JP3646753B2 - 半導電性部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導電性ロールに関する。さらに詳しくは、半導電性領域の電気抵抗率(約10の4乗〜約10の11乗Ω・cm)の範囲にばらつきなく調整でき、且つ低硬度の半導電性部材を有する半導電性ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真複写機または電子写真印刷機などの画像形成装置は、感光ドラム外周面を一様に帯電させ、次いで感光ドラムの外周面に印刷パターンまたは複写パターンを露光することにより静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成(現像)して、このトナー像を複写用紙または印刷用紙に転写することにより印刷または複写する機構を有するものである。
半導電性部材は画像形成装置において、感光体ドラム外周面を一様に帯電させるための帯電ロールとして、感光体ドラム外周面の静電潜像をトナー像に現像するための現像ロールとして、現像ロールにトナーを供給するための供給ロール、現像ロール上に担持されたトナーの量を規制し且つトナーを均一帯電させるための現像ブレードまたはトナー像を転写するための転写ロールなどとして使用されている。
画像形成機に用いる半導電性部材としては、電気抵抗率の低いカーボンブラックをエラストマーに添加して電気抵抗率を低下させたものが知られている。この部材ではカーボンブラックの添加量を増していくと図1のごとく電気抵抗率が低下していく。半導電性領域の電気抵抗率付近では、カーボンブラックの添加量の変動に対する電気抵抗率の変動が大きく、カーボンブラックの添加量を厳密にコントロールしなければならない。しかし、エラストマーにカーボンブラックを均一に分散させるのは困難であるため、部材の中で電気抵抗率に分布が生じたり、ロット毎に電気抵抗率のばらつきが生じる。
また、別の半導電性部材として、10の1乗Ω・cm以上の無機粒子をシリコーンゴムなどのエラストマーに添加して電気抵抗率を低下させたものが知られている。この部材では、電気抵抗率を半導電性領域に低下するために金属酸化物の添加量を非常に多くしなければならない。エラストマーに添加する無機粒子の量が多くなると、部材の硬度が高くなり、画像形成装置用のロールやブレードとして実用できなくなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、半導電性領域の電気抵抗率がばらつきなく調整でき且つ低硬度の半導電性部材を有する半導電性ロールを提供することにある。本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、カーボンブラックの配合量が少ないときには電気抵抗率の変動がカーボンブラックの配合量の変動に対して小さいこと、及びカーボンブラックと高電気抵抗率の金属酸化物とを併用してエラストマーに特定量添加配合することにより、電気抵抗率のばらつきが小さくなり、且つ低硬度の半導電性部材を得られることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0004】
【発明を解決するための手段】
かくして、本発明によれば、(1)芯金とこれの外周面を被覆する弾性層とからなり、前記弾性層が、エラストマー100重量部、カーボンブラック0.5〜60重量部、及び電気抵抗率10の1乗〜10の10乗Ω・cmの金属酸化物10〜200重量部を含有する半導電性部材を成形してなり、該弾性層の外周面の軸方向の十点平均粗さ(Rz1)が6〜10μmであり、弾性層の円周方向の十点平均粗さ(Rz 2 )と前記Rz 1 との比(Rz 2 /Rz 1 )が0.9〜1.2である半導電性ロールが提供される。
【0005】
本発明の半導電性ロールに好適な半導電性部材として以下のものが提供される。(2)エラストマーが、エピクロロヒドリン系ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、水添アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリルゴム及びブタジエンゴムから選択される少なくとも1種以上のものである半導電性部材。(3)エラストマーの電気抵抗率が10の6乗〜10の18乗Ω・cmである半導電性部材。
【0006】
(4)カーボンブラックが、その電気抵抗率10の0乗Ω・cm以下のものである半導電性部材。
(5)カーボンブラックの一次粒子凝集体の粒径が0.001〜10μmである半導電性部材。
(6)金属酸化物の一次粒子径が0.01〜10μmである半導電性部材。
【0007】
(7)金属酸化物がAlドープZnO、SnO2(酸化アンチモンドープ)被属TiO2、SnO2(酸化アンチモンドープ)被属SnO2、SnO2被属TiO2、K2O・nTiO2/SnO2Sb2O6及びSnO2(酸化アンチモンドープ)被属複合酸化物から選択される少なくとも1種のものである半導電性部材。
(8)金属酸化物がAlドープZnOである半導電性部材。
(9)エラストマーにカーボンブラックを添加混練し、その次ぎに金属酸化物を添加混練してなる半導電性部材。
【0008】
本発明によれば、(10) 芯金とこれの外周面を被覆する弾性層とからなり、弾性層が、前記(1)〜(9)のいずれかの半導電性部材を成形してなるものである半導電性ロールが提供される。
【0009】
本発明の半導電性ロールの好適な態様として以下のものが提供される。(11)弾性層の外周面の軸方向の中心線平均粗さ(Ra)が0.3〜2.5μmである前記(10)の半導電性ロール。(12)弾性層の外周面の軸方向の十点平均粗さ(Rz1)が6〜9μmである前記(10)の半導電性ロール。(13)弾性層の円周方向の十点平均粗さ(Rz2)/軸方向の十点平均粗さ(Rz1)の比が0.95〜1.15である前記(10)の半導電性ロール。
【0010】
(14)弾性層の電気抵抗率(芯金から弾性層外周面までの間で測定した抵抗値から求めたもの)が、10の6乗〜10の12乗Ω・cmである前記(10)の半導電性ロール。
(15)弾性層の圧縮永久歪が20%以下である前記(10)の半導電性ロール。
(16)球形トナー用途に用いる前記半導電性ロール。
【0011】
また、本発明によれば、(17) 前記(10)〜(16)の半導電性ロール及び
外周面が一様に帯電し且つ露光することにより該帯電が除電される感光体ドラムからなり、
半導電性ロール及び感光体ドラムはそれぞれ回転することができ且つ接触して設置されてなる画像形成装置が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の半導電性ロールは、芯金とこれの外周面を被覆する弾性層とからなり、前記弾性層が、エラストマー100重量部、カーボンブラック0.5〜60重量部、及び電気抵抗率10の1乗〜10の10乗Ω・cmの金属酸化物10〜200重量部を含有する半導電性部材を成形してなり、該弾性層の外周面の軸方向の十点平均粗さ(Rz1)が6〜10μmであり、弾性層の円周方向の十点平均粗さ(Rz 2 )と前記Rz 1 との比(Rz 2 /Rz 1 )が0.9〜1.2であるものである。
【0013】
本発明に用いるエラストマーは、特に限定されない。例えば、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、水添アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、エピクロロヒドリン系ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ブタジエンゴム、アクリルゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴムなどが挙げられる。
【0014】
エラストマーは、その電気抵抗率が、通常10の6乗〜10の18乗Ω・cm、好ましくは10の6乗〜10の11乗Ω・cmのものが用いられる。
エラストマーの電気抵抗率が高いとカーボンブラックまたは金属酸化物の量を多くしなければならなくなるので、部材の硬度が高くなる。
【0015】
本発明に用いるカーボンブラックは、エラストマーに導電性を付与するために配合される粒子である。
【0016】
カーボンブラックは、その電気抵抗率が、通常、10の0乗Ω・cm以下、好適には5×10の−1乗Ω・cm以下のものが用いられる。カーボンブラックの電気抵抗率が高いと部材の電気抵抗率を半導電性領域に低下させるために多量のカーボンブラックを要することになり部材の硬度が高くなる。
【0017】
カーボンブラックは、その一次粒子径により特に限定されないが、カーボンブラックの一次粒子凝集体の粒径が、通常、0.001〜10μmのものが用いられる。
凝集体粒径が小さいと、エラストマーへの配合分散が困難になる。凝集体粒径が大きいと、部材の電気抵抗を半導電性領域に低下させるために多量の添加が必要になり、硬度が高くなりやすい。
【0018】
カーボンブラックの具体例としては、EC(Extra Conductive)カーボン、ECF(Extra Conductive Furnace)カーボン、SCF(Super Conductive Furnace)カーボン、CF(Conductive Furnace)カーボン、アセチレンブラック等(ケッチェンブラックEC[商品名]を含む。)などを挙げることができる。
【0019】
カーボンブラックの量は、エラストマー100重量部に対して、0.5〜60重量部、好ましくは1〜30重量部である。カーボンブラックの量が少ないと、半導電性領域の電気抵抗率にするために金属酸化物の量を増やさなければならなくなるので部材の硬度が高くなる。逆にカーボンブラックの量が多いと、電気抵抗率のばらつきが大きくなる。
【0020】
本発明に用いる金属酸化物は、その電気抵抗率が、10の1乗〜10の10乗Ω・cm、好ましくは10の1乗〜10の5乗Ω・cmのものである。金属酸化物の電気抵抗率が小さいと電気抵抗率のばらつきが大きくなる。逆に金属酸化物の電気抵抗率が大きいと半導電性領域の電気抵抗率にするために金属酸化物の量を増やさなければならなくなるので部材の硬度が高くなる。
【0021】
金属酸化物は、その一次粒子径が、通常、0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmのものである。粒子径が小さいとエラストマーへの配合分散が困難になり、逆に粒径が大きいと成形加工性や、物理的特性が低下しやすくなる。
【0022】
金属酸化物の具体例としては、AlドープZnO、SnO2(酸化アンチモンドープ)被属TiO2、SnO2(酸化アンチモンドープ)被属SnO2、SnO2被属TiO2、K2O・nTiO2/SnO2Sb2O6、SnO2(酸化アンチモンドープ)被属複合酸化物などを挙げることができる。これらのうち、AlドープZnOが好適に用いられる。
【0023】
金属酸化物の量は、エラストマー100重量部に対して、10〜200重量部、好ましくは20〜150重量部である、金属酸化物の量が少ないと部材の電気抵抗率が半導電性領域まで低下しない。逆に金属酸化物の量が多くなると部材の硬度が高くなる。
【0024】
本発明に用いる半導電性部材は、エラストマーをニーダー、バンバリーミキサーなどの混練機を用いて練り、それにカーボンブラックまたは金属酸化物を添加して、練り合わせることによって得られる。カーボンブラックと金属酸化物の添加順序は、特に限定されないが、カーボンブラック及び金属酸化物のエラストマー中の分散を均一にするためにカーボンブラックを先に添加した方が好ましい。
【0025】
本発明に用いる半導電性部材は、プレス成形やトランスファー成形等の方法を用いて、所望の形状(例えば、ロール、ブレード等)に成形加工することができる。
【0026】
本発明の半導電性ロールは、芯金とこれの外周面を被覆する弾性層とからなり、弾性層が前記の半導電性部材を成形してなるものである。
【0027】
本発明の半導電性ロールは、現像ロールや帯電ロールなどとして使用するために、弾性層の外周面の軸方向の中心線平均粗さ(Ra)が、通常、0.3〜2.5μm、好ましくは0.3〜2μmにする。Raはより小さい方が好ましいが、Raを0にすることは困難であるので、生産効率の観点から下限は0.3μmとなる。一方Raが大きくなると印字濃度が高くなる。
なお、中心線平均粗さは断面曲線から中心線の方向(X軸)に測定長さ(L)だけ抜取り、粗さ方向(Y軸)として粗さ曲線y=f(x)なる関数で表すとき、この関数の絶対値をx=0からLまで定積分して表されるμm単位の値である(数1)。
【0028】
【数1】
【0029】
本発明の半導電性ロールは、現像ロールや帯電ロールなどとして使用するために、弾性層の外周面の軸方向の十点平均粗さ(Rz1)を、通常、6〜10μm、好ましくは6〜9μmにする。さらに本発明のゴムロールは、その円周方向の十点平均粗さ(Rz2)/軸方向の十点平均粗さ(Rz1)の比を、通常、0.9〜1.2、好ましくは0.95〜1.15にする。Rz2/Rz1の比が大きくなると印字濃度が高くなるがドット再現性が低下する。逆にRz2/Rz1の比が小さくなると印字濃度及びドット再現性が低下する。
なお、十点平均粗さ(Rz1及びRz2)はゴムロール面の断面曲線から基準長さだけ抜き取った部分の中で最も高い山から5番目までの山の高さの平均値と最も深い谷から5番目までの谷の深さの平均値との差をμmの単位で表した値である。
【0030】
本発明の半導電性ロールは、その弾性層の電気抵抗率(芯金から弾性層外周面までの間で測定した抵抗値から求めたもの)が、通常、10の6乗〜10の12乗Ω・cm、好ましくは10の6.5乗〜10の11.5乗Ω・cmである。電気抵抗率をこの範囲にすることにより、トナーの帯電が充分に均一となり、良好な印字濃度が得られ、ドット再現性も高くなる。
【0031】
本発明の半導電性ロールは、その弾性層の圧縮永久歪率が、通常、25%以下、好ましくは20%以下、さらに好ましくは20%以下である。圧縮永久歪が大きくなると、良好な画像形成が困難になりやすい。
【0032】
本発明の半導電性ロールにおいて、芯金は導電性剛性体、具体的には、銅、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケルなどの金属で形成されている。
芯金は通常、端から端までが同一外径の円柱形状をなしているものを用いるが、半導電性ロールが他のロールに接触することによる、他のロールまたは半導電性ロールの端部の摩耗を少なくするために芯金の端部の外径を芯金の軸方向中央部よりも小さくすることが好ましい。芯金の外周面はゴム層との接着力を高めるために、表面粗さを大きくすることが好ましく、例えば、芯金外表面にV字状のローレット溝を設ける。
【0033】
弾性層と芯金との接合は、芯金の外周面を研磨、サンドプラストなどによって錆などの付着物を除き、油分を洗浄し、接着剤を塗布しておく、次に前記弾性層がチューブ状であるときには、そのチューブ腔に前記芯金を挿入して芯金と弾性層とを接合する。また、前記弾性層がシート状であるときには、前記芯金の外周面に該シートゴムを巻き付けて、加硫することにより得ることができる。
芯金の外径は弾性層の芯金を取り付ける部分の内径に比べ大きい方が芯金と弾性層との接合力が強くなるので、接合部が破壊され、芯金から弾性層表面に印加した電圧が伝わらなくなることによる画像不良を生起することが防げるので好ましい。
【0034】
弾性層の外周面には、表面電位のリークを防ぐために、あるいはトナーの粘着を防止するために、表面粗さあるいは摩擦抵抗を低くすることが好ましい。表面粗さあるいは摩擦抵抗を低くするには、研磨機を用いて研磨するか、紫外線を弾性層外周面に均一に照射するか、ポリウレタンやシリコーンなどのポリマーを外周面に被覆するかなどして行なう。ポリマーを被覆するとさらに感光体汚染を防ぐことができる。
【0035】
本発明の半導電性ロールは、画像形成装置において、感光体ドラム外周面を一様に帯電させるための帯電ロールとして、感光体ドラム外周面の静電潜像をトナー像に現像するための現像ロールとして、現像ロールにトナーを供給するための供給ロール、またはトナー像を転写するための転写ロールなどとして使用することができる。
【0036】
本発明の画像形成装置は、前記の半導電性ロール(以下、現像ロールということがある。)及び感光体ドラムからなり、現像ロール及び感光体ドラムはそれぞれ回転することができ且つ接触して設置されてなるものである。必要に応じて供給ロールが配置されている。
【0037】
図2は、本発明にかかる画像形成装置の一例を示す概念図である。以下この図を参照して説明する。
【0038】
感光体ドラム1は、帯電装置により外周面が一様に帯電し且つ潜像形成装置4で露光することにより該帯電が除電されるものである。帯電装置としては、本発明の半導電性ロールの外周面を樹脂被覆してなる帯電ロール3を使用することができる。
【0039】
供給ロール12、現像ロール8及び感光体ドラムはそれぞれ回転することができるよう固定されている。供給ロールと現像ロールとは接触するように固定されている。また、現像ロールと感光体ドラムとが接触するようにして固定されている。なお、供給ロール、感光体ドラム及び現像ロールをそれぞれ回転させるための駆動装置が、通常、備えられている。
感光体ドラムの回転方向と現像ロールの回転方向は、通常、逆回転方向になるように(接触面では同方向に擦り合うように)する。
供給ロールの回転方向と現像ロールの回転方向は、通常、同じ回転方向になるように(接触面では逆方向に擦り合うように)する。
周速度は、トナー10が感光体ドラムに十分付着するように、また後述の転写装置で転写しなかった残存トナーを現像ロールで清掃する効率を高めるために感光体ドラムの周速度に対して1.5〜3倍の周速度で現像ロールを回転させることが好ましい。また現像ロールの周速度に対して0.4〜0.9倍の周速度で供給ロールを回転させることが好ましい。現像ロールにより現像と清掃を同時に行う場合には感光体ドラム上の残存トナーを清掃するクリーナー2は不要になる。
【0040】
供給ロール、感光体ドラム及び現像ロールには、通常、電圧が印加されている。感光体ドラム及び現像ロールに印加される電圧は、感光体ドラムの表面電位(Vc)と現像ロールの表面電位(Vd)との関係が、(Vc−Vd)の絶対値が50ボルト以上になるようにする。印加電圧を上記条件に設定することにより、現像と清掃とを同時に効率よく行うことができる。
【0041】
現像ロールには、通常、現像ロール表面に付着されるトナーの層厚及び帯電状態を制御するための現像ブレード9が現像ロールに当接されている。
現像ブレード及び供給ロールには、通常、電圧が印加されている。現像ブレード及び供給ロールに印加される電圧は、現像ブレードの表面電位(Vb)、供給ロールの表面電位(Vs)、現像ロールの表面電位(Vd)との関係が、数2で表されるようにする。トナーの帯電が均一になり、トナーの供給が効率よく行うことができる。
【0042】
【数2】
【0043】
現像ロールによって感光体ドラムに付着されたトナーは転写装置により紙または樹脂シート等にトナー像が転写される。転写装置としては、転写ロール6、転写ベルト、コロナ放電転写装置などが挙げられる。転写ロールには、本発明の半導電性ゴムロールを使用することができる。
【0044】
本発明の画像形成装置に適用できるトナーは特に制限されないが、好適には球形の非磁性一成分トナーを用いる。
球形トナーは体積平均粒径(dv)が3〜15μm、好ましくは5〜10μmのものである。
好適な球形トナーは上記体積平均粒径を備え、さらに体積平均粒径(dv)と個数平均粒径(dn)の比(dv/dn)が1〜1.4であり、粒子の絶対最大長を直径とした円の面積(Sc)を粒子の実質投影面積(Sr)で割った値(Sc/Sr)が1〜1.3である。
さらに好適に適用できる球形トナーはBET法による比表面積(A)[m2/g]、個数平均粒径(dn)[μm]及び真比重(D)の積(A×dn×D)が5〜10の範囲に入るもので、帯電量(Q)[μc/g]と比表面積(A)の比(Q/A)が40〜150のものである。球形トナーは、通常、重合法により得ることができる。球形トナーには、軟質または低ガラス転移温度のポリマーを含有するコアと、硬質または高ガラス転移温度のポリマーを含有するシェルとからなるいわゆるカプセルトナーも含まれる。
【0045】
トナーには、通常、着色剤が配合されているが、この着色剤としては、黒、マゼンタ、イエロ、シアンなどの各色を付与するものを挙げることができ、いずれの着色剤を配合したトナーであっても、本発明の半導電性部材(ロール)を用いた画像形成装置に適用できる。
【0046】
【実施例】
実施例により本発明をさらに詳細に説明する。本実施例において行った評価試験方法は以下のとおりである。なお、特に断わりがない限り、部及び%は重量基準である。
【0047】
[硬度]
JIS K−6253の規定に準拠して測定した。
【0048】
[電気抵抗率]
半導電性部材を2mm厚のシートに成形し、このシートをガイドリング付き電極に挟んで、直流電圧500V、温度23℃、湿度55%RH%の条件で、電気抵抗率を測定し、平均値、最大値及び最小値を求めた。
【0049】
実施例1〜4及び比較例1〜3
表1に示す配合処方に従って、エラストマーにカーボンブラック、金属酸化物、架橋剤などをニーダーを用いて順次添加し、均一に混練し、半導電性部材を得た。
得られた半導電性部材の評価結果を表1に示した。
【0050】
エラストマーとしてはNBR(日本ゼオン社製、Nipol DN223、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム)、CHR(日本ゼオン社製、Gechron3106、エピクロロヒドリン共重合ゴム)、Q(東芝シリコーン社製、TSE−270−5U、シリコーンゴム)を用いた。
【0051】
カーボンブラックとしては、ケッチェンブラックEC(KETJEN BLACK INT.Co.製、導電性カーボン、電気抵抗率0.1Ω・cm)、HAFカーボン(東海カーボン社製、シースト#3、電気抵抗率(0.25Ω・cm)を用いた。
金属酸化物としては、AlドープZnO(白水化学工業社製、23−K、電気抵抗率150Ω・cm)を用いた。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、詳細な機構は不明だが、カーボンブラックと金属酸化物とがエラストマー中で相互に接触し、その接触部を通して通電されるので、同じ電気抵抗率を有する部材を得るためのカーボンブラック及び金属酸化物の量を、それぞれを単独で配合した場合に比べ、組み合わせて配合した場合の方が少なくすることができる。その結果、部材の電気抵抗率を低下させても、硬度が高くならず、低硬度の部材を実現できる。
また、カーボンブラックの量の変動に対して部材の電気抵抗率の変動が小さい範囲(図1においてカーボンブラック配合量の少ない範囲)のカーボンブラック配合量で済むので、部材の電気抵抗率のばらつきが小さくなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はカーボンブラック配合量に対する電気抵抗率の変化を示した概念図である。
【図2】 図2は、本発明の画像形成装置の一例を示した図である。
【符号の説明】
1・・・感光体ドラム
2・・・クリーナー
3・・・帯電ロール
6・・・転写ロール
8・・・現像ロール
9・・・現像ブレード
10・・・トナー
12・・・供給ロール
Claims (2)
- 芯金とこれの外周面を被覆する弾性層とからなり、前記弾性層が、エラストマー100重量部、カーボンブラック0.5〜60重量部、及び電気抵抗率10の1乗〜10の10乗Ω・cmの金属酸化物10〜200重量部を含有する半導電性部材を成形してなり、該弾性層の外周面の軸方向の十点平均粗さ(Rz1)が6〜10μmであり、弾性層の円周方向の十点平均粗さ(Rz 2 )と前記Rz 1 との比(Rz 2 /Rz 1 )が0.9〜1.2である半導電性ロール。
- 請求項1記載の半導電性ロール及び外周面が一様に帯電し且つ露光することにより該帯電が除電される感光体ドラムからなり、半導電性ロール及び感光体ドラムはそれぞれ回転することができ且つ接触して設置されてなる画像形成装置。
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1996
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