JP2006084544A - 帯電部材、画像形成装置、帯電方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】 転写電流の履歴によらず帯電の均一性に優れ、長期使用においても良好な画像を達成する帯電部材を提供する
【解決手段】 シリカ粒子の表面にカーボンブラックを被覆した導電性粒子と、1×103Ωcm以上、1×108Ωcm以下の粉体抵抗を有する粉体とを含有する抵抗層を具備している帯電部材において、該粉体は、比表面積が、30m2/g以上、60m2/g以下である。好ましい態様として、前記粉体が酸化亜鉛であることが例示される。
【選択図】図2
【解決手段】 シリカ粒子の表面にカーボンブラックを被覆した導電性粒子と、1×103Ωcm以上、1×108Ωcm以下の粉体抵抗を有する粉体とを含有する抵抗層を具備している帯電部材において、該粉体は、比表面積が、30m2/g以上、60m2/g以下である。好ましい態様として、前記粉体が酸化亜鉛であることが例示される。
【選択図】図2
Description
本発明は帯電部材、それを用いた画像形成装置、帯電方法、及びプロセスカートリッジに関する。詳しくは、本発明は電圧を印加して像担持体である電子写真感光体表面を所定の電位に帯電処理するための帯電部材、それを用いた画像形成装置、帯電方法、及びプロセスカートリッジに関する。
電子写真装置における帯電部材と像担持体との帯電現象は、接触又は近接部分に狭い空間を形成し、パッシェンの法則で解釈できる放電可能領域、例えば数10μmの空隙で放電を形成することにより帯電する方法があげられる(例えば特許文献1参照)。
従来の接触帯電装置において像担持体である感光体表面を均一に帯電させる方式として、帯電部材に交流電圧(AC)と直流電圧(DC)を同時に印加する方式がある。この方式では、交流の電圧源を使用する分、帯電部材に直流電圧のみを印加するDC帯電方式に比較して、画像形成装置のコストが高くなってしまう。
そこで、DC帯電方式についての提案がなされている(例えば特許文献2参照)。DC帯電方式は、AC+DC帯電方式に比較して一般的にコストが低いが問題点もある。つまり、AC+DC帯電のようにAC電流の均し効果が無いため、帯電ローラ自身の電気抵抗の不均一性が画像に出やすく、AC+DC帯電方式に比較して像担持体の均一な帯電が困難である。
帯電の均一性に対して、帯電部材の物性として余裕幅が少ないと思われるDC帯電方式に対して、昨今の電子写真装置は高速化と共に高耐久化が急速に進展しており、帯電部材における一層の性能の向上が急務になっている。
感光体表面を均一に帯電するための接触帯電装置では、鉄やSUS等の導電性基体上にゴムや樹脂からなる抵抗層を設けた構成を有する帯電部材が一般的に使用されている。抵抗層には、導電性カーボンブラックや金属粉等の導電材料が添加され導電性が付与されると共に、感光体との当接部(ニップ)を確保するため、また長期使用に伴いトナー、紙粉等が付着することによる帯電不良の発生を抑制するため、適度な弾性を保持させる。抵抗層に弾性を持たせるためには、一般にオイルや可塑剤等の軟化剤を添加するが、これらの軟化剤は一般に移行性があることから感光体を汚染する場合があり、必要に応じて、汚染防止と帯電部材の弾性維持を両立する抵抗層を表面に施す必要がある。
帯電部材の導電特性として、一般に体積抵抗が高すぎると感光体の帯電ムラや帯電不良による異常画像が発生する。一方抵抗層に導電材料を大量に添加することで帯電部材の抵抗値を下げ過ぎると帯電不良による異常画像は抑制できるが、感光体表面に製造上又は取り扱い上等の原因でピンホールが生じた場合そのピンホール部に対応する画像上に反転現像時の菱形状の異常画像(以下、リーク画像と略す)が発生したり、帯電部材の硬度が上昇することで感光体との当接が弱まったり、長期使用に伴うトナー、紙粉等の付着による帯電不良を招くなど、帯電部材の抵抗層特に表面抵抗層の抵抗値及び硬度には適正な領域が存在する。
表面抵抗層の抵抗値は、導電材の電気特性および樹脂等のバインダー中での分散特性により大きく左右される。導電材料としては、電子導電性を発現する導電性カーボンブラックや導電性酸化チタン等の金属酸化物、またイオン導電性を発現する四級アンモニウム塩といったイオン性化合物のほか、ポリエチレン樹脂やアクリル樹脂といったカーボンブラックに比べて大きい粒径を有する有機高分子からなる母粒子にカーボンブラックが乗った導電粒子を添加する技術が開示されている(例えば特許文献3参照)。
少量の導電材料により抵抗層の抵抗値を下げる手段として、ポリエステル樹脂等の樹脂溶液中に、母粒子の表面がカーボンブラック等の導電材料で被覆された複合粒子からなる導電材料と共に、複合粒子を構成するカーボンブラック等の導電材料を遊離の状態で共存させる方法やカーボンブラック、酸化チタン等の導電材料を混合する方法が提案されている(例えば特許文献3参照)。
特開昭57−178257号公報
特開平05−341627号公報
特開2003−162106号公報
例えば特許文献1では、ポリエチレン樹脂やアクリル樹脂といったカーボンブラックに比べて大きい粒径を有する有機高分子からなる母粒子にカーボンブラックが乗った導電粒子を添加しているが、このようにカーボンブラックを巨大な粒子に担持させることでカーボンブラック自体の凝集を抑制することができ、このような構成においては母粒子が数珠状に接触してネットワークを形成し、導電層中にカーボンブラックが偏在した状態となり、少量添加で容易に抵抗層の低抵抗化が可能であるとされている。
導電粒子として、母粒子の表面がカーボンブラック等の導電材料で被覆された複合粒子を使用することで、帯電部材に要求される半導電領域を達成することはできる。しかしながら、抵抗層の内部では、ネットワークのような電気導通部が導電層中に形成されるため、帯電部材の表面抵抗層に適用した場合、感光体に欠陥によりリークが発生しやすいことや、カーボンブラックが存在する導電性である部分と存在しない絶縁性である部分の偏りが大きいため抵抗ムラが大きくなることから、特に、像担持体上に形成されたトナー像を被転写部材に転写させるために転写手段に流れる転写電流において、通紙時の転写電流の絶対値に比べ、非通紙時の転写電流の絶対値を少なくする制御を有する電子写真装置では、非通紙部の転写電流を抑制する制御がなされた像担持体の領域では、像担持体が回転して次の印刷が実施された場合、他の領域に比べ帯電不良による横方向のスジ状異常画像が発生しやすいという問題があった。少量の導電材料の添加で抵抗層を所望の抵抗値に制御するため、導電材料として母粒子の表面が導電材料で被覆された複合粒子からなる導電材料と共に、さらに複合粒子を構成する導電材料も導電材料として遊離の状態で分散させる方法では、少量の導電材料により抵抗層の抵抗値を低下できる。
しかしながら、複合粒子に加え遊離のカーボンブラックが存在する事で、抵抗層の低抵抗化は達成されるが、抵抗層内部では導電材料の偏在は更に高まり、ネットワークのような電気導通部が抵抗層中に形成すると、抵抗層のマクロ的な電気抵抗は低下できるが、導電材料の偏在する部分と導電材料が存在せず絶縁性である部分の偏りがさらに大きくなるため抵抗ムラが大きくなる。そのため上に述べた転写電流の履歴に関連するスジ状の異常画像が発生しやすくなっていた。また抵抗層を構成するバインダーとの接着力が過大になり、抵抗層の硬度が増加することで長期使用によるトナーや紙粉等の付着による帯電不良が発生するという問題があった。
また例えば特許文献1では、母粒子の表面がカーボンブラック等の導電材料で被覆された複合粒子からなる導電材料と共に、カーボンブラック、酸化チタン等の導電材料を混合してもよいとの記載があるが、その作用および効果が明示されていない。従来用いられてきたカーボンブラック、酸化チタン等の導電材料をその粉体抵抗のみに着目して混合した場合、少量の導電材料の添加で抵抗層を所望の抵抗値に低下することはできるが、複合粒子からなる導電材料とカーボンブラック等の導電材料が凝集することで、抵抗層内部では導電材料の偏在が高まり、導電材料の偏在する部分と導電材料が存在せず絶縁性である部分の偏りがさらに大きくなるため抵抗ムラが大きくなり、上に述べた転写電流の履歴に関連するスジ状の異常画像が発生するという問題があった。また、使用初期の状態で帯電ムラやリーク画像の発生を抑制するため、帯電部材の電流値の所定の値に制御できても、長期使用においては、ドラム表面への放電量が不足することで表面ドラム1周目に相当する画像領域、すなわちφ30mmの感光ドラムであれば紙の上端から凡そ92mmと2周目以降、すなわち凡そ92mm以降の画像領域では濃度ムラが発生するという問題があった。
以上述べたように、従来技術では抵抗層の抵抗値を半導電領域に達成できても、スジ状の異常画像や濃度ムラの発生を抑制し、さらに長期使用においても良好な帯電状態を得る方法は達成されていない。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、通紙時の転写電流の絶対値に比べ、非通紙時の転写電流の絶対値を少なくする制御を有する電子写真装置においても転写電流の履歴に関連するスジ状の異常画像や濃度ムラの発生が無く、長期使用においても安定した帯電性能を有する帯電部材を提供するものである。
本発明は、シリカ粒子の表面にカーボンブラックを被覆した導電性粒子と、1×103Ωcm以上、1×108Ωcm以下の粉体抵抗を有する粉体とを含有する抵抗層を具備している帯電部材において、該粉体は、比表面積が、30m2/g以上、60m2/g以下であることを特徴としている。
本発明者らは、スジ状の異常画像や濃度ムラの発生と長期使用によるそれら特に転写電流の履歴に関連するスジ状の異常画像の発生について、感光ドラムと接触する帯電部材の表面の抵抗層について詳細に検討した。その結果、ポリウレタンやポリエステル等のバインダー中に、カーボンブラックを被覆した無機化合物粒子と共に同時に特定の比表面積と粉体抵抗を有する粉体を組み合わせて含有させることで、スジ状の異常画像や濃度ムラの発生についても良好な画像が得られることが分かった。
カーボンブラックを被覆した無機化合物粒子と同時に含有される粉体の比表面積の大小は、粉体の平均粒径や、表面の凹凸の程度に影響される。そのため所定の粉体抵抗を有し、かつ所定の比表面積を有する粉体を使用することで、抵抗層中の金属酸化物の分散状態を制御し、かつ抵抗のムラを抑制することができると考えられる。シリカ粒子の表面にカーボンブラックを被覆した導電性粒子と、1×103Ωcm以上、1×108Ωcm以下の粉体抵抗を有する粉体とを含有する抵抗層を具備している帯電部材において、該粉体の比表面積を30m2/g以上とすることで、粉体表面をある程度ポーラスな状態にするため、抵抗層中での特定の粉体抵抗を有する粉体と結着樹脂との凝集力が低下せず、またカーボンブラックを被覆した無機化合物粒子と特定の粉体抵抗を有する粉体との凝集力を制御してカーボンブラックを被覆した無機化合物粒子の周囲に特定の粉体抵抗を有する粉体が取り囲む状態となるため、カーボンブラックを被覆した無機化合物粒子の移動、凝集による帯電ムラを発生させなくなると考えられる。また特定の粉体抵抗を有する粉体は適度に凝集した状態で存在していると考えられ、誘電体が帯電部材表面の抵抗層に存在することになる。これにより、カーボンブラックを被覆した無機化合物粒子による導電特性と共に特定の粉体抵抗を有する粉体が抵抗層の誘電特性を向上させることで帯電ムラ、濃度ムラを抑制するこができる。
また比表面積を60m2/g以下にすることで、特定の粉体抵抗を有する粉体の過度の凝集が抑えられることから、誘電特性を向上させることで帯電ムラ、濃度ムラを抑制しているとともに、結着樹脂との間で過大な凝集力が発生せず、抵抗層の硬度増加を招かないため帯電部材表面へのトナー紙粉等の付着を抑え長期使用においても安定した性能を達成できる。
本発明は、さらに、帯電部材表面の抵抗層が、導電材料としてカーボンブラックを被覆した無機化合物粒子を含有し、かつ同時に比表面積が、30m2/g以上、60m2/g以下、粉体抵抗が1×103Ωcm以上、1×108Ωcmである粉体として酸化亜鉛を含有することを特徴としている。
従来、帯電部材の表面抵抗層に添加されていた酸化亜鉛は、比表面積が4から10m2/g程度で、かつ粉体抵抗が1×102Ωcm以上、5×102Ωcm以下のものが使用されていた。しかし従来の発明に明示されていない、本発明が示す特定の酸化亜鉛を使用することで、バインダー中での酸化亜鉛の分散およびカーボンブラックを被覆した無機化合物粒子との凝集を容易に制御できることから、帯電ムラによるスジ状の異常画像や濃度ムラの発生を抑制できるとともに、耐磨耗性など抵抗層の膜強度を向上しトナー等の付着を抑制できる。
本発明は、さらにまた、帯電部材表面の抵抗層に、体積基準の平均粒子径が0.5μm以上10μm以下の樹脂粒子を含有させたことを特徴としている。
導電材料としてカーボンブラックを被覆した無機化合物粒子を含有し、かつ同時に比表面積が、30m2/g以上、60m2/g以下、粉体抵抗が1×103Ωcm以上、1×108Ωcmである粉体とともに、0.5μm以上の樹脂粒子を含有することで、樹脂粒子を含有することにより抵抗層の抵抗値を抑制させると共に、帯電部材表面を適度に粗面化することで、微量の紙粉等が付着したとしても、その異物に起因する電荷の集中による異常画像を抑制できる。また樹脂粒子を添加することにより抵抗層の抵抗値を抑制することができる。また10μm以下の樹脂粒子を含有することで、帯電部材表面の祖面化により凹部に対応した帯電不良が発生することを抑制できる。
本発明は、像担持体と、前記像担持体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、前記像担持体の帯電面に静電潜像を形成する露光手段と、前記像担持体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化しトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を被転写部材に転写させる転写手段と、を有する画像形成装置において、前記帯電手段は、上記のいずれかの帯電部材であり、該帯電部材に直流電圧のみを印加して前記像担持体を帯電させることを特徴とする。
本発明は、また、像担持体を帯電手段で帯電させる帯電方法において、前記帯電手段が上記のいずれかの帯電部材であり、該帯電部材に直流電圧のみを印加して前記像担持体を帯電させることを特徴とする。
本発明は、さらに、像担持体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化してトナー像を形成し、該トナー像を被転写部材に転写することにより画像を形成する画像形成装置から着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、前記像担持体と、前記像担持体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化しトナー像を形成させる現像手段と、前記被転写部材にトナー像が転写された後に前記像担持体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、からなる群より選ばれる少なくとも一つが、上記のいずれかの帯電部材と一体に支持されることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、通紙時の転写電流の絶対値に比べ、非通紙時の転写電流の絶対値を少なくする制御を有する電子写真装置においても転写電流の履歴に関連するスジ状の異常画像の発生が無く、低温低湿度下での使用による帯電ムラの発生が無く、長期使用においてもトナーや紙粉等の付着が無く、抵抗上昇が無く、安定した帯電特性を達成する帯電部材を提供できる。
本発明に使用する、1×103Ωcm以上、1×108Ωcm以下の粉体抵抗を有し、比表面積が、30m2/g以上、60m2/g以下である粉体としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化バナジウムの固溶体等を使用することができる。特に酸化亜鉛にアルミニウム、インジウム、チタン、スズ、ストロンチウム、ホウ素、ケイ素の一種又は二種以上をドープしたもの、酸化亜鉛とこれらの一種以上の酸化物との固溶体、酸素欠損タイプの導電性酸化亜鉛が上述の理由により好ましい。
比表面積はBET法に従い、比表面積測定装置「ジェミニ2375 Ver.5.0」(島津製作所社製)を用いて資料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いてBET比表面積(cm2/g)を算出した。
粉体抵抗の測定方法は、Loresta(ロレスタ)−GP MCP−T600(三菱化学株式会社製)を用いて測定した抵抗より算出した。印加圧力は10MPaとした。
本発明に用いるカーボンブラックを被覆した無機化合物粒子において、コアに用いられる粒子は導電性が低いものが良く、好ましくは体積抵抗が105Ω・cm以上である。小粒径が得られやすい無機化合物が好ましく、シリカ、酸化チタン等の酸化物、複酸化物等や窒化物、炭化物、セラミックなどを用いることができる。なかでもコア粒子としてシリカは、比重が軽く塗料に混合した際に沈降等の弊害が無い点で好ましい。このような粒子をコアに用いることにより導電粒子の抵抗を容易に調節できる。導電粒子の体積抵抗は100Ω・cmから105Ω・cmの範囲にあることが好ましい。導電粒子の体積抵抗が100Ω・cmより低いと、耐リーク性が悪化するため、好ましくない。
カーボンブラックの被覆厚さは0.5〜10nmの範囲にあることが好ましく、0.5nm未満とすると、導電粒子の抵抗が高くなり、導電性を発現しなくなる。また、10nmより大きいと、被覆材であるカーボンブラックの抵抗とほぼ同じ導電性となり、中抵抗の導電粒子が得られずらくなる。導電粒子のコート厚さは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてカーボンブラックからなる炭素層の結晶構造を確認することにより測定できる。
カーボンブラックを被覆した無機化合物粒子を本発明で使用する理由は、表面が有機膜で覆われていることから導電粒子表面の疎水性が高いため、帯電部材の各環境下における吸水による抵抗変動を抑制するためである。また、表面に被覆されるカーボンブラックはストラクチャー構造を有さないカーボンブラックからなる場合が最も良い。コア粒子に、カーボンブラックのストラクチャー構造を壊した状態でコートすればよく、カーボンブラックが本来有するストラクチャー構造がないため、分散性が良好であり、また補強性が低減されるので樹脂層の硬度の上昇を抑制することができる。特に好ましくは、先にあげた理由によりPHは、2〜5の範囲にあるカーボンブラックが好ましい。
また、カーボンブラックを被覆した無機化合物粒子の大きさは、粒径は10nm〜500nmの範囲が好ましい。導電粒子が500nmより大きいと、樹脂層中での絶縁性部位と導電性部位のムラが大きくなるために帯電均一性が悪化する。また、帯電部材の最外層とした場合には、部材の表面粗さが大きくなるために、トナーなどの汚染物の付着が悪化するために帯電不良が発生する場合がある。10nmより小さいと、樹脂中に分散したとき粘度が高くなり、安定して製造することが困難である。
カーボンブラックを被覆した無機化合物粒子の体積抵抗は100Ω・cmから105Ω・cmの範囲にあることが好ましい。導電粒子の体積抵抗が100Ω・cmより低いと、耐リーク性が悪化するため、好ましくない。これは汎用的に使用するカーボンブラックの体積抵抗とほぼ同じ領域であり、樹脂層の抵抗を安定させるのが困難となるからである。また、105Ω・cmよりも高い場合には、帯電部材として所望の抵抗を得るには大量の導電粒子が必要となるため、樹脂層の強度が下がるため好ましくない。粒子の体積抵抗の測定方法は、Loresta−GP MCP−T600(三菱化学株式会社製)を用いて印加圧力を10MPaにして測定できる。
本発明の帯電部材について、実施の形態を詳細に述べる。
本発明の帯電部材は図2に示すようにローラ形状であり、導電性支持体2aと、その外周に一体に形成された弾性層2bと、該弾性層の外周に形成された抵抗層2cから構成されている。弾性層は複数の抵抗層より構成されていても良いが、本実施例では、単層の弾性層上に抵抗層2cを被覆した構成とした。
本発明に用いられる導電性支持体2aは、鉄、銅、ステンレススチール、アルミニウム及びニッケル等の金属材料の丸棒を用いることができる。更に、これらの金属表面に防錆や耐傷性付与を目的としてメッキ処理を施しても構わないが、導電性を損なわないことが必要である。
帯電ローラ2において、弾性層2bは像担持体としての電子写真感光体に対する給電や、電子写真感光体に対する良好な均一密着性を確保するために適当な導電性と弾性を持たせてある。また、帯電ローラ2と電子写真感光体1の均一性密着性を確保するために弾性層2bを研磨によって中央部を一番太く、両端部に行くほど細くなる形状、いわゆるクラウン形状に形成することが好ましい。一般に使用されている帯電ローラ2が、支持体2aの両端部に所定の押圧力を与えて電子写真感光体1と当接されているので、中央部の押圧力が小さく、両端部ほど大きくなっているために、帯電ローラ2の真直度が十分であれば問題ないが、十分でない場合には中央部と両端部に対応する画像に濃度ムラが生じてしまう場合がある。クラウン形状は、これを防止するために形成する。
弾性層2bは、ゴム等の弾性材料中にカーボンブラック、グラファイト及び導電性金属酸化物等の電子伝導機構を有する導電剤、及びアルカリ金属塩や四級アンモニウム塩等のイオン伝導機構を有する導電剤を適宜添加することにより1010Ωcm未満に調整されるのがよい。また、カーボンブラックからなる導電材料がコートされた前記導電粒子を用いてもよい。弾性層2bの具体的弾性材料としては、例えば、天然ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコンーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)及びクロロプレンゴム(CR)等の合成ゴム、更にはポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂及びシリコーン樹脂等も挙げられる。
像担持体の帯電処理を行う帯電部材においては、帯電均一性を達成するために、特に中抵抗の極性ゴム(例えば、エピクロルヒドリンゴム、NBR、CR及びウレタンゴム等)やポリウレタン樹脂を弾性材料として用いるのが好ましい。これらの極性ゴムやポリウレタン樹脂は、ゴムや樹脂中の水分や不純物がキャリアとなり、僅かではあるが導電性をもつと考えられ、これらの導電機構はイオン伝導であると考えられる。但し、これらの極性ゴムやポリウレタン樹脂に導電剤を全く添加しないで弾性層を作製し、得られた帯電部材は低温低湿環境(L/L)において、抵抗値が高くなり1010Ωcm以上となってしまうものもあるため帯電部材に高電圧を印加しなければならなくなる。
そこで、L/L環境で帯電部材の抵抗値が1010Ωcm未満になるように、前述した電子導電機構を有する導電剤やイオン導電機構を有する導電剤を適宜添加して調整するのが好ましい。しかしながら、イオン導電機構を有する導電剤は抵抗値を低くする効果が小さく、特にL/L環境でその効果が小さい。そのため、イオン導電機構を有する導電剤の添加と併せて電子導電機構を有する導電剤を補助的に添加して抵抗調整を行ってもよい。
また、弾性層2bには、必要に応じて加硫剤が配合される。加硫剤としては、使用するゴムの種類により、硫黄系加硫剤、有機過酸化物、キノイド系加硫剤、樹脂架橋剤、金属酸化物架橋剤、アミン架橋剤、トリアジン系架橋剤、マレイミド系架橋剤、など公知の加硫剤を適宜使用できる。
弾性層2bには、この他に、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤等を添加してもよい。弾性層2bの製造方法は、公知の方法が使用でき弾性体素材を押出成形し、これを加熱して加硫硬化して芯金を圧入した後、所望の形状に研磨する方法、弾性体素材を、所定形状を有する金型内に注入するインジェクションやトランスファー等が挙げられる。
表面抵抗層2cに使用する結着樹脂の材料は、弾性層2bの染み出し防止やトナー等の付着性防止の観点から架橋性の樹脂が好ましく、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、RB(ブタジエン樹脂)、SBS(スチレン・ブタジエン・スチレンエラストマー)等のポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、PVC(ポリ塩化ビニル)、アクリル系樹脂、スチレン・酢酸ビニル共重合体、ブタジエン・アクリロニトリル共重合体等の高分子材料を用いることができる。表面抵抗層を形成するために、これらの材料の1種を用いても、2種以上を併用してもよい。また、表面抵抗層に、架橋剤を配合する場合、架橋剤としてはイソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、アミン系架橋剤など通常使われている架橋剤が使用できる。本発明では、表面抵抗層の成形性および柔軟性の観点からアクリル樹脂を使用し硬化剤としてイソシアネート系架橋剤を使用した。
また、帯電部材の表面粗さを調節するために、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等の粒子を混合することができる。
高分子原料に対する分散手段としては、ロールニーダー、バンバリーミキサー、ボールミル、サンドグラインダー、ペイントシェーカー等を適宜利用すればよい。
表面抵抗層2cの体積抵抗値は、像担持体への過剰電流を防止する点で1×104Ω・cm以上が好ましく、また、像担持体表面を帯電させるためには1×1013Ω・cm以下が好ましい。表面抵抗層の厚さは特に限定されないが通常1μmから50μm程度である。
表面抵抗層の被覆方法は、押出機等を使用してチューブ状に押出すと共に基材上に被覆される方法によっても製造されるが、好ましくは、スプレー、ディッピング、ロールコータ、コイルコータ、カーテンフローコータ、電着塗装、静電塗装、粉体塗装等の塗工により、液状塗料や粉体塗料を適宜使用して被覆層を設けることが基材との接着性、帯電部材の形状の安定性、基材との接着性などから好ましく、特に帯電部材がロール状の場合にはリング塗工が基材の膨潤がなく、軸方向における被覆層の厚み制御が容易で形状精度に優れることから好ましい。
表面抵抗層の被覆方法は、押出機等を使用してチューブ状に押出すと共に基材上に被覆される方法によっても製造されるが、好ましくは、スプレー、ディッピング、ロールコータ、コイルコータ、カーテンフローコータ、電着塗装、静電塗装、粉体塗装等の塗工により、液状塗料や粉体塗料を適宜使用して被覆層を設けることが基材との接着性、帯電部材の形状の安定性、基材との接着性などから好ましく、特に帯電部材がロール状の場合にはリング塗工が基材の膨潤がなく、軸方向における被覆層の厚み制御が容易で形状精度に優れることから好ましい。
本発明の画像形成装置について、実施の形態を詳細に述べる。
図1は本発明に従う電子写真装置の概略構成図である。本例の電子写真装置は、転写式電子写真利用の反転現像方式、接触現像方式の装置である。
像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体4は、矢示の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。
電子写真感光体の帯電手段としての帯電ローラ2(導電性ローラ)は、電子写真感光体4に所定の押圧力で接触させてあり、本例では帯電ローラを駆動し、電子写真感光体4と等速回転する。この帯電ローラ2に対して帯電バイアス印加電源3から所定の直流電圧(この場合−1300Vとした)のみが印加されることで回転する電子写真感光体4の面が所定の極性電位(暗部電位−700Vとした)に一様に接触帯電方式・DC帯電方式で帯電処理される。
10は露光手段であり、例えばレーザービームスキャナーである。回転する電子写真感光体4の一様帯電処理面に該露光手段10により目的の画像情報に対応した露光Lがなされることにより、電子写真感光体帯電面の露光明部の電位(明部電位−120Vとした)が選択的に低下(減衰)して静電潜像が形成される。
反転現像手段11は、電子写真感光体面の静電潜像の露光明部に、電子写真感光体の帯電極性と同極性に帯電(現像バイアス−350V)しているトナー(ネガトナー)を選択的に付着させて静電潜像をトナー画像として可視化する。
転写手段としての転写ローラ12は、電子写真感光体4に所定の押圧力で接触させて転写ニップ部を形成させてあり、電子写真感光体の回転と順方向に電子写真感光体の回転周速度とほぼ同じ周速度で回転する。また、転写バイアス印加電源S2からトナーの帯電極性とは逆極性の転写電圧が印加される。転写ニップ部に対して不図示の給紙機構部から転写材Pが所定の制御タイミングで給紙され、その給紙された転写材Pの裏面が転写電圧を印加した転写ローラ12によりトナーの帯電極性とは逆極性に帯電されることにより、転写ニップ部において電子写真感光体1面側のトナー画像が転写材Pの表面側に静電転写される。
転写ニップ部でトナー画像の転写を受けた転写材は、回転する電子写真感光体面から分離されて、不図示のトナー画像定着手段へ導入されてトナー画像の定着処理を受けて画像形成物として出力される。両面画像形成モードや多重画像形成モードの場合は、この画像形成物が不図示の再循環搬送機構に導入されて転写ニップ部へ再導入される。
本電子写真装置は、転写されず電子写真感光体上に残存したトナーを回収するクリーナー装置13を有する。
転写バイアスにより生じた電子写真感光体上の電荷を除電するための前露光手段としての光照射部材(不図示)は、前記転写工程後かつ帯電工程前の領域に照射されるように配置される。前記光照射部材からの除電光は、現像工程後かつ転写工程前の領域に照射されるように前記光照射部材を配置されてもよい。また、光照射部材からの除電光は、クリーニング工程後かつ帯電工程前の領域に照射されるように前記光照射部材を配置されてもよい。前記光照射部材からの除電光は前記カートリッジに設けることも可能であり、更に、前記電子写真装置本体に設けることも可能である。
本発明の帯電方法について説明する。
本発明は、また、本発明の帯電部材に直流電圧を印加することにより、像担持体を帯電させる帯電方法を提供する。
本発明のプロセスカートリッジについて説明する。
本発明は、像担持体と、前記像担持体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化しトナー像を形成させる現像手段と、前記被転写部材にトナー像が転写された後に前記像担持体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、から選ばれる1つ又は2つ以上が、本発明の帯電部材と一体に支持され、画像形成装置から着脱可能に構成されているプロセスカートリッジである。
本発明のプロセスカートリッジは、例えば、感光体ドラム4や帯電ローラ2、現像器11、クリーニングブレード13等が一体に支持された、画像形成装置の本体と脱着可能な構成である。
以下、本発明を、実施例を用いて、更に詳細に説明する。
下記の要領で本発明の帯電部材としての帯電ローラを作製した。
<弾性抵抗層の作製>
エピクロルヒドリンゴム(商品名:エピクロマーCG102、ダイソー(株)製)100質量部、充填剤としての炭酸カルシウム30質量部、カーボンブラック(商品名:シーストSO、東海カーボン製)5質量部、酸化亜鉛5質量部、ステアリン酸2質量部、可塑剤としてのDOP5質量部、4級アンモニウム塩2重量部、老化防止剤としての2−メルカプトベンズイミダゾール1質量部を60℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練し、原料コンパウンドを調整した。このコンパウンドに加硫促進剤としてのDM1質量部、加硫促進剤としてのTS1質量部、加硫剤としての硫黄1質量部を加えて更に15分間オープンロールで混練した。
エピクロルヒドリンゴム(商品名:エピクロマーCG102、ダイソー(株)製)100質量部、充填剤としての炭酸カルシウム30質量部、カーボンブラック(商品名:シーストSO、東海カーボン製)5質量部、酸化亜鉛5質量部、ステアリン酸2質量部、可塑剤としてのDOP5質量部、4級アンモニウム塩2重量部、老化防止剤としての2−メルカプトベンズイミダゾール1質量部を60℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練し、原料コンパウンドを調整した。このコンパウンドに加硫促進剤としてのDM1質量部、加硫促進剤としてのTS1質量部、加硫剤としての硫黄1質量部を加えて更に15分間オープンロールで混練した。
得られたコンパウンドを、ゴム押出機を使用して、熱硬化性接着剤(商品名:メタロックU−20)を塗布した直径6mm、長さ250mmの円柱形の導電性支持体(鋼製、表面はニッケルメッキ)の周囲にローラ状になるように成形し、電気オーブンの中で、160℃で2時間、加硫および接着剤の硬化を行った後、ゴム部分の両端部を突っ切り、ゴム部分を回転砥石で研磨し、端部直径12.00mm、中央部直径12.10mmのクラウン形状の弾性抵抗層を有する帯電ローラを得た。また、この帯電ローラの弾性抵抗層のJIS−A硬度は54度であった。
<表面層の作製>
ラクトン変性アクリルポリオール(商品名:プラクセルDC2009、ダイセル化学工業(株)製)200重量部を、500重量部のMIBK(メチルイソブチルケトン)に溶解し、固形分20重量%の溶液とした。このアクリルポリオール溶液200重量部に対してカーボンブラックをシリカに被覆した導電材料(一次粒子径 14nm、コート厚さ 2.0nm)30質量部、1×103Ωcm以上、1×108Ωcm以下の粉体抵抗を有する粉体として比表面積40m2/g、粉体抵抗5×104Ωcmの酸化亜鉛(商品名:パゼットAK ハクスイテック(株)製)50質量部平均粒径0.54μmのアクリル粒子(商品名:シーホスター KE−P50 (株)日本触媒製)を50質量部、これに直径0.8mmのガラスビーズ200重量部を加えて、450mlのビンに入れてペイントシェーカーを使い12時間分散した。
ラクトン変性アクリルポリオール(商品名:プラクセルDC2009、ダイセル化学工業(株)製)200重量部を、500重量部のMIBK(メチルイソブチルケトン)に溶解し、固形分20重量%の溶液とした。このアクリルポリオール溶液200重量部に対してカーボンブラックをシリカに被覆した導電材料(一次粒子径 14nm、コート厚さ 2.0nm)30質量部、1×103Ωcm以上、1×108Ωcm以下の粉体抵抗を有する粉体として比表面積40m2/g、粉体抵抗5×104Ωcmの酸化亜鉛(商品名:パゼットAK ハクスイテック(株)製)50質量部平均粒径0.54μmのアクリル粒子(商品名:シーホスター KE−P50 (株)日本触媒製)を50質量部、これに直径0.8mmのガラスビーズ200重量部を加えて、450mlのビンに入れてペイントシェーカーを使い12時間分散した。
金属酸化物の粉体抵抗は、Loresta−GP MCP−T600(三菱化学株式会社製)を用いて印加圧力を10MPaにして測定した。
樹脂粒子の平均粒径は、コールターマルチサイザー(コールター社製)を用いて、重量分布を測定して平均粒子径を求めた。
この分散液370質量部にヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型3量体(商品名:デュラネートTPA−B80E、旭化成工業製)を25重量部混合し、ボールミルで1時間攪拌して表層塗料を得た。
前記表層塗料をディッピンク法により前記導電性弾性体基層を有する帯電ローラの表面に塗工し、30分間風乾した後、160℃で120分間乾燥して、帯電部材1を得た。なお、帯電部材1のマイクロ硬度(JIS−A)は55度であった。また、得られた帯電ローラの温度25℃湿度50%における電気抵抗は1×106Ωであった。帯電部材の電気抵抗の測定は図3に示すような方法で行った。図中、2は帯電部材、15はステンレススチール製の円筒電極、16は抵抗、17はレコーダーを示す。これらの間の押圧力は用いられる画像形成装置と同様にし、外部電源3から−200Vを印加した際の抵抗値を測定したものである。帯電部材2の表面抵抗層をTEMで観測したところ、遊離のカーボンブラックが観測されなかった。
<導電材料の作製方法>
本発明のカーボンブラックで被覆したシリカは、カーボンブラックとシリカをホイール型混練機にて粉体にせん断力を加えることにより作製したものである。シリカは表面にシランカップリグ剤を糊剤として被覆したものを用いた。混練条件としては、混練時間、ホイール回転数は適宜設定し、カーボンブラックのほとんどがシリカに付着するまで混練する。このようにせん断を加えながらカーボンブラックを付着させることにより得られた導電粒子の表面にコートされたカーボンブラックはストラクチャー構造がなく、シリカの形状及び粒径を反映した構造となる。
本発明のカーボンブラックで被覆したシリカは、カーボンブラックとシリカをホイール型混練機にて粉体にせん断力を加えることにより作製したものである。シリカは表面にシランカップリグ剤を糊剤として被覆したものを用いた。混練条件としては、混練時間、ホイール回転数は適宜設定し、カーボンブラックのほとんどがシリカに付着するまで混練する。このようにせん断を加えながらカーボンブラックを付着させることにより得られた導電粒子の表面にコートされたカーボンブラックはストラクチャー構造がなく、シリカの形状及び粒径を反映した構造となる。
導電粒子のコート層厚さは、前記製造条件においてシリカ等のコア粒子に対するカーボンブラック等の導電材料の添加量により制御することができる。本実施例では一次粒子径14nmのシリカにカーボンブラックを厚さ2nmでコートさせるため、シリカ100質量部に対しシランカップリング剤を10質量部、カーボンブラックを110質量部添加して混練することにより作製した。
<帯電ローラの評価>
上記のようにして得られた帯電ローラを用いて、以下に示す方法で評価を行った。
上記のようにして得られた帯電ローラを用いて、以下に示す方法で評価を行った。
本試験で使用した電子写真式レーザープリンターは、出力スピード90mm/sec、画像の解像度は600dpiで、n枚目の紙とn+1枚目の紙の間(紙間)では転写バイアスをオフにする設定にしたものである。
前記プリンターに用いる感光体はφ30mmのアルミニウムシリンダーに膜厚18μmのOPC層をコートした反転現像方式の感光ドラムであり、最外層は変性ポリカーボネートをバインダー樹脂とする電荷輸送層である。
トナーは、ワックスを中心に荷電制御剤と色素等を含むスチレンとブチルアクリレートのランダムコポリマーを重合させ、更にポリエステル薄層を重合させシリカ微粒子等を外添した、ガラス転移点63℃、質量平均粒径6μmの重合トナーである。
一次帯電は、上記で得られた実施例1の帯電ローラを用い、画出し条件としては、直流電圧−1100Vを帯電ローラに印加し、感光ドラムの暗部電位VDが−500V付近となるようにしたDC帯電方式とした。
上記プリンターを用いて、温度15℃、湿度10%の低温低湿環境下において、ハーフトーン画像(幅1ドット、間隔2ドットの横線)を出力し、転写バイアスの履歴による帯電ムラの発生について画像評価を行った。評価結果を表1に示す。
この帯電ムラに起因する横スジの異常画像について、全く発生しなかったものを○、若干発生しているが実使用上問題ないものを△、はっきりと異常画像が確認できるものを×とした。評価の手順としては、1枚目の初期画像と20000枚連続で画像を出力した後の耐久後画像を評価した。また20000枚連続で画像を出力した後の耐久画像については、帯電部材表面の汚れに起因する、帯電部材の回転方向における縦スジ欠陥の発生について評価した。
帯電部材1の評価結果を表1に示す。
帯電部材1は初期画像及び耐久後の帯電ムラについては問題なかった。また耐久後の縦スジ欠陥、濃度ムラも発生しなかった。
樹脂粒子として平均粒径10μm(エポスターMA1010 (株)日本触媒製)を混合した以外は実施例1と同様に操作し、抵抗が8×106Ω、マイクロ硬度が60°の帯電部材2を作製した。帯電部材2の表面抵抗層をTEMで観測したところ、遊離のカーボンブラックが観測されなかった。
帯電部材2は初期画像及び耐久後の帯電ムラについては問題なかった。また耐久後の縦スジ欠陥、濃度ムラも発生しなかった。
樹脂粒子として平均粒径12μm(テクノポリマー MBX12 積水化成品工業(株)製)を混合した以外は実施例1と同様に操作し、抵抗が2×107Ω、マイクロ硬度が58°の帯電部材3を作製した。帯電部材3の表面抵抗層をTEMで観測したところ、遊離のカーボンブラックが観測されなかった。
金属酸化物として比表面積40m2/g、粉体抵抗5×104Ωcmの酸化亜鉛(商品名:パゼットAK ハクスイテック(株)製)50質量部を混合した以外は実施例1と同様に操作し、ローラ抵抗が3×106Ω、マイクロ硬度が55°の帯電部材3を作製した。帯電部材3の表面抵抗層をTEMで観測したところ、遊離のカーボンブラックが観測されなかった。
帯電部材3は初期画像及び耐久後の帯電ムラについては問題なかった。ただし耐久後に縦スジ欠陥が若干観測できたが実使用上問題ないレベルであった。
樹脂粒子として平均粒径0.12μm(シーホスターKEP−10 (株)日本触媒製)を混合した以外は実施例1と同様に操作し、抵抗が2×107Ω、マイクロ硬度が62°の帯電部材4を作製した。帯電部材4の表面抵抗層をTEMで観測したところ、遊離のカーボンブラックが観測されなかった。
帯電部材4の画像評価結果は、初期画像では帯電ムラによる異常画像の発生は無く、また耐久後の縦スジ欠陥、濃度ムラは無かった。ただし耐久後に帯電ムラが若干観測できたが実使用上問題ないレベルであった。
1×103Ωcm以上、1×108Ωcm以下の粉体抵抗を有する粉体として、比表面積30m2/g、粉体抵抗1×103Ωcmの酸化亜鉛(商品名:パゼットCK ハクスイテック(株)製)50質量部を使用し、樹脂粒子は添加しなかった以外は実施例1と同様に操作し、ローラ抵抗が8×105Ω、マイクロ硬度が65°の帯電部材5を作製した。帯電部材5の表面抵抗層をTEMで観測したところ、遊離のカーボンブラックが観測されなかった。
帯電部材5の画像評価結果は、耐久後の縦スジ欠陥、濃度ムラは無かった。ただし初期画像及び耐久後に帯電ムラが若干観測できたが実使用上問題ないレベルであった。
1×103Ωcm以上、1×108Ωcm以下の粉体抵抗を有する粉体として、比表面積60m2/g、粉体抵抗1×107Ωcmの酸化亜鉛(商品名:パゼットAB ハクスイテック(株)製)を使用した以外は実施例5と同様に操作し、ローラ抵抗が1×107Ω、マイクロ硬度が63°の帯電部材6を作製した。
帯電部材6の画像評価結果は、耐久後の縦スジ欠陥、濃度ムラは無かった。ただし初期画像及び耐久後に帯電ムラが若干観測できたが実使用上問題ないレベルであった。
[比較例1]
二酸化チタンを水に分散させた分散液を70℃に加温し、分散液をアンモニア水を用いてpH7前後に調節しながら、塩化第二スズを塩酸に溶かした溶液を添加し、ついで塩化インジウム、塩化第二スズを塩酸に溶かした溶液を1時間かけて添加した。分散液を濾過し、空気中で500℃にて1時間熱処理して、導電性酸化チタン粉体(比表面積8m2/g、粉体抵抗5×103Ωcm)を得た。
[比較例1]
二酸化チタンを水に分散させた分散液を70℃に加温し、分散液をアンモニア水を用いてpH7前後に調節しながら、塩化第二スズを塩酸に溶かした溶液を添加し、ついで塩化インジウム、塩化第二スズを塩酸に溶かした溶液を1時間かけて添加した。分散液を濾過し、空気中で500℃にて1時間熱処理して、導電性酸化チタン粉体(比表面積8m2/g、粉体抵抗5×103Ωcm)を得た。
1×103Ωcm以上、1×108Ωcm以下の粉体抵抗を有する粉体として、得られた酸化チタン粉体を使用した以外は実施例5と同様に操作し、ローラ抵抗が7×106Ω、マイクロ硬度が62°の帯電部材7を作製した。
帯電部材7の画像評価結果は、初期画像及び耐久後に帯電ムラが発生しており、実使用上問題があるレベルであった。また耐久後に縦スジ欠陥は発生しないが、濃度ムラが著しく発生した。
[比較例2]
二酸化チタンを水に分散させた分散液を75℃に加温し、分散液を、アンモニア水を用いて、pH7前後に調節しながら、塩化第二スズを塩酸に溶かした溶液を添加し、ついで塩化インジウム、塩化第二スズを塩酸に溶かした溶液を3時間かけて添加した。分散液を濾過し、空気中で500℃にて1時間熱処理して、導電性酸化チタン粉体を得た。ついで粉砕処理を行い、導電性酸化チタン粉体(比表面積75m2/g、粉体抵抗1×105Ωcm)を得た。
[比較例2]
二酸化チタンを水に分散させた分散液を75℃に加温し、分散液を、アンモニア水を用いて、pH7前後に調節しながら、塩化第二スズを塩酸に溶かした溶液を添加し、ついで塩化インジウム、塩化第二スズを塩酸に溶かした溶液を3時間かけて添加した。分散液を濾過し、空気中で500℃にて1時間熱処理して、導電性酸化チタン粉体を得た。ついで粉砕処理を行い、導電性酸化チタン粉体(比表面積75m2/g、粉体抵抗1×105Ωcm)を得た。
1×103Ωcm以上、1×108Ωcm以下の粉体抵抗を有する粉体として、得られた酸化チタン粉体を使用した以外は実施例5と同様に操作し、ローラ抵抗が4×107Ω、マイクロ硬度が68°の帯電部材8を作製した。
帯電部材8の画像評価結果は、初期及び耐久後の画像評価で帯電ムラが発生しており、実使用上問題があるレベルであった。また耐久後に縦スジ欠陥は発生しないが、濃度ムラが若干発生した。
本発明は上記の効果を有するものであり、帯電部材としても利用価値が高い。また、これはプロセスカートリッジや画像形成装置に利用されること大である。
2 帯電ローラ(導電性ローラ)
2a 導電性支持体
2b 弾性層(弾性抵抗層)
2c 表面層(表面抵抗層)
3 帯電バイアス印加電源
4 電子写真感光体(感光ドラム)
10 露光手段
11 現像器
12 転写ローラ
13 クリーニングブレード
15 ステンレススチール製の円筒電極
16 抵抗
17 レコーダー
P 転写材
S2 転写バイアス印加電源
2a 導電性支持体
2b 弾性層(弾性抵抗層)
2c 表面層(表面抵抗層)
3 帯電バイアス印加電源
4 電子写真感光体(感光ドラム)
10 露光手段
11 現像器
12 転写ローラ
13 クリーニングブレード
15 ステンレススチール製の円筒電極
16 抵抗
17 レコーダー
P 転写材
S2 転写バイアス印加電源
Claims (6)
- シリカ粒子の表面にカーボンブラックを被覆した導電性粒子と、1×103Ωcm以上、1×108Ωcm以下の粉体抵抗を有する粉体とを含有する抵抗層を具備している帯電部材において、該粉体は、比表面積が、30m2/g以上、60m2/g以下であることを特徴とする帯電部材。
- 該粉体が、酸化亜鉛である請求項1に記載の帯電部材。
- 該抵抗層が、更に体積基準の平均粒子径が0.5μm以上10μm以下の樹脂粒子を含んでいる請求項1又は2に記載の帯電部材。
- 像担持体と、前記像担持体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、前記像担持体の帯電面に静電潜像を形成する露光手段と、前記像担持体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化しトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を被転写部材に転写させる転写手段と、を有する画像形成装置において、前記帯電手段は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の帯電部材であり、該帯電部材に直流電圧のみを印加して前記像担持体を帯電させることを特徴とする画像形成装置。
- 像担持体を帯電手段で帯電させる帯電方法において、前記帯電手段が請求項1乃至3のいずれか1項に記載の帯電部材であり、該帯電部材に直流電圧のみを印加して前記像担持体を帯電させることを特徴とする帯電方法。
- 像担持体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化してトナー像を形成し、該トナー像を被転写部材に転写することにより画像を形成する画像形成装置から着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、前記像担持体と、前記像担持体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化しトナー像を形成させる現像手段と、前記被転写部材にトナー像が転写された後に前記像担持体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、からなる群より選ばれる少なくとも一つが、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の帯電部材と一体に支持されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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WO2022163128A1 (ja) * | 2021-02-01 | 2022-08-04 | Nok株式会社 | 帯電ロール |
-
2004
- 2004-09-14 JP JP2004266913A patent/JP2006084544A/ja not_active Withdrawn
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WO2022163128A1 (ja) * | 2021-02-01 | 2022-08-04 | Nok株式会社 | 帯電ロール |
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