JP4799706B1 - 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】長期に亘って安定した帯電性能を発揮し、かつ、電子写真感光体の表面に不均一な摩耗を生じさせにくい帯電部材を提供する。
【解決手段】導電性基体と導電性樹脂層を有する帯電部材であって、該導電性樹脂層は、バインダー、導電性微粒子及び開口を有するボウル形状の樹脂粒子を含有しており、該ボウル形状の樹脂粒子は、該帯電部材の表面に露出しないように該導電性樹脂層に含有されており、かつ、該帯電部材の表面は、該ボウル形状の樹脂粒子の該開口に由来する凹部と、該ボウル形状の樹脂粒子の該開口のエッジに由来する凸部とを有している。
【選択図】図2

Description

本発明は帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
特許文献1には、電子写真感光体に接触させて電子写真感光体を帯電させる帯電部材として、導電性の樹脂粒子に由来する凸部を表面に有している帯電部材が記載されている。そして、帯電部材は、帯電部材の表面に堆積したトナーや外添剤等の汚れに起因する電子写真画像へのドット状または横スジ状の欠陥の発生を抑制できることが開示されている。
特開2008−276026号公報
しかし特許文献1に係る帯電部材を接触帯電に用いたところ、長期間の使用によって電子写真感光体の表面に不均一な摩耗を生じることがあった。本発明者らがその原因を検討したところ、帯電部材と電子写真感光体とのニップ部において、帯電部材の表面の、樹脂粒子に由来する凸部に当接圧が集中し、電子写真感光体の表面が不均一に削られていることが分かった。
そこで、本発明の目的は、長期に亘って安定した帯電性能を発揮し、かつ、電子写真感光体の表面に不均一な摩耗を生じさせにくい帯電部材を提供することにある。また、本発明の他の目的は、高品位な電子写真画像の安定した形成に資するプロセスカートリッジ及び電子写真装置の提供にある。
本発明に係る帯電部材は、導電性基体と導電性樹脂層を有する帯電部材であって、該導電性樹脂層は、バインダー、導電性微粒子及び開口を有するボウル形状の樹脂粒子を含有しており、該ボウル形状の樹脂粒子は、該帯電部材の表面に露出しないように該導電性樹脂層に含有されており、かつ、該帯電部材の表面は、該ボウル形状の樹脂粒子の該開口に由来する凹部と、該ボウル形状の樹脂粒子の該開口のエッジに由来する凸部とを有していることを特徴とする。
また、本発明に係るプロセスカートリッジは、上記の帯電部材と、該帯電部材と接触して配置されている被帯電体(電子写真感光体等)とが一体化され、電子写真装置の本体に着脱自在に構成されていることを特徴とする。さらに、本発明に係る電子写真装置は、上記の帯電部材と、露光装置及び現像装置を少なくとも有することを特徴とする。
本発明によれば、安定して電子写真感光体を帯電させることができ、かつ、電子写真感光体の表面が不均一に摩耗することを抑制できる帯電部材を得られる。また、本発明によれば、高品位な電子写真画像を安定して形成可能なプロセスカートリッジ及び電子写真装置を得られる。
本発明の帯電部材(ローラ形状)の断面図である。 本発明に係る帯電部材の表面近傍の部分断面図である。 本発明に係る帯電部材の表面近傍の部分断面図である。 本発明のボウル形状の樹脂粒子の形状の説明図である。 帯電ローラの電気抵抗値の測定装置の図である。 本発明に係る電子写真装置の一態様の概略断面図である。 帯電ローラの製造に用いるクロスヘッド押出機の断面図である。 本発明に係る帯電部材と電子写真感光体とのニップ近傍の拡大図である。
図(1a)は本発明に係る帯電部材の断面を示しており、帯電部材は導電性基体1と、その周面を被覆している導電性樹脂層3とを有する。そして、導電性樹脂層3は、バインダー、導電性微粒子及びボウル形状の樹脂粒子を含有している。図(1b)に示すように、導電性樹脂層3は、第1の導電性樹脂層31と第2の導電性樹脂層32で形成してもよい。また、図(1c)及び(1d)に示すように、導電性基体1と導電性樹脂層3との間に、導電性弾性層2を形成してもよい。
〔導電性樹脂層〕
図(2a)及び図(2b)は、本発明に係る帯電部材の表面部分の拡大断面図である。表面層としての導電性樹脂層3中に、ボウル形状の樹脂粒子61が、帯電部材の表面に非露出な状態で含有されている。また、帯電部材の表面には、前記ボウル形状の樹脂粒子の開口51に由来する凹部52と、前記ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジ53に由来する凸部54が形成されている。
図(2c)及び図(2d)は各々導電性樹脂層3を第1の導電性樹脂層31と第2の導電性樹脂層32で形成した例を示している。第1の導電性樹脂層31には、ボウル形状の樹脂粒子61が、その開口部が該第1の導電性樹脂層31の表面に露出し、開口のエッジが凸部を構成するように存在している。かかる第1の導電性樹脂層の表面を第2の導電性樹脂層32で被覆することで、前記ボウル形状の樹脂粒子61が非露出な状態とされている。そして、第2の導電性樹脂層32はボウル形状の樹脂粒子61の内壁に沿って形成されているため、帯電部材の表面を構成する第2の導電性樹脂層の表面にはボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部が形成されている。更に、第2の導電性樹脂層が、ボウル形状の樹脂粒子61の開口のエッジを被覆することにより、第2の導電性樹脂層の表面には、当該エッジに由来する凸部が形成されている。
ボウル形状の樹脂粒子を導電性樹脂層に非露出な状態で含有させ、表面に当該ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹部と、当該開口のエッジによる凸部とを有する帯電部材は、長期の使用によっても、電子写真感光体の表面を削りにくいことが分かった。また、帯電性能に関しては、樹脂粒子由来の凸部を有する帯電部材と同等レベルの帯電性能を得られているとの知見を得た。すなわち、本発明に係る帯電部材と電子写真感光体との接触及び回転状態を観察したところ、当該開口のエッジに由来する凸部は、電子写真感光体と接触しており、開口に由来する凹部は、電子写真感光体と帯電部材とのニップ内に空隙を生じさせていた。
更に、該開口のエッジに由来する凸部は、従来の導電性樹脂粒子に由来する凸部と比較して、電子写真感光体と当接した際に弾性変形することが確認された。図8は、図2の(2a)に示すボウル形状の樹脂粒子を含む、本発明に係る帯電部材と電子写真感光体とのニップの拡大模式図である。ニップにおいて、ボウル形状の樹脂粒子61の開口のエッジ53は電子写真感光体803との当接圧力により、矢印Aの方向に弾性変形すると考えらえる。本発明に係る帯電部材が電子写真感光体の表面を削りにくい理由は、帯電部材の電子写真感光体への当接圧力がボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジ53が弾性変形することにより当接圧力が緩和されているためであると考えられる。
さらに、本発明に係る帯電部材のニップにおける電子写真感光体との当接状態を観察したところ、帯電部材と電子写真感光体とのニップ内部においても帯電部材の表面と電子写真感光体表面との間に空隙が生じていることが分かった(図8の801)。この空隙を介して、帯電部材の表面の導電性樹脂層から電子写真感光体の表面に対して放電が生じることにより、通常はニップの前後では生じないと考えられている放電現象がニップ内でも生じているものと考えられる。その結果として、本発明に係る帯電部材は、安定した帯電性能を発揮できるものと考えられる。なお、このようなニップ内での放電現象は、ボウル形状の樹脂粒子の内壁が導電性樹脂層で被覆(ライニング)されていることにより生じているものとの知見を本発明者らは得ている。
図3に示す、前記ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部54の頂点55と、前記ボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部52の底部56との高低差57は、5μm以上100μm以下、特には8μm以上80μm以下とすることが好ましい。この範囲内とすることにより、より確実に当接圧力を緩和させ、ニップ内での空隙を保持させることができる。また、前記凸部の頂点55と前記凹部の底部56との高低差57と、前記ボウル形状の樹脂粒子の最大径58の比、即ち、〔最大径〕/〔高低差〕が、0.8以上3.0以下であることが好ましい。本範囲とすることにより、より確実に上述した圧力を減少させ、ニップ内での空隙を保持することができる。
前記凹凸形状の形成により、導電性樹脂層の表面状態は、下記のように制御されていることが好ましい。十点平均表面粗さ(Rzjis)は、5μm以上65μm以下、特には10μm以上50μm以下が好ましい。また、表面の凹凸平均間隔(Sm)は、30μm以上200μm以下、特には40μm以上150μm以下が好ましい。RzjisおよびSmの各々を上記の数値範囲内とすることで、より確実に上述した当接圧力を緩和させられる。また、ニップ内での空隙を保持できる。なお、表面の十点平均粗さ(Rzjis)及び表面の凹凸平均間隔(Sm)の測定法は、後に詳述する。
本発明のボウル形状の樹脂粒子の例を図4(4a)から図4(4e)に示す。すなわち、本発明における「ボウル形状」とは、開口部71を有し、開口部に丸みのある凹部72を有する形状をいう。開口部は、図4(4a)及び図4(4b)に示すように、エッジが平坦であってもよく、また、図4(4c)乃至図4(4e)に示すように、エッジが凹凸であってもよい。ボウル形状の樹脂粒子の最大径58は、5μm以上150μm以下、特には8μm以上120μm以下とすることが好ましい。この範囲とすることにより、より確実にニップ内放電を発生させることができる。
また、ボウル形状の樹脂粒子の最大径58と、開口部の最小径74の比、即ち、ボウル形状の樹脂粒子の〔最大径〕/〔開口部の最小径〕は1.1以上4.0以下であることが好ましい。これにより、より確実に上述した当接圧力を緩和させ、ニップ内での空隙を保持することができる。
ボウル形状の樹脂粒子の開口部周囲の縁の外径と内径の差は0.1μm以上3μm以下、特には0.2μm以上2μm以下とすることが好ましい。この範囲とすることにより、より確実に上述した当接圧力を緩和させることができる。また、上記外径と内径の差が粒子全域にわたり、略均一に形成されていることが更に好ましい。略均一とは、平均値の±50%以内の範囲内であることを意味する。
(バインダー)
バインダーとしては、公知のゴムまたは樹脂を使用することができる。ゴムとしては、例えば、天然ゴムやこれを加硫処理したもの、合成ゴムを挙げることができる。合成ゴムとしては以下のものが挙げられる。エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム及びフッ素ゴム。樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂の如き樹脂が使用できる。中でも、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂がより好ましい。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらバインダーの原料である単量体を共重合させ、共重合体としてもよい。導電性樹脂層を、第1の導電性樹脂層と第2の導電性樹脂層で形成する場合、第1の導電性樹脂層に用いるバインダーは、ゴムを使用することが好ましい。これは、ボウル形状の樹脂粒子にかかる圧力が、より緩和されやすくなる傾向にあるためである。第1の導電性樹脂層に用いるバインダーとしてゴムを使用した場合、第2の導電性樹脂層に用いるバインダーは、樹脂を使用することが好ましい。これは、電子写真感光体との密着性及び摩擦性の制御を、より容易に行うことができるためである。導電性樹脂層は、プレポリマー化したバインダーの原料に架橋剤等を添加し、硬化または架橋することによって形成してもよい。本発明においては、上記混合物についても、以下、バインダーと称して説明する。
(導電性微粒子)
導電性樹脂層は、導電性を発現するために公知の導電性微粒子を含有する。導電性微粒子の具体例としては、金属酸化物、金属微粒子、カーボンブラック等が挙げられる。また、これらの導電性微粒子を、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。導電性樹脂層中における導電性微粒子の含有量の目安としては、バインダー100質量部に対して2〜200質量部、特には5〜100質量部である。第1の導電性樹脂層と第2の導電性樹脂層に使用するバインダー及び導電性微粒子は、同じであっても、異なっていてもよい。なお、導電性樹脂層は前記ボウル形状の樹脂粒子を非露出な状態で含有するために、第1の導電性樹脂層と第2の導電性樹脂層は、密着性及び親和性を有することが好ましい。
(導電性樹脂層の形成方法)
前記導電性樹脂層3を形成する方法を以下に説明する。
〔方法1〕
方法1では、まず、導電性基体上に、バインダーに、導電性微粒子及び中空形状の樹脂粒子を分散させた被覆層(以下、「予備被覆層」とも称す)を作成する。次に、表面を研磨して中空形状の樹脂粒子の一部を削除してボウル形状とする。これにより、表面にボウル形状の樹脂粒子の開口による凹部と、ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジによる凸部が形成される(以下、「ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状」とも称す)。この様にして、まず、第1の導電性樹脂層を形成する。更に、その表面に、第2の導電性樹脂層を形成する。これにより、前記ボウル形状の樹脂粒子を非露出な状態とすることができる。
〔予備被覆層中への樹脂粒子の分散〕
まず、予備被覆層に中空形状の樹脂粒子を分散させる方法について説明する。一つの方法としては、内部に気体を含有している中空粒子を、バインダー及び導電性微粒子とともに分散させた導電性樹脂組成物の塗膜を導電性基体上に形成し、当該塗膜を、乾燥、硬化または架橋等させる方法が挙げられる。中空形状の樹脂粒子に用いる材料としては、前述した公知の樹脂を挙げることができる。
別の方法としては、粒子の内部に内包物質を含み、熱を加えることにより内包物質が膨張し、中空形状の樹脂粒子となる、いわゆる熱膨張マイクロカプセル使用する方法を例示することができる。熱膨張マイクロカプセルを、バインダー及び導電性微粒子とともに分散させた導電性樹脂組成物を作成し、この組成物の層を、導電性基体上に形成し、乾燥、硬化、または、架橋等を行う方法である。この方法の場合、予備被覆層に使用するバインダーの乾燥、硬化、または架橋時の熱で、内包物質を膨張させ、中空形状の樹脂粒子を形成することができる。この際、温度条件等を制御することで、粒径等を制御することもできる。
熱膨張マイクロカプセルを用いる場合、熱可塑性樹脂をバインダーとして用いる必要がある。熱可塑性樹脂の例を以下に挙げる。アクリロニトリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メタクリル酸樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、アミド樹脂、メタクリロニトリル樹脂、アクリル酸樹脂、アクリル酸エステル樹脂類、メタクリル酸エステル樹脂類等。この中でも、ガス透過性が低く、高い反発弾性を示すアクリロニトリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メタクリロニトリル樹脂から選ばれる少なくとも1種からなる熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。これら熱可塑性樹脂は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。更に、これら熱可塑性樹脂の単量体を共重合させ、共重合体として用いても良い。
熱膨張マイクロカプセルに内包させる物質としては、バインダーに用いる熱可塑性樹脂の軟化点以下の温度で気化するものが好ましく、例えば以下のものが挙げられる。プロパン、プロピレン、ブテン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタンなどの低沸点液体、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン、イソオクタン、ノルマルデカン、イソデカンなどの高沸点液体等。
上記の熱膨張マイクロカプセルは、懸濁重合法、界面重合法、界面沈殿法、液中乾燥法といった公知の製法により製造することができる。例えば、懸濁重合法においては、重合性単量体、上記熱膨張マイクロカプセルに内包させる物質及び重合開始剤を混合し、この混合物を、界面活性剤や分散安定剤を含有する水性媒体中に分散させた後、懸濁重合させる方法を例示することができる。なお、重合性単量体の官能基と反応する反応性基を有する化合物、有機フィラー等を添加することもできる。
重合性単量体としては、下記のものを例示することができる。アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、フマロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、塩化ビニリデン、酢酸ビニル。アクリル酸エステル(メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート)。メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等のメタクリル酸エステル。スチレン系モノマー、アクリルアミド、置換アクリルアミド、メタクリルアミド、置換メタクリルアミド、ブタジエン、εカプロラクタム、ポリエーテル、イソシアネート等。これらの重合性単量体は単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
重合開始剤としては、公知のパーオキサイド開始剤及びアゾ開始剤等を使用できる。中でもアゾ開始剤が好ましい。アゾ開始剤の具体例を以下に挙げる。2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサン1−カーボニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル及び2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル。特には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルが好ましい。重合開始剤を用いる場合、重合性単量体100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましい。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子型分散剤等を使用できる。界面活性剤を使用する場合、重合性単量体100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましい。分散安定剤としては、有機微粒子(ポリスチレン微粒子、ポリメタクリル酸メチル微粒子、ポリアクリル酸微粒子及びポリエポキシド微粒子等)、シリカ(コロイダルシリカ等)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸バリウム、及び、水酸化マグネシウム等が挙げられる。分散安定剤を使用する場合、重合性単量体100質量部に対して、0.01〜20質量部が好ましい。
懸濁重合は、耐圧容器を用い、密閉下で行うことが好ましい。また、分散機等で懸濁してから、耐圧容器に移して懸濁重合してもよく、耐圧容器内で懸濁させてもよい。重合温度は、50℃〜120℃が好ましい。重合は、大気圧下で行ってもよいが、上記熱膨張カプセルに内包させる物質を気体状にさせないようにするため加圧下(大気圧に0.1〜1MPaを加えた圧力下)で行うことが好ましい。重合終了後は、遠心分離や濾過等によって、固液分離及び洗浄等を行ってもよい。固液分離や洗浄する場合、この後、熱膨張マイクロカプセルを構成する樹脂の軟化温度以下にて乾燥や粉砕してもよい。乾燥及び粉砕は、既知の方法により行うことができ、気流乾燥機、順風乾燥機及びナウターミキサー等を使用できる。また、乾燥及び粉砕は粉砕乾燥機等によって同時に行うこともできる。界面活性剤及び分散安定剤は、製造後に洗浄濾過等を繰り返すことにより除去することができる。
〔予備被覆層の形成〕
続いて、予備被覆層の形成方法について説明する。
予備被覆層の形成方法としては、静電スプレー塗布、ディッピング塗布、ロール塗布、所定の膜厚に成膜されたシート形状又はチューブ形状の層を接着又は被覆する方法、型内で所定の形状に材料を硬化、成形する方法等が挙げられる。また、特に、バインダーがゴムの場合には、クロスヘッドを備えた押出機を用いて、導電性基体と未加硫ゴム組成物を一体的に押出して作製することもできる。クロスヘッドとは、電線や針金の被覆層を構成するために用いられる、押出機のシリンダ先端に設置して使用する押出金型である。この後、乾燥、硬化、または、架橋等を経た後、予備被覆層の表面を研磨して、中空形状の樹脂粒子の一部を削除してボウル形状とする。研磨方法としては、円筒研磨方法やテープ研磨法を使用することができる。円筒研磨機としては、トラバース方式のNC円筒研磨機、プランジカット方式のNC円筒研磨機等を例示することができる。
(a)予備被覆層の厚みが中空の樹脂粒子の体積平均粒径の5倍以下の場合;
予備被覆層の厚みが中空粒子の体積平均粒径の5倍以下場合、予備被覆層表面には、通常、中空形状の樹脂粒子由来の凸部が形成される。従って、中空の樹脂粒子に由来する凸部の一部を削除することで、予備被覆層の表面に開口を有するボウル形状の樹脂粒子が含有された予備被覆層を形成することができる。また、中空の樹脂粒子は弾性を有するため、当該中空の樹脂粒子に由来する凸部を削除する際の弾性変形によって、予備被覆層の表面に形成される開口のエッジを凸形状とすることができる。
中空の樹脂粒子に由来する凸部の一部の削除するためには、テープ研磨を用いることが好ましい。研磨時に帯電部材にかかる圧力が比較的小さいからである。一例として、テープ研磨方式を用いて予備被覆層の凸部の一部を削除する際に用いる研磨テープの具体例および研磨条件を以下に述べる。
研磨テープは、研磨砥粒を樹脂に分散させ、それを、シート状基材に塗布している。研磨砥粒としては、酸化アルミニウム、酸化クロム、炭化珪素、酸化鉄、ダイヤモンド、酸化セリウム、コランダム、窒化珪素、炭化珪素、炭化モリブデン、炭化タングステン、炭化チタン及び酸化珪素等が例示できる。研磨砥粒の平均粒径は、0.01μm以上、50μm以下が好ましく、より好ましくは、1μm以上、30μm以下である。なお、上記、研磨砥粒の平均粒径は、遠心沈降法で測定されたメジアン径D50である。上記好ましい範囲の研磨砥粒を有する研磨テープの番手の好ましい範囲は、500以上、20000以下であり、より好ましくは、1000以上、10000以下である。研磨テープの例を以下に挙げる。MAXIMA LAP、MAXIMA Tタイプ(商品名、レフライト株式会社製)、ラピカ(商品名、KOVAX社製)、マイクロフィニッシングフィルム、ラッピングフィルム(商品名、住友3M株式会社製)、ミラーフィルム、ラッピングフィルム(商品名、三共理化学株式会社製)、ミポックス(商品名、日本ミクロコーティング株式会社製)等。
研磨テープの送り速度は、10mm/min以上、500mm/min以下、特には50mm/min以上、300mm/min以下が好ましい。研磨テープの予備被覆層への押し当て圧は、0.01MPa以上、0.4MPa以下、特には、0.1MPa以上、0.3MPa以下が好ましい。押し当て圧を制御するため、予備被覆層には、研磨テープを介してバックアップローラ等を当接させてもよい。また、所望の形状を得るために、複数回にわたり、研磨処理をおこなってもよい。予備被覆層を形成した部材が回転可能な形状である場合(例えば、ローラ形状の場合)、回転数を、10rpm以上、1000rpm以下、特には、50rpm以上、800rpm以下に設定することが好ましい。上記の条件とすることで、第1の導電性樹脂層表面に、ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状を、より容易に形成することができる。なお、予備被覆層の厚みが、上記範囲であっても、下記に記載する(b)の方法を使用して、ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹部および該開口のエッジによる凸形状を形成することも可能である。
(b)予備被覆層の厚みが中空の樹脂粒子の体積平均粒径の5倍超の場合;
予備被覆層の厚みが中空の樹脂粒子の体積平均粒径の5倍を超える場合、予備被覆層の表面には、中空の樹脂粒子由来の凸部が形成されていないことがある。この場合は、中空の樹脂粒子と予備被覆層との研磨性の差を利用して、ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状を形成することができる。
中空の樹脂粒子は、内部に気体を内包しているため、高い反発弾性を有する。これに対し、予備被覆層のバインダーとしては、相対的に低い反発弾性を有し、かつ、伸びの小さなゴムまたは樹脂を選択する。これにより、予備被覆層は研磨されやすく、中空の樹脂粒子は研磨されにくい状態を達成することができる。この状態にある予備被覆層を研磨すると、中空の樹脂粒子の一部のみを削除し、ボウル形状の樹脂粒子とすることができる。その結果、予備被覆層の表面には、ボウル形状の樹脂粒子の開口を形成することができる。本方法は、中空の樹脂粒子と予備被覆層との研磨性の差を利用して、開口に由来する凹部と、該開口のエッジに由来する凸部を形成する方法であるため、予備被覆層に使用するバインダーにはゴムを使用することが好ましい。具体的には、低い反発弾性を有し、かつ、伸びが小さいアクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、または、ブタジエンゴムを好適に用い得る。
中空の樹脂粒子としては、シェルが、気体透過性が低く、高反発弾性を有するという観点から、極性基を有する樹脂を含むものが好ましい。かかる樹脂としては、下記式(1)示すユニットを有する樹脂を挙げられる。更には、研磨性を制御の容易性という観点から、式(1)に示すユニットと、式(5)に示すユニットの両方を有することが、更に好ましい。
Figure 0004799706
(式中、Aは、下記式(2)、(3)及び(4)から選択される少なくとも1種である。R1は、水素原子、もしくは、炭素数1から4のアルキル基である。)
Figure 0004799706
Figure 0004799706
Figure 0004799706
Figure 0004799706
(式中、R2は、水素原子、もしくは、炭素数1から4のアルキル基であり、R3は、水素原子、もしくは、炭素数1から10のアルキル基である。R2とR3は、同じ構造であっても、異なる構造であってもよい。)
〔研磨方法〕
研磨方法としては、円筒研磨方法やテープ研磨法を使用することができるが、材料の研磨性の差を顕著に引き出す必要があるため、より速く研磨する条件とすることが好ましい。この観点から、円筒研磨方法を使用することがより好ましい。円筒研磨法のなかでも、長手方向を同時に研磨でき、研磨時間が短縮できるという観点から、プランジカット方式を使用することが、更に好ましい。また、研磨面を均一にするという観点から従来行われていたスパークアウト工程(侵入速度0mm/minでの研磨工程)を、できるだけ短時間とする、もしくは行わないことが好ましい。
一例として、プランジカット方式の円筒研磨機を使用する際の、予備被覆層の研磨条件として好ましい範囲を下記に示す。円筒研磨砥石の回転数は、1000rpm以上、4000rpm以下、特には2000rpm以上4000rpmが好ましい。予備被覆層への侵入速度は、5mm/min以上30mm/min以下、特には10mm/min以上が好ましい。侵入工程の最後には、研磨表面に慣らし工程を有してもよく、0.1mm/min〜0.2mm/minの侵入速度で2秒以内とすることが好ましい。スパークアウト工程(侵入速度0mm/minでの研磨工程)は、3秒以下が好ましい。予備被覆層を形成した部材が回転可能な形状の場合(例えば、ローラ形状の場合)は、回転数を、50rpm以上500rpm以下、特には200rpm以上500rpmとすることが好ましい。上記の条件とすることで、第1の導電性樹脂層表面に、ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状を、より容易に形成することができる。
〔第2の導電性樹脂層の形成〕
次いで、第1の導電性樹脂層の表面に、導電性樹脂組成物を被覆し、乾燥、硬化、または、架橋等を行うことにより、第2の導電性樹脂層を形成する。被覆方法としては、前記の方法を使用することができる。第1の導電性樹脂層表面に作成したボウル形状の樹脂粒子の開口およびそのエッジによる凹凸形状を反映した表面とすることが必要である。そのため、第2の導電性樹脂層は、比較的薄いことが好ましい。第2の導電性樹脂層の厚さの目安としては、50μm以下、特には30μm以下である。従って、上記被覆方法の中でも、静電スプレー塗布、ディッピング塗布、ロール塗布等により第2の導電性樹脂層を形成する方法がより好ましい。これらの塗布法を使用する場合、バインダーに導電性微粒子を分散した導電性樹脂組成物の塗布液を作成し、塗布を行う。
〔方法2〕
バインダーに、導電性微粒子及びボウル形状の樹脂粒子を分散させた導電性樹脂組成物を作成する。その組成物を、導電性基体上に被覆し、乾燥、硬化、または架橋等を行うことにより、導電性樹脂層を形成する。
〔ボウル形状の樹脂粒子〕
ボウル形状の樹脂粒子は、前述した中空形状の樹脂粒子の一部を削除して製造することができる。また、樹脂粒子の製造過程においてボウル形状となるように重合しても良い。ボウル形状となるように樹脂粒子を製造する方法としては、重合性単量体を、架橋剤、疎水性液体及び重合開始剤の存在下で、水中で撹拌しながら懸濁重合させ、疎水性液体を重合体の重合膜中に内包する粒子を調製する方法を挙げることができる。このとき、疎水性物質は重合時に形成される重合体の粒子中に内包され、重合時に重合体が変形してボウル形状の粒子となる。重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、メタクリル酸エステル類、アクリル酸エステル類、酢酸ビニル、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、イソプレン、ブタジエン、アクロレイン、アクリルアミド、アリルアルコール、ビニルピリジン、安息香酸ビニル、安息香酸アリルおよびこれらの混合物等。
架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジメタクリル酸エチレン、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレン、メタクリル酸アリル、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン等が例示できる。このうちの2種以上を併用しても良い。重合性単量体100質量%に対する架橋剤の量は0.1〜30質量%、特には1〜20質量%である。架橋剤の量をこの数値範囲とすることで、粒子を適度に変形させることができる。
疎水性液体としては炭化水素油、動物油、植物油、エステル類、エーテル類、シリコーン類等が例示できる。重合性単量体100質量%に対する疎水性液体の量は、15質量%以上、100質量%以下が好ましい。疎水性液体の量を上記の範囲内とすることで樹脂粒子はボウル形状になり易い。
重合開始剤としては、ラジカル触媒、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル)バレロニトリル等が好適に使用できる。
水中には、懸濁安定剤、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、アルギン酸ソーダ、リン酸カルシウム、コロイダルシリカ、ベントナイト、酸化アルミニウム等を添加しても良い。また粒子が乾燥時に凝結しないように、酸化チタン、炭酸カルシウム等の凝結防止剤を添加しても良い。重合温度は一般に50〜95℃が好ましい。微粒子の粒径は撹拌速度によって支配されるため、好適な撹拌は50〜500rpmで行い、特に100〜300rpmとするのが好ましい。重合時間は3〜24時間が好ましい。粒子は、濾過等によって水中から取り出した後、乾燥することが好ましく、乾燥は、重合体の軟化温度より低い温度、即ち、30〜90℃で行うことが好ましい。
〔導電性樹脂層の形成〕
上記で得られたボウル形状の樹脂粒子を、バインダー及び導電性微粒子とともに混合し、導電性樹脂組成物を作成する。この導電性樹脂組成物を、導電性基体上に被覆し、導電性樹脂層を形成する。被覆方法としては前述した方法を使用できる。ここで、ボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部を形成し、開口のエッジに由来する凸部を形成する為には、導電性樹脂層の膜厚を、ボウル形状の樹脂粒子の最大径の5倍以下、特には3倍以下とすることが好ましい。上記形状を形成するためには、バインダーと、導電性微粒子及びボウル形状の樹脂粒子を混合した導電性樹脂塗布液を準備し、静電スプレー塗布、ディッピング塗布、ロール塗布等を行い、乾燥または加熱する工程を有する方法を使用することが好ましい。この場合、被覆した塗膜の乾燥工程においては、塗膜の乾燥温度を高めることが好ましく、または、塗膜中の固形分濃度を小さくすることが好ましい。乾燥工程において、塗膜からの揮発成分の揮発速度が高まり、高速で揮発する揮発成分の流動によって、ボウル形状の樹脂粒子の開口部を、導電性樹脂層表面側に向け、前記凹凸形状を形成することが可能になる。揮発速度を制御する為、塗布液には前述の溶剤を使用することが好ましい。
本方法における、具体的な一例を下記に示す。まず、バインダーにボウル形状の樹脂粒子以外の分散成分、例えば導電性微粒子等を、直径0.8mmのガラスビーズとともに混合し、ペイントシェーカー分散機を用いて12時間から36時間かけて分散する。次いで、ボウル形状の樹脂粒子を添加して分散する。分散時間としては2分以上、30分以内が好ましい。ここで、ボウル形状の樹脂粒子が粉砕されることがないような条件であることが必要である。その後、粘度3〜30mPa、特には3〜20mPaになるように調整して塗布液を得る。次いで、ディッピング等により導電性基体等の上に、乾燥膜厚が1〜50μm、より好ましくは5〜30μmとなるような塗布液の塗膜を形成する。この塗膜を、温度20〜50℃、特には温度30〜50℃で乾燥させる。この後、硬化、または、架橋等の処理を行ってもよい。なお、塗布液に、バインダー、導電性微粒子等を分散する方法としては、前記の分散手段を用いることができる。なお、膜厚は、前記の方法で測定することができる。上記ボウル形状の樹脂粒子の導電性樹脂層中の含有量は、バインダー100質量部に対して、2質量部以上、120質量部以下が好ましく、5質量部以上、100質量部以下が更に好ましい。本範囲とすることで、上記ボウル形状の樹脂粒子の開口による凹凸形状を、より容易に形成することが可能になる。
〔導電性樹脂層中のその他の成分〕
本発明の導電性樹脂層は、前記の導電性微粒子に加えイオン導電剤、絶縁性粒子を含有してもよい。導電性樹脂層の体積抵抗率の目安としては、温度23℃、湿度50%RH環境において、1×102Ω・cm以上、1×1016Ω・cm以下とすることが好ましい。本範囲とすることで、放電により電子写真感光体を適切に帯電することが、より容易になる。
導電性樹脂層の体積抵抗率は、以下のようにして求める。まず、帯電部材から、導電性樹脂層を、縦5mm、横5mm、厚さ1mm程度の短冊形に切り出す。両面に金属を蒸着して電極とガード電極とを作製し測定用サンプルを得る。導電性樹脂層が薄膜で切り出せない場合には、アルミシートの上に導電性樹脂層形成用の導電性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し、塗膜面に金属を蒸着して測定用サンプルを得る。得られた測定用サンプルについて微小電流計(商品名:ADVANTEST R8340A ULTRA HIGHRESISTANCE METER、(株)アドバンテスト製)を用いて200Vの電圧を印加する。そして、30秒後の電流を測定し、膜厚と電極面積とから計算して求める。導電性樹脂層の体積抵抗率は、前述した導電性微粒子及びイオン導電剤により調整することができる。また、導電性微粒子の平均粒径の目安としては、0.01μm〜0.9μm、特には0.01μm〜0.5μmである。導電性樹脂層中の導電性微粒子の含有量の目安はバインダー100質量部に対して2〜80質量部、特には20〜60質量部である。
〔導電性基体〕
本発明の帯電部材に用いられる導電性基体は、導電性を有し、その上に設けられる導電性樹脂層等を支持する機能を有するものである。材質としては、例えば、鉄、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケルの如き金属やその合金を挙げることができる。
〔導電性弾性層〕
本発明の帯電部材には、導電性基体と導電性樹脂層との間に、導電性弾性層を形成してもよい。導電性弾性層に使用するバインダーとしては、公知のゴムまたは樹脂を使用することができる。帯電部材と感光体との間で十分なニップを確保するという観点から、比較的低い弾性を有することが好ましく、ゴムを使用することがより好ましい。ゴムとしては、前述したゴムを例示することができる。導電性弾性層の体積抵抗率は、温度23℃、湿度50%RHの環境下で、102Ω・cm以上、1010Ω・cm以下であることが好ましい。
導電性弾性層の体積抵抗率は、バインダー中に、カーボンブラック、導電性金属酸化物、アルカリ金属塩、アンモニウム塩等の導電剤を適宜添加して、調整することができる。バインダーが極性ゴムである場合は、特に、アンモニウム塩を用いることが好ましい。また、導電性弾性層には、導電性微粒子の他に硬度等を調整するために、軟化油、可塑剤等の添加剤や、上述の絶縁性粒子を含有させてもよい。導電性弾性層は、導電性基体、導電性樹脂層間等に接着剤により接着して設けることもできる。接着剤としては導電性のものを用いることが好ましい。
<帯電部材>
本発明に係る帯電部材は、上記導電性基体と導電性樹脂層を有するものであればよく、その形状も、ローラ状、平板状等いずれであってもよい。以下において、帯電部材の一例としての、帯電ローラを使用して詳細に説明する。導電性基体上には、その直上の層と、接着剤を介して接着してもよい。この場合、接着剤は導電性であることが好ましい。導電性とするため、接着剤には公知の導電剤を有することができる。接着剤のバインダーとしては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が挙げられるが、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、ポリエーテル系、エポキシ系等の公知のものを用いることができる。
接着剤に導電性を付与するための導電剤としては、前記導電性微粒子、イオン導電剤から適宜選択し、単独で、また2種類以上組み合わせて、用いることができる。
本発明の帯電ローラは、電子写真感光体の帯電を良好なものとするため、通常、電気抵抗値が、温度23℃、湿度50%RH環境中において、1×103Ω以上、1×1010Ω以下であることがより好ましい。
本発明の帯電ローラは、電子写真感光体に対して、長手のニップ幅を均一にするという観点から、長手方向中央部が一番太く、長手方向両端部にいくほど細くなるクラウン形状が好ましい。クラウン量は、中央部の外径と中央部から90mm離れた位置の外径との差が、30μm以上200μm以下であることが好ましい。帯電部ローラ表面の硬度は、マイクロ硬度(MD−1型)で90°以下が好ましく、より好ましくは、40°以上80°以下である。本範囲とすることにより、電子写真感光体との当接を安定させることが容易となり、より安定したニップ内放電を行うことができる。
<電子写真装置>
本発明の帯電部材は、電子写真装置の構成部品として使用することができる。この電子写真装置は、該帯電部材、露光装置及び現像装置を少なくとも有する。本発明の帯電部材を備える電子写真装置の一例の概略構成を図6に示す。電子写真装置は、電子写真感光体、電子写真感光体の帯電装置、潜像形成装置、現像装置、転写装置、電子写真感光体上の転写残トナーを回収するクリーニング装置および定着装置等を有する。
電子写真感光体4は、導電性基体上に感光層を有する回転ドラム型であり、矢示の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。帯電装置は、電子写真感光体4に所定の押圧力で当接されることにより接触配置される接触式の帯電ローラ5を有する。帯電ローラ5は、電子写真感光体の回転に従い回転する従動回転であり、帯電用電源19から所定の直流電圧を印加することにより、電子写真感光体を所定の電位に帯電する。電子写真感光体4に静電潜像を形成する潜像形成装置11としては、例えばレーザービームスキャナーの如き露光装置が用いられる。一様に帯電された電子写真感光体に画像情報に対応した露光を行うことにより、静電潜像が形成される。現像装置は、電子写真感光体4に近接又は接触して配設される現像スリーブ又は現像ローラ6を有する。電子写真感光体の帯電極性と同極性に静電的処理されたトナーを反転現像により、静電潜像を現像してトナー像を形成する。転写装置は、接触式の転写ローラ8を有する。電子写真感光体からトナー像を普通紙の如き転写材7(転写材は、搬送部材を有する給紙システムにより搬送される。)に転写する。クリーニング装置は、ブレード型のクリーニング部材10、回収容器14を有し、転写した後、電子写真感光体上に残留する転写残トナーを機械的に掻き落とし回収する。ここで、現像装置にて転写残トナーを回収する現像同時クリーニング方式を採用することにより、クリーニング装置を省くことも可能である。定着装置9は、加熱されたロール等で構成され、転写されたトナー像を転写材7に定着し、機外に排出する。
<プロセスカートリッジ>
本発明に係るプロセスカートリッジは、上記した本発明にかかる帯電部材と、該帯電部材に接触して配置された被帯電体(電子写真感光体等)とが一体化され、電子写真装置本体に着脱自在に構成されている。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
<製造例>
以下製造例1〜69について説明するが、製造例の内訳は次の通りである。
製造例1〜38、44及び45は樹脂粒子の製造例である。製造例39〜43はボウル形状の樹脂粒子の製造例である。製造例46〜49は樹脂粒子を含む導電性ゴム組成物の製造例である。製造例50は複合導電性微粒子の製造例である。製造例51は表面処理酸化チタン粒子の製造例である。製造例52〜59は、樹脂粒子を含まない導電性樹脂塗布液1〜8の製造例である。製造例60〜68は、樹脂粒子を含む導電性樹脂塗布液9〜17の製造例である。製造例69は導電性ゴム組成物の製造例である。樹脂粒子の平均粒径は体積平均粒径を意味する。
<製造例1>〔樹脂粒子1の作製〕
イオン交換水4000質量部と、分散安定剤としてコロイダルシリカ9質量部及びポリビニルピロリドン0.15質量部を添加し、水性混合液を調製した。次に、重合性単量体として、アクリロニトリル50質量部、メタクリロニトリル45質量部及び、メチルメタクリレート5質量部と、内包物質としてノルマルヘキサン12.5質量部と、重合開始剤としてジクミルパーオキシド0.75質量部からなる油性混合液を調製した。この油性混合液を、前記水性混合液に添加し、更に水酸化ナトリウム0.4質量部を添加して分散液を調製した。
得られた分散液をホモジナイザーを用いて3分間攪拌混合し、窒素置換した重合反応容器内へ仕込み、200rpmの撹拌下、60℃で20時間反応させることにより、反応生成物を調製した。得られた反応生成物について、ろ過と水洗を繰り返した後、80℃で5時間乾燥して樹脂粒子を作製した。得られた樹脂粒子を音波式分級機により解砕して分級することによって、平均粒径12μmの樹脂粒子1を得た。
<製造例2>〔樹脂粒子2の作製〕
コロイダルシリカの添加部数を4.5質量部に変更した以外は製造例1と同様の方法で樹脂粒子を作製した。また同様に分級して平均粒径50μmの樹脂粒子2を得た。
<製造例3>〔樹脂粒子3の作製〕
製造例2で分級した粒経違いの平均粒径60μmの粒子を樹脂粒子3とした。
<製造例4>〔樹脂粒子4の作製〕
製造例1で分級した粒経違いの平均粒径18μmの粒子を樹脂粒子4とした。
<製造例5>〔樹脂粒子5の作製〕
製造例1で分級した粒経違いの平均粒径10μmの粒子を樹脂粒子5とした。
<製造例6>〔樹脂粒子6の作製〕
製造例2で分級した粒経違いの平均粒径40μmの粒子を樹脂粒子6とした。
<製造例7>〔樹脂粒子7の作製〕
製造例1で分級した粒経違いの平均粒径15μmの粒子を樹脂粒子7とした。
<製造例8>〔樹脂粒子8の作製〕
重合性単量体をアクリロニトリル80質量部及び、メチルメタクリレート20質量部に変更した以外は、製造例2と同様の方法で樹脂粒子を作製した。また同様に分級して平均粒径30μmの樹脂粒子8を得た。
<製造例9>〔樹脂粒子9の作製〕
コロイダルシリカの添加部数を9質量部に変更した以外は製造例8と同様にして、樹脂粒子を作製した。また同様に分級して平均粒径10μmの樹脂粒子9を得た。
<製造例10>〔樹脂粒子10の作製〕
製造例9で分級した粒経違いの平均粒径15μmの粒子を樹脂粒子10とした。
<製造例11>〔樹脂粒子11の作製〕
製造例8で分級した粒経違いの平均粒径50μmの粒子を樹脂粒子11とした。
<製造例12>〔樹脂粒子12の作製〕
製造例1において、重合性単量体を、メタクリロニトリル45質量部及び、メチルアクリレート55質量部に変更した以外は、製造例1と同様の方法で樹脂粒子を作製した。また同様に分級して平均粒径25μmの樹脂粒子12を得た。
<製造例13>〔樹脂粒子13の作製〕
製造例12で分級した粒経違いの平均粒径15μmの粒子を樹脂粒子13とした。
<製造例14>〔樹脂粒子14の作製〕
コロイダルシリカの添加部数を4.5質量部に変更した以外は製造例12と同様にして、樹脂粒子を作製した。また同様に分級して平均粒径30μmの樹脂粒子14を得た。
<製造例15>〔樹脂粒子15の作製〕
製造例14で分級した粒経違いの平均粒径40μmの粒子を樹脂粒子15とした。
<製造例16>〔樹脂粒子16の作製〕
重合性単量体を、アクリルアミド45質量部及び、メタクリルアミド55質量部に変更した以外は、製造例2と同様の方法で樹脂粒子を作製した。また同様に分級して平均粒径40μmの樹脂粒子16を得た。
<製造例17>〔樹脂粒子17の作製〕
製造例16で分級した粒経違いの平均粒径45μmの粒子を樹脂粒子17とした。
<製造例18>〔樹脂粒子18の作製〕
製造例16で分級した粒経違いの平均粒径30μmの粒子を樹脂粒子18とした。
<製造例19>〔樹脂粒子19の作製〕
重合性単量体を、アクリロニトリル37.5質量部及び、メタクリルアミド62.5質量部に変更した以外は、製造例1と同様の方法で樹脂粒子を作製した。また同様に分級して平均粒径8μmの樹脂粒子19を得た。
<製造例20>〔樹脂粒子20の作製〕
製造例19で分級した粒経違いの平均粒径20μmの粒子を樹脂粒子20とした。
<製造例21>〔樹脂粒子21の作製〕
製造例19で分級した粒経違いの平均粒径25μmの粒子を樹脂粒子21とした。
<製造例22>〔樹脂粒子22の作製〕
製造例1において、重合性単量体を、メタクリロニトリル50質量部及び、アクリルアミド50質量部に変更した以外は、製造例1と同様の方法で樹脂粒子を作製した。また同様に分級して平均粒径20μmの樹脂粒子22を得た。
<製造例23>〔樹脂粒子23の作製〕
コロイダルシリカの添加部数を4.5質量部に変更した以外は製造例22と同様にして、体積平均粒径30μmの樹脂粒子23を作製した。
<製造例24>〔樹脂粒子24の作製〕
重合性単量体を、メチルメタクリレート60質量部及び、アクリルアミド40質量部に変更した以外は、製造例2と同様の方法で樹脂粒子を作製した。また同様に分級して平均粒径40μmの樹脂粒子24を得た。
<製造例25>〔樹脂粒子25の作製〕
製造例24で分級した粒経違いの平均粒径50μmの粒子を樹脂粒子25とした。
<製造例26>〔樹脂粒子26の作製〕
コロイダルシリカの添加部数を18質量部に変更した以外は製造例24と同様にして、樹脂粒子を作製した。また同様に分級して平均粒径10μmの樹脂粒子26を得た。
<製造例27>〔樹脂粒子27の作製〕
重合性単量体を、アクリルアミド100質量部に変更した以外は、製造例1と同様の方法で樹脂粒子を作製した。また同様に分級して平均粒径8μmの樹脂粒子27を得た。
<製造例28>〔樹脂粒子28の作製〕
製造例27で分級した粒経違いの平均粒径20μmの粒子を樹脂粒子28とした。
<製造例29>〔樹脂粒子29の作製〕
製造例27で分級した粒経違いの平均粒径25μmの粒子を樹脂粒子29とした。
<製造例30>〔樹脂粒子30の作製〕
重合性単量体を、メタクリルアミド100質量部に変更した以外は、製造例1と同様の方法で樹脂粒子を作製した。また同様に分級して平均粒径20μmの樹脂粒子30を得た。
<製造例31>〔樹脂粒子31の作製〕
製造例30で分級した粒経違いの平均粒径25μmの粒子を樹脂粒子31とした。
<製造例32>〔樹脂粒子32の作製〕
重合性単量体を、メチルメタクリレート55質量部及び、メタクリルアミド45質量部に変更した以外は、製造例2と同様の方法で樹脂粒子を作製した。また同様に分級して平均粒径30μmの樹脂粒子32を得た。
<製造例33>〔樹脂粒子33の作製〕
製造例32で分級した粒経違いの平均粒径45μmの粒子を樹脂粒子33とした。
<製造例34>〔樹脂粒子34の作製〕
重合性単量体を、スチレン100質量部に変更した以外は、製造例1と同様の方法で樹脂粒子を作製した。また同様に分級して平均粒径15μmの樹脂粒子34を得た。
<製造例35>〔樹脂粒子35の作製〕
製造例34で分級した粒経違いの平均粒径10μmの粒子を樹脂粒子35とした。
<製造例36>〔樹脂粒子36の作製〕
コロイダルシリカの添加部数を4.5質量部に変更した以外は製造例34と同様にして、樹脂粒子を作製した。また同様に分級して平均粒径40μmの樹脂粒子36を得た。
<製造例37>〔樹脂粒子37の作製〕
重合性単量体を、メチルメタクリレート100質量部に変更した以外は、製造例2と同様の方法で樹脂粒子を作製した。また、同様に分級して平均粒径50μmの樹脂粒子37を得た。
<製造例38>〔樹脂粒子38の作製〕
製造例37で分級した粒経違いの平均粒径40μmの粒子を樹脂粒子38とした。
<製造例39>〔ボウル形状の樹脂粒子39の作成〕
イオン交換水250質量部と、コロイダルシリカ(固形分20質量%)12.5質量部及びアジピン酸−ジエタノールアミン縮合物(50%縮合物)0.8質量部を添加し、pH3.3の水性混合液を調製した。pHは、硫酸により調整した。
次いで、重合性単量体として、メチルメタクリレート90質量部、エチレングリコールジメタクリレート10質量部及び、内包物質として流動パラフィン25質量部と、2,2’−アゾビスブチロニトリル0.8質量部からなる油性混合液を調製した。前記水性混合液とこの油性混合液を混合し、T.K.ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、3分間高速撹拌を行った。この後、窒素置換した重合反応容器内へ仕込み、200rpmの撹拌下、65℃で5時間反応させた。得られた反応生成物について、ろ過と水洗を繰り返した後、80℃で5時間乾燥してボウル形状の樹脂粒子を作製した。ボウル形状の樹脂粒子を音波式分級機により解砕して分級することで平均粒径22μmの樹脂粒子39を得た。
<製造例40>〔ボウル形状の樹脂粒子40の作製〕
重合反応時の撹拌速度を、300rpmとした以外は、製造例39と同様にして、平均粒径5μmの樹脂粒子40を得た。
<製造例41>〔ボウル形状の樹脂粒子41の作製〕
製造例39で分級した粒経違いの平均粒径17μmの粒子を樹脂粒子41とした。
<製造例42>〔ボウル形状の樹脂粒子42の作製〕
メチルメタクリレートを75質量部、エチレングリコールジメタクリレートを8.3質量部、流動パラフィンを42質量部、2,2’−アゾビスブチロニトリルを0.5質量部に変更した以外は、製造例39と同様にして、平均粒径11μmの樹脂粒子42を得た。
<製造例43>〔ボウル形状の樹脂粒子43の作製〕
重合反応時の撹拌速度を、200rpmとした以外は、製造例42と同様にして、平均粒径5μmの樹脂粒子43を得た。
<製造例44>〔樹脂粒子44の作製〕
重合性単量体を、アクリロニトリル100質量部に変更した以外は、製造例2と同様の方法で平均粒径50μmの樹脂粒子44を得た。
<製造例45>〔樹脂粒子45の作製〕
重合性単量体を、塩化ビニリデン100質量部に変更した以外は、製造例2と同様の方法で平均粒径50μmの樹脂粒子45を得た。
<製造例46>〔アクリロニトリルブタジエンゴムを用いた導電性ゴム組成物1の作製〕
アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)(商品名:N230SV、JSR社製)100質量部に対し下記4成分を加えて、50℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練した。
・カーボンブラック(商品名:トーカブラック#7360SB、東海カーボン社製):48質量部、
・ステアリン酸亜鉛(商品名:SZ−2000、堺化学工業社製):1質量部、
・酸化亜鉛(商品名:亜鉛華2種、堺化学工業社製):5質量部、
・炭酸カルシウム(商品名:シルバーW、白石工業社製):20質量部。
これに、樹脂粒子1を12質量部、加硫剤として硫黄1.2質量部、加硫促進剤としてテトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)(商品名:パーカシットTBzTD、フレキシス社製)4.5質量部を添加した。そして、温度25℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練し、導電性ゴム組成物1を作製した。
<製造例47>〔スチレンブタジエンゴムを用いた導電性ゴム組成物2の作製〕
スチレンブタジエンゴム(SBR)(商品名:SBR1500、JSR社製)100質量部に対し下記6成分を加えて、80℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練した。
・酸化亜鉛(製造例46と同様):5質量部、
・ステアリン酸亜鉛(製造例46と同様):2質量部、
・カーボンブラック(商品名:ケッチェンブラックEC600JD、ライオン社製):8質量部、
・カーボンブラック(商品名:シーストS、東海カーボン社製):40質量部、
・炭酸カルシウム(製造例46と同様):15質量部、
・パラフィンオイル(商品名:PW380、出光興産社製):20質量部。
これに、下記の材料を添加し、温度25℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練し、導電性ゴム組成物2を作製した。
・樹脂粒子6を20質量部、
・加硫剤として硫黄1質量部、
・加硫促進剤としてジベンゾチアジルスルフィド(DM)(商品名:ノクセラーDM、大内新興化学工業社製)1質量部、
・テトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)(商品名:ノクセラーTS、大内新興化学工業社製)1質量部。
<製造例48>〔ブタジエンゴムを用いた導電性ゴム組成物3の作製〕
アクリロニトリルブタジエンゴムをブタジエンゴム(BR)「JSR BR01」(商品名、JSR社製)に変更し、カーボンブラックを30質量部に変更した。樹脂粒子1の12質量部を樹脂粒子31の8質量部に変更した。上記以外は、製造例46と同様にして、導電性ゴム組成物3を作製した。
<製造例49>〔クロロプレンゴムを用いた導電性ゴム組成物4の作製〕
クロロプレンゴム(商品名:ショープレンWRT、昭和電工(株)製)75質量部に対し下記3成分を加えて、50℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練した。
・NBR(商品名:ニッポール401LL、日本ゼオン(株)製):25質量部、
・ハイドロタルサイト(商品名:DHT−4A−2、協和化学工業(株)製):3質量部、
・第4級アンモニウム塩(商品名:KS−555、花王(株)製):5質量部。
これに、樹脂粒子27を3質量部、加硫剤として硫黄0.5質量部、加硫促進剤としてエチレンチオウレア(商品名:アクセル22−S、川口化学工業(株)製)1.4質量部を添加した。そして、温度20℃に冷却した二本ロール機で15分間混練し、導電性ゴム組成物4を作製した。
<製造例50>〔複合導電性微粒子の作製〕
シリカ粒子(平均粒子径15nm、体積抵抗率1.8×1012Ω・cm)7000質量部に、メチルハイドロジェンポリシロキサン140質量部をエッジランナーを稼動させながら添加した。そして、588N/cm(60kg/cm)の線荷重で30分間混合攪拌を行った。この時の攪拌速度は22rpmであった。その中に、カーボンブラック「#52」(商品名、三菱化学社製)7000質量部を、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、更に588N/cm(60kg/cm)の線荷重で60分間混合攪拌を行った。このようにしてメチルハイドロジェンポリシロキサンで被覆したシリカ粒子の表面にカーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用いて80℃で60分間乾燥を行い、複合導電性微粒子を作製した。この時の攪拌速度は22rpmであった。得られた複合導電性微粒子1は、平均粒径が15nmであり、体積抵抗率は1.1×102Ω・cmであった。
<製造例51>〔表面処理酸化チタン粒子の作製〕
針状ルチル型酸化チタン粒子(平均粒径15nm、縦:横=3:1、体積抵抗率2.3×1010Ω・cm)1000質量部に、表面処理剤としてイソブチルトリメトキシシラン110質量部及び溶媒としてトルエン3000質量部を配合してスラリーを調製した。このスラリーを、攪拌機で30分間混合した後、有効内容積の80%が平均粒子径0.8mmのガラスビーズで充填されたビスコミルに供給し、温度35±5℃で湿式解砕処理を行った。湿式解砕処理して得たスラリーを、ニーダーを用いて減圧蒸留(バス温度:110℃、製品温度:30〜60℃、減圧度:約100Torr)によりトルエンを除去し、120℃で2時間表面処理剤の焼付け処理を行った。焼付け処理した粒子を室温まで冷却した後、ピンミルを用いて粉砕して、表面処理酸化チタン粒子1を作製した。
<製造例52>〔導電性樹脂塗布液1の作製〕
カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液「プラクセルDC2016」(商品名、ダイセル化学工業株式会社製)にメチルイソブチルケトンを加え、固形分が10質量%となるように調整した。この溶液1000質量部(アクリルポリオール固形分100質量部)に対して、下記4成分を加え、混合溶液を調製した。
・複合導電性微粒子(製造例50で作製):45質量部、
・表面処理酸化チタン粒子(製造例51で作製):20質量部、
・変性ジメチルシリコーンオイル(*1):0.08質量部、
・ブロックイソシアネート混合物(*2):80.14質量部。
このとき、ブロックイソシアネート混合物は、イソシアネート量としては「NCO/OH=1.0」となる量であった。
(*1)変性ジメチルシリコーンオイル「SH28PA」(商品名、東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製)、
(*2)ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とイソホロンジイソシアネート(IPDI)の各ブタノンオキシムブロック体の7:3混合物。
内容積450mLのガラス瓶に上記混合溶液200質量部を、メディアとしての平均粒径0.8mmのガラスビーズ200質量部と共に入れ、ペイントシェーカー分散機を用いて24時間分散し、ガラスビーズを除去して導電性樹脂塗布液1を作製した。
<製造例53>〔導電性樹脂塗布液2の作製〕
複合導電性微粒子をカーボンブラック(銘柄:#52、三菱化学社製)に変更した以外は、製造例52と同様にして導電性樹脂塗布液2を作製した。
<製造例54>〔導電性樹脂塗布液3の作製〕
固形分が10質量%となるように、シリコーン樹脂(商品名:SR2360、東レ・ダウコーニング株式会社製)をメチルエチルケトンに溶解した。次いで、上記シリコーン樹脂の固形分100質量部に対して30質量部のカーボンブラック(銘柄:♯52、三菱化学株式会社製)を加えて混合溶液を調製した。以下、製造例52と同様にして導電性樹脂塗布液3を作製した。
<製造例55>〔導電性樹脂塗布液4の作製〕
ウレタン樹脂「DF−407」(商品名、DIC株式会社製)にメチルエチルケトンを加え、固形分が8質量%になるように混合溶液を調製した以外は、製造例54と同様にして、導電性樹脂塗布液4を作製した。
<製造例56>〔導電性樹脂塗布液5の作製〕
ポリビニルブチラール「エスレックB」(商品名、積水化学工業社製)にエタノールを加え、固形分が10質量%となるように混合溶液を調製した以外は、製造例54と同様にして、表面層用塗布液5を作製した。
<製造例57〜59>〔導電性樹脂塗布液6〜8の作製〕
製造例53、56及び55において、カーボンブラックをカーボンブラック「MA100」(商品名、三菱化学社製)に変更した以外は同様にして導電性樹脂塗布液6、7及び8を作製した。
<製造例60>〔導電性樹脂塗布液9の作製〕
カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液の固形分が17質量%となるように調製した以外は、製造例52と同様にして、混合溶液を調製した。24時間分散後、樹脂粒子1を5質量部添加した。その後、5分間分散し、ガラスビーズを除去して導電性樹脂塗布溶液9を作製した。
<製造例61>〔導電性樹脂塗布液10の作製〕
樹脂粒子1を樹脂粒子18に変更した以外は、製造例60と同様にして、導電性樹脂塗布液10を作製した。
<製造例62>〔導電性樹脂塗布液11の作製〕
製造例54と同様にして、混合溶液を調製した。28時間分散後、樹脂粒子27を10質量部添加した。その後、5分間分散し、ガラスビーズを除去して導電性樹脂塗布溶液11を作製した。
<製造例63>〔導電性樹脂塗布液12の作製〕
樹脂粒子27を樹脂粒子13とした以外は、製造例62と同様にして、導電性樹脂塗布液12を作製した。
<製造例64>〔導電性樹脂塗布液13の作製〕
樹脂粒子1を樹脂粒子39に、添加部数を20質量部相当に変更した以外は、製造例61と同様にして、導電性樹脂塗布液13を作製した。
<製造例65>〔導電性樹脂塗布液14の作製〕
樹脂粒子39を樹脂粒子40に変更した以外は、製造例64と同様にして、導電性樹脂塗布液14を作製した。
<製造例66>〔導電性樹脂塗布液15の作製〕
樹脂粒子27を樹脂粒子41に、また添加部数を20質量部相当に変更した以外は、製造例62と同様にして、導電性樹脂塗布液15を作製した。
<製造例67>〔導電性樹脂塗布液16の作製〕
製造例55と同様にして、混合溶液を調製した。24時間分散後、樹脂粒子42を20質量部添加した。その後、5分間分散し、ガラスビーズを除去して導電性樹脂塗布溶液16を作製した。
<製造例68>〔導電性樹脂塗布液17の作製〕
製造例56と同様にして、混合溶液を調製した。24時間分散後、樹脂粒子43を20質量部添加した。その後、5分間分散し、ガラスビーズを除去して導電性樹脂塗布溶液17を作製した。
<製造例69>〔導電性ゴム組成物5の作製〕
エピクロルヒドリンゴム(EO−EP−AGC三元共重合体、EO/EP/AGE=73mol%/23mol%/4mol%)100質量部に対して、下記7成分を加えて、50℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練し、未加硫ゴム組成物を得た。
・炭酸カルシウム:60質量部、
・脂肪族ポリエステル系可塑剤:5質量部、
・ステアリン酸亜鉛:1質量部、
・2−メルカプトベンズイミダゾール(MB)(老化防止剤):0.5質量部、
・酸化亜鉛:5質量部、
・四級アンモニウム塩「アデカサイザーLV70」(商品名、旭電化工業社製):2質量部、
・カーボンブラック「サーマックスフローフォームN990」(商品名、カナダCancarb社製、平均粒径270nm):5質量部。
次いで、上記未加硫ゴム組成物178.5質量部に対して、加硫剤として硫黄1.2質量部、加硫促進剤としてジベンゾチアジルスルフィド(DM)1質量部及びテトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)1質量部を添加した。そして、温度20℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練して、導電性ゴム組成物5を作製した。
<実施例1>
実施例1は図(1b)に示したように、導電性基体上に第1の導電性樹脂層と第2の導電性樹脂層とをこの順に有する帯電ローラにかかるものである。
〔導電性基体〕
直径6mm、長さ252.5mmのステンレス鋼製基体に、カーボンブラックを10質量%含有させた熱硬化性接着剤を塗布し、乾燥したものを導電性基体として使用した。
〔第1の導電性樹脂層の形成〕
図7に示すクロスヘッドを具備する押出成形装置を用いて、導電性基体を中心軸として、同軸上に円筒状に製造例46で作製した導電性ゴム組成物1を被覆した。被覆したゴム組成物の厚みは、1.75mmに調整した。なお、図7において、36は導電性基体、37は送りローラ、38は押出機、40はクロスヘッド、41は押出後のローラを示している。
押出後のローラを、熱風炉にて160℃で1時間加熱したのち、弾性体層の端部を除去して、長さを224.2mmとし、更に、160℃で1時間2次加熱を行い、層厚3.5mmの予備被覆層を有するローラを作成した。得られたローラの外周面を、プランジカット式の円筒研磨機を用いて研磨した。研磨砥石としてビトリファイド砥石を用い、砥粒は緑色炭化珪素(GC)で粒度は100メッシュとした。ローラの回転数を350rpmとし、研磨砥石の回転数を2050rpmとした。ローラの回転方向と研磨砥石の回転方向は、同方向(従動方向)とした。切込み速度を20mm/minとし、スパークアウト時間(切込み0mmでの時間)を0秒と設定して研磨を行い、第1の導電性樹脂層を有する弾性ローラ1を作製した。樹脂層の厚みは、3mmに調整した。なお、このローラのクラウン量(中央部と中央部から90mm離れた位置の外径の差)は120μmであった。
〔第2の導電性樹脂層の形成〕
この弾性ローラ1に対して導電性樹脂塗布液1を1回ディッピング塗布した。なお、ディッピング塗布の条件としては、浸漬時間を9秒とし、また、導電性樹脂塗布液からの引き上げ速度は、初期速度を20mm/s、最終速度を2mm/sとした。初期速度から最終速度に至る速度変化は、時間に対して直線的に行った。導電性塗布液から引き上げた弾性ローラ1を、常温で30分間風乾した後、熱風循環乾燥機にて温度80℃で1時間、更に温度160℃で1時間乾燥して、帯電ローラ1を得た。
こうして得た帯電ローラ1について、下記1〜6の評価を行った。
〔1.帯電部材の電気抵抗値〕
図5は帯電ローラの電気抵抗値の測定装置である。導電性基体1の両端を、荷重のかかった軸受け33、33により電子写真感光体と同じ曲率の円柱形金属32に、平行になるように当接させる。この状態で、モータ(不図示)により円柱形金属32を回転させ、当接した帯電ローラ5を従動回転させながら安定化電源34から直流電圧−200Vを印加する。この時に流れる電流を電流計35で測定し、帯電ローラの抵抗値を計算する。荷重は各4.9Nとし、金属製円柱は直径φ30mm、金属製円柱の回転は周速45mm/secとする。
〔2.帯電部材の表面粗さRzjis及び平均凹凸間隔RSmの測定〕
表面粗さ測定器(商品名:SE−3500、株式会社小坂研究所製)を用いて、日本工業規格(JIS)B 0601−1994に基づく測定を行なう。Rzjisは、帯電部材の無作為に選択した6箇所における測定値の平均値である。またSmは、帯電部材の無作為に選択した6箇所について10点測定値の平均値を求め、次いで6箇所の平均値として求めた値である。測定に際して、カットオフ値は0.8mm、評価長さは8mmとする。
〔3.ボウル形状の樹脂粒子の形状測定〕
導電性樹脂層の任意の点を500μmに亘って、20nmずつ集束イオンビーム加工観察装置(商品名:FB−2000C、日立製作所社製)を用いて切り出し、その断面画像を撮影する。そして同じボウル形状の樹脂粒子を撮影した画像を組み合わせ、ボウル形状の樹脂粒子の立体像を算出する。立体像から、図3で示すように最大径58と、図4で示す開口径の最小径74を算出する。また、上記立体像から、ボウル形状の樹脂粒子の任意の5点において、外径と内径の差を算出する。このような作業を視野内の樹脂粒子10個について行う。そして、同様の測定を帯電部材の長手方向10箇所について行い、得られた計100個の樹脂粒子の平均値を算出する。
〔4.帯電部材表面の凸部の頂点と凹部の底部との高低差の測定〕
帯電部材表面をレーザ顕微鏡(商品名:LXM5 PASCAL;カール・ツアイス(Carl Zeiss)社製)を用いて、縦0.5mm、横0.5mmの視野で観察する。レーザを視野内のX−Y平面でスキャンさせることにより2次元の画像データを得、更に焦点をZ方向に移動させ、上記のスキャンを繰り返すことにより3次元の画像データを得る。その結果、まず、ボウル形状の樹脂粒子の開口に由来する凹部と、ボウル形状の樹脂粒子の開口のエッジに由来する凸部を有していることを確認できる。更に、前記凸部54の頂点55と、前記凹部の底部56との高低差57を算出する。このような作業を視野内のボウル形状の樹脂粒子2個について行う。そして、同様の測定を帯電部材の長手方向50箇所について行い、得られた計100個の樹脂粒子の平均値を算出する。
〔5.耐久評価1〕
図6に示す構成を有する電子写真装置である日本ヒューレットパッカート社製モノクロレーザープリンタ(「LaserJet P4515n」(商品名))を使用し、外部より、帯電部材に電圧を印加した。印加する電圧は、交流電圧として、ピークピーク電圧(Vpp)を1800V、周波数(f)を2930Hz、直流電圧(Vdc)を−600Vとした。画像の解像度は、600dpiで出力した。なお、プロセスカートリッジとして、上記プリンタ用のプロセスカートリッジを用いた。上記プロセスカートリッジから付属の帯電ローラを取り外し、作製した帯電ローラ1をセットした。また、帯電ローラ1は、電子写真感光体に対し、一端で4.9N、両端で合計9.8Nのバネによる押し圧力で当接させた。帯電ローラ1を、上記プロセスカートリッジにセットしこのプロセスカートリッジを15℃/10%RH環境(環境1)、温度23℃/湿度50%RH環境(環境2)及び温度32.5℃/湿度80%RH環境(環境3)の3つの環境に24時間馴染ませた。その後、それぞれの環境にて、耐久評価を行った。
具体的には、電子写真感光体の回転方向と垂直方向に幅2ドット、間隔176ドットの横線画像を2枚間欠耐久試験(2枚ごとにプリンタの回転を3秒停止して耐久)を行った。その途中(18千枚終了時、24千枚終了時、30千枚終了時、36千枚終了時)で、ハーフトーン画像(電子写真感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像)を、出力し、評価した。なお、評価は、ハーフトーン画像を目視にて観察し、電子写真画像に、帯電に起因するドット状、横スジ状、または縦スジ状の欠陥の有無を下記の基準で判定した。
ランク1;ドット状、横スジ状、および縦スジ状の欠陥が認められない。
ランク2;ドット状、横スジ状、または縦スジ状の欠陥がわずかに認められる。
ランク3;ドット状、および横スジ状の欠陥が帯電ローラの回転ピッチに対応して発生していることが認められる。また、一部に縦スジ状の欠陥が認められる。
ランク4;ドット状、横スジ状、および縦スジ状の欠陥が目立つ。
〔6.耐久評価2〕
図6に示す構成を有する電子写真装置であるヒューレットパッカート社製モノクロレーザープリンタ(「LaserJet P4014n」(商品名))を使用し、外部より、帯電部材に電圧を印加した。1次帯電の出力は直流電圧−1100V、画像の解像度は、600dpiとした。プロセスカートリッジとして、上記プリンタ用のプロセスカートリッジを用いた。その途中(6千枚終了時、9千枚終了時、12千枚終了時、15千枚終了時)での画像を出力とした以外は、耐久評価1と同様にして、評価を行った。本実施例の帯電部材においては、ドット状、横スジ状、および縦スジ状の欠陥が発生せず、良好な画像が得られた。
〔評価結果〕
帯電ローラ1の電気抵抗値は6.7×105Ωであった。また帯電ローラ1のRzjisは30μmであり、Smは80μmであった。これらの結果を表1−1に示す。
帯電ローラ1の表面のボウル形状の樹脂粒子の最大径は50μm、開口部の最小径は32μm、外径と内径の差は0.5μmであった。帯電ローラ1の表面には、ボウル形状の樹脂粒子由来の開口に由来する凹部と、該開口部のエッジに由来する凸部とが形成されていた。また、凸部の頂点と凹部の底部との高低差は35μmであった。これらの結果を表2−1に示す。また、帯電ローラ1の耐久評価1及び耐久評価2の結果を表3−1に示す。
<実施例2>
樹脂粒子1を樹脂粒子2に変更した以外は、製造例46と同様にして、導電性ゴム組成物6を作製した。導電性ゴム組成物1の代わりに導電性ゴム組成物6を使用し、また第2の導電性樹脂層の形成に、導電性樹脂塗布液1に代えて導電性樹脂塗布液2を使用した以外は、実施例1と同様にして、帯電ローラ2を作製した。
<実施例3〜9>
樹脂粒子の種類と添加部数を表1−1に示すように変更した以外は実施例2と同様にして帯電ローラ3〜9を作製した。
<実施例10>
導電性ゴム組成物を、製造例47において作製した導電性ゴム組成物2に変更し、実施例2と同様にして弾性ローラ10を作製した。この際、切込み速度を30mm/minに変更した。上記以外は、実施例2と同様にして、帯電ローラ10を作製した。
<実施例11>
樹脂粒子1を樹脂粒子8に変更し、スパークアウト時間を1秒に変更した以外は実施例2と同様にして、帯電ローラ11を作製した。
<実施例12>
樹脂粒子6を樹脂粒子8に変更し、添加部数を12質量部に変更し、スパークアウト時間を1秒に変更した以外は、実施例10と同様にして、弾性ローラ12を作製した。この後、第2の導電性樹脂層形成時に、導電性塗樹脂布液3を使用し、温度160℃で1時間乾燥しなかった以外は実施例10と同様にして、帯電ローラ12を作製した。
<実施例13>
樹脂粒子8を樹脂粒子9に変更し、添加部数を20質量部に変更し、切込み速度を10mm/minに変更した以外は、実施例12と同様にして、帯電ローラ13を作製した。
<実施例14>
樹脂粒子9を樹脂粒子10に変更し、第2の導電性樹脂層の形成に導電性樹脂塗布液4を使用し、温度160℃で1時間乾燥しなかった以外は、実施例13と同様にして、帯電ローラ14を作製した。
<実施例15>
樹脂粒子10を樹脂粒子11に変更し、添加部数を15質量部に変更した以外は、実施例14と同様にして、帯電ローラ15を作製した。
<実施例16>
樹脂粒子1を樹脂粒子12に変更し、添加部数を8質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして帯電ローラ16を作製した
<実施例17〜21>
樹脂粒子12の添加部数を表1−1に示すように変更した以外は、実施例16と同様にして、帯電ローラ17〜21を作製した。
<実施例22>
樹脂粒子1を樹脂粒子13に変更し、添加部数を10質量部に変更し、切込み速度を10mm/min、スパークアウト時間を2秒に変更した以外は実施例2と同様にして、帯電ローラ22を作製した。
<実施例23>
樹脂粒子9を樹脂粒子14に、添加部数を15質量部に変更し、切込み速度を30mm/min、スパークアウト時間を2秒に変更した以外は実施例13と同様にして帯電ローラ23を作製した。
<実施例24>
樹脂粒子14を樹脂粒子13に、添加部数を10質量部に変更し、切込み速度を10mm/minに変更した以外は、実施例23と同様にして、弾性ローラ24を作製した。この後、第2の導電性樹脂層形成時に、導電性樹脂塗布液5を使用した以外は、実施例23と同様にして、帯電ローラ24を作製した。
<実施例25>
樹脂粒子13を樹脂粒子15に、添加部数を10質量部に変更し、スパークアウト時間を1秒に変更した以外は、実施例24と同様にして、帯電ローラ25を作製した。
<実施例26>
樹脂粒子の添加部数を5質量部に変更し、切込み速度を10mm/min、スパークアウト時間を3秒に変更した以外は、実施例7と同様にして、弾性ローラ26を作製した。この後、第2の導電性樹脂層形成時に、導電性樹脂塗布液4を使用し、温度160℃で1時間乾燥しなかった以外は、実施例7と同様にして、帯電ローラ26を作製した。
<実施例27>
樹脂粒子8を樹脂粒子6に、添加部数を10質量部に変更し、切込み速度を20mm/minに、スパークアウト時間を0秒に変更した以外は実施例12と同様にして帯電ローラ27を作製した。
<実施例28>
樹脂粒子6を樹脂粒子1に、添加部数を8質量部に変更し、切込み速度を10mm/min、スパークアウト時間を1秒に変更した以外は実施例10と同様にして帯電ローラ28を作製した。
<実施例29>
樹脂粒子6を樹脂粒子16に、添加部数を12質量部に変更し、切込み速度を20mm/minに変更した以外は実施例10と同様にして、帯電ローラ29を作製した。
<実施例30>
樹脂粒子6を樹脂粒子16に、添加部数を9質量部に変更し、スパークアウト時間を1秒に変更した以外は、実施例26と同様にして、帯電ローラ30を作製した。
<実施例31>
樹脂粒子16を樹脂粒子17に、添加部数を12質量部に変更した以外は、実施例30と同様にして、弾性ローラ31を作製した。第2の導電性樹脂層形成時に、導電性樹脂塗布液3を使用し、温度160℃で1時間乾燥しなかった以外は実施例30と同様にして帯電ローラ31を作製した。
<実施例32>
樹脂粒子10を樹脂粒子18に、添加部数を9質量部に変更し、スパークアウト時間を2秒に変更した以外は実施例14と同様にして帯電ローラ32を作製した。
<実施例33>
樹脂粒子13を樹脂粒子27に、添加部数を15質量部に変更した以外は実施例24と同様にして帯電ローラ33を作製した。
<実施例34>
樹脂粒子2を樹脂粒子28に、添加部数を9質量部に変更し、切込み速度を5mm/min、スパークアウト時間を2秒に変更した以外は実施例2と同様にして、帯電ローラ34を作製した。
<実施例35>
樹脂粒子6を樹脂粒子29に、添加部数を20部に変更し、切込み速度を20mm/min、スパークアウト時間を0秒に変更した以外は、実施例26と同様にして帯電ローラ35を作製した。
<実施例36>
樹脂粒子27を樹脂粒子30に、添加部数を8質量部に変更し、切込み速度を5mm/min、スパークアウト時間を3秒に変更した以外は実施例33と同様にして帯電ローラ36を作製した。
<実施例37>
導電性ゴム組成物を、製造例48において作製した導電性ゴム組成物3に変更し、実施例2と同様にして弾性ローラ37を作製した。この際、切込み速度を10mm/minに、スパークアウト時間を2秒に変更した。第2の導電性樹脂層形成時に、導電性樹脂塗布液6を使用した。また、温度160℃で1時間乾燥しなかった。それら以外は実施例2と同様にして帯電ローラ37を作製した。
<実施例38>
樹脂粒子2を樹脂粒子32に、添加部数を20質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、弾性ローラ38を作製した。第2の導電性樹脂層形成時に、導電性樹脂塗布液6を使用し、温度160℃で1時間乾燥しなかった以外は実施例2と同様にして帯電ローラ38を作製した。
<実施例39>
樹脂粒子31を樹脂粒子33に、添加部数を20質量部に、切込み速度を30mm/min、スパークアウト時間を0秒に変更した。更に、第2の導電性樹脂層形成時に、導電性樹脂塗布液4を使用し、温度160℃で1時間乾燥しなかった。それら以外は実施例37と同様にして帯電ローラ39を作製した。
<実施例40>
樹脂粒子30を樹脂粒子34に変更し、第2の導電性樹脂層形成時に、導電性樹脂塗布液4を使用した以外は、実施例36と同様にして、帯電ローラ40を作製した。
<実施例41>
実施例39において、樹脂粒子33を樹脂粒子35に、添加部数を5質量部に、切込み速度を5mm/min、スパークアウト時間を3秒に変更した。更に、第2の導電性樹脂層形成時に導電性樹脂塗布液7を使用した以外は、実施例39と同様にして、帯電ローラ41を作製した。
<実施例42>
実施例37において、樹脂粒子31を樹脂粒子36に、添加部数を15質量部に変更し、切込み速度を20mm/minに変更した。更に、第2の導電性樹脂層形成時に、導電性樹脂塗布液8を使用した以外は、実施例37と同様にして、帯電ローラ42を作製した。
<実施例43>
樹脂粒子5を樹脂粒子37に、第2の導電性樹脂層形成時に導電性樹脂塗布液8を使用した。また、温度160℃で1時間乾燥しなかった。それら以外は実施例6と同様にして帯電ローラ43を作製した。
<実施例44>
樹脂粒子36を樹脂粒子38に、添加部数を10部に、スパークアウト時間を0秒に変更し、第2の導電性樹脂層形成時に、導電性樹脂塗布液5を使用した以外は、実施例42と同様にして、帯電ローラ44を作製した。
<実施例45>
実施例45は、図(1d)に示したように、導電性基体上に導電性弾性層、第一の導電性樹脂層および第二の導電性樹脂層をこの順に有する帯電ローラにかかるものである。
〔導電性弾性層及び第1の導電性樹脂層の形成〕
導電性ゴム組成物1から樹脂粒子1を除いたゴム組成物を用いた以外は実施例1の第1の導電性樹脂層の製法と同様の方法により導電性弾性層を有するローラ45を作製した。導電性ゴム組成物を導電性基体に被覆する際、導電性ゴム組成物の厚みは、3.25mmになるよう調整した。導電性樹脂塗布液9を用いて、作製した導電性弾性層を有するローラ45に1回ディッピング塗布した。常温で30分間以上風乾した後、熱風循環乾燥機にて温度80℃で1時間、更に温度160℃で1時間乾燥した。ここで、ディッピング塗布の条件は実施例1と同条件である。なお、導電性樹脂塗布液9により形成した、導電性樹脂の膜厚は、10μmであった。続いて、得られたローラをテープ研磨法により研磨した。研磨装置は、フィルム方式超仕上げ装置スーパーフィニッシャーSP100型(松田精機株式会社製)を使用した。研磨テープとしては、ラッピングフィルム(住友スリーエム社株式会社製、研磨砥粒:酸化アルミニウム、平均粒径:12μm(#1200))を使用した。研磨テープのローラ長手移動速度を、200mm/min、ローラの回転数を500rpm、研磨テープの押し当て圧を0.2MPa、研磨テープの送り速度を、40mm/min、揺動速度(オシレーション)を500サイクル/minとした。研磨テープとローラの回転方向は反対方向(カウンターの方向)とし、第1の導電性樹脂層を有する弾性ローラ45を作製した。
〔第2の導電性樹脂層の形成〕
実施例1と同様にして、第2の導電性樹脂層を形成して帯電ローラ45を作製した。
<実施例46>
導電性樹脂塗布液9を導電性樹脂塗布液10に変更した以外は、実施例45と同様にして、帯電ローラ46を作製した。なお、導電性樹脂塗布液10により形成した、導電性樹脂の膜厚は、11μmであった。
<実施例47>
樹脂粒子を添加しなかった以外は、実施例10と同様にして、導電性弾性層を有する弾性ローラ47を作製した。作製方法は、実施例45と同様である。
続いて、導電性樹脂塗布液9を導電性樹脂塗布液11に変更した以外は、実施例45と同様にして、弾性ローラ47を作製した。なお、導電性樹脂塗布液11により形成した、導電性樹脂の膜厚は、12μmであった。その後、実施例2と同様にして、第2の導電性樹脂層を形成し、帯電ローラ47を作製した。
<実施例48>
導電性樹脂塗布液11を導電樹脂塗布液12に変更した以外は、実施例47と同様にして、弾性ローラ48を作製した。なお、導電性樹脂塗布液12により形成した、導電性樹脂の膜厚は、12μmであった。その後、導電性樹脂塗布液2を導電性樹脂塗布液4に変更した以外は、実施例47と同様にして、帯電ローラ48を作製した。
<実施例49>
〔導電性弾性層の形成〕
導電性ゴム組成物を、製造例69において作製した導電性ゴム組成物5に変更し、実施例45と同様にして、導電性弾性層を有する弾性ローラ49を作製した。
〔導電性樹脂層の作製〕
この弾性ローラ49に対して導電性樹脂塗布液13を1回ディッピング塗布した。常温で1分間風乾した後、熱風循環乾燥機にて、温度40℃で30分、温度80℃で30分、更に温度150℃で1時間乾燥し、導電性弾性層上に導電性樹脂層を有する帯電ローラ49を作製した。ここで、ディッピング塗布の条件は実施例45と同条件とした。
<実施例50>
導電性樹脂塗布液13を導電性樹脂塗布液14に変更した以外は、実施例49と同様にして、帯電ローラ50を作製した。
<実施例51>
実施例45と同様にして、導電性弾性層を有するローラ51を作製した。導電性樹脂塗布液13を導電性樹脂塗布液15に変更し、温度150℃で1時間乾燥しなかった以外は、実施例50と同様にして、帯電ローラ51を作製した。
<実施例52>
導電性樹脂塗布液15を導電性樹脂塗布液16に変更した以外は、実施例51と同様にして、帯電ローラ52を作製した。
<実施例53>
実施例47と同様にして、導電性弾性層を有する弾性ローラ53を作製した。続いて、導電性樹脂塗布液16を導電性樹脂塗布液17に変更した以外は、実施例52と同様にして、帯電ローラ53を作製した。
<比較例1>
導電性ゴム組成物を、製造例49において作製した導電性ゴム組成物4に変更し、実施例44と同様にして、弾性ローラ54を作成した。この際、切込み速度は、砥石が未研磨ローラに接してからφ12に成形されるまでに10mm/minから0.1mm/minまで段階的に変化する条件に変更し、スパークアウト時間は10秒に変更した。本比較例においては、弾性ローラ54をそのまま帯電ローラ54として使用した。帯電ローラ54は、ローラ表面に凸部を有していなかった。
<比較例2>
樹脂粒子27を樹脂粒子44に、添加部数を5質量部に変更した以外は比較例1と同様にして弾性ローラ55を作製した。また、実施例43と同様にして第2の導電性樹脂層形を形成し、帯電ローラ55を得た。帯電ローラ55はローラ表面に凸部を有していなかった。
<比較例3>
樹脂粒子44の添加部数を10質量部に変更した以外は、比較例2と同様にして、帯電ローラ56を作製した。帯電ローラ56はローラ表面に凸部を有していなかった。
<比較例4>
樹脂粒子5を樹脂粒子45に、添加部数を3部に変更し、研磨条件を比較例3と同様にした以外は、実施例25と同様にして、帯電ローラ57を作製した。帯電ローラ57はローラ表面に凸部を有していなかった。
<比較例5>
樹脂粒子2を添加せず、発泡剤としてADCA(アゾジカルボンアミド)15質量部を添加した以外は実施例2と同様にして帯電ローラ58を作製した。
<比較例6>
比較例5において、発泡剤を添加しなかった以外は、比較例5と同様にして、帯電ローラ59を作製した。導電性ゴム組成物を導電性基体に被覆する際、導電性ゴム組成物の厚みは、3.25mmになるよう調整した。
<比較例7>
実施例44において作製した弾性ローラ44を帯電ローラ60として使用した。
<比較例8>
樹脂粒子を添加しなかった以外は、実施例44と同様にして帯電ローラ61を作製した。導電性ゴム組成物を導電性基体に被覆する際、導電性ゴム組成物の厚みは、3.25mmになるよう調整した。
<比較例9>
樹脂粒子43を、球状形状のポリメチルメタクリレート樹脂粒子(平均粒径20μm)に変更した以外は、実施例53と同様にして帯電ローラ62を作製した。
上記実施例2〜53及び比較例1〜9に係る帯電ローラ2〜62について、実施例1と同様に各測定および評価を行った。結果を表1−1〜1−3、表2−1〜2−2、表3−1および表3−2に示す。
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Claims (3)

  1. 導電性基体と導電性樹脂層を有する帯電部材であって、該導電性樹脂層は、バインダー、導電性微粒子及び開口を有するボウル形状の樹脂粒子を含有しており、該ボウル形状の樹脂粒子は、該帯電部材の表面に露出しないように該導電性樹脂層に含有されており、かつ、該帯電部材の表面は、該ボウル形状の樹脂粒子の該開口に由来する凹部と、該ボウル形状の樹脂粒子の該開口のエッジに由来する凸部とを有していることを特徴とする帯電部材。
  2. 請求項1に記載の帯電部材が被帯電体と少なくとも一体化され、電子写真装置本体に着脱自在に構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  3. 請求項1に記載の帯電部材、露光装置及び現像装置を少なくとも有することを特徴とする電子写真装置。
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