JP6141481B2 - 電子写真用部材、その製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真用部材、その製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は、電圧を印加して被帯電体である電子写真感光体の表面を所定の電位に帯電するための帯電部材等として使用可能な電子写真用部材、それを用いたプロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置(以下、「電子写真装置」と称す)に関する。
電子写真方式を採用した電子写真装置は、主に、電子写真感光体(以下、単に「感光体」と称す)、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置及び定着装置からなる。帯電装置としては、感光体の表面に接触又は近接配置された帯電部材に、直流電圧、又は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加することによって感光体の表面を帯電する接触帯電装置が多く採用されている。
特許文献1及び特許文献2には、導電性樹脂層が開口を有したボウル形状の樹脂粒子を含有し、帯電部材の表面にボウル形状の樹脂粒子の開口部及びエッジ部に由来した凹凸形状を有する帯電部材が開示されている。特許文献1及び特許文献2に記載されている帯電部材は、表面のボウル形状の樹脂粒子の開口部のエッジ部が弾性変形することで、感光体への当接圧力が緩和される。このことにより、長期間に亘る使用においても感光体の不均一な摩耗を抑制することが可能となる。
本発明者らは、特許文献1及び特許文献2に係る帯電部材は、安定した帯電性能を発揮し得ること、及び、当接する感光体の不均一な摩耗を有効に抑制し得ることを確認した。しかしながら、本発明者らは、近年の電子写真画像形成プロセスが高速化されたときに、特許文献1及び特許文献2に係る帯電部材は、帯電性能の安定性において、未だ、改善の必要性があるものと認識した。
特開2012−103414号公報 特許4799706号公報
本発明の一態様は、高速化された電子写真装置においても、感光体の不均一な摩耗を抑制し、且つ、異常放電に起因したポチ状画像及び横スジ画像の発生を抑制した、帯電部材の提供に向けたものである。また、本発明の他の態様は、高品位な電子写真画像の形成に資するプロセスカートリッジ及び電子写真装置の提供に向けたものである。
本発明の一態様によれば、導電性の基体と、該基体上の表面層としての導電性樹脂層と、を有し、該導電性樹脂層は、バインダーを含み、かつ、開口を有するボウル形状の樹脂粒子を、該開口が該電子写真用部材の表面に露出する状態で保持してなり、該電子写真用部材の表面は、該表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部と、該表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部と、を有し、該電子写真用部材の表面の一部は、該導電性樹脂層によって構成されており、該電子写真用部材に対向配置させた電極と該基体との間に50V以上100V以下の直流電圧を印加した状態で、該電子写真用部材の表面を、走査型電子顕微鏡を用いて、加速電圧1kV、倍率2000倍にて観察し、該凸部における輝度をK1、該凹部の底部における輝度をK2、及び該導電性樹脂層の露出表面における輝度をK3としたとき、K1、K2およびK3が、下記数式(1)〜(3)を満たす電子写真用部材が提供される。
式(1) K2<K1
式(2) K3<K1
式(3) 0.8≦K2/K3≦1.2。
また、本発明の他の態様によれば、導電性の基体と、該基体上の表面層としての導電性樹脂層と、を有し、該導電性樹脂層は、バインダーとして架橋ゴムを含み、かつ、開口を有するボウル形状の樹脂粒子を、該開口が該電子写真用部材の表面に露出する状態で保持してなり、該電子写真用部材の表面は、該表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部と、該表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部と、を有し、該電子写真用部材の表面の一部は、該導電性樹脂層によって構成されており、該導電性樹脂層は、導電性微粒子を含む導電性の熱架橋性ゴム組成物の層を酸素存在下で熱架橋せしめることによって形成されてなるものである電子写真用部材が提供される。
また、本発明の他の態様によれば、導電性の基体と、該基体上の表面層としての導電性樹脂層と、を有し、該導電性樹脂層は、バインダーを含み、かつ、開口を有するボウル形状の樹脂粒子を、該開口が該電子写真用部材の表面に露出する状態で保持してなり、該電子写真用部材の表面は、該表面に露出している該ボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部と、該表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部と、を有し、該電子写真用部材の表面の一部は、該導電性樹脂層によって構成されており、かつ、該凹部に導電性微粒子が存在する電子写真用部材が提供される。
また、本発明によれば、導電性の基体と、該基体上の表面層としての導電性樹脂層と、を有する電子写真用部材の製造方法であって、(1)バインダー中に中空形状の樹脂粒子を分散させた組成物の被覆層を該基体上に形成する工程、(2)該被覆層の表面を研磨することにより、中空形状の樹脂粒子のシェルの一部を削除して、開口を有するボウル形状とし、該ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹部と、該開口のエッジによる凸部を形成する工程、(3)該凹部に導電性微粒子を存在させる工程、および
(4)該工程(3)の後に、前記被覆層の表面を再研磨し、該凹のみに該導電性微粒子を存在させる工程、を有する電子写真用部材の製造方法が提供される。
また、本発明の他の態様によれば、導電性の基体と、該基体上の表面層としての導電性樹脂層と、を有する電子写真用部材の製造方法であって、導電性微粒子、熱架橋性ゴム、および、中空形状の樹脂粒子を含む熱架橋性ゴム組成物の被覆層を該基体上に形成する工程、該被覆層の表面を研磨することにより、該中空形状の樹脂粒子のシェルの一部を削除して、開口を有するボウル形状の樹脂粒子となし、かつ、該開口が表面に露出する状態で該ボウル形状の樹脂粒子が保持されてなる層を形成する工程、及び、該被覆層中の熱架橋性ゴムを、酸素存在下で熱架橋せしめて、該開口に由来する凹部と、該開口のエッジに由来する凸部と、を表面に有し、かつ、表面の一部が、導電性樹脂層で構成されてなる電子写真用部材を得る工程、を有する電子写真用部材の製造方法が提供される。
さらに、本発明の他の態様によれば、上記の電子写真用部材と、電子写真感光体とを有し、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジが提供される。更にまた、本発明の他の態様によれば、上記の電子写真用部材と、電子写真感光体とを有する電子写真装置が提供される。
本発明によれば、高速化された電子写真装置においても、感光体の不均一な摩耗が抑制され、且つ、高品位な電子写真画像を与え得る帯電部材が提供される。また本発明によれば、高品位な電子写真画像の安定した形成に資するプロセスカートリッジ及び電子写真装置が提供される。
本発明に係る電子写真用部材(帯電部材)の表面近傍の構成及び感光体との当接状態を示す説明図である。 従来の帯電部材の表面近傍の構成を示す説明図である。 本発明に係る帯電部材の一例を示す概略断面図である。 帯電部材の電流測定装置の概略図である。 本発明に係る帯電部材の表面近傍の部分断面図である。 本発明に係る帯電部材の表面近傍の部分断面図である。 本発明に用いられるボウル形状の樹脂粒子の形状の説明図である。 本発明に係る帯電部材の一態様を示す概略断面図である。 本発明に係る帯電部材の一態様を示す概略断面図である。 本発明に係る帯電部材の一態様の製造工程における加熱処理時の酸素透過の様子の説明図である。 導電率に起因した輝度を算出するための走査電子顕微鏡の一実施形態を示す概略図である。 本発明に係る電子写真装置の一例を表す概略断面図である。 本発明に係るプロセスカートリッジの一例を表す概略断面図である。 本発明に係る帯電部材の一態様の製造工程における導電性樹脂層中におけるシリコーンオイルの移動を説明する図である。
本発明者らの検討によれば、特許文献1に係る帯電部材は、高速化された電子写真画像形成装置においては、帯電安定性が必ずしも十分ではなかった。特許文献1に係る帯電部材を、図2(2a)に示す。ボウル形状の樹脂粒子には公知の樹脂が使用されている。感光体と帯電部材との間に電圧を印加した場合、ボウル形状の樹脂粒子が絶縁性であるため、ボウル形状の樹脂粒子由来の凹部(B1)からの放電が発生しにくく、表面に露出している導電性樹脂層(A1)からのみ放電しやすい傾向にある。高速化された電子写真装置においては、感光体への帯電時間が短く、短時間で感光体の表面を所望の電位にする必要がある。従って、特許文献1の帯電部材は、表面に露出している導電性樹脂層(A1)からのみの大きな放電で、感光体の表面を所望の電位にする必要があった。その際、表面に露出している導電性樹脂層(A1)に電界が集中して、この電界集中に起因した異常放電が発生しやすい傾向にあった。特に、放電現象の不安定な低温低湿環境において、上記現象が発生しやすく、ポチ状画像となって顕在化する場合があった。
また、特許文献2に係る帯電部材を、図2(2b)に示す。特許文献2に係る帯電部材において、ボウル形状の樹脂粒子11は、導電性樹脂層14によって覆われている。そのため、表面に露出している導電性樹脂層(A2)だけでなく、ボウル形状の樹脂粒子由来の凹部(B2)からも放電可能である。その結果、特許文献1に係る帯電部材において生じた電界集中に起因するポチ状画像の発生は抑制し得る。しかしながら、特許文献2に係る帯電部材においては、従動回転時に、帯電部材と感光体との間で、回転の周速が異なる状態が不規則に出現する現象(以下、「スティックスリップ」と称す)が発生しやすい傾向にあった。本現象の発生メカニズムについては、後に詳述するが、特に、高速化された電子写真装置を使用した際には、上記従動回転性の低下が顕著となり、これに起因した異常放電により、主に横スジ状画像が発生する場合があった。即ち、電子写真装置の高速化に伴い、以前には発生しなかったポチ状画像及び横スジ状画像が顕在化してくる場合があり、電界集中及びスティックスリップに起因する異常放電の抑制は、より安定な画像形成を行うために解決すべき課題であると、本発明者らは認識した。
そこで、本発明者らが鋭意検討した。その結果、本発明者らは、高速化された電子写真画像形成プロセスに適用した場合であっても、感光体の摩耗が抑制され、かつ、より安定した帯電性能を発揮し得る帯電部材を発明するに至った。
本発明の一実施態様に係る、ローラ形状の電写真用部材(以降、「帯電ローラ」とも称す)の周方向断面を図3に示す。当該帯電ローラは、図3(3a)に示すように、導電性の基体1と導電性樹脂層2を有する。または、図3(3b)に示すように、基体1、基体上の中間層としての導電性樹脂層21および該中間層上の、表面層として導電性樹脂層22を有する。表面層としての導電性樹脂層は、バインダーを含む。また、表面層としての導電性樹脂層は、図1(1a)に示すように、開口を有するボウル形状の樹脂粒子を、該開口が電子写真用部材の表面に露出する状態で保持している。そして、電子写真用部材の表面は、バインダーと、表面に露出したボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部(以下、単に「ボウルの凹部」とも称す)と、ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジ(以下、単に「ボウルのエッジ」とも称す)に由来する凸部(以下、単に「ボウルの凸部」とも称する)とを有している。図1は、電子写真用部材の表面近傍を示す図であるが、電子写真用部材の表面には、バインダー(A3)と、ボウルの凹部(B3)と、ボウルの凸部(C1)が存在する。
本発明に係る電子写真用部材に対向配置させた電極と導電性の基体との間に50V以上100V以下の直流電圧を印加した状態で、該電子写真用部材の表面を、走査型電子顕微鏡を用いて、加速電圧1kV、倍率2000倍にて観察したときに、ボウルの凸部における輝度K1、ボウルの凹部の底部における輝度K2、該導電性樹脂層の露出表面における輝度K3は、下記数式(1)〜(3)を満たしている。
式(1) K2<K1
式(2) K3<K1
式(3) 0.8≦K2/K3≦1.2。
電子写真用部材は、例えば、帯電部材、現像部材、および、転写部材の如き電子写真用部材として用いられる。以下、本発明の一態様に係る電子写真用部材の具体例として、帯電部材について説明する。
当該帯電部材において、前記輝度K1〜K3は、帯電部材の表面の上方側(図1(1a)のZの方向)から観察することで算出される。輝度K2は前記ボウル形状の樹脂粒子とその直下に位置するバインダーを含めた箇所の導電率に起因した輝度である。この輝度K2を測定することで、ボウルの凹部の底部からの放電状態を正確に評価することが可能になる。上記輝度K2は、上記電子顕微鏡の加速電圧を適切に設定することにより算出することができる。
後に詳述するが、輝度は、観察部位の導電率と相関がある。即ち、輝度が小さい程、導電率が高いことを表し、輝度が大きい程、導電率が低いことを表す。数式(1)及び数式(2)はボウルの凸部の導電率ECが、表面に露出しているバインダーの導電率EC及びボウルの凹部の底部の導電率ECに比べて、低いことを示している。帯電部材が感光体と当接した際に、感光体の表面と接触するボウルの凸部の導電率ECが低いことにより、感光体の表面とボウルの凸部との間に電気的引力を維持することが可能となる。
以下、感光体の表面とボウルの凸部との間に働く電気的引力について説明する。帯電部材の表面に露出したボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹凸形状を有する帯電部材では、感光体との当接時に、図1(1b)に示すように、ボウルの凸部(C1)が感光体15と弾性変形をしながら接触する。一方、電子写真画像の形成時には、帯電部材に電圧が印加されることで、帯電部材は、感光体との微小ギャップにおける放電により、感光体の帯電を行っている。この放電は、微小ギャップ間の空気が電離することで発生する、所謂タウンゼント放電である。その際、空気中の分子が電離することにより生成される正及び負の荷電粒子は、微小ギャップ間に形成される電場により感光体や帯電部材の表面に誘導される。そして、前記の荷電粒子が感光体に誘導されることで、感光体の表面が帯電される。また、帯電部材にも、感光体に誘導された荷電粒子とは逆極性の荷電粒子が誘導され帯電される。ボウルの凸部の導電率ECが低い場合、帯電部材の表面にタウンゼント放電により誘導された電荷はチャージアップした状態となる。このチャージアップした電荷により、感光体とボウルの凸部との間に電気的引力が働き、帯電部材と感光体との間の引き付け合いが強まる。
帯電部材においては、前述した通り、感光体とボウルの凸部との間に電気的引力が働くため、帯電部材の感光体への従動回転性が向上し、高速機においてもスティックスリップが抑制される。
上記に加え、帯電部材は前記数式(3)を満たしている。数式(3)中のK2/K3は、図1(1a)における、ボウルの凹部の底部(B3)における導電率ECと表面に露出したバインダー(A3)における導電率ECに起因した輝度の比率である。この値が、1に近い程、ボウルの凹部の底部における導電率ECと表面に露出したバインダーにおける導電率ECが近くなることを表し、これによって、表面に露出したバインダー(A3)への電界の集中を緩和し、前述した異常放電を抑制することが可能になる。K2/K3の値を数式(3)の範囲内とするための方法については後に詳述する。
<帯電部材>
帯電部材の一例を示す概略断面図を図3に示す。図3(3a)の帯電部材は、導電性の基体1と導電性樹脂層2を有している。導電性樹脂層は図3(3b)に示すように、導電性樹脂層21及び22の2層構成であってもよい。尚、導電性樹脂層は、バインダー及びボウル形状の樹脂粒子を含有している。
導電性の基体1及び導電性樹脂層2、あるいは、導電性の基体1上に順次積層する層(例えば、図3(3b)に示す導電性樹脂層21及び導電性樹脂層22)は、接着剤を介して接着してもよい。この場合、接着剤は導電性であることが好ましい。導電性の接着剤には公知のものを用いることができる。接着剤の基剤としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が挙げられるが、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、ポリエーテル系、エポキシ系のような公知のものを用いることができる。接着剤に導電性を付与するための導電剤としては、後に詳述する導電性微粒子から適宜選択し、1種類を単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
〔導電性の基体〕
帯電部材に用いられる導電性の基体は、導電性を有し、その上に設けられる導電性樹脂層を支持する機能を有するものである。材質としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケルの如き金属やその合金(ステンレス鋼等)を挙げることができる。
〔導電性樹脂層〕
図5は本発明に係る帯電部材の表面層を構成する導電性樹脂層の表面近傍の部分断面図である。導電性樹脂層に含有されている一部のボウル形状の樹脂粒子41は、前記帯電部材の表面に露出している。そして、帯電部材の表面は、表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口51に由来する凹部52と、表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジ53に由来する凸部とを有しており、エッジ53は図5(5a)及び図5(5b)等に示す形態をとることができる。
図6に示す、前記ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジ53に由来する凸部の頂点と、当該ボウル形状の樹脂粒子のシェルによって画定された凹部52の底部との高低差54は、5μm以上100μm以下、特に10μm以上80μm以下とすることが好ましい。本範囲内とすることにより、より確実にニップ部におけるボウルのエッジの点接触を維持することができる。また、前記凸部の頂点と前記凹部の底部との高低差54と、前記ボウル形状の樹脂粒子の最大径55との比、すなわち、樹脂粒子の[最大径]/[高低差]は、0.8以上3.0以下、特には、1.1以上1.6以下であることが好ましい。樹脂粒子の[最大径]/[高低差]の値をこの範囲内とすることにより、より確実にニップ部におけるボウルのエッジの点接触を維持することができる。なお、本発明において、ボウル形状の樹脂粒子の「最大径」とは、当該ボウル形状の樹脂粒子が与える円形の投影像における最大長さであると定義する。当該ボウル形状の樹脂粒子が複数個の円形の投影像を与える場合は、各々の投影像における最大長さのうちの最大値を、当該ボウル形状の樹脂粒子の「最大径」とする。
前記凹凸形状の形成により、導電性樹脂層の表面状態は、下記のように制御されていることが好ましい。十点平均表面粗さ(Rzjis)は、5μm以上65μm以下、特には、10μm以上50μm以下が好ましい。表面の凹凸平均間隔(Sm)は、30μm以上200μm以下、特には40μm以上150μm以下が好ましい。上記の範囲内とすることにより、より確実にニップ部におけるボウルのエッジの点接触を維持することができる。尚、表面の十点平均粗さ(Rzjis)及び表面の凹凸平均間隔(Sm)の測定法については、後に詳述する。
ボウル形状の樹脂粒子の一例を図7の(7a)から(7e)に示す。本発明において、「ボウル形状」とは、開口部61を有し、開口部の丸みのある凹部62を有する形状をいう。「開口部」は、図7の(7a)及び(7b)に示すように、ボウルのエッジが平坦であってもよく、また、図7の(7c)から(7e)に示すようにボウルのエッジが凹凸を有していてもよい。
ボウル形状の樹脂粒子の最大径55の目安は、10μm以上150μm以下、特には、20μm以上100μm以下である。また、ボウル形状の樹脂粒子の最大径55と、開口部の最小径63の比、即ち、ボウル形状の樹脂粒子の[最大径]/[開口部の最小径]が、1.1以上4.0以下であることがより好ましい。
ボウル形状の樹脂粒子の開口部周辺のシェルの厚み(縁の外径と内径の差)は0.1μm以上3μm以下、特には、0.2μm以上2μm以下であることが好ましい。また、上記シェルの厚みは、「最大厚み」が、「最小厚み」の3倍以下であることが好ましく、2倍以下であることがより好ましい。
[バインダー]
導電性樹脂層に含有されるバインダーとしては、公知のゴムまたは樹脂を用いることができる。ゴムとしては、例えば、天然ゴムやこれを加硫処理したもの、合成ゴムを挙げることができる。合成ゴムとしては以下のものが挙げられる。エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプロピレンゴム(IR)、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム及びフッ素ゴム。
樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂の如き樹脂が使用できる。中でも、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂がより好ましい。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらバインダーの原料である単量体を共重合させ、共重合体としてもよい。尚、後述する理由により、分子中に2重結合を有し、且つ、耐熱性の高いスチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)を使用するのが、より好ましい。
また、詳細は後述するが、導電性樹脂層にシリコーンオイルを添加することが好ましい。添加するシリコーンオイルの構造としては、直鎖型のジメチルポリシロキサンが好ましい。また、シリコーンオイルの添加部数としては、バインダー100質量部に対して、0.2質量部以上2.0質量部以下、特には0.4質量部以上、1.0質量部以下が好ましい。これによって帯電部材の導電率をより良く制御することができる。また、シリコーンオイルの粘度としては、後述するが、20mm/s以上、200mm/s以下が好ましい。より好ましくは30mm/s以上、100mm/s以下である。
[導電性微粒子]
導電性樹脂層の体積抵抗率の目安としては、温度23℃、相対湿度50%の環境下において、1×10Ωcm以上、1×1016Ωcm以下とすることが好ましく、本範囲内とすることで、放電により感光体を適切に帯電することが、より容易になる。そのために、導電性樹脂層中に、公知の導電性微粒子を含有してもよい。導電性微粒子としては金属酸化物、金属、カーボンブラック、グラファイトの微粒子が挙げられる。また、これらの導電性微粒子を、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。導電性樹脂層中における導電性微粒子の含有量の目安としては、バインダー100質量部に対して2〜200質量部、特には5〜100質量部である。
[導電性樹脂層の形成方法]
導電性樹脂層を形成する方法を以下に例示する。まず、導電性の基体上に、バインダー中に中空形状の樹脂粒子を分散させた組成物の被覆層を形成する。その後、被覆層の表面を研磨することにより、中空形状の樹脂粒子のシェルの一部を削除して開口を有するボウル形状とし、該ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹部と、該ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジによる凸部を形成する(以下、これらの凹凸を含む形状を「ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状」と称す)。次いで、該凹部への導電性微粒子の塗布、または、酸素含有雰囲気下での被覆層の加熱処理等によって、被覆層の表面に存在する材料の導電率を調整する。
以下、導電性樹脂層の形成方法の各工程を詳細に説明する。尚、前記被覆層のうち研磨工程前の被覆層を「予備被覆層」と称す。また、電子写真用部材の原料における「中空形状の樹脂粒子のシェル」は、研磨処理によって、開口を有するボウル形状の樹脂粒子が形成された電子写真用部材においては、「ボウル形状の樹脂粒子のボウル」と称す。
[予備被覆層中への樹脂粒子の分散]
まず、予備被覆層中に中空形状の樹脂粒子を分散させる方法について説明する。一つの方法としては、内部に気体を含有している中空形状の樹脂粒子を、バインダー中に分散させた導電性樹脂組成物の塗膜を基体上に形成し、塗膜を乾燥、硬化、または架橋等を行う方法を例示することができる。尚、導電性樹脂組成物中には導電性粒子を含有させることができる。中空形状の樹脂粒子に使用する材料としては、気体透過性が低く、高反発弾性を有するという観点から、極性基を有する樹脂が好ましく、下記化学式(4)に示すユニットを有する樹脂が、より好ましい。特に研磨性を制御しやすいという観点から、化学式(4)に示すユニットと、化学式(8)に示すユニットを両方有することが、更に好ましい。
化学式(4)中、Aは下記化学式(5)、(6)及び(7)から選択される少なくとも1種である。R1は、水素原子、もしくは炭素数1から4のアルキル基である。
化学式(8)中、R2は、水素原子、もしくは、炭素数1から4のアルキル基であり、R3は、水素原子、もしくは、炭素数1から10のアルキル基である。
別の方法としては、粒子の内部に内包物質を含み、熱を加えることにより内包物質が膨張し、中空形状の樹脂粒子となる、熱膨張性マイクロカプセルを使用する方法を例示することができる。熱膨張性マイクロカプセルを、バインダー中に分散させた導電性樹脂組成物を作製し、この組成物を、導電性の基体上に被覆し、乾燥、硬化、または架橋等を行う方法である。この方法の場合、予備被覆層に使用するバインダーの乾燥、硬化、または架橋時の熱で内包物質を膨張させ、中空形状の樹脂粒子を形成することができる。その際、温度条件を制御することにより、粒径を制御可能である。
熱膨張性マイクロカプセルを用いる場合、バインダーとして熱可塑性樹脂を用いる必要がある。熱可塑性樹脂としては以下のものが挙げられる。アクリロニトリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メタクリル酸樹脂、スチレン樹脂、ブタジエン樹脂、ウレタン樹脂、アミド樹脂、メタクリロニトリル樹脂、アクリル酸樹脂、アクリル酸エステル樹脂類、メタクリル酸エステル樹脂類。この中でも特に、ガス透過度が低く、高い反発弾性を示すアクリロニトリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メタクリロニトリル樹脂から選ばれる少なくとも1種からなる熱可塑性樹脂を用いることが、後述する導電分布に制御する上で、より好ましい。これら熱可塑性樹脂は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。更に、これら熱可塑性樹脂の単量体を共重合させ、共重合体としてもよい。
熱膨張性マイクロカプセルに内包させる物質としては、前記熱可塑性樹脂の軟化点以下の温度でガスになって膨張するものが好ましく、例えば以下のものが挙げられる。プロパン、プロピレン、ブテン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタンの如き低沸点液体、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン、イソオクタン、ノルマルデカン、イソデカンなどの如き高沸点液体。
上記の熱膨張性マイクロカプセルは、懸濁重合法、界面重合法、界面沈降法、液中乾燥法といった公知の製法によって製造することができる。例えば、懸濁重合法においては、重合性単量体、上記熱膨張性マイクロカプセルに内包させる物質及び重合開始剤を混合し、この混合物を、界面活性剤や分散安定剤を含有する水性媒体中に分散させた後、懸濁重合させる方法を例示することができる。尚、重合性単量体の官能基と反応する反応性基を有する化合物、有機フィラーを添加することもできる。
重合単量体としては、下記のものを例示することができる。アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、フマロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、塩化ビニリデン、酢酸ビニル。アクリル酸エステル(メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート)、メタクリル酸エステル(メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート)。スチレン系モノマー、アクリルアミド、置換アクリルアミド、メタクリルアミド、置換メタクリルアミド、ブタジエン、ε−カプロラクタム、ポリエーテル、イソシアネート。これらの重合性単量体は単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、重合性単量体に可溶の開始剤が好ましく、公知のパーオキサイド開始剤及びアゾ開始剤を使用できる。これらのうち、アゾ開始剤が好ましい。アゾ開始剤の例を以下に挙げる。2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサン1−カルボニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル。中でも、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルが好ましい。重合開始剤を用いる場合、重合性単量体100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましい。
界面活性剤としてはアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子型分散剤を使用できる。界面活性剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましい。分散安定剤としては以下のものが挙げられる。有機微粒子(ポリスチレン微粒子、ポリメタクリル酸メチル微粒子、ポリアクリル酸微粒子及びポリエポキシド微粒子)、シリカ(コロイダルシリカ)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸バリウム、及び、水酸化マグネシウム等。分散安定剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対して、0.01〜20質量部が好ましい。
懸濁重合は耐圧容器を用い密閉下で行うことが好ましい。また、重合性原料を分散機等で懸濁してから、耐圧容器内に移して懸濁重合してもよく、耐圧容器内で懸濁してもよい。重合温度は50℃〜120℃が好ましい。重合は大気圧で行ってもよいが、上記熱膨張マイクロカプセルに内包させる物質を気化させないようにするため、加圧下(大気圧に0.1〜1MPaを加えた圧力下)で行うことが好ましい。重合終了後は遠心分離や濾過によって固液分離及び洗浄を行ってもよい。固液分離や洗浄する場合、この後、熱膨張マイクロカプセルを構成する樹脂の軟化温度以下にて乾燥や粉砕を行ってもよい。乾燥及び粉砕は既知の方法により行うことができ、気流乾燥機、順風乾燥機及びナウターミキサーを使用できる。また、乾燥及び粉砕は粉砕乾燥機によって同時に行うこともできる。界面活性剤及び分散安定剤は製造後に洗浄濾過を繰り返すことにより除去できる。
[予備被覆層の形成方法]
続いて、予備被覆層の形成方法について説明する。予備被覆層の形成方法としては、静電スプレー塗布、ディッピング塗布、ロール塗布のような塗布法により導電性の基体上に導電性樹脂組成物の層を形成し、乾燥、加熱、架橋等によってこの層を硬化させる方法が挙げられる。また、導電性樹脂組成物を所定の膜厚に成膜し硬化させたシート形状又はチューブ形状の層を、導電性の基体に対して接着又は被覆する方法が挙げられる。更に、導電性の基体を配置した型の中に導電性樹脂組成物を入れて硬化させて予備被覆層を形成する方法が挙げられる。また、特に、バインダーがゴムの場合には、クロスヘッドを備えた押出機を用いて、導電性の基体と未加硫ゴム組成物を一体的に押出して作製することもできる。クロスヘッドとは、電線や針金の被覆層を構成するために用いられる、押出機のシリンダ先端に設置して使用する押出金型である。この後、乾燥、硬化または架橋等を経た後、予備被覆層の表面を研磨して、中空形状の樹脂粒子のシェルの一部を削除してボウル形状とする。研磨方法としては円筒研磨方法やテープ研磨法を使用できる。円筒研磨機としては、トラバース方式のNC円筒研磨機、プランジカット方式のNC円筒研磨機が例示できる。
(a)予備被覆層の厚みが中空形状の樹脂粒子の平均粒径の5倍以下の場合
予備被覆層の厚みが中空形状の樹脂粒子の平均粒径の5倍以下の場合、予備被覆層の表面には、中空形状の樹脂粒子由来の凸部が形成されている場合が多い。この場合には、中空形状の樹脂粒子の凸部の一部を削除して、ボウル形状とし、ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状を形成することができる。この場合、研磨時に予備被覆層にかかる圧力が比較的小さい、テープ研磨方式を使用することがより好ましい。一例として、テープ研磨方式を使用する際の予備被覆層の研磨条件として好ましい範囲を下記に示す。
研磨テープは、研磨砥粒を樹脂に分散させ、それをシート状基材に塗布して得られるものである。研磨砥粒としては、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化鉄、ダイヤモンド、酸化セリウム、コランダム、窒化珪素、炭化ケイ素、炭化モリブデン、炭化タングステン、炭化チタン及び酸化珪素が例示できる。研磨砥粒の平均粒径は、0.01μm以上、50μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以上、30μm以下である。尚、上記研磨砥粒の平均粒径は、遠心沈降法により測定されたメジアン径D50である。上記好ましい範囲の研磨砥粒を有する研磨テープの番手の好ましい範囲は、500以上、20000以下であり、より好ましくは1000以上、10000以下である。
研磨テープの具体例を以下に挙げる。「MAXIMA LAP、MAXIMA Tタイプ」(商品名、レフライト株式会社)、「ラピカ」(商品名、KOVAX社製)、「マイクロフィニッシングフィルム」、「ラッピングフィルム」(商品名、住友3M株式会社(新社名:スリーエム ジャパン社))、ミラーフィルム、ラッピングフィルム(商品名、三共理化学株式会社製)、Mipox(商品名、Mipox(旧社名:日本ミクロコーティング株式会社)製)。
研磨テープの送り速度は、10mm/min以上、500mm/min以下が好ましく、50mm/min以上、300mm/min以下がより好ましい。研磨テープの予備被覆層への押し当て圧は、0.01MPa以上、0.4MPa以下が好ましく、0.1MPa以上、0.3MPa以下がより好ましい。押し当て圧を制御するため、予備被覆層には、研磨テープを介してバックアップローラを当接させてもよい。また、所望の形状を得るために、複数回に亘り、研磨処理を行ってもよい。回転数を、10rpm以上、1000rpm以下に設定することが好ましく、50rpm以上、800rpm以下に設定することがより好ましい。上記の条件とすることで、予備被覆層の表面に、ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状を、より容易に形成することができる。尚、予備被覆層の厚みが、上記範囲外であっても、下記に記載する(b)の方法により、ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状を形成可能である。
(b)予備被覆層の厚みが中空形状の樹脂粒子の平均粒径の5倍超の場合
予備被覆層の厚みが中空形状の樹脂粒子の平均粒径の5倍を超える場合、予備被覆層の表面には、中空形状の樹脂粒子由来の凸部が形成されていない場合が発生する。この様な場合は、中空形状の樹脂粒子と予備被覆層の材料との研磨性の差を利用して、ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状を形成可能である。中空形状の樹脂粒子は、内部に気体を内包しているため、高反発弾性を有する。これに対し、予備被覆層のバインダーとしては、比較的反発弾性が低く、且つ、伸びの小さなゴム又は樹脂を選択する。これにより予備被覆層は研磨されやすく、中空形状の樹脂粒子は研磨されにくい状態を達成できる。上記状態の予備被覆層を研磨すると、中空形状の樹脂粒子は、予備被覆層と同じ状態で研磨されることなく、中空形状の樹脂粒子のシェルの一部が削除されたボウル形状とすることができる。これにより、予備被覆層の表面に、ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状を形成することができる。この方法は、中空形状の樹脂粒子と予備被覆層の材料との研磨性の差を利用して、凹凸形状を形成する方法であるため、予備被覆層に使用する材料(バインダー)としては、ゴムが好ましい。この中でも、低反発弾性、且つ、伸びが小さいという観点から、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムを使用することが特に好ましい。
[研磨方法]
研磨方法としては、円筒研磨法やテープ研磨法を使用することができるが、材料の研磨性の差を顕著に引き出す必要があるため、より速く研磨する条件が好ましい。この観点から円筒研磨法を使用することがより好ましい。円筒研磨法の中でも、予備被覆層の長手方向を同時に研磨でき研磨時間が短縮できるという観点から、プランジカット方式を使用することが、更に好ましい。また、研磨面を均一にするという観点から従来行われていたスパークアウト工程(侵入速度0mm/minでの研磨工程)を、できるだけ短時間とするか、または行わないことが好ましい。一例として、プランジカット方式の円筒研磨砥石の回転数は、1000〜4000rpm、特には2000〜4000rpmが好ましい。予備被覆層への侵入速度は、5〜30mm/min、特には10〜30mm/minがより好ましい。侵入工程の最後には、研磨表面に慣らし工程を有してもよく、0.1以上0.2mm/min以下の侵入速度で2秒間以内とすることが好ましい。スパークアウト工程(侵入速度0mm/minでの研磨工程)は、3秒間以下が好ましい。回転数を50rpm以上500rpm以下に設定することが好ましく、更には200rpm以上に設定することがより好ましい。上記条件とすることで、予備被覆層の表面にボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形成を、より容易に形成することができる。尚、以下の説明において、研磨処理された予備被覆層を、単に「被覆層」と称す。
[導電率の制御方法]
帯電部材は、前記数式(1)〜(3)を満たす。数式(1)〜(3)におけるK1〜K3は、帯電部材の表面の各部位の導電率に起因した輝度を示しており、数式(1)〜(3)を満たすためには、「被覆層」の各部位の導電率を制御することが好ましい。
まず、前記数式(1)及び数式(2)を満たすため、前述したボウル形状の樹脂粒子のボウル部分の材料を、体積抵抗率が1010Ωcm以上である導電性の低い樹脂に設定することが好ましい。続いて、前記数式(3)を満たすためには、被覆層のバインダーの導電率とボウル形状の樹脂粒子由来の凹部の導電率を制御することが好ましい。上記導電率の制御は、上述した研磨工程の後の工程で行うことができ、本制御方法について下記に詳述する。
研磨工程の後の状態を図8に示す。まず、前述した通り、前記ボウル形状の樹脂粒子81を、導電率の低い材料、または、絶縁性の材料で形成することで、図8におけるボウル形状の樹脂粒子由来の凹部Dの方が、ボウル形状の樹脂粒子の脇のバインダー部Fに比べ、導電率を低い状態とすることができる。
続いて、上記研磨工程の後、数式(3)を満たすための被覆層の導電率制御手段として、下記3つの方法が例示できる。
〔方法1〕ボウル形状の樹脂粒子に由来する凹部に導電性微粒子を存在させる方法。
〔方法2〕ボウル形状の樹脂粒子のボウルの材質を酸素透過度が140cm/(m・24h・atm)以下である酸素透過度の低い材料として、被覆層の表面を酸素含有雰囲気下(大気雰囲気下等)にて加熱処理する方法。
〔方法3〕電子写真用部材の表面の一部を構成する導電性樹脂層中にシリコーンオイルを存在させる方法。
上記〔方法1〕について、図9を用いて説明する。ボウル形状の樹脂粒子に由来する凹部に導電性微粒子を塗布すると、図9におけるボウル形状の樹脂粒子由来の凹部(B4)の導電性を増大させることができる。そして、塗布する導電性微粒子の種類を選択することにより、K2/K3の値を数式(3)を満たす範囲内に制御することが可能となる。尚、塗布する導電性微粒子については前述した導電性微粒子を使用可能であるが、体積抵抗率が10〜10Ω・cmの導電性微粒子を使用することが好ましく、10〜10Ω・cmの導電性微粒子がより好ましい。尚、バインダーに用いる樹脂は特に限定されない。
上記〔方法2〕について、図8及び図10を用いて説明する。酸素含有雰囲気下での加熱処理では、酸化架橋が進行することにより樹脂の架橋度が増大する。それに伴い樹脂の導電率は低下する傾向にある。これは、酸化架橋が進行する程、分子運動性が低下することによるものである。酸化架橋の度合いは、加熱処理温度、架橋部の酸素濃度により調整できる。加熱温度については、高温である程、架橋度が高くなり、酸素濃度については、架橋部の酸素濃度が高い程、酸化架橋を進行させることができる。従って、上記の加熱温度と樹脂中の酸素濃度を制御することにより、図8におけるボウル形状の樹脂粒子の脇のバインダー部Fとボウル形状の樹脂粒子の直下部Eの導電性を制御することが可能になる。この際、樹脂中の酸素濃度を制御する手法として、ボウル形状の樹脂粒子のボウルの酸素透過度を調整することが有用である。
一般的な加熱処理では、被覆層の表面から被覆層内部の方向(図10のZ2の矢印方向)に、酸化架橋が進行する。ボウル形状の樹脂粒子の酸素透過度が低い場合には、図10(10a)に示されるように酸素透過がボウル形状の樹脂粒子81により遮られるため、図8のF部の酸化架橋と比較して、E部の酸化架橋が抑制される。これにより、E部の導電率はF部の導電率に比べ高くなる。そのため、図8のD部の導電率の値とF部の導電率の値が近くなる傾向にあり、数式(3)のK2/K3の値が1に近くなる。
一方、ボウル形状の樹脂粒子の酸素透過度が高い場合には、図10(10b)に示されるように、ボウル形状の樹脂粒子81は酸素を透過するために、図8のE部にも酸素が供給され、E部においてはF部と同様に酸化架橋が進行する。そのため、E部の導電率の値とF部の導電率の値は同程度となり、図8のD部の導電率の値とF部の導電率の値は大気雰囲気下で加熱処理を施しても近くならず、数式(3)のK2/K3の値は1に近くならない。
上記のように、ボウル形状の樹脂粒子のボウルを酸素透過度の低い材料で形成することは、導電率を制御する手法として有用である。
従って、ボウル形状の樹脂粒子のボウルを形成する材料としては、酸素ガス透過度が低い、アクリロニトリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メタクリロニトリル樹脂、メチルメタクリレート樹脂、及びこれらの樹脂の共重合体を使用することが好ましく、特には、アクリロニトリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂を使用することがより好ましい。これにより、上述した導電率の制御を、より容易に行うことが可能になる。
一方で、加熱処理の温度を変更することも、酸化架橋度を制御することができ、上記導電率を制御する有用な手法である。しかしながら、上記加熱による酸化架橋の進行は、高温であるほど促進されるが、同時に、バインダーの低分子成分の揮発等による収縮が生じてしまう。上記現象が発生した場合、バインダー中に分散した導電性微粒子が密となることで帯電部材の表面の導電率が大幅に増大してしまう傾向があり、これにより、数式(3)を満たさなくなる場合がある。従って、前記加熱温度は180〜210℃に制御することが好ましく、更には190〜200℃がより好ましいといえる。
尚、加熱処理の手法については、熱風連続炉、オーブン、近赤外加熱法、遠赤外加熱法など公知の手段を使用することができるが、酸素含有雰囲気下(酸素存在下)にて被覆層の表面を加熱処理可能な手法であれば、特にこれらの手法に限定されない。
バインダーとしての樹脂は、酸素含有雰囲気下で加熱した際の酸化架橋の効果が促進される樹脂を使用することが好ましい。具体的には、分子中に2重結合を有し、且つ、耐熱性の高いスチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)を使用すること好ましい。導電性樹脂層は、バインダーとして架橋ゴムを含み、導電性微粒子を含む導電性の熱架橋性ゴム組成物の層を酸素存在下で熱架橋せしめることによって形成されたものが好ましい。
上記〔方法3〕について、図14を用いて説明する。導電性樹脂層中にシリコーンオイルを添加し、その後、該導電性樹脂層を加熱する事で、該導電性樹脂層中のバインダーの分子運動性が高くなり、シリコーンオイルが該導電性樹脂層の表面の最表面に移行していく。このときボウル形状の樹脂粒子のガス透過性が低いと、ボウルの凹部にはシリコーンオイルが移行できず、ボウル形状の樹脂粒子の脇のバインダー部に選択的に移行することになる。上記方法により、電子写真用部材の表面の一部を構成する導電性樹脂層中にシリコーンオイルを含有させることができる。シリコーンオイルは絶縁性が高いため、シリコーンオイルを含む導電性樹脂層が露出してなる電子写真用部材の表面の部分は、導電率が低下し、ボウル凹部の導電率と近くなる。すなわち、数式(3)のK2/K3の値は1に近くなる。
シリコーンオイル種としては、公知のシリコーンオイルを用いることができるが、表面への移行のしやすさの観点から、ジメチルポリシロキサンがよく、さらに直鎖型ジメチルポリシロキサンが好ましい。また、シリコーンオイルは、室温(25℃)における粘度が、200mm/s以下が好ましく、100mm/s以下がより好ましい。また、20mm/s以上が好ましく、30mm/s以上がより好ましい。このような粘度範囲のシリコーンオイルを用いることによって、導電性樹脂層を加熱して表面側にシリコーンオイルをより良く移行させることができる。また、その際に、シリコーンオイルが気化することを有効に抑制することができる。
上述したとおり、ボウル形状の樹脂粒子としては、ガス透過性の低いアクリロニトリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メタクリロニトリル樹脂、メチルメタクリレート樹脂、及びこれらの樹脂の共重合体を使用することが好ましく、特には、アクリロニトリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂を使用することがより好ましい。
また、電子写真用部材の最表面にシリコーンオイルを効率的に移行する方法として、導電性樹脂層に用いるバインダーとして、シリコーンオイルと相溶性の悪い極性ゴムであるNBRを用いることが好ましい。また、シリコーンオイルを電子写真用部材の最表面に移行する際に、酸素含有雰囲気下において、導電性樹脂層を加熱することで、上記〔方法2〕の加熱処理を同時に行うことが可能になる。
以上、導電性樹脂層の形成方法について説明してきたが、本発明に係る電子写真用部材の製造方法の例は、以下の〔1〕〜〔5〕の通りである。
〔1〕バインダー中に中空形状の樹脂粒子を分散させた組成物の被覆層を導電性の基体上に形成する工程、該被覆層の表面を研磨することにより、中空形状の樹脂粒子のシェルの一部を削除して開口を有するボウル形状とし、該ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹部と、該開口のエッジによる凸部を形成する工程、及び、該凹部に導電性微粒子を存在させる工程、を有する電子写真用部材の製造方法。
〔2〕前記導電性微粒子を存在させる工程の後に、前記被覆層の表面を再研磨する工程、を有する電子写真用部材の製造方法。
〔3〕導電性微粒子、熱架橋性ゴム、および、中空形状の樹脂粒子を含む熱架橋性ゴム組成物の被覆層を該基体上に形成する工程、該被覆層の表面を研磨することにより、該中空形状の樹脂粒子のシェルの一部を削除して、開口を有するボウル形状の樹脂粒子となし、かつ、該開口が表面に露出する状態で該ボウル形状の樹脂粒子が保持されてなる層を形成する工程、及び、該被覆層中の熱架橋性ゴムを、酸素存在下で熱架橋せしめて、該開口に由来する凹部と、該開口のエッジに由来する凸部と、を表面に有し、かつ、表面の一部が、導電性樹脂層で構成されてなる電子写真用部材を得る工程、を有する電子写真用部材の製造方法。
〔4〕前記中空形状の樹脂粒子のシェルの酸素透過度が140cm/(m・24h・atm)以下である前記〔1〕〜〔3〕のいずれかの電子写真用部材の製造方法。
〔5〕前記中空形状の樹脂粒子のシェルの体積抵抗率が1010Ωcm以上である前記〔1〕〜〔4〕のいずれかの電子写真用部材の製造方法。
[導電率に起因した輝度の算出]
前述の導電率に起因した輝度による帯電部材の評価方法について、以下説明する。図11(11a)は凹凸部の導電率に起因した輝度を算出するための走査電子顕微鏡の一実施形態を示す概略図である。
符号93は導電性基体92に正の電位を印加する電源である。導電性基体92に所定の電位を印加し、その状態で帯電部材の表面から表面の各点に表面近傍のみに進入する加速電圧にて電子線91を照射する。電子線91の照射位置は図11(11a)のXY面(Yは紙面に垂直な方向)を連続的に走査する。電子線91が帯電部材の表面に照射されることにより、二次電子が放出される。この二次電子の測定量の大小をコントラストの情報に変換し、電子線照射位置と対応付けることにより画像化し、二次電子像を得る。
この際の電子線照射により帯電部材の表面から発生する二次電子の量は、導電性基体92に電源93により正の電位を印加している場合、被電子線照射部の導電率により以下の〔1〕または〔2〕の現象が生じる。
〔1〕被電子線照射部の導電率が高い場合(図11(11c))
正の電位を有する導電性基体側に、電子線照射により発生した二次電子が吸引され、検出器で検出される二次電子の量は少なくなる。
〔2〕被電子線照射部の導電率が低い場合(図11(11b))
正の電位を有する導電性基体側への、上記二次電子の吸引が抑制され、前記〔1〕に比べ、検出器で検出される二次電子の量は多くなる。
以上から、被電子線照射部の導電率により、前記二次電子の測定量の大小から変換されるコントラストが異なり、二次電子像の輝度により被電子線照射部の導電率を見積もることが可能となる。具体的には、前述の通り、輝度が小さい程、検出器で検出される二次電子の量が少ない、即ち、その部位の導電率が高いことを示している。輝度が大きい程、検出される二次電子の量が多い、即ち、その部位の導電率が低いことを示している。
本発明では、上記の導電率に起因したコントラスト画像を得ることが可能な走査電子顕微鏡を用い、図1(1a)の帯電部材の表面のボウルの凸部(C1)の輝度K1、ボウルの凹部の底部(B3)の輝度K2、及び、表面に露出しているバインダー(A3)の輝度K3を算出する。上記導電率に起因したコントラスト画像を得る上で、被観察物に電圧を印加することが有用であり、走査型電子顕微鏡を、真空フィードスルーを介して直流電源を接続可能に改造した装置により観察を行うことが好ましい。尚、「真空フィードスルー」とは、真空状態を維持した機器の内部へ、電気信号及び物理的な運動、流体などの輸送をコントロールするために、真空状態と大気を遮る真空壁に取り付けられる真空部品である。
以下、観察条件について説明する。導電性基体に印加する正の電位は、50〜100Vの範囲内である必要がある。画像形成時に帯電部材に一般的に帯電部材に印加される電圧が上記範囲内であり、そのコントラストが出力画像と相関があるためである。
電子線の加速電圧は、1kVである必要がある。1kVより加速電圧が低い場合、大部分の電子が図1(1a)のボウル形状の樹脂粒子11を透過することができず、前述したボウル形状の樹脂粒子とその直下に位置するバインダー部を含めた導電率に起因した輝度K2を正確に算出することができない。また、電子線の加速電圧が1kVよりも高い場合は、大部分の電子がボウル形状の樹脂粒子の直下のバインダー部まで透過してしまい、ボウル形状の樹脂粒子とその直下に位置するバインダー部を含めた導電率に起因した輝度K2の値を正確に算出することができない。
輝度K1〜K3の値を正確に算出する上で、走査型電子顕微鏡のコントラスト及びブライトネスも大きく影響を及ぼすため、輝度K1〜K3の値を正確に算出するために、本発明ではコントラスト45%以上55%以下、ブライトネス25%以上30%以下であることが好ましく、コントラスト50%、ブライトネス28%であることがより好ましい。
<電子写真装置>
本発明に係る電子写真装置の一例の概略構成を図12に示す。この電子写真装置は、電子写真感光体、電子写真感光体を帯電する帯電装置、露光を行う潜像形成装置、トナー像に現像する現像装置、転写材に転写する転写装置、電子写真感光体上の転写残トナーを回収するクリーニング装置、トナー像を定着する定着装置等から構成されている。
電子写真感光体102は、導電性基体上に感光層を有する回転ドラム型である。電子写真感光体は矢印の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。
帯電装置は、電子写真感光体102に所定の押圧力で当接されることにより接触配置される接触式の帯電ローラ101を有する。帯電ローラ101は、電子写真感光体102の回転に従い回転する従動回転であり、帯電用電源109から所定の直流電圧を印加することにより、電子写真感光体102を所定の電位に帯電する。電子写真感光体102に静電潜像を形成する潜像形成装置(不図示)は、例えばレーザービームスキャナーなどの如き露光装置が用いられる。一様に帯電された電子写真感光体102に画像情報に対応した露光光107を照射することにより、静電潜像が形成される。
現像装置は、電子写真感光体102に近接又は接触して配設される現像スリーブ又は現像ローラ103を有する。現像装置は、電子写真感光体の帯電極性と同極性に静電的処理されたトナーを反転現像により、静電潜像を現像してトナー像を形成する。転写装置は、接触式の転写ローラ104を有する。電子写真感光体からトナー像を普通紙などの如き転写材に転写する。転写材は、搬送部材を有する給紙システムにより搬送される。
クリーニング装置は、ブレード型のクリーニング部材106、回収容器108を有し、現像されたトナー像が転写材に転写された後に、電子写真感光体102上に残留する転写残トナーを機械的に掻き落とし回収する。ここで、現像装置にて転写残トナーを回収する現像同時クリーニング方式を採用することにより、クリーニング装置を省くことも可能である。転写材に転写されたトナー像は、不図示の加熱装置によって加熱された定着ベルト105と、該定着ベルトに対向して配置されたローラとの間を通過することで、転写材に定着される。
<プロセスカートリッジ>
本発明に係るプロセスカートリッジの一例の概略構成を図13に示す。このプロセスカートリッジは、電子写真感光体102、帯電ローラ101、現像ローラ103、クリーニング部材106等を一体化し、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されている。
以下に、具体的な製造例及び実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。実施例に先立ち、製造例1〜8(樹脂粒子No.1〜8の製造)、樹脂粒子の体積平均粒径の測定方法、製造例11〜16(ガス透過度測定用シートNo.1〜6の製造)、樹脂粒子の酸素ガス透過度の測定方法、製造例21〜41(導電性ゴム組成物No.1〜21の製造)について説明する。なお、以下の実施例および比較例の部数及び%は、特に明記しない限り、すべて質量基準である。
<製造例1:樹脂粒子No.1の製造>
イオン交換水4000質量部と、分散安定剤としてコロイダルシリカ9質量部およびポリビニルピロリドン0.15質量部からなる水性混合液を調製した。次いで、重合性単量体としてアクリロニトリル50質量部、メタクリロニトリル45質量部、及び、メチルアクリレート5質量部と、内包物質としてノルマルヘキサン12.5質量部と、重合開始剤としてジクミルパーオキシド0.75質量部からなる油性混合液を調製した。この油性混合液を、前記水性混合液に添加し、更に水酸化ナトリウム0.4質量部を添加することにより、分散液を調製した。
得られた分散液を、ホモジナイザーを用いて3分間攪拌混合し、窒素置換した重合反応容器内へ仕込み、400rpmの攪拌下、60℃で20時間反応させることにより、反応生成物を調製した。得られた反応生成物について、濾過と水洗を繰り返した後、80℃で5時間乾燥することで樹脂粒子を作製した。この樹脂粒子を音波式分級機により解砕して分級することによって、樹脂粒子No.1を得た。
<製造例2:樹脂粒子No.2の製造>
製造例1において、分級条件を変更した以外は同様の方法で樹脂粒子2を得た。
<製造例3〜8:樹脂粒子No.3〜8の製造>
コロイダルシリカの使用量、重合性単量体の種類と使用量、重合時の攪拌回転数の一つ以上を変更した以外は、製造例1と同様の方法により樹脂粒子を作製し、分級することによって、樹脂粒子No.3〜8を得た。
<樹脂粒子の体積平均粒径の測定>
樹脂粒子No.1〜8の体積平均粒径測定を、レーザ回折型粒度分布計(商品名:コールターLS−230型粒度分布計、コールター社製)により行った。測定には、水系モジュールを用い、測定溶媒として純水を使用した。純水にて粒度分布計の測定系内を約5分間洗浄し、消泡剤として測定系内に亜硫酸ナトリウムを10〜25mg加えて、バックグラウンドファンクションを実行した。次に純水50ml中に界面活性剤3滴〜4滴を加え、更に測定試料を1mg〜25mg加えた。試料を懸濁した水溶液を超音波分散器で1分間〜3分間分散処理を行い、被験試料液を調製した。前記測定装置の測定系内に被験試料液を徐々に加えて、装置の画面上のPIDSが45%以上55%以下になるように測定系内の被験試料濃度を調整して測定を行った。得られた体積分布から体積平均粒子径を算出した。樹脂粒子No.1〜8の材料の処方、重合時の撹拌条件、および、体積平均粒径を表1に示す。
<製造例11:ガス透過度測定用シートNo.1の製造>
この製造例のシートは、樹脂粒子から内包物質を除去して得られる樹脂材料のガス透過度を測定するためのシートである。前記樹脂粒子No.1を、100℃で加熱減圧することにより、内包物質を除去することで、樹脂組成物No.1を得た。その後、160℃に加熱した金型(Φ70mm、深さ500μm)に前記樹脂組成物を充填し、10MPaの圧力で加圧することにより、直径70mm、厚み500μmの円形状のガス透過度測定用シートNo.1を得た。
<製造例12〜16:ガス透過度測定用シートNo.2〜6の製造>
樹脂粒子No.1の代わりに樹脂粒子No.4〜8を用いて、前記と同様の方法により、ガス透過度測定用シートNo.2〜6を得た。
<シートの酸素ガス透過度の測定>
前記ガス透過度測定用シートNo.1〜6を用いて、JIS K 7126に記載の差圧法に基づいて下記条件にて、酸素ガス透過度を測定した。
測定機:ガス透過率測定装置(商品名:M−C3型、東洋精機製作所製)
使用ガス:JIS K 1101相当の酸素ガス
測定温度:23±0.5℃
試験圧力:760mmHg
透過面積:38.46cm(Φ70mm)
サンプル厚:500μm。
具体的な操作は以下の通りである。まず、ガス透過度測定用シートを透過セルに装着し、空気漏れが生じないよう均一な圧力で固定した。測定装置内の低圧側、高圧側を排気し、低圧側の排気を止め、真空に保った。その後、酸素ガスを高圧側に1気圧導入し、その際の高圧側の圧力をPuとした。低圧側の圧力が上昇し始め、酸素ガスの透過が確認された後、透過曲線(横軸:時間、縦軸:圧力)を描き、透過が定常状態を示す直線部分が確認されるまで、測定を行った。測定終了後、透過曲線の傾きをd/dとし、下記数式(9)を用いて、酸素ガス透過度GTR(cm/(m・24h・atm))を算出した。
Vc:低圧側容積(cm)、T:試験温度(K)、Pu:高圧側の圧力(mmHg)。
樹脂粒子No.1および4〜8に係るガス透過度測定用シートNo.1〜6の酸素ガス透過度の値を表2に示す。
<製造例21:導電性ゴム組成物No.1の製造>
アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)(商品名:N230SV,JSR社製)100質量部に対し、表3の成分(1)の欄に示す他の材料を加えて、50℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練した。これに、表3の成分(2)の欄に示す材料を添加した。次いで、温度25℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練し、導電性ゴム組成物No.1を得た。
<製造例22〜27及び30:導電性ゴム組成物No.2〜7及び10の製造>
製造例21において、樹脂粒子No.1を表7に示す樹脂粒子(樹脂粒子No.2〜8)に変更した以外は、製造例21と同様にして導電性ゴム組成物No.2〜7及び10を得た。
<製造例28:導電性ゴム組成物No.8の製造>
スチレンブタジエンゴム(SBR)(商品名:タフデン2003、旭化成ケミカルズ社製)100質量部に対し、表4の成分(1)の欄に示す他の材料を加えて、80℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練した。これに、表4の成分(2)の欄に示す材料を添加した。次いで、温度25℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練し、導電性ゴム組成物No.8を得た。
<製造例29:導電性ゴム組成物No.9の製造>
製造例25において、アクリロニトリルブタジエンゴムをブタジエンゴム(BR)(商品名:JSR BR01、JSR社製)に変更し、カーボンブラックを30質量部に変更した以外は、製造例25と同様にして導電性ゴム組成物No.9を得た。
<製造例31:導電性ゴム組成物No.11の製造方法>
アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)(商品名:N230SV,JSR社製)100質量部に対し、表5の成分(1)の欄に示す他の材料を加えて、50℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練した。これに、表5の成分(2)の欄に示す材料を添加した。次いで、温度25℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練し、導電性ゴム組成物No.11を得た。
<製造例32〜41:導電性ゴム組成物No.12〜21の製造方法>
シリコーンオイルのオイル種、及び添加部数を表7に示す条件とした以外は、製造例31と同様にして導電性ゴム組成物No.12〜21を得た。なお、使用したシリコーンオイルの詳細を表6に示す。
上記導電性ゴム組成物No.1〜21の処方を表7に示す。
<実施例1>
〔1.導電性基体〕
直径6mm、長さ252.5mmのステンレス鋼製の基体に、カーボンブラックを10質量%含有させた熱硬化性樹脂を塗布し、乾燥したものを導電性基体として使用した。
〔2.導電性弾性層の形成〕
クロスヘッドを具備する押出成形装置を用いて、導電性基体を中心軸として、その周面上に円筒状に製造例21で作製した導電性ゴム組成物1を被覆した。被覆した導電性ゴム組成物の厚みは、1.75mmに調整した。
押出後のローラを、熱風炉にて160℃で1時間加硫した後、ゴム層の端部を除去して、長さを224.2mmとし、予備被覆層を有するローラを作製した。得られたローラの外周面を、プランジカット式の円筒研磨機を用いて研磨した。研磨砥粒としてビトリファイド砥石を用い、砥粒は緑色炭化珪素(GC)で粒度は100メッシュとした。ローラの回転数を350rpmとし、研磨砥石の回転数を2050rpmとした。切り込み速度を20mm/minとし、スパークアウト時間(切り込み0mmでの時間)を0秒と設定して研磨を行い、導電性弾性層(被覆層)を有する導電性ローラを作製した。導電性弾性層の厚みは、1.5mmに調整した。尚、このローラのクラウン量(中央部の外径と中央部から両端部方向へ各90mm離れた位置の外径の差の平均値)は120μmであった。
研磨後、熱風炉を用いて、大気雰囲気下にて180℃で1時間、後加熱処理を行うことにより、帯電部材1を得た。この帯電部材1はその表面に、ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部とボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部を有する導電性樹脂層を有していた。
〔3.帯電部材の物性測定方法及び画像評価方法〕
[3−1.帯電部材の表面粗さRzjis及び平均凹凸間隔Smの測定]
JIS B 0601−1994表面粗さの規格に準じて測定し、表面粗さ測定器(商品名:SE−3500、小坂研究所社製)を用いて測定した。Rz及びSmは、帯電部材の無作為に選ばれた6箇所において測定し、その平均値とした。尚、カットオフ値0.8mmであり、評価長さは8mmである。
[3−2.ボウル形状の樹脂粒子の形状測定]
測定箇所は、帯電部材の長手方向の中央部、中央部から両端部方向へ各45mm離れた位置、及び中央部から両端部方向へ各90mm離れた位置の、長手方向の各5箇所について、帯電部材の周方向の各2箇所(位相0°及び180°)の合計10箇所とした。これらの各測定箇所において導電性樹脂層を500μmに亘って、20nmずつ集束イオンビーム加工観察装置(商品名:FB−2000C、日立製作所社製)を用いて、切り出し、その断面画像を撮影した。そして得られた断面画像を組み合わせ、ボウル形状の樹脂粒子の立体像を算出した。立体像から、図6で示すように「最大径」55と、図7で示す「開口部の最小径」63を算出した。なお、「最大径」の定義は、前記した通りである。
また、上記立体像から、ボウル形状の樹脂粒子の任意の10点において、ボウル形状の樹脂粒子の「外径と内径の差」即ち「シェルの厚み」を算出した。このような測定を視野内の樹脂粒子10個について行い、得られた計100個の測定値の平均値を算出した。表9−1に示す「最大径」、「開口部の最小径」及び「シェル厚み」は、上記の方法で算出した平均値である。尚、シェルの厚みの測定に際しては、各々のボウル形状の樹脂粒子について、シェルの最も肉厚な部分の厚みが、最も肉薄の部分の厚みの2倍以下、すなわち、シェルの厚みが略均一であることを確認した。
[3−3.帯電部材の表面の凸部の頂点と凹部の底部との高低差の測定]
帯電部材の表面をレーザ顕微鏡(商品名:LSM5 PASCAL:カール・ツァイス(Carl Zeiss)社製)を用いて、縦0.5mm、横0.5mmの視野で観察した。レーザを視野内のX−Y平面でスキャンさせることにより2次元の画像データを得、更に焦点をZ方向に移動させ、上記のスキャンを繰り返すことにより3次元の画像データを得た。その結果、まず、ボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部と、ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部が存在していることを確認した。更に、前記凸部の頂点と、前記凹部の底部との高低差54を算出した。このような作業を視野内のボウル形状の樹脂粒子2個について行った。そして、同様の測定を帯電部材の長手方向50箇所について行い、得られた計100個の樹脂粒子の平均値を算出し、この値を「高低差」として表9−1に示した。
[3−4.帯電部材の電気抵抗の測定]
図4は帯電部材34の電気抵抗値の測定装置である。導電性基体33の両端に軸受け32により荷重をかけて、帯電部材34を、電子写真感光体と同じ曲率の円柱形金属31に、平行になるように当接させた。この状態で、モータ(不図示)により円柱形金属31を回転させ、当接した帯電部材34を従動回転させながら安定化電源35から直流電圧−200Vを印加した。この時に流れる電流を電流計36で測定し、帯電部材34の電気抵抗値を計算した。荷重は各4.9Nとし、金属製円柱31は直径30mm、金属製円柱31の回転は周速45mm/secとした。なお、測定にあたり、帯電部材34を温度23℃、相対湿度50%の環境下に24時間以上放置し、同環境下に置かれた測定装置を用いて測定を行った。
[3−5.帯電部材の表面の凹凸部の導電率に起因した輝度の算出]
走査型電子顕微鏡(ULTRA plus、カールツァイス製)を、真空フィードスルーを介して直流電源(P4K−80H、松定プレシジョン製)を接続可能に改造し、観察を行った。観察は、導電性基体に75Vの電位を印加し、電子線を加速電圧1.0kVの条件で帯電部材の表面に照射し、作動距離(WD)2.8mm、倍率2000倍、コントラスト50%、ブライトネス28%として、ボウル形状の樹脂粒子由来の凹部と、帯電部材の表面のバインダーとを共に観察可能な領域を観察することで、二次電子像を得た。
この二次電子像において、ボウル形状の樹脂粒子のエッジに由来する凸部の輝度K1、ボウル形状の樹脂粒子に由来する凹部の底部における輝度K2、ボウル形状の樹脂粒子の脇のバインダーの輝度K3を、画像解析ソフトウェア(ImageProPlus(登録商標):AdobeSystem社製)を用いて算出した。各輝度は10μm×10μmの範囲の全画素の平均輝度値を4箇所測定し、それら4箇所の平均輝度値の平均値を用いた。
[3−6.画像評価]
図12に示す構成を有する電子写真装置であるキヤノン(株)製モノクロレーザープリンタ(「LBP6700」(商品名))を370mm/secのプロセススピードに改造し、更に、外部より、帯電部材に電圧を印加した。印加電圧は、交流電圧として、ピークピーク電圧(Vpp)を1800V、周波数(f)を1350Hz、直流電圧(Vdc)を−600Vとした。画像の解像度は、600dpiで出力した。
尚、プロセスカートリッジとして、上記プリンタ用のトナーカートリッジ524IIを用いた。上記プロセスカートリッジから付属の帯電ローラを取り外し、その代わりに帯電部材1をセットした。帯電部材1は、電子写真感光体に対し、一端で4.9N、両端で合計9.8Nのバネによる押し圧力で当接させた。このプロセスカートリッジを温度15℃、相対湿度10%の低温低湿環境に24時間馴染ませた後、画像評価を行った。具体的には、ハーフトーン画像(電子写真感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像)を出力し、得られた画像を目視にて観察し、ポチ状の画像欠陥の有無、横スジ状の画像欠陥の有無を下記基準により判定した。
[ポチ状画像の評価]
ランク1:ポチ状の画像欠陥が認められない。
ランク2:ポチ状の画像欠陥がわずかに認められるのみである。
ランク3:ポチ状の画像欠陥が一部の領域に、帯電ローラの回転ピッチに対応して発生していることが認められるが、実用上問題ない。
ランク4:ポチ状の画像欠陥が広範囲に認められ、目立つ。
[横スジ状画像の評価]
ランク1:横スジ状の画像欠陥が認められない。
ランク2:横スジ状の画像欠陥がわずかに認められるのみである。
ランク3:横スジ状の画像欠陥が一部の領域に、帯電ローラの回転ピッチに対応して発生していることが認められるが、実用上問題ない。
ランク4:横スジ状の画像欠陥が広範囲に認められ、目立つ。
<実施例2〜10>
実施例1において、加硫温度および研磨後の加熱温度を表8に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にして、帯電部材No.2〜10を作製した。
<実施例11〜24>
実施例1において、導電性ゴム組成物No.1を表8に示す導電性ゴム組成物No.に変更し、研磨後の加熱温度を表8に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にして、帯電部材No.11〜24を作製した。
<実施例25>
研磨までの工程について、実施例13と同様にして行うことにより、研磨した導電性ローラを作製した。次いで、図4の電流測定装置を利用してこの導電性ローラの表面に導電性微粒子として酸化亜鉛粉体(商品名:23−K、ハクスイテック株式会社製)を塗布した。具体的には、研磨した導電性ローラを、その両端のそれぞれに荷重4.9Nをかけて、円柱形金属31に平行になるように当接させた。この状態で、モータ(不図示)により円柱形金属31を周速45mm/secで回転させ、円柱形金属31と従動回転している導電性ローラに、上記酸化亜鉛粉体を染み込ませた不織布を押し当てることにより塗布した。
その状態で、最表面のみを10μm再研磨を行うことにより、ボウル形状の樹脂粒子の凹部のみに酸化亜鉛粉体が堆積した状態の帯電部材No.25を得た。
<実施例26及び27>
研磨した導電性ローラに塗布する導電性微粒子を、酸化亜鉛粉体(商品名:パゼットCK、ハクスイテック株式会社製)または、酸化亜鉛粉体(商品名:パゼットAB、ハクスイテック株式会社製)に変更した以外は、実施例25と同様にして、それぞれ、帯電部材No.26〜27を作製した。
<実施例28〜38>
実施例3において、導電性ゴム組成物No.1を表8に示す導電性ゴム組成物に変更した以外は、実施例3と同様にして、それぞれ、帯電部材No.28〜38を作製した。
<実施例39>
実施例28において、研磨後の加熱を行わなかった以外は、実施例28と同様にして帯電部材No.39を作製した。
[3−7.シリコーンオイルの存在の確認]
2次イオン質量分析(TOF−SIMS)装置(ULVAC−PHI社製TRIFT V nano TOF 型)を用いて測定した。測定箇所は、導電性ローラの表面のボウル型樹脂粒子内部の5箇所、及び導電性ローラの表面をなす導電性樹脂層の5箇所とした。各測定点において、2次イオン像よりROI(Region Of Interest)機能を用いて、スペクトルの抜き出しを行い、ケイ素、及び有機ケイ素由来の成分であるm/z=28Si、73Siのピーク強度を、それぞれ総2次イオン強度で規格化した。ボウル型樹脂粒子内部の5箇所の測定値の平均値J1、及び導電性ローラの表面をなす導電性樹脂層の5箇所の測定値の平均値J2を算出し、J1に対するJ2の比「J2/J1」を算出した。
<比較例1及び2>
研磨後の加熱温度を170℃または220℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、それぞれ、帯電部材No.C1及びNo.C2を作製した。
<比較例3>
導電性ゴム組成物No.1を導電性ゴム組成物No.10に変更した以外は、実施例2と同様にして、帯電部材No.C3を作製した。
<比較例4>
導電性ゴム組成物No.1を導電性ゴム組成物No.10に変更し、研磨後加熱温度を210℃に変更した以外は、実施例2と同様にして、帯電部材No.C4を作製した。
<比較例5>
研磨した導電性ローラに塗布する導電性微粒子を、グラファイト粉体(商品名:UF−G5、昭和電工株式会社製)に変更した以外は、実施例25と同様にして、帯電部材No.C5を作製した。
<比較例6>
研磨までの工程について、実施例1と同様にして行うことにより、研磨した導電性ローラを作製した。次いで、実施例27と同様にして帯電部材No.C6を作製した。
<比較例7>
研磨後の加熱処理までの工程について、実施例3と同様に行い、研磨した導電性ローラを作製した。その後、比較例6と同様にして帯電部材No.C7を作製した。
実施例1〜39に係る帯電部材No.1〜39、比較例1〜7に係る帯電部材No.C1〜C7について、製造に用いた導電性ゴム組成物No、樹脂粒子No、製造時の加硫温度および研磨後の加熱温度を表8に示す。また、実施例1〜39に係る帯電部材No.1〜39及び比較例1〜7に係る帯電部材No.C1〜C7の測定結果並びに評価結果を表9−1及び9−2に示す.
ポチ状画像について、実施例1〜38は、K2/K3の値が数式(3)の範囲を満たしているため、良好な評価結果が得られた。一方、比較例1〜4は、K2/K3の値が数式(3)の範囲上限より大きいため、表面に露出した導電性樹脂部への電界の集中による異常放電が発生して、広範囲に亘り、ポチ状画像が認められた。比較例5は、K2/K3の値が数式(3)の範囲下限より小さいため、ボウル形状の樹脂粒子に由来した凹部への電界の集中による異常放電が発生して、広範囲に亘り、ポチ状画像が認められた。
また、横スジ状画像について、実施例1〜38及び比較例1〜5は、数式(1)及び数式(2)を満たしているため、良好な評価結果が得られた。一方、比較例6及び7は、数式(1)及び数式(2)を満たしておらず、ボウル形状の樹脂粒子に由来したエッジ部と感光体との間に電気的引力が働きにくいため、スティックスリップに起因した異常放電により、横スジ状画像が認められた。
1 導電性の基体
2 導電性樹脂層
11 ボウル形状の樹脂粒子
12 導電性樹脂層(バインダー)
14 導電性樹脂層(表面層)
15 電子写真感光体
16 導電性微粒子
21 導電性樹脂層(中間層)
22 導電性樹脂層(表面層)
33 導電性の基体
34 帯電部材
41 ボウル形状の樹脂粒子
42 導電性樹脂層(バインダー)
51 ボウル形状の樹脂粒子の開口
52 ボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部
53 ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジ
61 開口
62 開口の凹部
81 ボウル形状の樹脂粒子
82 導電性樹脂層(バインダー)
92 導電性の基体
101 帯電ローラ
102 電子写真感光体

Claims (9)

  1. 導電性の基体と、該基体上の表面層としての導電性樹脂層と、を有する電子写真用部材であって、
    該導電性樹脂層は、バインダーを含み、かつ、開口を有するボウル形状の樹脂粒子を、該開口が該電子写真用部材の表面に露出する状態で保持してなり、
    該電子写真用部材の表面は、該表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部と、該表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部と、を有し、
    該電子写真用部材の表面の一部は、該導電性樹脂層によって構成されており、
    該電子写真用部材に対向配置させた電極と該基体との間に50V以上100V以下の直流電圧を印加した状態で、該電子写真用部材の表面を、走査型電子顕微鏡を用いて、加速電圧1kV、倍率2000倍にて観察し、
    該凸部における輝度をK1、該凹部の底部における輝度をK2、及び、該導電性樹脂層の露出表面における輝度をK3としたとき、K1、K2およびK3が、下記数式(1)〜(3)を満たすことを特徴とする電子写真用部材:
    式(1) K2<K1
    式(2) K3<K1
    式(3) 0.8≦K2/K3≦1.2。
  2. 前記電子写真用部材の表面の一部を構成する該導電性樹脂層中にシリコーンオイルを含む請求項1に記載の電子写真用部材。
  3. 導電性の基体と、該基体上の表面層としての導電性樹脂層と、を有する電子写真用部材であって、
    該導電性樹脂層は、バインダーとして架橋ゴムを含み、かつ、開口を有するボウル形状の樹脂粒子を、該開口が該電子写真用部材の表面に露出する状態で保持してなり、
    該電子写真用部材の表面は、該表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部と、該表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部と、を有し、
    該電子写真用部材の表面の一部は、該導電性樹脂層によって構成されており、
    該導電性樹脂層は、導電性微粒子を含む導電性の熱架橋性ゴム組成物の層を酸素存在下で熱架橋せしめることによって形成されてなるものであることを特徴とする電子写真用部材。
  4. 導電性の基体と、該基体上の表面層としての導電性樹脂層と、を有する電子写真用部材であって、
    該導電性樹脂層は、バインダーを含み、かつ、開口を有するボウル形状の樹脂粒子を、該開口が該電子写真用部材の表面に露出する状態で保持してなり、
    該電子写真用部材の表面は、該表面に露出している該ボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部と、該表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部と、を有し、
    該電子写真用部材の表面の一部は、該導電性樹脂層によって構成されており、かつ、
    該凹部に導電性微粒子が存在することを特徴とする電子写真用部材。
  5. 導電性の基体と、該基体上の表面層としての導電性樹脂層と、を有する電子写真用部材の製造方法であって、
    (1)バインダー中に中空形状の樹脂粒子を分散させた組成物の被覆層を該基体上に形成する工程、
    (2)該被覆層の表面を研磨することにより、中空形状の樹脂粒子のシェルの一部を削除して、開口を有するボウル形状とし、該ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹部と、該開口のエッジによる凸部を形成する工程、
    3)該凹部に導電性微粒子を存在させる工程、および
    (4)該工程(3)の後に、前記被覆層の表面を再研磨し、該凹のみに該導電性微粒子を存在させる工程、を有することを特徴とする電子写真用部材の製造方法。
  6. 導電性の基体と、該基体上の表面層としての導電性樹脂層と、を有する電子写真用部材の製造方法であって、
    (1)導電性微粒子、熱架橋性ゴム、および、中空形状の樹脂粒子を含む熱架橋性ゴム組成物の被覆層を該基体上に形成する工程、
    (2)該被覆層の表面を研磨することにより、該中空形状の樹脂粒子のシェルの一部を削除して、開口を有するボウル形状の樹脂粒子となし、かつ、該開口が表面に露出する状態で該ボウル形状の樹脂粒子が保持されてなる層を形成する工程、及び、
    (3)該被覆層中の熱架橋性ゴムを酸素存在下で熱架橋せしめて、該開口に由来する凹部と、該開口のエッジに由来する凸部と、を表面に有し、かつ、表面の一部が、導電性樹脂層で構成されてなる電子写真用部材を得る工程、
    を有することを特徴とする電子写真用部材の製造方法。
  7. 前記中空形状の樹脂粒子のシェルの酸素透過度が140cm /(m ・24h・atm)以下である請求項6に記載の電子写真用部材の製造方法。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真用部材と、電子写真感光体とを有し、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ
  9. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真用部材と、電子写真感光体とを有することを特徴とする電子写真装置
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