JP5063663B2 - 帯電ローラ、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Description
<導電性支持体>導電性支持体の材質としては、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等の金属やその合金を挙げることができる。
<表面層>
表面層は、バインダーと、該バインダーに分散されたカーボンブラックを含有する導電性の樹脂粒子(CB分散樹脂粒子)と黒鉛粒子とを含む。また、表面層はその表面に、CB分散樹脂粒子に由来する凸部(CB分散樹脂粒子凸部)と、黒鉛粒子に由来する凸部(黒鉛粒子凸部)とを有する。
I(C)<I(A)<I(B) (1)
3≦I(B)/I(A)≦100 (2)
10nA≦I(B) (3)
を満たすことが好ましい。上記式中、I(A)はCB分散樹脂粒子凸部における平均電流値、I(B)は黒鉛粒子凸部における平均電流値、I(C)は平面部における平均電流値を示す。上述のように、黒鉛粒子凸部、CB分散樹脂粒子凸部、平面部の順に導電性が高く、15V電圧を印加したとき、黒鉛粒子凸部における平均電流値は10nA以上であり、CB分散樹脂粒子凸部における平均電流値の3倍以上、100倍以下であることが好ましい。黒鉛粒子凸部における平均電流値が10nA以上であると、黒鉛粒子凸部からの放電により感光体表面を帯電することができる。式(2)の関係を満たすことにより、樹脂粒子凸部からの放電と比較し、黒鉛粒子凸部から適度に小さい放電が発生し、これらの凸部が有する高さと相俟って、電子写真感光体の表面における局所電界の発生の緩和効果をよりよく得ることができる。
<<バインダー>>
バインダーとしては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマー等を用いることができる。具体的には、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体、オレフィン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体等を例示することができる。これらは、1種単独で又は、2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、感光体との離型性や、耐汚染性に優れることから、熱硬化性樹脂を好ましいものとして挙げることができる。
<<CB(カーボンブラック)分散樹脂粒子、>>
表面層に分散されるCB分散樹脂粒子は、カーボンブラックが分散された樹脂で構成された導電性の粒子であり、かつ、表面層に放電点となる凸部を形成させるものである。平均粒子径として、1〜30μm、特には、2μm〜20μmである。ここで、表面層中のCB分散樹脂粒子の平均粒子径は、以下の方法により得られた体積平均粒子径を採用することとする。表面層のある任意の点を500μmに亘って、20nmずつ集束イオンビーム(FB−2000C:株式会社日立製作所製)にて切り出し、電子顕微鏡によりその断面画像を撮影する。そして同じ樹脂粒子を撮影した画像を、20nm間隔で組み合せ、立体的な粒子形状を算出する。この作業を、樹脂粒子の任意の100粒で行い、これを測定の対象粒子とする。得られた各立体的粒子形状から算出した体積の球相当径を体積平均粒子径とし、総ての対象粒子の体積平均粒子径の平均値を平均粒子径とする。
この円形度は、粒子が完全な球形の場合は、1.000であり、表面形状が複雑になるほど小さい値となる。
<<黒鉛粒子>>
黒鉛粒子は、SP2共有結合によって層構造をなす炭素原子を含有する物質であり、且つラマンスペクトルにおける1580cm-1の黒鉛由来のピークにおける半値幅Δν1580が80cm-1以下であるものが好ましい。Δν1580は、黒鉛化度や、SP2軌道の黒鉛面の広がりの指標となり、それに起因して黒鉛粒子の導電性の指標となる。Δν1580が小さい程、黒鉛化度は高く、黒鉛面の広がりは広く、導電性は高くなる。Δν1580の更に好ましい範囲は30cm-1以上60cm-1以下である。この範囲であれば、感光体局所電界の強さを極小にすることができる。Δν1580は下記表2に示す条件で測定した測定値を採用することができる。
<コークスにピッチをコートしたものを焼成して得られる黒鉛粒子>
コークスにピッチをコートしたものを焼成して得られる黒鉛粒子は、コークスにピッチを加え、成形しその後焼成することにより得られる。コークスは、石油蒸留における残渣油、またはコールタールピッチを500℃程度で加熱して得られる生コークスを、さらに1200℃以上、1400℃以下で焼成したものを使用できる。ピッチは、タールの蒸留残渣として得られるピッチを使用できる。
<バルクメソフェーズピッチを焼成して得られる黒鉛粒子>
バルクメソフェーズピッチは、例えば、コールタールピッチ等から溶剤分別によりβ−レジンを抽出し、これを水素添加、重質化処理を行うことによって得ることができる。また重質化処理後、微粉砕し、次いでベンゼン又はトルエン等により溶剤可溶分を除去することで得ることもできる。このバルクメソフェーズピッチはキノリン可溶分が95wt%以上であることが好ましい。95wt%未満のものを用いると、粒子内部が液相炭化しにくく、固相炭化するため粒子が破砕状のままとなる。球形に近くするためには、前記制御を行うことが、より好ましい。
<メソカーボンマイクロビーズを焼成して得られる黒鉛粒子>
メソカーボンマイクロビーズを得る方法としては、石炭系重質油又は石油系重質油を300℃以上、500℃以下の温度で熱処理し、重縮合させて粗メソカーボンマイクロビーズを生成させる。その後、反応生成物を濾過、静置沈降、遠心分離等の処理をしてメソカーボンマイクロビーズを分離後、ベンゼン、トルエン、キシレン等の溶剤で洗浄し、更に、乾燥する方法等を挙げることができる。
表面層用塗料を塗工後の塗膜は、加熱、紫外線や電子線の照射、或いは湿気により架橋を促進させることが、含有する樹脂粒子や黒鉛粒子の脱落を抑制することができることから、好ましい。
<<弾性層など>>
本発明に係る帯電ローラは、導電性支持体、表面層の機能を阻害しない範囲において、他の機能を有する層を有していてもよい。その一例として、図4に示すように、導電性支持体21と表面層23との間に導電性弾性層22を設けた構成が挙げられる。
導電性弾性層22を構成するゴムとしては、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等を例示することができる。熱可塑性エラストマーとしては、スチレン・ブタジエン・スチレン−ブロックコポリマー(SBS)、スチレン・エチレンブチレン・スチレン−ブロックコポリマー(SEBS)等を例示することができる。これらの中でも、エピクロルヒドリンゴムは、当該ゴム自体が、1×104〜1×108Ω・cm程度の中抵抗領域の導電性を有しており、導電性弾性層の電気抵抗のバラツキを抑制できるため好適に用いられる。エピクロルヒドリンゴムとしては、エピクロルヒドリン(EP)単独重合体、EP−エチレンオキサイド(EO)共重合体、EP−アリルグリシジルエーテル(AGE)共重合体、EP−EO−AGE三元共重合体等を挙げることができる。これらのうち、EP−EO−AGE三元共重合体は、重合度や組成比を調整して導電性や加工性を制御することができ、また、硫黄架橋することにより良好な機械強度を持ち、導電性も高い弾性層が得られることから、特に好適である。弾性層には、本発明の帯電ローラとして必要とされる導電性や機械強度等の特性を損なわない範囲で一般的な配合剤を用いることができる。
弾性層の形成方法としては、これらのゴムやエラストマーと必要に応じて配合される配合剤の原料を混練し、成形する方法を挙げることができる。原料の混練方法としては、バンバリーミキサー、インターミックス、加圧式ニーダー等の密閉型混練機を使用する方法や、オープンロール等の開放型混練機を使用する方法を用いることができる。混練して得られた混練物を導電性支持体の上に形成する方法としては、押出成形、射出成形、圧縮成形等の成形方法を使用することができる。弾性層となる混練物を導電性支持体と一体に押出すクロスヘッド押出成形が、作業の効率化等を考慮すると好ましい。また、導電性支持体は、必要に応じて、高導電性を失わない範囲で、弾性層との接着を目的とした接着剤を塗工したものを用いることもできる。接着剤としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂に導電剤を含有するものが挙げられ、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、ポリエステル樹脂系、ポリエーテル樹脂系、エポキシ樹脂系等を用いることができる。その後、弾性層に架橋が必要な場合には、型架橋、加硫缶架橋、連続架橋、遠・近赤外線架橋、誘導加熱架橋等の架橋工程を経ることが好ましい。成形後の弾性層は、表面の平滑化及び形状の精密仕上げのために、研削してもよい。研削方法としては、トラバース方式や幅広研削方式を採用することができる。トラバース方式は短い砥石をローラ表面に移動させて研削する方法であり、それに対して、幅広研削方式は、幅の広い砥石、即ち、弾性層の長さよりも広い幅の砥石を用い、僅かな時間で研削を行う方法である。作業の効率化等の点から、幅広研削方式が好ましい。
(電子写真装置)
図5は、本発明の帯電ローラを用いた電子写真装置の概略構成図である。当該電子写真装置は、電子写真感光体301、これを帯電する帯電ローラ302、潜像形成用の光308を発する露光装置(不図示)、現像装置303、転写材304に転写する転写装置305、クリーニングブレード307および定着装置306等を有する。電子写真感光体301は、導電性基体上に感光層を有する回転ドラム型である。電子写真感光体301は矢印の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。帯電ローラ302は、電子写真感光体301に所定の力で押圧されるように接触配置される。帯電ローラ302は、電子写真感光体301の回転に従い従動回転し、帯電用電源から所定の直流電圧を印加することにより、電子写真感光体301を所定の電位に帯電する。電子写真感光体301に潜像を形成する潜像形成装置は、例えばレーザービームスキャナーなどの露光装置が用いられる。一様に帯電された電子写真感光体301に、画像情報に対応した露光を行うことにより、静電潜像が形成される。現像装置303は、電子写真感光体301に接触して配設される接触式の現像ローラを有する。感光帯電極性と同極性に静電処理されたトナーを反転現像により、静電潜像をトナー像に可視化現像する。転写装置305は、接触式の転写ローラを有する。電子写真感光体301からトナー像を普通紙などの転写材304に転写する。クリーニングブレード307は、電子写真感光体301上に残留する転写残トナーを機械的に掻き落として回収する。定着装置306は、加熱されたロール等で構成され、転写されたトナー像を転写材304に定着する。
[製造例1]黒鉛粒子1の作製
コールタールピッチから溶剤分別により抽出したβ−レジンを水素添加した。次に、トルエンを用いて当該水素添加物から溶剤可溶分を除去し、バルクメソフェーズピッチを得た。このバルクメソフェーズピッチを体積平均粒子径が3μm程度になるよう機械粉砕した。その後、空気中で、昇温速度300℃/hで270℃まで昇温して、酸化処理を施した。続いて、窒素雰囲気下にて、昇温速度1500℃/hで3000℃まで昇温して、3000℃で15分間焼成した。その後、分級処理を行い、黒鉛粒子1を得た。
体積平均粒子径が10.0μmのフェノール樹脂粒子を風力分級処理して、体積平均粒子径10.0μmのシャープな分布を有するフェノール樹脂粒子を得た。得られた粒子を酸化性雰囲気下に300℃で1時間熱安定化処理した後、2200℃で焼成した。この粒子を、さらに、風力分級に処理にかけ、黒鉛粒子2を得た。
3に示す。
窒素ガスで十分に置換し乾燥させた容積2Lのオートクレーブに、下記の材料を入れ、更に窒素ガスにて十分に上方置換した後密閉し、120℃で20時間攪拌混合して反応させた。その後、減圧下で未反応のHDIを除去した後、トルエンを加えて不揮発分90質量%のポリイソシアネートプレポリマーを得た。
・ポリオール 75質量部
(アデカポリエーテルG-700:旭電化工業社製)(水酸基価225mg/KOHg)
・ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI) 100質量部
得られたポリイソシアネートプレポリマーは、イソシアネート含有量8.73%で粘度1500cps(25℃)であった。次に、懸濁安定剤(リン酸カルシウム)を含む水中に、得られたポリイソシアネートプレポリマーとカーボンブラック(#3350B:三菱化学社製)(平均粒子径24nm)を混合、攪拌して懸濁液とした。次いで、この懸濁液を加温して反応を開始し、十分反応させてCB分散樹脂粒子を生成させた。その後、これを固液分離し、洗浄してCB分散樹脂粒子に付着している懸濁安定剤を取り除き、乾燥し、CB分散樹脂粒子1を得た。CB分散樹脂粒子1の平均粒子径は5.8μmであった。
下記の材料を混合し、ビスコミル分散機を用いて分散し、混合液1を得た。分散メディアには直径0.5mmのジルコニアビーズを用い、周速度は10m/sで、分散時間は60時間とした。
・メタクリル酸メチル 100質量部
・カーボンブラック(平均粒子径28nm、pH=6.0) 4質量部
・エチレングリコールジメタクリレート 0.1質量部
・過酸化ベンゾイル 0.5質量部
一方、下記の材料を混合し、混合液2を用意した。
・イオン交換水 400質量部
・ポリビニルアルコール(鹸化度85%) 8質量部
・ラウリル硫酸ナトリウム 0.04質量部
次いで、高速撹拌装置(TK式ホモミキサー:特殊機化工業株式会社製)を備えた2リットル用4つ口フラスコ中に混合液1及び混合液2を投入し、回転数を13000rpmで分散することで分散液を得た。その後、撹拌機、温度計を備えた重合器にこの分散液を入れ、窒素置換した後、回転数を55rpm、反応系温度を60℃で12時間攪拌して懸濁重合を完了した。冷却後、この懸濁液を濾過、洗浄、乾燥、分級してCB分散樹脂粒子9を得た。
下記の材料を密閉型ミキサーにて2時間混練した。
・スチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート−ジビニルベンゼン共重合体(共重合比=90:10:0.05) 100質量部
・カーボンブラック(平均粒子径122nm、pH=7.5) 4質量部
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕した。続いて、ターボミル(T−250型:ターボ工業株式会社製)にて微粉砕した。回転子の周速は115m/sにした。次いでハイブリダイザー(株式会社奈良機械製作所製)を用いて30分間、球形化処理を行った。更に、風力分級して、樹脂粒子12を得た。
シリカ粒子(平均粒子径15nm、体積抵抗率1.8×1012Ω・cm)7.0kgに、メチルハイドロジェンポリシロキサン140gを、エッジランナーを稼動させながら添加した。588N/cm(60kg/cm)の線荷重で30分間混合攪拌を行った。このときの攪拌速度は22rpmとした。その中に、カーボンブラック粒子(粒子径28nm、体積抵抗率1.0×102Ω・cm)7.0kgを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、更に588N/cm(60kg/cm)の線荷重で60分間混合攪拌を行った。このようにしてメチルハイドロジェンポリシロキサンを被覆したシリカ粒子の表面にカーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用いて80℃で60分間乾燥を行い、複合電子導電剤を得た。このときの攪拌速度は22rpmとした。得られた複合電子導電剤は、平均粒子径が47nmであり、体積抵抗率は2.3×102Ω・cmであった。
針状ルチル型酸化チタン粒子(平均粒子径15nm、体積抵抗率5.2×1010Ω・cm)1000gに、表面処理剤としてイソブチルトリメトキシシラン110g及び溶媒としてトルエン3000gを配合してスラリーを調製した。このスラリーを、攪拌機で30分間混合した後、有効内容積の80%が平均粒子径0.8mmのガラスビーズで充填されたビスコミルに供給し、温度35±5℃で湿式解砕処理を行った。湿式解砕処理して得たスラリーを、減圧蒸留してトルエンを除去し、120℃で2時間表面処理剤を焼付け処理した。焼付け処理した粒子を室温まで冷却した後、ピンミルで粉砕して、平均粒子径17nmの表面処理酸化チタン微粒子を得た。
直径6mm、長さ252.5mmの鉄製の円柱に、熱硬化性接着剤(メタロックU−20:株式会社東洋化学研究所製)を塗工し、乾燥したものを導電性支持体として使用した。下記の材料を50℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練して、原料コンパウンドを調製した。
・エピクロルヒドリンゴム(EO−EP−AGE三元共重合体、EO/EP/AGE=73mol%/23mol%/4mol%) 100質量部
・炭酸カルシウム 60質量部
・脂肪族ポリエステル系可塑剤 8質量部
・ステアリン酸亜鉛 1質量部
・2−メルカプトベンズイミダゾール(MB)(老化防止剤) 0.5質量部
・酸化亜鉛 2質量部
・四級アンモニウム塩 1.5質量部
・カーボンブラック(平均粒子径100nm、体積抵抗率0.1Ω・cm)5質量部
得られた原料コンパウンドに、下記の材料を添加し、20℃に冷却したオープンロールにて10分間混練して、導電性弾性層用コンパウンドを得た。
・硫黄 1質量部
・ジベンゾチアジルスルフィド(DM) 1質量部
・テトラメチルチウラムモノスルフィド(TS) 0.5質量部
前記導電性支持体とともに、導電性弾性層用コンパウンドをクロスヘッド押出成型機にて押し出し、外径が約9mmのローラ形状になるように成型した。次いで、160℃の電気オーブンの中で1時間加熱し、加硫及び接着剤を架橋した。ゴムの両端部を切り取り、導電性支持体を露出させると共に、導電性弾性層長さを228mmとした。その後、外径が8.5mmのローラ形状になるように表面を研削して、弾性層を得た。
下記の材料を、平均粒子径0.8mmのガラスビーズと共にガラス瓶に入れ、ペイントシェーカー分散機を用いて60時間分散して塗料1を調製した。
・カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液(プラクセルDC2016:ダイセル化学工業株式会社製)(固形分70質量%) 100質量部
・ブロックイソシアネートIPDI(ベスタナートB1370:デグサ・ヒュルス社製) 22.5質量部
・ブロックイソシアネートHDI(デュラネートTPA−B80E:旭化成工業株式会社製) 33.6質量部
・複合電子導電剤(製造例6で作製) 35質量部
・表面処理酸化チタン微粒子(製造例7で作製) 21質量部
・変性ジメチルシリコーンオイル(SH28PA:東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製) 0.16質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK) 328質量部
製造例9において、複合電子導電剤の量を14質量部に変更した以外は製造例9と同様にして塗料4を調製した。
下記の材料を体積平均粒子径0.8mmのガラスビーズと共にガラス瓶に入れ、ペイントシェーカー分散機を用いて60時間分散して塗料2を調製した。
・3官能アクリレートモノマー(SR−454:日本化薬株式会社製) 90質量部
・シランカップリング剤(KBM−5103:信越化学工業株式会社製)10質量部
・複合電子導電剤(製造例6で作製) 50質量部
・表面処理酸化チタン微粒子(製造例7で作製) 30質量部
・MIBK 488質量部
[製造例11]塗料3の調製
下記の材料を、体積平均粒子径0.8mmのガラスビーズと共にガラス瓶に入れ、ペイントシェーカー分散機を用いて60時間分散して塗料3を調製した。
・フッ素樹脂ディスパージョン(テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA))(固形分濃度45〜50質量%、比重1.4、粘度(25℃)250〜500mPa・s)(AD-2CR水性ディスパージョン:ダイキン工業株式会社製) 200質量部
・複合電子導電剤(製造例6で作製) 50質量部
・表面処理酸化チタン微粒子(製造例7で作製) 30質量部
・純水 488質量部
[実施例1]
塗料1に下記の材料を添加した後、ペイントシェーカー分散機で5分間分散し、ガラスビーズをろ過して表面層形成用塗料Aを得た。
・黒鉛粒子1 3質量部
・CB分散樹脂粒子1 6質量部
・CB分散樹脂粒子6 6質量部
製造例8で作製した弾性層の表面に表面層形成用塗料Aの塗膜を、ディッピング塗工により形成した。その後、塗膜を、常温で30分間以上風乾して、電気オーブンにて80℃で1時間、更に160℃で1時間加熱して、架橋し、厚さ11.6μmの表面層を形成した。こうして導電性支持体上に弾性層及び表面層を有する帯電ローラを得た。得られた帯電ローラについて、AFMにより、I(A)、I(B)、I(C)の電流値を測定した。また、隣接する3つのCB分散樹脂粒子凸部の各頂点を含む平面間の距離が「正」である黒鉛粒子凸部の数の、全黒鉛粒子凸部の数に対する割合を求めた。その結果を表6に示す。
得られた帯電ローラを用いて、以下のように画像形成を行い、かぶりの評価を行った。電子写真装置(LBP5400:キヤノン株式会社製)の記録メディアの出力スピードが200mm/secになるよう改造した改造機のブラックカートリッジに、作製した帯電ローラを装着した。画像は、全面空白の画像を、Vback(感光体の表面電位から現像ローラーへの印加電圧を除した電圧)を−20V及び−70Vに設定して出力した。この電子写真装置のトナーは、ネガ帯電性なので、通常、Vbackは、−70Vから−150V程度に設定されている。−20V及び−70Vに設定した場合は、本来ならば感光体上にトナーが現像されない。−20Vという設定は−70Vから−150V程度の非潜像部における画像の高濃度化とも相関性があり、且つ、非潜像部における画像の高濃度化の差を顕著に表すことができるため採用した。この状態で現像されるトナーは、帯電ローラの放電ムラが作る感光体上の電位ムラによる感光体局所電界によって捕捉され現像されたものと推定される。このように設定した改造機により、15℃/10%RHの環境下で、画像の出力を行った。Vbackを−20Vに設定して出力した画像は白色度を白色光度計(TC−6DS/A:東京電色社製)を用い、JIS P8148に準拠して測定した。非潜像部における画像の高濃度化の程度を表す白色度差は、画像出力前の白色度の5点平均から、画像出力後の白色度の5点平均を除して算出した。
A:画像出力前後で濃度差は認識できない。
B:2.0%以上5.0%未満(画像出力前よりも極軽微に濃くなっていることが認識できる。)
C:5.0%以上7.0%未満(画像出力前よりも軽微に濃くなっていることが認識できる。)
D:7.0%以上(画像出力前よりも明らかに濃くなっていることが認識できる。)
[横スジ状の画像ムラ]
以下の画像出力条件に変更した他は、かぶりの測定と同様にして、画像の出力を行った。画像出力条件としては、A4サイズの紙の画像形成領域の1面積%にランダムに印字した画像を使用し、1枚画像を出力すると電子写真装置を停止させ、10秒後また画像形成動作を再開するという動作を繰り返し3万枚の画像出力耐久試験を行った。その後、評価用の電子写真画像を形成した。評価用の電子写真画像は、ハーフトーン画像(感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く、中間濃度の画像)である。この画像を用い、以下の基準で評価を行った。結果を表6に示す。
A:横スジ状の画像ムラが観察されない。
B:実使用上問題のない程度の短い(1mm以下)の横スジ状の画像ムラが観察される。
C:長い(数mm〜数cm)の横スジ状の画像ムラが観察される。
塗料、黒鉛粒子及びCB分散樹脂粒子を表5に示したように変更した以外は実施例1と同様にして表面層形成用塗料を調製した。これらの表面層形成用塗料を用いて実施例と同様にして帯電ローラを製造した。得られた帯電ローラの各々について、実施例1と同様に評価を行った。結果を表6に示す。
塗料2に、下記の材料を添加した後、ペイントシェーカー分散機で5分間分散し、ガラスビーズをろ過して表面層形成用塗料Bを得た。
・黒鉛粒子1 3質量部
・CB分散樹脂粒子1 6質量部
・CB分散樹脂粒子6 6質量部
この表面層形成用塗料Bを、製造例8で作製した弾性層の表面にリング塗工により塗工した。その後、電子線照射装置(ELECTOROBEAM−C EC150/45/40mA:岩崎電気株式会社製)を用いて表面層形成用塗料Bを架橋し帯電ローラを得た。電子線は、加速電圧150kV、線量1200kGy、酸素濃度300ppm以下の条件で照射した。得られた帯電ローラについて、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表8に示す。
塗料、黒鉛粒子及びCB分散樹脂粒子を表7に示したように変更した以外は実施例17と同様にして表面層形成用塗料を調製した。これらの表面層形成用塗料を用いて実施例17と同様にして帯電ローラを製造した。得られた帯電ローラの各々について、実施例17と同様に評価を行った。結果を表8に示す。
塗料3に、フッ素樹脂ディスパージョン200質量部に対して、下記の材料を添加した後、ペイントシェーカー分散機で5分間分散し、ガラスビーズをろ過して表面層形成用塗料Cを得た。
・黒鉛粒子1 3質量部
・CB分散樹脂粒子1 6質量部
・CB分散樹脂粒子6 6質量部
この表面層形成用塗料Cをスプレー塗工により塗工した。その後、320℃で40分間加熱し帯電ローラを得た。得られた帯電ローラについて実施例1と同様にして評価した。結果を表8に示す。
塗料、黒鉛粒子及びCB分散樹脂粒子を表7に示したように変更した以外は実施例20と同様にして表面層形成用塗料を調製した。これらの表面層形成用塗料を用いて実施例20と同様にして帯電ローラを製造した。得られた帯電ローラの各々について、実施例20と同様に評価を行った。結果を表8に示す。
黒鉛粒子及びCB分散樹脂粒子を表9に示したように変更した以外は実施例1と同様にして表面層形成用塗料を調製した。これらの表面層形成用塗料を用いて実施例1と同様にして帯電ローラを製造した。得られた帯電ローラの各々について、実施例1と同様に評価を行った。結果を表10に示す。
23 表面層
31 黒鉛粒子凸部
32 CB分散樹脂粒子凸部
32a 平面
41 帯電ローラ
Claims (3)
- 導電性支持体と、表面層とを有する帯電ローラであって、
該表面層は、バインダーと、該バインダーに分散されたカーボンブラックを含有する樹脂粒子と、該バインダーに分散された黒鉛粒子とを含み、かつ、
該表面層は、その表面に該樹脂粒子に由来する凸部と、該黒鉛粒子に由来する凸部とを有し、
該黒鉛粒子に由来する凸部に隣接する3つの樹脂粒子に由来する凸部の各頂点を含む平面とのなす距離が正である黒鉛粒子に由来する凸部の数が、黒鉛粒子に由来する凸部の総数に対し80%以上であることを特徴とする帯電ローラ。 - 請求項1に記載の帯電ローラと、電子写真感光体とを具備していることを特徴とする電子写真装置。
- 請求項1に記載の帯電ローラと電子写真感光体とを具備し、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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