JP2005309398A - 導電性部材およびそれを用いたプロセスカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】 トナー搬送性およびトナー帯電性を満足する適正な表面粗さ、と凹凸の平均間隔を任意にコントロールした上で、感光体表面を汚染しないような十分な表面被覆層の膜厚を有し、さらには物流時の落下衝撃による現像ブレードとの間で生じるトナーフィルミングの発生を防止した導電性部材を提供することである。
【解決手段】 導電性支持体と、その外周に少なくとも1層の弾性層および少なくとも1層以上の被覆層の順に形成された導電性部材において、前記弾性層上に前記被覆層を形成する前に、前記弾性層表面に紫外線を照射することで表面処理を行い、かつ該被覆層最外層が、樹脂と該被覆層材料で被覆され、平均粒径が3μmから30μmの絶縁性粒子、平均粒径0.1μm以下の導電性微粒子を有し、該絶縁性粒子の平均粒径(A)μmと該被覆層最外層の絶縁性粒子が存在しない部分の膜厚(B)μmの関係が、A/B≧1、であることを特徴とする導電性部材による。
【選択図】 図2

Description

本発明は、プリンタ、ファクシミリ及び複写機等の電子写真方式を採用した画像形成装置における現像、帯電、転写、クリーニング、除電等に用いる導電性部材に関する。
近年、複写機、プリンタ等のOA機器は高画質化が進んでおり、それに伴い感光体上の静電潜像をトナーにより可視化する現像プロセスでは、現像剤担持部材として弾性体を用い、感光体に均一に圧接して現像を行う接触現像方式が提案されている。この接触現像方式で、現像剤担持部材は、感光体への均一な圧接幅を確保するために、弾性材料により構成されると共に、電圧を印加してトナー像を感光体上に形成するために、均一な導電性や耐リーク性が求められる。
そこで、例えば導電性支持体上に、電子導電剤やイオン導電剤を分散し、所望の抵抗値に調節した弾性層を形成し、その外周に、耐摩耗性やトナー帯電性、トナー搬送性を得るために、ナイロン、ウレタン等の樹脂に、適宣表面粗さを確保するための粗し粒子や、導電性を確保するための導電剤を添加した表面層を設ける場合が多い。また現像剤担持部材の抵抗安定化のために、弾性層と表面層の間に抵抗調整層(中間層)を設ける場合もある。
特許文献1は、トナー搬送性、帯電性、耐トナー劣化性を満足させるため、弾性体の表面に、表面層を形成している。この表面層は、厚みが5μm以上50μm以下で、且つ前記表面層に含有される微粒子の平均粒径が10μm以上50μm以下であり、且つ表面層中における前記微粒子の配合量が表面層の樹脂成分の100重量部に対して15重量部以上50重量部以下で、3μm以上15μm以下の表面粗さとなるように微粒子を分散させている。
しかしながら、特許文献1の技術では、帯電性の評価を黒ベタ印字するときのマクベス濃度で行っており、性能を満足することは可能であるが、高温高湿(H/H)環境(例えば30℃/80%RH)下において耐久試験を行った場合に、帯電性の不足によるカブリ現象が新たな問題として見出される。
このカブリ現象は、現像剤担持部材上のトナーの層厚を規制する規制ブレードとの摩擦が影響していることが判明しており、表面粗さの凹凸間隔の違いにより、カブリの性能に大きく差が生じる。
特許文献2では円筒状支持体の外周面にコート層を設け、コート層の表面が0.8μm以上2.5μm以下の範囲内の算術平均粗さRaを有し、かつ、95μm以上100μm以下の範囲内の平均間隔Smを有することにより、画質を向上させている。
しかしながら、この従来技術においても、帯電性の評価を黒ベタ印字するときのマクベス濃度で行っており、性能を満足することは可能であるが、高温高湿(H/H)環境(例えば30℃/80%RH)下において耐久試験を行った場合に、帯電性の不足によるカブリ現象が新たな問題として発生する。
またこの現像剤担持体の達成手段としては、表面コート層に、カーボンブラックとグラファイトを含有させているが、表面コート層の凹凸をある範囲内にするための、具体的な達成手段は特に示されていない。
特許文献3では、表面層に導電性カーボンビーズを含有することにより、表面は0.8μm以上2.5μm以下のRa、95μm以上150μm以下のSmを有する現像剤担持体を用い、画像濃度とゴースト性能を満足させている。
添加する粒子が導電性を有する場合、所望の表面粗さ範囲を満足する量を添加した場合には表面層の体積抵抗値が低下し、感光体に対し放電が起こり、画像横スジが発生するといった問題があった。
特開平11−160998号公報 特開平8−234559号公報 特開平9−15979号公報
特許文献1および2の技術では、高温高湿(H/H)環境(例えば30℃/80%RH)下において耐久試験を行った場合に、帯電性の不足によるカブリ現象が新たな問題として発生し、この点が改善された特許文献3の技術では、上記の課題は解消するが、表面層の体積抵抗値が低下し、感光体に対し放電が起こり、画像横スジが発生するという新たな問題が発生する。
本発明は、電子写真装置に使用される、トナー搬送性およびトナー帯電性を満足する適正な表面粗さ、と凹凸の平均間隔を任意にコントロールした上で、感光体表面を汚染しないような十分な表面被覆層の膜厚を有し、さらには物流時の落下衝撃による現像ブレードとの間で生じるトナーフィルミングの発生を防止した導電性部材を提供することを目的とする。
本発明は、導電性支持体と、その外周に少なくとも弾性層および被覆層とが順に形成された導電性部材において、前記弾性層上に前記被覆層を形成する前に、前記弾性層表面を積算光量30〜300mJ/cm2の紫外線を照射することで表面処理を行い、かつ前記被覆層は、樹脂と平均粒径が3μmから30μmの絶縁性粒子を含み、前記絶縁性粒子の平均粒径(A)μmと前記被覆層の絶縁性粒子が存在しない部分の膜厚(B)μmが、A/B≧1の関係である絶縁性粒子含有層を有することを特徴とする導電性部材である。更に、被覆層の表面が、前記絶縁粒子含有層により構成されていることが好ましく、被覆層が絶縁性粒子を含まない層と絶縁性粒子含有層とからなることを特徴とするものである。
この場合、絶縁性粒子の粒径の変動係数が40%以下であることが好ましく、被覆層が、平均粒径0.1μm以下の導電性微粒子を含んでいても良い。
以上のように、本発明によれば、電子写真装置に使用される、トナー搬送性およびトナー帯電性を満足する適正な表面粗さ、と凹凸の平均間隔を任意にコントロールした上で、感光体表面を汚染しないような十分な表面被覆層の膜厚を有し、さらには物流時の落下衝撃による現像ブレードとの間で生じるトナーフィルミングの発生を防止した導電性部材を提供することが可能となった。
本発明は、金属からなる導電性支持体と、その外周に少なくとも1層の弾性層を形成し、弾性層表面を積算光量30〜300mJ/cm2の紫外線を照射することで表面処理を行い、弾性層の外周に、少なくとも樹脂と平均粒径が3μmから30μmの絶縁性粒子を含む被覆層を形成した導電性部材である。この際、被覆層は、絶縁性粒子の平均粒径(A)μmと前記被覆層の絶縁性粒子が存在しない部分の被覆層の膜厚(B)μmが、A/B≧1の関係であることが好ましい。被覆層は単層であっても複層であってもかまわないが、複層構造の場合、下層となる第1の被覆層は、絶縁性粒子を含まない。絶縁性粒子の粒径の変動係数が40%以下であることが好ましい。
被覆層に、平均粒径0.1μm以下の導電性微粒子を含ませることができるが、被覆層が複層構造である場合、導電性微粒子は下層の第1の被覆層に含ませすることが好ましい。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の導電性支持体の1例としての現像剤担持部材の一つの実施形態の概略を示すもので、(a)は現像剤担持部材の軸線に沿った概略断面図、(b)は現像剤担持部材を軸方向からみた図である。
図1に示す現像剤担持部材は、導電性支持体1上に弾性層1bを形成し、その外周に被覆層1c、被覆層最外層1dを設けたものである。図2は、被覆層1c、被覆層最外層1dの概略断面図である。
図3は本発明の導電性支持体のもう1例としての現像剤担持部材の一つの実施形態の概略を示すもので、(a)は現像剤担持部材の軸線に沿った概略断面図、(b)は現像剤担持部材を軸方向からみた図である。
図3に示す現像剤担持部材は、導電性支持体1a上に弾性層1bを形成し、その外周に被覆層最外層1dを設けたものである。
被覆層最外層1dは、層中に埋め込まれている平均粒径が3μmから30μmの絶縁性粒子2および/または平均粒径0.1μm以下の導電性微粒子を有し、絶縁性粒子2の平均粒径(A)μmと被覆層最外層1dの絶縁性粒子2が存在しない部分の膜厚(B)μmの関係が、A/B≧1、であり、被覆層最外層1dの絶縁性粒子2が存在しない部分の膜厚(B)μmと被覆層1cの膜厚の和が8μm以上30μm以下である構成で出来た表面を有することが好ましい。
また本発明では、被覆層最外層1dの絶縁性粒子2が存在しない部分の膜厚(B)μmの膜厚が好ましくは、8μm以上30μm以下であれば、被覆層1cの無い弾性層1bと被覆層最外層1dのみの構成でもよいし、弾性層1bと被覆層1cの間に第2の弾性層を設けてもよいし、弾性層1bと被覆層1cの間に抵抗調整のため、抵抗層を設けてもよい。
本発明に用いられる導電性支持体1aは、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム及びニッケル等の金属材料の丸棒を用いることができる。更に、これらの金属表面に防錆や耐傷性付与を目的としてメッキ処理を施しても構わないが、導電性を損なわないことが必要である。
弾性層1bは、天然ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、ネオプレンゴム、イソプレンゴム、ニトリルブタジエンゴム(NBR)等のゴム材料に、必要に応じて導電剤(カーボンブラック、グラファイト、導電性金属酸化物、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄粉等)或いはイオン導電剤(アルカリ金属塩及びアンモニウム塩)、導電性ゴム等を適宜用いることができる。この場合、導電剤は2種以上併用してもよい。の硬さ、圧縮永久歪みを考慮した場合、付加反応型導電性シリコーンゴムが好ましく、厚みは1〜6mmが好ましい。
弾性層1bの外周面上に被覆層1cまたは被覆層最外層1dを形成するため、弾性層1bの表面を親水化処理する。親水化する方法は種々あるが、弾性層の表面に親水化処理を行うので、本発明においては紫外線照射による親水化処理方法を用いることが好ましい。紫外線発光源としては、キセノンエキシマランプ(172nm)や低圧水銀ランプ(185nm)等があるが、低コスト、メンテナンス性、長寿命、少エネルギー、小型装置等の利点を持っているキセノンエキシマランプ(中心波長が172nm)を用いたエキシマ光を弾性層に照射する方法を用いた。
紫外線を照射することによって、シリコーンゴムを主成分とする弾性層の表面の分子結合を切断し、側鎖にカルボキシル基や水酸基等の親水基を結合させることによって、表面を親水化することができる。
図4にエキシマ光照射装置の概略構成図を示す。エキシマランプを収納する容器内はエキシマ光が吸収されにくい窒素で置換され、エキシマ光は合成石英窓49より放射される。また、エキシマランプは冷却水により冷却される。エキシマ光は、導電性支持体の外周面に弾性層を形成して調製したローラ(前駆体ローラと表すことがある)を回転させながら照射するのが好ましい。回転させながら照射することで、一様に均一にエキシマ光照射処理できるからである。回転速度は、弾性層が均一にエキシマ光照射処理される速度であれば、特に限定されないが、通常10〜50rpmとするのが好ましい。また、前駆体ローラの軸方向をエキシマランプの長手方向と並列に配置することが好ましく、これにより、均一にエキシマ光照射処理することができる。エキシマランプと前駆体ローラ表面の間隔(照射距離と表すことがある)は、1〜5mmとするのが好ましく、2〜3mmとするのがより好ましい。照射距離を1mm以上とすると装置的に制御するのが容易となり、5mm以下とするとエキシマ光の大気中での減衰を抑えることができ、これによりエキシマ光照射処理時間を短縮することができる。
本発明における、エキシマ光による照射処理は、50〜300mJ/cm2の積算光量の範囲で行われることが好ましい。積算光量は、照射光強度と照射時間の積であり、照射光強度を測定し、適宜照射時間を設定することで、決定する。照射光強度および照射時間は、積算光量を上記の範囲とするものであれば、特に限定されない。
積算光量を50mJ/cm2以上とすると、弾性層の表面が充分に親水化され塗工液に対する濡れ性が改善され、弾性層と被覆層または被覆層最外層との密着力が大きくなり物流時の振動や落下衝撃により現像剤担持部材の被覆層または被覆層最外層が剥がれる問題を解決することができる。またさらに本発明におけるトナー搬送性およびトナー帯電性を満足する適正な表面粗さ、と凹凸の平均間隔を任意にコントロールした被覆層最外層を形成することが可能となる。
また積算光量を、300mJ/cm2以下とすることにより、弾性層の表面に発生するラジカルによるシリコーンゴムを主成分とする弾性体の高分子化、高架橋化に起因する弾性層の高抵抗化を抑えることができる。これにより、現像剤担持部材の軸方向に局所的なトナーフィルミングを生じるのを抑え、結果的に、スジ画像が発生するのを防止することができる。
エキシマ光(中心波長172nm)による照射処理を施した前駆体ローラの弾性層の外周面には、次に、被覆層または被覆層最外層を形成するための塗工液を塗布する。本発明においては、エキシマ光による照射処理を終了し、弾性層の外周面の樹脂層を形成する全面に塗工液を塗布するまでの時間(移行時間と表すことがある)は、1×10-3〜1×102時間が好ましい。移行時間が、1×10-3時間以上であれば、親水化の効果が大きすぎて、表面にムラのある樹脂層が形成されないので、ムラのある画像が発生することがない。また、移行時間を1×102時間以下であれば、エキシマ光照射処理によって親水化した弾性層表面のラジカルが大気中の水分により失活することがなく、弾性層と被覆層または被覆層最外層との接着力が小さくなり、被覆層または被覆層最外層が剥がれるといった問題が発生することもない。
すなわち、シリコーンゴムを主成分とする弾性体からなる弾性層の外周面の被覆層または被覆層最外層を形成すべき面に、エキシマ光による光照射処理を行った後、1×10-3〜1×102時間以内に被覆層または被覆層最外層を形成するための塗工液の塗布を行うことで、被覆層または被覆層最外層が弾性層に充分に接着し、また現像剤担持部材の表面に付着したトナーの電荷量の絶対値に等しく、かつ極性が反対の電荷が導電性支持体から容易に移動でき、物流時の振動や落下衝撃時でも、被覆層または被覆層最外層の剥がれ、現像ブレードとの間で生じるトナーフィルミングの発生を防止でき、良好な画像を得ることができる。
被覆層1cが、弾性層に接した位置に形成される目的は、弾性層1b中に含有される軟化油や可塑剤等の現像剤担持部材表面へのブリードアウトを防止する、および、現像剤担持部材全体の電気抵抗を調製するためである。
被覆層1cを構成する材料としては、例えば、フッ素樹脂、ナイロン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー及び塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。これらの材料は、単独又は2種類以上を混合してもよく、共重合体であってもよい。
被覆層1cは、接触現像方式においては現像剤担持部材の感光体への均一な圧接が必要であり、また現像材担持部材上のトナーの層厚を規制する規制ブレードとも接触しているため、変形した跡が残ると、それが画像不良として現れてしまう。その様なことから、現像剤担持部材は、複写機やプリンタ等に用いられる環境温度に対し、高い圧縮永久歪みが要求されることからポリウレタン樹脂が好ましい。
被覆層最外層1dは、耐摩耗性やトナー帯電性、トナー搬送性等が要求されるため、構成する材料としては、例えば、フッ素樹脂、ナイロン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましく、現像剤担持部材としては、圧縮永久歪みの観点からウレタン樹脂が好ましい。
被覆層1cおよび被覆層最外層1dに使われる、ウレタン樹脂に用いられるポリオール化合物としては、ポリエチレングリコール、テトラメチレングリコールポリエチレンジアジペート、ポリエチレンブチレンアジペート、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリカーボネートポリオール、ポリプロピレングリコール等の公知のポリウレタン用ポリオールが挙げられる。
イソシアネート化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等のジイソシアネート、およびそれらのビュレット変性体、イソシアヌレート変性体、ウレタン変性体等を好ましく使用することができる。特に好ましいイソシアネート化合物は、HDIおよびそのビュレット変性体、イソシアヌレート変性体、ウレタン変性体等である。イソシアネート化合物は、その分子鎖が長いほど、より高い柔軟性を有するポリウレタン表面層を生成する。
また、被覆層1cは、被覆層最外層1dの膜厚が薄いことも考慮し、感光体を汚染してしまう材料構成であってはならない。同様に、直接感光体と接触する被覆層1cも、感光体を汚染してしまう材料構成であってはならない。この点を考慮してもポリウレタン樹脂は好ましい材料といえる。
被覆層1cの形成に用いることのできる有機溶剤としては、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンのケトン類、キシレン、トルエン等の芳香族類、n−酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、テトラヒドロピラン等のエーテル類が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。また樹脂等が溶解する場合は、水等も溶剤として用いることが出来る。
現像剤担持部材全体の電気抵抗を調製する目的のため、被覆層1cは、導電性もしくは半導電性にすることも可能である。導電性、半導電性の発現のためには、各種電子伝導機構を有する導電剤(カーボンブラック、グラファイト、導電性金属酸化物、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄粉等)或いはイオン導電剤(アルカリ金属塩及びアンモニウム塩)を適宜用いることで実現できる。この場合、所望の電気抵抗を得るためには、前記各種導電剤を2種以上併用してもよい。
前述の各材料を有機溶剤や水等中に添加し適宣希釈し、導電剤を分散し、塗工液を作製する。塗工方法としては、ディップ塗工、スプレー塗工、ロール塗工法等公知の塗工方法が利用可能である。
塗工液の作製において粉砕工程を加える場合は、ボールミル、サンドミル又は振動ミル等を用いる。また分散した導電剤の平均粒径は、被覆層最外層1dの表面凹凸の形成に影響が出ないよう0.1μm以下であることが好ましい。
次に、上記のような塗工方法で作製した膜を乾燥するが、乾燥の方法としては、熱を加えない風乾、加熱乾燥、熱硬化性樹脂の場合は、反応温度までの加熱処理等、用いる材料によって選択することが出来る。
被覆層1cを形成後、被覆層最外層1dを形成する。被覆層最外層1dの形成は、被覆層1cの膜が完全に破壊されないようにする必要がある。また被覆層1cと被覆層最外層1dの界面は、ハッキリ存在する必要はなく、被覆層最外層1dに含まれる絶縁性粒子2が、被覆層1c側に存在しなければ本発明の導電性部材を達成することが出来る。
また被覆層最外層1dの導電性、半導電性の発現のためには、各種電子伝導機構を有する導電剤(カーボンブラック、グラファイト、導電性金属酸化物、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄粉等)或いはイオン導電剤(アルカリ金属塩及びアンモニウム塩)を適宜用いることができる。この場合、所望の電気抵抗を得るためには、前記各種導電剤を2種以上併用してもよい。
絶縁性粒子2の平均粒径は、粒子径をD、粒子数をnとしたとき、体積平均径(Dv)=((Σ(nD3)/(Σn))1/3の式で求められ、本発明の絶縁性粒子2は、平均粒径(体積平均径)が3μmから30μmであることが好ましく、粒径の変動係数が40%以下であることが好ましい。ここで変動係数とは、標準偏差を平均粒径(体積平均径)で割ったものを100倍した百分率で示したものである。絶縁性粒子2としては、例えばウレタン粒子、ナイロン粒子、アクリル粒子、シリコーン粒子等を用いることが出来、形状としては球形が好ましい。
絶縁性粒子2の平均粒径が3μm以下であると、被覆層最外層1dの表面凹凸が小さ過ぎて十分なトナー搬送性が得られなくなる。また平均粒径が30μm以上であると、被覆層最外層1dの表面凹凸が大き過ぎ、トナー搬送量が過剰となり、結果として画像不良となる。また絶縁性粒子2の変動係数が40%以上となると、絶縁性粒子2の粒度分布が広くなることになり、現像剤担持部材表面の表面粗さやSmを任意にコントロールすることが難しくなる。
被覆層最外層1dの絶縁性粒子が存在しない部分の膜厚を(B)としたとき、絶縁性粒子2の平均粒径(A)との関係はA/B≧1の関係が成り立つような、被覆層最外層1dの絶縁性粒子が存在しない部分の膜厚とすることが好ましい。また被覆層最外層1dの絶縁性粒子が存在しない部分の膜厚(B)と被覆層1cの膜厚の和が8μm以上であることが好ましく、この和が8μm以下であると、弾性層中に含有される軟化油や可塑剤等の現像剤担持部材表面へのブリードアウトが防止できなくなる。また被覆層1cの無い弾性層1bと被覆層最外層1dのみの構成の場合は、被覆層最外層1dの絶縁性粒子2が存在しない部分の膜厚(B)μmの膜厚は8μm以上が好ましい。
また、被覆層最外層1dは、絶縁性粒子が存在しない部分の膜厚が如何なる場合においても、層中に埋め込まれた絶縁性粒子2を有することが好ましい。絶縁性粒子及び/または導電性粒子は、所望とする導電部材の特性が得られる範囲内であれば、これらの全てが被覆層内にうめこまれている、すなわち樹脂を主体とする結着材により被覆されている粒子の割合が高ければ高いほど、これらの粒子に起因する繰り返し使用時のトナー融着の発生をより効果的に防止できる。
前記した各材料を有機溶剤や水等中に添加し適宣希釈し、導電剤を分散し、塗工液を作製する。塗工方法としては、ディップ塗工、スプレー塗工、ロール塗工法等公知の塗工方法が利用可能である。
本発明に用いることのできる有機溶剤としては、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンのケトン類、キシレン、トルエン等の芳香族類、n−酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、テトラヒドロピラン等のエーテル類、メタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。また樹脂等が溶解する場合は、水等も溶剤として用いることが出来る。
また被覆層最外層を作製する溶剤の選択は、前工程で形成した被覆層1cを余り溶解しない溶剤の方が好ましい。相応しい溶剤がない場合、被覆層1cを形成した段階で、十分な乾燥を行うことが好ましい。熱硬化性樹脂の場合は、硬化反応を終了しておくことでも対応することができる。
塗工液の作製において粉砕工程を加える場合は、ボールミル、サンドミル又は振動ミル等を用いる。また分散した導電剤の平均粒径が0.1μm以上であると、絶縁性粒子2で形成される表面凹凸の形成への影響が考えられるため、導電剤は0.1μm以下になるまで十分に分散や粉砕をする必要がある。
被覆層最外層1dの絶縁性粒子が存在しない部分の膜厚は、各材料を有機溶剤や水等中に添加し適宣希釈することで調節することが可能であり、この濃度調整と塗工方法の選択により、被覆層最外層1dの表面凹凸の高さ、所謂表面粗さが任意に調整出来るようになる。また樹脂成分および導電剤に対して、絶縁性粒子2の添加濃度を調整することで、被覆層最外層1dの表面凹凸の間隔、所謂Smが任意に調整出来るようになる。このとき膜厚の関係は、前述したようにA/B≧1の関係が成り立つようにするため、樹脂成分および導電剤に対して、絶縁性粒子2の添加濃度は、絶縁性粒子2以外の固形分例えば樹脂成分および導電剤に対して低めにすることが好ましく、具体的には樹脂成分を100重量部としたとき、絶縁性粒子2は、1〜15重量部である。この範囲であれば、被覆層最外層中の絶縁性粒子は、膜中で重なることなく1層のみの配列となり、表面粗さとSmが任意に制御出来る。また絶縁性粒子2か15重量部を越えると、被覆層最外層中で絶縁性粒子が重なり、膜厚が厚くなるばかりか、表面粗さおよびSmが任意に制御しづらくなる。
次に、乾燥の方法としては、溶剤や水を除去するための加熱乾燥や熱硬化性樹脂の場合は、反応温度までの加熱処理等があり、用いる材料によって適宜選択することが出来る。またこのとき、被覆層最外層1dを作製する前工程で作製した被覆層1cの乾燥を兼ねることも可能である。
導電性部材の被覆層1cの膜厚および被覆層最外層の絶縁性粒子が存在しない部分の膜厚(B)は、図5の点線部分を刃物で切り取り、図5の、被覆層の断面を観察できる試料を作成し、被覆層の断面をキーエンス社製デジタルHFマイクロスコープVH−8000により観察した。図2のように絶縁性粒子の無い部分で平らな部分に関し、被覆層最外層表面から被覆層最外層と被覆層の界面までの距離(B)を測定した。また隣り合う絶縁性粒子が近接していて絶縁性粒子間に平らな部分が無い場合は、膜が一番凹となった部分を膜厚(B)とした。また被覆層最外層と被覆層の界面がハッキリしない場合は、近接する絶縁性粒子の下端を被覆層最外層と被覆層の界面として、膜厚(B)を測定した。被覆層1cの膜厚は、被覆層と弾性層1bの界面から被覆層と被覆層最外層界面までの距離を測定した。
また被覆層1cの無い弾性層1bと被覆層最外層1dのみの層構成の場合は、絶縁性粒子の無い部分で平らな部分に関して、被覆層最外層表面から被覆層最外層と弾性層の界面までの距離(B)を測定した。
この測定を長手方向に5箇所、図5のような扇形形状の試料を取り出し、一つの扇形形状について10箇所、計50箇所を測定し、測定結果を平均し膜厚(B)および被覆層1cの膜厚とした。
また絶縁性粒子の平均粒径は、ベックマン・コールター(株)製MultisizerTM3で平均粒径および標準偏差を求めた。
なお、ローラ形状の現像剤担持部材の表面被覆層の形成に関して詳述してきたが、現像剤担持部材以外の、帯電部材、転写部材、クリーニング部材、除電部材等の被接触物を電気的にコントロールする導電性部材に、被覆層を形成する場合も、同様の考え方を適用できることは明らかである。
エキシマランプの紫外線積算光量測定には、感度波長域が150〜400nmである紫外線積算光量計(本体:UIT−150、センサー部:VUV−S172、ウシオ電機製)を使用して測定した。
次に本発明のプロセスカートリッジの一例について、図を用いて説明する。図6は、本発明のプロセスカートリッジを用いた画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
本発明のプロセスカートリッジは、潜像を担持する潜像担持体としての感光ドラムに対向して当接または圧接した状態で現像剤を担持する現像剤担持部材を備え、この現像剤担持部材が感光ドラムに現像剤としてのトナーを付与することにより潜像を現像剤像として可視化するプロセスカートリッジであり、潜像担持体としての感光ドラム21、帯電装置22、現像剤担持部材25、現像ブレード27、現像容器34、クリーニングブレード30を備えており、現像剤担持部材25として本発明の現像剤担持部材を用いたものである。本発明のプロセスカートリッジは、感光ドラム21が矢印A方向に回転し、感光ドラム21を帯電処理するための帯電装置22によって一様に帯電され、感光ドラム21に静電潜像を書き込む露光手段であるレーザー光23により、その表面に静電潜像が形成される。上記静電潜像は、感光ドラム21に対して近接配置され、画像形成装置本体に対し着脱可能な本発明のプロセスカートリッジに保持される現像装置24によって現像剤たるトナー28を付与されることにより現像され、トナー像として可視化される。
現像は露光部にトナー像を形成するいわゆる反転現像を行っている。可視化された感光ドラム21上のトナー像は、転写ローラ29によって記録媒体である紙33に転写される。トナー像を転写された紙33は、定着装置32により定着処理され、装置外に排紙されプリント動作が終了する。
一方、転写されずに感光ドラム21上に残存した転写残トナーはクリーニングブレード30により掻き取られ廃トナー容器31に収納され、クリーニングされた感光ドラム21は上述作用を繰り返し行う。
現像装置24は、一成分現像剤として非磁性トナー28を収容した現像容器34と、現像容器34内の長手方向に延在する開口部に位置し感光ドラム21と対向設置された現像剤担持体としての本発明の現像剤担持部材25とを備え、感光ドラム21上の静電潜像を現像して可視化するようになっている。
尚、現像剤担持部材25は感光ドラム21と当接幅をもって接触している。現像装置24においては、供給ローラ26が、現像容器34内で、現像ブレード27の現像剤担持部材25表面との当接部に対し現像剤担持部材25回転方向上流側に当接され、かつ、回転可能に支持されている。
供給ローラ26の構造としては、発泡骨格状スポンジ構造や芯金上にレーヨン、ナイロン等の繊維を植毛したファーブラシ構造のものが、現像剤担持部材25へのトナー28供給および未現像トナーの剥ぎ取りの点から好ましい。本実施形態においては、芯金上にポリウレタンフォームを設けた直径14mmの供給ローラ26を備えている。
この供給ローラ26の現像剤担持部材25に対する当接幅としては、1〜8mmが有効であり、また、現像剤担持部材25に対してその当接部において相対速度をもたせることが好ましく、本実施形態においては、当接幅を2mmに設定し、駆動手段(図示せず)により所定タイミングで回転駆動させている。
以下に、具体的な実施例を用いて本発明を更に詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は重量部を示す。これらは、本発明を何ら限定するものではない。
下記の要領で本発明の導電性部材としての現像剤担持部材を作製した。
(実施例1)
φ8mmステンレス製支持体を内径16mmの円筒状金型内に同心となるように設置し、弾性層として液状導電性シリコーンゴム(東レダウコーニング社製 体積固有抵抗10E7Ωcm品)を注型後、130℃のオーブンに入れ20分加熱成型し、脱型後、200℃のオーブンで4時間2次加硫を行い、弾性層厚み4mmのローラを得た。
次に、前駆体ローラを30rpmで回転させながら、積算光量が50mJ/cm2になるように紫外線を照射して表面処理を実施した。上記紫外線処理した前駆体ローラを以下の方法で作成した塗工液中に浸漬塗布するまでの移行時間は、1×10-3時間とした。
次いで、ウレタン塗料(ニッポランN5033 日本ポリウレタン社製)を固形分濃度10%となるように、メチルエチルケトンで希釈し、導電剤としてカーボンブラック(#7360SB 東海カーボン製)を固形分に対し50重量部添加し、十分に分散したものに、硬化剤(コロネートL 日本ポリウレタン社製)をウレタン塗料に対し10重量部添加、さらにメチルエチルケトンを200重量部で希釈し、撹拌した塗料を先に成型したローラ上にディッピング塗布し、80℃のオーブンで15分乾燥後、140℃のオーブンで4時間硬化し、被覆層を得た。
次に、ウレタン塗料(ニッポランN5033 日本ポリウレタン社製)を固形分濃度10%となるように、メチルエチルケトンで希釈し、導電剤としてカーボンブラック(#7360SB 東海カーボン製、平均粒子径28nm)を固形分に対し50重量部、絶縁性粒子として平均粒径14μmのウレタン粒子(アートパールC400根上工業製)を固形分に対し6重量部添加した後、十分に分散したものに、硬化剤(コロネートL 日本ポリウレタン社製)をウレタン塗料に対し10重量部添加、さらにメチルエチルケトンを200重量部で希釈し、撹拌した塗料を先に被覆層を形成したローラ上にディッピング塗布し、80℃のオーブンで15分乾燥後、140℃のオーブンで4時間硬化し、被覆層最外層を得た。
以上により作製した現像剤担持部材の表面粗さを、接触式表面粗さ計(製品名:サーフコム480A、東京精密製)を用いて測定した。測定条件としては、半径2μmの触針を用い、押しつけ圧0.7mN、測定速度0.3mm/sec、測定倍率5000倍、カットオフ波長0.8mm、測定長さ2.5mmで行い、周方向3点、軸方向3点、合計9点の平均値を粗さ測定値とした。尚、表面粗さとは、JIS B0601−1994の規定により測定される値である。
次に得られた現像剤担持部材を、上述のプロセスカートリッジに組み込み、レーザービームプリンターに装着し、通常環境下でのトナー帯電性、トナー搬送性、高温高湿下でのカブリ量について評価を実施した。
トナー帯電性については、通常環境(23℃/50%RH)下で黒ベタ画出しテストを行い、100枚目の画質を比較した。得られた画像サンプルの濃度をX−Rite社 Mode1404Aで測定し、画像濃度1.5以上を○、画像濃度1.3以上1.5未満を△、画像濃度1.3未満を×とした。尚、画像濃度が△であっても実用上は特に問題ないレベルである。また画像濃度の値が高ければトナー帯電性が良いことになる。
トナー搬送性については、通常環境(23℃/50%RH)下で100枚目の黒ベタ画像出力中にプリンタを停止し、現像剤担持部材上の単位面積あたりのトナー重量(mg/cm2)を測定した。トナー搬送量が0.4〜0.6(mg/cm2)であれば画像が良好である。
次にカブリ量については、得られた現像剤担持部材を装着したレーザービームプリンターを、高温高湿環境(30℃/80%RH)下で1000枚印字後、白ベタ画像出力中にプリンタを停止し、感光体上に付着したトナーをテープで剥がし取り、反射濃度計にて基準に対する反射率の低下量(%)を測定しカブリ量とした。カブリ量については20%以下であれば画像が良好である。
以上、得られたトナー帯電性、トナー搬送量およびカブリ量の結果と合わせて、被覆層の膜厚、被覆層最外層の絶縁性粒子が存在しない部分の膜厚(B)、絶縁性粒子の平均粒径(A)、平均粒径の変動係数および得られた現像剤担持部材の表面粗さ、Smの測定結果を表1に示した。
また上記方法で作製した現像剤担持部材の組み込まれたプロセスカートリッジを、振動試験機を用いて加速度9.8m/s2の正弦波の下で振動数を10〜100Hzの範囲で、5分周期で変化させながら、振幅2mmで横方向、縦方向、垂直方向についてそれぞれ1時間振動した後に、所定の高さ(落下高さは90cm)からコンクリート面に落下させる。その後、23℃で湿度60%RHの環境下で24時間放置し、これをレーザービームプリンターに装着し、画出しを行い。得られた画像を目視で観察し落下衝撃に起因する現像ブレードとの間で生じるトナーフィリミングにより発生するスジ画像の有無を評価すると共に、プロセスカートリッジから現像剤担持部材を取り出し、十分にトナーを除去した後、被覆層最外層表面にカプトンテープを貼り付け、一気にカプトンテープを引きはがし、被覆層および被覆層最外層の剥がれの有無を評価した。その結果を表1に示した。
(実施例2)
実施例1において被覆層最外層の形成時に添加する絶縁性粒子を平均粒径10μmのウレタン粒子(アートパールCF600T根上工業製)を用い、添加量を3重量部とした以外、他は実施例1と同様にして現像剤担持部材を作製した。
(実施例3)
実施例1において被覆層最外層の形成時に添加する絶縁性粒子を平均粒径6μmのウレタン粒子(アートパールC800根上工業製)をコアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で微粉成分および粗大粉成分を除去し、平均粒径は6μmのままで分級したウレタン粒子を得た。次に分級して得られた粒子を用い、添加量を5重量部とし、希釈剤として添加するメチルエチルケトンを300重量部とした以外、他は実施例1と同様にして現像剤担持部材を作製した。
(実施例4)
実施例1において被覆層最外層の形成時に添加する絶縁性粒子を平均粒径21μmのウレタン粒子(アートパールC300根上工業製)を用い、添加量を3重量部とした以外、他は実施例1と同様にして現像剤担持部材を作製した。
(実施例5)
実施例1において被覆層最外層の形成時に添加する絶縁性粒子の添加量を15重量部とし以外、他は実施例1と同様にして現像剤担持部材を作製した。
(実施例6)
実施例1において弾性層の上に被覆層を形成せず、被覆層最外層のみを作製した以外、他は実施例1と同様にして現像剤担持部材を作製した。
(実施例7)
実施例4において弾性層の上に被覆層を形成せず、被覆層最外層のみを作製した以外、他は実施例4と同様にして現像剤担持部材を作製した。
(実施例8)
実施例1において被覆層最外層の形成時に添加する絶縁性粒子を平均粒径6μmのウレタン粒子(アートパールC800根上工業製)をコアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で粗大粉成分を除去し、平均粒径が3μmになるように分級した。次に分級して得られた粒子を用い、添加量を3重量部とし、希釈剤として添加するメチルエチルケトンを400重量部とした以外、他は実施例1と同様にして現像剤担持部材を作製した。
(実施例9)
実施例1において弾性層の上に被覆層を形成せず、被覆層最外層の形成時に添加する絶縁性粒子を平均粒径21μmのウレタン粒子(アートパールC300根上工業製)をコアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で超微粉、微粉成分を除去し、平均粒径が30μmになるように分級した。次に分級して得られた粒子を用い、添加量を3重量部とした以外、他は実施例1と同様にして現像剤担持部材を作製した。
(実施例10)
実施例1において弾性層の上に被覆層を形成せず、被覆層最外層の形成時に添加する絶縁性粒子を平均粒径14μmのウレタン粒子(アートパールC400根上工業製)を用い、添加量を3重量部とし、希釈剤として添加するメチルエチルケトンを100重量部とした以外、他は実施例1と同様にして現像剤担持部材を作製した。
(実施例11)
実施例1において弾性層の上に被覆層を形成せず、被覆層最外層の形成時に添加する絶縁性粒子を平均粒径14μmのウレタン粒子(アートパールC400根上工業製)を用い、添加量を6重量部とし、希釈剤として添加するメチルエチルケトンを230重量部とした以外、他は実施例1と同様にして現像剤担持部材を作製した。
(実施例12)
実施例6において弾性層の表面処理時の積算光量を30(mJ/cm2)にした以外、他は実施例6と同様にして現像剤担持部材を作製した。
(実施例13)
実施例6において弾性層の表面処理時の積算光量を300(mJ/cm2)にした以外、他は実施例6と同様にして現像剤担持部材を作製した。
(比較例1)
実施例2において被覆層最外層の形成時に添加する希釈剤メチルエチルケトンを除いた以外、他は実施例2と同様にして現像剤担持部材を作製した。
(比較例2)
実施例1において被覆層最外層の形成時に添加する絶縁性粒子の添加量を30重量部とした以外、他は実施例1と同様にして現像剤担持部材を作製した。
(比較例3)
実施例6において弾性層の表面処理時の積算光量を0(mJ/cm2)にした以外、他は実施例6と同様にして現像剤担持部材を作製した。
(比較例4)
実施例6において弾性層の表面処理時の積算光量を500(mJ/cm2)にした以外、他は実施例6と同様にして現像剤担持部材を作製した。
Figure 2005309398
画像評価は、
トナー帯電性は得られた画像サンプルの濃度を直接測定し、画像濃度1.5以上が○、画像濃度1.3以上1.5未満を△、画像濃度1.3未満を×とした。尚、画像濃度が△であっても実用上は特に問題ないレベルであり、画像濃度×は濃度が薄く実用上問題がある。
トナー搬送量は、0.4mg/cm2〜0.6mg/cm2の範囲であれば画像が良好である。トナー搬送量0.4mg/cm2未満となると、十分なトナー帯電性を持つトナーであっても現像担持部材のトナー搬送性が悪いため、結果として十分な画像濃度が得られない。また、トナー搬送量0.6mg/cm2以上になると、現像担持部材のトナー搬送性が過剰すぎて、十分に帯電していないトナーも搬送してしまう。その結果、画像上でカブリが発生してしまう。
カブリ量においては20%以下の範囲であれば、画像にはカブリがなく良好なものになる。これに対し、カブリ量が20%以上となると、実画像上の白地部分に色のくすみが発生し、見苦しい画像となってしまう。
以上、トナー帯電性、トナー搬送量およびガブリ量の3項目において1つでも満足しないものがあると実画像として不具合となってしまうため、以上3項目は全てを満足する必要がある。
表1から明らかなように、実施例1〜7においては、添加する絶縁性粒子の平均粒径(A)μmと被覆層最外層の絶縁性粒子が存在しない部分の膜厚(B)μmの関係が、A/B≧1の範囲内で現像剤担持部材を作製することで、トナー帯電性、トナー搬送量およびカブリ量共に良好な結果を得た。
これに対し、比較例1では被覆層最外層の膜厚(B)が、絶縁性粒子の平均粒径(A)より大きいため、現像剤担持部材の表面形状は、表面粗さが小さく、またSmも極めて大きいものとなり、トナー帯電性が悪く、トナー搬送量も0.4(mg/cm2)以下となってしまった。また比較例2においては、絶縁性粒子を30重量部も添加したため、結果として、被覆層最外層の膜厚(B)は絶縁性粒子の平均粒径(A)より大きくなってしまい、トナー搬送量は0.6(mg/cm2)以上となり、カブリ量も20%を越える結果となった。
また比較例3においては、弾性層表面処理の積算光量を0としたため、被覆層最外層に剥がれが発生し、画像評価を実施できなかった。
また比較例4においては、弾性層表面処理の積算光量が大きすぎたため、被覆層最外層の膜厚が厚くなってしまい、A/Bの比が1を下回り、その結果、画像不良が発生してしまった。
本発明の現像剤担持部材の一つの実施形態を示す概略断面図である。 本発明の現像剤担持部材の一つの実施形態を示す概略断面図である。 本発明の現像剤担持部材の一つの実施形態を示す概略断面図である。 本発明におけるエキシマ光照射装置の概略構成図である。 本発明の現像剤担持部材の測定方法を示す概略図である。 本発明の一実施形態のプロセスカートリッジを用いた画像形成装置の概略構成図である。
符号の説明
1a 導電性支持体
1b 弾性層
1c 被覆層
1d 被覆層最外層
2 絶縁性粒子21 像担持体(感光ドラム)
22 帯電装置
23 レーザー光
24 現像装置
25 現像剤担持部材
26 供給ローラ
27 現像ブレード
28 現像剤(トナー)
29 転写ローラ
30 クリーニングブレード
31 廃トナー容器
32 定着装置
33 紙
34 現像容器
41 冷却ブロック
42 冷却水入口
43 冷却水出口
44 窒素入口
45 窒素出口
46 電源
47 山形ミラー
48 エキシマランプ
49 合成石英窓

Claims (8)

  1. 導電性支持体と、その外周に少なくとも弾性層および被覆層とが順に形成された導電性部材において、前記弾性層上に前記被覆層を形成する前に、前記弾性層表面に、紫外線を照射することで表面処理を行い、かつ前記被覆層は、樹脂と平均粒径が3μmから30μmの絶縁性粒子を含み、前記絶縁性粒子の平均粒径(A)μmと前記被覆層の絶縁性粒子が存在しない部分の膜厚(B)μmが、A/B≧1の関係である絶縁性粒子含有層を有することを特徴とする導電性部材。
  2. 前記紫外線の積算光量が、30〜300mJ/cm2のであることを特徴とする請求項1に記載の導電性部材。
  3. 前記紫外線が、中心波長172nmである請求項1または2に記載の導電性部材。
  4. 前記被覆層の表面が、前記絶縁粒子含有層により構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の導電性部材。
  5. 前記被覆層が前記絶縁性粒子を含まない層と前記絶縁性粒子含有層とからなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の導電性部材。
  6. 前記絶縁性粒子の粒径の変動係数が40%以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の導電性部材。
  7. 前記被覆層が、平均粒径0.1μm以下の導電性微粒子を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の導電性部材。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の導電性部材を現像材担持部材として用い、現像装置を一体内に含有し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
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