JP2014126680A - 帯電部材および電子写真装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子写真装置の帯電部材において、スティックスリップを軽減することで、高速・高耐久の電子写真装置等にも好適に用いることのできる帯電部材を提供する。
【解決手段】導電性基体201と、導電性弾性層202とを有する帯電部材において、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、エピクロルヒドリンゴムから選ばれる少なくとも1種のゴムと、多中空粒子203とを用いて導電性弾性層を形成し、中空粒子をアクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリロニトリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を用いて形成し、多中空粒子の少なくとも一部の粒子を導電性弾性層から露出させ、かつ導電性性層表面に多中空粒子の中空部分に由来する凹部を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真装置に用いられる帯電部材および電子写真装置に関する。
電子写真方式を採用した電子写真装置は、主に、電子写真感光体、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置及び定着装置からなる。帯電装置における帯電方式には、電子写真感光体の表面に接触又は近接配置された帯電部材に電圧(直流電圧のみの電圧又は直流電圧に交流電圧を重畳した電圧)を印加することによって電子写真感光体の表面を帯電する方式が採用されている。
帯電を安定に行う、及び、オゾンの発生を低減するという観点から、接触式の帯電方式が好んで用いられている。接触式の帯電方式の場合、ローラ形状の帯電部材(以下、「帯電ローラ」と呼ぶ)が好んで用いられている。また、帯電ローラは、回転する電子写真感光体に対して、バネ等の所定の押し圧力により当接され、従動回転するように配置される。そのため帯電ローラは軸両端から当接のための加圧が付与される構成で用いられることが多い。通常の円柱形状では構造上中央部分の加圧が弱くなり、電子写真感光体と帯電ローラの間に隙間が発生してしまうことがある。上記の理由により、帯電ローラを電子写真感光体に対して帯電ローラ軸方向に均一な圧力で接触させるため、帯電ローラの軸方向の中央が端部よりも太い外径を有するクラウン形状に形成した帯電ローラが開示されている(特許文献1参照)。
特開2010−243797号公報
また、近年のプリンタ及び複写機に代表される電子写真方式を採用する画像形成装置においては、高速化・高耐久化への要求がより一層高まっている。像形成速度(以下、プロセススピードと記す)を向上させ、さらに帯電部材及び電子写真感光体(以下、「感光体」と呼ぶ)を含むユニットの目標とする耐久寿命値が伸びている。
しかしながら、特許文献1記載の方法は、塗膜層の厚みを帯電部材の長手方向で変えることでクラウン形状を形成しているため、プロセススピードの向上により、感光体と帯電部材が従動するときに帯電部材にかかるねじれが大きくなってしまう場合がある。その結果、帯電部材にかかるねじれが開放されるときに生じるスティックスリップが発生しやすくなる場合があった。
更に、電子写真装置における高速化、高耐久化及び高画質化等のための改良に伴い、改良以前には発生しなかった画像が、顕在化する場合が懸念される。そのため帯電部材の長手方向全域にわたる回転安定性を向上することは、より安定した帯電性能および電子写真性能を得るために解決すべき課題であると、本願発明者らは認識した。
本発明の目的は、電子写真装置の帯電部材において、スティックスリップを軽減することで、高速・高耐久の電子写真装置等にも好適に用いることのできる帯電部材を提供することにある。また、本発明の他の目的は、高品位な電子写真画像の形成に資する電子写真装置を提供することにある。
本発明によれば、
導電性基体と、導電性弾性層とを有する帯電部材において、
該導電性弾性層は、バインダーとして、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、エピクロルヒドリンゴムから選ばれる少なくとも1種のゴムを含み、
該導電性弾性層は、多中空粒子を、該導電性弾性層から一部が露出した状態で保持しており、
該帯電部材は、該多中空粒子の中空部分に由来する凹部を表面に有し、
該多中空粒子は、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリロニトリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂及びこれらの樹脂を構成するモノマーの1種以上を含む共重合体樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含んでいる
帯電部材が提供される。
また、本発明によれば、電子写真感光体と、該電子写真感光体に接触配置される帯電部材とを具備しており、該帯電部材が上記の帯電部材である電子写真装置が提供される。
本発明によれば、使用する環境によらず、高速印刷や長期使用における多数枚印刷において、帯電部材のスティックスリップを抑制し、帯電部材の長手方向全域にわたる回転安定性が向上される。更に、本発明によれば、帯電部材の長手方向全域にわたる回転安定性の低下に伴う異常放電に起因した横縞状のバンディング画像の発生を抑制することができる。
導電性の軸芯体上に導電性弾性層を形成する工程の概略図である。 本発明に係る帯電部材(ローラ形状)の軸方向に対して直交する断面を示す模式図である。(a)は、導電性基体201と導電性弾性層202を有する帯電ローラの模式的断面図であり、(b)は表面層205を更に有する帯電ローラの模式的断面図である。 本発明に係る帯電部材(平板形状)の断面を示す模式図である。(a)は、導電性基体201と導電性弾性層202を有する帯電ローラの模式的断面図であり、(b)は表面層205を更に有する帯電ローラの模式的断面図である。 本発明に係る帯電部材の導電性弾性層の断面(導電性弾性層表面近傍)を示す模式的部分断面図である。 プランジカット方式円筒研磨機による帯電部材の研磨方法の一例を示す模式図である。 帯電ローラの電気抵抗値測定器の概略図である。 本発明に係る帯電部材を用いた電子写真装置の実施形態の1例を示した断面概略図である。
本発明にかかる帯電部材は、少なくとも導電性基体と導電性弾性層とを有して構成される。必要に応じて、導電性弾性層上には表面層を設けることができる。導電性弾性層は、バインダーとして、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、エピクロルヒドリンゴムから選ばれる少なくとも1種のゴムを含む。
本発明にかかる帯電部材は、導電性弾性層が導電性弾性層から一部が露出した状態で多中空粒子を保持していることにより、多中空粒子の中空部分に由来する凹部を表面に有するものとなっている。多中空粒子は、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリロニトリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂及びこれらの樹脂を構成するモノマーの2種以上を含む共重合体樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含んで構成されている。多中空粒子としてはその内部には複数の中空部を有し、その複数の中空部の少なくとも一部は、多中空粒子の外壁面に開口して凹部を形成している。すなわち、多中空粒子の内部に設けられた複数の中空部の少なくとも一部は、多中空粒子の外面に凹部を形成する開口を有している。本発明にかかる帯電部材の表面には、この多孔中空粒子の外壁面に形成された中空部の開口からなる凹部に由来する凹部が形成される。この多中空粒子の中空部に由来する凹部は、帯電部材の表面に露出した多中空粒子の外壁面に形成された中空部の開口からなる凹部そのものであってもよいし、この中空部の開口からなる凹部が表面層で覆われた状態で得られるものであってもよい。
以下、本発明にかかる帯電部材における好適な実施の形態について詳細に説明する。
<帯電部材>
本発明に係る帯電部材は、導電性基体上に、導電性弾性層を有する構成の電子写真用帯電部材であり、被帯電体を帯電するのに用いられる。例えば電子写真感光体などを帯電するのに用いられる。この導電性弾性層は、粒子内部に多数の中空部分を有する粒子(以下、「多中空粒子」と呼ぶ)を含有してなる。本発明の多中空粒子はアクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリロニトリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む。
導電性弾性層に含有される多中空粒子の少なくとも一部の多中空粒子が、導電性弾性層から露出しており、かつ、導電性弾性層は該多中空粒子の中空部分に由来する凹部を有する。つまり上記の状態は、導電性弾性層中に含まれる多中空粒子の一部の粒子について、これらの多中空粒子の断面が導電性弾性層の表面に露出している状態である。多中空粒子は、粒子内部に多数の中空部分を有するため、その断面に中空部分に由来する凹部を多数有しており、かつこの凹部が導電性弾性層の表面に露出した状態となる。すなわち、多中空粒子の中空部の少なくとも一部が多中空粒子の外壁面に開口していることにより生じた凹部が導電性弾性層の表面に露出した状態となっている。このように、導電性弾性層はその内部に多中空粒子を含むとともに、中空部の開口により形成される凹部を有する多中空粒子をその表面に露出した状態で有している。
接触式の帯電方式の場合、帯電部材の形状としては、導電性基体および導電性弾性層を有するローラ形状の帯電部材が好んで用いられている。帯電部材のスティックスリップの発生および抑制メカニズムについて帯電ローラの例を用いて説明する。
一般的に帯電ローラは、回転する感光体に対して、導電性基体の両端にバネ等の所定の押し圧力を加えることより当接され、従動回転するように配置される。帯電ローラは導電性基体の両端から当接のための加圧が付与されるため、通常の円柱形状では構造上ローラの軸方向において中央部分の加圧が弱くなり、感光体と帯電ローラの当接圧に分布が発生してしまう。そのため帯電ローラの形状や硬度、押し圧力の設定などによっては、感光体と帯電ローラとの間に隙間が発生し、帯電ローラが浮く状態となることがある。前記の理由により帯電ローラの形状としては、軸方向の中央外径が太く、両端部に向けて順次縮径していくクラウン形状に形成されることが多い。これにより、帯電ローラを軸方向に均一な圧力で感光体に当接させることが可能となる。
また、帯電ローラは、回転する感光体に当接し従動回転させて用いられることが多い。感光体としては、軸方向に円柱形状の一様な外径を持つものが多く用いられている。したがって、一様な外径を有する感光体を回転させつつ、クラウン形状を有する帯電ローラを当接させると、帯電ローラは感光体の回転に合わせて従動回転する。帯電ローラの回転速度は、感光体の回転速度に依存する従動回転であるため、感光体と帯電ローラの間にすべりが無いと仮定した場合、感光体の周速(感光体の円周長さ×単位時間あたりの回転数)と一致する。
帯電ローラの従動回転は、感光体と帯電ローラの接触による転がり摩擦駆動の伝達による回転運動である。そのため帯電ローラ周速は、感光体の場合と同様に帯電ローラの円周長さ×単位時間あたりの回転数となる。
また、クラウン形状を有する帯電ローラは、感光体と異なり軸方向に外径差を有するので、帯電ローラの半径は軸方向に分布をもつこととなる。感光体は軸方向に一様な周速を有するため、感光体と帯電ローラの間にすべりが無いと仮定した場合、帯電ローラに伝達される周速は軸方向で一様である。帯電ローラの半径は軸方向に分布もっているため、感光体から軸方向に一様な周速が伝達された場合、軸方向で回転数が異なる分布をもつ状態とならなければならない。つまり、帯電ローラの外径が太い中央部と外径の細い端部を比較した場合、中央部よりも端部の方が回転数が速くなければ、帯電ローラの周速は、一様な分布とならない。
しかしながら、実際は、帯電ローラは、導電性基体および導電性弾性層が軸方向に連続しており、軸方向に異なる回転数をもつことはできない。すなわち、帯電ローラの回転数は軸方向一様である。そのためクラウン形状を有する帯電ローラの周速は、帯電ローラの半径×単位時間あたりの回転数の関係より、帯電ローラの外径が太い中央部は、周速が速く、外径の細い端部は中央部よりも周速が遅くなる。つまりクラウン形状を有する帯電ローラの周速は、軸方向に一様な分布とならない。
上記の理由により一様な外径を有する感光体に当接させたクラウン形状を有する帯電ローラは、その構造上、必然的に軸方向で周速差が発生してしまう。
クラウン形状を有する帯電ローラは、この周速差により、帯電ローラの回転方向とは逆の方向に導電性弾性層にねじれ力が発生する。そのねじれ力の分布は、帯電ローラの中央部から周速の遅い両端部に向かうにつれ、中央部との周速差に応じて順次大きくなる。このねじれ力により導電性弾性層には変形や歪みやねじれが発生するが、導電性弾性層の反発弾性の復元力によりねじれの解放が生じ、帯電ローラの回転方向つまり周速差を解消する方向に導電性弾性層が変形する。このスティックスリップのような導電性弾性層のねじれと解放の繰返しにより、導電性弾性層がねじ切れることなく帯電ローラは回転することができる。
しかしながら、上述した導電性弾性層のねじれと、導電性弾性層の復元力によるねじれの解放の繰り返しにより導電性弾性層と感光体との間に発生するスティックスリップが異常放電を引き起こす原因となる。その結果、横しま状のバンディング画像となってしまうことがあった。
本発明にかかる帯電部材では、導電性弾性層中に多中空粒子を含有させ、かつ多中空粒子を導電性弾性層表面に露出させ、露出した多中空粒子が開口した中空部から形成される凹部を露出しているという構成によってスティックスリップを軽減している。
多中空粒子は、導電性弾性層と比較し、高硬度かつ高弾性であるため変形が加わった時、高い反発性を発現する。そのため導電性弾性層にねじれ力が発生した場合でも、多中空粒子は、ねじれが生じにくく、ねじれを微小に抑えることができ、かつ、ねじれ力に反発し微小な変形状態からのねじれの開放とすることができる。
また、感光体と帯電部材の接触面には、導電性弾性層中に含まれる多中空粒子の一部の粒子の断面が導電性弾性層の表面に露出している部分と、導電性弾性層のみの部分がある。多中空粒子の断面は、多中空粒子の中空部に由来する凹部を有している。そのため導電性弾性層のみが感光体と接触する場合と比較して、多中空粒子の中空部分に由来する凹部の効果により、感光体と帯電部材の接触面積が低下し、感光体と帯電部材の接触面は低摩擦となる。
したがって帯電部材の周速差によって導電性弾性層にねじれ力が発生した場合、導電性弾性層中の多中空粒子の反発力および導電性弾性層表面に露出した多中空粒子断面の低摩擦性の効果によって、感光体と帯電部材の間に帯電部材の周速差を解消する方向に微小にスリップが生じる。つまり、多中空粒子の表面で導電性弾性層のねじれが部分的に、効果的な速さをもって解放されることとなる。
導電性弾性層のみでは、導電性弾性層の大きなねじれと解放が繰り返し発生することで、スティッスリップが発生し、結果として導電性弾性層の振動が生じてしまう場合がある。本発明の帯電部材では、導電性弾性層表面に多中空粒子露出させ、その露出表面に多中空粒子の外壁面での中空部の開口による凹部が形成されていることによって、導電性弾性層のかかる振動の発生を減少させることができる。この結果、上記で説明したメカニズムにより、バンディング画像の発生が低減・抑制される。
本発明に係る帯電部材の一例を図2(ローラ形状)、図3(平板形状)に示す。なお、これらの図は、本発明に係る帯電部材の概略断面図(軸方向に対して直交する断面)を示したものである。
図2(a)は、導電性基体201と導電性弾性層202を有する帯電ローラである。図4は、本発明に係る帯電部材の導電性弾性層の断面(導電性弾性層表面近傍)を示す模式的部分断面図である。導電性弾性層202は、多中空粒子203を含有しており、多中空粒子の少なくとも一部の粒子は導電性弾性層表面に露出している。導電性弾性層表面に露出した多中空粒子204の少なくとも一部の粒子は、多中空粒子の中空部分に由来する凹部を有する。さらに図2(b)および図3(b)のように導電性弾性層202の上に表面層205を有しても良い。
導電性基体201と導電性弾性層202、あるいは、順次積層する層(例えば、図2(b)に示す導電性弾性層と表面層)は、接着層を介して接着してもよい。接着層としては、公知の接着剤や接着性フィルムなどを適宜用いることができる。この場合、接着層は導電性であることが好ましい。導電性とするため、接着層には公知の導電剤を含有させることができる。
例えば、接着剤のバインダーとしては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が挙げられるが、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、ポリエーテル系、エポキシ系等の公知のものを用いることができる。
接着剤に導電性を付与するための導電剤としては、後に詳述する導電剤から適宜選択し、単独で、また2種類以上組み合わせて、用いることができる。
[帯電部材の電気抵抗値]
本発明に係る帯電部材の電気抵抗値は、特に制限はなく所望の特性に応じて適宜設定される。例えば、帯電ローラとして使用するには感光体の帯電を良好なものとするため、通常、電気抵抗値が23℃、50%RH環境中において、1×10Ω以上、1×1010Ω以下であることが好ましく、1×10Ω以上、1×10Ω以下であることがより好ましい。また、帯電ローラの周方向の電気抵抗値は、最大値と最小値の比が1.0倍から5.0倍となるように設定することが好ましい。より好ましくは1.0倍から3.0倍程度である。
一例として、図6に帯電ローラの電気抵抗値の測定法を示す。導電性基体201の両端を、荷重のかかった軸受け602により感光体と同じ曲率の金属製円柱601に、これらの軸が平行になるように当接させる。この状態で、モータにより金属製円柱601を回転させ、当接した帯電ローラを従動回転させながら安定化電源603から直流電圧−200Vを印加する。この時に導電性弾性層202に流れる電流を電流計604で測定し、帯電ローラの電気抵抗値を計算する。本発明において、荷重は各4.9Nとし、金属製円柱は直径30mm、金属製円柱の回転は周速45mm/secとされる。
〔導電性基体〕
本発明の帯電部材に用いられる導電性基体は、導電性を有し、その上に設けられる導電性弾性層等を支持する機能を有するものである。材質としては、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等の金属やその合金を挙げることができる。また、これらの表面に耐傷性付与を目的として、導電性を損なわない範囲で、メッキ処理等を施してもよい。さらに、導電性基体として、樹脂製の基材の表面を金属等で被覆して表面導電性としたものや導電性樹脂組成物から製造されたものも使用可能である。
〔導電性弾性層〕
(導電性弾性層の材料)
本発明の帯電部材の導電性弾性層に用いる材料としては、抵抗値調整が容易であり、かつ圧縮永久歪みが低いという観点から、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、およびエピクロルヒドリンゴムから選ばれる少なくとも1種のゴムを好適に用いることができる。この中でも、電気抵抗値の調整が容易であることから、極性ゴムを用いるのがより好ましい。中でも、エピクロルヒドリンゴム及びNBRを挙げることができる。これらは、導電性弾性層の抵抗値制御及び硬度制御をより行い易いという利点がある。これら導電性弾性層に用いるゴム材料は、単独で用いる、あるいは、2種以上を混合して用いてもよいが、これらゴムを主成分として、必要に応じてその他の一般的な公知なゴムや熱可塑性エラストマーや樹脂などを含有してもよい。その他の一般的な公知なゴムや熱可塑性エラストマーや樹脂などを含有する場合、その含有量は、上記のゴム材料100質量部に対し、1〜50質量部の範囲であることがより好ましい。
エピクロルヒドリンゴムは、ポリマー自体が中抵抗値領域の導電性を有し、導電剤の添加量が少なくても良好な導電性を発揮することができる。また、位置による電気抵抗値のバラツキも小さくすることができるので、高分子弾性材料として好適に用いられる。
エピクロルヒドリンゴムとしては以下のものが挙げられる。
エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体及びエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体。
これらの中でも安定した中抵抗値領域の導電性を示すことから、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体が特に好適に用いられる。エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体は、重合度や組成比を適度に調整することで導電性や加工性を制御できる。
また、導電剤を適宜使用することによって弾性層の導電性を所定の値にすることができる。導電剤として電子導電性フィラーの種類および使用量を適宜選択することによって帯電部材の電気抵抗値を調整することができる。
電子導電性フィラーとしては、電子導電性を示す導電性粒子であれば特に限定されるものではなく、公知の各種のものが使用できる。例えば、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラックを用いることができる。具体的には、Super Abrasion Furnace(SAF:超耐摩耗性)、Intermediate Super Abrasion Furnace(ISAF:準超耐摩耗性)、High Abrasion Furnace(HAF:高耐摩耗性)、Fast Extruding Furnace(FEF:良押出性)、General Purpose Furnace(GPF:汎用性)、Semi Rein Forcing Furnace(SRF:中補強性)、Fine Thermal(FT:微粒熱分解)およびMedium Thermal(MT:中粒熱分解)などの各ゴム用カーボンが挙げられる。
また、天然グラファイトおよび人造グラファイトなどのグラファイト、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物系導電性粒子、アルミニウム、鉄、銅、銀等の金属系導電性粒子を挙げることができる。また、これら電子導電性フィラーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また、導電性ポリマー、イオン導電剤などを前記の電子導電性フィラーと併用して弾性層に導電性を付与しても良い。イオン導電剤としては、イオン導電性を示すイオン導電剤であれば特に限定されるものではない。イオン導電剤としては、以下のものが挙げられる。過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カルシウム等の無機イオン物質が挙げられる。ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、過塩素酸テトラブチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩が挙げられる。トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム等の有機酸無機塩が挙げられる。これらを単独又は2種類以上組み合わせて用いることができる。イオン導電剤の中でも、環境変化に対して抵抗が安定なことから特に過塩素酸4級アンモニウム塩が好適に用いられる。
また、導電性弾性層形成用のゴム混合物には、無機または有機の充填剤や架橋剤を添加してもよい。
ゴム混合物を架橋させるための添加剤として、加硫剤、加硫促進剤が挙げられる。充填剤としては、例えば、シリカ(ホワイトカーボン)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウムおよび硫酸アルミニウムなどから選択された少なくとの1種が挙げられる。加硫剤としては、公知の加硫剤を適宜使用することができ、例えば、粉末硫黄、有機過酸化物が挙げられる。粉末硫黄を加硫剤として使用する場合は、加硫促進剤として、公知の加硫促進剤を適宜使用することができ、チアゾール系、ジチオカルバミン酸塩系、スルフェンアミド系、チウラム系などが挙げられる。
また、導電性弾性層には、硬度等を調整するために、軟化油、可塑剤等の添加剤を添加してもよい。可塑剤等の配合量は、弾性層の材料100質量部に対して、好ましくは1〜30質量部であり、より好ましくは3〜20質量部である。可塑剤としては、高分子タイプのものを用いることがより好ましい。高分子可塑剤の分子量は、好ましくは2000以上、より好ましくは4000以上である。更に、弾性層には、種々な機能を付与する材料を適宜含有させてもよい。
さらに、老化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、補強剤、充填剤、滑剤、離型剤、顔料、染料、難燃剤等を必要に応じて適宜に添加することもできる。
(多中空粒子)
本発明に使用する弾性ローラの弾性層は、多中空粒子が含有されている。本発明における多中空粒子とは、粒子の内部に複数個の空孔(中空)を有する粒子のことをいう。多中空粒子の材質としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリロニトリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を用いる。これら樹脂は、単独で、または2種以上用いることができる。更に、これら樹脂の単量体を共重合させ、共重合体として用いても良い。この中でも、高い反発弾性を示すアクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、から選ばれる少なくとも1種の樹脂を用いることが好ましい。これら樹脂を主成分として、必要に応じてその他の一般的な公知な樹脂などを含有してもよい。
これら多中空粒子は、懸濁重合法、界面重合法、界面沈殿法、液中乾燥法といった公知の製法により製造することができる。また市販されているような公知の多中空粒子も用いることができる。
以下に多中空粒子作製の例を示す。
(1−1)まず、スチレンモノマーと、多官能重合性単量体とからなる単量体混合物に、セルロース樹脂を溶解させた溶解液を得る。
[多官能重合性単量体]
多官能重合性単量体としては、芳香族ジビニル化合物、多価アルコールのアクリル酸エステル、多価アルコールのメタクリル酸エステル等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
具体的には、芳香族ジビニル化合物として、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等が挙げられる。多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等が挙げられる。なお、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。上記の内、良好な空孔を形成するにはジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレートを用いるのが好ましい。なお、ここでいう良好な空孔とは、粒子中により多くの空孔を有することを意味する。すなわち、粒子中に占める空孔の割合が大きく、空孔の数が多いほど、多中空粒子の中空部分に由来する凹部の数が多くなり、感光体と帯電部材の接触面積が低下し、感光体と帯電部材の接触面は低摩擦となる効果を得ることができる。従って、少量の多中空粒子を弾性層として添加することでも、良好な効果を得ることができることを意味する。
上記多官能重合性単量体は、スチレンモノマー100重量部に対して、5〜100重量部、好ましくは5〜50重量部となるよう用いる。5重量部未満、100重量部を超える量を用いた場合、目的とする多中空粒子を得ることは困難である。
また、上記多官能性単量体及びスチレンモノマーと共重合可能なその他の単量体を、多中空粒子の特性を損なわない範囲で添加してもかまわない。この共重合可能なその他の単量体としては以下のものを挙げることができる。
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸2ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニル等のハロゲン化ビニル類、 酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類等が挙げられる。
[セルロース樹脂]
セルロース樹脂としては、セルロースアセテート、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース等が挙げられる。この内、良好な空孔を形成するにはエチルセルロースが好ましい。
エチルセルロースは、一般に、塩化エチルをアルカリセルロースに反応させて得られるエチルセルロースエーテルである。市販のエチルセルロースは、通常、エトキシル基含有率が44〜50重量%である。エチルセルロースの中でも、粘度(重量比でトルエン:エタノール=80:20の混合溶液にエチルセルロースを5重量%溶解したときの粘度)10〜200cPのものを好適に用いることができる。更に好ましくは、20〜100cPのものを用いるのがよい。粘度が200cPを越える場合には、溶解液の粘度が高くなり、懸濁重合時の重合系の安定性や多中空粒子の粒子径制御が困難になるため好ましくない。粘度が10cP未満の場合、多中空粒子が得られ難いため好ましくない。
なお、粘度は、JIS Z8803に従って、ウベローデ粘度計(毛細管粘度計)によって25℃±0.5℃の温度で測定した値である。
セルロース樹脂は、スチレンモノマーと多官能重合性単量体を加えた単量体混合物100重量部に対し、0.5〜5重量部の割合で使用され、好ましくは1〜3重量部である。5重量部を超える量を用いた場合には、粘度の上昇によりセルロース樹脂を単量体混合物に溶解することが実質的に困難な場合があり、また、溶解液の粘度が高くなり、懸濁重合時の重合系の安定性や多中空粒子の粒子径制御が困難になるため好ましくない。0.5重量%より少ない場合には、多中空粒子が得られないため好ましくない。
[重合開始剤]
上記溶解液には重合開始剤が含まれていてもよい。重合開始剤としては、通常、懸濁重合に用いられる油溶性の過酸化物系あるいはアゾ系開始剤が利用できる。
例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、キュメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系開始剤、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メチキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系開始剤が挙げられる。
この中でも、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)が、多中空粒子が得られやすいという点から好ましい。
重合開始剤の使用割合は、単量体混合物に対し、0.01〜10重量%が好ましく、特に0.1〜5.0重量%が好ましい。
(1−2)次に、上記溶解液を、水系分散媒体中に分散させる。
[水系分散媒体]
水系分散媒体としては、例えば、水、水と水溶性有機溶媒(低級アルコール等)との混合媒体が挙げられる。更に、水系分散媒体は、上記溶解液100重量部に対して、通常100〜1000重量部程度の水を含んでいることが好ましい。この範囲で水を含むことで、水系懸濁重合の際に、懸濁粒子の安定化を図ることができる。
[分散安定剤]
更に、水性分散媒体には、分散安定剤が添加されていてもよい。分散安定剤としては、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛等のリン酸塩、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸アルミニウム、ピロリン酸亜鉛等のピロリン酸塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、コロイダルシリカ等の難水溶性無機化合物、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子等が挙げられる。これらの中でも、多中空粒子を安定して得ることができるという点において、第三リン酸カルシウムやコロイダルシリカが特に好ましい。
分散安定剤は、得られる多中空粒子の粒子径ならびに重合時の溶解液の分散安定性等を考慮して、選択や組み合わせ、添加量等を適宜調整して使用される。一例を挙げれば、分散安定剤の単量体混合物に対する添加量は0.5〜20重量%で程度である。
[界面活性剤]
また、水系分散媒体には、上記の分散安定剤に加えて、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤を使用してもよい。
アニオン性界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ等の脂肪酸油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等がある。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等がある。
カチオン性界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等がある。
両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイド等がある。
界面活性剤は、得られる多中空粒子の粒子径ならびに重合時の溶解液の分散安定性等を考慮して、選択や組み合わせ、添加量等を適宜調整して使用される。一例を挙げれば、界面活性剤の添加量は水系分散媒体に対し0.001〜0.1重量%程度である。
[水溶性重合禁止剤]
また、水系分散媒体中での単量体の重合を抑制するために、水系分散媒体中に0.01〜1重量%程度の水溶性重合禁止剤を加えてもよい。水溶性重合禁止剤としては、特に限定されず公知の禁止剤を使用でき、例えば亜硝酸塩類、ハイドロキノン等を挙げることができる。
[溶解液の分散法]
水系分散媒体に溶解液を分散する方法としては、例えば、プロペラ翼等の撹拌力によって分散する方法、ローターとステーターから構成され、高剪断力を利用する分散機であるホモミキサー、超音波分散機等を用いて分散する方法が挙げられる。分散された溶解液は、水系分散媒体中で、液滴として存在する。なお、得られる多中空粒子の粒度分布を揃えるには、マイクロフルイダイザー、ナノマイザー等の液滴同士の衝突や機壁への衝突力を利用した高圧型分散機を用いればよい。また、溶解液には、必要に応じて、界面活性剤が含まれていてもよいが、できるだけ含まれないことが好ましい。
(1−3)更に、水系分散媒体に分散した溶解液中に含まれる単量体混合物を水系分散媒体中で重合させる。
重合は、単量体混合物からなる液滴を分散させた水系分散媒体を加熱することにより行われる。重合温度は、通常30〜100℃、好ましくは40〜80℃である。この重合温度を保持する時間としては、一般的に0.1〜10時間程度である。重合中は、液滴の浮上や重合後の多中空粒子の沈降を防止できる程度の緩い撹拌を行うのが好ましい。
重合終了後、所望により、分散安定剤を塩酸等により溶解し、樹脂粒子を吸引濾過、遠心分離、遠心濾過等の操作により分散媒から分離し、更にイオン交換水等で洗浄を行ってもよい。更に、その後、乾燥、解砕、分級により所望の粒径の多中空粒子を得てもよい。
本発明においては、多中空粒子の平均粒径は5μm以上100μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは15μm以上50μm以下である。弾性層中の多中空粒子の大きさを本範囲とすることにより、帯電部材にかかるねじれを微小に抑え、微小な状態からのねじれの開放という多中空粒子の効果を効果的に実現できる。加えて弾性層から露出した比較的粒径の大きな多中空粒子表面にトナーや外添剤などが付着して異常放電の原因となることを抑えることもできる。
弾性層に含まれる多中空粒子の含有率としては、上記の弾性層を構成するゴム100質量部に対して、5質量部以上80質量部以下が好ましく、更には、10質量部以上50質量部以下がより好ましい。本範囲とすることにより、一つ一つの多中空粒子に加わるねじれを微小に抑え、高反発性によるねじれの微小な状態からの開放という多中空粒子の特性がより効果的に実現される。
また、多中空粒子中の空孔径は、平均空孔径として1μm以上15μm以下であることが好ましい。多中空粒子の空孔径を本範囲とすることにより、多中空粒子に対して低硬度かつ高反発性という特性を、より効果的に付与することができる。
また、多中空粒子の比重としては、内部に空孔を有さない中実粒子の比重に対して50%以上80%以下とすることが好ましい。多中空粒子は、内部に複数個の空孔を有するため、中実の粒子と比較し比重が軽くなる。多中空粒子の比重は、粒子内部に含まれる空孔数が多い、あるいは空孔径が大きい場合に軽くなり、空孔数が少ない、あるいは空孔径が小さい場合に重くなり、中実の粒子の比重に近づく。
多中空粒子の内部に含まれる空孔の径としては、多中空粒子の粒径に対して10%以上25%以下とすることが好ましい。空孔径が大きいあるいは空孔数が多すぎる場合、粒子の反発性が低下し、弾性層のねじれの解放できず本発明の効果が低くなる。空孔径が小さいあるいは空孔径が少なすぎる場合、弾性層表面の多中空粒子の断面の凹部が減少し、感光体と帯電部材との接触面が増加するために低摩擦性が維持できなくなり、本発明の効果が低くなる。本範囲とすることにより弾性層中に含まれる一つ一つの多中空粒子に加わるねじれを微小に抑え、高反発性によるねじれの微小な状態からの開放という多中空粒子の特性がより効果的に実現される。
なお、評価に用いた各種測定方法は以下の通りである。
<平均粒子径の測定>
孔径50〜280μmの細孔に電解質溶液を満たし、当該電解質溶液を多中空粒子が通過する際の電界質溶液の導電率変化から体積を求め、体積平均粒子径を計算する。具体的には、ベックマンコールター社製のコールターマルチザイザー2によって測定した体積平均粒子径である。なお、測定に際してはCoulter Electronics Limited発行のREFERENCE MANUAL FOR THE COULTER MULTISIZER(1987)に従って、測定する多中空粒子の粒子径に適合したアパチャーを用いてキャリブレーションを行い測定する。
具体的には、市販のガラス製の試験管に多中空粒子0.1gと0.1%ノニオン系界面活性剤溶液10mlを投入し、ヤマト科学社製タッチミキサー TOUCHMIXERMT−31で2秒間混合する。その後、試験管を市販の超音洗浄機であるヴェルヴォクリーア社製ULTRASONIC CLEANER VS−150を用いて10秒間予備分散させる。これを本体備え付けの、ISOTON2(ベックマンコールター社製:測定用電解液)を満たしたビーカー中に、緩く攪拌しながらスポイドで滴下して、本体画面の濃度計の示度を10%前後に合わせる。次にマルチサイザー2本体にアパチャーサイズ、Current,Gain,PolarityをCoulterElectronicsLimited発行のREFERENCE MANUAL FOR THE COULTER MULTISIZER(1987)に従って入力し、manualで測定する。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く攪拌しておき、多中空粒子を1万個測定した点で測定を終了する。
<平均空孔径の測定>
多中空粒子の平均空孔径の測定は、下記の方法で行うことができる。
多中空粒子の外観及び断面を走査型電子顕微鏡により観察する。具体的には、多中空粒子断面の観察は2液タイプのエポキシ接着剤を用い多中空粒子を固め、硬化後にカミソリ刃でスライスすることで多中空粒子の断面を露出させる。その後、走査型電子顕微鏡で観察し、多中空粒子の断面に存在する空孔径を測定する。用いた走査型電子顕微鏡は、FE−SEM(日立製作所社製 S−4700)である。この測定を多中空粒子100個について行う。得られた合計100個の多中空粒子の断面に存在する空孔径の平均値を算出し、多中空粒子の平均空孔径とする。
<平均比重の測定>
質量M(g)および容量V(cm)の既知の円筒状容器内に、多中空粒子を充填する。容器の上部に堆積した過剰量の多中空粒子をすり落とす。容器の側面等に付着した多中空粒子を刷毛などを用いて除去した後、全体の質量M(g)を測定する。次式により多中空粒子の比重ρ(g/cm)を計算する。
ρ=(M−M)/V
測定は10回繰り返し、その平均値を多中空粒子の比重とする。同様にして中実粒子ρの比重を測定し、ρ/ρを計算することで、中実粒子に対する多中空粒子の比重の割合を算出する。
(導電性弾性層の形成)
導電性弾性層の形成方法としては、特に制約はなく、公知の方法を適宜用いればよい。例えば、上述の各種ゴム成分その他の成分からなる組成物をリボンブレンダー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等で混合するなど、公知の方法を用い、導電性弾性層用の未加硫ゴム組成物を得る。さらに、得られた未加硫ゴム組成物に上述の多中空粒子を、二本ロール機等を用いて、混合する。
得られた多中空粒子を含有した未加硫ゴム組成物を、クロスヘッドを備えた押出機を用いて、導電性基体と未加硫ゴム組成物を一体的に押出して予備成形体を作製することができる。クロスヘッドとは、電線や針金の被覆層を構成するために用いられる、押出機のシリンダ先端に設置して使用する押出金型である。さらに、得られた予備成形体を熱風炉などの高温雰囲気中にて加熱架橋させることで、帯電部材を得る。
または、多中空粒子を含有した未加硫ゴム組成物を予め所定の膜厚に形成されたシート形状又はチューブ形状にしたのちに、導電性基体に接着又は被覆して帯電部材予備成形体を作製する。次いでこの予備成形体を円筒状のキャビティを有する円筒型または割型内に設置して加熱し、所定の寸法を有する帯電部材を得る方法がある。また、前記円筒型内に未加硫ゴム組成物と導電性基体を設置してから加熱架橋する方法も用いられる。
[導電性弾性層の研磨]
次に、導電性弾性層に含まれる多中空粒子の中空部が開口する端面を導電性弾性層の表面に露出させるために、導電性弾性層の外周面を研磨加工する。例えば一般に帯電ローラは、導電性の軸芯体の端部をバネで他部材に均一に当接させるため、帯電ローラの当接による撓みを考慮し、クラウン形状と呼ばれる中央部の外径を端部の外径より太くする形状に仕上げる。このような形状は、円筒金型で製造するのは脱型することが困難であるため、研磨機で仕上げることが好ましい。研磨加工を行う研磨機としては円筒研磨機が挙げられる。トラバース方式のNC円筒研磨機、プランジカット方式のNC円筒研磨機等を例示することができる。プランジカット方式のNC研磨機はトラバース方式に比べて幅広な研削砥石を用いており、導電性弾性層の長手全域を同時に研磨できるため、加工時間の短縮を図ることができるため好ましく用いられる。
図5に、プランジカット方式円筒研磨機による帯電ローラの研磨方法の一例を示す模式図を示す。コレットチャック501のような把持冶具により導電性基体201を介して両端保持された帯電ローラは駆動モータ502にてコレットチャック501ごと回転駆動される。帯電ローラの回転中心に対して研磨砥石503の回転中心は平行に配置され、研磨砥石用駆動モータ504にて、帯電ローラとは別に回転駆動される。研磨砥石503は、帯電ローラの回転中心と研磨砥石の回転中心対して直交する方向に移動可能な構成である。帯電ローラの弾性層202は、研磨砥石の移動量および移動速度、研磨砥石の回転数および帯電ローラの回転数を適宜選択することにより、表面を研磨加工され、形状が所望の形状に仕上げられる。コレットチャックの代わりに公知のダイヤフラムチャック等により両端保持してもよい。研磨砥石503の形状としては、研磨後の帯電ローラの弾性層にクラウン形状を形成するため、端部から中央部に向けて徐々に外径が小さくなる縮径形状(以下、逆クラウン形状とよぶ)をとることが好ましい。
[表面層]
本発明の帯電部材は、導電性弾性層および導電性弾性体層表面に露出した多中空粒子および導電性弾性層に含まれる多中空粒子の中空部が開口する端面上に表面層を形成することもできる。表面層は、帯電部材の更なる高機能化、高耐久化を目的として形成する。例えば、表面層を抵抗調整層として機能させることで、帯電ローラとして用いた場合に、帯電均一性や耐リーク性を向上することができる。
導電性弾性層上に表面層を形成する工程には、静電スプレー塗布やディッピング塗布等の塗布法が利用できる。または、表面層は、予め所定の膜厚に成膜されたシート形状又はチューブ形状の層を接着又は被覆することにより形成できる。あるいは、型内で所定の形状に材料を硬化、成形する方法も用いることができる。この中でも、塗布法によって塗料を塗工し、塗膜を形成することが好ましい。
塗布法によって層を形成する場合、塗布液に用いられる溶剤としては、バインダー樹脂を溶解することができる溶剤であればよい。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、キシレン、リグロイン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合物などが挙げられる。これらの溶剤は、使用するバインダー樹脂に応じて適宜選択される。
塗布液に、バインダーや粒子等を分散する方法としては、ボールミル、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、パールミル等の公知の溶液分散手段を用いることができる。
また、表面層には、本発明の効果を損なわない範囲で他の粒子を含有させることができる。他の粒子としては、絶縁性粒子あるいは導電性粒子を挙げることができる。絶縁性粒子あるいは導電性粒子は1種を使用しても、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、表面処理、変性、官能基や分子鎖の導入、コーティング等を施したものでもよい。粒子の分散性を高めるために、粒子は表面処理が施されていることがより好ましい。
表面層には、更に、離型性を向上させるために、離型剤を含有させても良い。表面層に離型剤を含有させることで、帯電部材の表面に汚れが付着することを防ぎ、帯電部材の耐久性を向上させることができる。離型剤が液体の場合は、表面層を形成する際にレベリング剤としても作用する。各種公知の塗料を表面層として塗布することもできる。
表面層は、0.01μm以上10μm以下の厚さを有することが好ましい。より好ましくは、0.1μm以上5μm以下である。表面層の膜厚としては多中空粒子断面の低摩擦性を維持するため、導電性弾性層の表面に露出する多中空粒子の、中空部が開口する端面に由来する凹部を埋めない程度の膜厚とすることが好ましい。上記のように表面層を形成した場合は、導電性弾性層中の多中空粒子の反発力および導電性弾性層表面に露出した多中空粒子断面の低摩擦性の効果が維持されることによって、スティックスリップが軽減し、バンディング画像の発生が低減・抑制される。なお、表面層の膜厚は、帯電部材断面を鋭利な刃物で切り出して、光学顕微鏡や電子顕微鏡で観察することで測定できる。本発明における最表面層の膜厚測定は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、倍率10000倍で数箇所の測定を行い、平均値を平均膜厚とする。
また、導電性弾性層上に表面層を形成する工程としては、紫外線、電子線など公知のエネルギー線の照射による導電性弾性層表面を改質する方法も例として挙げられる。例えば紫外線の照射には、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、エキシマUVランプなどを用いることができ、これらのうち、紫外線の波長が150nm以上480nm以下の光を豊富に含む紫外線源が好適に用いられる。
なお、紫外線の積算光量は、以下のように定義される。
紫外線積算光量[mJ/cm]=紫外線強度[mW/cm]×照射時間[s]
紫外線の積算光量の調節は、照射時間や、ランプ出力や、ランプと被照射体との距離などで行うことが可能である。また、照射時間内で積算光量に勾配をつけてもよい。
低圧水銀ランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−AやUVD−S254を用いて測定することができる。エキシマUVランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−AやVUV−S172を用いて測定することができる。
例えば、電子線照射装置は、弾性ローラを回転させながら導電性弾性層表面に電子線を照射するものであり、電子線発生部と照射室と照射口とを備えるものである。
電子線発生部は、電子線を発生するターミナルと、ターミナルで発生した電子線を真空空間(加速空間)で加速する加速管とを有するものである。また電子線発生部の内部は、電子が気体分子と衝突してエネルギーを失うことを防ぐため、真空ポンプ等により10−3〜10−4[Pa]程度の真空に保たれている。
電源によりフィラメントに電流を通じて加熱するとフィラメントは熱電子を放出し、この熱電子のうち、ターミナルを通過したものだけが電子線として有効に取り出される。そして、電子線の加速電圧により加速管内の加速空間で加速された後、照射口箔を突き抜け、照射口の下方の照射室内を搬送されるローラに照射される。
弾性ローラに電子線を照射する場合には、照射室の内部は窒素雰囲気又は空気雰囲気としている。また、ローラはローラ回転用部材で回転させて照射室内を搬送手段により、移動および通過可能な状態である。尚、電子線発生部及び照射室の周囲は電子線照射時に二次的に発生するX線が外部へ漏出しないように、鉛遮蔽が施されている。
照射口箔は金属箔からなり、電子線発生部内の真空雰囲気と照射室内の空気雰囲気とを仕切るものであり、また照射口箔を介して照射室内に電子線を取り出すものである。ローラの照射に電子線を応用する場合には、ローラが電子線を照射される照射室の内部は窒素雰囲気又は空気雰囲気である。よって電子線発生部と照射室との境界に設ける照射口箔には、ピンホールがなく、電子線発生部内の真空雰囲気を十分維持できる機械的強度があり、しかも、電子線が透過しやすいように比重が小さく肉厚の薄い金属が望ましい。例えば、照射口箔に使用される金属として厚さ約5〜15μm程度のTiがよく使用される。例えば最大加速電圧150kV・最大電子電流40mAの電子線照射装置(岩崎電気株式会社製)等が用いられる。また、照射時には窒素雰囲気又は空気雰囲気で行うが、窒素雰囲気下での照射が好ましく、酸素濃度500ppm以下の環境が好ましい。
尚、電子線の線量は、下記で定義される。
線量(kGy)=[装置定数K×電子電流(mA)]/処理スピード(m/min)
ここで、装置定数Kは、装置個々の効率を表す定数であって、装置の性能の指標となる。例えば本来、電子線照射装置では、K=18以上とする必要がある。したがって、一定の電子電流と処理スピードに対して、加速電圧を変えて線量を測定し、これから得られる装置定数Kが所定の値以上になるような加速電圧を求めることより、加速電圧についての制限が得られる。
電子線の線量については、表面処理の効果に応じて適宜選択すれば良い。その調節は、電子電流、処理スピードのいずれでも行う事が可能であり、所望の線量が得られるように決めればよい。
[電子写真装置]
本発明に従い製造した帯電部材を帯電ローラとして備えた電子写真装置の1例の概略構成を図7に示す。
電子写真装置は、感光体、感光体を帯電する帯電装置、露光を行う潜像形成装置、トナー像に現像する現像装置、転写材に転写する転写装置、感光体上の転写トナーを回収するクリーニング装置、トナー像を定着する定着装置等から構成されている。
感光体701は、導電性の軸芯体上に感光層を有する回転ドラム型である。感光体は矢示の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。帯電装置は、感光体701に所定の押圧力で当接されることにより接触配置される接触式の帯電ローラ702を有する。帯電ローラ702は、感光体の回転に従い回転する従動回転であり、帯電用電源712から所定の電圧を印加することにより、感光体を所定の電位に帯電する。感光体701に静電潜像を形成する潜像形成装置708は、例えばレーザービームスキャナーなどの露光装置が用いられる。一様に帯電された感光体に画像情報に対応した露光を行うことにより、静電潜像が形成される。
現像装置は、感光体701に近接又は接触して配設される現像ローラ703を有する。現像ローラ703はトナー供給ローラ710と当接されており、該現像ローラ表面にトナーが供給される。現像ローラ703は弾性規制ブレード709と当接されており、現像ローラ表面に坦持されるトナー量を規制している。現像ローラ703、トナー供給ローラ710、弾性規制ブレード709に対して、現像用電源711から所定の電圧を印加することにより、感光体帯電極性と同極性に静電的処理されたトナーを反転現像することにより、静電潜像をトナー像に可視化現像する。
転写装置は、接触式の転写ローラ705を有し、転写用電源713から所定の電圧が印加される。感光体からトナー像を普通紙などの印刷メディア704(印刷メディアは、搬送部材を有する給紙システムにより搬送される。)に転写する。
クリーニング装置は、ブレード型のクリーニングブレード707、回収容器を有し、転写した後、感光体上に残留する転写残トナーを機械的に掻き落とし回収する。ここで、現像装置にて転写残トナーを回収する現像同時クリーニング方式を採用することにより、クリーニング装置を省くことも可能である。定着装置706は、加熱されたローラ等で構成され、転写されたトナー像を印刷メディア704に定着し、機外に排出する。
以下に、上記で説明した本発明の帯電部材を、具体的な実施例と比較例とによりさらに更に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。
製造例1〜13は、多中空粒子A1〜A13の製造例である。また、製造例14〜18は、中実粒子A1〜A5の製造例である。また、製造例19〜22は、導電性弾性層に用いられる未加硫ゴム組成物A1〜A4の製造例である。なお、以下において、特記しない限り、「部」及び「%」は重量基準である。
〔製造例1〕多中空粒子A1の作製
水300gと、分散安定剤として市販の第三リン酸カルシウムスラリー300g(固形分10% 商品名:スーパータイト 日本化成社製)とを1000mlのビーカーに入れ、次いで、界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム0.12gを水に溶解させて水系分散媒体を作製した。
これとは別に、スチレン200g、ジビニルベンゼン50g、アクリル酸メチル40gを混合し、単量体混合物を調整した。単量体混合物200gをビーカーに計り取り、エチルセルロース樹脂(45cP 関東化学社製)5gを加え均一に混合溶解し、次いで、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.0gを均一に混合溶解して溶解液を得た。
得られた溶解液を上記水系分散媒体に混合し、混合物をホモミキサー(IKA社製 ULTRATURRAX T−25)にて6000rpmで30秒分散した。得られた分散液を1000mlのセパラブルフラスコに投入し、撹拌翼、温度計及び還流冷却器を取り付け、フラスコを窒素パージした後、60℃で水浴させた。撹拌速度200rpmで10時間加熱を継続し、重合を行った。
重合が終了したことを確認した後、分散液を冷却し、スラリーのpHが2程度になるまで塩酸を添加して分散安定剤を分解した。濾紙を用いたブフナー漏斗で重合物を吸引濾過し、5リットルのイオン交換水で洗浄して分散安定剤を除去し、60℃のオーブン中で24時間乾燥して樹脂粒子を得た。
得られた樹脂粒子は、平均粒子径が5.1μmであり、走査型電子顕微鏡で観察すると球状の樹脂粒子であり、内部に複数個の空孔を有する多中空粒子であることが確認できた。さらに、上記樹脂粒子を分級することにより多中空粒子A1を得た。またジビニルベンゼンを添加しないこと以外は、製造例1と同様の方法で中実粒子を作製し、多中空粒子と中実粒子の比重の割合ρ/ρを測定した。多中空粒子A1の平均粒径、平均空孔径、比重の割合の測定結果を表2に示す。
〔製造例2〜9〕多中空粒子A2~A9の作製
ジビニルベンゼン量、撹拌速度を調整すること以外は、製造例1と同様の方法で、多中空粒子A2〜A9を作製した。単量体混合物の組成、分散条件、重合条件を表1に、粒子の測定結果を表2に示す。
〔製造例10〕多中空粒子A10の作製
製造例4において、アクリル酸メチルを使用しないこと以外は、製造例4と同様の方法で多中空粒子A10を作製した。単量体混合物の組成、分散条件、重合条件を表1に、粒子の測定結果を表2に示す。
〔製造例11〕多中空粒子A11の作製
製造例4において、アクリル酸メチルをアクリロニトリルとした以外は、製造例4と同様の方法で多中空粒子A11を作製した。単量体混合物の組成、分散条件、重合条件を表1に、粒子の測定結果を表2に示す。
〔製造例12〕多中空粒子A12の作製
製造例4において、アクリル酸メチルを塩化ビニリデンとした以外は、製造例4と同様の方法で多中空粒子A12を作製した。単量体混合物の組成、分散条件、重合条件を表1に、粒子の測定結果を表2に示す。
〔製造例13〕多中空粒子A13の作製
製造例4において、アクリル酸メチルを塩化ビニルとした以外は、製造例4と同様の方法で多中空粒子A13を作製した。単量体混合物の組成、分散条件、重合条件を表1に、粒子の測定結果を表2に示す。
〔製造例14〜18〕中実粒子A1〜A5の作製
ジビニルベンゼンを添加しないこと以外は、製造例4、10〜13と同様の方法で中実粒子A1〜A5を作製した。単量体混合物の組成、分散条件、重合条件を表1に、粒子の測定結果を表2に示す。
〔製造例19〕NBRを用いた未加硫ゴム組成物A1の作製
アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)(商品名:N230SV、JSR社製)100質量部に対し下記の4成分を加えて、50℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練した。
・カーボンブラック(商品名:トーカブラック#7360SB、東海カーボン社製):48質量部、
・ステアリン酸亜鉛(商品名:SZ−2000、堺化学工業社製):1質量部、
・酸化亜鉛(商品名:亜鉛華2種、堺化学工業社製):5質量部、
・炭酸カルシウム(商品名:シルバーW、白石工業社製):20質量部。
これに、多中空粒子A1を13質量部、加硫剤として硫黄1.2質量部、加硫促進剤としてテトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)(商品名:パーカシットTBzTD、フレキシス社製)4.5質量部を添加し、25℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練し、未加硫ゴム組成物A1を得た。
〔製造例20〕エピクロルヒドリンゴムを用いた未加硫ゴム組成物A2の作製
エピクロルヒドリンゴム(EO−EP−AGE三元共化合物)(商品名:エピオンON301、ダイソー社製)100質量部に対し下記の7成分を加えて、50℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練した。
・炭酸カルシウム(商品名:ナノックス#30、丸尾カルシウム社製):60質量部、
・脂肪族ポリエステル系可塑剤(商品名:ポリサイザーP−202、大日本インキ化学工業社製):10質量部、
・ステアリン酸亜鉛(商品名:SZ−2000、堺化学工業社製):1質量部、
・2−メルカプトベンズイミダゾール(商品名:ノクラックNS−5、大内新興化学工業社製):0.5質量部、
・酸化亜鉛(商品名:亜鉛華2種、堺化学工業社製):2質量部、
・四級アンモニウム塩(商品名:アデカサイザーLV70、旭電化工業社製):2質量部、
・カーボンブラック(商品名:シーストGSO、東海カーボン社製):5質量部。
これに、多中空粒子A3を1質量部、加硫剤として硫黄0.8質量部、加硫促進剤としてジベンゾチアジルスルフィド(DM)(商品名:ノクセラーDM、大内新興化学工業社製)1質量部、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)(商品名:ノクセラーTS、大内新興化学工業社製)0.5質量部を添加し、25℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練し、未加硫ゴム組成物A2を得た。
〔製造例21〕SBRを用いた未加硫ゴム組成物A3の作製
スチレンブタジエンゴム(SBR)(商品名:SBR1500、JSR社製)100質量部に対し下記の6成分を加えて、80℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練した。
・酸化亜鉛(商品名:亜鉛華2種、堺化学工業社製):5質量部、
・ステアリン酸亜鉛(商品名:SZ−2000、堺化学工業社製):2質量部、
・カーボンブラック(商品名:ケッチェンブラックEC600JD、ライオン社製):8質量部、
・カーボンブラック(商品名:シーストS、東海カーボン社製):40質量部、
・炭酸カルシウム(商品名:ナノックス#30、丸尾カルシウム社製):15質量部、
・パラフィンオイル(商品名:PW380、出光興産社製):20質量部。
これに、多中空粒子A3を5質量部、加硫剤として硫黄1質量部、加硫促進剤としてジベンゾチアジルスルフィド(DM)(商品名:ノクセラーDM、大内新興化学工業社製)1質量部、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)(商品名:ノクセラーTS、大内新興化学工業社製)1質量部を添加し、25℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練し、未加硫ゴム組成物A3を得た。
〔製造例22〕EPDMを用いた未加硫ゴム組成物A4の作製
エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)(商品名:エスプレンEPDM505A、住友化学工業社製)100質量部に対し下記の6成分を加えて、80℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練した。
・酸化亜鉛(商品名:亜鉛華2種、堺化学工業社製):5質量部
・ステアリン酸亜鉛(商品名:SZ−2000、堺化学工業社製):2質量部、
・カーボンブラック(商品名:ケッチェンブラックEC600JD、ライオン社製):8質量部、
・カーボンブラック(商品名:シーストS、東海カーボン社製):30質量部、
・炭酸カルシウム(商品名:ナノックス#30、丸尾カルシウム社製):15質量部、
・パラフィンオイル(商品名:PW380、出光興産社製):20質量部。
これに、多中空粒子A3を1質量部、加硫剤として硫黄1質量部、加硫促進剤としてジベンゾチアジルスルフィド(DM)(商品名:ノクセラーDM、大内新興化学工業社製)1質量部、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)(商品名:ノクセラーTS、大内新興化学工業社製)1質量部を添加し、25℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練し、未加硫ゴム組成物A4を得た。
〔実施例1〕
(弾性ローラの作製)
直径6mm、長さ258mmのステンレス製棒に、熱硬化性接着剤(商品名:「メタロックU−20」、東洋化学研究所製)をあらかじめ両端部12mmを除いた領域に塗布し、180℃に調節した熱風炉内にて30分間静置して導電性基体を得た。
続いて、図1に示す単層クロスヘッド102を具備する押出成形装置として、汎用のゴム用押出機101(商品名:「ベント付き押出機」、三葉製作所製;スクリュー直径が45mm、L/D=20押出機、Lはスクリュー長さ、Dはスクリュー直径)を使用した。スクリューのフライト形状は、真空ベントゾーンを除く箇所についてフルフライト形状とした。押出時の温調はヘッド温度80℃、シリンダ温度80℃、スクリュー温度80℃とした。単層クロスヘッドの先端には、内径がφ9.8mmの口金を装着した。押出機(図1)による未加硫ゴム組成物A1の吐出速度(単位時間あたりの押出量)を所定の弾性ローラの外径となるように押出機のスクリュー回転数を10.5rpmとした。
上記押出機および単層クロスヘッドを用いて、導電性基体201を送りロール103によりクロスヘッドへ挿入し、導電性基体201を中心軸として、同軸上に円筒状に、未加硫ゴム組成物A1を被覆して、外径がΦ9.4mmである帯電部材予備成形体104を得た。
この帯電部材予備成形体を熱風炉にて160℃で1時間加熱、加硫して、導電性基体の外周に導電性被覆層を形成した。この導電性被覆層の両端部を切断除去して、長さが224.2mmの導電性被覆層を有するローラを得た。
次いで、この導電性被覆層の外周面を、プランジカット式の円筒研磨機(水口製作所製、砥石:GC-120)を用いて研磨して、外径がΦ8.5mm、長さが224.2mmの導電性弾性層を有する弾性ローラA1を得た。クラウン量は100μmであった。
(クラウン量の測定方法)
外径測定機としては、(商品名:「LS−7500(コントローラ)」および「LS−7030M(測定部)」、キーエンス社製)を用いて、導電性弾性層の長手方向の中央部(112.1mm)と、中央部より両端方向に各90mm部(22.1mm、202.1mm)の3箇所の外径を測定する。中央部の外径をD2、両端方向に各90mm部の外径をそれぞれD1、D3とし、クラウン量Dは、D=(D2−(D1 +D3 )/2)として算出した。
(表面層の作成)
表面層A1:
最大加速電圧150kV・最大電子電流40mAの電子線照射装置(岩崎電気株式会社製)の照射口を当該弾性ローラA1の軸方向と平行に設置して、当該弾性ローラA1を円周方向に500rpmの回転数で回転させながら導電性弾性層上に直接電子線を照射して表面に電子線処理層(表面層A1)を形成した。このようにして帯電ローラA1を得た。なお、電子線の照射条件としては加速電圧150KV、電子電流15mA、照射時間1sec、の設定とした。照射時には窒素雰囲気(酸素濃度約300ppm)で行った。帯電ローラA1について、導電性弾性層の種類、多中空粒子の種類(番号)および配合量、帯電ローラA1のクラウン量、表面層の種類を表4−1及び表4−2に示す。
[耐久性能の評価]
図7に示す構成を有する電子写真装置であるカラーレーザープリンタ(商品名:HPColar LaserJet CP4525dn、ヒューレット・パッカード社製)を40ppm出力を60ppm(A4縦出力)で記録メディアを出力できるよう改造して使用した。1次帯電の出力は、直流電圧(Vdc)が−1100Vである。画像の解像度は、600dpiである。感光体701は感光層を含む全膜厚が40μmである有機感光体ドラムを用いた。この電子写真装置のプロセスカートリッジから帯電ローラを取り外し、帯電ローラ1をセットした。また、帯電ローラ1は、図7に示すように感光体に対し、一端で4.9N、両端で合計9.8Nのバネによる押し圧力で当接させた。
帯電ローラ1をセットしたプロセスカートリッジを15℃、10%RH環境(環境1)、23℃、50%RH環境(環境2)、及び30℃、80%RH環境(環境3)に24時間放置した後、それぞれの環境にて、耐久性能評価を行った。
具体的には、印字濃度1%画像を60ppmのスピードで2枚間欠耐久性能試験(2枚ごとにプリンタの回転を3秒停止して耐久性能評価)を行った。評価方法は、50000枚通紙後に、ハーフトーン画像(感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像)を、出力し、評価した。なお、評価は、得られたハーフトーン画像を目視にて観察し、前述した帯電ローラ表面の汚れが原因で発生する帯電部材周期のバンディング画像(横しま状の画像)ぽち画像、及びガサツキ画像を、評価した。
ここで、評価の基準は以下の通りである。
ランクA;横しま状のバンディング画像の発生はなし。
ランクB;端部にごく軽微な横しま状の画像が認められる。
ランクC;一部に横しま状のバンディング画像が帯電ローラのピッチで確認できるが、実用上問題の無い画質である。
ランクD:横しま状のバンディング画像が目立ち、画質の低下が認められる。
画像評価試験の結果、本実施例の帯電ローラA1については、横しま状のバンディング画像は発生せず良好な画像が得られた。画像ランクは、ランクAであった。評価結果を表4−1及び表4−2に示す。
〔実施例2〜21〕
導電性弾性層の種類、多中空粒子の種類(番号)および多中空粒子の添加部数、帯電ローラのクラウン量を表4−1及び表4−2に示す組み合わせとした以外は、実施例1と同様にして、帯電ローラA2〜A21を作製した。評価結果を表4−1及び表4−2に示す。
〔実施例22〕
実施例4において、表面層A1を下記の表面層A2と変更した以外は、実施例4と同様にして帯電ローラA22を作製した。評価結果を表4−1及び表4−2に示す。
表面層A2:
波長250nm近傍の紫外線ランプを当該弾性ローラA1の軸方向と平行に設置して、当該ローラA1を円周方向に回転させながら254nmの波長の紫外線を積算光量が9000mJ/cm2になるように2分間照射して、表面に紫外線処理層を形成した。なお、紫外線照射には低圧水銀ランプ(商品名:「QLC500」、ハリソン東芝ライティング(株)社製)を用いた。
〔実施例23〕
実施例4において、表面層A1を下記の表面層A3と変更した以外は、実施例4と同様にして帯電ローラA23を作製した。評価結果を表4−1及び表4−2に示す。
表面層A3:
まず以下の4成分を混合した後、室温で30分攪拌した。
・3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(加水分解性シラン化合物(A)、信越化学工業(株)):10.62g(0.045モル)、
・ヘキシルトリメトキシシラン(加水分解性シラン化合物(B)、信越化学工業(株)):26.82g(0.13モル)、
・エタノール:40.50g、
・イオン交換水:9.45g。
続いてオイルバスを用い、120℃で20時間加熱還流を行うことによって、縮合物A1を得た。この縮合物A1の理論固形分(加水分解性シラン化合物が全て脱水縮合したと仮定した時のポリシロキサン重合物の、溶液全重量に対する質量比率)は28.0質量%である。またこのときの(D)/{(A)+(B)}の値は3.0であった。
25gの縮合物A1に光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業社製)をメタノールで10質量%に希釈したものを0.7g添加し縮合物1−2を得た。縮合物1−2を固形分が5.0質量%になるようにエタノールと2−ブタノールの混合液(エタノール:2−ブタノール=1:1)で希釈し、表面層用塗布液A1を調製した。表面層用塗布液A1を用いて、図示しないリング塗布装置を用いて、導電性弾性層表面に1回塗布を行った。25℃の大気中で30秒風乾した後、実施例22と同様にして紫外線を照射し、表面層を紫外線処理した。このとき表面層の膜厚は0.05μmであった。
〔実施例24〕
実施例4において、未加硫ゴム組成物A2を用いて、導電性弾性層を形成し、表面層A1を下記の表面層A4と変更した以外は、実施例4と同様にして帯電ローラA24を作製した。評価結果を表4−1及び表4−2に示す。
表面層A4:
カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液(商品名:プラクセルDC2016、ダイセル化学工業社製)にメチルイソブチルケトン(MIBK)を加え、固形分2質量%となるように調整した。この溶液1000質量部(アクリルポリオール固形分100質量部)に対して、下記の3成分を加え、混合溶液を調製した。
・カーボンブラック(商品名:#52、三菱化学社製):25質量部、
・変性ジメチルシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニングシリコーン社製):0.08質量部、
・ブロックイソシアネート混合物(HDI(商品名:デュラネートTPA−B80E、旭化成工業社製)とIPDI(商品名:ベスタナートB1370、デグサ・ヒュルス社製)の各ブタノンオキシムブロック体の7:3混合物):80.14質量部。
このとき、ブロックイソシアネート混合物は、イソシアネート量としては「NCO/OH=1.0」となる量であった。
内容積450mLのガラス瓶に上記混合溶液200gを、メディアとしての平均粒径0.8mmのガラスビーズ200gと共に入れ、ペイントシェーカー分散機を用いて28時間分散し、ガラスビーズを除去して表面層用塗布液A2を得た。
上記表面層用塗布液A2を用いて、図示しない塗布装置を用いて、導電性弾性層表面に1回ディッピング塗布を行った。ここで、ディッピング塗布は以下の通りである。浸漬時間9秒、ディッピング塗布引き上げ速度は、初期速度20mm/s、最終速度2mm/s、その間は時間に対して直線的に速度を変化させて行った。塗布後に常温で30分間以上風乾し、熱風循環乾燥機にて80℃で1時間、更に160℃で1時間乾燥し、導電性弾性層上に表面層A4を形成した。このとき表面層の膜厚は1.5μmであった。
〔実施例25〕
実施例24において、未加硫ゴム組成物A2および多中空粒子A5を用いて、導電性弾性層を形成し、表面層A4を下記の表面層A5と変更した以外は、実施例24と同様にして帯電ローラA25を作製した。評価結果を表4−1及び表4−2に示す。
表面層A5:
実施例24の表面層用塗布液A2にメチルイソブチルケトンを加え、固形分が5質量%となるよう調整した表面層用塗布液A3を用いて表面層A5を形成した。表面層の膜厚は4.1μmであった。
〔実施例26、27〕
実施例4において、砥石の形状を変更することで帯電ローラのクラウン量を変更した以外は、実施例4と同様にして帯電ローラA26、A27を作製した。その時の帯電ローラのクラウン量はそれぞれ73μm、96μmであった。評価結果を表4−1及び表4−2に示す。
〔実施例28〕
実施例1において、多中空粒子A1の代わりに多中空粒子A14として多中空粒子(積水化成品工業株式会社製、アクリル樹脂、粒径30μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして帯電ローラA28を作製した。平均空孔径は2.6μm、比重ρは0.51g/cmであり、ρ/ρは0.73であった。評価結果を表4−1及び表4−2に示す。
〔実施例29〕
実施例9において、多中空粒子A4の代わりに多中空粒子A15として多中空粒子(積水化成品工業株式会社製、アクリル樹脂、粒径20μm)を用いた以外は、実施例9と同様にして帯電ローラA29を作製した。平均空孔径は2.1μm、比重ρは0.52g/cmであり、ρ/ρは0.75であった。評価結果を表4−1及び表4−2に示す。
〔比較例1〕
実施例4において、多中空粒子A4を中実粒子A1に変更した以外は、実施例4と同様にして、帯電ローラA30を作製した。評価結果を表4−1及び表4−2に示す。
〔比較例2〕
実施例4において、多中空粒子A4を中実粒子A2に変更した以外は、実施例4と同様にして、帯電ローラA31を作製した。評価結果を表4−1及び表4−2に示す。
〔比較例3〕
実施例10において、多中空粒子A4を中実粒子A3に変更した以外は、実施例10と同様にして、帯電ローラA32を作製した。評価結果を表4−1及び表4−2に示す。
〔比較例4〕
実施例20において、多中空粒子A4を中実粒子A4に変更した以外は、実施例20と同様にして、帯電ローラA33を作製した。評価結果を表4−1及び表4−2に示す。
〔比較例5〕
実施例21において、多中空粒子A4を中実粒子A5に変更した以外は、実施例21と同様にして、帯電ローラA34を作製した。評価結果を表4−1及び表4−2に示す。
Figure 2014126680
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101‥‥押出機
102‥‥単層クロスヘッド
103‥‥送りロール
104‥‥帯電部材予備成形体
201‥‥導電性基体
202‥‥導電性弾性層
203‥‥多中空粒子
204‥‥導電性弾性層表面に露出した多中空粒子
501‥‥ コレットチャック
502‥‥ 駆動モータ
503‥‥ 研磨砥石
504‥‥ 研磨砥石用駆動モータ
601‥‥金属製円柱
602‥‥軸受け
603‥‥安定化電源
604‥‥電流計
701‥‥感光体
702‥‥帯電ローラ
703‥‥現像ローラ
704‥‥印刷メディア
705‥‥転写ローラ
706‥‥定着装置
707‥‥クリーニングブレード
708‥‥潜像形成装置
709‥‥弾性規制ブレード
710‥‥トナー供給ローラ
711‥‥現像用電源
712‥‥帯電用電源
713‥‥転写用電源

Claims (7)

  1. 導電性基体と、導電性弾性層とを有する帯電部材において、
    該導電性弾性層は、バインダーとして、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、エピクロルヒドリンゴムから選ばれる少なくとも1種のゴムを含み、
    該導電性弾性層は、多中空粒子を、該導電性弾性層から一部が露出した状態で保持しており、
    該帯電部材は、該多中空粒子の中空部分に由来する凹部を表面に有し、
    該多中空粒子は、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリロニトリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、及びこれらの樹脂を構成するモノマーの2種以上を含む共重合体樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含んでいる
    ことを特徴とする帯電部材。
  2. 前記導電性弾性層の表面と、該導電性弾性層の表面から露出している前記多中空粒子とを被覆する表面層を更に有し、
    該表面層は、該多中空粒子の中空部分に由来する凹部をその表面に有する請求項1に記載の帯電部材。
  3. 前記導電性弾性層中における前記多中空粒子の含有率が、前記導電性弾性層中の前記ゴム100質量部に対して、5質量部以上80質量部以下である請求項1または2に記載の帯電部材。
  4. 前記多中空粒子の平均粒径は5μm以上100μm以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の帯電部材。
  5. 前記多中空粒子中の空孔径は、平均空孔径として1μm以上15μm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の帯電部材。
  6. 前記多中空粒子の比重は、内部に空孔を有さない中実粒子の比重に対して50%以上80%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電部材。
  7. 電子写真感光体と、該電子写真感光体に接触配置される帯電部材とを具備しており、該帯電部材が請求項1〜6のいずれか一項に記載の帯電部材であることを特徴とする電子写真装置。
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