JP2004037551A - 現像ローラ及びそれを有する現像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像ローラの表面層に、トナーの固着が発生すること、亀裂が発生すること、及び、削れによるスジ等の傷が発生することを防止して、使用上の耐久性を向上させた現像ローラ及びそれを有する現像装置を低コストで提供する。
【解決手段】芯軸1、弾性層2及び表面層3を順次有する現像ローラ10において、該表面層3が、(イ)分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂と、(ロ)トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、の架橋反応生成物で構成されているものとする。
【選択図】 図1
【解決手段】芯軸1、弾性層2及び表面層3を順次有する現像ローラ10において、該表面層3が、(イ)分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂と、(ロ)トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、の架橋反応生成物で構成されているものとする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置において用いられる現像ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置、特に、小型の電子写真装置の分野においては、メンテナンスの簡素化が進められており、非磁性1成分トナーを使用して現像するタイプの現像装置、例えば、感光体表面、感光紙、記録紙等の画像担持体上に形成された静電潜像を1成分トナーを使用して現像するタイプの現像装置が実用化されている。図5は、このような従来の現像装置の概略説明図である。
【0003】
図5に示すように、従来の現像装置120においては、現像ローラ110、芯軸の周囲に弾性層を形成してなる補給ローラ111、及び、トナー攪拌部材112は、ケース113の側板に軸支されている。トナー117は、トナー攪拌部材112及び補給ローラ111を介して現像ローラ110の表面に供給される。現像ローラ110上に供給されたトナー117は、さらに、トナー層規制部材114によって所定量に薄層化され、回転する現像ローラ110によって感光体115に搬送される。現像ローラ110は、感光体115に接触し、電極を介して感光体115の帯電電位と光書き込み後(露光後)の残留電位の中間のバイアス電圧がバイアス電源116によって印加されている。現像ローラ110上のトナー117は、感光体115との接触部に搬送され、そこで、感光体電位と現像バイアスによる現像電界に応じて帯電したトナー117は、感光体115に付着し静電潜像が可視像化される。
【0004】
かかる現像ローラ110によれば、その表面に薄層化させたトナーを担持させ、これを静電潜像の形成された感光体ドラム115に当接させると、トナーが感光体ドラム115に現像電界に応じて移行するので、感光体ドラム115に形成された静電潜像が可視像化される。このような現像ローラ110においては、トナー117と現像ローラ110の表面との接触による摩擦帯電によってトナーの帯電の極性及び帯電量を制御する必要がある。トナーの感光体ドラム115への移動は、トナーの帯電の極性及び現像電界に応じて、静電潜像の画像部及び非画像部(地肌部)を選択することにより行われる。この装置によれば、トナーに磁性材料を使うことなく、カラー化が容易であるという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の画像担持体上に形成された静電潜像を1成分トナーを使用して現像するタイプの現像装置120においては、現像ローラ110の表面の樹脂被覆層上にトナー層規制部材114及び補給ローラ111を当接させる必要があるが、それらの当接させた部分におけるトナーへのストレスにより、現像ローラ110の表面の樹脂被覆層に、トナーの固着が発生したり、亀裂が発生したり、また、削れによるスジ等の傷が発生するという問題があった。特に、現像ローラではバイアス電源を印加するためにその樹脂被覆層に電気抵抗制御剤を含有させる必要があるが、電気抵抗制御剤を樹脂被覆層に含有させると、樹脂被覆層に亀裂を発生させる現象を加速させるという問題があった。
【0006】
そこで、従来の現像装置においては、数k〜十数kプリントできるカートリッジ形態がとられているが、近年は、環境問題からカートリッジのリサイクルを進める必要にせまられており、そのために、一枚当たりのランニングコストを押し上げるという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
即ち、本発明は、現像ローラの表面層に、トナーの固着が発生すること、亀裂が発生すること、及び、削れによるスジ等の傷が発生することを防止して、使用上の耐久性を向上させた現像ローラ及びそれを有する現像装置を低コストで提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、芯軸、弾性層及び表面層を順次有する現像ローラにおいて、該表面層を、(イ)分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂と、(ロ)トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、の架橋反応生成物で構成したところ、現像ローラの表面層に、トナーの固着が発生すること、亀裂が発生すること、及び、削れによるスジ等の傷が発生することを防止して、使用上の耐久性を向上させた現像ローラ及びそれを有する現像装置を低コストで提供することを見出して本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、請求項1に記載された発明は、芯軸、弾性層及び表面層を順次有する現像ローラにおいて、該表面層が、
(イ)分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂と、
(ロ)トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、
の架橋反応生成物で構成されていることを特徴とする現像ローラである。
【0010】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記表面層が、
(イ)分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂と、
(ロ)トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、
を含有する樹脂組成物の塗布によって形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載された発明は、請求項2に記載された発明において、前記樹脂組成物が、水に乳化分散された前記ポリウレタン樹脂を含有していることを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載された発明は、請求項2又は3に記載された発明において、前記樹脂組成物が、前記トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂を、前記ポリウレタン樹脂100重量部に対して3〜80重量部の割合で含有していることを特徴とするものである。
【0013】
請求項5に記載された発明は、請求項2〜4のいずれかに記載された発明において、前記樹脂組成物が、カーボンブラックを前記ポリウレタン樹脂100重量部に対して25重量部以上の割合で含有していることを特徴とするものである。
【0014】
請求項6に記載された発明は、請求項1〜5のいずれかに記載された発明において、前記弾性層単属の体積抵抗を1.0×109 Ω・cm以下とし、そして、前記表面層単独の体積抵抗を弾性層の体積抵抗よりも低くしたことを特徴とするものである。
【0015】
請求項7に記載された発明は、請求項1〜6のいずれかに記載された発明において、前記表面層の初期の体積抵抗を1.0×103 Ω・cm以下とし、そして、その表面抵抗を1.0×106 Ω/□以下としたことを特徴とするものである。
【0016】
請求項8に記載された発明は、請求項1〜7のいずれかに記載された発明において、前記表面層の表面の十点平均粗さRzが、弾性層の表面の十点平均粗さRzより小さいことを特徴とするものである。
【0017】
請求項9に記載された発明は、請求項1〜8のいずれかに記載された発明において、前記表面層の膜厚が、弾性層の表面の十点平均粗さRz以上、30μm以下であることを特徴とするものである。
【0018】
請求項10に記載された発明は、現像ローラと、該現像ローラと平行に配置してこれにトナーを供給するマグネットローラよりなるトナー供給ローラと、該トナー供給ローラ上に付着したトナーを規制して薄層を形成するトナー規制部材と、を有する現像装置において、該現像ローラとして、前記請求項1〜9のいずれかに記載の現像ローラを有することを特徴とする現像装置である。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示す現像ローラの断面図である。図2は、本発明の一実施の形態を示す現像ローラを有する現像装置の概略説明図である。図3は、現像ローラの体積抵抗の測定法を説明するための説明図である。図4は、感光体上のトナー付着量と現像ポテンシャルとの関係を示すグラフである。
【0020】
図1において、10は現像ローラである。現像ローラ10は、金属からなる芯軸1の周囲にゴム又はエラストマーからなる弾性層2を有している。弾性層2は、例えば、ポリウレタン、EPDM、天然ゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、NBR、エピクロルヒドリンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、及び、これらの混合物で構成される。これらのゴム又はエラストマーには、架橋してゴム状物質とするために、架橋剤、加硫剤を添加することができる。その際、加硫助剤、加硫促進剤、加硫遅延剤等を併用することができる。また、これらのゴム又はエラストマーには、発泡剤、可塑剤、軟化剤、粘着付与剤、粘着防止剤、分離剤、離型剤、増量剤、着色剤等の配合剤を弾性層2の特性を損なわない範囲で添加することができる。
【0021】
このような現像ローラにおいては、電気特性、特に、電気抵抗が重要であるので、電気抵抗を調整するために、種々の導電性付与材料を弾性層を構成するゴム又はエラストマーに添加する。前記導電性付与材料には、粉体として、例えば、ケッチェンブラックEC、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理等を施したカラー用カーボン、熱分解カーボン、インジウムドープ酸化スズ(ITO)、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、銅、銀、ゲルマニウム等の金属及び、金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマーがある。また、前記導電性付与材料には、イオン導電性物質として、例えば、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウム等の無機イオン性導電物質、変性脂肪酸ジメチルアンモニウムエトサルファート、ステアリン酸アンモニウムアセテート、ラウリルアンモニウムアセテート、オクタデシルトリメチルアンモニウム過塩素酸塩等の有機イオン性導電性物質がある。
【0022】
本発明においては、弾性層の体積抵抗値は、103 〜109 Ω・cmとすることが望ましい。体積抵抗値が103 Ω・cm未満では、材料の加工性を著しく損ねると共に硬度アップを招く。一方、109 Ω・cmを越えると、表面層をコーティングしたローラ全体としての抵抗を目的の抵抗にすることが難しくなる。
【0023】
本発明においては、弾性層の硬度は、特に制限されるものではないが、現像ローラが感光体と接触する場合には、JIS−Aスケールで60°以下であり、好ましくは、25°〜50°である。硬度が高すぎる場合、感光体がドラムの場合は、ニップ幅が小さくなるために、良好な現像が行えなくなる可能性がある。逆に硬度が低くなりすぎると、圧縮永久歪みが大きくなり、現像ローラに変形や偏芯が生じた場合、濃度ムラが発生する。また、低硬度側は、材料の固有の物性に大きく左右されるので、使用できる材料が限定される。弾性層の硬度を低硬度にする場合でも、圧縮永久歪みは小さくすることが好ましく、具体的には20%以下とすることが好ましい。
【0024】
また、現像ローラ10は、弾性層2の外周面に表面層3を有している。表面層3は、(イ)分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂と、(ロ)トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、の架橋反応生成物で構成されている。前記「分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂」は、主鎖又は側鎖にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂であって、水性ウレタン樹脂として斯界でよく知られたものである。このような水性ウレタン樹脂は、水中で乳化重合された分子量十数万の樹脂であり、分子中にカルボン酸を有し、アルカリ(アミン)で中和して水中に分散しているものである。本発明における「トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体」は、例えば、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、及び、グアナミン誘導体であり、好ましくは、メチル化メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂であるが、本発明の目的に反しない限り、ここに挙げた以外のトリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体であってもかまわない。
【0025】
本発明によれば、表面層3を、(イ)分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂と、(ロ)トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、の架橋反応生成物で構成したので、表面層3に、トナーの固着が発生すること、亀裂が発生すること、及び、削れによるスジ等の傷が発生することを防止し、さらには、加水分解性及び耐溶剤性を向上させて、現像ローラの使用上の耐久性を向上させることができる。
【0026】
前記表面層3は、(イ)分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂と、(ロ)トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、を含有する樹脂組成物を弾性層2の外周面にディップ法、スプレーコート、ローラコート等の被覆手段により形成される。前記分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂は、水に乳化分散されたものとして樹脂組成物中に存在するので、VOCを低減することができ、塗装工程の作業環境が良くなる。このように分散溶液が水であるので、該樹脂組成物で構成される塗料がレベリングし易く、そのために、ローラ表面、即ち、表面層3を平滑にすることができる。
【0027】
前記樹脂組成物は、前記トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂を前記ポリウレタン樹脂100重量部に対して3〜80重量%の割合で含有している。前記トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体は、分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂を架橋させることにより、表面層3の耐摩耗性等の機械的物性を向上させることができる。また、前記トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体は、分子構造中に窒素基を多く含有しているので、負帯電性のトナーに負の帯電を与えることができ、そのために、それらの添加量を増やすことによりトナー帯電性を高めることができる。しかしながら、添加量を増やしていくと、トリアジン系樹脂同士の自己縮合物質が多く形成されるので、塗膜が硬くなり、そのために、塗膜の物性を損なわない範囲で添加する必要がある。添加量が3重量部以下では、塗膜の物性を十分向上させることができない。反応点以上に添加した場合においても、自己縮合を行うので、単量体で存在することはなく、そのために、塗膜内部よりブリードすることはない。
【0028】
前記「トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体」は、熱硬化性樹脂、即ち、加熱しなければ硬化反応を起こさない樹脂であるので、これを分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂に添加して樹脂組成物(塗料)としても、そのポットライフが長いという利点がある。
【0029】
このような樹脂組成物を弾性層2の外表面に塗布して表面層3とするためには、カーボンブラック等の導電剤を用いて樹脂組成物の導電化が必要であるが、本発明においては、前記樹脂組成物は、好ましくは、カーボンブラックを前記ポリウレタン樹脂に対して25重量%以上の割合で含有している。前記樹脂組成物中にカーボンブラックを分散するに際しては、これに分散剤、消泡剤等の各種添加剤を、感光体への非汚染性の点から適宜、添加することができる。
【0030】
本発明においては、好ましくは、弾性層2単属の体積抵抗を1.0×109 Ω・cm以下とし、そして、表面層3単独の体積抵抗を弾性層の体積抵抗よりも低くする。体積抵抗が高抵抗の弾性層に低抵抗の表面層を形成しても、150V以下の現像ポテンシャルで飽和現像を達成するためのローラ抵抗以下にすることができないが、本発明においては、弾性層の硬度を損なわないようにして、150V以下の現像ポテンシャルで飽和現像を達成することができる。
また、本発明においては、好ましくは、表面層3の初期の体積抵抗を1.0×103 Ω・cm以下とし、そして、その表面抵抗を1.0×106 Ω/□以下とする。表面層3の初期の体積抵抗及び表面抵抗をこのような値にすると、150V以下の現像ポテンシャルで飽和現像を達成できるローラ抵抗である107 Ω・cm以下(1V印加)を達成できる。
このように、表面層3の体積抵抗を達成するために、カーボンブラックを前記ポリウレタン樹脂100重量部に対して25重量部以上の割合で含有させる。
【0031】
本発明においては、表面層3の表面の十点平均粗さRzは、弾性層の表面の十点平均粗さRzより小さいものとなっている。現像ローラにおいては、弾性層は研削等の外径加工が行われるので、表面粗さを小さくすることができないが、高画質にするためには、ローラ表面粗さを小さくする必要がある。それ故、本発明においては、前記樹脂組成物で構成される塗料のコーティング時のレベリングにより、弾性層2の粗さより表面層3の形成後の粗さを小さくする。
【0032】
本発明においては、表面層3の膜厚は、弾性層2の表面の十点平均粗さRz以上、30μm以下となっている。このように、表面層3の膜厚を弾性層2の表面の十点平均粗さRz以上、30μm以下とすると、前記樹脂組成物で構成される塗料のレベリングによる表面層3の膜厚に偏差が生じても弾性層2が露出することがない。従って、表面層3の膜厚は、弾性層2の表面の十点平均粗さRz以上の膜厚が必要である。また、表面層3の膜厚が30μm近くあれば、表面層3がトナー及び現像剤と摺擦されても、仮に1200kプリント後であっても、弾性層2が露出することはない(予測値として)。さらに、水系塗料は、樹脂皮膜形成時に樹脂粒子の凝集により収縮するので、その膜厚が30μmを越えると、しわが発生しやすく、表面のうねりが大きくなるが、本発明においては、表面層3の膜厚が30μm以下であるので、表面層3にしわやうねりが発生することはない。
【0033】
最近の高画質化に対応するためには、現像ローラの表面粗さはできるだけ小さいことが望ましいが、弾性層の硬度の低硬度化(JIS−A硬度;40度以下)に伴い、弾性層の表面粗さを小さくすることが難しくなっている。それ故、表面層の形成において、ローラ表面を平滑にする必要が生じてきた。本発明においては、表面層3を弾性層2の表面粗さ以上の膜厚にして、弾性層2の凹凸を埋めるような塗装方法を行う。
【0034】
本発明の現像装置20は、現像ローラ15と、該現像ローラ15と平行に配置してこれにトナーを供給するマグネットローラよりなるトナー供給ローラ13と、該トナー供給ローラ13上に付着したトナーを規制して薄層を形成するトナー規制部材14と、を有する現像装置20において、該現像ローラ15として、前記請求項1〜9のいずれかに記載の現像ローラ15を有している。図2において、11は、現像剤(キャリア、トナー)、12は、撹拌部材、16は、トナー、17は、感光体、18、19は、バイアス電源である。
【0035】
本発明の現像装置20は、このように請求項1〜9のいずれかに記載の現像ローラ15を有しているので、現像ローラ15に、トナーの固着が発生すること、亀裂が発生すること、及び、削れによるスジ等の傷が発生することを防止し、さらには、加水分解性及び耐溶剤性を向上させることができ、そのために、現像装置の耐久性を向上させることができる。特に、本発明の現像装置においては、硬い磁性体で形成されたキャリア粒子からなる磁気ブラシにより現像ローラが摺擦されるが、現像ローラが柔軟性に富んでおり、しかも、耐摩耗性が高い材料で形成された表面層を有しているので、その耐久性を向上させることができることとなる。また、本発明の現像装置20は、このような現像ローラを有しているので、感光体上の画像部の表面電位と現像バイアスの差が150V以下で、感光体上のトナー付着量を飽和させることができる。また、本発明の現像装置20は、マグネットローラよりなるトナー供給ローラ13を有しているので、トナーの帯電をトナー供給ローラ13の外周に形成された磁気ブラシで行うことができ、そのために、マグネットローラと現像ローラの電位差でトナーを現像ローラへ供給することができ、帯電不足、過剰帯電、逆帯電トナーを供給することはない。よって、適正な帯電量のトナーのみを選択的にトナー坦持体上に坦持させ、ドット再現性が良くかつ、地汚れの少ない画像を得ることができる。また、現像ローラへの当接部材が低減されるため、現像ローラ及び、トナーへのストレスが低減できるため、現像ローラの傷の発生防止、現像ローラ及び、トナー層形成部材へのトナー固着を防止することができる。また、前記トナーには、低軟化点物質(ワックス)を含有させることができる。
【0036】
【実施例】
(実施例1)
ポリオールとポリイソシアネートとからなるウレタンエラストマー100重量部にカーボンブラック25重量部を分散したウレタンエラストマー組成物を予め接着剤を塗布した直径8mmのステンレススチール(SUS)の芯軸の周囲に1ショット法にて被覆してウレタンエラストマー層を形成し、この被覆層を外径研削にて直径16mmとすることにより、4mm厚の弾性層を有するローラを形成した。
このようにして得られたローラの弾性層の体積抵抗を抵抗計(アドバンテスト社製、R8340A)で測定した。即ち、図3に示すように、ローラを平板電極に押し当て、その両シャフトに各500gの加重を平行電極方向に加えた状態で導電シャフトと導電電極との間に1Vの電圧を30秒間印加して測定した。その結果、前記弾性層の表面抵抗は、6.1×106 Ω・cmであった。また、前記弾性層のJIS−A硬度を測定したところ、その硬度は、32度であった。
そして、ポリカーボネートウレタン(旭電化工業社製水系ウレタン塗料)10重量部にメチル化メラミン樹脂(三和ケミカル社製)5重量部及びカーボンブラック25重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0037】
(実施例2)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、ポリカーボネートウレタン(旭電化工業社製水系ウレタン塗料)100重量部にメチル化メラミン樹脂(三和ケミカル社製)30重量部及びカーボンブラック40重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0038】
(実施例3)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、ポリカーボネートウレタン(旭電化工業社製水系ウレタン塗料)100重量部にメチル化メラミン樹脂(三和ケミカル社製)80重量部及びカーボンブラック25重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0039】
(実施例4)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、アクリル複合ウレタン(旭電化工業社製水系ウレタン塗料)100重量部にメチル化メラミン樹脂(三和ケミカル社製)5重量部及びカーボンブラック25重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0040】
(実施例5)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、アクリル複合ウレタン(旭電化工業社製水系ウレタン塗料)100重量部にメチル化メラミン樹脂(三和ケミカル社製)30重量部及びカーボンブラック40重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0041】
(実施例6)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、アクリル複合ウレタン(旭電化工業社製水系ウレタン塗料)100重量部にメチル化メラミン樹脂(三和ケミカル社製)80重量部及びカーボンブラック25重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0042】
(実施例7)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、アクリル複合ウレタン(旭電化工業社製水系ウレタン塗料)100重量部にベンゾグアナミン樹脂(三和ケミカル社製)30重量部及びカーボンブラック25重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0043】
(比較例1)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、ポリカーボネートウレタン(旭電化工業社製水系ウレタン塗料)100重量部にカーボンブラック15重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0044】
(比較例2)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、ポリカーボネートウレタン(旭電化工業社製水系ウレタン塗料)100重量部にカーボンブラック20重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0045】
(比較例3)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、アクリル複合ウレタン(旭電化工業社製水系ウレタン塗料)100重量部にカーボンブラック15重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0046】
(比較例4)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、アクリル複合ウレタン(旭電化工業社製水系ウレタン塗料)100重量部にカーボンブラック20重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0047】
(比較例5)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、シリコーングラフトアクリルポリマー100重量部にカーボンブラック20重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0048】
(比較例6)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、アクリルシリコーン100重量部にカーボンブラック20重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0049】
実施例1〜7及び比較例1〜6により得られた現像ローラの▲1▼表面層の体積抵抗(Ω・cm)、▲2▼表面抵抗(Ω/□)、▲3▼飽和現像ポテンシャル(V)及び▲4▼200kプリント後の摩耗量(μm)を測定した。前記▲1▼〜▲3▼は、次のようにして測定した。
◆表面層の体積抵抗(Ω・cm)
表面層の体積抵抗(Ω・cm)は、図3に示されるように、ローラを平板電極に押し当て、その両シャフトに各500gの加重を平行電極方向に加えた状態で導電シャフトと導電電極との間に1Vの電圧を30秒間印加して測定した。
【0050】
◆表面抵抗(Ω/□)
表面抵抗(Ω/□)は、絶縁性の基盤、即ち、PETフィルム上に塗布した塗膜の抵抗を4探針法(K7194)で測定した。
◆飽和現像ポテンシャル(V)
図2に示される現像装置に現像ローラを組み込み、感光体をアース(0V)して、現像ローラに印加する現像バイアスを−200Vから0V側へ変化させていった時の感光体上のトナー付着量を測定して現像γを評価した。現像γは、どのローラも図4に示されるようなものになった。飽和現像ポテンシャルは、現像ポテンシャルを大きくしても感光体上のトナー付着量が変化しないものであり、図では100Vとなる。この飽和の電位は、抵抗によって変化する。飽和現像ポテンシャル、感光体潜像電位及び現像バイアスの関係は、次のとおりとなる。
飽和現像ポテンシャル=感光体潜像電位−現像バイアス
【0051】
測定結果及び評価結果は、次の表1に示される。
1200kプリント後の表面摩耗量を200kプリント後の摩耗量から予測して、摩耗量が30μm以上を不可(×)とし、そして、30μm未満を良(○)とすることにより、1200kプリント後の表面摩耗量を評価した。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】
(1)請求項1、2に記載された本発明によれば、芯軸、弾性層及び表面層を順次有する現像ローラにおいて、該表面層が、(イ)分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂と、(ロ)トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、の架橋反応生成物で構成されているので、表面層に、トナーの固着が発生すること、亀裂が発生すること、及び、削れによるスジ等の傷が発生することを防止し、さらには、加水分解性及び耐溶剤性を向上させて、現像ローラの使用上の耐久性を向上させることができる。
【0054】
(2)請求項3に記載された本発明によれば、(イ)分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂と、(ロ)トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、を含有する樹脂組成物が、水に乳化分散された前記ポリウレタン樹脂を含有しているので、VOCを低減することができ、塗装工程の作業環境が良くなる。また、このように分散溶液が水であるので、該樹脂組成物で構成される塗料がレベリングし易く、そのために、ローラ表面、即ち、表面層3を平滑にすることができる。
【0055】
(3)請求項4に記載された本発明によれば、樹脂組成物が、トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂を、前記ポリウレタン樹脂100重量部に対して3〜80重量部の割合で含有しているので、前記トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体を、分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂に架橋させることにより、表面層の耐摩耗性等の機械的物性を向上させることができる。また、前記トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体は、分子構造中に窒素基を多く含有しているので、負帯電性のトナーに負の帯電を与えることができ、そのために、それらの添加量を増やすことによりトナー帯電性を高めることができる。
【0056】
(4)請求項5に記載された本発明によれば、樹脂組成物がカーボンブラックを前記ポリウレタン樹脂100重量部に対して25重量部以上の割合で含有しているので、150V以下の現像ポテンシャルで飽和現像を達成するためのローラ抵抗以下にすることができる。
【0057】
(5)請求項6に記載された本発明によれば、弾性層単属の体積抵抗を1.0×109 Ω・cm以下とし、そして、前記表面層単独の体積抵抗を弾性層の体積抵抗よりも低くしたので、弾性層の硬度を損なわないようにして、150V以下の現像ポテンシャルで飽和現像を達成することができる。
【0058】
(6)請求項7に記載された本発明によれば、表面層の初期の体積抵抗を1.0×103 Ω・cm以下とし、そして、その表面抵抗を1.0×106 Ω/□以下としたので、150V以下の現像ポテンシャルで飽和現像を達成できるローラ抵抗である107 Ω・cm以下(1V印加)を達成できる。
【0059】
(7)請求項8に記載された本発明によれば、表面層の表面の十点平均粗さRzが弾性層の表面の十点平均粗さRzより小さいので、樹脂組成物で構成される塗料のコーティング時のレベリングにより、弾性層の粗さより表面層の形成後の粗さを小さくすることができ、そのために、高画質にすることができる。
【0060】
(8)請求項9に記載された本発明によれば、表面層の膜厚が弾性層の表面の十点平均粗さRz以上、30μm以下であるので、樹脂組成物で構成される塗料のレベリングによる表面層の膜厚に偏差が生じても弾性層が露出することがなく、また、表面層にしわやうねりが発生することもない。
【0061】
(9)請求項10に記載された本発明によれば、現像ローラと、該現像ローラと平行に配置してこれにトナーを供給するマグネットローラよりなるトナー供給ローラと、該トナー供給ローラ上に付着したトナーを規制して薄層を形成するトナー規制部材と、を有する現像装置において、該現像ローラとして、前記請求項1〜9のいずれかに記載の現像ローラを有しているので、現像ローラに、トナーの固着が発生すること、亀裂が発生すること、及び、削れによるスジ等の傷が発生することを防止し、さらには、加水分解性及び耐溶剤性を向上させることができ、そのために、現像装置の耐久性を向上させることができる。特に、本発明の現像装置においては、硬い磁性体で形成されたキャリア粒子からなる磁気ブラシにより現像ローラが摺擦されるが、現像ローラが柔軟性に富んでおり、しかも、耐摩耗性が高い材料で形成された表面層を有しているので、その耐久性を向上させることができることとなる。また、本発明の現像装置は、このような現像ローラを有しているので、感光体上の画像部の表面電位と現像バイアスの差が150V以下で、感光体上のトナー付着量を飽和させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す現像ローラの断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態を示す現像ローラを有する現像装置の概略説明図である。
【図3】現像ローラの体積抵抗の測定法を説明するための説明図である。
【図4】感光体上のトナー付着量と現像ポテンシャルとの関係を示すグラフである。
【図5】従来の現像装置の概略説明図である。
【符号の説明】
1 芯軸
2 弾性層
3 表面層
10 現像ローラ
11 現像剤(キャリア、トナー)
12 撹拌部材
13 トナー供給ローラ
14 トナー規制部材
15 現像ローラ
16 トナー
17 感光体
18、19 バイアス電源
20 現像装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置において用いられる現像ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置、特に、小型の電子写真装置の分野においては、メンテナンスの簡素化が進められており、非磁性1成分トナーを使用して現像するタイプの現像装置、例えば、感光体表面、感光紙、記録紙等の画像担持体上に形成された静電潜像を1成分トナーを使用して現像するタイプの現像装置が実用化されている。図5は、このような従来の現像装置の概略説明図である。
【0003】
図5に示すように、従来の現像装置120においては、現像ローラ110、芯軸の周囲に弾性層を形成してなる補給ローラ111、及び、トナー攪拌部材112は、ケース113の側板に軸支されている。トナー117は、トナー攪拌部材112及び補給ローラ111を介して現像ローラ110の表面に供給される。現像ローラ110上に供給されたトナー117は、さらに、トナー層規制部材114によって所定量に薄層化され、回転する現像ローラ110によって感光体115に搬送される。現像ローラ110は、感光体115に接触し、電極を介して感光体115の帯電電位と光書き込み後(露光後)の残留電位の中間のバイアス電圧がバイアス電源116によって印加されている。現像ローラ110上のトナー117は、感光体115との接触部に搬送され、そこで、感光体電位と現像バイアスによる現像電界に応じて帯電したトナー117は、感光体115に付着し静電潜像が可視像化される。
【0004】
かかる現像ローラ110によれば、その表面に薄層化させたトナーを担持させ、これを静電潜像の形成された感光体ドラム115に当接させると、トナーが感光体ドラム115に現像電界に応じて移行するので、感光体ドラム115に形成された静電潜像が可視像化される。このような現像ローラ110においては、トナー117と現像ローラ110の表面との接触による摩擦帯電によってトナーの帯電の極性及び帯電量を制御する必要がある。トナーの感光体ドラム115への移動は、トナーの帯電の極性及び現像電界に応じて、静電潜像の画像部及び非画像部(地肌部)を選択することにより行われる。この装置によれば、トナーに磁性材料を使うことなく、カラー化が容易であるという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の画像担持体上に形成された静電潜像を1成分トナーを使用して現像するタイプの現像装置120においては、現像ローラ110の表面の樹脂被覆層上にトナー層規制部材114及び補給ローラ111を当接させる必要があるが、それらの当接させた部分におけるトナーへのストレスにより、現像ローラ110の表面の樹脂被覆層に、トナーの固着が発生したり、亀裂が発生したり、また、削れによるスジ等の傷が発生するという問題があった。特に、現像ローラではバイアス電源を印加するためにその樹脂被覆層に電気抵抗制御剤を含有させる必要があるが、電気抵抗制御剤を樹脂被覆層に含有させると、樹脂被覆層に亀裂を発生させる現象を加速させるという問題があった。
【0006】
そこで、従来の現像装置においては、数k〜十数kプリントできるカートリッジ形態がとられているが、近年は、環境問題からカートリッジのリサイクルを進める必要にせまられており、そのために、一枚当たりのランニングコストを押し上げるという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
即ち、本発明は、現像ローラの表面層に、トナーの固着が発生すること、亀裂が発生すること、及び、削れによるスジ等の傷が発生することを防止して、使用上の耐久性を向上させた現像ローラ及びそれを有する現像装置を低コストで提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、芯軸、弾性層及び表面層を順次有する現像ローラにおいて、該表面層を、(イ)分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂と、(ロ)トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、の架橋反応生成物で構成したところ、現像ローラの表面層に、トナーの固着が発生すること、亀裂が発生すること、及び、削れによるスジ等の傷が発生することを防止して、使用上の耐久性を向上させた現像ローラ及びそれを有する現像装置を低コストで提供することを見出して本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、請求項1に記載された発明は、芯軸、弾性層及び表面層を順次有する現像ローラにおいて、該表面層が、
(イ)分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂と、
(ロ)トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、
の架橋反応生成物で構成されていることを特徴とする現像ローラである。
【0010】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記表面層が、
(イ)分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂と、
(ロ)トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、
を含有する樹脂組成物の塗布によって形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載された発明は、請求項2に記載された発明において、前記樹脂組成物が、水に乳化分散された前記ポリウレタン樹脂を含有していることを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載された発明は、請求項2又は3に記載された発明において、前記樹脂組成物が、前記トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂を、前記ポリウレタン樹脂100重量部に対して3〜80重量部の割合で含有していることを特徴とするものである。
【0013】
請求項5に記載された発明は、請求項2〜4のいずれかに記載された発明において、前記樹脂組成物が、カーボンブラックを前記ポリウレタン樹脂100重量部に対して25重量部以上の割合で含有していることを特徴とするものである。
【0014】
請求項6に記載された発明は、請求項1〜5のいずれかに記載された発明において、前記弾性層単属の体積抵抗を1.0×109 Ω・cm以下とし、そして、前記表面層単独の体積抵抗を弾性層の体積抵抗よりも低くしたことを特徴とするものである。
【0015】
請求項7に記載された発明は、請求項1〜6のいずれかに記載された発明において、前記表面層の初期の体積抵抗を1.0×103 Ω・cm以下とし、そして、その表面抵抗を1.0×106 Ω/□以下としたことを特徴とするものである。
【0016】
請求項8に記載された発明は、請求項1〜7のいずれかに記載された発明において、前記表面層の表面の十点平均粗さRzが、弾性層の表面の十点平均粗さRzより小さいことを特徴とするものである。
【0017】
請求項9に記載された発明は、請求項1〜8のいずれかに記載された発明において、前記表面層の膜厚が、弾性層の表面の十点平均粗さRz以上、30μm以下であることを特徴とするものである。
【0018】
請求項10に記載された発明は、現像ローラと、該現像ローラと平行に配置してこれにトナーを供給するマグネットローラよりなるトナー供給ローラと、該トナー供給ローラ上に付着したトナーを規制して薄層を形成するトナー規制部材と、を有する現像装置において、該現像ローラとして、前記請求項1〜9のいずれかに記載の現像ローラを有することを特徴とする現像装置である。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示す現像ローラの断面図である。図2は、本発明の一実施の形態を示す現像ローラを有する現像装置の概略説明図である。図3は、現像ローラの体積抵抗の測定法を説明するための説明図である。図4は、感光体上のトナー付着量と現像ポテンシャルとの関係を示すグラフである。
【0020】
図1において、10は現像ローラである。現像ローラ10は、金属からなる芯軸1の周囲にゴム又はエラストマーからなる弾性層2を有している。弾性層2は、例えば、ポリウレタン、EPDM、天然ゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、NBR、エピクロルヒドリンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、及び、これらの混合物で構成される。これらのゴム又はエラストマーには、架橋してゴム状物質とするために、架橋剤、加硫剤を添加することができる。その際、加硫助剤、加硫促進剤、加硫遅延剤等を併用することができる。また、これらのゴム又はエラストマーには、発泡剤、可塑剤、軟化剤、粘着付与剤、粘着防止剤、分離剤、離型剤、増量剤、着色剤等の配合剤を弾性層2の特性を損なわない範囲で添加することができる。
【0021】
このような現像ローラにおいては、電気特性、特に、電気抵抗が重要であるので、電気抵抗を調整するために、種々の導電性付与材料を弾性層を構成するゴム又はエラストマーに添加する。前記導電性付与材料には、粉体として、例えば、ケッチェンブラックEC、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理等を施したカラー用カーボン、熱分解カーボン、インジウムドープ酸化スズ(ITO)、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、銅、銀、ゲルマニウム等の金属及び、金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマーがある。また、前記導電性付与材料には、イオン導電性物質として、例えば、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウム等の無機イオン性導電物質、変性脂肪酸ジメチルアンモニウムエトサルファート、ステアリン酸アンモニウムアセテート、ラウリルアンモニウムアセテート、オクタデシルトリメチルアンモニウム過塩素酸塩等の有機イオン性導電性物質がある。
【0022】
本発明においては、弾性層の体積抵抗値は、103 〜109 Ω・cmとすることが望ましい。体積抵抗値が103 Ω・cm未満では、材料の加工性を著しく損ねると共に硬度アップを招く。一方、109 Ω・cmを越えると、表面層をコーティングしたローラ全体としての抵抗を目的の抵抗にすることが難しくなる。
【0023】
本発明においては、弾性層の硬度は、特に制限されるものではないが、現像ローラが感光体と接触する場合には、JIS−Aスケールで60°以下であり、好ましくは、25°〜50°である。硬度が高すぎる場合、感光体がドラムの場合は、ニップ幅が小さくなるために、良好な現像が行えなくなる可能性がある。逆に硬度が低くなりすぎると、圧縮永久歪みが大きくなり、現像ローラに変形や偏芯が生じた場合、濃度ムラが発生する。また、低硬度側は、材料の固有の物性に大きく左右されるので、使用できる材料が限定される。弾性層の硬度を低硬度にする場合でも、圧縮永久歪みは小さくすることが好ましく、具体的には20%以下とすることが好ましい。
【0024】
また、現像ローラ10は、弾性層2の外周面に表面層3を有している。表面層3は、(イ)分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂と、(ロ)トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、の架橋反応生成物で構成されている。前記「分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂」は、主鎖又は側鎖にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂であって、水性ウレタン樹脂として斯界でよく知られたものである。このような水性ウレタン樹脂は、水中で乳化重合された分子量十数万の樹脂であり、分子中にカルボン酸を有し、アルカリ(アミン)で中和して水中に分散しているものである。本発明における「トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体」は、例えば、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、及び、グアナミン誘導体であり、好ましくは、メチル化メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂であるが、本発明の目的に反しない限り、ここに挙げた以外のトリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体であってもかまわない。
【0025】
本発明によれば、表面層3を、(イ)分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂と、(ロ)トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、の架橋反応生成物で構成したので、表面層3に、トナーの固着が発生すること、亀裂が発生すること、及び、削れによるスジ等の傷が発生することを防止し、さらには、加水分解性及び耐溶剤性を向上させて、現像ローラの使用上の耐久性を向上させることができる。
【0026】
前記表面層3は、(イ)分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂と、(ロ)トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、を含有する樹脂組成物を弾性層2の外周面にディップ法、スプレーコート、ローラコート等の被覆手段により形成される。前記分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂は、水に乳化分散されたものとして樹脂組成物中に存在するので、VOCを低減することができ、塗装工程の作業環境が良くなる。このように分散溶液が水であるので、該樹脂組成物で構成される塗料がレベリングし易く、そのために、ローラ表面、即ち、表面層3を平滑にすることができる。
【0027】
前記樹脂組成物は、前記トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂を前記ポリウレタン樹脂100重量部に対して3〜80重量%の割合で含有している。前記トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体は、分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂を架橋させることにより、表面層3の耐摩耗性等の機械的物性を向上させることができる。また、前記トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体は、分子構造中に窒素基を多く含有しているので、負帯電性のトナーに負の帯電を与えることができ、そのために、それらの添加量を増やすことによりトナー帯電性を高めることができる。しかしながら、添加量を増やしていくと、トリアジン系樹脂同士の自己縮合物質が多く形成されるので、塗膜が硬くなり、そのために、塗膜の物性を損なわない範囲で添加する必要がある。添加量が3重量部以下では、塗膜の物性を十分向上させることができない。反応点以上に添加した場合においても、自己縮合を行うので、単量体で存在することはなく、そのために、塗膜内部よりブリードすることはない。
【0028】
前記「トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体」は、熱硬化性樹脂、即ち、加熱しなければ硬化反応を起こさない樹脂であるので、これを分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂に添加して樹脂組成物(塗料)としても、そのポットライフが長いという利点がある。
【0029】
このような樹脂組成物を弾性層2の外表面に塗布して表面層3とするためには、カーボンブラック等の導電剤を用いて樹脂組成物の導電化が必要であるが、本発明においては、前記樹脂組成物は、好ましくは、カーボンブラックを前記ポリウレタン樹脂に対して25重量%以上の割合で含有している。前記樹脂組成物中にカーボンブラックを分散するに際しては、これに分散剤、消泡剤等の各種添加剤を、感光体への非汚染性の点から適宜、添加することができる。
【0030】
本発明においては、好ましくは、弾性層2単属の体積抵抗を1.0×109 Ω・cm以下とし、そして、表面層3単独の体積抵抗を弾性層の体積抵抗よりも低くする。体積抵抗が高抵抗の弾性層に低抵抗の表面層を形成しても、150V以下の現像ポテンシャルで飽和現像を達成するためのローラ抵抗以下にすることができないが、本発明においては、弾性層の硬度を損なわないようにして、150V以下の現像ポテンシャルで飽和現像を達成することができる。
また、本発明においては、好ましくは、表面層3の初期の体積抵抗を1.0×103 Ω・cm以下とし、そして、その表面抵抗を1.0×106 Ω/□以下とする。表面層3の初期の体積抵抗及び表面抵抗をこのような値にすると、150V以下の現像ポテンシャルで飽和現像を達成できるローラ抵抗である107 Ω・cm以下(1V印加)を達成できる。
このように、表面層3の体積抵抗を達成するために、カーボンブラックを前記ポリウレタン樹脂100重量部に対して25重量部以上の割合で含有させる。
【0031】
本発明においては、表面層3の表面の十点平均粗さRzは、弾性層の表面の十点平均粗さRzより小さいものとなっている。現像ローラにおいては、弾性層は研削等の外径加工が行われるので、表面粗さを小さくすることができないが、高画質にするためには、ローラ表面粗さを小さくする必要がある。それ故、本発明においては、前記樹脂組成物で構成される塗料のコーティング時のレベリングにより、弾性層2の粗さより表面層3の形成後の粗さを小さくする。
【0032】
本発明においては、表面層3の膜厚は、弾性層2の表面の十点平均粗さRz以上、30μm以下となっている。このように、表面層3の膜厚を弾性層2の表面の十点平均粗さRz以上、30μm以下とすると、前記樹脂組成物で構成される塗料のレベリングによる表面層3の膜厚に偏差が生じても弾性層2が露出することがない。従って、表面層3の膜厚は、弾性層2の表面の十点平均粗さRz以上の膜厚が必要である。また、表面層3の膜厚が30μm近くあれば、表面層3がトナー及び現像剤と摺擦されても、仮に1200kプリント後であっても、弾性層2が露出することはない(予測値として)。さらに、水系塗料は、樹脂皮膜形成時に樹脂粒子の凝集により収縮するので、その膜厚が30μmを越えると、しわが発生しやすく、表面のうねりが大きくなるが、本発明においては、表面層3の膜厚が30μm以下であるので、表面層3にしわやうねりが発生することはない。
【0033】
最近の高画質化に対応するためには、現像ローラの表面粗さはできるだけ小さいことが望ましいが、弾性層の硬度の低硬度化(JIS−A硬度;40度以下)に伴い、弾性層の表面粗さを小さくすることが難しくなっている。それ故、表面層の形成において、ローラ表面を平滑にする必要が生じてきた。本発明においては、表面層3を弾性層2の表面粗さ以上の膜厚にして、弾性層2の凹凸を埋めるような塗装方法を行う。
【0034】
本発明の現像装置20は、現像ローラ15と、該現像ローラ15と平行に配置してこれにトナーを供給するマグネットローラよりなるトナー供給ローラ13と、該トナー供給ローラ13上に付着したトナーを規制して薄層を形成するトナー規制部材14と、を有する現像装置20において、該現像ローラ15として、前記請求項1〜9のいずれかに記載の現像ローラ15を有している。図2において、11は、現像剤(キャリア、トナー)、12は、撹拌部材、16は、トナー、17は、感光体、18、19は、バイアス電源である。
【0035】
本発明の現像装置20は、このように請求項1〜9のいずれかに記載の現像ローラ15を有しているので、現像ローラ15に、トナーの固着が発生すること、亀裂が発生すること、及び、削れによるスジ等の傷が発生することを防止し、さらには、加水分解性及び耐溶剤性を向上させることができ、そのために、現像装置の耐久性を向上させることができる。特に、本発明の現像装置においては、硬い磁性体で形成されたキャリア粒子からなる磁気ブラシにより現像ローラが摺擦されるが、現像ローラが柔軟性に富んでおり、しかも、耐摩耗性が高い材料で形成された表面層を有しているので、その耐久性を向上させることができることとなる。また、本発明の現像装置20は、このような現像ローラを有しているので、感光体上の画像部の表面電位と現像バイアスの差が150V以下で、感光体上のトナー付着量を飽和させることができる。また、本発明の現像装置20は、マグネットローラよりなるトナー供給ローラ13を有しているので、トナーの帯電をトナー供給ローラ13の外周に形成された磁気ブラシで行うことができ、そのために、マグネットローラと現像ローラの電位差でトナーを現像ローラへ供給することができ、帯電不足、過剰帯電、逆帯電トナーを供給することはない。よって、適正な帯電量のトナーのみを選択的にトナー坦持体上に坦持させ、ドット再現性が良くかつ、地汚れの少ない画像を得ることができる。また、現像ローラへの当接部材が低減されるため、現像ローラ及び、トナーへのストレスが低減できるため、現像ローラの傷の発生防止、現像ローラ及び、トナー層形成部材へのトナー固着を防止することができる。また、前記トナーには、低軟化点物質(ワックス)を含有させることができる。
【0036】
【実施例】
(実施例1)
ポリオールとポリイソシアネートとからなるウレタンエラストマー100重量部にカーボンブラック25重量部を分散したウレタンエラストマー組成物を予め接着剤を塗布した直径8mmのステンレススチール(SUS)の芯軸の周囲に1ショット法にて被覆してウレタンエラストマー層を形成し、この被覆層を外径研削にて直径16mmとすることにより、4mm厚の弾性層を有するローラを形成した。
このようにして得られたローラの弾性層の体積抵抗を抵抗計(アドバンテスト社製、R8340A)で測定した。即ち、図3に示すように、ローラを平板電極に押し当て、その両シャフトに各500gの加重を平行電極方向に加えた状態で導電シャフトと導電電極との間に1Vの電圧を30秒間印加して測定した。その結果、前記弾性層の表面抵抗は、6.1×106 Ω・cmであった。また、前記弾性層のJIS−A硬度を測定したところ、その硬度は、32度であった。
そして、ポリカーボネートウレタン(旭電化工業社製水系ウレタン塗料)10重量部にメチル化メラミン樹脂(三和ケミカル社製)5重量部及びカーボンブラック25重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0037】
(実施例2)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、ポリカーボネートウレタン(旭電化工業社製水系ウレタン塗料)100重量部にメチル化メラミン樹脂(三和ケミカル社製)30重量部及びカーボンブラック40重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0038】
(実施例3)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、ポリカーボネートウレタン(旭電化工業社製水系ウレタン塗料)100重量部にメチル化メラミン樹脂(三和ケミカル社製)80重量部及びカーボンブラック25重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0039】
(実施例4)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、アクリル複合ウレタン(旭電化工業社製水系ウレタン塗料)100重量部にメチル化メラミン樹脂(三和ケミカル社製)5重量部及びカーボンブラック25重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0040】
(実施例5)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、アクリル複合ウレタン(旭電化工業社製水系ウレタン塗料)100重量部にメチル化メラミン樹脂(三和ケミカル社製)30重量部及びカーボンブラック40重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0041】
(実施例6)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、アクリル複合ウレタン(旭電化工業社製水系ウレタン塗料)100重量部にメチル化メラミン樹脂(三和ケミカル社製)80重量部及びカーボンブラック25重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0042】
(実施例7)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、アクリル複合ウレタン(旭電化工業社製水系ウレタン塗料)100重量部にベンゾグアナミン樹脂(三和ケミカル社製)30重量部及びカーボンブラック25重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0043】
(比較例1)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、ポリカーボネートウレタン(旭電化工業社製水系ウレタン塗料)100重量部にカーボンブラック15重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0044】
(比較例2)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、ポリカーボネートウレタン(旭電化工業社製水系ウレタン塗料)100重量部にカーボンブラック20重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0045】
(比較例3)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、アクリル複合ウレタン(旭電化工業社製水系ウレタン塗料)100重量部にカーボンブラック15重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0046】
(比較例4)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、アクリル複合ウレタン(旭電化工業社製水系ウレタン塗料)100重量部にカーボンブラック20重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0047】
(比較例5)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、シリコーングラフトアクリルポリマー100重量部にカーボンブラック20重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0048】
(比較例6)
実施例1と同様に弾性層を有するローラを形成した。そして、アクリルシリコーン100重量部にカーボンブラック20重量部を分散させてなる樹脂組成物を前記弾性層を有するローラの表面にスプレーコートし、そして、このスプレーコートしたローラをオーブンにて150℃で1時間焼成し、架橋反応を進行させて、表面層を形成することにより、現像ローラとした。このようにして得られた現像ローラの表面層の膜厚は、約30μmであった。
【0049】
実施例1〜7及び比較例1〜6により得られた現像ローラの▲1▼表面層の体積抵抗(Ω・cm)、▲2▼表面抵抗(Ω/□)、▲3▼飽和現像ポテンシャル(V)及び▲4▼200kプリント後の摩耗量(μm)を測定した。前記▲1▼〜▲3▼は、次のようにして測定した。
◆表面層の体積抵抗(Ω・cm)
表面層の体積抵抗(Ω・cm)は、図3に示されるように、ローラを平板電極に押し当て、その両シャフトに各500gの加重を平行電極方向に加えた状態で導電シャフトと導電電極との間に1Vの電圧を30秒間印加して測定した。
【0050】
◆表面抵抗(Ω/□)
表面抵抗(Ω/□)は、絶縁性の基盤、即ち、PETフィルム上に塗布した塗膜の抵抗を4探針法(K7194)で測定した。
◆飽和現像ポテンシャル(V)
図2に示される現像装置に現像ローラを組み込み、感光体をアース(0V)して、現像ローラに印加する現像バイアスを−200Vから0V側へ変化させていった時の感光体上のトナー付着量を測定して現像γを評価した。現像γは、どのローラも図4に示されるようなものになった。飽和現像ポテンシャルは、現像ポテンシャルを大きくしても感光体上のトナー付着量が変化しないものであり、図では100Vとなる。この飽和の電位は、抵抗によって変化する。飽和現像ポテンシャル、感光体潜像電位及び現像バイアスの関係は、次のとおりとなる。
飽和現像ポテンシャル=感光体潜像電位−現像バイアス
【0051】
測定結果及び評価結果は、次の表1に示される。
1200kプリント後の表面摩耗量を200kプリント後の摩耗量から予測して、摩耗量が30μm以上を不可(×)とし、そして、30μm未満を良(○)とすることにより、1200kプリント後の表面摩耗量を評価した。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】
(1)請求項1、2に記載された本発明によれば、芯軸、弾性層及び表面層を順次有する現像ローラにおいて、該表面層が、(イ)分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂と、(ロ)トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、の架橋反応生成物で構成されているので、表面層に、トナーの固着が発生すること、亀裂が発生すること、及び、削れによるスジ等の傷が発生することを防止し、さらには、加水分解性及び耐溶剤性を向上させて、現像ローラの使用上の耐久性を向上させることができる。
【0054】
(2)請求項3に記載された本発明によれば、(イ)分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂と、(ロ)トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、を含有する樹脂組成物が、水に乳化分散された前記ポリウレタン樹脂を含有しているので、VOCを低減することができ、塗装工程の作業環境が良くなる。また、このように分散溶液が水であるので、該樹脂組成物で構成される塗料がレベリングし易く、そのために、ローラ表面、即ち、表面層3を平滑にすることができる。
【0055】
(3)請求項4に記載された本発明によれば、樹脂組成物が、トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂を、前記ポリウレタン樹脂100重量部に対して3〜80重量部の割合で含有しているので、前記トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体を、分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂に架橋させることにより、表面層の耐摩耗性等の機械的物性を向上させることができる。また、前記トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体は、分子構造中に窒素基を多く含有しているので、負帯電性のトナーに負の帯電を与えることができ、そのために、それらの添加量を増やすことによりトナー帯電性を高めることができる。
【0056】
(4)請求項5に記載された本発明によれば、樹脂組成物がカーボンブラックを前記ポリウレタン樹脂100重量部に対して25重量部以上の割合で含有しているので、150V以下の現像ポテンシャルで飽和現像を達成するためのローラ抵抗以下にすることができる。
【0057】
(5)請求項6に記載された本発明によれば、弾性層単属の体積抵抗を1.0×109 Ω・cm以下とし、そして、前記表面層単独の体積抵抗を弾性層の体積抵抗よりも低くしたので、弾性層の硬度を損なわないようにして、150V以下の現像ポテンシャルで飽和現像を達成することができる。
【0058】
(6)請求項7に記載された本発明によれば、表面層の初期の体積抵抗を1.0×103 Ω・cm以下とし、そして、その表面抵抗を1.0×106 Ω/□以下としたので、150V以下の現像ポテンシャルで飽和現像を達成できるローラ抵抗である107 Ω・cm以下(1V印加)を達成できる。
【0059】
(7)請求項8に記載された本発明によれば、表面層の表面の十点平均粗さRzが弾性層の表面の十点平均粗さRzより小さいので、樹脂組成物で構成される塗料のコーティング時のレベリングにより、弾性層の粗さより表面層の形成後の粗さを小さくすることができ、そのために、高画質にすることができる。
【0060】
(8)請求項9に記載された本発明によれば、表面層の膜厚が弾性層の表面の十点平均粗さRz以上、30μm以下であるので、樹脂組成物で構成される塗料のレベリングによる表面層の膜厚に偏差が生じても弾性層が露出することがなく、また、表面層にしわやうねりが発生することもない。
【0061】
(9)請求項10に記載された本発明によれば、現像ローラと、該現像ローラと平行に配置してこれにトナーを供給するマグネットローラよりなるトナー供給ローラと、該トナー供給ローラ上に付着したトナーを規制して薄層を形成するトナー規制部材と、を有する現像装置において、該現像ローラとして、前記請求項1〜9のいずれかに記載の現像ローラを有しているので、現像ローラに、トナーの固着が発生すること、亀裂が発生すること、及び、削れによるスジ等の傷が発生することを防止し、さらには、加水分解性及び耐溶剤性を向上させることができ、そのために、現像装置の耐久性を向上させることができる。特に、本発明の現像装置においては、硬い磁性体で形成されたキャリア粒子からなる磁気ブラシにより現像ローラが摺擦されるが、現像ローラが柔軟性に富んでおり、しかも、耐摩耗性が高い材料で形成された表面層を有しているので、その耐久性を向上させることができることとなる。また、本発明の現像装置は、このような現像ローラを有しているので、感光体上の画像部の表面電位と現像バイアスの差が150V以下で、感光体上のトナー付着量を飽和させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す現像ローラの断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態を示す現像ローラを有する現像装置の概略説明図である。
【図3】現像ローラの体積抵抗の測定法を説明するための説明図である。
【図4】感光体上のトナー付着量と現像ポテンシャルとの関係を示すグラフである。
【図5】従来の現像装置の概略説明図である。
【符号の説明】
1 芯軸
2 弾性層
3 表面層
10 現像ローラ
11 現像剤(キャリア、トナー)
12 撹拌部材
13 トナー供給ローラ
14 トナー規制部材
15 現像ローラ
16 トナー
17 感光体
18、19 バイアス電源
20 現像装置
Claims (10)
- 芯軸、弾性層及び表面層を順次有する現像ローラにおいて、該表面層が、
(イ)分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂と、
(ロ)トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、
の架橋反応生成物で構成されていることを特徴とする現像ローラ。 - 前記表面層が、
(イ)分子中にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂と、
(ロ)トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、
を含有する樹脂組成物の塗布によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の現像ローラ。 - 前記樹脂組成物が、水に乳化分散された前記ポリウレタン樹脂を含有していることを特徴とする請求項2に記載の現像ローラ。
- 前記樹脂組成物が、前記トリアジン系樹脂及びトリアジン系樹脂誘導体から選ばれる少なくとも1種の樹脂を、前記ポリウレタン樹脂100重量部に対して3〜80重量部の割合で含有していることを特徴とする請求項2又は3に記載の現像ローラ。
- 前記樹脂組成物が、カーボンブラックを前記ポリウレタン樹脂100重量部に対して25重量部以上の割合で含有していることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の現像ローラ。
- 前記弾性層単属の体積抵抗を1.0×109 Ω・cm以下とし、そして、前記表面層単独の体積抵抗を弾性層の体積抵抗よりも低くしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の現像ローラ。
- 前記表面層の初期の体積抵抗を1.0×103 Ω・cm以下とし、そして、その表面抵抗を1.0×106 Ω/□以下としたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の現像ローラ。
- 前記表面層の表面の十点平均粗さRzが、弾性層の表面の十点平均粗さRzより小さいことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の現像ローラ。
- 前記表面層の膜厚が、弾性層の表面の十点平均粗さRz以上、30μm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の現像ローラ。
- 現像ローラと、該現像ローラと平行に配置してこれにトナーを供給するマグネットローラよりなるトナー供給ローラと、該トナー供給ローラ上に付着したトナーを規制して薄層を形成するトナー規制部材と、を有する現像装置において、該現像ローラとして、前記請求項1〜9のいずれかに記載の現像ローラを有することを特徴とする現像装置。
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