JP2005165213A - 帯電部材、画像形成装置、帯電方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents

帯電部材、画像形成装置、帯電方法及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】 初期および耐久後にも良好な帯電性を得ることの出来る電子写真用DC帯電ローラの提供。
【解決手段】 導電性支持体と、該導電性支持体上に設けられた、導電性弾性体基層と、該導電性弾性体基層上に設けられた少なくともモノマー成分の異なる高分子重合体粒子2種類以上を含有する表層とを有することを特徴とする帯電部材。
【選択図】 図1

Description

本発明は帯電部材、それを用いた画像形成装置、帯電方法及びプロセスカートリッジに関し、詳しくは本発明は、電圧を印加して被帯電体である電子写真感光体表面を所定の電位に帯電処理するための帯電部材、それを用いた画像形成装置、帯電方法及びプロセスカートリッジに関する。
電子写真画像形成装置の一次帯電の方法として、接触帯電方法が実用化されている。これは、導電性支持体(芯金)の外周に導電性弾性層を設け、該導電性弾性層外周に抵抗層を被覆して設けた帯電ローラを用い、芯金に電圧を印加し、帯電ローラと感光体の当接ニップの近傍で微小な放電をさせて感光体の表面を帯電する方法である。
実際に普及している方法としては、例えば特開平1−204081号公報のように、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加するAC+DC帯電方式で、この場合、帯電の均一性を得るために重畳する交流電圧には、直流電圧印加時の帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧Vppを持つ電圧が使用されている。
AC+DC帯電方式は、交流電圧を印加することにより安定した帯電を行える方法であるが、交流の電圧源を使用する分、帯電部材に直流電圧のみを印加するDC帯電方式に比較して、画像形成装置のコストが高くなってしまう。そこで、例えば特開平5−341627号公報では、DC帯電方式についての提案がなされている。
DC帯電方式は、AC帯電方式に比較して一般的にコストが低いが問題点もある。つまり、AC+DC帯電のようにAC電流の均し効果が無いため、帯電の均一性が、AC+DC帯電方式に比較して劣る。また、やはり均し効果が無いということで、帯電ローラ表面に付着した汚れや、帯電ローラ自身の電気抵抗の不均一性が画像に出易いという問題もある。
例えば前記特開平5−341627号公報は、帯電ローラの構成の場合、導電性弾性体基層の電気抵抗が大き過ぎて、特に15℃/10%RHの様な低温低湿の環境中では感光体を帯電する能力が不充分である。つまり低温低湿の環境中では、例えば600dpiの中間調画像の様な高精細画像を出力した場合に細かい白スジが発生する。
そこで、抵抗を小さくするために導電性弾性体に電子導電性の導電剤を添加した場合、今度はローラの部位による電気抵抗のムラが画像上に現れてしまい、やはり充分に均一な帯電が不可能となる。特開平11−100549号公報にはカーボンブラックで抵抗を調整したNBRゴムにポリオレフィン系ポリオールを2種類以上のイソシアネートで架橋した表層をコートした事務機器用部材が記載されているが、このような構成の帯電部材では抵抗の均一性の要求特性が厳しいDC帯電用帯電部材として用いた場合に良好な帯電特性を得ることはできない。
また、印刷メディアの厚さ等の理由により、電子写真装置を異なる2つ以上のプロセススピードで駆動して画像を出力するような場合には、DC帯電方式は、AC帯電方式に比較して良好な帯電特性を発揮するプロセススピードの範囲が狭いという問題点もある。
この問題を解決するには、帯電ローラ表面を適度に粗面化すると効果的である。しかし帯電ローラ表面を粗面化すると、長期間の使用により帯電ローラ表面が汚れやすくなり、汚れが帯電不均一性の原因となって画像に出てしまうという問題もある。
本発明の目的は、このような課題に対処してなされたもので、DC帯電法によって、例えば600dpiの中間調画像の様な高精細画像を出力した場合においても、長期間安定した帯電が行える帯電部材を提供することにある。
本発明の別の目的は、上記帯電部材を用いた画像形成装置、帯電方法及びプロセスカートリッジを提供することにある。
本発明の別の目的は、上記帯電部材を用いた画像形成装置、帯電方法及びプロセスカートリッジを提供することにある。
帯電部材が、導電性支持体と、該導電性支持体上に設けられた、導電性弾性体基層と、該導電性弾性体基層上に設けられた少なくともモノマー成分の異なる高分子重合体粒子2種類以上を含有する表層とを有することを特徴とする。
帯電ローラの表層が、帯電ローラの表面を粗面化するための球状の樹脂粒子と、帯電ローラ表面の汚れにくさを向上させるためのフッ素樹脂粒子を含有することにより、長期間にわたって良好な帯電特性を維持することが出来る。
また、本発明に従って、像担持体と、像担持体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、該像担持体の帯電面に静電潜像を形成する露光手段と、該像担持体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化しトナー像を形成させる現像手段と、該トナー像を被転写部材に転写させる転写手段とを備えた画像形成装置において、該帯電手段は上記帯電部材であり、該帯電部材に直流電圧のみを印加して像担持体を帯電させることを特徴とする画像形成装置が提供される。
また、本発明に従って、被帯電体を帯電手段で帯電させる帯電方法において、該帯電手段が上記帯電部材であり、該帯電部材に直流電圧のみを印加して被帯電体を帯電させることを特徴とする帯電方法が提供される。
更に、本発明に従って、像担持体上に形成された静電潜像をトナーを転移させて可視化してトナー像を形成し、該トナー像を被転写部材に転写することにより画像を形成する画像形成装置から着脱自在に構成されているプロセスカートリッジにおいて、像担持体と、該像担持体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化しトナー像を形成させる現像手段と、前記被転写部材にトナー像が転写された後に該像担持体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、から選ばれる1つ又は2つ以上が、上記帯電部材と一体に支持されることを特徴とするプロセスカートリッジが提供される。
本発明により、DC帯電法によって、例えば600dpiの中間調画像の様な高精細画像を出力した場合においても、良好な帯電特性により、異なるプロセススピードで使用しても長期間安定した帯電が行える帯電部材を提供することができる。
また、本発明の帯電部材を使用することにより、DC帯電法によって高精細画像を出力した場合においても、良好な帯電特性により、異なるプロセススピードで長期間安定した帯電が行える画像形成装置、帯電方法及びプロセスカートリッジを提供することができる。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明者らは、DC帯電用帯電部材の構成として、導電性支持体と、該導電性支持体上に設けられた、導電性弾性体基層と、該導電性弾性体基層上に設けられた少なくともモノマー成分の異なる高分子重合体粒子2種類以上を含有する表層とを有することにより、異なるプロセススピードで使用しても長期間安定した帯電が行える帯電部材を提供することができるという知見をして本発明に至った。
従来、DC帯電方式では低温低湿環境下で安定な帯電を得ることが難しかった。また、印刷メディアの厚さ等の理由により、ひとつの電子写真装置を異なる2つ以上のプロセススピードで使用するような場合には、DC帯電方式は、AC帯電方式に比較して良好な帯電特性を発揮するプロセススピードの範囲が狭いという問題点もあった。本発明においては、少なくともモノマー成分の異なる高分子重合体粒子2種類以上を含有する表層とを有する表層を用いることにより、DC帯電法によって、例えば600dpiの中間調画像の様な高精細画像を出力した場合においても、良好な帯電特性により、異なるプロセススピードで使用しても長期間安定した帯電が行える帯電部材を提供する。このようなローラを使用することにより、異なるプロセススピードで使用可能で、かつ電気抵抗のムラに対する要求が厳しいDC帯電方式に使用することができる帯電部材が得られるということを発見し本発明に至った。
次に、本発明の帯電部材、それを用いた画像形成装置、帯電方法及びプロセスカートリッジを説明する。
<1>帯電部材
本発明の帯電部材は、導電性支持体と、該導電性支持体上に設けられた導電性弾性体基層と、該導電性弾性体基層上に設けられた少なくともモノマー成分の異なる高分子重合体粒子2種類以上を含有する表層とを有する。
本発明の帯電部材の具体的な構成を図1に示す。図1(a)は、帯電部材の横断面を示し、図1の(b)は、縦断面を示したものである。
本発明の帯電部材は、導電性支持体1とその外周に形成された導電性弾性体基層2と、該導電性弾性体基層2の外周を被覆する表層3とを有する帯電部材である。
図1に示す本発明で使用する導電性支持体1は、炭素鋼合金表面に5μmの厚さのニッケルメッキを施した円柱である。導電性支持体を構成する材料として他にも、例えば鉄、アルミニウム、チタン、銅及びニッケル等の金属やこれらの金属を含むステンレス、ジュラルミン、真鍮及び青銅等の合金、更にカーボンブラックや炭素繊維をプラスチックで固めた複合材料等の、剛直で導電性を示す公知の材料を使用することもできる。また、形状としては円柱形状の他に、中心部分を空洞とした円筒形状とすることもできる。
本発明では、まず上記導電性支持体1の外周に導電性弾性体基層2を成形する。導電性弾性体基層2は導電性弾性体からなっている。導電性弾性体は、導電剤と高分子弾性体とを混合して成形される。導電剤は少なくともイオン導電剤が含有されている。高分子弾性体としては特にエピクロルヒドリンゴムが好適に用いられる。エピクロルヒドリンゴムは、ゴム自体に若干の導電性があり、導電剤の添加量が少なくても良好な導電性を発揮することが出来、また、環境や位置による電気抵抗のバラツキも小さくすることが出来るので、高分子弾性体として好適に用いられる。
エピクロルヒドリンゴムは、エピクロルヒドリンを中心とする環状のエーテルの開環重合体であり、ゴムを構成する主な単量体には、エピクロルヒドリン、エチレンオキシド及びアクリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
重合体であるエピクロルヒドリンゴムとしては、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体及びエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体等が挙げられる。この中でも安定した中抵抗領域の導電性を示すことから、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体が特に好適に用いられる。エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体は、重合度や組成比を任意に調整することで導電性や加工性を制御できる。
高分子弾性体はエピクロルヒドリンゴムを主成分とするが、必要に応じてその他の一般的なゴムを含有されてもよい。
その他の一般的なゴムとしては、例えばEPM(エチレン・プロピレンゴム)、EPDM(エチレン・プロピレンゴム)、ノルボーネンゴム、NBR(ニトリルゴム)、クロロプレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、ウレタンゴム、SBS(スチレン・ブタジエン・スチレン−ブロックコポリマー)、SEBS(スチレン・エチレンブチレン・スチレン−ブロックコポリマー)等のスチレン系ブロックコポリマー及びシリコーンゴム等が挙げられる。
上記の一般的なゴムを含有する場合、その含有量は、高分子弾性体全量に対し1〜50質量%であるのが好ましい。
導電剤としては、導電性弾性体基層の電気抵抗率のムラを小さくするという目的により、イオン導電剤を含有することが必要である。イオン導電剤が高分子弾性体の中に均一に分散し、導電性弾性体の電子抵抗率を均一化することにより、帯電ローラを直流電圧のみの電圧印加で使用したときでも均一な帯電を得ることができる。
イオン導電剤としては、例えば、LiClOやNaClO等の過塩素酸塩、4級アンモニウム塩等が挙げられ、これらを単独又は2種類以上組み合わせて用いることができる。イオン導電剤の中でも、環境変化に対して抵抗が安定なことから特に過塩素酸4級アンモニウム塩が好適に用いられる。
イオン導電剤に加えて、導電性弾性体の電気抵抗にムラを生じさせない範囲で、電子導電性の導電剤を添加することができる。電子導電性の導電剤は、電子導電性の導電剤の担う導電性が、イオン導電剤の担う導電性よりも小さい範囲で使用することができる。すなわち、電子導電性の導電剤は、高分子弾性体にイオン導電剤のみを添加した場合の体積抵抗率に対して、電子導電性の導電剤を加えて添加した場合の体積抵抗率が1/2以上であるような配合割合で使用することができる。電子導電性の導電剤としては、例えば、アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀等の金属系の粉体や繊維、カーボンブラック、金属粉や酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物、硫化銅、硫化亜鉛等の金属化合物粉、又は適当な粒子の表面を酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化モリブデン、亜鉛、アルミニウム、金、銀、銅、クロム、コバルト、鉄、鉛、白金、ロジウムを電解処理、スプレー塗工、混合振とうにより付着させた粉体、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、PAN(ポリアクリロニトリル)系カーボン、ピッチ系カーボン等のカーボン粉がある。これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明において、これらの導電剤の配合量は導電性弾性体の体積抵抗率が、低温低湿環境(L/L:15℃/10%RH)、常温常湿環境(N/N:23℃/55%RH)、高温高湿環境(H/H:30℃/80%RH)で、中抵抗領域(体積抵抗率が1×10〜1×10Ω・cm)になるような量が好ましい。
導電性弾性体の体積抵抗は、厚さ1mmのシートに成型した後、両面に金属を蒸着して電極とガード電極とを作製し、微小電流計(ADVANTEST R8340A ULTRA HIGH RESISTANCE METER (株)アドバンテスト社製)を用いて200Vの電圧を印加して30秒後の電流を測定し、膜厚と電極面積とから計算して求める。
導電性弾性体の体積抵抗率がこれよりも小さいと、像担持体である感光体にピンホールがあった場合に大電流がピンホールに一気に集中してしまい、穴をより大きくしてしまったり、穴以外の場所に電流が流れなくなって高精細なハーフトーン画像上に黒い帯となって帯電電位が不足した部分が現れてしまったりといった不具合が発生する恐れがある。逆に体積抵抗率が大き過ぎると、導電性弾性層中で印加電圧が降下してしまい、必要な放電電流が得られずに感光体を所望する電位に均一に帯電させることができなくなることがある。
この他にも導電性弾性体には必要に応じて、可塑剤、充填剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、分散剤及び離型剤等の配合剤を加えることも好ましい。
導電性弾性体の成形方法としては、上記の導電性弾性体の原料を混合して、例えば、押し出し成形や射出成形、圧縮成形等の公知の方法が挙げられる。また、導電性弾性体基層は、導電性支持体の上に直接導電性弾性体を成形して作製してもよいし、チューブ形状に成形した導電性弾性体を導電性支持体に被覆させてもよい。なお、導電性弾性体基層の作製後に表面を研磨して形状を整えてもよい。
導電性弾性体基層の形状は、出来上がった帯電ローラと感光体との当接ニップ幅がローラの長手方向の分布でできるだけ均一になるよう、導電性弾性体基層ローラの中央部の直径が端部の直径よりも大きいクラウン形状となっていることが好ましい。また、出来上がったローラの当接ニップ幅が均一となるために、導電性弾性体基層ローラの振れが小さい方が好ましい。
振れの測定値は、図2のように、導電性基体を回転軸として導電性弾性体基層ローラを回転させ、回転軸と垂直に非接触レーザー測長器(本発明においては、(株)キーエンス製LS−5000)で測定した導電性弾性体基層の半径の最大値と最小値の差を値として求める。導電性弾性体基層の軸方向に1cmピッチで前記半径の最大値と最小値の差を求め、その値の中で最大の値を導電性弾性体基層ローラの振れの値とする。
また、ローラの直径とは、同様に導電性基体を回転軸として導電性弾性体基層ローラを回転させ、回転軸と垂直に非接触レーザー測長器で測定した導電性弾性体基層の直径の最大値と最小値の平均とする。
導電性弾性体基層ローラの軸方向中央部の直径と、弾性体の両端部から10mm中央側の部分の直径の値2つの平均との差を、クラウン量の値として求める。
導電性弾性体基層ローラの振れの好ましい値は、ローラ中央部の直径の0.5%以下、より好ましくは0.25%以下である。本発明のローラの直径は12mm程度が好ましいので、振れの値は具体的には60μm以下が好ましく、より好ましくは30μm以下とする。
クラウン量の値は出来上がったローラのニップ幅が均一になるように決めるが、好ましくはローラ直径の0.1〜5.0%、具体的には12μm〜600μmが好ましい。
導電性弾性体のアスカーC硬度は、85°以下が好ましく、より好ましくは80°以下である。アスカーC硬度が85°を超えると、帯電部材と感光体との間のニップ幅が小さくなり、帯電部材と感光体との間の当接力が狭い面積に集中し、当接圧力が大きくなる。これによって帯電が安定しなくなったり、あるいは感光体や帯電部材の表面に現像剤その他が付着し易くなったりする等の弊害が顕著になる。
なお、「アスカーC硬度」とは、日本ゴム協会標準規格SRIS0101に準拠したアスカーC型スプリング式ゴム硬度計(高分子計器株式会社製)を用いて測定した帯電部材の硬度であり、常温常湿(23℃/55%RH)の環境中に12時間以上放置した帯電部材に対して該硬度計を10Nの力で当接させてから30秒後に測定した値とする。
アスカーC硬度を小さくするため、導電性弾性体に可塑剤を配合する。配合量は、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。可塑剤としては、例えばセバシン酸とプロピレングリコールの共重合体のような、エステル系の高分子可塑剤を用いることができる。このようなエステル系の可塑剤はエピクロルヒドリンゴムとの極性が近く、比較的大量に配合することが可能であり、基層の硬度を小さく制御できるメリットがある。高分子可塑剤の分子量は、好ましくは2000以上、より好ましくは4000以上である。分子量が2000より小さいと可塑剤がローラの表面に染み出してきて感光体を汚染する可能性がある。
導電性弾性体基層は、必要に応じて導電性支持体と接着剤を介して接着される。この場合、接着剤は導電性であることが好ましい。導電性とするため、接着剤には公知の導電剤を有することができる。
接着剤のバインダーとしては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の樹脂が挙げられ、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、ポリエーテル系、エポキシ系、等の公知の接着剤を用いることができる。
導電剤としては、例えば、LiClOやNaClO等の過塩素酸塩、4級アンモニウム塩等のイオン導電剤、アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀等の金属系の粉体や繊維、カーボンブラック、金属粉や酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物、硫化銅、硫化亜鉛等の金属化合物粉、又は適当な粒子の表面を酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化モリブデン、亜鉛、アルミニウム、金、銀、銅、クロム、コバルト、鉄、鉛、白金、ロジウムを電解処理、スプレー塗工、混合振とうにより付着させた粉体、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、PAN(ポリアクリロニトリル)系カーボン、ピッチ系カーボン等のカーボン粉がある。これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
導電性弾性体基層が完成した後に、その被覆層として表層3を設ける。
本発明の帯電部材の表層は少なくともモノマー成分の異なる高分子重合体粒子2種類以上を含有する。
高分子重合体粒子のうち、少なくとも一種類がフッ素樹脂微粒子であるが好ましい。フッ素樹脂を含有すると、帯電ローラを長期間使用しても帯電ローラ表面の汚れが抑えられ、汚れ起因の帯電ムラが画像に出ることを防止する効果があるのでDC帯電ローラ用として特に好ましい。
本発明に用いられるフッ素樹脂微粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂及びそれらの共重合体、フッ化炭素等の中から1種あるいはそれ以上が適宜選択されるが、特に四フッ化エチレン樹脂粉体、フッ化ビニリデン樹脂粉体、フッ化炭素粉体が好ましい。粉体の分子量や粉体の粒径は市販グレードから適宜選択して用いることができるが、特に低分子量グレードのものが好ましい。フッ素樹脂微粒子の一次粒子径は1.0μm以下程度の微粒子であることが好ましい。フッ素樹脂微粒子の添加量は塗工後の表層中の質量割合として、1〜80%が好ましい。少なすぎるとフッ素樹脂微粒子を添加して非汚染性が高まる効果が得られないし、多すぎる出来上がった塗膜の強度が低下するので好ましくない。
次に、フッ素樹脂微粒子以外の少なくとも一種類の重合体粒子が、平均円形度が0.9以上で、かつ円形度標準偏差が0.04未満ある架橋した樹脂微粒子であることが好ましい。架橋していないと表層塗工用の塗料としたときに溶解する恐れがあるので好ましくない。架橋した高分子微粒子を作るモノマーとしては、特には限定しないが、重合の容易さ等から、ビニル系のモノマーが好適に用いられる。
本発明に用いるビニル系モノマーは、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸へキシル等のメタクリル酸エステル、スチレン、pーメチルスチレン、α−メチルスチレン等の芳香族系ビニル単量体、酢酸ビニル、アクリロニトリル等が挙げられる。
樹脂粒子が架橋された高分子微粒子となるために、本発明においては、上記のビニル系モノマー以外に、分子内にビニル基を2つ以上有する架橋性のビニル系モノマーを使用する。このような架橋性のビニル系モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、等が挙げられる。これら架橋性のビニル系モノマーの添加量は、非架橋性のビニルモノマーに対して0.5〜30質量部が好ましい。
これらの架橋された高分子微粒子は、シード乳化重合、分散重合、懸濁重合等により重合されるが、低分子の界面活性剤等の残留が少ないので、懸濁重合によって重合されることが好ましい。重合開始剤は、特に限定されないが、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化物系触媒、アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ系触媒が挙げられる。
本発明で使用される架橋された高分子微粒子は、形状がより真球形状に近いことがより好ましい。
具体的には、平均円形度が0.95以上であることが好ましい。平均円形度が0.95以上となるように高分子微粒子の粒子形状を精密に制御することにより、帯電ローラの表面粗さが均一になり、異なるプロセススピードで使用してもより均一な帯電特性を得ることが出来る。
さらに、円形度標準偏差が0.040未満であることがより好ましい。円形度標準偏差が0.04未満となるように高分子微粒子の粒子形状を精密に制御することにより、真球から大きくかけ離れた樹脂微粒子の存在割合が小さくなり、帯電ローラの表面に突発的に樹脂粒子の突起が発生して帯電を乱す確率を抑え、帯電ローラの表面粗さがさらに均一になり、異なるプロセススピードで使用してもより均一な帯電特性を得ることが出来る。
本発明における円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明では東亜医用電子社製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて粒子形状の測定を行い、円形度を下式により求める。更に下式で示すように、測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度と定義する。
Figure 2005165213
ここで、「粒子投影面積」とは二値化された樹脂粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該樹脂粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−1000」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度及び円形度標準偏差の算出に当たって、粒子を得られた円形度によって、円形度0.400〜1.000を0.010間隔で、0.400以上0.410未満、0.410以上0.420未満…0.990以上1.000未満及び1.000の如くに61分割した分割範囲に分け、分割点の中心値と頻度を用いて平均円形度及び円形度標準偏差の算出を行う算出法を用いている。
この算出法で算出される平均円形度及び円形度標準偏差の各値と、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式によって算出される平均円形度及び円形度標準偏差の各値との誤差は、非常に少なく、実質的には無視できる程度であるため、本発明においては、算出時間の短絡化や算出演算式の簡略化の如きデータの取り扱い上の理由で、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式の概念を利用し、一部変更したこの様な算出法を用いている。
本発明における円形度は、粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、粒子が完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02gを加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「UH−50型」(エスエムテー社製)に振動子として5φのチタン合金チップを装着したものを用い、5分間分散処理を用い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。
樹脂粒子の形状測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時の樹脂粒子濃度が3000〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し樹脂粒子を1000個以上計測する。
樹脂粒子の平均粒径は、100μm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.5〜50μmであることが好ましい。さらに好ましくは、1〜25μmであることが好ましい。また、質量平均粒径の3倍以上の粒径を有す樹脂粒子が実質的に皆無であることが好ましい。粒径が大きすぎると帯電ローラ表面が粗れ過ぎて帯電が不均一になってしまうという弊害がある。また、小さすぎると樹脂粒子を添加して低プロセススピードの領域での帯電を安定化させる効果が現れないので好ましくない。
以下に、本発明における樹脂粒子の粒径測定の具体例を示す。
電解質溶液100〜150mlに界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml添加し、これに測定試料を2〜20mg添加する。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で1〜3分間分散処理して、コールターカウンターマルチサイザーにより17μmまたは100μm等の適宜樹脂粒子サイズに合わせたアパチャーを用いて体積を基準として0.3〜40μmの粒度分布等を測定するものとする。この条件で測定した個数平均粒径、質量平均粒径をコンピュータ処理により求め、体積基準の粒度分布より重量平均粒径の3倍径累積分布以上の累積割合を計算し、3倍径累積分布以上の累積値を求める。
樹脂粒子の添加量は塗工後の表層中の質量割合として、1〜80質量%が好ましい。少なすぎると樹脂粒子を添加して帯電が安定する効果が得られないし、多すぎると表層塗料の粘度の制御が難しくなり、均一に塗工することが難しくなるので、好ましくない。
表層のバインダーとしては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の樹脂が用いられる。
本発明の表層のバインダーとしては、ラクトン変性アクリルポリオールを、イソホロンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートとで架橋したウレタン樹脂が特に好適に用いられる。
表層のポリオールを架橋させるイソシアネートとしてヘキサメチレンジイソシアネートを単独で用いた場合、表層が柔軟でローラの塗工後の表面が均一に仕上がるというメリットがある反面、苛酷な高温高湿環境では出来上がった表層が基層中の未加硫成分(例えば、イオン導電剤や可塑剤)がローラ表面へ染み出してくることを充分に阻止できない可能性がある。このような染み出し物質が存在すると、感光体を汚染する可能性がある。
一方、表層のポリオールを架橋させるイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネートを単独で用いた場合、表層が基層からの染み出し物質の染み出しを防止する効果は大きいが、表層が固くなり過ぎて基層ゴムの熱収縮に追従できず、出来上がったローラの表面にシワが発生し、ローラの表面粗さや形状の面で望みのローラを得ることができないという弊害がある。
本発明のローラの表層は、イソホロンジイソシアネートの染み出し物質ブロック性とヘキサメチレンジイソシアネートの柔軟性とを併せ持った良好な特性をもつ表層樹脂を提供し、イオン性の基層からの染み出し物質がローラ表面に染み出してくることを防止しつつ、良好な表面形状を有する帯電ローラを得ることができる。
すなわち、本発明において表層に用いる樹脂は、ラクトン変性アクリルポリオールとイソホロンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートとをブレンドし硬化させることにより、ラクトン変性アクリルポリオールに対してイソホロンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートとがランダムに反応して、架橋構造が形成されたものである。
本発明に用いるイソシアネートは、イソシアヌレート型の3量体とすることがより好ましい。分子の剛直な3量体が架橋点となり、表層がより密に架橋することができ、イオン性の基層からの染み出し物質がローラ表面に染み出してくることをより一層効果的に防止することができる。
また、本発明に用いるイソシアネートは、イソシアネート基がブロック剤によりブロックされたブロックイソシアネートとすることがより好ましい。この理由としては、上記イソシアネート基は反応し易く、表層塗料を常温に長時間放置しておくと徐々に反応が進み、塗料の特性が変化してしまう恐れがあるからである。これに対してブロックイソシアネートは、活性なイソシアネート基がブロックされ、ブロック剤の解離温度までは反応しないので、塗料の取扱が容易になるというメリットがある。マスキングを行うブロック剤には、フェノール、クレゾール等のフェノール類、ε−カプロラクタムのラクタム類及びメチルエチルケトオキシム等のオキシム類等が挙げられるが、本発明の場合、解離温度が比較的低温のオキシム類が好ましい。
本発明の表層樹脂を構成するラクトン変性アクリルポリオールとブロックイソシアネートの3量体を図示する。
Figure 2005165213
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一方、ラクトン変性アクリルポリオールのOH価は80KOHmg/g程度であることが好ましい。OH価が少ないと、イソシアネートで架橋されにくくなり、それによって樹脂が柔らかくなり過ぎて感光体に貼り付き易くなる。OH基が大き過ぎると塗膜が硬くなり過ぎて割れ易くなる。
本発明のラクトン変性アクリルポリオールは、分子鎖骨格がスチレンとアクリルの共重合体であり、適度な硬度と非汚染性を有する。また、末端に水酸基を有する変性したラクトン基が多数の架橋点となり、イソシアネートで密に架橋することが可能であり、基層からの未加硫成分の染み出しを防止することができる。このようなラクトン変性アクリルポリオールとしては、例えば、プラクセルDC2009(ダイセル化学工業株式会社製)が挙げられる。
表層に用いる樹脂のガラス転移温度Tgは粘弾性測定法で、ピーク温度が45℃以上が好ましく、特には50℃以上あることが好ましい。45℃未満であると、感光体と当接したまま長期間放置した場合に感光体に貼り付いてしまったり、あるいは帯電ローラ表面がトナー等によって汚れ易くなったりするという弊害があるので、好ましくない。
本発明におけるガラス転移温度Tgの測定方法は以下のようにする。まず、測定用の表層サンプルは、ローラ状態から表層を剥がし、5mm×40mm程度の短冊形に切り出す。測定装置は、動的粘弾性測定装置RSA−II(レオメトリックス・サイエンティフィック・エフ・イー(株)製)を用い、また治具としてフィルムテンションフィクスチャーを用いる。測定は、−50℃〜150℃の温度範囲において測定周波数6.28rad/sec、昇温速度5℃/min.、初期歪0.07〜0.25%のオートテンションモードで行う。損失正接tanδの温度分散を測定し、ピーク温度をTgとする。
また特に限定はしないが、あまりTgが高過ぎても樹脂の可撓性がなくなり、塗膜が割れ易くなるので好ましくない。Tgは、架橋させるイソシアネートの比率又は量によって調節する。
ラクトン変性アクリルポリオール樹脂とイソシアネートとの配合比は、配合した塗料中のイソシアネートの中のNCO基の数(A)と、ラクトン変性アクリルポリオール樹脂中のOH基の数(B)との比、NCO/OH比=A/Bが0.1〜2.0が好ましく、特に好ましくは0.3〜1.5の範囲になるように調整する。
ラクトン変性アクリルポリオールをイソシアネートで架橋することにより、導電性弾性体基層からの低分子成分の染み出しを防止するとともに、帯電ローラ自体がトナー等に対して汚れにくく、かつ感光体を汚染しない表層を形成することができる。
表層を形成する樹脂塗料には、各種の導電剤やレべリング剤を混合することも好ましい。レべリング剤としては、例えばシリコーンオイルが挙げられる。
表層に用いる導電剤としては、例えばアルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀等の金属系の粉体や繊維、カーボンブラック、金属粉や酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物、硫化銅や硫化亜鉛等の金属化合物、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化モリブデン、亜鉛、アルミニウム、金、銀、銅、クロム、コバルト、鉄、鉛、白金、ロジウム等を電解処理、スプレー塗工、混合振とうにより表面に付着させた粉体、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、PAN系カーボン、ピッチ系カーボン等のカーボン粉が挙げられる。
本発明においては、導電剤としては、アンチモンをドープした導電性酸化スズが特に好適に用いられる。その理由は、アンチモンをドープした導電性酸化スズは、導電剤自体の体積抵抗率が比較的大きく、導電剤を分散する樹脂の体積抵抗率との差が他の導電剤に比較して小さいので、導電剤を分散して中抵抗の表層材料としたときに、導電剤の分布の僅かな差が表層材料の抵抗の差を生じにくく、抵抗の位置によるばらつきを比較的小さく抑制することができることが、本発明の表層材料の導電剤として好適であるからである。
表層の樹脂に加えるこれらの導電剤の配合量は、表層の樹脂の体積抵抗率が低温低湿環境(L/L:15℃/10%RH)、常温常湿環境(N/N:23℃/55%RH)、高温高湿環境(H/H:30℃/80%RH)で、中抵抗領域(体積抵抗率が1×10〜1×1015Ω・cm)になるように決める。
表層の体積抵抗率がこれよりも小さいと、帯電ローラとして使用した場合、感光体にピンホールがある時にピンホールに過大な電流が流れてリークしてしまい、リークした跡が画像に表れてしまうので好ましくない。逆に体積抵抗率が大き過ぎると、帯電ローラに電流が流れず、感光体を所定の電位に帯電することができず画像が所望する濃度にならないという弊害がある。また、ある程度の電位に帯電したとしても帯電が不均一になり画像上に表れてしまうので好ましくない。
表層の体積抵抗は、ローラ状態から表層を剥がし、5mm×5mm程度の短冊形に切り出す。両面に金属を蒸着して電極とガード電極とを作製し、微小電流計(ADVANTEST R8340A ULTRA HIGH RESISTANCE METER (株)アドバンテスト社製)を用いて200Vの電圧を印加して30秒後の電流を測定し、膜厚と電極面積とから計算して求める。
導電性酸化スズの配合量としては、塗工後の表層に対して10〜80質量%が好ましく、特に好ましくは20〜60質量%である。導電性酸化スズの一次粒径は、示差走査型電子顕微鏡観察で0.1μm以下が好ましい。表層塗料中で二次粒子が小さくなるまで公知の方法で分散する。二次粒子径は、遠心沈降式粒度分布計(CAPA700:堀場製作所製)による体積平均粒径MEDIANの値で、1.0μm以下が好ましく、特に好ましくは0.5μm以下に分散する。二次粒子径が大きいと表層材料の抵抗の位置によるばらつきが大きくなり、帯電ムラの原因となるので好ましくない。
本発明に用いられる導電性酸化スズは、表面がカップリング剤で表面処理されていることが好ましい。上記カップリング剤は、同一分子内に加水分解可能な基と疎水基を有し、珪素、アルミニウム、チタン又はジルコニウム等の中心元素に結合している化合物で、この疎水基部分に長鎖アルキル基を有するものである。
加水分解基としては、例えば比較的親水性の高い、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びブトキシ基等のアルコキシ基等が用いられる。その他、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、これらの変性体及びハロゲン等も用いられる。また疎水基としては、その構造中に炭素原子が6個以上直鎖状に連なる構成を含むものであればよく、中心元素との結合形態においては、カルボン酸エステル、アルコキシ、スルホン酸エステル又は燐酸エステルを介して、あるいはダイレクトに結合していてもよい。更に、疎水基の構造中に、エーテル結合、エポキシ基及びアミノ基等の官能基を含んでもよい。カップリング剤処理することで酸化スズ表面への水分の吸着を抑え、より環境変動の小さい表層材料を得ることができる。本発明に用いるカップリング剤としては、反応性が高いシランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン及びヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられるが、特に導電剤の体積抵抗率の環境変動を小さく抑えることができるので、トリフルオロプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
表層の成形方法としては、上記の表層を構成する材料を、サンドミル、ペイントシェーカ、ダイノミル及びパールミル等のビーズを利用した従来公知の分散装置を用いて公知の方法により分散させ、得られた表層形成用の樹脂塗料を、ディッピング法やスプレーコート法により、帯電部材の表面、本発明においては導電性弾性体基層の上に塗工する。表層塗料の利用効率を考慮すると、ディッピング法が好ましい。
表層の膜厚は、好ましくは、5〜100μm、より好ましくは、10〜50μmである。表層の膜厚が50μmよりも大きいと、帯電の均一性が損なわれ、画像上ローラの軸方向に細かい白スジが発生するので好ましくない。膜厚は、ローラ断面を鋭利な刃物で切り出して、光学顕微鏡や電子顕微鏡で観察することで測定できる。
表層膜厚を調整するために表層塗料の樹脂の固形分と塗工引き上げ速度を制御する。表層塗料中の樹脂の固形分を大きくすると表層の膜厚が大きくなり、固形分を小さくすると膜厚も小さくなる。本発明の表層塗料においては、揮発する溶媒に対する樹脂の固形分を10〜40%に調整する。また、塗工引き上げ速度を大きくすると膜厚が大きくなり、速度を小さくすると膜厚も小さくなるので、本発明においては塗工引き上げ速度を20〜5000mm/min.に調整する。
本発明の帯電部材の表面粗さとしては、好ましくはJISB0601−1994による十点平均粗さRzで0.5μm以上40μm以下、Raで0.1μm以上5μm以下、より好ましくは十点平均粗さRzで1μm以上30μm以下、Raで0.4μm以上6μm以下である。表面粗さがあまり大き過ぎると帯電ムラとして出力画像に表れ易いし、表面粗さが小さすぎると樹脂粒子を添加して遅いプロセススピードでの帯電を安定させた効果が現れないので好ましくない。
平均粗さ(Ra、Rz)の測定方法としては、JIS B0601の表面粗さに基づき、小坂研究所製サーフコーダーSE3400にて、軸方向3点×周方向2点の計6点について各々測定し、その平均値をとる。本発明においては、接触針は先端半径2μmのダイヤモンドとし、測定スピード0.5mm/s、カットオフλc0.8mm、基準長さ0.8mm、評価長さ8.0mmとした。
上記範囲の表面粗さを有する帯電部材とするため、基層の表面粗さ、表層の膜厚、樹脂粒子の平均粒径と添加量を調整する。基層の十点平均粗さはRzで20μm以下、より好ましくは15μm以下とする。
また、本発明の帯電部材は、図5の様に、画像形成装置に用いた場合の使用状態と同様の応力で、感光体と同じ曲率の円相形円柱形金属に当接させて、使用状態と同様の回転速度で円柱形金属を回転させながら(本発明では軸の両端にそれぞれ5Nの力を加えて、直径30mmの金属円柱に当接させ、該金属円柱の周速45mm/sで回転させた)直流電圧−250Vを印加したときの帯電部材の電気抵抗が、30℃/80%RHの高温高湿の環境中では1×10Ω以上であり、15℃/10%の低温低湿の環境中では1×10Ω以下であることが好ましい。より好ましくは、30℃/80%RHの高温高湿の環境中では2×10Ω以上であり、15℃/10%の低温低湿環境中では6×10Ω以下であることが好ましい。
低温低湿の環境中の抵抗が上記範囲より小さいと、帯電ムラによるハーフトーン画像上の細かい横白スジがほとんど発生しないので好ましい。また、高温高湿環境中の抵抗が上記範囲より大きいと、感光体にピンホールがあったとしても印加電流がリークせず、ハーフトーン画像上に帯電の濃度ムラが現れることがないので好ましい。
電気抵抗を上記範囲とするには、帯電部材の導電性弾性体基層の体積抵抗率を1×10〜1×10Ω・cmに、また表層の体積抵抗率が1×10〜1×1015Ω・cmでかつ表層の膜厚が10〜50μmになるように調整すればよい。
<2>画像形成装置
図3に本発明の帯電部材の一つの実施の形態である帯電ローラ6を用いた画像形成装置を示す。像担持体である感光体ドラム5は矢印の方向に回転しながら、帯電ローラ6によって一次帯電され、次に露光手段により露光11が照射され静電潜像が形成される。現像手段である現像ローラ4上の薄層になったトナーは、トナー帯電ローラ29で帯電され、次いで感光体ドラム5の表面と接触することによって、静電潜像が現像され、可視化したトナー像が形成される。
現像されたトナー像は、転写部材である転写ローラ8と感光体ドラム5の間の現像部において、感光体ドラム5から被転写部材である印刷メディア7に転写され、その後定着部9で熱と圧力により定着され、永久画像となる。帯電前露光装置11によって感光体ドラムに残った潜像に露光し、感光体ドラムの電位がアース電位に戻る。転写されなかった転写残トナーは、クリーニングブレード10で回収される。
現像ローラ4、トナー帯電ローラ29、帯電ローラ6、転写ローラ8のそれぞれには画像形成装置の電源18、19、20、22、から、それぞれ電圧が印加されている。
ここで、本発明の帯電部材である帯電ローラ6には、電源20から直流電圧が印加される。印加電圧に直流電圧を用いることで、電源のコストを低く抑えることができるという利点がある。また、交流電圧を印加したときに発生する帯電音が発生しないという利点がある。
印加する直流電圧の絶対値は、空気の放電開始電圧と被帯電体表面(感光体表面)の一次帯電電位との和とすることが好ましい。通常空気の放電開始電圧は600〜700V程度、感光体表面の一次帯電電位は300〜800V程度なので、具体的な一次帯電電圧としては900〜1500Vとすることが好ましい。
また、カラー画像形成装置とする場合は、図4の様に感光体ドラム5a〜d、像ローラ、転写ローラ8a〜d、帯電ローラ6a〜d、トナー帯電ローラ29a〜d、弾性規制ブレード30a〜d、露光11a〜d、トナー容器31a〜d等をそれぞれ4色分用意して、直列に配置することもできる。
<3>帯電方法
本発明は、帯電部材に直流電圧を印加することにより、被帯電体を帯電させる帯電方法を提供する。
<4>プロセスカートリッジ
本発明は、像担持体と、前記像担持体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化しトナー像を形成させる現像手段と、前記被転写部材にトナー像が転写された後に前記像担持体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、から選ばれる1つ又は2つ以上が、本発明の帯電部材と一体に支持され、画像形成装置から着脱自在に構成されているプロセスカートリッジである。
本発明のプロセスカートリッジは、例えば、図5に示すように、感光体ドラム5や帯電ローラ6、現像ローラ4及びクリーニングブレード10等が一体に支持された、画像形成装置の本体と脱着自在な構成である。
電子写真プロセスカートリッジが使用される前には、トナーシール27で現像ローラ4とトナーの接触を避けておくことが好ましい。
(実施例)
以下に本発明を実施例をもって説明するが、本発明は実施例よって制限されるものではない。
〔実施例1〕
<帯電ローラの作製>
(1)導電性弾性体基層の調製
エピクロルヒドリンゴム(商品名:エピクロマーCG102、ダイソー(株)製)100質量部、充填剤としての炭酸カルシウム30質量部、滑剤としてのステアリン酸亜鉛1質量部、研磨性改善のための補強材としての着色グレードカーボン(商品名:シーストSO、東海カーボン製)4質量部、酸化亜鉛5質量部、可塑剤として、セバシン酸とプロピレングリコールの共重合体(分子量8000)を5質量部、下記式の過塩素酸4級アンモニウム塩2質量部、
Figure 2005165213
老化防止剤としての2−メルカプトベンズイミダゾール1質量部をオープンロールで20分間混練し、更に、加硫促進剤としてのDM(2−ベンゾチアゾリルジサルファイド)1質量部、加硫促進剤としてのTS(テトラメチルチウラムモノサルファイド)0.5質量部、加硫剤としての硫黄1.2質量部を加えて更に15分間オープンロールで混練した。
これをゴム押し出し機を使用して、外径15mm、内径5.5mmの円筒形に押し出し、250mmの長さに裁断し、加硫缶中を使用して、160℃の水蒸気中で40分間一次加硫し、導電性弾性体基層ゴム一次加硫チューブを得た。
次に、直径6mm、長さ256mmの円柱形の導電性支持体(鋼製、表面はニッケルメッキ)の円柱面の軸方向中央部231mmに金属とゴムとの熱硬化性接着剤(商品名:メタロックU−20)を塗布し、80℃で30分間乾燥した後、120℃で1時間乾燥した。この導電性支持体を、前記導電性弾性体基層ゴム一次加硫チューブに挿入し、その後、電気オーブンの中で160℃で2時間、二次加硫と接着剤の硬化を行い、未研磨層を得た。
この未研磨層のゴム部分の両端部を突っ切り、ゴム部分の長さを231mmとした後、ゴム部分を回転砥石で研磨し、端部直径12.00mm、中央部直径12.10mmのクラウン形状で表面の十点平均粗さRz6μm、振れ25μmの導電性弾性体基層を有する帯電ローラを得た。
導電性弾性体基層を有する帯電ローラをN/N(常温常湿:23℃/55%RH)環境に24時間以上放置した後、導電性弾性体基層を有する帯電ローラの抵抗を測定したところ、3.0×10Ωであった。また、ゴム部分のアスカーC硬度は74°であった。
(2)表層の調製
導電性酸化スズ粉体(商品名:SN−100P、石原産業(株)製)50質量部に、トリフルオロプロピルトリメトキシシランの1%イソプロピルアルコール溶液を500質量部と平均粒径0.8mmのガラスビーズ300質量部を加え、ペイントシェーカで70時間分散後、分散液を500メッシュの網で濾過し、次にこの溶液をナウターミキサーで攪拌しながら100℃の湯浴で暖めてアルコールを飛ばして乾燥させ、表面にシランカップリング剤を付与し表面処理導電性酸化スズ粉体を得た。
ラクトン変性アクリルポリオール(商品名:プラクセルDC2009、ダイセル化学工業(株)製)288質量部を、972質量部のMIBK(メチルイソブチルケトン)に溶解し、固形分16質量%の溶液とした。このアクリルポリオール溶液200質量部に対して前記表面処理導電性酸化スズ粉体を57質量部、シリコーンオイル(商品名:SH−28PA、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)を0.05質量部、フッ素樹脂粉末(商品名:ルブロンL2ダイキン工業(株)製)16質量部、平均粒径12μmの架橋ポリメチルメタクリレート(商品名:MBX−12、積水化成品工業(株)製)12質量部を配合し、これに直径0.8mmのガラスビーズ200質量部を加えて、450mlのマヨネーズビンに入れてペイントシェーカを使い5時間分散した。用いた架橋ポリメチルメタクリレート樹脂粒子の粒径分布のチャートを図6に示す。
この分散液370質量部にイソホロンジイソシアネートのブロックタイプのイソシアヌレート型3量体(商品名:ベスタナートB1370、デグサ・ヒュルス製)を25.6質量部とヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型3量体(商品名:デュラネートTPA−B80E、旭化成工業製)を16.4質量部を混合し、ボールミルで1時間攪拌し、最後に200メッシュの網で溶液を濾過して表層塗料を得た。塗料の粘度は23℃の環境下で7.8mPa・sであった。
前記表層塗料をディッピンク法により前記導電性弾性体基層を有する帯電ローラの表面に塗工した。引き上げ速度400mm/minで塗工し、30分間風乾した後、ローラの塗工時の軸方向を反転してもう一度引き上げ速度400mm/minで塗工し、もう一度30分間風乾した後、80℃で30分間乾燥した後160℃で60分間乾燥した。膜厚は25μm、表層の体積抵抗率は1.3×1014Ω・cmであった。こうして完成したローラを実施例1の帯電ローラとした。
<帯電ローラの評価>
上記のようにして得られた帯電ローラを用いて、以下に示すようにして評価を行った。
本試験で使用した電子写真式レーザプリンタはA4縦出力用のマシンで、記録メディアの出力スピードは、100mm/secと30mm/secの2種類、画像の解像度は600dpiである。
感光体はアルミニウムシリンダーに膜厚18μmのOPC層をコートした反転現像方式の感光ドラムであり、最外層は変性ポリカーボネートをバインダ樹脂とする電荷輸送層である。
トナーは、ワックスを中心に荷電制御剤と色素等を含むスチレンとブチルアクリレートのランダムコポリマーを重合させ、更に表面にポリエステル薄層を重合させシリカ微粒子等を外添した、ガラス転移温度63℃、質量平均粒径6μmの重合トナーである。
一次帯電は、上記で得られた実施例1の帯電ローラを用い、直流電圧−1150Vを帯電ローラに印加した。
画像の評価は全て、ハーフトーン(感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描くような画像)画像を出力して行った。
画像評価
本試験で使用した電子写真式レーザプリンタはA4縦出力用のマシンで、記録メディアの出力スピードは、100mm/secと30mm/secの2種類、画像の解像度は600dpiである。
感光体はアルミニウムシリンダーに膜厚16μmのOPC層をコートした反転現像方式の感光ドラムであり、最外層は変性ポリカーボネートをバインダ樹脂とする電荷輸送層である。
トナーは、ワックスを中心に荷電制御剤と色素等を含むスチレンとブチルアクリレートのランダムコポリマーを重合させ、更に表面にポリエステル薄層を重合させシリカ微粒子等を外添した、ガラス転移温度63℃、質量平均粒径6μmの重合トナーである。
一次帯電は、上記で得られた実施例1の帯電ローラを用い、直流電圧−1150Vを帯電ローラに印加した。
画像の評価は全て、ハーフトーン(感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描くような画像)画像を出力して行った。
低温低湿環境(L/L:15℃/10%RH)、高温高湿環境(H/H:30℃/80%RH)における帯電が原因の初期画像不良としては、細かい横白スジが予想されるので、この横スジが全く発生しなかったものを〇、少し発生したが実用上は問題無いものを△、大量に発生したものを×とした。
さらに、各環境で印字濃度4%(感光体の回転方向と垂直方向に幅2ドット、間隔50ドットの横線を描くような画像)を連続でプロセススピード100mm/secで8000枚耐久し、各環境でハーフトーン画像を出力した。この場合、帯電ローラの表面に汚れが付着し帯電ムラとなって発生しないかどうかを見た。帯電ムラが発生しないものを〇、中程度に発生するものを△、非常にムラが大きかったものを×とした。
なお、L/LとH/Hでは画出しを行う前に帯電ローラの抵抗を測定した。抵抗の測定方法としては、まず図7(a)の様に、帯電ローラの両端の軸1を荷重のかかった軸受け33aと33bとにより感光体と同じ曲率の円柱形金属32に対して帯電ローラが平行になるように当接させる。次に図5(b)の様に、図示しないモータにより円柱形金属32を帯電ローラ使用状態と同様の回転速度で回転させ、ローラを円柱形金属に当接させたまま従動回転させながら安定化電源34から直流電圧−250Vを印加したときに帯電ローラに流れる電流を電流計35で測定して帯電ローラの抵抗を計算した(本発明では軸の両端にそれぞれ5Nの力を加えて、直径φ30mmの金属円柱に当接させ、該金属円柱の周速45mm/sで回転させた)。
実施例1の帯電ローラは良好な表面性で、高温高湿環境でも低温低湿環境でも良好な画像を2種類のプロセススピードで出力し、耐久後も良好な画像を出力した。評価結果を表1に示す。
〔実施例2、3、6、7〕
表層に添加するPMMA樹脂粒子の添加量をそれぞれ8、16、4、32部に変更した以外は、実施例1の帯電部材と同様にして実施例2、3、6、7の帯電部材を得た。初期、耐久後の画像とも実用上は問題なかった。
〔実施例4、5、8、9〕
表層に添加するPTFE樹脂粒子の添加量をそれぞれ8、32、4、64部に変更した以外は、実施例1の帯電部材と同様にして実施例4、5、8、9の帯電部材を得た。初期、耐久後の画像とも実用上は問題なかった。
〔実施例10〕
表層に添加するPTFE樹脂粒子の代わりに、フッ化カーボン微粒子を使用した以外は実施例1の帯電部材と同様にして実施例10の帯電部材を得た。初期、耐久後の画像とも実用上は問題なかった。
〔実施例11〕
表層に添加するPMMA樹脂粒子の代わりに、ポリスチレン微粒子を使用した以外は実施例1の帯電部材と同様にして実施例11の帯電部材を得た。初期、耐久後の画像とも実用上は問題なかった。
(比較例1)
PTFE樹脂微粒子を添加しなかった以外は、実施例1の帯電ローラと同様にして比較例1の帯電ローラを得た。耐久するとローラ表面が顕著に汚れ、該汚れがハーフトーン画像に表れ画像不良となり、実用に足る帯電部材は得られなかった。
(比較例2)
PMMA樹脂微粒子を添加しなかった以外は、実施例1の帯電ローラと同様にして比較例2の帯電ローラを得た。初期から横スジの帯電不良が発生し、実用に足る帯電部材は得られなかった。
以上の実施例と比較例を表1にまとめる
Figure 2005165213
表層に少なくともモノマー成分の異なる高分子重合体粒子2種類以上を含有することで異なるプロセススピードで使用しても長期間安定したDC帯電を行うことが出来る理由については、以下のことが考えられる。
すなわち、一方の樹脂粒子が帯電部材の表面を程度に粗面化することにより、初期の帯電が安定させる効果があり、もう一方の樹脂粒子が帯電部材表面の非汚染性を高める作用を発揮することで長期間に渡り帯電部材表面の汚染を防止する効果が生まれる。両者の作用が相乗効果を発揮し、異なるプロセススピードで使用しても長期間安定したDC帯電を行うことが出来るのではないかと考えられる。
本発明の帯電部材の一つの実施の形態の断面を表す概略図を示す。(a)帯電部材の横断図、(b)帯電部材の断面図。 (a)振れの測定装置の概略斜視図。(b)(a)に示す振れの測定装置の概略断面図。 本発明の一態様に係る画像形成装置の概略断面図。 本発明の他の態様に係る画像形成装置の概略断面図。 本発明の一態様に係るプロセスカートリッジの概略図。 実施例1の架橋ポリメチルメタクリレート樹脂の粒径分布を示すチャート。 (a)帯電ローラの抵抗の測定装置の概略図。(b)(a)に示す帯電ローラの測定装置の測定状態を示す説明図。
符号の説明
1 導電性支持体
2 導電性弾性体基層
3 表層

Claims (23)

  1. 導電性支持体と、該導電性支持体上に設けられた、導電性弾性体基層と、該導電性弾性体基層上に設けられた少なくともモノマー成分の異なる高分子重合体粒子2種類以上を含有する表層とを有することを特徴とする帯電部材。
  2. 該高分子重合体粒子が、絶縁性の樹脂微粒子であることを特徴とする、請求項1記載の帯電部材。
  3. 該高分子重合体粒子のうち、少なくとも一種類がフッ素樹脂微粒子であることを特徴とする、請求項1〜2記載の帯電部材。
  4. 該高分子重合体粒子のうち、前記フッ素樹脂微粒子以外の少なくとも一種類の重合体粒子が、平均円形度が0.9以上で、かつ円形度標準偏差が0.04未満ある架橋した樹脂微粒子であることを特徴とする、請求項1〜3記載の帯電部材。
  5. 該樹脂粒子は、質量平均粒径の3倍以上の大きさの粒径の粒子が含まれないことを特徴とする、請求項1〜4記載の帯電部材。
  6. 該樹脂粒子が、架橋したビニル系樹脂であることを特徴とする、請求項1〜5に記載の帯電部材。
  7. 該樹脂粒子のうち1種類がエチレングリコールビスメタクリレートとメタクリル酸メチルとの共重合体であることを特徴とする、請求項1〜6記載の帯電部材。
  8. 該樹脂粒子のうち1種類がジビニルベンゼンとスチレンとの共重合体であることを特徴とする、請求項1〜6記載の帯電部材。
  9. 前記表層に、導電剤を含有する請求項1〜8記載の帯電部材。
  10. 該導電剤が表面処理された導電性粉体であることを特徴とする、請求項1〜9記載の帯電部材。
  11. 該導電性粉体が、導電性酸化スズであることを特徴とする、請求項1〜10記載の帯電部材。
  12. 導電性弾性体基層が、エピクロルヒドリンゴムを主成分とする事を特徴とする、請求項1〜11記載の帯電部材。
  13. 導電性弾性体基層に、イオン導電剤を含有することを特徴とする、請求項1〜12記載の帯電部材。
  14. 該イオン導電剤が4級アンモニウム塩であることを特徴とする、請求項1〜13記載の帯電部材。
  15. 表層がウレタン樹脂をバインダーとする事を特徴とする、請求項1〜14記載の帯電部材。
  16. 表層のウレタン樹脂バインダーが、イソホロンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートとラクトン変性アクリルポリオールとの共重合体であることを特徴とする、請求項1〜15記載の帯電部材。
  17. イソホロンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートとがイソシアヌレートタイプの3量体であることを特徴とする、請求項1〜16記載の帯電部材。
  18. 前記モノマー成分の異なる高分子重合体粒子の質量平均粒径が異なることを特徴とする、請求項1〜17に記載の帯電部材。
  19. 該帯電部材を画像形成装置に用いた場合の使用状態と同様の応力で、感光体ドラムと同じ曲率の金属円柱に当接させて、使用状態と同様の回転速度で該金属円柱を回転させながら直流電圧−250Vを印加したときの該帯電部材の電気抵抗が、30℃/80%RHの高温高湿環境中では1×106Ω以上であり、15℃/10%RHの低温低湿環境中では1×108Ω以下であることを特徴とする、請求1〜18のいずれか1項に記載の帯電部材。
  20. 像担持体、該像担持体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、該像担持体の帯電面に静電潜像を形成する露光手段、該像担持体上に形成された該静電潜像にトナーを転移させて可視化し、トナー像を形成させる現像手段および、該トナー像を被転写部材に転写させる転写手段を備えた画像形成装置において、該帯電手段は請求項1〜19のいずれか1項に記載の帯電部材であり、該帯電部材に直流電圧のみを印加して該像担持体を帯電させることを特徴とする画像形成装置。
  21. 前記現像手段が、前記像担持体に対して前記トナーの薄層を介して接触した状態で該静電潜像を現像する接触現像手段であることを特徴とする、請求項20に記載の画像形成装置。
  22. 被帯電体を帯電手段で帯電させる帯電方法において、該帯電手段が請求項1〜20のいずれかに記載の帯電部材であり、該帯電部材に直流電圧のみを印加して被帯電体を帯電させることを特徴とする帯電方法。
  23. トナーを転移させることにより像担持体上の静電潜像を可視化してトナー像を形成し、該トナー像を被転写部材に転写することにより画像を形成する画像形成装置から着脱自在に構成されてなるプロセスカートリッジにおいて、該像担持体、該像担持体上に形成された該静電潜像に該トナーを転移させることにより可視化し、該トナー像を形成させる現像手段および、前記被転写部材に該トナー像が転写された後に該像担持体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段から選ばれる少なくとも1つが、請求項1〜20のいずれか1項に記載の帯電部材と一体に支持されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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