JP4001123B2 - 導電性ロール - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真複写機、プリンター等の電子写真装置に用いられるクラウン形状の導電性ロールおよびその製法に関するものである。
一般に、電子写真複写機による複写はつぎのようにして行われる。すなわち、軸中心に回転する感光ドラムの表面に原稿像を静電潜像として形成し、これにトナーを付着させてトナー像を形成し、このトナー像を複写紙に転写することにより複写を行うものである。この場合、上記感光ドラム表面に対して静電潜像を形成させるためには、予め感光ドラム表面を帯電させ、この帯電部分に対して原稿像を光学系を介して投射し、光の当たった部分の帯電を打ち消すことにより静電潜像をつくるといったことが行われる。そして、上記静電潜像の形成に先立って、感光ドラム表面を帯電させる方式としては、最近では、導電性ロールの一種である帯電ロールを、感光ドラム表面に直接接触させる方式(接触帯電方式)が採用されている。
ところで、電子写真複写機、プリンター等の電子写真装置に用いられる導電性ロールには、上記帯電ロール以外にも、例えば、現像ロール、転写ロールがある。そして、これら導電性ロールは、一般的には、軸体となる芯金の外周にベースゴム層等の被覆層が形成され構成されている。ところで、上記導電性ロールにおいて、感光ドラム等の相手部材に対する均一接地性の点から、その被覆層の形状を、その厚みが軸方向の両端部から中央部に向かうにつれて徐々に厚くなる形状(クラウン形状)にすることが、従来から行われている。一方、上記導電性ロールにおいて、その耐トナーフィルミング性等の特性を改善するため、上記被覆層のうちの表層を、所定の粒径に揃えられた多数の粒子を分散したコーティング液の塗工により形成し、ロール表面に所定の表面粗さを形成することも、従来から行われている(例えば、特許文献1参照)。
上記のようなクラウン形状の導電性ロールの被覆層に多数の粒子を分散した一例では、その被覆層が、例えば、図6に示すように、均厚のベースゴム層11と、クラウン形状の中間層12(図6は要部拡大図であることから、中間層12は均厚に描かれている)と、多数の粒子1を分散した表層13とをこの順序で積層することにより、構成される。しかしながら、この種の導電性ロールは、表層13に上記粒子1が分散されていることから、そのロール表面において、場合により、上記多数の粒子1のうちの一部のものが、表層13から部分的に露出したり、初期においては露出していなくても、使用により表層が削られると、粒子1が露出したりする。このように粒子1が露出すると、ロールの耐トナーフィルミング性等が急に悪化するという問題が生じる。
他方、上記クラウン形状の中間層のみに、表面粗さ形成用の粒子1を多数分散したものも提案されている。このようにすると、図4に示すように、その表層13は、多数の粒子1の分散により表面粗さが形成された中間層12の凹凸面に沿うよう形成され、この表層13が保護層として機能することから、ロール表面の摩耗による上記粒子1の露出が解消されるようになる。しかしながら、上記中間層12自体はクラウン形状であることから、その層の厚みの違いによる粒子の埋没度合の差によって、ロール表面における表面粗さに差が生じやすいといった難点がある。すなわち、ロールの両端部付近では、中間層12の厚みが薄いために、粗さ形成用粒子1がベースゴム層11の外周面上に揃いやすく、ここでは均一な表面粗さが得られるようになる(図4参照)。しかし、ロールの中央部付近では、図5に示すように中間層12が厚肉に形成されていることから、中間層12内に粒子1が不均一に埋没しやすく、均一な表面粗さが得られにくいといった難点がある。そのため、このロールにおいても、表面均一粗化により耐トナーフィルミング性等の悪化を防ぐという効果は、所望するほどは得られない。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、長期間使用しても耐トナーフィルミング性等の特性に優れる導電性ロールおよびその製法の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、クラウン形状の導電性ロールであって、軸体と、その外周に沿って形成されたベースゴム層と、上記ベースゴム層の外周に直接もしくは他の層を介して形成された中間層と、上記中間層の外周に沿って形成された表層とを備え、上記中間層が、クラウン形状のクラウン形成層と、そのクラウン形成層の外周に形成された表面粗さ形成層とからなり、両層が同じポリマー材料で形成された2層構造のものであって、上記表面粗さ形成層のみに表面粗さ形成用の粒子が分散している導電性ロールを第一の要旨とするものである。また、本発明は、上記第一の要旨の導電性ロールの製法であって、軸体の外周に円筒状のベースゴム層を金型形成する工程と、上記ベースゴム層の外周面に、粒子が不含の中間層形成用溶液を、ロールコート法により、ロールの長手方向の移動速度を変えてクラウン形状になるよう塗工して、上記クラウン形成層を形成する工程と、上記クラウン形成層の外周面に、この層とポリマー材料が同じであり、かつ表面粗さ形成用の粒子が分散された中間層形成用溶液を均厚に塗工して、上記表面粗さ形成層を形成する工程と、上記表面粗さ形成層の外周面に、表層を塗膜形成する工程とを備えている導電性ロールの製法を第二の要旨とするものである。
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、導電性ロールにおける中間層を中心に研究を重ねた結果、図1に示すようなクラウン形状のロールにおいて、その中間層を、クラウン形状のクラウン形成層12aと、そのクラウン形成層の外周に沿って形成されたほぼ均厚の表面粗さ形成層12bとの2層構造(両層のポリマー材料は同じ)とし、その表面粗さ形成層12bにのみ、表面粗さ形成用の粒子を分散させることを想起した。なお、図において、10は軸体であり、11はベースゴム層であり、13は表層である。このようにすることにより、ロールの両端部付近での被覆層の構成が、図2に示すようになり、ロール中央部付近での被覆層の構成が、図3に示すようになり、いずれも表層13全体の表面均一粗化を実現することができる。すなわち、図示のように、上記中間層が、クラウン形成層12aと、ほぼ均厚の表面粗さ形成層12bとの2層構造となり、上記粒子1がこの均厚の層12aに位置することから、上記中間層における軸方向の両端部(図2参照)と中央部(図3参照)との粒子の埋没度合に差が生じず、揃うような均一粗面化を実現することができる。詳述すると、表面粗さ形成層12bの厚みを薄く、ほぼ均厚に形成することにより、クラウン形成層12aの外周面上に粒子が揃うこととなり、ロール表面に、均一で、なおかつ所望の表面粗さが得られるようになる。
以上のように、本発明の導電性ロールは、その中間層が、クラウン形状のクラウン形成層と、そのクラウン形成層の外周に形成された表面粗さ形成層とからなり、両層が同じポリマー材料で形成された2層構造のものであって、上記表面粗さ形成層のみに表面粗さ形成用の粒子が分散され、層表面が粒子の形成により凹凸粗面になっている。そして、この中間層の外周の凹凸粗面の凹凸に沿って表層が形成され、表層の表面が均一粗面に形成されている。このような構成により、感光ドラム等の相手部材との均一接地性がよく、耐トナーフィルミング性等の特性にも優れるようになる。また、上記粒子は、表層で保護されていて露出しにくいため、耐摩耗性等にも優れるようになる。そして、本発明の導電性ロールを、電子写真装置等における帯電ロールおよび現像ロール等として用いることにより、良好な画像が得られる等といった優れた機能を発揮することができるようになる。
特に、上記表面粗さ形成層の厚みが、表面粗さ形成用の粒子のメジアン径の1/2以下の厚みに設定されていると、上記表面粗さ形成層中の粗さ形成用粒子がクラウン形成層の外周面上により好適に揃うため、ロール表面における表面粗さの均一性がより向上する。同時に、粒子添加量が少なくても所望の表面粗さが発現されるようになることから、粒子添加量を少なくすることもできる。
また、上記粒子のメジアン径が特定の範囲に設定されていると、ロールの表面が所望の好適な表面粗さとなり、その結果、より優れた効果が得られるようになる。
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の導電性ロールは、例えば、図1に示すように、軸体10の外周面にベースゴム層11が形成され、上記ベースゴム層11の外周面に中間層が形成され、さらに上記中間層の外周面に表層13が形成されて、構成されている。そして、本発明の導電性ロールでは、上記中間層が、クラウン形状のクラウン形成層12aと、そのクラウン形成層12aの外周に形成された表面粗さ形成層12bとの2層構造であり、上記表面粗さ形成層12bのみに表面粗さ形成用の粒子が分散されている。そして、この表面粗さ形成層12b外周の凹凸面に沿って表層13が形成されている。そのため、このロールは、全体がクラウン形状であり、しかもその外周面には、均一な表面粗さがあらわされている。
上記軸体10としては、特に限定されるものではなく、例えば、図示のような中空円筒体以外にも、中実体からなる芯金であってもよい。そして、その形成材料についても、特に限定されず、例えば、アルミニウム、ステンレス等の金属材料等があげられる。なお、必要に応じ、軸体10上に接着剤、プライマー等を塗布してもよい。また、接着剤、プライマー等には、必要に応じて導電化を行ってもよい。
上記軸体10の外周面に形成されるベースゴム層11の形成材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリノルボルネンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、シリコーンゴム等があげられ、単独でもしくは2種以上併せて用いられる。また、導電性付与のため、カーボンブラック、グラファイト、チタン酸カリウム、酸化鉄、c−TiO2 、c−ZnO、c−SnO2 、イオン導電剤(四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤等)等の従来公知の導電剤が、上記材料中に適宜添加される。さらに、必要に応じて、発泡剤、架橋剤、架橋促進剤、オイル等を適宜添加してもよい。
上記ベースゴム層11の外周面に形成される中間層、すなわち、クラウン形成層12aおよび表面粗さ形成層12bに関し、その形成材料として、両層には同じポリマー材料が用いられ、例えば、EPDM、SBR、NBR、ECO、H−NBR、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル、N−メトキシメチル化ナイロン等が、単独であるいは二種以上併せて用いられる。そして、この材料中には、カーボンブラック、金属酸化物、四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、過塩素酸リチウム等の導電剤が適宜に配合される。
さらに、上記表面粗さ形成層12bの形成材料についてのみ、先述のように、表面粗さ形成用の粒子1が分散されている(図2および図3参照)。
上記表面粗さ形成用の粒子1としては、特に限定されるものではなく、例えば、シリカ,ウレタン樹脂,ポリアミド樹脂,フッ素樹脂,アクリル樹脂,尿素樹脂等からなる粒子があげられる。これらは、単独で用いてもよいし、二種以上併用してもよい。
また、上記粒子1のメジアン径は、特に限定されるものではないが、1〜50μmの範囲に設定されていることが好ましく、より好ましくは5〜25μmの範囲である。すなわち、この範囲を外れると、得られるロールにおいて、所望の表面粗さが得られなくなる傾向がみられるからである。なお、上記粒子1のメジアン径は、母集団から任意に抽出される試料を用いて導出される中央累積値である。また、粒子形状が真球状ではなく楕円球状(断面が楕円の球)等のように一律に粒径が定まらない場合には、最長径と最短径との単純平均値をその粒子の粒径とする。
さらに、上記表面粗さ形成層12b用材料中における上記粒子1の割合は、その層12bのポリマー材料100重量部(以下「部」と略す)に対し、1〜90部の範囲に設定することが好ましい。より好ましくは5〜25部の範囲である。すなわち、この範囲内とすることにより、ロール表面において、均一な粗面が得られやすくなるからである。
そして、上記クラウン形成層12aおよび表面粗さ形成層12bの形成材料は、通常、有機溶剤に溶解等され、コーティング液として使用に供される。上記有機溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)、メタノール、トルエン、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。特に、メチルエチルケトンを用いることが、その層のポリマー材料に対する溶解性の点で好ましい。ここで、上記クラウン形成層12a用のコーティング液は、その粘度を0.5〜6.0Pa・sの範囲に設定することが、クラウン形状を形成するうえで好ましい。これに対し、表面粗さ形成層12b用のコーティング液は、その粘度を0.005〜1.0Pa・sの範囲に設定することが、塗工性等の点で好ましい。
上記表面粗さ形成層12bの外周に形成される表層13の形成材料としても、特に限定はなく、例えば、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ブチラール樹脂(PVB)等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、耐摩耗性の点で、ウレタン樹脂が好適に用いられる。なお、上記成分以外に、必要により、導電剤、帯電制御剤等を適宜に添加してもよい。
また、上記表層13の形成材料も、上記クラウン形成層12aや表面粗さ形成層12bの形成材料と同様に、有機溶剤に溶解等され、コーティング液として使用に供される。上記有機溶剤としては、MEK等の従来公知のものが用いられる。このようなコーティング液は、粘度を0.005〜1.0Pa・sにすることが、塗工性、ロール表面における粗さのばらつきに与える影響等の点で好ましい。
そして、上記コーティング液の塗工により形成された表層13の表面粗さ(Rz)が、2〜20μmの範囲内となるようにすることが好ましい。より好ましくは、3〜12μmの範囲である。すなわち、表面粗さ(Rz)が2μm未満であると、上記表層13の表面が平滑すぎるため、ロールの耐トナーフィルミング性等が悪化するおそれがあり、逆に20μmを超えると、上記表層13の表面が凹凸粗面度合が大きすぎるため、複写画質にムラが生じるおそれがあるからである。なお、上記表面粗さ(Rz)は、JIS B 0601の表面粗さの定義と表示により示されるなかの十点平均粗さに準拠して測定した値である。
本発明の導電性ロールは、例えば、つぎのようにして作製することができる。
すなわち、まず、上記ベースゴム層11の形成材料の各成分をニーダー等の混練機で混練し、ベースゴム層11用材料組成物を作製する。ついで、円筒状金型の中空部に、金属製の軸体10をセットし、上記円筒状金型と軸体10との空隙部に、上記ベースゴム層11用材料組成物を注型した後、金型を蓋し、加熱して、ベースゴム層11用材料組成物を架橋させる。その後、上記円筒状金型から脱型することにより、軸体10の外周面にベースゴム層11を形成する。このように、軸体の外周面にベースゴム層が形成されたものをベースロールと称する。
一方、上記クラウン形成層12aおよび表面粗さ形成層12bの材料をそれぞれ準備し、これを、各層の形成に適した粘度となるよう、有機溶剤とともに混合することにより溶解させて、各層用の溶液をつくる。なお、表面粗さ形成層12bの材料中の粒子1は、硬質であることから、上記溶剤に溶解せず、分散状態となる。
また、上記表層13の形成材料も、有機溶剤とともに混合し、表層13形成用溶液を作製する。
そして、上記ベースロールにおけるベースゴム層11の外周面に、上記クラウン形成層12a形成用溶液を塗工する。その際、この層12aをクラウン形状にする必要があるため、通常、ロールコート法により、ロールの長手方向(軸方向)の移動速度を変えて、クラウン形状になるよう塗工する。上記塗工後、乾燥および加熱処理(加硫処理、条件:100〜200℃×20〜90分)を行うことにより、上記クラウン形成層12a形成用溶液中の溶剤の除去を行い、クラウン形成層12aを形成する。つづいて、上記クラウン形成層12aの外周面に、表面粗さ形成層12b形成用溶液を均厚に塗工する。この塗工法は、特に制限するものではなく、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法等の従来の方法が適用できる。そして、上記と同様にして、塗膜の乾燥および加熱処理を行うことにより、表面粗さ形成層12bを形成する。さらに、上記表面粗さ形成層12bの外周面に、表層13形成用溶液を均厚に塗工する。この塗工法も、上記表面粗さ形成層12b形成用溶液のときと同様に、従来の方法が適用できる。そして、上記と同様にして、塗膜の乾燥および加熱処理を行うことにより、表層13を形成する。このようにして、目的とする導電性ロールを作製することができる。
なお、上記製造工程において、上記クラウン形成層12aは、その材料である溶液を用い、特定の塗工法によりクラウン形状となるようにしたが、本発明においては、これに限定されず、例えば、一般的な塗工法により均厚に層形成し、その後、この層をクラウン形状となるよう研磨することにより、クラウン形成層12aを形成してもよい。他方、その材料組成物の粘度を更に高くしたものを、ベースゴム層11の外周面に対し、ロールの長手方向(軸方向)に対する材料組成物の付着量を制御しつつ押出成形することにより、クラウン形状となるよう層形成してもよい。
この導電性ロールにおいて、ベースゴム層11の厚みは1〜10mmの範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは2〜6mmである。また、クラウン形成層12aの厚みは、その中央部付近では30〜250μmの範囲に設定することが好ましく、両端部付近では10〜150μmの範囲に設定することが好ましい。さらに、表層13の厚みは0.5〜30μmの範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜20μmである。そして、上記表面粗さ形成層12bの厚みは、その表面粗さ形成用の粒子1のメジアン径の1/2以下の厚みに設定されていると好ましく、より好ましくは、粒子1のメジアン径の1/3〜1/2の範囲の厚みである。すなわち、上記表面粗さ形成層12bの厚みを、このような範囲にすると、上記表面粗さ形成層12b中の粗さ形成用粒子1がクラウン形成層12aの外周面上に揃うため、ロール表面における表面粗さの均一性が損なわれにくくなり、同時に、上記粒子1の添加量が少なくても所望の表面粗さが発現されるようになる。ここで、上記表面粗さ形成層12bの厚みとは、図2の矢印Aが示す厚み(凹凸状に形成された、表面粗さ形成層12bにおける凹部の厚み)をいう。そして、上記表面粗さ形成層12bを含む各層の厚みは、例えば、導電性ロールから、各層を含む断面試料を採取し、これの顕微鏡写真に基づき測定して得ることができる。
なお、本発明の導電性ロールの一例として、上記のような層構造のものをあげたが、本発明はこれに限定されるものでなく、例えば、ベースゴム層11とクラウン形成層12aとの間に、抵抗調整層や、ベースゴム層11からのブリードを防止するためのナイロン層等を適宜設けるようにしてもよい。
そして、本発明の導電性ロールは、電子写真装置用の帯電ロールとして好適に用いることができるが、これに限定されるものではなく、先にも述べたように、電子写真装置用の現像ロール,転写ロール等としても用いることができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
〔ベースロールの作製〕
まず、芯金としてアルミニウム製芯金を準備し、上記芯金の外周面に接着剤を塗布した。ついで、円筒状金型の中空部に、上記芯金をセットし、円筒状金型と芯金との空隙部に、シリコーンゴムコンパウンドを注型した後、金型に蓋をし、これを加熱(180℃×5分)して、シリコーンゴムコンパウンドを加硫し、その後脱型して、ベースゴム層付き芯金(ベースロール)を作製した。
〔クラウン形成層形成用溶液の調製〕
ポリウレタン系エラストマー(UN278、坂井化学社製)100部と、カーボンブラック20部と、架橋剤10部と、MEK200部とを混合、攪拌することにより、クラウン形成層形成用溶液を調製した。
〔表面粗さ形成層形成用溶液の調製〕
ポリウレタン系エラストマー(UN278、坂井化学社製)100部と、カーボンブラック20部と、架橋剤10部と、MEK400部とを混合して得られるポリマーの溶液に、メジアン径20μmのウレタン樹脂からなる粒子(バーノックCFB100、大日本インキ化学工業社製)20部を分散して混合、攪拌することにより、表面粗さ形成層形成用溶液を調製した。
〔表層形成用溶液の調製〕
ウレタン樹脂(ニッポラン5199、日本ポリウレタン社製)100部と、カーボンブラック20部と、MEK400部とを混合することにより、表層形成用溶液を調製した。
〔導電性ロールの作製〕
上記ベースロールの外周面に、上記クラウン形成層形成用溶液を、ロールコート法により、ロールの長手方向(軸方向)の移動速度を変えてクラウン形状になるよう塗工した。上記塗工後、乾燥および加熱処理を行うことにより、クラウン形成層を形成した。つづいて、その層の外周面に、上記表面粗さ形成層形成用溶液を、ロールコート法により均厚となるよう塗工した後、乾燥および加熱処理を行なった。さらに、その外周面に、上記表層形成用溶液を、ロールコート法により塗工した後、乾燥および加熱処理を行なった。このようにして、導電性ロールを作製した(図1参照)。そして、このロールのベースゴム層の厚みは5mmであり、クラウン形成層の厚みは、中央部付近で160μm、両端部付近で100μmであり、表面粗さ形成層の厚みは7μmであり、表層の厚みは15μmである。
〔比較例1〕
表層形成用溶液として、ウレタン樹脂(ニッポラン5199、日本ポリウレタン社製)100部と、カーボンブラック20部と、MEK400部とを混合したものに、さらに、メジアン径20μmのウレタン樹脂からなる粒子(バーノックCFB100、大日本インキ化学工業社製)20部を分散させて調製したものを用いた。また、表面粗さ形成層を設けず、クラウン形成層の厚みを、中央部付近で160μm、両端部付近で100μmとなるよう形成した。そして、それ以外は、実施例1と同様にして、導電性ロールを作製した。
〔比較例2〕
クラウン形成層形成用溶液として、ポリウレタン系エラストマー(UN278、坂井化学社製)100部と、カーボンブラック20部と、架橋剤10部と、MEK200部とを混合したものに、さらに、メジアン径20μmのウレタン樹脂からなる粒子(バーノックCFB100、大日本インキ化学工業社製)15部を分散させて調製したものを用いた。また、表面粗さ形成層を設けず(表層は設ける)、クラウン形成層の厚みを、中央部付近で160μm、両端部付近で100μmとなるよう形成した。そして、それ以外は、実施例1と同様にして、導電性ロールを作製した。
このようにして得られた各ロールについて、下記の基準に従って、その特性の比較評価を行い、その結果を、後記の表1に示した。
〔耐トナーフィルミング性〕
得られた各ロールを、帯電ロールとして電子写真プリンターに組み込んで、画像出しの耐久評価を行った。すなわち、所定枚数の画像出し終了毎(500枚、1千枚、2千枚、3千枚、4千枚、5千枚)に、ロール表面の汚染状況(トナーおよびトナー外添剤の付着量)を目視により評価するとともに、プリント画像の状態を目視により評価した。すなわち、プリント画像に問題がなく、細線にいたるまで鮮明にプリントされ、かつ、ロール表面の汚染も殆どないものを○、ロール表面において部分的にトナー等の付着がみられたが、プリント画像に問題はみられなかったものを△、ロール表面の汚染が全面に行き渡り、プリント画像にも濃度むらがみられたものを×として耐久評価した。
上記表1の結果から、クラウン形成層と表層との間に表面粗さ形成層を設けた実施例品では、5千枚耐久後であっても耐トナーフィルミング性が損なわれおらず、初期と同様の優れた画像が得られることがわかる。これに対して、表層に粗さ形成用の粒子が分散した比較例1品では、2千枚耐久前後からトナーフィルミングがみられ、その後、画像劣化が顕著にあらわれることがわかる。比較例2品では、表層中に粒子が分散しておらず、クラウン形成層中に分散しているため、上記表層が保護層として機能し、3千枚耐久前後までは優れた画像が得られるが、実施例品ほどの耐久性能は備えていないことがわかる。
本発明の導電性ロールの一例を示す断面図である。 本発明の導電性ロールにおける、ロール両端部付近の被覆層の積層状態の一例を示す要部拡大図である。 上記図2の例の導電性ロールにおける、ロール中央部付近の被覆層の積層状態を示す要部拡大図である。 従来の導電性ロールにおける、ロール両端部付近の被覆層の積層状態の一例を示す要部拡大図である。 上記図4の例の導電性ロールにおける、ロール中央部付近の被覆層の積層状態を示す要部拡大図である。 従来の導電性ロールにおける被覆層の積層状態の他の例を示す要部拡大図である。
符号の説明
10 軸体
11 ベースゴム層
12a クラウン形成層
12b 表面粗さ形成層
13 表層

Claims (5)

  1. クラウン形状の導電性ロールであって、軸体と、その外周に沿って形成されたベースゴム層と、上記ベースゴム層の外周に直接もしくは他の層を介して形成された中間層と、上記中間層の外周に沿って形成された表層とを備え、上記中間層が、クラウン形状のクラウン形成層と、そのクラウン形成層の外周に形成された表面粗さ形成層とからなり、両層が同じポリマー材料で形成された2層構造のものであって、上記表面粗さ形成層のみに表面粗さ形成用の粒子が分散していることを特徴とする導電性ロール。
  2. 上記表面粗さ形成層の厚みが、表面粗さ形成用の粒子のメジアン径の1/2以下の厚みに設定されている請求項1記載の導電性ロール。
  3. 上記粒子のメジアン径が1〜50μmの範囲に設定されている請求項1または2記載の導電性ロール。
  4. 上記中間層のポリマー材料が、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エピクロロヒドリンゴム(ECO)、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステルおよびN−メトキシメチル化ナイロンからなる群から選ばれた少なくとも一つである請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性ロール。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性ロールの製法であって、軸体の外周に円筒状のベースゴム層を金型形成する工程と、上記ベースゴム層の外周面に、粒子が不含の中間層形成用溶液を、ロールコート法により、ロールの長手方向の移動速度を変えてクラウン形状になるよう塗工して、上記クラウン形成層を形成する工程と、上記クラウン形成層の外周面に、この層とポリマー材料が同じであり、かつ表面粗さ形成用の粒子が分散された中間層形成用溶液を均厚に塗工して、上記表面粗さ形成層を形成する工程と、上記表面粗さ形成層の外周面に、表層を塗膜形成する工程とを備えていることを特徴とする導電性ロールの製法。
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