JP2010134451A - 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性支持体と、表面層とを有する帯電部材であって、該表面層が、表面に凹部を有する樹脂粒子と、該樹脂粒子を分散したバインダーとを含み、表面に該樹脂粒子に由来する凸部が形成される。該凸部は、該樹脂粒子の該凹部に由来する凹部を有し、かつ、該樹脂粒子は、該表面がバインダーで覆われている。
【選択図】図2
Description
該表面層が、表面に凹部を有する樹脂粒子と、該樹脂粒子を分散したバインダーとを含み、表面に該樹脂粒子に由来する凸部が形成され、
該凸部は、該樹脂粒子の該凹部に由来する凹部を有し、かつ、該樹脂粒子は、該表面がバインダーで覆われていることを特徴とする。
図2は表面層3の部分の拡大断面図である。表面層3は、表面に凹部を有する樹脂粒子58と樹脂粒子を分散しているバインダー31とを含んでおり、樹脂粒子58はバインダー31によって被覆されている。そして、表面層3の表面に、樹脂粒子58に由来する凸部51が形成され、凸部51の頂には、樹脂粒子58の凹部55に由来する凹部52が形成されている。
表面層を製造する方法として以下の2つの方法が挙げられる。第一の方法として、凹部を有する樹脂粒子を製造する、次いで、樹脂粒子をバインダーの原料に分散させた塗料を調製し、その塗料を導電性支持体や弾性層上に塗布し、乾燥、硬化させて表面層を形成する。第二の方法として、凹部を有しない球状樹脂粒子を製造する、この粒子をバインダーまたはバインダーの原料に分散させた塗料を調製する。このとき、球状樹脂粒子を膨張させることのできる揮発性溶媒を塗料中に添加しておき、塗料中で球状樹脂粒子を膨張させる。この塗料を導電性支持体や弾性層上に塗布する。次いで、その塗料の塗膜を乾燥、硬化させる。この乾燥、硬化過程において、塗膜の乾燥、硬化速度と、膨張した球状樹脂粒子からの溶媒の揮発速度とを調整することで、球状樹脂粒子を樹脂粒子に変形させ、凹部を頂きに有する凸部を備えた表面層を形成できる。以下、これらの方法の詳細について述べる。
まず、方法1に用いる樹脂粒子の調製方法について説明する。水性媒体中に、樹脂粒子を形成する単量体や重合性化合物と、単量体または重合体化合物とは反応せず水に不溶の可塑剤と、必要に応じて重合開始剤、界面活性剤、分散安定剤等とを加え混合し攪拌し、微細な液滴が分散された混合液を得る。次いで、窒素雰囲気下で攪拌しながら加熱し、凹部形成剤を混合し、単量体や重合性化合物を重合させる。
方法2は、凹部を有しない球状樹脂粒子を表面層形成用塗料に分散させておき、この塗料の塗膜を乾燥させる過程で、球状樹脂粒子の一部を凹ませて樹脂粒子を形成しつつ、表面層を形成する方法である。
導電性支持体は、導電性を有し、表面に設けられる表面層等を支持すると共に、感光体等の被帯電体と表面層間に放電を生起させるため、表面層に直流又は直流と交流を重畳した電圧を印加する電極としての機能を有する。導電性支持体の材質としては、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等の金属やその合金を挙げることができる。
本発明の帯電部材は、上記導電性支持体と表面層を有するものであればよく、その形状もローラー状、平板状等いずれであってもよく、また、導電性支持体と表面層間に弾性層等の機能層を有するものであってもよい。特に、帯電部材の耐久性を向上させるために弾性層を有するものが好ましい。
図5に、本発明に係る帯電ローラ5を備えた電子写真装置の一例の概略構成図を示す。感光体4は、矢印の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転される。帯電ローラ5は、感光体4に対して所定の押圧力で当接している。帯電ローラ5は、感光体4の回転に従動して回転する。そして、電源19から所定の直流電圧を帯電ローラ5に印加することにより、感光体4を所定の電位に帯電する。帯電された感光体4に対して、画像情報に応じて変調されたレーザ光11を照射して静電潜像を形成する。静電潜像は、感光体4に接触して配置されている現像ローラ6により現像する。転写装置は、接触式の転写ローラ8を有する。感光体4からトナー像を普通紙などの転写材7に転写する。クリーニング装置はクリーニングブレード10および回収容器34を有し、感光体4上に残留する転写残トナーはクリーニングブレードによって掻き落とされ回収容器34に回収される。なお、現像装置にて転写残トナーを回収することによりクリーニングブレード10及び回収容器34を設けないようにすることもできる。定着装置9は、加熱されたロール等で構成され、転写されたトナー像を転写材7に定着する。本発明に係る電子写真装置において、帯電部材には直流電圧のみを印加し、それにより感光体を帯電できるように構成されていることが好ましい。
図6に、本発明に係る帯電ローラ5と、感光体4とが接触して配置されているプロセスカートリッジの一例の概略構成図を示す。当該プロセスカートリッジは、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されている。このプロセスカートリッジは、さらに、現像ローラ6及びクリーニングブレード10などを備えている。
[合成例1]
[樹脂粒子1の作製]
窒素ガスで置換した4Lのオートクレープにて以下のものを混合した。
[樹脂粒子2の作製]
樹脂粒子1の作製において、アデカポリエーテルG−300を190g、アデカポリエーテルP−1000を590gとした。それ以外は、樹脂粒子1の作製と同様にしてイソシアネートプレポリマー合成物を得た。次にリン酸カルシウムを含む水中に、得られたイソシアネートプレポリマ−合成物100gと、以下のものを添加し、2.5m/秒で攪拌しながら1時間半かけて80℃(重合開始温度)まで昇温した。
[樹脂粒子3の作製]
20Lのガラス容器に、水1000g、及びドデシル硫酸ナトリウム25gを添加した。これに、以下のものを混合し、5m/秒で攪拌しながら50℃に加温した。
[樹脂粒子4の作製]
樹脂粒子1の作製において、アデカポリエーテルG−300を235g、アデカポリエーテルP−1000を365gとした。それ以外は、合成例1と同様にして中間物質のイソシアネートプレポリマー合成物を得た。次にリン酸カルシウムを含む水中に、得られたイソシアネートプレポリマ−合成物100gと、以下のものを添加し、1.5m/秒で攪拌しながら115℃(重合開始温度)まで6時間かけて昇温した。そのまま115℃で5時間保持した後、30℃まで約6時間かけて冷却した。
[樹脂粒子5の作製]
樹脂粒子1の作製において、アデカポリエーテルG−300を150g、アデカポリエーテルP−1000を790gとした。それ以外は、合成例1と同様にして中間物質のイソシアネートプレポリマー合成物を得た。次にリン酸カルシウムを含む水中に、得られたイソシアネートプレポリマ−合成物100gと、以下のものを添加し、4.0m/秒で攪拌しながら1時間半かけて80℃(重合開始温度)まで昇温した。
[樹脂粒子6の作製]
合成例1で合成したイソシアネートプレポリマ−合成物100gと、以下のものをリン酸カルシウムを含む水中に添加し、3.0m/秒で攪拌しながら1時間半かけて80℃(重合開始温度)まで昇温した。
[樹脂粒子7の作製]
炭酸マグネシウムを含む水中に合成例4で作製したイソシアネートプレポリマ−合成物100gを添加し、1.5m/秒で攪拌しながら115℃まで6時間かけて昇温し、そのまま115℃で5時間保持した後、30℃まで約6時間かけて冷却した。冷却後、内容物を取り出し、遠心分離機で脱水した後、純水で洗浄し、真空乾燥機で乾燥させた後に分級を行い、凹部を有しない樹脂粒子7を得た。
[樹脂粒子8の作製]
20Lのガラス容器に、水1000g、及びドデシル硫酸ナトリウム25gを添加した。これに、以下のものを混合し、5m/秒で攪拌しながら50℃に加温した。
[樹脂粒子9の作製]
合成例8において、カーボンブラックを混合せず、ヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体の量を5gとした以外は、合成例8と同様にして一つの凹部を有する樹脂粒子9を得た。
[樹脂粒子10の作製]
リン酸カルシウムを含む水中に、以下の材料を添加し、1.5m/秒で攪拌しながら1時間半かけて80℃(重合開始温度)まで昇温した。
[樹脂粒子11の作製]
合成例10において、リン酸カルシウムを含む水中へ添加するジメチルポリシロキサンの量を2gに変えた。ペンタンの使用量を3gとし、反応条件を115℃まで6時間かけて昇温し、そのまま115℃で5時間保持した後、30℃まで約6時間かけて冷却した。それ以外は合成例10と同様にして、一つの凹部を有する樹脂粒子11を得た。
[樹脂粒子12の作製]
合成例11において、イソシアネートプレポリマ−合成物を合成例1の中間物質のイソシアネートプレポリマ−合成物に変更し、ペンタンの量を5gに変更したこと以外は合成例11と同様にして、一つの凹部を有する樹脂粒子12を得た。
[樹脂粒子13の作製]
20Lのガラス容器に、以下の材料を入れ、窒素バブリングにより混合した。
[樹脂粒子14の作製]
ピロリン酸マグネシウムを含む水中に、合成例1における中間物質のイソシアネートプレポリマ−合成物100gを添加し、1.5m/秒で攪拌しながら115℃まで6時間かけて昇温し、そのまま115℃で5時間保持した。その後、30℃まで約6時間かけて冷却した。冷却後、内容物を取り出し、遠心分離機で脱水した後、純水で洗浄し、真空乾燥機で乾燥させた後に分級を行い、凹部を有しない樹脂粒子14を得た。
[樹脂粒子15の作製]
合成例13において、エチレングリコールジメタクリレートの量を2.1gに変更した。攪拌速度を2.5m/秒、反応温度を80℃、メチルヘプタンの量を20gに変更した。これら以外は合成例13と同様にして、一つの凹部を有する樹脂粒子15を得た。
[樹脂粒子16の作製]
合成例12において、ジメチルポリシロキサンの量を3gに変更した。攪拌速度を2.5m/秒、ペンタンの使用量を15gに変更した。これら以外は合成例12と同様にして、一つの凹部を有する樹脂粒子16を得た。
[樹脂粒子17の作製]
合成例13において、84gのブチルアクリレートを65gのエチルアクリレートに変え、グリセリンステアレートの量を0.1gとし、メチルヘプタンの量を8gに変えた。これら以外は合成例13と同様にして、一つの凹部を有する樹脂粒子17を得た。
[樹脂粒子18の作製]
合成例13において、エチレングリコールジメタクリレートの量を2.4gとし、グリセリンステアレートの量を0.5gとし、メチルヘプタンの量を30gとし、攪拌速度を4.0m/秒に変更した。これら以外は合成例13と同様にして、一つの凹部を有する樹脂粒子18を得た。
[樹脂粒子19の作製]
合成例14において、反応温度を125℃に変更した以外は合成例14と同様にして、凹部を有しない樹脂粒子19を得た。
[樹脂粒子20の作製]
合成例12において、2gのジメチルポリシロキサンを、3gの動粘度200mm2/秒のポリイソプレンに変え、ペンタンの量を10gに変えた。これら以外は合成例12と同様にして、一つの凹部を有する樹脂粒子20を得た。
[樹脂粒子21の作製]
合成例13において、エチレングリコールジメタクリレートの量を2.6gとし、ペンタンの量を30gとし、攪拌速度を2.5m/秒、反応温度を60℃に変更した。これら以外は合成例13と同様にして、一つの凹部を有する樹脂粒子21を得た。
[樹脂粒子22の作製]
合成例13において、84gのブチルアクリレートを70gのプロピルアクリレートに変え、エチレングリコールジメタクリレートの量を2.6gとし、ペンタンの量を30gとし、攪拌速度を4.0m/秒、反応温度を80℃に変更した。これら以外は合成例13と同様にして、一つの凹部を有する樹脂粒子21を得た。
[樹脂粒子23の作製]
ピロリン酸マグネシウムを含む水中に、合成例1の中間物質のイソシアネートプレポリマ−合成物100gと、動粘度200mm2/秒のポリイソプレン3gとを添加し、1.5m/秒で攪拌しながら80℃(重合開始温度)まで昇温した。次いで、ペンタン15gを約60分かけ添加した後に、110℃まで6時間かけて昇温し、そのまま115℃で5時間保持した後、30℃まで約6時間かけて冷却した。冷却後、内容物を取り出し、遠心分離機で脱水した後、ジエチルエーテルで洗浄し、真空乾燥機で乾燥させた後に分級を行い、一つの凹部を有する樹脂粒子23を得た。
[樹脂粒子24の作製]
合成例16において、動粘度200mm2/秒のポリイソプレンの量を4gとし、攪拌速度を1.5m/秒に変えた。また、ペンタンを添加した後の反応温度を110℃に変更した。これら以外は合成例16と同様にして、一つの凹部を有する樹脂粒子24を得た。
[樹脂粒子25の作製]
合成例13において、スチレンの量を15gとし、攪拌速度を4.0m/秒、反応温度を60℃に変えた。18gのメチルヘプタンを25gのペンタンに変えた。これら以外は合成例13と同様にして、一つの凹部を有する樹脂粒子25を得た。
[樹脂粒子26の作製]
合成例13において、84gのブチルアクリレートを70gのプロピルアクリレートに変え、エチレングリコールメタクリレートの量を2.6gとし、グリセリンステアレートの量を0.1gに変えた。更に、攪拌速度を2.0m/秒、メチルヘプタンの量を10gに変えた。18gのメチルヘプタンを25gのペンタンに変えた。これら以外は合成例13と同様にして、一つの凹部を有する樹脂粒子26を得た。
[樹脂粒子27の作製]
リン酸カルシウムを含む水中に、合成例1の中間物質のイソシアネートプレポリマ−合成物100gを添加し、2.5m/秒で攪拌しながら115℃(重合開始温度)まで6時間かけて昇温した。そのまま115℃で5時間保持した後、30℃まで約6時間かけて冷却した。冷却後、内容物を取り出し、遠心分離機で脱水した後、純水で洗浄し、真空乾燥機で乾燥させた後に分級を行い、凹部を有しない樹脂粒子27を得た。
[樹脂粒子28の作製]
合成例16において、攪拌速度を4.0m/秒に変えた以外は合成例16と同様にして、一つの凹部を有する樹脂粒子28を得た。
[樹脂粒子29の作製]
合成例23において、動粘度200mm2/秒のポリイソプレンの量を4gとし、ペンタンの量を25gに変えた。これら以外は合成例23と同様にして、一つの凹部を有する樹脂粒子29を得た。
[樹脂粒子30の作製]
合成例13において、ブチルアクリレートをエチルメタクリレートに変え、エチレングリコールジメタクリレートの量を2.8gとし、スチレンの量を40gとし、グリセリンステアレートの量を0.1gに変えた。更に、攪拌速度を2.5m/秒、メチルヘプタンの量を10gに変えた。これら以外は合成例13と同様にして、一つの凹部を有する樹脂粒子30を得た。
[樹脂粒子31の作製]
合成例24において、攪拌速度を3.0m/秒に変え、ペンタンの量を2gに変えた以外は合成例24と同様にして、一つの凹部を有する樹脂粒子31を得た。
[樹脂粒子32の作製]
合成例24において、攪拌速度を1.8m/秒に変え、ペンタンの量を10gに変えた以外は合成例24と同様にして、一つの凹部を有する樹脂粒子32を得た。
[樹脂粒子33の作製]
合成例13において、ブチルメタクリレートの量を70gとし、エチレングリコールジメタクリレートの量を2.6gとし、グリセリンステアレートの量を0.1gとし、攪拌速度を4.5m/秒、反応温度を80℃に変えた。更に、18gのメチルヘプタンを10gのオクタンに変えた。これら以外は合成例13と同様にして、一つの凹部を有する樹脂粒子33を得た。
[樹脂粒子34の作製]
合成例13において、エチレングリコールジメタクリレートの量を2.6gとし、グリセリンステアレートの量を0.5gとし、攪拌速度を2.0m/秒、反応温度を30℃に変えた。更に、18gのメチルヘプタンを45gのペプタンに変えた。これら以外は合成例13と同様にして、一つの凹部を有する樹脂粒子34を得た。
[樹脂粒子35の作製]
合成例27において、攪拌速度を3.0m/秒に変えた以外は合成例27と同様にして、一つの凹部を有する樹脂粒子35を得た。
[樹脂粒子36の作製]
合成例13において、ステアリルアクリレートの量を40gとし、エチレングリコールジメタクリレートの量を15gとし、グリセリンステアレートの量を0gとし、メチルヘプタンの量を0gに変えた。これら以外は合成例13と同様にして、凹部を有しない樹脂粒子36を得た。
[樹脂粒子37の作製]
20Lのガラス容器に、水1500gにケン化度88%のポリビニルアルコール15gを分散して分散液を得た。また、トルエン15gに、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体(コロネートL:日本ポリウレタン社製)20gを溶解した液を調製した。溶解液と上記分散液とを混合、分散して、乳化液を得た。この乳化液の3Lを別のガラス容器に移し、70℃に加温して3時間反応させた。分散液を遠心分離機で脱水・洗浄し、真球乾燥機で乾燥した。得られた粒子を分級して、平均粒径15μmの中空マイクロカプセルである樹脂粒子37を得た。
[導電性微粒子の作製]
金属酸化物系粒子としてのシリカ(平均粒子径15nm、体積抵抗率1.8×1012Ω・cm)7.0kgに、メチルハイドロジェンポリシロキサン140gを、エッジランナーを稼動させながら添加した。運転条件は、線荷重を588N/cm(60Kg/cm)、攪拌速度を22rpmで30分間混合攪拌を行った。次に、カーボンブラック粒子(粒子径28nm、体積抵抗率1.0×102Ω・cm、pH6.5)7.0kgを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加した。更に588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で60分間混合攪拌を行い、メチルハイドロジェンポリシロキサン被覆にカーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用いて80℃で60分間乾燥して導電性複合微粒子を得た。このときの攪拌速度は22rpmで行った。得られた導電性微粒子は、平均粒径が15nm、体積抵抗率は2.3×102Ω・cmであった。
[酸化チタン粒子の作製]
針状ルチル型酸化チタン粒子(平均粒径15nm、縦:横=3:1)、体積抵抗率5.2×1010Ω・cm)1000g、表面処理剤としてイソブチルトリメトキシシラン110g、溶媒としてトルエン3000gを配合してスラリーを調製した。このスラリーを、攪拌機で30分間混合した後、有効内容積の80%が平均粒子径0.8mmのガラスビーズで充填されたビスコミルに供給し、温度35±5℃で湿式解砕処理を行った。湿式解砕処理して得たスラリーは、ニーダーを用いて減圧蒸留(バス温度:110℃、製品温度:30〜60℃、減圧度:約100Torr)によりトルエンを除去し、120℃で2時間表面処理剤の焼付け処理を行った。焼付け処理後の粒子は、室温まで冷却した後、ピンミルを用いて粉砕した。
[弾性層の作製]
直径6mm、長さ252.5mmのステンレス製芯金を導電性支持体として使用し、熱硬化性接着剤(メタロックU−20:東洋化学研究所製)を塗布し、乾燥した。次に、以下のものを50℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練して、原料コンパウンドを調製した。
カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液に、メチルイソブチルケトンとメチルエチルケトンの質量比で1:1の混合溶媒を加え、固形分が8.5質量%となるように調整し、アクリルポリオール液を調製した。アクリルポリオール液の固形分100質量部に対して、以下のものを加え、混合液を調製した。
帯電部材1の表面を光学顕微鏡で観察し、表面層に形成されている凸部が有している凹部の形状(開口径、開口深さ)、凹部を有する凸部の割合、凸部を形成する樹脂粒子の粒子径、開口比、及び硬度について以下の方法により求めた。
Allowable Drift Rate 0.05nm/s
Frequency Target 45.0Hz
Harmonic Displacement Target1.0nm
Strain Rate Target 0.05 1/S
Depth Limit 2000nm。
マイクロ硬度の測定は、マイクロ硬度計MD−1型(高分子計器株式会社製)を用い、23℃/55%環境においてピークホールドモードで測定した。
表面層の膜厚は、表面層を軸方向3箇所、円周方向3箇所、計9箇所の断面を、光学顕微鏡で観察して測定し、その平均値を採用した。
表面の十点平均粗さRzjis及び表面の凹凸平均間隔Smは、JIS B 0601−1994表面粗さの規格に基づき測定した。測定は、表面粗さ測定器(商品名:SE−3500、株式会社小坂研究所製)を用いて行う。Rzjisは、帯電部材の表面から無作為に選んだ6箇所におけるRzjisの算術平均値である。また、Smは、帯電部材の表面の無作為に選んだ6箇所におけるSm(凹凸の平均間隔)の算術平均値である。RzjisおよびSmの測定に際して、カットオフ値は0.8mm、評価長さは8mm、カットオフフィルタをガウシャンとした。
電気抵抗の測定方法としては、図4に示すように、帯電部材の両端の軸1を荷重のかかった不図示の軸受けにより支持し、感光体と同じ曲率の円柱形金属16に対して帯電部材を平行に配置し当接させる。不図示のモータにより円柱形金属16を回転させ、帯電部材を円柱形金属に当接させたまま従動回転させる。電源17から直流電圧−200Vを印加し、抵抗15に流れる電流を電流計23で測定して帯電部材の抵抗を算出した。帯電部材の軸の両端に加えた力はそれぞれ5N、金属円柱の直径は30mm、回転の周速は45mm/secとした。
得られた帯電部材1について、汚れ付着促進試験を行った。レーザープリンタ(LBP 5400:キヤノン社製)を200mm/secのプロセススピードに改造した電子写真装置(以下、評価機1という。)に、帯電部材1を装着した。次いで、常温常湿環境下(25℃、50%RH)において、単色ベタ画像を100枚連続出力し、その後、ベタ白画像を1枚通紙する。この操作を6回繰り返して、合計で、600枚の単色ベタ画像を出力した。この作業によって、帯電部材表面に強制的にトナーや外添剤を付着させた。この帯電部材1を用いて、以下の画像評価試験1及び画像評価試験2を行った。
常温常湿環境(環境1:温度23℃、湿度50%RH)、低温低湿環境(環境2:温度15℃湿度10%RH)の各環境下で行った。評価機1を使用して、印字濃度2%の画像(感光体の回転方向と垂直方向に幅2ドット、間隔50ドットの横線を描くような画像)を連続複数枚の印刷を行った。そして、初期、3000枚印刷後及び6000枚印刷後に、それぞれ画像評価のためにハーフトーン(感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描くような画像)画像を出力した。得られた3枚のハーフトーン画像を目視にて以下の基準により評価した。
A:帯電ムラに起因するスジ状の濃度ムラ(スジ状画像)、斑点状の濃度ムラ(ポチ状画像)が認められない。
B:極めて軽微なスジ状または斑点状の濃度ムラが認められることがある。
C:スジ状または斑点状の濃度ムラが認められることがある。
D:スジ状または斑点状の濃度ムラが常に多く認められる。
評価機用のプロセスカートリッジを一端0.8kg重、両端で計1.6kg重のばねによる押し圧力になるように改造した。このプロセスカートリッジに帯電部材1を装着し、温度30℃、湿度80%RHの環境下で1ヶ月、また温度40℃、湿度95%の環境下で1ヶ月間の2種類の条件下にそれぞれ放置した。その後、温度23℃、湿度50%の環境下、さらに温度15℃、湿度10%の条件下で、上述の評価機1で、画像評価のためにハーフトーン(感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描くような画像)画像を出力した。
A:Cセットに起因するストライプ状のムラが画像に認められない。
B:Cセットに起因する極めて薄いストライプ状のムラが画像に認められることがある。
C:Cセットに起因する、ランクBよりも濃いストライプ状のムラが画像に認められることがある。
D:Cセットに起因する、濃いストライプ状のムラが画像に常に認められる。
表面層形成用塗料に添加する樹脂粒子、その添加量及び表面層塗料へのディッピング時間を表14に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、帯電部材2〜5を作製し、評価を行った。結果を表16〜19に示す。
表面層形成用塗料に添加する樹脂粒子、添加量、導電性微粒子の添加量、第1の分散時間及びディッピング時間を表15に示すように変更した。これら以外は実施例1と同様にして、帯電部材6〜36を作製し、評価した。結果を表16〜19に示す。
表面層形成用塗料に添加する樹脂粒子1を樹脂粒子37に変更し、ディッピング時間を40秒に変更した以外は実施例1と同様にして、表面層を作製した。その後、表面層を研磨加工し、中空カプセルによる凹部を有する帯電部材37を作製し、評価した。研磨には、研磨砥石(テイケン(株)社製、砥粒が緑化炭化珪素(JIS記号:GC)、粒度#80、結合度C、組織20、結合剤V(ビトリファイド))を使用した。研磨方法としては、この研磨砥石を円筒研磨機に取り付け、表面層の表面15μmを研磨し、樹脂粒子37に由来する凸部を研削して除去した。研磨条件は、ゴムローラが研磨砥石と接触してから終了までの時間8秒、研磨砥石の回転数2050rpm、ゴムローラの回転数350rpmとした。また、研磨砥石とゴムローラの回転方向を同方向とするアッパーカット方式とした。
2 弾性層
3 表面層
4 感光体
51 表面層が有する凸部
52 表面層が有する凹部
53 表面層が有する凹部の深さ
54 表面層が有する凹部の開口径
55 樹脂粒子が有する凹部
56 樹脂粒子の粒子径
57 樹脂粒子の開口径
58 樹脂粒子
Claims (5)
- 導電性支持体と、表面層とを有する帯電部材であって、
該表面層が、表面に凹部を有する樹脂粒子と、該樹脂粒子を分散したバインダーとを含み、表面に該樹脂粒子に由来する凸部が形成され、
該凸部は、該樹脂粒子の該凹部に由来する凹部を有し、かつ、該樹脂粒子は、該表面が該バインダーで覆われていることを特徴とする帯電部材。 - 前記表面層が有する前記凹部の開口径が0.5μm以上、5μm以下であり、最大深さが0.5μm以上、2μm以下である請求項1記載の帯電部材。
- 前記表面層の前記表面に形成された前記凸部は、前記凸部の総数に対し80%以上に前記凹部を有していることを特徴とする請求項1又は2記載の帯電部材。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の帯電部材と、該帯電部材に接触して配置されている感光体とを有し、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の帯電部材と、該帯電部材に接触して配置されている感光体とを有していることを特徴とする電子写真装置。
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