JP2018205700A - 電子写真用ローラ、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真用ローラ、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】感光体と電子写真用ローラの従動回転性を向上させることで、電子写真用ローラ表面の汚れムラに起因したポチ状画像の発生を抑制した電子写真用ローラを提供する。【解決手段】導電性基体に導電性の弾性層からなる表面層を有し、ボウル形状の樹脂粒子の開口が該電子写真用ローラの表面に露出する電子写真用ローラであって、電子写真用ローラをガラス板に対して特定の荷重を負荷して押圧し、電子写真用ローラの周方向に沿う方向の長さを1辺の長さとしてニップ内の任意の位置に置いた正方形領域内における凸部とガラス板との接触部の個数が8以上であり、接触部の各々の面積の平均値が10μm2以上111μm2以下であり、接触部の面積の変動係数及び接触部の各々を包含する複数個のボロノイ領域の面積の変動係数Dが特定の関係式をそれぞれ満たす電子写真用ローラを提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真用ローラ、それを用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
特許文献1には、導電性基体と、表面層としての導電性弾性層を有し、表面層の表面がボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部とその開口のエッジに由来する凸部を有する、帯電ローラ等として利用し得る電子写真用のローラ部材が開示されている。特許文献1では、ローラ部材の長手方向の中央部と端部における表面の変形と深さ方向の変形に対する復元速度を規定することで、ローラ部材を当接する感光体の不均一な摩耗を抑制し、且つ、ローラ部材と感光体ドラムの従動回転性を向上させている。
特開2014−211624号公報
本発明者らの検討の結果、特許文献1に係るローラ部材は、感光体ドラムに対する優れた従動回転性を有するものの、近年のプロセススピードのより一層の高速化に対しては、いまだ改善の余地があった。
本発明の一態様は、感光体ドラムに対する従動回転性がより一層向上してなる電子写真用ローラの提供に向けたものである。
また、本発明の他の態様は、高品位な電子写真画像の形成に資するプロセスカートリッジ及び電子写真装置の提供に向けたものである。
本発明の一態様によれば、
導電性基体と、該導電性基体上の表面層としての導電性の弾性層を有する電子写真用ローラであって、
該弾性層は、バインダーを含み、且つ、開口を有するボウル形状の樹脂粒子を、該開口が該電子写真用ローラの表面に露出する状態で保持してなり、
該電子写真用ローラの表面は、
該表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部と、
該表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部と、を有し、
該電子写真用ローラの表面の一部は、該弾性層によって構成されており、
該電子写真用ローラをガラス板に対して、該電子写真用ローラと該ガラス板とで形成されるニップの単位面積当たりの荷重が、6.5g/mm以上14.3g/mm以下となるように押圧し、該ニップの該電子写真用ローラの周方向に沿う方向の長さを1辺の長さとする正方形領域を該ニップ内の任意の位置に置いたとき、該正方形領域内における該凸部と該ガラス板との接触部の個数が8以上であり、
該接触部の各々の面積の平均値Saveが、10μm以上111μm以下であり、
該接触部の面積の変動係数Sが、下記式(1)を満たし、
該接触部の各々を包含する複数個のボロノイ領域の面積の変動係数Dが下記式(2)を満たす電子写真用ローラが提供される:
式(1)
0.68≦S≦1.00;
式(2)
0.85≦D≦1.20。
本発明の他の態様によれば、上記の電子写真用ローラと、電子写真感光体とを有し、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジが提供される。
本発明の他の態様によれば、更に、上記の電子写真用ローラと、電子写真感光体とを有する電子写真装置が提供される。
本発明の一態様によれば、感光体ドラムに対する従動回転性がより一層向上してなる電子写真用ローラを得ることができる。
また、本発明の他の態様によれば、高品位な電子写真画像の形成に資するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を得ることができる。
(a)はボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部とガラス板の当接状態を説明するための断面図である。(b)は樹脂粒子の開口のエッジ部に由来する凸部とガラス板の接触部の一例を示した図である。(c)は樹脂粒子の開口のエッジ部に由来する凸部とガラス板の接触部のボロノイ分割の一例を示した図である。 本発明に係る電子写真用ローラの一例を示す概略断面図である。 本発明に係る電子写真用ローラをガラス板に当接させた際の変形状態の一例を示す断面図である。 本発明に係る電子写真用ローラの一例の表面近傍の部分断面図である。 本発明に用いられるボウル形状の樹脂粒子の形状の説明図である。 本発明に係る電子写真用ローラの製造に用いられる電子線照射装置の説明図である。 本発明に係る電子写真用ローラの製造に用いられるエリア型電子線照射源の説明図である。 本発明に係る電子写真装置の一例を表す概略断面図である。 本発明に係るプロセスカートリッジの一例を表す概略断面図である。 本発明に用いられる電気抵抗測定装置の概略図である。 ガラス板と電子写真用ローラ表面を当接させる冶具の概略図である。
本発明に係る電子写真用ローラは、導電性基体と、導電性基体上の表面層としての導電性の弾性層を有する。弾性層は、バインダーを含み、且つ、開口を有するボウル形状の樹脂粒子を、開口が電子写真用ローラの表面に露出する状態で保持している。また、電子写真用ローラの表面の一部は、該弾性層によって構成されている。
更に、電子写真用ローラの表面は、表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部と、表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部(以下、エッジ部とも称す)と、を有する。
本発明にかかる電子写真用ローラは、以下の試験条件において、ニップの電子写真用ローラの周方向に沿う方向の長さ(以下、ニップの周方向長さとも称す)を1辺の長さとする正方形領域を該ニップ内の任意の位置に置いたとき、正方形領域内における凸部と該ガラス板との接触部の個数が8以上であり、且つ、下記式(1)及び下記式(2)を満たす。
尚、「ニップ」とは、電子写真用ローラとガラス板との間の接触部であり、より詳しくは、電子写真用ローラの長手方向に直交する方向における、電子写真用ローラとガラス板との接触点の周方向の両端の2箇所について、各々の接触点を通る電子写真用ローラの長手方向に平行な2本の直線で挟まれる領域である。
0.68≦S≦1.00 ・・・式(1)
0.85≦D≦1.20 ・・・式(2)
(試験条件)
電子写真用ローラの長手方向、すなわち電子写真用ローラの軸(回転中心軸方向)の全幅にわたってガラス板を配置する。この状態において、電子写真用ローラと該ガラス板とで形成されるニップの単位面積当たりの荷重が、6.5g/mm以上14.3g/mm以下となるように押圧し、ガラス板を電子写真用ローラに当接させる。この当接状態におけるエッジ部とガラス板との接触部の面積の変動係数をSとし、接触部のボロノイ分割により形成されるボロノイ多角形の面積の変動係数をDとする。
尚、ニップの単位面積当たりの荷重については、一般的な電子写真装置における電子写真用ローラの感光体に対する当接荷重と、前記当接荷重により押圧した際のニップ面積より、上記範囲を採用した。
なお、ガラス板は、電子写真用ローラが当接される感光体等の部材をモデル化したものであり、ガラス板を用いることによって、後述する観察手法により電子写真用ローラと感光体等の部材との当接状態を模擬的に可視化することが可能となる。
電子写真用ローラを感光体と接触して従動回転する部材として用いる場合について、電子写真用ローラの弾性層の表面構造と上記の式(1)及び式(2)との関係を以下に説明する。
図1(a)は、弾性層表面に保持された開口を有するボウル形状の樹脂粒子により形成された凹凸構造をガラス板の接触用平面に押圧した状態の一例を、弾性層及びガラス板の厚さ方向における部分断面で示す図である。図1(a)に示すように、かかる凹凸構造をガラス板に押圧すると、バインダー12中に分散されたボウル形状の樹脂粒子11の開口に由来するエッジ部がガラス板13の一方の面に接触する。
次に、エッジ部とガラス板との接触部の面積の変動係数Sについて説明する。
図1(a)のAがエッジ部とガラス板13との接触部であり、その接触部Aを矢印Bの方向、すなわちガラス板のエッジ部との接触面に対して反対側の面から顕微鏡にて観察すると、図1(b)に示すような複数の接触部Aが確認される。図1(b)における接触部Aの面積を全ての接触部Aにて算出し、その平均値をSave、標準偏差をSσとした場合、SσをSaveで除した値である変動係数をSと定義した。Sはエッジ部と感光体の接触部Aの面積の分布を表わす指標であり、Sが小さい程、接触部の面積が均一であることを示している。
次に、エッジ部とガラス板との接触部のボロノイ分割により形成され、接触部の各々を包含する複数個のボロノイ領域の面積の変動係数Dについて説明する。
図1(b)に示す接触部Aをボロノイ分割することで、ボロノイ領域Eを得ることができる。ボロノイ領域Eのそれぞれの面積を算出し、その平均値をDave、標準偏差をDσとした場合、DσをDaveで除した値である変動係数をDと定義する。
次に、ボロノイ領域について説明する。
ボロノイ領域とは、ボロノイ分割により形成される領域のことである。具体的にボロノイ分割は以下の手順で行う。
画像領域内に複数の点(以下、母点とも称す)が存在するとき、隣接する母点を全て直線で結び、隣り合う2つの母点を結ぶ基礎直線の各々について垂直二等分線を作成する。隣り合う基礎直線から伸びる垂直二等分線同士を連結すると、一つの母点が垂直二等分線によって囲まれる領域が生じる。この垂直二等分線によって囲まれる領域をボロノイ領域と呼ぶ。隣接する2つの母点を結ぶ直線とその垂直二等分線が交差する点は各母点からの最短距離を示すものであり、これら垂直二等分線によって囲まれて形成されるボロノイ領域の大きさ(面積)は隣接する母点の距離を表している。つまり、隣接する母点の距離が大きい場合、ボロノイ領域の面積も大きくなる。
本件では、上記ボロノイ分割の母点を点以外に拡張し、接触部同士の距離を評価している。具体的に以下の方法で行う。
図1(c)に示すように、エッジ部と感光体との接触部の重心(図1(c)のC)を算出する。隣接する接触部の重心を全て直線で結び、基礎直線とし、各々の接触部の外周と前記基礎直線との交点(図1(c)のF)を算出する。この交点Fは1本の重心同士を結んだ直線上に2つ作成される。この2つの交点間の垂直二等分線を作成する。隣り合う接触部から作成される垂直二等分線同士を連結すると、一つの接触部が垂直二等分線に囲まれる領域が生じ、本件ではボロノイ領域と定義する。このボロノイ領域は接触部同士の距離を示しており、その変動係数Dは、各接触部A同士の距離の分布を表す指標として利用でき、Dが小さい程、各接触部Aの距離が均一であり、その分布が小さいことを示していると考えることができる。
前述のS及びDにより、エッジ部と感光体との接触部の均一性を表すことが可能となり、Sが小さく、且つ、Dが小さい程、エッジ部と感光体との接触部は、面積の分布が小さく、且つ、接触部同士の距離の分布も小さくなる。したがって、S及びDの好適な範囲を選択することによって、電子写真用ローラと感光体との当接状態を安定化させることができる。結果として、電子写真用ローラと感光体が従動回転する際に、従動回転性を高めることが可能となり、回転ムラを低減し、回転ムラに起因する汚れムラを抑制することが可能となる。
本発明においては、エッジ部と感光体との接触部の面積の分布を示すSが前記式(1)の範囲を満たす。Sが1.00以下、好ましくは0.90以下であれば接触部の面積の分布が小さく、電子写真用ローラと感光体との従動回転性を高くすることができる。Sの下限は、0.68とした。理由は、導電性弾性層中にバインダーとボウル形状の樹脂粒子とを含有させる本構成にて、Sを0.68未満とする手段を見出すことが出来なかったことによる。
加えて、本発明においては、エッジ部と感光体の接触部間の距離の分布を示すDが前記式(2)の範囲を満たす。Dが1.20以下、好ましくは1.10以下であれば接触部同士の距離の分布が小さく、電子写真用ローラと感光体との従動回転性を高くすることができる。Dの下限は、0.85とした。理由は、導電性弾性層中にバインダーとボウル形状の樹脂粒子とを含有させる本構成にて、Dを0.85未満とする手段を見出すことが出来なかったことによる。
前述した通り、式(1)及び式(2)を満たす電子写真用ローラは、エッジ部と感光体との接触部の面積分布が小さく、且つ、接触部間の距離の分布が小さい。そのため、電子写真用ローラと感光体が従動回転する際に当接状態が回転方向に対して一様となるために、従動回転性が向上し、回転ムラが低減されることにより、回転ムラに起因した汚れムラが抑制される。
また、エッジ部とガラス板との接触部の数に関して、電子写真用ローラと該ガラス板とで形成されるニップの単位面積当たりの荷重が、6.5g/mm以上14.3g/mm以下となるように押圧し、ニップの電子写真用ローラの周方向に沿う方向の長さを1辺の長さとする正方形領域を該ニップ内の任意の位置に置いたとき、正方形領域内における凸部と該ガラス板との接触部の個数が8以上とされる。すなわち、当該正方形領域をニップ内のどこにおいても、当該正方形領域内に含まれる当該接触部の個数は8個以上とされる。
そして、上記荷重を6.5g/mmとしたときの、正方形領域内に含まれる当該接触部の個数は、好ましくは8個以上、50個以下が好ましい。
また、上記荷重を10.9g/mmとしたときの、正方形領域内に含まれる当該接触部の個数は、好ましくは10個以上、60個以下が好ましい。
さらに、上記荷重を14.3g/mmとしたときの、正方形領域内に含まれる当該接触部の個数は、好ましくは20個以上、70個以下が好ましい。
更に、前述のS及びDが前記式(1)及び式(2)を満たすことによる回転ムラ低減による汚れムラ抑制効果を更に向上させるためには、40個/mm以上190個/mm以下の密度で接触部が存在することが好ましい。
また、前述のSaveは、その値が小さい程、電子写真用ローラ表面に存在するエッジ部と感光体との接触部の面積が小さくなり、汚れのムラだけでなく、汚れの量自体も低減する。従って、Saveは、10μm以上111μm以下である。特には、Saveは、10μm以上40μm以下であることが好ましい。
Dが前述の式(1)を満たすことに加えて、前述のDaveについても、小さい程、電子写真用ローラ表面のエッジ部と感光体との接触部の隣接する接触部間の距離が小さいため、当接状態が安定し、従動回転性が向上することで、前述の回転ムラに起因した汚れムラ抑制効果が向上するため、より好ましい。具体的には、Daveが1300μm以上3000μm以下であることが好ましい。
<ガラス板>
ガラス板としては、例えば、材質:BK7、面精度:両面光学研磨面、平行度:1分以内、厚み:2mmのガラス板が用いられる。先に、図1(a)において説明したように、ガラス板の一方の平面として形成された面を、電子写真用ローラを押圧する接触用の面として利用し、その反対側の面を接触部の観察用の面として利用することができる。ガラス板の幅(W2)は、電子写真用ローラの軸(回転軸)方向(すなわち、長手方向)の幅(W1)と同等以上(W1≦W2)とされる。また、ガラス板の幅(W2)と直行する方向の長さ(L)は、上述したS及びDの算出に必要な情報を得るためのニップ部が形成可能なであるように設定すればよい。例えば、長さ(L)は電子写真用ローラの軸に直行する方向の長さ、すなわち外径以上とすることが好ましい。
<電子写真用ローラ>
電子写真用ローラの断面の一例の概略図を図2(a)及び図2(b)に示す。図2(a)の電子写真用ローラは、導電性基体1と導電性弾性層2を有している。導電性弾性層は図2(b)に示すように、導電性弾性層21及び22の2層構成であってもよい。
導電性基体1及び導電性弾性層2、あるいは、導電性基体1上に順次積層する層(例えば、図2(b)に示す導電性弾性層21及び導電性弾性層22)は、接着剤を介して接着してもよい。この場合、接着剤は導電性であることが好ましい。導電性の接着剤には公知のものを用いることができる。
接着剤の基剤としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が挙げられるが、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、ポリエーテル系、エポキシ系のような公知のものを用いることができる。接着剤に導電性を付与するための導電剤としては、後に詳述する導電性微粒子から適宜選択し、1種類を単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
〔導電性基体〕
導電性基体は、導電性を有し、その上に設けられる導電性弾性層を支持する機能を有するものである。材質としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケルの如き金属やその合金(ステンレス鋼等)を挙げることができる。
〔導電性弾性層〕
図4(a)および図4(b)は電子写真用ローラの表面層を構成する導電性弾性層の表面近傍の部分断面図である。導電性弾性層に含有されている一部のボウル形状の樹脂粒子41は、電子写真用ローラの表面に露出している。電子写真用ローラの表面は、表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子41の開口51に由来する凹部52と、表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子41の開口51のエッジ53に由来する凸部としてのエッジ部を有する。更に、表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子41の周囲にはバインダー42からなる部分が形成されている。エッジ53は図4(a)及び図4(b)等に示す形態をとることができる。
図4(c)に示すエッジ部の頂点と、ボウル形状の樹脂粒子41のシェルによって画定された凹部52の底部との高低差54は、5μm以上100μm以下、特に10μm以上88μm以下とすることが好ましい。本範囲内とすることにより、電子写真用ローラと感光体により形成されるニップ部におけるエッジ部の点接触をより確実に維持することができる。また、エッジ部の頂点と凹部の底部との高低差54と、ボウル形状の樹脂粒子の最大径55との比、すなわち、樹脂粒子の[最大径]/[高低差]は、0.8以上3.0以下であることが好ましく、特には、1.1以上1.6以下が好ましい。樹脂粒子の[最大径]/[高低差]の値をこの範囲内とすることにより、電子写真用ローラと感光体により形成されるニップ部におけるボウルのエッジの点接触をより確実に維持することができる。なお、本発明において、ボウル形状の樹脂粒子の「最大径」とは、当該ボウル形状の樹脂粒子が与える円形の投影像における最大長さであると定義する。当該ボウル形状の樹脂粒子が複数個の円形の投影像を与える場合は、各々の投影像における最大長さのうちの最大値を、当該ボウル形状の樹脂粒子の「最大径」とする。
前記凹凸形状の形成により、導電性の弾性層の表面状態は、下記のように制御されていることが好ましい。すなわち、電子写真用ローラの外表面を構成する、弾性層の導電性基体に対向する側とは反対側の表面の十点平均粗さ(Rzjis)は、5μm以上75μm以下、特には、10μm以上50μm以下が好ましい。表面の凹凸平均間隔(Sm)は、30μm以上200μm以下、特には40μm以上154μm以下が好ましい。上記の範囲内とすることにより、電子写真用ローラと感光体により形成されるニップ部におけるボウルのエッジの点接触をより確実に維持することができる。尚、表面の十点平均粗さ(Rzjis)及び表面の凹凸平均間隔(Sm)の測定法については、後に詳述する。
ボウル形状の樹脂粒子の一例を図5(a)から図5(e)に示す。
本発明において、「ボウル形状」とは、開口部61と、丸みのある凹部62と、を有する形状をいう。「開口部」は、図5(a)及び図5(b)に示すように、ボウルのエッジが平坦であってもよく、また、図5(c)から図5(e)に示すようにボウルのエッジが凹凸を有していてもよい。
ボウル形状の樹脂粒子の最大径55の目安は、10μm以上150μm以下、18μm以上102μm以下が好ましい。また、ボウル形状の樹脂粒子の最大径55と、開口部の最小径63の比、即ち、ボウル形状の樹脂粒子の[最大径]/[開口部の最小径]が、1.1以上4.0以下であることがより好ましい。本範囲内とすることにより、感光体と電子写真用ローラによって形成されるニップ部においてボウル形状の樹脂粒子が導電性弾性層の内部方向へ沈む動きをより確実に得ることができる。
ボウル形状の樹脂粒子の開口部周辺のシェルの厚み(縁の外径と内径の差)は0.1μm以上3μm以下、特には、0.2μm以上2μm以下であることが好ましい。本範囲内とすることによって、より確実に後述するニップ部にてボウル形状の樹脂粒子が導電性弾性層の内部方向へ沈む動きをすることができる。また、上記シェルの厚みは、「最大厚み」が、「最小厚み」の3倍以下であることが好ましく、2倍以下であることがより好ましい。
[バインダー]
導電性弾性層に含有されるバインダーとしては、公知のゴムまたは樹脂を用いることができる。ゴムとしては、例えば、天然ゴムやこれを加硫処理したもの、合成ゴムを挙げることができる。合成ゴムとしては、例えば、以下のものが挙げられる。エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプロピレンゴム(IR)、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム及びフッ素ゴム。
樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂の如き樹脂が使用できる。中でも、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂がより好ましい。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、これら樹脂の単量体を共重合させ、共重合体としてもよい。
[導電性微粒子]
導電性弾性層の体積抵抗率の目安としては、温度23℃、相対湿度50%の環境下において、1×10Ωcm以上、1×1016Ωcm以下とすることが好ましい。本範囲内とすることで、放電により電子写真感光体を適切に帯電することが、より容易になる。そのために、導電性弾性層中に、公知の導電性微粒子を含有してもよい。導電性微粒子としては金属酸化物、金属、カーボンブラック、グラファイトの微粒子が挙げられる。また、これらの導電性微粒子を、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。導電性弾性層中における導電性微粒子の含有量の目安としては、バインダー100質量部に対して2質量部以上200質量部以下、特には5質量部以上100質量部以下である。
[導電性弾性層の形成方法]
導電性弾性層を形成する方法を以下に例示する。まず、導電性基体上に、バインダー中に中空形状の樹脂粒子を分散させた被覆層を作製する。その後、被覆層の表面を研磨することにより、中空形状の樹脂粒子の一部を削除してボウル形状とし、ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹部と、ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジによる凸部を形成する。(以下、これらの凹凸を含む形状を「ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状」と称す。)この様に導電性樹脂層を形成し、次に加熱処理を行うことで、熱硬化させる。尚、前記被覆層のうち研磨工程前の被覆層を「予備被覆層」と称す。
[予備被覆層中への樹脂粒子の分散]
まず、予備被覆層に中空形状の樹脂粒子を分散させる方法について説明する。一つの方法としては、内部に気体を含有している中空形状の樹脂粒子を、バインダー中に分散させた導電性樹脂組成物の塗膜を基体上に形成し、塗膜を乾燥、硬化、または架橋等を行う方法を例示することができる。尚、導電性樹脂組成物中には導電性粒子を含有させることができる。
中空形状の樹脂粒子に使用する材料としては、気体透過性が低く、高反発弾性を有するという観点から、極性基を有する樹脂が好ましく、下記化学式(4)に示すユニットを有する樹脂が、より好ましい。特に研磨性を制御しやすいという観点から、化学式(4)に示すユニットと、化学式(8)に示すユニットとを両方有することが、更に好ましい。
Figure 2018205700
化学式(4)中、Aは下記化学式(5)、(6)及び(7)のいずれかを表す。なお、中空形状の樹脂粒子用の樹脂が複数の式(4)で示されるユニットを有する場合に、下記化学式(5)、(6)及び(7)から選択される少なくとも1種のAを有してもよい。R1は、水素原子、もしくは炭素数1から4のアルキル基である。
Figure 2018205700
化学式(8)中、R2は、水素原子、もしくは、炭素数1から4のアルキル基であり、R3は、水素原子、もしくは、炭素数1から10のアルキル基である。
別の方法としては、粒子の内部に内包物質を含み、熱を加えることにより内包物質が膨張し、中空形状の樹脂粒子となる、熱膨張性マイクロカプセルを使用する方法を例示することができる。熱膨張性マイクロカプセルを、バインダー中に分散させた導電性樹脂組成物を作製し、この組成物を、導電性基体上に被覆し、乾燥、硬化、または架橋等を行う方法である。この方法の場合、予備被覆層に使用するバインダーの乾燥、硬化、または架橋時の熱で内包物質を膨張させ、中空形状の樹脂粒子を形成することができる。この際、温度条件を制御することにより、粒径を制御可能である。
熱膨張性マイクロカプセルを用いる場合、バインダーとして熱可塑性樹脂を用いる必要がある。熱可塑性樹脂としては以下のものが挙げられる。アクリロニトリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メタクリル酸樹脂、スチレン樹脂、ブタジエン樹脂、ウレタン樹脂、アミド樹脂、メタクリロニトリル樹脂、アクリル酸樹脂、アクリル酸エステル樹脂類、メタクリル酸エステル樹脂類。この中でも特に、ガス透過度が低く、高い反発弾性を示すアクリロニトリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メタクリロニトリル樹脂から選ばれる少なくとも1種からなる熱可塑性樹脂を用いることが、後述する硬度分布を制御する上で、より好ましい。これら熱可塑性樹脂は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。更に、これら熱可塑性樹脂の単量体を共重合させ、共重合体としてもよい。
熱膨張性マイクロカプセルに内包させる物質としては、前記熱可塑性樹脂の軟化点以下の温度でガスになって膨張するものが好ましく、例えば以下のものが挙げられる。プロパン、プロピレン、ブテン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタンの如き低沸点液体、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン、イソオクタン、ノルマルデカン、イソデカンなどの如き高沸点液体。
上記の熱膨張性マイクロカプセルは、懸濁重合法、界面重合法、界面沈降法、液中乾燥法といった公知の製法によって製造することができる。例えば、懸濁重合法として、重合性単量体、上記熱膨張性マイクロカプセルに内包させる物質及び重合開始剤を混合し、この混合物を、界面活性剤や分散安定剤を含有する水性媒体中に分散させた後、懸濁重合させる方法を例示することができる。尚、重合性単量体の官能基と反応する反応性基を有する化合物、有機フィラーを添加することもできる。
重合性単量体としては、下記のものを例示することができる。アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、フマロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル(メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート)、メタクリル酸エステル(メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート)、スチレン系モノマー、アクリルアミド、置換アクリルアミド、メタクリルアミド、置換メタクリルアミド、ブタジエン、εカプロラクタム、ポリエーテル、イソシアネート。これらの重合性単量体は単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、重合性単量体に可溶の開始剤が好ましく、公知のパーオキサイド開始剤及びアゾ開始剤を使用できる。これらのうち、アゾ開始剤が好ましい。アゾ開始剤の例を以下に挙げる。2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサン−1−カルボニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル。中でも、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルが好ましい。重合開始剤を用いる場合、その使用量は、重合性単量体100質量部に対して、0.01質量部以上5質量部以下が好ましい。
界面活性剤としてはアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子型分散剤を使用できる。界面活性剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下が好ましい。分散安定剤としては以下のものが挙げられる。有機微粒子(ポリスチレン微粒子、ポリメタクリル酸メチル微粒子、ポリアクリル酸微粒子及びポリエポキシド微粒子)、シリカ(コロイダルシリカ)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸バリウム、及び、水酸化マグネシウム等。分散安定剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対して、0.01質量部以上20質量部以下が好ましい。
懸濁重合は、耐圧容器を用い、密閉下で行うことが好ましい。また、重合性原料を分散機等で懸濁してから、耐圧容器内に移して懸濁重合してもよく、耐圧容器内で懸濁してもよい。重合温度は50℃以上120℃以下が好ましい。重合は、大気圧で行ってもよいが、上記熱膨張マイクロカプセルに内包させる物質を気化させないようにするため、加圧下(大気圧に0.1MPa以上1MPa以下を加えた圧力下)で行うことが好ましい。重合終了後は、遠心分離や濾過によって、固液分離及び洗浄を行ってもよい。固液分離や洗浄を行う場合、この後、熱膨張マイクロカプセルを構成する樹脂の軟化温度以下にて乾燥や粉砕を行ってもよい。乾燥及び粉砕は、既知の方法により行うことができ、気流乾燥機、順風乾燥機及びナウターミキサーを使用できる。また、乾燥及び粉砕は、粉砕乾燥機によって同時に行うこともできる。界面活性剤及び分散安定剤は、製造後に洗浄濾過を繰り返すことにより除去できる。
尚、前述のSを式(1)の範囲内とするために、上記マイクロカプセルを分級作業等により、粒度分布を小さくすることが好ましい。具体的には、粒度分布測定によって得られた標準偏差σを体積平均粒径dで除した変動係数が0.20以下であるマイクロカプセルを使用することが好ましい。分級方法は特に限定されなく、公知の手法を用いることができる。
また、前述のDを式(2)の範囲内とするために、前記マイクロカプセルを予め樹脂に分散させたマスターバッチを用いて、前記マスターバッチをバインダー樹脂へ添加し、混合する手法が、マイクロカプセルが樹脂中により均一に分散するため好ましい。この際にマスターバッチに用いる樹脂は、マスターバッチを添加する相手のバインダー樹脂と同種のポリマー種であることが好ましく、バインダー樹脂と粘度や極性が近いポリマーグレードを使用することがより好ましい。これはマスターバッチの樹脂と添加する相手のバインダー樹脂の相溶性が高い方が、より均一にマイクロカプセルが分散するためである。マスターバッチの作製には、マイクロカプセルが発泡しない温度域でマイクロカプセルと樹脂を混練する公知の手法を用いることができる。
[予備被覆層の形成方法]
続いて、予備被覆層の形成方法について説明する。予備被覆層の形成方法としては、静電スプレー塗布、ディッピング塗布、ロール塗布のような塗布法により導電性基体上に導電性樹脂組成物の層を形成し、乾燥、加熱、架橋等によってこの層を硬化させる方法が挙げられる。また、導電性樹脂組成物を所定の膜厚に成膜し硬化させたシート形状又はチューブ形状の層を、導電性基体に対して接着又は被覆する方法が挙げられる。更に、導電性基体を配置した型の中に導電性樹脂組成物を入れて硬化させて予備被覆層を形成する方法が挙げられる。また、特に、バインダーがゴムの場合には、クロスヘッドを備えた押出機を用いて、導電性基体と未加硫ゴム組成物を一体的に押出して作製することもできる。クロスヘッドとは、電線や針金の被覆層を形成するために用いられる、押出機のシリンダ先端に設置して使用する押出金型である。この後、乾燥、硬化または架橋等を経た後、予備被覆層の表面を研磨して、中空形状の樹脂粒子の一部を削除してボウル形状とする。研磨方法としては、円筒研磨方法やテープ研磨法を使用できる。円筒研磨機としては、トラバース方式のNC円筒研磨機、プランジカット方式のNC円筒研磨機が例示できる。
(a)予備被覆層の厚みが中空形状の樹脂粒子の平均粒径の5倍以下の場合
予備被覆層の厚みが中空形状の樹脂粒子の平均粒径の5倍以下の場合、予備被覆層表面には、中空形状の樹脂粒子由来の凸部が、形成されている場合が多い。この場合には、中空形状の樹脂粒子の凸部の一部を削除して、ボウル形状とし、ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状を形成することができる。
この場合、研磨時に予備被覆層にかかる圧力が比較的小さい、テープ研磨方式を使用することがより好ましい。一例として、テープ研磨方式を使用する際の、予備被覆層の研磨条件として好ましい範囲を下記に示す。研磨テープは、研磨砥粒を樹脂に分散させ、それを、シート状基材に塗布して得られるものである。
研磨砥粒としては、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化鉄、ダイヤモンド、酸化セリウム、コランダム、窒化珪素、炭化珪素、炭化モリブデン、炭化タングステン、炭化チタン及び酸化珪素が例示できる。研磨砥粒の平均粒径は、0.01μm以上、50μm以下が好ましく、より好ましくは、1μm以上、30μm以下である。尚、上記研磨砥粒の平均粒径は、遠心沈降法により測定されたメジアン径D50である。上記好ましい範囲の研磨砥粒を有する研磨テープの番手の好ましい範囲は、500以上、20000以下であり、より好ましくは、1000以上、10000以下である。研磨テープの具体例を以下に挙げる。「MAXIMA LAP、MAXIMA Tタイプ」(商品名、レフライト株式会社)、「ラピカ」(商品名、KOVAX社製)、「マイクロフィニッシングフィルム」、「ラッピングフィルム」(商品名、住友3M株式会社(新社名:スリーエム ジャパン社))、ミラーフィルム、ラッピングフィルム(商品名、三共理化学株式会社製)、Mipox(商品名、Mipox(旧社名:日本ミクロコーティング株式会社)製)。
研磨テープの送り速度は、10mm/min以上、500mm/min以下が好ましく、50mm/min以上、300mm/min以下がより好ましい。研磨テープの予備被覆層への押し当て圧は、0.01MPa以上、0.4MPa以下が好ましく、0.1MPa以上、0.3MPa以下がより好ましい。押し当て圧を制御するため、予備被覆層には、研磨テープを介してバックアップローラを当接させてもよい。また、所望の形状を得るために、複数回に亘り、研磨処理を行ってもよい。回転数を、10rpm以上、1000rpm以下に設定することが好ましく、50rpm以上、800rpm以下に設定することがより好ましい。上記の条件とすることで、予備被覆層の表面に、ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状を、より容易に形成することができる。尚、予備被覆層の厚みが、上記範囲内であっても、下記に記載する(b)の方法により、ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状を形成可能である。
(b)予備被覆層の厚みが中空形状の樹脂粒子の平均粒径の5倍超の場合
予備被覆層の厚みが中空形状の樹脂粒子の平均粒径の5倍を超える場合、予備被覆層の表面には、中空形状の樹脂粒子由来の凸部が形成されていない場合が発生する。この様な場合は、中空形状の樹脂粒子と予備被覆層の材料との研磨性の差を利用して、ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状を形成可能である。中空形状の樹脂粒子は、内部に気体を内包しているため、高反発弾性を有する。これに対し、予備被覆層のバインダーとしては、比較的反発弾性が低く、且つ、伸びの小さなゴム又は樹脂を選択する。これにより予備被覆層は研磨されやすく、中空形状の樹脂粒子は研磨されにくい状態を達成できる。上記状態の予備被覆層を研磨すると、中空形状の樹脂粒子は、予備被覆層と同じ状態で研磨されることなく、中空形状の樹脂粒子の一部が削除されたボウル形状とすることができる。これにより、予備被覆層の表面に、ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状を形成することができる。この方法は、中空形状の樹脂粒子と予備被覆層の材料との研磨性の差を利用して、凹凸形状を形成する方法であるため、予備被覆層に使用する材料(バインダー)としては、ゴムが好ましい。この中でも、低反発弾性、且つ、伸びが小さいという観点から、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムを使用することが特に好ましい。
[研磨方法]
上記条件(b)の場合に用いる研磨方法としては、円筒研磨法やテープ研磨法を使用することができるが、材料の研磨性の差を顕著に引き出す必要があるため、より速く研磨する条件での研磨方法が好ましい。この観点から、円筒研磨法を使用することがより好ましい。円筒研磨法の中でも、予備被覆層の長手方向を同時に研磨でき、研磨時間が短縮できるという観点から、プランジカット方式を使用することが、更に好ましい。また、研磨面を均一にするという観点から従来行われていたスパークアウト工程(侵入速度0mm/minでの研磨工程)を、できるだけ短時間とするか、または行わないことが好ましい。
一例として、プランジカット方式の円筒研磨砥石の回転数は、1000rpm以上4000rpm以下、特には、2000rpm以上4000rpm以下が好ましい。予備被覆層への侵入速度は、5mm/min以上30mm/min以下、特には、10mm/min以上30mm/min以下がより好ましい。侵入工程の最後には、研磨表面に慣らし工程を有してもよく、0.1mm/min以上0.2mm/min以下の侵入速度で2秒間以内とすることが好ましい。スパークアウト工程(侵入速度0mm/minでの研磨工程)は、3秒間以下が好ましい。回転数を50rpm以上500rpm以下に設定することが好ましく、更には、200rpm以上に設定することがより好ましい。上記条件とすることで、予備被覆層の表面に、ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形成を、より容易に形成することができる。
尚、以下の説明において、研磨処理された予備被覆層を、単に「被覆層」と称す。
[表面硬化]
ボウル形状の樹脂粒子の周囲のバインダーの硬度が低い場合、エッジ部が図3(a)のFの方向へ大きく変形するため、図3(b)に示すように電子写真用ローラと感光体との接触部の面積が増大してしまい、エッジ部と感光体との接触部がそれぞれ独立せず連結し、接触部の面積が大幅に増大してしまう場合がある。そのような接触面積の増大は汚れが著しく悪化するため、本件ではエッジ部と感光体との各接触部がそれぞれ独立する程度に表面のバインダー樹脂が硬化されている必要がある。
硬化方法としては、硬化処理対象としての表面に硬度の高い導電性樹脂層を設ける方法、詳細は後述するが電子線照射によりバインダーを硬化させる方法、大気雰囲気中で180℃以上の高温で加熱することでバインダーを硬化させる方法等を用いることができる。これらの方法の中では、大気雰囲気中で180℃以上の高温で加熱する方法が、効果的にボウル形状の樹脂粒子の変形による電子写真用ローラと感光体表面との接触部の面積増大を抑制することが出来るために、好ましい。その場合、前述したバインダーとしては、酸化架橋の効果が促進される観点から、分子中に2重結合を有し、且つ、耐熱性の高いスチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)の使用がより好ましい。
(電子線照射)
まず、一般的な電子線照射装置の概略図を図6に示す。図示した電子線照射装置は、電子写真用ローラを回転させながらその表面に電子線を照射することが可能な装置であり、電子線発生部71と照射室72と照射口73とを備えている。
電子線発生部71は、電子源(電子銃)74において発生した電子線を真空空間(加速空間)で加速する加速管75を有する。また、電子線発生部の内部は、電子が気体分子と衝突してエネルギーを失うことを防ぐため、不図示の真空ポンプ等により10−3〜10−6Paの真空に維持されている。
不図示の電源によりフィラメント76に電流を通じて加熱するとフィラメント76は熱電子を放出し、個の熱電子が電子線として有効に取り出される。そして、電子線は、加速電圧により加速管75内の加速空間で加速された後、照射口箔77を突き抜け、照射口73の下方の照射室72内を搬送されるローラ部材78に照射される。
本実施形態の様に、ローラ部材78に電子線を照射する場合には、照射室72の内部は窒素雰囲気とされている。また、ローラ部材78はローラ回転用部材79で回転させて照射室内を搬送手段により、図6において左側から右側に移動する。尚、電子線発生部71及び照射室72の周囲は電子線照射時に二次的に発生するX線が外部へ漏出しないように、不図示の鉛遮蔽、またはステンレス鋼による遮蔽が施されている。
照射口箔77は金属箔からなり、電子線発生部内の真空雰囲気と照射室内の窒素雰囲気とを仕切るものであり、また、照射口箔77を介して照射室内に電子線を取り出すものである。よって、電子線発生部71と照射室72との境界に設けられる照射口箔77は、ピンホールがなく、電子線発生部内の真空雰囲気を十分維持できる機械的強度があり、電子線を透過しやすいことが望ましい。その為、照射口箔77は比重が小さく、肉厚の薄い金属が望ましい、通常、アルミニウム箔、チタン箔、ベリリウム箔、炭素膜が使用される。例えば、厚さ5μm以上30μm以下程度の薄膜の箔が使用される。電子線による硬化処理条件は、電子線の加速電圧と線量によって決定される。加速電圧は硬化処理深さに影響し、本発明における加速電圧の条件としては、低エネルギー領域である40〜300kVの範囲が好ましい。40kV以上で本発明の効果を得るための十分な厚みの処理領域を得ることができる。さらに好ましい加速電圧は70〜150Vの範囲である。
電子線照射における電子線の線量は、下記式により定義される。
D=(K・I)/V
ここで、Dは線量(kGy)、Kは装置定数、Iは電子電流(mA)、Vは処理スピード(m/min)である。装置定数Kは装置個々の効率を表す定数であって、装置の性能を表す指標である。装置定数Kは一定の加速電圧の条件で、電子電流と処理スピードを変えて線量を測定することによって求めることができる。電子線の線量測定は、線量測定用フィルムを電子写真用ローラの表面に貼り付け、その表面に電子線を照射し、フィルム線量計により線量測定用フィルムの線量を測定することによって行われる。使用される線量測定用フィルムはFWT−60、フィルム線量計はFWT−92型(いずれもFar WestTechnology社製)である。
次に、エリア型電子線照射源について、詳細に説明する。エリア型電子線照射源は、図7に示すように、電子銃91と、電子線発生部の容器92と、照射口93とを備えている。このエリア型電子線照射源は、電子銃91から放出した電子線を真空空間(加速空間)の加速管94で加速させて、照射口93から線状に所定のエリアに照射にする装置である。
電子銃91は、電子線を放出させる複数のフィラメント95を有している。複数のフィラメント95により、放出された電子線は、真空空間(加速空間)の加速管94で加速されて、照射口93に向けて出射される。また、電子線発生部の容器92の側部には、不図示の真空ポンプが接続されており、電子線発生部の内部及び加速管94は電子が気体分子と衝突してエネルギーを失うことを防ぐ為、10−3〜10−6Paの真空に維持されている。
複数のフィラメント95より放出された線状の電子線は、照射口93に設けられた照射窓96を透過して、エリア型電子線照射源の外部に設置された電子写真用ローラ97の表面に照射される。また、電子線の照射窓96は、例えば数μm〜10μm程度の厚さのチタン箔又はベリリウム箔で形成されている。
<電子写真装置>
電子写真装置の一例の概略構成を図8に示す。この電子写真装置は、電子写真感光体、電子写真感光体を帯電する帯電装置、電子写真感光体に露光を行って静電潜像を形成する潜像形成装置、静電潜像をトナー像として現像する現像装置、転写材にトナー像を転写する転写装置、電子写真感光体上の転写残トナーを回収するクリーニング装置、トナー像を転写材に定着する定着装置等から構成されている。本発明に係る電子写真用ローラは、この電子写真装置の帯電装置及び転写装置が備える電子写真用ローラの少なくとも一方として使用することができる。
電子写真感光体102は、導電性基体上に感光層を有する回転ドラム型である。電子写真感光体102は矢印の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。帯電装置は、電子写真感光体102に所定の押圧力で当接されることにより接触配置される接触式の帯電ローラ101を有する。帯電ローラ101は、電子写真感光体102の回転に従い回転する従動回転であり、帯電用電源109から所定の直流電圧を印加することにより、電子写真感光体102を所定の電位に帯電する。電子写真感光体102に静電潜像を形成する潜像形成装置(不図示)は、例えばレーザービームスキャナーなどの如き露光装置が用いられる。一様に帯電された電子写真感光体102に画像情報に対応した露光光107を照射することにより、静電潜像が形成される。
現像装置は、電子写真感光体102に近接又は接触して配設される現像スリーブ又は現像ローラ103を有する。現像装置は、電子写真感光体102の帯電極性と同極性に静電的処理されたトナーで、反転現像により静電潜像を現像してトナー像を形成する。転写装置は、接触式の転写ローラ104を有する。電子写真感光体102からトナー像を普通紙などの如き転写材に転写する。転写材は、搬送部材を有する給紙システムにより搬送される。
クリーニング装置は、ブレード型のクリーニング部材106、回収容器108を有し、現像されたトナー像が転写材に転写された後に、電子写真感光体102上に残留する転写残トナーを機械的に掻き落とし回収する。ここで、現像装置にて転写残トナーを回収する現像同時クリーニング方式を採用することにより、クリーニング装置を省くことも可能である。転写材に転写されたトナー像は、不図示の加熱装置によって加熱された定着ベルト105と、該定着ベルトに対向して配置されたローラとの間を通過することで、転写材に定着される。
<プロセスカートリッジ>
本発明にかかるプロセスカートリッジの一例の概略構成を図9に示す。このプロセスカートリッジは、例えば、電子写真感光体102、電子写真感光体102を帯電可能に配置されてなる帯電ローラ101、現像ローラ103、クリーニング部材106、回収容器108等を一体化し、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されている。本発明に係る電子写真用ローラは、例えば、このプロセスカートリッジの帯電ローラとして使用することができる。
以下に、具体的な製造例及び実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
尚、以下の実施例および比較例の部数及び%は、特に明記しない限り、すべて質量基準である。
<製造例1:樹脂粒子No.1の製造>
イオン交換水4000質量部と、分散安定剤としてコロイダルシリカ9質量部およびポリビニルピロリドン0.15質量部からなる水性混合液を調製した。次いで、重合性単量体としてアクリロニトリル50質量部、メタクリロニトリル45質量部、及び、メチルアクリレート5質量部と、内包物質としてノルマルヘキサン12.5質量部と、重合開始剤としてジクミルパーオキシド0.75質量部からなる油性混合液を調製した。この油性混合液を、前記水性混合液に添加し、更に水酸化ナトリウム0.4質量部を添加することにより、分散液を調製した。
得られた分散液を、ホモジナイザーを用いて3分間攪拌混合し、窒素置換した重合反応容器内へ仕込み、450rpmの攪拌下、60℃で20時間反応させることにより、反応生成物を調製した。得られた反応生成物について、濾過と水洗を繰り返した後、80℃で5時間乾燥することで樹脂粒子を作製した。この樹脂粒子を音波式分級機により解砕して分級することによって、樹脂粒子No.1を得た。樹脂粒子No.1の物性を表1に示す。
尚、粒度分布の測定方法は後述する。
<製造例2及び3:樹脂粒子No.2及びNo.3の製造>
製造例1によって得られた樹脂粒子No.1の粗粉及び微粉をエルボージェット分級機EJ−PURO(商品名、日鉄鉱業株式会社製)により分級を行うことで、樹脂粒子No.2及びNo.3を得た。物性を表1に示す。
<製造例4:樹脂粒子No.4の製造>
重合時の攪拌回転数を600rpmに変更した以外は、製造例1と同様の方法により樹脂粒子を作製し、分級することによって、樹脂粒子No.4を得た。物性を表1に示す。
<製造例5:樹脂粒子No.5の製造>
製造例4によって得られた樹脂粒子No.4の粗粉及び微粉をエルボージェット分級機EJ−PURO(商品名、日鉄鉱業株式会社製)により分級を行うことで、樹脂粒子No.5を得た。物性を表1に示す。
<製造例6:樹脂粒子No.6の製造>
コロイダルシリカの量を4.5質量部に変更した以外は、製造例1と同様の方法により樹脂粒子を作製し、分級することによって、樹脂粒子No.6を得た。物性を表1に示す。
<製造例7:樹脂粒子No.7の製造>
製造例6によって得られた樹脂粒子No.6の粗粉及び微粉をエルボージェット分級機EJ−PURO(商品名、日鉄鉱業株式会社製)により分級を行うことで、樹脂粒子No.7を得た。物性を表1に示す。
<製造例8:樹脂粒子No.8の製造>
コロイダルシリカの量を4.5質量部、重合時の攪拌回転数を300rpmに変更した以外は、製造例1と同様の方法により樹脂粒子を作製し、分級することによって、樹脂粒子No.8を得た。物性を表1に示す。
<製造例9:樹脂粒子No.9の製造>
製造例8によって得られた樹脂粒子No.8の粗粉及び微粉をエルボージェット分級機EJ−PURO(商品名、日鉄鉱業株式会社製)により分級を行うことで、樹脂粒子No.9を得た。物性を表1に示す。
<樹脂粒子の体積平均粒径の測定>
樹脂粒子No.1〜No.9の体積平均粒径測定を、レーザ回折型粒度分布計(商品名:コールターLS−230型粒度分布計、コールター社製)により行った。
測定には、水系モジュールを用い、測定溶媒として純水を使用した。純水にて粒度分布計の測定系内を約5分間洗浄し、消泡剤として測定系内に亜硫酸ナトリウムを10mg〜25mg加えて、バックグラウンドファンクションを実行した。次に純水50ml中に界面活性剤3滴〜4滴を加え、更に測定試料を1mg〜25mg加えた。試料を懸濁した水溶液を超音波分散器で1分間〜3分間分散処理を行い、被験試料液を調製した。前記測定装置の測定系内に被験試料液を徐々に加えて、装置の画面上のPIDSが45%以上55%以下になるように測定系内の被験試料濃度を調整して測定を行った。得られた体積分布から体積平均粒子径を算出した。得られた体積平均粒子径の結果を、粒度分布における標準偏差及び変動係数とともに表1に示す。
Figure 2018205700
<製造例10:樹脂粒子入りマスターバッチNo.1の作製>
アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)(商品名:N230SV,JSR社製)100質量部に対し、樹脂粒子No.2を100質量部加え、30℃に調整した密閉型ミキサーにて10分間混練した。尚、混練は樹脂粒子No.2が発泡を開始しない80℃以下の範囲内となるように、混練条件を適宜調整することで、樹脂粒子入りマスターバッチNo.1を得た。
<製造例11〜20:樹脂粒子入りマスターバッチNo.2〜11の作製>
樹脂粒子、ポリマー種及びポリマーグレードのいずれかを表2の通りに変更した以外は、製造例10と同様の方法により、樹脂粒子入りマスターバッチNo.2〜No.11を得た。
Figure 2018205700
<製造例21:導電性樹脂組成物No.1の製造>
アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)(商品名:N230SV,JSR社製)100質量部に対し、表3の成分(1)の欄に示す他の材料を加えて、50℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練した。これに、表3の成分(2)の欄に示す材料を添加した。次いで、温度25℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練し、導電性樹脂組成物No.1を得た。
Figure 2018205700
<製造例22〜36:導電性樹脂組成物No.2〜No.16の製造>
導電性樹脂組成物No.1の製造例21において、樹脂粒子、添加部数、及び混合時の形態を表5に示す通りに変更した以外は、製造例21と同様にして導電性樹脂組成物No.2〜No.16を得た。
<製造例37:導電性樹脂組成物No.17の製造>
スチレンブタジエンゴム(SBR)(商品名:タフデン2003、旭化成ケミカルズ社製)100質量部に対し、表4の成分(1)の欄に示す他の材料を加えて、80℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練した。これに、表4の成分(2)の欄に示す材料を添加した。次いで、温度25℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練し、導電性樹脂組成物No.17を得た。
Figure 2018205700
<製造例38:導電性樹脂組成物No.18の製造>
導電性樹脂組成物No.1の製造例21において、アクリロニトリルブタジエンゴムをブタジエンゴム(BR)(商品名:JSR BR01、JSR社製)に変更し、カーボンブラックを30質量部に変更し、樹脂粒子No.1を樹脂粒子入りマスターバッチNo.7に変更した以外は、製造例21と同様にして導電性樹脂組成物No.18を得た。
<製造例39〜43:導電性樹脂組成物No.19〜No.23の製造>
導電性樹脂組成物No,1の製造例21において、樹脂粒子、添加部数、及び混合時の形態を表5に示す通りに変更した以外は、製造例21と同様にして導電性樹脂組成物No.19〜No.23を得た。
Figure 2018205700
(実施例1)
[電子写真用ローラT1]
〔1.導電性基体〕
直径6mm、長さ252.5mmのステンレス鋼製の基体に、カーボンブラックを10質量%含有させた熱硬化性樹脂を塗布し、乾燥したものを導電性基体として使用した。
〔2.導電性弾性層の形成〕
クロスヘッドを具備する押出成形装置を用いて、導電性基体を中心軸として、その周面上に円筒状に製造例22で作製した導電性樹脂組成物No.2を被覆した。被覆した導電性樹脂組成物No.2の厚みは、1.75mmに調整した。
押出後のローラを、熱風炉にて160℃で1時間加硫する発泡処理を行った後、導電性樹脂層の端部を除去して、長さを224.2mmとし、予備被覆層を有するローラを作製した。得られたローラの外周面を、プランジカット式の円筒研磨機を用いて研磨した。研磨砥石としてビトリファイド砥石を用い、砥粒は緑色炭化珪素(GC)で粒度は100メッシュとした。ローラの回転数を350rpmとし、研磨砥石の回転数を2050rpmとした。切り込み速度を20mm/minとし、スパークアウト時間(切り込み0mmでの時間)を0秒と設定して研磨を行い、導電性弾性層(被覆層)を有する導電性ローラを作製した。導電性弾性層の厚みは、1.5mmに調整した。尚、このローラのクラウン量(中央部の外径と、中央部から両端部方向へ各90mm離れた位置の外径と、の差の平均値)は120μmであった。
研磨後、熱風炉にて210℃で1時間、後加熱処理を行うことにより、電子写真用ローラT1を得た。この電子写真用ローラT1はその表面に、ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部とボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部を有する導電性弾性層を有していた。
こうして得られた電子写真用ローラT1を、下記の物性測定及び画像評価に供した。
〔3.電子写真用ローラの物性測定方法〕
[3−1.電子写真用ローラの表面粗さRzjis及び平均凹凸間隔Smの測定]
JIS B 0601−1994表面粗さの規格に準じて測定し、表面粗さ測定器(商品名:SE−3500、小坂研究所社製)を用いて測定した。Rz及びSmは、電子写真用ローラT1の無作為に選ばれた6箇所において測定し、その平均値とした。尚、カットオフ値0.8mmであり、評価長さは8mmである。
〔3−2.ボウル形状の樹脂粒子の形状測定〕
測定箇所は、電子写真用ローラT1の長手方向の中央部、中央部から両端部方向へ各45mm離れた位置、及び中央部から両端部方向へ各90mm離れた位置の、長手方向の各5箇所について、電子写真用ローラT1の周方向の各2箇所(位相0°及び180°)の合計10か所とした。これらの各測定箇所において導電性弾性層を500μmに亘って、20nmずつ集束イオンビーム加工観察装置(商品名:FB−2000C、日立製作所社製)を用いて、切り出し、その断面画像を撮影した。そして得られた断面画像を組み合わせ、ボウル形状の樹脂粒子の立体像を算出した。立体像から、図4で示すように「最大径」55と、図5(a)〜図5(e)で示す「開口部の最小径」63を算出した。なお、「最大径」の定義は、前記した通りである。
また、上記立体像から、ボウル形状の樹脂粒子の任意の5点において、ボウル形状の樹脂粒子の「外径と内径の差」即ち「シェルの厚み」を算出した。このような測定を視野内の樹脂粒子10個について行い、得られた計100個の測定値の平均値を算出した。表7に示した「最大径」、「開口部の最小径」及び「シェルの厚み」は、上記の方法で算出した平均値である。尚、シェルの厚みの測定に際しては、各々のボウル形状の樹脂粒子について、シェルの最も肉厚な部分の厚みが、最も肉薄の部分の厚みの2倍以下、すなわち、シェルの厚みが、略均一であることを確認した。
[3−3.電子写真用ローラの表面の凸部の頂点と凹部の底部との高低差の測定]
電子写真用ローラT1の表面をレーザ顕微鏡(商品名:LSM5 PASCAL:カール・ツァイス(Carl Zeiss)社製)を用いて、縦0.5mm、横0.5mmの視野で観察した。レーザを視野内のX−Y平面でスキャンさせることにより2次元の画像データを得、更に焦点をZ方向に移動させ、上記のスキャンを繰り返すことにより3次元の画像データを得た。その結果、まず、ボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部と、ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部が存在していることを確認した。更に、前記凸部の頂点と、前記凹部の底部との高低差54(図4(c)参照)を算出した。このような作業を視野内のボウル形状の樹脂粒子2個について行った。そして、同様の測定を電子写真用ローラT1の長手方向50箇所について行い、得られた計100個の樹脂粒子の平均値を算出し、この値を「高低差」として表7に示した。
[3−4.電子写真用ローラの電気抵抗値の測定]
図10は電子写真用ローラの電気抵抗値の測定装置である。電子写真用ローラ34として電子写真用ローラT1を装着し、導電性基体33の両端に軸受け32により荷重をかけて、電子写真感光体と同じ曲率の円柱形金属31に、平行になるように当接させた。この状態で、モータ(不図示)により円柱形金属31を回転させ、当接した電子写真用ローラT1を従動回転させながら安定化電源35から直流電圧−200Vを印加した。この時に流れる電流を電流計36で測定し、電子写真用ローラT1の電気抵抗値を計算した。荷重は各4.9Nとし、円柱形金属31は直径30mm、円柱形金属31の回転は周速45mm/secとした。なお、測定にあたり、電子写真用ローラT1を温度23℃、相対湿度50%の環境下に24時間以上放置し、同環境下に置かれた測定装置を用いて測定を行った。
[3−5.電子写真用ローラをガラス板へ押圧した際の接触部の面積分布及び位置分布の計測]
ガラス板(幅(W2):300mm×長さ(L):50mm、厚み:2mm、材質:BK7、面精度:両面光学研磨、平行度:1分以内)を導電性ローラT1に接触させるガラス板として用いた。図11に示す冶具82を用い、ガラス板81の接触面としての第一の面を電子写真用ローラ83としての電子写真用ローラT1の長手方向の全幅にわたってガラス板81の幅(W2)が覆い、ガラス板81の第一の面が導電性ローラT1の回転軸と平行となるように配置した。この配置状態を維持し、電子写真用ローラT1の両端にある導電性基体部からバネにより荷重Hをかけて、電子写真用ローラT1をガラス板81の第一の面へと押圧させた。その状態を維持して、電子写真用ローラT1とガラス板81の第一の面との接触面を、ガラス板81の第一の面に対して反対側の第2の面側(矢印G方向側)からガラス板を透過してビデオマイクロスコープ(商品名:DIGITAL MICROSCOPE VHX−500、株式会社キーエンス社製)により観察した。観察倍率は200倍で行った。
荷重Hは下記式(3)から計算される面圧Mが6.5g/mmとなるよう設定した。
(式3)
M=2H/N
Nは荷重Hにより電子写真用ローラT1をガラス板81に押圧させた際に形成されるニップの面積である。
以下、ニップ面積N、ニップの周方向長さを1辺とする正方形領域に存在する接触部の個数、接触部の密度、前記式(1)におけるS、及び位置分布を示す前記式(2)におけるDを算出した。
観察した画像を、画像解析ソフトウェア(ImageProPlus(登録商標):Media Cybernetics社製)を用いて電子写真用ローラT1とガラス板との間に形成される接触部のみを抽出し、2値化処理を行った。その後、ノイズ除去のために、2値化処理画像に対してオープニング処理を1回した後、クロージング処理を1回行った。尚、オープニング処理とは、同じ回数収縮して膨張を行う画像処理作業であり、ノイズと思われる非常に小さい抽出領域を排除することができる。クロージング処理は同じ回数膨張して収縮を行う画像処理作業であり、接触部として本来連結しているはずであるが抽出時に分断されてしまった抽出領域を連結することができる。オープニング処理とクロージング処理により、接触部を適切に抽出することが可能となる。
まず、ニップ面積Nの算出方法について説明する。観察領域内の電子写真用ローラT1とガラス板との接触点の周方向の両端の2箇所について、各々の接触点を通る電子写真用ローラT1の長手方向に平行な2本の直線で挟まれる領域をニップ領域と定義し、ニップ領域を、前記ソフトウェアを用いて切り出した。この切り出したニップ領域の周方向長さを、電子写真用ローラT1の長手方向の中央部、中央部から両端部方向へ各45mm離れた位置、及び中央部から両端部方向へ各90mm離れた位置の、長手方向の各5箇所について計測し、その平均値と、電子写真用ローラT1とガラス板とが接触しているニップの長手方向長さを乗じることで、ニップ面積Nを算出した。
続いて、ニップ領域の内、ニップの周方向長さを1辺とする正方形を前記ソフトウェアにより、切り出した。切り出しは観察画像におけるニップ長手方向の任意の位置で行い、切り出した領域を画像解析領域とした。画像解析領域に存在する接触部の個数をカウントし、ニップの周方向長さを1辺の長さとする正方形領域に存在する接触部の個数を算出した。上記の操作を、電子写真用ローラT1の長手中央部とクラウン位置(長手中央部から両端部方向へ90mmの位置)の3箇所について、それぞれ周方向に120°間隔で3箇所の、計9箇所の地点で行った。それら9か所の平均値をニップの周方向長さを1辺の長さとする正方形領域に存在する接触部の個数とした。また、前述の正方形の面積と、正方形内に存在する接触部の個数から、接触部の密度を算出した。
次に、Sの算出方法について説明する。接触部一つ一つの面積を前記ソフトウェアにより算出し、その平均値Save’及び標準偏差Sσ’を計算した。その後、前記Sσ’を前記Save’で除した値である変動係数S’を算出した。上記の操作を、電子写真用ローラT1の長手中央部とクラウン位置(長手中央部から両端部方向へ90mmの位置)の3箇所について、それぞれ周方向に120°間隔で3箇所の、計9箇所の地点で行った。それら9箇所のSave’の平均値を面圧Mが6.5g/mmおけるSave(6.5)、変動係数S’の平均値をS(6.5)とした。
次に、Dの算出方法について説明する。画像解析領域に存在する全ての接触部について、接触部の重心を母点とし、ボロノイ分割を行った。具体的には、前記ソフトウェアを用いて、画像解析領域においてプルーニング処理を行った。ボロノイ分割により得られたボロノイ多角形それぞれの面積を算出し、その平均値Dave’及び標準偏差Dσ’を計算した。その後、前記Dσ’を前記Dave’で除した値である変動係数D’を算出した。上記の操作を、電子写真用ローラの長手中央部とクラウン位置(長手中央部から両端部方向へ90mmの位置)の3箇所について、それぞれ周方向に120°間隔で3箇所の、計9箇所の地点で行った。それら9箇所のDave’の平均値を面圧Mが6.5g/mmにおけるDave(6.5)、変動係数D’の平均値をD(6.5)とした。
その後、両端の荷重を面圧Mが10.9g/mmとなるように変更し、同様の作業を行うことで、面圧Mが10.9g/mmにおける、ニップの周方向長さを1辺の長さとする正方形領域に存在する接触部の個数、接触部の密度、Save(10.9)、S(10.9)、Dave(10.9)、D(10.9)をそれぞれ算出した。
更に、両端の荷重を面圧Mが14.3g/mmとなるように変更し、同様の作業を行うことで、面圧Mが14.3g/mmにおける、ニップの周方向長さを1辺の長さとする正方形領域に存在する接触部の個数、接触部の密度、Save(14.3)、S(14.3)、Dave(14.3)、D(14.3)をそれぞれ算出した。
尚、面圧Mが6.5g/mm、10.9g/mm、及び14.3g/mmにおけるS及びDの平均値を本発明で用いるS及びDとした。
[3−6.帯電ローラとしてのポチ状画像評価]
図8に示す構成を有する電子写真装置であるキヤノン(株)製モノクロレーザープリンタ(「LBP6700」(商品名))を370mm/secのプロセススピードに改造し、更に、外部より、電子写真用ローラT1に電圧を印加した。印加電圧は、交流電圧として、ピークピーク電圧(Vpp)を1800V、周波数(f)を1350Hz、直流電圧(Vdc)を−600Vとした。画像の解像度は、600dpiで出力した。
尚、プロセスカートリッジとして、上記プリンタ用のトナーカートリッジ524IIを用いた。上記プロセスカートリッジから付属の帯電ローラを取り外し、作製した電子写真用ローラT1を帯電ローラとしてセットした。また、電子写真用ローラT1は、電子写真感光体に対し、一端で4.9N、両端で合計9.8Nのバネによる押し圧力で当接させた。このプロセスカートリッジを温度15℃/湿度10%RHの低温低湿環境に24時間馴染ませた後、耐久評価を行った。
具体的には、電子写真感光体の回転方向と垂直方向に幅2ドット、間隔176ドットの横線画像を2枚間欠耐久試験(2枚ごとにプリンタの回転を3秒停止して耐久)を行った。10000枚耐久毎に、ハーフトーン画像(電子写真感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像)を出力し、上記の耐久試験を60000枚まで行い、評価を行った。尚、評価はハーフトーン画像を目視にて観察し、電子写真画像に、回転ムラに起因した汚れムラによるポチ状の欠陥の有無を下記の基準で判定した。
ランク1:ポチ状の欠陥が認められない。
ランク2:ポチ状の欠陥がわずかに認められる。
ランク3:ポチ状の欠陥が一部の領域に認められる。
ランク4:ポチ状の欠陥が一部の領域に認められ、目立つ。
ランク5:ポチ状の欠陥が広範囲に認められ、目立つ。
[3−7.表面の外添剤付着量の定量]
上記3-6に係る試験に供した電子写真用ローラをプロセスカートリッジから取り出し、走査電子顕微鏡(S-3700N、日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、帯電ローラ表面に付着している外添剤付着量の定量を行った。具体的には、帯電ローラの任意の箇所、500μm×600μmの範囲を、前記走査電子顕微鏡に付随されるエネルギー分散型X線分析装置(商品名:Quantax;ブルカー(BRUKER)社製)を用いて行った。なお、検出器としては、オールラウンドタイプ30mmEDS検出器(商品名:XFlash 6 | 10;ブルカー社製)を用いた。観察条件は、加速電圧を20kVとし、検出されるSi量[atom%]を外添剤付着の量とした。この測定を電子写真用ローラの長手中央部とクラウン位置(長手中央部から両端部方向へ90mmの位置)の3箇所について、それぞれ周方向に120°間隔で3箇所の、計9箇所の地点で行い、その平均値を耐久試験による外添剤付着量としたところ、0.90atom%であった。
(実施例2〜23、比較例1〜8)
[電子写真用ローラT2]
押出後の160℃での加熱方法を、熱風炉から誘導加熱装置により行うように変更した以外は、電子写真用ローラT1と同様にして、電子写真用ローラT2を作製した。
[電子写真用ローラT3]
研磨後の導電性層弾性層に対して、210℃での後加熱処理を行わずに、下記手法により導電性表面層を形成した以外は、電子写真用ローラT2と同様にして、電子写真用ローラT3を作製し、評価した。
導電性表面層の形成方法について説明する。カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液「プラクセルDC2016」(商品名、ダイセル化学工業株式会社製)にメチルイソブチルケトンを加え、固形分が10質量%となるように調整した。この溶液1000質量部(アクリルポリオール固形分100質量部)に対して、下記表6の成分(1)の欄に示される他の3成分を加え、混合溶液を調製した。次いで、内容積450mLのガラス瓶内に上記混合溶液200質量部を、メディアとしての平均粒径0.8mmのガラスビーズ200質量部と共に入れ、ペイントシェーカー分散機を用いて24時間分散を行った。その後、表6の成分(2)の欄に示される架橋アクリル粒子(商品名:MZ−30HN、綜研化学株式会社製)を添加して再度5分間分散し、ガラスビーズを除去して導電性樹脂塗布液を作製した。
研磨を行った導電性弾性層を有する導電性ローラを、その長手方向を鉛直方向にして、上記導電性樹脂塗布液中に浸漬してディッピング法で塗工した。尚、塗工条件としては、浸漬時間を9秒間とし、また、導電性樹脂塗布液からの引き上げ速度は、初期速度を20mm/sec、最終速度を2mm/secとし、その間は時間に対して直線的に速度を変化させた。得られた塗工物を、常温で30分間風乾した後、熱風循環乾燥機内にて温度80℃で1時間、更に温度160℃で1時間乾燥した。このようにして導電性弾性層の外周面上に導電性表面層を形成した。
Figure 2018205700
[電子写真用ローラT4]
導電性樹脂組成物No.2を導電性樹脂組成物No.3に変更し、研磨後の導電性弾性層に対して、210℃での後加熱処理の代わりに下記に示す電子線照射処理を行うように変更した以外は、電子写真用ローラT2と同様にして、電子写真用ローラT4を作製した。
電子線照射は、エリア型電子線照射源(商品名:EC150/45/40mA、岩崎電気製)により行った。このエリア型電子線照射源を有する電子線照射装置は、図6及び図7に示すような構造を有する。図6におけるローラの搬送方向に対して垂直な面(図面の紙面に対して垂直な面)での模式的断面図が図7である。窒素パージにより雰囲気の酸素濃度を500ppm以下とし、ローラの導電性基体を回転軸として、前記ローラを300rpmで回転させながら、図6の矢印の方向に処理スピード10mm/sで搬送して電子線の照射を行った。電子線照射条件は、加速電圧80kV、線量が1000kGyになるように電子電流を調整した。
[電子写真用ローラT5]
導電性樹脂組成物No.3を導電性樹脂組成物No.4に変更した以外は、電子写真用ローラT4と同様にして電子写真用ローラT5を作製した。
[電子写真用ローラT6〜T21]
導電性樹脂組成物、押出後の加熱方法、研磨後の硬化手法のいずれかを表7の通りに変更した以外は、電子写真用ローラT1と同様にして電子写真用ローラT6〜T21を作製した。
尚、比較例1の電子写真用ローラT24について、前記耐久ローラ表面の外添剤付着量の定量を行ったところ、Siの量は0.98atom%であった。
[電子写真用ローラT22]
研磨後の210℃での後加熱処理の加熱時間を1時間から1時間30分に変更した以外は電子写真用ローラT1と同様にして、電子写真用ローラT22を作製した。
[電子写真用ローラT23]
研磨後の210℃での後加熱処理の加熱時間を1時間から1時間30分に変更した以外は電子写真用ローラT2と同様にして、電子写真用ローラT23を作製した。
[電子写真用ローラT24〜T30、T33]
導電性樹脂組成物、押出後の加熱方法、研磨後の硬化手法のいずれかを表7の通りに変更した以外は、電子写真用ローラT1と同様にして電子写真用ローラT24〜T30及びT33を作製した。
各電子写真用ローラの各物性値及び画像評価の結果を表7及び表8−1〜表8−3に示す。
Figure 2018205700
Figure 2018205700
Figure 2018205700
Figure 2018205700
1 導電性基体
2 導電性弾性層
11 ボウル形状の樹脂粒子
12 導電性弾性層(バインダー)
102 電子写真感光体

Claims (15)

  1. 導電性基体と、該導電性基体上の表面層としての導電性の弾性層を有する電子写真用ローラであって、
    該弾性層は、バインダーを含み、且つ、開口を有するボウル形状の樹脂粒子を、該開口が該電子写真用ローラの表面に露出する状態で保持してなり、
    該電子写真用ローラの表面は、
    該表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部と、
    該表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部と、を有し、
    該電子写真用ローラの表面の一部は、該弾性層によって構成されており、
    該電子写真用ローラをガラス板に対して、該電子写真用ローラと該ガラス板とで形成されるニップの単位面積当たりの荷重が、6.5g/mm以上14.3g/mm以下となるように押圧し、該ニップの該電子写真用ローラの周方向に沿う方向の長さを1辺の長さとする正方形領域を該ニップ内の任意の位置に置いたとき、該正方形領域内における該凸部と該ガラス板との接触部の個数が8以上であり、
    該接触部の各々の面積の平均値Saveが、10μm以上111μm以下であり、
    該接触部の面積の変動係数Sが、下記式(1)を満たし、
    該接触部の各々を包含する複数個のボロノイ領域の面積の変動係数Dが下記式(2)を満たすことを特徴とする電子写真用ローラ:
    式(1)
    0.68≦S≦1.00;
    式(2)
    0.85≦D≦1.20。
  2. 前記接触部の密度が、40個/mm以上190個/mm以下である請求項1記載の電子写真用ローラ。
  3. 前記ボロノイ領域の各々の面積の平均値Daveが、1300μm以上3000μm以下である請求項1または2に記載の電子写真用ローラ。
  4. 前記Saveが、10μm以上40μm以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真用ローラ。
  5. 前記弾性層の表面の十点平均粗さ(Rzjis)が、5μm以上75μm以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真用ローラ。
  6. 前記弾性層の表面の凹凸平均間隔(Sm)が、30μm以上200μm以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子写真用ローラ。
  7. 前記荷重を6.5g/mmとしたとき、前記正方形領域内に含まれる前記接触部の個数が、8個以上、50個以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子写真用ローラ。
  8. 前記荷重を10.9g/mmとしたとき、前記正方形領域内に含まれる前記接触部の個数が、10個以上、60個以下である請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子写真用ローラ。
  9. 前記荷重を14.3g/mmとしたとき、前記正方形領域内に含まれる前記接触部の個数が、20個以上、70個以下である請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子写真用ローラ。
  10. 前記ボウル形状の樹脂粒子の最大径が、10μm以上150μm以下である請求項1〜9のいずれか一項に記載の電子写真用ローラ。
  11. 前記ボウル形状の樹脂粒子の最大径が、18μm以上102μm以下である請求項10に記載の電子写真用ローラ。
  12. 前記弾性層の体積抵抗率が、温度23℃、相対湿度50%の環境において、1×10Ωcm以上、1×1016Ωcm以下である請求項1〜11のいずれか一項に記載の電子写真用ローラ。
  13. 電子写真装置の本体に着脱可能であるプロセスカートリッジであって、電子写真感光体と、請求項1〜12のいずれか一項に記載の電子写真用ローラと、を有していることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  14. 前記電子写真用ローラが、帯電ローラであって、前記電子写真感光体を帯電可能に配置されている請求項13に記載のプロセスカートリッジ。
  15. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の電子写真用ローラと、電子写真感光体とを有することを特徴とする電子写真装置。
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