JP4821289B2 - 画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、現像ローラなどのトナー担持体を介してトナー画像を形成する電子写真方式の画像形成方法に関する。
従来、複写機やプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置において、潜像を担持した感光ドラムに非磁性一成分現像剤(以下、非磁性一成分トナーともいう)を供給し、感光ドラム上に形成された潜像を可視画像化する現像方式がある。
非磁性一成分現像剤を使用する現像方式では、非磁性一成分現像剤であるトナーを担持した現像ローラ(以下、トナー担持体ともいう)を感光ドラム等の潜像を担持した潜像担持体に対向させ、トナーを潜像担持体上の潜像に付着させて現像を行うものである。そして、非磁性一成分現像剤による画像形成では、キャリアが不要であるため、装置の簡素化、小型化が容易であるとともに、フルカラーのトナー画像を容易に作成することができるというメリットを有する。
ところで、近年では樹脂粒子を水系媒体中で凝集させる工程を経てトナーを作製する、いわゆる重合トナーの開発がめざましく、小粒径でその形状や粒度分布の揃ったトナーの作製を可能にしている(たとえば、特許文献1参照)。重合トナーは上記の理由からトナー画像の高画質化に寄与する一方、製造工程が水系媒体中であること、また、酸価を有する樹脂を使用するなどの理由より飽和水分量が多いという特徴がある。トナー中の飽和水分量はトナーの帯電性の立ち上がりに効果があり、ある程度の飽和水分量を有することでトナーの帯電立ち上がりを良好にすることができる。しかしながら、トナーの飽和水分量が過剰になると、トナー自体が水分を吸着し易くなり、高温高湿環境下で電荷のリークが発生し、帯電量が低下し、特に、摩擦帯電用のキャリアを使用しない一成分現像剤では、摩擦帯電により帯電されたトナー電荷がリークして帯電が不十分なトナーを混在させることになる。
一方で、飽和水分量が多いトナーは水分の影響により、含有される結着樹脂のガラス転移温度が低下するために付着力が増大する傾向があり、現像ローラ表面へのトナー付着、いわゆるトナーフィルミングの問題を有していた。
また、現像ローラ表面はトナーへの帯電付与のために極性基が多く存在する。このため、トナーの付着力が高く、現像ローラ表面へのトナーフィルミングが発生するとか、潜像担持体へのトナーの受け渡しが不十分となり、現像性が不足するという課題があった。このような課題に対し、現像ローラ表面の水に対する接触角を特定範囲にし、水分子の現像ローラに与える影響を低減させることで、トナーとの付着力を低減させようとする技術がある(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この方法ではトナーが十分な帯電性を得られないことが懸念され、また、良好なトナー画像を形成することを示唆するものではなかった。さらに、上記特許文献にはトナーの飽和水分量に関する記載や水系媒体中で樹脂粒子を凝集させてトナーを形成する重合トナーに関する記載もなかった。
特開2000−214629号公報 特開平8−44192号公報
本発明は、水系媒体中での粒子形成を経て作製されるトナーを含有する非磁性一成分現像剤を用いても、環境変動に伴って画像濃度にムラを発生させることのない安定したトナー画像形成が可能な画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下に記載のいずれかの構成により、実現されることが確認された。
1.少なくとも樹脂と着色剤とを含有するトナーを、トナー担持体を介して現像領域に搬送してトナー画像を形成する画像形成方法において、
該トナー担持体は、水に対する接触角が90〜120°となる被覆層を表面に有し、
前記トナーは、樹脂粒子を水系媒体中で凝集させる工程を経て形成されるものであり、
30℃、85%RHの環境下に24時間放置した該トナーの水分量が、カールフィッシャー法により、0.5〜3.0質量%となることを特徴とする画像形成方法。
2.少なくとも樹脂と着色剤とを含有するトナーを、トナー担持体を介して現像領域に搬送してトナー画像を形成する画像形成方法において、
該トナー担持体は、水に対する接触角が90〜120°となる、シロキサン変性ウレタン樹脂を含有する被覆層を表面に有し、
30℃、85%RHの環境下に24時間放置した該トナーの水分量が、カールフィッシャー法により、0.5〜3.0質量%となることを特徴とする画像形成方法。
3.前記被覆層は、シロキサン変性ウレタン樹脂を含有するものであることを特徴とする請求項に記載の画像形成方法。
本発明によれば、水系媒体中での粒子形成を経て作製されるトナーを含有する非磁性一成分現像剤を用いて画像形成を行った時に、画像濃度にムラのない安定した画像形成が行えるようになった。
また、本発明によれば、非磁性一成分現像剤として水系媒体中での粒子形成を経て作製されるトナーを用いて、ムラのない美しい仕上がりのフルカラー画像を安定して提供することができるようになった。
本発明者は、樹脂粒子を水系媒体中で凝集させる工程を経て形成される重合トナーが高い飽和水分量を有し、このような水分量の多いトナーでは水分の影響によりガラス転移温度が低下し易いために付着力が高くなる一方で、帯電立ち上がりが良好な傾向を有することに着目した。そして、現像ローラ32表面の接触角を制御し、トナーの付着力を制御することにより、トナーの帯電立ち上がり性能を維持し、かつ、トナーフィルミングの課題を解決する画像形成方法を開発するに至った。
以下、本発明について詳細に説明する。
最初に、本発明に使用される画像形成装置について説明する。図1は、本発明に係る画像形成方法が実施可能なフルカラー画像形成装置の構成断面図である。
図1に示すフルカラー画像形成装置においては、回転駆動される感光体ドラム10の周囲に、この感光体ドラム10の表面を所定の電位に均一に帯電させる帯電ブラシ11や、この感光体ドラム10上に残留したトナーを掻き落すクリーナ12が設けられている。
また、帯電ブラシ11によって帯電された感光体ドラム10をレーザビームによって走査露光するレーザ走査光学系20が設けられており、このレーザ走査光学系20はレーザダイオード,ポリゴンミラー,fθ光学素子を内蔵した周知のものであり、その制御部にはシアン,マゼンタ,イエロー,ブラック毎の印字データがホストコンピュータから転送されるようになっている。そして、このレーザ走査光学系20は、上記の各色毎の印字データに基づいて、順次レーザビームとして出力し、感光体ドラム10上を走査露光し、これにより感光体ドラム10上に各色の静電潜像を順次形成するようになっている。
また、このように静電潜像が形成された感光体ドラム10に各色のトナーを供給してフルカラーの現像を行なうフルカラー現像装置30は、支軸33の周囲にシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各非磁性1成分トナーを収容させた4つの色別の現像器30C、30M、30Y、30Bkが設けられており、支軸33を中心として回転し、各現像器30C、30M、30Y、30Bkが感光体ドラム10と対向する位置に導かれるようになっている。
また、このフルカラー現像装置30における各現像器30C、30M、30Y、30Bkにおいては、回転してトナーを搬送するトナー担持体(現像ローラ)32の外周面にトナー規制部材35が圧接されており、このトナー規制部材35により、現像ローラ32によって搬送されるトナーの量を規制すると共に、搬送されるトナーを帯電させるようになっている。なお、このフルカラー現像装置30においては、現像ローラ32によって搬送されるトナーの規制と帯電とを適切に行なうために、トナー規制部材を2つ設けるようにしてもよい。
そして、上記のようにレーザ走査光学系20によって感光体ドラム10上に各色の静電潜像が形成される毎に、上記のように支軸33を中心にして、このフルカラー現像装置30を回転させ、対応する色彩のトナーが収容された現像器30C、30M、30Y、30Bkを感光体ドラム10と対向する位置に順々に導き、各現像器30C、30M、30Y、30Bkにおける現像ローラ32を感光体ドラム10に接触させて、上記のように各色の静電潜像が順々に形成された感光体ドラム10上に、帯電された各色のトナーを順々に供給して現像を行なうようになっている。
また、このフルカラー現像装置30より感光体ドラム10の回転方向下流側の位置には、中間転写体40として、回転駆動される無端状の中間転写ベルト40が設けられており、この中間転写ベルト40は感光体ドラム10と同期して回転駆動されるようになっている。そして、この中間転写ベルト40は回転可能な1次転写ローラ41により押圧されて感光体ドラム10に接触するようになっており、またこの中間転写ベルト40を支持する支持ローラ42の部分には、2次転写ローラ43が回転可能に設けられ、この2次転写ローラ43によって記録紙等の記録材Sが中間転写ベルト40に押圧されるようになっている。
更に、前記のフルカラー現像装置30とこの中間転写ベルト40との間のスペースには、中間転写ベルト40上に残留したトナーを掻き取るクリーナ50が中間転写ベルト40に対して接離可能に設けられている。
また、普通紙等の記録材Sを中間転写ベルト40に導く給紙手段60は、記録材Sを収容させる給紙トレイ61と、この給紙トレイ61に収容された記録材Sを1枚ずつ給紙する給紙ローラ62と、上記の中間転写ベルト40上に形成された画像と同期して給紙された記録材Sを中間転写ベルト40と上記の2次転写ローラ43との間に送るタイミングローラ63とで構成されており、このようにして中間転写ベルト40と2次転写ローラ43との間に送られた記録材Sを2次転写ローラ43によって中間転写ベルト40に押圧させて、中間転写ベルト40からトナー像を記録材Sが押圧転写させるようになっている。
一方、上記のようにトナー像が押圧転写された記録材Sは、エアーサクションベルト等で構成された搬送手段66により定着装置70に導かれるようになっており、この定着装置70において転写されたトナー像が記録材S上に定着され、その後、この記録材Sが垂直搬送路80を通して装置本体1の上面に排出されるようになっている。
次に、このフルカラー画像形成装置を用いてフルカラーの画像形成を行なう動作について具体的に説明する。
まず、感光体ドラム10と中間転写ベルト40とを同じ周速度でそれぞれの方向に回転駆動させ、感光体ドラム10を帯電ブラシ11によって所定の電位に帯電させる。
そして、このように帯電された感光体ドラム10に対して、上記のレーザ走査光学系20によりシアン画像の露光を行ない、感光体ドラム10上にシアン画像の静電潜像を形成した後、この感光体ドラム10にシアントナーを収容させた現像器30Cから前記のようにトナー規制部材によって荷電されたシアントナーを供給してシアン画像を現像し、このようにシアンのトナー像が形成された感光体ドラム10に対して中間転写ベルト40を1次転写ローラ41によって押圧させ、感光体ドラム10に形成されたシアンのトナー像を中間転写ベルト40に1次転写させる。
このようにしてシアンのトナー像を中間転写ベルト40に転写させた後は、前記のようにフルカラー現像装置30を、支軸33を中心にして回転させ、マゼンタトナーが収容された現像器30Mを感光体ドラム10と対向する位置に導き、上記のシアン画像の場合と同様に、レーザ走査光学系20により帯電された感光体ドラム10に対してマゼンタ画像を露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をマゼンタトナーが収容された現像器30Mによって現像し、現像されたマゼンタのトナー像を感光体ドラム10から中間転写ベルト40に1次転写させ、更に同様にして、イエロー画像及びブラック画像の露光,現像及び1次転写を順々に行なって、中間転写ベルト40上にシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックのトナー画像を順々に重ねてフルカラーのトナー像を形成する。
そして、中間転写ベルト40上に最終のブラックのトナー像が1次転写されると、記録材Sをタイミングローラ63により2次転写ローラ43と中間転写ベルト40との間に送り、2次転写ローラ43により記録材Sを中間転写ベルト40に押圧させて、中間転写ベルト40上に形成されたフルカラーのトナー像を記録材S上に2次転写させる。
そして、このようにフルカラーのトナー像が記録材S上に2次転写されると、この記録材Sを上記の搬送手段66により定着装置70に導き、この定着装置70によって転写されたフルカラーのトナー像を記録材S上に定着させ、その後、この記録材Sは垂直搬送路80を通して装置本体1の上面に排出される。
次に、前述した現像器30についてさらに説明する。
図2は図1に示すフルカラー画像形成装置の現像装置30の1つの現像器30Cを示す概略図であり、他の現像器30M、30Y、30Bkも同一な構成であるため説明は省略する。
図2において、10はドラム状の感光体、30Cは現像器、32はトナー担持体に該当する現像ローラ、34は供給ローラ、35はトナー規制部材、36はアジテータ、37はバイアス電源、38はホッパー、39は本体ケースを示す。現像器30Cは、本体ケース39内に現像ローラ32、供給ローラ34、トナー規制部材35、アジテータ36等の部材を所定位置に配設して構成したものであり、この現像器30Cを電子写真記録装置内の所定位置に設置したとき、現像ローラ32は感光体10に所定の間隙で対向するか、または当接する。
現像器30C内の新規トナーTはアジテータ36によって撹拌され、供給ローラ34によって現像ローラ32に運ばれる。現像ローラ32は導電性の基体で構成され、その表面は樹脂コーティングされている。そのため、現像ローラ32の表面にはトナーTが吸着し、トナー層Tsが形成される。このトナー層Tsはトナー規制部材35によって薄層化されるとともに摩擦帯電される。そして、摩擦帯電した現像ローラ32表面のトナーTが感光体10表面の静電潜像に電気的に転移付着することにより、静電潜像が現像される。
トナー規制部材35と現像ローラ32との当接圧力は、スリーブ母線方向の線圧として、3〜250N/m、好ましくは5〜12N/mが有効である。当接圧力を3〜250N/mとすることにより、トナーの帯電量分布がシャープとなりカブリや飛散の発生を回避することができる。また、画像形成時にトナーに負荷を与えないので、トナーの劣化や凝集の発生を回避し、現像ローラ32の駆動に大きなトルクは必要ない。この様に、当接圧力を3〜250N/mに調整することで、本発明のトナーの凝集を効果的にほぐすことが可能になり、またトナーの帯電量を瞬時に立ち上げることが可能になる。
トナー規制部材35は、弾性ブレード、弾性ローラー等で、所望の極性にトナーを帯電するのに適した摩擦帯電系列の材質のものを用いることが好ましい。
本発明においては、SUS、りん青銅等の金属板、シリコーンゴム、ウレタンゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどが好適である。さらに、ポリアミド、ポリイミド、ナイロン、メラミン、メラミン架橋ナイロン、フェノール樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂等の有機樹脂層を設けても良い。また導電性ゴム、導電性樹脂等を使用、または、金属酸化物、カーボンブラック、無機ウイスカー、無機繊維等のフィラーや荷電制御剤をブレードのゴム中、樹脂中に分散するなども適度の誘電性、帯電付与性を与え、トナーを適度に帯電させることができて好ましい。
トナー担持体である現像ローラ32についてさらに説明する。
図3は、本発明における現像ローラの一例を示す断面図である。この現像ローラは図3に示されるように、芯金である軸体321と、この軸体321の外周面に沿って形成されたベースゴム層322と、このベースゴム層322の外周に形成された中間層323と、この中間層323の外周に形成された表面層324とを備えている。
上記軸体321としては、特に限定されるものではなく、例えば、金属製の中空体や中実体が用いられる。そして、その材質としては、ステンレス、アルミニウム等があげられる。上記軸体321の外周面には、ベースゴム層の接着性を高めるため、必要に応じて、接着剤、プライマー等を塗布してもよく、また上記接着剤、プライマー等は必要に応じて導電化してもよい。
上記軸体321の外周面に形成されるベースゴム層322は、例えばエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ポリウレタン系エラストマー等によって形成される。なかでも、上記ベースゴム層4の形成材料としては、低硬度での弾性変形に対する疲労強度が高いという点から、導電性シリコーンゴムを用いることが好ましい。この材料には、導電剤やシリコーンオイル等の各種の添加剤が適宜に配合される。導電剤としては、カーボンブラック、グラファイト、チタン酸カリウム、酸化鉄、等があげられる。また、シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル等の各種のものがあげられる。
そして、上記ベースゴム層322の外周面には中間層323が形成される。中間層形成用材料としては、例えば、EPDM、SBR、ニトリルゴム、アクリル−ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル、N−メトキシメチル化ナイロン等が用いられる。なお、上記成分以外に、必要により、カーボンブラック、金属酸化物、四級アンモニウム塩、ほう酸塩等の導電剤等を適宜に添加してもよい。
そして、上記層形成用材料は、有機溶剤に溶解等され、コーティング液として使用に供される。上記有機溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)、メタノール、トルエン、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。特に、メチルエチルケトンを用いることが、上記層形成用材料に対する溶解性の点で好ましい。
前記中間層323の外周に形成される表面層324は、その形成用材料が特に限定されるものではなく、例えば、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ブチラール樹脂(PVB)等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、耐摩耗性の点で、ウレタン樹脂が好適に用いられる。なお、上記成分以外に、必要により、導電剤、帯電制御剤等を適宜に添加してもよい。
また、上記表面層40の形成用材料も、上記中間層30の形成用材料と同様に、有機溶剤に溶解等され、コーティング液として使用に供される。上記有機溶剤としては、テトラヒドロフラン(THF)やMEK等が用いられる。
本発明に係る現像ローラは、例えば、以下のようにして作製することができる。
[ベースロールの作製]
ベースゴム層を形成する材料(コンパウンド)は、ベースゴム層を形成する各成分をニーダー、ミキサー等の装置を用いて混練、撹拌することにより調製する。ついで、ベース層を形成する円筒状金型と軸体を準備する。そして、上記円筒状金型の内周面にワックス系等の離型剤を塗布し、上記軸体の外周面に必要に応じて接着剤やプライマー等を塗布する。続いて、下蓋を外嵌した上記円筒状金型の中心軸に上記軸体を設置し、その軸体と円筒状金型との間の空隙にベース層の形成材料(コンパウンド)を充填した後、上記円筒状金型に上蓋を外嵌する。続いて、その下蓋及び上蓋を外嵌した円筒状金型全体をオーブンに入れ、加熱してベース層の形成材料(コンパウンド)を加硫し、軸体の外周部にベースゴム層を形成する。そして、その後に脱型する。脱型後に2次加硫を行ってもよい。このように、軸体の外周面にベースゴム層322が形成されたものをベースロールと称する。
[中間層及び表面層形成用溶液の作製]
中間層及び表面層の形成材料(コーティング液)は、主成分となる材料を形成する各成分を適当な分散機(ボールミル、サンドミル、ホモミキサー等)を用いて分散し、さらに有機溶媒等を加えて撹拌して調製する。
上記有機溶媒としては、たとえば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、トルエン、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等が挙げられる。これらは単独もしくは2種以上合わせて用いられる。
[現像ローラの作製]
前記ベースロールにおける、ベースゴム層322の上に、中間層、表面層の形成材料(コーティング液)を塗布した後、乾燥や加熱処理等を行い、ベースゴム層上に塗膜を形成する。
上記塗布方法としては、ディップ塗布、ロール塗布、スプレー塗布等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、ベースゴム層上の塗膜は、単層でも2層以上の複数層でもよく特に限定されない。このようにして、上記現像ローラを作製することができる。
また、ベースゴム層の厚みは、特に限定されるものではなく、0.1〜10mmの範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは0.2〜3mmである。また、中間層、表面層の厚みは、特に限定されるものではなく、1〜30μmの範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜20μmである。ベースゴム層、中間層、表面層の各厚みは、トナー担持体から断面試料を採取し、この顕微鏡写真を測定して得ることができる。
また、上記実施の形態では、軸体の外周にベースゴム層、中間層、表面層を順次形成しているが、ベースゴム層の内周面や各層間、表面層の外周面に隣接する層と同様の機能または異なる機能をもつ層を介在させてもよい。たとえば、中間層323として前記中間層形成用溶液を浸漬塗布し、乾燥し、さらに中間層323の外周面に表面層324として前記表面層形成用溶液を浸漬塗布して乾燥し、図3に示すような三層構造の現像ローラを作製する。
また、現像ローラ32にシロキサン変性ウレタン樹脂を含有する層を形成することも可能である。以下、現像ローラ32の被覆層に含有させることが可能なシロキサン変性ウレタン樹脂について説明する。
シロキサン変性ウレタン樹脂は、たとえばポリオールとイソシアネートと鎖伸長剤から得られ、かつエポキシ基と反応性を持つ官能基を有するポリウレタン樹脂(1)と、1分子中に1つの水酸基を持つエポキシ化合物(A)(以下、単にエポキシ化合物(A)と略す。)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得られるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)とを反応させてなるアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂を用いることができるがこれに限定されるものではない。
当該ポリオールとしては、特に限定されず、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオールなど各種公知のものが挙げられる。当該ポリオールは分子末端に水酸基を持つことが望ましい。当該ポリオールは硬化物の力学物性を考慮すると、好ましくは1000〜6000の範囲内とするのがよい。また、最終的に得られるポリウレタン−シリカハイブリッド体の高温耐久性などの諸耐性の点から、上記高分子ポリオールのうちでもポリエステルポリオールおよび/またはポリカーボネートポリオールが特に好適である。
当該ポリエステルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、ジプロピレングリコール等の飽和もしくは不飽和の各種公知の低分子グリコール類またはn−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、バーサティック酸グリシジルエステル等のモノカルボン酸グリシジルエステル類と、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の二塩基酸またはこれらに対応する酸無水物やダイマー酸、ひまし油およびその脂肪酸などとを脱水縮合せしめて得られるポリエステルポリオール類、あるいは環状エステル化合物を開環重合して得られるポリエステルポリオール類などがあげられる。なお、低分子グリコールと二塩基酸とから得られる高分子ポリオールの場合には、該グリコール類のうち5モル%までは以下の各種ポリオールに置換することができる。たとえばグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエリスリトール等があげられる。
また、ポリカーボネートポリオールとしては、一般に多価アルコールとジメチルカーボネートの脱メタノール縮合反応、多価アルコールとジフェニルカーボネートの脱ウレタン縮合反応または多価アルコールとエチレンカーボネートの脱エチレングリコール縮合反応など公知の反応で得られる。これら反応で使用される多価アルコールとしては1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、ジプロピレングリコール等の飽和もしくは不飽和の各種公知の低分子グリコール類、1,4−シクロヘキサンジグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコールなどが挙げられる。
またポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフランなどを開環重合して得られるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールなどが掲げられる。
また、ポリオレフィンポリオ−ルとしては、末端に水酸基を持つポリブタジエンポリオールやポリイソプレンポリオール、あるいはそれらを水添したものなどが挙げられる。
ポリウレタン樹脂(1)の構成成分であるジイソシアネート化合物としては芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知のジイソシアネート類を使用することができる。
たとえば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4′−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等がその代表例として挙げられる。
また、ポリウレタン樹脂(1)に使用する鎖伸長剤としては、たとえば前記ポリエステルポリオールの項で述べた低分子グリコール類やジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸など分子内にカルボキシル基を持つグリコール類、またエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジアミン、ダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン等のポリアミン類、L−リジン、L−アルギニンなど分子内にカルボキシル基を持つポリアミン類、が挙げられる。
また、ポリウレタン樹脂には、分子量を調節するために重合停止剤を使用することもできる。重合停止剤としては、たとえば、ジ−n−ブチルアミン、n−ブチルアミン等のアルキルモノアミン類や、D−アラニン、D−グルタミン酸など分子内にカルボキシル基を持つモノアミン類、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、グリコール酸など分子内にカルボキシル基を持つアルコール類があげられる。
ポリウレタン樹脂(1)を製造する方法としては、
(a)高分子ポリオールとジイソシアネート化合物ならびに、鎖伸長剤と重合停止剤の少なくとも一方を、適当な溶媒中で一度に反応させる一段法、
(b)高分子ポリオールとジイソシアネート化合物とをイソシアネート基過剰の条件で反応させ、高分子ポリオールの末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを調製し、次いでこれを適当な溶媒中で鎖伸長剤および必要に応じて、重合停止剤と反応させる二段法、等が挙げられる。このうち、均一なポリマー溶液を得るには二段法が好ましい。これらの製造法において、使用される溶剤としては通常、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンなどの溶剤を単独または混合して使用できる。
ポリウレタン樹脂(1)におけるエポキシ基と反応性を有する官能基は、ポリウレタン樹脂(1)の末端、主鎖のいずれに存在していてもよい。かかるエポキシ基反応性官能基としては、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基などの酸性基、アミノ基、水酸基、メルカプト基などがあげられるが、通常はエポキシ基との反応性や、官能基付与容易性の点から酸性基、アミノ基が好ましい。ポリウレタン樹脂(1)に酸性基を付与する方法に限定はないが、例えば前記の鎖伸長剤や重合停止剤のうちで、カルボキシル基を持つものを用いれば容易にカルボキシル基を付与できる。
また、ポリウレタン樹脂(1)にアミノ基を付与する方法に限定はないが、例えばプレポリマーの末端イソシアネート基に対し、アミノ基が過剰になるようポリアミン類を反応させればよい。ポリウレタン樹脂(1)におけるエポキシ基反応性官能基の量は特に制限されないが、通常は0.1〜20KOHmg/gであることが好ましい。0.1KOHmg/g未満になると得られるポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体の柔軟性や耐熱性が低下し、また20KOHmg/gを超えるとポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体の耐水性が低下する傾向がある。
次に、エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)は、前記のように、エポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得られるものである。
かかるエポキシ化合物(A)としては、1分子中に水酸基を1つもつエポキシ化合物であれば、エポキシ基の数は特に限定されない。また、エポキシ化合物(A)としては、分子量が小さいもの程、アルコキシシラン部分縮合物(B)に対する相溶性がよく、耐熱性や密着性付与効果が高いことから、炭素数が15以下のものが好適である。その具体例としては、エピクロロヒドリンと、水、2価アルコールまたはフェノール類とを反応させて得られる分子末端に1つの水酸基を有するモノグリシジルエーテル類;エピクロロヒドリンとグリセリンやペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールとを反応させて得られる分子末端に1つの水酸基を有するポリグリシジルエーテル類;エピクロロヒドリンとアミノモノアルコールとを反応させて得られる分子末端に1つの水酸基を有するエポキシ化合物;分子中に1つの水酸基を有する脂環式炭化水素モノエポキシド(例えば、エポキシ化テトラヒドロベンジルアルコール)などが例示できる。これらのエポキシ化合物の中でも、グリシドールが耐熱性付与効果の点で最も優れており、またアルコキシシラン部分縮合物(2)との反応性も高いため、最適である。
また、アルコキシシラン部分縮合物(B)としては、下記一般式(a)で表される加水分解性アルコキシシランモノマーを酸またはアルカリ水の存在下で加水分解し、部分的に縮合させて得られるものが用いられる。
一般式(a):R1 pSi(OR24-p
(式中、pは0または1を示す。R1は、炭素原子に直結した官能基を持っていてもよい低級アルキル基、アリール基または不飽和脂肪族残基を示す。R2はメチル基またはエチル基を示し、R2同士はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
このような加水分解性アルコキシシランモノマーの具体的としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、等のテトラアルコキシシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類、が挙げられる。なお、これらアルコキシシラン部分縮合物(B)としては、前記例示のものを特に制限なく使用できるが、これら例示物のうちの2種以上を混合使用する場合には、テトラメトキシシランを、アルコキシシラン部分縮合物(B)を構成する全てのアルコキシシランモノマー中70モル%以上用いて合成されたものが好ましい。
アルコキシシラン部分縮合物(B)は、例えば次の一般式(b)または(c)で示される。
Figure 0004821289
(式中、R1は、炭素原子に直結した官能基を持っていてもよい低級アルキル基、アリール基または不飽和脂肪族残基を示す。R2はメチル基またはエチル基を示し、R2同士はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
Figure 0004821289
(一般式(c)中、R2は一般式(b)中のR2と同じ。)
なお、一般式(b)または(c)で示される構造部分が代表的なシラン骨格ということができる。
当該樹脂層の形成方法としては、例えば樹脂層を構成する樹脂成分の粘度などに応じて、ディッピング、スプレー、ロールコートまたは刷毛塗りなどが挙げられる。
次に、現像ローラ32表面における接触角の測定方法について説明する。本発明では、現像装置に設けられる現像ローラ(トナー担持体)32が、水に対する接触角が90〜120°となる被覆層を表面に有するものが好ましく、特に好ましくは100〜110°である。
現像ローラ32の水に対する接触角は、液滴法が代表的な測定方法である。また、液滴法の他にも転落法(固定した試料を傾斜させて液滴が滑り始める時の前進角、後退角、転落角を算出する方法)、傾斜法(試液中に測定体を立てて徐々に傾斜させて、測定体と液面の間に形成されるメニスカスがなくなったときの角度を接触角とする方法)等により接触角を算出することが可能である。
以下に、現像ローラ32の水に対する接触角測定が可能な現像ローラ表面接触角測定方法の具体的な条件例を示す。
<現像ローラ表面接触角測定方法>
装置名 :全自動接触角計 CA−Wロール特型 〔協和界面科学株式会社製〕
測定方法:液滴法(自動画像解析によるθ/2法)
測定範囲:0〜180°
読取精度:0.1°
測定精度:±1°
測定温度:常温(23℃)
着液量 :2.0±0.1ml
設定:2(条件設定時、キーイン)
制御 :標準(着液作成:自動、着液動作:自動、試料台移動:自動)
画像処理
・アルゴリズム:自動
・イメージモード:フレーム
・スレッシホールドレベル:自動
試料台移動間隔:30mm
繰り返し回数:7回(上記試料台移動間隔30mmの繰り返し)
30mmピッチ7点の平均値を求める。
次に、本発明に係る画像形成方法に使用されるトナーについて説明する。本発明に使用されるトナーは、少なくとも樹脂と着色剤とを含有するもので、水系媒体中で樹脂粒子を凝集させる工程を経て形成されるいわゆる重合トナーを使用することが可能である。
図4は、本発明に使用するトナーの代表的な構造を示す模式図である。本発明に使用されるトナーは、樹脂と着色剤とを含有するものであり、樹脂と着色剤とを含有するトナーの代表的な構造である。図4に示すトナー粒子は、樹脂の連続相(海)に着色剤の孤立した相(島)が存在するいわゆる海島構造を有するものである。
トナー粒子の構造は、透過型電子顕微鏡で撮影された断面写真により確認される。すなわち、透過型電子顕微鏡により、樹脂の連続相中(結着樹脂の相)に輝度の異なる粒状の島(着色剤の相)が存在することを確認することが可能である。
トナーの構造を観察する透過型電子顕微鏡装置としては、例えば「LEM−2000型(トプコン社製)」等が挙げられる。
透過型電子顕微鏡によるトナー粒子の撮影は、たとえば、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナーを十分分散させた後、包埋し硬化させて、粒径100nm程度のスチレン微粉末に分散させた後加圧成形する。この時、必要により得られたブロックを四三酸化ルテニウムや四三酸化オスミウムを併用して染色処理を施すことも可能である。加圧成形後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用いて薄片状のサンプルを切り出し透過型電子顕微鏡(TEM)に装填してトナーの断層形態を写真撮影する。
また、本発明に使用されるトナーは、30℃、85%RHの高温高湿環境に24時間放置した後、その水分量をカールフィッシャー法により測定すると、0.5〜3.0質量%となるものが好ましく、特に好ましくは1.0〜2.0質量%である。
ここで、カールフィッシャー法とは、ヨウ素、二酸化硫黄、塩基、及びアルコール等の溶剤より構成されるカールフィッシャー試薬と呼ばれる試薬を用いて水分量を測定する方法であり、下記に示す水との選択的な反応により水分量を定量することができる。
2+SO2+3BASE+ROH+H2O→2Base・HI+Base・HSO4
カールフィッシャー法による水分量の滴定方法には、電量滴定法と容量滴定法の2つの方法がある。
電量滴定法は、ヨウ化物イオン、二酸化炭素、塩基及びアルコール等の溶剤を主成分とする電解液に試料を加えて電解酸化を行ってヨウ素を発生させ、この時に要した電気量から水分量を算出するものである。すなわち、電解酸化においては2I-−2e→I2で表されるヨウ素生成反応が起こる。生成したヨウ素は、ファラデーの法則に基づき、電気量に比例して生成されることになるので、電解酸化に要した電気量からただちに水分量を求めることができる(水1mg=10.71クーロンより)。電量滴定法では、電解セルの陽極側に入れる陽極液(以下、発生液ともいう)と、陰極側に入れる陰極液(以下、対極液ともいう)の2種類の電解液を用いる。
一方、容量滴定法は、滴定フラスコに試料に適した脱水溶剤を入れておき、滴定剤で無水状態にしてから試料を加える。そして、予め力価(mgH2O/ml)を標定しておいた滴定剤を用いて滴定を行い、その滴定量(ml)から試料中の水分量を求める。なお、終点検出には定電流分極電位差法を採用する。
電量滴定法は、通常、10μgH2O〜99mgH2O(数ppm〜数質量%)レベルの水分量測定に適し、一方、容量滴定法は、通常、0.1mgH2O〜500mgH2O(数10ppm〜100質量%)レベルの水分量測定に適する。したがって、本発明に使用されるトナーの水分量測定は、電量滴定法が好ましい。
電量滴定法を用いたカールフィッシャー法の具体的な水分量測定装置としては、例えば、自動加熱気化水分測定システム「AQS−724」(平沼産業株式会社製)が挙げられる。ここで、トナーの水分量測定の一例として、上記自動加熱気化水分測定システム「AQS−724」を用いたトナーの水分量測定を説明する。
自動加熱気化水分測定システム「AQS−724」は、図5に示すような構成よりなり、本発明に使用されるトナーの水分量は、例えば、以下のような条件で測定される。
測定条件
キャリアガス:窒素ガス
入力圧:9.8×104Pa(1.0kgf/cm2
流量 :150ml/分
乾燥剤:シリカゲルカラム1本とゼオライトカラム1本
電解液
発生液(陽極液):ハイドラナールアクアライトRS
対極液(陰極液):アクアライトCN
設定加熱温度:110℃
試料容器:装置付属のものを使用(容量20ml、パッキン及びネジ蓋付き)。
また、測定手順は以下のとおりである。
(1)試料の秤量:化学天秤を用いて試料容器に測定するトナーを0.5g採取秤量しておく。なお、化学天秤は小数点以下5桁まで秤量可能なものが好ましい。
(2)測定システム内の配管中の水分を除去するため、試料の入っていない空の試料容器1個を測定装置のターンテーブルにセットする。
(3)次いで、測定試料容器内の水分を空試験値として差し引くため、空試験用の使用容器2個を測定装置のターンテーブルにセットする。
(4)次いで、前述の秤量した試料容器5個を装置のターンテーブルにセットする。
(5)前述の水分除去用試料容器の数と空試験測定回数を合計し設定する。
(6)採取した各試料の質量を各々入力する。
(7)装置のスタートスイッチをONにする。
以下、(8)〜(13)は装置で自動的に行われる。
(8)キャリアガスのバックグラウンドを測定し、安定後、バックグラウンドがホールドされ、ターンテーブルが1ステップ回転する。
(9)加熱炉の温度上昇により、試料の加熱が開始される。
(10)ニードルを下降させて試料容器のパッキンを貫通させ、加熱により気化した水分をキャリアガスによって移送させる。
(11)ニードル降下と同時にキャリアガスの流路が試料測定ラインに切り替わり、測定が開始される。
(12)測定結果をプリンタに出力する。
(13)ターンテーブルにセットされた各試料容器の測定が行われ、ストップピンまで進んだところで終了する。
なお、トナー中の水分量は、以下の式より算出されるものである。
水分量(H2O%)=(H2O〔μg〕−Blank〔μg〕)/トナー質量(g)
また、本発明に使用されるトナーの水分量は、例えば、特開2004−184810号公報や特開2004−251965号公報に開示されたトナー粒子の乾燥方法を制御することにより制御することが可能である。以下、特開2004−184810号公報にも開示される気流乾燥機によるトナーの乾燥処理について説明する。
水系媒体中で粒子形成の工程を経て得られたトナー粒子は、後述する濾過・洗浄工程で含水状態のケーキ状塊状物の形態となり、この含水ケーキを気流乾燥機に供して乾燥処理が行われる。気流乾燥機による乾燥処理に供される含水ケーキの水分量は、通常30〜60質量%が好ましい。また、気流乾燥機に供給される空気の量(風量)は、配管の径が5cmの場合、室温換算で1〜6m3/分程度が好ましい。また、ドライヤー本体内部に循環させる空気の循環速度は、10〜40m/sec程度が好ましい。
さらに、単位風量あたりの乾燥処理量は、完全乾燥後のトナー粒子の質量換算で5〜200g/m3程度であり、単位時間あたりの乾燥処理量は、例えば、5cm径の配管の場合、完全乾燥後におけるトナー質量換算で5〜500g/min程度であることが好ましい。
また、気流乾燥機に供給される圧縮空気の温度(入口温度)は、100〜150℃が好ましく、気流乾燥機から排出される圧縮空気の温度(出口温度)は、トナー粒子を構成する樹脂のガラス転移温度をTgとしたときに、Tg−10〜Tg+5℃であることが好ましい。
気流乾燥機による乾燥処理においては、当該気流乾燥機から排出されるトナー粒子の水分量を測定し、当該水分量が所定の値以下に維持されるように、当該気流乾燥機への含水ケーキの供給量を制御することが好ましい。なお、乾燥処理中におけるトナー粒子の水分量も前述のカールフィッシャー法により測定することが可能である。
さらに、気流乾燥機による乾燥処理においては、当該気流乾燥機における出口温度を常時測定し、この出口温度が一定の範囲に維持されるように、当該気流乾燥機への含水ケーキ状着色剤の供給量を制御することが好ましい。
気流乾燥により乾燥処理が行われた着色粒子の水分量は5質量%以下(30℃、85%RH)となることが好ましく、3質量%以下(30℃、85%RH)がより好ましい。水分量が5質量%(30℃、85%RH)を超える着色粒子は当該着色粒子中に多量の水分が取り込まれてしまっているため、後乾燥処理を行っても水分量を0.5〜3.0質量%(30℃、85%RH)に減少させることが困難である。
気流乾燥機を用いた上記乾燥処理(1次乾燥)のみで、水分量を0.5〜3.0質量%(30℃、85%RH)のトナー粒子を調製してもよいが、気流乾燥機による乾燥処理(1次乾燥)で、一度水分量を5質量%以下(30℃、85%RH)にした後、さらに後乾燥処理(2次乾燥)を行って、水分量を0.5〜3.0質量%(高温高湿環境下に保管した試料を測定)のトナー粒子を調製する方法が、安定してトナー粒子を製造するのに適している。
2次乾燥で好ましく使用される振動流動乾燥機は、大気圧、減圧或いは真空の環境下で、1次乾燥した着色粒子を後乾燥処理する乾燥機である。かかる振動流動乾燥機の具体例としては、「振動流動乾燥機」(中央加工機株式会社製)を挙げることができる。2次乾燥の処理温度としては、着色粒子を構成する樹脂のガラス転移温度を(Tg)とするとき、Tg−10〜Tg+5℃であることが好ましい。
次に、本発明に使用されるトナーの物性について説明する。
本発明に使用されるトナーを構成する樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定することが可能である。
GPCによる樹脂の分子量測定溶媒には、テトラハイドロフランを用いた。
具体的な測定は以下のとおりである。測定用樹脂1mgに対してテトラハイドロフラン溶媒を1ml加え、室温にてマグネチックスターラー等を用いて撹拌を行い、樹脂を充分に溶解し、ポアサイズ0.45〜0.50μmのメンブランフィルターで濾過してGPC測定用試料を作製する。ついで、GPCの測定カラムを40℃に加熱安定させた後、テトラハイドロフランを毎分1mlの速さで流し、1mg/mlの濃度の測定試料を100μL注入して測定する。
測定カラムは、市販のポリスチレンジェルカラムを組合せて使用することが好ましい。例えば、昭和電工社製のShodex GPC KF−801、802、803、804、806、807の組合せや、東ソー社製のTSKgelG1000H、G2000H、G3000H、G4000H,G5000H、G6000H、G7000H、TSK guard columnの組合せ等を挙げることが出来る。また、検出器としては、屈折率検出器(IR検出器)、あるいはUV検出器を用いると良い。
本発明の樹脂の分子量はスチレン樹脂換算分子量で表す。スチレン樹脂換算分子量はスチレン検量線から求める。スチレン検量線は単分散ポリスチレン標準樹脂を10点程度測定し作成するとよい。
本発明に用いられるトナーの体積基準におけるメディアン粒径(D50)は、3,0〜7.0μm、好ましくは4.0〜5.0μmである。この範囲とすることで、高品質のトナー画像を得ることができる。
体積基準におけるメディアン粒径(D50)は、「コールターマルチサイザーIII」(ベックマン・コールター製)に、データ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20g(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター製)の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを2500個に設定して測定する。コールターマルチサイザーのアパチャー径は50μmのものを使用した。
次に、本発明に使用されるトナーの製造方法について説明する。
本発明に使用されるトナーは、樹脂粒子を水系媒体中で凝集させる工程を経て形成することが可能である。具体的には、以下に記載の樹脂粒子形成工程、塩析/融着工程、濾過・洗浄工程、乾燥工程等の工程を経て作製されるものである。以下、本発明に使用されるトナーの各工程について説明する。
(1)樹脂粒子形成工程
この工程では、臨界ミセル濃度(CMC)以下の界面活性剤を含有した水系媒体中に、ラジカル重合性単量体溶液を添加して機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、ラジカル重合開始剤を添加して重合反応を行って樹脂粒子を形成する工程である。
この工程では、粒子径が質量平均径で20〜500nmの樹脂粒子を形成するもので、このような大きさの樹脂粒子はたとえば乳化重合などの重合法により作製される。
ここで、樹脂粒子に使用される重合性単量体や着色剤等の成分について説明する。
〈重合性単量体〉
樹脂粒子は、乳化重合により調製された樹脂粒子を用いることができる。この樹脂粒子を調製するための重合性単量体としては、ラジカル重合性単量体を必須の構成成分とし、必要に応じて架橋剤を使用することができる。具体的なラジカル重合性単量体成分としては、特に限定されるものではなく、従来公知のラジカル重合性単量体を用いられる。
たとえば、芳香族系ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等が挙げられる。
芳香族系ビニル単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体及びその誘導体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリール、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げられる。
ビニルエーテル系単量体としては、たとえば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。
モノオレフィン系単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
ジオレフィン系単量体としては、たとえば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
ハロゲン化オレフィン系単量体としては、たとえば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等が挙げられる。
また、樹脂粒子の特性を改良するためにラジカル重合性架橋剤を架橋剤として使用することも可能である。ラジカル重合性架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリール等の不飽和結合を2個以上有するものが挙げられる。
また、酸性基を有するラジカル重合性単量体も使用することが可能で、例えば、カルボキシル基、スルホン基含有単量体を用いることができる。
カルボキシル酸基含有単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル等が挙げられる。
スルホン酸含有単量体としては、例えば、スチレンスルホン酸、アリールスルホコハク酸、アリールスルホコハク酸オクチル等が挙げられる。
これらは、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩、あるいはカルシウム等のアルカリ土類金属塩の構造であっても良い。
また、塩基性基を有するラジカル重合性単量体を使用することも可能で、例えば、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等のアミン基を含有した単量体を用いることができる。
アミン基含有単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、及び上記4化合物の4級アンモニウム塩、3−ジメチルアミノフェニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルN−メチルピリジニウムクロリド、ビニルN−エチルピリジニウムクロリド、N,N−ジアリールメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジアリールエチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
〈ラジカル重合開始剤〉
乳化重合に用いられるラジカル重合開始剤は水溶性であれば適宜使用が可能である。例えば、過硫酸塩の過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等、アゾ系化合物の4,4′−アゾビス4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等、パーオキシド化合物等が挙げられる。
更に上記ラジカル重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組合せレドックス系開始剤とすることが可能である。レドックス系開始剤を用いることで、重合活性が上昇し、重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待出来る。
重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であればどの温度を選択しても良いが、50〜90℃の範囲が好ましい。但し、常温開始の重合開始剤、例えば過酸化水素−還元剤(アスコルビン酸等)の組合せを用いることで室温またはそれ以上の温度で重合することも可能である。
〈界面活性剤〉
前述のラジカル重合性単量体の乳化重合には、界面活性剤を使用することが好ましい。この際に使用することの出来る界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、下記のアニオン性またはノニオン性界面活性剤を好ましいものとして挙げることが出来る。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、スルホン酸塩のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム等、硫酸エステル塩のドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等、脂肪酸塩のオレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
また、ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドの組合せ、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることが出来る。
これらは主に乳化重合時の乳化剤として使用されるが、他の工程または他の使用目的で使用することも可能である。
〈着色剤〉
着色剤としては無機顔料、有機顔料を用いることが好ましい。
無機顔料としては、従来公知の黒色顔料、磁性体顔料を挙げられる。
黒色顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラックが挙げられる。
これらの無機顔料は所望に応じて単独または複数を選択併用することが可能である。また、無機顔料の添加量はトナー100質量部に対して2〜20質量部が好ましく、さらに好ましくは3〜15質量部である。
有機顔料としては、従来公知の有機顔料を用いることが出来る。どの様な有機顔料でも使用することが出来るが、具体的な有機顔料を以下に挙げる。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
シアンまたはグリーン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
これらの有機顔料は所望に応じて単独または複数を選択併用することが可能である。
〈着色剤の表面改質〉
また、着色剤の表面を改質するための表面改質剤を使用することも可能である。
着色剤の表面改質剤としては、従来公知の物を使用することが出来る。具体的にはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が好ましく用いることが出来る。
シランカップリング剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のアルコキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン等のシロキサン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
チタンカップリング剤としては、例えば、味の素社製の市販品プレンアクトTTS、9S、38S、41B、46B、55、138S、238S等、日本曹達社製の市販品A−1、B−1、TOT、TST、TAA、TAT、TLA、TOG、TBSTA−400、TTS、TOA−30、TSDMA、TTAB、TTOP等が挙げられる。
アルミニウムカップリング剤としは、例えば、味の素社製のプレンアクトAL−M等が挙げられる。
これらの表面改質剤は着色剤100質量部に対して0.01〜20質量部添加することが好ましく、さらに好ましくは0.1〜5質量部である。
〈ワックス〉
本発明に使用されるトナーに含有されるワックスは、例えば、酸変性処理された低分子量ポリエチレン(数平均分子量=1,000〜9,000)、酸変性処理された低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1,000〜9,000)、酸化ワックス等が挙げられる。
酸化ワックスとしては、例えば、サゾールワックスのタイプA1、A2、A3、A14等が挙げられる。
ワックス粒子は、水系媒体中に分散された状態で用いられる。ワックス粒子の分散液は界面活性剤が溶解されてなる水系媒体中にワックスを添加し、加熱下に乳化分散させ、アルカリを添加して水素イオン濃度を調節することにより調製することが出来る。乳化分散する際の加熱温度は、ワックスの軟化点以上にすることが好ましい。
〈添加剤〉
本発明に使用されるトナーは、着色剤、ワックス以外に種々の機能を付与することの出来る添加剤を加えてもよい。具体的には荷電制御剤等が挙げられる。
これらの添加剤は、樹脂粒子を乳化重合する段階で添加する方法、後述する塩析/融着工程で樹脂粒子と着色剤粒子及びワックス粒子と同時に添加する方法、できあがったトナーに直接添加する方法等種々の方法で添加することが出来る。好ましい方法としては、前記の樹脂粒子を乳化重合する段階で添加剤を添加する方法、及び塩析/融着工程で樹脂粒子と着色剤粒子及びワックス粒子と同時に添加剤を添加しトナー中に包含させる方法が挙げられる。
添加剤として使用する荷電制御剤は公知の物で、かつ、水中に分散することが出来る物を使用することが好ましい。具体的にはニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩、あるいはその金属錯体等が挙げられる。
なお、荷電制御剤は、分散した状態での数平均一次粒子径が10〜500nm程度のものが好ましい。
(2)塩析/融着工程
この工程では、樹脂粒子を水系媒体中で凝集する工程であり、具体的には、ワックスや着色剤を含有した樹脂粒子を凝集、あるいは、樹脂粒子、着色剤粒子及びワックス粒子を凝集させて、トナー粒子(着色粒子)を作製する工程である。この工程では、樹脂粒子等の粒子が分散された水中にアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等を有する塩析剤を臨界凝集濃度以上添加し、ついで樹脂粒子のガラス転移点以上に加熱することで凝集(以下、塩析ともいう)を進行させると同時に融着を行う工程である。この凝集工程は塩析/融着工程ともいう。
この工程では、水に無限溶解する有機溶媒を添加し、樹脂粒子のガラス点移転温度を実質的に下げることで融着を効果的に行う手法を使用することが可能である。
本発明に使用されるトナーは、塩析による粒子の形成と融着とが同時に進行し、トナー粒子を調製出来るため、トナー粒子の均一性が損なわれることが無く、帯電性の均一なトナーを安定して得られるものと推測される。
ここで、塩析剤であるアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩のアルカリ金属原子としてはリチウム、カリウム、ナトリウム等の金属原子が挙げられ、アルカリ土類金属原子としてはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の金属原子が挙げられる。中でも好ましくはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム等の金属原子である。
アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の塩を構成するものとしては、塩素塩、臭素塩、ヨウ素塩、炭酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
更に、水に無限溶解する有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、アセトン等が挙げられるが、好ましくは炭素数3以下のメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールのアルコールが、さらに好ましくは2−プロパノールが挙げられる。
塩析/融着を行う場合、塩析剤を添加した後に放置する時間を出来るだけ短くすることが好ましい。この理由は明確ではないが、塩析した後長時間放置すると粒子の凝集状態が変動したり、粒径分布が不安定になったり、融着させたトナーの表面性が変動したりする問題を発生する。
また、塩析剤を添加する温度としては少なくとも樹脂粒子のガラス転移温度以下であることが必要である。この理由としては、塩析剤を添加する温度が樹脂粒子のガラス転移温度以上であると樹脂粒子の塩析/融着は速やかに進行するものの、粒径の制御を行うことが困難となり、大粒径の粒子が発生したりする問題が発生する。この添加温度の範囲としては、樹脂粒子のガラス転移温度以下であれば良いが、一般的には5〜55℃、好ましくは10〜45℃である。
また、塩析剤を樹脂粒子のガラス転移温度以下で加え、その後出来るだけ速やかに昇温し、樹脂粒子のガラス転移温度以上に加熱することも可能である。
この昇温までの時間としては1時間未満が好ましい。さらに、昇温は速やかに行う必要があり、昇温速度としては0.25℃/分以上5℃/分以下が好ましい。昇温速度の上限としては特に明確ではないが、上記範囲の昇温速度とすることで、塩析の進行と粒径の制御が適度に行える。
(3)濾過・洗浄工程
塩析/融着工程で樹脂粒子を凝集させて形成したトナー粒子を水系媒体中から濾過し、洗浄水で洗浄を行い、トナー粒子に付着している界面活性剤や塩析剤等の不純物を除去する。この工程で使用する濾過、洗浄機は特に限定されないが、例えば遠心分離機、ヌッチェ、フィルタープレス等が使われる。
(4)乾燥工程
濾過、洗浄後のトナー粒子は乾燥される。本発明に使用されるトナーは、前述したように、乾燥工程の制御により、30℃、85%RHにおける水分量が0.5〜3.0質量%となるように制御することが可能である。また、本発明では、1次乾燥により水分量を5質量%以下にした後、さらに2次乾燥を行うことにより、トナーの水分量を確実に0.5〜3.0質量%の範囲内にすることが可能である。
この工程に使用される乾燥装置は、1次乾燥と2次乾燥を行う場合には、1次乾燥で気流乾燥機、2次乾燥で振動流動乾燥機を使用することが好ましい。また、2次乾燥に使用可能な乾燥装置としては、この他に、スプレードライヤー、減圧乾燥機、真空乾燥機、静置式棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層式乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機等が挙げられる。
(5)解砕工程
本工程は特に必要ない場合もあるが、トナー粒子が乾燥後に弱い凝集状態となる場合もあるので、その際には例えば、ジエットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の解砕装置を使用しトナー粒子の凝集を解砕してもよい。
(6)トナー化工程
上記の工程を経て得られたトナー粒子はそのまま使用することも可能であるが、例えば、流動性、帯電性、クリーニング性を改良するために、後述する外添剤を添加することが好ましい。外添剤を添加する工程をトナー化工程と呼ぶ。
外添剤を添加する設備としては、特に限定されないが、例えば、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機等の公知の混合機を使用することができる。
外添剤としては、特に限定されるものでは無く、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
無機微粒子としては、従来公知の物を使用することが出来る。具体的にはシリカ、チタン、アルミナ等の微粒子が好ましく、疎水性のシリカ微粒子がさらに好ましい。
シリカ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品R−805、R−809、R−812、R−972、R−974、R−976、ヘキスト社製の市販品HVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−530、TS−610、TS−720、H−5、MS−5等が挙げられる。
チタン微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品T−604、T−805、テイカ社製の市販品MT−100B、MT−100S、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
アルミナ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
有機微粒子としては、数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することが好ましい。具体的な例としてはスチレンやメチルメタアクリレート等の単独重合体やこれらの共重合体等が挙げられる。
滑剤としては、例えば、高級脂肪酸の金属塩を使用することが好ましい。具体的な例としてはステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩等が挙げられる。
これらの外添剤の添加量は、トナー100質量部に対して0.1〜5質量部程度が好ましい。
本発明に使用されるトナーは、非磁性一成分現像剤として使用することが好ましいが、場合によっては磁性一成分現像剤として使用することも可能である。
以下、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれに限定されるものではない。なお、以下の記載に示される「部」及び「%」は、特にことわりのない限り、「質量部」と「質量%」を意味するものである。
1.現像ローラの作製
トナー担持体(現像ローラ)を作製するために、軸体、ベースゴム層形成材料(コンパウンド)、中間層形成材料、表面層形成材料(コーティング液)、及び、ベースゴム層を形成する円筒状金型等を準備した。上記軸体321としては、SUS303からなる直径15mmの中空円筒状のものを準備した。
(1)ベースゴム層形成材料の調整
導電性シリコーンゴムをニーダーを用いて混練することにより、ベースゴム層形成材料(コンパウンド)を調整した。
(2)中間層形成材料の調整
メチルエチルケトン100部にウレタン樹脂(ニッポラン5199(日本ポリウレタン社製))20部を溶解した溶液に、ケッチェンブラック6部と、平均粒子径20μmのアクリル樹脂からなる粒子8部とをサンドミルを用いて2時間分散させ、中間層形成材料であるコーティング液を作製した。
(3)アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂(シロキサン変性ウレタン樹脂)の作製
撹拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、ポリカーボネートジオール(プラクセルCD220(ダイセル化学株式会社製)、数平均分子量2000)1000gとイソホロンジイソシアネート278gを投入し、窒素気流下にて100℃で6時間反応させて、遊離イソシアネート価3.44%のプレポリマーを形成した。これにメチルエチルケトン548gを添加してウレタンプレポリマーの溶液とした。
次いで、イソホロンジイソシアミン1.8g、ジ−n−ブチルアミン4.0g、メチルエチルケトン906g及びイソプロピルアルコール603gからなる混合物の存在下に上記ウレタンプレポリマー溶液1000gを添加し、50℃で3時間反応させた。得られたポリウレタン樹脂溶液(以下、ポリウレタン樹脂1Aという)は、樹脂固形分濃度が30%、アミン価が1.2KOH(mg/g)であった。
次に、同様の反応装置に、上記ポリウレタン樹脂1A500gを50℃に加温した後、下記エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2A)10.95gを添加し、窒素気流下、60℃で4時間反応させ、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂を得た。
Figure 0004821289
なお、エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2A)のエポキシ基の等量/ポリウレタン樹脂(1A)のアミノ基の等量(等量比)が2、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂中の固形残分中のSi含有量がシリカ質量換算で3.3%であった。
(4)表面層形成材料の調製
前記シロキサン変性ウレタン樹脂を表1に示す添加量と、ケッチェンブラック30部と、平均粒子径20μmのウレタン樹脂からなる粒子(パーノックCFB100、大日本インキ化学工業(株)製)40部を混合分散させて、表面層形成材料1〜8を調製した。
(5)ベースゴム層の形成
前記軸体の外周面に接着剤を塗布したものを円筒状金型内部にセットし、上記軸体と円筒状金型内周面の間の空隙部に上記ベースゴム層形成材料であるコンパウンドを注型し、180℃、1時間かけて加熱加硫を行った後、さらに2次加硫処理を200℃、4時間行うことにより、軸体の外周に厚さ0.5mmのベースゴム層を形成した。
(6)中間層の形成
このようにして得られたベースゴム層3付き軸体を上記金型から脱型した後、上記中間層形成材料をベースゴム層の外周面に15μmの厚さになるように塗布して、中間層を形成した。
(7)表面層の形成
上記中間層の外周面に、前述した各表面層形成材料のコーティング液を塗布後、乾燥および加熱処理を行うことにより、表面層(厚み15μm)を形成し、3層構造のロールからなる、表1に示す現像ローラ1〜8を得た。
作製した現像ローラ1〜8の水に対する接触角を測定した。測定は全自動接触角計 CA−Wロール特型 〔協和界面科学株式会社製〕を用い、前述した測定条件下にて測定を行った。得られた現像ローラの水に対する接触角を表1に示す。
Figure 0004821289
2.トナーの調整
(1)着色剤粒子分散液の作製
内容積20Lの樹脂容器に、アデカホープLS−90(旭電化社製n−ドデシル硫酸ナトリウム)を0.90kgと純水10.0Lを入れ撹拌溶解する。この溶液に、撹拌下、リーガル330R(キャボット社製カーボンブラック)1.20kgを徐々に加え、添加後1時間よく撹拌する。ついで、サンドグラインダー(媒体型分散機)を用いて、18時間連続分散する。
分散後、大塚電子社製の電気泳動光散乱光度計ELS−800を用いて、上記分散液の粒径を測定した結果、粒径は質量平均径で118nmであった。又、静置乾燥による質量法で測定した上記分散液の固形分濃度は16.5質量%であった。この分散液を「着色剤分散液1」とした。
(2)ワックス粒子分散液の作製
酸変性低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=3,000)1.05kgを、界面活性剤(ノニルフェノキシエタノール)の水溶液2.45kgに添加し、水酸化カリウムを用いてpHを9に調整する。
この系を、加圧下において前記酸変性低分子量ポリプロピレンの軟化点以上の温度に昇温して、当該酸変性低分子量ポリプロピレンの乳化分散処理を行うことにより、固形分30質量%の離型剤粒子の分散液を作製する。この分散液を「離型剤粒子分散液1」とした。
得られた「離型剤粒子分散液1」中における離型剤粒子の平均粒径を、大塚電子社製の電気泳動光散乱光度計ELS−800を用いて測定したところ、数平均一次粒径は122nmであった。
(3)樹脂粒子分散液1の作製
10Lステンレスポットに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(関東化学社製)56gを入れ、イオン交換水4.0Lを加え、室温下撹拌溶解する。これを、「アニオン界面活性剤溶液A」とした。
10Lステンレスポットに、ニューコール565C(日本乳化剤社製)15gを入れ、イオン交換水4.0Lを加え、室温下撹拌溶解する。これを、「ノニオン界面活性剤溶液B」とした。
20Lホーローポットに、過硫酸カリウム(関東化学社製)226.5gを入れ、イオン交換水12.0Lを加え、室温下撹拌溶解する。これを、「開始剤溶液C」とした。
温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた100Lのグラスライニング反応釜に、「アニオン界面活性剤溶液A」と「ノニオン界面活性剤溶液B」とを入れ、撹拌を開始する。ついで、イオン交換水44.0Lを加える。
ついで、加熱を開始し、液温度が75℃になったところで、「開始剤溶液C」を添加する。その後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン12.70kg、アクリル酸n−ブチル3.20kg、メタクリル酸96g及びt−ドデシルメルカプタン554.1gを投入する。
さらに、液温度を78℃±1℃に上げて、7時間加熱撹拌を行う。
その後、液温度を40℃以下に冷却し撹拌を停止する。この液をポールフィルターで濾過し、「樹脂粒子分散液1」を作製した。
「樹脂粒子分散液1」を一部分取し、分散液中の樹脂粒子の酸価、GPCによる分子量分布のピーク、質量平均粒径を測定したところ、酸価=3.9、GPCピーク位置=12,800、質量平均粒径=119nmであった。
(4)樹脂粒子分散液2の作製
新たな10Lステンレスポットに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(関東化学社製)56gを入れ、イオン交換純水4.0Lを加え、室温下溶解する。これを、「アニオン界面活性剤溶液D」とした。
10Lステンレスポットに、ニューコール565C(日本乳化剤社製)15gを入れ、イオン交換純水4.0Lを加え、室温下溶解する。これを、「ノニオン界面活性剤溶液E」とした。
20Lホーローポットに、過硫酸カリウム(関東化学社製)207.0gを入れ、イオン交換水12.0Lを加え、室温下溶解する。これを、「開始剤溶液F」とした。
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛形バッフルを付けた100Lのグラスライニング反応釜(翼はファウドラー翼)に、「アニオン界面活性剤溶液D」と「ノニオン界面活性剤溶液E」とを入れ、溶液の撹拌を開始する。ついで、イオン交換水44.0Lを投入する。
次いで、溶液の加熱を開始し、液温度が70℃になったところで、「開始剤溶液F」を添加する。この後、スチレン13.50kg、アクリル酸n−ブチル2.40kg、メタクリル酸100g及びt−ドデシルメルカプタン9.26gをあらかじめ混合した溶液を投入する。
その後、液温度を72℃±2℃に制御して、6時間加熱を行う。さらに、液温度を78℃±2℃に上げて、13時間加熱を行う。
その後、液温度を40℃以下に冷却した後、この溶液をポールフィルターで濾過し、「樹脂粒子分散液2」を作製する。
「樹脂粒子分散液2」を一部分取し、分散液中の樹脂粒子の酸価、GPCによる分子量分布のピーク、質量平均粒径を測定したところ、GPCピーク位置=239,700、質量平均粒径=115nmであった。
(5)会合工程
35Lステンレスポットに塩析剤としての塩化ナトリウム(和光純薬社製)5.36kgとイオン交換水20.0Lを入れ、溶解する。これを、「塩化ナトリウム溶液G」とした。
次に、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛形バッフルを付けた100Lのステンレス反応釜(翼はアンカー翼)に、上記で作製した「樹脂粒子分散液1」を20.0kg、「樹脂粒子分散液2」を5.0kg、「着色剤分散液1」を0.4kg、「離型剤粒子分散液1」を6.50kg及びイオン交換水20.0Lを入れ撹拌する。ついで、40℃に加温し、「塩化ナトリウム溶液G」を25kg、イソプロパノール(関東化学社製)6.00kgをこの順に添加する。その後、10分間放置した後に、昇温を開始し、液温度85℃まで60分かけて昇温する。液温度85℃±2℃に制御して、6時間加熱し、凝集/融着させて「着色粒子1」を作製した。
その後、液温を40℃以下に冷却し撹拌を停止する。ついで、目開き45μmの篩いで濾過し、着色粒子を含有する「会合液」を得た。
(6)着色粒子の洗浄
次いで、ヌッチェを用いて「会合液」を濾過処理して、「ウェットケーキ状の着色粒子」を取り出し、イオン交換水による洗浄処理を行った。洗浄処理後の着色粒子は、再度ウェットケーキ状の形態にした。この操作を4回繰り返して、着色粒子表面より界面活性剤等の不純物を除去した。
(7)着色粒子の乾燥
このようにして得られた「含水ケーキ」を連続瞬間気流乾燥機「フラッシュジェットドライヤー、型式:5cm」(セイシン企業株式会社製)を使用して乾燥処理(1次乾燥)を行った。ここで、連続瞬間気流乾燥機の入口温度を120℃、出口温度を55℃、風量を2Nm3/min(「Nm3」は室温換算の体積を表す。以下同じ。)に設定した。
また、連続瞬間気流乾燥機から排出される着色粒子の水分量が5質量%以下になるように、排出される着色粒子の水分量を逐次測定し、この測定値をフィードバックして、「含水ケーキ」の供給量(処理量)を5〜20kg/時間の範囲で制御した。この乾燥処理(1次乾燥)に要した時間は60分間であり、乾燥処理後の着色粒子の水分量を測定したところ5.0質量%(30℃、85%RH)であった。
次いで、乾燥処理(1次乾燥)された水分量が5.0質量%(30℃、85%RH)の着色粒子を「振動流動乾燥機」(中央化工機株式会社製)を用いて後乾燥処理(2次乾燥)を行った。乾燥温度を55℃に設定し、表2に示す処理時間により表2に示す水分量を有する着色粒子1〜8を調製した。
なお、上記水分量の測定は、自動加熱気化水分測定システム「AQS−724」(平沼産業株式会社製)を用いて、前述の条件、手順に基づいて行った。
(8)トナーの作製
得られた各着色粒子100部に対し、数平均1次粒子径が12nmの疎水性シリカを0.8部添加してトナー1〜8を作製した。
Figure 0004821289
3.評価実験
(1)評価装置
実施例1〜10及び比較例1〜4の評価は、図1の構成を有するカラープリンタを用いた。すなわち、このプリンタの現像装置に使用されている現像カートリッジに、作製した現像ローラ及びトナーを組み込み、SUS製のトナー規制部材の圧力、突出量を調整して、トナー搬送量を4.5g/m2にした。次いで、現像条件として直流電圧がVDCが−420V、ピーク値が1.9kVで周波数が2kHzの矩形波からなる交流電圧を重畳させたバイアス電圧を印加し、Duty比を調整してベタ印字濃度を約1.4に調整した。また、この時のシステム速度を140mm/sec、現像ローラの周速度を210mm/secとした。
(2)評価方法
最初に常温常湿度環境条件(N/N;23℃、55%RH)下でプリント印字ベタ画像濃度を測定した。次いで、高温高湿度環境条件(H/H;30℃、85%RH)に環境を変えて、2時間及び24時間放置後のプリント印字ベタ画像濃度を測定した。さらに、H/H環境のまま印字率15%のフルカラー画像を1枚ごとに間欠的にプリントし、1枚印字後と1000枚印字後のプリント印字画像の画像欠陥について評価した。なお、画像欠陥評価時にプリント作成に使用した原稿は画素率が7%の文字画像(3ポイント、5ポイント)、カラー人物顔画像(ハーフトーンを含むドット画像)、ベタ白画像、反射濃度0.8となるハーフトーン画像がそれぞれ1/4等分に掲載されたオリジナル画像(A4判)を用いて行った。
また、1000枚のプリント終了後、現像ローラへのトナーの融着状況を目視で評価した。
〈濃度ムラ〉
23℃、55%RH下で作成したプリントと、30℃、85%RH下で作成したプリントに形成されたベタ画像濃度の変動を反射濃度計(マクベス反射濃度計「RD−918」)により評価した。ベタ画像濃度の変動は、以下に定義する濃度変動1及び濃度変動2として評価した。
濃度変動1=(30℃、85%RH下の2時間放置後反射濃度)−(23℃、55%RH下の反射濃度)
濃度変動2=(30℃、85%RH下の24時間放置後反射濃度)−(30℃、85%RH下の2時間放置後反射濃度)
◎:濃度差が0.05未満
○:濃度差が0.05以上0.20未満
×:濃度差が0.20以上
〈トナー付着〉
◎:現像ローラ上にトナー付着が見られない
○:ルーペ観察により微小なトナー付着を見出したが、問題ないレベル
×:肉眼でトナー付着を確認した。
結果を表3に示す。
Figure 0004821289
表3から明らかなように、本発明に該当する実施例1〜10では、高温高湿環境下で1000枚の連続プリントを行っても現像ローラ上へのトナー付着が見られず、また、環境の変化に伴う濃度ムラの発生も見られなかった。一方、比較例では環境変化に伴って濃度ムラが発生することが確認され、実施例と異なる結果になった。
本発明に係る画像形成方法に使用可能なフルカラー画像形成装置の構成断面図である。 図1のフルカラー画像形成装置に用いられる現像器の概略図である。 本発明における現像ローラの一例を示す断面図である。 本発明に使用可能なトナーの構造を示す模式図である。 自動加熱気化水分測定システム「AQS−724」の構成図である。
符号の説明
1 装置本体
30、30C、30M、30Y、30Bk 現像器
32 現像ローラ(トナー担持体)
321 軸体
322 ベースゴム層
323 中間層
324 表面層

Claims (3)

  1. 少なくとも樹脂と着色剤とを含有するトナーを、トナー担持体を介して現像領域に搬送してトナー画像を形成する画像形成方法において、
    該トナー担持体は、水に対する接触角が90〜120°となる被覆層を表面に有し、
    前記トナーは、樹脂粒子を水系媒体中で凝集させる工程を経て形成されるものであり、
    30℃、85%RHの環境下に24時間放置した該トナーの水分量が、カールフィッシャー法により、0.5〜3.0質量%となることを特徴とする画像形成方法。
  2. 少なくとも樹脂と着色剤とを含有するトナーを、トナー担持体を介して現像領域に搬送してトナー画像を形成する画像形成方法において、
    該トナー担持体は、水に対する接触角が90〜120°となる、シロキサン変性ウレタン樹脂を含有する被覆層を表面に有し、
    30℃、85%RHの環境下に24時間放置した該トナーの水分量が、カールフィッシャー法により、0.5〜3.0質量%となることを特徴とする画像形成方法。
  3. 前記被覆層は、シロキサン変性ウレタン樹脂を含有するものであることを特徴とする請求項に記載の画像形成方法。
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