JP5471085B2 - 帯電部材、帯電装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents
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Description
本実施形態に係る帯電部材の形状としては、特に限定されるものではないが、ロール形状、ブレード形状、シート形状、パッド形状等が挙げられる。これらの中でも、高い均一ニップ性等の点から、ロール形状(いわゆる帯電ロール)が好ましい。
帯電ロール10の導電性芯体14の材質としては、快削鋼、ステンレス鋼等が使用され、摺動性等の用途に応じて、材質および表面処理方法は適時選択され、導電性を有さない材質についてはメッキ処理等一般的な処理により加工されて導電化処理が行われてもよく、もちろんそのまま使用してもよい。また、帯電層16を介して感光体24と適度なニップ圧力で接触するため、ニップ時に撓みのない強度を持った材質またはシャフト長に対して十分剛性をもったシャフト径が選択されることが好ましい。
導電性芯体14の外周には、接着層を介して、帯電層16を形成してもよい。接着層を形成する接着剤としては、ポリオレフィン系、塩素ゴム系、アクリル系、エポキシ系、ポリウレタン系、ニトリルゴム系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、フェノール系、シリコーン系のゴムや樹脂やシランカップリング剤等の接着剤を用いればよく、特に制限はない。
帯電ロール10の帯電層(弾性層という場合もある)16を構成する材料としては、例えば、弾性を有するゴム等の弾性材、帯電層16の抵抗を調整するカーボンブラックやイオン導電剤等の導電剤の他に、必要に応じて軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、シリカおよび炭酸カルシウム等の充填剤等、通常ゴムに添加され得る材料を加えてもよい。帯電層16は、通常ゴムに添加される材料を添加した混合物を、導電性芯体の周面に被覆することにより形成される。抵抗値の調整を目的とした導電剤として、マトリックス材に配合されるカーボンブラックやイオン導電剤のような、電子およびイオンのうち少なくとも1つを電荷キャリアとして電気伝導する材料を分散したもの等を用いてもよい。また、上記弾性材は発泡体であってもかまわない。
表面層18の形成方法としては、表面層を形成するための表面層形成用液等を用いた、一般的な浸漬塗布法、ロール塗布法、スプレ塗布法、リング塗布法等、従来の方法を適用すればよい。表面層形成用液は、バインダ樹脂となる高分子材料等を水やアルコール等の溶媒で溶解し、必要に応じて精製し、溶液とした後、所望の添加物を添加して調製すればよい。
この方法の場合は、例えば、研削砥石の番手で調整するのが一般的であり、砥石番手を粗く(例えば、60番)すれば帯電層16の表面粗さは大きく(粗く)なり、砥石番手を細かく(例えば、200番)すれば、帯電層16の表面粗さは、小さく(細かく)なる。また、砥石番手が一定な場合、削り込む深さやワークの回転数、方向などで粗さが変わる傾向にある。
この方法の場合、例えば、上記表面層形成用液に粒子を添加すればよい。表面層18に添加する粒子としては、樹脂粒子、無機粒子等が挙げられる。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、像保持体と像保持体の表面を帯電させる前記帯電部材とを備える。本実施形態のプロセスカートリッジは、必要に応じて、帯電した像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、転写後の像保持体表面を清掃する像保持体清掃手段とからなる群より選択される少なくとも一種を備えていてもよい。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電させる前記帯電装置と、像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、転写後の像保持体の表面を清掃する像保持体清掃手段と、を備える。また、本実施形態に係る画像形成装置は、上記プロセスカートリッジを使用するものであってもよい。
[帯電ロールの作製]
<基本配合>
表1に帯電ロールの帯電層(弾性層)の基本配合を示す。
表1に示すポリマ(エピクロルヒドリンゴム)を12インチオープンロールで3分間素練りを行った後、オープンロール回転中にカーボンブラック、炭酸カルシウム、イオン導電剤を徐々に添加し、最後に加硫剤と加硫促進剤を混入させた後、5分間混錬を行った。
JIS G4804(2008)に規定されたSUM24L材の芯体表面にニッケルメッキおよびクロメート処理を施した直径8mmの導電性芯体に、下記接着剤および導電剤をボールミルで24時間分散したものを、刷毛塗りで塗布し、風乾して、厚さ10μmの接着層を形成し、芯体を得た。
接着剤(ポリオレフィン系 Chemlok250X:ロードファーイースト社製)
100質量部
導電剤(ケッチェンブラックEC:ライオン社製) 3.0質量部
ロール成形には、Φ14.5mmの内径を持つ射出成形用の円筒金型を用いた。金型は、ヒータによって170℃±5℃に保たれている状態であり、その中に上記芯体をセットした。その後、上記生ゴムを射出成形機にて金型内に注入し、3分間保持した後、金型から脱型した。
ロール成形後は、ロール温度が下がり、外径が熱収縮で安定するのを待つために、4時間放置した。その後、砥石粒度80番を搭載したトラバース研削盤で送り速度を毎分200mmで外径をΦ14mmに仕上げて、弾性ロールを得た。そのときの表面粗さは、JIS B0601(1982)に規定された十点平均粗さ(以下、単に「Rz」という場合がある)で6μmであり、端部に比べて中央部の外径は、55μm程度大きな状態に仕上げた(クラウン形状)。Rzは、表面粗さ測定装置(SURFCOM 1500DX、(株)東京精密社製)を用いて、測定長4mm、カットオフ波長0.8mm、測定倍率1,000倍、測定速度0.15mm/sec、カットオフ種類ガウシアン、傾斜補正最小二乗曲線補正の方法で測定した。
バインダ樹脂としては、ナイロン6をメトキシメチル化率30%でメトキシメチル化を施したファインレジFR101((株)鉛市社製)を選定した。バインダ樹脂の数平均分子量は、約20,000であった。バインダ樹脂20質量部をメタノール70質量部、ブタノール20質量部、水2質量部、クエン酸0.5質量部で溶解し、10時間放置した。その後、カーボンブラック(FW200:Degussa製)8質量部を溶解液に添加し、ダイノーミルを用いて60分間分散処理を施し、表面層材料導電液を作製した。
表面層材料導電液中の固形分100質量部に対して、平均粒径Φ5μmのナイロン粒子を20質量部入れ、ウエーブロータで6時間撹拌処理を行って、表面層形成用液を作製した。ナイロン粒子の平均粒径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて測定した。得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径としての平均粒径dとする方法により測定した。
表面層形成用液をディップ槽に入れ、外径を研削仕上げした弾性ロールを毎分300mmの速度で浸漬させたのち、帯電層全てが浸漬した状態で3秒間ホールドした後、毎分200mmの速度で引き上げた。この条件で付着した表面層の平均膜厚は、断面観察の方法で測定したところ、9μmであった。
表面層形成用液を弾性ロールにディップコートした後、室温下で1分間乾燥させた。そして、160℃に加温した加熱炉に投入して20分間焼成させ後、加熱炉から取り出し、室温(25℃程度)にて冷却を行い、表面層形成弾性ロールを得た。
図3に示すように、表面層の凹凸部の凸部に平滑部を形成するために、図8に示すような、1500番メッシュの紙やすり62を搭載した研磨機で表面層形成弾性ロール64の表面を研磨して、帯電ロールAを得た。表面層形成弾性ロール64の回転数は、80rpm、軸方向のトラバース速度は、毎分180mmの速度で移動させた。
<表面形態の観察>
帯電ロールAの表面層の凹凸部の観察は、カラー3Dレーザ顕微鏡(型式VK8550、(株)キーエンス社製)を用いて行った。観察条件は、対物レンズ50倍を用いて、帯電ロールの軸方向に800μm走査した。
帯電ロールAの表面層の凹凸をレーザ顕微鏡でプロファイルを描くと、図5に示すように、最表層側が平滑部34となっており、その平滑部34を有する凸部32の間に谷(凹部30)ができている。レーザ顕微鏡での高さデータは、帯電ロールの軸方向に走査0.2μm毎に行って計測し、プロファイルは、高さデータを10データ毎の移動平均で示した。平滑部34の長さ(A)と、平滑部34に隣接する谷(凹部30)の長さ(B)との関係AB比(B/A)、谷(凹部30)の深さ(L)を連続して10箇所計測し、平均値を特性値として捉えた。実施例1の帯電ロールAでは、表面層の凹凸部の凸部には平滑部が形成され、凸部の高さのばらつきは0.3μmであった。また、AB比(B/A)が1.5、Lが5μmであった。
実施例1の方法で作製した帯電ロールAを、画像形成装置DocuCenterColor a450(富士ゼロックス社製)のプロセスカートリッジに組み込み、耐久性評価を実施した。帯電ロールは、感光体に対して片側600gの荷重が架かるようにコイルバネでベアリングを受けた。耐久性試験の環境は、画質欠陥が顕著に表れる低温低湿下である10℃、15%RHの環境で実施した。画像パターンは、A4サイズ横長方向に全面ハーフトーン30%濃度で連続して印刷した。帯電ロールの表面層のひび割れの発生などを目視により確認した。
帯電層の外径仕上げの送り速度を毎分400mmで研削してΦ14mmに仕上げた以外は、実施例1と同様にして、帯電ロールBを得た。弾性ロールの表面粗さは、Rzで8μm程度であった。帯電ロールBでは、表面層の凹凸部の凸部には平滑部が形成され、凸部の高さのばらつきは0.4μmであった。また、AB比(B/A)が3.0、Lが5μmであった。結果を表3に示す。
帯電層の外径仕上げにおける砥石種を目が細かい150番で実施した以外は、実施例1と同様にして、帯電ロールCを得た。弾性ロールの表面粗さは、Rzで5μm程度であった。帯電ロールCでは、表面層の凹凸部の凸部には平滑部が形成され、凸部の高さのばらつきは0.5μmであった。また、AB比(B/A)が0.6、Lが5μmであった。結果を表3に示す。
表面層材料導電液の調液において、ブタノールを20質量部から30質量部に増量してレベリング性を上げた以外は、実施例1と同様にして、帯電ロールDを得た。帯電ロールDでは、表面層の凹凸部の凸部には平滑部が形成され、凸部の高さのばらつきは0.4μmであった。また、AB比(B/A)が1.5、Lが2μmであった。結果を表3に示す。
帯電層の外径仕上げにおける砥石種を目が粗い60番で実施し、さらに、表面層材料導電液の調液において、水を2質量部から1質量部に減量し、ブタノールを20質量部から10質量部に減量してレベリング性を下げた以外は、実施例1と同様にして、帯電ロールEを得た。弾性ロールの表面粗さは、Rzで9μm程度であった。帯電ロールEでは、表面層の凹凸部の凸部には平滑部が形成され、凸部の高さのばらつきは0.4μmであった。また、AB比(B/A)が1.5、Lが10μmであった。結果を表3に示す。
帯電層16の研削条件を変更してAB比を形成した以外は、実施例1と同様にして、帯電ロールFを得た。帯電ロールFでは、表面層の凹凸部の凸部には平滑部が形成され、凸部の高さのばらつきは0.5μmであった。また、AB比(B/A)が4、Lが5μmであった。結果を表3に示す。
帯電層16の研削条件を変更してAB比を形成した以外は、実施例1と同様にして、帯電ロールGを得た。帯電ロールGでは、表面層の凹凸部の凸部には平滑部が形成され、凸部の高さのばらつきは0.5μmであった。また、AB比(B/A)が0.4、Lが5μmであった。結果を表3に示す。
帯電層の外径仕上げにおいて、目が粗いプランジ砥石60番を用い、さらに、表面層材料導電液の調液において、水を2質量部から1質量部に減量し、ブタノールを20質量部から10質量部に減量してレベリング性を下げた以外は、実施例1と同様にして、帯電ロールHを得た。帯電ロールHでは、表面層の凹凸部の凸部には平滑部が形成され、凸部の高さのばらつきは0.3μmであった。また、AB比(B/A)が0.6、Lが14μmであった。結果を表3に示す。
表面層材料導電液に、分散助剤(安定化剤)としてブチラール樹脂を10質量部添加した以外は、実施例1と同様にして、帯電ロールIを得た。帯電ロールIでは、表面層の凹凸部の凸部には平滑部が形成され、凸部の高さのばらつきは0.2μmであった。また、AB比(B/A)が1.5、Lが1μmであった。結果を表3に示す。
表面層の平滑部を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、帯電ロールJを得た。結果を表3に示す。帯電ロールJでは、表面層の凹凸部の凸部には、平滑部はなく、凸部の高さのばらつきは8μmであった。凸部の頂点と凹部の底の高低差は、30μm以上40μm以下程度発生していた。
Claims (4)
- 導電性芯体と、
前記導電性芯体上に形成された、帯電層と、表面層と、
を有し、
前記表面層が、N−メトキシメチル化ナイロンとポリアミド樹脂粒子とを含み、
前記表面層の表面には凹凸部を有し、前記凸部が平滑部を有し、
前記凸部の平滑部の長さをA、凹部の長さをBとしたとき、B/Aが0.6以上3.0以下の範囲であり、
前記凹部の深さが、2μm以上10μm以下の範囲であることを特徴とする帯電部材。 - 請求項1に記載の帯電部材を備えることを特徴とする帯電装置。
- 像保持体と、前記像保持体を帯電する請求項1に記載の帯電部材とを備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 像保持体と、前記像保持体を帯電する請求項1に記載の帯電部材と、前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
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