JP5220229B1 - 電子写真用ローラ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面へのトナー等の付着が抑制され、かつ、感光体とのスリップも生じにくい電子写真用ローラの提供。
【解決手段】電子写真用ローラは、導電性支持体と、表面層としての弾性層とを有し、該弾性層は、外周面に平面を有する球状粒子を、該平面の一部または全部が該弾性層の表面から露出するように保持してなり、かつ、該弾性層の表面から露出している該球状粒子の平面と、該電子写真用ローラの軸に直交する方向の断面における軸中心を通って該電子写真用ローラの周面に向かう直線と直交し、かつ、該電子写真用ローラの周面に接する平面と、は鋭角の内角をなしている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真装置において帯電ローラ等として用いられる電子写真用ローラ及びその製造方法に関する。
接触式帯電装置の帯電ローラは両側の軸に配置したスプリング等の付勢手段により、電子写真用感光体(以下、「感光体」と呼ぶ)に対して所定の押圧力で接触させられ、感光体の回転に従動して回転するように配置される。このような帯電ローラとして、画像の均一性を向上させるため、表面に数μm程度の凹凸を形成したものが知られている。
特許文献1には、導電性支持体と抵抗調整層と表層塗膜とを具備し、粗面形成用粒子が表層塗膜から露出することで凹凸を形成してなる帯電ロールが開示されている。かかる帯電ロールにおいては、粒子の露出状態を制御することで優れた帯電性能を得ている。また、このような帯電ロールの場合、感光体との接触が基本的には点接触になるため、動摩擦係数が低下し、トナーや外添剤や紙粉等の付着が抑制されるという効果もある。
特開2007−225914号公報
しかし、近年の電子写真装置の高速化・小型化にともない、粗面形成用粒子が表層塗膜から露出した構成を有する帯電ローラを高速駆動および小径化させて使用する場合において、新たな課題が発生する場合があった。つまり、感光体と帯電ローラの間で回転初期のスリップが起こり、帯電ローラがスリップした部分とスリップしなかった部分とでは、感光体の帯電電位に差が生じ、それによって電子写真画像に横スジ状のムラが発生する場合があった。
そこで、本発明の目的は、表面へのトナー等の付着が抑制され、かつ、感光体とのスリップも生じにくい電子写真用ローラおよびその製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、高品位な電子写真画像の安定的な形成に資する電子写真装置およびプロセスカートリッジを提供することにある。
本発明によれば、導電性支持体と、表面層としての弾性層とを有する電子写真用ローラであって、
該弾性層は、
外周面に平面を有する球状粒子を、該平面の一部または全部が該弾性層の表面からから露出するように保持してなり、かつ、
該弾性層の表面から露出している該球状粒子の平面と、
該電子写真用ローラの軸に直交する方向の断面における軸中心を通って該電子写真用ローラの周面に向かう直線と直交し、かつ、該電子写真用ローラの周面に接する平面と、は鋭角の内角をなしている電子写真用ローラが提供される。
また、本発明によれば、導電性支持体と、表面層としての弾性層とを有する電子写真用ローラであって、該弾性層は樹脂バインダーおよび該電子写真用ローラの表面を粗面化するための球状粒子を含み、該球状粒子は外周面に少なくとも一つの平面を有し、かつ、該球状粒子の該平面の一部または全部が該表面層から該弾性層の外側方向に向いて露出している電子写真用ローラが提供される。
また、本発明によれば、導電性支持体上に、球状粒子を分散した樹脂バインダーを含む弾性層を形成した後、該弾性層の表面を研磨して、該球状粒子の一部を露出させると共に球状粒子の外周面に平面を形成する工程を有する、上記の電子写真用ローラの製造方法が提供される。
更に本発明によれば、帯電ローラと、該帯電ローラと接触して配置されている回転ドラム型の感光体とを有する電子写真装置であって、
該帯電ローラが、上記の電子写真用ローラである電子写真装置が提供される。
更にまた、本発明によれば、帯電ローラと、該帯電ローラと接触して配置されている回転ドラム型の感光体とを有し、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、該帯電ローラが、上記の電子写真用ローラであるプロセスカートリッジが提供される。
本発明によれば、トナー等が表面に固着しにくく、また、回転開始時における当接部材とのスリップが生じにくい電子写真用ローラを得ることができる。また、本発明によれば、高品位な電子写真画像の安定的な提供に資する電子写真装置およびプロセスカートリッジを得ることができる。
本発明に係る帯電ローラの表面近傍の断面を示す模式図である。 本発明に係る帯電ローラの表面の電子顕微鏡写真である。 帯電ローラの動摩擦係数と静摩擦係数の棒グラフである。 摩擦係数の測定装置の模式図である。 摩擦係数の測定データの一例である。 本発明に係る帯電ローラと感光体との回転時の接触状態を表す模式図である。 本発明に係る帯電ローラと感光体との静止時の接触状態を表す模式図である。 本発明の帯電ローラの一例を示す模式図である。 電子写真装置の一例である。 プロセスカートリッジの一例である。
本発明にかかる電子写真用ローラは、少なくとも、導電性支持体と、表面層としての弾性層とを有して構成される。弾性層は、樹脂バインダーおよび表面を粗面化するための球状粒子を含む。
そして、表面層は球状粒子を保持している。この球状粒子は、外周面に、少なくとも一つの平面を有している。そして、この球状粒子は、表面層によって、当該平面の一部または全部が、表面層から露出するように保持されている。
また、該球状粒子は、表面層から露出している、該球状粒子が有している平面の一部または全部が、外側方向に向くように該表面層に保持されている。
すなわち、該球状粒子は、電子写真用ローラの表面から露出した該球状粒子の「平面」と、「電子写真用ローラの軸に直交する方向の断面における軸中心を通って電子写真用ローラの周面に向かう直線に直交し、かつ、電子写真用ローラの周面に接する平面」とが鋭角の内角をなすように弾性層に保持されている。
図2に本発明に係る電子写真用ローラの表面を電子顕微鏡で観察したものを示す。このように電子写真用ローラの表面に、球状粒子の有する平面が、該電子写真用ローラの表面に対して鋭角をなすように傾斜した状態で露出している。 ここで、球状粒子が有する平面とは、例えば、10μm2以上の広さを有し、その面内の平面に対して垂直な方向の高低差が0.5μm以下になっているような部位を指す。
また、本発明かかる電子写真用ローラの表面には、図2のように球状粒子が露出したことによって形成されている凸部(以降、球状粒子による凸部、ともいう)以外に、当該球状粒子による凸部と同程度以下の高さの凸部が存在していてもよい。
なお、本発明に係る電子写真用ローラの外周面の面積を100%としたときの、露出した球状粒子の表面が占める面積の比率は、1%以上30%以下であることが好ましい。
さらに、球状粒子の露出状態を説明するために、本発明に係る電子写真用ローラの軸に直交する方向の断面の表面近傍の模式図を図1に表す。
図1のように電子写真用ローラの表面は、樹脂バインダー12と表面を粗面化するための球状粒子11が露出しており、球状粒子は少なくとも一つの平面を有している。この球状粒子の有する平面は、ローラ円周の平面14(微視的には、電子写真用ローラの平均外径を通る平面)に対して傾斜して露出している。球状粒子の平面が電子写真用ローラの周面に接する平面14となす角は、鋭角の内角13をなす。つまり、電子写真用ローラの軸中心を通って電子写真用ローラの周面に向かう直線に直行する周面に接する平面と球状粒子の有する平面とが鋭角の内角をなす。以後の説明では、電子写真用ローラの軸中心を通って電子写真用ローラの周面に向かう直線に直行する周面に接する平面に対して、球状粒子の平面なしている鋭角の内角のことを、単に「傾斜平面の角度」ともいう。
〈傾斜平面角度の測定〉
傾斜平面の角度は、電子写真用ローラの表面の3次元観察像から算出できる。観察用の顕微鏡としては、レーザー顕微鏡(例えば、商品名「VK8700」、株式会社キーエンス社製)を用いることができる。
300μm×300μm程度の視野で観察した電子写真用ローラの表面の画像を上記レーザ顕微鏡付属のソフトウェアを用いて解析し、粗さプロファイルを得る。ここで、電子写真用ローラの表面の線粗さの平均線は、電子写真用ローラの軸中心を通って電子写真用ローラの周面に向かう直線に直行する周面に接する平面上の線分に対応する。従って、弾性層から露出している、球状粒子の傾斜平面上の線分と、電子写真用ローラの表面の線粗さの平均線とのなす角度を算出する。この方法で、弾性層から露出している球状粒子の平面が、電子写真用ローラ表面の、球状粒子の平面が露出している100箇所について傾斜平面の角度を測定し、それらの算術平均値を、1本の電子写真用ローラの傾斜平面の角度とする。
そして、本発明においては、傾斜平面の角度の値の目安としては、4〜30度、特には、5〜20度が好ましい。
図3に、傾斜平面が表面に露出している電子写真用ローラ、平面を有しない真球粒子が露出している電子写真用ローラ、および、粒子が露出しておらず、平滑な表面を有する電子写真用ローラの各々について、静摩擦係数および動摩擦係数を示す。これらは、表面に露出した傾斜平面の有無以外は全て共通である。静摩擦係数および動摩擦係数の測定方法は以下の通りに行った。
〈摩擦係数の測定〉
摩擦係数の測定方法の一例(概要)を図4に示す。本測定方法は、測定物がローラ形状の場合に好適な方法で、オイラーのベルト式に準拠した方法である。測定物である電子写真用ローラ41とベルト42は、所定の角度(θ)で接触している。ベルトは片方の端部が測定部(荷重計43と記録計44)と、他端部が重り45と結ばれている。この状態で電子写真用ローラを所定の方向、速度で回転させた時、測定部で測定された力をF(g)、重りの重さをW(g)とした時、摩擦係数(μ)は以下の式で求められる;
μ=(1/θ)ln(F/W)
この測定方法により得られるチャートの一例を図5に示す。電子写真用ローラを回転させた直後の値が回転を開始するのに必要な力であり、それ以降が回転を継続するのに必要な力である。回転開始点(すなわちt=0秒時点)の力を静摩擦力とし、また、8≦t(秒)≦10の間の時間における平均値をもって、動摩擦力とした。
ベルトの材質としてポリエステルフィルム(厚さ100μm、幅30mm、長さ180mm、商品名「ルミラーS10#100」:株式会社東レ)を用い、荷重は100g、回転数は115rpm、データの蓄積間隔は100回/秒で行った。この条件で得られた動摩擦力および静摩擦力から動摩擦係数μDおよび静摩擦係数μSを算出した。
図3のように、真球粒子が表面層の表面に露出した帯電ローラでは静摩擦係数μSと動摩擦係数μDとが共に小さく、粒子が表面層の表面に露出していない帯電ローラでは静摩擦係数と動摩擦係数とが共に大きくなった。それに対し、球状粒子由来の傾斜平面が表面層の表面に露出した、本発明に係る電子写真用ローラでは、動摩擦係数μDは真球粒子が表面層の表面に露出した電子写真用ローラと同様に小さく、静摩擦係数μDは粒子が表面層の表面に露出していない電子写真用ローラと同様に大きくなった。
この結果から、本発明の電子写真用ローラは、以下のようなメカニズムで汚染物質の付着汚れを抑制するとともに、回転初期のスリップを抑制できると推定している。
まず、動摩擦係数が小さい実験結果から、電子写真用ローラ回転時には図6のように傾斜平面を有する球状粒子のエッジ部分で感光体61と点接触していることが推定される。動摩擦係数が小さいことで、汚染物質が混入した場合でも、帯電ローラ回転時に汚染物質が電子写真用ローラに擦り付けられることが抑制される。
さらに、静摩擦係数が大きい実験結果から、電子写真用ローラ静止時には図7のように傾斜平面を有する球状粒子の平面で感光体と面接触していることが推定される。静摩擦係数が大きいことで、感光体の回転に追従して電子写真用ローラが回転するので、スリップが抑制される。
回転時と静止時の接触状態の変化は、傾斜平面を有する球状粒子に対して相対的に柔らかい樹脂バインダーが変形することにより起こると予想される。さらに、回転時の様な周波数の高い刺激に対しては変形しにくく、静止時の様な周波数の低い刺激に対しては変形しやすいという樹脂バインダーの性質が回転時と静止時の接触状態の変化を生みだしていると考えられる。
以上のような理由からトナー等の付着による画像不良の発生を抑制し、かつ、回転ドラム型の感光体と当接して従動回転する際の回転初期におけるスリップに起因する帯電ムラの発生を抑制できるものと考えられる。また、本発明に係る電子写真用ローラにおいて、静摩擦係数μsと動摩擦係数μDの比、すなわち、μS/μDは、1.4より大きいことが好ましい。
本発明に係る電子写真用ローラについて、以下にその構成を詳細に説明する。電子写真用ローラの一様式として、図8に示すように、導電性支持体81と表面層としての弾性層82を設けた帯電ローラが挙げられる。
[弾性層]
表面層としての弾性層は、少なくとも樹脂バインダーを含み、かつ、外周面に平面を有する球状粒子を、該平面の一部または全部が、該弾性層の表面から露出するように保持している。これにより、弾性層の表面、すなわち、電子写真用ローラの表面は粗面化されている。
<樹脂バインダー>
樹脂バインダーは、電子写真用ローラの実使用温度範囲でゴム弾性を当該弾性層に付与できるものであれば特に限定されるものではない。樹脂バインダーの具体例を以下に挙げる。天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン(SBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体ゴム(EPDM)、エピクロルヒドリンホモポリマー(CO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(ECO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体(GECO)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体の水添物(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM、ANM)等の原料ゴムに架橋剤を配合した熱硬化性のゴム材料や、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーが使用される。これらの1種または2以上の組合せを用いることができる。
弾性層は、添加剤として、弾性層の電気抵抗を調整する目的で導電剤を添加してもよい。また、必要に応じてゴムの配合剤として一般に用いられている充填剤、加工助剤、老化防止剤、架橋助剤、架橋促進剤、架橋促進助剤、架橋遅延剤、分散剤、可塑剤、軟化剤等を添加することができる。
<球状粒子>
球状粒子の平均粒子径は3〜50μmであることが好ましい。平均粒子径が3μm以上であれば、粒子径が小さいことによる感光体との接触面積の増加を防ぐことができる。また、粒子径が50μm以下であれば、粒子が大きすぎることによる帯電の欠陥が画像上見えることを防止することが出来る。さらに好ましい球状粒子の平均粒子径の範囲としてはは4〜20μmである。
球状粒子の平均粒子径は、以下の方法により得られた体積平均粒子径を採用することとする。表面層のある任意の点を500μmに亘って、20nmずつ集束イオンビーム(FB−2000C:株式会社日立製作所製)にて切り出し、電子顕微鏡によりその断面画像を撮影する。そして同じ球状粒子を撮影した画像を、20nm間隔で組み合せ、立体的な粒子形状を算出する。この作業を、球状粒子の任意の100粒で行い、これを測定の対象粒子とする。得られた各立体的粒子形状から算出した体積の球相当径を体積平均粒子径とし、総ての対象粒子の体積平均粒子径の平均値を平均粒子径とする。
球状粒子の材質としては例えば、アクリル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。本発明の効果を高めるためには、樹脂バインダーに比べ相対的に硬い球状粒子を用いることが好ましい。
弾性層の原材料となる樹脂バインダー、その添加剤、球状粒子の混練方法としては、バンバリーミキサー、インターミックス、加圧式ニーダー等の密閉型混練機を使用する方法や、オープンロール等の開放型混練機を使用する方法を用いることができる。
混練して得られた混練物を導電性支持体の上に形成する方法としては、押出成形、射出成形、圧縮成形等の成形方法を使用することができる。弾性層となる混練物を導電性支持体と一体に押出すクロスヘッド押出成形が、作業の効率化等を考慮すると好ましい。その後、樹脂バインダーの架橋が必要な場合には、型架橋、加硫缶架橋、連続架橋、遠・近赤外線架橋、誘導加熱架橋等の架橋工程を経ることが好ましい。
成形後の弾性層から球状粒子が露出していない場合は、研磨してもよい。研磨することで表面の平滑化及び形状の精密仕上げをする事ができる。研磨方法としては、トラバース研磨方式やプランジ研磨方式を採用することができる。トラバース研磨方式は短い砥石をローラ表面に移動させて研磨する方法であり、それに対して、プランジ研磨方式は、弾性層の長さよりも広い幅の砥石を用い、砥石の半径方向に砥石を送って研磨を行う方法である。作業時間の短縮化から、プランジ研磨方式が好ましい。
さらに、弾性層表面の非粘着化、弾性層内部からのブリード・ブルーム防止等の目的で紫外線や電子線を照射することによる表面処理を行ってもよい。
[球状粒子に由来する傾斜平面が表面から露出した電子写真用ローラの製造方法]
球状粒子に由来する傾斜平面を弾性層の表面に露出してなる、本発明に係る電子写真用ローラを製造する方法としては、下記(A)〜(C)の方法が例示される。
(A)傾斜平面を有する球状粒子、例えば半球状の球状粒子をあらかじめ樹脂バインダーと共に混合し成型する方法。
(B)弾性層の表面に傾斜平面を有する球状粒子、例えば半球状の球状粒子を半球の平面部が外側を向くように貼り付ける方法。
(C)表面に露出した球状粒子に後加工することによって傾斜平面を形成する方法。
上記の方法(A)の、半球状の球状粒子をあらかじめ樹脂バインダーと共に混合し成型する方法では、成型法によっては、半球状の球状粒子の露出状態や半球の平面部の傾斜の角度を制御するのが困難となる場合がある。
上記の方法(B)の、弾性層の表面に半球状の球状粒子を半球の平面部が外側を向くように貼り付ける方法では、半球状の球状粒子を貼り付ける工程が煩雑になる場合がある。
上記の方法(C)の、表面に露出した球状粒子に後加工することによって傾斜平面を形成する方法は、傾斜平面と帯電ローラ周面に接する平面とのなす内角を揃えることができるため、好ましい方法といえる。なお、半球状の球状粒子は、特開2001−278746号公報に記載の方法でも製造することができる。
また、最も好ましい製造方法(以降、方法(D)とする)は、ローラ形状を有する導電性支持体の周面に、バインダー樹脂と、該バインダー樹脂中に分散された球状粒子とを含む層を設け、この層の表面を、ローラ形状の研磨砥石を用いてプランジ研磨する方法である。より詳細には、方法(D)は、下記工程(D−i)、〜(D−iii)を含むことが好ましい。
(D−i)ローラ形状の導電性支持体上に、アクリル樹脂もしくはスチレン樹脂からなる球状粒子を分散したNBRもしくはCO、ECO、GECO等のエピクロルヒドリンゴムを樹脂バインダーとして含む層を形成する工程、
(D−ii)ローラ形状の研磨砥石を、その回転軸が、該ローラ形状の導電性支持体の回転軸と平行となるように配置する工程、
(D−iii)導電性支持体上に形成した、球状粒子とバインダー樹脂とを含む層の表面を該研磨砥石で研磨し、球状粒子の少なくとも一部を表面に露出させると共に、球状粒子を研削して外周面に平面を形成する工程。
この製造方法によれば、容易に球状粒子の少なくともの傾斜平面が露出してなる電子写真用ローラを得ることができる。
上記方法(D)においては、用いる球状粒子の材質としては、工程(D−iii)において、球状粒子の一部が研削されて平面が形成されるものが好ましい。そのためには、球状粒子のアイゾット衝撃強さ(ASTM D256)が小さいことが好ましい。また、研削された面を傾斜平面とするためには、球状粒子の引張弾性率(ASTM D638)が大きいことが好ましい。具体的には、球状粒子として、引張弾性率が20×103kg/cm2以上、アイゾット衝撃強さが5kg・cm/cm以下、特には、引張弾性率が30×103kg/cm2以上、アイゾット衝撃強さが2kg・cm/cm以下のものをもちいることが好ましい。このような物性を有し得る材料としてはアクリル樹脂やスチレン樹脂が挙げられる。
また、球状粒子の平面と、電子写真用ローラの軸に直交する方向の断面における軸中心を通って該電子写真用ローラの周面に向かう直線と直交し、かつ、該電子写真用ローラの周面に接する平面とがなす鋭角の内角の角度は、上記工程(D−iii)における研磨条件によって調整可能である。
具体的には、例えば、球状粒子とバインダー樹脂としての加硫ゴムとを含む層がローラ形状の導電性支持体の周面に被覆された加硫ゴムローラおよび研磨砥石の回転速度とこれらの中心軸を近接させる方向への移動速度、すなわち、研磨速度を調整することによって、傾斜平面の角度を任意に変化させることができる。
例えば、ゴムロール専用円筒研削盤(LEO−600−F4L−BME:株式会社水口製作所)等を用いて以下のような加工条件で研磨することが好ましい。砥石としては、砥粒の材質にGC等の硬い砥石を用い、砥粒の粒度が#80以下の粗い砥石で研磨することが好ましい。また、加硫ゴムローラの硬度としては、球状粒子がバインダーから脱離しない範囲で柔らかい方が好ましく、ローラのマイクロゴム硬度が75以下のローラを用いることが好ましい。砥石とワークの回転方向の相対速度は速い方が好ましく、40m/min以上とする事が好ましい。砥石とワークの接近方向の相対速度も速い方が好ましく、10mm/min以上とする事が好ましい。接近方向の距離が最も短くなりローラが所望の外径になった後は、速やかに砥石を後退させローラと砥石の接触時間を短くした方が好ましい。
電子写真用ローラを粗面化する目的で使われる粒子として知られているポリエチレン樹脂やナイロン樹脂の球状粒子では、アイゾット衝撃強さが5kg・cm/cmより大きく、研磨時に削られず傾斜平面は形成されにくい。また、同じくウレタン樹脂や各種ゴムの球状粒子の場合には、引張弾性率が20×103kg/cm2未満であり、かつアイゾット衝撃強さが5kg・cm/cm以下であるため、削られた面は水平になり傾斜平面は形成されない。
引張弾性率やアイゾット衝撃強さは、球状粒子の大きさでは測定できないので、粒子と同等の材質の試験片を作製して測定すればよい。アイゾット衝撃強さはASTM D256、引張弾性率は、ASTM D638に準拠して測定する。
樹脂バインダーとしては、アクリル樹脂やスチレン樹脂と極性(SP値)の近いNBRもしくはエピクロルヒドリンゴムを主体とする樹脂バインダーが好ましい。極性の遠い樹脂バインダーを用いた場合にくらべ、研磨時に表面から球状粒子が脱離することが少ない。

樹脂バインダー、その添加剤、球状粒子を含めた弾性層の原材料の体積を100%とした時の球状粒子の体積比率は1%以上30%以下であることが好ましい。
研磨工程に関して、本発明においては、所望の表面粗さを得られる範囲で、強いせん断力で短時間のうちに研磨するのが好ましい。それによって、球状粒子の研磨面が水平となることを避け得る。
[導電性支持体]
導電性支持体の材質としては、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等の金属やその合金を挙げることができる。また、導電性支持体は、弾性層との接着を目的とした接着剤を塗工したものを用いることもできる。接着剤としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂に導電剤を含有するものが挙げられ、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、ポリエステル樹脂系、ポリエーテル樹脂系、エポキシ樹脂系等を用いることができる。
[電子写真用ローラの物性]
本発明に係る電子写真用ローラの電気抵抗・表面粗さは、その用途、例えば、接触帯電ローラとして用いる場合には、接触帯電用のローラに対して一般的に求められる値であればよい。具体的には、以下のような値であればよい。
電気抵抗は、温度23℃相対湿度50%の環境において、1×104〜1×108Ω程度である。表面粗さは、表面の十点平均粗さRzjisが2μm以上、30μm以下であり、表面の凹凸平均間隔Smが15μm以上、150μm以下である。表面の十点平均粗さRzjis、表面の凹凸平均間隔Smは、JIS B0601−2001表面粗さの規格に準じた測定方法により得られた値を採用することができる。その測定には、表面粗さ測定器(SE−3400:株式会社小坂研究所製)を用いることができる。ここで、Smは、測定長さ中の10点の凹凸間隔を測定したものである。RzjisとSmは、帯電ローラを無作為に6箇所測定し、その平均値を採用することができる。
[電子写真装置]
図9は、本発明に係る電子写真用ローラを帯電ローラとして用いた電子写真装置の断面図である。当該電子写真装置は、感光体401、これを帯電する帯電ローラ402、潜像形成用の光408を発する露光装置(不図示)、現像装置403、転写材404に転写する転写装置405、クリーニングブレード407および定着装置406等を具備している。感光体401は、導電性支持体上に感光層を有する回転ドラム型である。感光体401は矢印の方向に所定の周速度で回転駆動される。帯電ローラ402は、感光体401に所定の力で押圧されることにより接触配置される。帯電ローラ402は、感光体401の回転に従い従動回転し、帯電用電源から所定の電圧を印加することにより、感光体401を所定の電位に帯電する。感光体401に潜像を形成する潜像形成装置としては、例えばレーザービームスキャナーなどの露光装置が用いられる。一様に帯電された感光体401に、画像情報に対応した露光を行うことにより、静電潜像が形成される。現像装置403は、感光体401に接触して配設される接触式の現像ローラを有する。感光帯電極性と同極性に静電処理されたトナーを用いた反転現像により、静電潜像をトナー像に可視化現像する。転写装置405は、接触式の転写ローラを有する。感光体401からトナー像を普通紙などの転写材404に転写する。クリーニングブレード407は、感光体401上に残留する転写残トナーを機械的に掻き落として回収する。定着装置406は、加熱されたロール等で構成され、転写されたトナー像を転写材404に定着する。
図10は、本発明に係る帯電ローラ402、感光体401、現像装置403、及びクリーニングブレード407などが一体化され、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジの断面図である。
本発明に係る電子写真用ローラは、このような電子写真装置およびプロセスカートリッジの接触帯電に用いる帯電ローラとして好適である。
〔実施例1〕
(弾性層用の未加硫ゴム組成物1の調製)
下記の材料を、6リットル加圧ニーダー(製品名:TD6−15MDX、トーシン社製)を用いて、充填率70vol%、ブレード回転数30rpmで16分間混合してA練りゴム組成物を得た。
次いで、下記の材料を、ロール径12インチのオープンロールにて、前ロール回転数10rpm、後ロール回転数8rpm、ロール間隙2mmで、左右の切り返しを合計20回実施した。その後、ロール間隙を0.5mmとして薄通し10回を行い、弾性層用の未加硫ゴム組成物1を得た。
(弾性層の成形)
直径5mm、長さ252mmの円柱形の導電性芯金(鋼製、表面はニッケルメッキ)の円柱面の軸方向中央部226mmに導電性加硫接着剤(商品名:メタロックU−20、東洋化学研究所製)を塗布し、80℃で30分間乾燥した。本実施例においては、前記接着剤を塗布した円柱形の導電性芯金を導電性支持体として使用した。次に、未加硫ゴム組成物1を、クロスヘッドを用いた押出成形によって、導電性支持体を中心として同軸状に円筒形に同時に押出し、導電性支持体の外周に未加硫ゴム組成物1がコーティングされた直径7.8mmの未加硫ゴムローラを作製した。押出機は、シリンダー径45mm(Φ45)、L/D=20の押出機を使用し、押出時の温度はヘッド90℃、シリンダー90℃、スクリュー90℃とした。成形した未加硫ゴムローラの両端を切断し、弾性層部分の軸方向幅を228mmとした後、電気炉にて160℃40分の加熱処理を行い、加硫ゴムローラを得た。
この加硫ゴムローラをプランジ研磨機(商品名「ゴムロール専用CNC研磨盤 LEO−600F−F4L−BME」:水口製作所(株)製)にて研磨して、端部直径7.35mm、中央部直径7.50mmのクラウン形状の弾性層を有する研磨ゴムローラを得た。研磨の条件は、砥石(商品名「研磨砥石GC−60−B−VRG−PM」:(株)ノリタケカンパニーリミテド製)を用いて、砥石回転速度2800rpm、ローラ回転速度333rpm、加硫ゴムローラの直径に対する研磨速度30mm/分の条件とした。
(弾性層の電子線処理)
研磨ゴムローラの表面に電子線を照射して硬化処理を行い、電子写真用ローラ1を得た。電子線の照射には、最大加速電圧150kV・最大電子電流40mAの電子線照射装置(岩崎電気株式会社製)を用い、照射時には窒素ガスパージを行った。処理条件は加速電圧:150kV、電子電流:35mA、処理速度:1m/min、酸素濃度:100ppmであった。
電子写真用ローラ1の表面をレーザー顕微鏡VK8700(株式会社キーエンス社製)により観察したところ、傾斜平面を有する球状のアクリル樹脂粒子が露出していた。帯電ローラの周面に接する平面と傾斜平面を有する球状粒子の平面のなす鋭角の内角は10°であった。また、前記の方法で測定した静摩擦係数、動摩擦係数、および十点平均粗さRzjisは、静摩擦係数が0.67、動摩擦係数が0.34、Rzjisが6.8μmであった。
[評価1:回転初期のスリップによる画像ムラ評価]
電子写真用ローラ1を用いて、以下のように画像評価を行った。まず、評価に用いる電子写真装置として、記録メディアの出力スピードが200mm/secになるよう高速化の改造を行った電子写真装置(商品名:LBP7200C、キヤノン株式会社製)を用いた。また、上記電子写真装置用のブラックのプロセスカートリッジの帯電ローラの軸受け部を、正規の帯電ローラより小径の帯電ローラが装着できるように改造した。そして、電子写真用ローラ1を、上記の改造したプロセスカートリッジに帯電ローラとして装着した。このプロセスカートリッジを、上記電子写真装置に装填した。上記したように、評価に用いる電子写真装置について、出力スピードを通常よりも高速化し、また、帯電ローラを小径化したことで、スリップによる画像ムラがより発生しやすい条件とした。
画質評価用として、ハーフトーン画像(感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く中間濃度の画像)を出力した。このハーフトーン画像について、レーザーの露光パターンでディザリングを施し画像処理をした実用画像と、ディザリングの画像処理を施さないことで帯電ローラの画像ムラを、より認識しやすくした検討用画像の2種類を出力し、下記の基準で評価を行った。
A:画像処理をしていないハーフトーン画像において、帯電ローラ周長の周期で横帯状の画像ムラが観察されない。
B:画像処理をしていないハーフトーン画像において、帯電ローラ周長の周期で横帯状の画像ムラが軽微に観察されるが、画像処理をしているハーフトーン画像においては、帯電ローラ周長の周期で横帯状の画像ムラが観察されない。
C:画像処理をしていないハーフトーン画像において、帯電ローラ周長の周期で横帯状の画像ムラが観察されるが、画像処理をしているハーフトーン画像においては、帯電ローラ周長の周期で横帯状の画像ムラが観察されない。
D:画像処理をしているハーフトーン画像において、帯電ローラ周長の周期で横帯状の画像ムラが観察される。
この評価において、帯電ローラ周長の周期の横帯状の画像ムラは、帯電ローラと感光体の駆動前の接触位置に発生することが分かっている。その結果、電子写真用ローラ1の回転初期のスリップによる画像ムラはA評価であった。
[評価2:汚染物質の付着による画像ムラ評価]
電子写真用ローラ1を用いて、以下のように画像評価を行った。本評価には、評価1で用いた電子写真装置と同じものを用いた。帯電ローラに汚染物質を付着させる耐久条件は、1枚画像を出力すると電子写真装置を停止させ、10秒後また画像形成動作を再開する運転を繰り返し、15千枚の電子写真画像を形成するものとした。出力画像は、A4サイズの紙の画像形成領域の1面積%にランダムに印字した画像とした。
この耐久試験後に画質評価用として、画像処理をしたハーフトーン画像と画像処理をしていないハーフトーン画像の2種類を出力し、下記の基準で評価を行った。
A:画像処理をしていないハーフトーン画像において、縦線状の画像ムラが観察されない。
B:画像処理をしていないハーフトーン画像において、縦線状の画像ムラが軽微に観察されるが、画像処理をしているハーフトーン画像においては、縦線状の画像ムラが観察されない。
C:画像処理をしていないハーフトーン画像において、縦線状の画像ムラが観察されるが、画像処理をしているハーフトーン画像においては、縦線状の画像ムラが観察されない。
D:画像処理をしているハーフトーン画像において、縦線状の画像ムラが観察される。
この評価において、縦線状の画像ムラは帯電ローラの表面の汚染物質の付着のムラと対応していることが分かっている。その結果、電子写真用ローラ1の汚染物質の付着による画像ムラはA評価であった。
〔実施例2〜8〕
実施例1の球状粒子の代わりに、粒子種、平均粒子径、添加質量部を表7に示したように変化させた以外は、実施例1と同様にして実施例2〜8の電子写真用ローラを製造し、評価した。粒子種、平均粒子径を変えた場合は、以下の球状粒子を用いた。
〔実施例9〕
実施例1の電子線処理の代わりに紫外線処理をした以外は、実施例1と同様に実施例9の帯電ローラを製造し評価した。紫外線の照射は低圧水銀ランプ(商品名「GLQ500US/11」、ハリソン東芝ライティング株式会社製)を用いて、帯電ローラを回転させながら均一に照射した。紫外線の光量は、254nmのセンサーにおける感度で8000mJ/cm2になるようにした。
〔実施例10〕
未加硫ゴム組成物1を下記の未加硫ゴム組成物2に変更した以外は、実施例1と同様に実施例10に係る電子写真用ローラを製造し評価した。
(弾性層用の未加硫ゴム組成物2の調製)
下記の材料を、6リットル加圧ニーダー(製品名:TD6−15MDX、トーシン社製)を用いて、充填率70vol%、ブレード回転数30rpmで16分間混合してA練りゴム組成物を得た。
次いで、下記の材料を、ロール径12インチのオープンロールにて、前ロール回転数8rpm、後ロール回転数10rpm、ロール間隙2mmで、左右の切り返しを合計20回実施した。その後、ロール間隙を0.5mmとして薄通し10回を行い、弾性層用の未加硫ゴム組成物2を得た。
〔実施例11〕
(弾性層用の未加硫ゴム組成物3の調製)
実施例1の未加硫ゴム組成物1の調整で、球状粒子を添加しない以外は、未加硫ゴム組成物1の調製と同様の方法で、未加硫ゴム組成物3を調整した。
(弾性層の成形)
実施例1と同様の方法で、導電性支持体の外周に未加硫ゴム組成物3がコーティングされた直径7.8mmの未加硫ゴムローラを作製した。アクリル樹脂でできた平均粒子径8μmの半球状の球状粒子を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のシート上に敷き詰め、未加硫ゴムローラを転がすことでPTFE製シートから未加硫ゴムローラの表面へ半球状の球状粒子を転写させた。半球状の球状粒子をPTFE製シート上に敷き詰める条件としては、半球の平面がPTFE製シート方向を向くようにして、PTFE製シートを上部から見た時の半球状の球状粒子の面積比率が10面積%となるようにした。未加硫ゴムローラは、両端に500gの荷重をかけつつ、100mm/秒の速度でPTFE製シートの上を転がした。この半球状の球状粒子が表面に付着した未加硫ゴムローラの両端を切断し、弾性層部分の軸方向幅を228mmとした後、電気炉にて160℃40分の加熱処理を行い、加硫ゴムローラを得た。
(弾性層の電子線処理)
この加硫ゴムローラの表面に実施例1と同様の方法で電子線処理を行い、実施例11の帯電ローラを得た。この実施例10の帯電ローラについて、実施例1と同様に評価した。
〔比較例1、2〕
実施例1、8の球状粒子を添加しない以外は実施例1、8と同様に、比較例1、2の帯電ローラを製造し評価した。
〔比較例3〜5〕
実施例1の球状粒子の代わりに、粒子種、平均粒子径、添加質量部を下記表6に示したように変化させた以外は、実施例1と同様にして比較例3〜5の帯電ローラを製造し評価した。球状粒子としては、以下の物を用いた。
表8に示した実施例及び比較例の対比から、傾斜した平面を有する粒子が露出した帯電ローラでは、スリップおよび汚染物質の付着による画像ムラが改善されていることが分かる。さらに、静摩擦係数が高いほどスリップによる画像ムラの改善効果が高く、動摩擦係数が低いほど汚れによる画像ムラの改善効果が高いことが分かる。
比較例1では、球状粒子を含有していないため動摩擦係数が高くなり、汚染物質による縦線状の画像ムラがD評価であった。比較例2では、比較例1の電子線処理にくらべ摩擦係数の低下する紫外線処理をおこなっており、静摩擦係数が低いためにスリップによる横帯状の画像ムラがD評価であった。比較例3では、表面に露出したしシリカの球状粒子が、球の形状を保ったままであったため、静摩擦係数が低いためにスリップによる横帯状の画像ムラがD評価であった。
比較例4では、シリコーン樹脂の球状粒子は研磨時に脱離し、シリコーン樹脂の球状粒子の脱離した穴がある表面であったため、球状粒子を含有しない場合と同様に動摩擦係数が高くなり、汚染物質による縦線状の画像ムラがD評価であった。比較例4では、ウレタン樹脂の球状粒子の研磨された面は帯電ローラの周面に接する平面と水平になっており、動摩擦係数が高くなり、汚染物質による縦線状の画像ムラがD評価であった。比較例5では、アクリル樹脂の球状粒子の研磨された面は帯電ローラの周面に接する平面と水平になっており、動摩擦係数が高くなり、汚染物質による縦線状の画像ムラがD評価であった。
11‥‥表面を粗面化するための球状粒子
12‥‥樹脂バインダー
13‥‥鋭角の内角
14‥‥ローラ円周の平面

Claims (14)

  1. 導電性支持体と、表面層としての弾性層とを有する電子写真用ローラであって、
    該弾性層は、
    外周面に平面を有する球状粒子を、該平面の一部または全部が該弾性層の表面から露出するように保持してなり、かつ、
    該弾性層の表面から露出している該球状粒子の平面と、
    該電子写真用ローラの軸に直交する方向の断面における軸中心を通って該電子写真用ローラの周面に向かう直線と直交し、かつ、該電子写真用ローラの周面に接する平面と、は鋭角の内角をなしていることを特徴とする電子写真用ローラ。
  2. 前記球状粒子の平面と、
    該電子写真用ローラの軸に直交する方向の断面における軸中心を通って該電子写真用ローラの周面に向かう直線と直交し、かつ、該電子写真用ローラの周面に接する平面とがなしている鋭角の内角の角度が、4〜30度である請求項1に記載の電子写真用ローラ。
  3. 前記球状粒子の平面と、
    該電子写真用ローラの軸に直交する方向の断面における軸中心を通って該電子写真用ローラの周面に向かう直線と直交し、かつ、該電子写真用ローラの周面に接する平面とがなしている鋭角の内角の角度が、5〜20度である請求項2に記載の電子写真用ローラ。
  4. 前記球状粒子の体積平均粒子径が3〜50μmである請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真用ローラ。
  5. 前記弾性層が樹脂バインダーを含んでいる請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真用ローラ。
  6. 前記樹脂バインダーがアクリロニトリル−ブタジエン共重合体もしくはエピクロルヒドリンゴムを含む請求項5に記載の電子写真用ローラ。
  7. 前記球状粒子がアクリル樹脂もしくはスチレン樹脂を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子写真用ローラ。
  8. 前記電子写真用ローラが帯電ローラである請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子写真用ローラ。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子写真用ローラの製造方法であって、
    導電性支持体上に、球状粒子を分散した樹脂バインダーを含む弾性層を形成した後、該弾性層の表面を研磨して、該球状粒子の一部を露出させると共に球状粒子の外周面に平面を形成する工程を有することを特徴とする電子写真用ローラの製造方法。
  10. 前記樹脂バインダーがアクリロニトリル−ブタジエン共重合体もしくはエピクロルヒドリンゴムを含み、前記球状粒子がアクリル樹脂もしくはスチレン樹脂からなる請求項9に記載の電子写真用ローラの製造方法。
  11. 帯電ローラと、該帯電ローラと接触して配置されている回転ドラム型の感光体とを有する電子写真装置であって、
    該帯電ローラが、請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子写真用ローラであることを特徴とする電子写真装置。
  12. 帯電ローラと、該帯電ローラと接触して配置されている回転ドラム型の感光体とを有し、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、
    該帯電ローラが、請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子写真用ローラであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  13. 導電性支持体と、表面層としての弾性層とを有する電子写真用ローラであって、
    該弾性層は樹脂バインダーおよび該電子写真用ローラの表面を粗面化するための球状粒子を含み、
    該球状粒子は外周面に少なくとも一つの平面を有し、かつ、該球状粒子の該平面の一部または全部が該表面層から該弾性層の外側方向に向いて露出していることを特徴とする電子写真用ローラ。
  14. 前記電子写真用ローラが帯電ローラである請求項13に記載の電子写真用ローラ。
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