JP3705516B2 - 半導電性シリコーンゴムスポンジロールの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真方式を利用した、プリンター、コピー、ファックス等に使用される半導電性シリコーンゴムスポンジロール(以下ではロールと略称する場合もある)の製造方法に関し、特にスポンジセル径が小さく、ロールの周方向の電気抵抗値のバラツキが小さい、高速且つ高解像度のプリンター、コピー、ファックス等に用いて好適な半導電性シリコーンゴムスポンジロールの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置としては帯電、露光、現像、転写および定着の各工程によって印刷物を得る方法が一般的である。帯電工程では感光体の表面に均一な電荷を付与し、露光工程では原稿からの反射光、レーザー光、LED光等の照射により感光体上に静電潜像を形成させる。現像工程ではトナー等により静電潜像を可視化する。転写工程では可視化された像を静電的に記録紙上に転写する。定着工程ではトナーを記録紙上に加熱、加圧定着させる。以上の5工程により印刷物を得る。
半導電性ロールは露光、定着工程以外の3工程で使用される。また、転写工程後の感光体表面に付着したトナーによる汚れを除去するのにロールが用いられることがあり、さらに現像用ロールにトナーカートリッジからトナーを搬送する際に半導電性ロールが用いられることもある。これらを総合すると最大5種類の半導電性ロールが用いられることになる。
このうち転写用ロールは、ニップ幅を大きくとり、クリーニング用ロールは感光体との密着をよくする、トナー搬送ロールは表面の凹凸でより多くのトナーを搬送する必要があるためスポンジが用いられることがある。
【0003】
これらロールを製造するための配合は、通常の絶縁性シリコーンスポンジを製造するときのような、アシル系過酸化物を用いるとカーボンブラックによる架橋阻害を受けるため、架橋阻害を受けない付加架橋用の配合が用いられる。また付加架橋用の配合は常温焼け(スコーチ)などを発生させ取扱いの難しさがあるため、架橋阻害を改良した様々な過酸化物も使われてきている。一方発泡剤としてははアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)が良好なスポンジセルを得るのに好適なので、一般に用いられている。
また発泡、架橋による方法では、熱風加熱炉、赤外線加熱炉、UHF加熱炉等の加熱装置を用い、常圧近傍で行われてきた。これは過度に加圧するとセルが形成されにくく、良好なスポンジが得られにくいためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記で要求される特性からしてロールを発泡させる目的は、トナー搬送用ロール以外については、軟らかく、変形し易くすることにある。この所望の軟らかさは30。Hs(アスカーC硬度)以下が好ましい。
しかし近年電子写真方式を利用したプリンター等のスピードアップや高解像度化が進み状況が変化してきている。スピードアップは短時間の電荷移動を必要とし、電界を強くするために各ロールへの印加電圧あるいは印加電流を上昇させる必要が生じ、また高解像度化により従来の粉砕トナーからより小粒径の重合トナー等への移行を余儀なくされている。これらの事情から従来の各半導電性ロールでは必ずしも満足できない点がでてきた。
【0005】
即ちクリーニング用ロールにおいてはトナーが重合トナーなどのように小粒径になり、スポンジセル径が大きいと感光体との間にできたすき間に重合トナーが入り込み、クリーニングが十分にできなくなるおそれがある。また転写用ロールにおいては電界の強さがセルの影響を受けて、スポンジセルが印字画像に写ることもある。またトナー搬送ロールはその目的からしてもあまり問題はないが、現像ロールへのトナー供給量がスポンジセルの影響で微妙に変動し、それが画質に影響するという問題も起こっている。これらの悪影響の無いスポンジロールを得るには、スポンジセル径を 0.2mm以下にすることが必要とされている。それで、ロールを非発泡ロールとすることも検討されたが、非発泡ロールでは前述したような軟らかさを実現できないのでロールの発泡時にできる表面の非発泡スキン層を残したスキン層付きロールや、ロールの表面に非発泡ゴム層を被覆した2層あるいは多層ロールも提案されてはいる。しかしスキン層付きロールでは通常円筒状の金型内で発泡させて外径を規制しながら成形するのであるが、ロールの外径やその振れを精度よく仕上げるのが難しく、離型が難しい上、連続成形も時間がかかる。また得られたスキン層は厚さが十分ではなく、プリンター等に組込んだ状態での長期間の使用には問題がある。また2層あるいは多層の被覆タイプのロールは、一度製造したロール上に、もう一度ソリッド層を形成するための工程が必要で、そのため工程数が多くなり生産性が極端に悪くなる。
【0006】
一方、上記従来の技術の項で述べた方法により得られるスポンジロールのスポンジセル径はせいぜい約0.3 〜2mmであり、架橋速度を調整するなどしても 0.3mm未満のスポンジセルを得るのは実際的に不可能であった。
また微細なスポンジセルを得るために、未硬化状態のシリコーンゴムをプレスした後に、常圧で発泡、架橋させる方法も提案されているが、プレスすると金型のパーティング(合わせ目)で材料の逃げによる流れが発生すると同時に圧力も局部的に低下し、電気抵抗値が他の部分と大きく異なるという問題が起こる。即ちこの方法により得られたロールを、電子写真方式を利用したプリンター、コピー、ファックス等に組込み使用すると、ロールの周方向で画質にむらが発生する。また金型のパーティング部分は、しばしば他の部分より温度が低くなっているので、このパーティング部分だけ架橋反応の進行が遅れ気味になり、スポンジセル径が他の部分と異なるものとなるケースもある。
【0007】
本発明はこれら問題点を解決するためになされたもので、電子写真方式を利用した、プリンター、コピー、ファックス等に使用されるロールの製造方法に関し、特にスポンジセル径が 0.2mm以下と細かく、ロールの周方向の電気抵抗値のバラツキが小さい、高速かつ高解像度のプリンター、コピー、ファックスなどに用いて好適なロールの製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記諸問題点を解決すべく鋭意検討の結果、カーボンブラックを配合したビニル基含有シリコーンゴムコンパウンドに付加反応架橋剤および発泡剤のアゾジカルボンアミドを添加してなる未架橋組成物を導電性芯体の周囲に一体押出ししてロール層を成形後、40〜80℃の温度で 0.5〜10時間加熱し、次いで炉内温度 200℃〜 500℃の架橋炉で 0.5〜30分発泡、架橋させるロールの製造方法を完成した。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明においては、ビニル基含有シリコーンゴムコンパウンドは予めビニル基含有シリコーンゴムに導電性付与剤としてのカーボンブラックが配合されてなるが、このカーボンブラックはアセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等が例示される(これらはタイヤなどに用いられる補強用のカーボンブラックとは異なる)。導電性のアセチレンブラックや高導電性のファーネスブラックを使用する場合、ビニル基含有シリコーンゴムコンパウンド 100重量部に対し、その1〜30重量部を添加すれば、所望の半導電性(導電性芯体とロール表面間の抵抗値 103〜 109Ω)を得るのに十分であるが、導電性付与剤として比較的低導電性の、低導電性ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラックを使用する場合はビニル基含有シリコーンゴムコンパウンド 100重量部に対し20〜 100重量部を添加し所望の半導電性とする。この所望の抵抗値は、プリンター、コピー、ファックス等の仕様にあわせて適宜103 〜109 Ωの範囲の値から選択設定される。またカーボンブラックの選定にあたっては、本発明における付加架橋を阻害しないように、硫黄や各種金属などの不純物の少ないものを選定するのが好ましい。
【0010】
ビニル基含有シリコーンゴムは、ビニル基含有ジメチルシリコーン生ゴム、ビニル基含有メチルフェニルシリコーン生ゴム、ビニル基含有フルオロシリコーン生ゴムから選ばれる1種または2種以上の組み合わせの生ゴムに煙霧質シリカ、沈降性シリカまたは必要に応じてこれらの表面をシラン、シロキサンなどで処理して疎水化したシリカなどの補強性シリカ充填剤を添加したものである。補強性シリカ充填剤は、生ゴムだけの硬化物では機械強度が非常に弱いので、これを強化するために添加する。この添加量は上記各生ゴム 100重量部に対して30重量部以下とする。30重量部を超えて添加すると、得られる半導電性シリコーンゴムスポンジゴムロールの硬度が高くなり、所望の軟らかさを得ることができない。また耐熱性向上剤や硬度を調整するために非補強性シリカを添加することは任意である。
【0011】
付加反応架橋剤は、1分子中に珪素原子と結合する水素原子を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと触媒量の白金系触媒とからなる。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの添加量は、導電性付与剤としてのカーボンブラックを配合したビニル基含有シリコーンゴムコンパウンド 100重量部に対し1〜5重量部が好ましい。1重量部未満ではスポンジセル径が微細にならず、得られる半導電性シリコーンゴムスポンジロールの変形に対する戻りも悪くなり、5重量部を超えると低温でガスを発生し、得られるスポンジセル径が不均一となり、機械的強度がかえって低下することもある。白金系触媒は塩化白金酸、白金オレフィン錯体、白金黒等が例示される。この添加量は触媒量であるが、導電性付与剤としてのカーボンブラックを配合したビニル基含有シリコーンゴムコンパウンドに対し、白金元素量で1〜1,000ppmの範囲が好ましい。1ppm 未満では架橋反応が十分に進まず、1,000ppmを超えて添加しても架橋反応に影響はなくかえって不経済である。また常温でのスコーチを防止する目的で反応制御剤を適宜添加するのがより好ましい。
【0012】
発泡剤としてアゾジカルボンアミドを特に本発明で使用する理由は、従来よく使用されてきたアゾビスイソブチロニトリルなどと異なりその分解温度が高いことである。即ち均一、微細なスポンジセルを得るには硬化反応がある程度進行してから発泡剤が分解し、ガスが発生するのがよい。発泡剤の分解温度が低くて、発泡剤の分解、ガス発生が硬化反応より先行するとセルが粗大に成長したり、セルが破れたりして良好なスポンジロールを得ることができないからである。この発泡剤の単品は約 200℃の分解温度を有するが、尿素や酸化亜鉛等の助剤を加えて分解温度を低下させることもできる。しかし、この助剤を多く添加すると部分的に助剤の密度が高くなった部分のアゾジカルボンアミドが低温で分解ガスを発生し、得られるスポンジセル径が不均一となるので、分解温度の調整は 170℃以上とするのが好ましい。このアゾジカルボンアミドの添加量は、カーボンブラックを配合したビニル基含有シリコーンゴムコンパウンド 100重量部に対し1〜5重量部が好ましい。1重量部未満だと十分に発泡せず、所望の軟らかさにならず、5重量部を超えるとスポンジセルの径が大きくなり、スポンジロールの空隙率が大きくなり過ぎ、場合によってはスポンジロールが割れてしまうことがある。
【0013】
この組成物の混練に際しては、公知の混練方法でよく、例えば加圧ニーダー、バンバリーミキサー、ミキシングロール、プラネタリーミキサー等で均一に混練すればよい。オルガノハイドロジェンポリシロキサンは投入するとただちに白金系触媒と反応が始まるので成形加工の直前に、発熱の少ないミキシングロールに投入し均一に混練するのが好ましい。
【0014】
上述のようにして得られた未架橋組成物を導電性芯体の周囲に一体押出ししてロール層を形成させるが、この導電性芯体は、電子写真装置に組み込まれた状態では、駆動装置に連結されて回転駆動され、また電気的に接地あるいは、回路と接続されてバイアス電圧を印加される。この芯体の材質としては、鉄、アルミニウム、アルミニウム合金や真鍮等の導電性金属またはこれらの表面に無電解ニッケルメッキ等の処理を施したもの、あるいは熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂で成形された軸状部材に導電性のメッキを施したもの、あるいはカーボンブラックや金属粉等の導電性付与剤を配合した樹脂を軸状に成形したもの等が用いられる。ロール層を形成する未架橋組成物の発泡、架橋と同時にロール層を導電性芯体に強固に接着させるために、導電性芯体の周囲に未架橋組成物よりなるロール層を成形する前に、予めこの導電性芯体にシランカップリング剤などによるプライマー処理を施してもよい。上記一体押出し操作は、押出し機の先端にクロスヘッドを取り付けた成形装置を用い、上記未架橋組成物を押出しながらクロスヘッド内に上記導電性芯体を挿入し、導電性芯体断面に対して未架橋組成物の成形体断面の形状が略同心円状になるように成形する。その後ロール両端のゴムの不要な部分を加熱前に取り除く。
この時、導電性芯体を成形金型内にセットした後、金型内に上記未架橋組成物を注入して加熱、架橋させる射出成形法、あるいは導電性芯体と未架橋組成物を金型内で同時に加熱、圧縮して成形するプレス成形法を用いることは出来ない。なぜならこの二つの成形法では、金型のゲートやパーティング付近で未架橋組成物の流れ方や圧力が異常となり、この部分で電気抵抗値が異常になってしまうからである。
【0015】
加熱方法は、まず40〜80℃の範囲内の温度で 0.5〜10時間加熱するが、温度が40℃未満では架橋が十分に進まず、得られるスポンジセル径が大きくなり、80℃を超えると 0.5時間未満の加熱時間に制御しなければらず、発泡の制御が難しくなり、80℃超、 0.5時間超の条件で加熱すると完全に架橋してしまい、その後の加熱で発泡しなくなるからである。加熱時間を 0.5時間未満にすると発泡の制御が難しくなり、10時間を超えると発泡が安定せず、且つ不経済となる。従って最終的にセルが微細で、均一なスポンジが得られるように、温度と時間を上記範囲から選んで設定する。
【0016】
次の加熱は炉内温度 200℃〜 500℃の架橋炉に 0.5〜30分投入するのであるが、 200℃未満では発泡剤が完全に分解しない場合がある。また 500℃を超えると 0.5分未満に加熱時間を調節しなければならず、その条件では気泡径の制御が難しくなり、スポンジロールが炎上してしまう危険もある。この投入時間は 0.5分未満では発泡が不十分となるし、低温であったとしても30分以下で発泡、架橋を終了させることができる。この場合も最終的にセルが微細で、均一なスポンジが得られるように、温度と時間を上記範囲から選んで設定する。
【0017】
また加熱用装置及び架橋炉は、熱風加熱炉、赤外線加熱炉、UHF加熱炉等の従来公知の加熱装置を用いることができる。前記のようにプレス加熱を用いるとロールの周方向の電気抵抗値やスポンジセル径が不均一となるのでこの加熱方法を用いることができない。これら加熱用装置の内圧は通常常圧に保たれるが、熱風の吹き込みなどにより若干炉内圧力が高くなってもよい
本発明により得られる半導電性シリコーンゴムスポンジロールは、成形後に熱風乾燥炉等を用いて二次架橋を行い物性を安定させることができる。そしてこの半導電性シリコーンゴムスポンジロールは、成形後スキン層付きの状態で使用することもできる。この場合、得られるスキン層は厚さが十分ではないが、プリンター等に組込んだ状態での長期間使用後スキン層が摩耗したとしても、表面に表れるスポンジセルは微細セルであるので画像に悪影響はない。しかしより好ましくは、半導電性シリコーンゴムスポンジロールの外周面を円筒研削盤等により表面研磨してスキン層を取り除き、所望の外径値に仕上げるのがよい。
【0018】
本発明によれば、まず付加架橋により低温で、しかもプレス成形を用いずに、ある程度架橋を進行させることができ、その後高温、短時間で発泡、架橋させることによりスポンジセル径が 0.2mm以下になるように成形することが可能である。従来プレス成形法を用いた目的は、未架橋組成物が発泡剤による発泡前に、含有する水分等により発泡するのを防ぐことであった。これは一度発泡が起こるとそのセルが核となり、発泡剤による発泡前に大きなセルに成長してしまうからであるが、本発明によればプレス成形を用いなくても同様の効果が得られる。そしてプレス成形を採用しないから、金型のゲートやパーティング付近の電気抵抗値やスポンジセル径が異常になる現象も起こらない。
【0019】
【実施例】
以下実施例により本発明を詳細に説明するが本発明はこれらに限定されない。
【0020】
(実施例1〜3)
ビニル基含有シリコーンゴム・KE151U[信越化学工業(株)製商品名]とビニル基含有シリコーン生ゴム・KE78VBS [信越化学工業(株)製商品名]を1:1に混合し調製したビニル基含有シリコーンゴム 100重量部に、ファーネスブラック15重量部、付加反応架橋剤・C−19A[信越化学工業(株)製商品名]1重量部とC−19B[信越化学工業(株)製商品名]3重量部及びアゾジカルボンアミド[大塚化学(株)製]3重量部を加え、ミキシングロールでよく混練して未架橋組成物を調製した。
導電性芯体として硫黄快削鋼(JIS SUM22 )にニッケル無電解メッキを施した直径8mm、長さ 240mmのシャフトを用い、このシャフトにシリコーン系プライマーNo.101AとNo.101Bを1:1に混合したもの[共に信越化学工業(株)製商品名]を塗布し、これを熱風加熱炉中で 150℃で20分間焼き付け処理し、導電性芯体を調製した。
次にクロスヘッドを備えた押出し機で、上記未架橋組成物を上記導電性芯体周囲に外径15mmで、芯体断面形状に対し同心円状に一体押出しした後、両端20mmの未架橋組成物を取り除いた。得られた一体押出し物をそれぞれ40、60、80℃の熱風乾燥炉中に5時間投入後、 400℃に設定した赤外線加熱炉に5分間投入した。これを 200℃、4時間で二次架橋した後、円筒研削盤で研磨し、外径18mmのロールとした。熱風乾燥炉の温度40℃、60℃、80℃の順にそれぞれ実施例1、2、3とする。また初めの加熱を第1加熱、次の加熱を第2加熱とした。
得られた半導電性シリコーンゴムスポンジロールの各物性値の測定評価は、硬度、平均セル径、電気抵抗値バラツキの3点で行った。硬度の測定方法はアスカーCによった。平均セル径の測定方法は、5mm角に切ったスポンジ表面にあらわれているセルの直径を光学顕微鏡で全数測定し平均値をもとめた。電気抵抗値のバラツキは、まず図1に示す方法で半導電性シリコーンゴムスポンジロール2の電気抵抗値を測定し、半導電性シリコーンゴムスポンジロールを電極3から離した後、角度22.5度づつ回転させロール周方向の16点の電気抵抗値を測定し、その最大値÷最小値により求めた。それぞれの好ましい値は、硬度は30。Hs以下、平均セル径は 0.2mm以下、電気抵抗値バラツキは 1.5以下である。加熱温度及び得られた物性値を表1に示した。
【0021】
(比較例1、2)
実施例1〜3で用いたものと同じ一体押出し物を35、85℃(各々この順に比較例1,2とする)の熱風乾燥炉中に5時間投入(一次加熱)後 400℃の赤外線加熱炉に5分間投入(2次加熱)した。これを 200℃、4時間で二次架橋した後、円筒研削盤で研磨し、外径18mmのロールとした。実施例1〜3と同様に各物性値を測定し結果を表1に示した。
(比較例3)
実施例1〜3で用いたのと同じ一体押出し物を外径16mmの金型でプレス成形し60℃で5時間加熱した。その後 400℃の赤外線加熱炉に5分間投入した。これを 200℃、4時間で二次架橋した後、円筒研削盤で研磨し外径18mmのロールとした。同様に各物性値を測定し結果を表1に示した。この比較例3で得られたロールは、金型のパーティングにあたる部分にセルの異常によるスジが2本見られた。
【0022】
【表1】
【0023】
(実施例4、5)
実施例1〜3で用いたのと同じ一体押出し物を60℃の熱風乾燥炉中に5時間投入(一次加熱)後 200、 500℃に設定した赤外線加熱炉に5分間投入(2次加熱)した。これを 200℃、4時間で二次架橋した後、円筒研削盤で研磨し、外径18mmのロールとした。赤外線加熱炉の温度 200℃、 500℃の順にそれぞれ実施例4、5とした。実施例1〜3と同様に各物性値を測定し結果を表2に示した。
【0024】
(比較例4、5)
実施例1〜3で用いたのと同じ一体押出し物を60℃の熱風乾燥炉中に5時間投入後、 180、 520℃に設定した赤外線加熱炉に5分間投入した。これを 200℃、4時間で二次架橋した後、円筒研削盤で研磨し、外径18mmのロールとした。赤外線加熱炉の温度が低い順にそれぞれ比較例3、4とした。同様に各物性値を測定し結果を表2に示した。
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、従来の製造方法、特にアゾビスイソブチロニトリルを用いた加熱、架橋、発泡を一度の加熱で行うものに比べ、格段に微細なセルを有し、電気抵抗値の周方向のバラツキが小さい、半導電性シリコーンゴムスポンジロールを得ることができる。また、スキン層付きロールや、2層あるいは多層ロールと比較しても耐久性、経済性に優れた半導電性シリコーンゴムスポンジロールが得られ、高速かつ高解像度のプリンター、コピー、ファックス等に用いて好適であり、産業上の利用価値は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における抵抗値の測定方法を説明する略図である。
【符号の説明】
1 導電性芯体、
2 半導電性シリコーンゴムスポンジロール、
3 電極、
4 抵抗測定器。
Claims (1)
- カーボンブラックを配合したビニル基含有シリコーンゴムコンパウンドに付加反応架橋剤および発泡剤のアゾジカルボンアミドを添加してなる未架橋組成物を導電性芯体の周囲に一体押出ししてロール層を成形後、40〜80℃の温度で 0.5〜10時間加熱し、次いで炉内温度 200℃〜 500℃の架橋炉で 0.5〜30分発泡、架橋させることを特徴とする半導電性シリコーンゴムスポンジロールの製造方法。
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