JP7222677B2 - 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 - Google Patents

帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体(以下、単に「感光体」と称する場合がある。)の表面を所定の電位に帯電するための帯電部材、それを用いたプロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置に関する。
特許文献1は、導電性樹脂層中に開口を有したボウル形状の樹脂粒子を含有し、表面にボウル形状の樹脂粒子の開口部及びエッジ部に由来した凹凸形状を有する帯電部材を開示している。特許文献1には、ボウル形状の樹脂粒子のエッジ部に由来する凸部が感光体と当接した際に弾性変形することで、当接圧力が緩和され、感光体の摩耗を抑制することができることが記載されている。
特開2011-237470号公報
本発明者らは、特許文献1に係る帯電部材を備える電子写真画像形成装置を用いて長期に亘る電子写真画像の形成を行ったところ、帯電部材の放電ムラに起因するドット状の欠陥が生じた電子写真画像(以降、「ポチ状画像」とも称する)が形成されることがあった。
そこで、本発明の一態様は、長期に亘る使用によっても、ポチ状画像を発生させ難い帯電部材の提供に向けたものである。また、本発明の他の態様は、高品位な電子写真画像の形成に資するプロセスカートリッジの提供に向けたものである。本発明の更に他の態様は、高品位な電子写真画像を形成することのできる電子写真画像形成装置の提供に向けたものである。
本発明の一態様によれば、導電性の基体と、該基体上の表面層としての導電性樹脂層と、を有する帯電部材であって、
該導電性樹脂層は、バインダーおよび複数個の導電性粒子を含み、開口を有するボウル形状の樹脂粒子を、該開口が該帯電部材の表面に露出する状態で保持してなり、
該帯電部材の表面は、該表面に露出している該ボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部と、該表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部とを有し、
該複数個の導電性粒子の一部が、該ボウル形状の樹脂粒子の該凹部を形成しているシェルの外壁面に接しており、
該ボウル形状の樹脂粒子の該凹部を形成しているシェルの外壁面の面積1μm あたりの該導電性粒子の平均接触個数が35個以上、5000個以下である、帯電部材が提供される。
本発明の他の態様によれば、帯電部材と、電子写真感光体とを有し、電子写真画像形成装置の本体に着脱可能であるプロセスカートリッジであって、該帯電部材が、上記の帯電部材であるプロセスカートリッジが提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、帯電部材と、電子写真感光体とを有する電子写真画像形成装置であって、該帯電部材が、上記の帯電部材である電子写真画像形成装置が提供される。
本発明の一態様によれば、長期の使用によってもポチ状画像を発生させ難い帯電部材を得ることができる。また、本発明の他の態様によれば、高品位な電子写真画像の形成に資するプロセスカートリッジを得ることができる。本発明の更に他の態様によれば、高品位な電子写真画像を形成することのできる電子写真画像形成装置を得ることができる。
本発明に係る帯電部材の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る帯電部材の表面近傍の部分概略断面図である。 本発明に係る電子写真形成プロセス時の帯電部材表面近傍の状態を示す部分概略断面図である。 本発明に用いられるボウル形状の樹脂粒子の形状の説明図である。 本発明に係る電子写真画像形成装置の一例を表す概略断面図である。 本発明に係るプロセスカートリッジの一例を表す概略断面図である。 帯電部材の電気抵抗値測定装置を表す概略図である。
本発明者らは、特許文献1に係る帯電部材が長期使用によってポチ状画像を生じさせるメカニズムを以下のように推定している。
電子写真形成プロセス時の帯電部材表面近傍の部分断面における状態を示した図3の(3a)~(3c)を用い、説明する。図3の(3a)に示すように、帯電部材、特に帯電ローラは、ボウル形状の樹脂粒子20の開口のエッジに由来する凸部23が電子写真感光体の表面層31と接触し当接状態を維持する。電子写真形成時に電子写真感光体が回転し、帯電ローラは電子写真感光体の回転に従動し、回転する。この回転に伴い、ボウル形状の樹脂粒子20の開口のエッジに由来する凸部23は、感光体への当接と非当接を繰り返し、それに伴い、図3の(3a)に示すようなX、Y、Z方向の力が加わり、図3の(3b)に示すように変形し、その状態から復元する。このような変形と復元が繰り返される。その際に、図3の(3c)に示す導電性樹脂層の領域32、すなわち、ボウル形状の樹脂粒子の近傍の領域32では、変形と復元による変動が大きい。この領域32において、導電性樹脂層2中に含まれる導電性粒子が移動し、導電性粒子の含有量が少なくなって、領域32内の導電パスが破壊されてしまう場合がある。導電パスが切れ、領域32が高抵抗化してしまうと、電圧が印可された際に、帯電部材の表面の樹脂粒子20がチャージアップする。その結果、静電気力により、帯電部材が汚れを引き寄せ、繰り返し使用していく中で、ポチ状画像が形成される。
上記汚れに起因するポチ状画像の発生メカニズムを踏まえ、本発明者らは、長期の使用によっても、ポチ状画像を発生させ難い帯電部材を得ることを目的として検討を重ねた。その結果、導電性の基体と、該基体上の表面層としての導電性樹脂層と、を有し、
該導電性樹脂層は、バインダーおよび複数個の導電性粒子を含み、開口を有するボウル形状の樹脂粒子を、該開口が該帯電部材の表面に露出する状態で保持してなり、
該帯電部材の表面は、該表面に露出している該ボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部と、該表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部とを有し、該複数個の導電性粒子の一部が、該ボウル形状の樹脂粒子の該凹部を形成しているシェルの外壁面に接している帯電部材が、上記の目的を良く達成し得ることを見出した。
本発明に係る帯電部材の一実施態様としての帯電ローラの、長手方向に直交する断面を模式的に図1に示す。帯電部材は、導電性の基体1である軸芯体と、軸芯体上の表面層としての導電性樹脂層2とを有する。導電性樹脂層2は、バインダーおよび複数個の導電性粒子を含み、開口を有するボウル形状の樹脂粒子を、開口が帯電部材の表面に露出する状態で保持している。
帯電部材の表面は、図2に示すように、表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子20の開口に由来する凹部22と、表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子20の開口のエッジに由来する凸部23とを有する。ボウル形状の樹脂粒子20の、凹部22を形成しているシェルの外壁面に、導電性粒子26(導電性樹脂層2に含まれる導電性粒子の一部)が接触している。図示しないが、凹部22を形成しているシェルの外壁面に接していない導電性粒子も、導電性樹脂層2に含まれる。
本発明者らは、上記帯電部材が、汚れ起因のポチ状画像の発生を抑制し得るメカニズムについて、以下のように推定している。電子写真形成時の帯電部材表面近傍の部分断面における状態を示した図3の(3d)~(3f)を用い、説明する。
本発明の帯電部材においても、上記図3の(3a)と同様、図3の(3d)に示すように、ボウル形状の樹脂粒子20の開口のエッジに由来する凸部23が電子写真感光体の表面層31と接触し当接状態を維持する。電子写真感光体の回転に従動する帯電ローラの回転に伴い、ボウル形状の樹脂粒子20の開口のエッジに由来する凸部23は、感光体への当接と非当接を繰り返す。それに伴い、凸部23は変形(図(3e)参照)と復元を繰り返す。本発明の帯電部材では、ボウル形状の樹脂粒子の凹部22を形成しているシェルの外壁面に導電性粒子26が接触しているため、凸部の変形と復元が繰り返された場合も、凸部の変形に追従して導電性粒子26が動く。その追従性により、凸部23の変形性を損なうことなく、図3の(3f)に示すようにボウル形状の樹脂粒子近傍の領域32においても、凸部変形前の導電性粒子の分散状態が維持される。したがって、領域32内の導電性粒子による導電パスが保持される。その結果、ボウル形状樹脂粒子近傍の抵抗が、凸部の変形と復元が繰り返された際も安定に保たれる。ボウル形状の樹脂粒子近傍の抵抗変動が生じないため、ボウル形状の樹脂粒子のチャージアップを抑え、汚れを静電気力によりひきつけることなく、汚れ起因のポチ状画像の発生を抑制できるものと推測される。
凸部の変形性を損なうことなく、凸部の変形と復元の繰り返しによるボウル形状の樹脂粒子のチャージアップを抑えるため、ボウル形状の樹脂粒子の凹部を形成するシェルの外壁面に接触する導電性粒子の量を制御することが好ましい。制御すべき当該シェルの外壁面に接触する導電性粒子の量の指標として、ボウル形状の樹脂粒子の凹部を形成するシェルの外壁面の面積1μmあたりの導電性粒子の平均接触個数があげられる。当該面積1μmあたりの導電性粒子の平均接触個数を35個以上、5000個以下に制御することが好ましく、100個以上、2600個以下に制御することがより好ましい。このように制御することで、凸部近傍の導電性粒子による導電パスを強固なものとし、変形と復元の繰り返しに際してもボウル形状の樹脂粒子のチャージアップを抑制できる。
本発明の帯電部材においては、前述した通り、感光体と接触するボウル形状の樹脂粒子の凹部を形成するシェルの外壁面に導電性粒子が接触しているため、帯電部材の従動回転時に生じる変形に起因する高抵抗化が抑制される。これによりボウル形状の樹脂粒子近傍の汚れ付着を抑え、高速・高耐久機においても汚れ起因のポチ状画像の発生が抑制される。
<帯電部材>
本発明の帯電部材について以下に詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。帯電部材は、図1の(1a)に示すように、導電性基体1と、表面層としての導電性樹脂層2を有している。あるいは、導電性樹脂層は図1の(1b)に示すように、導電性基体1と導電性樹脂層2の間に導電性樹脂層11を介した多層構成であってもよい。いずれの場合も、導電性樹脂層2が表面層である。なお、導電性樹脂層は、バインダー及びボウル形状の樹脂粒子を含有している。
導電性基体1及び導電性樹脂層2、あるいは、導電性基体1上に順次積層する層(例えば、図1の(1b)に示す導電性樹脂層11及び導電性樹脂層2)は、接着剤を介して接着してもよい。この場合、接着剤は導電性であることが好ましい。導電性の接着剤には公知のものを用いることができる。接着剤の基剤としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が挙げられるが、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、ポリエーテル系、エポキシ系のような公知のものを用いることができる。接着剤に導電性を付与するための導電剤としては、後に詳述する導電性粒子から適宜選択し、1種類を単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
<導電性基体>
導電性基体としては、導電性を有し、その上に設けられる導電性樹脂層を支持する機能を有するものを適宜用いることができる。材質としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケルの如き金属やその合金(ステンレス鋼等)を挙げることができる。また、形状に関しては、円筒形状が好ましい。
<導電性樹脂層>
図2に示すように、導電性樹脂層2に含有されている一部のボウル形状の樹脂粒子20は、帯電部材の表面に露出している。そして、帯電部材の表面は、表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口21に由来する凹部22と、表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部23とを有している。凸部23は図2の(2a)及び(2b)等に示す形態をとることができる。
図4にボウル形状の樹脂粒子の例を示す。本発明において、「ボウル形状」とは、開口21を形成する開口部を有し、開口部に丸みのある凹部22を有する形状をいう。当該開口部においては、図4の(4a)及び(4b)に示すように、ボウルのエッジが平坦であってもよく、また、図4の(4c)から(4e)に示すようにボウルのエッジが屈曲もしくは凹凸を有していてもよい。
図2に示す、ボウル形状の樹脂粒子の開口21のエッジに由来する凸部23の頂点と、当該ボウル形状の樹脂粒子のシェルによって画定された凹部22の底部との高低差24は、5μm以上、100μm以下が好ましい。高低差24は、特に10μm以上、80μm以下とすることが好ましい。これにより、感光体と帯電部材との間のニップ部における凸部23による感光体への接触を、より確実に安定に維持することができる。
また、前記凸部の頂点と前記凹部の底部との高低差24に対する、ボウル形状の樹脂粒子の最大径25の比、すなわち、樹脂粒子の[最大径]/[高低差]は、0.8以上、3.0以下であることが好ましい。これにより、ニップ部における凸部23による感光体への接触を、より確実に安定に維持することができる。
ボウル形状の樹脂粒子の最大径25(平均最大径)は、10μm以上、150μm以下が好ましく、特には、20μm以上、100μm以下とすることが好ましい。これにより、ニップ部における凸部23による感光体への接触を、より確実に安定に維持することができる。
また、ボウル形状の樹脂粒子の最大径25と、開口部の最小径27の比([最大径]/[開口部の最小径])は、1.1以上、4.0以下であることが好ましい。これにより、ニップ部における凸部23による感光体への接触を、より確実に安定に維持することができる。
また、ボウル形状の樹脂粒子の開口部周囲の縁の外径と内径の差(以下、「内径外径差」と称す)は、0.1μm以上、3μm以下が好ましく、特には、0.2μm以上、2μm以下であることが好ましい。また、内径外径差に関しては、最大の内径外径差が、最小の内径外径差の3倍以下であることが好ましく、特には、2倍以下であることが好ましい。これにより、ニップ部における凸部23による感光体への接触を、より確実に安定に維持することができる。
前記凹部及び凸部により、導電性樹脂層の表面状態は、下記のように制御されていることが好ましい。十点平均表面粗さ(Rzjis)は、5μm以上、65μm以下が好ましく、特には、10μm以上50μm以下が好ましい。表面の凹凸平均間隔(Sm)は、30μm以上、200μm以下が好ましく、特には40μm以上150μm以下が好ましい。上記の範囲内とすることにより、ニップ部における凸部23による感光体への接触をより確実に安定に維持することができる。なお、表面の十点平均粗さ(Rzjis)及び表面の凹凸平均間隔(Sm)の測定法については、後に詳述する。
<導電性樹脂層の形成方法>
導電性樹脂層を形成する方法の概略を以下に例示する。まず、導電性の基体上に、バインダー中に中空形状の樹脂粒子を分散させた組成物の被覆層を形成する。あるいは、基体上にバインダーを含む組成物の被覆層を形成し、その被覆層の表面に中空形状の樹脂粒子を埋め込んでもよい。被覆層は導電性とする。
その後、被覆層の表面を研磨する。これにより、中空形状の樹脂粒子のシェルの一部を削除して開口を有するボウル形状とし、ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹部と、ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジによる凸部を形成する。以下、これらの凹凸を含む形状を「ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状」と称す。
以下、導電性樹脂層の形成方法の各工程を詳細に説明する。尚、前記被覆層のうち研磨工程前の被覆層を「予備被覆層」と称す。予備被覆層は、中空形状の樹脂粒子ではなく、中空形状の樹脂粒子の前駆体となる熱膨張性マイクロカプセルを含む段階にあってもよい。
<予備被覆層中への樹脂粒子の分散>
まず、予備被覆層に中空形状の樹脂粒子を分散させる方法について説明する。一つの方法としては、内部に気体を含有している中空形状の樹脂粒子を、バインダー中に分散させて導電性樹脂組成物を作製し、その塗膜を基体上に形成し、塗膜の乾燥、硬化、または架橋等を行う方法を例示することができる。尚、導電性樹脂組成物中には導電性粒子を含有させることができる。
また、別の方法として、樹脂粒子の内部に内包物質を含み、熱を加えることにより内包物質が膨張し、中空形状の樹脂粒子となる、熱膨張性マイクロカプセルを使用する方法を例示することができる。熱膨張性マイクロカプセルを、バインダー中に分散させた導電性樹脂組成物を作製し、この組成物で導電性の基体を被覆し、乾燥、硬化、または架橋等を行う方法である。この方法の場合、予備被覆層に使用するバインダーの乾燥、硬化、または架橋時の熱で内包物質を膨張させ、中空形状の樹脂粒子を形成することができる。その際、温度条件を制御することにより、粒径を制御可能である。
<予備被覆層の形成方法>
続いて、より具体的な予備被覆層の形成方法の例について説明する。予備被覆層の形成方法としては、バインダーとしてゴムを使用し、クロスヘッドを備えた押出機を用いて、導電性の基体と未加硫ゴム組成物を一体的に押出す方法がある。この未加硫ゴム組成物は、予備被覆層の原料であり、中空形状の樹脂粒子又は熱膨張性マイクロカプセルを含むことができる。クロスヘッドとは、電線や針金の被覆層を構成するために用いられる、押出機のシリンダ先端に設置して使用する押出金型である。この押出成形によって基体上に未加硫ゴム組成物からなる層を形成した後、この層を乾燥、硬化または架橋等に付すことができる。
また、予備被覆層の別の形成方法として、導電性樹脂組成物を所定の膜厚に成膜し硬化させたシート形状又はチューブ形状の層を、導電性の基体に対して接着又は被覆する方法が挙げられる。更に、導電性の基体を配置した型の中に導電性樹脂組成物を入れて硬化させて予備被覆層を形成する方法が挙げられる。更に、静電スプレー塗布、ディッピング塗布、ロール塗布のような塗布法により導電性基体上に導電性樹脂組成物の層を形成し、乾燥、硬化、架橋等に付す方法が挙げられる。ここでいう導電性樹脂組成物は、予備被覆層の原料であり、中空形状の樹脂粒子又は熱膨張性マイクロカプセルを含むことができる。
<導電性粒子が接触したボウル形状の樹脂粒子を、導電性樹脂層の表面に存在させる方法>
凹部のシェルの外壁面に導電性粒子が接触したボウル形状の樹脂粒子を、導電性樹脂層の表面に、すなわち帯電部材の表面に存在させる方法について説明する。
・第1の方法
一つの方法としては、熱膨張性マイクロカプセルと導電性粒子とを予め混合し、導電性粒子が外壁面に接触している熱膨張性マイクロカプセルを作製する。この状態の熱膨張性マイクロカプセルを、上記「予備被覆層中への樹脂粒子の分散」において説明した方法に使用する。つまり、導電性粒子が外壁面に接触した熱膨張性マイクロカプセルをバインダーに分散させる。これを熱膨張性マイクロカプセルが膨張する温度に加熱することで、熱膨張性マイクロカプセルが膨張し、中空粒子となり、周囲に導電性粒子が接触した中空粒子が、生成する。この中空粒子を導電性樹脂層とともに研磨することで、中空粒子の一部が開口し、凹部を形成するシェルの外壁面に導電性粒子が接しているボウル形状の樹脂粒子が形成される。
熱膨張性マイクロカプセルと導電性粒子とを予め混合する際、熱をかけた状態で行うことが好ましい。かける熱の温度としては、熱膨張性マイクロカプセルの膨張温度以下に設定することが好ましい。このように設定することで、導電性樹脂層中に熱膨張性マイクロカプセルが分散する際も、熱膨張性マイクロカプセルへの導電性粒子の接触状態が保持されやすい。
また、熱膨張性マイクロカプセルと導電性樹脂粒子を予め混合する際に、これら成分以外に、導電性粒子を熱膨張性マイクロカプセルに付着させるためのバインダー(以下、「導電性粒子付着用バインダー」ということがある)を混合してもよい。この際、熱膨張性マイクロカプセルおよび導電性粒子を混合した後、導電性粒子付着用バインダーを加え、混合することが好ましい。このようにすることで、導電性樹脂層中に熱膨張性マイクロカプセルを分散させる際も、熱膨張性マイクロカプセルへの導電性粒子の接触状態が保持されやすい。
また、熱膨張性マイクロカプセルは、表面処理されていることが好ましい。これにより、熱膨張性マイクロカプセル表面と導電性粒子をより強固に付着させることができる。したがって、熱膨張性マイクロカプセルを導電性樹脂層中に分散させる際に、導電性粒子の脱離等を防ぐことができ、本発明の効果をより確実に発揮することができる。
表面処理剤としては、好ましくはアルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、ポリシロキサン等の有機ケイ素化合物;シラン系、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各種カップリング剤;オリゴマー又は高分子化合物の一種又は二種以上を用いることができる。より好ましくはアルコキシシラン、ポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、シラン系、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各種カップリング剤であり、更に、好ましくは、有機ケイ素化合物を挙げることができる。
熱膨張性マイクロカプセルと導電性粒子の混合のための機器としては、粉体にせん断力を加えることのできる装置が好ましい。特に、せん断、及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホイール型混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機を用いることができる。
上記混合時の成分の比率としては、熱膨張性マイクロカプセルを20質量%以上、50質量%以下、導電性粒子を20質量%以上、50質量%以下に調整することが好ましい。これにより、熱膨張性マイクロカプセルへの導電性粒子の好ましい接触状態を得ることができる。なお、ここでいう質量%は、熱膨張性マイクロカプセルと、導電性粒子と、導電性粒子付着用バインダーとの合計量を基準とする。
・第2の方法
導電性粒子が接触したボウル形状の樹脂粒子を、導電性樹脂層の表面に存在させる、別の方法について説明する。まず、上記「予備被覆層の形成方法」で説明した方法により、導電性基体上に未加硫ゴム組成物からなる予備被覆層を形成する。ここで用いる未加硫ゴム組成物は、中空樹脂粒子も熱膨張性マイクロカプセルも含まなくてよいが、含んでも差し支えない。
一方、第1の方法と同様にして作製した導電性粒子が接触している中空形状を有する樹脂粒子(又は熱膨張性マイクロカプセル)を、液状アクリロニトリルブタジエンゴム(液状NBR)に分散させる。ただし、第1の方法においては、熱膨張性マイクロカプセルと導電性粒子とを混合して、導電性粒子が接触している熱膨張性マイクロカプセルを作製している。第2の方法において(第3の方法においても)導電性粒子が接触している中空形状を有する樹脂粒子を作製する場合、第1の方法で用いた熱膨張性マイクロカプセルに替えて、中空形状を有する樹脂粒子を用いればよい。
そして、未加硫ゴム組成物からなる予備被覆層の表面に、この液状NBRを塗布する。塗布後、予備被覆層に荷重をかけた状態で、金属板、金属ドラム等に、予備被覆層を回転させながら当接する。これにより、導電性粒子の接触した中空形状の樹脂粒子(又は熱膨張性マイクロカプセル)が、予備被覆層表面に埋め込まれる。
この後、乾燥、硬化または架橋等の処理(熱膨張性マイクロカプセルを用いる場合はその発泡を含む)を経た後、液状NBR由来の層と予備被覆層との多層構造の表面を研磨して、中空形状の樹脂粒子のシェルの一部を削除してボウル形状とする。研磨後に液状NBR由来の層が残っている場合は、導電性樹脂層の少なくとも一部が図1の(1b)に示すような多層構造を持ち、液状NBR由来の層が導電性樹脂層2(表面層)に該当し、予備被覆層が導電性樹脂層11に該当する。
・第3の方法
また、別の方法としては、熱膨張性マイクロカプセル、導電性粒子などが配合された未加硫ゴム組成物からなる予備被覆層を、導電性基体上に形成する。一方、第1の方法と同様にして作製した導電性粒子が接触している中空形状の樹脂粒子(又は熱膨張性マイクロカプセル)を、液状NBRに分散させる。
そして未加硫ゴム組成物からなる予備被覆層の表面に、この液状NBRを塗布する。これを円筒状の金型にセットして加熱発泡処理をする。発泡処理により、導電性粒子が中空形状の樹脂粒子に接触した状態で、NBRで被覆された中空形状の樹脂粒子を、予備被覆層表面に埋め込むことができる。
この後、乾燥、硬化または架橋等を経た後、液状NBR由来の層と予備被覆層との多層構造の表面を研磨して、中空形状の樹脂粒子のシェルの一部を削除してボウル形状とする。研磨後に液状NBR由来の層が残っている場合は、第2の方法の場合と同様、導電性樹脂層の少なくとも一部が多層構造を持つ。
第2及び第3の方法において、ボウル形状の樹脂粒子外壁面に接触する導電性粒子の個数は、液状NBRに分散させる中空形状を有する樹脂粒子(又は熱膨張性マイクロカプセル)と導電性粒子の配合比により制御することができる。例えば、液状NBRを5質量%以上50質量%以下、中空形状を有する樹脂粒子(又は熱膨張性マイクロカプセル)を20質量%以上50質量%以下、導電性粒子を20質量%以上50質量%以下に調整することが好ましい。これにより、中空形状を有する樹脂粒子(又は熱膨張性マイクロカプセル)に導電性粒子を好ましい接触状態で接触させることができる。なお、ここでいう質量%は、中空形状を有する樹脂粒子(又は熱膨張性マイクロカプセル)と、導電性粒子と、液状NBRとの合計量を基準とする。
また、第1の方法と同様、第2及び第3の方法においても熱膨張性マイクロカプセルが表面処理されていることが好ましい。
<研磨方法>
予備被覆層(又は液状NBR由来の層と予備被覆層との多層構造)の表面を研磨することにより、中空形状の樹脂粒子のシェルの一部を削除してボウル形状とする。研磨方法としては、円筒研磨法やテープ研磨法を使用できる。円筒研磨機としては、トラバース方式のNC円筒研磨機、プランジカット方式のNC円筒研磨機が例示できる。ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状を調整するために、最表面の研磨を制御することが好ましい。研磨時に予備被覆層(又は前記多層構造)の表面にかかる圧力が比較的小さいテープ研磨が好ましい方法である。
一例として、テープ研磨方式を使用する際の研磨条件として好ましい範囲を下記に示す。研磨テープは、研磨砥粒を樹脂に分散させ、それを、シート状基材に塗布して得られるものである。研磨砥粒としては、酸化アルミニウム、酸化クロム、炭化珪素、酸化鉄、ダイヤモンド、酸化セリウム、コランダム、窒化珪素、炭化珪素、炭化モリブデン、炭化タングステン、炭化チタン及び酸化珪素が例示できる。
研磨砥粒の平均粒径は、0.01μm以上、50μm以下が好ましく、より好ましくは、1μm以上、30μm以下である。尚、上記研磨砥粒の平均粒径は、遠心沈降法により測定されたメジアン径D50である。上記好ましい範囲の研磨砥粒を有する研磨テープの番手の好ましい範囲は、500以上、20000以下であり、より好ましくは、1000以上、10000以下である。
研磨テープの具体例を以下に挙げる。MAXIMA LAP、MAXIMA Tタイプ(商品名、レフライト株式会社)、ラピカ(商品名、KOVAX社製)、マイクロフィニッシングフィルム、ラッピングフィルム(商品名、住友3M株式会社)、ミラーフィルム、ラッピングフィルム(商品名、三共理化学株式会社製)、ミボックス(商品名、日本ミクロコーティング株式会社製)。
研磨テープの送り速度は、10mm/min以上、500mm/min以下が好ましく、50mm/min以上、300mm/min以下がより好ましい。研磨テープの予備被覆層(又は前記多層構造)への押し当て圧は、0.01MPa以上、0.4MPa以下が好ましく、0.1MPa以上、0.3MPa以下がより好ましい。押し当て圧を制御するため、予備被覆層(又は前記多層構造)には、研磨テープを介してバックアップローラを当接させてもよい。また、所望の形状を得るために、複数回に亘り、研磨処理を行ってもよい。例えば帯電ローラを作製する場合、予備被覆層(又は前記多層構造)を形成した部材を研磨の際に回転させることができる。その回転数を、10rpm以上、1000rpm以下に設定することが好ましく、50rpm以上、800rpm以下に設定することがより好ましい。上記の条件とすることで、予備被覆層(又は前記多層構造)の表面に、ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状を、より容易に形成することができる。
<表面処理等>
導電性樹脂層の表面に、紫外線や電子線の照射による表面処理や、熱風炉や赤外線発生装置による加熱処理を行ってもよい。
表面の硬度、電気抵抗、摩擦係数を効率よく変化させる方法としては、熱風炉による加熱処理が好ましい。加熱処理を施すことにより、帯電部材表面の酸化架橋を進行させることができる。これにより、帯電部材の電子写真感光体との接触状態を安定にすることが容易である。加熱温度の範囲は160~210℃に制御することが好ましく、190~200℃がより好ましい。
尚、加熱処理の手法については、熱風連続炉、オーブン、近赤外加熱法、遠赤外加熱法など公知の手段を使用することができるが、酸素含有雰囲気下(酸素存在下)にて帯電部材の表面を加熱処理可能な手法であれば、特にこれらの手法に限定されない。
<バインダー>
導電性樹脂層に含有されるバインダー(導電性粒子付着用バインダー以外の、導電性樹脂層を形成するためのバインダー)には、公知のゴムまたは樹脂を使用することができる。このバインダーは、好ましくはアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)を成分として含有する。このバインダーとして、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)に加え、その他のゴムまたは樹脂を併用することができる。
ゴムとしては、例えば、天然ゴムやこれを加硫処理したもの、合成ゴムを挙げることができる。合成ゴムとしては以下のものが挙げられる。エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプロピレンゴム(IR)、ブチルゴム、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム及びフッ素ゴム。バインダーが分子中に2重結合を有している場合、上述した加熱処理において、酸素含有雰囲気下で加熱した際の酸化架橋の効果が促進される。そのため、この観点からは、分子中に2重結合を有し、且つ、耐熱性の高いスチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)を使用することが好ましい。
樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂の如き樹脂が使用できる。中でも、アクリロニトリルブタジエンゴムと相溶性の高い樹脂が好ましく、例えば、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ブチラール樹脂が好ましい。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらバインダーの原料である単量体を共重合させ、共重合体としてもよい。
なお、導電性粒子付着用バインダーとしても、上述のゴムまたは樹脂を用いることができる。導電性粒子付着用バインダー以外の導電性樹脂層を形成するためのバインダーと、導電性粒子付着用バインダーとは、同じであっても、異なっていてもよい。
導電性樹脂層の体積抵抗率の目安としては、温度23℃、相対湿度50%の環境下において、1×10Ωcm以上、1×1016Ωcm以下が好ましく、より好ましくは、1×10Ωcm以上、1×1010Ωcm以下である。この範囲内とすることで、放電により感光体を適切に帯電することが、より容易になる。
また、帯電部材の電気抵抗値として、温度23℃、相対湿度50%の環境下において、1×10Ω以上、1×1010Ω以下であることが好ましい。この範囲とすることで電子写真感光体の帯電を良好なものとすることができる。
<導電性粒子>
導電性粒子は、導電性樹脂層の体積抵抗率を制御するため、および、ボウル形状の樹脂粒子に接触させ、凸部のチャージアップを抑制する目的で使用する。
前者の目的(導電性樹脂層の体積抵抗率を上記の領域に制御すること)のために、導電性樹脂層中に、公知の導電性粒子を含有させることができる。導電性粒子としては金属酸化物、金属、カーボンブラック、グラファイトが挙げられる。また、これらの導電性粒子を、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。導電性樹脂層中におけるこの導電性粒子の含有量の目安としては、バインダー(導電性粒子付着用バインダーは含まない)100質量部に対して好ましくは2~200質量部、特には5~100質量部である。
後者の目的のため、ボウル形状の樹脂粒子に接触させる導電性粒子として、上記と同様の導電性粒子を使用することができる。中でも、ボウル形状の樹脂粒子への接触性の観点から、表面の構造が複雑であるカーボンブラックを用いることが好ましい。後者の目的で使用する導電性粒子の粒径(球形近似による平均粒径)としては、10nm以上、60nm以下が好ましい。この範囲とすることで上述したボウル形状の樹脂粒子の外壁面に導電性粒子を緻密に接触させ、樹脂粒子の外壁面を導電性粒子で覆うことができ、チャージアップ抑制の効果を確実に発揮することが容易となる。
予備被覆層中の中空形状の樹脂粒子もしくは熱膨張性マイクロカプセルの配合量は、バインダー(導電性粒子付着用バインダーを含まない)100質量部に対して、2質量部以上、100質量部以下が好ましい。さらには、5質量部以上、50質量部以下がより好ましい。本範囲とすることで、上記ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状を、好ましい状態に形成することが容易となる。
<熱膨張性マイクロカプセル>
熱膨張性マイクロカプセルを用いる場合、熱膨張性マイクロカプセルのシェルの材質として熱可塑性樹脂を用いる。熱可塑性樹脂としては、感光体に対する当接安定性の観点からガス透過度が低く、高い反発弾性を示す材料を選定することが好ましい。具体的には、以下のものが挙げられる。アクリロニトリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メタクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種からなる熱可塑性樹脂。これら熱可塑性樹脂は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。更に、これら熱可塑性樹脂の単量体を共重合させ、共重合体としてもよい。
熱膨張性マイクロカプセルに内包させる物質としては、前記熱可塑性樹脂の軟化点以下の温度でガスになって膨張するものが好ましく、例えば以下のものが挙げられる。プロパン、プロピレン、ブテン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタンの如き低沸点液体;ノルマルヘキサン、イソヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン、イソオクタン、ノルマルデカン、イソデカンなどの如き高沸点液体。
上記の熱膨張性マイクロカプセルは、懸濁重合法、界面重合法、界面沈降法、液中乾燥法といった公知の製法によって製造することができる。例えば、懸濁重合法においては、重合性単量体、上記熱膨張性マイクロカプセルに内包させる物質及び重合開始剤を混合し、この混合物を、界面活性剤や分散安定剤を含有する水性媒体中に分散させた後、懸濁重合させる方法を例示することができる。尚、重合性単量体の官能基と反応する反応性基を有する化合物、有機フィラーを添加することもできる。
重合性単量体としては、下記のものを例示することができる。アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α-クロルアクリロニトリル、α-エトキシアクリロニトリル、フマロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、塩化ビニリデン。アクリル酸エステル(メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート)、メタクリル酸エステル(メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート)。これらの重合性単量体は単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、重合性単量体に可溶の開始剤が好ましく、公知のパーオキサイド開始剤及びアゾ開始剤を使用できる。これらのうち、アゾ開始剤が好ましい。アゾ開始剤の例を以下に挙げる。2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、1,1’-アゾビスシクロヘキサン1-カルボニトリル、2,2’-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル。中でも、2,2’-アゾビスイソブチロニトリルが好ましい。例えばジクミルパーオキサイドを用いてもよい。重合開始剤を用いる場合の使用量は、重合性単量体100重量部に対して、0.01~5質量部が好ましい。
界面活性剤としてはアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子型分散剤を使用できる。界面活性剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対して、0.01~10質量部が好ましい。
分散安定剤としては以下のものが挙げられる。有機微粒子(ポリスチレン微粒子、ポリメタクリル酸メチル微粒子、ポリアクリル酸微粒子及びポリエポキシド微粒子)、シリカ(コロイダルシリカ)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸バリウム、及び、水酸化マグネシウム等。分散安定剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対して、0.01~20質量部が好ましい。
懸濁重合は、耐圧容器を用い、密閉下で行うことが好ましい。また、重合性原料を分散機等で懸濁してから、耐圧容器内に移して懸濁重合してもよく、耐圧容器内で懸濁してもよい。重合温度は50℃~120℃が好ましい。重合は、大気圧で行ってもよいが、上記熱膨張性マイクロカプセルに内包させる物質を気化させないようにするため、加圧下(大気圧に0.1~1MPaを加えた圧力下)で行うことが好ましい。重合終了後は、遠心分離や濾過によって、固液分離及び洗浄を行ってもよい。固液分離や洗浄する場合、この後、熱膨張性マイクロカプセルを構成する樹脂の軟化温度以下にて乾燥や粉砕を行ってもよい。乾燥及び粉砕は、既知の方法により行うことができ、気流乾燥機、順風乾燥機及びナウターミキサーを使用できる。また、乾燥及び粉砕は、粉砕乾燥機によって同時に行うこともできる。界面活性剤及び分散安定剤は、熱膨張性マイクロカプセルの製造後に洗浄濾過を繰り返すことにより除去できる。
<導電性樹脂層中のその他の成分>
導電性樹脂層は、前述の材料以外に、イオン導電剤、絶縁性粒子等を含有してもよい。イオン導電剤としては、例えば、LiClOやNaClOの過塩素酸塩、4級アンモニウム塩が挙げられ、これらを単独又は2種類以上組み合わせて用いることができる。絶縁性粒子としては、以下のものが挙げられる。酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化チタン(二酸化チタン、一酸化チタン等)。酸化鉄、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム。硫酸バリウム、二硫化モリブデン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、ドロマイト、タルク、カオリンクレー、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム。ゼオライト、ウオラストナイト、けいそう土、ガラスビーズ、ベントナイト、モンモリナイト、中空ガラス球、有機金属化合物及び有機金属塩の粒子。
<電子写真画像形成装置>
本発明に係る電子写真画像形成装置は、帯電部材、特には帯電ローラと、電子写真感光体とを具備することができる。電子写真画像形成装置の一例の概略構成を図5に示す。この電子写真画像形成装置は、電子写真感光体、電子写真感光体の帯電装置、露光を行う潜像形成装置、現像装置、転写装置、電子写真感光体上の転写残トナーのクリーニング装置及び定着装置等から構成されている。電子写真感光体50は、導電性基体上に感光層を有する回転ドラム型である。電子写真感光体は矢示の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。帯電装置は、電子写真感光体に所定の押圧力で当接されることにより接触配置される接触式の帯電ローラ51を有する。帯電ローラ51は、電子写真感光体50の回転に従い従動回転し、帯電用電源から所定の直流電圧を印加することにより、電子写真感光体を所定の電位に帯電する。電子写真感光体に静電潜像を形成する潜像形成装置は、例えばレーザービームスキャナーなどの如き露光装置が用いられる。一様に帯電された電子写真感光体に画像情報に対応した露光光52を照射することにより、静電潜像が形成される。
現像装置は、電子写真感光体に近接又は接触して配設される現像スリーブ又は現像ローラ53を有する。電子写真感光体の帯電極性と同極性に静電的処理されたトナー54を用いた反転現像により、静電潜像を現像してトナー像を形成する。転写装置は、接触式の転写ローラ55を有する。電子写真感光体からトナー像を普通紙などの如き転写材に転写する。転写材56は、搬送部材を有する給紙システムにより搬送される。クリーニング装置は、ブレード型のクリーニング部材57、回収容器58を有し、転写した後、電子写真感光体上に残留する転写残トナーを機械的に掻き落とし回収する。ここで、現像装置にて転写残トナーを回収する現像同時クリーニング方式を採用することにより、クリーニング装置を省くことも可能である。定着部材59は、加熱されたローラで構成され、転写されたトナー像を転写材に定着し、機外に排出する。本発明に係る帯電部材は、帯電ローラとして用いることができる。
<プロセスカートリッジ>
本発明に係るプロセスカートリッジは、帯電部材、特には帯電ローラと、電子写真感光体とを有することができ、電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されている。プロセスカートリッジの一例の概略構成を図6に示す。プロセスカートリッジは、電子写真感光体50、帯電ローラ51、現像ローラ53、クリーニング部材57等を一体化し、電子写真画像形成装置に着脱可能に構成されている。
以下に、具体的な製造例及び実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例21、23、27及び29は参考例と読み替えるものとする。
実施例に先立ち、次の点について説明する。帯電部材に関する製造例1~7(樹脂粒子No.1~7の製造)、樹脂粒子の体積平均粒径の測定方法、製造例8~38(導電性粒子接触樹脂粒子No.1~31の製造)、製造例39~69(導電性ゴム組成物No.1~31の製造)。用語「導電性粒子接触樹脂粒子」は、導電性粒子が接触している樹脂粒子を意味する。
なお、以下の実施例および比較例における部数及び%は、特に明記しない限り、すべて質量基準である。
<製造例1:樹脂粒子No.1の製造>
イオン交換水4000質量部と、分散安定剤としてコロイダルシリカ9質量部およびポリビニルピロリドン0.15質量部からなる水性混合液を調製した。次いで、重合性単量体100質量部と、内包物質としてノルマルヘキサン12.5質量部と、重合開始剤としてジクミルパーオキサイド0.75質量部からなる油性混合液を調製した。重合性単量体としては、アクリロニトリル50質量部、メタクリロニトリル45質量部、及び、メチルメタクリレート5質量部を用いた。この油性混合液を、前記水性混合液に添加し、更に水酸化ナトリウム0.4質量部を添加することにより、分散液を調製した。
得られた分散液を、ホモジナイザーを用いて3分間攪拌混合し、窒素置換した重合反応容器内へ仕込み、400rpmの攪拌下、60℃で20時間反応させることにより、反応生成物を調製した。得られた反応生成物について、濾過と水洗を繰り返した後、80℃で5時間乾燥することで樹脂粒子を作製した。この樹脂粒子を音波式分級機により解砕して分級することによって、樹脂粒子No.1を得た。樹脂粒子No.1の物性(体積平均粒径)を表1に示す。
<製造例2:樹脂粒子No.2の製造>
重合時の攪拌回転数を600rpmに変更し、分級条件を変更した以外は製造例1と同様の方法で樹脂粒子No.2を作製した。樹脂粒子No.2の物性を表1に示す。
<製造例3~7:樹脂粒子No.3~7の製造>
コロイダルシリカの使用量、重合性単量体の種類と使用量、及び重合時の攪拌回転数の一つ以上を表1に示すように変更した以外は、製造例1と同様の方法により樹脂粒子を作製し、分級することによって、樹脂粒子No.3~7を得た。各樹脂粒子の物性を表1に示す。
[樹脂粒子の体積平均粒径の測定]
前記樹脂粒子No.1~7について、体積平均粒径測定を、レーザ回折型粒度分布計(商品名:コールターLS-230型粒度分布計、コールター社製)を用いて行った。測定には、水系モジュールを用い、測定溶媒として純水を使用した。純水にて粒度分布計の測定系内を約5分間洗浄し、消泡剤として測定系内に亜硫酸ナトリウムを10mg~25mg加えて、バックグラウンドファンクションを実行した。次に純水50ml中に界面活性剤3滴~4滴を加え、更に測定試料を1mg~25mg加えた。試料を懸濁した水溶液を超音波分散器で1分間~3分間分散処理を行い、被験試料液を調製した。前記測定装置の測定系内に被験試料液を徐々に加えて、装置の画面上の「PIDS」が45%以上55%以下になるように測定系内の被験試料濃度を調整して測定を行った。得られた体積分布から体積平均粒径を算出した。
<製造例8:導電性粒子接触樹脂粒子No.1の作製>
密閉型ミキサー(体積5L)にて下記材料を15分間混練し、導電性粒子接触樹脂粒子No.1を得た。仕込み量は、下記材料が下記比率で全量2000gとなるように調整した。ミキサーの回転数は、混練時の材料温度が60℃以下になるように調整した。
NBR(商品名:N230SV、JSR社製):10質量%、
樹脂粒子No.1 :45質量%、
導電性粒子No.1 :45質量%。
「導電性粒子No.1」はカーボンブラック(商品名:トーカブラック#7360SB、平均粒径28nm、東海カーボン社製)であった。導電性粒子No.1を、表2において「#7360SB」と表示する。
<製造例9:導電性粒子接触樹脂粒子No.2の作製>
7.0kgの樹脂粒子No.1と7.0kgの導電性粒子No.1を、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて混合し、588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で60分間混合攪拌を行い、樹脂粒子No.1に導電性粒子No.1を付着させた。その後、乾燥機を用いて60℃で60分間乾燥を行い、導電性粒子接触樹脂粒子No.2を得た。なお、この時の攪拌速度は22rpmで行った。
<製造例10:導電性粒子接触樹脂粒子No.3の作製>
メチルハイドロジェンポリシロキサン140gを、エッジランナーを稼動させながら7.0kgの樹脂粒子No.1に添加し、588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で30分間混合攪拌を行った。なお、この時の攪拌速度は22rpmで行った。
次に、7.0kgの導電性粒子No.1を、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、更に588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で60分間混合攪拌を行った。これにより、メチルハイドロジェンポリシロキサンにより被覆した樹脂粒子No.1に導電性粒子No.1を付着させた。その後、乾燥機を用いて60℃で60分間乾燥を行い、導電性粒子接触樹脂粒子No.3を得た。なお、この時の攪拌速度は22rpmで行った。
<製造例11~34:導電性粒子接触樹脂粒子No.4~27の作製>
樹脂粒子の種類及び部数、導電性粒子の種類及び部数を表2に示すように変更した以外は、製造例10と同様にして導電性粒子接触樹脂粒子No.4~27を得た。
表2において、#8500、#7270SB、#4300、#7050は、東海カーボン社製カーボンブラック「トーカブラック(商品名)」のグレードである。#35、SB410、#8は、旭カーボン社製カーボンブラック「旭(商品名)」のグレードである。「SB101」は、オリオンエンジニアドカーボン社製カーボンブラックの商品名である。「Thermax N-990」はCancarb社製カーボンブラックの商品名である。SN-100Pは、石原産業社製の透明導電材の商品名である。
<製造例35:導電性粒子接触樹脂粒子No.28の作製>
下記材料を、ホモジナイザーを用いて15分間撹拌し、導電性粒子接触樹脂粒子No.28を得た。
液状NBR(商品名:ニポール1312、JSR社製):100質量部、
樹脂粒子No.1 :160質量部、
導電性粒子No.1 :240質量部。
<製造例36~38:導電性粒子接触樹脂粒子No.29~31の作製>
液状NBRの部数、導電性粒子の種類を表2に示すように変更した以外は、製造例35と同様にして導電性粒子接触樹脂粒子No.29~31を得た。
<製造例39:導電性ゴム組成物No.1の作製>
アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)(商品名:N230SV,JSR社製)100質量部に対し、表3の成分(1)の欄に示す他の材料を加えて、50℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練した。これに、表3の成分(2)の欄に示す材料を添加した。次いで、温度25℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練し、導電性ゴム組成物No.1を得た。導電性ゴム組成物No.1の組成を表3に示す。
<製造例40、41、44~69:導電性ゴム組成物No.2、3、6~31の製造>
導電性粒子接触樹脂粒子の種類及び部数を表5に示すように変更した以外は、製造例39と同様にして導電性ゴム組成物No.2、3、6~31を得た。ただし、製造例68及び69(導電性ゴム組成物No.30及び31)では、導電性粒子接触樹脂粒子に替えて、導電性粒子を接触させていない樹脂粒子No.1及び樹脂粒子No.7をそれぞれ用いた。
<製造例42:導電性ゴム組成物No.4の製造>
スチレンブタジエンゴム(SBR)(商品名:タフデン2003、旭化成社製)100質量部に対し、表4の成分(1)の欄に示す他の材料を加えて、80℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練した。これに、表4の成分(2)の欄に示す材料を添加した。次いで、温度25℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練し、導電性ゴム組成物No.4を得た。
<製造例43:導電性ゴム組成物No.5の製造>
アクリロニトリルブタジエンゴムをブタジエンゴム(BR)(商品名:JSR BR01、JSR社製)に変更し、カーボンブラックを30質量部に変更した。また、導電性粒子接触樹脂粒子の種類と部数を表5に示すように変更した。それ以外は、製造例39と同様にして導電性ゴム組成物No.5を得た。
<実施例1>
〔1.帯電部材の作製〕
[1-1.帯電部材の導電性基体]
直径6mm、長さ252.5mmのステンレス鋼製の基体に、カーボンブラックを10質量%含有させた熱硬化性樹脂を塗布し、乾燥したものを導電性基体として使用した。
[1-2.帯電部材の導電性樹脂層の形成]
クロスヘッドを具備する押出成形装置を用いて、導電性基体を中心軸として、その周面を円筒状に、製造例39で作製した導電性ゴム組成物No.1で被覆した。被覆した導電性ゴム組成物の厚みは、1.75mmに調整した。
押出後のローラを、熱風炉にて160℃で1時間加硫した後、ゴム層の端部を除去して、長さを224.2mmとし、予備被覆層を有するローラを作製した。
得られたローラ(予備被覆層)の外周面を、プランジカット式の円筒研磨機を用いて研磨した。このとき、研磨砥粒としてピトリファイド砥石を用い、砥粒は緑色炭化珪素(GC)で粒度は100メッシュとした。ローラの回転数を350rpmとし、研磨砥石の回転数を2050rpmとした。切り込み速度を20mm/minとし、スパークアウト時間(切り込み0mmでの時間)を0秒と設定して研磨を行い、導電性樹脂層(被覆層)を有する導電性ローラを作製した。導電性樹脂層の厚みは、1.5mmに調整した。尚、このローラのクラウン量(中央部の外径d1と中央部から両端部方向へ各90mm離れた位置の外径d2の差の平均値)は120μmであった。
研磨後、熱風炉を用いて、大気雰囲気下にて195℃で1時間、後加熱処理を行うことにより、帯電部材No.1を得た。この帯電部材No.1はその表面に、ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部とボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部を有する導電性樹脂層を有していた。
〔2.帯電部材の物性測定方法〕
[2-1.帯電部材の表面粗さRzjis及び平均凹凸間隔Smの測定]
JIS B 0601-1994表面粗さの規格に準じて、表面粗さ測定器(商品名:SE-3500、小坂研究所社製)を用いてRzjis及びSmを測定した。Rzjis及びSmは、帯電部材(導電性樹脂層)の無作為に選ばれた6箇所において測定し、その平均値とした。尚、カットオフ値0.8mmであり、評価長さは8mmとした。
[2-2.ボウル形状の樹脂粒子の形状測定]
この測定において、測定箇所は、帯電部材の表面の、長手方向の5箇所について周方向の各2箇所(位相0°及び180°)の合計10か所とした。長手方向の5箇所は、中央部、中央部から両端部方向へ各45mm離れた位置、及び中央部から両端部方向へ各90mm離れた位置とした。これらの各測定箇所において導電性樹脂層を500μmに亘って、20nmずつ集束イオンビーム加工観察装置(商品名:FB-2000C、日立製作所社製)を用いて切り出し、その断面画像を撮影した。そして得られた断面画像を組み合わせ、ボウル形状の樹脂粒子の立体像を算出した。立体像から、図2及び4に示すような樹脂粒子の「最大径」25と、「開口部の最小径」27を算出した。また、上記立体像から、ボウル形状の樹脂粒子の任意の5点において、ボウル形状の樹脂粒子の前記「外径と内径の差」即ち「内径外径差」を算出した。このような測定を視野内の樹脂粒子10個について行い、得られた計100個の測定値の平均値を算出し、これらをそれぞれ、「最大径」、「開口部の最小径」及び「内径外径差」とした。尚、内径外径差の測定に際しては、各々のボウル形状の樹脂粒子について、最大の内径外径差が、最小の内径外径差の2倍以下であること、すなわち、シェルの厚みが、略均一であることを確認した。
[2-3.帯電部材の表面の凸部の頂点と凹部の底部との高低差の測定]
帯電部材(導電性樹脂層)の表面をレーザ顕微鏡(商品名:LXM5 PASCAL:カール・ツァイス(Carl Zeiss)社製)を用いて、縦0.5mm、横0.5mmの視野で観察した。レーザを視野内のX-Y平面でスキャンさせることにより2次元の画像データを得、更に焦点をZ方向に移動させ、上記のスキャンを繰り返すことにより3次元の画像データを得た。その結果、まず、ボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部と、ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部が存在していることを確認した。更に、前記凸部の頂点と、前記凹部の底部との高低差24を算出した。このような作業を視野内のボウル形状の樹脂粒子2個について行った。そして、同様の測定を帯電部材の長手方向50箇所について行い、得られた計100個の樹脂粒子の平均値を算出し、この値を「高低差」とした。
[2-4.ボウル形状の樹脂粒子の凹部を形成しているシェルの外壁面に接触する導電性粒子の平均径測定]
測定箇所は、帯電部材の表面の、長手方向の5箇所について周方向の各2箇所(位相0°及び180°)の合計10か所とした。長手方向の5箇所は、中央部、中央部から両端部方向へ各45mm離れた位置、及び中央部から両端部方向へ各90mm離れた位置とした。これらの各測定箇所の導電性樹脂層表面部を、集束イオンビーム-走査型電子顕微鏡(商品名:Helios G4 UX、FEI社製)にセットし、液体窒素により冷却した。この状態で、導電性樹脂層表面に存在する凹部を形成するボウル形状樹脂粒子を10μmに亘って、5nmずつGa(ガリウム)イオンビームを照射して、切り出し、その断面をSEMで写真撮影した。そして得られた断面画像を、解析ソフトウェアを用いて、3次元再構築することで、凹部を形成するボウル形状の樹脂粒子及び導電性粒子の立体像を算出した。
立体像から、ボウル形状の樹脂粒子の凹部を形成しているシェルの外壁面に接触する導電性粒子を球形近似した際の粒径を算出した。このような測定を視野内の導電性粒子10個について行い、得られた計100個の測定値の平均値を算出した。これを、当該導電性粒子の平均粒径とした。
[2-5.ボウル形状の樹脂粒子の凹部を形成しているシェルの外壁面の面積1μmあたりの導電性粒子の平均接触個数測定]
上記2-4の測定と同様にして算出した立体像から、ボウル形状樹脂粒子の前記凹部を形成しているシェルの外壁面の面積1μmあたりに接触している導電性粒子の個数を算出した。このような測定を、10個のボウル形状樹脂粒子に対してそれぞれ、前記凹部を形成しているシェルの面積1μmの外壁面10か所について行い、得られた計100個の測定値の平均値を算出した。これを、ボウル形状樹脂粒子の凹部を形成しているシェルの外壁面の面積1μmあたりの導電性粒子の平均接触個数とした。
[2-6.帯電部材の電気抵抗の測定]
図7に帯電部材の電気抵抗値の測定装置を示す。導電性基体1の両端に軸受け71により荷重をかけて、帯電部材51を、電子写真感光体と同じ曲率の円柱形金属72に、平行になるように当接させた。(7a)は当接前の状態を、(7b)は当接後の状態を示す。
当接後の状態で、モータ(不図示)により円柱形金属72を回転させ、当接した帯電部材51を従動回転させながら安定化電源73から直流電圧-200Vを印加した。この時に流れる電流を電流計74で測定し、帯電部材51の電気抵抗値を計算した。荷重は各4.9Nとし、円柱型金属72は直径30mm、円柱型金属72の回転は周速45mm/secとした。なお、測定にあたり、前もって帯電部材51を温度23℃、相対湿度50%の環境下に24時間以上放置した。その後、同環境下に置かれた測定装置を用いて測定を行った。この段階で得た測定値を、初期状態の電気抵抗とした。
続いて、当接回転運転を行った。当接回転運転は、上記の電気抵抗値の測定装置において、円柱形金属に帯電部材を当接させ、荷重を各9.8Nに変更し、円柱型金属72の回転を周速300mm/secとし、直流電圧-200Vを印可し、円柱型金属72を回転させた。その時間は、12時間とした。その後、初期状態の電気抵抗測定と同じ条件下で、電気抵抗値を測定し、当接回転後の電気抵抗とした。その結果から、初期状態に対する当接回転後の電気抵抗値の比(以下「電気抵抗値変動率」と称す)を算出した。
電気抵抗値変動率は、帯電部材表面のボウル形状の樹脂粒子による凸部の変形と復元を繰り返した際の、凸部近傍における導電性粒子による導電パスへの影響を示す指標として測定している。電気抵抗値変動率が小さい場合、凸部の変形と復元による凸部近傍の導電パスの変化が小さく、チャージアップを抑制することができる。
上記方法で行った前記帯電部材No.1の物性測定の結果を、表6に示す。
[3.画像評価]
図5に示す構成を有する電子写真画像形成装置であるキヤノン(株)製モノクロレーザープリンタ(「LBP6700」(商品名))を370mm/secのプロセススピードに改造し、更に、外部より、帯電部材に電圧を印加した。印加電圧は、-1100Vの直流電圧とした。画像の解像度は、600dpiで出力した。
具体的には、プロセスカートリッジとして、上記プリンタ用のトナーカートリッジ524II(商品名。キヤノン(株)製)を用いた。上記プロセスカートリッジから付属の帯電ローラを取り外し、その代わりに前記帯電部材No.1をセットした。帯電部材No.1は、電子写真感光体に対し、一端で4.9N、両端で合計9.8Nのバネによる押し圧力で当接させた。このプロセスカートリッジを温度15℃、相対湿度10%の低温低湿環境に24時間馴染ませた後、ポチ状画像の評価を行った。具体的には、ハーフトーン画像を出力し、初期および20000枚、50000枚出力後、得られた画像を目視にて観察し、汚れ付着に起因するポチ状画像が認められるか否かを、下記の基準で判定した。なお、ハーフトーン画像は、電子写真感光体の回転方向に直交する方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像とした。
ランク1:ポチ状画像は発生しない。
ランク2:軽微なポチ状画像が認められるのみである。
ランク3:一部に、ポチ状画像が帯電ローラのピッチで認められるが、実用上は問題ない。
ランク4:ポチ状画像が目立ち、画質の低下が認められる。
帯電部材No.1の評価結果は、得られたすべての画像でランク1であった。
<実施例2~29>
帯電部材の導電性ゴム組成物を表6に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、帯電部材No.2~29を作製した。これら帯電部材No.2~29はその表面に、ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部とボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部を有する導電性樹脂層を有していた。実施例1と同様にして実施した、帯電部材No.2~29の物性測定および画像評価の結果を表6に示す。
<実施例30>
実施例1と同様にして、導電性基体を作製した。クロスヘッドを具備する押出成形装置を用いて、導電性基体を中心軸として、その周面を円筒状に、製造例68で作製した導電性ゴム組成物No.30で被覆した。被覆した導電性ゴム組成物の厚みは、1.0mmに調整した。押出後のローラを、ゴム層の端部を除去して、長さを228mmとし、導電性ゴム組成物No.30からなる予備被覆層を有するローラを作製した。
次いで、製造例35で作製した液状NBRを含む導電性粒子接触樹脂粒子No.28を、刷毛で予備被覆層表面に塗布した。次にこのローラを、内径が8.5mmの円筒金型にセットし、熱風炉にて160℃で1時間加熱して加硫発泡させた。
得られたローラの外周面を、テープ研磨機を用いて研磨した。具体的には、2000rpmで回転するローラをラッピングフィルム(商品名:WA砥粒#2000、三共理化学株式会社製)を用いて表面仕上げ研削を行った。研磨後、熱風炉を用いて、大気雰囲気下にて195℃で1時間、後加熱処理を行うことにより、帯電部材No.30を得た。
この帯電部材No.30はその表面に、ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部とボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部を有する導電性樹脂層を有していた。実施例1と同様にして実施した、帯電部材No.30の物性測定および画像評価の結果を表6に示す。なお、この帯電部材の導電性樹脂層は、図1の(1b)に示す多層構造を有していた。
<実施例31~33>
使用した液状NBRを含む導電性粒子接触樹脂粒子を表6に示すように変更した以外は、実施例30と同様にして、帯電部材No.31~33を作製した。これら帯電部材No.31~33はその表面に、ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部とボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部を有する導電性樹脂層を有していた。実施例1と同様にして実施した、帯電部材No.31~33の物性測定および画像評価の結果を表6に示す。なお、これらの帯電部材の導電性樹脂層は、図1の(1b)に示す多層構造を有していた。
<比較例1>
帯電部材の導電性ゴム組成物を導電性ゴム組成物No.31に変更した以外は、実施例1と同様にして、帯電部材No.34を作製した。この帯電部材はその表面に、ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部とボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部を有する導電性樹脂層を有していた。実施例1と同様にして実施した、帯電部材No.34の物性測定および画像評価の結果を表6に示す。
Figure 0007222677000001
Figure 0007222677000002
Figure 0007222677000003
Figure 0007222677000004
Figure 0007222677000005
Figure 0007222677000006
ポチ状画像に関しては、実施例1~33について良好な結果が得られた。一方、比較例1については汚れ付着に起因した異常放電によるポチ状画像が認められた。
1. 導電性基体
2. 表面層としての導電性樹脂層
11.導電性樹脂層(表面層ではない)
20.ボウル形状の樹脂粒子
21.ボウル形状の樹脂粒子の開口
22.ボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部
23.ボウル形状の樹脂粒子のエッジに由来する凸部
24.ボウル形状の樹脂粒子の凸部の頂点と凹部の底部との高低差
25.ボウル形状の樹脂粒子の最大径
26.ボウル形状の樹脂粒子に接触した導電性粒子
27.開口部の最小径
31.電子写真感光体の表面層
32.導電性樹脂層の、ボウル形状の樹脂粒子近傍の領域

Claims (7)

  1. 導電性の基体と、該基体上の表面層としての導電性樹脂層と、を有する帯電部材であって、
    該導電性樹脂層は、バインダーおよび複数個の導電性粒子を含み、開口を有するボウル形状の樹脂粒子を、該開口が該帯電部材の表面に露出する状態で保持してなり、
    該帯電部材の表面は、該表面に露出している該ボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部と、該表面に露出しているボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部とを有し、
    該複数個の導電性粒子の一部が、該ボウル形状の樹脂粒子の該凹部を形成しているシェルの外壁面に接しており、
    該ボウル形状の樹脂粒子の該凹部を形成しているシェルの外壁面の面積1μm あたりの該導電性粒子の平均接触個数が35個以上、5000個以下である、ことを特徴とする帯電部材。
  2. 前記ボウル形状の樹脂粒子の平均最大径が10μm以上、150μm以下である請求項1に記載の帯電部材。
  3. 前記平均接触個数が、100個以上である請求項1または2に記載の帯電部材。
  4. 前記ボウル形状の樹脂粒子の前記凹部を形成しているシェルの外壁面に接触している導電性粒子の球形近似による平均粒径が、10nm以上、60nm以下である請求項1~3のいずれか一項に記載の帯電部材。
  5. 前記導電性粒子がカーボンブラックである請求項1~4のいずれか一項に記載の帯電部材。
  6. 帯電部材と、電子写真感光体とを有し、電子写真画像形成装置の本体に着脱可能であるプロセスカートリッジであって、
    該帯電部材が、請求項1~のいずれか一項に記載の帯電部材であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7. 帯電部材と、電子写真感光体とを有する電子写真画像形成装置であって、
    該帯電部材が、請求項1~のいずれか一項に記載の帯電部材であることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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