JP3765431B2 - 半導電性シリコーンゴムロール - Google Patents

半導電性シリコーンゴムロール Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真方式を利用した複写機、レーザ・ビーム・プリンタ(LBP)、ファクシミリ等として使用される半導電性(抵抗値が102 〜1010Ωの範囲にあるもの)シリコーンゴムロールに係り、特に電気的特性が安定し、かつ感光体との接触性に優れた半導電性シリコーンゴムロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式を利用した複写機、レーザ・ビーム・プリンタ、ファクシミリ等に用いられる各種機器は、帯電、露光、現像、転写および定着の各工程の繰り返しによって印刷物を得ていた。
上記各工程において、まず帯電工程では感光体の表面に均一な電荷を付与させる、また露光工程では原稿からの反射光、レーザー光、LED光等の照射により感光体上に静電潜像を形成させる、さらに現像工程では帯電させたトナー等により、静電潜像を可視化する、転写工程では可視化された像を静電的に記録紙上に転写する、また定着工程ではトナー等を記録紙上に加熱加圧定着する、という5工程の方法により印刷物が得られるのである。
【0003】
上記各工程中、帯電工程、転写工程では、従来、コロトロンによる非接触帯電方式が主流であったが、電源の高電圧化、オゾン発生による環境問題等の不利があるため、これらを解決した半導電性ロールを用いた接触帯電方式がある。
さらに現像工程では、マグネットロール等による非接触現像方式、あるいは弾性を有する導電性ロールによる接触現像方式が利用されている。しかし、マグネットロールを使用した場合、装置を小型化できず、また磁性トナーを用いなければならないため、カラー化および高品質印字には不向きである。さらに非磁性トナーを用いた場合は、トナーが二成分系となり、コストやメンテナンスの面で不利である等の問題があり、これらを解決できる半導電性ロールを用いた接触現像方式が採用されている。
【0004】
このように上記各工程ごとの半導電性ロール(以下、単にロールとする)に対する物性的要求は、多少異なっているが、これをまとめると以下のようになる。
すなわち、まず帯電用のロールでは均一な帯電を得るための表面の平滑性、また帯電効率を上げるのにニップ(ロール間隙)を大きくするための低硬度が要求される。しかし、半導電性を発揮するために導電性のカーボンブラック等の導電性フィラーを高充填することもあって、低硬度化には限界がある。また装置の小型化に伴い弾性層の薄層化が進み、同じニップを確保するにも今後ますます低硬度化が要求される。さらに金属シャフト等からなる導電性芯体も細くなる傾向にあり、ロールのたわみを抑制するためにも、低硬度化が不可欠である。
【0005】
転写用のロールでは、転写効率を上げるのに、ニップを大きくするための低硬度化が要求され、表面の平滑性を犠牲にしてスポンジロールが使用される。
これは、他の2種のロールに比べると紙等の印刷媒体を介してトナーや感光体に接するため、表面の平滑性が印字品位に直接影響しづらいことによる。しかし、なるべく表面は、ある程度平滑な方がよく、スポンジのセル目が粗くなるほど良好な転写性を発揮するための抵抗値の範囲や外径精度の要求が厳しくなることが知られているが、スポンジのセル目は、一般に100μm以下のものを得るのは困難であり、スポンジでは表面の平滑性に限界がある。
最後に、現像用のロールでも、やはり現像効率を上げるのに、ニップを大きくするための低硬度化が要求されている。この場合、表面はある程度平滑性があればよく、多少の粗さがあってもよい。これはトナーを搬送する能力に表面粗さが関与していることによる。しかし、その粗さの上限は、十点の平均粗さが10μm以下であり、スポンジロールとするには無理があり、またその他の点については、帯電用のロールと同様の傾向がある。
【0006】
以上、3種類のロールに共通する物性的要求として、低硬度化が大きな割合を占めている。硬ゴム(非発泡)ロールは低硬度化しようとしても、導電性付与剤の添加が必要なため、ゴム硬度40°Hs(JIS A)以下のロールを得るのは非常に困難である。しかし、表面の平滑性を考えると、帯電用のロール、現像用のロールはスポンジロール化が不可能である。また転写用のロールに関してもスポンジロールではなく、硬ゴムロールで、低硬度化するのが理想的である。
【0007】
このような上記問題点を解決するものとして、スポンジロールの上に硬ゴムを形成した2層構造のロールが考えられ、これには▲1▼スポンジ,硬ゴム共に半導電性、▲2▼スポンジは半導電性,硬ゴムは導電性、▲3▼スポンジは導電性,硬ゴムは半導電性、の3通りの組み合わせが挙げられる。
しかし、▲1▼,▲2▼の構成の場合、ただでさえロールの抵抗値をこの半導電性領域に調整するには、導電性カーボンブラック等の導電性フィラーの添加量の調整が非常に難しい上に、特にこれをスポンジロールにすると発泡により抵抗値の上昇をきたし、その上昇率が発泡倍率により、大きく変動してしまい、半導電性領域での抵抗値の制御が非常に難しくなってしまう。
また▲3▼の構成の場合、スポンジロールの抵抗値管理は、容易になるものの、導電性カーボンブラックを添加した導電性シリコーンゴムではベンゾイルパーオキサイド等の低温で分解する過酸化物加硫剤が使用できないため、付加加硫系のものを配合することになり、その場合スコーチによる発泡倍率の経時変化等、取扱いに微細さが要求され、発泡倍率や硬度の不安定を誘発する、という問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来の問題点を解決するものであり、上記各工程に適用することができる、表面に平滑性を有し、しかも低硬度化ができ、なおかつ硬度、抵抗値の安定性に優れた半導電性シリコーンゴムロール(以下、単にゴムロールとする)を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、導電性芯体の外周面にゴム硬度18°Hs〜36°Hs(JIS A)の範囲内の絶縁性シリコーンゴム発泡体層が形成され、さらにその外周面に導電性シリコーンゴム層が形成された2層構造のシリコーンゴムロールであって、前記絶縁性シリコーンゴム発泡体層の両端面に接して、かつ該絶縁性シリコーンゴム発泡体層よりも両端面が張り出し形成された前記導電性シリコーンゴム層の張り出し部の内周面と前記導電性芯体の外周面との間に、前もって成形された厚さ5mm〜10mmの一対のリング状の半導電性シリコーンゴムが一体に形成され、平均抵抗値の最大値/最小値が1.1〜1.2の範囲内であるゴムロールを要旨とするものである。
【0010】
本発明のゴムロールに用いられる導電性芯体は、いわゆるシャフトと呼ばれる部材であり、導電性で、かつ種々の使用条件に耐えうる機械強度を持っていればプラスチック、セラミック等、特に制限されるものではないが、特にアルミニウム、ステンレス、ニッケルメッキ鉄等のような金属シャフトが好適に用いられる。
【0011】
次に、上記導電性芯体の外周面に形成される絶縁性シリコーンゴム発泡体層は、その材質としてビニル基含有ジメチルポリシロキサン生ゴムと補強性シリカ充填剤からなるシリコーンゴムコンパウンドに有機過酸化物加硫剤、有機発泡剤を添加したものが好適に用いられる。
有機過酸化物は、比較的低温で分解するアシル系有機過酸化物と、比較的高温で分解する非アシル系有機過酸化物とを適宜組み合わせて使用するのがスポンジゴム硬度を制御する上で望ましい。アシル系有機過酸化物としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ビス−2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等が挙げられ、非アシル系有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシル等が挙げられる。
有機発泡剤としては、アゾジカルボン酸アミド(ADCA)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等が好適に用いられ、これら有機発泡剤の分解温度は、通常100℃〜200℃程度の範囲であり、上記した低温分解の有機過酸化物と高温分解の有機過酸化物の分解温度の範囲内にあり、発泡が安定して行えるとともに、発泡倍率の制御も容易である。
【0012】
本発明のゴムロールは、絶縁性シリコーンゴム発泡体層が直接、被接触物に接触するわけではないので、機械強度等はあまり関係ないが、得られるゴムロールの硬度を40°Hs(JIS A)以下とするためには、この絶縁性シリコーンゴム発泡体層の硬度を40°Hs(アスカーC)以下となるように配合するのがよい。硬度を上げるには、ビニル基含有ジメチルポリシロキサン生ゴムのビニル基密度を上げる、補強性シリカ充填剤の添加量を増やす、低温分解の有機過酸化物の量を増やし発泡倍率を下げる、有機発泡剤の添加量を減らす等の手段が挙げられ、また硬度を下げるには、前記硬度を上げる場合とは逆の処方にすればよい。この配合物を導電性芯体の外周面に設け、加熱することにより発泡加硫させてシリコーンゴム発泡体層が得られる。
【0013】
絶縁性シリコーンゴム発泡体層のさらに外周面に形成される導電性シリコーンゴム層の材質としては、ビニル基含有ジメチルポリシロキサン生ゴムと補強性シリカ充填剤からなるシリコーンゴムコンパウンドに導電性付与剤を添加したものをベースとしたものが挙げられる。
この導電性付与剤としては、導電性アセチレンブラック、導電性ファーネスブラック、導電性サーマルブラック等の導電性カーボンブラック、グラファイト、あるいは酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物やその表面またはドープ等により内部を導電化処理したもの、あるいはアルミニウム、ニッケル、錫、銅等の金属微粒子、あるいは絶縁性微粒子または繊維状物の表面または内部を導電化処理したもの等が例示され、これらはその単独またはそれらの組み合わせで使用すればよい。なお、電子写真装置に用いられ、感光体ドラムに接触させて使用する場合、感光体をキズ付けたり摩耗させたりすることを防止する観点からは、導電性カーボンブラック、特には導電性ファーネスブラック、導電性アセチレンブラック等の高い導電性を有するものが、少ない添加量で目的とするレベルの導電性にすることができるのでより好ましい。
【0014】
導電性カーボンブラックの添加量は、シリコーンゴムコンパウンド100重量部に対して、3〜10重量部の範囲にするのが好ましく、3重量部より少ないと表層のシリコーンゴムの抵抗値が十分に導電性領域に入らず、半導電性領域となってしまい、導電性カーボンブラックの僅かな添加量の変動でも大きく抵抗値が変動してしまい、本発明の課題の1つでもある抵抗値の安定に関し不利となり、また10重量部を超えると抵抗値は十分導電性領域で安定するが、高充填によりゴム硬度が上がってしまい、本発明の課題である低硬度化に関し不利となる。
【0015】
また上記導電性シリコーンゴム層のゴム硬度は50°Hs(JIS A)以下とするのが良い。50°Hs(JIS A)を超えると得られるロールの低硬度化に不利になる。これは導電性付与剤の添加量を3〜10重量部とするとともに、補強性シリカ、補強性カーボンブラック(このものは添加しても導電性を付与するものではない)等の充填剤の添加量を5〜20重量部とすることにより調整される。補強性充填剤の添加量が5重量部より少ないと感光体ドラムに接触させて使用する場合、表面が磨滅してしまいやすいという不利があり、20重量部を超えると十分な導電性とするに足りる導電性付与剤を添加したときに、ゴム硬度が50°Hsを超えてしまうおそれがある。
この導電性シリコーンゴム層に用いられる加硫剤としては、導電性カーボンブラックによる加硫阻害をうけるアシル系有機過酸化物以外の非アシル系有機過酸化物、あるいは1分子中に珪素原子と結合する水素原子を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンをビニル基含有ジメチルポリシロキサン生ゴム100重量部に対して1〜10重量部と、触媒有効量の白金系触媒とを添加して付加加硫型とするのが好ましい。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの添加量は、1重量部より少ないと十分なゴム弾性を得られず、10重量部より多くてもゴム弾性あるいは強度は向上せず経済的でなく、場合によってはそれら物性値の低下をきたす虞れがある。また常温でのスコーチを防止する目的で、この他に反応制御剤を適宜添加してもよい。
【0016】
このような組成からなる導電性シリコーンゴム層は、前記絶縁性シリコーンゴム発泡体層より、その両端が僅かに張り出して形成されている。
この張り出し部において、導電性シリコーンゴム層の内周面と前記導電性芯体の外周面との間で、かつ上記絶縁性シリコーンゴム発泡体層の両側には、一対のリング状の半導電性シリコーンゴムが一体に形成されている。このリング状の半導電性シリコーンゴムの厚さは、5mm以上あれば、より安定した抵抗値を得ることができ、また導電性シリコーンゴム層を研磨するときに強度不足から引きちぎられてしまったりする心配がなくなり、この厚さが10mmを超えると、通常の電子写真方式の現像装置に用いられるロールは感光体ドラムより両端が約10mmずつはみ出して使用されているが、このリング状の半導電性シリコーンゴムが内部に存在するところが感光体ドラムに接触してしまい、その両端部で充分なニップ幅が確保できなくなるおそれがあるため、通常、厚さ5〜10mmとされる。また、その材質としては、ビニル基含有ジメチルポリシロキサン生ゴムと補強性シリカ、補強性カーボンブラック等の充填剤からなるシリコーンゴムコンパウンドに、導電性シリコーゴム層に例示したものと同様の導電性付与剤を添加したものをベースとしたものが挙げられるが、このリング状の半導電性シリコーンゴムは直接感光体に接触しないので、添加する導電性付与剤は、導電性カーボンブラック以外のものを使用することができる。添加量はリング状の半導電性シリコーンゴムを半導電性(102 〜1010Ω)とするのに適した量とすればよく、例えば導電性カーボンブラックの場合、シリコーンゴムコンパウンド100重量部に対し、1〜3重量部程度である。しかし、抵抗値を半導電性領域で制御するのは非常に難しく、後述するように導電性付与剤の高濃度マスターバッチと絶縁材により微調整しながら製造するのが望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、限定ではなく単なる例示として添付図面を基に説明する。
図1は、本発明のゴムロールの一例を示す断面説明図であり、ゴムロールは、このゴムロール1の中心に位置し、通常、金属シャフトからなる導電性芯体2、この外周面に設けられた絶縁性シリコーンゴム発泡体層3、これよりもその両端が僅かに張り出して形成されている導電性シリコーンゴム層4、張り出し部において、導電性シリコーンゴム層4の内周面と導電性芯体2の外周面との間で、かつ上記絶縁性シリコーンゴム発泡体層3の両側に設けられた一体のリング状の半導電性シリコーンゴム板(以下、単にゴム板とする)5とから構成されている。
【0018】
このゴムロールの製造方法は、接着性を改良する目的でプライマーを塗布した導電性芯体の外周面にまず未発泡、未硬化の絶縁性シリコーンゴム発泡体用組成物を押出しにより一体成形した後、加熱硬化させて行うが、この加熱手段としては、熱風乾燥炉、赤外線加熱炉、高周波(UHF)加熱炉等の加熱装置を用いることができる。また予めチューブ状に押出しを行ない、上記加熱手段によってスポンジチューブとした後、導電性芯体を圧入してもよい。この場合は導電性芯体とスポンジチューブとの接着のために、予めRTV等の接着剤を導電性芯体の外周面および/またはスポンジチューブ内周面に塗布するのが好ましい。
【0019】
次に、前記絶縁性シリコーンゴム発泡体層の両端に接触して形成されるゴム板は、予め半導電性シリコーンゴム組成物を、押出し、プレス等によりチューブ状に成形し、これを所定厚さの板状にカットして使用するが、寸法精度を高くするには、チューブを導電性芯体と同じ外径を有する芯体に圧入した後、研磨するのがよい。
ゴム板の抵抗値は、所定の半導電性シリコーンゴム組成物でチューブ状に成形を行ない、テスター等により抵抗値を測定し、この抵抗値が所望の値より高い場合には、原料に導電性付与剤を50〜100%多く添加した導電性シリコーンゴム組成物を添加し、この抵抗値が所望の値より低い場合には、導電性付与剤を含有していないシリコーンゴムコンパウンドを添加する。なおこれらの添加量は予め、抵抗値が高い場合と低い場合について検量線を作成し、これに従って決定すればよい。
【0020】
このようにして所望の抵抗値に調整されたゴム板は、導電性芯体に圧入して用いる場合には、内径は導電性芯体より1〜2mm程度小さくすると、回転トルクの点で有利である。また外径は導電性芯体に圧入した状態で、所望の最終製品外径より導電性シリコーンゴム層の厚さを差し引いた値とすればよい。また外径精度を高くするには、予め研磨してもよいし、チューブをリング状にカットしたのち圧入後に絶縁性シリコーンゴム発泡体層とともに研磨するのがさらに好ましい。この段階で外径は、最終製品外径より導電性シリコーンゴム層の厚さを差し引いた値になっている。
【0021】
次に、このようにして得られた導電性芯体と絶縁性シリコーンゴム発泡体層およびゴム板の一体物の外周面に、クロスヘッドを用いた押出し機により未加硫の導電性シリコーンゴム層を最外層となるように押出し、これを前述した加熱装置を用い、加熱加硫して導電性シリコーンゴム層を形成する。この導電性シリコーンゴム層は表面を研磨することにより外径値を所望の値にすることもでき、表面の粗さも所望の値にすることもできるが、この層の厚さは0.5〜2mmの範囲とするのが好適であり、0.5mm未満では表面が内層の絶縁性シリコーンゴム発泡体層のセル目の影響を受けて平滑性が悪くなりやすく、また2mmを超えると低硬度化に不利となりやすい。
さらに、感光体の汚染を防止するために、この導電性シリコーンゴム層の表面にウレタン、フッ素、ナイロン樹脂等をコーティングしてもよい。
【0022】
本発明のゴムロールは、上記したように、表面が非発泡シリコーンゴムであるため平滑性に優れており、その内層が絶縁性シリコーンゴム発泡体層であるため低硬度化が可能である。さらに、導電性スポンジの場合は発泡倍率により抵抗値が変動してしまうため、安定した抵抗値を得られないのに対し、本願発明では内層が絶縁性シリコーンゴム発泡体層であるため抵抗値の調整が必要なく、非発泡のゴム板(リング状の半導電性シリコーンゴム)の抵抗値、またはその厚さを調整すればよいのであるから極めて容易にこのような問題点を解決できる。
【0023】
【実施例】
(実施例1〜12)
導電性芯体は、予め表面をプライマー処理した直径10mm、長さ260mmのステンレス製芯体を使用する。
絶縁性シリコーンゴム発泡体は、シリコーンゴムコンパウンドKE151U(信越化学工業社製、商品名)100重量部に、低温分解型の有機過酸化物加硫剤C−1(信越化学工業社製、商品名)を夫々0.3、0.5、0.7重量部、高温分解型の有機過酸化物加硫剤C−3(信越化学工業社製、商品名)3重量部、有機発泡剤KEP−13(信越化学工業社製、商品名)2重量部を2本ロールにてよく混合し、押出し機を使用してステンレス製芯体上に直径15mmに一体分出しした。その後、250℃、30分の条件で熱風加熱炉にて加熱加硫発泡させた。これを200℃、4時間で後処理した後、円筒研削盤にて研磨し、外径18.5、19.0、19.5mmとした。絶縁性シリコーンゴム発泡体層の端部はカッターでサイドカットし平坦に仕上げた。
【0024】
ゴム板の調整は、まずシリコーンゴムコンパウンドKE151U(同前)100重量部に、導電性ファーネスブラック3重量部を加えて導電性シリコーンゴムコンパウンドを調整する。これに有機過酸化物加硫剤C−3(同前)2重量部、オルガノハイドロジェンポリシロキサン3重量部、触媒としてCAT−PL−2(信越化学工業社製、商品名)0.1重量部、反応制御剤R−153A(信越化学工業社製、商品名)を1重量部加え、押出し機で外径20.5mm、内径9mmのチューブを押出しし、300℃の熱風加熱炉で加熱硬化させた。
【0025】
これを1000mmほどの長さに押し出した時に一度押し出し機を停止し、100mmの長さにカットし、直径10mm、長さ140mmのステンレスシャフトに圧入し、図2に示す方法で抵抗値を測定した。図2に示す方法は、抵抗値被測定物6の両端部に突出した導電性芯体2に100gずつの荷重をかけ、抵抗値被測定物6と、金属等の導電性板状物からなる電極8を圧接し、導電性芯体2と電極8との間の抵抗値、すなわち抵抗値被測定物6の抵抗値を測定できるように抵抗測定器7を接続してなる装置を用いる方法である。また環境条件により測定値が変動するので、20℃、50%RHに10分間置いてから測定する。
抵抗値が低い場合はKE151U(同前)を残った原料に添加し抵抗値を上げる。抵抗値が高い場合は予めKE151U(同前)に導電性ファーネスブラック10重量部を添加した抵抗値調整用導電性シリコーンゴムコンパウンドを残った原料に添加し抵抗値を下げる。
【0026】
このような方法で抵抗値を8×104 〜1.5×105 Ωの範囲、すなわち約1×105 Ωになるように調整し、その後、連続的に押出し成形した。
次に、これを200℃、4時間で後処理した後、100mmの長さにカットし、直径10mmのステンレスシャフトに圧入した後、上記絶縁性シリコーンゴム発泡体層と外径値を合わせるため円筒研削盤にて研磨し、外径18.5、19.0、19.5mmとした。
同様にして、図2に示す方法で抵抗値を測定した時、8×103 〜1.5×104 Ωの範囲、すなわち約1×104 Ωとなるような半導電性シリコーンゴムを作製した。これを厚さ5mmにカットしてゴム板とした。
【0027】
上記した絶縁性シリコーンゴム発泡体層の両端部に、このゴム板が接触するように、上記ステンレス製芯体を圧入し、次いでこれらの上にクロスヘッドを備えた押出し機によって、KE151U(同前)とビニル基含有ジメチルポリシロキサン生ゴムを夫々1:0、2:1、1:1の比率で混合したものを100重量部とし、導電性ファーネスブラック10重量部を添加し、これに有機過酸化物加硫剤C−3(同前)2重量部、オルガノハイドロジェンポリシロキサン3重量部、触媒としてCAT−PL−2(同前)0.1重量部、反応制御剤R−153A(同前)1重量部を加え、2本ロールで混練し組成物からなる導電性シリコーンゴム層を、外径21mmになるように設けた。
このようにしてできた、上記外径21mmのロールを円筒研削盤で研磨し、外径20mmに仕上げた。その後端部のバリを処理して、各種ゴムロールを得た。
上記実施例中の各構成の組合せを表1に示した。
【0028】
【表1】
Figure 0003765431
上記した表1中、実施例6の構成で、ゴム板の抵抗値を1×104 Ω(図2に示した測定方法による)としたものも作製し、実施例12とした。それぞれのゴムロールに対して硬度(JIS A)、平均抵抗値、10本成形したときの平均抵抗値の最大値/最小値、を表2に示した。ただし、抵抗値の測定方法は、図2に示す方法により角度を90°ずつ回転させて測定し、平均抵抗値はこの4点のデータの平均値とした。
【0029】
【表2】
Figure 0003765431
上記表2の結果から明らかなように硬度が40°Hs以下で任意に変更可能であり、なおかつ硬度を変えても抵抗値は一定の物が得られ、10本成形したときのその最大値と最小値の幅も1.2倍以下となり、好ましい結果が得られた。
【0030】
(比較例)
比較例として、上記実施例中の半導電性シリコーンゴムに替えて、導電性シリコーンゴムを使用した。
この導電性シリコーンゴムは、シリコーンゴムコンパウンドKE151U(同前)100重量部と、導電性ファーネスブラック2.5重量部を添加し、これに有機過酸化物加硫剤C−3(同前)2重量部、オルガノハイドロジェンポリシロキサン5重量部、触媒として塩化白金酸0.1重量部、反応制御剤1重量部を加えたものを使用した。
この導電性シリコーンゴムは、抵抗値を1×105 Ωとし、上記実施例と同様に、ロールに対する硬度(JIS A)、平均抵抗値、10本成形したときの平均抵抗値の最大値/最小値を表2に示した。
この結果から明らかなように、抵抗値が安定せず、また低硬度化が当然得られず、実用上望ましくなかった。
【0031】
【発明の効果】
本発明のゴムロールは、電気的特性が非常に安定しているとともに、表面の平滑性を有しているため、感光体との接触性に優れており、さらに硬度や抵抗値の調整も容易であり、産業上の利用価値のきわめて高いゴムロールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴムロールの一例を示す断面説明図。
【図2】抵抗値被測定物の抵抗値測定方法を示す説明図。
【符号の説明】
1…ゴムロール
2…導電性芯体
3…絶縁性シリコーンゴム発泡体層
4…導電性シリコーンゴム層
5…ゴム板(半導電性シリコーンゴム)
6…抵抗値被測定物
7…抵抗測定器
8…電極

Claims (1)

  1. 導電性芯体の外周面にゴム硬度18°Hs〜36°Hs(JIS A)の範囲内の絶縁性シリコーンゴム発泡体層が形成され、さらにその外周面に導電性シリコーンゴム層が形成された2層構造のシリコーンゴムロールであって、前記絶縁性シリコーンゴム発泡体層の両端面に接して、かつ該絶縁性シリコーンゴム発泡体層よりも両端面が張り出し形成された前記導電性シリコーンゴム層の張り出し部の内周面と前記導電性芯体の外周面との間に、前もって成形された厚さ5mm〜10mmの一対のリング状の半導電性シリコーンゴムが一体に形成され、平均抵抗値の最大値/最小値が1.1〜1.2の範囲内であることを特徴とする半導電性シリコーンゴムロール。
JP711596A 1996-01-19 1996-01-19 半導電性シリコーンゴムロール Expired - Fee Related JP3765431B2 (ja)

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