JP2001092221A - 導電性部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

導電性部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置

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JP2001092221A JP27112099A JP27112099A JP2001092221A JP 2001092221 A JP2001092221 A JP 2001092221A JP 27112099 A JP27112099 A JP 27112099A JP 27112099 A JP27112099 A JP 27112099A JP 2001092221 A JP2001092221 A JP 2001092221A
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    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/02Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for laying down a uniform charge, e.g. for sensitising; Corona discharge devices
    • G03G15/0208Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for laying down a uniform charge, e.g. for sensitising; Corona discharge devices by contact, friction or induction, e.g. liquid charging apparatus
    • G03G15/0216Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for laying down a uniform charge, e.g. for sensitising; Corona discharge devices by contact, friction or induction, e.g. liquid charging apparatus by bringing a charging member into contact with the member to be charged, e.g. roller, brush chargers
    • G03G15/0233Structure, details of the charging member, e.g. chemical composition, surface properties

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高画質、高耐久性を求められる電子写真装置
において、バンディング等の画像不良が発生せず、良好
な特性を有する導電性部材、それを用いたプロセスカー
トリッジ及び電子写真装置を提供することにある。 【解決手段】 静摩擦係数をμSとし、動摩擦係数をμ
Dとした時に、μS≦1.0、μD≦0.5であり、か
つ、1≦μS/μDであって、動摩擦係数の最大値をμ
max、最小値をμDminとした時に、1≦μDmax/μ
min≦2である導電性部材、それを用いたプロセスカ
ートリッジ及び電子写真装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー、ファックス等の電子写真装置に用いられる導電性部
材、それを用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装
置に関し、詳しくは、帯電用途、現像用途及び転写用途
等に好適に用いられる導電性部材、それを用いたプロセ
スカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子写真法としては多数の方
法が知られているが、一般には、光導電性材料を利用
し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し
(帯電工程)、ついで該潜像をトナーで現像を行って可
視像とし(現像工程)、必要に応じて紙等の転写材にト
ナー画像を転写し(転写工程)、その後、熱や圧力等に
より転写材上にトナー画像を定着して(定着工程)複写
物を得るものである。また、転写材上に転写されずに感
光体上に残ったトナー粒子は、種々の手段によって感光
体上より除去される(クリーニング工程)ことを主体と
してなる。
【0003】このような電子写真法においては、種々の
導電性部材がさまざまな目的で使用されている。例え
ば、帯電工程においては感光体を所定の電位にする帯電
用部材が、また例えば現像工程においては現像用部材
が、更に例えば転写工程においては転写用部材が挙げら
れる。これらに用いられる導電性部材にはさまざまな特
性のものが用いられているが、特に導電性部材表面の摩
耗や損傷等のダメージを防ぐために低摩擦係数化の検討
が多数行なわれており、摩擦係数(この用語が静摩擦係
数を意味する場合や動摩擦係数を意味する場合、あるい
はいずれを示すのが不明な場合であっても)を小さくす
ることは、導電性部材表面の摩耗や損傷等のダメージを
防ぐためにはある程度の効果が認められる。
【0004】最近のコンピュータ及びその周辺機器の普
及によってネットワーク環境が整備されるにつれて電子
写真装置の市場は急速に拡大し、様々な環境で使用され
るようになっている。それに伴い、情報の出力手段とし
てのプリンター、複写機及びファックス等の電子写真装
置には、より一層の高画質・高耐久性が求められるよう
になっている。高画質の観点からは画像の忠実な再現性
が強く求められるが、それに対応する手段の一つとして
高解像度化の流れがある。すなわち原画像をいかに細か
く認識し、再現するかということであり、600dpi
から800dpiや1200dpi、あるいはそれ以上
への技術開発がその一例として挙げられる。また、高耐
久性の観点からは高い強度や靱性を有する材料の検討が
なされている。
【0005】導電性部材として帯電工程に用いられる帯
電部材を一例に挙げると、直流電圧や、直流電圧と交流
電圧の重畳電圧を印加したローラー、ブレード、ブラ
シ、ベルト、フィルム及びチップ等さまざまな導電性部
材を挙げることができ、これらを感光体表面に接触又は
近接させることにより感光体表面を所定の極性及び電位
に帯電させる方法が検討され多く利用されているが、こ
れら従来の帯電部材をこれらより一層の高画質・高耐久
性が求められる電子写真装置に用いた場合、初期は良好
な画像が得られても、使用枚数の増大に伴って、画像の
横方向(すなわち画像が出力される方向に対して直角方
向)に、軽微ではあるが、横スジ状の濃度ムラ(以下バ
ンディング)が現れてしまう場合があった。バンディン
グは周期性を有しており、周期の異なるものがいくつも
複合したかたちで画像上に現れてくることがある。この
現象は、従来の電子写真装置では問題にならないレベル
であっても、高画質化に伴い新たに顕在化した問題であ
り、更には、高耐久化によって助長されているものと推
定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、特に強く
高画質、高耐久性を求められる電子写真装置において、
バンディング等の画像不良が発生せず、良好な特性を有
する導電性部材に関する技術開発が望まれていた。
【0007】本発明の目的は、高画質、高耐久性が求め
られる電子写真装置にも好適に用いることができる導電
性部材、それを用いたプロセスカートリッジ及び電子写
真装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に従って、静摩擦
係数をμSとし、動摩擦係数をμDとした時に、μS≦
1.0、μD≦0.5であり、かつ、1≦μS/μDで
あって、動摩擦係数の最大値をμDmax、最小値をμD
minとした時に、1≦μDmax/μDmin≦2である導電
性部材が提供される。
【0009】また、本発明に従って、少なくとも、電圧
を印加した帯電部材によって感光体を帯電する帯電手段
と、露光によって静電潜像を形成する手段と、この静電
潜像をトナーにて可視化する現像手段と、可視化された
静電潜像を転写材に転写する転写手段とを有する電子写
真装置において、帯電手段、現像手段及び転写手段のう
ち少なくともいずれか一つに前記導電性部材を用いた電
子写真装置が提供される。
【0010】更に、本発明に従って、帯電手段、電子写
真感光体及び現像手段及びクリーニング手段の群より選
ばれた少なくとも一つを一体に支持し、少なくとも帯電
手段に用いられる導電性部材として前記導電性部材を使
用した電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカー
トリッジが提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。
【0012】本発明によれば、未だ詳細は不明であるが
概ね以下の理由によってバンディングが改善されるもの
と推定される。以下、接触式のローラ形状の帯電部材
(以下帯電ローラ)を例に取り説明する。最初、帯電部
材は所定の圧力で感光体に押し付けられた状態で静止し
ているが、画像形成の信号を受け取ると所定の駆動力に
よって感光体が回転を始める。それにつれて従動で、あ
るいは独立した駆動力によって帯電部材も所定の方向に
所定の速度で回転を始め、予め設定された条件によりバ
イアスが印加され感光体を帯電する。その後、転写材
(紙)が排出されるまで、所定の駆動力によって感光体
は回転し続け、導電部材も回転を続ける。従って、一連
の工程中に帯電部材に関しては静止状態から動的状態へ
移行するための力と動的状態を継続するための力の2種
類の力があることがわかる。
【0013】本発明においては、静止状態から動的状態
へ移行するための力(すなわち回転を開始するための
力)を静摩擦力とし、静摩擦力から計算で得られる摩擦
係数を静摩擦係数と称し、動的状態を継続するための力
(すなわち回転を継続するための力)を動摩擦力とし、
動摩擦力から計算で得られる摩擦係数を動摩擦係数と称
する。摩擦力(あるいは摩擦係数)は、導電性部材やそ
れに接触する部材の表面性や材料によって、あるいはそ
れらの組み合わせによって、さまざまな時間的変化のパ
ターンを示すことがわかっている。図28に導電性部材
の摩擦係数(荷重)の時間的変化のパターン例を示す。
【0014】一方、バンディングは感光体の周方向の帯
電むらであり、それは感光体と導電性部材との相対移動
速度の微小な速度むらによって引き起こされているもの
と推定される。すなわち、感光体と導電性部材との接触
性によって、ビビリやスティックスリップ等が発生する
ことによる相対速度むらや、その状態で長期にわたって
力の伝達経路に負担がかかり続けることによって、特に
ギア類の摩耗等が発生し易く、摩耗の程度も部分的にば
らついたりすることによる相対速度むら等であると推定
される。電子写真装置にはさまざまなピッチを有するギ
ア類が多数用いられており、部分的な摩耗等の変化を生
じたギアのピッチに応じて周期性が発生するものと考え
られる。これらがあいまって、画像上のバンディングと
して現れてしまうものと推定される。
【0015】すなわち、バンディングの主原因は、導電
性部材表面の摩耗や損傷等のダメージではなく、導電性
部材とそれに接触する部材との接触状態の微小なばらつ
きやそこから引き起こされる副次的な要因による接触状
態の変化等に起因するものと推定される。つまり、導電
性部材表面のダメージを抑えても、バンディングは発生
する場合があるということを意味する。これらは従来の
電子写真装置では問題とならなかったレベルであって
も、高画質化、高耐久化等のより一層の高機能性を求め
られるような電子写真装置において発生し易い現象であ
り、非常に微妙な力のバランスを制御することがこの新
たな問題点を解決するためには必要なことであるという
ことができる。
【0016】本発明のように、μS≦1.0、μD≦
0.5であれば、回転を開始あるいは継続するのにもあ
まり大きな力を必要としないので過度の負荷がかから
ず、導電性部材や接触する他の部材の表面、あるいはギ
ア類等のダメージや変化を小さくすることができるの
で、長期にわたって安定した特性を得ることができる。
また、1≦μS/μDであれば、回転を開始し始める最
初に大きな力を要するがその後の摩擦力がそれ以下の力
ですむために、いったん回転を始めてしまえば、ある程
度の慣性力を利用することができるので滑らかな回転を
得ることができるためビビリやスティックスリップ等の
発生もなく、また、力の伝達経路にかかる負荷を小さく
てすむためにギア類の摩耗等による影響を小さくするこ
とができるものと推定される。
【0017】更には、0<t(秒)≦60の範囲におい
て、最大値(任意の点)及び最小値(任意の点)から上
式により求められる動摩擦係数(μD)の最大値をμD
max、最小値をμDminとした時に、1≦μDmax/μD
min≦2であれば、部分的な動摩擦力のバラツキが小さ
く、より滑らかな回転を得ることができるのでよりビビ
リ等がより発生し難くなるとともに、長期的な摩耗量や
摩耗バラツキ等の影響を軽減できるので高耐久性の観点
からなおさら好ましい。
【0018】本発明における静摩擦係数及び動摩擦係数
の測定方法の一例(概要)を図3に示す。本測定方法
は、測定物がローラ形状の場合に好適な方法で、オイラ
ーのベルト式に準拠した方法であり、この方法によれ
ば、測定物である導電性部材XXと所定の角度(θ)で
接触したベルト(厚さ20μm、幅30mm、長さ18
0mm)は、片方の端部が測定部(荷重計)と、他端部
が重りWと結ばれている。この状態で導電性部材を所定
の方向、速度で回転させた時、測定部で測定された力を
F(g)、重りの重さをW(g)とした時、摩擦係数
(μ)は以下の式で求められる; μ=(1/θ)ln(F/W)
【0019】この測定方法により得られるチャートの一
例を図4に示す。ここにおいて、導電性部材を回転させ
た直後の値が回転を開始するのに必要な力であり、それ
以降が回転を継続するのに必要な力であることがわかる
ので、回転開始点(すなわちt=0秒時点)の力が静摩
擦力ということができ、また、0<t(秒)≦60の任
意の時間における力が任意の時間における動摩擦力とい
うことができるが本発明では30秒後の値をもって、動
摩擦力とした。
【0020】従って、 静摩擦係数:μS=(1/θ)ln(F<t=0>/W) 動摩擦係数:μD=(1/θ)ln(F<t=30>/W) で求めることができる。
【0021】本測定方法において、ベルトの表面(導電
性部材と接触する面)を所定の材料(例えば、感光体の
最外層、現像剤を適当な手段によって塗布したもの、あ
るいはステンレス等の標準物質)とすることによってさ
まざまな物質に対する摩擦係数を求めることができる。
つまり、接触する面の材質や回転速度、荷重等を実機の
プロセス条件に合わせればより好ましいが、導電性部材
と感光体との摩擦係数の測定と導電性部材とステンレス
との摩擦係数の測定を行ない比較検討の結果、ステンレ
スに対する摩擦係数を用いても良いことが判明した。
【0022】すなわち、導電性部材と感光体との摩擦係
数=K×導電性部材とステンレスとの摩擦係数で概ね表
わされる。ここで、Kは感光体表面の材料や状態によっ
て決定される数値で、感光体材料や表面状態が同一であ
ればほぼ一定の値となるが、それらが多少なりとも異な
れば変化してしまう。従って、材料種やそれらの配合
比、製造条件あるいは表面物性等を実際の系にできるだ
け合致することが望ましいが、そのためには、非常な煩
雑さを伴うこと、及び上記の通り導電性部材と感光体と
の摩擦係数と導電性部材とステンレスとの摩擦係数とが
規則性を有する傾向があるので、本発明においては、簡
便のために、摩擦係数は、対ステンレス(表面の十点平
均粗さRZが5μm以下)、回転速度は100rpm、
荷重は50gの条件で測定した。
【0023】また、本発明における静摩擦係数及び動摩
擦係数の測定方法の別の一例(概要)を図5に示す。本
測定方法は、測定物が平板形状の場合に好適な方法であ
る。この方法によれば、測定物である導電性部材XXは
平板上に安定して置かれて上方から荷重がかけられてお
り、導電性部材XXは測定部RRと結ばれている。この
状態で導電性部材XXを移動速度一定の条件で引っ張
り、導電性部材が横方向に動き出した時(あるいは動い
ている時)に測定部RRで測定された力をF(g)、荷
重をW(g)とした時、摩擦係数(μ)は以下の式で求
められる; μ=F/W
【0024】この場合には、平板の表面を所定の材料
(例えば、感光体の最外層、現像剤をシート状にしたも
の、あるいはステンレス等の標準物質)とすることによ
ってさまざまな物質に対する摩擦係数を求めることがで
きる。つまり、接触する面の材質や相対的な移動速度、
荷重等を実機のプロセス条件に合わせればより好ましい
が、本発明においては、摩擦係数は、対ステンレス、移
動速度は100mm/min、荷重は50gの条件で測
定した。この測定方法により得られるチャートとして
は、前述の方法と同様であり、静摩擦係数、動摩擦係数
についても同様の考え方をすることができる。
【0025】ところで本発明において、特には、μS≦
0.8、μD≦0.4であり、かつ、1≦μS/μD≦
3であって、動摩擦係数(μD)の最大値をμDmax
最小値をμDminとした時に、1≦μDmax/μDmin
1.5であれば、本発明の効果がより一層大きく得られ
るだけでなく、いったん使用された導電性部材であって
も簡単な清掃手段等によって初期の特性をほぼ回復する
ことができる等の更なる効果を得ることができるので、
より一層好ましい。
【0026】通常、導電性部材は使用に伴い特性が変化
するが、その原因としては、大きく2つのことが考えら
れる。1つ目は、導電性部材表面に付着物が付着するこ
とであり、付着物としては現像剤成分、感光体成分、紙
等の転写材成分、塵埃、放電生成物等、及びこれらの混
合物からなるものと考えられるが、大部分は現像剤ある
いは現像剤由来の成分であるものと推定される。2つ目
は、一定荷重下でこすられながら電気を通電した状態で
長期間使用されるため、物理的、化学的、電気的な負荷
によって、高分子化合物が摩耗したり、構造変化を起こ
したりすることによる特性変化である。
【0027】導電性部材の特性が特に上記の範囲であれ
ば、付着物との物理的付着力が小さくまた付着量も少な
いため容易に除去できることに加えて、低負荷状態での
使用が可能となるため導電性部材自体(特に最外層)の
特性変化を小さくすることができる。従って、最外層を
いったん剥離した後、再形成する等の複雑な工程を必要
とせずに繰り返し使用が可能となるので再生、リサイク
ルにも適し、なおさら非常に好ましい。
【0028】本発明の導電性部材は、導電性の制御や硬
度の調整等の容易さの面から、少なくとも、基体と高分
子化合物を主体としてなる最外層とを有することが好ま
しく、静摩擦係数、動摩擦係数及びこれらの関係を本発
明の範囲とするためには、最外層に用いる高分子化合物
の種類や添加剤等の配合処方や表面性の制御等を最適に
組み合わせる必要がある。
【0029】最外層に用いられる材料としては、従来既
知の熱硬化性や熱可塑性の樹脂、エラストマー及びゴム
等の高分子化合物を使用することができるが、最外層は
高離型性や低汚れ付着性等の特性を有することが重要で
あり、その観点から最外層に用いられる高分子化合物と
しても高離型性や低汚れ付着性の材料が特に好ましく、
例えば、ポリアミド系高分子化合物、フッ素系高分子化
合物、イミド系高分子化合物、ウレタン系高分子化合
物、ビニル系高分子化合物(例えば、ポリ酢酸ビニル、
ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビ
ニルエーテル、N−ビニル高分子及びビニリデン等これ
らの変成物や誘導体がある。更に、具体的には、ポリ酢
酸ビニルは酢酸ビニルの単独あるいは共重合体である。
ポリビニルアルコールはさまざまなケン化度のものがあ
り、更にはアセタール化、アセチル化、脱水等の反応物
を含む。ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコー
ルとアルデヒドとの反応物であり、各々の種類によりさ
まざまな構造があるが、代表的なものとしてポリビニル
ブチラール及びポリビニルホルマールがある。ポリビニ
ルエーテルとしては、例えば、ポリビニルイソブチルエ
ーテル、ポリアリールビニルエーテル及びポリビニルチ
オエーテル等があり、N−ビニル高分子としては、例え
ば、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピロリドン、
ポリ−N−ビニルフタルイミド及びポリビニルアミン等
がある)、スチレン系高分子化合物、シリコーン系高分
子化合物、オレフィン系高分子化合物及びエポキシ系高
分子化合物等を挙げることができ、1種類でも2種以上
の混合物や共重合物として使用することができる。
【0030】そこに必要に応じて導電性付与材料、絶縁
性材料、電荷調整材料、着色材料、加工助剤、架橋(加
硫)剤、架橋(加硫)助剤、活性剤、離型剤、滑剤、粘
着付与剤、酸化防止剤、架橋(加硫)促進剤、発泡剤、
発泡助剤、防黴剤、安定剤、補強剤、充填剤、老化防止
剤、加水分解防止剤、可塑剤、軟化剤、表面粗し材料、
磁性材料及びその他の各種添加剤を添加したものが使用
される。
【0031】最外層の更なる高離型性や低汚れ付着性、
加えて摩擦係数の低減化や制御等が必要な場合、固体状
や液体状の添加剤を最外層中に添加することが好まし
い。これらの添加剤の例としては、例えば、いわゆる固
体潤滑剤、滑剤、樹脂微粒子、無機粉体及びオイル類を
挙げることができる。いわゆる固体潤滑剤としては、例
えば、グラファイト、二硫化モリブデン及び窒化ほう素
等を挙げることができる。また、滑剤としては、例え
ば、パラフィンワックス及びポリオレフィンワックス等
の脂肪族炭化水素系化合物、高級脂肪酸、脂肪族アルコ
ール類、あるいは脂肪酸アミド、脂肪酸エステル類及び
金属石けん類等を挙げることができる。更には、例え
ば、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリ
アミド及びオレフィン樹脂等の樹脂微粒子類や例えば、
二酸化ケイ素、酸化チタン、ハイドロタルサイト及び炭
素粉末等の無機粉体、あるいはシリコーンオイル及びエ
ステル系可塑剤等のオイル類等を挙げることができる。
これらを1種以上適宜使用することで、所望の効果を得
ることができる。更には、これらの物質を導電性部材表
面に予め均一に塗布してもよいが、多量に付着し過ぎる
と導電特性の低下を招く可能性があるので、付着量は導
電性部材の単位表面積あたり1mg(すなわち1mg/
cm2 )以下であることが好ましく、0.5mg/cm
2 以下であれば更に好ましい。
【0032】本発明の導電性部材においては、上記の効
果を相乗的に発揮するために、安定した電気的特性を有
することが重要である。
【0033】体積抵抗値(ρc)は、1×103Ωcm
以上1×1012Ωcm以下の範囲であることが好まし
く、より好ましくは1×104Ωcm以上1×1011Ω
cm以下の範囲である。本発明の導電性部材は、使用さ
れるプロセス的な条件により、上記体積抵抗値の範囲
(1×103Ωcm以上1×1012Ωcm以下)内にお
いて最適な体積抵抗値が選択されるが、通常プロセス的
な制御により、最適な体積抵抗値±1桁(レンジで2桁
以内)の範囲であれば体積抵抗値の異なる別の導電性部
材が投入されても対応できるように構成されているが、
当然導電性部材間の体積抵抗値のバラツキは小さい方が
好ましく、レンジで1桁以内であることが望ましい。
【0034】導電性部材の体積抵抗値の測定方法を図6
に示す。導電性部材を23℃/65%RHの環境に12
時間以上放置して十分なじませてから、その環境下で金
属ドラムに所定の荷重で押し付けた状態で、所定のスピ
ードで回転させながら所定の電圧を印加し、流れる電流
を時間の経過とともに所定時間チャートに記録する。こ
の時、金属ドラムの外径、荷重、印加電圧、金属ドラム
及び導電性部材の回転スピード等は、その導電性部材を
使用する電子写真装置の条件にて行なうことが好ましい
が、本発明においては簡便のため、金属ドラムはステン
レス製(表面の十点平均粗さRzが5μm以下)で、そ
の外径が30mm、荷重Wを片側500g(合計1k
g)、金属ドラムの回転スピードを30rpm、導電性
部材の回転は金属ドラムに従動、印加電圧を直流−50
0Vとした。
【0035】この時の測定チャートの一例を図7に示す
が、本発明においては電圧印加後30秒後の電流値を読
み取り、それをI(A)とすると、導電性部材の抵抗値
Rs(Ω)は、R=|V/I|=|−500/I|で計
算される。
【0036】次に、導電性部材が金属ドラムに押し付け
られた時のニップ面積を適当な手段により測定し、これ
らの値から導電性部材の体積抵抗値を次式によって計算
する。
【0037】ρc=Rs×S/T ρc:導電性部材の体積抵抗値(Ωcm)、Rs:導電
性部材の抵抗値(Ω) S:ニップ面積(cm2)、T:導電性部材の有効厚さ
(cm)
【0038】なお、導電性部材の有効厚さとは、自由状
態(荷重をかけない状態)における高分子材料を主体と
した層(複数の場合はそれらの合計)の肉厚(あるいは
繊維長)のことであり、部分的に異なる場合は加重平均
をもって導電性部材の有効厚さと称する。
【0039】また、温度変化、湿度変化及び温湿度変化
等に対して体積抵抗値の変動が小さいことが好ましく、
特には高温高湿(30℃/80%RH)から低温低湿
(15℃/10%RH)の範囲において体積抵抗値の変
動が10倍以内(より好ましくは8倍以内、一層好まし
くは5倍以内)であることが好ましく、特に最外層は吸
湿性や吸水性の小さい材料によって構成されることが好
ましい。もちろん、原材料の段階では吸湿性や吸水性が
大きくても、架橋や表面処理等の化学反応を伴うことに
よって、最外層としての吸水性や吸湿性を小さくするこ
とも可能である。
【0040】更に、体積抵抗値の印加電圧依存性が小さ
いほど好ましい。一般的に高分子化合物の印加電圧と抵
抗(体積抵抗、表面抵抗とも)の関係は、高電圧ほど抵
抗(体積抵抗、表面抵抗とも)が小さくなる特性を有す
る。従って、高分子化合物からなる層を有する導電性部
材においても同様の傾向を示す。しかしながら、これら
の傾向は、使用される原材料に起因する影響(原材料の
種類や特性、あるいは不純物の種類、特性及び含有率
等)や導電性部材の製造条件、層構成といった種々の要
因によって影響を受けており、図24の導電性部材の体
積抵抗率の印加電圧依存性の例を示すように様々なパタ
ーンを示す。
【0041】印加電圧に対する抵抗依存性が小さければ
感光体等にピンホールがあってもリークに対して有利
(特に直流電圧)であるということだけでなく、本発明
のように摩擦係数を低減、制御した導電性部材では、そ
の回転は非常に円滑になされることになるため放電性や
導電性の均一性は非常に優れているが、そのため逆に、
ちょっとした接触状態の変化が放電性や導電性のバラツ
キを生じることがある。具体的には、使用に伴って、あ
るいは環境に伴って、導電性部材の抵抗が変化した時、
印加電圧に対する抵抗依存性が大きい導電性部材の場合
では印加電圧が大きく変化し、その結果、静電的に引き
付け合う力が変化することによって接触状態が変化して
しまう可能性があるので、印加電圧依存性を小さくする
ことにより、これらに起因する影響を小さくすることが
できる。
【0042】この時、印加電圧依存性としては、30℃
/80%RH、23℃/65%RH及び15℃/10%
RHの各環境下において導電性部材の各々の環境におけ
る体積抵抗値を印加電圧200V(直流)から1000
V(直流)の範囲において100Vおきに測定した時の
最大値と最小値の比が10倍以内(好ましくは8倍以
内、より好ましくは5倍以内)であることが一層好まし
い。これらの場合における導電性部材の体積抵抗値の測
定は、温度、湿度あるいは印加電圧を所定の条件とした
上で、図6に示す方法と同様にして測定、計算を行な
う。
【0043】加えて、体積抵抗値の時間依存性が小さい
ほど好ましい。すなわち、体積抵抗値は導電性部材に電
圧を印加し所定時間後の電流値を測定して所定の方法で
計算するが、印加直後に測定された電流値は時間ととも
に変化(減少又は増加)することが多く、通常は電流値
が減少(体積抵抗値は増加)する傾向が一般的である。
これらの傾向は使用する材料(バインダーや導電性付与
材の種類あるいはそれらの組み合わせ)によって異なる
が、時間の経過とともに電流値が徐々に変化するものや
初期の変化率が大きいがその後ほぼ一定になるもの等様
々なパターンを示す(数例を図25に示す)。本発明の
場合は、前述の体積抵抗値の時間的な依存性が小さい方
が好ましく、図6に示す測定方法に従い、電圧印加直後
から60秒間における体積抵抗値の時間的変化を観察し
た時に、その間における最大値と最小値の比が10倍以
内(好ましくは8倍以内、より好ましくは5倍以内)で
あることが特に好ましい。
【0044】更に加えて、個々の導電性部材内での体積
抵抗値の部分的なバラツキは小さい方が好ましく、体積
抵抗値の最大値(ρcMAX)と最小値(ρcMIN)のバラ
ツキをそれらの比(ρcMAX/ρcMIN)で表わすとする
と、ρcMAX/ρcMINが10倍以内(より好ましくは8
倍以内、一層好ましくは5倍以内)であることが好まし
い。この時のρcMAX/ρcMINは、円周方向と長手方向
の2通りがありえるが、大きい方の値が前記範囲である
ことが望ましい。
【0045】円周方向のバラツキについては、図6に示
す方法に従って測定を行なう。この時、電流値チャート
はローラ一周分の周期の繰り返しとなるが、電圧印加3
0秒後の点を含むローラ一周分における最小電流値(I
MIN)と最大電流値(IMAX)とから、体積抵抗値の最大
値(ρcMAX)と最小値(ρcMIN)をそれぞれ求めるこ
とによって、計算される。
【0046】また、長手方向のバラツキについては、図
8に示す方法によって導電性部材長手方向各部における
体積抵抗値を測定、計算し、最大値と最小値の比を求め
ることによって計算される。測定結果の一例を図9に示
す。なお、この測定方法においては、周方向の抵抗測定
時のニップ面積と同一になるように導電性部材の外径を
考慮して電極の幅を決定することが好ましく、また印加
バイアスも同一であることが好ましいが、本発明の場合
は、簡便のため電極幅は10mm、印加バイアスは直流
−500Vとした。
【0047】これらは導電性部材の体積抵抗値に関して
詳述したものであるが、当然のことながら表面抵抗値に
ついても同様のことがいえる。
【0048】このようにして得られた導電性部材に、交
流電圧を印加した時の複素誘電率及び誘電正接(誘電的
なtanδのことで、本発明ではtanδDと表わす)
が次式で表わされる時、23℃/65%RHの環境下に
おいて、誘電正接が2以下であったり、誘電損率が周波
数1×103Hz以上1×105Hz以下の範囲に変曲点
又は肩を有することが一層好ましく、また特に直流電圧
のみを印加する場合に好ましい。
【0049】 ε*=ε'−ε''、 tanδD=ε''/ε' (ε*:複素誘電率、ε':誘電率、ε'':誘電損率、t
anδD:誘電正接)
【0050】更には、これらの電気的な諸特性は最外層
についても同様であることが好ましく、高分子材料を主
体とする層が複数ある場合には、すべての層が同様であ
れば、非常に好ましい。この時、最外層の体積抵抗値
は、基体の体積抵抗値の10倍以上であればなおさら一
層好ましい。これらの観点からは、最外層の吸水率は小
さい方が好ましく、ASTMD570に準拠した時の吸
水率(条件は23℃/60%RHとする)が1.5%以
下(好ましくは1.0%以下)であることが好ましい。
また、最外層の線膨張係数も小さい方が好ましく、AS
TMD696に準拠した時の線膨張係数が、1×10-2
-1以下(好ましくは1×10-4-1以下)であること
が望ましい。
【0051】また、最外層の厚さとしては、平均膜厚が
1000μm以下(好ましくは500μm以下、より好
ましくは200μm以下、一層好ましくは100μm以
下で、なかでも50μm以下の場合において非常に優れ
た効果を得ることができるので最適である)が好まし
く、更には、平均膜厚の±20%以内の範囲に最大膜厚
と最小膜厚が入っていると一層好ましい。また、最外層
の厚さがある程度薄い場合等では、所定の特性を安定し
て保持するためには最外層にはある程度の高物性が要求
され、4×106Pa以上の100%モジュラスを有す
る最外層であれば特に良好な結果が得られるし、耐摩耗
性が良好であれば一層好ましい。
【0052】更なる摩擦係数の低減や安定化の観点から
は、表面に複数の凸部を有することが一層好ましい。導
電性部材表面に凸部を設けるためには、最外層によって
形成する方法と基体によって形成する方法があり、場合
によってはこれらを組み合わせることもできる。
【0053】最外層によって表面に凸部を形成する方法
としては、さまざまな方法を用いることができ特に限定
はないが、例えば最外層に微粒子を添加する方法が挙げ
られる。一例としては、最外層用材料を溶剤や水に溶解
あるいは分散した塗料に微粒子を所定量分散させてか
ら、ディッピングやスプレーで塗工した後、加熱して最
外層を形成する方法がある。加熱により、単に乾燥だけ
でなく架橋等の化学反応を行なうこともでき、物性の向
上に効果がある。これらの場合、微粒子の添加量は最外
層用材料中のバインダー成分100重量部に対して、1
00重量部以下、できれば50重量部以下であれば好ま
しい。
【0054】別の例としては、最外層用材料を溶剤や水
に溶解あるいは分散した塗料をディッピングやスプレー
で塗工した後、エア等の圧力で微粒子を吹き付けた後、
加熱して最外層を形成する方法がある。更にその他の方
法としては、最外層用材料を熱で溶融した後、エア等の
圧力で微粒子を吹き付けて最外層を形成する方法があ
る。
【0055】微粒子としては、有機材料、無機材料のい
ずれでも使用することができるが、有機材料としては、
例えば、高分子化合物を主体とした微粒子があり、無機
材料としては、例えば、カーボン類(カーボンブラッ
ク、カーボングラファイト及びカーボン粒子等)や無機
化合物(種々の元素の酸化物、炭酸塩、硫化物、ハロゲ
ン化物、窒化物、水酸化物及び硫酸塩等やこれらの混合
物があり、一例としてマグネタイト、フェライト、炭酸
カルシウム、ハイドロタルサイト、酸化ケイ素、酸化マ
グネシウム、酸化アルミニウム及び窒素ホウ素等)があ
り、微粒子の粉体抵抗値(ρh)は導電性部材の体積抵
抗値に近いことが、導電性部材の導電性のバラツキを小
さくするという面から望ましく、具体的にはρhが23
℃/65%RHにおいて1×1015Ωcm以下(より好
ましくは1×1012Ωcm以下、一層好ましくは1×1
10Ωcm以下)であることが好ましく、更には、ρh
/ρc≦1×106(より好ましくは1×1-7≦ρh/
ρc≦5×105、一層好ましくは5×10-6≦ρh/
ρc≦1×105)であることが好ましい。また、粉体
が主として含まれる層の体積抵抗値を(ρs)とした
時、ρsは1×107 Ωcm以上(より好ましくは1×
109Ωcm以上、一層好ましくは1×1011Ωcm以
上)であることが好ましく、更には、ρh/ρs≦1×
105(より好ましくは1×10-8≦ρh/ρs≦5×
104、一層好ましくは5×10-7≦ρh/ρs≦1×
104 )であることが好ましい。
【0056】本発明における微粒子の粉体抵抗値の測定
方法を図10に示す。セル1001に微粒子を充填し、
微粒子に接触するように電極1002及び1003を配
し、電極間に電圧(V)を印加し、その時流れる電流
(I)を測定し、次式によって計算した。
【0057】ρh=R×Sh/th、 R=|V/I| ρh:微粒子の粉体抵抗値(Ωcm)、R:微粒子の抵
抗値(Ω)(測定値) Sh:充填した微粒子と電極の接触面積(cm2)、 th:充填した微粒子の厚み(cm)
【0058】本発明においては、Sh=2cm2、th
0.1cm、V=1000(V)とし、上部電極に10
kgの荷重をかけた。測定環境は23℃/65%RHに
12時間以上放置後、同一環境において測定を行なっ
た。
【0059】本発明においては、微粒子の材質や形状に
特に制限なく使用することができるが、上記範囲の微粒
子を使用すればより好ましい。例えば、ゴムや樹脂に導
電剤を添加して混練粉砕した後、分級等の粒度(例え
ば、平均粒度や粒度分布等)の調整や研磨して球状にす
る等の形状の調整等を行なったり、モノマーに導電剤を
分散あるいは溶解して重合し導電性高分子微粒子を得た
り、ゲル状の球状粒子を使用したり、樹脂粒子や無機粉
体の表面を導電化処理(例えば、コーティング、ドーピ
ング及びメッキ等)したりすることもできる。
【0060】また、形状としては、例えば、球状や不定
形状(扁平形状、ウィスカ形状、楕円形状、ドーナツ形
状、金平糖形状及び星型形状等、あるいはこれらの複合
体や集合体等)で使用されるが、凸部の形状や配列にあ
る程度の規則性を必要とする場合には、球状の形状を用
いれば制御することもできる。これらの微粒子の粒径
は、大きすぎると画像上ポチ等の不具合を生じることが
あるので概ね200μm以下、更には100μm以下で
あれば好ましく、微粒子添加効果を最大限に発揮するた
めには、1μm以上50μm以下が非常に好適であり、
もちろん任意の粒度分布を有していても構わない。
【0061】また、微粒子を添加することによる高分子
材料の物性低下を低減するため、微粒子表面をシラン
系、チタン系及びアルミニウム系等のカップリング剤処
理や粘着剤、接着剤等の塗布や反応性基の導入等のいわ
ゆる表面処理を施すことが有用である。この時、微粒子
表面が例えば微小凹凸構造を有するようないわゆる比表
面積が大きい(好ましくは1.5以上)微粒子を用いれ
ば、その影響(例えば、表面積増大による効果や投錨効
果等)により物性改善に優れた効果が得られるので好ま
しい。更には、高物性の高分子材料を選択することも好
ましく、100%モジュラスが5×106Pa以上の高
分子材料であれば、最外層としての100%モジュラス
が4×106Pa以上の物性を得易いのでより好まし
い。加えてこれらの場合には、微粒子の吸湿性や吸水性
を改善することができるので非常に好ましい。なお、こ
れらの物性は測定時の温度や湿度の影響を受けることが
あるので、23℃/65%RHにおける結果である。
【0062】最外層によって表面に凸部を形成する第2
の方法として、熱可塑性高分子材料によって最外層を形
成した場合、熱的な特性を利用した方法を挙げることが
できる。例えば、熱可塑性高分子材料を溶剤に溶解した
塗料を用いて塗工を行なったり、チューブ状に押出した
ものを被覆したりすることによって最外層を形成した
後、所定の表面形状(凹部)を施した金属製の圧接部材
を熱可塑性高分子材料の融点以上まで熱して最外層に押
し付け、金属製圧接部材の凹部形状にほぼ準じた形状を
最外層表面に凸部として転写することによって所定の凸
部を設ける方法や熱可塑性高分子材料の融点以上まで熱
した粉体や粒子をエア等の圧力で最外層表面に吹き付
け、熱及び衝撃によって熱可塑性高分子材料表面の形状
を変形させたり、粉体や粒子が付着したりすることによ
って、最外層表面に凸部を設ける方法等がある。その
後、熱やエネルギー線(紫外線、赤外線、マイクロ波及
びX線等)等に暴露や照射を行い、架橋等の化学反応を
行なえば、物理的あるいは熱的特性が向上するので好ま
しい。
【0063】最外層によって表面に凸部を形成する第3
の方法として、例えば、最外層を発泡させる方法を挙げ
ることができる。この場合、高分子化合物中に発泡剤を
添加し加熱やマイクロ波等のエネルギー線を照射する等
の手段によって化学的発泡を行なう方法や機械的に高分
子化合物中に気泡を発生、混入したりする等の手段によ
る物理的発泡を行なう方法がある。この場合、最外層の
厚さ方向によって発泡密度や発泡径を異なるようにする
等、さまざまな発泡制御をすることによって、所望の状
態とすることができる。この場合、最外層の表面側ほど
気泡密度や発泡径を大きくすると良好な効果を得易い傾
向にある。
【0064】また、基体によって表面に凸部形成するに
は、基体を構成する各層の任意の1層あるいは2層以上
に凸部を形成することによって、略同様の形状を表面に
反映させる方法がある。この場合、一般的には芯金等の
導電性支持体上に形成する弾性層表面に凸部を形成する
ことが簡易な方法で優れる。具体的には、所定の形状を
金型に掘り込んでおき(凹部)、そこに弾性体を充填す
ることで、その形状がそのまま転写され凸部となる。あ
るいは、導電性支持体上に直接適当な手段で凸部を設け
てもよい。あるいは、上述したような、最外層に凸部を
設ける手段にて基体に凸部を設けることもできる。この
ようにして基体に凸部を設けた上に最外層を設ければ、
基体に設けた凸部と略同様の形状を表面に形成すること
ができる。この場合、最外層の厚さが基体の凸部高さに
比べて大きすぎると、ダレたような感じとなって良好な
形状が得られない場合があるので、最外層の厚さは基体
の凸部高さの20倍以内程度であることが好ましい。
【0065】このようにして得られた導電性部材は、均
一導電性を保持したり他部材との安定な接触性等の面か
ら、導電性部材表面の任意の凸部において、該凸部の最
大幅をH(μm)、該凸部の最大高さをT(μm)とし
た時に、0.02≦T/H≦1であることが好ましく、
一層望ましくは0.025≦T/H≦0.5である。更
には、均一導電性のより高度な保持や製造面での安定性
の面からは、導電性部材表面の任意の凸部において、該
凸部の最大高さをT(μm)、該凸部の最大高さを含ま
ない最外層の厚さをA(μm)とした時に、T/A≦2
であることが好ましく、一層望ましくは、0.01≦T
/A≦1である。
【0066】更に、本発明においては、2種以上の凸部
形状が混在すれば、汚れ付着性の低減に、より一層の効
果があるので好ましい。代表的な凸部の形状としては、
凸部の頂部が平面や曲面を有することが好ましく、平面
方向の断面形状としては円形や楕円形が、高さ方向の断
面形状としては台形あるいは上底に相当する部分が曲線
で表わされた略台形状であることがより好ましい。ま
た、高さが異なる凸部が混在すればより好ましい。加え
て、凸部が例えばほぼ等間隔で配列されている等のある
規則性を有していればなおさら好ましい。当然のことで
あるが凹部が併存しても差し支えない。
【0067】また、本発明における凸部とはマクロ的に
見た場合には導電性部材表面のうねり的な意味合いと表
面粗さ的な意味合いとを併せ持つものであるので、従来
のSm、Rz、Ra及びRmax といった指標では表
わせないものである。
【0068】ところで、本発明の導電性部材は、複数の
高分子化合物層からなる場合が多い。その場合、基体に
弾性を有する層を設けることが、静的及び動的状態にお
ける安定した接触状態を確保するために重要である。す
なわち、代表的には導電性支持体、弾性を有する層及び
最外層とからなる構成を挙げることができるが、もちろ
んこれ以外にも種々の機能を達成するための機能層を必
要なだけ設けて構わない。
【0069】弾性を有する層に使用される材料としては
特に制限はなく、従来既知の樹脂、エラストマー及びゴ
ム等を使用することができるが、例えば、樹脂、熱可塑
性エラストマー(TPE)及びゴム等の高分子化合物群
から選択されたバインダーに、必要に応じて導電性付与
材料、絶縁性材料、電荷調整材料、着色材料、加工助
剤、架橋(加硫)剤、架橋(加硫)助剤、活性剤、離型
剤、滑剤、粘着付与剤、酸化防止剤、架橋(加硫)促進
剤、発泡剤、発泡助剤、防黴剤、安定剤、補強剤、充填
剤、老化防止剤、加水分解防止剤、可塑剤、軟化剤、表
面粗し材料、磁性材料及びその他各種添加剤を添加した
ものが使用される。
【0070】樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、
フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン
系樹脂及びそれらのハロゲン化物、ABS樹脂、アイオ
ノマー樹脂、アクリル系あるいはメタクリル系樹脂、ウ
レタン系樹脂、シリコーン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、
酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)、
ポリビニルブチラール、エチレン−ビニルアルコール共
重合体(EVOH)、サラン系樹脂、セルロース系樹脂
及びその誘導体、レーヨン、ポリブテン、フラン樹脂、
ジアリルフタレート樹脂、ポリビニルエーテル、ポリカ
ーボネート、塩化ビニリデン、ポリエチレンオキサイ
ド、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹
脂等を、またTPEとしては、例えば、スチレン系TP
E、ポリエステル系TPE、オレフィン系TPE、アク
リル系TPE、ウレタン系TPE、シリコーン系TP
E、フッ素系TPE、ポリアミド系TPE、ブタジエン
系TPE、アクリロニトリル系TPE及び液晶系TPE
等を、更にはゴムとしては、例えば、天然ゴム(N
R)、イソプレンゴム(IR)及びその水素添加物や変
成物、エチレンプロピレンゴム(エチレンとプロピレン
を任意の割合で共重合したEPM又はエチレンとプロピ
レンの他にエチリデンノルボーネンやジシクロペンタジ
エン等のジエン類を第3成分として添加共重合したEP
DM)及びそのハロゲン化物、ブチルゴム(IIR)及
びそのハロゲン化物、ブタジエンゴム(cis−1,4
結合、trans−1,4結合、アタクチック又はシン
ジオタクチック又はアイソタクチック−1,2結合をそ
れぞれ0〜100重量%の間で任意の割合をとってな
る)、トランスオクテンゴム、ニトリルゴム(NBR)
及びそのカルボキシル化物や水素添加物、スチレンブタ
ジエンゴム(SBR)及びそのカルボキシル化物や水素
添加物、クロロプレンゴム(硫黄変成タイプやメルカプ
タン変成タイプ等)、クロロスルホン化ポリエチレン
(CSM)及びそのアルキル化物、ウレタンゴム(ポリ
エステル又はポリエーテルポリオールとイソシアネート
との反応で得られる−NHCOO−基を有するもの及び
その変成物)、エピクロルヒドリンゴム(エピクロルヒ
ドリンの単独重合体、エピクロルヒドリンとエチレンオ
キサイドの共重合体やこれらにアリルグリシジルエーテ
ル等の不飽和エポキシドを加えた2元あるいは3元共重
合体、更には、エチレンオキサイドの代わりにプロピレ
ンオキサイド等のアルキレンオキサイドを用いたもの)
や塩素の代わりに他のハロゲンを導入したもの、シリコ
ーンゴム(主鎖にシロキサン構造を有し、側鎖にメチル
基等のアルキル基、ビニル基、フェニル基等の置換基を
含有するもの)及びそのハロゲン化物や有機ポリマーセ
グメント導入物、フッ素ゴム(主鎖が炭化水素を骨格と
しフッ素を置換した種々の構成を有するモノマーを単独
重合あるいは2種以上任意の割合で共重合してなるもの
やフッ素含有モノマーとプロピレン等の不飽和炭化水素
モノマーを共重合してなる)、アクリルゴム(架橋サイ
トとしてハロゲン活性基含有モノマー、エポキシ活性基
含有モノマー、ジエン系モノマー、カルボキシル基含有
モノマー等の架橋モノマーが0.5〜5質量%導入され
てなる)、ポリノルボーネンゴム、多硫化ゴム、ポリエ
ーテル系特殊ゴム、プロピレンオキサイドゴム、エチレ
ン・アクリルゴム、環化ゴム(ポリイソプレン系、ポリ
ブタジエン系等)等を挙げることができる。
【0071】これらの高分子化合物は、その求められる
特性に応じて、単独あるいは混合(ブレンドやアロイ
化)して使用したり、更には、これらの高分子化合物を
構成する単量体同士を任意の組み合わせ、任意の割合で
共重合(ランダム、ブロック及びグラフト)させたも
の、あるいは例えば置換基の導入や水素添加したりした
変成物として使用することができる。これらの高分子化
合物の製造方法としては特に制限はないが、一般にはモ
ノマーに触媒を添加し溶液重合や乳化重合や気相重合等
の重合方法がとられ、重合された高分子化合物中の残さ
や不純物を少なくするという観点からは溶液重合や気相
重合が好ましい。
【0072】なお、2種以上の高分子化合物を混合して
使用する場合には、性状(固体状、液体状及びラテック
ス等)、相溶性、分散粒子径の大きさと形状、架橋剤の
種類や分配、充填剤の分配、ポリマー間の共架橋性、分
子量、ガラス転移点や融点等を考慮して材料や加工条件
等を適宜選択することが重要であり、それによって、例
えば、NBR/エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴ
ム/エチレンプロピレンゴム及びシリコーンゴム/アク
リルゴム等の通常相溶性があまり良くないとされる組み
合わせにおいても、一方の高分子化合物からなるマトリ
ックス中に、他方の高分子化合物からなる微小なドメイ
ンを形成することができ、高分子化合物同士の良好な分
散状態あるいは海/島構造とすることができる。
【0073】これらの高分子化合物に前述の種々の添加
剤を必要に応じて添加し、所定の加工方法によりスポン
ジやソリッドで、場合によってはゲル状で使用できる
し、繊維状に成形することも可能である。架橋あるいは
加硫の操作を行なうには、加熱、水素付加、湿気、紫外
線、放射線及び超音波等を照射する等の方法があり、そ
の結果、高分子量化、3次元化、IPN化及び固定化等
の効果が生じる。
【0074】このようにして得られた弾性を有する層
は、大きな弾性を有する方が好ましい。なぜならば、外
部から力が加わった時に弾性を有する層は変形を起こす
が、弾性が大きいということは、力が加わった瞬間から
変形を生じるまでに要する時間が短い、ということを意
味するので、特に摩擦係数を測定するような場合におい
ては、荷重が除去された部分において瞬時に元に戻ろう
とする力が働くが、弾性を有する層の弾性が大きければ
その力を補助する方向に働き、その結果スティックスリ
ップのような不安定な現象を起こし難いので安定した特
性が得られ易いという大きな利点があるからであり、こ
の観点において、表面(最外層)だけでなくその下方の
層の寄与度も無視できない場合があるからである。更に
は、詳細は不明なれども、種々の加工工程において寸法
や形状(例えば、振れ、真円度、熱収縮や膨張による変
化及び研磨性等)の安定性が優れるといった更なる効果
も見出され、一層望ましい傾向にある。
【0075】ところで、弾性を示す指標としては、一般
的には例えば、損失係数(力学的なtanδのことで、
本発明においてはtanδTと表わす)、貯蔵弾性率、
損失弾性率、せん断弾性率、減衰率、ヤング率、ばね定
数、応力−荷重(SS)曲線、永久伸び、反発弾性率、
応力緩和、クリープ及び圧縮永久歪み等さまざまなもの
があるが、例えば、反発弾性率が30%以上(好ましく
は40%以上、一層好ましくは50%以上)やtanδ
Tが0.4未満(好ましくは0.3未満、一層好ましく
は0.25未満)で、いわゆるスナッピー性を有するも
のが特に好ましい。これらの特性は、加硫剤の種類や配
合量、加硫条件(温度や時間等)、加硫形態(加硫密
度、反応度及び結合様式等)、材料特性(ポリマーの分
子量、不飽和度及び架橋サイトや原材料のpH等)等に
より大きく左右されるので、個々の配合処方において最
適となるように適宜選択することが重要である。
【0076】本発明において弾性を有する層の厚さ(又
は長さ)は、1〜20mmが好ましく、JISA硬度で
70゜以下(好ましくは60゜以下)あるいはASKE
R−C硬度で90゜以下(好ましくは70゜以下)に調
整される。弾性層の上方に被覆層が形成される場合は、
上方の層ほど硬度が高くなるような構成となることが多
い。特に低硬度(ASKER−C硬度で50゜以下)が
要求される場合には、配合的な工夫やスポンジが使用さ
れることがある。スポンジを使用する場合、発泡径は5
00μm以下(より望ましくは150μm以下)が好ま
しく、研磨等により発泡面が表面に現れていても、ある
いはスキン層を有していても構わないし、発泡状態が、
連続気泡及び独立気泡のいずれであってもよいが、導電
性部材の精度向上や交流電圧を印加する場合の帯電音低
減等の観点からは、独立気泡でスキン層を有する構成が
できれば好ましい。
【0077】弾性を有する層に導電性付与材料を使用す
る場合には、従来公知の電子導電体及びイオン導電体の
いずれでも使用することができる。本発明における電子
導電体としては、体積抵抗値が1×106cm未満の物
質をいい、例えば、カーボン類(カーボンブラック、グ
ラファイト、カーボン繊維及びカーボン粒子等があり、
例えば、グラフト処理したカーボンブラックはグラフト
鎖に導入する高分子種によってバインダー高分子材料と
の相溶性を制御できる)、金属粉(例えば、金、銀、
銅、ニッケル及びアルミニウム等やアロイ化物を粉砕、
アトマイズ等により微粒子化したもの)、金属酸化物
(例えば、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化鉄、
フェライト及びマグネタイト等)、導電化処理を施した
複金属化合物、導電化処理を施した無機化合物及び導電
性ポリマー(例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポ
リチオフェン、ポリアセチレン、ポリピリジン及びポリ
アズレン等)を挙げることができる。
【0078】また、イオン導電体としては、例えば、金
属塩、アンモニウム塩やイオン導電性ポリマー等が挙げ
られる。金属塩を構成する正イオンとしては、例えば、
I族又はII族の金属イオンが挙げられ、中でも陽イオ
ン半径の比較的小さいリチウム、ナトリウム及びカリウ
ムの金属塩が特に好ましく、アンモニウム塩を構成する
正イオンとしては、四級アンモニウムイオンが一般的で
ある。一方、これらの塩を構成する陰イオンとしては、
例えば、ハロゲン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオ
ン、スルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸
イオン、フルオロホウ酸イオン、カルボン酸イオン、リ
ン酸イオン及びホウ酸イオン等を挙げることができる。
また、イオン導電性ポリマーとしては、例えば、アルキ
レンオキサイド重合体等のポリエーテル結合を有する化
合物及びその塩等の複合体等がある。これらイオン導電
体は、解離定数(大きいほど導電付与性が良好)やpH
(他の材料との相互作用の関係上5〜9、できれば6〜
8が好ましい)を考慮して適正に使用することができ
る。これらの導電性付与材料は、1種類あるいは2種類
以上混合しても構わないし、またこれらに限定されるわ
けではない。
【0079】なお当然のことながら、上述した弾性を有
する層に用いることができる諸材料を最外層に用いるこ
ともできる。更には、直接接する2層において、同一あ
るいは同系統の高分子化合物が共通して使用(単独、ブ
レンドを問わない)されていれば、直接接する2層間の
密着性を向上することができる。
【0080】本発明の導電性部材の形状としては、例え
ば、ローラ状、ブレード状、チップ状、ワイヤー状、ベ
ルト状、フィルム状、ブラシ状、シート状及び湾曲した
面を有する形状等、特に制限はなく、他の部材に対して
接触式あるいは非接触式のいずれにおいても使用するこ
とができるが、特に接触式で用いられた場合に特に優れ
た特性を発揮することができる。また、少なくとも、基
体と高分子化合物を主体としてなる最外層とを有するこ
とが好ましいが、使用される基体としては特に制限がな
い。基体の具体的な例としては、導電性支持体であった
り、導電性支持体上に弾性を有する層を形成したり、そ
の上に更に機能層を1層あるいは複数層設けてもよい。
本発明の導電性部材が特に、ローラ形状で、少なくとも
導電性支持体と最外層を有する場合には、導電性部材の
最大径(D)と導電性支持体の最外径(d)とが、1.
5≦D/d≦4であれば安定した特性を安定して製造し
易いという利点があり好ましい。
【0081】更には、導電性部材が感光体と相対移動す
る場合(例えば、感光体が回転し帯電部材は固定、感光
体及び帯電部材が回転する、帯電部材が感光体長手方向
に移動する等)には、空回転やスリップを完全に防止す
るという観点から導電性部材が移動、回転の一方又は両
方の動作をするための駆動装置を有することが好まし
い。
【0082】加えて、導電性部材が感光体と接触する場
合、所定のニップ形状を形成して感光体と接触してお
り、ニップ形状は接触状態や当接圧力等の影響によって
さまざまな形状を示す。しかしながら、ニップ内部を詳
細に観察すると、導電性部材は凸部を有しているために
感光体と直接接触しているのは凸部の頂部やその付近で
あることがわかる。こちらの方も当然のことながら、接
触状態な当接圧力等の影響によって変形状態が変わって
くるので、任意の一点の凸部であっても、頂部付近の極
小さな面で接触したり、頂部がかなり押しつぶされその
結果かなり大きな面での接触になったり、といったよう
に接触する面積が変化することがあるし、ニップ部内で
凸部が複数ある場合には、直接接触している部分が複数
あることになり、直接接触している面積とは個々の凸部
の接触面積の合計になる。この時、ニップ部内において
直接接触している部分の面積(St)のニップ部面積
(Sn)に占める割合(St/Sn)が、50%より大
きく95%以下であれば、安定した接触状態の確保と表
面積低減効果とを両立できるので好ましく、65%以上
95%以下であればより好ましく、80%以上95%以
下であれば非常に好ましい。
【0083】本発明の場合、直接接触している面積が小
さくともその周辺で導電点や放電点が十分確保される。
もちろん、種々の電子写真装置においては、導電性部材
や電子写真感光体等の材質、形状、物性、寸法、当接力
及び当接状態等のさまざまな条件が異なるが、その電子
写真装置の標準的な条件、状態において、直接接触して
いる部分の面積とニップ部面積との関係が上記範囲内で
あることが重要である。
【0084】本発明の導電性部材を電子写真装置に用い
るには特に制限はないが、例えば、高解像度(特には1
200dpi以上)や高速(特にはプロセススピードが
160mm/sec以上)の電子写真装置、あるいは、
カラー画像やグラフィック画像を出力する電子写真装置
に特に適する。更には、高耐久性(特には連続出力で5
000枚以上や合計出力が15000枚以上)の求めら
れる電子写真装置に一層適し、更に加えて、独立したク
リーナー機構を有さないいわゆるクリーナーレスシステ
ムを有する電子写真装置のように、転写残りの現像剤成
分が比較的多くなってしまうような電子写真装置に、特
に有用に使用することができる。
【0085】また、導電性部材を帯電部材として用いた
場合には、帯電バイアスとして直流電圧のみを印加する
場合や直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加する場
合のいずれの電子写真装置にも使用することができる
が、導電性のムラを画像上に反映し易い直流電圧のみを
帯電バイアスとして使用する電子写真装置に特に好適で
ある。この場合、感光体に対向して、転写手段の下流側
かつ帯電手段の上流側に位置し、帯電手段前の感光体表
面の電位を平均化するための部材(例えば、前露光、ニ
ップ部への露光及び前帯電等)を有したり、帯電部材の
表面に付着した異物を除去するための装置を有したりす
れば導電性のむらを軽減することができるのでなお好ま
しい。異物を除去するための装置としては、金属、ゴ
ム、樹脂及びこれらの複合体等からなるブラシ、ロー
ラ、ブレード、シート、フィルム、ベルト及びチップ等
を帯電部材に接触させることによって異物を機械的に剥
ぎ取り除去する手段や、接触又は非接触状態でバイアス
を印加して静電的に吸着除去する手段等を挙げることが
できる。バイアスを印加する場合には異物の帯電極性と
は逆極性の直流バイアスを使用することが好ましい。
【0086】本発明の電子写真装置に使用されるトナー
には特に限定はなく、さまざまな材質(例えば、バイン
ダー、電荷制御剤、染料、顔料及び助剤等)、色調(イ
エロー、マゼンタ、シアン及びブラック)、構造(例え
ば、単層あるいは複数層構成、バインダー中における種
々の添加剤の存在比率や偏在の程度等)、物性(例え
ば、熱的、物理的、電気的、磁気的及び化学的等)、表
面特性(例えば、比表面積、表面硬度及び極性等)、粒
径(例えば、平均粒径及び粒度分布等)、形状(例え
ば、球形及び不定形等)のものを使用することができる
が、特には、略球状であるトナーやカラー画像用トナー
を用いた場合、導電性部材表面への付着低減効果が顕著
であるので好ましい。略球状のトナーの製造方法として
は種々の方法があるが、例えば、粉砕後に研磨により不
定形のトナーを球状にする方法や重合法によって製造す
る方法等があり、特に重合法により製造されたトナーを
用いた場合に最適である。
【0087】トナーの形態を表わす指標として従来か
ら、形状係数SF−1や形状係数SF−2が用いられて
おり、形状係数SF−1は、粒子の丸さの度合いを示
し、形状係数SF−2は、粒子の凹凸の度合いを示す。
本発明においては、形状係数SF−1が100〜15
0、形状係数SF−2が100〜140の範囲であるこ
とが好ましい。ここで、形状係数SF−1及びSF−2
については、次のように計測される。
【0088】例えば日立製作所製FE−SEM(S−8
00)を用い、1000倍に拡大した2μm以上のトナ
ー像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報
はインターフェースを介して例えばニコレ社製画像解析
装置(LuzexIII)に導入し、解析を行い下式よ
り得られた値を、定義する。
【0089】SF−1={(MXLNG)2×π/(A
REA)×4}×100 SF−2={(PERIME)2/(AREA)×4
π}×100 ここで、式中MXLNGは粒子の絶対最大長、PERI
MEは粒子の周囲長、AREAは粒子の投影面を示す。
【0090】また、本発明に使用されるトナーのトリボ
値としては好ましい範囲がある。すなわち、本発明の導
電性部材が使用される電子写真装置において、現像剤担
持体表面におけるトナーのトリボ値が、感光体の帯電極
性と同じで、10〜40mC/kgの範囲であれば、安
定して使用可能であり好ましい。
【0091】本発明の電子写真装置に使用される感光体
には特に限定はなく、従来公知のものを使用することが
でき、例えば、導電性支持体上に有機感光層や無機感光
層を形成したものや、最外層に電荷注入層を設けたもの
等を挙げることができ、また感光体の形状としては、例
えば、円筒状、ベルト状、フィルム状及びシート状等さ
まざまな形状のものが使用できる。
【0092】以下、本発明を実施例によって説明する
が、これらによって本発明が限定されるものではない。
【0093】
【実施例】まず本発明に使用される部材及び評価機械の
構成、材質及び製造方法等を説明する。
【0094】[電子写真装置使用例1]本発明の実施例
及び比較例において使用される評価用機械である電子写
真装置を以下のように準備した。まず電子写真装置とし
てレーザービームを用いたデジタル複写機(キヤノン
製:GP55)を用意した。装置の概略は、解像度が4
00dpi、感光体の帯電手段としてコロナ帯電器を備
え、現像手段として1成分ジャンピング現像方法を採用
した1成分現像器を備え、転写手段としてコロナ帯電
器、ブレードクリーニング手段、帯電前露光手段を備え
る。また、感光体帯電器、クリーニング手段及び感光体
は、一体型のユニットとなっている。プロセススピード
は150mm/sである。該デジタル複写機を以下のよ
うに改造して電子写真装置No.1とした。
【0095】まず、解像度を1200dpiに、プロセ
ススピードを160mm/sに改造した。次に、感光体
の帯電手段をコロナ帯電器から接触式の導電性ローラ
(帯電ローラ)に変更し、帯電ローラには帯電バイアス
として直流電圧−1300Vを印加する。
【0096】また、現像部分を1成分ジャンピング現像
から、2成分現像剤を使用可能にするために改造を行な
った。現像バイアスは、直流−500Vとした。
【0097】更に、コロナ帯電器を用いた転写手段をロ
ーラ転写方式に変更した。概略を図13に示す。
【0098】[電子写真装置使用例2]電子写真装置N
o.1から独立したクリーナ手段を取り除きクリーナレ
スシステムに改造して電子写真装置No.2とした。概
略を図14に示す。
【0099】[電子写真装置使用例3]レーザービーム
を用いたデジタル複写機(キヤノン製:GP55)を以
下のように改造して電子写真装置No.3とした。
【0100】まず、解像度を1200dpiに改造し、
次に、感光体の帯電手段をコロナ帯電器から接触式の導
電性ローラ(帯電ローラ)に変更し、帯電バイアスとし
て、直流電圧−700Vに交流成分2kVpp/1.5
kHzの正弦波を重畳したものを使用する。
【0101】更に、コロナ帯電器を用いた転写手段をロ
ーラ転写方式に変更した。概略を図15に示す。
【0102】[電子写真装置使用例4]電子写真装置N
o.1を更に次のように改造して電子写真装置No.4と
した。まず、導電性部材の回転駆動装置をつけた。導電
性部材の回転は、感光体の回転方向に対し従動方向で、
感光体の回転速度の2倍とした。また、導電性ファーブ
ラシ製のローラを導電性部材の表面に接触させ異物除去
ローラとした。導電性ファーブラシは、フッ素樹脂にカ
ーボンブラックを添加し混練後繊維状に成形したものを
ファーブラシ状に形成したものである。フッ素樹脂は、
特に吸湿性や吸水性が小さいので、本ファーブラシは環
境変動に対して抵抗の変化が非常に小さいという特徴を
持つ。なお、本例において異物除去ローラは、ファーブ
ラシ製を使用したが例えば金属のような他の材質でも構
わない。
【0103】更に、異物除去ローラの回転駆動装置をつ
け、異物除去ローラの回転方向は導電性部材の回転方向
に対し従動方向で、導電性部材の回転速度の1.2倍と
した。異物除去ローラにはバイアスとして直流−150
0Vが印加できる。概略を図16に示す。
【0104】[電子写真装置使用例5]電子写真装置と
してレーザービームを用いたデジタル複写機(キヤノン
製:GP55)を用意し、以下のように改造して電子写
真装置No.5とした。
【0105】まず、解像度を1200dpiに、プロセ
ススピードを160mm/sに改造した。次に、現像部
分を1成分ジャンピング現像から、2成分現像剤を使用
可能にするために改造を行なった。現像バイアスは、直
流−500Vとした。
【0106】更に、コロナ帯電器を用いた転写手段をロ
ーラ転写方式に変更した。概略を図17に示す。
【0107】[感光体製造例1]φ30mmのアルミニ
ウムシリンダー上に下引き層、正電荷注入防止層、電荷
発生層及び電荷輸送層の順に機能層を設け、感光体N
o.1を作成した。
【0108】下引き層は、アルミニウムドラムの欠陥等
を均したり、露光の反射によるモアレの発生を防止する
ために設けられている厚さ約20μmの導電層である。
【0109】正電荷注入防止層は、アルミニウム支持体
から注入された正電荷が感光体表面に帯電された負電荷
を打ち消すのを防止するために設けられ、厚さ約1μm
のポリアミド樹脂によって106Ωcm程度に抵抗調整
されている。
【0110】電荷発生層は、レーザ露光を受けることに
よって正負の電荷対を発生するために設けられた層であ
り、チタニルフタロシアニン系の顔料を樹脂に分散した
厚さ約0.3μmの層である。
【0111】電荷輸送層は、ポリカーボネート樹脂にヒ
ドラゾンを分散した厚さ17μmの層であり、P型半導
体である。従って、感光体表面に帯電された負電荷はこ
の層を移動することはできず、電荷発生層で発生した正
電荷のみを感光体表面に輸送することができる。この感
光体表面抵抗を測定したところ、電荷輸送層単体の場
合、5×1015Ωcmであった。
【0112】[トナー製造例1]スチレン83.5重量
部、n−ブチルアクリレート16.5重量部、低分子量
ポリプロピレン7重量部、カーボンブラック6.0重量
部、含金属アゾ染料1.4重量部及びアゾ系開始剤3.
5重量部を分散混合する。次に、純水100重量部に対
しリン酸カルシウム1重量部の比からなる分散液500
重量部を調製し、ここに上記分散混合液を加えホモミキ
サーにより十分分散させ、80℃で11時間重合し、得
られた重合体をろ過し、洗浄を行った後に、乾燥分級し
てトナー組成物を得た。
【0113】上記トナー組成物に、疎水化処理された酸
化チタン2.0重量%を添加し、平均粒径7.9μmの
トナーNo.1を作成した。このトナーは、重合法によ
り球状に形成されている。形状係数は、SF−1は11
8、SF−2は110であった。
【0114】 [トナー製造例2] ポリエステル樹脂 100重量部 含金属アゾ染料 0.3重量部 低分子量ポリプロピレン 6.0重量部 カーボンブラック 5.5重量部 上記材料を乾式混合した後に、160℃に設定した2軸
混練押出機にて混練した。得られた混練物を冷却し、気
流式粉砕機により微粉砕した後に風力分級して粒度分布
の調整されたトナー組成物を得た。このトナー組成物
に、疎水化処理された酸化チタン1.4重量%を添加し
て、平均粒径7.1μmのトナーNo.2を作成した。
【0115】[現像剤製造例1]平均径60μmのニッ
ケル亜鉛フェライトに、アクリル変性シリコーン樹脂を
コートしたものを、100重量部に対しトナーNo.1
を6重量部を混合し現像剤No.1とした。
【0116】[現像剤製造例2]平均径60μmのニッ
ケル亜鉛フェライトに、シリコーン樹脂をコートしたも
のを、100重量部に対しトナーNo.2を6重量部を
混合し現像剤No.2とした。
【0117】[導電性部材製造例1] <1−1 基体の作成>NBR(結合アクリロニトリル
量43%、ML1+4(100℃)=45、比重1.00)80
重量部、液状NBR(結合アクリロニトリル量32%、
ブルックフィルド粘度5000cP(70℃)、比重
0.98)20重量部、酸化亜鉛5重量部、ステアリン
酸1重量部、導電性カーボンブラック8重量部、サーマ
ルカーボンブラック5重量部、シリカ1重量部、マイカ
1重量部、ハードクレー3重量部、ジエチレングリコー
ル0.3重量部、ポリエチレングリコール0.2重量
部、2−メルカプトベンズイミダゾール0.5重量部、
DOP15重量部及びナフテン系オイル15重量部を十
分冷却したニーダで混練し導電性NBRゴムバッチを得
た。これを一晩熟成後、加硫剤として硫黄0.5重量
部、加硫促進剤としてN−シクロヘキシル−2−ベンゾ
チアジルスルフェンアミド2.0重量部、ジエチルジチ
オカルバミン酸亜鉛1.5重量部及びテトラブチルチウ
ラム・ジスルフィド1.5重量部を添加、オープンロー
ルにて混練し、導電性ゴムコンパウンド1を得た。
【0118】次に、予め導電性接着剤を塗布した、長さ
450mm、直径9mm(両端50mmは直径6mm)
のステンレス製芯金を導電性支持体として内面が滑らか
な円筒状金型の中心にセットし、その周囲に導電性ゴム
コンパウンド1をインジェクションによって流し込んだ
後、170℃の雰囲気中に60分間放置することによっ
て加硫成形を行い、導電性支持体であるステンレス製芯
金の周囲に弾性を有する層としてパーティングラインの
ないソリッドゴム(肉厚が3.5mm、外径16mm、
ゴム長350mm)が形成された導電性ゴムローラ1を
作成し、これを基体1とした。
【0119】基体1の体積抵抗値を、23℃/65%R
Hの環境に24時間放置した後同環境において、図6の
方法によって測定、計算したところ、5.2×103 Ω
cmであった。この時の周方向最大抵抗値/最小抵抗値
の比(抵抗むら)を求めたところ2.9であり、図9に
示す方法によって長手最大抵抗値/最小抵抗値の比(抵
抗むら)を求めたところ4.6であった。これらの諸特
性を表1に示す。
【0120】<1−2 最外層用塗料の作成> (1)微粒子1の作成 アクリル樹脂100重量部、ステアリン酸カルシウム2
重量部、低分子量ポリプロピレン3重量部及び導電性カ
ーボンブラック6重量部を乾式混合した後に、160℃
に設定した2軸混練押出機にて混練した。得られた混練
物を冷却し、気流式粉砕機により微粉砕した後に風力分
級して粒度分布を調整した。その後、表面を研磨し、略
球状の微粒子1を得た。微粒子1の粉体抵抗を図10の
方法によって測定したところ6.3×102Ωcmであ
った。更に、粒径を測定したところ平均粒径が8.0μ
mで、平均粒径付近にピークを有する粒度分布を有して
いた。
【0121】(2)最外層用塗料1の作成 四フッ化エチレン−ビニルエーテル−ビニルエステル共
重合体を主成分とするフッ素系樹脂塗料(B型粘度(2
5℃)=650cp、固形分水酸基価=60mgKOH
/g、色数=ガードナーで5以下、Tg=25℃、鉛筆
硬度=B以上)を酢酸エチルを用いて固形分調整を行な
い、固形分3重量%とした。この塗料の固形分100重
量部に対して、導電性酸化スズ(表面を酸化アンチモン
でドーピングした透明導電性粉末、一次粒径0.02μ
m)10重量%、微粒子1を8重量%、レベリング剤と
してジメチルシリコーンオイルを100ppm添加し、
メディアを用いてペイントシェーカーで12時間分散
後、メディアを分離し、硬化剤としてヘキサメチレンジ
イソシアネート(HMDI)をOH/NCO=1/1に
なるように添加混合し最外層用塗料1を作成した。
【0122】<1−3 導電性部材の作成>基体1の表
面を2−ブタノンにて洗浄後、接着力向上のためγ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシランでプライマー処理
した後、最外層用塗料1を用いて浸漬塗工を行なった。
塗工条件は、引き上げ速度40mm/sec.で上下を
反転させ繰り返し塗工を行った。塗工後、23℃/65
%RHの雰囲気中で8時間風乾し、更に135℃の熱風
乾燥炉で30分間加熱して被覆層を形成し、導電性部材
No.1を作成し、以下の各特性の測定を行なった。な
お、導電性部材No.1の断面構成を図2−(a)に示
す。
【0123】<1−4 導電性部材No.1の特性測定> (1)物理的特性 摩擦係数:前述したように図3に示す方法で測定した
ところ、μS≦0.50、μD≦0.30、μDmax
0.34、μDmin=0.26であった。従って、μS
/μD=1.67、μDmax/μDmin=1.31ある。
【0124】形状測定:導電性部材No.1表面の任
意の部分の断面を電子顕微鏡にて1000倍に拡大、観
察を行なった。その視野中に含まれる凸部を任意に3点
(場所X、場所Y、場所Zとする)選びだし、該凸部の
最大幅H、最大高さT、該凸部の最大高さを含まない最
外層の厚さAを測定したところ、場所Xでは、H=10
μm、T=5μm、A=15μmであり、T/H=0.
5、T/A=0.33、場所Yでは、H=11μm、T
=5μm、A=15μmであり、T/H=0.45、T
/A=0.33、場所Zでは、H=10μm、T=4μ
m、A=17μmであり、T/H=0.4、T/A=
0.24であった。導電性部材No.1の形状としては
任意の3点の単純平均とし、従って、T/H=0.4
5、T/A=0.3である。
【0125】(2)電気的特性 体積抵抗値:30℃/80%RH、23℃/65%R
H及び15℃/10%RHの各環境において、図6の方
法に従って測定、計算したところ、体積抵抗値ρcは各
々、1.9×105Ωcm、3.2×105Ωcm及び
8.7×105Ωcmであり、これらの環境の範囲にお
ける体積抵抗値の変動は4.6倍であることがわかっ
た。
【0126】体積抵抗値の印加電圧依存性:30℃/
80%RH、23℃/65%RH及び15℃/10%R
Hの各環境下において、印加電圧(直流)を−200V
から−1000Vの範囲で100Vおきに測定、体積抵
抗値を求めたところ、いずれの環境においても印加電圧
が高くなるにしたがって体積抵抗値が小さくなった(−
200Vで最大値、−1000Vで最小値を示した)。
この時の最大値と最小値の比は30℃/80%RHの環
境で3.7倍、23℃/65%RHの環境で3.8倍及
び15℃/10%RHの環境で4.5倍であった。
【0127】体積抵抗値の時間依存性:電圧印加直後
(0秒)から60秒間における体積抵抗値の時間的変化
を上記各環境において求めたところ、いずれも時間の経
過とともに体積抵抗値が増大(電流値が減少)する傾向
があった。この時、30℃/80%RHの環境で4.2
倍、23℃/65%RHの環境で3.8倍、15℃/1
0%RHの環境で5.0倍であった。
【0128】抵抗比:周方向最大抵抗値/最小抵抗値
の比は2.5で、長手最大抵抗値/最小抵抗値の比は
4.0であった。
【0129】誘電特性:体積抵抗値の測定に使用した
装置を用い、導電性部材No.1に印加する電圧をピー
ク間電圧100Vppの交流電圧とする。周波数は1×
10 2、1×103、1×104、1×105、1×106
及び1×107Hzの6点とし、これらの時流れた電流
をオシロスコープで読み取り、電圧と電流の位相差
(δ)を測定することによって、誘電正接(tan
δD)及び誘電損率が求められる。これらの結果を図1
1に示す。なお、本発明では前述した各測定点における
測定値を滑らかな曲線で結んだ時の最大値をもって誘電
正接とする。その結果、これらの周波数の範囲でtan
δDの最大値が0.08であり、1×104Hzの周波数
において誘電損率は最小値を示したので、導電性部材N
o.1の誘電正接は0.08、誘電損率は変曲点を有し
そのピーク位置は1×104Hzであることが分かっ
た。測定環境は23℃/65%RHである。これらの諸
特性を表1に示す。
【0130】<1−5 最外層の特性測定> 膜厚:最外層の膜厚は、<1−4導電性部材No.1
の特性測定>(2)物理的特性形状測定において得ら
れたT+Aを最外層の膜厚とし、3点の単純平均をもっ
て導電性部材No.1の最外層の平均膜厚とした。従っ
て本実施例の場合は、20.3μmであるので、平均膜
厚の±30%以内の範囲に最大膜厚と最小膜厚が入って
いることがわかる。
【0131】100%モジュラス:まず、導電性部材
No.1から最外層を採取した。本実施例の場合には、
最外層は基体と強固に接着しているため以下のようにし
た。基体の一部が付着していても構わないので最外層付
近を切り出した。これを−50℃中に12時間放置して
冷凍した状態で、基体の一部が付着している面を非常に
目の細かい紙やすりで注意深くこすり、磨くことによっ
て基体の一部を除去したのち、常温に戻し12時間放置
してモジュラス測定用の試料として使用することにし
た。研磨面の表面粗さを測定したところRzが10μm
であった。本実施例のような手段によって最外層を採取
する場合は、Rzが10μm以下であれば試料として使
用することができる。また、最外層が容易に剥離できる
場合は剥離することによって採取してもよいが、できる
だけ伸ばさないように注意して剥離する。
【0132】このようにして採取した最外層を長さ40
mm、幅10mmに打ち抜いて試料片とした。試料片の
厚さを求める必要があるが、この場合は<1−4導電性
部材No.1の特性測定>(2)物理的特性形状測定
において得られたAを最外層の厚さとし、3点の単純平
均をもって導電性部材No.1の最外層の平均厚さとし
た。すなわち本実施例の場合は、平均厚さ=(15+1
5+17)/3=15.7μm=0.00157(c
m)である。
【0133】次いで、試料片に20mm間隔の標線を引
いた後、引張試験機(テンシロン)に装着、100mm
/min.の速度で試料片を引っ張る。この時の応力変
化をチャートに記録しておく。標線間距離が40mmに
なった時の応力をF100(kgf)とすると、100%
モジュラスは次式で求められる。
【0134】 M100(Pa)=K×F100(kgf)/試料片の断面積(cm2) =K×F100(kgf)/試料片の幅(cm)×試料の平均厚さ(cm) M100 (Pa):100%モジュラス、K:定数(9.8
0665×104) 試料片の幅:1(cm)、試料の平均厚さ:0.001
57(cm)
【0135】このようにして100%モジュラスを求め
たところ、8.1×106Paであった。なお、23℃
/65%RHに12時間以上放置後、同一環境において
測定を行なった。また、応力変化のチャートからヤング
率、ばね定数を求めることができる。更に、試料片が破
断するまで荷重や伸びを測定すれば、引張り強さ(破断
力、破断時応力)や伸び(破断伸び)等も同時に測定で
きる。
【0136】体積抵抗値:膜厚の測定において最外
層を採取した方法と同様の手段によって最外層を採取し
た。2枚の電極の間に最外層をはさみ、所定の電圧を印
加した時流れる電流量を測定し、次式によって最外層の
体積抵抗値を求めた。
【0137】 ρs=R×Sa/ta、 R=|V/I| ρs:最外層の体積抵抗値(Ωcm)、R:最外層の体
積抵抗値(Ω) Sa:電極面積(cm2)、ta:試料厚さ(cm)、 V:印加電圧(V)、I:電流(A)
【0138】本発明においては、Sa=2cm2、ta
=T+A=0.00203cm、V=−500(V)と
し、上部電極に10kgの荷重をかけた。23℃/65
%RHに12時間以上放置後、同一環境において測定を
行なった。その結果、ρs=1.0×109Ωcmであ
り、基体の体積抵抗値の約200000倍であることが
分かった。これらの諸特性を表1に示す。
【0139】<1−6 弾性を有する層の特性測定>弾
性を有する層の反発弾性率(RB)及び損失係数(ta
nδT)を測定したところ、RB=60%、tanδT
0.26であった。本実施例においてこれらの測定は、
導電性部材から試料を採取することとした。弾性を有す
る層を形成した後も、最外層を形成する等の理由により
熱履歴等を受けることがあるためである。
【0140】反発弾性率の測定方法は、加硫ゴム物理試
験方法(JISK6301−1995)の11項に示さ
れる反発弾性試験に準じて行う。但し、試験片は導電性
部材から切り出し、直径6mmとし、厚さが10mmに
なるように重ねた。また、鉄棒は直径5mmとし鉄棒の
中心におもりをつけることで鉄棒全体の重量が350g
となるように調節し、23℃/65%RHの環境中で測
定を行なうものとした。
【0141】また、損失係数の測定は、加硫ゴムの動的
性質試験方法(JISK6394−1995)に準じて
行う。損失係数は、配合処方や製造条件の影響を大きく
受けそれらの少しの違いによっても数値が大きく異なる
場合もあるので、試験片は導電性部材から切り出すこと
が好ましいので、本実施例においては、試験片の大きさ
は直径5mm×厚さ1mmに調整することにし、S1形
の接着板を用いた。つまり、弾性を有する層を1mmの
厚さにスライスし、直径5mmに打ち抜く。スライスす
る時、冷凍やその他の手段によって加工し易くしてもよ
い。
【0142】次いで、この試験片が装着できるように測
定部を調節した非共振強制振動型の動的粘弾性測定装置
を用いて、せん断モード、試験環境23℃/65%R
H、試験振動数10Hz、せん断ひずみ振幅1.0%で
測定するものとした。これらの諸特性を表1に示す。
【0143】[導電性部材製造例2] <2−1 基体の作成>ECOゴム(エピクロルヒドリ
ン52mol%、エチレンオキサイド41mol%、ア
リルグリシジルエーテル7mol%を共重合してなる、
ML1+4(100℃)=50)100重量部、硫黄0.5重量
部、2−メルカプトイミダゾリン1.5重量部、ハード
シリカ5重量部、不定形シリカ5重量部、酸化マグネシ
ウム3重量部、脂肪酸エステル2重量部、2−メルカプ
トベンズイミダゾール1重量部、ジエチレングリコール
0.5重量部、過塩素酸リチウム2重量部及びナフテン
系オイル10重量部を十分冷却したオープンロールにて
混練し、導電性ゴムコンパウンド2を得た。
【0144】2分割された金型の中心に、予め導電性接
着剤を塗布した長さ450mm、直径9mm(両端50
mmは直径6mm)のステンレス製芯金をセットし、導
電性ゴムコンパウンド2をその周囲にインジェクション
によって流し込んだ後、170℃の雰囲気中に60分間
放置することによって加硫成形を行い、導電性支持体で
あるステンレス製芯金の周囲に弾性を有する層としてパ
ーティングラインのあるソリッドゴム(肉厚が3.5m
m、外径16mm、ゴム長350mm)を形成した。こ
の表面を砥石で研磨して所定の外径としてから液体窒素
中に浸漬して冷凍後、ガラスビーズを空気流と共に吹き
付けて表面を全体的に粗すことによって表面に凸部を形
成した。その後、常温に戻すことによって導電性ゴムロ
ーラ2を作成し、これを基体2とした。
【0145】<2−2 最外層用塗料の作成>ビニルブ
チラール−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体(T
g=90℃)からなるブチラール樹脂のエタノール溶液
に混合アルコール(メタノール/エタノール=1/1)
を添加し、固形分を5重量%に調整し、固形分100重
量部に対して、グラファイト10重量部、窒化ほう素5
質量部を添加し、メディアを用いてペイントシェーカー
で12時間分散後、メディアを分離してから、HMDI
を4重量部添加して最外層用塗料2を作成した。
【0146】<2−3 導電性部材の作成>基体2の表
面を2−ブタノンにて洗浄後、最外層用塗料2を用いて
浸漬塗工を行なった。塗工条件は、引き上げ速度50m
m/sec.で上下を反転させ繰り返し塗工を行った。
塗工後、23℃/65%RHの雰囲気中で8時間風乾
し、更に160℃の熱風乾燥炉で30分間加熱して最外
層を形成した後、その表面に窒化ほう素を少量塗り付
け、均一に付着させ導電性部材No.2を作成した。な
おこの時、表面への窒化ほう素の付着量を測定したとこ
ろ0.4mg/cm2であった。なお、導電性部材No.
2の断面構成を図2−(b)に示す。
【0147】<2−4 特性>各特性を表1に示す。
【0148】[導電性部材製造例3] <3−1 基体の作成>シリコーンゴム(ジメチルシロ
キサン単位99.6mol%、メチルビニルシロキサン
単位0.275mol%、メチルフェニルシロキサン単
位0.1mol%、分子鎖両末端がメチルビニルシリル
基0.025mol%で封鎖)100重量部、導電性カ
ーボンブラック17重量部、シリカ8重量部、マイカ4
重量部、ジメチルシリコーンオイル20重量部、DOP
5重量部、ステアリン酸亜鉛0.5重量部及びポリエチ
レングリコール1重量部を十分混練し一晩熟成後、発泡
剤(AIBN)7質量部、架橋剤(ベンゾイルパーオキ
サイド)3質量部を添加、良く混合混練し、導電性ゴム
コンパウンド3を得た。
【0149】導電性ゴムコンパウンド3を押出し機を用
いて、本実施例で使用する導電性部材の外径より一回り
小さい外径を有するチューブ状に押出し、370mmの
長さにカットしてゴムチューブ3とする。また、予め導
電性接着剤を塗布した、長さ450mm、直径9mm
(両端50mmは直径6mm)のステンレス製芯金を導
電性支持体とし、その周囲にゴムチューブ3を被覆し、
発泡後の表面性均一化のために、ゴムチューブ3の表面
全面にマイカを少量均一に塗布しておく。この状態で、
所定の内径寸法を有する円筒状の金型に挿入、170℃
の雰囲気中に60分間放置して架橋及び発泡を行ったの
ち金型から取り出して、所定のゴム長になるように両端
部をカットして、発泡径が70μm、発泡体の肉厚が
3.5mm、外径16mm、ゴム長350mmの表面に
スキン層を有するスポンジタイプの導電性ゴムローラ3
を作成し、これを基体3とした。
【0150】<3−2 最外層用塗料の作成>ナイロン
6/66/11/12共重合体(伸び350%、Tg=
50℃)のメタノール溶液に更にメタノールを加えて固
形分を8重量%に調整し、固形分100重量部に対し
て、表面処理した導電性カーボンブラック3重量部、カ
ーボンマイクロビーズ(平均粒径10μm、比表面積
1.5m2 /g以下、嵩比重0.80〜0.90、真比
重1.35〜1.40、粉体抵抗値8.0×10-1Ωc
m)10重量部を添加して、メディアを用いてペイント
シェーカーで12時間分散後、メディアを分離して最外
層用塗料3を作成した。
【0151】<3−3 導電性部材の作成>基体3の表
面を2−ブタノンにて洗浄後、最外層用塗料3を用いて
浸漬塗工を行なった。塗工条件は、引き上げ速度45m
m/sec.で上下を反転させ繰り返し塗工を行った。
塗工後、23℃/65%RHの雰囲気中で8時間風乾
し、更に155℃の熱風乾燥炉で30分間加熱して最外
層を形成し、導電性部材No.3を作成した。なお、導
電性部材No.3の断面構成を図2−(c)に示す。
【0152】<3−4 特性>各特性を表1に示す。
【0153】[導電性部材製造例4] <4−1 基体の作成> (1)導電性ゴムローラ4の作成 導電性部材製造例1の導電性ゴムコンパウンド1を使用
した。次に、内面が滑らかな円筒状金型を準備し、その
内面に掘り込みを施し凹部を形成した。予め導電性接着
剤を塗布した、長さ450mm、直径9mm(両端50
mmは直径6mm)のステンレス製芯金を導電性支持体
として上記内面処理した円筒状金型の中心にセットし、
その周囲に導電性ゴムコンパウンド1をインジェクショ
ンによって流し込んだ後、170℃の雰囲気中に60分
間放置することによって加硫成形を行い、導電性支持体
であるステンレス製芯金の周囲に弾性を有する層として
ソリッドゴムが形成された導電性ゴムローラ4を作成し
た。導電性ゴムローラ4の表面及び断面は図2−(d)に
示すような2種類の凸部を全面に有する。なお、肉厚は
3.5mm(凸部以外の部分)、外径は16mm、ゴム
長は350mmである。
【0154】(2)被覆層用塗料4の作成 水素を付加したNBR(結合アクリロニトリル量37
%、ヨウ素価14)90質量部、液状NBR(結合アク
リロニトリル量32%)10質量部、導電性カーボンブ
ラック3質量部、シリカ1質量部、ハードクレー1質量
部、酸化亜鉛5質量部、ステアリン酸1質量部、硫黄
0.4重量部、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジ
ルスルフェンアミド2.0重量部、ジエチルジチオカル
バミン酸亜鉛1.8重量部及びテトラブチルチウラム・
ジスルフィド1.8重量部を添加、オープンロールにて
混練し、導電性ゴムコンパウンド4を得た後、ゴム分が
3重量%となるように、トルエン/MIBK=7/3の
混合溶剤に溶解し、塗料Aを作成した。
【0155】次に、アクリル変成ポリウレタン塗料(固
形分45重量%、溶剤はトルエン/MIBK=7/3、
OH価27、酸価5以上、Tg98℃)をトルエン/M
IBK=7/3の混合溶剤にて固形分を10重量%に調
整後、固形分100重量部に対して導電性カーボンブラ
ックを7重量部を添加し、メディアとともにペイントシ
ェーカーにて12時間分散した。その後、メディアを分
離し、NCO/OH=1/1になるようにジフェニルメ
タンジイソシアネート(MDI)を添加しよく混合し、
塗料Bを作成した。更に、塗料Aと塗料Bの固形分が
1:1になるように混合後、混合した塗料の固形分10
0重量部に対して700ppmの割合の過塩素酸リチウ
ムを添加したのち十分攪拌混合し、被覆層用塗料4を作
成した。
【0156】(3)基体4の作成 導電性ゴムローラ4の表面を2−ブタノンにて洗浄後、
シランカップリング剤を塗布、風乾後、被覆層用塗料4
を用いて浸漬塗工を行なった。塗工条件は、引き上げ速
度60mm/sec.で上下を反転させ繰り返し塗工を
行った。塗工後、23℃/65%RHの雰囲気中で8時
間風乾し、更に160℃の熱風乾燥炉で30分間加熱し
て被覆層を形成し、基体4を作成した。
【0157】<4−2 最外層用塗料の作成>ビニルブ
チラール−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体(T
g=90℃)のエタノール溶液に混合アルコール(メタ
ノール/エタノール=1/1)を添加し、固形分を5重
量%に調整したのち、HMDIを6重量部添加して最外
層塗料4を作成した。
【0158】<4−3 導電性部材の作成>基体4の表
面を2−ブタノンにて洗浄後、最外層用塗料4を用いて
浸漬塗工を行なった。塗工条件は、引き上げ速度50m
m/sec.で上下を反転させ繰り返し塗工を行った。
塗工後、23℃/65%RHの雰囲気中で8時間風乾
し、更に160℃の熱風乾燥炉で30分間加熱して最外
層を形成し、導電性部材No.4を作成した。なお、導
電性部材No.4の断面構成を図2−(d)に示す。
【0159】<4−4 特性>特性を表1に示す。
【0160】[導電性部材製造例5] <5−1 基体の作成> (1)導電性ゴムローラ5の作成 シリコーンゴム(ジメチルシロキサン単位99.7mo
l%、メチルビニルシロキサン単位0.275mol
%、分子鎖両末端がメチルビニルシリル基0.025m
ol%で封鎖)100重量部、導電性カーボンブラック
15重量部、シリカ5重量部、マイカ5重量部、石英粉
5重量部、ジメチルシリコーンオイル10重量部、ステ
アリン酸亜鉛0.5重量部及びポリエチレングリコール
1重量部を熱したオープンロールで混練し、バッチAを
得た。
【0161】次に、アクリルゴム(エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート及びメトキシエチルアクリレー
トの共重合体で架橋コモノマーはENB、ML
1+4(100℃)=40)100重量部、導電性カーボンブラ
ック3重量部、SRFカーボンブラック3重量部及びス
テアリン酸亜鉛1重量部を冷却したオープンロールを用
いて混練後、その状態のままオープンロールを徐々に加
熱した。十分加熱してから前記シリコーンバッチを徐々
に添加し均一に混合するまで十分混練しバッチBを得
た。
【0162】更には、バッチBが100重量部に対し、
導電性カーボンブラック8重量部及びジメチルシリコー
ンオイル10重量部を添加、十分混練してからオープン
ロールからはずし常温にて冷却し、バッチCとした。
【0163】これを一晩熟成後、バッチC100重量部
に対し、架橋剤(ジクミルパーオキサイド)5重量部を
添加、よく混合混練し、導電性ゴムコンパウンド5を得
た。この導電性ゴムコンパウンド5を用い180℃の雰
囲気中に60分間放置したこと以外は導電性部材製造例
1と同様にして導電性ゴムローラ5を作成した。
【0164】(2)微粒子5の作成 ノボラック型のフェノール樹脂100質量部及び導電性
カーボンブラック10質量部を溶融混合後、ヘキサメチ
レンテトラミンを適宜添加して加熱硬化させた。これを
粉砕、分級し、平均粒径14μm(10μmと20μm
にピークを持つ)、粉体抵抗値9.0×105Ωcmの
導電性フェノール樹脂からなる微粒子5を得た。
【0165】(3)被覆層用塗料5の作成 反応容器にε−カプロラクタム、水、安息香酸及びε−
アミノカプロン酸をとり、窒素気流中で240℃に6時
間保ち、6−ナイロンを合成した。得られた6−ナイロ
ンをぎ酸に溶解し、りん酸触媒下でホルムアルデヒド及
びメタノールを添加した。1日放置後、水/アセトンの
混合溶媒中に注ぎ、アンモニアで中和してポリマーの沈
殿物を得た。この沈殿物を熱水洗浄後に乾燥し、メトキ
シメチル化度30%のメトキシメチル化ナイロンを合成
した。得られたメトキシメチル化ナイロンを蒸留したメ
タノールとアセトンの混合溶媒(混合重量比1:1)中
に浸漬し、40℃で12時間放置後、ゲル分等の不溶物
をろ過除去し、ろ液の溶媒をエヴァポレーターで揮発し
た後、十分熱乾燥してメトキシメチル化度30%のメト
キシメチル化ナイロン精製物を得た。
【0166】得られたメトキシメチル化ナイロン精製物
を固形分が8重量%の濃度になるようメタノールに溶解
したのち、水を添加して固形分を6重量%に調整し、固
形分100重量部に対して導電性カーボンブラックを8
重量部と微粒子5を10重量部を添加し、メディアとと
もにペイントシェーカーにて12時間分散した。その
後、メディアを分離し、固形分(樹脂分)100重量部
に対して2重量%に相当する無水クエン酸を添加して被
覆層用塗料5を作成した。
【0167】(4)基体5の作成 導電性ゴムローラ5の表面を2−ブタノンにて洗浄し、
被覆層用塗料5を用いて浸漬塗工を行なった。塗工条件
は、引き上げ速度60mm/sec.で上下を反転させ
繰り返し塗工を行った。塗工後、23℃/65%RHの
雰囲気中で8時間風乾し、更に150℃の熱風乾燥炉で
30分間加熱して被覆層を形成し、基体5を作成した。
【0168】<5−2 最外層用塗料の作成>被覆層用
塗料5で使用したメトキシメチル化ナイロン精製物を固
形分が8重量%の濃度になるようメタノールに溶解した
のち、水を添加して固形分を6重量%に調整して最外層
用塗料5を作成した。
【0169】<5−3 導電性部材の作成>基体5の表
面を2−ブタノンにて洗浄後、最外層用塗料2を用いて
浸漬塗工を行なった。塗工条件は、引き上げ速度60m
m/sec.で上下を反転させ繰り返し塗工を行った。
塗工後、23℃/65%RHの雰囲気中で8時間風乾
し、更に150℃の熱風乾燥炉で30分間加熱して最外
層を形成して導電性部材No.5を作成した。なお、導
電性部材No.5の断面構成を図2−(e)に示す。
【0170】<5−4 特性>各特性を表1に示す。
【0171】[導電性部材製造例6] <6−1 基体の作成> (1)導電性ゴムローラ6の作成 フッ素ゴム(1,1−ジフロロエチレンと6フッ化プロ
ピレンと4フッ化エチレンの共重合体、ML
1+10(100℃)=60)100質量部、導電性カーボンブラ
ック10質量部、シリカ1質量部、ステアリン酸スズ1
質量部及びジエチレングリコール3質量部、石英を電気
及びガス法で1900℃で完全に溶融して石英ガラス化
した無定形高純度溶融石英ガラスフィラー(以下石英ガ
ラス;白色、真比重2.21、新モース硬度7、屈折率
1.459)0.5質量部、高活性酸化マグネシウム4
質量部、水酸化カルシウム7質量部及び発泡剤(AIB
N)8質量部、を十分冷却したオープンロールで混練し
フッ素ゴムの導電性ゴムコンパウンド6を得た。
【0172】次に、単軸押出し機を用いて、導電性ゴム
コンパウンド6を本実施例で使用する導電性部材の外径
より一回り小さい外径を有するチューブ状に押出しなが
ら予め導電性接着剤を塗布した、長さ450mm、直径
9mm(両端50mmは直径6mm)のステンレス製芯
金からなる導電性支持体の周囲に被覆する。被覆したゴ
ムの面長を所定の寸法に合わせた後、所定の内径寸法を
有する円筒状の金型に挿入、加熱して基層を形成し、発
泡径が50μm、発泡体の肉厚が3.5mm、外径16
mm、ゴム長350mmの表面にスキン層を有するスポ
ンジタイプの導電性ゴムローラ6を作成した。
【0173】(2)被覆層の作成 スチレンブタジエンエラストマー(以下SBS、比重
0.94、MFR10g/10min.、ショアA硬度
61゜、300%モジュラス1.2MPa、引張り強度
1.7MPa、伸び600%、スチレン含有量31重量
%)100重量部、導電性カーボンブラック15重量
部、導電性酸化チタン10重量部、ステアリン酸亜鉛5
質量部、加工助剤(低密度ポリエチレンに非イオン系界
面活性剤7重量%添加)2重量部及びマイカ1質量部を
加圧式ニーダ中で180℃、30分間溶融混練し、冷却
粉砕後、短軸押出機を用いて、内径が15mm、肉厚が
200μmのシームレスチューブを成形した。このシー
ムレスチューブを長さ360mmに切断したのち以下の
方法でシームレスチューブ表面の粗面化処理を行った。
【0174】まず、切断したシームレスチューブの内側
にエアを吹き込み、内径を15.1mmに広げながら、
外径15.0mmのポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)の丸棒を挿入する。PTFEの丸棒を挿入したシ
ームレスチューブを円周方向に回転させながら、180
℃に加熱した回転するステンレスローラに押し付けた。
ステンレスローラ表面には凹凸が形成されており、シー
ムレスチューブ表面にその模様が転写され、ステンレス
ローラ上の凹部にほぼ対応して凸部が形成された。冷却
後、PTFE丸棒を引き抜き、シームレスチューブ6と
した。
【0175】(3)基体6の作成 シームレスチューブ6の内側にエアを吹き込み、内径を
16.4mmに広げた後、導電性ローラ6を挿入、かん
合して、表面に(凹)凸部を有する基体6を作成した。
【0176】<6−2 最外層用塗料の作成>シームレ
スチューブ6に用いたSBSをトルエンに溶解し固形分
5%に調整した。固形分100重量部に対し、グラファ
イト6重量部を添加しペイントシェーカーにてメディア
分散を12時間行なった後、ろ過しメディアを分離し
た。ろ液中の固形分100重量部に対して、ジクミルパ
ーオキサイド1重量部及びトリアリルイソシアヌレート
(TAIC)2重量部を添加、混合分散を行なって、最
外層用塗料6を作成した。
【0177】<6−3 導電性部材の作成>基体6の表
面を2−ブタノンにて洗浄後、最外層用塗料6を用いて
浸漬塗工を行なった。塗工条件は、引き上げ速度50m
m/sec.で上下を反転させ繰り返し塗工を行った。
塗工後、23℃/65%RHの雰囲気中で8時間風乾
し、更に表面に10Mradのγ線を表面均一に照射し
て架橋することによって最外層を形成して導電性部材N
o.6を作成した。なお、導電性部材No.6の断面構成
を図2−(f)に示す。
【0178】<6−4 特性>各特性を表1に示す。
【0179】[導電性部材製造例7] <7−1 基体の作成> (1)導電性ゴムローラ7の作成 SBR(結合スチレン量23.5%、ML1+4(100℃)
35)100重量部、導電性カーボンブラック13重量
部、シリカ4重量部、DOP30重量部、ステアリン酸
1重量部及び酸化亜鉛5重量部を十分混練し導電性ゴム
バッチを得た。これを一晩熟成後、加硫剤として硫黄
1.3質量部、加硫促進剤としてN−シクロヘキシル−
2−ベンゾチアジルスルフェンアミド1.5質量部、ジ
エチルジチオカルバミン酸亜鉛1.5質量部及びテトラ
ブチルチウラム・ジスルフィド1質量部を添加、混練
し、導電性ゴムコンパウンド7を得た。導電性ゴムコン
パウンド7を用いたこと以外は導電性部材製造例1と同
様にして導電性ゴムローラ7を作成した。
【0180】(2)微粒子7の準備 球状のシリコーンゴム弾性体(平均粒径10μm、粒径
分布5〜20μm、真比重0.97、嵩比重0.18、
水分0.5%以下)を準備し、これを微粒子7とした。
【0181】(3)被覆層用塗料7の作成 アジピン酸エステルを主成分としてなるポリエステルポ
リオール(OH価35、酸価9未満、固形分70%)の
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(PMA)溶液を固形分10%にPMAで調整し、固形
分100重量部に対し、導電性カーボンブラックを7重
量部を添加してサンドミルを用いて10時間分散した
後、NCO/OH=1/1になるようにジフェニルメタ
ンジイソシアネート(MDI)を添加しよく混合して被
覆層用塗料7を作成した。
【0182】(4)基体7の作成 導電性ゴムローラ7の表面を2−ブタノンを用いてよく
洗浄した後、被覆層用塗料7を用いて浸漬塗工、風乾工
程まで実施し表面が生乾きの状態とした。これを回転保
持し、空気流中に投入した微粒子7を3kg/cm2
空気流とともにその表面に吹き付け付着(一部めりこん
だ状態)させた後、150℃の熱風燥炉で30分間加熱
を行ってウレタン層を形成するとともに、その表面に微
粒子が付着した基体7を作成した。
【0183】<7−2 最外層用塗料の作成>最外層用
塗料5にγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
を樹脂分100重量部に対して0.5重量部添加して最
外層用塗料7とした。
【0184】<7−3 導電性部材の作成>基体7の表
面を2−ブタノンにて洗浄後、最外層用塗料7を用いて
浸漬塗工を行なった。塗工条件は、引き上げ速度60m
m/sec.で上下を反転させ繰り返し塗工を行った。
塗工後、23℃/65%RHの雰囲気中で8時間風乾
し、更に150℃の熱風乾燥炉で30分間加熱して最外
層を形成して導電性部材No.7を作成した。なお、導
電性部材No.7の断面構成を図2−(g)に示す。
【0185】<7−4 特性>各特性を表1に示す。
【0186】[導電性部材製造例8] <8−1 基体の作成> (1)導電性ゴムローラ8の作成 EPDM(プロピレン含量43質量%、第3成分エチリ
デンノルボルネン、ヨウ素価26、ML1+4(100℃)=4
5)100質量部、導電性カーボンブラック14質量
部、シリカ3質量部、パラフィンオイル90質量部、ス
テアリン酸1質量部、酸化亜鉛5質量部及びジエチレン
グリコール3質量部を十分冷却したニーダで混練し導電
性EPDMゴムバッチを得た。これを一晩熟成後、加硫
剤として硫黄1.5質量部、加硫促進剤としてN−シク
ロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド1.
3質量部、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛0.7質量
部及びテトラブチルチウラムジスルフィド1.3質量
部、発泡剤としてアゾジカルボンアミド5質量部及び
p,p′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド)5質量部を添加、混練し、導電性ゴムコンパウンド
5を得た。
【0187】この導電性ゴムコンパウンド5を押し出し
機を用いて、内径9mm、外径15.5mmのチューブ
状に押し出し、圧力6kg/cm2で1時間の条件で水
蒸気加硫にて一次加硫を行い発泡体チューブを得た。加
硫、発泡の均一化を図るために、この発泡体チューブを
更に130℃で40分間二次加硫を行ったのち、予め導
電性接着剤を塗布した長さ450mm、直径9mm(両
端50mmは直径6mm)のステンレス製芯金に被覆し
て130℃で30分間加熱し接着させる。十分冷却後、
外径を研磨し、発泡径が約80μm、発泡体の肉厚が
3.5mm、外径16mm、ゴム長350mmの、発泡
面が表面に現れたスポンジタイプの導電性ローラ8を作
成した。
【0188】(2)被覆層用塗料8の作成 被覆層用塗料7の樹脂分100重量部に対し、アゾジカ
ルボンアミド1質量部及びp,p′−オキシビス(ベン
ゼンスルホニルヒドラジド)1質量部をよく分散して被
覆層用塗料8を作成した。
【0189】(3)基体8の作成 導電性ゴムローラ8の表面を2−ブタノンを用いてよく
洗浄した後、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル
トリメトキシシランを塗布して表面処理を行ってから、
被覆層用塗料8を用いて浸漬塗工を行った後、直ちに1
50℃の熱風乾燥炉で30分間加熱したところ、溶剤の
揮発と発泡剤の分解及びスポンジ内の空気の膨張等によ
り表面が発泡した状態のウレタン層からなる基体8を作
成した。
【0190】<8−2 最外層用塗料の作成>ソフトセ
グメントとして末端にメタクリル酸グリシジルを有する
アクリル樹脂(メタクリル酸メチル40重量部、アクリ
ル酸n−ブチル30重量部、スチレン20重量部、メタ
クリル酸2−ヒドロキシエチル8重量部及びメタクリル
酸1重量部からなる)と、アジペート系ポリエステルポ
リオール(アジピン酸ネオペンチルグリコールよりなる
ポリエステルポリオール100重量部及びジメチロール
プロピオン酸0.8重量部とからなる)とを反応させて
得られたアクリル複合ポリエステルポリオールと、イソ
ホロンジイソシアネート(EPDI)からなるプレポリ
マーを水中に高速攪拌によって分散させ、その後ヘキサ
メチレンジアミンによって鎖延長とすることで水系アク
リル複合ウレタン塗料を得た。なお、アクリル成分:ウ
レタン成分=5:3とした。
【0191】次に、導電性を調整するために導電性の微
粒子を分散した。導電性の微粒子としてアンチモンドー
プして導電化処理を施した酸化スズ微粒子を使用し、ア
ンモニア水でPH7に調整した水中に分散したスラリー
を使用した。この場合、酸化スズの表面は酸、アルカリ
処理等によって表面処理しゼータ電位等を調整し分散性
を向上させておくことが好ましい。本実施例の場合は、
水系アクリル複合ウレタン塗料の固形分100重量部に
対し、酸化スズが30重量部となるように、上記のスラ
リーの添加量を調整し、更に親水基であるカルボキシル
基との架橋剤としてヘキサメチルメトキシメラミン10
重量部を添加した。分散はスターラで行い、最外層用塗
料8を作成した。
【0192】<8−3 導電性部材の作成>基体8の表
面を2−ブタノンにて洗浄後、最外層用塗料8を用いて
浸漬塗工を行なった。塗工条件は、引き上げ速度60m
m/sec.で上下を反転させ繰り返し塗工を行った。
塗工後、23℃/65%RHの雰囲気中で8時間風乾
し、更に150℃の熱風乾燥炉で30分間加熱して最外
層を形成して導電性部材No.8を作成した。なお、導
電性部材No.8の断面構成を図2−(h)に示す。
【0193】<8−4 特性>各特性を表1に示す。
【0194】[導電性部材製造例9] <9−1 基体の作成> (1)導電性ゴムローラ9の作成 まず、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム(以下CS
M;ML1+4(100℃)=30)100重量部、導電性カー
ボンブラック18重量部、シリカ2重量部、タルク5重
量部、DOP50重量部、ステアリン酸1重量部、酸化
マグネシウム8重量部、ジエチレングリコール2重量
部、ペンタエリスリトール3重量部、ジペンタメチレン
チウラムテトラスルフィド2重量部、アゾジカルボンア
ミド4重量部及びp,p′−オキシビス(ベンゼンスル
ホニルヒドラジド)5重量部を添加、十分冷却したオー
プンロールで混練し、導電性ゴムコンパウンド9を作成
した。
【0195】次に、フッ素エラストマー100重量部、
導電性カーボンブラック10重量部、ステアリン酸亜鉛
1重量部、石英を電気及びガス法で1900℃で完全に
溶融して石英ガラス化した無定形高純度溶融石英ガラス
フィラー1重量部を加圧式ニーダ中で200℃、30分
間溶融混練し、冷却粉砕して導電性エラストマーコンパ
ウンド9を作成した。
【0196】得られた導電性ゴムコンパウンド9と導電
性エラストマーコンパウンド9とをヘッド部分を2つ有
する押出機を用いて2層押し出しを行い350mmの長
さにカットして、外側に導電性エラストマーコンパウン
ド9、内側に導電性ゴムコンパウンド9とからなる2層
シームレスチューブ9を成形した。なお、この2層シー
ムレスチューブ9の外径は16mm、内径は13mm、
導電性エラストマーコンパウンド9の肉厚は150μm
である。
【0197】2層シームレスチユーブ9を導電性部材製
造例3で使用した円筒状の金型に挿入する。この時、マ
イカ、タルク及び炭カル等の粉体を少量表面に塗ってか
ら挿入すれば作業が容易になるので好ましい。次いで、
その中心部に長さ450mm、直径9mm(両端50m
mは直径6mm)のステンレス製芯金をセットし、この
状態で170℃の雰囲気中に60分間放置して架橋及び
発泡を行ったのち金型から取り出し、発泡体の肉厚が
3.35mm、外径16mm、ゴム長350mmの導電
性ゴムローラ9を作成した。なお、断面を切って発泡径
を測定したところ、シームレスチューブに近づくほど発
泡径が小さいことがわかり、その平均径は86μmであ
った。
【0198】(2)微粒子9の作成 ポリエステル樹脂100重量部、低分子量ポリプロピレ
ン6.0重量部及び導電性カーボンブラック5重量部を
乾式混合した後に、160℃に設定した2軸混練押出機
にて混練した。得られた混練物を冷却し、気流式粉砕機
により微粉砕した後に風力分級して平均粒径20μmの
微粒子9を作成した。
【0199】(3)基体9の作成 導電性ゴムローラ9をステンレスの金属ローラに押し付
け回転させる。この状態で金属ローラを加熱し、導電性
ゴムローラ9の表面を165℃に保つ。ここに、空気流
中に投入した微粒子9(予め40℃に加温しておく)を
3kg/cm2の空気流と共にその表面に吹き付け溶融
付着させ、表面に微粒子が付着した基体9を作成した。
【0200】<9−2 最外層用塗料の作成>ポリエー
テルイミドを塩化メチレンに溶解し固形分を5重量%に
なるように調整して最外層用塗料9を作成した。
【0201】<9−3 導電性部材の作成>基体9を専
用の回転装置にセットし400rpmで回転させた。次
いで、エア圧を2kgf/cm2に調整したスプレー塗
工機を用い、最外層用塗料9を吐出口から基体9表面に
吹き付けた。吐出口の移動速度は200mm/mi
n.、吐出口と基体9の距離を50mmとした。その
後、120℃で30分間加熱乾燥して導電性部材9を作
成した。なお、導電性部材No.9の断面構成を図2−
(i)に示す。
【0202】<9−4 特性>各特性を表1に示す。
【0203】[導電性部材製造例10] <10−1 基体の作成> (1)導電性ゴムローラ10の作成 シリコーンゴム(ジメチルシロキサン単位99.7mo
l%、メチルビニルシロキサン単位0.275mol
%、分子鎖両末端がメチルビニルシリル基0.025m
ol%で封鎖)100重量部、導電性カーボンブラック
10重量部、シリカ5重量部、石英粉5重量部、ジメチ
ルシリコーンオイル20重量部、ステアリン酸亜鉛0.
5重量部及びポリエチレングリコール1重量部を熱した
オープンロールで混練してから架橋剤(ジクミルパーオ
キサイド)5重量部を添加、よく混合混練し、導電性ゴ
ムコンパウンド10を得た。
【0204】導電性ゴムコンパウンド10を用いたこと
以外は導電性部材製造例5と同様にして導電性ゴムロー
ラ10を作成した。
【0205】(2)被覆層用塗料10−1の作成 液状の多硫化ゴム(平均分子量4000、架橋率0.5
%、比重1.29)をシクロヘキサンで、固形分を5重
量%に調整した。次いで、固形分100重量部に対し、
導電性カーボンブラック8重量部を添加し、サンドミル
で良く混合したのち、パラキノンジオキシム5重量部を
添加して被覆層用塗料10−1を作成した。
【0206】(3)被覆層用塗料10−2の作成 被覆層用塗料5に用いた球状のシリコーンゴム弾性体
(平均粒径10μm、粒径分布5〜20μm、真比重
0.97、嵩比重0.18、水分0.5%以下)の代わ
りに、最外層用塗料3で用いたカーボンマイクロビーズ
(平均粒径10μm、比表面積1.5m2/g以下、嵩
比重0.80〜0.90、真比重1.35〜1.40、
粉体抵抗値8.0×10-1Ωcm)を使用したこと以外
は導電性部材製造例5と同様にして被覆層用塗料10−
2を作成した。
【0207】(4)基体10の作成 導電性ゴムローラ10の表面を2−ブタノンにて洗浄し
てから、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
にてカップリング処理を行った後、まず、被覆層用塗料
10−1を用いて浸漬塗工を行なった。塗工条件は、引
き上げ速度100mm/sec.で1回塗工後、23℃
/65%RHの雰囲気中で8時間風乾し、更に100℃
の熱風乾燥炉で15分間乾燥した。次いで、被覆層用塗
料10−2を用いて浸漬塗工を行なった。塗工条件は、
引き上げ速度50mm/sec.で上下を反転させ繰り
返し塗工を行った。塗工後、23℃/65%RHの雰囲
気中で8時間風乾し、更に150℃の熱風乾燥炉で30
分間加熱して被覆層を形成して基体10を作成した。
【0208】<10−2 最外層用塗料の作成>固形分
が5重量%となるように調整したこと以外は導電性部材
製造例5と同様にして最外層用塗料10を作成した。
【0209】<10−3 導電性部材の作成>基体10
の表面を2−ブタノンにて洗浄後、最外層用塗料10を
用いて浸漬塗工を行なった。塗工条件は、引き上げ速度
60mm/sec.で上下を反転させ繰り返し塗工を行
った。塗工後、23℃/65%RHの雰囲気中で8時間
風乾し、更に150℃の熱風乾燥炉で30分間加熱して
最外層を形成して導電性部材No.10を作成した。な
お、導電性部材No.10の断面構成を図2−(j)に示
す。
【0210】<10−4 特性>各特性を表1に示す。
【0211】[導電性部材製造例11]微粒子5を使用
しなかったこと以外は導電性部材製造例5と同様にし
て、導電性部材No.500を作成した。
【0212】[導電性部材製造例12]粗面化処理を行
わなかったこと以外は導電性部材製造例6と同様にし
て、導電性部材No.600を作成した。
【0213】
【表1】
【0214】
【表2】 *A:印加電圧依存性及び時間依存性は、3環境中、最
も大きな値を示す。 *B:周方向、長さ方向のうち大きな値を示す。
【表3】
【0215】
【表4】 特に記載なき場合、測定環境は23℃/65%RHで実
施した。
【0216】次に、これらの部材、装置を用いた実施例
及び比較例にて、本発明を説明する。
【0217】(実施例1)表2に示す組み合わせで、1
0000枚まで耐久を行ない、初期から2000枚毎に
画像の状態をチェックした。
【0218】耐久の条件は、評価モードが、3%文字原
稿、A4横送り、連続通紙とし、23℃/65%RHの
環境で実施したところ、初期から10000枚まで良好
な画像が得られることがわかった。
【0219】なお、本実施例においては導電性部材が感
光体と直接接触している部分の面積を次のように求め
た。まず、感光体表面に紙を巻きつける。紙は厚さが1
00μm以下であればよいが薄いほど好ましく、本実施
例ではトレーシングペーバーを使用した。次に、導電性
部材表面にインクを薄く均一に塗る。インクは導電性部
材表面を膨潤したり、溶解したりしないことが必要で、
本実施例では朱肉を使用した。これらを注意深くプロセ
スカートリッジに組みつけ電子写真装置にセットして1
0分間放置し、ニップ部において導電性部材表面の朱肉
がトレーシングペーパーに転写するようにしたのち、分
解しトレーシングペーパーを取り出す。トレーシングペ
ーパー表面の状態をコンピューターに取り込み、画像処
理を行い、ニップ部内において直接接触している部分の
面積(色が転写した部分)を求め、ニップ部面積に対し
て、その占める割合を計算する。この様にして求めたと
ころ、本実施例では94%であった。これらの結果を表
2に示す。
【0220】(実施例2〜11)表2に示すような組み
合わせで、実施例1と同様にして評価を行なった。結果
を表2に示す。
【0221】(比較例1)表2に示すような組み合わせ
で、実施例1と同様にして評価を行なった。6000枚
を過ぎたところで周期性のある濃度ムラが発生し、10
000枚で顕著になった。周期性を調査したところ、帯
電ローラピッチの濃度ムラとドラムギアピッチの濃度ム
ラとが混在していることが分かり、本比較例においては
ドラムギア起因のバンディングが発生していることが分
かった。結果を表2に示す。
【0222】(比較例2)表2に示すような組み合わせ
で、実施例1と同様にして評価を行なった。4000枚
を過ぎたところで周期性のある濃度ムラが発生し、80
00枚で顕著になった。周期性を調査したところ、帯電
ローラピッチの濃度ムラ、ドラムギアピッチの濃度ムラ
及び低周期ピッチの濃度ムラの3種類が混在しているこ
とが分かり、本比較例ではドラムギア起因のバンディン
グとそれ以外の要因に起因するバンディングとが発生し
ていることが分かった。結果を表2に示す。
【0223】
【表5】
【0224】(実施例12)表3に示すような組み合わ
せで、実施例1と同様にして評価を行なった。本実施例
においては、クリーナレスシステムの電子写真装置を使
用している。結果を表3に示す。
【0225】(実施例13)表3に示すような組み合わ
せで、実施例1と同様にして評価を行なった。本実施例
においては、導電性部材に印加する電圧として直流電圧
に交流電圧を重畳した電圧を使用している。結果を表3
に示す。
【0226】(実施例14)表3に示すような組み合わ
せで、実施例1と同様にして評価を行なった。本実施例
においては、感光体の一次帯電用途に使用した導電性部
材表面に付着した異物を除去するための部材を具備した
電子写真装置を使用している。結果を表3に示す。
【0227】(実施例15)表3に示すような組み合わ
せで、実施例1と同様にして評価を行なった。本実施例
においては、導電性部材を現像用途に使用している。結
果を表3に示す。
【0228】(実施例16)表3に示すような組み合わ
せで、実施例1と同様にして評価を行なった。本実施例
においては、実施例5で使用した導電性部材を清掃後再
度使用しており、リサイクルに非常に適した導電性部材
であることがわかった。なお、清掃は、表面に付着した
異物等を除去するために2kgf/cm2のドライエア
ーを吹き付けた後乾いたウェスで注意深く導電性部材表
面を拭いて実施した。結果を表3に示す。
【0229】
【表6】
【0230】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、バンデ
ィング等の画像不良が発生しない、優れた導電特性を長
期にわたって有する導電性部材、それを用いたプロセス
カートリッジ及び電子写真装置を提供することができ
る。
【0231】また、本発明は特に高画質(600dpi
以上の解像度)を有する電子写真装置や高速の電子写真
装置(160mm/sec.以上のプロセススピード)
や高耐久性(10000枚)の電子写真装置等、種々の
高機能化が要求される電子写真装置においても特に好適
に用いることができる。
【0232】更には、導電性部材表面への異物付着が発
生し易いカラー機やクリーナレスシステムの電子写真装
置にも良好に使用することができる。
【0233】加えて、本発明の導電性部材は非常にリサ
イクル性が優れているので、簡便な清掃方法で、繰り返
し使用可能な導電性部材を供給することができるという
優れた利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性部材の一例を示す断面図(周方
向)である。
【図2】本発明の導電性部材の表面付近の断面の拡大図
である。
【図3】本発明の導電性部材の摩擦係数測定器の一例で
ある。
【図4】摩擦係数測定器を用いて測定した時のチャート
の一例である。
【図5】本発明の導電性部材の摩擦係数測定器の別の一
例である。
【図6】本発明の導電性部材の体積抵抗値測定器の概略
図である。
【図7】体積抵抗値の測定結果の一例である。
【図8】本発明の導電性部材の長手方向における体積抵
抗値測定器の概略図である。
【図9】導電性部材の長手方向における体積抵抗値の測
定結果の一例である。
【図10】粉体の体積抵抗値測定器の概略図である。
【図11】本発明の導電性部材の誘電特性の測定結果の
一例である。
【図12】本発明の導電性部材のその他の構成を示す例
である。
【図13】本発明の実施例に用いた電子写真装置の一例
を示す概略図である。
【図14】本発明の実施例に用いた電子写真装置の別の
一例を示す概略図である。
【図15】本発明の実施例に用いた電子写真装置の別の
一例を示す概略図である。
【図16】本発明の実施例に用いた電子写真装置の別の
一例を示す概略図である。
【図17】本発明の実施例に用いた電子写真装置の別の
一例を示す概略図である。
【図18】本発明の導電性部材を用いた電子写真装置の
別の一例を示す概略図である。ここでは本発明の導電性
部材を帯電用途、現像用途及び転写用途のいずれにも使
用している。
【図19】本発明の導電性部材を用いた電子写真装置の
別の一例を示す概略図である。ここでは本発明の導電性
部材はブレード形状である。
【図20】本発明の導電性部材を用いた電子写真装置の
別の一例を示す概略図である。ここでは本発明の導電性
部材はベルト形状である。
【図21】本発明の導電性部材を用いた電子写真装置の
別の一例を示す概略図である。ここでは本発明の導電性
部材と感光体の相対移動方向がカウンター方向である。
【図22】本発明の導電性部材を用いた電子写真装置の
別の一例を示す概略図である。ここでは本発明の導電性
部材と感光体は非接触である。
【図23】本発明の導電性部材における、凸部の最大値
(H)、凸部の最大高さ(T)及び凸部の最大高さを含
まない最外層の厚さ(A)を示す概略図である。
【図24】本発明の導電性部材の体積抵抗率の印加電圧
依存性を示す例である。
【図25】本発明の導電性部材の電流値の時間依存性を
示す例である。
【図26】本発明の導電性部材を感光体帯電用途に用い
た場合の導電性部材への印加バイアス(直流電圧と交流
電圧の重畳系)と感光体表面電位の関係の一例を示すグ
ラフである。
【図27】本発明の導電性部材を感光体帯電用途に用い
た場合の、導電性部材への印加バイアス(直流電圧)と
感光体表面電位の関係の別の例を示すグラフである。 (A):放電を伴わない場合の典型的なパターンの一例 (B):放電を伴なう場合の典型的なパターンの一例
【図28】本発明の導電性部材の摩擦係数(ここでは荷
重)の時間的変化を示す数例である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体 2 帯電器 2a 支持体 2b 弾性を有する層 2c 被覆層 2h 微粒子 2z 最外層 2A 基体 3 像露光 4 現像器 5 転写材 6 転写装置 7 定着装置 8 クリーニング装置 9 導電性部材清掃部材 600 金属ドラム 601 電源 602 電流計 W 荷重 N 有効長さ 800 電極 801 電源 802 電流計 1000 測定セル 1001,1002 電極 1003 ガイドリング 1004 電流計 1005 電圧計 1006 定電圧装置 1007 測定サンプル 1008 絶縁物 VD 感光体表面電位 VDC 導電性部材に印加した直流電圧 Vpp 導電性部材に印加した交流のピーク間電圧 f 導電性部材に印加した交流の周波数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H003 BB11 BB13 BB16 CC05 EE12 2H032 AA05 2H077 AA02 AD06 AD35 FA01 FA12 FA22 FA25 4F071 AA14 AA22 AA26 AA28 AA29 AA30 AA33 AA37 AA42 AA53 AA54 AA60 AA67 AA71 AB03 AB18 AB21 AB23 AB26 AB27 AC12 AD02 AE11 AH16 EA01

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静摩擦係数をμSとし、動摩擦係数をμ
    Dとした時に、μS≦1.0、μD≦0.5であり、か
    つ、1≦μS/μDであって、動摩擦係数の最大値をμ
    max、最小値をμDminとした時に、1≦μDmax/μ
    min≦2であることを特徴とする導電性部材。
  2. 【請求項2】 少なくとも、基体と高分子化合物を主体
    としてなる最外層とを有する請求項1に記載の導電性部
    材。
  3. 【請求項3】 前記基体が、導電性支持体と弾性を有す
    る層とを有する請求項1又は2に記載の導電性部材。
  4. 【請求項4】 弾性を有する層の反発弾性率が30%以
    上である請求項1〜3のいずれかに記載の導電性部材。
  5. 【請求項5】 弾性を有する層の損失係数(力学的なt
    anδのことで、以下tanδT)が0.4未満である
    請求項1〜4のいずれかに記載の導電性部材。
  6. 【請求項6】 前記最外層が、ポリアミド系高分子化合
    物、フッ素系高分子化合物、イミド系高分子化合物、ウ
    レタン系高分子化合物、ビニル系高分子化合物、スチレ
    ン系高分子化合物、シリコーン系高分子化合物、オレフ
    ィン系高分子化合物及びエポキシ系高分子化合物から選
    ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜5のいずれ
    かに記載の導電性部材。
  7. 【請求項7】 導電性部材の体積抵抗値(ρc)が1×
    103Ωcm以上1×1012Ωcm以下である請求項1
    〜6のいずれかに記載の導電性部材。
  8. 【請求項8】 前記最外層の表面に複数の凸部を有する
    請求項1〜7のいずれかに記載の導電性部材。
  9. 【請求項9】 前記最外層に微粒子を包含させることに
    よってその表面に凸部が形成された請求項8に記載の導
    電性部材。
  10. 【請求項10】 前記微粒子の粉体抵抗値(ρh)が1
    ×1015Ωcm以下である請求項9に記載の導電性部
    材。
  11. 【請求項11】 ρh/ρc≦1×106である請求項
    9又は10に記載の導電性部材。
  12. 【請求項12】 導電性部材表面の任意の凸部におい
    て、該凸部の最大幅をH(μm)、該凸部の最大高さを
    T(μm)とした時に、0.02≦T/H≦1である請
    求項8〜11のいずれかに記載の導電性部材。
  13. 【請求項13】 導電性部材表面の任意の凸部におい
    て、該凸部の最大高さをT(μm)、該凸部の最大高さ
    を含まない最外層の厚さをA(μm)とした時に、T/
    A≦2である請求項8〜12のいずれかに記載の導電性
    部材。
  14. 【請求項14】 導電性部材最外層表面の凸部が、基体
    自体の凸部によって形成される請求項8〜13のいずれ
    かに記載の導電性部材。
  15. 【請求項15】 前記基体の弾性を有する層の表面に被
    覆層を形成したことを特徴とする請求項14に記載の導
    電性部材。
  16. 【請求項16】 前記導電性部材表面の凸部が、最外層
    によって形成される請求項8〜15のいずれかに記載の
    導電性部材。
  17. 【請求項17】 少なくとも、電圧を印加した帯電部材
    によって電子写真感光体を帯電する帯電手段と、露光に
    よって静電潜像を形成する手段と、この静電潜像をトナ
    ーにて可視化する現像手段と、可視化された静電潜像を
    転写材に転写する転写手段とを有する電子写真装置にお
    いて、帯電手段、現像手段及び転写手段のうち少なくと
    もいずれか一つに請求項1〜16のいずれかに記載の導
    電性部材を用いたことを特徴とする電子写真装置。
  18. 【請求項18】 導電性部材が電子写真感光体と接触す
    る請求項17に記載の電子写真装置。
  19. 【請求項19】 導電性部材が電子写真感光体と接触し
    所定のニップ形状を形成する時、該ニップ部内において
    直接電子写真感光体と接触している部分の面積が、ニッ
    プ部面積に対して50%より大きく95%以下である請
    求項18に記載の電子写真装置。
  20. 【請求項20】 導電性部材上の任意の一点が電子写真
    感光体上の任意の一点に対して相対移動する請求項17
    〜19のいずれかに記載の電子写真装置。
  21. 【請求項21】 導電性部材が移動、回転の一方又は両
    方の動作をするための駆動装置を有する請求項20に記
    載の電子写真装置。
  22. 【請求項22】 前記帯電手段に用いられる帯電部材と
    して請求項1〜16のいずれかに記載の導電性部材を用
    いる請求項17〜21のいずれかに記載の電子写真装
    置。
  23. 【請求項23】 印加する電圧が直流電圧である請求項
    17〜22のいずれかに記載の電子写真装置。
  24. 【請求項24】 帯電部材の表面に付着した異物を除去
    するための装置を有する請求項17〜23のいずれかに
    記載の電子写真装置。
  25. 【請求項25】 電子写真感光体に対向して、転写手段
    の下流側かつ帯電手段の上流側に位置し、帯電手段前の
    電子写真感光体表面の電位を平均化するための部材を有
    する請求項17〜24のいずれかに記載の電子写真装
    置。
  26. 【請求項26】 トナーが略球状である請求項17〜2
    5のいずれかに記載の電子写真装置。
  27. 【請求項27】 トナーが重合法により形成された請求
    項26に記載の電子写真装置。
  28. 【請求項28】 帯電手段、電子写真感光体、現像手段
    及びクリーニング手段の群より選ばれた少なくとも一つ
    を一体に支持し、少なくとも帯電手段に用いられる導電
    性部材として請求項1〜16のいずれかに記載の導電性
    部材を使用した電子写真装置本体に着脱自在であること
    を特徴とするプロセスカートリッジ。
  29. 【請求項29】 前記電子写真装置が請求項17〜27
    のいずれかに記載の電子写真装置である請求項28に記
    載のプロセスカートリッジ。
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