JP4721940B2 - 帯電ロール - Google Patents

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Description

本発明は、複写機,プリンター等の電子写真機器に用いられる帯電ロールに関するものである。
複写機,プリンター等の電子写真機器において、帯電装置が接触帯電式を採用するものは、感光ドラムに帯電ロールが当接している。この帯電ロールは、通常、軸体(芯金)の外周面に、弾性体からなる弾性層が1層以上形成されている。
そして、上記感光ドラムとの当接状態においては、感光ドラムの表面を帯電させるために、放電空間を確保する必要がある。そこで、帯電ロールとして、その表層に硬質粒子を多数分布させ、帯電ロールの外周面に、硬質粒子に起因する凸部を形成し、感光ドラムとの当接状態において、その凸部の周辺に放電空間を確保できるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−91455号公報
一方、近年の、複写やプリントの高速化の要請から、使用されるトナーは、早期に定着する必要があり、低融点化してきている。このような低融点トナーは、ストレスに対して抵抗力が弱くなっている。
そして、上記特許文献1のような帯電ロールでは、硬質粒子の存在により、外周面の凸部の表面硬度が高くなっていることから、トナーにストレスを与えてしまう。ストレスに対する抵抗力が小さい上記低融点トナーは、より劣化し易くなる。このため、硬質粒子により凸部を形成した帯電ロールでは、その凸部を起点としてフィルミングが発生し易くなっている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、表層に粒子が多数分布し、その粒子に起因する凸部が形成されていても、フィルミングが発生しない帯電ロールの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の帯電ロールは、軸体と、この軸体の外周面に形成された弾性層と、この弾性層の外周面に形成された抵抗調整層と、この抵抗調整層の外周面に形成された表層とを有し、その表層に、凸部形成用粒子の含有による多数の凸部が分布している帯電ロールであって、上記弾性層および上記抵抗調整層が下記の(a)または(b)の状態に設定されていることにより、上記粒子が含有されてなる凸部での帯電ロール表面のマルテンス硬度(A)と、それ以外の部分での帯電ロール表面のマルテンス硬度(B)との比が、下記の式(1)を満たしているという構成をとる。
(a)上記弾性層の表面に上記抵抗調整層が形成された状態で測定した上記抵抗調整層の表面のMD−1硬度が25〜55の範囲内に設定され、かつ、上記抵抗調整層の厚みが20〜800μmの範囲内に設定されていることにより、上記凸部での押圧荷重を上記抵抗調整層で吸収可能になっている状態。
(b)上記弾性層の表面のアスカーC硬度が10〜50の範囲内に設定され、かつ、上記抵抗調整層の厚みが300μm以下に設定されていることにより、上記凸部での押圧に対して上記抵抗調整層が変形容易になっており、その抵抗調整層の変形をその内側の上記弾性層で吸収可能になっている状態。
Figure 0004721940
本発明者らは、帯電ロールについて、その表層に凸部形成用粒子が多数含有されているものであっても、フィルミングが発生しないようにすべく、帯電ロールの表面硬度を中心に研究を重ねた。その結果、つぎのようなことを突き止めた。すなわち、上記表層の内側の抵抗調整層およびその内側の弾性層を上記(a)または(b)の状態に設定することにより、上記粒子が含有されてなる凸部での帯電ロール表面のマルテンス硬度(A)と、それ以外の部分での帯電ロール表面のマルテンス硬度(B)との比を、上記式(1)を満たすよう設定すると、凸部での帯電ロールの表面硬度が低くなったような状態になり、感光ドラムとの当接状態において、感光ドラムに当接する凸部が内側に退く(引っ込む)ようになる。このとき、隣り合う凸部と凸部との間の部分が感光ドラムに当接するようになった場合でも、凸部の根元部周縁が内側に退く(引っ込む)ため、その凸部の根元部周縁と感光ドラムの外周面との間に、放電空間が確保される。そして、凸部の退きにより凸部での帯電ロールの表面硬度が低くなったような状態になることから、凸部によるトナーに対するストレスが緩和され、フィルミングの発生が防止されることを見出し、本発明に到達した。
本発明の帯電ロールは、表層に粒子が多数分布しており、その粒子が含有されてなる凸部での帯電ロール表面のマルテンス硬度(A)と、それ以外の部分での帯電ロール表面のマルテンス硬度(B)との比が、上記式(1)を満たしているため、感光ドラムとの当接において放電空間を確保しつつ、凸部での帯電ロールの表面硬度を低くすることができる。その結果、トナーの劣化を防止し、フィルミングの発生を防止することができる。
特に、上記粒子が含有されてなる凸部での帯電ロール表面のマルテンス硬度(A)が、0.3〜1.5N/mm2 の範囲内である場合には、帯電ロールとして好適な表面硬度となり、より良好な画像を得ることができる。
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。但し、本発明は、これに限定されるわけではない。
図1は、本発明の帯電ロールの一実施の形態を示している。この実施の形態の帯電ロールは、軸体1の外周面に弾性層2が形成され、この弾性層2の外周面に抵抗調整層3が形成され、この抵抗調整層3の外周面に表層4が形成されている。また、上記表層4には、粒子Pが多数分布しており、この粒子Pの分布により、表層4の外周面には、粒子Pに起因する凸部C(粒子Pが含有されてなる凸部C)が多数分布形成されている。そして、上記凸部Cでの帯電ロール表面のマルテンス硬度(A)と、それ以外の部分での帯電ロール表面のマルテンス硬度(B)との比が、下記の式(1)を満たすよう設定されている。
Figure 0004721940
上記式(1)を満たすようにするには、凸部Cでの帯電ロールの表面硬度を低くすることが行われる。その方法としては、つぎの(a)〜(c)の方法があげられる。すなわち、(a)抵抗調整層3の硬度を低くし、凸部Cでの押圧(感光ドラムとの当接)荷重を、抵抗調整層3で吸収する方法。(b)抵抗調整層3の厚みを薄くすることにより、凸部Cでの押圧に対して、抵抗調整層3を変形し易くし、その抵抗調整層3の変形を、その内側に形成されている弾性層2で吸収する方法。(c)粒子Pの硬度を低くする方法〔ただし、(c)は参考形態〕
その結果、感光ドラムとの当接状態では、図2に示すように、感光ドラムDに当接する上記凸部Cが内側に退くようになる。また、それにより、隣り合う凸部Cと凸部Cとの間の部分が感光ドラムDに当接するようになった場合でも、上記凸部Cの根元部周縁も内側に退くため、その凸部Cの根元部周縁と感光ドラムDの外周面との間に、放電空間Sを確保することができる。このため、均一な帯電が可能となり、画像の色むらを防止することができる。
また、上記式(1)に示すように、上記帯電ロールは、上記凸部Cでの帯電ロール表面のマルテンス硬度(A)が、それ以外の部分での帯電ロール表面のマルテンス硬度(B)と同等ないし略同等となっており、粒子Pが存在していても、凸部Cの表面硬度は硬くなっていない。このため、トナーに対するストレスを緩和することができ、トナーの劣化を防止することができる。そして、ストレスに対する抵抗力が小さい低融点トナーも、劣化し難くなり、複写やプリントの高速化に対応することができる。なかでも、帯電ロールとして好適な表面硬度にし、より良好な画像を得られるようにする観点から、上記凸部Cでの帯電ロール表面のマルテンス硬度(A)は0.3〜1.5N/mm2 の範囲内とすることが好ましい。さらに、上記凸部Cは、弾性を有するようになり、凸部Cと感光ドラムDとの間に挟まったトナーを、帯電ロールと感光ドラムDの回転中に弾き飛ばすことができる。これらの結果、フィルミングを防止することができ、すじやむら等の欠点のない良好な画像を得ることができる。
なお、上記マルテンス硬度を確認する方法は、つぎのようにして行われる。すなわち、例えば、測定機としてフィッシャースコープH−100(フィッシャー・インストルメンツ社製)を用い、その測定機に装着されている圧子(先端が平坦であることが好ましい)の先端を、顕微鏡で見ながら、帯電ロールの表面(表層4の外周面)の上記凸部Cまたはそれ以外の部分に当て、所定の荷重で所定の深さ押し込む。このとき、上記凸部Cを押し込んだときは、上記凸部Cでの帯電ロール表面のマルテンス硬度(A)が測定され、凸部C以外の部分を押し込んだときは、凸部C以外での帯電ロール表面のマルテンス硬度(B)が測定される。このような測定を、それぞれ10点で行い、その平均値を算出する。
つぎに、本発明の帯電ロールを構成する軸体1,弾性層2,抵抗調整層3,表層4の形成材料等について説明する。
上記軸体1は、特に限定されるものではなく、中実でも中空でもよい。また、上記軸体1の形成材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、鉄,鉄にめっきを施したもの,ステンレス,アルミニウム,銅等があげられる。そして、上記軸体1の表面には、通常、接着剤やプライマー等が塗布される。また、上記軸体1の寸法は、通常、外径6〜15mmの範囲内、長さ200〜500mmの範囲内に設定される。
上記弾性層2は、発泡体からなる発泡体層でもよいし、非発泡体(ソリッド)からなる非発泡体層でもよい。特に、前記式(1)を満たすようにする方法として前記(b)の方法(凸部Cでの押圧に対して抵抗調整層3の変形を弾性層2で吸収する方法)を採用する場合には、弾性層2表面のアスカーC硬度は、10〜50の範囲内とする。また、上記弾性層2の寸法は、通常、厚み2〜10mmの範囲内、軸方向の長さ200〜400mmの範囲内に設定される。なお、上記アスカーC硬度の測定は、SRIS(日本ゴム協会標準規格)0101に準拠し、アスカーC硬度計(高分子計器社製)を用いて弾性層2の表面から行った。この測定時の押針の荷重は4.9N(定荷重)とした。
上記発泡体層は、発泡材料を加熱することにより発泡させて形成され、その発泡材料は、下記の主材料に発泡剤および導電剤等を混合させたものとなっている。すなわち、その主材料としては、エピクロロヒドリンゴム,アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR),水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR),ウレタンゴム,エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM),スチレン−ブタジエンゴム(SBR),イソプレンゴム(IR),シリコーンゴム等があげられる。また、上記発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、4,4−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、NaHCO3 等があげられ、上記主剤100重量部に対して1〜20重量部混合される。さらに、上記導電剤としては、カーボンブラック,金属粉,第4級アンモニウム塩,グラファイト,チタン酸カリウム,酸化鉄,c−TiO,c−ZnO,c−SnO2 等があげられ、上記主剤100重量部に対して5〜100重量部混合される。また、必要に応じて、可塑剤,架橋剤(硫黄等),架橋助剤(酸化亜鉛),架橋促進剤,滑剤,無機充填剤,整泡剤等が適宜に添加される。そして、上記発泡体層表面のマルテンス硬度の設定は、上記発泡剤の混合割合を調整して発泡倍率を調整することにより行われる(通常、発泡剤の混合割合を多くすると、発泡倍率が大きくなり、硬度が低くなる)。
上記非発泡体層の形成材料としては、下記の主材料に上記導電剤が含有されているものが用いられる。すなわち、その主材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、EPDM,SBR,天然ゴム(NR),ポリノルボルネンゴム,シリコーンゴム,NBR,H−NBR,クロロプレンゴム(CR)等があげられる。また、必要に応じて、軟化剤(プロセスオイル,液状ポリマー等),可塑剤,架橋剤(硫黄等),架橋助剤(酸化亜鉛),架橋促進剤,滑剤,無機充填剤等が適宜に添加される。そして、上記非発泡体層表面のマルテンス硬度の設定は、上記軟化剤の混合割合を調整することにより行われる(通常、軟化剤の混合割合を多くすると、硬度が低くなる)。
上記抵抗調整層3の形成材料としては、下記の主材料に上記導電剤が含有されているものが用いられる。すなわち、その主材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、NBR,エピクロロヒドリンゴム,アクリルゴム,ウレタンゴム,クロロプレンゴム等があげられる。また、必要に応じて、可塑剤,架橋剤(硫黄等),架橋助剤(酸化亜鉛),架橋促進剤,滑剤,無機充填剤(シリカ等)等が適宜に添加される。
そして、前記式(1)を満たすようにする観点から、上記弾性層2の表面に上記抵抗調整層3が形成された状態での、抵抗調整層3表面のMD−1硬度は、25〜90の範囲内に設定される。特に、前記式(1)を満たすようにする方法として前記(a)の方法(凸部Cでの押圧荷重を抵抗調整層3で吸収する方法)を採用する場合には、抵抗調整層3表面のMD−1硬度は、25〜55の範囲内とする。このような抵抗調整層3表面のMD−1硬度の設定は、上記無機充填剤の混合割合を調整したり、抵抗調整層3の厚みを調整したりすることにより行われる(通常、無機充填剤の混合割合を多くしたり、厚みを厚くしたりすると、硬度が高くなる)。また、上記抵抗調整層3の厚みは、通常、10μm〜1mmの範囲内に設定される。特に、前記式(1)を満たすようにする方法として、前記(a)の方法(凸部Cでの押圧荷重を抵抗調整層3で吸収する方法)を採用する場合には、上記抵抗調整層3の厚みは、20〜800μmの範囲内と、また、前記(b)の方法(抵抗調整層3の厚みを薄くして抵抗調整層3を変形し易くする方法)を採用する場合には、上記抵抗調整層3の厚みは、300μm以下とする。なお、上記MD−1硬度の測定は、MD−1硬度計(高分子計器社製、マイクロゴム硬度計MD−1型)を用いて、抵抗調整層3の表面から行った。
上記表層4の形成材料としては、下記の主材料に上記導電剤および粒子Pが含有されているものが用いられる。すなわち、その主材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル樹脂,ウレタン樹脂,アルキッド樹脂,アミド樹脂,フェノール樹脂,フッ素樹脂,シリコーン樹脂,およびそれらが変性された樹脂等があげられる。また、必要に応じて、レベリング剤,離型性付与剤,無機フィラー等が適宜に添加される。そして、上記表層4の形成材料は、メチルエチルケトン(MEK)等の溶剤に溶解させることにより液状材料として用いられ、その表層4の形成は、その液状材料をコーティングにより塗布した後、加熱して硬化させることにより行われる。また、表層4の厚みは、凸部C以外の部分では、25μm以下に設定され、凸部Cの突出高さは、20μm以下に設定される。そして、前記式(1)を満たすようにする観点から、上記抵抗調整層3の表面に上記表層4が形成された状態での、凸部C以外の部分の表面のマルテンス硬度は、0.01〜2N/mm2 の範囲内に設定され、この硬度設定は、表層4の主材料である上記樹脂の種類(ガラス転移点)の選択や充填剤(無機導電剤,無機フィラー等)の添加量を調整することにより行われる(通常、ガラス転移点が低くなる樹脂の種類を選択したり、充填剤の添加量を少なくすると、硬度が低くなる)。
上記粒子Pの形成材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA),シリコーンゴム,ウレタンゴム,ナイロン等があげられる。そして、前記式(1)を満たすようにする観点から、その粒子Pとしては、マルテンス硬度が0.05〜4N/mm2 の範囲内のものが用いられる。特に、前記式(1)を満たすようにする方法として、前記(c)の方法(粒子Pの硬度を低くする方法)を採用する場合には、上記粒子Pのマルテンス硬度は、0.05〜0.5N/mm2 の範囲内とすることが好ましい。
また、上記粒子Pの平均粒径も、特に限定されるものではないが、1〜30μmの範囲内に設定されることが好ましく、より好ましくは1〜20μmの範囲内に設定されることである。このような範囲であると、上記帯電ロールにおいて、表層4の表面での凸部Cの突出高さを好適にすることができ、感光ドラムDとの当接状態において、その凸部Cの周辺に好適な放電空間Sを確保することができる。そして、上記粒子Pの含有割合は、用いる粒子Pの平均粒径等にもよるが、粒子Pの平均粒径が1〜20μmの範囲内(上記好ましい範囲内)のものを用いる場合、凸部Cの周辺に好適な放電空間Sを確保する観点から、上記表層4の形成材料の主材料100体積%に対して、3〜35体積%の範囲内に設定される。なお、上記粒子Pの平均粒径は、母集団から任意に抽出される試料10個を用いて導出される平均値であり、粒子Pの形状が真球状ではなく楕円球状(断面が楕円状の球)等のように一律に粒径が定まらない場合には、最長径と最短径との単純平均値をその粒子Pの粒径とする。
つぎに、上記帯電ロールの製法の一例について説明する。この例では、弾性層2が発泡体層である場合について説明する。
まず、押出しにより、上記軸体1の外周面に上記発泡材料を付着させ、さらに、その発泡材料の外周面に上記抵抗調整層3の形成材料を付着させる。ついで、それを成形用金型の中空部に同軸的にセットし、密封した後、オーブン等により加熱(通常、150〜200℃の範囲内)し、上記弾性層2および抵抗調整層3を形成する。そして、その抵抗調整層3の外周面に、ロールコーティング法,スプレーコーティング法,ディッピング法等により、上記粒子Pを混合させた表層4の形成材料(液状材料)を塗布した後、加熱(通常、100〜130℃の範囲内)することにより乾燥(硬化)させ、上記粒子Pが多数分布した表層4を形成する。このようにして、上記帯電ロールを作製することができる。
上記帯電ロールの製法の他の例として、弾性層2が非発泡体層である場合について説明する。
まず、軸体1を成形用金型の中空部に同軸的にセットし、密封した後、弾性層2の形成材料を注入する。ついで、それをオーブン等により加熱(通常、150〜200℃の範囲内)し、上記弾性層2を形成する。つぎに、それを他の成形用金型の中空部に同軸的にセットし、密封した後、抵抗調整層3の形成材料を注入する。ついで、それをオーブン等により加熱(通常、150〜200℃の範囲内)し、上記抵抗調整層3を形成する。そして、その抵抗調整層3の外周面に、ロールコーティング法,スプレーコーティング法,ディッピング法等により、上記粒子Pを混合させた表層4の形成材料(液状材料)を塗布した後、加熱(通常、100〜130℃の範囲内)することにより乾燥(硬化)させ、上記粒子Pが多数分布した表層4を形成する。このようにして、上記帯電ロールを作製することができる。
なお、上記実施の形態では、粒子Pが多数分布している表層4の内側に、弾性層2および抵抗調整層3を形成したが、上記式(1)を満たすようにするようにすることができれば、参考形態として、弾性層2を形成しなくてもよいし、抵抗調整層3を形成しなくてもよいし、それら弾性層2も抵抗調整層3も形成しなくてもよい。
つぎに、実施例について参考例および比較例と併せて説明する。
〔軸体〕
外径8mm、長さ350mmの鉄製の中実円柱状の軸体を準備した。
〔弾性層形成用の発泡材料〕
EPDM(三井化学社製、EPT4045)100重量部,カーボンブラック(ケッチェンブラックEC)20重量部,酸化亜鉛を5重量部,ステアリン酸1重量部,プロセスオイル(出光石油化学社製、ダイアナプロセスPW380)30重量部,ジニトロソペンタメチレンテトラミン(発泡剤)15重量部,硫黄1重量部,ジベンゾチアゾールスルフィド(架橋促進剤)2重量部,およびテトラメチルチウラムモノサルフィド(架橋促進剤)1重量部の割合で混練し、弾性層形成用の発泡材料を調製した。
〔抵抗調整層の材料〕
エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム100重量部,シリカ(ニプシールER)50重量部,トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレート0.2重量部,鉛丹5重量部,および硫黄1重量部の割合で混練し、抵抗調整層の材料を調製した。
〔表層の形成材料〕
フッ素変性アクリレート樹脂(大日本インキ社製、ディフェンサTR230K)100重量部,および導電性酸化チタン(石原テクノ社製、タイペークET−300W)100重量部の割合で混練した後、メチルエチルケトン(MEK)200重量部を加えて混合,攪拌した。これにより得られた材料100体積%に対して、凸部形成用の粒子であるPMMA粒子〔日本触媒社製、エポスターMA1013(平均粒径13.5μm,マルテンス硬度1.05N/mm2 )〕18体積%を加えて混合,攪拌して表層の形成材料を調製した。
〔帯電ロールの作製〕
軸体の外周面に上記弾性層形成用の発泡材料11gを付着させ、さらに、その発泡材料の外周面に上記抵抗調整層の形成材料6gを付着させた。そして、それを成形用金型内に同軸的にセットし、密封した後、オーブンで加熱(180℃×30分間)し、上記弾性層および抵抗調整層を形成した。脱型後、抵抗調整層の外周面に、上記表層の形成材料をロールコートにより塗布した後、加熱(100×30分間)することにより硬化させ、表層を形成した。このようにして、帯電ロールを作製した。この帯電ロールは、外径を約14mm、表層の凸部C以外の部分での厚みを10μm、抵抗調整層の厚みを200μmとした。
上記実施例1において、抵抗調整層の厚みを300μmとした。それ以外は、上記実施例1と同様にした。
上記実施例1において、抵抗調整層の材料として、シリカの混合割合を30重量部に減少させた。また、抵抗調整層の厚みを400μmとした。それ以外は、上記実施例1と同様にした。
〔参考例〕
上記実施例1において、抵抗調整層の厚みを400μmとした。また、表層の材料に混合する凸部形成用の粒子をシリコーン粒子〔信越化学社製、KMP598(平均粒径12μm,マルテンス硬度0.11N/mm2 )〕に替えた。それ以外は、上記実施例1と同様にした。
〔比較例1〕
上記実施例1において、抵抗調整層の厚みを400μmとした。それ以外は、上記実施例1と同様にした。
〔比較例2〕
上記比較例1において、抵抗調整層の材料として、シリカの混合割合を55重量部とした。それ以外は、上記実施例1と同様にした。
〔比較例3〕
上記比較例1において、抵抗調整層の厚みを500μmとした。それ以外は、上記実施例1と同様にした。
〔マルテンス硬度〕
上記実施例1〜3,参考例および比較例1〜3の各帯電ロールについて、凸部での帯電ロール表面のマルテンス硬度(A)および凸部以外での帯電ロール表面のマルテンス硬度(B)を測定し、その比(A/B)を算出した。なお、この測定には、測定機としてフィッシャースコープH−100(フィッシャー・インストルメンツ社製)を用い、その測定機に装着する圧子として、先端が正方形(50μm×50μm)の平坦なものを用いた。また、測定条件は、圧子の押し込み荷重を1.0mNとし、押し込み深さを各帯電ロールに用いた粒子の平均粒径とした。上記各マルテンス硬度(A,B)の測定は、それぞれ10点ずつで行い、その平均値を算出した。そして、その結果を下記の表1に併せて表記した。
〔色むら,すじの有無〕
上記各帯電ロールを、市販の実機(LBP5900,キャノン社製)に組み込み、15℃,10%RHの環境下で、ブラック,マゼンダ,シアン,イエローの各色を帯状にしたパターンの画像を、ハーフトーンで45000枚、2枚間欠式で印刷した。そして、その印刷後の画像について、色むらやすじの有無を目視にて確認した。その結果、画像に色むらもすじも確認できないものを○、少なくともいずれか一方が確認できるものを×と評価し、下記の表1に併せて表記した。
〔フィルミングの有無〕
上記印刷後、各帯電ロールを実機から取り出し、その帯電ロールの表面をウエスで乾拭きした。その結果、軽く拭いてウエスにトナー汚れが付着するものはフィルミングが発生していないとして○、軽く拭くとウエスにトナー汚れが付着しないが強く拭くとウエスにトナー汚れが付着するものはフィルミングが少し発生したとして△、強く拭いてもウエスにトナー汚れが付着しないものはフィルミングが多く発生したとして×と評価し、下記の表1に併せて表記した。
Figure 0004721940
上記表1の結果から、実施例1〜3および参考例の帯電ロールでは、比較例1〜3の帯電ロールと異なり、フィルミングが発生せず、色むらもすじもない良好な画像が得られることがわかる。また、実施例1,2は、比較例1と比較すると、抵抗調整層の厚みを薄くすることにより、抵抗調整層を変形し易くし、凸部での帯電ロール表面のマルテンス硬度を小さくして、両マルテンス硬度の比(A/B)の値を適正にしていることがわかる。逆に、比較例3のように抵抗調整層の厚みを厚くすると、抵抗調整層が変形し難くなり、両マルテンス硬度の比(A/B)の値が大きくなることがわかる。さらに、実施例3は、比較例1と比較すると、抵抗調整層におけるシリカの混合割合を減少させることにより、その抵抗調整層の硬度を低くし、両マルテンス硬度の比(A/B)の値を適正にしていることがわかる。逆に、比較例2のように抵抗調整層におけるシリカの混合割合を増加させると、その抵抗調整層の硬度が高くなり、両マルテンス硬度の比(A/B)の値が大きくなることがわかる。そして、参考例は、比較例1と比較すると、粒子の硬度を低くすることにより、凸部での帯電ロール表面のマルテンス硬度を小さくして、両マルテンス硬度の比(A/B)の値を小さくしていることがわかる。
本発明の帯電ロールの一実施の形態を模式的に示す一部が破断した正面図である。 本発明の帯電ロールと感光ドラムとの当接状態を模式的に示す部分拡大図である。
1 軸体
2 弾性層
3 抵抗調整層
4 表層
C 凸部
P 粒子

Claims (2)

  1. 軸体と、この軸体の外周面に形成された弾性層と、この弾性層の外周面に形成された抵抗調整層と、この抵抗調整層の外周面に形成された表層とを有し、その表層に、凸部形成用粒子の含有による多数の凸部が分布している帯電ロールであって、上記弾性層および上記抵抗調整層が下記の(a)または(b)の状態に設定されていることにより、上記粒子が含有されてなる凸部での帯電ロール表面のマルテンス硬度(A)と、それ以外の部分での帯電ロール表面のマルテンス硬度(B)との比が、下記の式(1)を満たしていることを特徴とする帯電ロール。
    (a)上記弾性層の表面に上記抵抗調整層が形成された状態で測定した上記抵抗調整層の表面のMD−1硬度が25〜55の範囲内に設定され、かつ、上記抵抗調整層の厚みが20〜800μmの範囲内に設定されていることにより、上記凸部での押圧荷重を上記抵抗調整層で吸収可能になっている状態。
    (b)上記弾性層の表面のアスカーC硬度が10〜50の範囲内に設定され、かつ、上記抵抗調整層の厚みが300μm以下に設定されていることにより、上記凸部での押圧に対して上記抵抗調整層が変形容易になっており、その抵抗調整層の変形をその内側の上記弾性層で吸収可能になっている状態。
    Figure 0004721940
  2. 上記粒子が含有されてなる凸部での帯電ロール表面のマルテンス硬度(A)が、0.3〜1.5N/mm2 の範囲内である請求項1記載の帯電ロール。
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