JP4865359B2 - プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

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Description

本発明は、帯電部材を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
現在、電子写真感光体の表面を帯電する方式の1つとして、接触帯電方式が実用化されている。
接触帯電方式は、電子写真感光体に接触配置された帯電部材に電圧を印加し、該帯電部材と該電子写真感光体との間の当接部近傍で微少な放電をさせることによって、該電子写真感光体の表面を帯電する方式である。
電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材としては、電子写真感光体と帯電部材との当接ニップを十分に確保する観点から、支持体および該支持体上に設けられた弾性層(導電性弾性層)を有するものが一般的である。
また、弾性層(導電性弾性層)は、低分子量成分を比較的多量に含むことが多いため、この低分子量成分がブリードアウトし、電子写真感光体の表面を汚染することを抑制するために、導電性弾性層上には、これとは別の、導電性弾性層に比べて弾性率の小さい表面層を設けることもよく行われている。
また、帯電部材の形状としては、ローラー形状が一般的である。以下、ローラー形状の帯電部材を「帯電ローラー」ともいう。
また、接触帯電方式の中でも広く普及している方式は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を帯電部材に印加する方式(以下「AC+DC接触帯電方式」ともいう。)である。AC+DC接触帯電方式の場合、交流電圧には、帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を持つ電圧が用いられる。
AC+DC接触帯電方式は、交流電圧を用いることにより、帯電均一性の高い安定した帯電を行える方式であるが、交流電圧源を使用する分、直流電圧のみの電圧を帯電部材に印加する方式(以下「DC接触帯電方式」ともいう。)に比べて、帯電装置、電子写真装置の大型化、コストアップを招いてしまう。
すなわち、DC接触帯電方式は、AC+DC接触帯電方式に比べて、帯電装置、電子写真装置の小型化、コストダウンの点で優れた帯電方式である。
しかしながら、DC接触帯電方式は、交流電圧による帯電均一性向上効果が無いため、帯電部材の表面の汚れ(トナーやトナーに用いられる外添剤など)や、帯電部材自体の電気抵抗の不均一性が、出力画像に現れやすい。
特に、DC接触帯電方式の場合、繰り返し使用により帯電部材の表面にトナーやトナーに用いられる外添剤などが不均一に強く付着(固着)すると、ハーフトーン画像を出力した際に、その固着部分が過帯電や帯電不良を引き起こすことがある(トナー汚れ)。
一方、電子写真装置の高画質化の要求は、日々、高まっており、特許文献1〜6等では特定の粒度分布を呈する小粒径トナーが提案されてきた。
しかしながら、このような小粒子径のトナーは、転写でトナー粒子にかかるクーロン力に比べて、トナー粒子の感光体への付着力(鏡像力やファンデルワールス力など)が大きくなってきてしまい、結果として転写残トナーが増加し、さらには、帯電部材のトナー汚れが画像に表れてしまうという問題があった。
特開平1−112253号公報 特開平1−191156号公報 特開平2−214156号公報 特開平2−284158号公報 特開平3−181952号公報 特開平4−162048号公報
本発明の目的は、長期間の繰り返し使用によってもトナーやトナーに用いられる外添剤などが帯電部材表面に固着しにくく、よってDC接触帯電方式に用いても、長期間安定した帯電および画像出力が可能なプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明は、感光体と、該感光体の帯電手段と、該感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像手段とを一体に支持し、画像形成装置から着脱自在に構成されているプロセスカートリッジにおいて、
または、感光体と、該感光体の帯電手段と、該感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像手段とを有している電子写真装置において、
前記帯電手段は、帯電部材を有しており、
該帯電部材は、導電性支持体、該導電性支持体の上に形成された導電性弾性層、及び該導電性弾性層の上に形成された表面層を有し、該表面層は、オキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有し、該ポリシロキサンが、さらにフッ化アルキル基を有するもの、或いは、後述の式(2)で示される構造を有するカチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物の加水分解性縮合物を該カチオン重合可能な基を用いて架橋させて得られたものであり、
該トナーは、結着樹脂、着色剤及びワックス成分を含有するトナー粒子と無機微粉体とを含有し、
該トナー粒子は、フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、円相当個数平均径D1が2〜8μm、平均円形度が0.960〜0.995であり、該円相当個数平均径D1が10μmを超える粗粒子を0.02〜5個数%含有しており、該粗粒子の平均円形度が0.900〜0.990であることを特徴とする。
ポリシロキサンは、非常に高い硬度を保持させることが可能な化合物であり、前記ブリード抑制に非常に効果のある化合物である。また、シロキサン結合は、耐熱性が良好で、この化合物を使用することにより、帯電部材表面の温度上昇を抑制することができる。帯電部材表面の温度が高いと、前述した転写残トナーがよりやわらかくなって、帯電部材に付着しやすくなるという弊害が発生する。
しかしながら、本発明者らが鋭意検討を行った結果、ポリシロキサン単体では、帯電部材としての表面層は硬度が大きくなりすぎてしまい、前述した帯電部材のトナー汚れが顕著に現れてしまう。これは、転写残トナーが硬度の高い帯電部材に押しつぶされ、帯電部材にこすりつけられる現象が発生しているものと予想できる。
そこで、本発明者らが更に検討を行った結果、ポリシロキサン中に前記オキシアルキレン基を存在させることにより、帯電部材表面層に適度な柔軟性を発現することが可能であることが明らかとなった。
ところで、上記オキシアルキレン基とは、−O−R−(R:アルキレン基)で示される構造を有する2価の基(「アルキレンエーテル基」と呼ばれることもある。)である。このR(アルキレン基)としては、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましい。
このアルキレン基は、弾性層の成分と水素結合を起こすため、弾性層と表面層の密着性を高める効果があり、弾性層に、熱や水分による膨張率の大きな材料を使用した際にも、帯電部材の膨張収縮による表面のシワ、クラックなどを抑制するという効果を、更に発現することができるのである。
また、本発明者らが鋭意検討を行った結果、前記ブリード抑制に際しても、ポリシロキサン単体よりも、オキシアルキレン基を含有させることにより、更に抑制効果を発現することが明らかとなった。
前記ポリシロキサンという無機化合物的な構造と、オキシアルキレンという有機化合物的な構造を一つの化合物内に混在させるということにより効果が発揮されているのではないかと予想する。ブリードの代表物質である塩のような化合物も、あるいは、有機物でさえも、どちらも、反発するあるいは、親和性のある材料を膜内に混在させることによって、ブリード抑制効果を発揮できるものと考えることができる。
通常、帯電部材は、弾性層からの低分子成分のブリードを防止するために、数μm〜1000μm程度の表面層をもう設けることが多かったが、本発明帯電部材の表面層の層厚は0.1〜1.0μmと薄くすることができる。特には好ましい範囲としては、0.2〜0.6μmである。
このように、表面層膜厚を制御することにより、帯電部材の電気的性質である静電容量は、非常に大きいものとすることができるようになった。また、材料として、オキシアルキレン基を有するポリシロキサンという、有機化合物と無機化合物の混合材料を使用することにより、従来の樹脂材料にはない程度の静電容量を保持することが可能になったのである。
具体的には、本発明の帯電部材の表面層の静電容量(C)は、5.0×10-9F以上1.0×10-6F以下が好ましい値である。
このように、帯電部材の静電容量を非常に大きなものとすることができたため、帯電部材表面には、電圧を印加した際、電荷を蓄積することができる。これにより、転写残トナーが帯電部材表面に一旦付着したとしても、トナーに十分電荷を保持させることができ、その電気的反発により、トナーが帯電部材表面に付着するのを抑制するこが可能であることを見出すことができた。
本発明者らは、プロセスカートリッジ及び電子写真装置として、更なる高耐久性を見出すため、トナーという観点からも、鋭意検討を行った。
前述した様に、トナーが小粒径化すると、トナー同士のファンデワールス力が支配的になり、トナー粒子が凝集しやすくなったり、帯電部材への付着性が増加してしまったりする。
本発明者等は、トナー粒子の形状分布を精密に制御することで、本課題を解決できることを見出した。即ち、トナー粒子のフロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該トナー粒子の円相当個数平均径D1が2〜8μm、平均円形度が0.960〜0.995であり、該トナー粒子が10μmを超える円相当径を有する粗粒子を0.02〜個数%含有しており、該粗粒子の平均円形度が0.900〜0.990と制御するのである。このように、トナー粒子を全体的に小粒径化するけれども、10μm以上のトナー粒子を少量含有することにより、トナー粒子同士の付着性を抑制することが可能になる。また、円形度を規定することにより、帯電部材からのトナー粒子への電荷付与をより均一に行うことができるのである。また、粗粒子以外のトナー粒子の円形度を向上させることで、帯電部材への付着性をより抑制できることが明らかとなった。
また、トナーは、トナー粒子とポリシロキサンを含有する無機粒子からなることが好ましい。トナー粒子表面に無機粒子を付着させることにより、トナーの流動性を向上させることができ、帯電部材への付着力を低減することができる。また、帯電部材表面層を構成するポリシロキサンを含有する無機粒子を含有することにより、帯電部材表面との化学的反発力によって、トナーと帯電部材との付着を抑制する効果があることが、本発明者らの検討により明らかとなった。
また、帯電部材に付着することのないトナーは、現像手段で回収されることになる。帯電部材による外的圧力を受けにくくなるため、耐久試験を通じても、トナーの変形等の劣化を抑制することが可能となり、トナーの耐久性も飛躍的に向上させることが可能であることが明らかとなった。
本発明によれば、長期間の繰り返し使用によっても、帯電部材のトナー等による汚れを抑制することができると同時に、トナーの劣化を抑制することができる。従って、DC接触帯電方式を用いたとしても、長期間安定した帯電および画像出力が可能なプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
(1)帯電部材
まず、本発明の帯電部材の構成について説明する。
本発明の帯電部材は、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層、および、該導電性弾性層上に形成された表面層を有するものである。この「表面層」とは、帯電部材が有する層のうち、帯電部材の最表面に位置する層を意味する。
本発明の帯電部材の最も簡単な構成は、該支持体上に導電性弾性層および表面層の2層を設けた構成であるが、支持体と導電性弾性層との間や導電性弾性層と表面層との間に別の層を1つまたは2つ以上設けてもよい。
また、導電性弾性層や表面層は、それぞれ導電性弾性層用の材料および表面層用の材料を用いて形成された層であってもよいし(以下「積層形態1」ともいう。)、または、導電性弾性層用の材料を用いて層を形成した後、該層の表面領域(表面およびその近傍)を改質し、改質後の領域を表面層とすることによって、導電性弾性層および表面層との積層構成としてもよい(以下「積層形態2」ともいう。)。
図1に、本発明の帯電部材の構成の一例を示す。図1中、101は支持体であり、102は導電性弾性層であり、103は表面層である。
帯電部材の支持体としては、導電性を有していればよく(導電性支持体)、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケルなどの金属性(合金製)の支持体を用いることができる。また、これらの表面に耐傷性付与を目的として、導電性を損なわない範囲で、メッキ処理などの表面処理を施してもよい。
導電性弾性層には、従来の帯電部材の弾性層(導電性弾性層)に用いられているゴムや熱可塑性エラストマーなどの弾性体を1種または2種以上用いることができる。
ゴムとしては、例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、アクリロニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴムおよびアルキルエーテルゴムなどが挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマーおよびオレフィン系エラストマーなどが挙げられる。スチレン系エラストマーの市販品としては、例えば、三菱化学(株)製「ラバロン」、クラレ(株)製「セプトンコンパウンド」などが挙げられる。オレフィン系エラストマーの市販品としては、例えば、三菱化学(株)製の「サーモラン」、三井石油化学工業(株)社製の「ミラストマー」、住友化学工業(株)社製の「住友TPE」およびアドバンストエラストマーシステムズ社製の「サントプレーン」などが挙げられる。
また、導電性弾性層には、導電剤を適宜使用することによって、その導電性を所定の値にすることができる。導電性弾性層の電気抵抗は、導電剤の種類および使用量を適宜選択することによって調整することができ、その電気抵抗の好適な範囲は102〜108Ωであり、より好適な範囲は103〜106Ωである。
導電性弾性層に用いられる導電剤としては、例えば、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、帯電防止剤、電解質などが挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムおよび変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムなどの第四級アンモニウム塩が挙げられる。第四級アンモニウム塩として、具体的には、過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、エトサルフェート塩およびハロゲン化ベンジル塩(臭化ベンジル塩や塩化ベンジル塩など)などが挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩および高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルおよび多価アルコール脂肪酸エステルなどの非イオン性帯電防止剤などが挙げられる。
電解質としては、例えば、周期律表第1族の金属(LiやNaやKなど)の塩(第四級アンモニウム塩など)が挙げられる。周期律表第1族の金属の塩として、具体的には、LiCF3SO3、NaClO4、LiAsF6、LiBF4、NaSCN、KSCNおよびNaClなどが挙げられる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、周期律表第2族の金属(CaやBaなど)の塩(Ca(ClO42など)やこれから誘導される帯電防止剤が、イソシアネート(一級アミノ基や二級アミノ基など)と反応可能な活性水素を有する基(水酸基やカルボキシル基など)を1つ以上持ったものを用いることもできる。また、これらと多価アルコール(1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)もしくはその誘導体との錯体や、これらとモノオール(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなど)との錯体などのイオン導電性導電剤を用いることもできる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、ケッチェンブラックEC、アセチレンブラック、ゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、および、熱分解カーボンなどの導電性のカーボンを用いることもできる。ゴム用カーボンとして、具体的には、Super Abrasion Furnace(SAF:超耐摩耗性)、Intermediate Super Abrasion Furnace(ISAF:準超耐摩耗性)、High Abrasion Furnace(HAF:高耐摩耗性)、Fast Extruding Furnace(FEF:良押し出し性)、General Purpose Furnace(GPF:汎用性)、Semi Rein Forcing Furnace(SRF:中補強性)、Fine Thermal(FT:微粒熱分解)およびMedium Thermal(MT:中粒熱分解)などの各ゴム用カーボンが挙げられる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、天然グラファイトおよび人造グラファイトなどのグラファイトを用いることもできる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、酸化スズ、酸化チタンおよび酸化亜鉛などの金属酸化物や、ニッケル、銅、銀およびゲルマニウムなどの金属を用いることもできる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、ポリアニリン、ポリピロールおよびポリアセチレンなどの導電性ポリマーを用いることもできる。
また、導電性弾性層には、無機または有機の充填剤や架橋剤を添加してもよい。充填剤としては、例えば、シリカ(ホワイトカーボン)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウムおよび硫酸アルミニウムなどが挙げられる。架橋剤としては、例えば、イオウ、過酸化物、架橋助剤、架橋促進剤、架橋促進助剤、架橋遅延剤などが挙げられる。
導電性弾性層の硬度は、帯電部材と被帯電体である電子写真感光体とを当接させた際の帯電部材の変形を抑制する観点から、アスカーCで70度以上であることが好ましく、特には73度以上であることがより好ましい。
本発明において、アスカーC硬度の測定は、測定対象の表面にアスカーC型硬度計(高分子計器(株)製)の押針を当接し、1000g加重の条件で行った。
また、電子写真感光体との当接ニップを十分に確保するために設けた導電性弾性層の機能を十分に発揮させる観点から、帯電部材の表面層の弾性率は2000MPa以下であることが好ましい。一方、一般的に、層の弾性率は小さくなるほど架橋密度が小さくなる傾向にあるため、帯電部材の表面にブリードアウトした低分子量成分による電子写真感光体の表面の汚染を抑制する観点から、帯電部材の表面層の弾性率は100MPa以上であることが好ましい。
また、帯電部材の表面へのトナーや外添剤の固着を抑制する観点から、帯電部材の表面(=表面層の表面)の粗さ(Rz)はJIS94で10μm以下であることが好ましく、7μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることがより一層好ましい。
続いて、本発明の帯電部材について更に詳細に説明する。
本発明の帯電部材は、上記のとおり、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層、および、該導電性弾性層上に形成された表面層を有する帯電部材において、該表面層が、オキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有することを特徴とする帯電部材である。また、さらには、フッ化アルキル基を含有することを特徴とする帯電部材である。
上記オキシアルキレン基とは、−O−R−(R:アルキレン基)で示される構造を有する2価の基(「アルキレンエーテル基」と呼ばれることもある。)である。このR(アルキレン基)としては、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましい。
ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5.0〜70.0質量%であることが好ましく、ポリシロキサン中のシロキサン部分(−Si−O−Si−O−・・・で示される構造を有する部分)の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して20.0〜90.0質量%であることが好ましい。
また、上記フッ化アルキル基としては、例えば、直鎖型または分岐型のアルキル基の水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換したものが挙げられる。その中でも、炭素数6〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基が好ましい。上記ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5.0〜50.0質量%であることが好ましい。
また、上記ポリシロキサンは、さらにアルキル基およびフェニル基を有するものが更に好ましい。このアルキル基としては、炭素数1〜21の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、さらにはメチル基、エチル基、n−プロピル基、ヘキシル基、デシル基がより好ましい。
上記ポリシロキサンがさらにアルキル基およびフェニル基を有する場合、上記ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5.0〜50.0質量%であることが好ましく、ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5.0〜30.0質量%であることが好ましく、ポリシロキサン中のアルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5.0〜30.0質量%であることが好ましく、ポリシロキサン中のフェニル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5.0〜30.0質量%であることが好ましく、ポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して20.0〜80.0質量%であることが好ましい。
上記ポリシロキサンは、開裂によってオキシアルキレン基を生成する官能基、例えば、エポキシ基やオキセタン基などの環状エーテル基、および、ビニルエーテル基など、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物を用い、前述したカチオン重合可能な基を開裂させ、架橋させることによって得ることができる。
上記カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物としては、下記式(2)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物が好適である。
Figure 0004865359
上記式(2)中、R21は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示す。R22は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示す。Z21は、2価の有機基を示す。Rc21は、カチオン重合可能な基を示す。dは0〜2の整数であり、eは1〜3の整数であり、d+e=3である。
上記式(2)中のRc21のカチオン重合可能な基とは、開裂によってオキシアルキレン基を生成するカチオン重合可能な有機基を意味し、例えば、エポキシ基やオキセタン基などの環状エーテル基、および、ビニルエーテル基などが挙げられる。これらの中でも、入手の容易性および反応制御の容易性の観点から、エポキシ基が好ましい。
上記式(2)中のR21およびR22の飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基およびアリール基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜3の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、さらにはメチル基、エチル基がより好ましい。
上記式(2)中のZ21の2価の有機基としては、例えば、アルキレン基およびアリーレン基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、さらにはエチレン基がより好ましい。
上記式(2)中のeは3であることが好ましい。
上記式(2)中のdが2の場合、2個のR21は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(2)中のeが2または3の場合、2個または3個のR22は同一であってもよく、異なっていてもよい。
以下に、上記式(2)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の具体例を示す。
(2−1):グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(2−2):グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
(2−3):エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン
(2−4):エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン
また、上記フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物としては、下記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物が好適である。
この場合のポリシロキサンは、前記のカチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物と、フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物とを加水分解によって縮合させて加水分解性縮合物を得て、次いで、該カチオン重合可能な基を開裂させることにより、該加水分解性縮合物を架橋させることによって得ることができる。
Figure 0004865359
上記式(3)中、R31は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示す。R32は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示す。Z31は、2価の有機基を示す。Rf31は、炭素数1〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基を示す。fは0〜2の整数であり、gは1〜3の整数であり、f+g=3である。
上記式(3)中のR31およびR32の飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基およびアリール基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜3の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、さらにはメチル基、エチル基がより好ましい。
上記式(3)中のZ31の2価の有機基としては、例えば、アルキレン基およびアリーレン基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、さらにはエチレン基がより好ましい。
上記式(3)中のRf31の炭素数1〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基としては、処理性の観点から、特に炭素数6〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基が好ましい。
上記式(3)中のgは3であることが好ましい。上記式(3)中のfが2の場合、2個のR31は同一であってもよく、異なっていてもよい。上記式(3)中のgが2または3の場合、2個または3個のR32は同一であってもよく、異なっていてもよい。
以下に、上記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の具体例を示す。
(3−1):CF3−(CH22−Si−(OR)3
(3−2):F(CF22−(CH22−Si−(OR)3
(3−3):F(CF24−(CH22−Si−(OR)3
(3−4):F(CF26−(CH22−Si−(OR)3
(3−5):F(CF28−(CH22−Si−(OR)3
(3−6):F(CF210−(CH22−Si−(OR)3
上記(3−1)〜(3−6)中のRはメチル基またはエチル基を示す。上記(3−1)〜(3−6)の中でも、(3−4)〜(3−6)が好ましい。
上記カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物および上記フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物は、それぞれ、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
特に、上記フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物として、上記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を用いる場合、Rf31の炭素数nA(nAは6〜31の整数)のものと、炭素数nB(nBは6〜31の整数かつnB≠nA)のものとを併用すると、得られるポリシロキサンは、炭素数の異なるパーフルオロアルキル基を有することになる。パーフルオロアルキル基は、帯電部材の表面に向かって配向する傾向にあるため、帯電部材の表面層に含有されるポリシロキサンが炭素数の異なるパーフルオロアルキル基を有していれば、帯電部材の表面に向かって長さの異なるパーフルオロアルキル基が配向することになる。この場合、単一の長さのパーフルオロアルキル基が帯電部材の表面に向かって配向する場合に比べて、帯電部材の表面近傍のフッ素原子濃度が高くなり、帯電部材の表面自由エネルギーが低くなるため、長期間繰り返し使用した際の帯電部材の表面へのトナーや外添剤などの固着をより抑制することができる。
上記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を2種以上用いる場合は、上記(3−4)〜(3−6)の中から2種以上選択することが好ましい。
本発明の第1の帯電部材に用いられるポリシロキサンは、上述のとおり、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物と、フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物とを加水分解によって縮合させて加水分解性縮合物を得て、次いで、該カチオン重合可能な基を開裂させることにより、該加水分解性縮合物を架橋させることによって得ることができるが、帯電部材の表面物性の制御の観点から、加水分解性縮合物を得る際には、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物およびフッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物に加えて、さらに、下記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を併用することが好ましい。
Figure 0004865359
上記式(1)中、R11は、フェニル基置換のアルキル基もしくは無置換のアルキル基、または、アルキル基置換のアリール基もしくは無置換のアリール基を示す。R12は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示す。aは0〜3の整数であり、bは1〜4の整数であり、a+b=4である。
上記式(1)中のR11のフェニル基置換のアルキル基もしくは無置換のアルキル基のアルキル基としては、炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基が好ましい。上記式(1)中のR11のアルキル基置換のアリール基もしくは無置換のアリール基のアリール基としては、フェニル基が好ましい。
上記式(1)中のaは1〜3の整数であることが好ましく、特には1であることがより好ましい。上記式(1)中のbは1〜3の整数であることが好ましく、特には3であることがより好ましい。
上記式(1)中のR12の飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基およびアリール基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜3の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、さらにはメチル基、エチル基、n−プロピル基がより好ましい。
上記式(1)中のaが2または3の場合、2個または3個のR11は同一であってもよく、異なっていてもよい。上記式(1)中のbが2、3または4の場合、2個、3個または4個のR12は同一であってもよく、異なっていてもよい。
以下に、上記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の具体例を示す。
(1−1):テトラメトキシシラン
(1−2):テトラエトキシシラン
(1−3):テトラプロポキシシラン
(1−4):メチルトリメトキシシラン
(1−5):メチルトリエトキシシラン
(1−6):メチルトリプロポキシシラン
(1−7):エチルトリメトキシシラン
(1−8):エチルトリエトキシシラン
(1−9):エチルトリプロポキシシラン
(1−10):プロピルトリメトキシシラン
(1−11):プロピルトリエトキシシラン
(1−12):プロピルトリプロポキシシラン
(1−13):ヘキシルトリメトキシシラン
(1−14):ヘキシルトリエトキシシラン
(1−15):ヘキシルトリプロポキシシラン
(1−16):デシルトリメトキシシラン
(1−17):デシルトリエトキシシラン
(1−18):デシルトリプロポキシシラン
(1−19):フェニルトリメトキシシラン
(1−20):フェニルトリエトキシシラン
(1−21):フェニルトリプロポキシシラン
(1−22):ジフェニルジメトキシシラン
(1−23):ジフェニルジエトキシシラン
上記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物および上記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を併用する場合、上記式(1)中のaは1〜3の整数であることが好ましく、bは1〜3の整数であることが好ましく、a個のR11のうちの1個のR11は炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基であることが好ましく、さらに、該炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基の炭素数をn1(n1は1〜21の整数)とし、上記式(3)中のRf31の炭素数をn2(n2は1〜31の整数)としたとき、n2−1≦n1≦n2+1であることが好ましい。
上記炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基は、パーフルオロアルキル基と同様、帯電部材の表面に向かって配向する傾向にあるが、n1<n2+2となると、上記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物のパーフルオロアルキル基による効果が乏しくなる場合がある。一方、n1>n2−2となると、理由の詳細は不明であるが、帯電時の放電に影響を及ぼし、ハーフトーン画像を出力した際に、その前の文字や黒い図形などがわずかに残像してしまう現象(ゴースト現象)が発生しやすくなる。
上記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合には、上記式(1)中のR11がアルキル基のものと上記式(1)中のR11がフェニル基のものとを併用することが好ましい。アルキル基は帯電部材の表面物性の制御の観点から好ましく、フェニル基は上記のゴースト現象抑制の観点から好ましいからである。
以下、本発明の帯電部材の具体的な製造方法(上記ポリシロキサンを含有する表面層の具体的な形成方法)について説明する。
まず、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物およびフッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物、ならびに、必要に応じて上記の他の加水分解性シラン化合物を水の存在下で加水分解反応させることによって加水分解性縮合物を得る。
加水分解反応の際、温度やpHなどを制御することで、所望の縮合度の加水分解性縮合物を得ることができる。
また、加水分解反応の際、加水分解反応の触媒として金属アルコキシドなどを利用し、縮合度を制御してもよい。金属アルコキシドとしては、例えば、アルミニウムアルコキシド、チタニウムアルコキシドおよびジルコニアアルコキシドなど、ならびに、これらの錯体(アセチルアセトン錯体など)が挙げられる。
また、加水分解性縮合物を得る際の、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物およびフッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物の配合割合は、あるいは、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物、フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物および上記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の配合割合は、得られるポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量がポリシロキサン全質量に対して5.0〜50.0質量%になるように、オキシアルキレン基の含有量がポリシロキサン全質量に対して5.0〜70.0質量%になるように、シロキサン部分の含有量がポリシロキサン全質量に対して20.0〜90.0質量%になるようにすることが好ましい。
具体的には、フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物を、全加水分解性シラン化合物に対して0.5〜20.0mol%の範囲になるように配合することが好ましく、特には1.0〜10.0mol%の範囲になるように配合することがより好ましい。
また、上記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を併用する場合には、さらに、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物(MC)と上記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物(M1)とのモル比(MC:M1)が10:1〜1:10の範囲になるように配合することが好ましい。
次に、得られた加水分解性縮合物を含む表面層用塗布液を調製し、支持体および該支持体上に形成された導電性弾性層を有する部材(以下「導電性弾性部材」ともいう。)上に、調製した表面層用塗布液を塗布する。
表面層用塗布液を調製する際には、塗布性向上のために、加水分解性縮合物以外に、適当な溶剤を用いてもよい。適当な溶剤としては、例えば、エタノールおよび2−ブタノールなどのアルコールや、酢酸エチルや、メチルエチルケトンなど、あるいは、これらを混合したものが挙げられる。また、表面層用塗布液を導電性弾性部材上に塗布する際には、ロールコーターを用いた塗布、浸漬塗布、リング塗布などを採用することができる。
次に、導電性弾性部材上に塗布された表面層用塗布液に活性エネルギー線を照射する。すると、表面層用塗布液に含まれる加水分解性縮合物中のカチオン重合可能な基は開裂し、これによって該加水分解性縮合物を架橋させることができる。加水分解性縮合物は架橋によって硬化する。活性エネルギー線としては、紫外線が好ましい。
上記活性エネルギー照射時に発生した熱により、導電性弾性部材の導電性弾性層が膨張し、その後冷却によって収縮した際、表面層がこの膨張・収縮に十分に追従しないと、シワやクラックが多い表面層になってしまう場合があるが、架橋反応に紫外線を用いた場合、短時間(15分以内)に加水分解性縮合物を架橋することができる上、熱の発生も少ないため、表面層のシワやクラックが発生しにくい。
また、帯電部材の置かれる環境が温湿度の変化が急激な環境である場合、その温湿度の変化による導電性弾性層の膨張・収縮に表面層が十分に追従しないと、表面層にシワやクラックが発生することがあるが、架橋反応を熱の発生が少ない紫外線によって行えば、導電性弾性層と表面層との密着性が高まり、導電性弾性層の膨張・収縮に表面層が十分に追従できるようになるため、環境の温湿度の変化による表面層のシワやクラックも抑制することができる。
また、架橋反応を紫外線によって行えば、熱履歴による導電性弾性層の劣化を抑制することができるため、導電性弾性層の電気的特性の低下を抑制することもできる。
紫外線の照射には、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、エキシマUVランプなどを用いることができ、これらのうち、紫外線の波長が150〜480nmの光を豊富に含む紫外線源が用いられる。
なお、紫外線の積算光量は、以下のように定義される。
紫外線積算光量[mJ/cm2]=紫外線強度[mW/cm2]×照射時間[s]
紫外線の積算光量の調節は、照射時間や、ランプ出力や、ランプと被照射体との距離などで行うことが可能である。また、照射時間内で積算光量に勾配をつけてもよい。
低圧水銀ランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−AやUVD−S254を用いて測定することができ、エキシマUVランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−AやVUV−S172を用いて測定することができる。
また、架橋反応の際、架橋効率向上の観点から、カチオン重合触媒(重合開始剤)を共存させておくことが好ましい。例えば、活性エネルギー線によって賦活化されるルイス酸のオニウム塩に対してエポキシ基は高い反応性を示すことから、上記のカチオン重合可能な基がエポキシ基である場合、カチオン重合触媒としては、ルイス酸のオニウム塩を用いることが好ましい。
その他のカチオン重合触媒としては、例えば、ボレート塩、イミド構造を有する化合物、トリアジン構造を有する化合物、アゾ化合物、過酸化物などが挙げられる。
各種カチオン重合触媒の中でも、感度、安定性および反応性の観点から、芳香族スルホニウム塩や芳香族ヨードニウム塩が好ましく、特には、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム塩や、下記式で示される構造を有する化合物(商品名:アデカオプトマ−SP150、旭電化工業(株)製)や、
Figure 0004865359
下記式で示される構造を有する化合物(商品名:イルガキュア261、チバスペシャルティーケミカルズ社製)
Figure 0004865359
が好ましい。
カチオン重合触媒の使用量は、加水分解性縮合物に対して1〜3質量%であることが好ましい。
続いて、帯電部材の表面層の静電容量(C)について説明する。
本発明の帯電部材の表面層の静電容量(C)は、5.0×10-9F以上1.0×10-6F以下が好ましい。
本発明において、帯電部材の表面層の静電容量は次のように測定した。
まず、測定対象の帯電部材を30℃/80%RH環境下に24時間放置した。次に、図2に示す構成の測定装置に帯電部材を装着し、印加電圧3V、測定周波数0.1Hz〜1MHzの条件で誘電率を測定した。測定の結果、例えば、図3に示すようなインピーダンス特性が得られる。
次に、図4に示すように前記帯電部材を導電性弾性層/表面層/表面層と円筒電極との界面におけるRC並列の等価回路を想定し、導電性弾性層の抵抗をR1、静電容量をC1とし、表面層の抵抗をR2、静電容量をC2とし、表面層と円筒電極との界面の抵抗をR3、静電容量をC3として、C2の値を算出した。
なお、図2中、401は帯電部材であり、402は円筒電極(金属ローラー)であり、403は誘電率測定システム(英国ソーラトロン社製1296型誘電率測定インターフェース、1260型インピダンスアナライザーを併用)である。
(2)トナー
トナーの円相当個数平均径を2〜8μm、好ましくは2〜6μmとすることが好ましく、良好な画像を得ることが出来る。特に円相当個数平均径を2〜5μmと小粒径化することにより画像の輪郭部分、特に文字画像やラインパターンの現像での再現性が良好なものとなる。しかし、従来より、トナー粒子を小粒径化すると必然的に微小粒径のトナーの存在率が高くなる為、トナーを均一に帯電させることが困難となり、画像カブリを生じるばかりか、トナー表面の劣化を受け易くなる為、耐久性や環境安定性に問題を生じやすいものであった。また、画像形成装置とのマッチングも十分ではなかった。
しかし、本発明のトナーは、円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、円相当径が10μmを超える粒子を0.02〜5個数%含有しており、該粗粒子の平均円形度を0.900〜0.990とすることにより、トナーの現像性や耐久性さらには環境安定性等に関わる問題を大幅に改善することが出来る。その理由としては、トナー中に特定の形状を有する粗粒子を存在させることにより、現像工程において、トナー担持体上にトナーの薄層を形成する際に、トナー層厚規制部材の規制力を通常よりも強くしても十分なトナーコート量を保ちながら、規制部材を強く押しつけることによるトナー表面の劣化を最小限とすることが可能となる。また、トナーの帯電量も通常より高くすることが可能となる為、現像性の低下が画像欠陥として表れやすい高温高湿下においても、画像飛び散りやドット再現性が改善され良好なものとなる。さらに、トナーの円相当個数平均径が2〜5μmと小粒径化しても、トナーの平均円形度を0.960〜0.995とした上で円相当径が10μmを超える粗粒子を0.02〜3個数%含有させ、該粗粒子の平均円形度を0.930〜0.975とすることにより現像性と転写性のバランスが良好となるばかりかトナーの帯電性が均一となる為、高解像・高精細な画像再現が可能となる。
円相当径が10μmを超える粗粒子の含有量が0.02個数%未満の場合、トナー表面の劣化が著しいものとなり上述の如き改善効果は期待できない。また、粗粒子の含有量が5個数%を超えると現像時に平均的な粒径を有する粒子と粗粒子の間に選択性を生じ、粗粒子が消費されずに蓄積し易くなる為、画質低下等の問題を生じやすくなる。また、この様な粗粒子は、平均的な粒子径のものと比較して機械的強度や熱特性を異にする場合が多く、画像形成装置とのマッチングにも問題を生じ易い。
前記粗粒子の平均円形度は0.900〜0.990でなければならない。平均円形度が0.900未満の場合、トナー表面の形状が不均一となり、トナー全体の帯電性に悪影響を生じたり、画像形成装置とのマッチングに問題を生じる。また、平均円形度が0.990を超えると粗粒子自身の劣化が促進され、画質低下等の問題を生じる。
前述の如き問題点はトナーの小粒径化と共に顕在化するので、トナーの円相当個数平均径が2〜5μmである場合には、トナー粗粉粒子の平均円形度は0.930〜0.975とすることが好ましい。
本発明におけるトナーの円相当径、円形度、及び、それらの頻度分布とは、トナーの形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明ではフロー式粒子像測定装置FPIA−1000型(東亜医用電子社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出した。
円相当径=(粒子投影面積/π)1/2 ×2
Figure 0004865359
ここで、「粒子投影面積」とは2値化されたトナー像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」は、該トナー像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。
本発明に於ける円形度はトナーの凹凸の度合いを示す指標であり、トナーが完全な球形の場合に1.00を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
本発明において、トナーの個数基準の粒径頻度分布の平均値を意味する円相当個数平均径D1は、粒度分布の分割点iでの粒径(中心値)をdi、頻度をfiとすると次式から算出される。
Figure 0004865359
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、頻度をfciとすると次式から算出される。
Figure 0004865359
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、さらに測定試料を0.02g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散UH−50型(エスエムテー社製)に振動子として5φのチタン合金チップを装着したものを用い、5分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。
トナーの形状測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー濃度が3000〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、トナーの円相当径と円形度の2元次頻度分布図(スキャッタグラム)を求める。
本発明のトナーに用いられる結着樹脂としては、一般的に用いられているスチレン−(メタ)アクリル共重合体,ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,スチレン−ブタジエン共重合体が挙げられる。重合法により直接トナー粒子を得る方法においては、それらを形成するための単量体が用いられる。具体的にはスチレン;o(m−,p−)−メチルスチレン,m(p−)−エチルスチレンの如きスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸プロピル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸ドデシル,(メタ)アクリル酸ステアリル,(メタ)アクリル酸ベヘニル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル,(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルの如き(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジエン,イソプレン,シクロヘキセン,(メタ)アクリロニトリル,アクリル酸アミドの如きエン系単量体が好ましく用いられる。これらは、単独、または、一般的には出版物ポリマーハンドブック第2版III−P139〜192(John Wiley&Sons社製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)が、40〜50℃を示すように単量体を適宜混合して用いられる。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合にはトナーの保存安定性や耐久安定性の面から問題が生じやすく、一方75℃を超える場合はトナーの定着点の上昇をもたらす。特にフルカラー画像を形成するためのカラートナーの場合においては各色トナーの定着時の混色性が低下し、色再現性に乏しく、さらにOHP画像の透明性が低下するため好ましくない。
結着樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される。コア−シェル構造を有するトナーの場合、具体的なGPCの測定方法としては、予めトナーをソックスレー抽出器を用いトルエン溶剤で20時間抽出を行った後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去せしめて抽出物を得、さらに低軟化点物質は溶解するが外殻樹脂は溶解しない有機溶剤(例えばクロロホルム等)を抽出物に加え十分洗浄を行った後、残留物をテトラヒドロフラン(THF)に溶解した溶液をポア径が0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルターでろ過したサンプル(THF溶液)をウォーターズ社製150Cを用いて測定する。カラム構成は昭和電工製A−801、802、803、804、805、806、807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定し得る。本発明に係る結着樹脂の主たるピーク分子量は5000〜100万、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、2〜100を示すものが本発明には好ましい。
本発明に用いられる着色剤は、以下に示すイエロー着色剤,マゼンタ着色剤及びシアン着色剤が挙げられ、黒色着色剤としてカーボンブラック,磁性体または以下に示すイエロー着色剤/マゼンタ着色剤/シアン着色剤を混合して黒色に調色されたものが利用される。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168、180等が好適に用いられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物,ジケトピロロピロール化合物,アンスラキノン,キナクリドン化合物,塩基染料レーキウ化合物,ナフトール化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合物,ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アンスラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15;1,15;2,15;3,15;4,60,62,66等が特に好適に利用できる。
これらの着色剤は、単独又は混合しさらには固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相,彩度,明度,耐候性,OHP透明性,トナー粒子中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂成分100質量部に対し1〜20質量部使用するのが好ましい。
黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、他の着色剤と異なり、樹脂100質量部に対し40〜150質量部使用するのが好ましい。
本発明に係るワックス成分としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックス等、天然ワックス及びそれらの誘導体等で、誘導体には酸化物や、ビニルモノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物も含み、また、高級脂肪族アルコール等のアルコール;ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸或いはその化合物;酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物ワックス、動物ワックス等、スチレンモノマーへの溶解温度が40〜80℃のものであればどこでも用いることが可能である。
これらの中でもポリオレフィン、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス、石油系ワックス、高級アルコール、もしくは、高級エステルである場合、現像性や転写性の改善効果がさらに高くなる。
上述したワックス成分は、結着樹脂100質量部に対して1〜30質量部使用するのが好ましい。
また、該ワックス成分には、トナーの帯電性に影響を与えない範囲で酸化防止剤が添加されていても良い。
本発明に係るワックス成分は、透過電子顕微鏡(TEM)を用いたトナーの断層面観察において、該ワックス成分が結着樹脂と相溶しない状態で、実質的に球状及び/又は紡錘形で島状に分散されている。
本発明においてトナー粒子の断層面を観察する具体的方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナー粒子を十分に分散させた後、40℃の雰囲気温度中で2日間硬化させ、得られた硬化物を四三酸化ルテニウム、必要により四三酸化オスミウムを併用し染色を施した後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出し透過電子顕微鏡(TEM)を用いトナー粒子の断層形態を測定する。本発明においては、用いるワックス成分と外殻を構成する樹脂との若干の結晶化度の違いを利用して材料間のコントラストを付けるため四三酸化ルテニウム染色法を用いることが好ましい。代表的な一例を図5に示す。後記の実施例で得られたトナー粒子は、ワックス成分が外殻樹脂で内包化されていることが観測された。
本発明に用いられる荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが帯電スピードが速く、且つ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナー粒子を直接重合法を用いる場合には、重合阻害性が無く水系分散媒体への可溶化物の無い荷電制御剤が特に好ましい。具体的化合物としては、ネガ系荷電制御剤としてサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如き芳香族カルボン酸の金属化合物;スルホン酸又はカルボン酸基を側鎖に持つ高分子型化合物;ホウ素化合物;尿素化合物;ケイ素化合物;カリークスアレーン等が挙げられる。ポジ系荷電制御剤として、四級アンモニウム塩;該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物等が挙げられる。該荷電制御剤は樹脂100質量部に対し0.5〜10質量部使用することが好ましい。しかしながら、本発明において荷電制御剤の添加は必須ではなく、二成分現像方法を用いた場合においては、キャリヤーとの摩擦帯電を利用し、非磁性一成分ブレードコーティング現像方法を用いた場合においては、ブレード部材やスリーブ部材との摩擦帯電を積極的に利用することでトナー粒子中に必ずしも荷電制御剤を含む必要はない。
本発明のトナーに無機微粉体を添加することは、現像性、転写性、帯電安定性、流動性、及び、耐久性向上の為に好ましい実施形態である。該無機微粉体としては公知のものが使用可能であるが、特にシリカ,アルミナ,チタニアあるいはその複酸化物の中から選ばれることが好ましい。さらには、シリカであることがより好ましい。例えば、かかるシリカは硅素ハロゲン化物やアルコキシドの蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ及びアルコキシド,水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O,SO3 2-等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム,塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物を硅素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含する。
本発明に用いられる無機微粉体はBET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、特に50〜400m2/gの範囲のものが良好な結果を与え、トナー100質量部に対してシリカ微粉体0.1〜8質量部、好ましくは0.5〜5質量部、さらに好ましくは1.0を超えて3.0質量部まで使用するのが特に良い。
また、本発明に用いられる無機微粉体は、必要に応じ、疎水化,帯電性制御等の目的でシリコーンワニス,各種変性シリコーンワニス,シリコーンオイル,各種変性シリコーンオイル,シランカップリング剤,官能基を有するシランカップリング剤,その他有機硅素化合物,有機チタン化合物等の処理剤で、あるいは、種々の処理剤で併用して処理されていることも可能であり好ましい。
比表面積はBET法に従って、比表面積測定装置オートソープ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出した。
高い帯電量を維持し、低消費量及び高転写率を達成するためには、無機微粉体は少なくともシリコーンオイルで処理されることがさらに好ましい。
本発明のトナーにおいては、実質的な悪影響を与えない範囲内でさらに他の添加剤、例えばポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤;例えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末などの流動性付与剤;ケーキング防止剤、あるいは例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末等の導電性付与剤、また、逆極性の有機微粒子及び無機微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
本発明のトナーを製造する方法としては、樹脂、低軟化点物質からなる離型剤、着色剤、荷電制御剤等を加圧ニーダーやエクストルーダー又はメディア分散機を用い均一に分散せしめた後、機械的又はジェット気流下でターゲットに衝突させ、所望のトナー粒径に微粉砕化せしめた後、(必要により、トナー粒子の平滑化及び球形化の工程を付加)、さらに分級工程を経て粒度分布をシャープにせしめトナーにする粉砕法によるトナーの製造方法の他に、特公昭56−13945号公報等に記載のディスク又は多流体ノズルを用い溶融混合物を空気中に霧化し球状トナーを得る方法や、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合方法を用いて直接トナーを生成する方法や、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナーを生成する分散重合方法又は水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナーを生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合方法等を用いトナーを製造することが可能である。
粉砕法を用いてトナーを製造する方法においては、トナーの形状を所望の円形度頻度分布の範囲に納めることが困難であり、溶融スプレー法においては、ある程度の円形度を得ることが出来るが、得られるトナーの粒度分布が広くなり易い傾向があると共に、トナーの表面状態をコントロールすることが困難である。他方、分散重合法においては、得られるトナーは極めてシャープな粒度分布を示すが、使用する材料の選択が狭いことや有機溶剤の利用が廃溶剤の処理や溶剤の引火性に関する観点から製造装置が複雑で煩雑化しやすい。ソープフリー重合に代表される乳化重合方法は、トナーの粒度分布が比較的揃うため有効であるが、使用した乳化剤や重合開始剤末端がトナー粒子表面に存在した時に環境特性を悪化させやすい。
本発明においては、トナーの円形度頻度分布のコントロールが可能であり、比較的容易に小粒径化トナーが得られる常圧下、又は、加圧下での乳化剤重合法又は懸濁重合方法を用い、予め得られた重合体にメディアを用い定形化したり、直接加圧衝突板に重合体を衝突せしめる方法や、さらには得られた重合体を水系中にて凍結せしめたり、塩折や反対表面電荷を有する粒子をpH等の条件を考慮することで合体し、凝集、合一せしめる凝集方法が特に好ましい。さらに、一旦得られた重合粒子にさらに単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめるシード重合方法も本発明に好適に利用することができる。
トナーの製造方法として直接重合方法を利用する場合、トナーの円形度頻度分布や粒度分布の制御は、難水溶性の無機塩や保護コロイド作用をする分散剤の種類や添加量を変える方法や機械的装置条件(例えばローターの周速、バス回数、撹拌羽根形状等の撹拌条件や容器形状)又は、水溶液中での固形分濃度等を制御することにより所定のトナー粒子を得ることができる。
直接重合法によりトナーを製造する際、用いられる重合開始剤として例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドの如き過酸化物系重合開始剤が用いられる。該重合開始剤の使用量は、目的とする重合度により変化するが一般的には重合性単量体に対し0.5〜20重量%用いられる。重合開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、十時間半減期温度を参考に、単独又は混合して使用される。
重合度を制御するため公知の架橋剤、連鎖移動剤、重合禁止剤等をさらに添加して用いても良い。
トナーの製法として分散安定剤を用いた懸濁重合法を利用する場合、用いる分散安定剤としては、無機化合物として、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等が挙げられる。有機化合物としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプン等が挙げられる。これらを水相に分散させて使用できる。これら分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜20質量部を使用することが好ましい。
分散安定剤として、無機化合物を用いる場合、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい粒子を得るために、分散媒体中にて該無機化合物の微粒子を生成しても良い。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合すると良い。
これら分散安定剤の微細な分散の為に、0.001〜0.1質量部の界面活性剤を併用してもよい。これは上記分散安定剤の所期の作用を促進するためのものであり、例えば、ドデドシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
本発明で使用するトナーの製造方法として直接重合法を用いる場合においては、以下の如き製造方法が可能である。
重合性単量体中に、低軟化点物質からなるワックス成分、着色剤、荷電制御剤、重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー、超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する水相中に通常の撹拌機またはホモミキサー、ホモジナイザー等により分散せしめる。好ましくは単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度、撹拌時間を調整し、造粒する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行うのが良い。重合反応後半に昇温しても良く、さらに、本発明に於ける画像形成方法における耐久性向上の目的で、未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を反応系から留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・濾過により回収し、乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体組成物100質量部に対して水300〜3000質量部を分散媒体として使用するのが好ましい。
一方、トナーの形状分布を所望のものとする為に、回転ブレードを用いる衝撃式粉体処理装置によりトナー粒子の形状や表面に処理を加えることは本発明の好ましい実施形態の一つである。
回転ブレードを用いる衝撃式粉体処理装置としてはY.Takayama,Y.Kikuchi and K.Ono:ZAIRYO GIJUTSU Vol.8,No.8,10,(1990)に記載されている粉体処理装置や奈良機械社製ハイブリダイゼーションシステムやターボ工業社製衝撃式微粉砕機等の公知の製造装置を用いることが出来るが、トナー粒子に均一な処理を施し、所望の形状分布に精密にコントロールし、尚且つ、高い生産性を達成する為には図6〜8に示した粉体処理装置を用いることが好ましい。
本発明に好適な回転ブレードを用いた衝撃式粉体処理装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図6は、本発明に好適な粉体処理装置Aを組み込んだ粉体形状処理装置システムの一例であり、図7は該粉体処理装置Aの部分的断面図、図8は回転ロータを4段有する回転駆動軸の斜視図である。
図7に示す粉体処理装置Aは、円筒状ケーシング51内には第1〜第4の円筒状処理室79a〜79dが連結して設けられており、それぞれ10枚のブレードを有する回転ロータ52a〜52dが回転駆動軸53に固定された状態で内包されている。回転駆動軸53は軸受け61と62により支持され、下方の端部にあるプーリー54に掛けられたベルトによって電動モーター84の回転が伝達され、矢印の方向に高速回転する。
図6に示す定量供給装置66内のトナー粒子は、振動フィーダ65を経由し、ホッパー82と粉体供給管81を通って第1の円筒状処理室79aの前方壁83の中央部に設けられている粉体供給口80から空気と共に第1の円筒状処理室79aに吸引プロア74の吸引力により導入される。第1の円筒状処理室79aに導入されたトナー粒子は、10枚のブレードを有する回転ロータ52aの回転に伴って発生する中心方向から側壁57aへの気流によって第1の円筒状処理室の側壁57aに衝突し、第1の円筒状処理室79aの空間内を対流しながら表面処理を受け、逐次、側壁57aとブレード59aとの間隙を通り、回転ロータ52aの背面と第1の後方壁58a(ガイド板又は第2の前方壁ともいう)との間隙を通り、第1の後方壁58aの中央部に設けられた第1の粉体排出口60aから排出される。処理装置Aにおいて、第1の粉体排出口60aは第2の円筒状処理室79bの粉体供給口を兼ねており、トナー粒子は第1の粉体排出口60aを経由して第2の円筒状処理室79bの中央部に導入される。第2の円筒状処理室79bにおいて、第1の円筒状処理室79aで表面処理されたトナー粒子は、第1の円筒状処理室79aと同様にして、10枚のブレードを有する回転ロータ52bの回転によりさらに表面処理される。さらに、第2の円筒状処理室79bで表面処理されたトナー粒子は、引き続き第3の円筒状処理室79cと第4の円筒状処理室79dで表面処理される。
第4の円筒状処理室79dで表面処理されたトナー粒子は、ガイド板58dの中央部に設けられた第4の粉体排出口60dを通り、円筒状ケーシング51の接線方向に設けられた排出管63の排出口63aを経由し、連結管67を通って、サイクロン70に貯留される。サイクロン70に貯留された表面処理されたトナー粒子は、バルブ71から適宜取り出される。
トナーの形状分布は、前記粉体処理装置の円筒状処理室の形状や回転ロータに固定されたブレードの形状や枚数や固定位置、回転ロータの回転数の他に円筒状処理室内でのトナー粒子の滞留時間、粒子濃度、処理時の雰囲気温度等により適宜調整することが可能である。
(3)プロセスカートリッジ及び電子写真装置
図9に、本発明の帯電部材を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図9において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体としては、支持体および支持体上に形成された無機感光層もしくは有機感光層を有するものが一般的である。また、電子写真感光体は表面層として電荷注入層を有するものであってもよい。
回転駆動される電子写真感光体1の表面は、本発明の帯電部材3(図9においてはローラー形状の帯電部材)により、正または負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
帯電部材3による電子写真感光体1の表面の帯電の際、帯電部材3には、電圧印加手段(不図示)から直流電圧のみの電圧あるいは直流電圧に交流電圧を重畳した電圧が印加される。後述の実施例においては、帯電部材には直流電圧のみの電圧(−1200V)を印加した。また、後述の実施例において、暗部電位は−600V、明部電位は−350Vとした。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像(反転現像もしくは正規現像)されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送された転写材(紙など)Pに順次転写されていく。
現像手段としては、例えば、ジャンピング現像手段、接触現像手段および磁気ブラシ手段などが挙げられるが、トナーの飛散性改善の観点から、接触現像手段が好ましく、後述の実施例においては、接触現像手段を採用した。
また、転写ローラーとしては、支持体上に中抵抗に調整された弾性樹脂層を被覆してなるものが例示される。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。両面画像形成モードや多重画像形成モードの場合、この画像形成物は、不図示の再循環搬送機機構に導入されて転写部へ再導入される。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段が接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上述の電子写真感光体1、帯電部材3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図9では、電子写真感光体1、帯電部材3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
まず、帯電部材製造例について記載する。
〈帯電部材製造例1〉
エピクロルヒドリンゴム(商品名:エピクロマーCG102、ダイソー(株)製)100部、充填剤としてのMTカーボン(商品名:HTC#20、新日化カーボン(株)製)35部、ベントナイト(商品名:ベンゲルSH、ホージュン(株)製)5部、酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を、オープンロールで30分間混練した。この30分間混練したものに、加硫促進剤としてのジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(商品名:ノクセラーDM−P、大内新興化学(株)製)1部、加硫促進剤としてのテトラメチルチウラムモノスルフィド(商品名:ノクセラーTS、大内新興化学(株)製)1部および加硫剤としてのイオウ1.2部を加え、オープンロールでさらに15分間混練することによって、混練物Iを得た。
次に、混練物Iを、ゴム押し出し機で、外径9.5mm、内径5.4mmの円筒形に押し出し、250mmの長さに裁断し、加硫缶で160℃の水蒸気で30分間1次加硫することによって、導電性弾性層用1次加硫チューブIを得た。
一方、直径6mm、長さ256mmの円柱形の鋼製の支持体(表面をニッケルメッキ加工したもの)の円柱面軸方向中央を挟んで両側115.5mmまでの領域(あわせて軸方向幅231mmの領域)に、金属およびゴムを含む熱硬化性接着剤(商品名:メタロックU−20、(株)東洋化学研究所製)を塗布し、これを30分間80℃で乾燥させた後、さらに1時間120℃で乾燥させた。
この円柱面に熱硬化性接着剤を塗布し乾燥させた支持体を、導電性弾性層用1次加硫チューブIの中に挿入し、その後、導電性弾性層用1次加硫チューブIを1時間160℃で加熱した。この加熱によって、導電性弾性層用1次加硫チューブIが2次加硫され、また、熱硬化性接着剤が硬化した。このようにして、表面研磨前の導電性弾性ローラーIを得た。
次に、表面研磨前の導電性弾性ローラーIの導電性弾性層部分(ゴム部分)の両端を切断し、導電性弾性層部分の軸方向幅を231mmとした後、導電性弾性層部分の表面を回転砥石で研磨することによって、端部直径8.2mm、中央部直径8.5mmのクラウン形状で、表面の十点平均粗さ(Rz)が4.9μmで、振れが22μmの導電性弾性ローラー(表面研磨後の導電性弾性ローラー)Iを得た。
十点平均粗さ(Rz)はJISB6101に準拠して測定した。
振れの測定は、ミツトヨ(株)製高精度レーザー測定機LSM−430vを用いて行った。詳しくは、該測定機を用いて外径を測定し、最大外径値と最小外径値の差を外径差振れとし、この測定を5点で行い、5点の外径差振れの平均値を被測定物の振れとした。
得られた導電性弾性ローラー(表面研磨後の導電性弾性ローラー)Iの硬度は74度(アスカーC)であった。
次に、加水分解性シラン化合物としてのグリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)27.84g(0.1mol)、メチルトリエトキシシラン(MTES)17.83g(0.1mol)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数6)7.68g(0.0151mol(加水分解性シラン化合物総量に対して7mol%相当))と、水17.43gおよびエタノール37.88gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物Iを得た。
この縮合物Iを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液Iを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液I100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を、縮合物含有アルコール溶液Iに添加することによって、表面層用塗布液Iを調製した。
次に、導電性弾性ローラー(表面研磨後の導電性弾性ローラー)Iの導電性弾性層上に表面層用塗布液Iをリング塗布し、これに254nmの波長の紫外線を積算光量が9000mJ/cm2になるように照射し、表面層用塗布液Iを硬化(架橋反応による硬化)および乾燥させることによって表面層を形成した。紫外線の照射には、ハリソン東芝ライティング(株)製の低圧水銀ランプを用いた。
紫外線の照射によってグリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ基が開裂し、縮合物Iの架橋反応が生じたと考えられる。
以上のようにして、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層、および、該導電性弾性層上に形成された表面層(表面層用塗布液Iを用いて形成したポリシロキサンを含有する層)を有する帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを、帯電ローラーIとする。帯電ローラーIの表面層の静電容量(C)は1.43×10-8Fであった。その他物性を表2に示す。
・帯電ローラーの表面層の組成分析
帯電ローラーIの表面層の組成分析を以下のとおりにして行った。
10〜1000倍の光学顕微鏡下、光学顕微鏡に設置した3次元粗微動マイクロマニピュレーター((株)ナリシゲ製)を用い、上記と同様にして作製した帯電ローラーIの表面層から1mg程度の試料を採取した。
採取した試料を、TG−MS法(TG装置にMS装置を直結)により、加熱時に発生する気体の質量数ごとの濃度変化を、重量変化と同時に、温度の関数として追跡した。測定の条件を表1に示す。
Figure 0004865359
上記条件で測定して得られたTG−DTG(Derivative thrmogravimetry)曲線によると、室温付近から質量減少が認められ、また、400〜500℃付近および500〜650℃付近から、2段階の顕著な質量減少が認められた。
ここで、400℃〜500℃で発生する気体について、質量数(m/z)31、43、58、59のオキシアルキレン基(グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ基由来)が確認でき、その重量減少率から、ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して38.20質量%であることがわかった。
また、500℃〜600℃で発生する気体について、質量数(m/z)51、69、119、131のフッ化アルキル基(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシランのフッ化アルキル基由来)が確認でき、その質量減少率から、ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して18.36質量%であることがわかった。
残渣はポリシロキサン中のシロキサン部分であると考えられ、よってポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して100.00−(37.36+19.20)=43.44質量%である。
組成分析結果を表3に示す。
〈帯電部材製造例2〉
表面層用塗布液Iから、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシランを除いた以外は、帯電部材製造例1と同様に帯電部材を作製した。
作製した帯電ローラーの物性を表2及び組成分析結果を表3に示す。
〈帯電部材製造例3〉
表面層用塗布液Iを以下の表面層用塗布液IIに変更した以外は、実施例1と同様にして、帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを帯電ローラーIIとする。
表面層用塗布液IIは以下のようにして調製した。
すなわち、加水分解性シラン化合物としてのグリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)27.84g(0.1mol)、メチルトリエトキシシラン(MTES)17.83g(0.1mol)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数10)3.34g(0.0047mol(加水分解性シラン化合物総量に対して2.3mol%相当))と、水16.6gおよびエタノール31.7gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物IIを得た。
この縮合物IIを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液IIを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液II100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を、縮合物含有アルコール溶液IIに添加することによって、表面層用塗布液IIを調製した。
作製した帯電ローラーIIの物性を表2及び表3に示す。
〈帯電部材製造例4〉
帯電部材製造例1において、表面層用塗布液Iを以下の表面層用塗布液IIIに変更した以外は、実施例1と同様にして、帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを帯電ローラーIIIとする。
表面層用塗布液IIIは以下のようにして調製した。
すなわち、加水分解性シラン化合物としてのグリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)27.84g(0.1mol)、フェニルトリエトキシシラン(PhTES)24.04g(0.1mol)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数6)7.68g(0.0151mol(加水分解性シラン化合物総量に対して7mol%相当))と、水17.43gおよびエタノール53.82gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物IIIを得た。
この縮合物IIIを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液IIIを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液III100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を、縮合物含有アルコール溶液IIIに添加することによって、表面層用塗布液IIIを調製した。
作製した帯電ローラーの物性を表2及び組成分析結果を表3に示す。
なお、400℃〜500℃で発生する気体については、質量数(m/z)78のベンゼンや質量数(m/z)91(トルエン)などのフェニル基も確認でき、これから上記フェニル基に関しての質量%を算出した。
〈帯電部材製造例5〉
帯電部材製造例1において、表面層用塗布液Iを以下の表面層用塗布液IVに変更した以外は、実施例1と同様にして、帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを帯電ローラーIVとする。
表面層用塗布液IVは以下のようにして調製した。
すなわち、加水分解性シラン化合物としてのグリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)41.43g(0.149mol)、ヘキシルトリメトキシシラン(HeTMS)30.71g(0.149mol)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数6)11.42g(0.0224mol(加水分解性シラン化合物総量に対して7mol%相当))と、水25.93gおよびエタノール83.14gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物IVを得た。
この縮合物IVを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液IVを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液IV100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を、縮合物含有アルコール溶液IVに添加することによって、表面層用塗布液IVを調製した。
作製した帯電ローラーの物性を表2及び組成分析結果を表3に示す。
なお、400℃〜500℃で発生する気体については、質量数(m/z)16、41などのアルキル基も確認でき、これから上記アルキル基に関しての質量%を算出した。
〈帯電部材製造例6〉
帯電部材製造例1において、表面層用塗布液Iを以下の表面層用塗布液Vに変更した以外は、実施例1と同様にして、帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを帯電ローラーVとする。
表面層用塗布液Vは以下のようにして調製した。
すなわち、加水分解性シラン化合物としてのグリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)32.52g(0.117mol)、フェニルトリエトキシシラン(PhTES)28.08g(0.117mol)、ヘキシルトリメトキシシラン(HeTMS)13.21g(0.064mol)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数6)11.42g(0.022mol(加水分解性シラン化合物総量に対して7mol%相当))と、水25.93gおよびエタノール77.12gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物Vを得た。
この縮合物Vを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液Vを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液V100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を、縮合物含有アルコール溶液Vに添加することによって、表面層用塗布液Vを調製した。
作製した帯電ローラーの物性を表2及び組成分析結果を表3に示す。
〈帯電部材比較製造例1〉
エラストマー用ポリエステルポリオール(商品名:ニッポラン4042(水酸基価56KOHmg/g)、日本ポリウレタン工業(株)製)100部および導電性カーボン(商品名:トーカブラック#3845、東海カーボン(株)製)1部を、3本ロールで混練することによって、混練物CIを得た。
次に、混練物CIを100℃に昇温させ、3mmHgの減圧下で3時間脱水処理を行った。
次に、脱水処理後の混練物CIに、NCO/OH比が1.05となるように2,6−トリレンジイソシアナート(商品名:コスモネートT−80、三井化学(株)製)19.1gを加え、これらを2〜3分間激しく混合することによって、導電性弾性層用組成物を得た。
この導電性弾性層用組成物を、あらかじめ150℃に昇温させておいた金型(内型は実施例1で用いた支持体と同様の支持体)に流し込み、60分間放置することによって、導電性弾性層用組成物を硬化させ、その後、脱型して、さらに24時間110℃で導電性弾性層用組成物を硬化させた。このようにして、導電性弾性ローラーCIを得た。
次に、ウレタン樹脂(商品名:レザミンME44−ELP、大日精化工業(株)製)100部、フッ素系改質剤(商品名:ダイアロマーFF−101(D)、大日精化工業(株)製)1.3部およびレベリング樹脂(商品名:GS−30、東亞合成(株)製)0.05部を、メチルエチルケトン177部/ジメチルホルムアミド98部の混合溶剤に溶解させることによって、表面層用塗布液CIを調製した。
この表面層用塗布液CIを導電性弾性ローラーCIの導電性弾性層上に浸漬塗布し、30分間100℃で乾燥させることによって、層厚が15μmの表面層を形成した。
このようにして、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層および該導電性弾性層上に形成された表面層を有する帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを、帯電ローラーCIとする。
作製した帯電ローラーの物性を表2及び組成分析結果を表3に示す。
〈帯電部材比較製造例2〉
混練物Iを以下の混練物CIIに変更した以外は、帯電部材製造例1と同様にして導電性弾性ローラー(表面研磨後の導電性弾性ローラー)CIIを得た。
混練物CIIは以下のようにして得た。
すなわち、エピクロルヒドリンゴム(商品名:エピクロマーCG102、ダイソー(株)製)100部、充填剤としてのMTカーボン(商品名:HTC#20、新日化カーボン(株)製)5部、酸化亜鉛5部、ステアリン酸1部、可塑剤としてのアジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)(商品名:DOA、(株)ジェイ・プラス製)5部およびイオン導電剤としての過塩素酸第四級アンモニウム塩1部を、オープンロールで30分間混練した。この30分間混練したものに、加硫促進剤としてのジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(商品名:ノクセラーDM−P、大内新興化学(株)製)1部、加硫促進剤としてのテトラメチルチウラムモノスルフィド(商品名:ノクセラーTS、大内新興化学(株)製)1.0部および加硫剤としてのイオウ1.2部を加え、オープンロールでさらに15分間混練することによって、混練物CIIを得た。
得られた導電性弾性ローラー(表面研磨後の導電性弾性ローラー)CIIの表面の十点平均粗さ(Rz)は5.6μmであり、振れは28μmであり、硬度は70度(アスカーC)であった。
次に、ラクトン変性アクリルポリオール(商品名:プラクセルDC2016(水酸基価80KOHmg/g)、ダイセル化学工業(株)製)42.9部を、メチルイソブチルケトン(MIBK)557.1部に溶解させ、固形分5.0質量%の溶液とした。この溶液200部に、イソホロンジイソシアネートのブロックタイプのイソシアヌレート型3量体(IPDI)(商品名:ベスタナートB1370、デグサ・ヒュルス社製)10.7部を混合し、これらをボールミルで1時間撹拌し、攪拌後、200メッシュの網で溶液を濾過することによって、表面層用塗布液CIIを調製した。
次に、導電性弾性ローラー(表面研磨後の導電性弾性ローラー)CIIの導電性弾性層上に表面層用塗布液CIIをリング塗布し、これをオーブンで1時間160℃で加熱し、表面層用塗布液CIIを硬化(熱硬化)および乾燥させることによって表面層を形成した。このようにして、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層および該導電性弾性層上に形成された表面層を有する帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを、帯電ローラーCIIとする。
作製した帯電ローラーの物性を表2及び組成分析結果を表3に示す。
〈帯電部材比較製造例3〉
表面層用塗布液Iを以下の表面層用塗布液CIVに変更した以外は、帯電部材製造例1と同様にして、帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを帯電ローラーCIVとする。
表面層用塗布液CIVは以下のようにして調製した。
すなわち、加水分解性シラン化合物としてのフェニルトリエトキシシラン(PhTES)56.16g(0.234mol)、ヘキシルトリメトキシシラン(HeTMS)13.21g(0.064mol)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数6)11.42g(0.022mol(加水分解性シラン化合物総量に対して7mol%相当))と、水25.93gおよびエタノール61.50gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物CIVを得た。
この縮合物CIVを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液CIVを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液CIV100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を、縮合物含有アルコール溶液CIVに添加することによって、表面層用塗布液CIVを調製した。
作製した帯電ローラーの物性を表2及び組成分析結果を表3に示す。
Figure 0004865359
Figure 0004865359
続いて、本発明のトナー製造例、並びに、比較製造例について述べる。
〈トナー製造例1〉
高速撹拌装置TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を備えた2リットル用4つ口フラスコ中にイオン交換水650gと0.1mol/l−Na3PO4水溶液500gを投入し、回転数を13000rpmに調整し、70℃に加温せしめた。ここに1mol/l−CaCl2水溶液70部を徐々に添加し、微小な難水溶性分散安定剤Ca3(PO42を含む水系分散媒体を調製した。
一方、分散質として、
・スチレン 78部
・2−エチルヘキシルアクリレート 22部
・ジビニルベンゼン 0.2部
・カーボンブラック(BET比表面積=125m2 /g) 5部
・ポリエステル樹脂(ピーク分子量=8100、Tg=65℃) 3部
・負荷電性制御剤(サリチル酸系鉄錯体) 2部
・エステルワックス(融点=69℃) 4部
上記混合物をアトライター(三井金属社製)を用い4時間分散させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5質量部を添加し重合性単量体組成物を調製した。
次に、前記水系分散媒体中に該重合性単量体組成物を投入し、内温70℃のN2雰囲気下で、高速撹拌器の回転数を13000rpmに維持しつつ、15分間撹拌し、該重合性単量体組成物を造粒した。その後、撹拌器をプロペラ撹拌羽根に換え55rpmで撹拌しながら同温度で12時間保持して重合を完了した。
重合終了後、懸濁液を冷却し、次いで希塩酸を添加し分散安定剤を除去せしめた。さらに水洗浄を数回繰り返し、乾燥を行った後、図8に示した10枚のブレードを有する回転ロータが4段設けられている粉体処理装置システムを用いて重合体粒子の表面処理を行った。この時、該粉体処理装置システムの回転ロータの回転数は7900rpm(最外縁部の周速:100m/sec)、重合体粒子の処理量は10kg/hrで、処理時の雰囲気温度を35℃とした。
得られた重合体粒子(A)は、円相当個数平均径が4.93μmであり、平均円形度が0.990で、円相当径が10μmを超える粗粒子の含有量は1.65個数%であり、該粗粒子の平均円形度は0.964で、GPCによるピーク分子量が1.6万、Mw/Mnが35を呈するものであった。
上記重合体粒子(A)100部と疎水性オイル処理シリカ微粉体(BET;300m2/g)2質量部をヘンシェルミキサーで乾式混合して、本発明のトナー(A)を調製した。
得られたトナー(A)は、重合体粒子(A)と同等の粒度分布と形状分布を保持していた。
〈トナー製造例2〜4〉
水系分散媒体の調製条件と粉体処理装置システムの回転ロータの回転数と重合体粒子の処理量、さらには、処理時の雰囲気温度を調整することにより重合体粒子の粒子径と形状をコントロールした以外は、前記のトナーの製造例1と同様にして重合体粒子(B)〜(D)を得た後、トナー(B)〜(D)を調製した。
〈トナー比較製造例1〉
・スチレン−2−エチルヘキシルアクリレート−ジビニルベンゼン3元共重合体
(ピーク分子量=1.9万、Mw/Mn=39、Tg=50℃) 100部
・トナーの製造例1で用いたカーボンブラック 5部
・トナーの製造例1で用いたポリエステル樹脂 3部
・トナーの製造例1で用いた負荷電性制御剤 2部
・トナーの製造例1で用いたエステルワックス 7部
上記混合物を二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた微粉砕物と市販のリン酸カルシウム微粉体とをヘンシェルミキサーで混合後、得られた混合粉体を水が入っている容器へ投入し、さらにホモミキサーを用い水中に分散させ水温を徐々に昇温させ温度60℃で3時間加熱処理せしめた。その後希塩酸を容器に添加し、微粉砕物粒子表面のリン酸カルシウムを十分溶解した。これを濾別後に洗浄、乾燥せしめ、次いで400メッシュの篩いを通して凝集物を除いた後、分級して分級粉(a)とした。該分級粉(a)を用い前記実施例1と同様にして比較用トナー(a)を調製した。
〈トナーの比較製造例2〉
微粉砕と前記粉体処理システムの条件を変えることにより分級粉の粒子径と形状をコントロールした以外は、前記のトナーの比較製造例1と同様にして分級粉(b)を得た後、比較用トナー(b)を調製した。
〈トナーの製造例5〉
エステルワックスの代わりに変性ポリプロピレンワックス(融点=105℃)を用いると共に造粒時の撹拌条件や粉体処理装置システムの処理条件を調整した以外は、前記のトナーの製造例1と同様にして重合体粒子(E)を得た後、トナー(E)を調製した。
〈トナーの比較製造例3〉
粉体処理装置システムを用いないことを除いては、前記のトナーの製造例5と同様にして重合体粒子(c)を得た後、それをそのまま、比較用トナー(c)とした。
上記で得られたトナー(A)〜(E)、及び、比較用トナー(a)〜(c)の諸性状を表4に示す。
Figure 0004865359
〔実施例1〕
●評価1
製造例1の帯電ローラーIを用いて、以下に示すブリードアウト試験および評価を行った。
まず、作製した帯電ローラーIと電子写真感光体とを、これらを一体に支持するプロセスカートリッジに組み込み、このプロセスカートリッジを、40℃/95%RHの高温高湿槽に1週間放置した。
なお、帯電ローラーIとともにプロセスカートリッジに組み込んだ電子写真感光体は、支持体上に層厚14μmの有機感光層を形成してなる有機電子写真感光体である。また、この有機感光層は、支持体側から電荷発生層と変性ポリカーボネート(結着樹脂)を含有する電荷輸送層とを積層してなる積層型感光層であり、この電荷輸送層は電子写真感光体の表面層となっている。
1週間放置の後、プロセスカートリッジから帯電ローラーIおよび電子写真感光体を取り出し、帯電ローラーIと電子写真感光体の当接部を光学顕微鏡で観察し、帯電ローラーIからブリードアウトしたもの(ブリード物)が当接部に付着しているか否かを確認した。
評価基準は以下のとおりである。
A:ブリード物が付着していない。
C:ブリード物が付着している。
●評価2
上記と同様にして作製した帯電ローラーIを用いて、以下に示す出力画像評価を行った。
作製した帯電ローラーIと電子写真感光体とを、これらを一体に支持するプロセスカートリッジに組み込み、このプロセスカートリッジをA4紙縦出力用のレーザービームプリンターに装着した。このレーザービームプリンターの現像方式は反転現像方式であり、転写材の出力スピードは47mm/sであり、画像解像度は600dpiである。
なお、帯電ローラーIとともにプロセスカートリッジに組み込んだ電子写真感光体は、上記と同様のものである。トナーはトナー(A)を使用した。
画像出力は、30℃/80%RH(H/H)環境下、で行い、A4紙にハーフトーン画像(電子写真感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像)を形成し、これを47mm/sのプロセススピードで10000枚出力した。
出力画像の評価は、2500枚ごとに出力画像を目視することによって行った。
評価基準は以下のとおりである。
AA:帯電ローラーの表面にトナーや外添剤が固着することによる帯電ムラが出力画像
上確認できないもの。
A :帯電ローラーの表面にトナーや外添剤が固着することによる帯電ムラが出力画像
上ほとんど確認できないもの。
B :帯電ローラーの表面にトナーや外添剤が固着することによる帯電ムラが出力画像
上確認できるもの。
C :帯電ローラーの表面にトナーや外添剤が固着することによる帯電ムラが出力画像
上確認でき、その帯電ムラの程度が大きいもの。具体的には、白い縦スジ状の帯
電ムラ。
以上の評価結果を表5に示す。
〔実施例2〜10及び比較例1〜8〕
実施例1と同様に評価を行った。用いた帯電部材とトナーについては、表5に示している。また、評価1に関しては、帯電部材が重複するものは、行っていない。
Figure 0004865359
以上のとおり、本発明によれば、長期間の繰り返し使用によってもトナーやトナーに用いられる外添剤などが帯電部材表面に固着しにくく、よってDC接触帯電方式に用いても、長期間安定した帯電および画像出力が可能なプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
本発明の帯電部材の構成の一例を示す図である。 静電容量を測定するための測定装置の構成を示す図である。 インピーダンス特性を示す図である。 導電性弾性層/導電性弾性層と表面層との界面/表面層におけるRC並列の等価回路の想定図である。 ワックス成分の内包化しているトナー粒子の断面の一例を示す模式図である。 本発明に好適な粉体処理装置システムの概略的外観図である。 本発明に好適な粉体処理装置の要部の部分的断面図である。 本発明に好適な粉体処理装置の回転ロータの斜視図である。 本発明の帯電部材を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
符号の説明
101 支持体
102 導電性弾性層
103 表面層
401 帯電部材
402 円筒電極
403 誘電率測定システム
R1 導電性弾性層の抵抗
C1 導電性弾性層の静電容量
R2 界面の抵抗
C2 界面の静電容量
R3 表面層の抵抗
C3 静電容量
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電部材
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材

Claims (9)

  1. 感光体と、該感光体の帯電手段と、該感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像手段とを一体に支持し、画像形成装置から着脱自在に構成されているプロセスカートリッジにおいて、
    前記帯電手段は、帯電部材を有しており、
    該帯電部材は、導電性支持体、該導電性支持体の上に形成された導電性弾性層、及び該導電性弾性層の上に形成された表面層を有し、該表面層は、オキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有し、
    前記ポリシロキサンは、さらにフッ化アルキル基を有し、
    該トナーは、結着樹脂、着色剤及びワックス成分を含有するトナー粒子と無機微粉体とを含有し、
    該トナー粒子は、フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、円相当個数平均径D1が2〜8μm、平均円形度が0.960〜0.995であり、該円相当個数平均径D1が10μmを超える粗粒子を0.02〜5個数%含有しており、該粗粒子の平均円形度が0.900〜0.990であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  2. 前記ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量が該ポリシロキサンの全質量に対して5.0〜50.0質量%であり、該ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量が該ポリシロキサンの全質量に対して5.0〜70.0質量%である請求項に記載のプロセスカートリッジ。
  3. 前記ポリシロキサンが、さらにアルキル基およびフェニル基を有し、該ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量が該ポリシロキサンの全質量に対して5.0〜50.0質量%であり、該ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量が該ポリシロキサンの全質量に対して5.0〜30.0質量%であり、該ポリシロキサン中のアルキル基の含有量が該ポリシロキサンの全質量に対して5.0〜30.0質量%であり、該ポリシロキサン中のフェニル基の含有量が該ポリシロキサンの全質量に対して5.0〜30.0質量%である請求項又はに記載のプロセスカートリッジ。
  4. 前記トナー粒子は、ワックス成分を内包している請求項1乃至のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  5. 前記帯電手段が、接触帯電手段である請求項1乃至のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  6. 感光体と、該感光体の帯電手段と、該感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像手段とを一体に支持し、画像形成装置から着脱自在に構成されているプロセスカートリッジにおいて、
    前記帯電手段は、帯電部材を有しており、
    該帯電部材は、導電性支持体、該導電性支持体の上に形成された導電性弾性層、及び該導電性弾性層の上に形成された表面層を有し、該表面層は、オキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有し、
    ポリシロキサン、下記式(2)で示される構造を有するカチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物の加水分解性縮合物を、該カチオン重合可能な基を用いて架橋させて得られたものであり、
    該トナーは、結着樹脂、着色剤及びワックス成分を含有するトナー粒子と無機微粉体とを含有し、
    該トナー粒子は、フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、円相当個数平均径D1が2〜8μm、平均円形度が0.960〜0.995であり、該円相当個数平均径D1が10μmを超える粗粒子を0.02〜5個数%含有しており、該粗粒子の平均円形度が0.900〜0.990であることを特徴とするプロセスカートリッジ:
    Figure 0004865359
    (上記式において、R21及びR22は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示し、Z21は、2価の有機基を示し、Rc21は、カチオン重合可能な基を示す。dは0〜2の整数であり、eは1〜3の整数であり、d+e=3である。)
  7. 前記カチオン重合可能な基が、エポキシ基、オキセタン基またはビニルエーテル基である請求項に記載のプロセスカートリッジ。
  8. 感光体と、該感光体の帯電手段と、該感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像手段とを有している電子写真装置において、
    前記帯電手段は、帯電部材を有しており、
    該帯電部材は、導電性支持体、該導電性支持体の上に形成された導電性弾性層、及び該導電性弾性層の上に形成された表面層を有し、該表面層は、オキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有し、該ポリシロキサンは、さらにフッ化アルキル基を有し、
    該トナーは、結着樹脂、着色剤及びワックス成分を含有するトナー粒子と無機微粉体とを含有し、
    該トナー粒子は、フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、円相当個数平均径D1が2〜8μm、平均円形度が0.960〜0.995であり、該円相当個数平均径D1が10μmを超える粗粒子を0.02〜5個数%含有しており、該粗粒子の平均円形度が0.900〜0.990であることを特徴とする電子写真装置。
  9. 感光体と、該感光体の帯電手段と、該感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像手段とを有している電子写真装置において、
    前記帯電手段は、帯電部材を有しており、
    該帯電部材は、導電性支持体、該導電性支持体の上に形成された導電性弾性層、及び該導電性弾性層の上に形成された表面層を有し、該表面層は、オキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有し、
    該ポリシロキサンは、下記式(2)で示される構造を有するカチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物の加水分解性縮合物を、該カチオン重合可能な基を用いて架橋させて得られたものであり、
    該トナーは、結着樹脂、着色剤及びワックス成分を含有するトナー粒子と無機微粉体とを含有し、
    該トナー粒子は、フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、円相当個数平均径D1が2〜8μm、平均円形度が0.960〜0.995であり、該円相当個数平均径D1が10μmを超える粗粒子を0.02〜5個数%含有しており、該粗粒子の平均円形度が0.900〜0.990であることを特徴とする電子写真装置:
    Figure 0004865359
    (上記式において、R 21 及びR 22 は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示し、Z 21 は、2価の有機基を示し、Rc 21 は、カチオン重合可能な基を示す。dは0〜2の整数であり、eは1〜3の整数であり、d+e=3である。)。
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