JP2012037875A - 帯電部材およびその製造方法、電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性支持体と、表面層である弾性層とを有する帯電部材であって、該弾性層は電子線の照射により硬化された領域を表面に有しており、該領域は、球状シリカ粒子、球状アルミナ粒子および球状ジルコニア粒子のうちの少なくとも一つの球状粒子を該弾性層の表面に露出した状態で支持し、それにより該表面が粗面化されている帯電部材。
【選択図】図3
Description
そこで本発明の目的は、感光体との間で十分なニップ幅を形成し得るだけの柔軟性を有しつつ、電子写真感光体にクリーニング不良を生じさせにくい帯電部材およびその製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、経時的な帯電性能の低下が少ないことにより、長期に亘って安定して高品位な電子写真画像を形成することのできる電子写真装置の提供にある。
該弾性層は、電子線の照射によって硬化された領域を表面に有しており、
該硬化された領域は、球状粒子を該弾性層の表面に露出した状態で支持し、それにより該表面が粗面化されており、
該球状粒子は、球状シリカ粒子、球状アルミナ粒子および球状ジルコニア粒子からなる群から選ばれる少なくとも一つの球状粒子である帯電部材が提供される。
(1)前記支持体上に、前記球状粒子を含むゴム層を形成する工程と、
(2)該ゴム層の表面を研摩して該球状粒子の一部分を露出させる工程と、
(3)該工程(2)によって得た、該球状粒子の一部分が露出した該ゴム層の表面に電子線を照射することによって、表面を硬化させて前記弾性層を形成する工程と、
を含む帯電部材の製造方法が提供される。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
本発明に係る帯電部材は、導電性の支持体と、表面層である弾性層とを有する。また、前記弾性層の表面は、球状シリカ粒子、球状アルミナ粒子および球状ジルコニア粒子から選ばれる少なくとも一つの球状粒子により粗面化されている。また、前記弾性層は、電子線の照射によって硬化された領域を表面に有しており、球状粒子のうちの少なくとも一部の粒子について、各粒子の一部分が前記弾性層の表面に露出した状態で硬化された領域によって支持されている。
導電性支持体は、導電性を有し、弾性層等を支持可能であって、かつ、帯電ローラとしての強度を維持し得るものであればよい。
弾性層は、ベースポリマーまたはその架橋物と、球状粒子とを含む。ベースポリマーとしては、帯電部材の実使用温度範囲で弾性層にゴム弾性を持たせることのできる材料が用いられる。ベースポリマーとしては、熱可塑性エラストマーおよび熱硬化性ゴムが挙げられる。
また、熱可塑性エラストマーの具体例を以下に挙げる。熱可塑性ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー等。
SF1={(MXLNG)2/AREA}×(π/4)×(100)・・・・(1)
(ただし、MXLNGは粒子の絶対最大長を、AREAは粒子の投影面積を表す)。
・カーボンブラック、グラファイト等の炭素材料;
・酸化チタン、酸化錫等の酸化物;Cu、Ag等の金属;
・酸化物や金属を粒子表面に被覆して導電化した導電粒子等の電子導電剤;
・過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カルシウム等の無機イオン物質;
・ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等の陽イオン性界面活性剤;
・ラウリルベタイン等の両性イオン界面活性剤;
・過塩素酸テトラエチルアンモニウム等の第四級アンモニウム塩;
・有機酸リチウム(トリフルオロメタンスルホン酸リチウム)等の塩等のイオン導電剤。
本発明の帯電部材の製造方法は以下の(工程1)〜(工程3)を有する。
(工程1)導電性の支持体上に、球状シリカ粒子、球状アルミナ粒子および球状ジルコニア粒子から選ばれる少なくとも一つの球状粒子を含むゴム層を形成する工程。
(工程2)該ゴム層の表面を研摩して該球状粒子のうちの少なくとも一部の粒子について、各粒子の一部分を表面に露出させる工程。
(工程3)研摩後のゴム層の表面に電子線を照射して、表面をさらに硬化させる工程。
まず、導電性の支持体上に、球状粒子を含むゴム層を形成する。なお、ゴム層とは、球状粒子を含む混合物(ベースポリマーおよび添加剤等を含むことができる)を所定の形状に成形したものである。以下に具体例を説明する。弾性層を構成するベースポリマーとシリカ、アルミナ、ジルコニアから選ばれる少なくとも1つの球状粒子との混合物を調製する。なお、ベースポリマーが熱可塑性ゴムの場合、当該混合物をゴム組成物と称する。また、ベースポリマーが未加硫の熱硬化性ゴムの場合、当該混合物を未加硫ゴム組成物と称する。
続いて、導電性の支持体の周面をゴム組成物また未加硫ゴム組成物で被覆してローラ形状に成形する。ここで、支持体の周面をゴム組成物で被覆して得たローラを、単にゴムローラと称する。また、支持体の周面を未加硫ゴム組成物で被覆して得たローラを未加硫ゴムローラと称する。
次いで、未加硫ゴムローラについては、架橋操作等を行い固化し、加硫ゴムローラを得る。
(a)ゴム組成物を押出機によりチューブ状に押出成形し、これに芯金を挿入する方法;
(b)ゴム組成物を、クロスヘッドを装着した押出機により、芯金を中心に円筒形に共押出し、所望の外径の成形体を得る方法;
(c)ゴム組成物を射出成形機を使用して、所望の外径の金型内部に注入して成形体を得る方法。
工程(1)によって得られたゴムローラまたは加硫ゴムローラのゴム層表面を研磨処理することによって、ゴム層の表面に球状粒子のうちの少なくとも一部の粒子について、各粒子の一部分を露出させる。球状粒子としては、シリカ、アルミナおよびジルコニアのうちの少なくとも1つを用いる。これらの粒子は一般的に硬いため、砥石などを用いた研摩工程において粒子そのものが研削されにくく、研摩処理後も球状を維持し易く、また、ゴム層表面に存在することができる。ゴムローラ(ゴム層)の表面を研削する方法の例としては、砥石またはローラをローラのスラスト方向に移動して研削するトラバースの研削方式と、ローラを芯金軸の中心に回転させながらローラ長さより幅広の研削砥石を往復させずに切り込むプランジカットの研削方式が挙げられる。プランジカットの円筒研削方式はゴムローラの全幅を一度に研削できる利点があり、トラバースの円筒研削方式より加工時間が短くすることができるため、より好ましい。
最後に、研摩した後のゴム層の表面(ゴムローラ表面)に電子線を照射して、表面の硬化処理を行い、表面に硬化された領域を有する弾性層を形成する。
D = (K・I)/V ・・・・・・ (2)
ここで、Dは線量(kGy)、Kは装置定数、Iは電子電流(mA)、Vは処理スピード(m/min)である。装置定数Kは、装置個々の効率を表す定数であって、装置の性能の指標である。装置定数Kは一定の加速電圧の条件で、電子電流と処理スピードを変えて線量を測定することによって求めることができる。電子線の線量測定は、線量測定用フィルムをローラ表面に貼り付け、これを実際に電子線照射装置で処理し、ローラ表面の測定用フィルムをフィルム線量計により測定することができる。
(弾性層用未加硫ゴム組成物の調製)
下記の表1に示す材料を、6リットル加圧ニーダー(製品名:TD6−15MDX、トーシン社製)を用いて、充填率70vol%、ブレード回転数30rpmで16分間混合してA練りゴム組成物を得た。
直径6mm、長さ244mmの円柱形の導電性芯金(鋼製、表面はニッケルメッキ)の円柱面の軸方向中央部222mmに導電性加硫接着剤(商品名:メタロックU−20;東洋化学研究所製)を塗布し、80℃で30分間乾燥した。次に、上記未加硫ゴム組成物を、クロスヘッドを用いた押出成形装置を用いて、芯金を中心として同軸状に円筒形に成形しつつ、芯金と同時に押し出して、芯金の外周に未加硫ゴム組成物がコーティングされた直径8.8mmの未加硫ゴムローラを作製した。
電子線照射前の加硫ゴム層のMD−1硬度を測定した。測定にはマイクロ硬度計(商品名:MD−1 capa、高分子計器株式会社製)を用いて、温度23℃、相対湿度55%の環境において、ピークホールドモードで測定した。より詳しくは加硫ゴムローラを金属製の板の上に置き、金属製のブロックを置いて加硫ゴムローラが転がらないように簡単に固定し、金属板に対して垂直方向から加硫ゴムローラの中心に正確に、タイプAの測定端子を押し当ててから5秒後の値を読み取る。これを加硫ゴムローラの軸方向のゴム端部から30〜40mmの位置の両端部及び中央部の3箇所、かつそれぞれの周方向に3箇所ずつ、計9箇所を測定し、得られた測定値の平均値を加硫ゴム層のMD−1硬度とした。その結果、加硫ゴム層のMD−1硬度は76°であった。
得られた研摩後の加硫ゴムローラの表面(加硫ゴム層表面)に電子線を照射して硬化処理を行い、弾性層の表面に硬化された領域を有する帯電ローラを得た。電子線の照射には、最大加速電圧150kV・最大電子電流40mAの電子線照射装置(岩崎電気株式会社製)を用い、照射時には窒素ガスパージを行った。処理条件は加速電圧:150kV、電子電流:35mA、処理速度:1m/min、酸素濃度:100ppmであった。この際、電子線照射装置の加速電圧150kVにおける装置定数は37.8であり、式(2)より算出される線量は1323kGyであった。
帯電ローラの表面硬度をユニバーサル硬度計にて測定することにより、硬化処理厚さを測定した。測定には超微小硬度計(商品名:H−100V、Fischer社製)を用いた。また、圧子には四角錘型ダイヤモンドを用いた。押し込み速度は下記式(3)の条件である。
dF/dt = 1000mN/240s ・・・・(3)
上記式(3)において、Fは力、tは時間を表す。
帯電ローラ(弾性層)表面の十点平均粗さRzを測定した。測定は JIS B0601:1982に基づき、表面粗さ測定器(商品名:サーフコーダーSE3400、小坂研究所社製)を用いて行った。測定には、先端半径2μmのダイヤモンド製接触針を用いた。測定スピードは0.5mm/s、カットオフ周波数λcは0.8mm、基準長さは0.8mm、評価長さは8.0mmとした。測定は帯電ローラ1本当たり、軸方向3点×周方向2点の計6点について各々粗さ曲線を測定してRzの値を算出し、それらの6点のRzの平均値を求めて帯電ローラのRzの値とした。その結果、Rzは8.9μmであった。
評価に用いる電子写真装置として、レーザービームプリンター(商品名:LaserJet P1005 ヒューレット・パッカード製、A4紙縦出力用、クリーニング部材として弾性ブレードを使用)を用意した。当該レーザービームプリンター用のプロセスカートリッジに、上記で作製した帯電ローラを組み込み、上記のレーザ−ビームプリンターに装填した。温度23℃、相対湿度50%の環境下で、ベタ画像およびハーフトーン画像(電子写真感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドットの線を間隔2ドットで描く画像)を各々1枚ずつ出力した。これらを各々、初期のベタ画像、および初期のハーフトーン画像と称する。
上記で得られた初期ベタ画像および初期ハーフトーン画像について、目視にて観察し、帯電ムラに起因する濃度ムラの有無を下記の基準で評価した。
A:ベタ画像およびハーフトーン画像のいずれにも帯電ムラに起因する濃度ムラが認められない。
B:ハーフトーン画像にのみ帯電ムラに起因する軽微な濃度ムラが認められる。
C:ハーフトーン画像に帯電ムラが認められ、また、ベタ画像に帯電ムラに起因する軽微な濃度ムラが認められる。
D:ベタ画像およびハーフトーン画像の両方に帯電ムラに起因する明瞭な濃度ムラが認められる。
上記耐久試験において出力した1000枚の画像について、目視にて、感光体のクリーニング不良に起因する画像欠陥の有無およびその程度を観察し、以下の基準にて評価した。
A:クリーニング不良に起因する画像欠陥が発生したプリントが1枚も認められない。
B:クリーニング不良に起因する極軽微な画像欠陥が発生しているプリント枚数が1枚以上、100枚未満。
C:クリーニング不良に起因する明瞭な画像欠陥が発生したプリント枚数が1枚以上、100枚未満。
D:クリーニング不良に起因する明瞭な画像欠陥が発生したプリント枚数が100枚以上。
上記の画像形成に用いたレーザープリンターの感光体の表面に、弾性ブレードをカウンター方向に当接させた状態で、当該感光体と弾性ブレードとの摩擦係数を測定した。
上記の評価1〜3の結果を表4に示す。
実施例1のA練りゴム組成物の組成を表4に示したように球状シリカ粒子−1を同質量部数の球状シリカ粒子−2(商品名:FB−40S、電気化学工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして加硫ゴムローラを作製した。実施例1と同様にして加硫ゴム層の硬度を測定した結果、75°であった。実施例1と同様に研摩後の加硫ゴムローラ表面の電子線照射による硬化処理を行い、帯電ローラを作製した。
実施例1のA練りゴム組成物に使用した球状シリカ粒子−1を同質量部数の球状シリカ粒子−3(商品名:HS−301、株式会社マイクロン社製)に変更した以外は、実施例1と同様に弾性層用未加硫ゴム組成物を調製し、研摩後の加硫ゴムローラを作製した。実施例1と同様に研摩後の加硫ゴムローラの加硫ゴム層の硬度を測定した結果、77°であった。実施例1と同様に研摩後の加硫ゴムローラ表面の電子線照射による硬化処理を行い、帯電ローラを作製した。
実施例1でのA練りゴム組成物に使用した球状シリカ粒子−1を同質量部数の球状シリカ粒子−4(商品名:HS−305、株式会社マイクロン社製)に変更した以外は、実施例1と同様に弾性層用未加硫ゴム組成物を調製し、研摩後の加硫ゴムローラを作製した。実施例1と同様に研摩後の加硫ゴムローラの加硫ゴム層の硬度を測定した結果、74°であった。実施例1と同様に研摩後の加硫ゴムローラ表面の電子線照射による硬化処理を行い、帯電ローラを作製した。
実施例4の電子線の照射条件を、加速電圧:80kV、電子電流:35mA、処理速度:1m/min、酸素濃度:100ppmに変更した以外は、全て実施例4と同様にして帯電ローラを作製した。この際、電子線照射装置の加速電圧80kVにおける装置定数は20.4であり、式(2)より算出される線量は714kGyであった。実施例1と同様に帯電ローラの硬化処理厚さの測定と、表面粗さの測定、画像評価を行った。
実施例2のA練りゴム組成物中の球状シリカ粒子−2の配合量を10質量部に変更し、未加硫ゴム組成物中のA練りゴム組成物を181質量部に変更した。それら以外は全て実施例2と同様に弾性層用未加硫ゴム組成物を調製し、研摩後の加硫ゴムローラを作製した。実施例1と同様に研摩後の加硫ゴムローラの加硫ゴム層の硬度を測定した結果、72°であった。実施例1と同様に研摩後の加硫ゴムローラ表面の電子線照射による硬化処理を行い、帯電ローラを作製した。
実施例1のA練りゴム組成物に使用した球状シリカ粒子−1を球状アルミナ粒子−1(商品名:AY−118、株式会社マイクロン社製)50質量部に変更し、未加硫ゴム組成物中のA練りゴム組成物を221質量部に変更した。それら以外は全て実施例1と同様に弾性層用未加硫ゴム組成物を調製し、研摩後の加硫ゴムローラを作製した。実施例1と同様に研摩後の加硫ゴムローラの加硫ゴム層の硬度を測定した結果、75°であった。実施例1と同様に研摩後の加硫ゴムローラ表面の電子線照射による硬化処理を行い、帯電ローラを作製した。
実施例7のA練りゴム組成物に使用した原料ゴムをNBRから同質量部数のSBR(商品名:タフデン2003、旭化成ケミカルズ株式会社製)に変更し、カーボンブラックの配合量を47質量部に変更した。また、未加硫ゴム組成物中のA練りゴム組成物を223質量部に変更し、加硫促進剤であるテトラベンジルチウラムジスルフィドの質量部数を1.0質量部に変更した。さらに、未加硫ゴム組成物中にN−t−ブチル−2−ベンゾチアゾルスルフェンイミド(商品名:SANTOCURE−TBSI(TBSIと略記する)、FLEXSYS社製)を1.0質量部加えた。それら以外は全て実施例7と同様に弾性層用未加硫ゴム組成物を調製し、研摩後の加硫ゴムローラを作製した。実施例1と同様に研摩後の加硫ゴムローラの加硫ゴム層の硬度を測定した結果、77°であった。実施例1の電子線の照射条件の加速電圧を125kVとした以外は、全て実施例1と同様にして帯電ローラを作製した。その際、電子線照射装置の加速電圧125kVにおける装置定数は36.2であり、式(2)より算出される線量は1267kGyであった。
実施例1のA練りゴム組成物に使用した球状シリカ粒子−1を球状アルミナ粒子−2(商品名:AX3−32、株式会社マイクロン社製)60質量部に変更した。また、未加硫ゴム組成物中のA練りゴム組成物を231質量部に変更した。それら以外は全て実施例1と同様に未加硫ゴム組成物を調製し、研摩後の加硫ゴムローラを作製した。実施例1と同様に研摩後の加硫ゴムローラの加硫ゴム層の硬度を測定した結果、78°であった。実施例1と同様に研摩後の加硫ゴムローラ表面の電子線照射による硬化処理を行い、帯電ローラを作製した。
実施例1のA練りゴム組成物に使用した球状シリカ粒子−1を球状ジルコニア粒子−1(商品名:NZビーズ、ニイミ産業株式会社製)50質量部に変更した。また、未加硫ゴム組成物中のA練りゴム組成物を221質量部に変更した。それら以外は、実施例1と同様に弾性層用未加硫ゴム組成物を調製し、研摩後の加硫ゴムローラを作製した。実施例1と同様に研摩後の加硫ゴムローラの加硫ゴム層の硬度を測定した結果、73°であった。実施例1と同様に研摩後の加硫ゴムローラ表面の電子線照射による硬化処理を行い、帯電ローラを作製した。
実施例10のA練りゴム組成物中の球状ジルコニア粒子−1の配合量を100質量部に変更し、未加硫ゴム組成物中のA練りゴム組成物を271質量部に変更した。それら以外は全て実施例10と同様に弾性層用未加硫ゴム組成物を調製し、研摩後の加硫ゴムローラを作製した。実施例1と同様に研摩後の加硫ゴムローラの加硫ゴム層の硬度を測定した結果、76°であった。
実施例1のA練りゴム組成物中の球状シリカ粒子−1の配合量を20質量部に変更し、さらに球状シリカ粒子−2を20質量部添加した。それら以外は、実施例1と同様に弾性層用未加硫ゴム組成物を調製し、研摩後の加硫ゴムローラを作製した。実施例1と同様に研摩後の加硫ゴムローラの加硫ゴム層の硬度を測定した結果、75°であった。実施例1と同様に研摩後の加硫ゴムローラ表面の電子線照射による硬化処理を行い、帯電ローラを作製した。
実施例1のA練りゴム組成物に球状粒子を添加せず、未加硫ゴム組成物中のA練りゴム組成物を171質量部とした以外は、実施例1と同様に弾性層用未加硫ゴム組成物を調製し、研摩後の加硫ゴムローラを作製した。実施例1と同様に研摩後の加硫ゴムローラの加硫ゴム層の硬度を測定した結果、70°であった。実施例1と同様に研摩後の加硫ゴムローラ表面の電子線照射による硬化処理を行い、帯電ローラを作製した。
実施例1のA練りゴム組成物に使用した球状シリカ粒子−1を不定形シリカ粒子(商品名:BY−001、東ソー・シリカ株式会社製)20質量部に変更し、未加硫ゴム組成物中のA練り組成物を191質量部に変更した。それら以外は、実施例1と同様に弾性層用未加硫ゴム組成物を調製し、研摩後の加硫ゴムローラを作製した。実施例1と同様に研摩後の加硫ゴムローラの加硫ゴム層の硬度を測定した結果、88°であった。実施例1と同様に研摩後の加硫ゴムローラ表面の電子線照射による硬化処理を行い、帯電ローラを作製した。
実施例1のA練りゴム組成物に使用した球状シリカ粒子−1を同質量部数の球状PMMA(ポリメタクリル酸メチル)粒子(商品名:テクノポリマーMBX−12、積水化成品工業株式会社製)に変更した。それ以外は、実施例1と同様に弾性層用未加硫ゴム組成物を調製し、研摩後の加硫ゴムローラを作製した。実施例1と同様に研摩後の加硫ゴムローラの加硫ゴム層の硬度を測定した結果、83°であった。実施例1と同様に研摩後の加硫ゴムローラ表面の電子線照射による硬化処理を行い、帯電ローラを作製した。
実施例10において研摩後の加硫ゴムローラ表面に電子線照射を行わない以外は実施例10と同様にして帯電ローラを作製し、帯電ローラの表面粗さの測定と画像評価を行った。
11 芯金
12 弾性層
13 硬化領域
Claims (7)
- 導電性の支持体と、表面層である弾性層とを有する帯電部材であって、
該弾性層は、電子線の照射によって硬化された領域を表面に有しており、
該硬化された領域は、球状粒子を該弾性層の表面に露出した状態で支持し、それにより該表面が粗面化されており、
該球状粒子は、球状シリカ粒子、球状アルミナ粒子および球状ジルコニア粒子からなる群から選ばれる少なくとも一つの球状粒子であることを特徴とする帯電部材。 - 前記球状粒子の長さ平均粒子径が2μm以上、80μm以下である請求項1に記載の帯電部材。
- 前記弾性層が単層であって、かつ、唯一の弾性層であり、該弾性層の厚みが0.8mm以上、4.0mm以下である請求項1または2に記載の帯電部材。
- 前記弾性層における硬化された領域の厚みが、前記球状粒子の長さ平均粒子径の0.5倍以上である請求項2または3に記載の帯電部材。
- 前記弾性層における硬化された領域の厚みが、前記球状粒子の長さ平均粒子径以上、200μm以下である請求項4に記載の帯電部材。
- 請求項1に記載の帯電部材の製造方法であって、
(1)前記支持体上に、前記球状粒子を含むゴム層を形成する工程と、
(2)該ゴム層の表面を研摩して該球状粒子の一部分を露出させる工程と、
(3)該工程(2)によって得た、該球状粒子の一部分が露出した該ゴム層の表面に電子線を照射することによって、表面を硬化させて前記弾性層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする帯電部材の製造方法。 - 請求項1〜5の何れか一項に記載の帯電部材と、
該帯電部材に接触配置され、該帯電部材によって帯電可能な被帯電体と、を有することを特徴とする電子写真装置。
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