JP6786241B2 - 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Description
本発明においてガラス板としては、例えば、材質:BK7、面精度:両面光学研磨面、平行度:1分以内、厚み:2mmのガラス板が用いられる。
帯電部材の断面の一例の概略図を図3(3a)および図3(3b)に示す。図3(3a)の帯電部材は、導電性基体1と導電性弾性層2を有している。導電性弾性層は図3(3b)に示すように、導電性弾性層21及び22の2層構成であってもよい。
導電性基体は、導電性を有し、その上に設けられる導電性弾性層を支持する機能を有するものである。材質としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケルの如き金属やその合金(ステンレス鋼等)を挙げることができる。
図5(5a)および図5(5b)は、帯電部材の表面層を構成する導電性弾性層の表面近傍の部分断面図である。導電性弾性層に含有されている一部のボウル形状の樹脂粒子41は、前記帯電部材の表面に露出している。そして、帯電部材の表面は、表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子41の開口51に由来する凹部52と、表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子41の開口51のエッジ53に由来する凸部と、表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子41の周囲の導電性弾性層42と、で構成されている。エッジ53は図5(5a)及び図5(5b)等に示す形態をとることができる。
導電性弾性層に含有されるバインダーとしては、公知のゴムまたは樹脂を用いることができる。ゴムとしては、例えば、天然ゴムやこれを加硫処理したもの、合成ゴムを挙げることができる。合成ゴムとしては、例えば、以下のものが挙げられる。エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプロピレンゴム(IR)、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム及びフッ素ゴム。樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂の如き樹脂が使用できる。中でも、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂がより好ましい。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、これら樹脂の単量体を共重合させ、共重合体としてもよい。
導電性弾性層の体積抵抗率の目安としては、温度23℃、相対湿度50%の環境下において、1×102Ωcm以上、1×1016Ωcm以下とすることが好ましい。本範囲内とすることで、放電により電子写真感光体を適切に帯電することが、より容易になる。そのために、導電性弾性層中に公知の導電性微粒子を含有してもよい。導電性微粒子としては金属酸化物、金属、カーボンブラック、グラファイトの微粒子が挙げられる。また、これらの導電性微粒子を、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。導電性弾性層中における導電性微粒子の含有量の目安としては、バインダー100質量部に対して2質量部以上200質量部以下、特には5質量部以上100質量部以下である。
導電性弾性層を形成する方法を以下に例示する。まず、導電性基体上に、バインダー中に中空形状の樹脂粒子を分散させた被覆層を作製する。その後、被覆層の表面を研磨することにより、中空形状の樹脂粒子の一部を削除してボウル形状とし、ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹部と、ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジによる凸部を形成する。以下、これらの凹凸を含む形状を「ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状」と称す。この様に導電性樹脂層を形成し、次に加熱処理を行うことで、熱硬化させる。尚、前記被覆層のうち研磨工程前の被覆層を「予備被覆層」と称す。
まず、予備被覆層に中空形状の樹脂粒子を分散させる方法について説明する。一つの方法としては、内部に気体を含有している中空形状の樹脂粒子を、バインダー中に分散させた導電性樹脂組成物の塗膜を基体上に形成し、塗膜を乾燥、硬化、または架橋等を行う方法を例示することができる。尚、導電性樹脂組成物中には導電性粒子を含有させることができる。中空形状の樹脂粒子に使用する材料としては、気体透過性が低く、高反発弾性を有するという観点から、極性基を有する樹脂が好ましく、下記化学式(4)に示すユニットを有する樹脂が、より好ましい。特に研磨性を制御しやすいという観点から、化学式(4)に示すユニットと、化学式(8)に示すユニットとを両方有することが、更に好ましい。
続いて、予備被覆層の形成方法について説明する。予備被覆層の形成方法としては、静電スプレー塗布、ディッピング塗布、ロール塗布のような塗布法により導電性基体上に導電性樹脂組成物の層を形成し、乾燥、加熱、架橋等によってこの層を硬化させる方法が挙げられる。また、導電性樹脂組成物を所定の膜厚に成膜し硬化させたシート形状又はチューブ形状の層を、導電性基体に対して接着又は被覆する方法が挙げられる。更に、導電性基体を配置した型の中に導電性樹脂組成物を入れて硬化させて予備被覆層を形成する方法が挙げられる。また、特に、バインダーがゴムの場合には、クロスヘッドを備えた押出機を用いて、導電性基体と未加硫ゴム組成物を一体的に押出して予備被覆層を作製することもできる。クロスヘッドとは、電線や針金の被覆層を構成するために用いられる、押出機のシリンダ先端に設置して使用する押出金型である。この後、乾燥、硬化または架橋等を経た後、予備被覆層の表面を研磨して、中空形状の樹脂粒子の一部を削除してボウル形状とする。研磨方法としては、円筒研磨方法やテープ研磨法を使用できる。円筒研磨機としては、トラバース方式のNC円筒研磨機、プランジカット方式のNC円筒研磨機が例示できる。
予備被覆層の厚みが中空形状の樹脂粒子の平均粒径の5倍以下の場合、予備被覆層表面には、中空形状の樹脂粒子由来の凸部が、形成されている場合が多い。この場合には、中空形状の樹脂粒子の凸部の一部を削除して、ボウル形状とし、ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状を形成することができる。
予備被覆層の厚みが中空形状の樹脂粒子の平均粒径の5倍を超える場合、予備被覆層の表面には、中空形状の樹脂粒子由来の凸部が形成されていない場合が発生する。この様な場合は、中空形状の樹脂粒子と予備被覆層の材料との研磨性の差を利用して、ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状を形成可能である。中空形状の樹脂粒子は、内部に気体を内包しているため、高反発弾性を有する。これに対し、予備被覆層のバインダーとしては、比較的反発弾性が低く、且つ、伸びの小さなゴム又は樹脂を選択する。これにより予備被覆層は研磨されやすく、中空形状の樹脂粒子は研磨されにくい状態を達成できる。上記状態の予備被覆層を研磨すると、中空形状の樹脂粒子は、予備被覆層と同じ状態で研磨されることなく、中空形状の樹脂粒子の一部が削除されたボウル形状とすることができる。これにより、予備被覆層の表面に、ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状を形成することができる。この方法は、中空形状の樹脂粒子と予備被覆層の材料との研磨性の差を利用して、凹凸形状を形成する方法であるため、予備被覆層に使用する材料(バインダー)としては、ゴムが好ましい。この中でも、低反発弾性、且つ、伸びが小さいという観点から、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムを使用することが特に好ましい。
研磨方法としては、円筒研磨法やテープ研磨法を使用することができるが、材料の研磨性の差を顕著に引き出す必要があるため、より速く研磨する条件が好ましい。この観点から、円筒研磨法を使用することがより好ましい。円筒研磨法の中でも、予備被覆層の長手方向を同時に研磨でき、研磨時間が短縮できるという観点から、プランジカット方式を使用することが、更に好ましい。また、研磨面を均一にするという観点から従来行われていたスパークアウト工程(侵入速度0mm/minでの研磨工程)を、できるだけ短時間とするか、または行わないことが好ましい。
帯電部材において、比率Sは前記数式(1)に示す範囲を満たし、比率dは前記数式(2)に示す範囲を満たす。この条件を確保するためには、前述した通り、「M2/M1」の値が1未満であることが好ましく、更に0.7以下であることがより好ましい。「M2/M1」の値を1未満とするための手段として、ボウル形状の樹脂粒子のシェルを構成する材料として酸素透過度が140cm3/(m2・24h・atm)以下の如き、酸素透過度の小さい材料を用い、帯電部材の表面を大気雰囲気下にて加熱処理により酸化硬化させる手段が好ましい。
本発明に係る電子写真装置の一例の概略構成を図10に示す。この電子写真装置は、電子写真感光体、電子写真感光体を帯電する帯電装置、電子写真感光体に露光を行って静電潜像を形成する潜像形成装置、静電潜像をトナー像として現像する現像装置、転写材にトナー像を転写する転写装置、電子写真感光体上の転写残トナーを回収するクリーニング装置、トナー像を転写材に定着する定着装置等から構成されている。本発明に係る帯電部材は、この電子写真装置の帯電装置が備える帯電部材として使用することができる。
本発明に係るプロセスカートリッジの一例の概略構成を図11に示す。このプロセスカートリッジは、電子写真感光体102、帯電ローラ101、現像ローラ103、クリーニング部材106等を一体化し、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されている。本発明に係る帯電部材は、このプロセスカートリッジの帯電ローラとして使用することができる。
イオン交換水4000質量部と、分散安定剤としてコロイダルシリカ9質量部およびポリビニルピロリドン0.15質量部からなる水性混合液を調製した。次いで、重合性単量体としてアクリロニトリル50質量部、メタクリロニトリル45質量部、及び、メチルアクリレート5質量部と、内包物質としてノルマルヘキサン12.5質量部と、重合開始剤としてジクミルパーオキシド0.75質量部からなる油性混合液を調製した。この油性混合液を、前記水性混合液に添加し、更に水酸化ナトリウム0.4質量部を添加することにより、分散液を調製した。
製造例1において、分級条件を変更した以外は同様の方法で樹脂粒子No.2を作製した。樹脂粒子No.2の物性を表1に示す。
コロイダルシリカの使用量、重合性単量体の種類と使用量、重合時の攪拌回転数の一つ以上を変更した以外は、製造例1と同様の方法により樹脂粒子を作製し、分級することによって、樹脂粒子No.3〜8を得た。各樹脂粒子の物性を表1に示す。
樹脂粒子No.1〜8の体積平均粒径測定を、レーザ回折型粒度分布計(商品名:コールターLS−230型粒度分布計、コールター社製)により行った。
この製造例のシートは、樹脂粒子から内包物質を除去して得られる樹脂材料のガス透過度を測定するためのシートである。前記樹脂粒子No.1を、100℃で加熱減圧することにより、内包物質を除去することで、樹脂組成物を得た。その後、160℃に加熱した金型(Φ70mm、深さ500μm)に前記樹脂組成物を充填し、10MPaの圧力で加圧することにより、直径70mm、厚み500μmの円形状のガス透過度測定用シートNo.1を得た。
樹脂粒子No.1の代わりにそれぞれ樹脂粒子No.4〜8を用いて、前記と同様の方法により、ガス透過度測定用シートNo.2〜6を得た。
前記ガス透過度測定用シートNo.1〜6を用いて、JIS K 7126に記載の差圧法に基づいて下記条件にて、酸素ガス透過度を測定した。
測定機:ガス透過率測定装置M−C3型(東洋精機製作所製)
使用ガス:JIS K 1101相当の酸素ガス
測定温度:23±0.5℃
試験圧力:760mmHg
透過面積:38.46cm2(Φ70mm)
サンプル厚:500μm。
アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)(商品名:N230SV,JSR社製)100質量部に対し、表3の成分(1)の欄に示す他の材料を加えて、50℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練した。これに、表3の成分(2)の欄に示す材料を添加した。次いで、得られた混合物を、温度25℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練し、導電性ゴム組成物No.1を得た。
導電性ゴム組成物No.1の製造例21において、樹脂粒子No.1の部数を表5に示す量に変更した以外は、製造例21と同様にして導電性ゴム組成物No.2及びNo.3を得た。
導電性ゴム組成物No.1の製造例21において、樹脂粒子No.1を表5に示す樹脂粒子(樹脂粒子No.2〜7)に変更した以外は、製造例21と同様にして導電性ゴム組成物No.4〜9を得た。
スチレンブタジエンゴム(SBR)(商品名:タフデン2003、旭化成ケミカルズ社製)100質量部に対し、表4の成分(1)の欄に示す他の材料を加えて、80℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練した。これに、表4の成分(2)の欄に示す材料を添加した。得られた混合物を、温度25℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練し、導電性ゴム組成物No.10を得た。
導電性ゴム組成物No.1の製造例21において、アクリロニトリルブタジエンゴムをブタジエンゴム(BR)(商品名:JSR BR01、JSR社製)に変更し、カーボンブラックを30質量部に変更した以外は、製造例21と同様にして導電性ゴム組成物No.11を得た。
導電性ゴム組成物No.1の製造例21において、樹脂粒子No.1を樹脂粒子No.8に変更した以外は、製造例21と同様にして導電性ゴム組成物No.12を得た。
〔1.導電性基体〕
直径6mm、長さ252.5mmのステンレス鋼製の基体に、カーボンブラックを10質量%を含有させた熱硬化性樹脂を塗布し、乾燥したものを導電性基体として使用した。
クロスヘッドを具備する押出成形装置を用いて、前記導電性基体を中心軸として、その周面上に円筒状に製造例21で作製した導電性ゴム組成物No.1を被覆した。被覆した導電性ゴム組成物No.1の厚みは、1.75mmに調整した。
[3−1.帯電部材の表面粗さRzjis及び平均凹凸間隔Smの測定]
JIS B 0601−1994表面粗さの規格に準じて、表面粗さ測定器(商品名:SE−3500、小坂研究所社製)を用いて測定した。Rzjis及びSmは、帯電部材の無作為に選ばれた6箇所において測定し、その平均値とした。尚、カットオフ値0.8mmであり、評価長さは8mmである。
測定箇所は、帯電部材の長手方向の中央部、中央部から両端部方向へ各45mm離れた位置、及び中央部から両端部方向へ各90mm離れた位置の、長手方向の各5箇所について、帯電部材の周方向の各2箇所(位相0°及び180°)の合計10箇所とした。これらの各測定箇所において導電性樹脂層を500μmに亘って、20nmずつ集束イオンビーム加工観察装置(商品名:FB−2000C、日立製作所社製)を用いて、切り出し、その断面画像を撮影した。そして得られた断面画像を組み合わせ、ボウル形状の樹脂粒子の立体像を算出した。立体像から、図6で示すように「最大径」55と、図7(7a)〜図7(7e)で示す「開口の最小径」63を算出した。なお、「最大径」の定義は、前記した通りである。
帯電部材の表面をレーザ顕微鏡(商品名:LSM5 PASCAL:カール・ツァイス(Carl Zeiss)社製)を用いて、縦0.5mm、横0.5mmの視野で観察した。レーザを視野内のX−Y平面でスキャンさせることにより2次元の画像データを得、更に焦点をZ方向に移動させ、上記のスキャンを繰り返すことにより3次元の画像データを得た。その結果、まず、ボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部と、ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部が存在していることを確認した。更に、前記凸部の頂点53と、前記凹部の底部52との高低差54を算出した。このような作業を視野内のボウル形状の樹脂粒子2個について行った。そして、同様の測定を帯電部材1の長手方向50箇所について行い、得られた計100個の樹脂粒子の平均値を算出し、この値を「高低差」として表6に示した。
ISO 14577に基づき、表面被膜物性試験機(商品名:ピコデンターHM500、ヘルムート フィッシャー(Helmut Fischer)社製)を用いて測定した。圧子としては、四角錘型ダイヤモンド製のビッカース圧子を用いた。帯電部材の表面の長手方向の中央部において任意に選ばれた10箇所を測定点として、各測定点の近傍のバインダー(非ボウル粒子部)及びボウルの凹部(ボウル粒子部)の2箇所において、マルテンス硬度の測定を行った。10箇所の測定の平均値から、マルテンス硬度M1及びM2を得た。尚、マルテンス硬度M2の測定は、ボウルの凹部の底部の中心に圧子が押圧されるようにして行った。尚、測定条件は下記のとおりである。
・測定環境:温度23℃、相対湿度50%
・最大押し込み深さ=100μm
・負荷保持時間(押し込み時間)=20sec
深さ=20μmの位置におけるマルテンス硬度を測定した。ボウルのシェルの厚みが1.5μmであるので、マルテンス硬度M2は、ボウルの凹部直下の弾性層にて測定されている。
図4はローラ形状を有する帯電部材(帯電ローラ)34の電気抵抗値の測定装置である。導電性基体33の両端に軸受け32により荷重をかけて、帯電部材を、電子写真感光体と同じ曲率の円柱形金属31に、平行になるように当接させた。この状態で、モータ(不図示)により円柱形金属31を回転させ、当接した帯電部材を従動回転させながら安定化電源35から直流電圧−200Vを印加した。この時に流れる電流を電流計36で測定し、帯電部材の電気抵抗値を計算した。荷重は各4.9Nとし、円柱形金属31は直径30mm、円柱形金属31の回転は周速45mm/secとした。なお、測定にあたり、帯電部材を温度23℃、相対湿度50%の環境下に24時間以上放置し、同環境下に置かれた測定装置を用いて測定を行った。
図9(9a)に示す下方ステージ81、上方ステージ83及び荷重計84を有する冶具を用いた。下方ステージは帯電部材をセット可能、且つ、上下に動かすことが可能である。ガラス板に帯電部材を押圧した際にかかる荷重は、荷重計84により検知が可能である。
上記[3−6]の測定と同様に、図9(9a)の機構を有する冶具及びガラス板を用いた。帯電部材をガラス板に荷重100gとなるように押圧させ、帯電部材とガラス板の接触面をガラス板側からワンショット3D測定マクロスコープ(商品名:VR−3000、株式会社キーエンス社製)により観察し、ガラス板に押圧されている帯電部材の表面形状を測定した。観察倍率は160倍とした。その形状測定から、ニップ幅(周方向のニップ長さ)Lμmを断面プロファイルから算出し、[ニップ幅Lμm]×[長手方向Aμm]の領域における、帯電部材とガラス面との間に形成される空間の空間体積V1(μm)3を体積計測から求めた後、下記数式(10)により前記空間の高さの平均値d1’を算出した。ここで、空間体積V1を算出した領域の長手方向(軸方向)の長さAμmは、1000μmとした。尚、上記測定を、帯電部材の長手方向中央部、中央部から両端部方向へ各90mmの位置の3箇所について、それぞれ周方向(120度間隔)の3箇所、合計9箇所において行った。これら9箇所におけるd1’の平均値をd1とした。
[3−8−1.摩耗性の評価]
図10に示す構成を有する電子写真装置であるキヤノン(株)製モノクロレーザープリンタ(「LBP6700」(商品名))を370mm/secのプロセススピードに改造し、更に、外部より、帯電部材101に電圧を印加した。印加電圧は、交流電圧として、ピークピーク電圧(Vpp)を1800V、周波数(f)を1350Hz、直流電圧(Vdc)を−600Vとした。画像の解像度は、600dpiで出力した。
ランク1:縦スジ状の欠陥が認められない。
ランク2:縦スジ状の欠陥がわずかに認められる。
ランク3:縦スジ状の欠陥が一部の領域に認められる。
ランク4:縦スジ状の欠陥が広範囲に認められ、目立つ。
前記プロセスカートリッジを温度15℃、相対湿度10%の低温低湿環境下に24時間馴染ませた後、[3−8−1.摩耗性の評価]と同様の電子写真装置及び電圧印加条件により評価を行った。尚、評価は得られたハーフトーン画像を目視にて観察し、帯電部材の表面の汚れに起因するドット状及び横スジ状の画像欠陥の有無を下記基準で判定した。
ランク1:ドット状及び横スジ状の欠陥が認められない。
ランク2:ドット状及び横スジ状の欠陥がわずかに認められる。
ランク3:ドット状及び横スジ状の欠陥が帯電部材の回転ピッチに対応して、発生していることが認められる。
ランク4:ドット状及び横スジ状の欠陥が目立つ。
導電性樹脂組成物、加硫温度及び研磨後の加熱温度の一つ以上を表6に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にして、帯電部材2〜26を作製し、評価した。評価結果を表6及び表7に示す。
導電性樹脂組成物、加硫温度及び研磨後の加熱温度の一つ以上を表6に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にして、帯電部材C1〜C6を作製し、評価した。評価結果を表6及び表7に示す。
2 導電性の弾性層
11 ボウル形状の樹脂粒子
12 バインダー
13 電子写真感光体
14 帯電部材
33 導電性基体
34 帯電部材
41 ボウル形状の樹脂粒子
42 バインダー
51 ボウル形状の樹脂粒子の開口
52 ボウル形状の樹脂粒子に由来する凹部
53 ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジ
61 開口
62 開口の凹部
71 ボウル形状の樹脂粒子
72 導電性の弾性層
101 帯電ローラ
102 電子写真感光体
Claims (18)
- 導電性基体と、該基体上の表面層としての導電性の弾性層とを有する帯電部材であって、
該弾性層は、バインダーを含み、且つ、開口を有するボウル形状の樹脂粒子を、該開口が該帯電部材の表面に露出する状態で保持してなり、
該帯電部材の表面は、該表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部と、該表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部と、を有し、
該帯電部材の表面の一部は、該弾性層によって構成されており、
該帯電部材をガラス板に対して、該ガラス板に対する負荷を100(g)として押圧したときに、
該帯電部材と該ガラス板とのニップ内の、該帯電部材と該ガラス板との接触部を少なくとも1箇所含む接触領域R1における、各接触部の該帯電部材と該ガラス板との接触面積の平均値をS1とし、
該接触領域R1における該帯電部材と該ガラス板との間に形成される空間の高さの平均値をd1とし、
該帯電部材をガラス板に対して、該ガラス板に対する負荷を500(g)として押圧したときに、
該帯電部材と該ガラス板とのニップ内の、該帯電部材と該ガラス板との接触部を少なくとも1箇所含む接触領域R5における、各接触部の該帯電部材と該ガラス板との接触面積の平均値をS5とし、
該接触領域R5における該帯電部材と該ガラス板との間に形成される空間の高さの平均値をd5としたとき、
下記数式(1)及び数式(2)で示される関係を満たすことを特徴とする帯電部材。
- 前記比率Sが、0.2以上0.3以下である請求項1に記載の帯電部材。
- 前記比率dが、0.4以上0.5以下である請求項1または2に記載の帯電部材。
- 前記帯電部材の表面のバインダーのマルテンス硬度をM1とし、該帯電部材の表面のボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部の底部の直下におけるバインダーのマルテンス硬度をM2としたとき、M2/M1の値が1未満である請求項1〜3のいずれか一項に記載の帯電部材。
- 前記M2/M1の値が、0.7以下である請求項4に記載の帯電部材。
- 前記ボウル形状の樹脂粒子のシェルが、酸素透過度が140cm3/(m2・24h・atm)以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載の帯電部材。
- 前記ボウル形状の樹脂粒子のシェルが、アクリロニトリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メタクリロニトリル樹脂、メチルメタクリレート樹脂およびこれらの樹脂の共重合体からなる群から選択される少なくとも1つである請求項1〜6のいずれか一項に記載の帯電部材。
- 前記シェルの厚みが、0.1μm以上3.0μm以下である請求項1〜7のいずれか一項に記載の帯電部材。
- 前記シェルの最大厚みが、最小厚みの3倍以下である請求項1〜8のいずれか一項に記載の帯電部材。
- 前記弾性層が、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、および、ブタジエンゴム(BR)からなる群から選択される少なくとも1つを前記バインダーとして含む請求項1〜9のいずれか一項に記載の帯電部材。
- 前記ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部の頂点と、該ボウル形状の樹脂粒子のシェルによって画定された凹部の底部との高低差が、5μm以上100μm以下である請求項1〜10のいずれか一項に記載の帯電部材。
- 前記ボウル形状の樹脂粒子の最大径と前記高低差との比([最大径]/[高低差])が、0.8以上3.0以下である請求項11に記載の帯電部材。
- 前記弾性層の表面の十点平均表面粗さが、5μm以上65μm以下である請求項1〜12のいずれか一項に記載の帯電部材。
- 前記弾性層の表面の凹凸平均間隔が、30μm以上200μm以下である請求項1〜13のいずれか一項に記載の帯電部材。
- 前記帯電部材が、ローラ形状を有する帯電ローラである請求項1〜14のいずれか一項に記載の帯電部材。
- 前記帯電ローラの電気抵抗値が、1.0×105Ω以上10.0×105Ω以下である請求項15に記載の帯電部材。
- 請求項1〜16のいずれか一項に記載の帯電部材と、電子写真感光体とを有し、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜16のいずれか一項に記載の帯電部材と、電子写真感光体とを有することを特徴とする電子写真装置。
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