JP4371833B2 - 帯電部材、画像形成装置、帯電方法およびプロセスカートリッジ - Google Patents

帯電部材、画像形成装置、帯電方法およびプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は帯電部材、それを用いた画像形成装置、帯電方法およびプロセスカートリッジに関し、詳しくは、電圧を印加して被帯電体である電子写真感光体の表面を所定の電位に帯電処理するための帯電部材、それを用いた画像形成装置、帯電方法およびプロセスカートリッジに関する。
電子写真方式を利用した画像形成装置において、感光体を帯電する手段として、様々な帯電手段が用いられている。従来の帯電手段としては、コロナ放電を利用したものがあり、近年では感光体に帯電部材を接触させて帯電する接触帯電方式が多く利用されている。接触帯電方式としては、帯電部材に直流電圧に交流電圧を重畳したものや、直流電圧のみを印加した方式がある。
これらの接触帯電方式に用いられる帯電部材としては、様々な形態の部材が用いられており、ローラ形状、ブレード形状、ブラシ形状、ベルト形状のものがあり、一般的な形状としては、ローラ形状が多く採用されている。
帯電部材、例えば帯電ローラの一般的な構成は導電性芯軸に少なくとも一層以上の導電性の樹脂およびゴムにより構成されている。これら導電性の樹脂は樹脂に導電剤を添加することにより導電性を付与したものである。導電剤としては、電子導電性を発現する導電性カーボンブラックや導電性酸化チタン等の金属酸化物、またイオン導電性を発現する四級アンモニウム塩といったイオン性化合物が挙げられる。
従来の導電剤としては、ポリエチレン樹脂やアクリル樹脂といったカーボンブラックに比べて大きい粒径を有する有機高分子からなる母粒子にカーボンブラックが乗った導電粒子を用いる技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。また、中空形状である多孔質シリカの表面にカーボンをコートした導電粒子を用いる技術が開示されている(例えば特許文献2参照)。
特開2003−162106号公報 特開2001−229733号公報
接触帯電方式で用いられる帯電部材に求められる、また向上すべき特性として帯電均一性が挙げられる。特に、近年の市場の高画質化、長寿命化およびカラー化により、更に帯電部材の帯電均一性を向上する必要がある。帯電均一性を制御する手段として、帯電部材の電気抵抗を一定の範囲に調整する方法が一般的に用いられているが、帯電部材に導電性を付与する導電剤の種類およびその分散特性により部材特性は大きく影響を受ける。導電剤の分散性を制御する技術として、例えば特許文献1では、ポリエチレン樹脂やアクリル樹脂といったカーボンブラックに比べて大きい粒径を有する有機高分子からなる母粒子にカーボンブラックが乗った導電粒子を添加しているが、このようにカーボンブラックを巨大な粒子に担持させることでカーボンブラック自体の凝集を抑制することができ、このような構成においては母粒子が数珠状に接触してネットワークを形成し、導電層中にカーボンブラックが偏在した状態となり、少量添加で安定に高導電性が得られるとされている。しかしながら、ネットワークのような電気導通部が導電層中に形成されると、感光体に欠陥があった場合にリークが発生しやすいことと、カーボンブラックが存在する導電性である部分と存在しない絶縁性である部分の偏りが大きいため、抵抗ムラが大きくなり、特に直流電圧のみを印加して感光体を帯電する場合に帯電不良が発生しやすいという問題がある。また、導電粒子のサイズが大きいと、帯電部材の最外層に添加した場合、表面粗さが大きくなるためにトナー等の汚染物が付着しやすくなるといった弊害が発生しやすくなる。
また、例えば特許文献2では、中空形状である多孔質シリカの表面にカーボンブラックをコートした導電粒子を添加しているが、導電粒子の体積抵抗が1〜3×10-1Ω・cm程度と低く、かつこのような中空かつ多孔質といった比表面積の大きな形態の導電粒子を用いることにより、樹脂やゴムなどのマトリックス中においてカーボンブラックよりも良好な導電経路を形成することができ、また、樹脂やゴムに混練して分散された際に、中空形状が破砕された場合においても、多孔質シリカの連なりが保たれることで分散条件によらず高導電性が得られるとされている。しかしながら、このような導電粒子を導電層に添加した場合、多孔質シリカの連なりに由来する電気導通部が導電層中に形成されるために、先述したようにリークが発生しやすいことと、直流電圧のみを印加した場合に抵抗ムラが大きく帯電不良が発生しやすいという問題がある。また、このように少量の導電粒子で抵抗を所望の領域まで下げるため、粒子あたりに流れる電流は大きくなり、導電粒子の劣化が促進し、長期に使用する場合において耐久性に劣る。以上述べたように、本発明の目的は、上記に鑑みてなされたものであって、直流電圧のみ印加した場合においても良好な帯電均一性を有し、かつ通電による抵抗変化が小さい帯電部材、それを用いた画像形成装置、帯電方法、プロセスカートリッジを提供することである。
(1)即ち本発明は、導電粒子を含有する樹脂層を少なくとも一層有する帯電部材において、
該導電粒子は、コア粒子と、該コア粒子上の厚さ0.nmの導電性材料からなる表面層とを有し、
一次粒子径が10〜500nmの範囲であり、かつ体積固有抵抗値が100〜105Ω・cmの範囲であり、
該コア粒子はシリカ、酸化鉄または炭酸カルシウムからなり、該導電性材料はカーボンブラックであり、
該表面層は、カーボンブラックのストラクチャー構造を有していないことを特徴とする帯電部材である。
(2)また、前記導電粒子の粒度分布が1.2<D85/D15<12の範囲であることを特徴とする(1)の帯電部材(但し、D15は累積粒度分布の微粒側からの累積15%の粒径、D85は累積粒度分布の微粒側からの累積85%の粒径である)である。
(3)また、前記導電粒子の形状係数SF−1が150〜200の範囲であることを特徴とする(1)または(2)の帯電部材である。
(4)また、前記表面層が、せん断を加えながらカーボンブラックをコア粒子の表面に付着させて形成したものであることを特徴とする()の帯電部材である
)また、像担持体と、該像担持体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、該像担持体の帯電面に静電潜像を形成させる露光手段と、該像担持体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化したトナー像を形成させる現像手段と、該トナー像を被転写部材に転写させる転写手段と、を有する画像形成装置において、該帯電手段が、(1)〜()のいずれかの帯電部材であり、該帯電部材に直流電圧のみを印加して該像担持体を帯電させることを特徴とする画像形成装置である。
)また、被帯電体を帯電手段で帯電させる帯電方法において、該帯電手段が(1)〜()のいずれかの帯電部材であり、該帯電部材に直流電圧のみを印加して該被帯電体を帯電させることを特徴とする帯電方法である。
)また、像担持体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化したトナー像を形成し、該トナー像を被転写部材に転写することにより画像を形成する画像形成装置から着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、
像担持体と、該像担持体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化したトナー像を形成させる現像手段と、該被転写部材にトナー像が転写された後に該像担持体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段とから選ばれる1つまたは2つ以上と、(1)〜()のいずれかの帯電部材とが一体に支持されていることを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明によれば、環境変化に対する抵抗安定性に優れ、かつ連続通電による抵抗変化を低減した帯電部材、それを用いた画像形成装置、帯電方法、プロセスカートリッジを提供することが可能となった。
次に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明においては、コア粒子に導電性材料を薄膜コートした粒度分布の狭い導電粒子を用いることで、耐リーク性に優れ、微小な抵抗ムラが少なく、それに起因した帯電不良が発生しない帯電均一性が非常に優れた画像を得ることができる。
以上のような効果が得られる理由については以下のように推察される。
すなわち本発明においては、帯電部材を構成する樹脂層の抵抗調整に用いる導電粒子は図3に示すようにコア粒子1aに導電性材料1bを薄膜コートしたものであるため、導電粒子の抵抗が高く、中抵抗である半導電性の粒子とすることができる。また、半導電性の粒子とすることで帯電部材の樹脂層中に汎用的に用いられるカーボンブラック等の導電剤と比べて多量に配合しても樹脂層の抵抗を半導電領域とすることができ、かつ耐リーク性を向上することができる。また、樹脂層中に中抵抗の粒子が多量に分散しているため、樹脂と導電粒子間の電気抵抗差が小さく、抵抗ばらつきの小さい、優れた帯電均一性を発現すると考えられる導電粒子のコート厚さは0.5〜10nmの範囲である。0.5nm未満とすると、導電粒子の抵抗が高くなり、導電性を発現しなくなる。また、10nmより大きいと、コート材である導電性材料の抵抗とほぼ同じ導電性となり、中抵抗の導電粒子が得られず、本発明の目的の一つである耐リーク性が悪化してしまう。本発明における導電粒子のコート厚さは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い倍率100万倍に拡大した導電粒子像を10個無作為にサンプリングし、その画像情報から判断する。TEMの画像情報は、コート材であるカーボンブラックからなる炭素層の結晶構造を確認することができる。サンプリングした各導電粒子の結晶構造を示す部位の厚さの最大長と最低長を測定した値の平均を10個算出し、それを平均した値をコート厚さとする。
また、導電粒子の大きさは、粒径が10nm〜500nmの範囲である。導電粒子が500nmより大きいと、樹脂層中での絶縁性部位と導電性部位のムラが大きくなるために帯電均一性が悪化する。また、帯電部材の最外層とした場合には、部材の表面粗さが大きくなるために、トナーなどの汚染物の付着が悪化するために帯電不良が発生する場合がある。10nmより小さいと、樹脂中に分散したとき粘度が高くなり、安定して製造することが困難である。本発明の導電粒子の一次粒子径は二次凝集した導電粒子は除いた一次粒子のみを透過型電子顕微鏡(TEM)にて100個観察し、その投影面積を求め、得られた面積の円相当径を計算して体積平均粒径を求め、その平均を一次粒子径とした。
導電粒子の体積抵抗は100Ω・cmから105Ω・cmの範囲にある。導電粒子の体積抵抗が100Ω・cmより低いと、耐リーク性が悪化する。これは汎用的に使用するカーボンブラックの体積抵抗とほぼ同じ領域であり、樹脂層の抵抗を安定させるのが困難となるからである。また、105Ω・cmよりも高い場合には、帯電部材として所望の抵抗を得るには大量の導電粒子が必要となるため、樹脂層の強度が下がるため好ましくない。また、導電粒子のコア粒子は導電性が低いものが良く、好ましくは体積抵抗が105Ω・cm以上である。このようなコア粒子を用いることにより導電粒子の抵抗を前記範囲に調整するのが容易となる。本発明における導電粒子の体積抵抗の測定方法は、Loresta−GP MCP−T600(三菱化学株式会社製)を用いて測定した抵抗より算出した。印加圧力は10MPaとした。
また、粒度分布が狭い導電粒子を用いることによって、中抵抗の導電性であることに加えて、分散性が向上する効果が得られることにより、更に抵抗ムラの小さい帯電部材とすることができる。具体的には、累積粒度分布の微粒側からの累積15%、累積85%の粒径をそれぞれD15、D85としたときにD85/D15の値が1.2より大きく12より小さい粒度分布を示す導電粒子が特に有用である。粒度分布D85/D15の値が12以上の導電粒子を用いると、帯電部材の表面層の粗さが不均一となるため、良好な帯電均一性が得られない場合がある。また、1.2以下の粒度分布小(例えば1.1)の導電粒子は、図1に示すように、樹脂層中での導電粒子の分散状態を制御することが難しく、添加量の大小による樹脂層の抵抗変化が大きくなりやすいことがわかった。これは、粒径がほぼ等しいために導電粒子の抵抗が均一であるため、導電粒子がネットワークを形成した場合に導通する部分ができてしまうためと考えられる。逆に、分布をもつことにより抵抗の大きい導電粒子と小さい導電粒子が混在することにより樹脂層に分散された導電粒子同士が導通部分を形成しづらくなり導電粒子を高充填しても抵抗を安定させることができる。前記粒度分布は導電粒子を添加した樹脂層から薄膜切片を採取し、透過型電子顕微鏡を用いて二次凝集したものを含めた導電粒子を100個観察してその投影面積を求め、得られた面積の円相当径を計算して体積平均粒径を求めた。更に、その結果をもとに樹脂層に含まれる導電粒子の分布を測定したところ本発明の帯電部材においては粒度分布が上記範囲に含まれていることがわかった。また、所定の製造条件で導電粒子を分散した分散液を遠心沈降式粒度分布計(CAPA700:堀場製作所製)を使用して導電粒子の体積平均粒径を求め、粒度分布D15、D85を測定したところ、図2に示すように、同様の粒度分布を示し、所望の粒度分布とするためには分散液の状態から管理する必要があることがわかる。
導電粒子の形状について、我々は種々検討を行った結果、一定の範囲で不定形であることにより良好な帯電均一性を発現することがわかった。これは真球状の場合、樹脂層中への導電粒子の充填率が不定形に比べて低く、かつ導電粒子同士の接触頻度が増加するために電気導通部が形成されやすく微小な抵抗ムラが発生してしまう。また、ウィスカーのような針状形状の場合は樹脂層中で導電粒子が配向しやすくなり、均一に分散させるのが困難であるため、微小な抵抗ムラが発生して帯電均一性が悪化してしまう。このように帯電均一性が良好な導電粒子の形状としては、ある一定の範囲で不定形であることが良いとわかった。この範囲を形状係数で表すとSF−1が150〜200であることが好ましい範囲である。本発明に用いられる形状係数を示すSF−1とは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い倍率50万倍に拡大した導電粒子像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介してニコレ社製画像解析装置(Luzex3)に導入し解析を行い、下式より算出し得られた値を本発明においては形状係数SF−1と定義した。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(π/4)×100
AREA:導電粒子の投影面積
MXLNG:絶対最大長
形状係数SF−1は導電粒子の丸さの度合を示し、値が大きくなるに連れて球形から徐々に不定形となる。導電粒子の表面は導電性材料が平滑にコートされていることが好ましく、導電粒子の比表面積は小さい方が好ましい。比表面積の大きな導電粒子は導電層の粘度を増加させ、導電粒子を安定して分散させることが困難となる傾向がある。
コートされる導電性材料をカーボンブラックとすることが好ましいが、これは有機膜で覆われていることから導電粒子表面の疎水性が高いため、帯電部材の各環境下における吸水による抵抗変動を抑制するためである。また、表面にコートされるカーボンブラックはストラクチャー構造を有さないカーボンブラックである場合が最も良い。コア粒子に、カーボンブラックのストラクチャー構造を壊した状態でコートすればよく、カーボンブラックが本来有するストラクチャー構造がないため、分散性が良好であり、また補強性が低減されるので樹脂層の硬度の上昇を抑制することができる。
また、前記導電粒子に用いるカーボンブラックとしては、我々が検討を重ねた結果、酸性のカーボンブラックが特に好適であることがわかった。酸性のカーボンブラックを用いることで、連続通電による抵抗変化を低減することができることが明らかとなった。PHは、2〜6.5の範囲にあることが好ましく、より好ましくは2〜5の範囲である。以上のような効果が得られる理由については以下のように推察される。通電劣化メカニズムとしては、通電時に発生するオゾン等の酸化性物質によるカーボンブラックの酸化により酸性官能基が生成し、それにより生成するσ電子が本来あったπ電子軌道を阻害してしまうことによりカーボンブラックの抵抗が上昇し抵抗変化が発生していると考えている。酸性のカーボンブラックはカーボンブラック表面が既に酸化されているため、通電時の酸化反応が起こりにくく、通電による抵抗変化が低減できるのではないかと考えている。
本発明の帯電部材について、実施の形態を詳細に述べる。
本発明の帯電部材は図4に示すようにローラ形状であり、導電性支持体2aと被覆層として、その外周に一体に形成された弾性層2bと該弾性層の外周に形成された表面層2cから構成されている。
本発明の帯電部材の他の構成を図5に示す。図5に示すように帯電部材は、弾性層2bおよび抵抗層2dと表面層2cからなる3層であってもよい。
本発明に用いられる導電性支持体2aは、鉄、銅、ステンレス、アルミニウムおよびニッケル等の金属材料の丸棒を用いることができる。更に、これらの金属表面に防錆や耐傷性付与を目的としてメッキ処理を施してもさしつかえないが、導電性を損なわないことが必要である。
帯電ローラ2において、弾性層2bは被帯電体としての電子写真感光体に対する給電や、の電子写真感光体に対する良好な均一密着性を確保するために適当な導電性と弾性を持たせてある。また、帯電ローラ2と電子写真感光体4の均一性密着性を確保するために弾性層2bを研磨によって中央部を一番太く、両端部に行くほど細くなる形状、いわゆるクラウン形状に形成することが好ましい。一般に使用されている帯電ローラ2が、支持体2aの両端部に所定の押圧力を与えて電子写真感光体4と当接されているので、中央部の押圧力が小さく、両端部ほど大きくなっているために、帯電ローラ2の真直度が十分であれば問題ないが、十分でない場合には中央部と両端部に対応する画像に濃度ムラが生じてしまう場合がある。クラウン形状は、これを防止するために形成する。
弾性層2bの導電性は、ゴム等の弾性材料中にカーボンブラック、グラファイトおよび導電性金属酸化物等の電子導電機構を有する導電剤、およびアルカリ金属塩や四級アンモニウム塩等のイオン導電機構を有する導電剤を適宜添加することにより1010Ωcm未満に調整されるのがよい。また、カーボンブラック等の導電性材料がコートされた前記導電粒子を用いてもよい。弾性層2bの具体的弾性材料としては、例えば、天然ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコンーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)およびクロロプレンゴム(CR)等の合成ゴム、更にはポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂およびシリコーン樹脂等も挙げられる。
被帯電体の帯電処理を行う帯電部材においては、帯電均一性を達成するために、特に中抵抗の極性ゴム(例えば、エピクロルヒドリンゴム、NBR、CRおよびウレタンゴム等)やポリウレタン樹脂を弾性材料として用いるのが好ましい。これらの極性ゴムやポリウレタン樹脂は、ゴムや樹脂中の水分や不純物がキャリアとなり、僅かではあるが導電性をもつと考えられ、これらの導電機構はイオン伝導であると考えられる。但し、これらの極性ゴムやポリウレタン樹脂に導電剤を全く添加しないで弾性層を作成し、得られた帯電部材は低温低湿環境(L/L)において、抵抗値が高くなり1010Ωcm以上となってしまうものもあるため帯電部材に高電圧を印加しなければならなくなる。
そこで、L/L環境で帯電部材の抵抗値が1010Ωcm未満になるように、前述した電子導電機構を有する導電剤やイオン導電機構を有する導電剤を適宜添加して調整するのが好ましい。しかしながら、イオン導電機構を有する導電剤は抵抗値を低くする効果が小さく、特にL/L環境でその効果が小さい。そのため、イオン導電機構を有する導電剤の添加と併せて電子導電機構を有する導電剤を補助的に添加して抵抗調整を行ってもよい。
抵抗層2dは、弾性層に接した位置に形成されるため弾性層中に含有される軟化油や可塑剤等の帯電部材表面へのブリードアウトを防止する目的で設けたり、帯電部材全体の電気抵抗を調整する目的で設ける。
本発明に用いる抵抗層を構成する材料としては、例えば、エピクロルヒドリンゴム、NBR、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマーおよび塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。これらの材料は、単独または2種類以上を混合してもよく、共重合体であってもよい。
本発明に用いる抵抗層2dは、導電性もしくは半導電性を有している必要がある。導電性、半導電性の発現のためには、各種電子導電機構を有する導電剤(カーボンブラック、グラファイト、導電性金属酸化物、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄粉、アルカリ金属塩およびアンモニウム塩等)あるいはイオン導電剤を適宜用いることができる。この場合、所望の電気抵抗を得るためには、前記各種導電剤を2種以上併用してもよい。抵抗層が表面層である場合には、コア粒子に導電性材料が薄膜コートされた前記導電粒子を含有することが特に好ましい。
本発明の表面層2cに用いる結着樹脂としては、特に制限はないが、トナーおよびその外添剤が付着しにくいものが好ましく、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。本発明における表面層の材料としては、特にはフッ素樹脂、アクリル樹脂およびシリコーン樹脂等が好ましい。また、表面層には、導電剤として少なくともカーボンブラックからなる導電性材料でコートされた前記導電粒子を用いることが好ましい。
また、表面層2cの抵抗値は、104〜1015Ω・cmであることが好ましい。また、厚さは1〜500μmであることが好ましい。特には1〜50μmであることが好ましい。
本発明の導電粒子のコア粒子は、前記特性を満たすことができるものなら特に制限はないが、小粒径が得られやすい無機化合物が好ましく、シリカ、酸化チタン等の酸化物、複酸化物等や窒化物、炭化物、セラミックなどを用いることができる。
本発明の画像形成装置について、実施の形態を詳細に述べる。
図6は本発明に従う電子写真装置の概略構成図である。本例の電子写真装置は、転写式電子写真利用の反転現像方式、接触現像方式の装置である。
像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体4は、矢示の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。
電子写真感光体の帯電手段としての帯電ローラ2(導電性ローラ)は、電子写真感光体4に所定の押圧力で接触させてあり、本例では帯電ローラを駆動し、電子写真感光体4と等速回転する。この帯電ローラ2に対して帯電バイアス印加電源3から所定の直流電圧(この場合−1300Vとした)のみが印加されることで回転電子写真感光体4の面が所定の極性電位(暗部電位−700Vとした)に一様に接触帯電方式、DC帯電方式で帯電処理される。
10は露光手段であり、例えばレーザービームスキャナーである。回転電子写真感光体4の一様帯電処理面に該露光手段10により目的の画像情報に対応した露光がなされることにより、電子写真感光体帯電面の露光明部の電位(明部電位−120Vとした)が選択的に低下(減衰)して静電潜像が形成される。
反転現像手段11は、電子写真感光体面の静電潜像の露光明部に、電子写真感光体の帯電極性と同極性に帯電(現像バイアス−350V)しているトナー(ネガトナー)を選択的に付着させて静電潜像をトナー画像として可視化する。
転写手段としての転写ローラ12は、電子写真感光体4に所定の押圧力で接触させて転写ニップ部を形成させてあり、電子写真感光体の回転と順方向に電子写真感光体の回転周速度とほぼ同じ周速度で回転する。また、転写バイアス印加電源3′からトナーの帯電極性とは逆極性の転写電圧が印加される。転写ニップ部に対して不図示の給紙機構部から転写材14が所定の制御タイミングで給紙され、その給紙された転写材14の裏面が転写電圧を印加した転写ローラ12によりトナーの帯電極性とは逆極性に帯電されることにより、転写ニップ部において電子写真感光体4面側のトナー画像が転写材14の表面側に静電転写される。
転写ニップ部でトナー画像の転写を受けた転写材は、回転電子写真感光体面から分離されて、不図示のトナー画像定着手段へ導入されてトナー画像の定着処理を受けて画像形成物として出力される。両面画像形成モードや多重画像形成モードの場合は、この画像形成物が不図示の再循環搬送機構に導入されて転写ニップ部へ再導入される。
本電子写真装置は、転写されず電子写真感光体上に残存したトナーを回収するクリーナー装置13を有する。
転写バイアスにより生じた電子写真感光体上の電荷を除電するための前露光手段としての光照射部材は、前記転写工程後かつ帯電工程前の領域に照射されるように配置される。前記光照射部材からの除電光は、現像工程後かつ転写工程前の領域に照射されるように前記光照射部材を配置されてもよい。また、前記光照射部材からの除電光は、クリーニング工程後かつ帯電工程前の領域に照射されるように前記光照射部材を配置されてもよい。前記光照射部材からの除電光は前記カートリッジに設けることも可能であり、更に、前記電子写真装置本体に設けることも可能である。
本発明の帯電方法について説明する。
本発明は、また、本発明の帯電部材に直流電圧を印加することにより、被帯電体を帯電させる帯電方法を提供する。
本発明のプロセスカートリッジについて説明する。
本発明は、像担持体と、該像担持体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化したトナー像を形成させる現像手段と、該被転写部材にトナー像が転写された後に該像担持体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、から選ばれる1つまたは2つ以上が、本発明の帯電部材と一体に支持され、画像形成装置から着脱可能に構成されているプロセスカートリッジである。
本発明のプロセスカートリッジは、例えば、感光体ドラム4や帯電ローラ2、現像器11、クリーニングブレード13等が一体に支持された、画像形成装置の本体と脱着可能な構成である。
以下、本発明を実施例を用いて更に詳細に説明する。
(実施例1)
下記の要領で本発明の帯電部材としての帯電ローラを作成した。
<弾性層の作成>
エピクロルヒドリンゴム(商品名:エピクロマーCG102、ダイソー社製)100質量部、充填剤としての炭酸カルシウム30質量部、カーボンブラック(商品名:シーストSO、東海カーボン社製)5質量部、酸化亜鉛5質量部、ステアリン酸2質量部、可塑剤としてのDOP5質量部、4級アンモニウム塩2質量部、老化防止剤としての2−メルカプトベンズイミダゾール1質量部を60℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練し、原料コンパウンドを調製した。このコンパウンドに加硫促進剤としてのDM1質量部、加硫促進剤としてのTS1質量部、加硫剤としての硫黄1質量部を加えて更に15分間オープンロールで混練した。
得られたコンパウンドをゴム押し出し機を使用して、熱硬化性接着剤(商品名:メタロックU−20、(株)東洋化学研究所製)を塗布した直径6mm、長さ250mmの円柱形の導電性支持体(鋼製、表面はニッケルメッキ)の周囲にローラ状になるように成形し、電気オーブンの中で160℃で2時間、加硫および接着剤の硬化を行った後、ゴム部分の両端部を突っ切り、ゴム部分を回転砥石で研磨し、端部直径12.00mm、中央部直径12.10mmのクラウン形状の弾性層を有する帯電ローラを得た。また、この帯電ローラの弾性層のJIS−A硬度は54度であった。
<表面層の作成>
ラクトン変性アクリルポリオール(商品名:プラクセルDC2009、ダイセル化学工業社製)200質量部を、500質量部のMIBK(メチルイソブチルケトン)に溶解し、固形分20質量%の溶液とした。このアクリルポリオール溶液200質量部に対してカーボンブラックをシリカにコートした導電粒子(一次粒子径 14nm、コート厚さ 2.0nm、カーボンブラックのPH 3.5)30質量部を加え、これに直径0.8mmのガラスビーズ200質量部を加えて、450mlのビンに入れてペイントシェーカを使い12時間分散した。
この分散液370質量部にヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型3量体(商品名:デュラネートTPA−B80E、旭化成工業社製)を25質量部混合し、ボールミルで1時間攪拌して表層塗料を得た。
前記表層塗料をディッピング法により前記導電性弾性体基層を有する帯電ローラの表面に塗工し、30分間風乾した後、160℃で120分間乾燥した。こうして完成したローラを実施例1の帯電ローラとした。なお、表面層のマイクロ硬度(JIS−A)は60度であった。また、得られた帯電ローラの低温低湿下における電気抵抗は2.5×105Ωであった。帯電ローラの電気抵抗は温度15℃、湿度10%において図7に示すような方法で行った。図中、2は帯電ローラ、15はステンレス製の円筒電極、16は抵抗、17はレコーダーを示す。これらの間の押圧力は用いられる画像形成装置と同様にし、外部電源S1から−200Vを印加した際の抵抗値を測定したものである。
<導電粒子の作製方法>
本発明の導電粒子、例えばカーボンブラックでコートされたシリカは、カーボンブラックとシリカをホイール型混練機にて粉体にせん断を加えることにより作製したものである。前記シリカは表面にシランカップリグ剤等の糊剤を被覆したものを用いてもよい。混練条件としては、混練時間、ホイール回転数は適宜設定し、カーボンブラックのほとんどがシリカに付着するまで混練する。このようにせん断を加えながらカーボンブラックを付着させることにより得られた導電粒子の表面にコートされたカーボンブラックはストラクチャー構造がなく、シリカの形状および粒径を反映した構造となる。
導電粒子のコート層厚さは、前記製造条件においてシリカ等のコア粒子に対するカーボンブラック等の導電性材料の添加量により制御することができる。例えば一次粒子径14nmのシリカにカーボンブラックを厚さ2nmでコートさせる場合には、シリカ100質量部に対し、カーボンブラックを110質量部添加して混練することにより作製することができる。分級方法としては、例えば、遠心分離やシックナーといった沈降分離を利用したものや、例えばサイクロンを利用した湿式分級装置などの手段が好適である。
実施例1で用いた導電粒子の諸特性については表1に示す。
<帯電ローラの評価>
上記のようにして得られた帯電ローラを用いて、以下に示す方法で評価を行った。
本試験で使用した電子写真式レーザープリンターは、出力スピード90mm/sec、画像の解像度は600dpiである。装置概略図を図4に示す。
前記プリンターに用いる感光体はアルミニウムシリンダーに膜厚18μmのOPC層をコートした反転現像方式の感光ドラムであり、最外層は変性ポリカーボネートをバインダ樹脂とする電荷輸送層である。
トナーは、ワックスを中心に荷電制御剤と色素等を含むスチレンとブチルアクリレートのランダムコポリマーを重合させ、更にポリエステル薄層を重合させシリカ微粒子等を外添した、ガラス転移点63℃、質量平均粒径6μmの重合トナーである。
一次帯電は、上記で得られた実施例1の帯電ローラを用い、画出し条件としては、直流電圧−700Vに交流電圧500Hz、1800VPPを重畳して感光ドラムの暗部電位VDが−700V付近となるようにしたAC/DC帯電方式と、直流電圧−1100V〜−1200Vを帯電ローラに印加し、感光ドラムの暗部電位VDが−700V付近となるようにしたDC帯電方式とした。
上記プリンターを用いて、温度15℃、湿度10%の低温低湿環境下において、ハーフトーン画像(幅1ドット、間隔2ドットの横線)を出力し、画像評価を行った。評価結果を表2に示す。評価項目としては、低温低湿環境下における帯電が原因の画像不良としては、細かい横スジが予想されるが、横スジを均一性の指標として評価した。この横スジが全く発生しなかったものを○、若干発生しているものを△、画像全面に発生しているものを×、かつ大量に発生したものを××とし、ランク分けとしては、○、○△、△○、△、△×、×、××の7段階設定した。評価の手順としては、1枚目の初期画像と20000枚連続で画像を出力した後の耐久後画像を評価した。初期画像に関しては、前記一次帯電を直流電圧に交流電圧を重畳した場合と直流電圧のみを印加した場合の2通りで評価を行った。また、上記プリンターを用いてピンホールリーク評価を行った。一次帯電は直流電圧のみ印加した条件であり、感光体のピンホールを直径0.3mmに形成した感光体を用いて評価した。表中のリーク評価については、リークによる画像不良が認められなかったものを○、リーク跡が認められるが軽微であるものを△、リークによる画像不良が見られ、はっきりわかる程度のものを×とした。
実施例1の評価結果を表2に示す。
(実施例2)
実施例1の導電粒子を一次粒子径50nmであるシリカにカーボンブラックを厚さ2nmにコートした導電粒子を20質量部用いた以外は実施例1の帯電ローラと同様にして実施例2のローラを作成した。帯電ローラの電気抵抗は3.5×105Ωであった。用いた導電粒子の諸特性を表1に示す。
実施例2の帯電ローラは耐久後の画像レベルは若干低下したが、実施例1と同じく良好な結果であった。評価結果を表2に示す。
参考
実施例1の導電粒子を一次粒子径470nmであるシリカにカーボンブラックを厚さ10nmにコートした導電粒子を15質量部用いた以外は実施例1の帯電ローラと同様にして参考のローラを作成した。帯電ローラの電気抵抗は2.3×105Ωであった。用いた導電粒子の諸特性を表1に示す。
参考の帯電ローラは実施例2と同じく良好な結果であった。評価結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例1の導電粒子を一次粒子径14nmであるシリカにカーボンブラックを厚さ0.6nmにコートした導電粒子を25質量部用いた以外は実施例1の帯電ローラと同様にして実施例4のローラを作成した。帯電ローラの電気抵抗は5.2×105Ωであった。用いた導電粒子の諸特性を表1に示す。
実施例4の帯電ローラは実施例2と同じく良好な結果であった。評価結果を表2に示す。
(実施例5)
実施例1の導電粒子を一次粒子径14nmであるシリカにPHが6.5であるカーボンブラックを厚さ1nmにコートした導電粒子を20質量部用いた以外は実施例1の帯電ローラと同様にして実施例5のローラを作成した。帯電ローラの電気抵抗は6.6×105Ωであった。用いた導電粒子の諸特性を表1に示す。
実施例5の帯電ローラは実施例2と同じく良好な結果であった。評価結果を表2に示す。
(実施例6)
実施例1の導電粒子を一次粒子径50nmであるシリカにカーボンブラックを厚さ1nmにコートした導電粒子を20質量部用いた以外は実施例1の帯電ローラと同様にして実施例6のローラを作成した。帯電ローラの電気抵抗は3.1×105Ωであった。用いた導電粒子の諸特性を表1に示す。
実施例6の帯電ローラは実施例2と同じく良好な結果であった。評価結果を表2に示す。
(実施例7)
実施例1の導電粒子を一次粒子径260nmであるシリカにカーボンブラックを厚さ2nmにコートした導電粒子を17質量部用いた以外は実施例1の帯電ローラと同様にして実施例7のローラを作成した。帯電ローラの電気抵抗は2.5×105Ωであった。用いた導電粒子の諸特性を表1に示す。
実施例7の帯電ローラは実施例2と同じく良好な結果であった。評価結果を表2に示す。
(実施例8)
実施例1の導電粒子を一次粒子径30nmである酸化鉄にカーボンブラックを厚さ5nmにコートした導電粒子10質量部用いた以外は実施例1のローラと同様にして実施例8の帯電ローラを作成した。帯電ローラの電気抵抗は7.6×105Ωであった。用いた導電粒子の諸特性を表1に示す。
実施例8の帯電ローラは導電粒子の形状が球状に近い形状であり、樹脂層中での導電粒子の分散性が若干劣ってしまうことにより、若干横スジが発生した。評価結果を表2に示す。
(実施例9)
実施例1の導電粒子を一次粒子径40nmである炭酸カルシウムにカーボンブラックを厚さ5nmにコートした導電粒子12質量部用いた以外は実施例1の帯電ローラと同様にして実施例9の帯電ローラを作成した。帯電ローラの電気抵抗は7.2×105Ωであった。用いた導電粒子の諸特性を表1に示す。
実施例9の帯電ローラは導電粒子の形状が針状に近い形状であり、樹脂層中での導電粒子の分散性が劣ってしまうことにより、若干横スジが発生した。評価結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1の導電粒子を一次粒子径14nmであるシリカにカーボンブラックを厚さ0.5nm未満にコートした導電粒子50質量部用いた以外は実施例1の帯電ローラと同様にして比較例1の帯電ローラを作成した。帯電ローラの電気抵抗は2.6×108Ωであった。用いた導電粒子の諸特性を表1に示す。
比較例1の帯電ローラは導電粒子のカーボンブラックのコート厚さが小さいために導電性が発現しないため、帯電均一性に劣り、AC/DC帯電、DC帯電ともに横スジが発生してしまった。評価結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例1の導電粒子を一次粒子径14nmであるシリカにカーボンブラックを厚さ15nmにコートした導電粒子7質量部用いた以外は実施例1のローラと同様にして比較例2の帯電ローラを作成した。帯電ローラの電気抵抗は2.6×108Ωであった。用いた導電粒子の諸特性を表1に示す。
比較例2の帯電ローラは導電粒子のカーボンブラックのコート厚さが大きいために導電粒子の抵抗が低く、耐リーク性が悪化し、また帯電均一性に劣るため、AC/DC帯電、DC帯電ともに横スジが発生してしまった。評価結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例1の導電粒子を一次粒子径5μmであるPMMA粒子にカーボンブラックを厚さ30nmにコートした導電粒子を15質量部用いた以外は実施例1の帯電ローラと同様にして比較例3のローラを作成した。帯電ローラの電気抵抗は4.0×105Ωであった。用いた導電粒子の諸特性を表1に示す。
比較例3の帯電ローラは、導電粒子の粒径が大きく、抵抗ムラが大きくなり帯電均一性が悪化した。また、ローラの表面粗さが大きくなったためにローラ汚れが悪化して耐久後の画像が悪化した。評価結果を表2に示す。
(比較例4)
実施例1の導電粒子を一次粒子径3μmでかつ粒度分布を1.1に調製したアルミナ粒子にカーボンブラックを厚さ5nmにコートした導電粒子を15質量部用いた以外は実施例1の帯電ローラと同様にして比較例4のローラを作成した。帯電ローラの電気抵抗は2.0×105Ωであった。用いた導電粒子の諸特性を表1に示す。
比較例4の帯電ローラは、導電粒子の粒度分布が小さく、抵抗ムラが大きくなり帯電均一性が悪化した。また、導電粒子が大きいためにローラの汚れが悪化したために耐久後の画像が悪化した。評価結果を表2に示す。
(比較例5)
実施例1の導電粒子をカーボンで被覆された多孔質シリカを8質量部用いた以外は実施例1の帯電ローラと同様にして比較例5のローラを作成した。帯電ローラの電気抵抗は2.3×105Ωであった。用いた導電粒子の諸特性を表1に示す。
比較例5の帯電ローラは、導電粒子の抵抗が低く、多孔質形状であるためにリークが発生し、帯電均一性が悪化した。評価結果を表2に示す
Figure 0004371833
Figure 0004371833
本発明に用いる導電粒子の添加量と樹脂層の抵抗との相関図。 本発明に用いる導電粒子の粒度分布D15、D85を示すグラフ。 本発明に用いる導電粒子の概略断面図。 本発明の帯電部材の概略断面図。 本発明の帯電部材の概略断面図。 電子写真プリンターの装置概略図。 帯電ローラの電気抵抗の測定装置概略図。
符号の説明
1 導電粒子
1a コア粒子
1b コートされた導電性材料
2a 導電性支持体
2b 弾性層
2c 表面層
2d 抵抗層
2 帯電ローラ
3 電源
3′ 電源
4 感光ドラム
11 現像器
12 定着ローラ
13 クリーニングブレード
14 転写材
15 ステンレス製の円筒電極
16 抵抗
17 レコーダー
S1 外部電源

Claims (7)

  1. 導電粒子を含有する樹脂層を少なくとも一層有する帯電部材において、該導電粒子は、コア粒子と、該コア粒子上の厚さ0.nmの導電性材料からなる表面層とを有し、一次粒子径が10〜500nmの範囲であり、かつ体積固有抵抗値が100〜105Ω・cmの範囲であり、
    該コア粒子はシリカ、酸化鉄または炭酸カルシウムからなり、該導電性材料はカーボンブラックであり、
    該表面層は、カーボンブラックのストラクチャー構造を有していないことを特徴とする帯電部材。
  2. 前記導電粒子の粒度分布が1.2<D85/D15<12の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の帯電部材(但し、D15は累積粒度分布の微粒側からの累積15%の粒径、D85は累積粒度分布の微粒側からの累積85%の粒径である)。
  3. 前記導電粒子の形状係数SF−1が150〜200の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の帯電部材。
  4. 前記表面層が、せん断を加えながらカーボンブラックをコア粒子の表面に付着させて形成したものであることを特徴とする請求項に記載の帯電部材。
  5. 像担持体と、該像担持体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、該像担持体の帯電面に静電潜像を形成させる露光手段と、該像担持体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化したトナー像を形成させる現像手段と、該トナー像を被転写部材に転写させる転写手段と、を有する画像形成装置において、該帯電手段が、請求項1〜のいずれかに記載の帯電部材であり、該帯電部材に直流電圧のみを印加して該像担持体を帯電させることを特徴とする画像形成装置。
  6. 被帯電体を帯電手段で帯電させる帯電方法において、該帯電手段が請求項1〜のいずれかに記載の帯電部材であり、該帯電部材に直流電圧のみを印加して該被帯電体を帯電させることを特徴とする帯電方法。
  7. 像担持体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化したトナー像を形成し、該トナー像を被転写部材に転写することにより画像を形成する画像形成装置から着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、
    像担持体と、該像担持体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化したトナー像を形成させる現像手段と、該被転写部材にトナー像が転写された後に該像担持体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段とから選ばれる1つまたは2つ以上と、請求項1〜のいずれかに記載の帯電部材とが一体に支持されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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