましく、ラジカル重合性架橋剤はその特性にもよるが、全ラジカル重合性単量体に対して0.1〜10質量%の範囲で使用することが好ましい。
(連鎖移動剤)
分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることが可能である。
連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく例えばオクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、四臭化炭素およびスチレンダイマー等が使用される。
(重合開始剤)
本発明に用いられるラジカル重合開始剤は水溶性であれば適宜使用が可能である。例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(4,4′−アゾビス−4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等)、パーオキシド化合物等が挙げられる。
更に上記ラジカル性重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合わせレドックス系開始剤とすることが可能である。レドックス系開始剤を用いることで、重合活性が上昇し重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待できる。
重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であればどの温度を選択しても良いが、例えば50℃から90℃の範囲が用いられる。但し、常温開始の重合開始剤、例えば過酸化水素−還元剤(アスコルビン酸等)の組み合わせを用いることで、室温またはそれよりやや高い温度で重合することも可能である。
(界面活性剤)
前述のラジカル重合性単量体を使用して重合を行うためには、界面活性剤を使用して水系媒体中に油滴分散を行う必要がある。この際に使用することのできる界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、下記のイオン性界面活性剤を好適なものの例として挙げることができる。
イオン性界面活性剤としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等)が挙げられる。
また、ノニオン性界面活性剤も使用することができる。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等をあげることができる。
本発明において、これらは、主に乳化重合時の乳化剤として使用されるが、他の工程または使用目的で使用してもよい。
(着色剤)
着色剤としては無機顔料、有機顔料、染料を挙げることができる。
無機顔料としては、従来公知のものを用いることができる。具体的な無機顔料を以下に例示する。
黒色の顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
これらの無機顔料は所望に応じて単独または複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
有機顔料及び染料としても従来公知のものを用いることができる。具体的な有機顔料及び染料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156、等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、染料としてはC.I.ソルベントレッド1、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ソルベントレッド58、C.I.ソルベントレッド63、C.I.ソルベントレッド111、C.I.ソルベントレッド122、C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベントイエロー44、C.I.ソルベントイエロー77、C.I.ソルベントイエロー79、C.I.ソルベントイエロー81、C.I.ソルベントイエロー82、C.I.ソルベントイエロー93、C.I.ソルベントイエロー98、C.I.ソルベントイエロー103、C.I.ソルベントイエロー104、C.I.ソルベントイエロー112、C.I.ソルベントイエロー162、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー36、C.I.ソルベントブルー60、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ソルベントブルー93、C.I.ソルベントブルー95等を用いることができ、またこれらの混合物も用いることができる。
これらの有機顔料及び染料は所望に応じて単独または複数を選択併用することが可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
(ワックス)
本発明に使用可能なトナー中にはワックスを含有させても良い。ワックス自体の構造や組成としては特に限定はない。ポリプロピレン、ポリエチレンなどの低分子量ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、エステルワックス等を使用することができる。
添加量は、トナー全体に対し1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%、さらに好ましくは3〜15質量%である。
本発明に使用可能なトナーは、単量体中にワックスを溶解させたものを水中に分散して重合させ、樹脂粒子中にエステル系化合物を内包させた粒子を形成させ、着色剤粒子と共に塩析/融着させることでトナーとすることが好ましい。
(製造工程)
本発明に使用可能なトナーは、ワックスを溶解した単量体溶液を水系媒体中に分散し、ついで重合法によりワックスを内包した樹脂粒子を調製する工程、前記樹脂粒子分散液を用いて水系媒体中で樹脂粒子を融着させる工程、得られた粒子を水系媒体中より濾過し界面活性剤などを除去する洗浄工程、得られた粒子を乾燥させる工程、さらに乾燥させて得られた粒子に外添剤などを添加する外添剤添加工程などから構成される重合法で製造することが好ましい。ここで樹脂粒子としては着色された粒子であってもよい。また、非着色粒子を樹脂粒子として使用することもできる、この場合には、樹脂粒子の分散液に着色剤粒子分散液などを添加した後に水系媒体中で融着させる等により着色粒子とする。
特に、融着の方法としては、重合工程によって生成された樹脂粒子を用いて塩析/融着する方法が好ましい。また、非着色の樹脂粒子を使用した場合には、樹脂粒子と着色剤粒子を水系媒体中で塩析/融着させることができる。
また、着色剤やワックスに限らず、トナーの構成要素である荷電制御剤等も本工程で粒子として添加することができる。
なお、ここで水系媒体とは主成分として水からなるもので、水の含有量が50質量%以上であるものを示す。水以外のものとしては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等をあげることができる。
本発明に使用可能なトナーを作製する好ましい重合法としては、単量体中にワックスを溶解した単量体溶液を臨界ミセル濃度以下の界面活性剤を溶解させた水系媒体中に機械的エネルギーによって油滴分散させた分散液に、水溶性重合開始剤を加え、ラジカル重合させる方法をあげることができる。この場合、単量体中に油溶性の重合開始剤を加えて使用してもよい。
この油滴分散を行うための分散機としては特に限定されるものでは無いが、例えばクレアミックス、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等をあげることができる。
前記した如く、着色剤自体は表面改質して使用してもよい。着色剤の表面改質法は、溶媒中に着色剤を分散し、その中に表面改質剤を添加した後昇温し反応を行う。反応終了後、濾過し同一の溶媒で洗浄濾過を繰り返し乾燥させ表面改質剤で処理された顔料を得る。
着色剤粒子は着色剤を水系媒体中に分散して調製される方法がある。この分散は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。
顔料分散時の分散機は特に限定されないが、好ましくはクレアミックス、超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
ここで使用される界面活性剤は、前述の界面活性剤を使用することができる。
塩析/融着を行う工程は、樹脂粒子及び着色剤粒子が存在している水中にアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、ついで樹脂粒子のガラス転移点以上に加熱することで塩析を進行させると同時に融着を行う工程である。
ここで、塩析剤であるアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩は、アルカリ金属として、リチウム、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられ、好ましくはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが挙げられる。また塩を構成するものとしては、塩素塩、臭素塩、沃素塩、炭酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
(その他の添加剤)
トナーは、樹脂、着色剤、ワックス以外にトナー用材料として種々の機能を付与することのできる材料を加えてもよい。具体的には荷電制御剤等が挙げられる。これらの成分は前述の塩析/融着段階で樹脂粒子と着色剤粒子と同時に添加し、トナー中に包含する方法、樹脂粒子自体に添加する方法等種々の方法で添加することができる。
荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、且つ水中に分散することができるものを使用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
(外添剤)
本発明に使用可能なトナーには、流動性、帯電性の改良およびクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤を添加して使用することができる。これら外添剤としては特に限定されるものでは無く、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。なお、通常、これらの外添剤を加える前の粒子を着色粒子、添加後のものをトナー又はトナー粒子ということが多い。しかし、いずれもトナー又はトナー粒子ということもある。
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することができる。具体的には、数平均一次粒子径で5〜500nmのシリカ、チタン、アルミナ微粒子等が好ましく用いることができる。これら無機微粒子としては疎水性のものが好ましい。
具体的には、シリカ微粒子として、例えば日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
チタン微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
アルミナ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。このものとしては、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用することができる。
滑剤には、例えばステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等の高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
これら外添剤の添加量は、トナーに対して0.1〜5質量%が好ましい。
外添剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用することができる。
〔画像形成方法〕
本発明に係わる非磁性一成分画像形成装置は、本発明の現像ローラ、トナー層規制部材及びトナー補給補助部材を備え、且つトナー補給補助部材と現像ローラ及びトナー層規制部材とトナー搬送部材がそれぞれ当接しているのが普通である。その装置を使用して薄層化させた非磁性トナーを静電潜像形成体表面に供給して潜像を現像する方式である。
トナー層規制部材はトナー搬送部材に対してトナーを均一に塗布するとともに摩擦帯電を付与する機能を有するものである。このものは、ウレタンゴム、金属板等の弾性体が用いられ、これをトナー搬送部材に当接してトナーの薄層をトナー搬送部材上に形成する。薄層化された層とは現像領域にてトナーが最大で10層、好ましくは5層以下重なって形成される層である。なお、トナー層規制部材はトナー搬送部材に対して100mN/cmから5N/cmの圧力で当接されていることが好ましい。さらに好ましくは200mN/cmから4N/cmである。この圧力が100mN/cm未満の場合にはトナー搬送が不均一となり、搬送ムラを発生しやすくなり、画像に白スジがでる問題を発生しやすい。また、5N/cmを超えるとトナーの供給量不足や変形、破砕を起こしやすい。トナー搬送部材は10〜50mmの直径を有するものが好ましい。
トナー補給補助部材は現像ローラに対してトナーを安定に供給するためのユニットである。このものとしては、撹拌羽根の付いた水車状のローラあるいはスポンジ状のローラを使用することができる。このものはトナー搬送部材に対して直径が0.2倍から1.5倍の範囲のものが好ましい。この径が小さすぎるとトナーの供給が不十分となり、また大きすぎる場合には供給過多となりいずれもトナー供給が安定化せず、スジ状の画像不良を引き起こしやすい。
又、静電潜像担持体として具体的にはセレンや砒素セレンなどの無機感光体や、アモルファスシリコン感光体、有機感光体をあげることができる。特に好ましいものは、有機感光体であり電荷輸送層と電荷発生層を積層構造としたものが更に好ましい。
以下、本発明の画像形成方法の現像器(現像装置)について具体的に説明する。
図4は本発明の画像形成方法の現像器の概要断面図である。
図4においてトナータンク17に内蔵された非磁性一成分トナー16は、トナー補給補助部材としての撹拌羽根15により、同じくトナー補給補助部材としてのスポンジローラ14上に強制的に搬送供給される。こうしてスポンジローラ上に送り込まれたトナーはこのローラ14の矢印方向の回転によりトナー搬送部材としての現像ローラ1上に搬送され、このローラ1との摩擦によりその表面に静電的、且つ物理的に吸着される。一方、こうして現像ローラ1上に付着したトナーはこの現像ローラ1の矢印方向の回転及びトナー層厚規制部材としてのスチール製弾性ブレード13により均一に薄層化されると共に摩擦帯電する。次に現像ローラ1上のトナー薄層は静電潜像担持体としての電子写真感光体ドラム(感光体)11の表面と接触または近接により潜像が現像される。
なお本発明方法で用いられる現像器の構成は図4に示すものに限定されないことは勿論である。
本発明に使用される好適な定着方法としては、いわゆる接触加熱方式をあげることができる。特に、接触加熱方式として、熱圧定着方式、さらには熱ローラ定着方式および固定配置された加熱体を内包した回動する加圧部材により定着する圧接加熱定着方式をあげることができる。
熱ロール定着方式では、多くの場合表面にテトラフルオロエチレンやポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体類等を被覆した鉄やアルミニウム等で構成される金属シリンダー内部に熱源を有する上ローラとシリコーンゴム等で形成された下ローラとから形成されている。熱源としては、線状のヒーターを有し、上ローラの表面温度を120〜200℃程度に加熱するものが代表例である。定着部に於いては上ローラと下ローラ間に圧力を加え、下ローラを変形させ、いわゆるニップを形成する。ニップ幅としては1〜10mm、好ましくは1.5〜7mmである。定着線速は40mm/sec〜600mm/secが好ましい。ニップが狭い場合には熱を均一にトナーに付与することができなくなり、定着のムラを発生する。一方でニップ幅が広い場合には樹脂の溶融が促進され、定着オフセットが過多となる問題を発生する。
定着クリーニングの機構を付与して使用してもよい。この方式としてはシリコーンオイルを定着の上ローラあるいはフィルムに供給する方式やシリコーンオイルを含浸したパッド、ローラ、ウェッブ等でクリーニングする方法が使用できる。
又、本発明には固定配置された加熱体を内包した回動する加圧部材により定着する方式も用いることが出来る。
この定着方式は、固定配置された加熱体と、該加熱体に対向圧接し、且つフィルムを介して記録材を加熱体に密着させる加圧部材とにより圧接加熱定着する方式である。
この圧接加熱定着器は、加熱体が従来の加熱ローラに比べて熱容量が小さく、記録材の通過方向と直角方向にライン状の加熱部を有するものであり、通常加熱部の最高温度は100〜300℃である。
次に本発明の態様を実施例という形で示し、更に本発明を説明するが、無論、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。
なお、本文中「部」とは、「質量部」を表す。
〔現像ローラ製造例〕
(弾性層形成材料の調製例1)
X−34−424:A/B(シリコーンゴム、信越化学工業社製)100部、X−34−387:A/B(シリコーンゴム、信越化学工業社製)100部とを混合分散し、さらにケッチェンブラック80部を添加し、弾性層形成材料1を調製した。
(ポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体樹脂層形成材料の調製例1)
撹拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、ポリカーボネートジオール(ダイセル化学社製、商品名「プラクセルCD220」、数平均分子量2000)1000gとイソホロンジイソシアネート278gを仕込み、窒素気流下に100℃で6時間反応させ、遊離イソシアネート価3.44%のプレポリマーとなし、これにメチルエチルケトン548gを加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。ついでイソホロンジアミン71.8g、ジ−n−ブチルアミン4.0g、メチルエチルケトン906g及びイソプロピルアルコール603gから成る混合物の存在下に、上記ウレタンプレポリマー溶液1000gを添加し、50℃で3時間反応させた。こうして得られたポリウレタン樹脂溶液(以下、ポリウレタン樹脂(1A)という)は、樹脂固形分濃度が30%、アミン価が1.2KOH(mg/g)であった。
一方、撹拌機、分水器、温度計及び窒素ガス導入管を備えて反応装置に、グリシドール(日本油脂社製、商品名「エピオールOH」)1400g、及びテトラメトキシシラン部分縮合物(Siの平均個数4、多摩化学社製、商品名「メチルシリケート51」)8957.9gを仕込み、窒素気流下撹拌しながら、90℃に昇温した後、触媒としてジブチルスズジラウレート2.0gを加え反応させた。反応中、分水器を使ってメタノールを留去し、その量が約630gに達した時点で冷却した。昇温後冷却までに要した時間は5時間であった。ついで、13kPaで約10分間、系内に残存するメタノール約80gを減圧除去した。このようにして、エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2A)を得た。
更に、同様の反応装置に、前述のポリウレタン樹脂(1A)の500gを50℃に加温した後、前記エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2A)10.95gを加え、窒素気流下、60℃で4時間反応させ、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂を得た。
このようにして得られたアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂100部と、ケッチェンブラック(カーボンブラック)30部とを混合分散させ、弾性層に隣接する層を形成するための樹脂層形成材料1を調製した。
なお、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂中の固形残分中のSi含有量が、シリカ質量換算で3.3%であった。
(ポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体樹脂層形成材料の調製例2)
樹脂層形成材料の調製例1において、「プラクセルCD220」をポリエステルポリオール(クラレ社製、「クラレポリオールP2010」、数平均分子量2000)に変更した以外は樹脂層形成材料の調製例1と同様に反応を行い、ポリウレタン樹脂溶液(以下、ポリウレタン樹脂(1B)という)を得た。ポリウレタン樹脂(1B)は樹脂固形分が30%、アミン価が1.2KOHmg/gであった。
樹脂層形成材料の調製例1と同様の反応装置に、グリシドール250.0gおよびテトラメトキシシラン部分縮合物(多摩化学社製、商品名「メチルシリケート56」、Siの平均個数が10)2675.4gを仕込み、窒素気流下撹拌しながら、90℃に昇温した後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.5gを加え反応させた。反応中、分水器を使ってメタノールを留去し、その量が約125gに達した時点で冷却した。昇温後冷却までに要した時間は6.5時間であった。ついで、13kPaで約10分間、系内に残存するメタノール約5gを減圧除去した。このようにして、エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2B)を得た。
更に、同様の反応装置に、上記のポリウレタン樹脂(1B)を500gを50℃に加温した後、前記エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2B)17.75gを加え、窒素気流下、60℃で4時間反応させ、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂を得た。
このようにして得られたアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂100部と、ケッチェンブラック(カーボンブラック)30部とを混合分散させ、弾性層に隣接する層を形成するための樹脂層形成材料2を調製した。
なお、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂中の固形残分中のSi含有量が、シリカ質量換算で6.0%であった。
(ポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体樹脂層形成材料の調製例3)
樹脂層形成材料の調製例1と同様の反応装置に、「プラクセルCD220」を1000gとイソホロンジイソシアネート278gを仕込み、窒素気流下に100℃で6時間反応させ、遊離イソシアネート価3.44%のプレポリマーとなし、これにメチルエチルケトン548gを加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン77.6g、ジ−n−ブチルアミン2.4g、メチルエチルケトン913g及びイソプロピルアルコール607gからなる混合物の存在下に上記ウレタンプレポリマー溶液1000gを添加し、50℃で3時間反応させた。こうして得られたポリウレタン樹脂溶液(以下、ポリウレタン樹脂(1C)という)は、樹脂固形分濃度が30%、アミン価が2.4KOHmg/gであった。更に、同様の反応装置に、上記のポリウレタン樹脂(1C)を500gを50℃に加温した後、樹脂層形成材料の調製例1で得たエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2A)18.54gを加え、窒素気流下、60℃で4時間反応させ、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂を得た。
このようにして得られたアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂100部と、ケッチェンブラック(カーボンブラック)30部とを混合分散させ、弾性層に隣接する層を形成するための樹脂層形成材料3を調製した。
なお、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂中の固形残分中のSi含有量が、シリカ質量換算で6.4%であった。
(ポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体樹脂層形成材料の調製例4)
樹脂層形成材料の調製例1と同様の反応装置に、「クラレポリオールP2010」を1000gとジメチロールブタン酸40g、イソホロンジイソシアネート342gを仕込み、窒素気流下に100℃で6時間反応させ、遊離イソシアネート価3.28%のプレポリマーとなし、これにメチルエチルケトン593gを加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン59.7g、ジ−n−ブチルアミン9.9g、メチルエチルケトン897g及びイソプロピルアルコール599gからなる混合物の存在下に上記ウレタンプレポリマー溶液1000gを添加し、50℃で3時間反応させた。こうして得られたポリウレタン樹脂溶液(以下、ポリウレタン樹脂(1D)という)は、樹脂固形分濃度が30%、アミン価が3.0KOHmg/gであった。更に、同様の反応装置に、上記のポリウレタン樹脂(1D)を500gを50℃に加温した後、樹脂層形成材料の調製例1で得たエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2A)18.54gを加え、窒素気流下、60℃で4時間反応させ、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂を得た。
このようにして得られたアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂100部と、ケッチェンブラック(カーボンブラック)30部とを混合分散させ、弾性層に隣接する層を形成するための樹脂層形成材料4を調製した。
なお、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂中の固形残分中のSi含有量が、シリカ質量換算で7.8%であった。
(現像ローラの製造例1(実施例1))
つぎに、軸体としてSUS303製芯金(直径10mm)をローラ型内部にセットし、上記軸体とローラ型内周面の間の空隙部に前記に得た弾性層形成材料1を注型し(図2参照)、加熱加硫(180℃×1時間)させた後、脱型して、さらに2次加硫処理(200℃×4時間)することにより軸体の外周に弾性層(厚み5mm)を形成した。
このようにして得られた弾性層付き軸体を上記金型から脱型し、弾性層の外周面に樹脂層形成材料1を15μmの厚さで形成し、100℃にて1時間加熱処理し、ポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体からなる樹脂層を形成させた。このものを現像ローラ1とする。
(現像ローラの製造例2(実施例2))
現像ローラ製造例1において、樹脂層形成材料1の代わりに樹脂層形成材料2を使用し10μmの厚みで形成した他は、同様にして本発明の現像ローラを得た。このものを現像ローラ2とする。
(現像ローラの製造例3(実施例3))
現像ローラ製造例1において、樹脂層形成材料1の代わりに樹脂層形成材料3を使用し12μmの厚みで形成し他は、同様にして本発明の現像ローラを得た。このものを現像ローラ3とする。
(現像ローラの製造例4(実施例4))
現像ローラ製造例1において、樹脂層形成材料1の代わりに樹脂層形成材料4を使用した他は同様にして、本発明の現像ローラを得た。このものを現像ローラ4とする。
(比較例用現像ローラ製造例1(比較例1))
現像ローラ製造例1において、樹脂層形成材料1の代わりにビス1,2−トリエトキシシリルエタンを均一に塗布し、100℃にて1時間処理とした他は同様にして比較用現像ローラを得た、これを比較用現像ローラ1とする。
〔トナー製造例〕
(樹脂粒子の調製例1)
撹拌装置を取り付けたフラスコにて、ワックス(ペンタエリスリトールテトラステアリン酸エステル)72.0gを、スチレン115.1g、n−ブチルアクリレート42.0gおよびメタクリル酸10.9gからなる単量体混合液に添加し、80℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。
一方、撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けたセパラブルフラスコに、アニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:SDS)7.08gをイオン交換水2760gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下に230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。ついで、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、前記界面活性剤溶液(80℃)中に、前記単量体溶液(80℃)を混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)が分散された乳化液を調製した。
この分散液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.84gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて3時間にわたり加熱・撹拌することにより重合反応を行った。得られた反応溶液に、重合開始剤(KPS)7.73gをイオン交換水240gに溶解させた溶液を添加し、15分後、温度を80℃とした後、スチレン383.6g、n−ブチルアクリレート140.0g、メタクリル酸36.4gおよびn−オクチルメルカプタン12gからなる混合液を100分間かけて滴下し、この系を80℃で60分間にわたり加熱・撹拌させた後、この系を40℃まで冷却することにより、ワックスを含有する樹脂粒子の分散液(以下、「ラテックス(1)」ともいう。)を調製した。
(着色剤分散液の調製例1)
一方、n−ドデシル硫酸ナトリウム9.2gをイオン交換水160gに撹拌溶解した。この溶液を撹拌しながら、着色剤としてカーボンブラック「モーガルL」(キャボット社製)20gを徐々に添加し、次いで、機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液(以下、「着色剤分散液(1)」という。)を調製した。着色剤分散液(1)における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、質量平均粒子径で120nmであった。
(着色剤分散液の調製例2)
着色剤分散液の調製例1において、カーボンブラック20gに代えて顔料「C.I.ピグメントイエロー74」20gを用いたこと以外は着色剤分散液の調製例1と同様にして着色剤粒子の分散液(以下、「着色剤分散液(2)」という。)を調製した。得られた着色剤分散液(2)における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、質量平均粒子径で120nmであった。
(着色剤分散液の調製例3)
着色剤分散液の調製例1において、カーボンブラック20gに代えてキナクリドン系マゼンタ顔料「C.I.ピグメントレッド122」20gを用いたこと以外は着色剤分散液の調製例1と同様にして着色剤粒子の分散液(以下、「着色剤分散液(3)」という。)を調製した。得られた着色剤分散液(3)における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、質量平均粒子径で120nmであった。
(着色剤分散液の調製例4)
着色剤分散液の調製例1において、カーボンブラック20gに代えてフタロシアニン系シアン顔料「C.I.ピグメントブルー15:3」20gを用いたこと以外は着色剤分散液の調製例1と同様にして着色剤粒子の分散液(以下、「着色剤分散液(4)」という。)を調製した。得られた着色剤分散液(4)における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、質量平均粒子径で120nmであった。
(着色粒子の調製例K1)
温度センサー、冷却管、撹拌装置(撹拌翼を2枚有し、交差角が20°)、形状モニタリング装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に、ラテックス(1)1250g(固形分換算)と、イオン交換水2000gと、着色剤分散液(1)全量を仕込み、内温を25℃に調製した後、この分散液混合溶液に5mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム・6水和物52.6gをイオン交換水72gに溶解した水溶液を、撹拌下、25℃にて10分間かけて添加した。その後、直ちに昇温を開始し、この系を5分間かけて95℃まで昇温(昇温速度14℃/分)した。
その状態で「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準メディアン径が6.5μmになった時点で、塩化ナトリウム115gをイオン交換水700gに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、液温度90℃にて8時間にわたり加熱撹拌(撹拌回転数120rpm)することにより、融着を継続させて熟成処理を行った後、この系を10℃/分の条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを3.0に調整し、撹拌を停止した。
生成した粒子を濾過し、イオン交換水で繰り返し洗浄して遠心分離装置によって液中分級処理し、その後、フラッシュジェットドライヤーを用いて乾燥して含水率が1.0%の着色粒子(以下、「着色粒子(K1)」ともいう。)を得た。
(着色粒子の調製例Y1)
着色粒子の調製例K1において、着色剤分散液(1)全量に代えて着色剤分散液(2)全量を用いた他は同様にして同様にして着色粒子(Y1)を得た。
(着色粒子の調製例M1)
着色粒子の調製例K1において、着色剤分散液(1)全量に代えて着色剤分散液(3)全量を用いたほかは着色粒子の調製例K1と同様にして着色粒子(M1)を得た。
(着色粒子の調製例C1)
着色粒子の調製例K1において、着色剤分散液(1)全量に代えて着色剤分散液(4)全量を用いた他は着色粒子の調製例K1と同様にして着色粒子(C1)を得た。
(トナーの製造例1)
上記の着色粒子について疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=65)を0.8質量部、疎水性チタニア(数平均一次粒子径=30nm、疎水化度=55)を0.5質量部添加し、ヘンシェルミキサーにて混合し、トナーとした。これらを黒トナー1、イエロートナー1、マゼンタトナー1、シアントナー1とする。
〔性能評価〕
(層間接着力)
得られた現像ローラを、図3(a)に示すように、ローラ中央部の樹脂層4に対し、その外周に沿って、破線Xで示される幅2.5cmの切り込みを入れ、さらに、上記樹脂層4に対して軸体方向に切り込み(破線Y)を入れて、そこから樹脂層4を少し剥がし、図3(b)に示すように、剥がされた樹脂層4の端部をオートグラフAGS(島津製作所社製)で垂直に引き上げて(矢印Z方向)、どの程度の力で引き上げたら樹脂層が、その下の隣接層(弾性層)から引きはがされ始めるか測定し層間接着力を評価した。
具体的には、樹脂層を100mm/minの速度で引き上げていって、負荷容量20Nまで上げる過程で、負荷が増加しなくても樹脂層を引き上げていける負荷値を求めた。
その値を用いて、下記基準に従って評価した。
◎:引きはがされ始める負荷が10.0N以上のもの
○:4.0N以上10.0N未満のもの
×:4.0N未満のもの
(画像評価)
得られた現像ローラをコニカミノルタ社製カラーレーザープリンタMagicolor2300DLに用いて、画素率20%(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色5%のフルカラーモード)でA4サイズにて3千枚プリントの実写評価を行った。常温低湿環境(20℃.10%RH)にて初期と3千枚プリント後における濃度ムラ及びカブリ濃度を評価した。
濃度ムラ
A4ベタ画像(画素率100%)を、初期と3千枚プリント時に印字した。マクベス反射濃度計(RD−918)を使用し、印字されたA4ベタ画像(画素率100%)上をランダムに10ヶ所の反射濃度を測定し、ベタ画像の濃度の最大値と最小値の差により評価した。
カブリ
カブリ濃度については、白地部をマクベス反射濃度計(RD−918)を使用し、紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度にて評価した。
Figure 0004887902
上記表1の結果から、本発明内の実施例のものにおいては、弾性層に隣接する層を形成する樹脂層と弾性層との層間接着力に優れていた。繰り返し使用時の残留電位の上昇が抑制された結果、トナー飛散やトナーこぼれが生じることなく、またトナーの帯電が不均一になることによる濃度ムラやカブリのもなく、良好な画像を3千枚プリント後も得ることが出来た。
これに対して、本発明外の比較例では、弾性層に隣接する層を形成する樹脂層は弾性層との層間接着力に劣り、剥離が見られた。また、トナー飛散やトナーこぼれも生じ、濃度ムラやカブリが発生した。
本発明の現像ローラの一例を示す断面構成図。 本発明の電子写真機器用ローラの製法を示す構成図。 (a)は現像ローラの側面図、(b)は現像ローラの弾性層と樹脂層の層間接着力の測定方法を説明するための模式図。 本発明の画像形成方法を説明するための現像器の概要断面図。 現像ローラの体積抵抗率の測定方法を説明する構成図。
符号の説明
1 現像ローラ
2 導電性シャフト(軸体)
3 弾性層(ベースゴム層)
4 樹脂層
5 表面層
10 円筒状金型
11 電子写真感光体ドラム(感光体)
13 スチール製弾性ブレード
14 スポンジローラ
15 撹拌羽根
16 非磁性一成分トナー
17 トナータンク
21 現像器
101 電極ローラ

Claims (6)

  1. 少なくとも導電性シャフトの周りにシリコーンゴムよりなる弾性層及び弾性層上に少なくとも1層の樹脂層を積層して構成される現像ローラにおいて、該弾性層に隣接する層を形成する樹脂がポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体を主成分としてなることを特徴とする現像ローラ。
  2. 前記ポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体にシラン骨格が1.0質量%以上30.0質量%以下含有していることを特徴とする請求項1記載の現像ローラ。
  3. 前記ポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体がウレア結合を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の現像ローラ。
  4. 少なくともトナーからなる現像剤を現像領域に現像ローラにより搬送し、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像し可視化する工程を含む画像形成方法において、該現像ローラが少なくとも導電性シャフトの周りにシリコーンゴムよりなる弾性層、及び弾性層上に少なくとも1層の樹脂層を積層して構成される現像ローラであり、該弾性層に隣接する層を形成する樹脂がポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体を主成分としてなる、現像ローラであることを特徴とする画像形成方法。
  5. 前記ポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体中にシラン骨格が1.0質量%以上30.0質量%以下含有していることを特徴とする請求項4記載の画像形成方法。
  6. 前記ポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体がウレア結合を含むことを特徴とする請求項4又は5記載の画像形成方法。
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